btraxではこれまでに福岡県福岡市、石川県加賀市といった様々な自治体に向けてグローバル起業家育成を目的としたプログラムの企画運営・支援を行ってきました。
一つは、日本を代表するスタートアップ支援の先進都市である「福岡市」(人口約1,550,000人)と、もう一つは、「消滅可能性都市」に指定されたことをきっかけに高齢化や人口減少に歯止めをかけるべく、DXを活用した「スマートシティ加賀」を実現させようと尽力している「石川県加賀市」(人口約62,000人)です。
両都市では、スタートアップ起業家支援における自治体側の課題も異なっており、大変興味深く感じました。

石川県加賀市で行われた研修の様子
福岡市、加賀市へプログラム支援を通して得た気づき
各自治体の持っている共通の課題感
自治体の規模は違えど両自治体の課題感としては共通しており、起業に関心がある人々が集うことで新しいアイデアが生まれ地元から会社が起きていくことです。
そして、時代の変化に対応したイノベーティブなスタートアップ企業が創業されること、そして、起業により雇用が生まれることを期待しています。
そのために、各自治体では様々な分野でチャレンジしようとしている起業家・起業家候補を地元内外から発掘し、多くの雇用を創出して若者など様々な人材の地元での就労機会を増やしていきたいと考えているのが現状です。
プログラム参加者(起業家/起業家候補)が求めていること
一方で、プログラム参加者が求めていることは、最初からグローバル視点を持ったスタートアップの起業について体系的に学べビジネスアイデアを具現化できるきっかけです。小規模自治体でも地元もしくは移住して事業を立ち上げようとする方は一定数いることがわかりました。
Japan Rising City Acceleratorについて
btraxは、上記のような課題やニーズを受け、「Japan Rising City Accelerator」というプログラムの提供を開始しました。本プログラムは、地方自治体や地方の創業支援団体を対象としています。
グローバル起業家育成を通じて、地方から世界に挑戦する人材やスタートアップ企業の輩出を目指し、地域の活性化に繋げることが目的です。

Japan Rising City Acceleratorの公式LPはこちら
Japan Rising City Acceleratorにおける3つの軸
Japan Rising City Acceleratorには3つの軸があります。
- 知識:スタートアップはグローバル展開に必要な知識を習得します。
- 実践:デザイン思考の体得やピッチを通じた実践的なスキルを習得します。
- 架け橋:サンフランシスコ/シリコンバレーとの関係構築を支援します。
また、オンラインで行う国内研修と、現地に赴くサンフランシスコ・シリコンバレー研修の2部構成となっています。
国内研修プログラムでは、海外等への事業展開を目指す自治体の方を 対象に、最低限必要となるグローバルビジネスへの知識、 シリコンバレー流のデザイン思考から発想するスタートアップビジネスアイデア、スタートアップマインドセットを形成します。
主なポイントは以下の4つです。
- スタートアップに関する基礎知識
- グローバルコミュニケーションのコツ
- 投資家たちの視点
- デザイン思考を用いた生活者視点からのアイディア発想
一方、サンフランシスコ・シリコンバレー研修プログラムは、グローバルな視点や考え方を養い、 現地でのフィールドワークやワークショップを通じ、新しい気づきを習得するプログラムです。
主なポイントは以下の4つです。
- フィールドワークを通じたグローバルなビジネス環境の理解
- スタートアップ訪問や現地でのネットワークの構築
- 現地のデモイベントやピッチコンテストへの参加
- フィードバックをもとにしたサービスモデルの改善
実施することによる自治体へのメリット
昨今、地方自治体が起業家支援事業を実施することは、珍しいことではなくなりつつありますが、中小規模の自治体では、興味はあるが実施できていないという自治体もあるのではないでしょうか。
本プログラムを地方自治体が実施した際のメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 地方からグローバルに活躍できる起業家人材の育成
- シリコンバレーとのコネクション確立
- ビジネス創業の地としての対外的なPR効果
1. 地方からグローバルに活躍できる起業家人材の育成
スタートアップにおいて、同じプロダクトを作る場合でも対象が国内市場だけか、グローバル化でその後の展開の可能性が大きく異なります。
その一例として、スタートアップの中でも特にユニコーン企業に共通している点としては、最初からグローバル市場を念頭においてビジネスを展開しています。
プログラム参加者は、グローバルを視野に入れたスタートアップでビジネス展開するためのマインドセット変革、基本的な知識を得ることができるようになります。
2. シリコンバレーとのコネクション確立
サンフランシスコ・シリコンバレーエリアは、言わずと知れたスタートアップの聖地です。コロナ禍を経てもその事実は変わることなく、今でも水面化で着々とスタートアップが育っています。
サンフランシスコ・シリコンバレーでは、起業家以外にもVC、エンジニア・デザイナーなど優秀な人材が多数生活しています。そして、オープンマインドな文化を持つサンフランシスコでは人とコラボレーションしやすい環境が整っています。
弊社btraxを起点として、自治体及びプログラム参加者は、ベイエリアへのネットワークへコネクションが確立できることで、グローバル展開に向けたハブを得ることができます。
btraxは、2004年にサンフランシスコで創業以来、現地でのネットワーク・コネクションを数多く持っています。また、スタッフが実際に生活していることで、現地の最新トレンドをキャッチアップして還元することが可能です。

コロナウイルス流行以前にサンフランシスコで開催したbtrax主催のピッチイベント、”SF Pitch Night”の様子
3. ビジネス創業の地としての対外的なPR効果
昨今は、関連人口という言葉が話題になっていますが、まさに関係人口を増やしていくこともこのプログラムの目標であり、期待できる効果です。地元で実際にスタートアップを起こす人が増えていくことで、メディア露出や人材交流が促進されます。
そして、その都市がスタートアップ支援に力を入れているという対外的な認知度が高まることで、スタートアップ支援に積極的な都市だという広報PR効果が期待できると考えています。
まとめ
これまで培ってきたプログラム運営経験からJapan Rising City Acceleratorは誕生しました。
地方創生事業の一環として、何かアクションを起こす必要性を感じている一方で、予算や実施するための運営力が不足している。このような課題感を感じてる地方自治体のサポートをしていきたいと考えています。
btraxでは3月8日に、Japan Rising City Acceleratorのリリースに際して、日本におけるスタートアップ先進都市である福岡市からゲストをお招きし、イベントを実施します!
詳細は以下をご覧ください。