サンフランシスコ・シリコンバレーには、世界中のスタートアップが集まっている。ここには、 最先端の技術を操るエンジニアや有数のデザイナーがおり、さらにハングリー精神と野心に燃えた人々が常に「自分たちこそが世界を変えてやる」と、革新的なアイデアを出し合っている。
また、この地にはグローバルな視点や起業家マインドを習得できる環境、そしてネットワークを構築するシーンが様々あるので、将来世界を舞台に自身のビジネスを拡大したい方にはうってつけの場所だろう。
現在弊社では福岡市のサンフランシスコ・シリコンバレー研修
『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』のプログラム設計及び運営に携わっており、まさに上記に述べた環境下で起業家を目指す方々の支援を行なっている。
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そこで今回は、世界中から人が集まるサンフランシスコ・シリコンバレーの魅力に迫りたいと思う。
1. サンフランシスコが生み出す独自の環境
サンフランシスコに根付いた人々のマインドセットは、サンフランシスコが世界から注目され続ける原動力になっている。そして、それらは様々なかたちで彼らの生活の中に浸透している。
その1つの例が、ハッカソンだ。ハッカソンとは、エンジニアたちが集まり、そのスキルを使って新たなサービスやソフトウェア開発を行い競い合うコンテストのことだ。
しかし、サンフランシスコで開催されるハッカソンの多くでは、非エンジニアたちの参加が少なくない。だからこそ、今までにない角度からのアイデアが生まれ、イノベーションが次から次へと起こっている。
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また、ハッカソンだけではなく彼らのフレキシブルな通勤スタイルも世界から注目を集めている。日本では通勤は非常にストレスフルなものであるが、サンフランシスコでは人々が新たなテクノロジーやサービスを次々にとり入れ、通勤にでさえもイノベーションが起こっているのだ。
ある調査結果によると、サンフランシスコの平均通勤時間は片道で31.7分となり、日本の平均通勤時間は1時間19分(片道39.5分)、東京だと1時間42分(片道51分)まで伸びる。
人口密度が東京よりも高いサンフランシスコでこれだけの時間差があるのは興味深い。それでは、サンフランシスコではどのような方法で東京の半分程度の通勤時間が実現しているのだろうか。
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2. 成長を遂げるスタートアップ、ユニコーン、そしてデカコーン
サンフランシスコには数多くのスタートアップが存在しているが、同時に多くのユニコーンも生まれ、Airbnb、Uber、DropboxやPinterestなど誰もが知るような数々のユニコーン企業が成長を続けている。
そもそも「ユニコーン」とは、未上場企業の中で、評価額が10億ドルを超えるスタートアップのことであり、いわゆるメガスタートアップである。最近では10億ドル以上どころか、100億ドルを超える企業もある。
これは日本円にして実に1兆円を超える評価額であり、日本だと上場企業の時価総額でもその規模の会社は百数十社程度でしかない。
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ちなみに、最近ではユニコーンの上をいく「デカコーン」と呼ばれる企業まで生まれている。「デカコーン」とは、未上場にも関わらず、評価額1兆円を超える時価総額のユニコーンのことだ。
驚くことに、実際にこのような企業が世界にいくつも存在している。そしてサンフランシスコには、この「デカコーン」の多くが存在しているのだ。
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3. サンフランシスコで浸透する次世代の働き方
サンフランシスコの人々のワークスタイルは、勤務時間だけでなく、在宅勤務や有給まで自由であることが、当たり前となってきている。
彼らの働き方は、驚くほどフレキシブルなのだ。ストレスのない、「遊ぶように働く」事ができる環境を提供することで、優れた人材を確保し、クリエイティブなチームを組織するのだ。
現在日本でもワークライフバランスをキーワードに働き方改革が行われている。しかし、ワークライフバランスのように仕事とプライベートを分けることは実質不可能であり、かえってストレスを生むことも多い。
そこで、サンフランシスコでは「ワークライフインテグレーション」という、仕事とプライベートを分けるのではなく、むしろ仕事と私生活を無理なく連動させるという考え方が浸透しつつあるのだ。
仕事以外の時間の使い方が仕事の結果に繋がるため、プライベートの交友関係が仕事にも繋がることも珍しくない。このようなワークスタイルが、今のサンフランシスコを作り上げているのかもしれない。
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最後に
いかがだっただろうか?サンフランシスコ・シリコンバレーは、今や世界が注目せざるを得ない、革新的且つ最先端をいく都市である。そして、その理由は街のいたるところに見られるほど、サンフランシスコ・シリコンバレーの人々や生活に浸透している。
今もこの街の文化やテクノロジーは進化を続けており、可能性に溢れている。きっとこれからも世界を牽引する都市であり続けるであろう。