GEN GEN AN幻OVERVIEW
1966年開館、銀座のシンボルのひとつだった「ソニービル」は2017年に幕を閉じ、2018年に「銀座ソニーパーク」として開放しました。
その名の通り、公園のそこは、散歩を楽しんだり、お弁当を食べたり、はたまた通り抜けをしたり……。誰もが自由に使える場としてはもちろん、様々な表現を通して世間に驚きも与えてきました。
振り返れば、「買える公園」をコンセプトにプラントハンター・西畠清順氏がプロデュースした「アヲ GINZA TOKYO」やデザイナーであり音楽プロデューサー、ミュージシャンなど、様々な顔を持つ藤原ヒロシ氏をディレクターに迎えた「THE CONVENI」は、その好例と言って良いでしょう。
銀座の一等地は、変化し続ける壮大な実験の場となったのです。
そして、2019年12月、新たな実験が始まりました。
『GEN GEN AN幻 in 銀座』です。
前述、「ソニービル」が幕を閉じた2017年当時、『GEN GEN AN幻』は、渋谷に茶葉店を開業。以降、国内外から注目を集めています。
理由は、茶葉から作るその高い品質しかり、空間の表現力も大きな役割を担っています。お茶の世界とは似つかぬサブカルチャーを彷彿とさせるアンダーグラウンドな店内には、カセットテープがひしめく演出が成され、これまでになかったお茶との邂逅を体験できます。
主宰するのは丸若裕俊氏です。その活動は多岐にわたり、お茶屋だけでなく、日本各地で培われてきた伝統工芸や工業技術を再構築し、新たな提案も行なっています。
2016年に開催された「DINING OUT ARITA & with LEXUS」でもその手腕は発揮され、クリエイティブ・プロデューサーも担いました。そして、シェフを務めた人物は、フランスを拠点に活躍する渥美創太氏。
現在は、自身初となるレストラン『MAISON』のオーナーシェフでもあり、今回の『GEN GEN AN幻』では、『MAISON』が新たに発足したプロジェクト「tomette(トメット)」として、お茶に合う菓子を開発しています。
つまり『GEN GEN AN幻』は、『ONESTORY』としてゆかりのあるふたりが交錯する舞台でもあるのです。
「アヲ GINZA TOKYO」、「THE CONVENI」、『GEN GEN AN幻 in 銀座』。そして『DINING OUT』。
全てに共通していることは、消えること。
実は、「銀座ソニーパーク」自体も「新ソニービル」が着工するまでの場であり、消えてしまいます。期日は2020年秋まででしたが、新型コロナウイルスによってそれは延長され、現在は2021年9月までを予定。
『GEN GEN AN幻in 銀座』が与えられた命も同様になります。
10ヶ月間、どんな変化が待っているのか、どんな現象が起きるのか。
『GEN GEN AN幻in 銀座』が消えるまでを定点観測していきます。
Photograph:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI
住所:東京都中央区銀座5-3-1 Ginza Sony Park B1F MAP
https://www.ginzasonypark.jp/shop/06_2.html
https://en-tea.com/pages/gengenan