地域の光と影。「ルレ・エ・シャトー」9人のシェフが教えてくれたこと。

「本丸庭園」に設えられたレストラン「Delicious Journeys in Matsumoto。「国宝 松本城」にて食のイベントか開催されるのは今回が初。

国宝松本城チャリティーガラディナー 「ルレ・エ・シャトー」だから結実できた幻の2日間。

去る10月16日、17日。長野県松本市を拠点にホテル・宿を運営する「扉ホールディングス」主催のもと、Delicious Journeys in Matsumoto」が開催。

料理を担うのは、「ルレ・エ・シャトー」より厳選された9名のシェフです。日本からは、金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフ、宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフ、大阪「柏屋」の松尾英明シェフ、松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフ、大阪「ラ・ベカス」の渋谷圭紀シェフ、京都「要庵 西富家」の美坂昌希シェフ、神戸「神戸北野ホテル」の伊井野昌洋シェフ、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納正智シェフが招集され、海外からは、フランスより、「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフが来日。この2日間だけのチームが結成されました。

会場となったのは、「国宝 松本城」。まだ空の青が残る静謐な空気の中、一般の入場を終えた時間から会の幕が上がります。合図となったのは、穏やかに鳴り響いてきた神々しい雅楽。その音色は、耳に優しいだけでなく、心身も浄化してくれるような感覚を覚えます。旋律が消えた瞬間、重く大きな「黒門」の扉が開き、ゲストは境界の向こう側へと足を運びます。

一体、どんな世界が待っているのか。いよいよ始まります。

※「Delicious Journeys in Matsumoto」の参加費の一部は、文化財でもある国宝「松本城」の保全、保存、保護のために寄付されます。

「黒門」の前に響き渡る雅楽の音色。澄んだ音色は、まるで空気を辿り、旋律が奏でられ、心の奥底まで響きわたる。

国宝松本城チャリティーガラディナー 文化、歴史、伝統を舞台に、シェフ、サービス、そしてゲストのパッションが交錯。「国宝 松本城」に新たな景色を創造する。

「黒門」をくぐってすぐ。早速、美食の旅が始まります。

まず、アペリティフとして用意されたのは、3品のカナッペ。京都「要庵 西富家」の美坂シェフが手がける「ブラックダイヤと京都丹波栗・信州味噌チーズもなか」と神戸「神戸北野ホテル」の伊井野シェフが手がける「シナノユキマスのコンフィ 松本一本葱の柑橘キャビア」、そして、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが手がける「石垣牛とりんご 長野県産野菜のカナッペ 本わさび風味」です。

信州味噌やシナノユキマス、松本一本葱など、地元食材を使用することはもちろん、京都丹栗や石垣牛など、それぞれのシェフがレストランを構える地元食材と掛け合わせている妙は、料理を通した旅そのもの。スタンディング&フィンガーフードスタイルですが、料理のクオリティは、グランメゾン。しかし、本当の舞台はこれから。さらに歩を進めた先にある「本丸庭園」に設えられた舞台が今宵のディスティネーションです。「国宝 松本城」を間近に望む舞台は、すべてがプラチナシートと呼ぶに相応しい特等席。

ゲストが着席するころ、辺りは朱に染まり、マジックアワーに。今回のホストを務める「扉ホールディングス」代表兼「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長の齊藤忠政氏がその想いを語ります。

「国宝 松本城は、これまでに数多くの取り壊しの危機があり、都度、先人たちが守り続けてくれたお城です。この宝を残してくれた全ての方に感謝いたします」。

現代において、「国宝 松本城」と邂逅できる奇跡に想いを馳せ、やがて闇の帳が降り、宴が始まります。

まず1品目、もとい、4品目は、大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフの前菜「松本まみれの小鹿」。サヤインゲン、カラフル人参、クリタケ、シイタケ、市田柿、ピオーネ、シナノスイート、鹿、信州味噌、リンゴ酢、豆腐、オニグルミ……。全て松本の食材。黒いソースは鹿の出汁、白いソースはオニグルミ。あえて例えるならば、白和えのような味わいとでも言うべきか。食材を細かく刻み、混ぜ込むことによって、口内で見頃に調和。「ポール・ボキューズ」、「ジョエル・ロブション」、「アラン・シャペル」という3人の巨匠のもと、研鑽を重ねてきた技術は、まさに本物。その料理観が見事に表現され、食材はもちろん、渋谷シェフの人生も大いにまみれたひと皿。「ラ・ベカス」においては、同行したサービスの質も高さも特筆すべき点。渋谷シェフの料理だけでなく、他のシェフの料理においての理解度も高く、決して大きくはないレストランだからこそ結束されたおもてなしは、実に心地良く、その姿においても、堂々と美しい。

5品目は、金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフの前菜「鯉に上下の隔てなし」。海のない信州長野では、魚といえば川魚の文化。中でも鯉は郷土料理の代表的な食材です。

「信州長野の食材を考えた時、真っ先に考えたのが鯉でした。中国の古事によると、鯉は急流を登る唯一の魚。登りきった鯉は龍になったと伝えられ、幸運な魚としても崇められています」。

昨今の難局を経た激動の時代は、まさに急流のよう。それを登りきり、今回のような体験ができたゲストは、まさに幸運だったに違いない。

特設テントに厨房を設置し、9人のシェフとそれぞれのスタッフが総出で調理する。

アペリティフ、3品のカナッペ。左より、神戸「神戸北野ホテル」の伊井野シェフが手がける「シナノユキマスのコンフィ 松本一本葱の柑橘キャビア」、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが手がける「石垣牛とりんご 長野県産野菜のカナッペ 本わさび風味」、京都「要庵 西富家」の美坂シェフが手がける「ブラックダイヤと京都丹波栗・信州味噌チーズもなか」。

左より、神戸「神戸北野ホテル」、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」、京都「要庵 西富家」。

大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフの前菜「松本まみれの小鹿」。

大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフ(左)とサービスの小河友最香さん(右)。料理だけでなくスタッフのサービスも光る。個性豊かなキャラクターも「ラ・ベカス」らしさ!

金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフの前菜「鯉に上下の隔てなし」。

「今回の料理は、佐久出身のスタッフ・萩原彩音と共に作りました」と話す言葉が印象的だった金沢「日本料理銭屋」の髙木シェフ。食材だけでなく、人の想いも地域に寄り添う。

夕刻から夜にかけ、刻一刻と風景が変わる刹那の感動も野外の醍醐味。多彩に表情を変える「国宝 松本城」の絶景もまた、ゲストの満足を高める。

今回の会場には多くの外国人ゲストが参加したことも特徴すべき点。「素晴らしかった」「こんな経験をしたことはない」「Amazing experience」など多くの感動の声が寄せられた。

国宝松本城チャリティーガラディナー 味だけでは語れない。物語があるからこそ、その料理は人生のひと皿になる。

6品目は、大阪「柏屋」の松尾英明シェフの「ニジマスとホタテと木の実の真蒸 松茸、蕪、銀杏芋、紅葉人参、松葉柚子」の煮物椀。この日、初の温かな品は、野外ゆえ、より格別に舌と身体を喜ばせます。香りもサイズも一級の信州松本の松茸は、まさに贅の極み。

ニジマスや前述の鯉は、「雄大な山々から流れる清らかな水が育んだ食材であり、その恵みによって里山文化が生まれました」とは、ホスト・齊藤氏の言葉。美味に歴史を重ねることによって、料理に奥行きを与えます。

7品目は、フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフの魚料理「マルミタコ 漁夫の帰郷」。マグロのロース(背中)を信州長野の醤油でマリネしたものとマグロの腹部位をタタキにしたもの、2種のマグロマグロをトマトとスパイシーなソースで味わう品。万願寺とうがらしが味に締まりを与えます。

8品目は、宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフの肉料理「信州牛のロティ 長野県産の伝統発酵食品すんきのベアルネーズ 秋の茸と落花生のピティヴィエ」。柚餅子の柑橘や味噌の風味を纏わせた信州和牛には、長野の落花生と伝統発酵食品すんきの酸を活かしたベアルネーズソースで。また、フランスの菓子、ピティヴィエをアレンジした添えものも秀逸。長野県のキノコと鶏肉のムースを合わせ、料理の完成度をより高みへと誘います。音羽氏は「ルレ・エ・シャトー」の「シェフ・トロフィー2019」のほか、「ゴ・エ・ミヨ」や「ディスティネーションレストラン」など、様々な賞を受賞しています。しかし、「オトワレストラン」といえば、家族愛ではないでしょうか。和紀氏をはじめ、厨房には長男の元氏、サービスには料理人でもある次男の創氏、マネージメントなどには長女の香菜さん。この日も、サービスには香奈さんの姿が。

「小さい頃から、両親が料理をする姿を見て育ってきました。歌舞伎と同じように、物心ついた時からレストランに接してきました」と話します。

例えば、フランスのシャトーにおいても、多くの銘酒はあれど、一族経営というと分母は激減。ファミリーで営むことがどれだけ難しいかを物語っている一方、継承し続けることによって生まれるのは確固たる文化。「オトワレストラン」(の家族)には、星や順位、ランキングだけでは計れない、本当に必要とされるファインダイニングとは何かの答えが潜んでいるのではないでしょうか。

9品目は、松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフのデザート、「小布施栗のモンブラン 洋梨とベルベーヌのスープ 白トリュフ添え」とミニャルディーズ「琥珀糖 最中と小豆のマカロン 豚のレーズンサンドシャインマスカット」です。

唯一の地元のシェフでもあり、「ふんだんに地元食材を起用しました」と田邉シェフ。デザートのモンブランには、シャモの卵と信州長野県のブランデーを使い、モンブランの中にもドライフルーツを使ったヌガーグラッセが。鼻から抜ける栗とトリュフの香りのマリアージュも実に爽快。

9人のシェフと9つの料理。それぞれの個性をまとめ上げるのは、「ルレ・エ・シャトー」のヴィジョン、「料理とおもてなしで世の中に貢献する」の指針にあるのかもしれませんが、この日、さらにそれをひとつの世界に仕上げたのは、「国宝 松本城」の存在かもしれません。

「Delicious Journeys in Matsumoto」の時間、常に側で見守ってくれていたのは「国宝 松本城」です。野外レストランは、ロケーションで決まる。大げさかもしれませんが、圧巻の風景は、それほどまでに説得力に満ち溢れ、力強く、優しく、全てを抱擁した豊かな時間を育んでくれました。

今回、Delicious Journeys in Matsumoto」に携わったメンバーは、総勢80名。この2日間のために、一致団結し、最高の時間を創出した。

大阪「柏屋」の松尾英明シェフの「ニジマスとホタテと木の実の真蒸 松茸、蕪、銀杏芋、紅葉人参、松葉柚子」の煮物椀。

お客様一人ひとりのメニューにサインをする大阪「柏屋」の松尾シェフ。他8名のシェフのサインも綴られたものがテーブルに配される。

フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフの魚料理「マルミタコ 漁夫の帰郷」。

フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリックシェフ。「松本の街はコンパクトで自然とのバランスが良い。バスクに似ており、愛着が湧きます。ぜひ、また訪れたい」。

宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフの肉料理「信州牛のロティ 長野県産の伝統発酵食品すんきのベアルネーズ 秋の茸と落花生のピティヴィエ」。

シェフ同士の交流も生んだ「Delicious Journeys in Matsumoto」。松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフ(左)、右より宇都宮「オトワレストラン」の音羽ファミリー長女の香奈さん、和紀シェフ。

松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉シェフのデザート、「小布施栗のモンブラン 洋梨とベルベーヌのスープ 白トリュフ添え」とミニャルディーズ「琥珀糖 最中と小豆のマカロン 豚のレーズンサンドシャインマスカット」。

国宝松本城チャリティーガラディナー 地産地消だけではないシェフからのメッセージ。そして、地域と向き合う光と影。

Delicious Journeys in Matsumotoでは、地産地消×シェフだけではない料理の在り方について、いくつか発見がありました。

今回は、松本での開催のため、当然、松本をはじめとした信州長野の食材を起用し、各シェフが自らの技術と感性を活かした料理に仕上げています。そんな中でも、異色を放っていたのが、大阪「柏屋」の松尾シェフとフランス「オーベルジュ・バスク」のセドリックシェフでした。

松尾シェフは、持続可能な食の創出を目指す「リレーションフィッシュ」としての顔も持ち、近畿大学とともに研究を重ね、海洋資源に向き合っています。

「ルレ・エ・シャトーは、SDGsという言葉が世に出る前から海洋資源の問題に向き合ってきました。今回使用した帆立貝は、貝の中に稚貝を入れ、自然に近い環境で育てた養殖です。もうひとつ使用した貝、二枚貝は、海水をろ過し、プランクトンなどを餌とすることによって海水を浄化する役割を果たしてくれます。料理人は環境、海洋資源を考えながら、希少なものを大切に、足りないものは人の知恵をもって補う。そんな考えが大切だと思います」。

松尾シェフの腕の中には、海の生態系も描かれ、地球上にある食材は無限ではなく有限であるという社会問題への強いメッセージも込められているのです。

「お店で魚を提供するとき、“天然の○○です。”と言っても“養殖の○○です。”とは言わず、ただ“○○です。”とだけお伝えするのが現状です。“天然もの”というブランドに頼っています。“天然もの”という看板をおろしたら、今まで通りにお客様の満足は得られるのか? 悩んでしまいます。また、未利用魚についても同じ事が言えます。海洋資源の枯渇は深刻さを増しています。このままでは天然の魚介類は、お店で使えなくなってしまいます。養殖魚を取り入れて行かなければ、続けていけません。気候問題、環境問題、食糧事情、人口増加などを知る必要もあると思います。そしてそれぞれの立場から、私たちは料理人としての何ができるか? 何を伝えていかなければならないのか? こういうことを意識していきたいと考えています」。(リレーションフィッシュ公式HPより一部抜粋)

そして、セドリックシェフ。特筆すべきは、海なし県におけてマグロを起用したことの違和。これについて本人に尋ねると、作為のない実に素直な想いによるものでした。

「16年バスクでシェフをしています。こうしたイベントも含め、私がバスク以外で料理をする時は、バスクの文化を伝えたいと思っており、必ず作る料理が郷土料理のマルミタコなんです。もちろん、信州長野の醤油などを起用して仕上げていますが、あくまでも私は皆さんにバスクを知っていただきたい」。

地域で行われるイベントにおいては、あくまでもその地域の特性(食材、文化、歴史、伝統など)を主軸にシェフがどう表現できるかというのが常ですが、セドリックシェフにおいては真逆。自身の地域の特性を主軸に乗り込んだ先の地域の特性をどう活かせるか。9品ある中、この1品だけは、松本や信州長野ではなく、間違いなくバスクでした。そんな話の流れから、面白いエピソードを話してくれました。

「松本の滞在中、お蕎麦屋さんに行ったんです。そこで七味唐辛子を初めて知ったのですが、素晴らしい調味料ですね! 今回のイベントのために、バスクを代表する香辛料、ピマンデスペレットを持ってきていたのですが、次回は、七味唐辛子を使って作ってみたいです!」。

まず、セドリックシェフが七味唐辛子を知らなかったことに対して驚きを覚えましたが、国や文化が違うため、当然といえば当然のことなのかもしれません。「知らなかった」という点では、「オトワレストラン」の音羽シェフもすんきを知らなかったと話しています。ある人にとっては「当たり前」でも、ある人にとっては「有り難い」。そう考えると、シェフたちにとっても刺激的な発見があったのではないでしょうか。

セドリックシェフに話を戻すと、醤油や七味唐辛子が海を渡り、松本や信州長野の魅力がバスクから広がる可能性を秘めていると視点を変えれば、前述の違和は、意義のあるひと皿へと見解が変わります。

最後に、ホスト・齊藤氏は「Delicious Journeys in Matsumoto」についてこう語ります。

「現在、伝統野菜をはじめ、歴史を紡いできた資産、資源が途絶えてしまいそうなものもあります。どうすれば次の世代に残せるのかを考えなければいけない」。

改めて目を上げると、光と影をまとった「国宝 松本城」がそびえます。華やかな美食、煌びやかなイベントの光だけに目を向けず、影とどう対峙できるか。無言でそう問われているようです。あえて、前回の記事と同じ締めくくりをしたいと思います。

世界中は難局を経て、人は何を学んだのか。食べることとは何か。料理とは何か。レストランとは何か。そして、生きることとは何か。「ルレ・エ・シャトー」のメンバーとともに「松本城」で過ごす時間は、きっと大切な何かに気づかせてくれるに違いないでしょう。

今回は、あくまでもきっかけに過ぎません。美しい日本を守り続けることができるのは、我々、日本人なのです。

今回のホストを務めた「扉ホールディングス」代表兼「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長の齊藤忠政氏。「今回をきっかけに、ルレ・エ・シャトーに加盟するレストランの地域でもDelicious Journeysを開催したいと思います」。

Delicious Journeys in Matsumoto」のために集まった9人のシェフと「扉ホールディングス」代表・齊藤氏。

Photographs:YOICHIRO KIKUCHI
Text:YUICHI KURAMOCHI

地域の光と影。「ルレ・エ・シャトー」9人のシェフが教えてくれたこと。

「本丸庭園」に設えられたレストラン「Delicious Journeys in Matsumoto。「国宝 松本城」にて食のイベントか開催されるのは今回が初。

国宝松本城チャリティーガラディナー 「ルレ・エ・シャトー」だから結実できた幻の2日間。

去る10月16日、17日。長野県松本市を拠点にホテル・宿を運営する「扉ホールディングス」主催のもと、Delicious Journeys in Matsumoto」が開催。

料理を担うのは、「ルレ・エ・シャトー」より厳選された9名のシェフです。日本からは、金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフ、宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフ、大阪「柏屋」の松尾英明シェフ、松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフ、大阪「ラ・ベカス」の渋谷圭紀シェフ、京都「要庵 西富家」の美坂昌希シェフ、神戸「神戸北野ホテル」の伊井野昌洋シェフ、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納正智シェフが招集され、海外からは、フランスより、「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフが来日。この2日間だけのチームが結成されました。

会場となったのは、「国宝 松本城」。まだ空の青が残る静謐な空気の中、一般の入場を終えた時間から会の幕が上がります。合図となったのは、穏やかに鳴り響いてきた神々しい雅楽。その音色は、耳に優しいだけでなく、心身も浄化してくれるような感覚を覚えます。旋律が消えた瞬間、重く大きな「黒門」の扉が開き、ゲストは境界の向こう側へと足を運びます。

一体、どんな世界が待っているのか。いよいよ始まります。

※「Delicious Journeys in Matsumoto」の参加費の一部は、文化財でもある国宝「松本城」の保全、保存、保護のために寄付されます。

「黒門」の前に響き渡る雅楽の音色。澄んだ音色は、まるで空気を辿り、旋律が奏でられ、心の奥底まで響きわたる。

国宝松本城チャリティーガラディナー 文化、歴史、伝統を舞台に、シェフ、サービス、そしてゲストのパッションが交錯。「国宝 松本城」に新たな景色を創造する。

「黒門」をくぐってすぐ。早速、美食の旅が始まります。

まず、アペリティフとして用意されたのは、3品のカナッペ。京都「要庵 西富家」の美坂シェフが手がける「ブラックダイヤと京都丹波栗・信州味噌チーズもなか」と神戸「神戸北野ホテル」の伊井野シェフが手がける「シナノユキマスのコンフィ 松本一本葱の柑橘キャビア」、そして、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが手がける「石垣牛とりんご 長野県産野菜のカナッペ 本わさび風味」です。

信州味噌やシナノユキマス、松本一本葱など、地元食材を使用することはもちろん、京都丹栗や石垣牛など、それぞれのシェフがレストランを構える地元食材と掛け合わせている妙は、料理を通した旅そのもの。スタンディング&フィンガーフードスタイルですが、料理のクオリティは、グランメゾン。しかし、本当の舞台はこれから。さらに歩を進めた先にある「本丸庭園」に設えられた舞台が今宵のディスティネーションです。「国宝 松本城」を間近に望む舞台は、すべてがプラチナシートと呼ぶに相応しい特等席。

ゲストが着席するころ、辺りは朱に染まり、マジックアワーに。今回のホストを務める「扉ホールディングス」代表兼「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長の齊藤忠政氏がその想いを語ります。

「国宝 松本城は、これまでに数多くの取り壊しの危機があり、都度、先人たちが守り続けてくれたお城です。この宝を残してくれた全ての方に感謝いたします」。

現代において、「国宝 松本城」と邂逅できる奇跡に想いを馳せ、やがて闇の帳が降り、宴が始まります。

まず1品目、もとい、4品目は、大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフの前菜「松本まみれの小鹿」。サヤインゲン、カラフル人参、クリタケ、シイタケ、市田柿、ピオーネ、シナノスイート、鹿、信州味噌、リンゴ酢、豆腐、オニグルミ……。全て松本の食材。黒いソースは鹿の出汁、白いソースはオニグルミ。あえて例えるならば、白和えのような味わいとでも言うべきか。食材を細かく刻み、混ぜ込むことによって、口内で見頃に調和。「ポール・ボキューズ」、「ジョエル・ロブション」、「アラン・シャペル」という3人の巨匠のもと、研鑽を重ねてきた技術は、まさに本物。その料理観が見事に表現され、食材はもちろん、渋谷シェフの人生も大いにまみれたひと皿。「ラ・ベカス」においては、同行したサービスの質も高さも特筆すべき点。渋谷シェフの料理だけでなく、他のシェフの料理においての理解度も高く、決して大きくはないレストランだからこそ結束されたおもてなしは、実に心地良く、その姿においても、堂々と美しい。

5品目は、金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフの前菜「鯉に上下の隔てなし」。海のない信州長野では、魚といえば川魚の文化。中でも鯉は郷土料理の代表的な食材です。

「信州長野の食材を考えた時、真っ先に考えたのが鯉でした。中国の古事によると、鯉は急流を登る唯一の魚。登りきった鯉は龍になったと伝えられ、幸運な魚としても崇められています」。

昨今の難局を経た激動の時代は、まさに急流のよう。それを登りきり、今回のような体験ができたゲストは、まさに幸運だったに違いない。

特設テントに厨房を設置し、9人のシェフとそれぞれのスタッフが総出で調理する。

アペリティフ、3品のカナッペ。左より、神戸「神戸北野ホテル」の伊井野シェフが手がける「シナノユキマスのコンフィ 松本一本葱の柑橘キャビア」、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが手がける「石垣牛とりんご 長野県産野菜のカナッペ 本わさび風味」、京都「要庵 西富家」の美坂シェフが手がける「ブラックダイヤと京都丹波栗・信州味噌チーズもなか」。

左より、神戸「神戸北野ホテル」、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」、京都「要庵 西富家」。

大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフの前菜「松本まみれの小鹿」。

大阪「ラ・ベカス」の渋谷シェフ(左)とサービスの小河友最香さん(右)。料理だけでなくスタッフのサービスも光る。個性豊かなキャラクターも「ラ・ベカス」らしさ!

金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフの前菜「鯉に上下の隔てなし」。

「今回の料理は、佐久出身のスタッフ・萩原彩音と共に作りました」と話す言葉が印象的だった金沢「日本料理銭屋」の髙木シェフ。食材だけでなく、人の想いも地域に寄り添う。

夕刻から夜にかけ、刻一刻と風景が変わる刹那の感動も野外の醍醐味。多彩に表情を変える「国宝 松本城」の絶景もまた、ゲストの満足を高める。

今回の会場には多くの外国人ゲストが参加したことも特徴すべき点。「素晴らしかった」「こんな経験をしたことはない」「Amazing experience」など多くの感動の声が寄せられた。

国宝松本城チャリティーガラディナー 味だけでは語れない。物語があるからこそ、その料理は人生のひと皿になる。

6品目は、大阪「柏屋」の松尾英明シェフの「ニジマスとホタテと木の実の真蒸 松茸、蕪、銀杏芋、紅葉人参、松葉柚子」の煮物椀。この日、初の温かな品は、野外ゆえ、より格別に舌と身体を喜ばせます。香りもサイズも一級の信州松本の松茸は、まさに贅の極み。

ニジマスや前述の鯉は、「雄大な山々から流れる清らかな水が育んだ食材であり、その恵みによって里山文化が生まれました」とは、ホスト・齊藤氏の言葉。美味に歴史を重ねることによって、料理に奥行きを与えます。

7品目は、フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフの魚料理「マルミタコ 漁夫の帰郷」。マグロのロース(背中)を信州長野の醤油でマリネしたものとマグロの腹部位をタタキにしたもの、2種のマグロマグロをトマトとスパイシーなソースで味わう品。万願寺とうがらしが味に締まりを与えます。

8品目は、宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフの肉料理「信州牛のロティ 長野県産の伝統発酵食品すんきのベアルネーズ 秋の茸と落花生のピティヴィエ」。柚餅子の柑橘や味噌の風味を纏わせた信州和牛には、長野の落花生と伝統発酵食品すんきの酸を活かしたベアルネーズソースで。また、フランスの菓子、ピティヴィエをアレンジした添えものも秀逸。長野県のキノコと鶏肉のムースを合わせ、料理の完成度をより高みへと誘います。音羽氏は「ルレ・エ・シャトー」の「シェフ・トロフィー2019」のほか、「ゴ・エ・ミヨ」や「ディスティネーションレストラン」など、様々な賞を受賞しています。しかし、「オトワレストラン」といえば、家族愛ではないでしょうか。和紀氏をはじめ、厨房には長男の元氏、サービスには料理人でもある次男の創氏、マネージメントなどには長女の香菜さん。この日も、サービスには香奈さんの姿が。

「小さい頃から、両親が料理をする姿を見て育ってきました。歌舞伎と同じように、物心ついた時からレストランに接してきました」と話します。

例えば、フランスのシャトーにおいても、多くの銘酒はあれど、一族経営というと分母は激減。ファミリーで営むことがどれだけ難しいかを物語っている一方、継承し続けることによって生まれるのは確固たる文化。「オトワレストラン」(の家族)には、星や順位、ランキングだけでは計れない、本当に必要とされるファインダイニングとは何かの答えが潜んでいるのではないでしょうか。

9品目は、松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフのデザート、「小布施栗のモンブラン 洋梨とベルベーヌのスープ 白トリュフ添え」とミニャルディーズ「琥珀糖 最中と小豆のマカロン 豚のレーズンサンドシャインマスカット」です。

唯一の地元のシェフでもあり、「ふんだんに地元食材を起用しました」と田邉シェフ。デザートのモンブランには、シャモの卵と信州長野県のブランデーを使い、モンブランの中にもドライフルーツを使ったヌガーグラッセが。鼻から抜ける栗とトリュフの香りのマリアージュも実に爽快。

9人のシェフと9つの料理。それぞれの個性をまとめ上げるのは、「ルレ・エ・シャトー」のヴィジョン、「料理とおもてなしで世の中に貢献する」の指針にあるのかもしれませんが、この日、さらにそれをひとつの世界に仕上げたのは、「国宝 松本城」の存在かもしれません。

「Delicious Journeys in Matsumoto」の時間、常に側で見守ってくれていたのは「国宝 松本城」です。野外レストランは、ロケーションで決まる。大げさかもしれませんが、圧巻の風景は、それほどまでに説得力に満ち溢れ、力強く、優しく、全てを抱擁した豊かな時間を育んでくれました。

今回、Delicious Journeys in Matsumoto」に携わったメンバーは、総勢80名。この2日間のために、一致団結し、最高の時間を創出した。

大阪「柏屋」の松尾英明シェフの「ニジマスとホタテと木の実の真蒸 松茸、蕪、銀杏芋、紅葉人参、松葉柚子」の煮物椀。

お客様一人ひとりのメニューにサインをする大阪「柏屋」の松尾シェフ。他8名のシェフのサインも綴られたものがテーブルに配される。

フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリック・ベシャドシェフの魚料理「マルミタコ 漁夫の帰郷」。

フランス「オーベルジュ・バスク」のセドリックシェフ。「松本の街はコンパクトで自然とのバランスが良い。バスクに似ており、愛着が湧きます。ぜひ、また訪れたい」。

宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフの肉料理「信州牛のロティ 長野県産の伝統発酵食品すんきのベアルネーズ 秋の茸と落花生のピティヴィエ」。

シェフ同士の交流も生んだ「Delicious Journeys in Matsumoto」。松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉真宏シェフ(左)、右より宇都宮「オトワレストラン」の音羽ファミリー長女の香奈さん、和紀シェフ。

松本「扉温泉明神館」「ヒカリヤニシ」の田邉シェフのデザート、「小布施栗のモンブラン 洋梨とベルベーヌのスープ 白トリュフ添え」とミニャルディーズ「琥珀糖 最中と小豆のマカロン 豚のレーズンサンドシャインマスカット」。

国宝松本城チャリティーガラディナー 地産地消だけではないシェフからのメッセージ。そして、地域と向き合う光と影。

Delicious Journeys in Matsumotoでは、地産地消×シェフだけではない料理の在り方について、いくつか発見がありました。

今回は、松本での開催のため、当然、松本をはじめとした信州長野の食材を起用し、各シェフが自らの技術と感性を活かした料理に仕上げています。そんな中でも、異色を放っていたのが、大阪「柏屋」の松尾シェフとフランス「オーベルジュ・バスク」のセドリックシェフでした。

松尾シェフは、持続可能な食の創出を目指す「リレーションフィッシュ」としての顔も持ち、近畿大学とともに研究を重ね、海洋資源に向き合っています。

「ルレ・エ・シャトーは、SDGsという言葉が世に出る前から海洋資源の問題に向き合ってきました。今回使用した帆立貝は、貝の中に稚貝を入れ、自然に近い環境で育てた養殖です。もうひとつ使用した貝、二枚貝は、海水をろ過し、プランクトンなどを餌とすることによって海水を浄化する役割を果たしてくれます。料理人は環境、海洋資源を考えながら、希少なものを大切に、足りないものは人の知恵をもって補う。そんな考えが大切だと思います」。

松尾シェフの腕の中には、海の生態系も描かれ、地球上にある食材は無限ではなく有限であるという社会問題への強いメッセージも込められているのです。

「お店で魚を提供するとき、“天然の○○です。”と言っても“養殖の○○です。”とは言わず、ただ“○○です。”とだけお伝えするのが現状です。“天然もの”というブランドに頼っています。“天然もの”という看板をおろしたら、今まで通りにお客様の満足は得られるのか? 悩んでしまいます。また、未利用魚についても同じ事が言えます。海洋資源の枯渇は深刻さを増しています。このままでは天然の魚介類は、お店で使えなくなってしまいます。養殖魚を取り入れて行かなければ、続けていけません。気候問題、環境問題、食糧事情、人口増加などを知る必要もあると思います。そしてそれぞれの立場から、私たちは料理人としての何ができるか? 何を伝えていかなければならないのか? こういうことを意識していきたいと考えています」。(リレーションフィッシュ公式HPより一部抜粋)

そして、セドリックシェフ。特筆すべきは、海なし県におけてマグロを起用したことの違和。これについて本人に尋ねると、作為のない実に素直な想いによるものでした。

「16年バスクでシェフをしています。こうしたイベントも含め、私がバスク以外で料理をする時は、バスクの文化を伝えたいと思っており、必ず作る料理が郷土料理のマルミタコなんです。もちろん、信州長野の醤油などを起用して仕上げていますが、あくまでも私は皆さんにバスクを知っていただきたい」。

地域で行われるイベントにおいては、あくまでもその地域の特性(食材、文化、歴史、伝統など)を主軸にシェフがどう表現できるかというのが常ですが、セドリックシェフにおいては真逆。自身の地域の特性を主軸に乗り込んだ先の地域の特性をどう活かせるか。9品ある中、この1品だけは、松本や信州長野ではなく、間違いなくバスクでした。そんな話の流れから、面白いエピソードを話してくれました。

「松本の滞在中、お蕎麦屋さんに行ったんです。そこで七味唐辛子を初めて知ったのですが、素晴らしい調味料ですね! 今回のイベントのために、バスクを代表する香辛料、ピマンデスペレットを持ってきていたのですが、次回は、七味唐辛子を使って作ってみたいです!」。

まず、セドリックシェフが七味唐辛子を知らなかったことに対して驚きを覚えましたが、国や文化が違うため、当然といえば当然のことなのかもしれません。「知らなかった」という点では、「オトワレストラン」の音羽シェフもすんきを知らなかったと話しています。ある人にとっては「当たり前」でも、ある人にとっては「有り難い」。そう考えると、シェフたちにとっても刺激的な発見があったのではないでしょうか。

セドリックシェフに話を戻すと、醤油や七味唐辛子が海を渡り、松本や信州長野の魅力がバスクから広がる可能性を秘めていると視点を変えれば、前述の違和は、意義のあるひと皿へと見解が変わります。

最後に、ホスト・齊藤氏は「Delicious Journeys in Matsumoto」についてこう語ります。

「現在、伝統野菜をはじめ、歴史を紡いできた資産、資源が途絶えてしまいそうなものもあります。どうすれば次の世代に残せるのかを考えなければいけない」。

改めて目を上げると、光と影をまとった「国宝 松本城」がそびえます。華やかな美食、煌びやかなイベントの光だけに目を向けず、影とどう対峙できるか。無言でそう問われているようです。あえて、前回の記事と同じ締めくくりをしたいと思います。

世界中は難局を経て、人は何を学んだのか。食べることとは何か。料理とは何か。レストランとは何か。そして、生きることとは何か。「ルレ・エ・シャトー」のメンバーとともに「松本城」で過ごす時間は、きっと大切な何かに気づかせてくれるに違いないでしょう。

今回は、あくまでもきっかけに過ぎません。美しい日本を守り続けることができるのは、我々、日本人なのです。

今回のホストを務めた「扉ホールディングス」代表兼「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長の齊藤忠政氏。「今回をきっかけに、ルレ・エ・シャトーに加盟するレストランの地域でもDelicious Journeysを開催したいと思います」。

Delicious Journeys in Matsumoto」のために集まった9人のシェフと「扉ホールディングス」代表・齊藤氏。

Photographs:YOICHIRO KIKUCHI
Text:YUICHI KURAMOCHI

IRON HEART THE WORKS WEB 2023-11-09 11:51:38

 

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ボストーク:2023-12-27掲載

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マグカップ

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