日本のお菓子や飲み物が世界でバズっている?
「えっ、こんなところで!?」
最近、日本のお菓子や飲み物が海外で意外なカタチでヒットしています。それは、ただ日本らしさをアピールした“輸出品”というわけではありません。
本記事では、ハイチュウや柿の種、ラムネといった日本人にとっておなじみの商品が、いかにして海外市場で受け入れられていったのかについて取り上げます。

米国における菓子類輸入額も増加している(リンク: 出典)
メジャーリーガーの“もぐもぐタイム”から広がったハイチュウ人気
アメリカ進出当初の苦戦
ハイチュウは、日本で長年愛されてきたフルーツキャンディです。2000年代にアメリカ市場に進出しましたが、当初は売り場でも注目されず、“日本のお菓子”の枠を超えられずにいました。
意外な突破口 ─ 日本人メジャーリーガーの差し入れ
転機が訪れたのは、ある日本人メジャーリーガーがチームメイトにハイチュウを配ったこと。選手たちの「これウマい!」というリアクションがSNSやメディアで話題となり、自然発生的な“もぐもぐタイム”が広がっていきました。
スポンサー契約と現地仕様へのシフト
この流れを受け、ハイチュウはMLB複数球団とスポンサー契約を締結。ユニフォームのロゴや試合中のCMにも登場し、ブランド認知が急上昇。加えて、アメリカの嗜好に合わせて甘みや酸味のバランスを調整し、パッケージも英語でリデザイン。今では“定番の球場スナック”としての地位を確立しています。

メジャーリーグとパートナーシップを結んでいる(リンク: 出典)
柿の種、アメリカで “健康スナック” に。インドでは “スパイシー米菓” へ進化
アメリカでは「どう食べるの?」から始まった
柿の種がアメリカに進出した当初、そのユニークな形と “ピリ辛米菓+ピーナッツ” という組み合わせに、消費者は「これは何?」と戸惑いました。そもそも米菓の文化がなく、「ポテチでもナッツでもない」立ち位置が曖昧であったためです。
味と名前のローカライズで突破口
そんな中、アメリカ市場に合わせたフレーバーのローカライズ(Sweet Chili、Wasabi、Black Pepperなど)や、パッケージのナチュラル志向への変更を実施。さらにグルテンフリー認証を取得し、「ヘルシーで罪悪感なく食べられるスナック」として評価され、Whole Foodsなどの自然派スーパーでの取り扱いも拡大。自然派スーパーで販路を拡大しました。
インドでは「柿の種」から「KARIKARI」へと再構築
一方で、柿の種はインドではまったく違うカタチで進化を遂げました。亀田製菓は現地企業と合弁会社を立ち上げ、スナック「KARIKARI」を現地生産でスタート。粒はより大きく、硬めの “ボリボリ食感”。味もスパイスマニアやチリガーリック、ワサビ、ソルトペッパーなど、インドの味覚に合わせたラインナップ独自展開しました。
ピーナッツとのバランスも65:35と調整され、さらに動物由来原料を使わない“ベジマーク付き”で、宗教・文化的ニーズにも対応。日本で親しまれた「柿の種」が、インドで全く新しいスナック「KARIKARI」として定着しつつあります。

KARIKARI(画像出典:リンク)
飲む体験がバズった!世界で愛される “シュワシュワ系” ラムネ
初見では戸惑われた不思議なドリンク
ビー玉が入った瓶、開け方が難しい構造 ──ラムネは日本ではおなじみですが、海外では「どうやって飲むの?」という声が多くありました。
SNSで拡散された“開ける瞬間”
そんな中で、YouTubeやTikTokで「ポンッ」と開ける瞬間が “映える”として話題になり、一気に若年層の間で人気に。動画の再生回数は数百万回を超えることもあり、ファン層が急拡大しました。
アニメフェス×和食ブームの追い風
アニメコンベンションや日本食イベントでの販売をきっかけに、「寿司やラーメンと一緒に飲む炭酸ドリンク」というポジションを獲得。
アメリカ・ヨーロッパの日本食レストランでも取り扱いが増え、“日本カルチャーの象徴的なドリンク”としての認知を獲得しています。
ノンアル志向&パーティー需要にフィット
ラムネはアルコールを飲まない層にも受け入れられ、「気分転換できるレトロ炭酸」としてゲーマー、夜型ワーカー、パーティー層に支持されるように。
その結果、2022年には日本の瓶入りラムネの生産量が1億本を突破し、生産の9割が海外向けになるほどの需要を記録しています。

サンフランシスコのラウンドワン店舗内メニュー表
日本の食品や飲料がアメリカで広がっていく5ステップ
Step 1|日系スーパー(NijiyaやMitsuwaなど)
NijiyaやMitsuwaなど、日本人コミュニティが中心となるスーパーで扱われます。日本の食品に慣れ親しんだ人々が購入する段階で、ここが「アメリカ進出のスタートライン」となります。
Step 2|アジア系スーパー(H Martや99 Ranchなど)・ECサイト(Weee!など)
H Martや99 Ranchなどアジア系スーパー、Weee!のようなECサイトで扱われ、日系以外のアジア系や興味層にもリーチされ、ゆるやかに認知が拡大します。
Step 3|セレクトショップ(Whole Foods・Trader Joe’sなど)
Whole FoodsやTrader Joe’sといったセレクトショップに採用されはじめます。都市部のZ世代やミレニアルにリーチされます。
Step 4|大衆店(Safeway・Targetなど)のアジアコーナー
セレクトショップでの人気やSNSでの話題性をきっかけに、大手スーパーのアジア食品コーナーでも取り扱いがスタート。より幅広い一般層が目にする機会が増え、知名度がさらに高まります。
Step 5|大衆店(Safeway・Targetなど)の通常のお菓子・飲料コーナー
最終的には、アジア棚から卒業し、スナックやドリンクの“通常棚”に並ぶ存在へ。この段階でようやく、“異国の食品”から“日常の選択肢”へと進化します。

サンフランシスコのアジア系スーパー店舗内のドリンクコーナー
まとめ:意外なきっかけが、世界への扉を開くこともある
ハイチュウ、柿の種、ラムネ ── いずれも日本ではおなじみの商品ですが、その“海外ヒット”の裏には、偶然のバズやブームだけでなく、受け入れられない時期を乗り越えた地道な試行錯誤がありました。
最初から“ウケた”わけではなく、「どうやって飲むの?」「どこに置けばいいの?」「誰が買うの?」という疑問にひとつひとつ向き合い、味やパッケージだけでなく、“意味そのもの”を再設計してきた結果であると言えます。
こうしたプロセスを経て、ようやく今、現地のスーパーやスタジアム、レストランに“日常の顔”として並ぶようになっています。日本のお菓子や飲料は、まだまだ世界に響く可能性があり、今後海外市場にチャレンジできると考えています。
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