酵母とツナ。造り手の情熱が生んだ、「想い」のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

「甘い日本酒には、ピリリと辛い島唐辛子のツナがよく合います」とおすすめするのは、今回のペアリングを提案してくれる『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん。

WAKO ANNEX味だけではない。合わせることによって感じたいのは、背景の物語。

日本酒をワイングラスでいただく。近年、ポピュラーになっている飲み方ですが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」という大会の存在を知る人はまだ少ないはず。2021年、プレミアム純米部門でその金賞に輝いたのが、今回ご紹介する神奈川県『中沢酒造』の『松みどり S.tokyo』です。

まず、特筆すべきはその酵母。1909年に発見されるも日本酒造りに一切使われなかった幻の酵母こそ、酒名にもある「松みどり」。

「現代主流の酵母では表現できない味にこだわりました」とは、「松みどり」の復活を果たした『中沢酒造』11代目・鍵和田 亮氏の言葉。

明治時代からやってきた酵母は、ほんのりとした甘味と爽やかな酸味が特徴。アルコールも14〜15%の原種のため、味わい深さを残しつつ、滑らかな喉越しは、よく冷やしてぜひ。杯はもちろん、ワイングラスで。

それに合わせるのは、東京都世田谷『JIN』の『おつな』。店主の関根 仁氏は、世田谷区池尻で10年間小料理屋『仁』を営むも、どうしても多くの人に本当においしい「マグロのオイル漬け」を食べて欲しいという情熱が止められず、2017年、「おつな」作りに専念し、現在に至ります。

ツナ缶発祥の地としても知られる静岡県焼津で作るそれは、美しく透き通ったオイルに純白のツナが特徴。素材のビンチョウマグロ、海洋深層水仕込みなど、こだわった製法は、全て手作り。食べた瞬間、しっとりしたオイルと柔らかな身が自然の旨味を口いっぱいに広げます。

10種以上ある味の中でも、今回の食べ合わせ提案をしてくれた『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん選んだのは、島唐辛子。

「甘い日本酒に合わせるツナの塩味。青唐辛子の香りとお酒の甘味がマッチし、余白としての青唐辛子が引き立ちます。スパイシー感が気持ち良く、どんどんお酒が進みます」と千葉さん。

甘味と辛味。対局の味わいを合わせることによってひとつに。ぜひ、お楽しみください。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『松みどり S.tokyo』の「S」は、使用している酵母「Saccharomyces tokyo NAKAZAWA(サッカロマイセス・トーキョー・ナカザワ)」という清酒酵母の意味。この清酒酵母は1909年に農学博士の中沢亮治先生によって発見され、現存する清酒酵母の中で2番目に古いものと言われている。

『JIN』の『おつな』(右)を営む関根 仁氏は福島県出身。人気店にまで上り詰めた小料理屋『仁』を営むも、2017年、ツナへの愛が止まらず「おつな」作りに専念。今なお、探究心が止まらない。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)