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伝えたのは「食事は楽しむもの」という思い。ファインダイニングを舞台に繰り広げられた『1日だけのトラットリア』。[Courage/東京都港区]
クラージュ二人のシェフの競演による、特別なディナー。
2019年某日。麻布十番のイノベーティブレストラン『Courage』を舞台に、スペシャルな晩餐が繰り広げられました。『サンペレグリノ』のサポートで行われたこの晩餐の名は『1日限りのトラットリア』。ミラノ『アンティカ・オステリア・ディ・ロンケッティーノ』で腕を振るうフェデリコ・スィスティシェフが、『Courage』の大井健司シェフと手を組み、この一夜のためだけのコースを作り上げたのです。
東京を代表するファインダイニングを、あえてトラットリアに変え、大勢で、賑やかで、気さくな食事を楽しむ。そして登場するシェフ自身が、パートナーやゲストと自らの情熱を分かち合う。そんなコンセプトを持ったこの企画には、名店のシェフやフーディ、『Courage』の常連客などが集い、思い思いに楽しんだよう。素晴らしい料理と気さくな雰囲気で盛り上がったその様子をお伝えします。
クラージュカジュアルに、リラックス。醸し出されるトラットリアの世界観。
この特別な夜が実現したきっかけは、アジアを拠点に活躍する料理人やフーディのコミュニティ『ガストロノート・アジア』から自然発生的に生まれた声。誰が主催で、誰がスポンサーでという話が中心に進んだのではなく、フェデリコ氏の「ぜひ日本で活躍するイタリア料理人とのコラボをしたい」との熱意を、『Courage』のオーナーである相澤ジーノ氏と、同店の大井シェフが快諾したことが直接的な原動力でした。
「大勢の家族や友人が食卓を囲み、リラックスしながら食事をする。それがトラットリアの伝統的なスタイルです」とフェデリコシェフ。相澤氏、大井氏と揃いで「伝統は死なず」と書かれたキャップを被って、今日の日に臨みました。テーブルには、通常時の無地ではなく、ギンガムチェックのクロス。これもまた、気さくなトラットリアの伝統的なスタイルです。
フェデリコシェフと大井シェフが最初に決めたのは「テーブルを皿で埋め尽くそう!」というテーマ。それぞれが持てる技と知識を出し合い、何度も話し合いを重ねながら、今日の日の料理が完成しました。
前菜は両名のシェフがそれぞれ3品ずつ出し合いました。フェデリコシェフは「高価ではないけれどとても大切な食材」というタマネギのロースト、イタリアでポピュラーなトリッパのサラダ、メジマグロのタタキにテリヤキソースをあわせた料理の3品を用意。一方
大井シェフは「日本の和え物をイメージした」という淡路のサワラのジェノベーゼ和え、串に刺して燻製した北見のエゾシカの肉団子、自家製フォカッチャにアンチョビとモッツァレラを挟んだナポリの伝統料理モッツァレラ ディ カロッツァを仕立てました。
それぞれの個性が垣間見えつつ、全体の統一感もある。二人のシェフの間で交わされた会話が見えてくるような、魅力的な前菜が出揃いました。
クラージュ日本の食材、食文化をイタリアンにアレンジ。
料理はテンポよく、次々に登場します。メイン料理は、ピエモンテの郷土料理ボリート・ミストです。ボリートは「茹でる」、ミストは「いろいろ」、日本で言うおでんのようなこの料理。今回も牛ホホ肉、アキレス腱、仔牛のタン、スネにさまざまな野菜が盛り合わされています。ソースは3種。トラディショナルなサルサベルデは本来イタリアンパセリで作られるものが、今回はシソが使われました。パルミジャーノチーズがきいた白インゲンのピューレ・サルサビアンカ、甘酸っぱいサルサロッサ。さまざまな具材に、3種のソース、その組み合わせ方は自在です。
「伝統は大切ですが、そのまま再現する必要はありません。日本でやる意味を考え、このような形になりました」と大井シェフは振り返りました。
パスタは2皿。ひとつは手打ちタリアテッレ仔牛のラグーソース。骨髄の旨みが染み出したイタリアらしいパスタです。もう一方は、牛もも肉のタルタルとオカヒジキの蕎麦風パスタ。添えられた煮干しの出汁にくぐらせて、つけ麺のように味わいます。来日の度に日本料理を食べ歩き、さまざまなインスピレーションを得たというフェデリコシェフ。「日本の蕎麦をイメージした」と話し、大井シェフは「まんま蕎麦ですよね」と笑う。その明るい雰囲気もまた、料理のおいしさに影響するようでした。
デザートは、ホワイトチョコレートのムース カカオシュトロイゼルとパッションフルーツソース。デザートを得意とする大井シェフの技が随所に込められた逸品で、コースは締めくくられました。しかし料理が終わっても、ほとんどのゲストは会話に華が咲き、がなかなか席を離れようとしません。楽しい会話、心地よい雰囲気を誘発する料理。フェデリコシェフと大井シェフの目論見が見事成功したことは、この光景が物語っていました。
クラージュゲストにもホストにも、意義のあった晩餐。
当日訪れたゲストの中には、日本のイタリア料理界を牽引するシェフたちの姿もありました。それぞれが今日のトラットリアを堪能し、そして何か得るものがあった様子。
最初に感想を聞かせてくれたのは、10年ほど前、フェデリコシェフとともに働いていた経験があるという『アマン東京』の総料理長・平木正和氏。「みんなで賑やかに食事を楽しむのは、本当に大事なこと。自分は今ホテルにいますが、なるべくホテルの型にはまらないよう努めています。その意味を改めて確認できました」と伝えてくれました。
遅れて参加した『HEINZ BECK』のエグゼクティブシェフ・カルミネ・アマランテ氏も、このディナーから学ぶことがあった様子。「時々忘れてしまいがちですが、郷土料理は本来、貧しい時代にどうおいしく食べ、どう楽しむかから生まれたもの。今日のディナーで改めて食事の楽しむことの大切さを思い出しました」
料理を終えた大井シェフとフェデリコシェフも、やはりリラックスした様子でした。
「純粋に楽しかった。日頃はジャンルレスなフュージョン料理が中心ですから、ここまでしっかりしたイタリア料理を、しかもイタリア人シェフと一緒にやれたことは刺激になりました」と大井シェフは振り返ります。「フェデリコとはとても気が合って、メールや電話でやりとりをしながらメニューを組み立てることも楽しかった。大変でしたけどね」そう爽やかな笑顔を見せる大井シェフ。最後に「イタリア修業から時間が経ち、忘れかけていたイタリア語を思い出せたことも良かった」と笑いました。
もちろんフェデリコシェフにとっても念願かなった素晴らしい体験となった様子。「ゲストが料理について興味を持ち、あれこれ尋ねてくれました。そのやりとり、フィードバックがまさにトラットリアの魅力。僕のキャッチフレーズは“伝統は死なず”。それを表現できた最高の場でした。大井シェフやジーノさんにも感謝です」
訪れたゲスト、迎えたシェフ、それぞれに気づきと出会いがあった今回の『1日限りのトラットリア』。これをひとつのプラットフォームとして、場所を変え、ジャンルを変えて、またどこかでこんな特別な晩餐が催されるかもしれません。
住所:東京都港区麻布十番2-7-14 1F MAP
電話:03-6809-5533
定休日:日曜・祝日(不定休)
Courage HP: https://courage-tokyo.com/