世界を舞台に地方創生を成し遂げる強い意志の元に開業。自然豊かな南木曽に生まれた看板一つない新しいホテルの形。[Zenagi/長野県木曽郡南木曽町]

ザエクスペディションホテル ゼナギ

OVERVIEW

長野県木曽郡南木曽町(なぎそまち)は、ほとんど岐阜との県境に位置する、奥深い山の中にあります。「日本で最も美しい村」連合にも認定されている、人口4000人あまりの小さな町です。南木曽には、中山道妻籠宿(つまごじゅく)という江戸時代の風情を色濃く残す古い宿場町もあります。じつはいまインバウンドの観光客が好んで訪れる穴場的存在になっています。伊勢神宮に納める木曽ヒノキの産地としても知られるこの町に、最高級ホテルが開業したのが、2019年の4月のこと。「Zenagi」と名付けられたホテルは、THE EXPEDITION HOTELという冠も戴いて、日本の田舎を探検するという意味が込められています。

このホテルを開業したのは、MENEXという企業。彼らは、地方創生のプロフェッショナルであるとともに、世界で最も古く、また過酷と呼ばれるアドベンチャーレースの「ドロミテマン」で完走し、オリンピックに参加した経験もあるプロフェッショナルなアドベンチャーたちです。2020年のオリンピックを前に、日本中でインバウンドによる観光収入の増加を目指す動きが活発ですが、「Zenagi」がターゲットにしているのは、世界中のあらゆる高級なものを経験している「富裕層」です。その価格は、3食とアドベンチャー体験を含めたオールインクルーシブで¥120000からというもの。

南木曽町田立(ただち)という、和紙の里でもある棚田の最上部に立つこのホテルは、部屋数はわずか3室。12名が宿泊人数の上限です。江戸時代後期から明治初期に建てられたという古民家を改装して開業しました。単なる古民家ではありません。材木取引などで大きな財を成した豪農が所有していた建物です。内部空間の梁を見るだけで、その贅を尽くした造りに圧倒されます。そこに、ガラス窓による明るい開口部を作り、木曽地方の木材や、漆器などの伝統工芸を取り入れたのが「Zenagi」です。MENEXのCEOである岡部統行(むねゆき)氏は、テレビドキュメンタリーの監督も務める、異色の経歴の持ち主です。開業までの山あり谷ありのプロセスと、このホテルの魅力について、存分に伺いました。

住所:長野県木曽郡南木曽町田立222  MAP
THE EXPEDITION HOTEL Zenagi  HP:https://zen-resorts.com/