カテゴリー: ビジネスモデル
新年あけましてというところにいきなり地震や航空機事故やアメリカハイテク株安などが飛び込んできて結構きな臭い今年なんかなと思う。最近はちょっとマシになってきたのか知らんが相変わらず適当な片一方からしか見てない論調しかかけないコンサル?や評論家?が目につく。ネット時代に手近にググってアメリカの選挙はこうだとか、中国の経済はこうだとか、ウクライナ戦争やガザ戦争はこうだとか、グレートサウスやノースサウスはこうだとか、、、結構挨拶文やYOUTUBEでボケた内容をばらまいているのを傍から見ててかわいそうになってくる。長年情報力を使った分析をやってきたので、こういうときに正当な判断をできる可能性が増える環境になったというのはありがたい。今年更に磨きをかけたいのは、マスコミではない違った視点からのミニコミの分析や、日本や近くのアジアだけでなく中東や中央アジアや南米やアフリカの情報などしっかり分析できるようにしていきたい。今まで日本のマスコミに一切出ていないそこら編のちょい有名なコンサルタントが全く理解できていない情報などをしっかり組み込んで行きたいものだ。また新しい情報収集の仕組みを作らないとだめだね。これからもがんばりますよ。
起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 3)
前回の「起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 1,2)」に引き続き、31個のビジネスモデルを類型化し、それぞれについて解説していく、「起業家が知っておくべき31のビジネスモデル」シリーズ。今回はその最終回だ。
今回はNo. 21-31の11個のビジネスモデルを見ていき、シリーズの締めくくりとしたい。新規ビジネスを立ち上げたい方や、ビジネスモデルをブラッシュアップしたい方にとって参考になれば幸いだ。
それでは21から31までのビジネスモデルを見ていこう。
*この記事は英語版のこちらの記事のビジネスモデルや解説を参考に執筆している。
21. Peer-to-peer (P2P) ビジネスモデル

OLXビジネスモデル
P2Pビジネスモデルでは、個人同士が、第三者やプラットフォームを介さずに互いに直接商品やサービスを売買すること、コミュニケーションを行う者同士が相互に対等な関係を保つことが特徴だ。
例:OLX、Skype、Mercari
22. ビジネスモデルとしてのP2Pレンディング
Peer-to-peer(P2P)レンディングのビジネスモデルでは、ある個人(「P2Pレンダー」と呼ばれる)が別の個人(「P2Pボロワー」と呼ばれる)からお金を貸したり、投資したり、借りたりする。
例: Kabbage
公的な金融機関を仲介せずに個人同士が直接お金の貸し借りを行うため、「ソーシャルレンディング」とも呼ばれるモデルだ。
23. ブローカレッジビジネスモデル

ブローカレッジビジネスモデル
ブローカレッジビジネスは通常、提供されるサービスと引き換えに、一方または双方の当事者に手数料または料金を請求する。
例 Robinhood、Coinbase、ebayなど。
ブローカレッジビジネスは、不動産、金融、オンラインマーケットプレイスで一般的であり、通常、以下のモデルで運営されている。

ブローカレッジビジネスモデルの種類
ブローカレッジビジネスモデルの種類
売買マッチング・モデル:売買取引をマッチングさせ、手数料を取る。
例:金融ブローカー、保険ブローカーなど
クラシファイド・アドバタイザー・モデル:時間、場所、サイズ、または広告の性質に基づいて、広告主に手数料を請求する。
例:Craigslist
リバースオークションモデル:売り手が買い手を選定する通常のオークションと異なり、買い手が売り手を選定する逆(Reverse)のオークション。
例:Alibaba, ebay
24. ドロップシッピングビジネスモデル

ドロップシッピングビジネスモデル
ドロップシッピングとは、在庫を持たずに商品を販売できるEコマースの小売モデルだ。
オンラインストアや通販サイトなどで商品が売れると、メーカーや卸売業者(サプライヤー)から直接購入者に商品が発送される。
そのためオンラインショップの運営者は在庫を抱える必要はなく、商品の仕入れや梱包、発送作業も不要。通常のECサイトなどに比べて商品の仕入れコストや不良在庫を抱えるリスクを抑えてビジネスを始められるのが大きな特徴だ。
ドロップシッピングビジネスモデルの仕組み
- ネットショップなどに出品した商品に顧客から注文が入る
- サイト運営者は注文情報をサプライヤーに送信する
- サプライヤーは受注処理を行い、商品を直接顧客に発送する
ドロップシッピングビジネスモデルのメリット
- 商品在庫の確保、物流関連の業務が基本的に不要であり、初期経費を抑えて始められる
- 在庫を抱える必要がないため、ショップ運営者の勤務地が柔軟に決められる
- ショップ運営者の発送・梱包作業が不要
- 発送や配達業者とのやりとりをしなくてよい
25. Space as a Service Business Model

WeWorkを例にしたSpace as a Serviceビジネスモデル
所有権や賃貸権にかかわらないシェアスペースでの生活やフレキシブルな勤務形態を実現する。シェアリングエコノミーの考え方に基づき、コロナ禍を経てよりメジャーになってきたビジネスモデルでもある。
例 WeWork、Airbnb
WeWorkは、世界中どのWeWorkのオフィスでも働けるフレキシブルな勤務体験、クールでおしゃれな空間、入居者限定のイベント、手厚いサポートなどの付加価値を提供することで、入居者の満足度を担保する。
その結果、通常のシェアオフィスより割高であっても多くの入居者を獲得し、利益を得ている。

WeWorkのビジネスモデル
WeWorkから考えるSpace as a Serviceビジネスモデルの強み
WeWorkのビジネスモデルの強み、それは前述したような入居者に対してのメリットだけではなく、不動産オーナーにとっても同様に大きなメリットがあることだ。
WeWorkは空きスペースのあるビル全体、あるいは、フロア単位で借り上げて、おしゃれな空間に仕立てる。不動産オーナーから借りた物件を又貸しするビジネスモデルだ。
昨今は、事業のライフサイクルが短くなったため、ベンチャー企業が急拡大して移転してしまったり、逆に、大企業の事業縮小や、フリーアドレス化を進めて空きスペースができてしまったりするケースが増えている。
不動産オーナーは、中小規模のオフィススペースを柔軟に貸し出したいというニーズを抱えている.
WeWorkがスペースを借りれば中小企業やベンチャー企業の入居が促せる。
それゆえ、事実WeWorkは拠点となり得るスペースを探すのにも苦労が少ないそうだ。(参照)
26. サードパーティーロジスティック (3PL) ビジネスモデル

運輸企業や物流業者ではない物流企業(=第三者)が、 荷主から一括で受託し、物流業務をおこなっていく(参照)
サードパーティーロジスティック (3PL) ビジネスモデルの最大の特徴は、物流の専門家である第三者に物流関連業務を任せることだ。
例:fulfillment by Amazon, ShipBob, Shiprocket

サードパーティロジスティクス(3PL)ビジネスモデルを適応しているサービス
3PLビジネスモデルを導入するメリット
専門家の知見から物流コストの適正化が図れる
自社で行っていた配送業者選定がコストや仕様等の面で適正でなかった場合、3PL事業者が物流の専門家としての知見から、ブランド運営者の業務に最適な配送業者の選定をする。
ブランド運営において重要度の高い業務に集中できる
ブランド運営チームのリソースを、純粋にブランド戦略の考案などの業務に注ぎ込めるようになる。
物流の高品質化を通じて顧客満足度を高めることができる
物流もブランドの顧客体験を構成する重要な要素の一つであるため、専門業者と連携することにより品質が担保できれば顧客満足度の向上に繋げられるだろう。
27. ラストマイルデリバリービジネスモデル

ラストマイルデリバリービジネスモデルのプロセス
例 Gojek、Postmates、Rappiなど。
ビジネスモデルにおける”ラストワンマイル”は、「最後の1マイル」という距離的な意味では無く、オンラインショッピングサービスを利用した顧客との最終接点という意味で使用されている。
現在、オンラインショッピングは幅広く浸透していることは言うまでもないだろう。しかしその普及に伴い、配送、特に「ラストマイル」に関する課題も頻発している。
具体的には、日本の場合、再配達依頼の増加や、アメリカの場合ではトラック運転手の人手不足の深刻化が顕著な問題として捉えられている。
上記のようなラストマイル課題を解決しようと、新たなビジネスが生み出されている。
例えば、買い物・宅配代行サービスPostmatesは、スーパーマーケットや商店での買い出し・宅配代行に加え、レストランでのテイクアウトの宅配代行を行う。
無料のPostmates公式モバイルアプリを通してオーダーすると、近場にいる同社と契約した配達者に連絡が届き、」配達される仕組みだ。また、人が関わらなくてもよい宅配ロボットの使用など、展開の幅は広がりを見せている。
28. アフィリエイトビジネスモデル
アフィリエイト・マーケティングとは、他社の製品を宣伝し、商品をの購入などが発生するごとに手数料を得るビジネスモデルだ。

アフィリエイトビジネスモデル
例 Amazon、Skillshare、Hubspotなど
YouTubeを例に挙げて見てみよう。YouTubeの概要欄に、以下のようなリンクを貼られているのを見たことがあるかもしれない。

Youtube動画の概要欄のアフィリエイトリンク
もしこのリンクから商品が購入された場合、例えば動画投稿者は、商品の利益の5%を得る、というように手数料を獲得できるのだ。
アフィリエイトビジネスモデルのメリット
- 初期費用が低く、誰でも簡単に始められる
- インフルエンサーそれぞれにトラッキングリンクとオンラインダッシュボードが提供され、収益を確認できるため、透明性が担保されている
29. バーチャルグッズビジネスモデル
これはアプリ内課金とも呼ばれ、ユーザーにアプリ内で使えるモノや商品に対してアプリ内課金を要求されるものである。
例:Candy Crush、Roblox、PubGなど。

バーチャルグッズの種類
バーチャルグッズビジネスモデルの図解
上記の表の中で、“Consumable”とは、例えばアプリのゲーム内で使える通貨を購入するようなもので、使っていくといずれなくなってしまうものを指す。
“Non-Consumable”は、例えばRPGゲームアプリの武器のようなもので、一度購入すればなくなることなく使い続けられるものである。
アプリ内で課金してもらう方法として、消費されるものと永続的に消費されないもの両方があることを覚えておくと良いだろう。
消費されるものと永続的に使用を続けられるものという課金方法の違いによって、マーケティングの手法も変わる。
30. クラウドキッチンビジネスモデル

クラウドキッチンビジネスモデル
クラウドキッチンとは、別名ゴースト・キッチン、ダーク・キッチン、ブラックボックス・キッチンなどとも呼ばれるビジネスモデルだ。一言で言うと「店舗なしのレストラン」といったところだろう。
その名の通り、店舗は構えておらず、デリバリーのみで食事を提供する。
クラウドキッチンで作られた食事は、配膳やテイクアウトといった形で消費者へ直接提供されることはなく、オンラインデリバリーサービスであるUber EATSやWoltなどを通じてユーザーの元に提供される。
レストランは顧客層を多様化し、拡大しながら、同時に最大運用コストである不動産賃貸料と人件費を削減できることがメリットだ。
反面、レストランでの親しい友人などとの楽しい食事体験が提供できないことはデメリットになりうる。
例:NextBite、Faaso’s
31. クラウドファンディングビジネスモデル

クラウドファンディングビジネスモデル
クラウドファンディングとは、投資を受けたい事業者がオンラインプラットフォーム上で支援者たちを募ることを指す。
現状、クラウドファンディングのタイプを問わず、ファンドへの投資家から手数料を徴収することを表明している運営会社はほとんどなく、ほぼ全てのクラウドファンディング事業者が、投資を受けたい事業者から何らかの形で手数料を取り、利益を得ている。
クラウドファンディングの決済方法(事業者が資金を受け取る条件)には「All in方式」「All or Nothing方式」の2種類がある。
All in方式とは、あらかじめ定めた目標金額に到達せずとも集まった金額を受け取れる決済方法だ。
一方で All or Nothing方式は、目標金額に達した場合にのみ集まったお金を受け取れる方式である。。
例えば、100万円を目標金額として70万円しか集まらなかった場合、 All in方式であれば70万円を受け取れる。しかし、All or Nothing方式の場合は1円も受け取ることはできないということだ。
一見すると、All in方式の方がリスクが少ないように受け取られるが、たとえ目標金額に達しなくても支援者に対してリターンを渡す義務が生じるため注意が必要だ。
クラウドファンディングのメリット
資金を集める側の視点から見た場合、クラウドファンディングには以下ようなメリットがある。
- 実績や確実性のない事業でも支援者が集まれば資金が調達できる
- ブランディングやファンの獲得につながる
- テストマーケティングの手段にもなる
まとめ
これまで全3回にわたって31のビジネスモデルを取り上げてきた。
起業を考えている方や、社内で新規サービス、プロダクトの立ち上げを考えている方にとっても役立てば幸いだ。
btraxは新規サービス、プロダクト立ち上げのための市場リサーチからブランディング戦略、サービス、プロダクトのUI/UXデザイン、新規サービスのマーケティング戦略から施策実行までをサポートしている。
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今どきのコンサル事情。営業コンサルとか組織コンサルとか、、と言ってるようでは今の時代にフィットするのかいな???営業は国内営業しかしないの?それで新しいマーケットつかめる?組織営業って、社内のリソースで事足りるレベルなの???もっとレベルの違うリソースと連携しないとほど遠いのじゃやないの???ということが分かってないところが多いね。それはクライアントもコンサルも、、、、。
起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 2)
前回の「起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 1)」に引き続き、こちらの記事を参考に、31個にビジネスモデルを類型化し、それぞれについて解説していく、「起業家が知っておくべき31のビジネスモデル」シリーズ。今回はその第2回目だ。今回も10個のビジネスモデルを見ていく。
ビジネスモデルをブラッシュアップしたい起業家にとって参考になれば幸いだ。
それでは11から20までのビジネスモデルを見ていこう。
- データ提供型ビジネスモデル
- ブロックチェーンビジネスモデル
- フリータープライズビジネスモデル
- レーザー&ブレードビジネスモデル
- D2Cビジネスモデル
- ホワイトラベルビジネスモデル
- フランチャイズビジネスモデル
- 広告ビジネスモデル
- タコビジネスモデル
- トランザクション型ビジネスモデル
11. データ提供型ビジネスモデル
アプリを通してユーザーからデータを集め、システムの精度を上げたり、そのデータを欲している他の会社にデータを提供することでマネタイズするビジネスモデル。
例:OpenAI。ユーザーがデータを打ち込めば打ち込むほど、システムの精度が高まる。

データ提供型ビジネスモデルの図解(参照)
有名なチェックインアプリである、Foursquareはユーザーの位置情報とチェックイン情報を集めている。Foursquareに貯まった膨大なユーザーデータは新規店開拓の際に利用される。
12. ブロックチェーンビジネスモデル
ブロックチェーンは、AWS などの中央機関を必要とせずに、企業がスマートコントラクトを展開できるようにする分散型台帳テクノロジーだ。
例:Ethereum, Solana

ブロックチェーンビジネスモデルの図解(参照)
ブロックチェーンのビジネスモデルの種類
- トークンエコノミービジネスモデル
企業がトークンマイナーまたはトークン保有者に報酬を与えるメカニズムの1つとしてトークンを発行するモデル。
例: Ethereum, Solana - P2Pブロックチェーンビジネスモデル
ピアツーピア (P2P) ブロックチェーンにより、エンドユーザーは相互に直接対話できるモデル。不特定多数の端末がサーバを介さずに、端末同士で直接データファイルを共有することができる通信技術、またはソフトウェアのことを指す。
例: IPFS - Blockchain as a Service (BaaS)ビジネスモデル
ブロックチェーン技術を基盤にアプリケーションを開発することを指す。
例: Bitcoin, Ethereum - ブロックチェーンベースのアグリゲータービジネスモデル
ブロックチェーンの API 呼び出しを実行し、ソフトウェア同士の連携を可能にする。
例: Alchemy
13. フリータープライズビジネスモデル
フリータープライズ(無料+エンタープライズ)ビジネスモデルは、最初は無料で導入可能だが、ある一定数人数が増えると課金するモデルである。
無料であることで、従来の営業主体のトップダウンのモデルより、ボトムアップ的に導入が進むことが多い。
例:Slack, Zoom

フリータープライズビジネスモデルの図解(参照)
ここで、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)のGo-to-market(市場戦略)のトップダウンとボトムアップアプローチの違いをご説明する。
トップダウンは、CXOレベルでの導入意識決定が必要なケースが多く、ピンポイントでのマーケティング戦略や、フィールドセールスによる長いサイクルの対面営業プロセスを要する。
カスタマーサクセスの面でも、導入時の訪問支援サポートや個別のアドバイスをするようなハイタッチな手法になる。このトップダウン戦略を採用している企業例としては、Veeva、Workday、Zuoraなどが挙げられる。
ボトムアップは、対象者が広範囲なため、マスに近いマーケティング戦略が適用できる。
いち従業員が一人、または数名で使い始められるプロダクトやサービスで、セルフサーブ型でユーザーのオンボーディングが完結できる。また、バイラル要素があり、営業サイクルも短い。Zoom、Slack、Twilioなどが例として挙げられる。
14. レーザー&ブレードビジネスモデル
1つのアイテムを低価格または赤字で販売し、詰め替えや追加で利益を生み出すビジネスモデル。ハードウェアビジネスで広く使用されている。
例:Gilletの剃刀と刀、コーヒーマシンとコーヒー豆

レーザー&ブレードビジネスモデルの図解(参照)
レーザー&ブレードビジネスモデルのメリット
- 製品を試す顧客のリスクを軽減する。
- 顧客は、多額の初期費用をかけずに製品やサービスを試すことができる。
- 製品からの継続的な収益源により、初期費用の何倍もの売上が得られる可能性がある。
15. D2Cビジネスモデル
D2Cビジネスモデルでは、ブランドは中間業者を排除し、サードパーティの物流パートナーを使用して自社の Webサイトから最終消費者に製品を直接販売する。
例:GymShark、Kylie Cosmetics

D2Cビジネスモデルの図解(参照)
D2Cビジネスモデルを使用するブランドは、ウェブサイト、マーケットプレイス (Amazon、eBay ) などのオンラインチャネルを主に使用するが、実店舗を構える事例が増えている。

従来の小売流通とD2Cの流通を比較した図(参照)
D2Cビジネスモデルのメリット
- 中間業者がいないことで中間搾取が発生しないため、利益が大きくなる。
- オンラインファーストモデルで自社にデータを多数保有するため、年齢や地理など、よりターゲットを絞った顧客データにアクセスできるようになる。
16. ホワイトラベルビジネスモデル
ホワイトラベルビジネスモデルとは、製品を契約メーカーまたはサードパーティメーカーに委託製造してもらい、自社のブランド名で販売するものだ。
例:Amazonの電子製品

ホワイトラベルビジネスモデルの図解(参照)
Amazonで売られている電子製品のほとんどは中国で製造されており、何らかのブランド名でホワイトラベルが貼られている。
ホワイトラベルビジネスモデルのメリット
- 開発コストの削減
商品を自社で製造する必要がなくなるため、製造設備を持つことなく自社ブランド商品の販売が可能になる。製造設備への投資が不要になれば、開発コストの削減にもつながる。 - 開発ノウハウがなくても自社ブランド商品を製造できる
開発ノウハウについてもある程度OEMメーカーに頼れるため、開発ノウハウを持たない企業も自社ブランド商品の製造が可能だ。 - 商品企画や販売に専念できる
製造工程を他社に委託することで自社のリソースを割く必要がなくなり、商品企画や販売に専念することができる。
17. フランチャイズビジネスモデル
フランチャイズビジネスモデルは、本部(フランチャイジー)の有する商標や販売・経営ノウハウなどを加盟店(フランチャイザー)に与えるかわりに、ロイヤリティを対価として、加盟店が本部に支払うモデルだ。
例:Domino’s Pizza, McDonald’s

フランチャイズビジネスモデルの図解(参照)
このビジネスモデルは、Subway、Domino’s Pizza、 McDonald’sなどのクイックサービスレストランで広く使用されている。
フランチャイズビジネスモデルのメリット
- 本部から経営サポートを受けられる
フランチャイズに加盟すると、仕入、接客、広告宣伝など、経営にまつわることをすべてサポートしてもらえる。フランチャイズ本部には、新しい加盟者が店舗を立ち上げるまでのサポートや、経営を軌道に乗せるためのノウハウが確立されており、サポートを受けながらスピーディに開業準備を進められる。また、開業時のサポートだけでなく、継続的なサポートも受けられる。 - 本部のブランド力やノウハウを活用できる
フランチャイズに加盟して得られる最大のメリットは、すでに確立されたブランド力(ブランドイメージ)がある状態で、経営を始められることだ。知名度や認知度が高いフランチャイズチェーンであれば、看板を見ただけでも商品やサービスが想起される。また、どの店舗でも同じサービスを受けられるのがチェーン店の魅力とも言えるため、そのチェーンのファンさえいれば、開業してすぐでも集客に困ることは少ないだろう。
18. 広告ビジネスモデル
SNS企業や検索エンジンを手がける会社は検索エンジンと関心データを使用して広告を表示することでマネタイズすることが多い。
例:Google, Facebook, Snapchat

広告ビジネスモデルの図解(参照)
たとえば、Google ユーザーは検索に対して料金の支払いは発生しない。
その代わりに検索エンジン等からユーザーのデータを収集し、各ユーザーに対して提示される広告をハイパーパーソナライズすることでマネタイズに成功した。
19. タコビジネスモデル
タコビジネスモデルとは、タコの足のような各事業部が独立しながら本体とつながっている多角化事業戦略だ。
例:OYO

タコビジネスモデルの図解(参照)
OYOは、ホテル、コワーキング、コリビング、別荘などOYOブランドを冠した多角化戦略を展開する。
タコビジネスモデルのメリット
- コスト削減
OYOは施設提供者との提携を通じ、自社が施設の所有者になる必要がないため、初期投資やランニングコストを削減することができる。これにより、大規模な運営や拡大を行いやすくなる。 - データ分析と最適化
タコ足型のビジネスモデルは、多くの地域で大量のデータを収集することができる。このデータは、顧客の傾向や好みを理解し、サービスを最適化するために活用することができる。
20. トランザクション型ビジネスモデル
トランザクションビジネスは、取引ごとに発生するマージンや取引料でマネタイズする仕組みだ。
例:Stripe, PayPal, Coinbase, Brex

トランザクションビジネスモデルの図解(参照)
Stripeを例に説明する。同社は多くのスタートアップ向けに決済サービスを提供している。
各スタートアップの決済額はStripeで処理される。これがトランザクションビジネスだが、Stripeは各トランザクションにつき手数料を徴収している。つまり、他者の決済額を処理する類のビジネスである場合、トランザクションビジネスに該当すると考えると良い。
まとめ
いかがだっただろうか。
現在ビジネスモデルを決める段階や、見直している段階の起業家の方々、ビジネスマンの方々にとって、良い機会となっていれば幸いだ。
次回もVol.2に引き続きVol.3として、約10個のビジネスモデルを見ていく。次回の記事もお楽しみに。
Written by Takaaki Sako
起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 1)
多様化する世界の中で、特にデジタル領域のビジネスにおいては多数のビジネスモデルが存在する。そのため全てのビジネスモデルを把握しきることは困難だ。
今回はこちらの記事を参考に31個にビジネスモデルを類型化し、全3回のシリーズにわたってそれぞれを解説していく。
ビジネスモデルをブラッシュアップしたい起業家や、ビジネスモデルを学びたいビジネスマンにとって参考になれば幸いだ。
まずは1から10。それでは早速見ていこう。
- フリーミアムビジネスモデル
- サブスクリプションビジネスモデル
- マーケットプレイスビジネスモデル
- アグリゲータービジネスモデル
- 従量課金ビジネスモデル
- FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデル
- Edtechのビジネスモデル
- ロックインビジネスモデル
- APIライセンスビジネスモデル
- オープンソースビジネスモデル
1. フリーミアムビジネスモデル

フリーミアムビジネスモデルの図解(参照)
例:Google Drive, iCloud, Slack
フリーミアムのビジネスモデルは、ユーザーがソフトウェアやゲーム、サービスの基本機能を「無料」で利用でき、ユーザー側がアップグレードする際に始めて課金されるものだ。
Google DriveやDropboxは、それぞれ15GBと2GBの無料スペースを提供するが、追加スペースを購入する場合は追加料金を請求する。フリーミアムビジネスの典型と言える。
フリーミアムビジネスモデルのメリットは、基本機能が無料で利用できるため、ユーザーの最初の利用障壁を低く保てること、そして、すでに一部の基本機能を使用しそれに満足しているユーザーが課金するため、ユーザーの定着度が高いことだ。
2. サブスクリプションビジネスモデル

サブスクリプションビジネスモデルの図解(参照
例:Tinder, Netflix, Shopify
サブスクリプションビジネスモデルは、サービス提供側がプロダクトやサービスを販売し、ユーザーの定期的な支払いによって利益を得るものだ。
ユーザーがプロダクトを使用するため、もしくはプロダクトの中のプレミアム機能を継続して使用する意思がある場合に課金される。
サービス提供側は、フリーミアムビジネスモデルの次の段階としてサブスクリプションのビジネスモデルの適用も検討できるだろう。
3. マーケットプレイスビジネスモデル

マーケットプレイスビジネスモデルの図解(参照)
例:Amazon, Fiverr
マーケットプレイスとは、プロダクトやサービスを第三者の販売者がユーザーに販売するプラットフォーム(eコマースサイトやモバイルアプリ)だ。
Amazonにはプロダクトを販売するサードパーティーの販売者や中小企業のオーナーがいる。Fiverrには、グラフィックデザインやソフトウェア開発のような特定のサービスを他の個人や企業に提供するフリーランサーがいる。
扱っている領域は違えど、両者共にビジネスモデルはマーケットプレイスだ。
4. アグリゲータービジネスモデル

アグリゲータービジネスモデルの図解(参照
例:Uber、Airbnb
アグリゲータービジネスモデルは、ベンダーのプロダクトやサービスを自社のブランド名で提供することが特徴だ。
例えばAirbnbでは、”Airbnb”というブランドのもとにいろいろなベンダーを出店させ、ブランド価値の担保を試みる。
マーケットプレイスとアグリゲーターのビジネスモデルは見ているように思われるが、大きな違いがある。

マーケットプレイスビジネスモデルの図解(参照
AmazonやFiverrのようなマーケットプレイスは、ベンダーとユーザーを結びつける役割を果たすが、ベンダー自身のブランド名で商品を販売する。
一方UberやAirbnbのようなアグリゲーターは、ベンダーを取り込み、彼ら(UberやAirbnb)のブランド名でサービスを提供することが特徴だ。
5. 従量課金ビジネスモデル

従量課金ビジネスモデルの図解(参照
例:Stripe、AWS、Gumlet
従量課金ビジネスモデルは、ユーザーがプロダクトやサービスを使用した量(時間、人数、など)に応じて支払うモデルである。
個人利用、少数のチーム利用、大規模のチームでの利用で料金プランが異なる、ユーザー数による従量課金が想像しやすいだろう。
従量課金ビジネスモデルはクラウド・コンピューティングサービスで特に広く使われている。例えば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はアマゾンの子会社で、200以上のクラウドサービスを提供しており、各サービスには独自の従量課金制がある。
他にも代表的な例として、Canvaのようなデザイン・ソフトウェアプロダクトが挙げられる。使用したい機能と一つのアカウントを共有する人数によって異なる料金設定となっている。

Canvaの従量課金プラン一覧(2023年7月時点)
6. FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデル

FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデルの図解(参照
例:Stripe, Paypal, PayU
FFSビジネスモデルでは、ユーザーが決済を行うたびにサービス提供側は固定手数料と変動手数料を得る。Fintechスタートアップに適応されることが多いビジネスモデルだ。
例えばStripeでは、ユーザーが決済を完了するごとに、2.9%+30セントが課金される。FFSのビジネスモデルを採用するプラットフォームは、ユーザーからの支払いを受け入れ、支払い先の事業者に決済を行う、支払いゲートウェイの役割を担うのだ。
7. Edtechのビジネスモデル

Edtechのビジネスモデル例(参照
Edtechのサービスのビジネスモデルにもいくつか特徴がある。典型的なのは、サービス提供側が教育コンテンツを販売することか、エンドユーザーに教育サービスを提供することで収益を上げることだ。
ビジネスモデルには、本記事の1-6で見てきたようなビジネスモデルや広告収入のビジネスモデルが使用されることが多い。以下にEdTechの代表的なビジネスモデルを列挙する。
Edtechサービスに採用される代表的なビジネスモデルの種類
フリーミアムやサブスクリプション – コースのコンテンツは無料だが、コース修了証の発行に費用が必要
例:Coursera
無料トライアル – 無料トライアルを提供し、その後月額または年額のサブスクリプションを提供するモデル
例:SkillShare
マーケットプレイス – オープンマーケットプレイスから学びたいものを選択する自己提供型モデル
例:Udemy
広告収入 – 主要なプロダクトは無料であり、膨大なユーザーベースに広告を表示することで収益を得る
例:Duolingo
8.ロックインビジネスモデル

ロックインビジネスモデルの図解(参照
例:Apple, SAP
ロックインビジネスモデルは、ユーザーの競合商品へのスイッチング・コストを感じさせることが特徴だ。
優れたブランド体験や利便性などのインセンティブを提供することで、新たなプロダクトが必要となった時にも、自社ブランドをユーザーに最初に想起させることができるようにしている。
AppleはiPhoneを販売し、他のハードウェア(Apple Watch、Airpods)やApple Store、Apple Music、iCloudなどのプラットフォームサービスによって、ユーザーをAppleサービスのエコシステムに囲い込む。
自社のサービスやプロダクトで買い揃えてもらうことで、利用者や売り上げを伸ばすことができるのだ。これにより、一貫性のある優れたブランド体験のみならず、Appleのサービス間の連携の利便性も向上させている。まさにロックインビジネスモデルの好例とも言えるだろう。
9. APIライセンスビジネスモデル

APIライセンスビジネスモデルの図解(参照
アプリケーション・プログラミング・インターフェース、略称APIは、サードパーティのアプリケーションがユーザーのサービスと通信するためのツールだ。
例えば、UberとAirbnbは、ナビゲーションを簡単にするために、モバイルアプリでグーグルマップAPIを使用している。
APIのビジネスモデルには以下のような種類がある。
無料:最もシンプルなAPI主導のビジネスモデルで、アプリ開発者は自由にAPIにアクセスできる。
例:Facebook、Google翻訳
Developer Pays(開発者負担):このモデルは、アプリケーション開発者が提供されるサービスに対して対価を支払う形で運営される。
例:AWS、Twilio、Github、Stripe
開発者が報酬を得る: APIを配布する開発者やコンテンツの提供者が支払う。
例:アドセンス、アマゾンアフィリエイト
10. オープンソースビジネスモデル

オープンソースビジネスモデルの例(参照
例:Android, Firefox, MongoDB
オープンソースソフトウェアとは、誰もが個人利用のために調査、修正、拡張できるソースコードを持つソフトウェアのことである。
オープンソースソフトウェアが利益を得るためのビジネスモデルとして、以下のような種類が挙げられる。
有償サポート – ユーザーがコードベースについて多くの知識を持っている場合必要な部分のみパーソナライズして課金する形式。必要な分のみ支払いが発生し、サービスを利用することができる
SaaS -サービス提供者側はデータベースソリューションを完全無料で提供するが、ユーザーが監視ツールを使用したい場合、費用の支払いが発生する
オープンコアモデル – 企業の中核のソフトウェアをオープンソースとして公開し、エンタープライズ用の拡張部分を通常のクローズドソフトとして展開する方式
GitHubスポンサー – Githubのスポンサーシップ費の100%が、コードを提供した開発者に支払われる
有料機能開発 – サービス提供者側が、既存プロダクトのオープンソース拡張機能を開発し、有料で提供することで報酬を得る
まとめ
いかがだっただろうか。
現在ビジネスモデルを決める段階や、見直している段階の起業家の方々、ビジネスマンの方々にとって、良い機会となれば幸いだ。
次回もVol.1に引き続きVol.2として、約10個のビジネスモデルを見ていく。次回の記事もお楽しみに。
Written by Takaaki Sako
起業家が知っておくべき31のビジネスモデル(Part 1)
多様化する世界の中で、特にデジタル領域のビジネスにおいては多数のビジネスモデルが存在する。そのため全てのビジネスモデルを把握しきることは困難だ。
今回はこちらの記事を参考に31個にビジネスモデルを類型化し、全3回のシリーズにわたってそれぞれを解説していく。
ビジネスモデルをブラッシュアップしたい起業家や、ビジネスモデルを学びたいビジネスマンにとって参考になれば幸いだ。
まずは1から10。それでは早速見ていこう。
- フリーミアムビジネスモデル
- サブスクリプションビジネスモデル
- マーケットプレイスビジネスモデル
- アグリゲータービジネスモデル
- 従量課金ビジネスモデル
- FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデル
- Edtechのビジネスモデル
- ロックインビジネスモデル
- APIライセンスビジネスモデル
- オープンソースビジネスモデル
1. フリーミアムビジネスモデル

フリーミアムビジネスモデルの図解(参照)
例:Google Drive, iCloud, Slack
フリーミアムのビジネスモデルは、ユーザーがソフトウェアやゲーム、サービスの基本機能を「無料」で利用でき、ユーザー側がアップグレードする際に始めて課金されるものだ。
Google DriveやDropboxは、それぞれ15GBと2GBの無料スペースを提供するが、追加スペースを購入する場合は追加料金を請求する。フリーミアムビジネスの典型と言える。
フリーミアムビジネスモデルのメリットは、基本機能が無料で利用できるため、ユーザーの最初の利用障壁を低く保てること、そして、すでに一部の基本機能を使用しそれに満足しているユーザーが課金するため、ユーザーの定着度が高いことだ。
2. サブスクリプションビジネスモデル

サブスクリプションビジネスモデルの図解(参照
例:Tinder, Netflix, Shopify
サブスクリプションビジネスモデルは、サービス提供側がプロダクトやサービスを販売し、ユーザーの定期的な支払いによって利益を得るものだ。
ユーザーがプロダクトを使用するため、もしくはプロダクトの中のプレミアム機能を継続して使用する意思がある場合に課金される。
サービス提供側は、フリーミアムビジネスモデルの次の段階としてサブスクリプションのビジネスモデルの適用も検討できるだろう。
3. マーケットプレイスビジネスモデル

マーケットプレイスビジネスモデルの図解(参照)
例:Amazon, Fiverr
マーケットプレイスとは、プロダクトやサービスを第三者の販売者がユーザーに販売するプラットフォーム(eコマースサイトやモバイルアプリ)だ。
Amazonにはプロダクトを販売するサードパーティーの販売者や中小企業のオーナーがいる。Fiverrには、グラフィックデザインやソフトウェア開発のような特定のサービスを他の個人や企業に提供するフリーランサーがいる。
扱っている領域は違えど、両者共にビジネスモデルはマーケットプレイスだ。
4. アグリゲータービジネスモデル

アグリゲータービジネスモデルの図解(参照
例:Uber、Airbnb
アグリゲータービジネスモデルは、ベンダーのプロダクトやサービスを自社のブランド名で提供することが特徴だ。
例えばAirbnbでは、”Airbnb”というブランドのもとにいろいろなベンダーを出店させ、ブランド価値の担保を試みる。
マーケットプレイスとアグリゲーターのビジネスモデルは見ているように思われるが、大きな違いがある。

マーケットプレイスビジネスモデルの図解(参照
AmazonやFiverrのようなマーケットプレイスは、ベンダーとユーザーを結びつける役割を果たすが、ベンダー自身のブランド名で商品を販売する。
一方UberやAirbnbのようなアグリゲーターは、ベンダーを取り込み、彼ら(UberやAirbnb)のブランド名でサービスを提供することが特徴だ。
5. 従量課金ビジネスモデル

従量課金ビジネスモデルの図解(参照
例:Stripe、AWS、Gumlet
従量課金ビジネスモデルは、ユーザーがプロダクトやサービスを使用した量(時間、人数、など)に応じて支払うモデルである。
個人利用、少数のチーム利用、大規模のチームでの利用で料金プランが異なる、ユーザー数による従量課金が想像しやすいだろう。
従量課金ビジネスモデルはクラウド・コンピューティングサービスで特に広く使われている。例えば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はアマゾンの子会社で、200以上のクラウドサービスを提供しており、各サービスには独自の従量課金制がある。
他にも代表的な例として、Canvaのようなデザイン・ソフトウェアプロダクトが挙げられる。使用したい機能と一つのアカウントを共有する人数によって異なる料金設定となっている。

Canvaの従量課金プラン一覧(2023年7月時点)
6. FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデル

FFS(フィー・フォー・サービス)ビジネスモデルの図解(参照
例:Stripe, Paypal, PayU
FFSビジネスモデルでは、ユーザーが決済を行うたびにサービス提供側は固定手数料と変動手数料を得る。Fintechスタートアップに適応されることが多いビジネスモデルだ。
例えばStripeでは、ユーザーが決済を完了するごとに、2.9%+30セントが課金される。FFSのビジネスモデルを採用するプラットフォームは、ユーザーからの支払いを受け入れ、支払い先の事業者に決済を行う、支払いゲートウェイの役割を担うのだ。
7. Edtechのビジネスモデル

Edtechのビジネスモデル例(参照
Edtechのサービスのビジネスモデルにもいくつか特徴がある。典型的なのは、サービス提供側が教育コンテンツを販売することか、エンドユーザーに教育サービスを提供することで収益を上げることだ。
ビジネスモデルには、本記事の1-6で見てきたようなビジネスモデルや広告収入のビジネスモデルが使用されることが多い。以下にEdTechの代表的なビジネスモデルを列挙する。
Edtechサービスに採用される代表的なビジネスモデルの種類
フリーミアムやサブスクリプション – コースのコンテンツは無料だが、コース修了証の発行に費用が必要
例:Coursera
無料トライアル – 無料トライアルを提供し、その後月額または年額のサブスクリプションを提供するモデル
例:SkillShare
マーケットプレイス – オープンマーケットプレイスから学びたいものを選択する自己提供型モデル
例:Udemy
広告収入 – 主要なプロダクトは無料であり、膨大なユーザーベースに広告を表示することで収益を得る
例:Duolingo
8.ロックインビジネスモデル

ロックインビジネスモデルの図解(参照
例:Apple, SAP
ロックインビジネスモデルは、ユーザーの競合商品へのスイッチング・コストを感じさせることが特徴だ。
優れたブランド体験や利便性などのインセンティブを提供することで、新たなプロダクトが必要となった時にも、自社ブランドをユーザーに最初に想起させることができるようにしている。
AppleはiPhoneを販売し、他のハードウェア(Apple Watch、Airpods)やApple Store、Apple Music、iCloudなどのプラットフォームサービスによって、ユーザーをAppleサービスのエコシステムに囲い込む。
自社のサービスやプロダクトで買い揃えてもらうことで、利用者や売り上げを伸ばすことができるのだ。これにより、一貫性のある優れたブランド体験のみならず、Appleのサービス間の連携の利便性も向上させている。まさにロックインビジネスモデルの好例とも言えるだろう。
9. APIライセンスビジネスモデル

APIライセンスビジネスモデルの図解(参照
アプリケーション・プログラミング・インターフェース、略称APIは、サードパーティのアプリケーションがユーザーのサービスと通信するためのツールだ。
例えば、UberとAirbnbは、ナビゲーションを簡単にするために、モバイルアプリでグーグルマップAPIを使用している。
APIのビジネスモデルには以下のような種類がある。
無料:最もシンプルなAPI主導のビジネスモデルで、アプリ開発者は自由にAPIにアクセスできる。
例:Facebook、Google翻訳
Developer Pays(開発者負担):このモデルは、アプリケーション開発者が提供されるサービスに対して対価を支払う形で運営される。
例:AWS、Twilio、Github、Stripe
開発者が報酬を得る: APIを配布する開発者やコンテンツの提供者が支払う。
例:アドセンス、アマゾンアフィリエイト
10. オープンソースビジネスモデル

オープンソースビジネスモデルの例(参照
例:Android, Firefox, MongoDB
オープンソースソフトウェアとは、誰もが個人利用のために調査、修正、拡張できるソースコードを持つソフトウェアのことである。
オープンソースソフトウェアが利益を得るためのビジネスモデルとして、以下のような種類が挙げられる。
有償サポート – ユーザーがコードベースについて多くの知識を持っている場合必要な部分のみパーソナライズして課金する形式。必要な分のみ支払いが発生し、サービスを利用することができる
SaaS -サービス提供者側はデータベースソリューションを完全無料で提供するが、ユーザーが監視ツールを使用したい場合、費用の支払いが発生する
オープンコアモデル – 企業の中核のソフトウェアをオープンソースとして公開し、エンタープライズ用の拡張部分を通常のクローズドソフトとして展開する方式
GitHubスポンサー – Githubのスポンサーシップ費の100%が、コードを提供した開発者に支払われる
有料機能開発 – サービス提供者側が、既存プロダクトのオープンソース拡張機能を開発し、有料で提供することで報酬を得る
まとめ
いかがだっただろうか。
現在ビジネスモデルを決める段階や、見直している段階の起業家の方々、ビジネスマンの方々にとって、良い機会となれば幸いだ。
次回もVol.1に引き続きVol.2として、約10個のビジネスモデルを見ていく。次回の記事もお楽しみに。
Written by Takaaki Sako
これ見るとすごいな。
これでユーチューバーという言葉がほとんど消えていくということが確定したような気がするね。今までのユーチューブでの広告収入0.3円から2円が、ショートになって0.01円になったのじゃどんなユーチューバーでも食えないのは当然ということになる。相当頑張ってもちょいとお小遣いになる程度ということだ。これで従来型のユーチューブは音楽とかニュースとかドラマや映画を見るためのツールになっていくということだな。同時にユーチューブビジネスの終焉ということで今後はどんどん一般の人も離れていくということになる。ここらへんグーグルはどう考えているんかね??コンシューマーほってエンタープライズ中心に行くということ?そりゃ無理でしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/96e8e5882fd44cf9381d1b5b68c2dbc77663cf10?page=2
もうちょっとユーチューブビジネス持つと思ったのにな。。。まあ、今まで無策だったから仕方がないということなんじゃないの? そうか徹底的に通販番組にするとか??!!そうすれば一気にECポータルになれたりして。これだな!!!!!
最近アップルがVRゴーグルを一応出したが売れる気配もないので今後どうレギュラーラインナップにしていくのかのビジネス戦略に注目だな。よくいってアップルTVレベル?その前に個人で最低でも1台50万円の物を買う必要があるなんて冗談じゃないよな。アメリカは国政策がしっかりしていてインフレが順調に進んでいるのでそれを見越しての価格帯かな?まあ、それとも当初のようにPC関連でのLVなどのようなハイブランド志向でやっぱりいくよと言う決意の現れ?もしかしたら技術進歩でいくらハイブランドでも商品寿命は同じですよと言うことを忘れていたりして。。。その前にあまり役に立たないSiriをとっととやめてアップル風のAIを出さないと置いてけぼりになりますよ。。。
なんせソフトでいいのないからね。OSもそろそろ訳のわからんほど迷機能で使いこなせないわ。。。。まあ、よく言うと製造業なんだよね。。一応直営とかやってるけどそこからフィードバックなんかがめちゃ下手。
最近面白いのがリアル営業部隊とEC営業部隊とデータマーケティング営業部隊の3つに分けて個々に営業予算をつけて売上を競争させる方法だ。これで何がわかるのかこれでどういった今後の発展方向がわかるのかということが実際に体験できるというのが企業にとっては大きなプラスになると思う。なぜこういうことになったのかというと大昔からリアルの営業部隊が屋台骨を引っ張ってきた。その時のEC部隊は少人数でちょっと詳しい人が担当して古今奮闘しているという塩梅だったと思う。これではいつになってもEC部隊はリアルに勝てるほどにはならない。最初からまあ頑張ってな!というように思われていたからだ。会社のスタートがそもそもECからだったらこんなことはないと思うけどね。。。。という中で最近のトレンドはデータマーケティングだ。社内で統計を駆使してあーだこうだというが、多分その他の部隊からは面倒な奴らだなぐらいしか思われていない。当然だ。グラフを書いてこんな傾向ですなんて言ったところで、それでデータマーケティング部隊で売上作れるのかよ?と思われているからだ。だったらそのデータマーケティングチームだけで売上を作れるところを実証すればいいんじゃないのかと言うのが、この面白い仕組みなんである。当然分析屋だから営業前線には立てませんという人材は全部外すということになるけども、それくらいやらなければデータマーケティングなんて根付かないんですよ。わかってますかね?企業トップの方々!!!!
製造業にとって営業革新はやはり系列から独立することですかね。しかし結構ハードル高いけど。しかしこれができなかったら独自な企業活動はできないことも確かだし、営業力がつかないもんなんだがね。
日本の企業で今後伸ばしていくことを考えれば企業連携と海外進出的なことは必須条件と言えるだろう。それは製造業はもちろんのこと我々のような専門家業も同じことだ。例えば営業研修をやっている会社は今までは国内の限られたマーケットの中で売上利益を上げていく手法を指導してきたと思う。それで実際どれくらいの伸びしろがあって実際のどれくらい伸びることができたのかというと、それは一瞬のことであったり相当限られた結果ということが多い。そりゃいくら頑張っても12000万の中での話だからだ。となると正当に順次伸ばしていくことを考えると海外に目を向けざるを得ない。これが実際にできるかどうかで大きく違う。重箱の隅を突っつくような研修なのか、ダイナミックにそとに出ていく研修なのか。。。。可能性の差は数千倍以上じゃないの??!!
日本の製造業に見られる考え違いによくあるのが自分たちの作るものはいいものだから仕事が来るという発想? いやいやそんな甘くはないでしょう。製造業も流通業の中の川上部分ですから、その意味では販売するためのマーケティングや営業力が必須です。今まではもしかしたら系列の関係で仕事が来ただけであってそれに頼っているとコストダウンがくるばかり。その結果どんどん自社の余力がなくなって次の発展が望めないままさらに今の発注に頼るということになる。その殆どの理由は自分で自分の首を絞めているということになるだけの話だと思うね。
従来の中大型スーパーをやめていくと同時に空きテナントを埋めていく不動産業にシフトするのもいいんでは。でもその前にコンビニの新業態を作らないとコンビニもマイバスに負けだしたりするのでそこらへんの変革がいるよな。いつまでもオワコンに近づくコンビニのフランチャイズ方式だけでもないだろうし。とにかく変革のスピードがおそすぎるのがここの企業グループの欠点だよな。
ヨドバシと百貨店?とっくに百貨店は顧客から見放された業態、ヨドバシは秋葉原の店舗を見ても相当顧客に支持されている業態、ネットでもそうだし。そこでまるで百貨店的上から目線で話をシている方がナンセンス。客単価でもパソコン・スマホ・テレビなどどれも相当高額なものがバンバン売れているので高級品を販売してるという意味でもヨドバシのほうが相当上だと思うけど??!!!
最近の企業の運営はどれかに選択集中してというスタイルのところは本当に少なくなったと思う。選択して集中してそれが成果でないとなると一気に企業本体がだめになることはどこもわかっていることだろうからだ。同じことが国ごとの政治の世界でも同じ?ようなことが起こっていると思う。ダボス会議のような世界を統一していこうというグローバル主義の流れと、自国の都合を優先するという反グローバリズムの流れである。これなんか完全に前者は選択と集中、後者は集中させないということだ。国連なんかの決議結果などを見てると世界的には後者のほうが増えている。ダボス会議が、、、、なんて言ってるところは実は国数や人口数で行くと少数派に入る。日本は今後どういった選択肢を取るべきなんだろうか? 普通に考えればわかりそうな気がするね。
最近の企業の運営はどれかに選択集中してというスタイルのところは本当に少なくなったと思う。選択して集中してそれが成果でないとなると一気に企業本体がだめになることはどこもわかっていることだろうからだ。同じことが国ごとの政治の世界でも同じ?ようなことが起こっていると思う。ダボス会議のような世界を統一していこうというグローバル主義の流れと、自国の都合を優先するという反グローバリズムの流れである。これなんか完全に前者は選択と集中、後者は集中させないということだ。国連なんかの決議結果などを見てると世界的には後者のほうが増えている。ダボス会議が、、、、なんて言ってるところは実は国数や人口数で行くと少数派に入る。日本は今後どういった選択肢を取るべきなんだろうか? 普通に考えればわかりそうな気がするね。
ディズニーが「コンテンツの世界観」を「ビジネス」にするまで【ディズニーの成功理由①】
今から65年前に、現在のコンテンツ戦略の基礎を築いたコンテンツビジネスがあったのをご存じだろうか?
今も変わらず人々から愛される作品を生み出し続け、誰もがその名前を知る「ディズニー」だ。
一大産業と化したディズニーは、搾取の構造を体現していると非難されることがある。
世界中の童話を「ディズニーナイズ」することで文化を破壊していると言われることも決して少なくはない。
このような相反する反応を引き起こしている背景の多くには作品が体現する価値観と、利潤を追求する企業としての混同も多く含まれているのではないかと考えている。
ディズニーのビジネスはコンテンツとエンターテイメントが相互作用し合いながら、配給するメディアとの関係で成り立っている。
この関係を「作品の世界観」と「ビジネス」の軸で、過去から現在まで掘り下げながら説明していく。
今回から全3回連続で配信する『ディズニーのビジネスモデルから学ぶ、コンテンツビジネスの基礎』、1回目は『ディズニーのビジネスモデルと世界観の礎が築かれるまで』がテーマだ。
質の高いコンテンツがどのようにして生まれたのか、なぜ生まれたかのか。ディズニーといえば著作権が厳しいことで有名だが、一体どうして厳しくなったのかをコンテンツビジネスの観点で紐解いていこう。
作品の成功とビジネスの失敗
ウォルト・ディズニーの挑戦
実はディズニーの創立者、若きウォルト・ディズニーが最初に志したのは「新聞漫画家」だった。
幼い頃から絵に興味を持ち、新聞の掲載されていた漫画を真似ては描く幼少期を過ごした。
学生時代は高校に通いながらアカデミー・オブ・ファインアーツで絵を学び、学級新聞の漫画欄を担当。
第一次対戦の後は新聞漫画家として仕事を請け負えるようになったが、当時の経験が乏しい彼への依頼はまだ少なく苦しい日々を過ごした。
見かねた兄のロイ・O・ディズニーがアート・スタジオでの広告デザインの仕事を紹介したことで職に就くも、翌年の契約更新時に契約を打ち切られて失業。
この仕事を通して出会ったアブ・アイワークスと、1920年にデザイン会社の会社を始めたのが最初の起業だった。
ウォルトがアニメーターとして引き抜かれたために一か月と上手くはいかなかったが、アニメーターとしてのウォルトは徐々に才能を開花させた。今では主流となったセル画をアニメーションの手法として確立させたのもウォルトだ。
最初の起業から二年後、当時では大金だった1.5万ドルを集めてアニメーション映画専門のスタジオ『Laugh-O-gram』を設立。
当初は個人事務所(フリーランス)として活動していたが、コンテンツの質の高さが評価されて仕事が舞い込むようになると次第に人手が足りなくなった。
「良質な作品のためにはビジネスモデルが必要」
最初の起業パートナーであるアイワークスを筆頭にアニメーターを数人引き込み、アニメ制作会社へ拡張を試みたが、会社経営の難しさに直面した。
作品はヒットしたがウォルト自身が制作に没頭するあまり、資金繰りが上手くできず、翌年に会社は破産。
彼が経験を通して学んだのは、「良質な作品を作るためには、しっかりとしたビジネスモデルが必要」ということだった。
作品としての成功は納めたが、当時まだ20歳のクリエイターでしかなかったウォルトはビジネス面で多くのサポートを必要としていた。
その後、再起を図り拠点をハリウッドへと移して兄と立ち上げた会社が今のウォルト・ディズニー・カンパニーの前身『Disney Brothers Cartoon Studio』だ。
1923年10月16日に最初のディズニー社が設立されて以来、ウォルトが大切にした想いはCEOが何代も変わった今でも企業セオリーとして引き継がれている。
コンテンツの流通までに抱えた課題と挫折
資金・流通・権利の課題
若きウォルトの前に障壁となって現れた最初の問題は資金。
そして、次に課題となったのは流通と権利だった。
拠点をハリウッドに移した後、Laugh-O-gram時代に作成した「アリス・コメディ」をシリーズとして販売を開始。
チャールズ・ミンツ社を配給会社として販売が可能になった頃、再びアニメ制作会社へと転進するために、Laugh-O-gram時代のアニメーターや新人アニメーターを集めた。
↑実写とアニメーションを組み合わせた表現で当時人気を集め、人気シリーズとなった。現在もディズニーの初期作品として知られている。
しかし、アメリカの人気キャラクター「フィリックス・ザ・キャット」とアリス・コメディーのキャラクター「ジュリアス・ザ・キャット」が酷似しており著作権を侵害していると告訴されたために、キャラクターの使用ができなくなってしまった。
経営が軌道に乗り始めた頃、チャールズ・ミンツ社を通して大手映画会社ユニバーサルピクチャーズと繋がりを持ったことで、ディズニー社はアニメ制作会社として飛躍の機会を得た。
著作権を徹底するきっかけとなった挫折
ミッキーの前身である『オズワルド』を考案して、アニメを配給したところ、またしてもシリーズは子供に大ヒット。
しかし、チャールズ・ミンツ社が高額の手数料を要求して、ウォルトがこれを拒否したことで契約決裂。
ユニバーサル社はディズニー社に対して露骨な引き抜きを仕掛け、ほとんどのアニメーターが引き抜きに応じてディズニーを去ってしまう結果となった。
順風満帆から一転、会社は再び倒産寸前へ。大手の他社と提携したことで資金的な余裕を得て、良質なコンテンツを作る環境を得たように思えたが、そのようにして生まれたオズワルドはユニバーサルピクチャーズの契約下に置かれた。
結果的には配給元と自社キャラクターにとどまらず、多くのスタッフまでも失ってしまったのだ。
一方オズワルドは、制作スタッフが幾度も入れ替わったことでファン離れが進み、次第に人気は失われていった。
2006年までの78年間に渡りユニバーサルはオズワルドの権利を所有し続けたために、ウォルトの遺言のひとつに「いつかオズワルドを取り返せ」というものがあったという噂まである。
ウォルトが亡くなった後、オズワルドの権利はディズニーに返されるこのにはなるが…このような苦い体験から、ディズニーは自社制作物の所有権は一部分たりとも他社に与えない厳格な管理をするようになった。
品質の高いコンテンツと運用
ミッキーマウスの誕生
オズワルドとスタッフを奪われたウォルトは、配給可能な新しいマスコットキャラクターが必要だと考えた。
この時に生まれたのがミッキーマウスだ。当時のアニメ手法が革新的だったこともあり、ミッキーは爆発的な人気を誇るキャラクターへと成長を遂げた。
↑ミッキーの初期代表作「蒸気船ウィリー」
ウォルトは作品を量産するよりも、質の高い作品を作ることにこだわり続けた。
自身がクリエイターだからこそ持ちえたこの視点こそが愛されるキャラクターや世界観生み出し、さらにその作品を活用したビジネスの発想に至った。
ディズニー存続の鍵を握る作品の「質」
ディズニー作品は作品との接点に恵まれている。
そして既に作品を知る人にとっては、繰り返し愛される機会が提供されている。作品は映画館やテレビ、映像媒体やオンデマンドなどを通じて視聴され、同作品はコミックやノベライズされた本として販売されるのだ。
そして、作中で使用した音楽はサウンドトラックとしても楽曲販売される。人気の作品はディズニーランドやディズニーストアでグッズも取扱うようになる。
この他にもゲームや舞台、商品パッケージのコラボなどから作品に触れる機会もある。
そして、これらにはライセンスの利用料という収益が発生する。また、作品として視聴数が稼げる作品自体にもスポンサーからの広告費が入る。
だからこそ、ディズニーの目指すビジネスモデルでは質にこだわり続ける必要があった。
熱狂的なまでにこだわり続ける『質』こそが、作品からキャラクター、または音楽のファンへと変化し、より結びつきを強くさせてきたディズニー『らしさ』の根源なのだ。
ディズニーは著作権が失われた童話を作り変え、その権利を所有することでパブリックドメインのあり方に反すると指摘されることがある。
しかし、ディズニーが権利を保有するのは、あくまでもキャラクターデザインを経て新しく命が吹き込まれたキャラクターのみに限られる。
例えば、マーク・デイヴィスが生み出した不思議の国のアリスに登場するアリスや、眠れる森の美女の魔女のマレフィセントなどがそうだ。
興行収入のみで判断すれば両作品とも成功と言えない結果ではあったが、アリスはその可愛らしさからファンが厚く、魔女マレフィセントはヴィランズの代表的な人気キャラクターとして有名だ。
どちらも実写映画が作られるほどファンが多く、オリジナル作品以外にグッズや二次作品から新たな収益を生み出し続けてきた。
また、近年はミッキーマウス単体で大きな収益に繋がることがなくなりつつあるため、世界観を壊さないようにしながらも新たな世界観のなかに出演するようなケースなども増えてきた。
既存のファンとは異なるファンの獲得を見据えた『キングダムハーツ』、『ツイステッドワンダーランド』のような作品もあるが、わかりやすいのは2010年に発売されたWiiの『エポックミッキー』だ。
本作は、ようやくディズニーに戻ったオズワルドをディズニーの一員としてファンに受け入れて貰うための演出も含んでいる。
エポックミッキーのオズワルドは、登場したときからミッキーのことが嫌いという設定だ。
自分がいるはずだったディズニーのメインキャラクターというポジションを奪われて、生みの親からも手放され、人気が失墜したオズワルドにとってミッキーは嫉妬の対象でしかないからだ。
この世界のオズワルドはミッキーが人々に愛された理由を長い年月かけて研究してきた、別の世界の王様。
舞台はウェイストランドと呼ばれる、モノクロアニメが主流な頃の旧世代のアニメーション作品の世界だ。
現在では優等生なミッキーも、この頃は無邪気に罪を犯しており、物語が進行するにつれてミッキーは自分の過ちを自覚して罪悪感を抱くようになる。
オズワルドは共に行動する内にミッキーに心を開き始め、最後は友達になって終わる物語となっている。
やんわりと現在のミッキーを否定する展開の本作品は、オズワルドがディズニーで生きるはずだった時間のなかにミッキーが入り込む構成となっており、オズワルド不在の約80年間を紡ぎ直して、これからの関係性を丁寧に描いている。
ファンにとっては感慨深さがあり、新たなファンにとってはオズワルドを知る機会になったのみにとどまらず『オズワルドがディズニーへ戻った』というメッセージを打ち出したことでディズニーファンがオズワルドを『ディズニーの世界の住民』として迎え入れやすくしたのが本作だ。
そして、今ではオズワルドもディズニーランドのキャラクターとして加わった。
お馴染みの被り物や、ツムツムのキャラクターとしてグッズ展開もされているオズワルドは、狙い通りにディズニーファンに受け入れられたと言えるのではないだろうか。
このような例からも窺い知れるように、ディズニーから生まれる作品のキャラクターたちは、それぞれがファンに愛されるように想いを込めて作られている。
まさにキャラクターに命を宿すアニメーターから始まった会社らしい思想が作品にも現れていると言えるだろう。
優れた企業セオリーは、戦略を従えさせる
シンプルにまとめてしまえば、ディズニーから生まれる作品のキャラクターたちは、それぞれがファンに愛されるように想いを込めて作られている。
まさにキャラクターに命を宿すアニメーターからすべては始まったと感じさせる価値観が企業セオリーに現れていることが、ディズニーの他にはない強みだ。戦略が「価値観」に従い起こした成功と言えるだろう。
技術の変化、消費者の嗜好を理解して業界の発展を予測して、自社の特徴と価値を正しく捉えながら、その2つを組み合わせて生み出す経営資産が「ディズニーの作品」だからだ。
そして、コンテンツの質にこだわり世界観を厳守するのは、運用可能な資産を保有するためでもある。
他の追随を許さない強いコンテンツを運用している背景には、興行収入だけで価値を測ることのできない面も挙げられる。
二次利用による収益へレバレッジをかけて、生涯価値(Lifetime Value:LTV)を最大まで引き出す仕組みを実現するために質の高さを第一に求め、コンテンツの独占権を維持するためには執念すら感じさせるほどの厳格さで守り続けてきた。
権利が守っているのは収益だけではなく、作品の世界観すべてが含まれる。そして、独占権を所有しているからこそライセンスとしてビジネスを発展させることもできるのだ。
これについては、次回以降も触れていくので以降の記事も参考にしてほしい。
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私たちの取り組みは、ユーザーファーストでの新規事業の立ち上げ、ユーザー中心設計での体験やインターフェイスのデザイン、組織変革に活かすためのデザイン思考ワークショップを通じて手法とマインドセットを教授するなど多岐に渡る。
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Written by Yuri Tanaka, Lead UI/UX Designer at btrax Japan