放置竹林という社会問題を、竹スイーツという新たな発想で楽しむ!10月28日(月)より10日間限定で限定発売。[LIFULL Table 地球料理-Earth Cuisine/東京都千代田区]

薬師神陸シェフが紡ぎ出した4つのバンブースイーツ。左より「竹のササート」「竹団子 白餡ショコラとともに」「葛豆腐 竹炭仕立て」「竹香る和ナンシェ」。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌ食の新たな可能性を探る意欲的なイベントを開催。

2019年9月某日。江東区にある東京都現代美術館において、とある意欲的な驚きの食のイベントが開催されました。

ずばりテーマは“竹を食べる”!

いま日本全国で問題となっている「放置竹林」の竹を食べて竹害を防ぐことを目的にし、地球のためになる新たな食材を見つけるプロジェクトだというのです。このようなコンセプトを描き、プロジェクトを始動したのは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げる住生活情報サービス運営企業(株)LIFULL。地球上でまだ光の当たっていない素材にフォーカスし、その素材を食べることが地球と人のために、ひいては地球上にある新たな食材を見つけることになる。そんなコンセプトを持つ「地球料理-Earth Cuisine」プロジェクトの第二弾として開催されたのです。

昨年の第一弾では、間伐材を見事なフランス料理のフルコースにアレンジしてみせた、田村浩二氏が料理のクリエイションを担当。
そして今年、放置竹林に挑んだのは、海外からも注目を集める新進気鋭のシェフ・薬師神陸氏と、和菓子作家の坂本紫穗さん。それぞれ4品ずつ合計8品の竹スイーツをフルコース仕立てにし、ゲストを迎えた先行試食会を行ってくれました。
ONESTORYでは、その様子を昨年同様にレポート。食の新たな可能性を探る意欲的な試みに注目しました。

【関連記事】LIFULL Table Earth Cuisine/まず伝えたい「木は食べられる」という事実。杉でつくったケーキに乗せた思いとメッセージ。

屋外の会場には竹林をイメージした装飾を。竹の葉音が涼しさを演出。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌフレンチシェフが生み出す注目竹スイーツ。

最初に運ばれてきたのは、深い緑が抹茶を想起させるドリンク「竹のササート」でした。細い竹の枝をストロー代わりに使った遊び心あふれる演出。かと思いきや、ここにも世界的に問題となっているプラスチックストローの代替への意識を忍ばせているのです。そして、口当たり柔らかな竹ストローでひと口味わうと、抹茶とはまったく違う爽やかな苦味が喉を潤します。まだまだ日差しの強い晩夏のこの日にはうってつけ。聞けば、「笹の葉をライムと合わせ、さっぱりとしたモヒート風にアレンジしました」と薬師神氏。まったく新しい風味なのに、どこか味わったことのあるようなニュアンスは、和のエッセンスとして古くから用いられる竹という素材が持つ力なのだと教えてくれます。

さらに笹団子ならぬ竹団子を白餡仕立てにし、竹炭仕立ての葛豆腐を白味噌ソースで提案。〆にはフレンチの世界で活躍してきた薬師神氏ならではの竹香る和風フィナンシェという前半4品の構成に。
「何かを混ぜ合わせると個性が消え、何かを足さないと美味しくない。いきなり先制パンチを食らったような食材が竹でした。でもですね、こんな難問をひとつひとつクリアしていき、見えてきたのは「竹」って素晴らしいってことでした。面白い食材だと思います」と各ゲストを回りながら、竹の魅力を力説する薬師神氏が印象的でした。

ゲストからも次々と質問攻めにあう薬師神シェフ。

竹を使ったモヒート風のノンアルカクテルが「竹のササート」。次々とおかわりする人が続出。

どら焼きとフィナンシェの生地をあわせ、竹の幹そのものを25%使用したという「竹香る和ナンシェ」。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌ和菓子作家が魅せた竹の可能性。

続く後半4品は、和菓子作家の坂本紫穂さんが担当。最初に運ばれた「黒羊羹 竹砂糖添え」は、竹炭を用い強い黒を表現した羊羹でした。たっぷりの竹の粉を添えることで「羊羹と似ているようで、何かが違う」という違和感が生まれるような構成に、会場からは次々とどよめきが起こり、ゲストの舌を喜ばせます。

「味覚はもちろんのこと視覚、嗅覚、そして触覚(舌触り)を通して、感覚的に竹や竹害を感じる和菓子を目指しました」とは坂本さん。
青竹の落雁、白きんとんの竹包みと、和菓子作家らしい印象的な竹スイーツは、竹害から生まれた和菓子という今回のテーマそのもの。一緒に添えられた、竹しずくという竹水を和三盆でやさしく味付けした甘露が、ふわりと疲れを癒やしてくれるのです。

坂本紫穂さん創作の4品。左より「黒羊羹 竹砂糖添え」「竹しずく」「青竹の落雁」「白きんとんの竹包み」。

「自然を見つめ直すことは、私たちの生き方を見つめ直すことでもある」と坂本さん。

ほのかに和三盆の甘さが広がる「竹しずく」は、女性に好評。

ライフルテーブル/アースキュイジーヌバンブースイーツが、今秋、期間限定で一般販売開始!

成長が早く、繁殖力が高い竹は、放置すると周りの動植物の生態系への悪影響や、過密になると弱ったり枯死した地下茎が多くなり、浅根になる傾向があるため、土をかかえ留めることができず大雨の際には地滑り等の竹害を引き起こす可能性があります。そんな放置竹林の持つ課題を、見事に食材へと転化し、楽しみへと変えたふたりに、食後、会場からは惜しみない拍手が鳴り止みませんでした。

そんな新たなる食の体験で地球と向き合うことこそが、LIFULLが目指す「地球料理-Earth Cuisine」プロジェクト。食べることが地球のためになる、それは訪れた誰もが深く刻んだ食体験だったように思います。

そしてなんとこの記事を読んでいただいた方にも朗報です。 今回のスイーツの一部を期間限定で、LIFULLが運営する飲食店LIFULL Table(東京都千代田区)にて、10月28日より期間限定で一般発売。上記の竹を使った4品のスイーツが味わえることになりました。
食べておいしく、味わうだけで地球のために。そんな意欲的な挑戦をぜひ自身の舌でご体験あれ。

竹害から生まれた和菓子は、10月28日より期間限定で一般発売が決定。

辻調理師専門学校卒業後、同校のフランス料理講師としてスタート。2014年『SUGALABO』のシェフに就任し国内外で活躍。2017年にRED U-35 ​​​GOLD 受賞ほか、国内外のアワードを多数受賞。今夏独立し〝食のリテラシーを磨く〟をコンセプトにイベント企画、メニュー監修など幅広い料理人の働き方をしている。

和菓子作家。1982年栃木県宇都宮市出身。IT企業を退職後、和菓子作家としてオーダーメードの和菓子を作品とした制作・監修。和菓子教室やワークショップも行い、2016年にはミラノ・サローネにて和菓子のデモンストレーションおよび展示を手掛ける。〝印象を和菓子に〟をコンセプトに日々のあらゆる体験、印象を表現し続けている。

住所:東京都千代田区麹町1-4-4 1F MAP
電話:03-6774-1700
発売日:2019年10月28日(月)〜11月11日(月)平日のみ10日間限定
価格:各800円(税抜)
数量:風セット、凪セットそれぞれ1日10セット(イートインのみ)
LIFULL Table HP: https://table.lifull.com/earthcuisine/bamboosweets/