今回は、そんな、昔から今に至るまで青森に宿るアートの感性にフォーカスし、青森の地域性を読み解いてみたいと考え、テーマは、「Journey of Aomori Artistic Soul」といたしました。今回の『DINING OUT』も青森の一つのアート作品として五感でご堪能いただければ幸いです。
魚介のフレンチを探求する若き才能・目黒浩太郎シェフが青森の食材と向き合う。
ホストを務めるアレックス・カー氏。日本各地の歴史、文化にも造詣が深い。
ダイニングアウト青森浅虫若き料理人、ホスト、サポートのLEXUS。青森で交わる多彩な個性。
今回料理を担当するのは、「abysse」のシェフ目黒浩太郎氏。2016年、6名のシェフが集って行われた『DINING OUT ONOMICHI with LEXUS』で、類まれな個性を発揮してくれた人物でもあります。日本で獲れる世界トップクラスの魚介類を使用し、魚介に特化したフランス料理を提供し、ミシュラン東京では一つ星を獲得しています。そんな目黒シェフが挑む、東北初の『DINING OUT』。「(尾道で)一度体験しているので、気負いや不安はありません。魚介をはじめとした青森の素晴らしい食材を、どう調理するか。いまは楽しみでいっぱいです」と不敵な笑みを浮かべます。
また、『DINING OUT』をサポートし続ける『Lexus International President』の澤良宏氏は「Lexusは、五感で感じる豊かな時間と空間を提案し続けるブランド。目黒シェフと青森の力強い大地、そしてレクサス車によるドライビング体験が創りあげる唯一無二の世界をお楽しみください。」とコメントしました。青森の土地や食材とLEXUSの世界観がどのように融合するかも見どころとなりそうです。
1965年京都府産まれ。雑誌・広告のタレントを手がけるファッションエディター。21歳で上京し、アシスタントの後スタイリストとなる。雑誌『POPEYE』や『MEN'S NON NO』などのディレクションから、広告タレントのスタイリングも手掛ける。 祐真朋樹 HP:http://www.sukezane.net/
「#50 BEST TALKS」の次に行われたのが、「THE PANEL」のトークセッションです。テーマは、「SUSTAINABILITY 持続可能性」。ここで言う持続可能性とは、環境問題、生物的システムの持続可能性と言っていいでしょう。
参加するのは、チリの『BORAGO』ロドルフォ・グズマン氏とミラノの『Wood*ing』ヴァレリア・モスカ氏、日本の『L'Effervescence』生江史伸氏、そして先ほど「#50 BEST TALKS」にも登場したボ氏です。この日一番白熱し、料理のテーマを超え、学校や教育まで。最後は「『ASIA’S 50 BEST SUSTAINABILITY』を開催したら!」と話しは尽きず。
今年もマカオで開催された『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』。一言で表すとしたら「番狂わせ」。予想外の大会となりました。
今回、『ONESTORY』では3人のシェフに注目していました。ひとりは『傳』の長谷川在祐氏。ふたり目は『Florilege』の川手寛康氏。3人目は『茶禅華』の川田智也氏です。前者のふたりは、昨年2位、3位。あと1歩まできたその先の順位は、今大会のランキングで最大に注目すべき点でした。そして、川田氏。初エントリーな上、参加した日本人シェフの中では最年少。『ミシュラン』では二つ星を獲得しているものの、『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』は、また別物。世界的に見てもトップレベルのあのティーペアリングは、どう評価されるのかが着眼したい理由でした。
そして、この3人を含む全ての日本人シェフの順位はこのようになりました。
3位『傳』、5位『Florilege』、8位『NARISAWA』、9位『日本料理 龍吟』、14位『La Cime』、18位『Il Ristorante luca Fantin』、23位『茶禅華』(初入賞)、24位『La Maison de la Nature Goh』、25位『鮨さいとう』、26位『L'Effervescence』、45位『Quintessence』、47位『Sugalabo』(初入賞)。
この『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』は、美味しいだけではない「何か」が必要なのかもしれません。それは、他の大会やガイドでは着目されないようなエンターテインメント性や面白さ、時に奇抜さなど。そして、高い順位を得るには、他国のシェフとコラボレーションなども行い、国外の人々に認知される機会を積極的に設ける活動も必要とされるでしょう。果たして何が大切なのか。
そんな中、日本人シェフ全員が話す「一番」大切なことは、「お店に来て頂くお客様を幸福にすること」だと言います。そして、そんな日本のシェフ同士の結束力は高く、おそらく『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』に参加する国の中でも「一番」絆が深いと思います。自分の順位よりも仲間の順位を気遣い、共に喜び、共に称え合い、共に涙する姿は、相手を思う気持ちがあってこそ。このふたつの「一番」には決して「番狂わせ」はありません。
アジアのベストレストラン50 2019改めて、『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』を振り返って。
チェアマンを務めた中村孝則氏は大会を振り返り、「今回、ランクインされた日本のレストランは12店と過去最多であり、熾烈なアジアの中で『茶禅華』と『Sugalabo』のニューエントリーがふたつもありました。それはとても誇らしいです。評価されるので順位はありますが、おそらくその全てが僅差だったと思います。そして、僕自身、改めて行ってみたいレストランの発見もありました。現代はSNSやインターネットの急速な発達により、社会は情報に溢れています。ゆえに、見たつもり、聞いたつもり、行ったつもり……と、錯覚を起こしてしまうこともあります。そんな時代だからこそ、“体験”は“価値”だと思います。その価値がレストランにはあり、レストランは体験が全てなのです。『ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS』を通して、ぜひ皆様にもその体験をして頂けたら嬉しいです」と話します。
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社にカメラマンとして入社。1991年独立。アジアを多く旅し作品を制作。2000~2002年渡米(N.Y.)。写真制作のほか、ノンフィクション・小説執筆など活動は多岐に渡る。東京工芸大学芸術学部写真学科教授、ニッコールクラブ顧問。著書に「ASIAN JAPANESE」「DAYS ASIA」「days new york」「旅をすること」「メモワール」「kemonomichi」「ニッポンの奇祭」「見知らぬ記憶」。
復活版『KIRIKO NAKAMURA』で提供された『西宇和みかん』のフルコースのほかに、今回は、中村氏とカフェ・カンパニーのコラボレーションも実現。
渋谷『WIRED TOKYO 1999』、表参道『発酵居酒屋5』、『フタバフルーツパーラー銀座本店』という3つの店舗で、『西宇和みかん』期間限定スペシャルメニューも登場しました。カフェ・カンパニーでPRを担当する加藤菜緒氏が振り返ります。
在りし日の城下町の賑わいを今に残す武家屋敷が並ぶ、秋田県仙北市角館(かくのだて)町。江戸時代初期、京都に縁のあった角館初代所預・佐竹義隣(よしちか)や2代・義明の働きにより京都風の文化や地名が根づき、「みちのくの小京都」と呼ばれる風雅な街並みが生まれました。県下屈指の観光地に春の訪れを告げるのは、約450本もの「シダレザクラ」。見頃となる4月下旬から5月上旬には、白色と淡紅色の桜の花と武家屋敷が共演する、美しい景色が広がります。小京都の華やかな風情を楽しんだら、次は「粋」が息づく江戸文化を感じに、「JR角館駅」から秋田新幹線に乗り、秋田市街へ。繁華街から少し離れた住宅地の一角に佇むのが、日本で唯一とされる、正統派江戸料理を提供する『日本料理たかむら』です。料理長の高村宏樹氏は、今はなき江戸料理の老舗「太古八」にて料理長を務めた後、独立。数々の料理人や食通が認める俊英であり、JR東日本が運行する豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」で供される特製弁当を手がけるなど、名店の魂を受け継ぎながら、新たな挑戦を続けています。江戸や京都から遠く離れた地で、江戸時代が創り上げた隆盛、栄華に触れる、貴重な体験が、秋田の地にはあります。
1968年長野県生まれ。写真家・作家。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社にカメラマンとして入社。1991年独立。アジアを多く旅し作品を制作。2000~2002年渡米(N.Y.)。写真制作のほか、ノンフィクション・小説執筆など活動は多岐に渡る。東京工芸大学芸術学部写真学科教授、ニッコールクラブ顧問。著書に「ASIAN JAPANESE」「DAYS ASIA」「days new york」「旅をすること」「メモワール」「kemonomichi」「ニッポンの奇祭」「見知らぬ記憶」。
食材には徳吉氏が2017年、2018年と2年続けて参加した野外レストランイベント『DINING OUT』のコネクションが生かされています。例えばアペリティフで登場する「デリバリーピザ」は、徳吉氏自身の故郷である鳥取で開かれた『DINING OUT TOTTORI-YAZU』でゲストを驚かせた一品。「子供の頃のデリバリーピザの箱を開ける時のワクワク感」を形にした、米粉生地と多彩なハーブ、エディブルフラワーのピザです。また、トリュフを合わせたポテトチップスに使うジャガイモや、バターと合わせたカニは、『DINING OUT NISEKO』の際に発掘したもの。そして徳吉氏は今後も、イタリアと日本を往復しながら日本各地を巡り、食材を探していく予定だといいます。
そんな八頭町を舞台に2018年9月、『DINING OUT TOTTORI-YAZU with LEXUS』が開催されました。もちろん、その会場にはこの4人の姿がありました。地元スタッフが一体となり、数々の困難を乗り越え、そして大盛況で幕を閉じた『DINING OUT』。小原氏は「どこに出しても恥ずかしくない、八頭の底力を再確認した」といいます。古田氏は「地元で横のつながりができたことが大きな成果。一時の盛り上がりで終えたくない」と語りました。『DINING OUT』の成功は八頭町のイノベーターたちを刺激し、新たな、力強い潮流を生み出しはじめたのです。
そんなお酒の世界を満喫できる宿が、日本酒発祥の地・奈良にオープンしました。
その名は『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』。創業150年の歴史を誇る『奈良豊澤酒造』の酒蔵を、洗練されたしつらえにリノベーション。お酒と古都の魅力に酔いしれることができる宿として、2018年11月に歩み始めました。
奈良は、米による酒造りが始まった地だと伝えられています。中でも元興寺(がんごうじ)の旧境内、江戸から大正期の街並みが残る『ならまち』には、春日大社から流れ出る水脈に沿って多くの酒蔵が立ち並んでいました。
『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』のベースとなったのは、そんな酒蔵のひとつ。今も手造りの酒造りにこだわり続ける蔵元の想いを受け継いで、様々な日本酒の愉しみ方を提案しています。
『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』は、日本全国に展開しつつある『NIPPONIA』プロジェクトの一翼です。『NIPPONIA』とは、全国各地に残る古民家を、その歴史性を尊重しながらリノベーションした上で、土地ごとの文化や歴史を実感できる施設として再生していく取り組み。地域の歴史や食に溶け込む新たな旅が体験できます。
歴史的な建築物を、可能な限り姿を保ちながら活用していこうというプロジェクト。『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』も、もちろんこのポリシーを継承しています。奈良の伝統的な町家造りを生かしながら、当時の生活を感じられるように仕上げ、手を加えた部分も原状回復できるように心がけています。
空き家となってしまった古民家を、時代の空気とともに再生。
NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまちタイムスリップしたかのような街で、奈良と日本の歴史を体感。
『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』は、開放感のある2階建てです。2階にあるのは、以下の3店舗。
まずは『magazzino38 fatto a mano(マガジーノ38 ファット・ア・マーノ)』。食材を命と考えるイタリアンで、ハムもチーズも手作りです。金沢特産のサツマイモ「五郎島金時」をニョッキにするなど、金沢の恵みもフル活用。しかも日替わりメニューでパンやチーズ、シャルキュトリーまで手作りしています。もとは加工食品の工房で、出店の動機は「お客様の反応を直接見たい」だったそうです。妥協のないおもてなしが魅力です。
今回の『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』の開催を終えて私が感じたことは、「沖縄は“美食コンテンツの宝庫”である。」ということだった。生物多様性を背景にした海の幸や森の幸の豊饒さだけでなく、琉球王朝時代から育まれた、ユニークで深い食文化、あるいは「ヌチグスイ(命の薬)」という言葉色濃く引き継がれる医食同源のコンセプト。沖縄は健康長寿の土地として知られるが、それはまさに食文化が支えたことである。
もし「アジアベストレストラン50」が沖縄で開催されることになれば、アジアはもとより、世界中から1000規模で、一流シェフや食の専門家やジャーナリストが訪れ、彼らが国内外に発信する情報の影響は計り知れないだろう。彼らを呼び寄せるためにはラグジュアリーなアコモデーションが不可欠になるが、今年7月にはハワイの超高級ホテル「ハレクラニ」の姉妹ホテル、「ハレクラニ沖縄」も開業する。そういったラグジュアリー・ホテルが増えつつあるのも、追い風になると思う。課題は、トータルでいかにラグジュアリーな体験として表現するのかだが、今回の『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』は、その好例を幾つも示したのはないだろうか。
沖縄県南城市で開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』(2018年11月開催)の準備段階から密着したドキュメンタリー番組『LEXUS presents 奇跡の晩餐 〜ダイニングアウト物語〜 沖縄 南城篇』が1/27(日)19:00からBSテレ東で放送されます。
番組では『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』の準備段階から密着した至極のドキュメンタリーをお楽しみ頂けます。
▶番組の詳細はこちらから
2017年2月、麻布に開店した中華料理店『茶禅華』は、近年話題に上らぬ日のない注目店。開店からわずか9ヶ月でミシュラン2ツ星を獲得、店を率いる川田智也シェフの深く、真摯で、誠実な人柄、そして日本の心を中国の技法を重ねる「和魂漢才」の哲学のもと、日々食通たちの舌を魅了し続けています。2018年5月には大分県国東市を舞台にした『DINING OUT KUNISAKI』を担当。土地と食材への深い理解と、凄みさえ感じさせるクリエーションで、訪れたゲストを魅了しました。
『DINING OUT RYUKYU-NANJO』のコースの締めに登場した安田珈琲。その芳醇な香りでゲストを驚かせた。
「アダ・ファーム」代表・徳田氏自らが、当日のドリンク担当としてコーヒーを抽出した。
アダ・ファーム沖縄本来の自然に近づける環境作り。
2018年11月に開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO』。沖縄県南城市を舞台に、日本を代表する女性料理人である志摩観光ホテル・樋口宏江シェフが腕を振るった晩餐は大盛況で幕を下ろしました。沖縄の食材を使ったフルコースは圧巻の一言。そしてその締めに登場し、ゲストを恍惚へと導いたのは、琥珀色をした一杯のコーヒーでした。それが今回ご紹介する「アダ・ファーム」の安田珈琲です。
「FUYA II〈麩屋町通Ⅱ〉」にしつらえられた茶室。己の内面とゆったり向き合ってみたい(photo by Tomooki Kengaku)。
ホテルには珍しい畳敷きのサロン。広々とした空間でメディテーションに浸りたい(photo by Tomooki Kengaku)。
エンソウ アンゴ暮らしに息づく工芸の美に気づく。
次に、陶作家の安藤雅信氏が室内装飾を手がけた『FUYA I 〈麩屋町通Ⅰ〉』。“うなぎの寝床”と称される京町屋独特の造りを生かし、その伝統的な構造を踏襲しています。パブリックエリア全体が安藤氏の作品ギャラリーとなっていて、都会の喧騒から隔絶された静寂にじっくりと浸ることができます。この棟は安藤氏が主宰する『ギャルリ百草(ももぐさ)』の空間的世界観を現しており、「着る・食べる・住む」という生活の基本から見つめ直した美術と工芸の在り方を追求しています。
安藤氏が手がけた食器・茶器・オブジェなどに囲まれて、身近な美の存在を実感(photo by Tomooki Kengaku)。
坪庭を望むラウンジに至るまで、美術館のような佇まいを誇る(photo by Tomooki Kengaku)。
エンソウ アンゴ“食”に関わるアートとイベントを楽しむ。
アーティスティックな空間を堪能できる棟は、ここだけではありません。
東京藝術大学の美術学部長にして、岐阜県美術館の館長を務める日比野克彦氏が担当した『TOMI I 〈富小路通Ⅰ〉』では、氏の代表的なモチーフである段ボールアートを鑑賞できます。
『TOMI I 〈富小路通Ⅰ〉』のラウンジ。日比野氏が直接壁にインスタレーションしたアートが楽しめる(photo by Tomooki Kengaku)。
ゲストキッチン。食と料理から生まれる交流にも期待(photo by Tomooki Kengaku)。
エンソウ アンゴ最先端のデザイングループの世界観を満喫。
次なる棟は『TOMI II 〈富小路通Ⅱ〉』。ブルガリやルイ・ヴィトンなどのプロダクトから建築まで、幅広いデザインワークで知られるスイスの『アトリエ・オイ』が、日本で初めて実現した空間デザインとインスタレーションを味わえます。
そのテーマは“陰影”。和傘の技による美しい影を落とす照明や、清水焼をアレンジした壁面照明など、京都の手仕事とアートが融合した世界を見せてくれます。
「DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS」に関わった5人の対談が行われた。左から、レクサス プロジェクト・ゼネラル・マネージャー:沖野和雄氏、コラムニスト:中村孝則氏、南城市役所 企画部 主査:喜瀬斗志也氏、『Discover Japan』編集長:高橋俊宏氏、『DINING OUT』総合プロデューサー大類知樹。
ダイニングアウト琉球南城日常の聖地「琉球」を表現することの難しさに挑戦。
2018年11月末に開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』。日本最後の聖地とも呼ばれる神の島「久高島」を有する沖縄県南城市を舞台に、二夜限り繰り広げられた神聖な饗宴が終了した翌日、関わった5名が一堂に会し、今回を振り返りました。
沖縄県南城市を舞台に2018年11月23日、24日に開催された『DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS』。太古の昔、琉球の島々や御嶽を作った女神「アマミキヨ」の神話になぞらえ、厨房を任されたのは『志摩観光ホテル』樋口宏江シェフ。「Origin いのちへの感謝と祈り」というテーマの下に供された11皿のコースは、「久高島イラブーのシガレット」からスタートしました。多くのゲストにとって、なじみのない食材であろうイラブー(エラブウミヘビ)。一体どんな味がするのか。期待の中に、未知なる食物に対するわずかな不安をにじませる人々を、ひと口で笑顔にし、同時にディープな沖縄・南城の歴史ある食文化の世界に引き込みました。イラブーの産地、久高島は、琉球神話の聖地。一体どんな場所で、イラブーはどのようにして作られているのか。樋口シェフがこの一皿に込めた想いとともにご紹介します。