今年度もアメリカ・テキサス州オースティンでSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト) が3月に開催される。最新のプロダクトをお披露目し、また情報収集するために世界中から人が集まるこのイベントはサンフランシスコからも多くの企業やスタートアップが参加する。そんな大注目のイベントについて改めて紹介しよう。
そもそもSXSWとは?
SXSWはもともとアーティストやクリエイティブな人々の活躍の機会を提供することを目的に1987年に始まった音楽イベントである。1年目は177のインディーズバンドが集まり、観客数は少ないながら熱狂的なファンの心を当時から掴んでいた。
開始から30年以上が経過した現在、SXSWのテーマは音楽のみならず映画やテクノロジーも合わさるようになり、特に最先端のテクノロジーを世界中に向けて披露する場として注目を浴びるようになった。今や多くのブランドが新プロダクトの「初披露」の場としてSXSWを選んでいる。ちなみに展示されるプロダクトのほとんどは10年前には存在していないものだと言っても過言ではないだろう。
2018年は3月9日~18日に開催された。この10日間で約432,500人が来場し、地元オースティンに与えた経済効果は約3.5億ドルに上った。このことからもいかに大きなイベントであるかがわかるだろう。
TwitterもSXSWから広まった
これまでに多くのプロダクトやサービスがSXSWを経て世の中に広まっていったが、最大のサクセス・ストーリーとして語られるのはTwitterだろう。
Twitterがお披露目されたのはローンチから9か月後のSXSW2007だ。彼らは玄関のパネルスクリーンにてサービス概要を展示したほか、SXSW参加者が気軽にTwitterを体験できるよう、テキストメッセージで登録しSXSWアンバサダーをフォローできるというこのイベント限定の機能を提供した。これがきっかけてTwitterは新しいメディア・プラットフォームとしてのポジションを確立したのである。
ほかにも、位置情報をベースにしたソーシャルネットワーキングサービスのFoursquareは2009年に出展後大きな成功を収めたし、食べ物の写真共有アプリのFoodspottingは2010年に出展後急成長を遂げ2013年にOpenTableに1千万ドルで買収された。またSkypeはGroupMeというグループチャットアプリを2011年のSXSWでローンチ、その後2013年まで出展を経て今も成長を続けている。
freshtraxでは以前にも「【SXSW2017レポート】キーワードは「社会問題解決型」注目の最新テクノロジー5選」でSXSWでお披露目されたスタートアップを紹介しているのでそちらも参考にしてほしい。
SXSWでプロダクトを発表するメリット
ではなぜ多くの企業は新プロダクトのお披露目の場としてSXSWを選ぶのだろうか。それには以下の3つのメリットが考えられる。
- フィードバックの獲得
- ユーザーの獲得
- パブリシティの獲得
2018年の統計データを見ると、SXSWに参加する目的で一番多かったのが「新しいビジネスの機会発見」だった。SXSWはまさに新しいビジネスを求めて人が集まる場であり、会場は感度の高いイノベーターやアーリーアダプターで溢れている。そんな彼らに対してプロダクトを展示し、直接フィードバックが得られることは間違いなく大きなメリットだ。
また、当然彼らはプロダクトの初期ユーザーにもなりうる。感度が高く新しいものを試すマインドに溢れているだけでなく、購買力の強い層が集まるのも特徴だ。ちなみに2018年の来場者では25~44歳が68%を占め、全体の58%が世帯年収10万ドル以上だった。
さらに、集まるメディア・プレス関係者の数もすごい。2018年には世界中から4035のメディア・プレス関係者が集まったほか、SXSWが取り上げられたオンラインメディア・テレビ・ブログ等すべて合計したメディアバリューは4.3億ドルに上った。
なぜ企業やスタートアップが新プロダクト発表の場としてSXSWに照準を合わせるのか、お分かりいただけただろうか。
2018年に注目を集めたYAHAMAの展示
昨年のSXSWでは、YAMAHAが博報堂アイ・スタジオとコラボレーションした「Duet with YOO」というAIとの共奏体験を実現する体験型インスタレーションを展示した。自分がピアノを演奏すると、AIがそれに合わせて合奏を始めてくれるというものだ。
展示した4日間で約700人が実際に演奏を体験し、実際に生のフィードバックを収集。さらに日経BPや宣伝会議といった日本のメディアのほか、アメリカのメディアengagetなどにも取り上げられた。また、テキサス州立大学ジャーナリズム&コミュニケーション学部のチームからも取材を受け、「音楽を学ぶための楽しいアプローチ」だと紹介されるなど、パブリシティの獲得にも成功した。
btraxとともにSXSW2019を目指しませんか?
2019年のSXSWは3月8日~17日に開催される。これまでbtraxでは日本企業向けにSXSW展示のプロモーションサポートを行ってきたが、SXSW2019ではそれだけに留まらず、プロダクトを発表することに照準を合わせた2つの新サービスメニューを提供する。
プロダクト開発を支援する「Product Alpha」
SXSWに向けて新しいサービスを開発しローンチするまでをbtraxが一貫してサポート。アジャイルにサービスMVPをつくり、新しい事業領域の開拓を支援する。また、SXSWでの展示、北米でのPRサポートも実施。
既存プロダクトの展示をサポート「Brand Activation」
既存のプロダクトをSXSWで展示し北米でのPRを支援するサービス。グローバル市場でのパブリシティを獲得して国内・国外での認知度向上をサポート。
新プロダクト開発を検討中の方、すでにあるプロダクトをSXSWで展示したい方は下記フォームから是非お問合せを。
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