銘酒「東洋美人」を超える、蔵史上最高峰の1本、誕生。[やまぐち三ツ星セレクション 純米大吟醸 東洋の女神/山口県]

不動の人気を誇る『東洋美人』を超える、最新の旗艦商品『東洋の女神』が限定発売で、誕生。

やまぐち三ツ星セレクション“圧倒的な透明感”を目指す王道の酒造り。

島根県との県境に近い山間、萩市中小川地区には田畑がのどかに広がっています。真冬の朝、凛とした空気の中に湯気を上げる建物が見えてきました。日本酒「東洋美人」を醸す『澄川酒造場』です。仕込みの最盛期を迎えた酒造場では、蔵人たちがキビキビと麹造りの作業を進めています。

陣頭指揮を執るのは4代目当主・澄川宜史氏。蔵外から杜氏を迎える従来型の酒造りから、当主自らが杜氏として酒造りを手がけるスタイルに転換を図り、「東洋美人」の酒質を劇的に向上させ、その知名度を全国区に押し上げてきました。今や「東洋美人」は日本酒ファンの間で入手困難な銘柄となっています。

澄川氏は、人気銘柄「十四代」の蔵元でありカリスマ杜氏として知られる高木顕統氏の唯一の弟子と言われています。
「高木さんの真摯に酒造りに取り組む姿勢を目の当たりにし、奇をてらわずに王道の酒造りによって日本酒という作品を世に送り出すことの大切さを学びました。私は、たまたま美味しくできてしまう酒造りに進化はないと考えています。また、技術力の欠如によって生まれた味を個性として認めてしまう風潮も日本酒の未来にとってはマイナスだと感じています。日本酒は明確な意図のもと、化学、物理学、生物学、数学を駆使して造り出す作品でなければならない。なおかつ100%の再現性を実現し、去年よりは今年、今年よりは来年に少しずつでもより良くしなければいけません」

そんな澄川氏は、どのような日本酒を造りたいと考えているのでしょうか。
「詰まるところ、私が飲みたいお酒ですね。感覚的な表現になりますが、目指すのは“圧倒的な透明感”。華やかで味も香りもしっかりある。それでいて他の酒には負けない爽やかな喉越しやキレを備えたお酒を追求しています」

【関連記事】やまぐち三ツ星セレクション/山口県を身近に感じる逸品たち。そのふるさとを訪ねて。

▽純米大吟醸 東洋の女神
価格:5,500円 

萩市中心部からクルマで1時間ほど。美しい雑木林の山に抱かれるように、『澄川酒造場』は佇んでいる。

朝一番で行われている蒸米作業。大きな甑(こしき)から朦々と湯気が立ち上る。

蒸し上がった米は、即座に放冷へ。小分けにして手でかき混ぜながら冷ましていく。

麹室にて澄川氏。「奇をてらった酒造りはブームになっても、伝統になることはない」と王道の酒造りにこだわる。

やまぐち三ツ星セレクション壊滅的な豪雨被害を乗り越え、蔵はさらなる進化を遂げた。

着実な前進を見せていた『澄川酒造場』でしたが、2013年7月、思いもよらない悲運に見舞われます。山口・島根両県において観測史上最大の降雨量を記録する集中豪雨が襲い、『澄川酒造場』の前を流れる田万川が氾濫。蔵と自宅が濁流に飲まれ、酒造りの機材と在庫が泥に浸かり、すべてを失ってしまったのです。

「酒造りのことなど考えることはできなかった」という澄川氏でしたが、被災翌日から同業者、酒販店、飲食店、日本酒ファンら延べ3000人を超える支援者が全国からボランティアに駆けつけ、立ち止まる余裕もないまま蔵の再建へとつき動か出されます。例年の4カ月遅れとなったものの、その年の12月にはなんとか酒を仕込むことができました。

大きな設備投資を経て再建を果たすには、「東洋美人」をより多くのお客様に届けていくことが必要です。以前にも増して、酒質を上げ、さらに魅力的な日本酒の開発に邁進しました。

追い風が吹いたのは2016年。日露首脳会談の夕食会にて「東洋美人 壱番纏 純米大吟醸」がオフィシャル日本酒に採用されます。この時、プーチン大統領が絶賛したことが話題となり、「東洋美人」は一気にブレイクしました。
「東洋美人 壱番纏 純米大吟醸」は地元萩産の山田錦を40%まで磨いて醸した逸品。リンゴや洋ナシのような爽やかな香りが立ち上がり、芳醇な旨味の後に、上品な含み香が鼻に抜けます。サラリと清々しい口当たりは、まさに“圧倒的な透明感”を体現しています。

澄川宜史氏と「地域商社やまぐち」の代表取締役・坪倉昭雄氏。ふたりは高校の先輩後輩の間柄。山口の美味しい酒を全国に広めたいという思いは同じ。

『澄川酒造場』には、他の蔵元の子息らやる気にあふれる若い人材が酒造りに取り組んでいる。

放冷後の蒸米は高温の麹室へ。スピードが命とあって、米を担いで駆け足で運ぶ。

蔵の壁やドアには、支援に訪れた人たちのサインやメッセージが。元サッカー日本代表で日本酒通として知られる中田英寿氏の名前も見える。

やまぐち三ツ星セレクション記念碑的フラッグシップ商品を、さらなる高みへ。

2019年、この「東洋美人 壱番纏 純米大吟醸」を超える『澄川酒造場』史上最高峰の酒が誕生しました。それが「純米大吟醸 東洋の女神」。「美人」を超越し、神秘性を備えた気高い「女神」。出荷先限定のスペシャルなハイエンド商品です。契約栽培の萩市産の山田錦を極限の30%まで磨き上げ、「東洋美人」の華やかな香りと上品な味わいはさらなる高みへ至っています。天才杜氏がたどり着いた“透明感の極み”を、心ゆくまで味わえる1本と言えるでしょう。

至高の一杯。おすすめの飲み方、おすすめの肴が気になるところです。
「白身魚やフグなど山口の海の幸との相性がいいという話も聞きます。ですが、私はお好きな飲み方で、お好きなものと合わせていただければ、と思います。なにしろ、お酒は自由で楽しいものですから。ハレの日のお酒として、特別な時に、特別な人と一緒に楽しむために選んでいただければ、最高にうれしいですね」と澄川氏は笑いました。

麹菌を米に付着させ、米の中で菌を繁殖させる製麴(せいきく)作業。麹菌がふわりと舞い落ちる様はどこか神秘的。

タンクに酒母を入れ、麹、蒸米、水を加えて発酵が始まると、約30日間でお酒に。その後、圧搾、火入れ、ボトリング、冷蔵での貯蔵などを経てようやく商品となる。

生粋の酒好きである澄川氏。ビールやワインも飲むが、ほぼ毎晩、自社の酒も酌む。「今、うちの酒がどんな状態かが心配でたまりませんので、つい」。

「純米大吟醸 東洋の女神」¥5500。エレガントな円筒型の化粧箱、流麗なプリーツが印象的なボトルデザインも秀逸。味わいも優雅そのもの。

住所:〒750-0025 山口県下関市竹崎町4-2-36 MAP
電話:0120-414716
https://www.ymtc-webstore.jp

住所:〒759-3203 山口県萩市大字中小川611 MAP
電話:08387-4-0001

(supported by 地域商社やまぐち株式会社)