目指すのは、おいしさの先にある「快楽」。シチュエーションまで考慮する3種類のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

今回の考案にあたり、酒30種以上、食品50種以上を試した。無数の組み合わせから選んだ珠玉の3種にご期待を。

WAKO ANNEX家庭でのんびり楽しむ。シーンに沿った組み合わせの提案。

2021年10月1日(金)、『和光アネックス』地階のグルメサロンがリニューアル。テーマは、日本の酒や食材の魅力に改めてスポットを当てる「FIND OUT ABOUT NIPPON」です。『ONESTORY』は、その企画プロデュースとして参画しています。

日本全国から見つけ出した「おいしいニッポン」は、アルコール及びノンアルコールのドリンクやデリカテッセンなど多種多様。しかし、本企画における特徴は、これまでに類を見ない食べ合わせのプレゼンテーションにあります。

今回、そのセレクターとして登場するのは、第14代酒サムライであり、自身のお店『GEM by moto』を営む 日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんです。

千葉さんが提案する酒と食品の食べ合わせの妙は、既存にはなかった視点や独自の感性にあります。

「お酒と料理を組み合わせて、互いを高め合う。それは素晴らしいことですが、そこにシチュエーションを考えることで、さらに幅が広がります」と、にこやかに語る千葉さん。

例えば、仕事の話の中なら会話を途切れさせない、寄り添うような組み合わせ。賑やかなパーティなら場を華やかにするコンビネーション。そして今回のように家庭でのんびり楽しむなら、心安らぐおいしさに加え気軽さ、手軽さも重視する。それが千葉さん流の考え方。

「おいしいのは当たり前。そこに驚きやシーンに合った工夫を加えることで、おいしさの先にある“快楽”を目指したい」。

果たして、千葉さんは、どのような提案をしてくれるのでしょうか。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及びWAKOオンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、千葉麻里絵さんがセレクトする19種のお酒や食品をはじめ、8種のペアリングをご用意しております。WAKOオンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

千葉さんが提案するペアリングは、ただのペアリングにあらず。概念を覆す驚きに満ちた食べ合わせは、おいしいはもちろん、楽しい場と時間も作り出す。

WAKO ANNEX酒、柿、山椒。3つの要素が相互に響き合う。

まず千葉さんが手にとった酒は『冨田酒造』の「七本鎗 武者修業 木桶仕込み」。滋賀県で500年近くも続く老舗『冨田酒造』と『松本酒造』の杜氏を退いた松本日出彦氏とのコラボレーションから生まれた一本。『和光アネックス』地階 グルメサロン及び『和光オンラインストア』限定の品です。

「『七本鎗』は無骨さ、土の温かさ、大地と米の恵みをどっしりと伝えるお酒。対して松本さんの持ち味はクリアな透明感。このコラボレーションでは見事に両者が表現されています」と、まずは酒を評した千葉さん。そして、「甘みの奥に、まるでタンニンのような、茶の渋みのような味を感じました。だから直感的に“柿が食べたい”と思ったんです」と続けました。

そしてその第一印象を頼りに、柿を探し始めました。もちろん柿ならどれでも良いわけではありません。千葉さんが大切にしているのは「お酒と料理のテンションを合わせる」こと。「ワインが油絵だとすれば、日本酒は水彩画や水墨画。そこに合わせて自然で優しい甘さを合わせたい」。

様々な柿を試食した千葉さんが決めたのは、奥能登『陽菜実園』が栽培からこだわる完全無添加ドライフルーツ「ひなみ柿」でした。

「甘みが自然で、ほんのかすかな渋みがあるこの柿が、お酒のテンションとぴったり。お酒の無骨な土っぽさにこの柿がすんなりと寄り添います」と千葉さん。

しかし酒の半分の魅力にだけ寄り添う千葉さんではありません。もう半分の魅力、松本氏の透明感。千葉さんはそこに『飛騨山椒』の「実山椒」を合わせました。しかも食品と酒の片側通行の組み合わせではありません。柿の甘さと山椒の爽やかな香り、山椒によってさらにキレが増す酒。三者がそれぞれ役割を果たしながら見事に調和する驚きの組み合わせです。

酒と食品はもちろん、実山椒と柿も好愛称。「実山椒と柿を交互に食べながらお酒を飲んでみてください」と千葉さん。

『冨田酒造』が満を持して挑んだ木桶仕込み。松本氏とのコラボレーションは、『和光アネックス』地階 グルメサロン及び『和光オンラインストア』のみ限定販売。

「味が形として見える」という千葉さんの発想は直感的。しかし、直感の影には膨大な知識の蓄積がある。

WAKO ANNEXまるで合わせ出汁のように、酒の余韻を持ち上げる。

続いて千葉さんが選んだ酒は石川県『吉田酒造店』の「手取川 山廃 純米大吟醸 百万石乃白」。最高の日本酒を造るため11年の歳月をかけて開発された酒米・百万石乃白を使い、『吉田酒造店』お得意のモダン山廃で仕込んだ酒です。

「山廃のしっかり味、と思いきや軽くてすっきり飲みやすい。マスカットのような香りと乳酸のようなクリーミーな後味です」とまずは酒の評価。そして千葉さんが着目したのは、後味の部分でした。

「後に残る味わいに、喉の奥にさらなる可能性を感じます。ここに旨味を合わせたらどうなるか、それを確かめたい」。そう言って千葉さんが手にしたのは『マルキチ阿部商店』の「リアスの詩 さんまこぶ巻」。旬の新鮮なサンマを昆布で巻き、醤油ダレで煮込んだ逸品です。

「山廃ですから光モノの魚が合うのは当然。さらに昆布の旨味がお酒のポテンシャルを引き出します」と千葉さんが狙ったのは、昆布のグルタミン酸により引き出され、持ち上げられる後味の余韻。煮物に酒を加えて食材の旨味を引き出すように、まるで合わせ出汁のような深みある旨味が長く尾を引きます。

単品ではすっきりだった酒が、フードと合わせることでふくよかで旨味ある味わいに変わる。組み合わせることでまったく別のキャラクターを引き出すのもまた、千葉さんの狙いのひとつです。

山廃仕込みと和の旨味を合わせる。王道のようだが、その裏には「余韻」という狙いが潜んでいる。

日本酒への愛ゆえに、ときに話は発酵や稲作の歴史の話まで。千葉さんの朗らかな人柄が、薀蓄を楽しい酒の肴に変える。

「口に含んだ瞬間のピリッとしたガス感が心地よい」と千葉さん。微発泡は搾ってすぐに瓶詰めした鮮度の証。

WAKO ANNEX甘酒にオイル。意外な組み合わせの先にある驚きの調和。

3つ目に千葉さんが選んだのは、甘酒でした。岩手の民宿『とおの屋 要』が造るナチュラルな甘酒は、実はもともと甘酒が苦手だったという千葉さんが「これは別格。上品で自然な甘さで毎朝飲んでいます」という愛飲の品。しかし単体で完結しているこの甘酒で、どのような組み合わせを狙うのでしょう。すると千葉さんが取り出したのは『アグリオリーブ』の「エキストラバージンオリーブオイル」。

千葉さんは、甘酒のテクスチャに注目していました。

「甘酒は、マットな質感が特徴。ここにオリーブオイルを少々垂らすと、まるでビシソワーズのような、クリーミーなスープのようになります」と千葉さん。

「上質な革を使ったカバンを磨いて艶が出るイメージ」。

千葉さんの言葉が、腑に落ちます。甘酒のしっかりとした質感にオイルが加わることでその味わいは滑らかに、艷やかになり、さらにオリーブのフレッシュな青っぽさが甘酒の甘みにさらなる深みを加えます。それから「ペアリングというより、料理ですね」と笑う千葉さんですが、驚きの組み合わせと味わいの変化を前にすれば、些細なこと。改めて酒と食品の組み合わせの奥深さを感じさせてくれました。

テンション、余韻、質感に注目して考案した3種類の組み合わせ。すべてに共通するのは、合わせることで未知なる魅力が立ち上がってくること。

「それぞれ単体でおいしいものばかりですが、そこに出合いを付け足すとそれは“体験”になります。体験することでおいしさ以上の楽しさ、快楽を見つけて頂ければ。そしてその楽しさを通して、日本の食の底力を改めて感じてください」そう総括した千葉さん。ぜひ今回の組み合わせを“体験”し、その驚きをご自身で体感してみてください。

どぶろくでも知られる『民宿とおの』は、米の栽培も手掛ける。この甘酒も白米の米麹から丁寧に仕込まれる。

甘酒にオリーブオイルをほんのひと垂らし。それだけで劇的に変わる味わいに驚かされる。

「ペアリングはパズルをはめる感覚」という千葉さん。そのピタリと合致する組み合わせはお見事。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及びWAKOオンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、千葉麻里絵さんがセレクトする19種のお酒や食品をはじめ、8種のペアリングをご用意しております。WAKOオンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:植田 城維 (HYBRID FACTORY)
Text:NATSUKI SHIGIHARA

(Supported by WAKO)

「武者修業」完結。仲間と醸した五蔵の酒、それは松本日出彦が生きた証。

左より、秋田『新政』、栃木『仙禽』、滋賀『七本鎗』、福岡『田中六五』、熊本『花の香』と造り上げた「武者修業」における五本。

 約9ヶ月に及ぶ「武者修業」を終えた松本日出彦氏。全身全霊を注ぎ込み、五蔵それぞれの酒を仕上げた。「自分の人生を変えた酒造りになりました。五蔵の皆様と支えてくれた家族、周囲の方々には、感謝しかありません」。

HIDEHIKO MATSUMOTO最も旨い「中汲み」を「直汲み」。魂を込めた五蔵のスペシャルエディション。

2020年12月31日。自身の蔵元である『松本酒造』を父親とともに去ることになってから約9ヶ月。

紆余曲折しながら「武者修業」という題を自らに課し、酒造りを再開した松本日出彦氏ですが、それを成すことができたのは、仲間の支えがあったからこそ。

秋田『新政』、栃木『仙禽』、滋賀『七本鎗』、福岡『田中六五』、熊本『花の香』。

五蔵の「武者修業」は、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、もう一度、酒造りに没頭できる環境は、すべてを失った松本氏にとって幸福な時間だったに違いありません。

それぞれ醸した酒は、仕上がった順に「別誂」としてリリースされましたが、即完売。しかし、「武者修業」の最後に酒造りを終えた『新政』に合わせ、五蔵「直汲み」という特別仕様こそ、今回の真髄。「武者修業」における五蔵の酒が一堂に会すのは、初になります。

その数は、各蔵限定75本のみ。

※「武者修業」における五蔵「直汲み」は、各蔵限定75本のみになります。2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地下1階のグルメサロン及びWAKOオンラインストア(上記バナー)のみ、購入可能になります。

自社圃場の保有、無農薬栽培の実現など、(佐藤)祐輔さんは有言実行。それを信じて酒造りをしているプロフェッショナル集団こそ、『新政』たるゆえん。“美味しい競争に興味はありません。自分は、文化的価値の高いお酒を目指しています”と話していた祐輔さんの思想は、これからの日本酒業界にも必要なことだと思いました」。

「『仙禽』といえば、自分の中では人生初のもと摺り。見た目は地味ですが、相当な労力、体力、忍耐力を要します。薄井(一樹)さん(右)から『武者修業』は『仙禽オーガニックナチュール』でと言われた時は、一番難しい造りが来た……と思いました。杜氏の(薄井)真人さん(左)との酒造りも学びが多かったです」。

「最初に訪れた『武者修業』先が『冨田酒造』でした。決して酒造りに向いているわけではない玉栄の米を使い続ける酒造りに地元の愛を感じました。不器用だけど真っ直ぐな冨田(泰伸)さんらしい決断と覚悟。そんな想いが『七本鎗』の味にも出ていると思います」。

「五蔵の中でも田中(克典)さんとは一番付き合いが古く、学生時代からの友人でもあります。『白糸酒造』が守ってきたハネ木搾りによって、『田中六五』は生まれているのだと感慨深い気持ちになりました。酒袋を槽(ふね)に積む作業は、本当に苦しかったです」。

「神田(清隆)さんとは、面識がある程度だったので、今回の一件でご連絡をいただいた時にはびっくりしました。『花の香酒造』が大事にしている産土(うぶすな)の精神と熊本の在来品種・穂増(ほませ)を復活させた熱量には、心が熱くなりました」。

松本氏の密着を始めてから、本人の手を定点観測。上段左より、「武者修業」前、『七本鑓』、『花の香』。下段左より、『田中六五』、『仙禽』、『新政』。

HIDEHIKO MATSUMOTOどうしても「直汲み」として形に残しておきたかった。「武者修業」は、掛け替えのない時間だったから。

「『直汲み』は、造り手にとって最も大切なお酒になります。搾り始める酒の最初と最後の荒い部分を除いた一番質の良い『中汲み』のみを厳選し、酒粕と清酒が離れる瞬間を酸化させずに直接手で汲み入れます。手間暇がかかるだけでなく、量産できないため、一般に流通できないのですが、今回は、どうしてもそれを形に残しておきたかったのです。今回お世話になった五蔵に限らず、日本酒造りは、非常に閉ざされた世界です。そんな環境の中に余所者の自分を受け入れてくれた五蔵の方々には感謝しかありません。何もかも失ってしまった自分に居場所を与えてくれました。役目を与えてくれました。大袈裟かもしれませんが、自分は生きていいのだと思わせてくれました。だから、その掛け替えのない時間を形に残しておきたかった。もちろん、このお酒の価値は、自分ではない誰かが決めることだと理解しています。我がままかもしれませんが、それでも残しておきたかった」。

酒造りは、基本的に全ての蔵が同じ時期に行うため、例え余所者を受け入れる許容ある蔵があったにせよ、職人同士が現場を共にすることは不可能。今回は、皮肉にも松本氏が蔵を失ったからこそ実現できました。

そして、それぞれにおける酒造りという長いシーズンを振り返り、松本氏は「楽しかった」と言います。

「仕込みながら微調整していくライブ感や目指すべき味の目線合わせをしていく緊張感。そして、シーズンを戦い抜くために命をかける魂のぶつかり合い。予測はできても状況判断は、現場にいなければできません。現実を受け入れられなかった当初は内に籠ってしまった時もありましたが、仲間のおかげで心が動いた。体が動いた。色々な物事には理論や理屈はあるけど、実際に行動した人にしか見ることができない景色があるのだと感じました」。

「直汲み」は、希少な酒です。しかし、語弊を恐れずに言えば、「武者修業」の価値はそこにありません。

昨今における世界的な情勢も手伝い、日常や当たり前は奪われてしまいました。働き方、暮らし方など、様々は一変。改めて、「生きる」ことは何かを深く考えた人も少なくないのではないでしょうか。

ゆえに、今回においても、ただ酒の「直汲み」にあらず。松本氏が酒職人として空白の時代を作らなかった「生きた証」なのです。

「『武者修業』のお酒を通して、ほんの少しでも誰かに生きる力を与えられたらなと思っています。この難局も手伝い、疲れてしまったり、元気をなくしてしまったり、先が見えなかったり……。おこがましいかもしれませんが、それでも前を向いて生きる意義を感じてもらえたら嬉しく思います」。

かく言う松本氏自身も「武者修業」を通して前向きになれたひとり。前出の「楽しかった」と振り返れた心境しかり、最後に残した言葉がそれを物語っています。

「すべてをひっくり返しても、先祖代々が大切に残してくれた酒蔵で酒造りをさせていただいた『松本酒造』には感謝しかありません」。

おそらく、これほどまでに人の想いと魂が込められた酒は、これまでも、これからもないでしょう。

「武者修業」を終えた松本日出彦は、今何を思う。

「やっぱり自分は酒が造りたい。それがちゃんと確信に変わった」。

松本日出彦の密着は、まだ続く。

「武者修業」をスタートさせる前、「酒造りをしている時は手が硬い。酒造りができていない今の手は、柔らかい。シーズン中にこんな自分の手を見るのはいつぶりだろうか……」と話していた松本氏。約9ヶ月後、すべての「武者修業」を終えた手は、酒職人の手になっていた。

※「武者修業」における五蔵「直汲み」は、各蔵限定75本のみになります。2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地下1階のグルメサロン及びWAKOオンラインストア(上記バナー)のみ、購入可能になります。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8 MAP
TEL:03-5250-3101
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1982年生まれ、京都市出身。高校時代はラグビー全国制覇を果たす。4年制大学卒業後、『東京農業大学短期大学』醸造学科へ進学。卒業後、名古屋市の『萬乗醸造』にて修業。以降、家業に戻り、寛政3年(1791年)に創業した老舗酒造『松本酒造』にて酒造りに携わる。2010年、28歳の若さで杜氏に抜擢。以来、従来の酒造りを大きく変え、「澤屋まつもと守破離」などの日本酒を世に繰り出し、幅広い層の人気を集める。2020年12月31日、退任。第2の酒職人としての人生を歩む。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI