
『DINING OUT KISO-NARAI』のサービスを担当した『JALふるさと応援隊』の3名。左から横山侑己さん、伊藤昌代さん、鈴木麻里さん。
DINING OUT KISO-NARAI地域活性化を目指し創設された『JALふるさと応援隊』。
2022年7月23日、24日に開催された『DINING OUT KISO-NARAI』。地元の婦人会や小中学生の協力のもと、その後も続くような地域との繋がりを生むことが今回の『DINING OUT』の目的のひとつでもありました。
そんな会場には、洗練された立ち居振る舞いとマスク越しでもわかるにこやかな笑顔でゲストをもてなす3名の人物の姿がありました。
彼女たちは、日本航空の現役客室乗務員。全国各地の活性化を応援するために社内公募により選ばれた『JALふるさと応援隊』のメンバーたちです。
『JALふるさと応援隊』とは、客室乗務員の資質をさらに広い場で発揮すべく生まれたプログラム。地域の活性化をさまざまな活動を通して応援し、そして、そこでの学びを日頃の乗務にフィードバックする。そんな思いの元、各都道府県約20名、合計約1,000名のメンバーが日々活動をしています。
地域と交流を生み、地域に貢献することを目指した今回の『DINING OUT KISO-NARAI』。その現場に同じ志を持つ『JALふるさと応援隊』が応援に駆けつけてくれたのです。今回はそんな3名の現場で思いや、イベントを終えてみての感想を伺ってみます。

さまざまな立場のスタッフが、それぞれのスキルと長所を活かして活躍。誰もが『DINING OUT KISO-NARAI』の成功を支えた立役者。
DINING OUT KISO-NARAI漆器の魅力と、人との交流の大切さに気づいた2日間。
ゲストのお出迎えからレセプション、本番のドリンクやフードのサービスまで。さまざまな場面で、自然体のようで行き届いた目配りで活躍した横山侑己さん。今回の体験の中、「とりわけ漆器の魅力を強く感じました」と言います。
「漆器というと大切に箱にしまって特別な日に使う食器というイメージでした。しかし木曽の漆器は日常的に使い、使い込む事でさらに透明感が増していくもの。給食食器に使うことで子供の頃から本物に触れる教育も含め、漆器との関わり方も魅力的に映りました」と振り返る横山さん。
地元で愛され、親しまれているからこそ、外に向けてのPRにも力が入る木曽漆器を通し、これからの地場産業の在り方にも思いを寄せた様子でした。さらに、さまざまな立場の方と一緒に働くことで多くの気づきも得たといいます。
「サービスのプロフェッショナル、地域のお母さんたち、奈良井で宿やお店を経営されている方々。いろいろな方が一緒に働き、互いの良いところを吸収していく。それが地域活性化の原動力になると思います。今回のイベントで生まれた関係性を今後も続けながら魅力を発信していきたいです」。
そんな心強い言葉は、奈良井の未来のための大きな力になりそうです。

お客さまとのファーストコンタクトは、塩尻駅前。送迎バスにてお迎えをする横山さん。ゲストの中には、「JALの制服の方にお出迎えしていただき、びっくりしました」との声も。

「チーム一丸となって奈良井の魅力をお客様に伝えられたことをうれしく感じています」と手応えを伝えてくれた横山さん。
DINING OUT KISO-NARAI自らが一番のファンになった奈良井での体験。
にこやかな笑顔が会場でも目を引いた伊藤昌代さん。準備の際には、さまざまな地元の方と積極的に話をする姿が印象的でした。
「いろいろな方と話をするのが大好きで、地元の方ともたくさんお話させて頂きました。そこで気づいたことは、皆さん本当に奈良井が大好きで、奈良井をもっと元気にしたいと思っていること」。
ある時、地元の方が「もっと奈良井を良くするにはどうしたらいい?」と伊藤さんに尋ねたといいます。
「この街のすべてが魅力です。この街を通るだけで、きっと皆さん感動しますって伝えました」と、伊藤さん自身も奈良井に惹かれた様子。100年続く街の中に実際に身を置いたことでその素晴らしさを体感し、そこに暮らすことの豊かさを改めて感じたのでしょう。
奈良井のために自分ができることとして、「これからJALの飛行機に乗ってくださった方々に、奈良井の魅力を伝えていきたい」とも語ってくれました。

「私自身が奈良井のファンになりました。いつか家族と一緒にまた訪れたい」と率直な感想を伝えてくれた伊藤さん。
DINING OUT KISO-NARAI日頃のフライトに活きる、『DINING OUT』のチーム力。
冷静沈着な姿と広い視野で裏方のサービスを支えた鈴木麻里さん。しかし、イベントを終え、少しだけ上気した顔からは、やりきったという満足感が伝わってきました。
「日本航空にはJALフィロソフィという指針があり、そのひとつにスタッフの“ベクトルを合わせる”という項目がございます。今回、2日間の『DINING OUT』を終えて、それぞれ立場が異なる方がひとつの目標に向かったことは、まさにベクトルが合っていたと感じています。今回の経験を乗務に活かすのと同時に、この地域の良さを伝えていくことも応援隊の役目」と鈴木さん。
ベクトルを合わせるための対話の重要性、チームを率いた長谷川在佑氏のリーダーシップなど、今回学んだ多くのことが、今後に役立つといいます。
「今回の経験を乗務に活かすのと同時に、この地域の良さを伝えていくことも応援隊の役目」と、日本各地、そして世界の人々に向けて奈良井の魅力を発信することを約束してくれました。
現在、『日本航空』では様々な地域活性プロジェクトに取り組んでいます。今回の『DINING OUT』の様子は、JALの機内映像プログラムでも放映が予定されており、地域に暮らす人々とのおもてなしを経ての気づきや発見、『JALふるさと応援隊』の今後の展望について話を伺っています。
そして、彼女たちを機上で見かけた際には、是非、木曽・奈良井の町の魅力を直に聞いてみていただければと思います。

鈴木さんは「今回のイベントで初めて奈良井を訪れ、日本にこんなに素晴らしい場所があるのだと驚きました」と、奈良井の第一印象を伝えてくれた。
Photographs:SHINJO ARAI
Text:NATSUKI SHIGIHARA