[後編]大阪から世界へ。大阪府成長戦略アンバサダーを担うアメリカ人。

「OSAKA FOOD LABやWORLD FOOD MARKETを通して、大阪から世界へ、日本の食や食文化の魅力と奥深さを発信したい」と話す、フードジャーナリスト、マット・グールディング氏。

MATT GOULDING

日本の食文化が世界から注目されていることを自覚するために。

2018年、日本初のフードビジネスインキュベーター「OSAKA FOOD LAB」が誕生。食でチャレンジする人を支援する実験場のようなそこは、プロ仕様のキッチンも完備し、「やってみなはれ」の精神が根付く関西で、食に関わる人が活躍するための仕組み作りを行なっています。

主催は「阪急電鉄」、企画・運営は「Office musubi」が担います。そんな「OSAKA FOOD LAB」を代表するシリーズが今回の舞台、「WORLD FOOD MARKET」です。前編、日本の食文化に対し、熱く語ってくれたフードジャーナリスト、マット・グールディング氏が来日した目的はこれに参加するためでした。

しかし、なぜマット氏が大阪?と思う人は多いはず。実は、マット氏は、大阪府成長戦略アンバサダーでもあるのです。

しかし、なぜマット氏が大阪府成長戦略アンバサダー?と思う人はもっと多いはず。それを引き合わせた人物は、「Office musubi」の代表を務める鈴木裕子さんです。

そして、「OSAKA FOOD LAB」においては、スペシャルパートナーとして参画し、大阪梅田が国際交流拠点となることを、ともに目指しています。

「今、日本の食や食文化は世界から最も注目を集めています。一方、大阪はその自覚がまだ弱いと感じています。OSAKA FOOD LAB という場やWORLD FOOD MARKETというイベントを通して、それらを発信し、シェフをはじめ、ご参加していただく方々にも、その価値を再認識いただければと思っております」と鈴木さん。

「WORLD FOOD MARKET」は、あるひとつの国や地域をフォーカスし、その土地の食と食文化を表現するフードイベント。2022年はアフリカ、2023年はスペイン、そして、2024年はインドと、過去3回開催されています。

前編同様、一貫した言葉からマット氏は、「WORLD FOOD MARKET」を読み解いていきます。

「Food is never just food」。食は食だけにあらず。

強い信頼関係を結ぶマット氏と「OSAKA FOOD LAB」の運営を担う鈴木裕子さん。

「OSAKA FOOD LAB」の空間は、設備が整うも、主役は人。ここから国内外より様々なクリエイターが集い、刺激や交流が生まれ、夢を叶えるステージになることを目指す。

第3回を迎えた「WORLD FOOD MARKET」のテーマは、インド。「日式インド〜日本人ならではのスパイス使い〜」と題したトークショーでは、ムンバイでコラボレーションイベントを終えたばかりの「cenci」坂本健氏(左)も参加。

MATT GOULDING


インキュベーターという言葉がもたらす意義。

「OSAKA FOOD LAB」は、冒頭のように日本初のフードビジネスインキュベーターと謳われています。マット氏は、このインキュベーターという言葉を重要視します。

「レストランを開業することは簡単なことではありません。どんなに実力やモチベーションがあったとしても、資金や場所など、様々な問題から時間もかかるでしょう。OSAKA FOOD LABは、夢を目指すシェフにチャンスを与えています。インキュベーターとは、主にビジネスに起用されますが、ここは、その意味を更に超えた展開を生み出しています」。

前編において、マット氏は、「細部に魂が宿る」職人性が日本の文化の魅力と話しています。しかし、この職人性は良い面だけでなく、悪い面もあると考え、前者はマット氏の言う通り。後者は、良い職人が必ずしも良い経営者ではないということでしょう。当然、レストランもまたビジネス。

極端な例かもしれませんが、「noma kyoto」は、コペンハーゲンから大所帯で来日。約2ヶ月滞在し、ビジネス化できるレストランが日本にあるのか考えると、言葉に詰まります。

スペインをテーマにした際の「WORLD FOOD MARKET」では、バルセロナで人気の「Bar Brutal」や「Cooking in Motion」も来日。世界との目線合わせができることも「WORLD FOOD MARKET」の特徴と言えるでしょう。

Food is never just food同様、OSAKA FOOD LAB is never just food。

「OSAKA FOOD LABもまた、食だけにあらず。食は、政治、経済、地域社会と密接に関わっています。場を通して、新たなコミュニティは生まれ、アイディアを交換し、文化は生まれる。それはまるで、種を蒔き、水をあげ、木が育ち、森林ができ、生態系が生まれるような」。

第2回「WORLD FOOD MARKET」では、バルセロナで人気を博す、ナチュラルワイン界の名店「Bar Brutal」(右)や「エル・ブジ」や「チケッツ」出身の「Cooking in Motion」(左)も参画。

マット氏は、第2回「WORLD FOOD MARKET」より参画。海外との交流や発信に寄与する。

これまで「OSAKA FOOD LAB」では、開業を目指す人々へ育成プログラムを提供し、そこからの卒業生も多数。「OSAKA FOOD LABを通して、お客様の声を拾ったり、販売方法の検証を行った」、「調理・オペレーションの経験を積めた」など、生の声も次の世代に活きる。現在はチャレンジ支援として、イベントの企画支援などを行う。

MATT GOULDING


世界の味を自国の食文化にできる、日本人の豊かな感性。

今回、インドをテーマに開催された「WORLD FOOD MARKET」では、インド人シェフによるオーセンティックなインド料理から日本人シェフやバーテンダーによる日式インド料理まで、多角的に展開。中華やイノベーティブなど、他ジャンルの視点からもインド料理を独自解釈し、インドの奥深い魅力を紐解きます。

マット氏は、それらを食べ比べすることによって、海外にはない日本独自の感性を再認識しました。

「例えば、今回出店されたお店、レオーネは、スパイスのパンチも効いているのですが、素材一つ一つに調理が施され、しっかりとパーツの味を確認できる。お米も国産を使用し、一粒一粒が含む水分も計算され、炊き方はもちろん、ルーと合わさった時のバランスまで計算されていると思いました。つまり、現地の味をそのまま再現するのではなく、現地の体験を活かし、日本の食文化にしているのです」。

例えば、マット氏の母国、アメリカは、移民が多いため、様々な食文化が暮らしと密接です。ゆえに多国籍。しかし、日本の場合、ほぼ単一国民の文化。面積においても、200以上ある国の中、アメリカは第3位(962.8万㎢)に対し、日本は61位(38万㎢)と、約1/3。そもそもの生活基盤が異なるため、国民性も異なり、少なからず、それは食にも影響を及ぼしているでしょう。

「手先の器用さが、感性の器用さにも通じているのかもしれません。これもまた、日本独特の国民性ではないでしょうか」。

フードビジネスインキュベーターの文脈通り、ビジネスになぞるならば、「小事が大事」「凡事徹底」など、小さなことの大切さを説く言葉が多くある、日本特有の文化なのかもしれません。

小さなことをコツコツと。実直に突き詰める性格もまた、日本人の特徴。

「この能力は、日本ならではの知性と才能だと思います」。

イノベーティブレストラン「レオーネ」は、カツカレービリヤニで日式インド料理を表現。マット氏は、それを食し、「日本人シェフは、他国の食文化を日本の食文化に変換し、表現できるところが素晴らしい」と分析する。

3日間開催された「WORLD FOOD MARKET」では、老若男女、多くの人が集い、大盛況。場所においては、「阪急電鉄」の高架下を利用しているため、雨天に影響なく満喫できる。

MATT GOULDING


想像力を失ってはいけない。可能性は無限大。

「WORLD FOOD MARKET」におけるマット氏の参画には、「食の都・大阪なのに、シェフと食のプレイヤーとのつながりが弱く、海外との交流も少ないため」と、鈴木さんは、改めて、その意図を話します。

「普段出会うことのない人同士が出会う、はたまた、異業種が出会う。そんな想像を超えた出会いが新たな扉を開くと思います。WORLD FOOD MARKETは、そんな場にもしたい」とマット氏。

身近なところでは、マット氏と大阪府の出会いはその好例であり、世界基準で比べるのであれば、「noma」レネ・レゼピ氏が設立した「MAD」のような。

「WORLD FOOD MARKETに参加していると、多くのシェフたちの熱量を感じます。これまで、出店やコンテストなど、様々な形でコミュニケーションを取ってきましたが、その熱量にフォーカスした表現が何かできないか考えていきたいです」。

何かとは、ちょっとしたきっかけなのかもしれません。そのきっかけを、一滴の水にマット氏は例えます。

「水面に一滴の水を落とすと、そこから波紋が広がります。その形は、決まったものはなく、予測不能な形にどんどん輪を広げます。WORLD FOOD MARKETに必要な一滴を考え、貢献したいと思っています」。

これから、「WORLD FOOD MARKET」には、どんな波紋が生まれ、どんな輪が広がるのか。

「今、WORLD FOOD MARKETは大阪で開催されていますが、海外で開催してみたい。何か大きな物事を成したり、継続していくには、維持できる仕組みやエコシステムが必要ですが、一番大事なことは、想像力を失わないこと。可能性は無限大」。

「WORLD FOOD MARKET」が大阪から世界へ。in Paris、in New York、in Spain、in Italy……。いつか、そんな日が来るかと思うと、ワクワクが止まらない。


Text:YUICHI KURAMOCHI

[前編]レネ・レゼピが認めたOMNIVORE。マット・グールディングが日本の光を観る。

世界を旅し、食と食文化を探求し続けているフードジャーナリスト、マット・グールディング。著書も多く、近作では、「noma」のレネ・レゼピ氏によるドキュメンタリー「雑食するヒト(原題 OMNIVORE)」の製作総指揮も務める。

MATT GOULDING

「noma」レネ・レゼピ発案のドキュメンタリー「雑食するヒト」を製作総指揮。

スペイン在住のフードジャーナリスト、マット・グールディングという人物をご存知でしょうか。食に精通している方であれば、耳にしたことがあるかもしれませんが、まだその名を聞いたことがないということであれば、「noma」のレネ・レゼピ氏によるドキュメンタリー「雑食するヒト(原題 OMNIVORE)」の製作総指揮を務めた人物といえばどうでしょうか。更には、それがレネ氏直々の依頼だったといえば、それ以上の裏打ちは不要かもしれません。

マット氏は、料理に精通した本も数多く執筆し、「ニューヨーク・タイムズ」では20冊以上もベストセラーに選出。また、番組司会者として著名な故アンソニー・ボーティン氏と共に製作した番組はエミー賞も受賞。そんなマット氏をフードジャーナリストとして確立させたのは、「エル・ブジ」を取材した1本の記事でした。以降、世界のトップシェフからも厚い信頼を得ています。

日本の食・食文化をまとめた著書「米、の国から-アメリカ人が食べいてつけた大な和食文化と人たち(原題 Rice Noodle Fish)」は、「フィナンシャル・タイムズ」でベストブックに選出。世界各地で翻訳・出版もされています。製作の際は、数年かけて足繁く、日本に通い、全て自身が体験し、取材も行いました。

そんなマット氏が2024年11月某日に再来日。外国人だからこそ感じる日本とは何か、世界を旅しているからこそ感じる日本とは何か、日本人が気づかない日本とは何か……。

そんなマット氏が大事にしていること。それは、「雑食するヒト」の予告編、冒頭最初のひと言にも採用されています。

「Food is never just food」。食は食だけにあらず。


「The details matter」 日本の魅力は、これに尽きる。

「今まで何度も日本に訪れていますが、日本の魅力はこれに尽きると思っています。“The details matter”細部に魂が宿る」。

つまり、職人性。そして、「日本は掘り下げる文化に長けている」と続けます。それは、食材、技術、道具など、ひと皿になる前、関わる全てのもの、ことに「細部に魂が宿る」ということが、マット氏の見解です。

日本人にとっては、当たり前のことかもしれませんが、「欧米のシェフに限らず、食に関心のある外国人は、日本に来ると、必ずその専門性に驚愕します」。

今回、マット氏は取材される側ですが、通常は、する側。現場から得た日本ならではの傾向も見受けられるようです。それは、「ルーツ」。

米、魚の国から(略)の本を製作するにあたり、多くの日本人シェフを取材しました。例えば、なぜそのような調理の仕方をしているのですか?や、なぜシェフになったのですか?などの質問をさせていただいた際、その多くが同じ答えでした」。

それは、先代から教わったから。父親がシェフだったから。そして、「代々継ぐという文化も日本独特のものだと感じました。そういった背景もあるのかもしれません」と続けます。もちろん、そのルーツは大切なものであり、守り続けているからこそ、伝統が生まれます。加えて、そんな実直な姿勢は、日本の美徳でもあります。しかし、「世界を目指すのであれば、その先にある意志も必要」と更に補足します。

「小さな世界(レストランの中)だけであれば、それは素晴らしいことだと思っています。しかし、何か新しいことをやろうとした時や世界でプレゼンテーションする時、はたまた、海外のシェフとコミュニケーションを取る機会などが発生した場合は、全ての理由や答えに自分の意志を持っている方が良いと思いました。それは、強ければ、強いほど、良い」。

この日、現場に居合わせた京都「cenci」のオーナーシェフ、坂本健氏は、先日、自身がインドでコラボレーションイベントをしたエピソードをもとに、日本と海外の差をマット氏に話します。

「マットさんの言う通り、日本人は、専門性に長けていると自分も思います。それは、日本料理に限らず、例えば、フランス料理やイタリア料理、他国の料理であっても、勤勉に学習する能力に優れていると感じます。ゆえに、海外のレストランでも日本人は重宝される傾向にあります。しかし、自身をアピールする表現力は、外国人の方が圧倒的に長けている。加えて、聞く能力にも長けている。先日、ムンバイでコラボレーションイベントをした時も、日本の食材や調理法などに関して質問攻めされ、圧倒的な熱量を感じました。あの積極性は、日本人にはないと感じました」。

日本人は勤勉がゆえ、歯車として機能はするものの、そこから先に向かうためは、自分が何者なのかを伝えるプレゼンテーション能力も必要。聞く能力とは、言わば、好奇心。それがないと見なされてしまえば、実力があれど、舞台から引き摺り下ろされてしまうこともあるでしょう。

「海外シェフの多くは、色々な国や街の色々なレストランで経験を積んでいます。そういった背景も、コミュニケーション能力の違いにつながっているのかもしれません。以前であれば、そんなことを考えなくてよかったのかもしれませんが、海外シェフとのコラボレーションが盛んに行われる昨今の傾向を加味すると、世界の荒波を乗り切るのは、そういった性格も必要なのかもしれません。技術の高いシェフも有能ですが、好奇心のあるシェフはもっと有能」。

日本は、専門性に長けている一方、視野が狭くなることがあるのかもしれません。島国文化も手伝っているのか、その真意は定かではありませんが、言語の壁など、様々な要因による蓄積だと考えます。

「専門性と視野のバランスをほんの少し変えるだけで、日本のレストランは、もっと飛躍的に進化すると思います」とマット氏。

視野という点では、ジャーナリストとして活動するマット氏も他人事ではなく、強く意識していること。その手法は、「雑食するヒト」よろしく、「Zoom in, Zoom out」です。


「Zoom in, Zoom out」寄り引きの世界を見て、立ち位置を確認する。

マット氏の体験は、必ずしもグランメゾンやレストランだけの話ではありません。カジュアルなビストロやトラットリア、郷土料理、居酒屋、ラーメン、うどん、蕎麦、はたまた、焼肉やお好み焼きなど、多角的な視点から日本の食文化に触れた見解になります。偏りながら公平に、専門性を持ちながら汎用性も兼ね備える。そんな考え方を意識しているのです。マット氏は、それをカメラワークに例えます。

「ある食材をフォーカスするとします。世界中で食べられているそれは、どうやって現代まで辿り着いたのか、そのオリジンを調べます。最初は大きなコンテクストから入り、そこから小さなディテールを突き詰めます。これはカメラワークで言えば、ズームインとズームアウト。どんなに壮大な景色だったとしても、そればかり見ていたら飽きてしまいます。しかし、景色の中にある1点に絞ることで、環境や状況を知ることができる。ジャーナリズムに置き換えると、Zoom outだけでは、どこにでもあるような言い尽くされた表現になり、Zoom inだけでは、視野が狭く、偏りが生じ、社会と結実するために必要な大事なことを見落とした表現になってしまう危惧も。双方の視点を持つことをジャーナリストとして意識しています」。

このカメラワークと物事の視点は、「雑食するヒト」にも活かされ、「これがジャーナリストの質を上げる作業であり、これをやり続けないと人に伝えることはできない」と言葉を続けます。

これは、情報過多の時代も大きく手伝っていると推測します。インターネット上には無限の世界が広がり、SNSでは匿名者が辛辣な言葉を綴ることも。発信や発言は無法地帯化。これは、表現の自由とは異なります。

しかし、中には影響力を及ぼす作用が働くこともあり、日本に限らず、世界中のシェフが、それを意識してしまうことも。

本音は何処へ。

そのような背景から、「食は、必ずしも正義ではない。食は、時に溝を生み、人を遠ざけてしまうこともある」とマット氏。それでもジャーナリストはジャーナリズムの力を信じています。

「残念ながら、本質が埋もれてしまう時代でもあると考えています。そして、伝えるべき本質の多くは、日本の地方にあると思っています。それを発見し、正しく発信し、アクセスしてもらうことは、ジャーナリストの務め。そういったことが都市集中型の観光から分散型の観光にできる可能性も秘めており、ジャーナリズムだからこそ為せる社会貢献だと思っています」。

表層状の観光が多い昨今、観光の本来は、「光」を「観」ること。その「光」を探し当てることこそ、ジャーナリズムなのです。


「Strength in numbers」 数による強さ。それは全員で戦うことの強さ。

日本と世界の違いに、マット氏は、点と面の関係性を指摘します。

「日本のレストランは、個が多い印象です。これは悪い意味ではありません。しかし、大きな課題と向き合わなければいけない時には、それに見合う大きな力が必要とされます。そのために周囲との関係性を構築することも重要だと考えます」。

近年における大きな課題ということでは、2019年に発生した新型コロナウイルスのパンデミック。当時、「ONESTORY」においても、日本だけなく、世界の状況を伝えてきましたが、その中から点を例えるならば、大阪「HAJIME」米田肇氏の署名活動。現在は、「一般社団法人 食文化ルネッサンス」や「食団連」など、面として機能する組織がありますが、当時は発足前。大きな力なくしては、政治を動かすことの難しさをまざまざと知り、辛酸をなめる経験となりました。

医療従事者へ食事提供を行っていた東京「Smile Food Project」や大阪「困った時ほど美味しいものを!」もまた、有志による結束力があったものの、個の延長に近い。

一方、イタリアにはミラノとローマにレストラン協会があり、協会と国が定めたレストラン営業に関する法律が立案。フランスにおいては、世界と比べても対応が早く、ロックダウン初日に政府が人件費の保障を発表。しかし、それらは全て税金によるものであり、日本と他国は、税収も異なるため、一概に良し悪しを決めることはできません。しかし、面の備えがあれば、ここぞという時に対する力が発揮できることは事実であり、皮肉にも難局から学ぶことになりました。

「様々な国や地域から構成されるIRC(International Rescue Committe)という団体があり、彼らもまた、面の力を活かし、コロナ禍に活動をしていました。個の強さだけでなく、面による強さを認識することによって、日本の食文化はもっと成長するのではないでしょうか」。

そんな想いを、マット氏は、アメリカのことわざで例えます。

「Strength in numbers」。

直訳すると、数による強さ。伝えたいことは、全員で戦うことの強さ。

当時、「noma」のレネ氏は、新型コロナウイルス後は「これからのレストランの在り方は全て変わる」という言葉を残していました。以降、ランキングやアワード、レストランを評価するシステムとは、自ら距離を置いているようにも見受けられます。

「ジャーナリストとして、いちゲストとして、一部のランキングやアワードの件は、問題視しています。食べることに関心がある人が増えるのは喜ばしいことですが、必ずしもそれだけではないと考えます。健康的な食文化の在り方を大事にしたい」。


「Food is never just food」食は食だけにあらず。これからも日本を愛している。

「人、もの、こと。全てにおいて、アイデンティティに惹かれます」。

シェフに会う、職人に会う、レストランに行く、料理を食べる……。それぞれにアイデンティティが備わっているか否かを見極める習慣=マイ・ルールがマット氏にはあります。

「自分が今まで見てきた世界的に活躍しているシェフに共通していることは、素晴らしいコミュニケーターでもあるということ。それは、技術だけでは補えない、人間力」。

Food is never just food 食は食だけにあらず。

料理だけに目を向けず、舌で感じる味だけに捉われず、鼻に香る匂いだけに惑わされず、それらの背景にある、五感で感じることのできないことにこそ、本質は潜んでいるのです。

それこそがアイデンティティ。

「日本のアイデンティティの中でも、地方のアイデンティティに非常に興味を惹かれていますが、外国人の自分がそれを探し当てるのは一筋縄にはいきません。もっと日本を学ばなければいけません」。

また、地方の流れを汲み、前述にあった観光視点で見ると、「観光客から求められる料理と、レストランが作りたい料理に違いがあるのかも興味があります」と話します。

最後に。世界をマーケットにした日本の食における可能性を尋ねます。

「日本の食文化を語る上で欠かせないひとつが、鮨だと思います。現在は、技術もテクノロジーも発達しているため、豊洲から世界に流通されることも珍しくありません。一流の鮨からカジュアルな鮨まで、様々なスタイルも当たり前に。そんな鮨と同じように、焼き鳥が海外から高く評価される時代が来るのではと思っています。ネタとシャリのようにシンプルな関係が焼き鳥にもあります。火、鳥、串。タレ、塩。唐辛子、山椒。シンプルな構成ですが、レイヤーは複雑。誰にでもできそうですが、できない。奥が深く、日本らしい。日本の焼き鳥の理解に世界はまだ追いついていないと思います」。

実は、マット氏は、元シェフ。「いつか、焼き鳥シェフになりたい!」と、日本への愛も止まらない。

そして、マット氏もまた、OMNIVORE、雑食するヒトなのでしょう。

マット・グールディングのアイデンティティを知るには、まだまだ時間がかかりそうです。


Text:YUICHI KURAMOCHI

年末年始の観光施設の営業時間・休館等について

いつも「徳島県観光情報サイト 阿波ナビ」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
徳島県観光協会は、2024年12月28日(土)~2025年1月5日(日)の間、年末年始休暇となります。
この間はお電話やお問合せフォームへのご対応が休止となりますため、何卒ご了承くださいませ。

徳島県内の各観光施設でも年末年始の営業時間・臨時休館等がございますので、ご案内いたします。
掲載している情報以外にも休業・時間変更の場合がありますので、お出かけ前にお確かめください。

▶東部エリアの情報をみる ▶南部エリアの情報をみる ▶西部エリアの情報をみる

東部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
阿波おどり会館
眉山ロープウェイ
2024年12月21日(土)~2025年1月11日(土)夜公演休演
2024年12月28日(土)~2025年1月1日(水)年末年始休館
2025年1月2日(木)・3日(金)は新春特別公演を実施します
ロープウェイ 2025年1月1日(水)6:00-17:30早朝運行
2025年1月13日 (月) ~ 3月 29日 (土)年次点検のため運休
あるでよ徳島 2024年12月27日(木)~2025年1月1日(水)年末年始休業
2024年1月12日(金)より平常営業 9:00-20:00
阿波十郎兵衛屋敷 2024年12月31日(火)~2025年1月3日(金)年末年始休館
とくしま動物園 2024年12月29日(日)~2025年1月1日(水)年末年始休園

2025年1月2日(木)は11:00より干支の引き継ぎ式を開催。

大塚国際美術館
2024年12月24日(火)~2025年1月5日(日)連続開館します。
2025年1月14日(火)~1月24日(金)は休館いたします。
作品移設工事に伴い下記の期間、一部作品を鑑賞いただけません。
2024年11月12日(火)~2025年3月30日(日)予定
渦の道
2025年1月1日(水)は6時30分より初日の出 早朝開館いたします
うずしお観潮船
ドック入りのため下記の間、運休します。
わんだーなると:2025年1月14日(火)~1月24日(金)
うずしお汽船
2025年1月20日(月)~1月25日(土)船舶定期検査のため運休
藍の館 2024年12月29日(日)~2025年1月3日(金)年末年始休館
技の館 2024年12月28日(土)~2025年1月4日(土)年末年始休館
あすたむらんど徳島 年末年始も変わらず営業します。
2025年1月1日(水)は6時30分より初日の出 早朝開園します。
徳島 木のおもちゃ美術館 2024年12月31日(火)・2025年1月1日(水)は休館

南部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
剣山スーパー林道 2024年12月1日~2025年3月31日まで冬期閉鎖
うみがめ博物館カレッタ 2023年6月1日から2025年夏頃(予定)まで、全面改修のため休館します。
大浜海岸 一部工事中のため、立入禁止の箇所がございます。
阿佐海岸鉄道DMV
年末年始は臨時便も運転して営業いたします。

西部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
箸蔵山ロープウェイ 初詣特別運転を、次のとおり実施します。
2024年12月31日(火)9:00-17:15 一旦休止/再開23:00-3:00
2025年1月1日(水)6:00-18:00
2025年1月2日(木)・3日(金)9:00-18:00
※混雑時は約5分間隔運転
奥祖谷二重かずら橋 2024年12月1日~2025年3月31日まで冬期休業

野猿

故障のため当面の間、使用中止
奥祖谷観光周遊モノレール 当面の間、臨時休業

臨時休館・イベント中止などの情報ページ

各市町村・報道機関等のホームページでも、随時情報更新がありますので、ご参照ください。

・市町村公式サイトリンク集

・道の駅四国地区ポータルサイト

・NHK 徳島県のニュース

・徳島新聞社

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東部エリア

 
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阿波おどり会館
あわぎん眉山ロープウェイ
2024年12月21日(土)~2025年1月11日(土)夜公演休演
2024年12月28日(土)~2025年1月1日(水)休館
2025年1月2日(木)・3日(金)は新春特別公演を実施しますロープウェイ 2025年1月1日(水)6:00-17:30早朝運行
2025年1月13日 (月) ~ 3月 29日 (土)年次点検のため運休
あるでよ徳島 2024年12月21日 (土) ~ 26日 (木)時短営業9:00-18:00
2024年12月27日(木)~2024年1月1日(月)休業
2024年1月12日(金)より平常営業 9:00-20:00
阿波十郎兵衛屋敷 2024年12月31日(火)~2025年1月3日(金)年末年始休館
とくしま動物園 2024年12月29日(日)~2025年1月1日(水)年末年始休園

2025年1月2日(木)は11:00より干支の引き継ぎ式を開催。

大塚国際美術館
2024年12月24日(火)~2025年1月5日(日)連続開館します。
2025年1月14日(火)~1月24日(金)は休館いたします。
作品移設工事に伴い下記の期間、一部作品を鑑賞いただけません。
2024年11月12日(火)~2025年3月30日(日)予定
渦の道
2025年1月1日(水)は6時30分より特別早朝開館いたします
うずしお観潮船
ドック入りのため下記の間、運休します。
わんだーなると:2025年1月14日(火)~1月24日(金)
うずしお汽船
2024年12月25日(水)・2025年1月20日(月)~1月25日(土)船舶定期検査のため運休
藍の館 2024年12月29日(日)~2025年1月3日(金)年末年始休館
技の館 2024年12月28日(土)~2025年1月4日(土)年末年始休館

南部エリア

 
名称 臨時休館・開催中止等の概要
剣山スーパー林道 2024年12月1日~2025年3月31日まで冬期閉鎖
うみがめ博物館カレッタ 2023年6月1日から2025年夏頃(予定)まで、全面改修のため休館します。
大浜海岸 一部工事中のため、立入禁止の箇所がございます。
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箸蔵山ロープウェイ 初詣特別運転を、次のとおり実施します。
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2025年1月1日(水)6:00-18:00
2025年1月2日(木)・3日(金)9:00-18:00
※混雑時は約5分間隔運転
奥祖谷二重かずら橋 2024年12月1日~2025年3月31日まで冬期休業

野猿

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