芸術大学で食を学ぶ。京都芸術大学食文化デザインコース開設。

通信制で日本の食文化を知る、新たな学びの場。

2024年春。

日本の食文化の、新たな扉が開きます。

京都と東京にキャンパスを構える芸術大学『京都芸術大学』の通信教育部に「食文化デザインコース」が開設されるのです。

これまでにも日本の大学において「食」を軸にした講義はありました。

しかし芸術大学において、完全オンラインで文化・芸術として食を学ぶ学士課程は日本唯一(※)の試みとなります。

このコースで履修した学生が卒業後に得られるのは芸術学士。それは料理人以外にも食に関わる人たちが、体系的にそのあり方を学ぶことができる場。文化・芸術という視点から食を考え、企画し、伝え、実践することができるよう、多角的に学ぶための場。この新たな試みは、日本の食文化の発展、継承、発信のための大きな一歩となることでしょう。

そうはいっても、「食文化デザイン」がイメージしにくい方もいるかもしれません。もう少し踏みこんで、このコースについて紐解いてみましょう。

※出典:令和4年度全国大学一覧(文部科学省)


 

食文化デザインという名前に込められた食への思い。

2023年秋。

東京・外苑前にある京都芸術大学のキャンパスにて、この「食文化デザインコース」開設の記者発表が行われました。

舞台に上がったのは、同大学学長の吉川左紀子氏、副学長の小山薫堂氏、そして講義を受け持つ講師陣。講師は研究者だけに留まらず、ツーリズム、メディア、ビジネス、フードテックなど幅広い分野のスペシャリストが集結しました。これは“デザイン”という軸を通し、食文化を多角的な視点から学ぶため。

食は生きるために必要な日々の営みであると同時に、文化・芸術でもあります。単なる“おいしさ”や“料理人の技術”だけではなく、科学、美学、地域デザインなどさまざまな切り口から学ぶことで、その文化・芸術を深く理解する食文化の担い手を育成するのがこのコース。

登壇した小山薫堂氏は言います。

「変化する時代の中で、食というものは人を変えていけるくらいの根源的な力を持ちます。だからその食を支えている方のリテラシーをさらに上げていくために、教育的視点で食を考えていきたい」

おいしく作る人、おいしくたべる人、おいしく伝える人。

作り手や食べ手はもちろん、食材生産やその流通、販売の担い手も含め、食に関わるすべての人が食文化を体系的、多角的に学ぶことで、日本の食文化をさらに発展させることが目標です。

小山薫堂 ✕ 大類知樹対談〜日本の食文化の今と未来。

各分野のスペシャリストが集まるバラエティ豊かな講師陣の中には、株式会社ONESTORY代表・大類知樹の名もあります。担当する講義は「食の地域価値共創」。DINING OUTをはじめとした事業で蓄積した、食を通じて地域の価値を高めるための知見を伝えます。

そんな講義に先立ち、京都芸術大学副学長の小山薫堂氏と大類知樹が、食の現在と未来、そしてこの食文化デザインコースの意義について語り合いました。メディアを通して食を見つめてきた二人のプロフェッショナルの会話から、日本の食の未来が見えてきます。

小山:「食は日本に残された最後の資源ではないかと思っています。食によって人が動き、人と人が繋がる。料理に携わる方々が非常に積極的に環境に目を向けたりしている。つまり食によって、社会が動いたり、社会の波が起こるような時代。かつては、“おいしさ”というものがすごく大切だった時代もあったと思うんですよね。 皆さんがおいしいを求めていた。けれども、今はそのおいしさを越えて、そこから食から広がっていく価値に人々が注目している、そういう時代かなと思ってます」

大類:「そうですね。“食べる”という本来日常的なはずのことが、 地球環境や人類の未来にまでに繋がっている。その中で、おいしさだけではなく、さまざまな別の要素を帯びてきているというのが、今の食を取り巻く環境だと思います。そして誰しもが毎日食べるものだからこそ、未来を考える一番のきっかけ、入り口になりやすいのかもしれませんね」

小山:「そこが食文化デザインコースの意義です。人はいろいろな学問を学びますよね。けれども法学部に行った人が全員法律家になるわけではない。そう考えると、食文化を学ぶことは、ものすごく毎日にフィードバックされると思うんです」

大類:「そもそも芸術大学の中に食のコースを作ろうと思った意図はどんなものだったんですか?」

小山:「10年ほど前に文化庁の文化芸術基本法に食文化が明記されたときから、食は学問になるべきという思いはあったんです。さまざまな厨房を見てきた中で、料理人の方というのはやはり“おいしいものを作る”が第一義なんです。そのおいしさを追求するために、技術だけで食材と向き合う人が多い。そういう料理人の方がもっと幅広い見識を持つために学び直せるような、それで学位が取れるような場があるといいな、というのがスタートです」

大類:「それが通信教育ということでターゲットがさらに広がりましたね。より幅広い層が、より手軽に食を学ぶことができる。食をビジネスにするためだけではなく、食べることの意味を考えるかもしれないし、新しい趣味ができるかもしれないし、新しい人との出会いがあるかもしれない。地域を元気にするとか、新たな企画を考えるとか」

小山:「そうですね、人生を豊かにするためのコースだと思います」

大類:「それと“食文化デザイン”という名前ですね。今の時代、食を文化として考えるとき、デザインという言葉と掛け合わさないことには全体像が捉えられない。その現状をすごく言い当てた薫堂さんならではのコース名だなと思いました」

小山:「ありがとうございます。本当にいろいろな案があったんですよ。でも本当に食は健康にも直結しているし、もっとも実益ある学問ですよね。食を学ぶことで、もっとお米食べようという子どもが増えるかもしれないし、ちゃんとしたお店で買おうという意識で経済も変わるかもしれない。季節や地理の意識も。だから食というのはすべてが集約されている領域なんですね」

大類:「芸術的なこととも噛み合ってきますね。文学や日本の精神性とも親和性が高い。皿やカトラリーなど食を取り巻くものも重要になってくる。それこそ数えたらきりがないほどさまざまな要素を帯びているのが食なんです。そしてそれを最終的に体内に入れるというダイナミズムがあります」

小山:「大切なことは、細分化された学問を順番に修めていくことではなく、ある領域は角度を変えたらどう見えるか、という視点の獲得だと思うんです。食文化というものは付帯する要素が多い分、違う視点を見つけやすい」

大類:「講師もバリエーションに富んでいますね。全然分野の違う方々がいて、すごく面白い」

小山:「面白いですよね。僕だって学びたいくらい。大類さんだって他の講師の方の授業見たいんじゃないですか?」

大類:「本当、見たいですよ。それにこのコースは学生同士のコミュニティもおもしろくなりそうな気がしますね。修学旅行じゃないけれど、みんなでテーマを決めて食べ歩くとか。僕も『食の地域価値共創』にちなんだゼミを開催してみたいと考えています」

小山:「どんな形になっていくのか、いまから楽しみですね」

2024年4月入学生 出願受付中
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/

食文化デザインコース特設サイト
https://tenohira.kyoto-art.ac.jp/foodculturedesign/

観光施設臨時休館・イベント開催中止等について

観光施設の臨時休館・短縮営業、イベントの中止・延期等について、ご案内いたします。
掲載している情報以外にも休業・中止等の場合がありますので、お出かけ前にお確かめください。

▶東部エリアの情報をみる ▶南部エリアの情報をみる ▶西部エリアの情報をみる

東部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
阿波おどり会館 2024年6月12日(水)メンテナンスのため休館します。
ひょうたん島クルーズ・水上タクシー 2024年5月28日(火)大雨のため運休。
渦の道 2024年5月28日(火)大雨暴風のため10時より一時閉館。
→14時より営業再開。
大鳴門橋架橋記念館 2024年6月10日(月)メンテナンスのため休館します。
うずしお観潮船 2024年5月28日(火)大雨のため運休。
うずしお汽船 2024年5月28日(火)大雨のため運休。
鳴門市納涼花火大会 2024年夏の開催は中止。
神山温泉 2023年3月30日(木)より、修繕工事のため日帰り温泉を臨時休業します。2024年8月頃営業再開予定。

南部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
四季美谷温泉 2024年4月1日(月)より休館します。
CAMP PARK KITO 2024年4月1日(月)より休館します。
うみがめ博物館カレッタ 2023年6月1日から2025年夏頃(予定)まで、全面改修のため休館します。
海中観光船ブルーマリン 5/8~7/12までアオリイカ産卵期間のため海域公園の一部が立入不可となり、30分の割引運航になります。
阿佐海岸鉄道DMV 5・6月にDMV臨時便を運行いたします。
轟夏祭り 2024年夏は開催中止

西部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
祖谷のかずら橋
奥祖谷二重かずら橋
2024年5月28日(火)大雨警報のため臨時休業。
平家屋敷民俗資料館 2024年5月28日(火)大雨のため臨時休業。

野猿

故障のため当面の間、使用中止。
奥祖谷観光周遊モノレール 当面の間、臨時休業。

臨時休館・イベント中止などの情報ページ

各市町村・報道機関等のホームページでも、随時情報更新がありますので、ご参照ください。

・市町村公式サイトリンク集

・道の駅四国地区ポータルサイト

・NHK 徳島県のニュース

・徳島新聞社

香りを起点に引き立てる野菜の魅力。モダンインド料理のシェフが向き合う、宮崎県産有機野菜。[MIYAZAKI DINING/宮崎県・東京都港区]

有機野菜の産地・宮崎県が新たな一歩を踏み出す。

宮崎県が日本屈指の有機農業産地であることをご存知でしょうか。

1988年に全国初の「自然生態系農業推進条例」を制定した宮崎県綾町をはじめ、県や市町村が有機農業を促進し、生産者がそれに応える。それは宮崎県が豊かな自然に囲まれ、温暖な気候に恵まれ、そしてその自然を愛する人々が暮らしているからこその結果でしょう。そんな宮崎県で2023年、「みやざき有機農業拡大加速化事業」が始まりました。それは有機農業の草分けとして歩んできた宮崎県の新たなスタート。いわば今年は宮崎県の「有機元年」となるのです。

その記念すべきスタートを後押しすべく、ひとりのシェフが立ち上がりました。

六本木のモダンインド料理店『ニルヴァーナ ニューヨーク』を率いる若きシェフ・引地翔悟氏です。日頃から食を通して健康になることを意識し、素材にこだわる引地シェフが、宮崎県の有機野菜をさらに輝かせることでしょう。

現地の生産者を訪ね、交流し、さまざまな有機野菜を試食し、新たなメニューを考案した引地シェフ。その旅の様子をお伝えします。

宮崎県綾町の風景。いち早く自然保護と自然栽培への取り組みがはじまった地。

有機栽培の根幹を支えるのは土。生産者は試行錯誤しながら栄養に満ちた土作りに挑んでいる。

ポリフィルムで覆い、夏場の太陽熱で雑草の種を除く太陽熱消毒という手法。農薬を使わない有機栽培にも、さまざまなアイデアが潜む。

形は不揃いでも味は抜群。有機野菜の正しい価値に多くの人が気づき始めている。

宮崎県を訪れて出合った、大地の香りがする野菜。

安心安全、栄養価が高い、味が濃い。一般的に有機野菜に対して、こんなポジティブなイメージがあることでしょう。それらに加えて宮崎の有機野菜が引地シェフを惹きつけた要素は、香り。ナチュラルでクリアで力強い香りが、シェフの心を捉えました。

実は引地シェフは学生時代に認知心理学を専攻し、香りが人にどのような影響を及ぼすかを学んでいた人物。料理人となった現在も、その香りに対する知見はシェフの武器として、独自のインド料理の土台を支えています。もちろん今回訪れた宮崎県でも、興味は香りに向かいます。

たとえば宮崎市田野にある『AKASAKA farm』では、この地区の冬の風物詩である大根やぐらを見学。

「干して凝縮された大根の力強い香り。食べる前からおいしいことがわかります」

と話した引地シェフ。さらに次々と県内の生産者のもとをめぐり、畑を見学。糖度が10を越えるというニンジン、抜いたばかりのネギ、瑞々しいケールやほうれん草。そこでさまざまな野菜に出合うたびに、引地シェフは鼻を寄せて香りを確かめ、その場で味を確かめます。

「どの野菜もナチュラルで透明感ある土の匂いがします。これが野菜の本来の香りなんでしょうね」

次々と生産者のもとを訪れるごとに、引地シェフの宮崎県への興味は強くなっていくようでした。

宮崎県の田野、清武地域に多く見られる巨大な大根やぐら。この大根やぐらをシンボルとした地域の農業システムは「日本農業遺産」に認定されている。

「産地を訪れるたびに発見があり、学びがある」と語る引地翔悟シェフ。今回の旅にも、今後に繋がる出会いがあったという。

訪問先で振る舞われた料理。地元に伝わる漬物や郷土料理にも、食材を活かすヒントが隠されている。

綾町の『シードカルチャー』のにんじんジュース。ただ絞っただけのジュースがフルーツ以上に甘いことで、有機野菜のポテンシャルを感じさせる。

有機栽培という難題に果敢に挑む生産者たち。

味だけでなく香りも起点にして料理を構築する引地シェフ。しかしそればかりではありません。数日間、ともに旅をしてみると、引地シェフの興味が生産者、つまり人に向いていることがわかります。

どこで誰と会っても、しっかりと目を見つめ、真剣に話を聞く引地シェフ。その真摯な姿を見て、生産者も自身が手塩にかけた食材を託そうと思えるのかもしれません。とくに有機農業という、自然と向き合いながら生産者の思いがそのまま作物となるような農法ならば、なおさら。

2011年の東日本大震災を契機に、植物本来の力に任せる自然栽培に取り組みはじめた『AKASAKA farm』。親子で農業に向き合いながら、次世代に繋ぐ有機栽培を拡大する『宮崎アグリアート』、有機栽培先進地である綾町の個性豊かな生産者たち、科学的な論拠をもとに自然栽培有機農業に向き合う『本坊農園』。引地シェフは、それぞれの生産者のストーリーをしっかりと胸に刻みます。

「素晴らしい食材の魅力を、料理を通してお客さまに伝える。それは料理人の責任です」

大根やぐらで語らうシェフと『AKASAKA farm』の野﨑氏。野﨑氏は自然栽培にかける夢を語ってくれた。

『宮崎アグリアート』の松本慎一郎氏。懇親会でもさまざまな話題でシェフと語り合っていた。

ひょうきんなトークでシェフを笑わせた『シードカルチャー』の奥誠司氏は元教師。有機農業をするために綾町に移住してきたという。

『グリーンファーム綾』の園田雄一氏。その美しい畑を見るだけで、いかに愛情を込めて丁寧に手入れしている様子がわかる。

『本坊農園』の本坊照夫氏。千代子氏夫妻。ふたりの溌剌とした姿が、有機農業がいかに体に良いかを物語る。

有機野菜の魅力を落とし込んだ圧巻のインド料理。

後日『ニルヴァーナ ニューヨーク』の引地シェフのもとに、宮崎県から野菜が届きました。野菜を見ただけで生産者の顔が浮かぶような、思いのこもった有機野菜たち。

「退色したり萎れたり、香りが弱まることもなく、現地で見たままの姿で届きました。これも有機栽培の力かもしれません」

そう話す引地シェフ。

「口に含んだときに弾けるような野菜本来の香り、土の香り、自然の香り。皿の上でこの野菜の存在が薄れてしまわないように意識します」

そうして生産者の熱意や覚悟と正面から向き合い、有機野菜の本質をしっかりと理解してから考案された引地シェフの料理。

ネパールの山椒を効かせたサラダ、ほうれん草と合わせたインド風炒り卵エッグブルジ、干し大根からアプローチした酸味が決め手のリッチテイストなカレー、ケールを加え食べるだけで元気になるような一皿を目指したほうれん草のカレー。

どの料理にも明確な指針と哲学と生産者への敬意が満ちた引地シェフらしい有機野菜料理です。

「味わいも香りも力強く、スパイスでその魅力が消えてしまうこともありません。さらに食べて健康を目指すのはアーユルベーダ由来のインド料理の基本。その点でも有機野菜とインド料理との相性は間違いないと思います」

引地シェフ渾身の料理と宮崎県の有機野菜の魅力を満喫できる「MIYAZAKI DINING」は2024年2月22日〜3月10日まで、『ニルヴァーナ ニューヨーク』にて開催されます。

厨房の引地シェフ。多彩なスパイスを使いこなし、食材本来の味わいを引き出す技がシェフの真骨頂。

綾町から届くお任せBOXのサラダ。白菜は必須だがその他野菜はランダム。シェフは切り方や下処理で味を均一に整える。

野菜の香りをまとったエッグブルジ。卵にしっかりと火を通すのがインド流。

シェフ自身が一番好きなカレーというチキンチェティナードラッサムをアレンジ。鶏油がコクを加えつつ、全体をまとめあげる。

ほうれん草のカレーはスタンダードだが、味わい豊かな本坊農園のほうれん草にケールも加え、より力強いおいしさに。

住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリアガーデンテラス1F
TEL:03-5647-8305
https://nirvana-newyork.jp/
https://www.instagram.com/nirvana_newyork/

(supported by 宮崎県)

鳴門市の飲食店等の情報を集約したパンフレットが完成しました!

「鳴門市×南あわじ市 うずの幸グルメ」


鳴門市と南あわじ市の間にある鳴門海峡は、天然魚が100種類以上育つ魚介の宝庫。渦潮のおかげでおいしく育った「うずの幸」を主役にした地産地消メニュー「うずの幸グルメ」をご賞味ください!

「鳴門市×南あわじ市 カップイングルメ」


2027年度完成予定の大鳴門橋の自転車道開通に向けて、サイクリスト向けのカップイングルメ(テイクアウト)を企画しました♪鳴門市と南あわじ市でお楽しみください!

「鳴門夜探(なるとよるたん)」


鳴門市の夜の飲食店等の情報を集約した「鳴門夜探」、鳴門市で20時以降に営業している54店舗(居酒屋、バー、夜カフェ・銭湯など)を紹介しております。鳴門の夜を楽しんでください♪

パンフレットダウンロード

各パンフレットはこちらからダウンロードいただけます。ぜひご覧になってお出かけください。
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次代のローカルガストロノミーを担うコンビが共鳴し、美術館に飾るような器に表現を解き放つ。「USEUM SAGA」開催レポート。[佐賀県佐賀市]

スパイス料理の雄、オキナワンフレンチの雄が手を組み佐賀食材を探求する。

400年以上受け継がれる有田焼をはじめ、数々の焼き物の産地を擁する佐賀県。透き通るように白い地肌と華やかな絵付けが印象的な磁器は、伊万里港から各地へ輸出され、世界中の人を魅了してきました。

風土に目を向けると、佐賀がいかに豊かで変化に富んだ環境にあるかがわかります。北を玄界灘、南を有明海に接する大地は、北部の山地、南部の山岳地、東部の平野、西部の丘陵地の4つに大別され、それぞれに特徴のある地質が分布しています。玄界灘のイカやエビ、青物、有明海の海苔や牡蠣といった魚介の数々。温暖な気候が育むみかんやイチゴ、多種多様な野菜、トップレベルの黒毛和牛と称される佐賀牛、きれいな味わいの日本酒……。魅力的な食材は枚挙にいとまがありません。

器と食材。佐賀が誇るこのふたつの要素に、気鋭の料理人がローカルガストロノミーの技術とアイデア、たぎる情熱を加えて化学変化を起こすというユニークなイベントが「USEUM SAGA」です。それは、美術館に飾るような人間国宝などの器で佐賀の美食を堪能できる、数日間だけのプレミアムレストラン。待望の第5弾が2023年12月、佐賀市内で開催されました。

今回は、共に個性的な料理人ふたりがタッグを組むことで大きな注目を集めました。佐賀市で完全予約制・コースのみのスパイス料理をすべてたったひとりで提供している『カレーのアキンボ』の川岸真人氏。そして、“沖縄県宮古島の風土や食文化を100年後に繋げる琉球ガストロノミー”を提唱する元『エタデスプリ』のシェフ・渡真利泰洋氏です。

いずれも個性派の両名は、一体どのようなコースをつくり上げたのでしょう?

……それは、驚きに満ちたものでした。

コースのスタートに先駆けて川岸真人シェフ(左)と渡真利泰洋シェフが挨拶。意気込みを語った。

コースのスタートを飾った「水イカのパフェ」。ロゼのシャンパンと共に。

有明海の牡蠣と発酵させたカブを合わせた「カキトカブ」。牡蠣のそのままの風味を楽しめるように味付けを最小限に抑えた。器は陶磁器を焼く工程で成型の土台として使われる「ハマ」を使用。本来は一度きりで廃棄される素材を有効活用した点も画期的。

料理が届くたびに、意外性のあるプレゼンテーションに驚きの声が上がり、口に運んでは感嘆の声が漏れた。

全皿を合作によってつくりあげることで、単独での料理では成し得ない高みへ。

色絵磁器の最高峰ともうたわれる今右衛門窯の透き通るほど薄手の小鉢。そこに盛られているのは佐賀のアオリイカや菊芋、沖縄のパパイヤです。なんとも目に鮮やかな「水イカのパフェ」からスタートしたコース料理は、デザートを含む全12皿が展開されました。

2名のシェフがコラボするイベントの場合、それぞれのシェフが単独でつくった料理が交互に供されるのが一般的です。ところが、ふたりは全品を合作するスタイルを選びました。

その背景について渡真利シェフは話します。

「これまでもコラボイベントには何度も取り組んできましたが、交互に提供するとどうしてもコースとしての完成度が高まらないため、もどかしく感じていました。せっかく複数のシェフがコースを組み立てるなら、一皿の中でも一方が基本の調理で一方が仕上げ、または一方がメイン食材の調理で一方が付け合わせの調理など、セッションしたほうがいつもとは違った料理を生み出せるし、コースとしての流れもダイナミックなものになると思うんです。合作は強くこだわった部分ですね」

川岸シェフはその狙いに共感し、渡真利シェフの胸を借りるつもりで臨んだと話します。

「渡真利シェフは佐賀の生産者を回ってリサーチし、僕は宮古島を視察させてもらい、LINEや電話で連絡を取り合いながらメニューを組み立てていきました。ところが、開催日が近づいてそれまでなかった旬の食材が登場すると、渡真利シェフは『これ旨いじゃん。こっちにしよう』と簡単に変更してしまいます。しかも、僕としてはいい感じの料理になっていると思ったものも『まだクリエイティブじゃない』と一蹴されてしまう。周りにいくら迷惑をかけようが、クリエイティビティを最大にするために突き進む人なんです(笑)。そのエネルギーには本当に刺激を受けました。決してマネはしませんよ。僕は他のスタッフに無理を言いたくなくて自分一人でやっているくらいですから。でも、今回、渡真利シェフのリードについていくと決めてからは、そんなふうに振り回されるのが楽しくてしょうがなかったですね」

妥協を知らない合作のスタイルは、ふたりにとっても想像以上の力が発揮された逸品を生み出しました。酔っ払い蟹として使用するはずの渡り蟹に、生で提供するには引っ掛かるわずかな疑義が発生。ふたりはメニューの変更を決断します。蟹の出汁を抽出し、急遽、川岸シェフがカレーに仕立てる作戦に。提供のタイミングギリギリまで味が決まらず、ふたりで押し問答を続けましたが、「サフランがある!」と目を見合わせ、予想通りに味がバシッと決まったとのこと。「いやあ、あれには痺れましたね」と川岸シェフが振り返ると、渡真利シェフは「厨房で今日イチ盛り上がったわ。だからセッションした方がおもしろいんだよ」とカラカラ笑います。性格はまるで違うようですが、ふたりの間には妙に心地いいグルーブ感が生まれています。

不測の事態からのリカバリーとして即興的につくり上げたカニと豆腐ようのスープ。沖縄の豆腐ようと佐賀県産のサフランが味の決め手。

九州の郷土料理である「がめ煮」を鶏肉の代わりにスッポンでつくり、沖縄名産の田芋(タウム)を使った沖縄伝統の煮物「ドゥワルカシー」と一体化。見事な調和を見せる。器は人間国宝の青磁作家・中島宏氏の作品。

ドリンクは元『エタデスプリ』のソムリエ・新川友稀氏によるペアリングがアルコール、ノンアルコール共に用意された。フランス・イタリア・中国のワイン、佐賀の日本酒、宮古島の泡盛、旬のフルーツを使ったカクテルなど多彩な内容。

スパイスのかぐわしさと鮮烈な味わいで会場を沸かせたのが「イラブチャー」。沖縄の食用魚の代表イラブチャー(ナンヨウブダイ)をタイカレーペーストに漬け込み、月桃の葉に包んで蒸し焼きに。今回は宮古島の食材も積極的に採り入れられた。

ローカルに根差すからこそ、料理人としての表現の可能性は広がる。

川岸シェフと渡真利シェフは共に39歳。東京や海外での活躍を経て、生まれ故郷で地域に根差したレストランを一からつくることを選んだという共通点があります。川岸シェフの『カレーのアキンボ』は東京で人気店の地位を確立していましたが、なぜ佐賀へと移転したのでしょうか。

川岸シェフは当時を振り返ります。

「店があった墨田区は昔からずっと住んでいる人が多く、自分と同じ年代も小中学校から一緒につるんでいたり、祭りを大事にしていたり、東京にあってもローカルな雰囲気の強い地域。結構、佐賀に似ていると思います。僕の中で東京はいろんな人が集まっているファンタジー的な場所だと思っていたのですが、墨田区ではむしろ、自分だけが地に足が着いていないようなちょっと居心地の悪さを感じたんです。それで5年で佐賀へ戻ってやってみようと決めていました」

佐賀に帰ってみると、自分に思わぬ変化が訪れたと話します。

「佐賀の食材の豊かさとその美味しさには驚きました。ここにはなんでもある。これは佐賀の食材でやらない手はないと、東京でのスペシャリテだったラムのキーマカレーもやめ、佐賀の食材の持ち味を生かす調理にシフトしていきました。とにかく食材そのものが美味しいので、調理技法はどんどんシンプルになっていきました。そうして自分のオリジナリティが固まっていったのです。カレーという調理法はあまりにも味の骨格がしっかりしているので、極端な話、ダメな食材でもそこそこ食べられるものに生かすことができます。それは逆に、優れた食材の持ち味を殺すことにもなり得ます。カレーやスパイスを使いながらいかに優れた食材を生かす引き算の料理ができるか? 佐賀に来たからこそ、その追求にたどり着くことができたのです」

渡真利シェフは、面白さを求めたからこそ宮古島に帰るという決断をしました。

「沖縄人である自分が東京でフレンチをやる。フランス産のフォアグラを使うかもしれない。沖縄の食材も使うかもしれない。でもそんな他の人でもできることで誰が楽しんでくれるんだろう? 自分にはイメージできなかった。何より、それじゃ自分がワクワクしないと思いました。みんなに面白がってもらえて自分も心から面白いと思える料理は、自分のルーツである宮古島にこそあるという確信が強まっていったんです」

宮古島ではレストランを人気店へと着実に育てながらも、この地で何をすべきかという問いにはまり込んだ時期もあったそうだ。

「視界がパッと開けたのは、実はonestoryのおかげです。onestoryのイベント『DINING OUT』に関わり、ガガンシェフの仕事を間近で見たことで、ものすごく刺激を受けました。彼はB級と見なされていたインド料理を、世界と渡り合えるファインレストランの域まで押し上げた人。自分も沖縄でやっていけると勇気づけられました。沖縄は“食の不毛地帯”なんてことも言われたりしますが、歴史を振り返っていくと、実はかつては美味しいとされるものはあったんですよ。それって面白くないですか?」

ガガン氏はタイ・バンコク『Gaggan Anand』のインド人オーナーシェフ、ガガン・アナンド氏のこと。インド伝統料理を斬新な手法で高級コース料理に仕立てた伝説的な料理人です。

「ガガンシェフのように物事をとことん面白がる姿勢があれば、フレンチだとか料理のジャンルさえどうでもよくなります。自分は琉球ガストロノミーを追求すればいいんだと。それからは気持ち的にラクになりましたね」と渡真利シェフは話します。

本番の前日まで試行錯誤を続けた「ポーポー」。300年以上の歴史を誇る佐賀の手漉き和紙である名和和紙に包んでサーブ。合わせる酒は、宮古島の泡盛「多良川」の16年古酒樽仕込みをハイボールで。

有明産の佐賀海苔をたっぷり使った雑炊「ジューシー」。ペアリングは佐賀の銘酒「光栄菊 幾望2021」。すっきりとした甘みがジューシーに見事に調和する。

本番の直前まで、クリエイティビティの追求に妥協してはならない。

渡真利シェフの奔放さは今回もいかんなく発揮されました。たとえば「ジューシー」。本来、ジューシーは沖縄で炊き込みご飯のことを指しますが、渡真利シェフは有明海で獲れた海苔をたっぷりと使った雑炊に仕上げました。上に敷き詰めたのはキュウリのスライス。そう、これはかっぱ巻きを再構築したジューシーなのです。

そして、やはりクレープのような沖縄伝統のお菓子「ポーポー」も存在感を放っていました。スパイスをまとったカツオのなまり節をくるんだポーポーを頬張ると、変化に富んだ食感と共に、なまり節の旨みとポーポーの甘み、多彩な香りとほどよい酸味が口の中で渾然一体となって立体的に広がります。こちらも渡真利シェフが「まだクリエイティビティが足りない」と前日まで川岸シェフに発破をかけながら試行錯誤を続けた労作だといいます。

川岸シェフの最後の瞬発力には舌を巻いたと渡真利シェフ。

「最終的に彼は大根の葉っぱをヴィネガーで和えてポーポーに巻き込みました。この斬新な旨さには唸りましたね。酸味を加えたいという時に、酸のある素材をプラスするのでもなく、そこにレモンを搾るのでもなく、ヴィネガーをそんなふうに使うのかと驚きました。彼のヴィネガーの使い方、それからオイル漬けの手法、スパイスの使い方は本当に勉強になりました。沖縄には保存食の文化があまりありません。つまりそこには発展の余地があるということ。川岸シェフからの学んだことをプラスして料理の可能性を広げていきたいと思います」

一方、川岸シェフは、渡真利シェフの食材に対するビビッドな反応に感化されたと話します。
「食材本来のおいしさに対して正直に向き合い、その持ち味を最優先する姿勢には驚かされました。そして、周りに迷惑かけると言いましたけど、実はめっちゃくちゃやさしい。生産者の方がくださる野菜は、何でも『ありがとうございます!』と受け取って、どうにか料理に盛り込もうと工夫するし。迷惑はかけるけど、やさしい男です(笑)」

沖縄では祝い事に欠かせないヒージャー(山羊)を使ったケバブ、沖縄そば、カレーのたたみかけで会場の空気は一気にクライマックスへ。ゲストとスタッフ、会場にいる全員がオリオンビールで乾杯し、大団円を迎えました。

閉幕のスピーチで、感極まった川岸シェフは言葉を詰まらせました。

「東京で850円のランチから始めて……カレー屋のくせに予約取るなんて何様だと言われ続けていた僕が……今日は、本当に、ありがとうございました」と言葉を振り絞る川岸シェフ。その横で肩を揺らして面白がる渡真利シェフ。でも見つめる目は、とことんやさしい。やり抜き、泣き、笑う。充実感に満ちたふたりの姿が、イベントの成功を何よりも雄弁に物語っていました。

「祝いの山羊」ケバブ。佐賀県産のローゼルのアチャールなどと一緒に味わう。皿は「柿右衛門窯」から。

「祝いの山羊」の2品目は、山羊の濃厚な出汁を堪能できる沖縄そば。器は「中里太郎右衛門陶房」から。

「祝いの山羊」のラストは、川岸氏の真骨頂であるカレーライス。器は「李荘窯業所」から。

オリオンビールを片手に会場の全員で乾杯。

オリオンビールの風味を効かせたアイスクリームに、佐賀のみかん、佐賀の唐辛子を使ったチュイール、海ぶどうを合わせた独創性あふれるデザート。オリオンビールと共に。

1984年佐賀県佐賀市生まれ。佐賀県立佐賀北高校普通科芸術コース卒業。日本大学芸術学部美術学科卒業。都内の寿司屋で3年修業を積み、2010年、東京・錦糸町に「カレーのアキンボ」をオープン。2015年に佐賀へ戻り、完全予約制・コースのみのスタイルにリニューアル。週に一度は生産者を訪ね、その時々で出会った食材をベースに料理を組み立てる。「ミシュランガイド2019福岡・佐賀・長崎版」ビブグルマン獲得。「ゴ・エ・ミヨ2023」では佐賀県内7店舗の1店に選ばれる。

1984年沖縄県宮古島市生まれ。20歳で上京、イタリア料理を学ぶ。その後、数店のフレンチで修業を重ね、渡仏。「Joel Robuchon」をはじめとしたパリの名店にて研鑽を積み、帰国後31歳で伊良部島にある「Restaurant Etat d’esprit(エタデスプリ)」総料理長に就任した。ジャパンタイムズキューブの日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストラン「The Japan Times Destination Restaurants 2021」の10選に選出。フランスのグルメ雑誌「ゴ・エ・ミヨ2022」で沖縄県内最高得点の15.5点獲得。2019年には次世代を担う実力派シェフとして全国15人の1人に選出。

https://www.useumsaga.com/

鳴門市 レンタカー利用者宿泊割引キャンペーン


鳴門市では、レンタカーを利用して市内参画宿泊施設にご宿泊する観光客の皆様に対し、市内観光の回遊性の向上と、一年を通じてのさらなる誘客促進を図るため、割引制度を実施します。

割引実施期間

令和7年4月1日(火)宿泊分~令和8年3月31日(日)宿泊分
※先着400台に達した時点で終了。

助成額

1台あたり3,000円

割引の流れ

①レンタカーを借りる
②鳴門市内の参画宿泊施設に宿泊する(鳴門市公式サイトにて順次更新)
③チェックイン時にレンタカー貸渡契約書等を提示、アンケート記載
④チェックアウト時に割引後の宿泊料金を支払う
※宿泊施設により、現金で割引分をお渡しする場合がございます。

ご注意

①レンタカーを借りた方で、かつ、参画宿泊施設に宿泊した方が対象となります。
②現地決済のみが対象となります。
③キャンペーンが終了した場合は、鳴門市公式サイトにてお知らせします。

お問い合わせ

鳴門市役所観光振興課 TEL:088-684-1157

鳴門市公式サイト

令和7年度 鳴門市レンタカー利用者宿泊助成制度について

木曽伝統の発酵食「すんき」、木曽漆器、塩尻ワイン。宿場町・奈良井宿がつなぐ地域の新たな「食」体験

江戸時代の宿場町の面影を残す奈良井宿から、地域に根ざす文化財と食を掛け合わせた新プロジェクトが始まる。

このプロジェクトは、令和5年度観光庁が実施する「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」の実証事業の一環として、「ONESTORY」が事務局となり地域の方と協同して行う取組です。「文化財」をテーマとする実証先として、奈良井宿を起点とする長野県塩尻市の奈良井地域が選定されました。

奈良井宿は、江戸時代に整備された五街道のひとつである中山道(東京・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ500kmを超える街道)のちょうど中間、34番目に位置します

かつて多くの旅人を迎えた町の賑わいは「奈良井千軒」と謳われるほど。奈良井川に沿っておよそ1kmにわたり続く日本最長の宿場町として木曽路で一番賑わっていたといいます(※1)。街道沿いに旅籠屋形式の町屋が連なり、江戸時代の面影を色濃く残す町並みは、1978年に文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

長い歴史の中で守られてきた景観や町並み、地域に伝承される漆器・曲物の伝統工芸なども含めた奈良井宿の「文化財」と、山々に囲まれた気候風土が育んできた発酵食などの地域の「食」を掛け合わせて、奈良井地域の「食」の価値向上に向けたプロジェクトが始動しました。

地域が守り伝承してきた発酵食文化「すんき」に光を当てる。

奈良井宿がある長野県塩尻市は、明治時代からぶどう栽培が盛んな桔梗ヶ原を中心に15ものワイナリーが集まる日本ワインの生産地(※2)。奈良井宿への玄関口ともいえる塩尻駅にも、塩尻ワインのワイナリー巡りを楽しむ観光客が多く訪れます。一方で、駅周辺や中心部に飲食店が少なく、ワイナリーを目指す人や奈良井宿を目指す人の通過点となってしまっていることが地域全体の問題となっていました。

また、奈良井宿においても、国内外から多くの観光客が訪れる一方、その大半が街歩きメインでの滞在。宿泊施設や飲食店の数が限られていることもあり、「食」という点から奈良井宿の魅力をなかなか提案できていないことが地域の問題でもありました。

そこで今回のプロジェクトが目指したのは、奈良井宿を起点とし、木曽漆器・奈良井の曲物といった工芸と、山深い木曽地域に伝承される発酵食と、塩尻のワインを活用して、奈良井宿の豊かな食文化を一連となった食体験として提供することです。

豊かな地域資源がありながらも、それらがバラバラに点在している現状に対して、地域の魅力を一体として感じられる、地域資源をフル活用したペアリングメニューを開発し、地域全体で「食」の価値を発信していけることを目指します。

メニュー開発の強力なアドバイザーとしてお迎えしたのは、「食の外交官」ともいわれる公廷料理人として、日本食の伝統や地域文化と向き合い、地域の資源を「和食」としてアウトプットするプロフェッショナルである出張料理人の工藤英良シェフです。過去にパリ、カナダ、中国において公廷料理人としてグローバルに和食を提供し日本文化を踏まえた「おもてなし」に尽力されてきた経験や、岐阜県飛騨市の「食の大使」として地域独自の食の魅力向上やブランディングに取り組まれた経験があり、文化を踏まえ地域の工芸や歴史的建造物の雰囲気を用いた食の提供を行うことへの知見が豊富であることから、今回のプロジェクトのアドバイザーを依頼することとなりました。工藤シェフと地域の料理人が伴走しながら、「文化財」を切り口とした地域の食のアップデートに向けて検討を進めました。

奈良井を訪れた工藤シェフが様々な地域食材の中から注目したのが、木曽地方に古くから伝わる保存食「すんき」。すんきは、木曽地域の在来品種である赤カブの葉を、塩を一切使わずに植物性乳酸菌で発酵させた漬物で「すんき漬け」とも呼ばれて、地元では刻んで味噌汁に入れたり、鰹節と合わせたり、そばに乗せたりして食べられています。

深い山間にある木曽地域で塩がとても希少だった時代、塩を使わずに、厳しい冬の間も野菜を保存するための知恵として生まれた保存食でした。生きるための知恵として受け継がれ、どの家庭でも作られてきましたが、独特な酸味もあり、最近では地元の若い人にとってはあまりなじみのない食材ともなっていました。

その独特な癖のある味わいに引き込まれたという工藤シェフは「乳酸発酵させたすんきと、乳酸発酵させた樽熟シャルドネとのペアリングは、すんきの可能性を感じさせる素晴らしい組合せでした。木曽の食文化と塩尻のお酒が組み合わさることによって、新たな価値を見い出せると確信しました」と振り返ります。「すんきと白ワインが合う」という工藤シェフのアイデアをきっかけに、地域の料理人と一緒に、すんきを軸にしたワインに合うおつまみの開発が進みました。

工藤シェフとともにメニュー開発を行ったメンバーの一人、奈良井宿の宿「BYAKU -Narai-」のレストラン「嵓 kura」の料理長・友森隆司シェフは、こう話します。

「メニューを考える上で、なぜこの土地ですんきが生まれたのか、そしてなぜ今若い人にはあまりなじみがなくなってしまったのかとか、そういう背景を大事にしました。すんきは、冬の貧しい時期を過ごしていくために生まれた食材。すんきそばがあるのも、他に食材がなかったから。そういったバックグラウンドを考えると、すんきが主役だからといって、華やかに盛大に『かき揚げ』とか作るのは、そもそものすんきの在り方とかけ離れていてバランスが崩れてしまうなと。外の方が驚くメニューよりも、地域の方が『こんな使い方もできるのか。今度家でも漬けてみよう』ってすんきの良さに気づいてくれることが大事かなと思いました。だからこそ、誰でも作れる親しみやすいメニューになるように意識しました。」

「酸っぱくてちょっと苦手なもの」という先入観が無くなり、「食べやすいもの」という気づきが生まれることで、地域の人にとってもすんきがより身近なものになる。そのことが、地域の「食」の価値を向上させ、その魅力を外へと発信する原動力にもつながっていきます。この土地ならではの工夫から生まれた守るべき食文化を、特別なメニュー開発で盛り上げるのではなく、継続して地域に根ざして発展していけるメニューとして再構築する。

試行錯誤を経て完成したのは、4つのおつまみ。「すんきポテトサラダ」「漬物テリーヌ」「市田柿とクリームチーズとすんきの生ハムロール」「鯖缶タルタル」です。メニューの詳細は塩尻市観光ガイド時めぐり「伝統食の新しい提案ー木曽のすんきを活用したレシピー」をご覧ください

実証実験の第一弾として11月26日(日)・27日(月)の二日間、塩尻駅の駅前広場で、開発した4つのおつまみにそれぞれ塩尻ワインをペアリングし、木曽漆器に盛り付けて提供するイベントが開催されました。

毎年秋に、塩尻駅前に特設される芝生の上で塩尻ワインを味わえる屋外イベント「ワインテラス」とのコラボイベントとして開催された実証実験。「ワインテラス」を主宰する、塩尻駅構内のワインバー「アイマニ」のご協力をいただき、グラスワインを注文された方に、それぞれのワインに合わせたおつまみを、木曽漆器に盛り付けて提供しました。ワインはもちろん全て塩尻ワインです。

おつまみを盛り付けた木曽漆器は、「木曽漆器青年部が行う漆器の貸し出しサービス「かしだしっき」のワッパ皿。奈良井発祥の曲物の技術を使い、曲げわっぱのお弁当の蓋の部分を裏返したような形で日常に使いやすく、木の肌を残した木地にすり漆で仕上げた表面もナチュラルで暮らしになじみやすい印象です。

塩尻のワイナリー「ドメーヌ・スリエ」のすっきり清涼感のあるシャルドネ白ワインと合わせたのは「漬物テリーヌ」。すんき、赤カブの浅漬け、ワサビの葉、白瓜の粕漬けを白菜漬けで巻いて美しいテリーヌに仕上げた一品。様々な味わい、食感、香りの漬物が合わさった複雑な美味しさで、すんきがナチュラルになじみます。

つづいては塩尻で一番古い(※3)ワイナリー「五一わいん」のソーヴィニヨン・ブランの白ワインと合わせたのは「鯖缶タルタル」。すんきのつけ汁と卵と油で作った「すんきマヨネーズ」に、刻んだすんきと鰹節を加えてタルタルソースを作り、市販の鯖缶と合わせた一品。こっくり濃厚な鯖の味噌煮の旨さに、すんきの酸味が効いた爽やかでありながらコクのある仕上がりの「すんきタルタル」がぴったりはまります。

通常、すんきを絞った時に出る汁は切って捨てていたもの。その、すんきの旨みをたっぷり含んだ汁を「酢」の代わりに活用するというアイデアがメニュー開発の肝となりました。乳酸を含んだすんき汁特有のコクが、酢とは違うやわらかくまろやかな味わいを生み出すとともに、塩みも抑えられる。すんきが料理をマイルドな味わいに整えるとともに、乳酸の味わいとワインの相性が非常に良いということが、シェフたちにとっても大きな発見となりました。

3品目は、塩尻「井筒ワイン」の軽めの辛口赤ワイン、マスカット・ベリーAに合わせた「すんきポテトサラダ」。すんきマヨネーズで作ったポテトサラダの上に、さらにすんきで作ったドレッシングをかけたすんき尽くしの一品。ザクザクとした食感が楽しいすんきの酸味と、鰹節の旨み、すんきマヨネーズのコクが癖になる味わいです。

4品目は塩尻「サンサンワイナリー」の重めの赤ワイン、メルローと合わせた「市田柿とクリームチーズとすんきの生ハムロール」。生ハムとクリームチーズの塩味と、長野県の名産品である市田柿の優しい甘みと香りを、すんきの酸味がつなぎ、複雑な味わいのハーモニーが美味しい一品です。

会場には、今回提供されたメニューの紹介とともにレシピを紹介するウェブサイトへのQRコードが記載されたポップが用意され、その場でおつまみのレシピも知ることができる仕組み。実際に食べて美味しいと興味を持った人に「自分でも作ってみよう」と思ってもらうこと、地域の店舗の方が自由にアレンジして展開してもらえることを狙っています。土日の2日間で地元の方や観光客の方など50人以上がおつまみを試食し、評判は上々。「食べやすかった」「すんきはどこで買えるんですか?」とさっそくすんきに興味を持つ方もいました。

「今まですんきは地元の人でも若い世代にはなじみのない食材。扱うのも難しいイメージがあって、アレンジしてみようという発想もありませんでした。でも今回のおつまみはお客さんの評判も良くて美味しかったですし、レシピをアレンジしながらぜひお店でも使っていきたいなと思いました。奈良井宿と塩尻、それぞれの場所で活動している地域のプレイヤー同士が同じプロジェクトに取り組むこともこれまでなかなかできなかったこと。僕らが奈良井に行ったり、奈良井でやっている企画を塩尻に持ってきたり、一緒にプロジェクトをやれると、いろいろな可能性が広がるなと感じました」と、イベントに協力してくださった「アイマニ」のオーナー田中 暁氏。

新しいものをゼロから生み出すのではなく、もともとあった地域の資源を掘り起こし、地域に根ざし継続的に発展させていく今回のプロジェクト。今年は奈良井宿の宿「BYAKU -Narai-」でのおつまみのテスト提供ほか、塩尻のワイナリーでの提供も検討中です。誰もが知っているすんきという伝統食材が絶妙なバランスで他の食材と調和しマイルドなまとまりを作り出してくれるように、すんきを軸に、町並みも工芸もワインも、地域の持つ豊かな文化財が一連の体験としてまとまり、プロジェクトの具体的な取組について検討するための素地が整いました。長い冬のシーズンを迎える深い山間の木曽地域、今後の新たな取組についてじっくりコミュニケーションが始まるのはこれからです。

※1 「奈良井宿観光協会」
※2 「塩尻市観光ガイド時めぐり - 塩尻市のワイナリー」
※3 「五一わいん - ワイン醸造100年を越えて」


■開催概要
観光庁では、令和5年度「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」において、 地域資源と地域食材の積極活用等により食の価値を高め、宿泊業の付加価値向上を進めると同時に、地域経済への裨益効果を増大させる取組のあり方について検証を実施いたしました。 
これにともない、本事業の取組内容を発表する事業成果報告会を開催することとなりました。 
観光産業関係者の皆様(宿泊事業者、自治体の観光部門担当者、DMO、観光協会、観光事業者)をはじめ、ご関心のあるすべての方のご参加をお待ちしております。
 
■日程
令和6年2月20日(火)15:00-17:00
■参加費
無料
■開催方式
オンライン(Zoom)

あたりまえの風景の中に見つけた地域の宝。4つのホテルから広げていく北海道・層雲峡温泉、上川そばの可能性

神々の遊ぶ庭、原始の雄大な自然に囲まれた層雲峡温泉ならではの「食」を求めて。

このプロジェクトは、令和5年度観光庁が実施する「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」の実証事業の一環として、「ONESTORY」が事務局となり地域の方と協同して行う取組です。「温泉その他の地域観光資源」をテーマとする実証先として、北海道上川町の層雲峡温泉が選定されました。

層雲峡温泉は、北海道のほぼ中央、先住民であるアイヌの人々が「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼んでいた原始の雄大な自然が広がる「大雪山国立公園」の中にあります。

日本最大級で約23万ヘクタールの広大な国立公園内には、今もなお活動を続ける活火山を含んだ2,000メートル級の山々が連なり、壮観な景色を作っています。その中の一つ、黒岳の麓にある層雲峡温泉では、大自然が織りなす四季折々の圧倒的な景観を間近に楽しむことができ、夏は登山、秋は美しい紅葉、冬はライトアップされた幻想的な氷のオブジェが立ち並ぶ「氷瀑祭り」を目指して多くの観光客が訪れます。

石狩川を挟み約24kmにわたり断崖絶壁が続く渓谷に大型のホテルが集まり、北海道有数の温泉地として昔から団体のツアー客をはじめ多くの観光客を迎え入れてきた層雲峡温泉。いまも北海道内、道外からの観光客のほか、海外からも多くの人が訪れています。

季節ごと、ここでしか出会うことのできない景観を求め多くの観光客が訪れる一方、紅葉が終わる11月ごろから、「氷瀑祭り」が始まる1月末までの間は閑散期で、年間を通しての集客に大きく波があり閑散期の来訪目的となるようなコンテンツ開発が求められていました。

そのような地域の課題に対して、「層雲峡観光協会」を中心に層雲峡温泉の複数の宿泊施設が連携をとり、「温泉×食」という切り口で、紅葉や氷瀑祭りなどのイベント時に限らずに「食」においても旅の目的地となることを目指し、新たな取組をスタートしました。

外からの視点で再発見する、埋もれていた地域食材。

昔から団体客を多く迎え入れてきた層雲峡温泉では、部屋数が200以上という大型のホテルも多く、食事スタイルはビュッフェが中心です。100種類以上のメニューが並んだり、オープンスタイルのキッチンで出来立ての料理を提供したり、それぞれのホテルが独自に趣向を凝らしたビュッフェメニューを展開。北海道産の食材を使うメニューは各ホテルが特に力を入れており、宿泊客からの満足度が高い部分でもあります。

しかし、層雲峡温泉ならではのキーとなるメニューがなく、道内の他地域と「食」における差別化ができていないこと、「食」を目的とした集客が行えていないことが地域全体としての問題になっていました。

温泉地らしいビュッフェスタイルを生かしたキーディッシュを開発し、温泉街一体で提供することで、イベントのないシーズンにも年間を通じて“層雲峡ならではの食”を目的にこの場所を訪れる人々が継続的に増えること、そして、それによって地域全体の経済効果も高めることが本プロジェクトの目標です。

メニュー開発の心強いアドバイザーとしてお迎えしたのは、管理栄養士、食生活アドバイザー、アンチエイジング料理スペシャリスト、東京・赤坂のレストラン「ルリール」オーナーシェフ、「ちさこ食堂」での商品開発など多岐にわたり活躍する食のプロフェッショナル・知佐子氏。これまでに、アイヌの食文化にも通ずる「発酵と熟成」をテーマとしたレストラン「GINZA 豉 KUKI」のプロデュースや、徳島県の新祖谷温泉にて郷土料理をアレンジした会席料理コースのプロデュースを行うなど、食材や料理についての幅広い知見を持ち、素材を生かした調理アレンジやメニュー開発の経験が豊富であることから、今回のプロジェクトのアドバイザーを依頼することとなりました。堀氏と地域のメンバーが集まり、地域食材の洗い出しを行うところからプロジェクトは始まりました。

堀氏とのディスカッションを通じてメンバーが注目した地域食材は「そば」です。

北海道は実は、日本全国の作付面積の4割弱を占める国内最大のそば生産地(※1)。中でも道北エリアでの生産が盛んで、上川町もその一つ。旭川空港から層雲峡温泉へと向かう道中にはそば畑が広がり、地域メンバーにとってもそば畑のある風景は、幼少期から見慣れた景色でもありました。しかし、それゆえにそばを特別なものとして見たことがなかったと「層雲峡観光協会」の岩本昌樹氏は振り返ります。主に出荷用に生産されていたということもあり、地元産のそばの存在は皆が知っているものの、これまであまり意識されてこなかった食材でした。

堀氏が地域に入り外からの視点によって再発見された、埋もれていた上川の名産品。上川産のそばをキーにしたメニュー開発へと一気にプロジェクトは動き出しました。

上川産そば粉と層雲峡の清らかな水で作る十割そば。

これまでも各ホテルのビュッフェでは、数あるメニューの一つとして北海道産そばはおなじみでしたが、宿泊客からの評判は賛否両論。茹でたてのタイミングで食べた方からは高評価があったものの、時間が経つと乾燥して味が落ちてしまい低評価になることもあったといいます。そこで堀氏が提案したのが、緻密な製粉技術でそば粉100%使用した「そば玉」を作るというアイデア。

地元で採れた上川産のそばを高度な製粉技術で微細分化してそば粉に加工、層雲峡の大雪山系伏流水と合わせてそば玉を作り、そのそば玉を手動式の製麺機に入れて十割そばに仕上げます。そば玉にすることにより鮮度が維持しやすくなるとともに、製麺したての状態で茹でるので出来立てを提供しやすく、また手動で製麺を行うのもエンターテイメント性が高くビュッフェに向きます。

手動式の製麺器として使うのは、お菓子のモンブランを作る際に使ういわゆる「モンブランマシン」。10cmほどの大きさのそば玉を製麺機に通すと、お椀に約一杯分のそばがすぐに製麺されます。つなぎを使わずそば粉と水だけで作る分、ぼそぼそしたり切れてしまうこともある十割そばですが、高度な製粉技術によって加工した上川産そば粉100%のそば玉で作る十割そばは、切れることなく滑らかな仕上がり。

「上川産の十割そばをビュッフェで提供できるのはすごく可能性を感じます。モンブランマシンを使うことで、そばの麺の太さを変えられるのも特徴が出せてメニューの幅が広がります」と各ホテルの料理長も手応えを感じている様子。

単にそばをメニュー化するのではなく、温泉地ならではのビュッフェスタイルの食体験として印象付けるということは、メンバーが特に意識したことでもありました。

さらに今回こだわったのが「つけ汁」です。「層雲峡観光協会」の呼びかけによりプロジェクトに参加することとなったホテル大雪」層雲閣」朝陽亭」朝陽リゾートホテル」の各料理長が主体となり、ホテルオリジナルのつけ汁を開発。

層雲峡温泉にあるホテルはそれぞれに個性があり、訪れる観光客の層も少しずつ異なります。インバウンドのツアー客を多く迎え入れるホテルや、ファミリー層が多いホテル、50-60代のご夫婦が多いホテルなどさまざま。それぞれのホテルが、個性を生かしたオリジナルのつけ汁を考案し、上川産そばの可能性を広げていきます。

地元の人が自信を持って美味しいと思う、地域に愛される「食」を目指す。

12月1日(金)、プロジェクトの第一弾となる実証実験として、地域内の関係者などが集まり、今回開発したそばの実演と各ホテルのつけ汁をお披露目する試食会が開催されました。

モンブランマシンを使って目の前で製麺される上川そばに、参加者のみなさんも興味津々。40秒という短い時間であっという間に茹で上がるのも魅力です。茹でたてのそばとともに、各ホテルのつけ汁を試食します。

ホテル大雪からは温かい「酸辛湯スープ」と、冷たい「肉蕎麦(豚肉トッピング)」の2種類のつけ汁。酢と醤油と塩をベースに鶏ガラで出汁をとったとろみのある「酸辛湯スープ」がそばとよく絡み、そば×中華のハーモニーが面白い一品。ニラと豚肉をトッピングしたピリ辛の冷たい「肉蕎麦」スープは細麺との相性が良く食欲をそそります。

層雲閣からは温かい「かも南蛮」。旨みたっぷりの出汁にゴロリと鴨肉をトッピングさせた温かいつけ汁と、しっかりコシのある十割そばがよく合います。

「朝陽亭」のつけ汁は温かな「エゾシカ肉入り紅葉けんちん蕎麦」。地場産の野菜と北海道産のエゾシカのバラ肉を甘めに炊いた、具沢山のけんちん汁。北海道産メニューに力を入れている朝陽亭ならではの提案です。

「朝陽リゾートホテル」のつけ汁は「煎りおからトッピング塩だれで食べる雪見蕎麦」。利尻昆布でとった出汁のきいたつゆでさっぱりといただけるつけ汁は朝ごはんを意識したメニュー。数種類のトッピングをお好みで加えていただきます。

地域のみなさんや各ホテルの料理長がざっくばらんに話しながら、つけ汁と茹でたての上川そばを試食。「おいしい!」「これが一番好き」「温かいつけ汁には太麺が合うね」など意見が飛び交う賑やかな試食会となりました。

12月6日(水)から各ホテルでの提供が始まることに先駆けて、集まったホテルの皆さんがモンブランマシンでの製麺をどのようなオペレーションで行うかなどを話し合うシーンも。30分に1回、お客様の席にワゴンサービスでモンブランマシンを使った製麺を実演するアイデアなど、具体的なアイデアが交わされていました。

これまでホテルのオーナー同士の交流はあったものの、料理人の方まで含めて一同に集まるという機会はなかなか実現してこなかったとのこと。このプロジェクトをきっかけに、初めて実現した「食」におけるホテル同士の連携。以前よりもスムーズにディスカッションが行われるようになったことで、同じ目的に向かって地域一体での取組も、より動きやすくなっていきます。

会場となったホテル大雪西野目晃正常務は「今回のプロジェクトをきっかけに埋もれていたそばの価値を再発見し、地域が一体となって取組を始めることができた。そば以外にも上川・層雲峡温泉ならではの素材がまだまだあるはず。これからも地域の魅力を広げていきたい」と今回の試食会を締めくくりました。

麺の太さとつけ汁の相性、上川産の素材を活用したつけ汁のバリエーションやトッピング、ホテル同士を行き来してつけ汁を味わえる仕組みや、お土産の物販など、今後も地域一体での様々な展開の可能性が広がりそうな上川そば。なぜこの町にそばがあるのか。そもそもの地域食材の歴史を紐解きながら、その魅力をさらに深掘りし、上川そばブランドをじっくりと醸成していくのはこれから。

「大切なのは私たち自身が自信を持って美味しいと思うこと。インナーマーケティングが大事であると思っています。層雲峡温泉で働く私たちが、上川の町のひとが、みんなが好きになるものだからこそ外に向かって発信をしていけるし、地域の食の価値としても高まっていきます。まずは時間がかかっても、その思いを醸成していき、地域に愛される食を作っていきたい」と、「層雲峡観光協会」の西野目智弘理事はシビックプライドの大切さを強調します。
外からの視点をきっかけに再発見された、地域の方自身が気づいていなかったその土地の魅力。その魅力を一層輝かせ、広げていくのは地域の中からの力です。

層雲峡温泉という大きな地域資源をベースに、地域が一体となり「温泉地×食」を切り口とした「食」の価値向上を検討していくプロジェクトはまだ始まったばかり。それぞれに個性的な地域のホテルが連携を深めていくことで、層雲峡温泉ならではの「食」はより深掘りされるとともに、地域全体としての食体験の豊かさや経済効果も向上し、ますます多様に彩られていくのではないでしょうか。

※1 「農林水産省 - 令和元年度産 耕地面積・主要農作物市町村ランキング」


■開催概要
観光庁では、令和5年度「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」において、 地域資源と地域食材の積極活用等により食の価値を高め、宿泊業の付加価値向上を進めると同時に、地域経済への裨益効果を増大させる取組のあり方について検証を実施いたしました。 
これにともない、本事業の取組内容を発表する事業成果報告会を開催することとなりました。 
観光産業関係者の皆様(宿泊事業者、自治体の観光部門担当者、DMO、観光協会、観光事業者)をはじめ、ご関心のあるすべての方のご参加をお待ちしております。
 
■日程
令和6年2月20日(火)15:00-17:00
■参加費
無料
■開催方式
オンライン(Zoom)

伝統製法「灰干し」が広げる地域の新たな「食」。和歌山県・和歌の浦で目指す記憶に残る絶景ロケーションダイニング

万葉の頃より愛される景勝地、和歌の浦の絶景を舞台に始まった「食」プロジェクト。

このプロジェクトは、令和5年度観光庁が実施する「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」の実証事業の一環として、「ONESTORY」が事務局となり地域の方と協同して行う取組です。食の価値向上を目指すにあたり「文化財」「自然の風景地」「温泉その他の地域の観光資源」という3つの地域資源に焦点を当て実証先を検討し、「自然の風景地」をテーマとする実証先として、和歌山県和歌の浦地域が選定されました。

和歌の浦は、古くから和歌の聖地として和歌の神様が祀られ、多くの歌人たちがその美しさを詠ってきた由緒ある景勝地です。大阪から車や電車で1時間半ほど、今でも、穏やかな和歌山湾が目の前に広がる大パノラマの絶景に出会うことができます。平成29年には「絶景の宝庫 和歌の浦〜詠い継がれる、美しき風景として、文化庁が認定する「日本遺産」にも登録されました。

2023年夏、古来より人々の心を動かしてきた和歌の浦の絶景という資源を最大限に生かし、ダイナミックな地形が生み出す景観と地域の食を掛け合わせた、地域一体となるロケーションダイニングを開発するプロジェクトが立ち上がりました。

「和歌浦温泉 萬波MANPA RESORT」代表の坂口宗徳氏を中心に、和歌の浦観光協会、和歌浦漁業協同組合、地域の宿泊施設や飲食店が連携し、目指したのは新たな“和歌の浦ならでは”の食体験、この場所でしか出会うことのできないロケーションダイニングです。

おなじみの地域食材と伝統製法「灰干し」の掛け合わせが拓く、和歌の浦の新しい「食」。

和歌の浦地域は、雑賀崎漁港、和歌浦漁港、田ノ浦漁港という3つの漁港があり、地元では紀州「足赤えび」と呼ばれる希少な「クマエビ」のほか、「和歌しらす」の名で親しまれる和歌の浦で獲れるしらす、雑賀崎漁港名物の鱧や、高級魚のクエなど、地元で水揚げされる新鮮な魚介が豊富です。

漁港から直送される獲れたての新鮮な魚介はお造りなどで提供されることが多く、それはもちろん絶品で和歌の浦の誇る味でもあります。魅力的な旬の食材が豊富にあり、それらを生かしたメニューもあるものの、この地域ならではの「食体験」としての提案ができていないこと、そして、和歌の浦を代表する名物料理として際立ったキーディッシュがないことが、地域の抱える課題でありました。

こうした課題に対して、「絶景×食」という切り口で、食を楽しむシチュエーションも含めた体験的な価値として、“和歌の浦ならでは”の食を探るのが本プロジェクトの目標でした。

メンバーの話し合いの中で、和歌の浦の絶景と「屋外」での調理や食体験は親和性が高く、特にバーベキューのような火を使った調理は和歌の浦のロケーションを生かした工夫をさまざま考えられるのではないかと、「屋外」での取組への可能性が検討されていました。そこで一般的なバーベキューではなく、素材を引き立たせる火入れ技術である薪火・熾火調理に注目し、そのエキスパートである横浜の薪火ダイニング「SMOKE DOOR」に今回のプロジェクトのアドバイザーを依頼することとなりました。ロケーションを生かした調理ができ、さらにそれが素材の良さを引き立てる技術であることが和歌の浦地域の目指す方向性と非常に相性が良く、メニュー開発だけでなく調理技術についてもプロのレクチャーを受けることで、地域に新たな技が根付くことが期待されました。こうした経緯でタッグを組むこととなった「SMOKE DOOR」代表の雨宮 龍氏、シェフのタイラー・バージス氏、小出 浩史氏の強力なサポートのもと、地元の料理人たちとともに新たな“和歌の浦ならでは”のメニュー開発が進められました。

地元の方の協力により地域食材の洗い出しが行われ、それらの食材をより深く知るために「SMOKE DOOR」チームはさまざまな生産者のもとを訪れました。その中で特に注目したのが、地域に伝わる「灰干し」の製法です。和歌の浦に60年以上続く「灰干乾燥製法」による水産物の加工業者「西出水産」を訪れ、その工程を視察した際に大きな可能性を感じたといいます。

灰干しとは、高い吸湿性を持つ火山灰の中で魚を乾燥させる技法のこと。水分を通す特殊なセロファンで魚を包み、灰の中で空気と紫外線に触れさせずに水分を抜いていくため、魚を酸化させずに旨みと良質な脂を閉じ込めた鮮度の高い干物に仕上がります。和歌山県では江戸時代、紀州でさんま漁が盛んだったことから、古くからさんまは地域の食材として根付いており、いまでも「灰干しさんま」が特に親しまれています。そのほかにもアジ、鯖、鯛などいろいろな魚介の灰干し干物があり、地元でもなじみの深い食材です。天日干しされた干物と比べて、焼くと身がふっくらとやわらかく凝縮された良質の脂と旨みが口の中に広がります。

この、地元の人にとってはなじみ深く昔から大切に継承されてきた製法が、新たな和歌の浦の食を考えるキーとなりました。これまでは魚介を扱う技として発展してきた製法ですが、「SMOKE DOOR」チームが発案したのはその製法を肉で実践するというアイデアでした。
「西出水産さんからセロファンと火山灰を提供いただいて、灰の中に入れる時間などいろいろ試行錯誤を繰り返してみたのですが、予想以上の仕上がりになり驚きました。素材のみずみずしさを残したまま熟成を行うことができるので、焼き上げた時に表面はカリカリッと中はジューシーに、お肉の色もキレイに、まさに理想的な完璧な仕上がりでした。全国的に見ても灰干しのお肉を作っているところはあまりないので、これは“和歌の浦ならでは”のメニューになりうるのではないかと可能性を感じました」と「SMOKE DOOR」の雨宮氏は評価しました。

「こんな考え方もあるのかと勉強になった」と和歌の浦のホテルの料理長が振り返るように、“灰干し×肉”という組み合わせは、地域の方にとっても新鮮な視点でした。まだまだ考えられることがある、地元食材と改めて向き合い新しい価値を引き出していこうと、みなさんも大いに刺激を受けたといいます。さらに、和歌の浦の名産でもある高級魚クエを灰干しにしたことも今回の挑戦のひとつです。シェフたちと「西出水産」との協同により、干物を作る時よりも短めの時間で灰干ししたクエを使った一品も開発されました。

地域に元からある食材と製法を、これまでとは視点を変えて掛け合わせることによって、新しい地域の可能性が広がっていく。シェフの斬新な発想で、メニュー開発は加速しました。

記憶に残る食体験を。この場所で味わうからこその価値。

去る11月15日(水)17時30分より、美しい夕陽に照らされた和歌の浦の浜辺で、地域の関係者を招いて絶景ロケーションでのコースディナーをモニター体験する実証実験が行われました。
和歌の浦の海を一望できる高台に建つ「和歌浦温泉 萬波 MANPA RESORT」が旗を振り、建物横の県有地となっている蓬莱ビーチを会場にコーディネート。まずはロビーに和歌の浦地域の宿泊施設や飲食店、漁業関係者など30名ほどが集まりました。

1品目は「足赤エビのトースト」です。「足赤エビ」は正式には「クマエビ」と呼ばれる和歌の浦の名産品で、プリプリとした柔らかな身と甘みが特徴です。サクサク、ジュワ、プリプリ、ねっとり、さまざまな食感が口の中に広がります。足赤えびのトーストに合わせて選ばれたのが、和歌山の蔵元「平和酒造」の「紀土」です。地域の酒と食のペアリングを楽しむこともこのロケーションダイニングの狙いです。

その後、蓬莱ビーチにセッティングされたメイン会場へ移動します。静かな浜辺に焚き火のはぜる音が心地よく響くロケーションで、夕方から夜へと刻々と表情を変える和歌の浦の美しい風景も一緒に味わうダイニングがスタートしました。

2品目の、「梅素麺と灰干しクエ」は、和歌山名産の紀州梅が練り込まれたピンク色の梅素麺と、生食用に軽めに灰干ししたクエを合わせた一品です。梅の酸味がきいた素麺のさっぱりした味わいに、ほのかな塩味と甘みを感じるクエの美味しさが重なりあい美味しさが広がります。こちらのメニューに合わせたのがオリジナルのレモンサワー。15時間かけて香りづけしたスモーキーな木の香りが鼻に抜け、引き締まった灰干しクエの風味とぴったりのマリアージュが楽しめます。

3品目は「布引大根のサラダ 胡瓜、山椒、金山寺味噌」。江戸時代より続く大根の名産地である和歌の浦の布引地域で採れた大根を、生のまま、薪で焼いたもの、1週間薪の上で燻したものの3種類のかたちでサラダにした一皿です。パリパリとした食感や、スモーキーな香り、やわらかな歯応え、大根のさまざまな魅力が引き出されます。サラダに合わせるのはクラフトビール。1品目に合わせた地酒「紀土」を製造する蔵元「平和酒造」による「平和クラフト」のホワイトエール。2022年には、「World Beer Cup」で金賞に輝き世界一にもなったクラフトビールです。

4品目は「アワビの地中焼き、肝のソース」。砂浜に掘った穴の中に昆布締めしたアワビを詰め、その上に載せた鉄板の上で焚き火を燃やし、2時間蒸し焼きにして仕上げました。会場の焚き火の下で、エンターテイメント性を持たせながらメインディッシュが調理できるという工夫は、砂浜を会場にしたロケーションならではの演出です。砂浜から、しかも焚き火の下から、アワビが取り出される様子にゲストのみなさんも興味津々でした。蒸し焼きにしたアワビに濃厚な肝のソースがかかり、磯の香りとアワビの旨みを凝縮した贅沢なメニューにペアリングされたのは熱燗です。夜になり気温も下がってきた浜辺でいただくアワビと熱燗の相性は、言うまでもありません。

つづく5品目は、「灰干しにした紀州和華牛の熾火焼き、梅山椒、山葵、赤柚子胡椒」です。12時間灰干しした和歌の浦の和華牛を熾火焼きで火入れし、表面をカリッと中をジューシーに焼き上げたもの。熾火焼きとは、「SMOKE DOOR」チームが得意とする調理方法で、直火で焼き上げるのではなく、薪を焚いて作った炭の熾火を使い、うちわであおぎ温度調節をしながら火入れをしていく技です。カリカリの表面と、灰干しして乾燥熟成させた牛の旨みと脂がぎゅっと凝縮された柔らかな身のコントラストが格別な美味しさを引き出します。「和歌山湯浅ワイナリー」の赤ワイン「和 メルロー木樽 2022」をペアリングしました。

6品目は、「薪焼きシラス丼、鶏出汁」。和歌の浦名産のシラスを豪快に薪火焼きした香ばしくウッディーな香りのシラス丼は新鮮な味わいです。お好みで鶏の身から丸ごととった濃厚なお出汁をかけていただきます。

7品目はデザート「温州みかんプリン 柿」です。和歌山県はみかん、柿ともに生産量全国一位を誇ります(※1)。旬の果物のデザートでディナーは締めくくりとなりました。

和歌の浦が誇る食材を新鮮な視点で新たに捉え直すメニューと、和歌山のお酒のペアリングしたコースは、地域が育んできた様々な資源の魅力を再発見する食体験の提案となり、地元の方たちも一皿ごと新鮮な驚きを感じた様子でした。使われている食材やお酒について、テーブルの上での会話も弾みました。

和歌の浦湾をバックに夜の砂浜で行われたロケーションダイニングは、静かな波の音と薪のはぜる音を聞きながら、和歌の浦の新しい食体験を提案する試みとなりました。

「とても手応えを感じています。今日がはじまりとして、ひきつづき皆さんと一緒に継続して事業をブラッシュアップできればと思っています」と、プロジェクトを主導する「MANPA」代表の坂口宗徳氏は意欲を語ります。

1月18日(木)はこの日の参加者の方や地域の飲食店や宿泊施設の方が集まり、レシピ講習会が開催され、実際の作り方や食材の加工などをSMORK DOORチームに質問しながら、理解を深めていました。

和歌の浦のプロジェクトはまだ始まったばかり。今回行われたロケーションダイニングで提案されたエッセンスをヒントに、それぞれの施設が主体となり、独自のダイニングやメニューを企画・実践していくことが次なるフェーズです。

この日に提案された7品の料理と食体験を元に、たとえばアワビのソースをヒントにオリジナルのメニューを開発したり、灰干しを使った料理を展開したり、浜辺で行う地中焼きを別の素材に発展させたり……、今回の実証実験をきっかけに、オリジナリティ溢れる新たな和歌の浦の味、ロケーションダイニングが各所から生まれていくことが期待されます。

※1 「和歌山県 - 果実収穫量の全国順位一覧」


■開催概要
観光庁では、令和5年度「地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業」において、 地域資源と地域食材の積極活用等により食の価値を高め、宿泊業の付加価値向上を進めると同時に、地域経済への裨益効果を増大させる取組のあり方について検証を実施いたしました。 
これにともない、本事業の取組内容を発表する事業成果報告会を開催することとなりました。 
観光産業関係者の皆様(宿泊事業者、自治体の観光部門担当者、DMO、観光協会、観光事業者)をはじめ、ご関心のあるすべての方のご参加をお待ちしております。
 
■日程
令和6年2月20日(火)15:00-17:00
■参加費
無料
■開催方式
オンライン(Zoom)

Tokushima Tourism Information 徳島観光資料


Please download the documents for your reference.
Best regards,Tokushima Prefecture Tourism Association

Tourism Guide -観光案内-

Tokushima Presentation(中文繁体字)[PDF/15MB]

Hotel Guide -宿泊案内-

Tokushima Accommodation(徳島宿泊施設案内)[PDF/14MB]

Golf Guide -ゴルフ場-

Cycling Guide -サイクリング-

自行車王國德島 Go around 路線(中文繁体字)[PDF/2.8MB]

Train Guide -観光列車-

四國真中千年物語観光列車(中文繁体字)[PDF/3.3MB]

Educational Travel -教育旅行-

Tokushima Tourism Information 徳島観光資料


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Educational Travel -教育旅行-

(予約)ウィップコードカーゴパンツ

商品詳細

  • ウィップコードを使ったシンプルなカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • カーキとアーミーグリーンの2色展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 15:15:39

商品詳細

  • ウィップコードを使ったシンプルなカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • カーキとアーミーグリーンの2色展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

ウィップコードカーゴパンツ

商品詳細

  • ウィップコードを使ったシンプルなカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • カーキとアーミーグリーンの2色展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

(予約)カモフラージュ柄カーゴパンツ

商品詳細

  • バックサテン(サテンの裏使い)に反応でプリントをしたカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • ダックハンターとタイガーストライプのカモフラージュ柄の2柄展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 8月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 15:13:02

商品詳細

  • バックサテン(サテンの裏使い)に反応でプリントをしたカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • ダックハンターとタイガーストライプのカモフラージュ柄の2柄展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 8月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 15:13:02

商品詳細

  • バックサテン(サテンの裏使い)に反応でプリントをしたカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • ダックハンターとタイガーストライプのカモフラージュ柄の2柄展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 8月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

カモフラージュ柄カーゴパンツ

商品詳細

  • バックサテン(サテンの裏使い)に反応でプリントをしたカーゴパンツ
  • ヒザの切り替えを入れず、シンプルに仕上げました
  • ダックハンターとタイガーストライプのカモフラージュ柄の2柄展開

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 8月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

(予約)ヘンリーネックスウェット

商品詳細

  • 裏起毛でアウターにも使えるヘンリーネックスウェット
  • 前たては布帛を使用
  • 裾はサイドスリット入り

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 15:01:19

商品詳細

  • 裏起毛でアウターにも使えるヘンリーネックスウェット
  • 前たては布帛を使用
  • 裾はサイドスリット入り

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 15:01:19

商品詳細

  • 裏起毛でアウターにも使えるヘンリーネックスウェット
  • 前たては布帛を使用
  • 裾はサイドスリット入り

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

ヘンリーネックスウェット

商品詳細

  • 裏起毛でアウターにも使えるヘンリーネックスウェット
  • 前たては布帛を使用
  • 裾はサイドスリット入り

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

(予約)ヘビージップアップスウェット

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップスウェット
  • ブラックボディに、ホワイトで背中と左胸にカタカナロゴをプリント
  • フードのないタイプなので、スッキリした着こなしにオススメ

素材

  • --

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 14:27:11

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップスウェット
  • ブラックボディに、ホワイトで背中と左胸にカタカナロゴをプリント
  • フードのないタイプなので、スッキリした着こなしにオススメ

素材

  • --

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 14:27:11

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップスウェット
  • ブラックボディに、ホワイトで背中と左胸にカタカナロゴをプリント
  • フードのないタイプなので、スッキリした着こなしにオススメ

素材

  • --

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

ヘビージップアップスウェット

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップスウェット
  • ブラックボディに、ホワイトで背中と左胸にカタカナロゴをプリント
  • フードのないタイプなので、スッキリした着こなしにオススメ

素材

  • --

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

(予約)ヘビージップアップパーカー

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ブラック一色展開
  • ブラックボディにブラックのプリントを施した大人なパーカー
  • リフレクタープリントではございません。

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 14:24:27

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ブラック一色展開
  • ブラックボディにブラックのプリントを施した大人なパーカー
  • リフレクタープリントではございません。

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

ヘビージップアップパーカー

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ブラック一色展開
  • ブラックボディにブラックのプリントを施した大人なパーカー
  • リフレクタープリントではございません。

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 14:22:47

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ホワイト・グリーン・ブラックの3色展開
  • ブラックのみサンプルがない為、イメージ画となります。

素材

  • 綿 100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

IRON HEART THE WORKS WEB 2024-02-11 14:22:47

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ホワイト・グリーン・ブラックの3色展開
  • ブラックのみサンプルがない為、イメージ画となります。

素材

  • 綿 100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

ヘビージップアップパーカー(バックプリント)

商品詳細

  • ヘビーオンススウェットのジップアップパーカー
  • ホワイト・グリーン・ブラックの3色展開
  • ブラックのみサンプルがない為、イメージ画となります。

素材

  • 綿 100%

生産国

  • 日本

納期

  • 9月ごろ
  • 生産状況によっては1,2ヶ月遅れる場合もございます。

UHFウエスタンシャツ-スラブーブラックチェック-

商品詳細

  • 経糸、緯糸共ににスラブ糸を使って織ったブラック系チェックのウエスタンシャツ
  • 厚みは11oz
  • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦を使用(ジャケット類に多く用いられる釦)
  • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されています
  • 強度のあるヴィンテージシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
  • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり
  • ワンウォッシュ済み
  • 転売不可 Proxy is prohibited

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈
XS 69.5 40.0 103.0 98.0 63.0
S 71.0 42.0 107.0 102.0 63.0
M 72.5 44.0 111.0 106.0 64.5
L 74.0 46.0 115.0 110.0 66.0
XL 75.5 48.0 119.0 114.0 67.5
XXL 77.0 50.0 123.0 118.0 69.0
XXXL 78.5 52.0 127.0 122.0 70.5
  • 商品により若干の誤差が出る場合がございます。

ご注意:こちらの商品はサイズによって価格が異なります

  • XS~XL:¥27,000
  • XXL~XXXL:¥28,000

UHFワークシャツ-グリーンチェック-

商品詳細

  • 生地の表側を1回、裏側を2回しっかりと起毛させ、着た時の暖かみ感を重視した生地で作ったグリーン系チェック柄のワークシャツ
  • 強度のあるヴィンテージシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
  • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり
  • ワンウォッシュ済み
  • 転売不可Proxy is prohibited

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈
L-S 61.0 37.0 90.0 90.0 58.0
L-M 63.0 40.0 94.0 94.0 59.5
XS 69.0 40.5 104.0 98.0 63.0
S 70.5 42.5 108.0 102.0 63.0
M 72.0 44.5 112.0 106.0 64.5
L 73.5 46.5 116.0 110.0 66.0
XL 75.0 48.5 120.0 114.0 67.5
XXL 76.5 50.5 124.0 118.0 69.0
XXXL 78.0 52.5 128.0 122.0 70.5
  • 商品により若干の誤差が出る場合がございます。

ご注意:こちらの商品はサイズによって価格が異なります

  • XS~XL:¥26,000
  • XXL~XXXL:¥27,000

UHFウエスタンシャツ-ピンクラインチェック-

商品詳細

  • 今までとは違う糸を使って織ったフランネル生地で作ったピンクラインチェック柄のウエスタンシャツ
  • 厚みは9.6oz
  • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦を使用(ジャケット類に多く用いられる釦)
  • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されています
  • 強度のあるヴィンテージシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
  • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり
  • ワンウォッシュ済み
  • 転売不可 Proxy is prohibited

素材

  • 綿:100%

生産国

  • 日本

サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈
XS 70.5 40.0 103.0 97.0 63.0
S 72.0 42.0 107.0 101.0 63.0
M 73.5 44.0 111.0 105.0 64.5
L 75.0 46.0 115.0 109.0 66.0
XL 76.5 48.0 119.0 113.0 67.5
XXL 78.0 50.0 123.0 117.0 69.0
XXXL 79.5 52.0 127.0 121.0 70.5
  • 商品により若干の誤差が出る場合がございます。

ご注意:こちらの商品はサイズによって価格が異なります

  • XS~XL:¥27,000
  • XXL~XXXL:¥28,000