学びを、表現の源流を足下の海川山に求め、自分の手でつくり上げた「里浜ガストロノミー」。[pesceco/長崎県島原市]

ペシコOVERVIEW

2018年8月。島原のレストラン『pesceco』は、大きく舵を切りました。町の繁華街で3年9カ月営んだカジュアルなイタリアンレストランを閉め、海沿いの一軒屋を新たな拠点として再スタートしたのです。完全予約制で、料理は昼夜ともおまかせのコースのみに。
「敷居が高くなった」と、足を遠ざけた地元客もいます。その一方で、「ここでしか食べられない料理がある」「店での食事を目的に島原へ旅する価値がある」と、県外から訪れるゲストが少しずつ増え始めています。

井上稔浩シェフは、島原生まれの島原育ち。県外に、いや世界に伝えたい島原の素晴らしいところも、他の地方都市同様に抱える少なくない地元の問題点についても、誰よりもよく知っています。そのうえで「島原が好きだから」と、この地に根を張る道を選びました。愛する故郷のために、料理人だからできることがある。店のあり方を大きく変えた移転リニューアルは、井上シェフの「覚悟」にほかなりません。町の外の人にとっては、ガストロノミー界に彗星のごとく現れたニューフェイス。そのユニークな歩みと、『pesceco』が示すローカル発のガストロノミーの可能性を追います。

住所:長崎県島原市新馬場町223-1 MAP
電話:0957-73-9014(完全予約制)
営業時間
 昼:12時入店
 夜:19時入店
定休日:不定休
pesceco HP:https://pesceco.com/