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りんご畑の真ん中で、そこそこ真面目に津軽クラフト談義。[TSUGARU Le Bon Marché・特別対談/青森県弘前市]
津軽ボンマルシェ・特別対談盛り上がるクラフトブームの裏の本音を、津軽のみなさんに聞いてみた。
津軽のクラフト。そう聞いて思い浮かべるのは何ですか? 県外在住の人からすると、こぎん刺しや津軽塗りといった伝統工芸のイメージが強いのではないでしょうか。しかし「津軽ボンマルシェ」チームが現地に通って実感したのは、津軽のクラフトシーンのジャンルの幅広さと、志の高い若手作家の多さです。
対談企画第二弾となる今回ご登場いただくのは、以前「津軽ボンマルシェ」で紹介した草木染のニット作品を手掛けるユニット『Snow hand made』の佐々木亮輔氏、葛西由貴さんのふたりと、弘前市のセレクトショップ『bambooforest』のヒゲもじゃ店主こと竹森 幹(かん)氏、竹森氏の店で作品を扱うキャンドル作家『YOAKEnoAKARI』の安田真子さん、40年以上青森県の魅力を発信し続けてきた出版社『グラフ青森』の編集者・小田切孝太郎氏の5人。作家として、またそれを支えるショップやメディアとして、津軽の今のクラフトシーンについて語ってもらいました。
ちなみに会場は既に「津軽ボンマルシェ」ではおなじみ、『弘前シードル工房 kimori』のテラス。りんご畑を眺めつつ緩~く進んだ対談の雰囲気が、少しでも伝われば幸いです。
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津軽ボンマルシェ・特別対談津軽人はクラフト好き? ここ10年、各地でイベントが大盛況。
竹森:津軽には色々なクラフトイベントがあるよね。『Snow hand made』や『YOAKEnoAKARI』がずっと出店してる「津軽森」(注:毎年5月に開催される青森県内最大規模のクラフトイベント)のほかにも、「クラフト小径」とか「A-line」とか。そういえば来年「C-POINT」が10年ぶりに復活するって。僕は行ったことないけど、もうみんながすごいイベントだったって話す伝説のイベント。
佐々木:しかも、どのイベントもすごく人が集まる。僕と由貴は全国各地のイベントに行くけど、津軽で開催されるイベントは売上がいいんです。関東のイベントで、現地の作家さんに「何でこっちまで来るの? 東北の方が売れるでしょ」って言われるくらい。
安田:そうみたい。ギャラリーとかでの展示販売で、高価なものでも売れるって聞いたことがある。
葛西:弘前はいいもの知ってる人が多いっていうか、みんないいものにはちゃんとお金使う気がしない?
佐々木:やっぱり元々城下町だし、基本の文化度が高いんじゃないかな。横浜生まれの自分から見てもそう思う。沖縄の波照間島で活動していたときも、やるなら波照間か弘前だなとずっと思っていて、結局こっちに引っ越してきた経緯もあるし。
竹森:うちの店は作家さんの作品も多く置いてるから、イベント開催中はお客さんがみんなそっち行っちゃって暇ですもん(笑)。終わると「行ってきました~」って報告に来てくれるけど。同じ青森県内でも、八戸とか南部エリアの主宰者から誘われて津軽の出展者が参加するケースも多いかも。
小田切:確かに大きいイベントは津軽の方が多いですよね。
葛西:県内のイベントだと同じお客さんが来てくれることも多いけど、みんな服装もバラバラだし、自分に似合うものを知ってる人たちなんだなって思う。あと結構いるのが「誰誰が着けてたあのアクセサリーください」って買いに来るお客さん。求心力のある人が持ってるものは、みんなも「それが欲しい」ってならない? 雑誌見ても東京の店まで行けないし、それよりも身近にいる人を参考にする方が間違いないって感じがあるのかも。
津軽ボンマルシェ・特別対談津軽のクラフト界を牽引してくれる人、募集中。
佐々木:(安田)真子ちゃんみたいに色んなイベントで一緒になる津軽の作り手も多いし仲もいいけど、だからといって「みんなで津軽を盛り上げよう!」という感じじゃないんだよね。みんな生きるのに必死だから(笑)。
葛西:私たちって別に副業があるわけでもないし、結構生活も厳しいんです。毎回これ売れなかったらどうしようって。周りの作家さんもみんなそうだと思う。
安田:あるね。クラフト展で会うと「大丈夫? 生きてる?」って言い合うみたいな。
葛西:うんうん。作り手同士お互いの大変さも分かるし、自分だけ稼ぐんじゃなくてみんなでがんばろうねって感じ。コラボで作品作ったり、竹森さんのお店で個展してもらったり、こっちにもあっちにも利益があるようにとは考えてやってるよね。だから余裕がない分、誰か津軽のクラフトを盛り上げてくれる人いないかなって(笑)。
竹森:それうち相当言われるもん! 「いや、こっちもそんな余裕ないです」って返すけど(笑)。
小田切:うちの出版社もすごく言われてます(笑)。でもそれって、今の青森県全体の業界に共通してて。みんなまず自分のことをおろそかにできなくて精一杯だから、繋いでくれる人や盛り上げてくれる人を常に求めている気がします。先達になりたくない津軽人の気質もちょっとあるかもしれない。何か新しいことをやると、出る杭は打たれがちという。
葛西:でも県外のイベントに出店すると、弘前で活動していてよかったなって思うんですよ。たとえば桜の木で染めた糸だったら、「弘前の桜染め」というだけで付加価値が付くじゃないですか。出店時はりんごジュースを持参して、お客さんに飲んでもらうんです。話も盛り上がるし、人も集まってくれるし。「青森出身です」とか「青森行きました」とか、わざわざ声を掛けてくれるお客さんも多いよね。
安田:逆に私は、来週引っ越していいって言われたら引っ越せる。津軽への執着心はあんまりないかも。余裕があったら、次はどこの土地へ行こうかなってすぐ旅の計画を立てちゃう。青森は嫌いじゃない、でも熱くは語れないかも。
一同:へー!そうなんだ!
葛西:でもそれはそれでいいと思う。津軽にも色んな作り手がいるし。
安田:津軽のいいところは……何だろう……、あ、食べものが美味しい。これは一番ですね。あとは、平仮名で縦書きにしたときの「つがる」という字面が、すごくきれいです。
竹森:めちゃくちゃ絞り出したね(笑)。でも安田さんらしい。
津軽ボンマルシェ・特別対談作家、職人、アーティスト。その狭間を行き来しながら。
佐々木:今って「作家」という表現がよく使われるよね。「クラフト作家」とか。自分も「職人」という表現よりは、「作家」の方がしっくりくる。たとえば藍染めなら、目指す青色に向かって染めていくのが職人で、きれいな青がでたら、その色で何作ろうって考えるのが作家という感覚。うちの工房は後者に近いから。
葛西:職人は同じものを作り続けることができるけど、作家はそのときそのときで色んなものに挑戦できるイメージかな。
佐々木:でもきちんとしたことは分からない。そもそもクラフト、工芸、民芸の違いも、みんな認識してない気がする。こぎん刺しは伝統工芸といわれるけど、工芸というより民芸だと思いません? 津軽の厳しい気候風土から生まれて、元々は庶民の持つ服を補強するための技術だから、何着も“創作”するようなものではないし。
安田:今の話を聞くと、今現在の私は職人に近いんだなって思いました。作家というよりはメーカーというか、同じものを毎日同じように作って、完成度を追求するみたいな。前はもっと作家らしかったと思うけど、今はお店へ卸している商品数の方が多い分、「どうしたらお店の人が陳列しやすいか」とかパッケージについてまで考えているから。でも、たまに「頭の中がアーティスト」だっていわれることがあります。それはキャンドルや植物を使った装飾のお仕事もしているからだと思うのですが。確かに伝統的な工芸品の技術はすごいけど、自分がやりたいと思うことではない。探求すること自体が楽しくてこの仕事をしているから、単純に今の自分の好みの問題だと思う。
竹森:それは作品からもすごく伝わる。始めた当初と、頭の中変わっちゃってるなって思うもん。今はキャンドルのクオリティも上がったけど、包装とか装飾とか、キャンドル以外の世界観もすごい。みんな驚くよね。
小田切:どこからヒントを持ってくるんですか?
安田:それもあるから県外に行くんですよ。いつも同じ人に会わないで、見慣れない風景を見る。県外に友達がいるのかっていったら、そんなにいないんです。同じものを作り続けていると、私は自分のキャラに飽きちゃう。だから見慣れない風景を求めて、5年後はまったく違うことしてるかも。
佐々木:それ、僕も同じことを思ってました。よく由貴に「10年後は全然違う仕事してる気がする」って言ってるんです。
小田切:たとえば津軽塗りとか工芸の人たちは、最初から「津軽塗りをやろう」と思ってその道に入っているから、一生それをやり続ける印象を受けますよね。でも安田さんや佐々木さん、葛西さんたちは生き方から入っているというか、「こう生きたい」という結果選んだツールがたまたまキャンドルや草木染めのアクセサリーだったという感じ。だからやりたいことを見つけたら、もしそれが今と違うことでも一生懸命になれるんだろうなという気がします。
竹森:本当だ! なるほどね、僕の周りを見てもそういう人が多いかもしれない。
小田切:かっこいいですよね。自分で自分の道を作れる生き方、いいなって思います。
津軽ボンマルシェ・特別対談今が過渡期? 津軽のクラフトブームを考察。
安田:ここ数年のSNSの普及は、かなり大きいと思います。作家として世に出やすくなりました。
佐々木:知り合いの職人さんが、今は初心者だった人がカルチャースクールで習った程度の知識ですぐ作家と名乗って活動しだすと批判していて。僕はみんなが作家を名乗っても別にいいんですけど、結局真剣にやっていかないと、長く続かないし生活もできないよって気持ちもあります。
竹森:昔は少なかったけど、今は津軽でキャンドル作ってる作家さんもすごい数いますからね。安田さんのみたいに中にりんごが入っていたり、安田さんのみたいな帯のデザインしていたり(笑)。クオリティが全然違うんだけど。
安田:(笑)。それに興味スイッチは入らないです。今は県内だけじゃなく関東や関西にも卸していて、そこでの競争率の方がかなり高いですし。もっともっとストイックに自分の表現したい景色を出していかないとと思ってます。
葛西:私たちも真似されることあるけど、そうされたら追い越されないようにしようとかもっと頑張れるからいい効果もあるなって。だからどうやって作るか聞かれたら、全部教えるようにしてる。
佐々木:やってみなよって思うよね。でも1個作るならできるかもしれないけど、10個、20個を同じ時間内に同じクオリティで作れるからこっちは生活できるのであって。相手がすぐできちゃうようなら、自分たちがまだまだってこと。だから作品の写真は撮らないでとか、コピーしないでとかは言いません。でも藍染めの染液の建て方も、茜染めの方法も、今まで教えて欲しいという人がいたからびっしり詳しく書いた資料を渡したけど、誰もやらなかったですよ。
小田切:自分はものづくりできないけど、取材先の職人さんも全部教えてくれるんですよね。多分佐々木さんたちと同じスタンスだと思います。数こなさないと見えないものがあるし。
葛西:今活躍している作家の人だって、少なからず何かに影響されてるはずだし。ちゃんと作る人が増えれば、津軽のクラフトのレベルも上がるしね。
安田:クラフトブーム、どうなるんですかね。
佐々木:来年復活するイベント「C-POINT」で、津軽のクラフトがどうなっていくのかが垣間見えるんじゃないかな。ちょっと飽和状態になってきている今この段階での復活だから。今後のことはそれを見てから考えようと思ってるけど、これからは自分の作品より、人に依頼される仕事の割合を増やしていきたい。クラフトブームには期待していないです。
小田切:残るところは残りますもんね。
竹森:じゃあ、ここからがおもしろいじゃん。僕らから下の世代の作家って、今はあまりいないじゃない? でもみんなのものづくり見て、真剣にやり始める人も出てくるはずだから。5年後の津軽がどうなっているかは分からないけど、ここにいる人は絶対残ると思う。ずっと近くで見て来て、そう確信するよね。
(supported by 東日本旅客鉄道株式会社)
場所協力:弘前シードル工房 kimori
住所:弘前市大字清水富田字寺沢52-3 (弘前市りんご公園内)
電話:0172-88-8936
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