人間に感動する「DINING OUT」。僕は、その世界を皆で創造したい。[DINING OUT KISO-NARAI/長野県塩尻市]

『DINING OUT KISO-NARAI』のシェフを担う『傳』長谷川在佑氏は、2021年8月に開業した『BYAKU Narai』のレストラン『嵓』の料理も監修。2022年版「アジアのベストレストラン50」において、見事No.1に輝いたことも記憶に新しい。

DINING OUT KISO-NARAI極端に言えば、味は二の次でいいんです。僕は体験価値を作りたい。それが記憶に深く刻まれるから。

これは、『DINING OUT KISO-NARAI』のシェフを務める『傳』の長谷川在佑氏の言葉です。

「料理はもちろん大事ですが、お客様には総合的な体験を堪能していただければと思っています。なぜなら、味の記憶は薄れていくからです。例えば、食べた料理の味よりも誰と行ったかやどんな環境で食べたかなどの方が記憶に残っていることが多いと思います。今回は、いかに街に触れ、土地に触れ、人に触れる体験をご提供できるかどうかが重要なポイントだと思っています。だから、地元の方々なくしては成立しない『DINING OUT』。僕も地元の人とつながりたい。人と人、ものともの、こととこと。様々を繋ぐ『DINING OUT』にしたいと思っています」。

今回、長谷川氏の考える『DINING OUT』は、あくまで通過点。終着点は、その後の「再訪」にあるのです。

味は一時、体験は一生。後者の感動を得るからこそ、長谷川氏は再訪のきっかけになると考えているのです。かくいう長谷川氏もまた、街に触れ、土地に触れ、人に触れている体験の最中。木曽・奈良井に幾度足を運んでいますが、その蓄積が町を特別な存在にしていることを肌で感じている当事者でもあります。

「『DINING OUT』は、2日間だけのイベントですが、お客様にはそれで終わってほしくありません。今回をきっかけに、その後も足を運んでもらえる体験をご提供できればと思っています。そのきっかけを作れるのは、やっぱり人と人との触れ合いだと思うんです」。そんな想いゆえの「味は二の次でいいんです」。

その背景には、「幸せのカタチ」の変化も手伝っているのかもしれません。

「様々な出来事を経て、身近な存在を大事にするようになったと思うんです。それは、環境、もの、自然、料理、そして人。日常やその延長にある幸せを再確認したんじゃないですかね。それは、僕も含め」。

「地域を知り、学び、人に触れることを大事にした『DINING OUT』にしたい」と語る長谷川氏。『BYAKU Narai』のレストラン『嵓』の料理を監修する時においても、生産者や食材が育つ環境に足を運ぶことから始まった。

DINING OUT KISO-NARAI「ダイニング」ではなく「食卓」。今だからこそ大事にしたい家庭料理。

「料理を考える上で僕が一番学びになったのは、お母さんたちの作るものでした。お漬物とか本当においしくて。一見、質素に思うかもしれませんが、お母さんたちが作るごはんは僕にとって最高のご馳走。もっと言えば、お母さんたちとの出会いや笑顔もご馳走。この体験こそ、旅の醍醐味であり、今回の『DINING OUT』が大事にすべきことなんじゃないかなと考えています。お母さんたちの料理は、ちゃんと文化を継ぎ、自然と寄り添い、素材を無駄にせず、食卓を彩り、家族を喜ばせています。僕の責務は、僕が体験したこの感動を伝えることだと思っています」。

「DINING OUT」というネーミングではあるものの、今回は、「DINING」ではなく「食卓」という表現のほうがしっくりくるかもしれません。ひとりで食べるごはんよりもみんなで食べるごはんの方がおいしい食卓。それを分かち合う食卓。ただいま、おかえり、いただきます、ごちそうさま、いってらっしゃい。そんな言葉が似合う食卓。

木曽・奈良井の環境は山の中。食卓に並ぶ山菜やきのこなどの食材は、長谷川氏の得意とする分野でもあります。加えて、『傳』よろしく、家庭料理は長谷川氏が最も大事にしている表現です。そして、家庭料理は、世界に通用することを2022年版「アジアのベストレストラン50」においてNo.1に輝いたことで証明しました。

『傳』のコンセプトでもある「お客さまにまた来てもらえるようなお店になること」同様、「お客さまにまた来てもらえるような地域になること」のきかっけこそ、長谷川氏が目指す『DINING OUT』なのです。

前回の開催から約2年半の空白には、様々な出来事がありました。世界中の難局によって、一時、人間はコミュニケーションを遮断されてしまいました。メールやSNSはコミュニケーションの主になってしまい、その習慣に歯止めは効かず、加速する一方です。

「おいしい料理や美しい風景を携帯のカメラで写真を撮ることはもちろん良いですが、肉眼に勝るものはないと思うんです。画面越しになった瞬間、仮想空間になってしまう。僕はやっぱりお客様とお話しすることが大好きだし、感じた想いは自分の言葉で伝えたい。良いことも悪いことも身体で感じたい。今までの『DINING OUT』は完璧を求められましたが、今回の『DINING OUT』は違う。完璧とはマニュアル通り。それでは誰がやっても同じになってしまう。突発的に起きる出来事も不完全な美しさも個性として受け入れたい。今回の『DINING OUT』では、そんな人間の根幹に訴えられるような時間にできたらなと思っています。僕自身、それをちゃんと再確認する意味も含め。そして、改めて、僕は人間に感動したい。だから、今回の『DINING OUT』は、その世界を皆で創造したいと思っています」。

昨今の事情や町の特性を踏まえ、どこまでできるかは明言できませんが、人に触れ、会話を楽しみ、土地を知る。食卓には笑い声が絶えず、みんなで喜びを分かち合い、感動をともにする。冒頭、それが今回作りたい「体験価値」なのです。

「もう一度、この町に旅したくなる『DINING OUT』にしたい」。

今までとは全く違った『DINING OUT』にぜひご期待ください。

開催日程:2022年7月23日(土)、24日(日)
開催地:長野県塩尻市
出演:シェフ 長谷川在佑『傳』
    ホスト 中村孝則(コラムニスト)
協賛: 一般社団法人塩尻市観光協会
協力: 一般社団法人木曽おんたけ観光局、木曽漆器工業協同組合、塩尻市、塩尻市立楢川小中学校、奈良井区、奈良井宿観光協会(五十音順)

Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​

勝つための戦い。美食のワールドカップ「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」。

12のキッチンが設営されたステージ。各キッチンの前に立っているのは、キッチン審査のシェフたち。

ボキューズ・ドール 2023今、改めて知るべき、「ボキューズ・ドール」。

「ボキューズ・ドール」とは、1987年に、現代フランス料理の父と称される、ポール・ボキューズが創設した、2年に一度行われる国際的な料理コンクールのこと。

世界67か国の代表シェフがアジア・パシフィック、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカの各大陸大会を経て、美食の都、リヨンで行われるフランス本選を目指します。日本では、その知名度は高くありませんが、世界的には3位以内に入賞すれば、一流料理人への扉が開かれる登竜門として、大変な重きがおかれています。ところが残念ながら、日本は初回から毎回参加しているにも関わらず、3位以内の入賞は、2013年の浜田統之氏(現『星のや東京』総料理長)のみ。あとは7位、9位、10数位などとふるわない。

日本人の舌と緻密なスキルをもってすれば、上位入賞の常連とも思えそうですが……。逆に近年の常勝国というと、デンマークなどの北欧勢とフランス。彼らにあって、日本にないものは何だろうか。その理由を明らかにしつつ、勝つための戦略を積み上げ、2023年1月の本戦で入賞を目指すという、ボキューズ・ドールチームに密着し、その逐一をレポートしていきたいと思います。

2013年に浜田統之氏が3位に入賞したときの表彰台の様子。ちなみに1位はフランス、2位はデンマーク。Photograph:GL events/Bocuse d’Or 2013 

2013年の入賞者と、審査員たち。前列右は、創始者であるポール・ボキューズ氏。その後ろは、「(株)ひらまつ総合研究所」代表の平松宏之氏。Photograph:GL events/Bocuse d’Or 2013 

2021年の表彰台。関係者や審査員と一緒に。1位フランス、2位デンマーク、3位ノルウェー。

客席では、みな、自国の旗をふり、歌や鳴り物を鳴らしての活気あふれる応援が会場を盛り上げる。

ボキューズ・ドール 20232023年、日本代表は、「アルジェント」の石井友之シェフに決定。

2023年1月の日本代表は、今年1月の国内大会で石井友之氏(株式会社ひらまつ『アルジェント』所属)に決定しました。果たして、日本において、どのようにして本線出場の資格を得られるのでしょうか。

まず書類審査があり、これを通ったものは、東日本、西日本地区に分かれ、準決勝となる実技審査。その後、国内大会決勝となる実技審査で、日本の代表が決まります。次にアジア大会が行われ(2022年はコロナ禍のため、前々回の順位を踏襲)、5位までが本線への権利を獲得すると、非常に狭き門です。もちろん世界それぞれの地域も同等の厳しい戦いを潜り抜けての参加となります。

石井シェフは「ボキューズ・ドール」に出場した経緯を、「先輩である株式会社ひらまつに在籍していた長谷川幸太郎シェフ(現『KOTARO Hasegawa DOWNTOWN CUISINE』オーナーシェフ)が出場したボキューズ・ドールを目の当たりにし、憧れたことが始まりです。どうしたらあの場所に立てるのか? 何すれば良いのか? 毎日の仕事を見直し、料理の引き出しを作る事に力を尽くしました。代表の座は、決しては自分一人の力では、到達できなかったと思います。関わっていただけた全ての方に感謝し、本戦を戦い抜きたいと思っています」と力強く宣言します。
 

浜田シェフも「石井シェフの代表が決定してすぐに、長谷川シェフを誘い、石井友之を中心にすえ、委員会を発足しました。これまでの敗戦を無駄にしないためにも今回はすっかり体制を変えて臨みます。前回までは、毎回がゼロイチで、そのイチがニやサンにつながってこなかったのです。その流れを断ち切り、これまでの経験を積み上げ、同時に新しい試みにもチャレンジしながら、なんとか入賞を勝ち取りたいですね。問題は山積ですが」と話します。

1月に行われた、ボキューズ・ドール代表選考会を終えて。右から二人目が、優勝した石井友之氏。左からメンターシェフを務める浜田統之氏、米田肇氏、右端が渡辺雄一郎氏。

2021年の日本チーム。右から二番目が戸枝忠孝氏。その左がコミの原野修輔氏。左端がコーチのジョスラン・ドゥミエ氏。右は浜田統之氏。

表彰式での日本チームの入場。各国、国旗を持ち、整列して入場する様子はまさにワールドカップと喩えるにふさわしい。

ボキューズ・ドール 2023

「ボキューズ・ドール」の理解を深め、直面した問題に向き合う。

今、どんなことが問題になっているのかを理解するためには、「ボキューズ・ドール」がどういった大会であるのか、概要を知る必要があります。

昨年2021年の様子を簡単に描写しよう。日本からは、軽井沢の『レストラントエダ』戸枝忠孝シェフが参戦。会場は世界一の食の見本市『シラ』の一部にあり、12のキッチンが設置されています。

24のシェフチーム(2021年は都合により21チームが参加)が2日にわかれて、審査員や観客の目の前で、5時間半の持ち時間で、芸術的なる料理を仕上げます。チームの編成は、代表、コミと言われるアシスタント、当日割り当てられる、地元の料理学校の学生の雑用係の3人。

テーマは常にふたつ用意され、世相を反映した新しい流れと、クラシックなもの。2021年は、コロナ禍をふまえ、トマトと海老がテーマのテイクアウェイボックス。もうひとつは、毎年定番のフランスの伝統的プラッター(大皿盛り)でした。また、キッチンまわりでは、常に、キッチン審査員シェフたちが、監視の目を光らせ、素材を無駄に捨てていないか、キッチンを清潔に保っているかなど、料理人や人間としての基本を採点。そんな緊張状態の中、出場シェフたちは、ひたすら集中して手を動かしていくのです。

その日の先頭のチームが残り1時間を切るころ、美しくセッティングされたロングテーブルに、試食審査員であるシェフたちが、列をなして入場し、席につく。彼らは、公平性を守るために、本線に出場する24か国から選出された24名で構成されています。プラッター審査12人、テイクアウェイ審査12名に分かれて試食審査。の中には、日本が2013年に3位入賞を果たした、浜田統之氏も参加しています。
 
持ち時間の数分前になると、スクリーンには仕上げの様子が大映しになり、会場には緊張感が走ります。ひとつずつボックスを男女のサービスマンに渡し、壇上を回って審査員の元へと届けられ、テイクアウェイボックスを開けたときの鮮やかな色や華やかな仕上がりがどの国も印象的。

採点は、見た目の美しさ、構成、味、食感、創意工夫など、細かく項目が分かれており、それぞれに、評価点を書きこんでいきます。途中、時間をずらして、プラッターの持ち時間が終了となりますが、今度はアシスタントシェフたちが、夢のように美しいプラッターをもって壇上を一周。主菜である牛肉のブレゼを彩るガルニの盛りつけは、各国の腕の見せどころです。切り分けられ、それぞれのプラッター審査員のもとに届けられ、同じく、細かな7~8項目に、点数を入れていきます。こちらは温かな料理のため、火入れや温度が重要なポイントです。

こうして、最終組までの審査が続き、3時間後にはお祭りのような表彰式が行われるのです。結果は1位フランス、2位デンマーク、3位ノルウェー。残念ながら、戸枝シェフは入賞とはいたらず、9位と善戦でした。

日本チームがテイクアウェイの盛り付けを仕上げ、ボックスにおさめるシーン。

プラッターの最後の組み立ての様子。軽井沢の森と清流を想起させるような、清々しいデコレーション。

ロングテーブルに試食審査シェフがずらりとならび、サービススタッフから料理がサーブされる。

戸枝氏の検討を称える大会実施委員。

ボキューズ・ドール 2023

審査員を担った浜田シェフだからわかる、過酷な審査基準。

プラッターの審査員だった浜田シェフは言います。「審査員はみな、一口ずつしか食べられないので、インパクトのあるおいしさが求められます。そして、やはり見た目。フランスのブレゼの温かさと美味しさには驚かされました。そしてガルニの繊細さにも。デンマークのテイクアウェイは見ただけですが、圧倒的な美しさでした。自分の審査得点も1~5位までは実際の順位と合致してました」。

それだけ審査員の評価は確かなのです。だからこそ、審査員にガツンと印象づける味と美しさがなければ勝てないのです。

審査員の多くはミシュランの星や、MOF(国家最優秀職人賞)を持った料理人で、過去に「ボキューズ・ドール」で優秀な成績を収めた人間が選ばれています。特に、3位以内に選出されたシェフはボキューズ・ドールウィナーズ アカデミーメンバーとも呼ばれ、こうしたイベントなどには、必ず立ち合い、トップシェフとしての扱いを受けるのです。もちろん、その後、星を獲得したり、MOFを取得する例は、枚挙にいとまがない。

つまり、一度入賞すれば料理界での活躍が保障されるという意味はまさにそういうことなのです。日本チームが悲願として入賞を願う理由もよくわかります。

審査の点数を、細かくわけられた項目ごとにタブレットに打ち込んでいく。手前から二番目が浜田統之氏。こちらのグループはプラッターの担当。

奥の木立の中に鎮座するのが、テーマ素材の牛肉のブレゼ。手前の落ち葉を入れたアクリルの上にのっているのはボタニカルタルトなどのガルニチュール。

ボキューズ・ドール 2023当事者だけでなく、料理界、レストラン界、国も含めて、戦うために。

では、現状、日本に何が不足しているのかを浜田シェフに聞いた。まず、第一に「資金」だという。

フランスなどでは国家の威信をかけてのイベントであるから、億単位のお金が投入されると言われています。それに比べ、日本は数百万単位。昨年の例でいえば、戸枝シェフは自己資金を持ち出さなければならなかったという。

では、どうやって資金を集めるのか。それはなんといっても、スポンサーだ。そのためにはスポンサーに出資させるメリットを感じさせなければいけないでしょう。例えばフランスが優勝すれば、使用した型が世界的に売れるといった具合でビジネスと直結しているように。

つまり、認知度も必要ということです。知名度を上げることに関しても、今回のボキューズ・ドール チームジャパンは、さまざまな秘策を考えています。

また、参加するシェフは半年なり、一年なり、休んでコンクールの準備に専念する必要があります。2021年に参加した『レストラントエダ』の戸枝シェフは個人店ながら、半年以上店を閉め、特訓を積んだと言います。また、前出のコミの仕事も実に重要で、あうんの呼吸で作業を進めていかなければいけません。ゆえに、やはり同じく半年近く仕事を休んで、専任とならなければならないのですが、日本ではなり手が見つかりにくい。どこの店も人手が足りず、若い人を供出したがらないのです。日本のレストラン業界の理解が求められるところでもあります。

料理に関する具体的なことでは、非常に重要視される温度帯。その際の保温のための道具や、またガルニをこれまでにない美しい形に仕上げるために型、これらも一から考えなければいけません。

こうした課題をひとつ一つ解決し次回、2023年の「ボキューズ・ドール」に勝つまでの道のりをぜひ見届けたい。

トロフィーとして授与される、ポール・ボキューズを象った、金銀銅の像。

Text:HIROKO KOMATSU
Photographs:GL events/Bocuse d’Or 2021

世界にも通用するお土産に選出された飲むお酢。[和光アネックス/東京都中央区]

『大橋さくらんぼ園』のさくらんぼを使用した「さくらんぼ酢」3種セット。左より、日本一の大玉「サミット」、さくらんぼの王様「南陽」、さくらんぼの女王「月山錦」。

WAKO ANNEX最高級品種のさくらんぼを贅沢に使ったさくらんぼ酢。

全国果樹コンクールにおいて「農林水産大臣賞」を受賞。観光庁主催の世界にも通用する究極の手土産115商品にも選出された『大橋さくらんぼ園』のさくらんぼを100%使用した「さくらんぼ酢」。

日本一の大玉「サミット」、さくらんぼの王様「南陽」、さくらんぼの女王「月山錦」の3種セットは、味比べもでき、おすすめの逸品です。

『大橋さくらんぼ園』は、約40年前から有機肥料栽培を採用。ミネラル豊富な海洋深層水も利用し、幾千年も前から北海道芦別に住み着いている有用な土着菌を培養した土壌を作り上げています。

栽培法にもこだわって生まれた贅沢な3品種のお酢は、オリゴ糖入りの果実酢のため、そのままドレッシングや酢の物にお使いいただけるのはもちろん、冷水や炭酸水、牛乳、ヨーグルト、アルコールなどに割っても美味しくいただけるのが特徴です。

ぜひ、様々なシーンでお楽しみを。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

さっぱりいただく時は、炭酸で割るのがおすすめ。酢1に対し、3〜4で割るとバランスが良い。サミット、南陽、月山錦、南陽の3種全て手作り。着色料、保存料は一切使用していない贅沢なさくらんぼ酢。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8 MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supported by WAKO)

金沢発、孤高のスペイン料理店『レスピラシオン』、希少な「能登とり貝」と出合う。[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

全国の逸品が集まる豊洲市場で、日本一のとり貝との呼び声も高い「能登とり貝」。

とり貝今、注目される気鋭のシェフ。食材を求め、里海をめぐる。

石川県・能登半島の東岸、七尾市と穴水町の沿岸には、能登島をすっぽりと包み込むように七尾湾が広がっています。その北湾に位置する新崎(にんざき)漁港は、地元の人でも訪れることは滅多にない人里離れたところ。そこへ、気鋭の料理人として注目される人物がやってきました。金沢市のモダンスパニッシュ・レストラン『respiración(レスピラシオン)』のシェフ・梅達郎氏です。

2017年に金沢の中心部である近江町市場の近くに開業した『レスピラシオン』は、わずか4年でミシュランガイド北陸2021年特別版にて二ツ星を獲得。同時に、環境への配慮や生産者支援など持続可能性への取り組みを評価するミシュラングリーンスターにも輝いた、今日本で最も勢いのあるスペイン料理店の1店です。

『レスピラシオン』は3人のオーナーシェフが同格で運営するユニークな体制をとっています。そのひとりが梅氏。石川県産の食材を使ったオリジナルレシピ作りに努める同氏は、時間をつくっては意欲的な生産者の元へと足を運び、食材への理解を深めるために生産現場をその目で確認しています。今回、彼が着目した食材は、とり貝。七尾湾は知る人ぞ知る良質なとり貝の知る人ぞ知る産地。七尾湾では4地区の生産者が合計で年間約6万個の「能登とり貝」を生産しています。その中でも主力産地のひとつが、ここ新崎。沖合に設置された養殖筏を見せてもらいました。

『レスピラシオン』の梅達郎氏と能登とり貝生産組合長・小泉一明氏。梅氏はこれまでとり貝は剥き身を炭火で炙ったことがある程度の調理経験しかないと話す。

山からの栄養が豊富に流れ込み、風や波も比較的穏やかな七尾湾は、牡蠣をはじめとする貝類の養殖に適していると小泉氏は解説する。

新崎の漁師たちが能登とり貝を養殖する筏。この下の海中に能登とり貝が入った箱が吊り下げられている。

とり貝

案内してくれたのは、能登とり貝生産組合長・小泉一明氏。筏へと向かう船上で梅氏と小泉氏は話します。
「僕は金沢市の隣り、内灘町の出身。それでも最近まで、能登半島の東岸に広がるこの内浦の海をちゃんと見たこともなかったんです。先日は、ここからさらに北の九十九湾で、海藻のことについて専門家に教えていただきましたが、本当に全国でもめずらしい、恵まれた里海の環境であることがわかりました。能登半島の広大な広葉樹林が土地を育み、植物プランクトンのエサとなる栄養素が雪解け水に溶け込んで、湾に流れ込む。そして、湾の中の穏やかな環境で、植物プランクトンを栄養にしていろんな魚介が育まれると。お気に入りの食材に内浦の岩牡蠣がありますが、その旨さもなるほどこの自然環境の賜物なんだ、と。現地を見て腑に落ちたんです」(梅氏)

「能登とり貝の養殖ではエサはやりません。この海に自然に存在する植物プランクトンを食べて育っているんですわ。とり貝は太平洋側を中心に全国に産地がありますが、一般的な他産地のとり貝と比べて、能登とり貝の大きさはだいたい2倍。身も驚くほど肉厚です。そこまで大きく育つのを見ても、やっぱりこの七尾湾は特別な海なんだなと思いますね」(小泉氏)

養殖する箱の吊り下げ、引き上げは手作業。重い箱を海中から引き上げる作業は重労働であり、危険も伴う。

引き上げた箱から能登とり貝と砂状のアンスラサイトを取り出してキレイに洗浄する。能登とり貝の状況を確認し、サイズ別に分けた能登とり貝を再び箱に収めて、海中へと戻す。

とり貝無数の天敵から守り、手塩にかけて育む1年間。

ブイと木材を組みあわせて作られた筏のひとつでは、出荷とメンテナンス作業が黙々と行われています。縦横に張り巡らされた幅40cmほどの通路の間からは、美しい藍色の海面がのぞいています。ここに能登とり貝が入った箱がロープで吊り下げされています。最も深いところで水深15mほどに吊り下げられた箱を、ロープを手繰り寄せて引き上げます。大変な体力を要し、危険が伴う作業です。ようやくザバッと水面から顔を出した箱には、細かな粒状の無煙炭・アンスラサイトがびっしり。この中で能登とり貝が育っています。

毎年、新崎の漁師たちは石川県水産総合センターで育てられた稚貝を購入し、7月からこの箱で育成しています。能登とり貝は天敵が非常に多い生き物。タコやヒトデ、クロダイ、イシダイなどの天敵から守るために、海底の砂と同様の環境を再現するアンスラサイトと共に箱に入れ、ネットをかけて大切に育てます。定期的に箱を引き上げ、箱とアンスラサイトを洗浄。成長に応じて1箱に貝が20個程度入るように調整していきます。箱やネットにはフジツボ等がたくさん付着しています。これらの付着生物がネットの網目を塞いで箱の中の能登とり貝を酸素や餌の不足状態に陥らせないように、付着生物をキレイに落とすのも重要な作業です。

夏場は昼に高温になった表層の海水に能登とり貝をさらさないように、日が昇る前から作業することもしばしば。凍てつく冬場もこの作業は連日行われます。出荷は例年4月の終わりから7月上旬頃まで。七尾湾で1年間大切に育てられ、基本的に“活き”で流通する能登とり貝は、鮨店や日本料理店など魚介にとりわけこだわる全国の名店から引く手あまた。しかし、世に出回るのは春から初夏のみで、生産量が限られていることから、とても希少なとり貝なのです。

出荷する貝は、洗浄後、一つひとつ重さを測り重量サイズ別に5つの区分に分類する。港に戻ってからさらに仕上げの洗浄をして、再度厳密に計量してようやく出荷となる。

「特大」区分の貝で、この大きさ。殻の表面に付いているのが、貝の寝床となっているアンスラサイト。殻をよく見ると、貝の根元から同心円状の線が何本か付いているのがわかる。これは洗浄など貝にとって大きなインパクトがあったことが記録されたもの。それほどデリケートで傷つきやすい貝なのだ。

とり貝か弱い命を守り、安定した生産のために惜しまぬ手間と工夫。

とり貝の出荷量が多いのは、三重県、愛知県などで年間数百トンが出荷される年もあります。それに次いで多いのが年間数十トンを出荷する大阪府や兵庫県など瀬戸内海の産地。いずれも天然物です。それに対し、七尾湾産の天然とり貝は近年わずか数百キロ。養殖の能登とり貝も出荷量が過去最多となった2020年でも10トンには届きません。梅氏は、とり貝養殖のむずかしさについて疑問を投げかけます。

答えてくれたのは、新崎の能登とり貝漁師の若手として奮闘中の河端譲氏。
「とり貝は環境の変化にとても敏感な貝で、天然物は漁獲の豊凶の差が非常に激しいという特徴があります。獲れる時は大量に獲れるので、三重県や愛知県のように、数百トン程度の量になります。ところが、石川県では天然とり貝の漁獲量は1989年の約500トンをピークに急減し、1トンに満たないレベルにまで減少してしまいました。その原因は解明されていませんが、海水温や貧酸素などの環境変化によって、卵が産まれ親に育ちその親が卵を産むというサイクルが乱れたからと推測されています。そのため私たちは、能登とり貝を常に育成に最適な水深に吊るすことに細心の注意を払っています。2019年には石川県水産総合センターが七尾湾の2カ所に水温や酸素濃度と植物プランクトンの量をモニタリングする安定生産支援システムを設置し、海面から海底までの毎時のデータを可視化してくれています。我々は、そのデータを随時確認して、能登とり貝を適切な水深に移動させています」。

植物プランクトンは日光の届きやすい表層に多く発生する傾向があります。しかし、とり貝は高温に弱く、水温が28℃になると衰弱してしまいます。それでいて、深い海底近くは水温は低いものの、酸素が乏しいというジレンマがあります。
「殻が薄くて、とてもデリケートな貝です。いかにストレスなく、七尾湾の豊富な栄養分の恩恵を与えられるかが、出荷量を左右するんです」と小泉氏は話します。

牡蠣はかなりタフな環境でも力強く生き抜く一方、能登とり貝は繊細でか弱い存在。梅氏は、市場では得られなかった気づきに、感慨深げです。

七尾湾の2カ所で、海底までの水温や植物プランクトンの量をモニタリングしている安定生産支援システム。漁業者がこのデータを活用するようになり、出荷量は上昇傾向にある。

河端譲氏と小泉一朗氏。「小さいのも味は変わらん。あれはあれで旨いですよね」「そうよ、俺は案外、中くらいのが好きなんよ。もっとも貴重なプレミアムを我々が味わう機会なんかありゃせんけどもな」と、能登とり貝の話は尽きない。

1980年、石川県生まれ。和食店のホールでのアルバイトから料理の世界へ。東京・両国の『墨田』で本格的な修業を開始。27歳でスペイン・バルセロナへ渡り、ミシュラン一ツ星の『SAUC』で腕を磨く。都内のバルやレストランを経て、2017年に、幼なじみの盟友、八木恵介氏、北川悠介氏と共に、金沢市にモダンスパニッシュ・レストラン『rrespiración(レスピラシオン)』をオープンし、料理長に就任。ミシュランガイド北陸2021年特別版で二ツ星とミシュラングリーンスターを獲得。


Photographs:DAISHI MIYAZAKI
Text:KOH WATANABE
(supported by 石川県、公益財団法人いしかわ農業総合支援機構)

石川県食のポータルサイト
いしかわ百万石食鑑
https://ishikawafood.com/

七尾湾が育む奇跡の滋味。美食家を唸らせる「能登とり貝」の比類なき旨さ。[Bon appétit Ishikawa !/石川県]

『respiración(レスピラシオン)』の梅 達郎シェフが、能登とり貝で作った一皿。ごく浅くボイルした能登とり貝に、能登のワラビ、山ウドを合わせ、セリのオイルと貝出汁のソース、新玉ねぎのソース、柑橘の泡と共にいただく。

とり貝困難を極めた種苗生産研究を経て、本格的な養殖へ。

新崎漁港をあとにした『レスピラシオン』のオーナーシェフ・梅 達郎氏が向かったのは、能登半島屈指の良港である宇出津港の近くにある石川県水産総合センター。同センターは、石川県の資源管理型漁業の推進等を目的にした研究施設です。卵から出荷まで人の手で育てられる完全養殖で生産される能登とり貝は、こちらでの採卵と種苗生産に端を発します。

同センターの企画普及部長・濵上欣也氏は、能登とり貝養殖の黎明期から携わるひとり。豊凶の差が激しい天然とり貝資源の維持・安定を図るため1988年から、とり貝の種苗生産の研究がスタートしたと振り返ります。
「とり貝の卵は65ミクロン(ミクロンはミリの1/1000)しかなく、まず採卵や人工受精に高い技術を要します。とり貝はとても弱く、受精できても、2週間ほどの浮遊幼生期になぜか死んでしまってうまくいきませんでした。飼育する水温を微調整したり、餌の種類を変えたり、とにかく手探りでなんとか生き延びてもらうために試行錯誤しました。2晩徹夜して見守ったこともあります。プロジェクトの初年度から2年間担当した私はまだ24歳でしたから、とにかくがむしゃらにやっていましたね。そうして、なんとか1cm以上にまで稚貝を育てるまでに至り、数年間生産が行われました。しかし、その後、技術的な困難性や事業の効果を踏まえ、あえなく中断となってしまいました」

とり貝の漁獲低迷がさらに深刻化した頃、今度は出荷まで人の手で育てる完全養殖を目指したプロジェクトがスタートしました。2009年の予備試験で一定の成果があったので2010年から本格的に種苗生産試験と養殖試験が開始されました。漁業者への養殖技術指導などを経て、2015年についに本格出荷に漕ぎ着けます。漁業者へ10万個の稚貝の配布及び、6万個の市場出荷を目指したものの、数年は3万個台程度の出荷に留まります。研究を進めていくうちに、海水温と貧酸素、餌の量といった環境の影響が大きいことが分かり、とりわけ夏場の高水温を避けることの重要性が明らかになってきました。そこで、2019年には前出の安定生産支援システムを設置し、漁業者がいつでもスマートフォンで海中の状況を確認できるようにソフトウェアを稼働させました。これにより、出荷量が飛躍的に伸びたのです。

石川県水産総合センターにて。35年前、とり貝の種苗生産プロジェクトに若くして参画した企画普及部長・濵上欣也氏(右)。異動によってとり貝の事業から離れていたが、2009年から再びとり貝の完全養殖の推進に取り組んできた。

石川県水産総合センターの一角を借りて、能登とり貝のボイルと試食に取り組む梅氏。

茹で上がった能登とり貝。鳥のくちばしを連想させる黒く尖った身が特徴。

梅氏は食感や風味を入念にチェックしながら、本来の持ち味を最大限に引き出す調理法に思いをめぐらせる。

とり貝心地よい食感、強い甘み。その旨さ、完全に別物。

能登とり貝は、重量サイズ別に5つの区分(プレミアム・特大・大・中・小)で出荷されています。最大のプレミアムは殻付き重量で200g以上。出荷量全体のわずか1%未満と言われる希少品です。石川県水産総合センターで獲れたての能登とり貝を試食させていただきました。

プレミアムサイズの殻を自ら剥く梅氏は、その大きさもさる事ながら、ずしりとした重量感に驚きます。
「牡蠣もそうなんですが、殻の大きさに関係なく、中にどれだけ厚い身が入っているかが重要なんです。これは、手にしただけで身がいっぱいに詰まっていることがわかりますね」
内臓を取り、身を開くと、鮨ネタとしてよく見かける他産地のとり貝の倍はゆうにあろうかという一枚となりました。厚みも見るからに段違いです。

まずは定番のボイルから。濃度1%塩水を沸騰させ、1分間茹でて熱々を食べてみます。大胆に頬張った梅氏の口元からは、「ギュッ、ギュッ、ギュッ」と心地よい歯応えを感じさせる音が聞こえてきます。じっくりと身質や風味を確認しながら味わっていた梅氏は、「旨いですね」と破顔します。
「大きいからといって大味ではまったくない。むしろ甘みが強い。天然物と同じように自然の植物プランクトンで育つからでしょうね。そして、身が厚いから、一般的なとり貝のグニュっとした食感と違って、どちらかというとサクサクするような小気味よい食感を楽しめます。噛み締める美味しさがあって、噛み締めるほど甘みが増幅する。これは、普通のとり貝とは完全に別物ですね」と評価します。

次に同様にボイルした一片を冷やして試食した梅氏は、なるほど、と何か思いついた様子。鍋のお湯の温度を下げ、能登とり貝をゆっくりとくぐらせる程度に火を入れると、すぐに冷凍室へ入れて冷やしました。待つこと数分。しっかり冷えた茹で能登とり貝を頬張る梅氏は、丹念に噛み締めながら、うん、うんと頷く。さらに、クセがあるとされる生の一片もペロリ。「僕は生も好きですね、海の風味がダイレクトに来る」と微笑みました。

『レスピラシオン』の厨房にて、能登とり貝の調理に取りかかる。

調理のキモは茹で加減。試行錯誤の末にたどり着いた繊細な火入れのために、湯の温度と投入時間に注意を払う。

とり貝大地から海へと繋がる里山里海の恵みを一皿に。

後日、梅氏は能登とり貝を使った料理を用意してくれました。
「普段、僕は土地の風景を映し出すような料理はあまり作らないのですが、今回はあえてそうしてみました」と話す一皿は、いつもの『レスピラシオン』のミニマルでストイックな美しさが表現された料理とはうって変わって、能登とり貝が奔放に踊っているかのよう楽しげな印象。能登とり貝と共に皿を彩るのは、能登で旬の時期が重なる山菜であるワラビや山ウド。やはり能登の里山にも自生するセリのオイルも能登とり貝の出汁を合わせたソースに加え、新玉ねぎのソース、柑橘の泡が添えられています。

「クヌギやミズナラの林が広がる能登の里山。落ち葉やどんぐりが堆積する大地には、さまざまな動植物の命が育まれています。その土中の養分が溶け込んだ雪解け水が七尾湾に流れ込み、植物プランクトンに満ちた豊かな漁場ができる。七尾湾周辺で春から初夏にかけて旬となる山菜と合わせることで、大地から海へとつながる里山里海の風景を表現しました」と梅氏は話します。

能登とり貝を付け合わせのワラビと山ウド、ソースと共にいただきますーー。山菜特有の心地よい苦味と香り、新玉ねぎソースの自然な甘みと相まって、能登とり貝本来の旨味が単体で味わうよりも強く感じられます。海と山、それぞれに由来する個性的な味わいが調和し、響き合うような感覚。なるほど、能登とり貝の養殖筏から見た風景が、まるで味覚から再現されるかのようです。

そして、驚くのは、能登とり貝のみずみずしさ。プリンとしていて、歯応えもほどよく、上品な甘みと香りが華やかに広がります。

「70℃のお湯で10秒間の湯引きにしています。能登とり貝ならではの弾力と繊細な風味を引き出すためにたどり着いた火入れです。プレミアムサイズの場合ですから、もっと小さなものは数秒の投入でいいかもしれません。実際に調理してみて、他の貝にはない、能登とり貝の魅力を実感しました」。

今回、能登とり貝の生産地を訪ねた梅氏は、あらためて能登の里山里海が育む食材のポテンシャルの高さに驚いたと話します。
「石川の食材をもっと知りたいという思いが強くなりました。すぐれた食材の新たな魅力を発掘し、伝えるのは、料理人の大切な役割でもあります。自分の皿を通じて、発信していきたいです」。

能登とり貝と山野草を合わせ、七尾湾の里山里海の風景が一皿に表現された。

築150年の町家をリノベーションした『レスピラシオン』では、日々、石川県産食材の新たな魅力を引き出した食体験が繰り広げられている。

1980年、石川県生まれ。和食店のホールでのアルバイトから料理の世界へ。東京・両国の『墨田』で本格的な修業を開始。27歳でスペイン・バルセロナへ渡り、ミシュラン一ツ星の『SAUC』で腕を磨く。都内のバルやレストランを経て、2017年に、幼なじみの盟友、八木恵介氏、北川悠介氏と共に、金沢市にモダンスパニッシュ・レストラン『respiración(レスピラシオン)』をオープンし、料理長に就任。ミシュランガイド北陸2021年特別版で二ツ星とミシュラングリーンスターを獲得。

住所:石川県金沢市博労町67 MAP
電話:076-225-8681
営業時間
 昼:12時一斉スタート
 夜:18時一斉スタート
定休日:月曜日を中心に月6回
https://respiracion.jp/


Photographs:SHINJO ARAI, DAICHI MIYAZAKI
Text:KOH WATANABE
(supported by 石川県、公益財団法人いしかわ農業総合支援機構)

石川県食のポータルサイト
いしかわ百万石食鑑
https://ishikawafood.com/

パンチングレザーグローブ

夏用にパンチングレザーグローブが登場!

  • カフス部にはYKK社製のロゴ入りパーメックス釦を使用
  • 裏地は速乾性に優れ夏場のライディングでのベタ付きを解消してくれます
  • 車種を選ばず使える大人なグローブです
  • 革の特性上使い込むうちに馴染む為、ジャストサイズでお選び頂く事をオススメします
  • グローブはこちら

 IHGB-03 :サイズスペック

  A:甲幅 B:全長
S 9.5 19.0
M 10.0 19.5
L 10.5 20.0
XL 11.5 21.0
  • 商品により若干の誤差が出る場合がございます

素材

  • 牛革

パンチングレザーグローブ

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拠点も名刺も持たず、ただ旬の食材だけを持って最高の料理を届ける。さすらいの料理人・カルロス。[出張料理人カルロス/広島県広島市]

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出張料理人・カルロス氏の料理の数々。「旬という時間軸が失われつつある現代で、その季節を楽しみに待つような料理をつくり続けたい」。

出張料理人カルロスカルロス×カルソッツで、目指す新たな広島名物。

広島には、地元を拠点に活躍する、一風変わった出張料理人がいます。

その名は、カルロス。

店もホームページも名刺さえも持たず、ただ縁のあった人の元へ赴き、そして最高の料理を作り上げる料理人。その風貌から屋号としてカルロスと名乗っていますが、広島育ちの日本人。ファッションも、料理も、生き方も、すべてが自己流である、魅力的な人物です。

そんなカルロス氏の話でとくに興味深いのは「カルソッツ」なる言葉。これはスペイン・カタルーニャ州の名物で、長ネギのように細長いタマネギのこと。これを直火で真っ黒になるまで焼いて、皮を剥いてディップにつけて味わう料理がカタルーニャ名物としてあるのだそう。家庭料理ではなく、BBQや祭りで味わうのが本場流。カルロス氏は、このカルソッツを、日本に広めたいのだといいます。しかし日本にはカルソッツという品種はありません。だから広島の生産者に依頼し、日本流のカルソッツを生産してもらっているのだといいます。

調理中のカルロス氏。幼い頃から外国人と間違われることが多く、現在はその経験を逆手に自らカルロスの屋号を名乗っている。

カルロス氏がカルソッツの生産を依頼する『夜明けのジョニー農園』の農園主・ジョニー氏。広島の里山の畑でジョニーとカルロスがネギについて語り合う、という不思議な光景だ。

出張料理人カルロス地元の、旬の食材で仕立てる、その日、その場所だけの料理。

とある春の一日、カルロス氏に出張料理を依頼してみました。

到着したカルロス氏が持っていたのは時期も終わりに近かったカルソッツと、いくつかの野菜、それに採れたての卵や米、地元の魚。

到着するやいなや、すぐに料理に取り掛かるカルロス氏。それは見惚れるような手際です。持参した器具と、現地の器具を無駄なく使い、初見の厨房でも、まるで戸惑う様子はありません。そして、目の前で調理をしているからこそ、話を聞く時間もいくらでもあります。

まず気になるのは、なぜ出張料理人なのか、ということ。その手際を見ていると、レストランを構えて人気を集めることだって簡単そうに思えます。

「自由な身でいることで、いろいろな人、いろいろな食材に出会いたいんです」。

カルロス氏の答えはシンプルでした。

「旬という時間軸が失われつつある現代で、その季節を楽しみに待つような料理をつくり続けたい。そのために何ができるか考えてみると、料理の過程やストーリーを伝え、体験として愉しんでもらうことが一番だと思いました」。

それは個性的なファッションに身を包み、フランクな物腰のカルロス氏の、揺るぎない哲学。

その後も調理は続き、やがて本日のディナーが完成しました。

ニンジンとミカンのマスタードソース和え、オリーブのソースを合わせた広島の鯛、蒸し鶏にはカルソッツの青い部分とジョニー農園の芽ニンニク。どれも直感的に「旨い!」と思える完成度。いわば子供が食べても、笑顔になって、おかわりを欲しがるような味です。もちろん大人が食べても、心から満足の吐息が漏れます。

肉料理は柑橘系のタレに漬け込んでからオーブンでじっくりと焼き上げた豚塊肉。里芋と牡蠣と芽キャベツとジャコのアヒージョは、汁まで飲み干したくなるようなおいしさ。炊きたての米は、新鮮な卵と塩で卵かけご飯に。

イベントでの調理経験も豊富なカルロス氏は炭火やBBQコンロを使った料理もお手の物。難しい炭火の火加減も見事にコントロールする。

ニンジンとミカンのマスタードソース和え。ニンジンの甘みとみかんの酸味の調和が絶妙。あえて食感を残すようなニンジンのサイズ感も見事。

近海産の新鮮な鯛の刺し身を、オリーブのソースで。淡白でクセのない鯛に、あえて存在感のあるソースを合わせることで、鯛そのものの魅力も引き出す。

しっとりと蒸しあげた鶏に、広島産タマネギ(カルソッツ)の青い部分と芽ニンニクのソースを合わせた一品。

里芋と牡蠣と芽キャベツとジャコをアヒージョ仕立てに。里芋のとろみと牡蠣の旨味が溶け出したスープは、それだけでツマミになるような濃厚なおいしさ。

出張料理人カルロスカタルーニャの伝統を、広島で再現。

仕上げは、やはりカルソッツ。網の上で真っ黒になるまで焼いた国産カルソッツを新聞紙に包んでしばし蒸らす。それから黒い部分を手で掴んで引っ張ると、つるりと皮が剥けます。ロメスコソースやアリオリソースにつけたら顔の上まで持ち上げて、下からかぶりつくのが正しい食べ方。

かぶりつくと熱い汁が口を満たし、それから甘み、そしてネギの風味と柔らかい甘みがソースと見事に絡み合います。そして何より、このお祭りのような愉しさ。大きな口を開けてカルソッツにかぶりつく行為は、まさにカルロス氏がいう「体験としての食」に違いありません。

その他の料理も同様に、ただ料理を食べるだけの食事ではなく、食材や調理法の背後にある物語まで追うような体験。知らなかった広島の食材に出合い、知らなかった異国の文化を知り、そしてそんな素敵な時間を届ける出張料理人の存在を知る。そんな出合いと発見が、食の感動を倍増させてくれるのです。
そして出張料理人として、希望の場所にこんな感動を届けてくれることこそ、カルロス氏が出張料理人としてさすらいの存在で居続ける理由なのでしょう。

カルロス氏の作り上げたディナー。「お腹いっぱいになってほしい」との思いから、食べきれないほどボリューム満点にするのがカルロス流。

外側の皮が真っ黒に焦げ、隙間から小さな泡が溢れ出したら焼き上がり。「できれば地元紙で」という新聞紙に包んで数分蒸らしてから味わう。

右手で黒い部分、左手で青い部分を掴んで上下に引くと、つるりと皮が剥ける。お好みのディップにつけてかぶりついて味わう。

https://www.instagram.com/sundayscarlos/


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(supported by SUBARU)

さくらんぼの王様「佐藤錦」を、シンプルに、ダイレクトに。[和光アネックス/東京都中央区]

店名と同じさくらんぼを販売する『佐藤錦』の「さくらんぼ佐藤錦100%ジュース」(箱入り)。食通も唸るフレッシュなジュースは、ギフトにも最適。

WAKO ANNEX自信があるから余計なことは一切しないジュース。

山形のさくらんぼを代表する「佐藤錦」を生んだ佐藤栄助翁を祖先に持つ『佐藤錦』。

さくらんぼの王様と形容される「佐藤錦」を100%使用した贅沢な「さくらんぼ佐藤錦100%ジュース」は、さくらんぼが持つすっきりとしたキレのある酸味とほのかな甘みが特徴です。

まるでルビーのような色合いは、自然が生んだ素材そのものの美しさ。栽培には非常に手間暇と時間がかかり、農家の高い技術も必要とされます。

丁寧に育てられたさくらんぼをふんだんに搾ったジュースは、体にも良く、ストレートはもちろん、氷を入れて冷やしたり、レモンスライスを入れて飲むのもおすすめ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

美しいルビー色は、素材のさくらんぼ「佐藤錦」の品質の高さを物語る。ストレートで飲むことによって、果物の本来の味をダイレクトに堪能できる。

季節に応じて、夏などは氷を入れてオンザロックで飲むのも爽快。レモンスライスとの相性も良く、よりすっきりとした味わいに。ぜひお試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8 MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supported by WAKO)

大人が、全力で遊ぶために作られた秘密基地。瀬戸内の小島に佇む、海辺のヴィラ。[瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島/広島県東広島市]

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まるで地中海にあるような建築の『瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島』。長閑な大芝島にあって異質ではあるも、不思議と景色と馴染む。

瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島目的地は全周約7kmの小さな島。

広島で宿泊場所を探そうとすると、魅力的な施設が多いことに気付きます。

百万都市である広島市街には名だたる名門ホテルが並び、瀬戸内の島々にはオーベルジュからペンションまで、そして山間部には老舗の温泉宿も。選択肢が多すぎるのは、うれしい悩みでもあります。

絞り込みのために希望条件を追加してみましょう。瀬戸内の海を望むオーシャンビュー。波音が部屋まで届くような静かなロケーション。その雰囲気に浸れるような貸し切りの宿。条件を追加する度に候補は減り、最後に一軒のヴィラが残りました。それが『瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島』です。

所在地は周囲7km、島民はわずか100名。みかん栽培が盛んで、島内にはレストランも商店もないという小さな島、大芝島。それはきっと瀬戸内の凪いだ海のように静かな島なのでしょう。朝日で目覚め、日没で仕事を終えるような、昔ながらの生活が残っているのでしょう。そしてきっと、心震えるような美しい景色と出合えるのでしょう。少ない情報をつなぎ合わせて想像しながら、大芝島への道をたどります。

予想に反し、本土と大芝島を結ぶ橋は立派な造り。橋上の道幅は狭いものの、島民100名ほどの小さな島の入口としては橋自体の構造は重厚で、そして美しい姿をしていました。大芝島に寄せる期待も高まります。橋は大芝島の西端にあり、ヴィラは島内の東端。島の外周を走る道路を進むと、想像していた通りの景色が広がります。犬の散歩をしている人、海に釣り糸を垂らす人、軒先の椅子にただ座っている人。小さな港沿いにはガードレールもない細道。山の斜面の段々畑はみかん畑でしょうか。波音が生活のリズムを刻むような、浮世離れした離島です。

浅瀬の先に見える岩山の案内には『大芝島のモンサンミッシェル』とあります。言われてみれば、あの修道院とよく似た姿です。小さな発見のひとつひとつが、心を日常から非日常へと誘うような体験になります。

本州と大芝島を結ぶ大芝大橋。総橋長470mの重厚な橋で、優れた建造物に贈られる土木学会の賞も受賞している。

大芝島の外周を走る道路。一部はガードレールもなく、視界の先いっぱいに海が広がるような絶景が楽しめる。

『大芝島のモンサンミッシェル』。規模は小さいが、干潮のときにのみ陸と道で繋がる岩山は、本家とそっくりな景観。

瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島遊び尽くしたオーナーが、自身の夢を詰め込んだ場所。

小さな島を半周分、ゆっくり走って30分もかからぬ道中ですが、それは見どころが多く濃密なドライブとなりました。そしていよいよ目的地に到着です。

『戸内ヴィラ ダイアリー大芝島』は、海を望む道路に建っていました。地中海のような雰囲気の建築はこの長閑な島にあって異質ではありますが、不思議と景色と馴染んでいます。

海側は全面ガラス張り、館内全てがオーシャンビュー。寝室からも、バスルームからも、リビングからも、ダイニングからも、どこにいても海が見えます。白を基調にした室内に瀬戸内の光が差し込みます。それは眩しいほどの光量です。

その圧倒的な開放感は、一般的な宿泊施設とは一線を画します。すべての部屋が横一線に配置され、部屋を移動するためには別の部屋を通り抜ける必要があります。しかし、どこにいても海が見えるのです。つまり利便性や動線など商業施設ならば当然重視される部分よりも、瞬間的な景観を重視しているような施設なのです。便利であることよりも、楽しい場であること。それは言うなれば、振り切った遊び心のようなもの。

では果たしてどんな想いでこの宿をつくったのでしょうか。そこで出迎えてくれたオーナーの山田悟市氏に尋ねてみました。

聞けば山田氏はこの島でもう一軒同じようなヴィラを営んでいるといいます。しかし生まれはこの島ではありません。ただこの島、この海に惚れ込み、通い続けたのです。

「この大芝島に島外から移ってきた最初のひとりが私です」。そう山田氏は言いました。それはこのヴィラを開くためではなく、ただ「自分が遊ぶためですよ」と笑いました。

若き日の山田氏は、とにかく本気で遊び尽くしたといいます。冬は雪山、夏は海。大好きなハワイにも足繁く通いました。とくにウェイクボードはプロを目指すほど熱中。ただ好きなことに熱中する生き方に憧れていたのです。そうして自分でも「遊び尽くした」と思えたとか。やがて年齢を重ね、海遊びにはドクターストップがかかったとき、山田氏は考えました。

「自分が大好きなこの海を、もっと知ってほしい」。

自分の海遊びの拠点だった家を改築してヴィラにしました。そこだけでは足りなくなると、自分の理想を詰め込んだヴィラをもう一軒、ゼロから作り上げました。1日1組限定の、隠れ家のような貸し切りヴィラ。海を間近で見つめ、感じ、マリンスポーツをするにも、ただゆったりと過ごすにもぴったりの場所。それがこの『瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島』なのです。

窓の向こうは小路を挟んですぐに海。瀬戸内ブルーと呼ばれる明るい青の海が広がる。島の端にあるヴィラの前は通行人も少なく、視線も気にならない。

寝室にもこのサイズの窓。日が落ちると海の向こうの灯台の明かりや星あかり以外は何も見えないほど真っ暗になる。

ファッションやデザインも好きなオーナー山田氏の手により、構成するあらゆる要素がスタイリッシュ。まるで地中海にいるような気分に。

自身の半生を回顧する山田氏。自分で「遊び尽くした」といえるほど遊んだからこそ、自信を持ってこのヴィラを作り上げられたのだろう。

瀬戸内ヴィラ ダイアリー大芝島体全体で海の存在を感じる、特別な時間。

テラスのデッキチェアに座ると、静かで、規則正しい波音が聞こえます。太陽の角度により、海の色は刻々と変化します。ダイニングで食事をするときも、リビングのソファに腰を下ろしても、海は見え続けます。やがて完全に日が落ちて、窓の外の景色は真っ黒になっても、波音は変わらずに届きます。

それはきっと、海育ちではない人が、もっとも海に近づける時間。常に海が見え、聞こえる。だんだんと海の存在に慣れ、その存在が当たり前になる。時折、目の前の海をフェリーが横切り、ふと高い波音が聞こえると、再び海に意識が向く。そんなことの繰り返しが、海を身近に感じさせてくれるのです。

旅という短い時間の中で、土地の人の生活や想いの一端に触れること。それは狙ってできることではありませんが、こうして実現できたとき、その旅はきっと誰しもにとって忘れがたい記憶となることでしょう。

ヴィラの中、どの場所にいても常に視界には海がある。その海との距離感が、非日常へと誘ってくれる。

焚火や花火やBBQなど、日が落ちてからの楽しみもいろいろ。一棟貸しのヴィラならではの贅沢な時間だ。

住所:広島県東広島市安芸津町風早2612-8 MAP
電話:0846-45-6251
http://y51.jp/

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(supported by SUBARU)

最強の缶詰。酒との相性抜群の肴。[和光アネックス/東京都中央区]

京都府丹後半島網野町で魚屋一筋50数年、1950年創業『魚政』の「サザエの缶詰 京丹後産サザエの昆布オイル煮」。京丹後産のサザエを使用し、昆布オイルで仕上げたオリジナルの缶詰。

WAKO ANNEX歯ごたえ、旨味、濃厚エキスが凝縮されたサザエ。

京都丹後地方は日本の中心部に位置し、冬の松葉ガニ、春の定置網、夏の丹後とり貝、岩牡蠣、秋の底引網、のどくろなど、四季ごとに様々な海産物が水揚げされます。

そんな土地をお膝元に海の美味追求をしているのが『魚政』です。

「このような自然環境に恵まれた中から、旬を大切に、味を大切に、今までの豊富な経験と知識を活かし、皆様に喜んでいただける松葉ガニや海産物をお届けします。蟹や魚には“何故そのようになるのか、なったのか”“生態や姿”“季節”など、漁場や歴史など必ず必然性があります。そのことを理解し、魚や蟹の本質を大切にして取り扱います」とは、代表・谷次賢也氏の言葉。

「サザエの缶詰 京丹後産サザエの昆布オイル煮」においても同様。大粒のサザエは、独特な形状をし、歯ごたえ抜群で旨味が凝縮。一度に大量にボイルしてから、食べやすく剥き身にし、上質な昆布とオイルで煮込み、贅沢な缶詰に仕立てます。よく肥えた時期のサザエから滲み出てきた濃厚なエキスは、実に味わい深い逸品。

酒の肴や、おつまみに。そのほか、アヒージョなど アレンジして幅広く楽しめる万能選手な品です。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

そのままでも質の高い味わいだが、トマトの酸味をアクセントに合わせるのもバランスが良く、おすすめ。ローズマリーを添えればオイルに香りが移り、海と森の美味饗宴を果たす。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8 MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supported by WAKO)

シモンズビルトホースハイドウエスタンシャツ

 

ボスのオススメ

ボストーク:2022-06-03掲載

    数量限定!シモンズビルトホースハイドウエスタンシャツ

  • きめ細かなブラッシングされたような表面で、手触り最高の1枚
  • 日光などで色が変わっていくイタリアンホースハイドナチュラルベジタブルタン
  • 作ってるのはスコットランドのシモンズビルト。もちろんアイアンの別注モデルです

サイズスペック

着丈 肩幅 バスト 裾回り ウエスト 袖丈 袖口幅
S 74.9 41.9 100 96.6 95 65.3 10.2
M 74.9 43.2 105 101 99.6 65.9 10.4
L 76.5 44.7 110 108 105 66.8 10.9
XL 77.2 46.7 115 115 110 67.3 11.2
XXL 77.2 47.8 120 116 115 67.6 11.7
  • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。

素材

  • 馬革