SHIGA FINEFOOD DINING・ASTERISCO滋賀の豊かな食材が織りなす美食の夕べ
日本一の湖・琵琶湖を擁する滋賀県。
県の面積の約6分の1を占めるこの琵琶湖により生まれる、東西南北で異なる気候や土壌。そしてその土壌を潤す豊かな水。このような条件により、滋賀の食材は多様性と高い質を併せ持っているのです。その魅力は、数多くの料理人がこぞって滋賀の食材を使用していることからも明らかでしょう。
2025年1月、そんな滋賀県産食材の魅力を伝えるディナーイベントが東京・八重洲のイタリアンレストラン『ASTERISCO』にて開催されました。
この『ASTERISCO』は、農業機械のトップメーカー『ヤンマー』を母体とするレストラン。その『ヤンマー』創業者である山岡孫吉氏が滋賀県出身である縁から、このイベントの実現に至りました。
豊かな自然の恵みを受けた食材の宝庫・滋賀県。 今回の特別なディナーは、その魅力を最大限に引き出した珠玉のフルコースとなりました。
SHIGA FINEFOOD DINING・ASTERISCO滋賀の食材をふんだんに使用したフルコース
ディナーの指揮を執ったのは、『ASTERISCO』の菅原槙也シェフ。
菅原シェフは滋賀の食材と向き合い、料理を考案する中で、その魅力の深さを実感したと語ります。「さまざまな野菜、琵琶湖の魚や肉、そして米。どれも個性が際立ち、試食してすぐに料理のイメージが浮かびました」
そう語る菅原シェフのコースは、琵琶湖固有種の淡水魚・ホンモロコから始まりました。米粉をつけてしっかりと揚げ切り、酢漬けにしたホンモロコは、柔らかい身と淡白な味わいが特徴。琵琶湖だけに棲息する固有魚での幕開けは、これから始まるディナーの特別感を予感させます。
続く料理は近江黒鶏と滋賀産直野菜のインボルティーニ、そして菅原シェフのスペシャリテであるトリュフリゾットを、滋賀県産米きらみずきで仕立てた特別バージョン。パスタはおうみ海老とよもぎを練り込んだニョッキ、肉料理は和牛と国産牛をかけ合わせて生まれたげんさん牛のグリル。
野菜、米、魚、鶏、海老、牛と、滋賀県の魅力を存分に味わい尽くす構成です。
もちろんどの料理にもシェフの思いが詰まっていますが、とくに印象深いのはやはりスペシャリテであるリゾット。
「きらみずきは、粒が大きくふっくらとした米。食べやすい味や口当たりを活かすため水分量に細心の注意を払いました。香り高いトリュフや米を食べて育った鶏が産むホワイト卵との相性も秀逸」と菅原シェフも自信をのぞかせます。
デザートは、滋賀県の苺と比叡ゆばのモンブラン仕立て。比叡山延暦寺御用達のゆばをデザートに仕立てることで、自然の豊かさだけでなく、食文化の奥深さまでも伝えました。
さらにペアリングドリンクには、「近江麦酒 糀エール」や、飯米で仕込んだふくよかな味わいの純米酒「里ノ猋」、濾過しない濁りワイン「ヒトミワイナリー」のソワフルージュ、「かたぎ古香園」のほうじ茶が選ばれ、滋賀の風土を体感できる組み合わせとなりました。
SHIGA FINEFOOD DINING・ASTERISCO料理と食材に込められた、それぞれの思い
ディナーは、ただ美味を堪能するだけの場ではなく、食材の背景にある物語や生産者の思いを知る機会でもありました。
ホールスタッフが料理や食材の説明を丁寧に行うことで、滋賀の食材や食文化を知ったゲストたち。その知識によりゲストたちは五感を研ぎ澄ませ、一皿をより深く堪能することができたのです。 琵琶湖の恵み、肥沃な大地に育まれた野菜、そして滋賀の風土が生んだ肉や米。これらの食材を通して、滋賀という土地の豊かさがより広く、深く伝わる時間となりました。
『ASTERISCO』の大西健也マネージャーは、準備にあたりシェフとともに滋賀県の生産者のもとを訪ね、生産の現場を視察しました。そんな大西氏は「現地視察でお会いした生産者の方々は、皆パワフルで人柄の良い方々ばかり。 そんな生産者がつくる食材をゲストに伝える橋渡しとしての使命を感じます」と語りました。
菅原シェフも「生産者の方がひとつひとつの食材を大切にし、丁寧に向き合っていることがわかる味でした。初めて出会う食材も多く、これからももっと産地を訪ねて理解を深めていきたい」と決意をにじませます。
生産者の努力と情熱、それを最大限に引き出す料理人の技、そしてそれを伝える場としてのレストラン。それぞれが繋がることで、滋賀の食材の価値が一層際立ちます。
SHIGA FINEFOOD DINING・ASTERISCOディナーの余韻のなかで新たな発表も
イベントの余韻も冷めやらぬなか、2つのうれしいニュースが発表されました。
ひとつは、『ASTERISCO』にて2025年2月1日〜2月28日まで、滋賀食材フェアが実施されること。今回の特別なディナーで証明された滋賀の食材のクオリティを、菅原シェフ謹製の特別メニューで誰でも味わうことができます。
もうひとつの発表は滋賀の食材の新たな発信として、ヤンマーが手掛ける海苔弁専門店『八重八』で、新たな海苔弁が発売されること。
この海苔弁には今回のディナーでも使用された滋賀県産米きらみずきを採用。ふっくらとした食感と上品な甘さが特徴のこの米を主役に据え、滋賀県の発酵食品を取り入れた多彩なおかずが添えられています。
このニュースからもわかるように、この日の特別なディナーは、料理を食べる瞬間だけで完結するイベントではありませんでした。食材と向き合い、その背景にあるストーリーを感じ、その産地に思いを馳せる。 滋賀の自然が生んだ恵みは、東京という大都市のレストランで新たな輝きを放ち、この日の体験が訪れたゲストの記憶に深く刻み込まれました。そしてゲストの心に滋賀という地への興味を呼び覚ます機会となったことでしょう。
東京都中央区八重洲2-1-1 YANMAR TOKYO2F
03-3277-6606
https://la-brianza.com/asterisco/
東京都中央区八重洲2-1-1 YANMAR TOKYO B1F
03-3277-6888
https://www.yanmarmarche.com/food/restaurant/yaehachi/
Photographs:JIRO OTANI
Text:NATSUKI SIGIHARA