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どうしたら好きなことが見つかりますか?
これまでの経験上、起業を目指している人や、これからの進路を考えている学生に聞かれる質問で一番多いのがおそらくこれだろう。自分自身の場合、子供の頃からの物作りに対する興味と、大学生時代に強烈に好きになった「デザイン」という世界を知ることができたため、そこまで悩む必要がなかった。 それもそのはずで、高校生になる頃には自分が興味のない事を学ぶことに対してエネルギーを注ぐ事を諦めてしまったから。それ故日本の大学に入ることは出来なかったが…。 関連: 文系、理系、オレ何系?

エリートの方が好きな事が見つかりにくい?

その一方で、上記の相談される多くの方々は、世の中では「エリート」のくくりに入る。ということは、学校での成績も良く、受験にも成功しているだろう。おそらく学校での面白くない授業に耐え、上手に得点を取る能力がついてるはず。そうなると、やりたくない事でも我慢出来るように育って来てしまっている可能性が高い。 強烈に好きなことを見つけるために、自分が嫌いな事や、やりたくない事をはっきりとさせ、好きなことだけを抽出する方法がある。 もし、日本の学校教育の中で、好きじゃない事を我慢してやる習慣を作っちゃってるとすれば「なんとなく良いなと」は思う事があっても、「強烈に没頭したくなるもの」が見つかりにくくなってる可能性もあるのではないかと感じた。

好きと言っている割には...

逆に、「これが好きです!」とはっきりと言える人の中にも、実は「本当?」と思ってしまうケースも少なくない。例えば、デザインがめちゃ好きだと言っている割には、これまでに少しもデザイン的なことを一切やっていない場合だったり、スタートアップに興味があるらしいのに、バリュエーションの意味を知らなかったりなどがそうだ。 これはもしかしたら、これまで育ってくるプロセスの中であまり好きではないことでも、本能的に我慢する事を覚えてしまって、逆に強烈に興味の湧く事柄にも反応しにくくなってきている可能性がある。一言で言うと「我慢しすぎ症候群」なのかもしれない。 参考: それは本当に自分が好きな事ですか?

起業はやりたくない事から逃げ出すための一つの手段

これは自分の場合も含め、多くの起業家にありがちなケースなのだが、会社を始める理由自体が、自分のやりたいことの実現、もしくはやりたくない事を避けるための手段だったりもする。しかし、実はビジネスを行う際には、強烈にそれに対して誰にも負けないぐらいの情熱がなければ続かない。 それに関して、スティーブ・ジョブスが下記の様に答えている:

“物事を成功させるには、情熱が必要だと言われているが、これには完全に同意する。なぜならば、強烈な情熱が無ければ、真っ当な人であれば途中で投げ出してしまいたくなるぐらいに、しんどいからである。”

参考: Appleを1兆ドル企業に成長させた6つのデザイン哲学

LikeではなくLoveを見つける

ジョブスが語る通り、もしあなたがこれからビジネスを始めようと思っているのであれば、それに対しての強烈な愛情 (Love) を持つ必要があるだろう。これは、漠然とした好き (Like) では成功するのは非常に難しいだろう。なぜならば、同じ様なビジネスをやっている人がいる場合 (珍しいケースではない) 愛情の強さの差が命運を分ける事が多々あるからだ。

やりたい事を見つける4つの方法

ではどの様にしてLoveを感じる事柄を見つける事ができるのであろうか?実はその方法は1つではない。ついついその内容に注目しがちであるが、実は他の方法を含めると意外な所に”やる気”が隠されていたりする。

1. やっていて楽しいことをやる (What)

好きを仕事にするを実現するための方法。趣味を仕事にするのもこれ。自分自身もこのケースで、元々デザイナーとして働き、大好きなデザインを仕事にするためにデザイン会社を始めた。やる事自体が自分が好きな事であるので、当然の様に仕事にも高い情熱を持って取り組める。と思いがちなのであるが、ここに一つの落とし穴がある。 好きな事を仕事にしたとしても、現実的には好きなことは5%程度で、残りの95%はやりたくない事の連続である事が多い。 例えば、デザインがやりたくてデザイン会社を始めてみたら、好きなデザインをできる時間は5%もなく、ほとんどが経理や人事などの経営に関するタスクに時間が取られ、純粋に好きなことに没頭できる時間は少ない。 それでも、その5%ぐらいの快楽のために、その他の95%の時間が苦にならない状態を維持することは可能である。その一方で、この強烈に好きな5%がなければ、到底続かないだろう。加えて、これだけでは情熱を維持し続けることは至難の技であり、下記のその他の理由もモチベーションになるべきであると感じる。

2. なぜやるかにフォーカスする (Why)

何を仕事にするかよりも、なぜそれをやりたいかに注目することで、やりたい事を見つける方法。そのビジネス、もしくはサービスを通じて自分の周り、そして世の中がどの様に変わるのか、を重要視する事で、手段よりも目的を明確にする事が可能になる。 例えば、先週、サンフランシスコでコオロギを原材料にしたチップスを製造販売するスタートアップのファウンダーに会った。そう、昆虫のコオロギ。通常であれば誰もが一瞬で"ありえない"と思える様なアイディアである。 しかし26歳の彼女は、コオロギに含まれる豊富なタンパク質と、それによる世界的なエネルギー問題の軽減、そして、今後確実に発生すると思われる食糧危機を救うために、そのビジネスに対して誰よりも強い情熱を持っている。 この様に、特にプロダクト自体に強烈な情熱を持っていなくても、それが生み出す世の中に対してのポジティブな影響に強い意識が働けば、それが大きなやる気に繋がり、自分の人生を捧げる価値のある事柄を見つけ出すこともできる。

3. どうやるかにこだわる (How)

意外と盲点なのが、仕事のやり方にこだわることでやりたい事が見つかると言うパターン。これはむしろ見つかると言うよりも、見出すと言った方が正しいかもしれない。どんなに単純な作業や、一般的には退屈だと思われている仕事内容だったとしても、そのサービスレベルやプロセスにこだわりを持つことで、やりがいを感じる方法。 例えば、毎日工場での単純作業だったとしても、どれだけ正確に仕事をこなせるのか。機械にもわからない方どの繊細なズレを認識し、世界最高峰の製品を作り出すことに強い情熱を注ぐ事ができるのであれば、それは天職になるかもしれない。 逆に考えると、仕事が楽しくないのではないく、楽しいやり方をしていないだけなのかもしれない。どんな仕事であったとしても、最高品質を目指す事で、それがいつの間にかやりたいことになるケースもあるだろう。 そして、一つの事をひたむきに続けていれば、周りから声がかかり、大きな仕事に繋がるかもしれない。見ている人は見ているので、チャンスの方からやってくる事もあるだろう。 参考: 日本の技術力が世界的にすごい本当の理由

4. 誰のためにやるかを考えてみる (Who)

そして重要な最後の一つ。それは、誰のためにその仕事をやるかと言うこと。自分以外に助けたい人や、救いたい人、そして、この人とだったらとことん一緒にやっていきたいと思わせる人がいるなどの、”だれ”がモチベーションの根源にあるケース。 例えば、病気がちな家族で育った人が世の中の病気を減らすために医者になったりするものこのタイプ。必ずしも自分自身がやりたいことでなかったとしても、誰かために情熱を傾ける事が可能である。 もう一つの”Who”でやりたい事を見つける方法に、誰と仕事をするかががあるだろう。その例が、本田宗一郎と二人三脚で本田技研 (HONDA) を作り上げた藤沢武夫だろう。本田宗一郎に惚れ込んだ彼は、HONDA共同創業者として経営全般の業務を行なっていた。 そのおかげで、本田宗一郎は工場で自分の好きなことだけに没頭する事ができた。その藤沢が本田の人間性を目の当たりにし「その瞬間、彼は私の人生を支配したのだ。」と語っているほどである。本田宗一郎の存在が藤沢の生きがいとなったのだろう。 たとえ自分が一番やりたい事でなかったとしても、自分の家族を喜ばせたいとか、愛する者たちのために命をかけるのもありかもしれない。

まとめ:「やりたい事 = 好きな事」じゃなくても良い

以外にも、やりたい事を見つける方法は複数ある。ついつい”何 (What)”にフォーカスしがちであるが、それ以外にも、なぜやるか、どうやるか、誰のためにやるか、もモチベーションを上げるための重要な要素であり、これらを複合的に見つける事ができれば、強い情熱を持つことも可能かもしれない。 ちなみに、これがスタートアップの創業チームの場合は、その一人一人のモチベーションの根源が下記の様に異なっている事も有りである。 例:ファウンダーたちのモチベーションの根源が違うのもあり
  • CEO (ハスラー) : ビジネスを通じて社会的問題の解決 (Why)
  • エンジニア (ハッカー) : 世界最高レベルのテクノロジーを活用てプロダクトを作ってみたい (How)
  • デザイナー (ヒップスター) : 世の中の多くの人が使ってくれるサービスを提供したい (What)
しかし、彼らファウンダー達には「サービスを通じで世の中を変える」と言う共通のビジョンがあるからこそ、一つのチームとして機能する事が可能になっている。 冒頭のジョブスの言葉にもある通り、高いレベルで何かを成し遂げるには、それに対しての強烈な情熱が必要になる。もしかしたら、それは探すものではなく、自分の中にすでに存在しているのかもしれない。 それを見つけるための方法も一つだけでは無い。何をやりたいかに迷っている場合は、複合的な角度から考えてみるのも一つの方法だと思う。  

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

【デザイン × 経営】ビジネスにおけるデザインの価値を追求する7人の起業家

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私たちの生活の中にはスタートアップによって生み出されたサービスが溢れている。TwitterやAirbnb、YouTubeはその一例だ。これらのサービスを今まで一度も使ったことが無い人が居れば、逆に興味深い。それくらい世の中へと急激に浸透した。 そんな上記の3つのスタートアップに、ある共通点があることをご存知だろうか。それが「創業者がデザインバックグラウンドを持つ」という点である。 「デザイナーがビジネスを興すなんて。」そんな風に思う人も居るかもしれない。しかしデザイナーが起業することはむしろ自然な流れだと言って良いだろう。なぜならスタートアップは「ある問題を解決する」というところから始まる、と同時に私たちbtraxの定義するデザインの意味は「問題解決」であるからだ。 これらのスタートアップの急成長はビジネス的に解く価値のある問題に対してデザインプロセスが大いに有用だということの証明でもあるだろう。 そこで今回の記事では、デザインバックグラウンドを持ちながら起業し、成功した人物を7人紹介したい

Brian Chesky / Joe Gebbia

Airbnb

airbnb founders デザイナーが立ち上げた会社としておそらく一番有名なのが「Airbnb」だろう。「Airbnb」とは世界中の人と部屋の貸し借りが出来るコミュニティー・マーケットプレイスだ。今や旅行を決めたらまず訪れるのはホテル比較サイトではなく「Airbnb」のウェブサイトという方も多いだろう。 創業者のBrian Chesky / Joe Gebbia / Nathan Blecharczyk のうち、Brianと Joe は RISD(リズディ:ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)出身のデザイナーである。美大のハーバードとも呼ばれる有名校であるRISDで出会った2人に、本家ハーバード大学でコンピュターサイエンスを学んだNathanが加わり、「Airbnb」は生まれたのだ。 「Airbnb」はUberらと共に、近年最も注目されているシェアリングエコノミー市場を確立した。彼らは「信頼関係のデザイン」によって、「現地の人の家に泊まる」という今までに無い体験を実現したのだ。 この体験設計は創業者がデザイナーだったからこそ実現出来たということに疑いは無いだろう。詳しい内容は以前の記事(デザインがビジネスに与える影響 〜収益週200ドルのAirbnbが急成長した秘訣とは〜)に譲りたい。 airbnb UI 関連記事: ロゴのリデザイン ー なぜGapが失敗しAirbnbが受け入れられたのか デザイン最優先のAirbnbがユーザー獲得のために行う3つのマインドセットと4つのコアプロセス

Evan Sharp

Pinterest

evan sharp FacebookにTwitter、最近はInstagramが大流行中。そんなSNS全盛の時代に、特にデザイナーから圧倒的な支持を得るSNSがある。それがここサンフランシスコ発の「Pinterest」だ。 まるで写真をアルバムに貼っていくように、ネットで見つけたお気に入りの写真を保存、分類、共有することの出来る「Pinterest」の魅力は何と言ってもそのデザイン性。ファッション雑誌のようなインターフェイスは多くのデザイナーをユーザーとして獲得してきた。 pinterest UI ↑まるでファッション雑誌のような「Pinterest」のインターフェイス そんな「Pinterest」の共同創業者であるEvan Sharpもデザインバックグラウンドを持ち、「デザイン経営」を実践する1人。コロンビア大学院で建築を学んだ後に、Facebookでデザイナーとして活躍してたEvanは、勤務時間外の空いている時間にあるサービスを仲間と作っていたという。そのサービスが後に「Pinterest」となったのだ。 関連記事: 優れたUXを生み出す鍵はオフィスにある【インタビュー】Pinterest ケイティ・バルセロナ氏

Chad Hurley

YouTube

chad hurley もはや我々の生活に無くてはならないサービスとなった「YouTube」。「YouTuber」と呼ばれる新しい職種をも生み出し、小学生のなりたい職業ランキングで堂々の6位にランクインしたことは記憶にも新しい。また今や大手企業でYouTube上でチャンネルを持っていない企業を探す方が難しくなった。大人から子どもまで、非常に馴染みの深いサービスであることの証明である。 そんな「YouTube」の創業メンバーの1人もデザイナーである。共同創業者のChad Hurley は大学で美術を専攻した後、「YouTube」の立ち上げ前まではPayPal でデザイナーとして活躍していた。Paypalのオリジナルのロゴは彼によるデザインだ。その後、PayPalでの同僚であった、Steve ChenとJawed Karim と共に「YouTube」を立ち上げたのだ。 「YouTube」誕生のきっかけはあるパーティーでの出来事だという。ある日ChadはSteveと共に自宅でパーティーを開いていた。そのパーティーでビデオ撮影をしていChadはそれを参加者全員に送ろうとしたのだが、彼のビデオは高性能だったが故に容量が多く、何度やってもエラーになってしまったという。 そんな問題を解決する為にウェブサイト上で動画をシェア出来るようなサービスを思い付いたのだ。もし彼がそのパーティーで動画撮影をしていなかったらそんな問題にも気付かなかっただろう。 そして仮に同じ問題に気付いたといたしても、彼がデザイナーでなければ、ここまで成長するサービスになっていなかったかもしれない。YouTubeが爆発的に普及した2006年に執筆されたTime誌の記事によると、世の中に受け入れられた理由は「簡単さ」と「格好良さ」のバランスが良かったことだったという。 更に、「必要な動画はそこに存在しており、ユーザーはそれを探すだけ」という体験は、まるで大型スーパーマーケットを訪れる体験を想起させた。これらはデザイナーだからこそ設計出来た体験だと言えるだろう。 余談であるがこの頃のPayPalには今や世界を代表する起業家が多く在籍していた。TeslaやSpace Xの創業者であるElon MuskやLinkedinを作ったReid Hoffmanなど今のスタートアップ業界の重鎮たちが多数。彼らはPayPalマフィアと呼ばれている。もちろん、「YouTube」を立ち上げた3人もそのメンバーだ。 PayPal mafia ↑PayPalマフィアたち。世界を代表する起業家たちであることに気が付く。

Stewart Butterfield

Flicker / Slack

Stewart Butterfield オンライン写真の保存・共有サービスの草分け的な存在である「Flickr」 。すべての写真をクラウド上で管理し、友達同士でフォローし合うことでタイムライン上に表示される仕組みは今でこそ見慣れたものになったが、誕生当初は画期的であった。 競合であったSmugMugに買収されるなど、FacebookやInstagramの勢いに押されて衰退を余儀なくされたが、「Flickr」は写真共有サービスというジャンルを築いた会社であることは間違い無い。 企業向けチャットツールの「Slack」。ベイエリアでは導入していない会社を探す方が難しいほど普及率の高いチャットツールだ。その魅力はなんと言っても「手軽さ」と「便利さ」で、業務効率を上げたければ何をするよりもまず「Slack」を導入しろ、という声があがるほど。最も成長速度の早いスタートアップだと言われており、デイリーでのアクティブユーザーは800万人、課金ユーザーも300万人にも及んでいる。 slack graph 「Flickr」と「Slack」、この一見何の関連性のないサービスの共通点は何か。それはどちらのサービスもStewart Butterfieldという男が創業者であるという点だ。そしてそんな彼もデザインバックグラウンドを持つ経営者である。 特に「Slack」で実現した「ビジネスコラボレーションハブ」としてのチャットツールのデザインは、UXの観点から見ても非常に優れている。メールよりも簡単で、Lineよりもビジネスマンにとっては使いやすいUIと高い機能性は「Slack」を使ったことがある人は誰しもが頷いてくれるのではないだろう。 関連記事: Slack成長物語 〜世界のユーザーに愛されるプロダクト舞台裏〜

David Karp

Tumblr

daivd karp 手軽におしゃれなブログを楽しめると特にアメリカの若者の間で人気なのが「Tumblr」。デザイン性に加えて、リブログというTwitterでいうところのリツート機能をブログにも持ち込んだことで話題となり、一時期はブログもTwitterも「Tumblr」のせいで衰退してしまうのではないかという声も上がったほどのサービスだ。2013年に米Yahoo!に11億ドル(約1200億円)で買収されてからはパッとしないが、未だに根強い固定ファンがサービスを支えている。 tumblr UI ↑直感的にわかりやすい「Tumblr」のインターフェイス。「手軽さ」と「おしゃれさ」を兼ね備えたデザインだ。 そんな「Tumblr」を作ったのがDavid Karpだ。彼の経歴は有名創業者の中でも一際ユニークである。幼い頃からHTMLを学び、なんと11歳でビジネス向けのウェブサイトを立ち上げたのだ。そして14歳時には、ニューヨークを拠点とするアニメーションスタジオでデザイナーインターンとして働き初めている。その後高校を中退し、子育てサイトサービスの責任者になると、同会社が買収されたことをきっかけに独立。 ソフトウェアコンサルティングの会社を経て、「Tumblr」を創業する。デザインだけではなく、ビジネス・テクノロジーの知識も備えたまさに「天才」であると言えるだろう。

Jack Dorsey

Twitter / Square

Jack Dorsey Jack Dorseyはべイエリアで最も著名な起業家の1人だ。SNSサービスの「Twitter」とモバイル決済サービスの「Square」を創業した彼の名前は、たとえ起業やスタートアップに興味が無くとも一度は聞いたことがあるのではだろうか。 今では起業家としての側面が強い彼も、「Twitter」を始めた当初は実はファッションデザイナーになりたかったという。結局ファッション業界へと進むことはなかったが、PradaやDior Hommeのスーツ、そしてRick Owensのレザージャケットを愛する彼のコーディネートから溢れる美意識は、Tシャツにジーンズの多いシリコンバレーの起業家の中で一層際立っている。 Jack Dorsey fashion ↑ 彼のコーディネートはメンズファッション雑誌GQにも取り上げられるほど 厳密にはデザイナーではないJack Dorseyであるが、昔からデザイン思考実践者だったという意味ではビジネスにおけるデザイナーの考え方の重要性を理解していたといえる。デザイン思考の重要性を伝える1つの要素としてあげられるプロトタイプの実用例は彼の作った「Square」を用いて説明されるとわかりやすい。 btraxのSFオフィスから歩いて5分ほどのカフェでナプキンに書かれたこのペーパープロトタイプが「Square」の一番初めのプロトタイプと言われている。1枚のナプキンから、今や40,000店舗以上で導入されることになったサービスは生まれたのだ。 square prototype

まとめ

デザインバックグラウンドを持つ7人の偉大な起業家を紹介した。これらの成功例を知ると、デザイナーが会社を立ち上げることに対して特別な違和感を抱くことも無くなるだろう。近年急激に高まりを見せる、デザイン思考などのデザインをビジネスの文脈で語る場面にも辻褄が合う。 現代のビジネスにおいて、デザインは無視出来ない。それどころか、むしろ必要不可欠な要素なのだ。 参考記事: 10 Co-Founders Of Tech Companies Who Began As Designers The Designers-Turned-Founders Behind 5 Successful Startups Chad Hurley Story The fabulous life of Jack Dorsey, Twitter's billionaire CEO The YouTube Gurus  

スタートアップのアイディアを考える際の意外な落とし穴

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ここサンフランシスコでは、常に新たなスタートアップやユニコーン企業が生み出されているのは今や言わずと知れた事実になってきている。日本でも耳にすることの多い、UberAirbnbPinterestSlackなどは、まさにサンフランシスコを代表するユニコーン企業である。最近でも世界の常識を覆すようなサービスがスタートアップ企業から次から次に生まれている。 参考: サンフランシスコの主なユニコーン企と評価額 (2018年現在)
  • Uber: $68b (約7兆円)
  • Airbnb: $29.3b
  • Pinterest: $12.3b
  • Lyft: $11.5b
  • Infor: $10b
  • Stripe: $9.2b
  • Slack Technologies: $5.1b
そんなスタートアップがひしめくサンフランシスコにて、先日もスタートアップや起業家の集まるピッチイベントに参加してきた。ピッチイベントとはスタートアップ企業、または起業家が投資家たちに対してアイデアをプレゼンする場である。イベントの規模にもよるが、一晩で数万ドルから数百万ドルと言うお金が動き、スタートアップ企業はそれだけの資金を調達することも可能である。 日本でのイベントと一味違う、その夢と情熱に満たされた会場にはとても興奮した。このようなイベントはサンフランシスコのいたる所で常に行われており、サンフランシスコのスタートアップを生み出す源になっている。 しかし数多くのスタートアップ企業による自慢のプレゼンを目の前で見て、ふと疑問が浮かんだ。果たしてこれらのアイディアは本当に革新的で、どこにも無いすごいアイディアなのだろうか?このような疑問を持ったことのある人は、おそらく私だけではないはずだ。 実はここには、スタートアップが陥りがちなアイデアに関する大きな2つの間違いが潜んでいるように思われる。

間違い1:すごい「アイディア」に過剰に反応してまう

アイデア(idea)という英単語のニュアンスは実は、日本語での「アイディア」と聞いて持つ感覚とは少し異なるように思う。 と言うのも、日本では「アイディア」という言葉を美化し拡大して解釈してしまいがちなのだ。 試しに英和辞書で「idea」と引いてみると、「心に浮かんだ考え」と書かれている。アイディアとは、単に「考えや案」のことであり、必ずしも「スゴい」「革新的な」ものだけではない。あなたが時として考えたり、感じたりする全てがアイデアなのではないだろうか。 日本人はアイデアと言う言葉を耳にした時に、とにかくスゴいものをイメージしてしまう。そして、自分も何かすごいことを思いつかないといけない!と頭を抱え込んでしまうのだ。これは日本人特有な症状のように感じる。 実はアイディア自体がそこまで凄くなくても、すごい結果を生み出すことも多々あるのだ。 参考: クリエイティブな事がそんなにも凄いのか

超巨大IT企業を生んだ些細なアイディア

アイディアとは決して、私たちがイメージしてしまうほど輝かしいものである必要はない。それどころか、もっと単純で、些細なものであることも多い。 今や世界中で21億人(2018年1月時点)という人が利用する、Facebookはもともとマーク・ザッカーバーグが大学内で女の子と繋がるために作った、face mashと言うアプリから始まった。私たちが毎日音楽を聞いたり、動画を観たりしてるYouTubeも最初は創業者の2人がセクシーな動画を送り合いたいために始めたクラウドサービスのようなものだった。 これらはとても「スゴいアイディア」とは、言えるようなものではないことは確かだ。少し偏った例にはなったかもしれないが、これは紛れもない事実なのである。 参考: 小さく始める事の重要さ【Amazon, Facebook, YouTube等】大人気サービスの初期バージョンとは

間違い2:オリジナルのアイディアを必死に探すこと

ところで、こんな経験をしたことはないだろうか。アイディアや意見などを発言しようとして、他の人に先に言われてしまった!なんて経験だ。 このような経験はきっと学校や職場など、人生の様々な場面で誰にでもある経験だろう。こういった場面では「先に言ったもの勝ち」のような風潮がある。まるで山手線ゲームのようだ。 しかし、ここにスタートアップビジネスで陥りがちな、2つ目の落とし穴が潜んでいる。 と言うのも、これはスタートアップにおいて、全く異なるからだ。スタートアップ企業にとって、ビジネスアイディアは必ずしもオリジナルの、世界でたった1つのものである必要は全くない。言い換えれば、スタートアップのアイディアは「先にやったもの勝ち」ではないのだ。

アイディアの被りは関係ない

そのアイディアが自分だけのものかどうかや、それが今までにないビジネスであるか。実はそれらは決して問題ではない。なぜだろうか。その答えはとてもシンプルだ。この世の中に競合のないビジネスなどないからである。 仮にとても革新的なアイデアがあったとして、果たしてそこに競合がいないだろうか?答えは間違いなく「No」である。そのアイディアが狙う市場には、すでに様々な企業やビジネスが存在している。狙う市場の中だけではない。ターゲットの周りには、数え切れないほどのサービスと企業が存在している。あなたはその数多くの企業の競合になる。 これはそのビジネスがすでに存在していても、していなくても変わらぬ事実だ。 少しばかり特殊な例にはなることを承知で言えば、飲食店は非常にわかりやすい。例えばイタリアンレストランがすでにあるからと言って、イタリアンレストランの出店を諦める人はまずいないだろう。 どのようなターゲットを想定していくら位の価格帯に設定して、どのような質なのか、どのように知ってもらい、来てもらうか。その1つ1つが、そのビジネスを成功に導くのであり、アイディアのユニーク性はそこまで関係ない。

むしろ有利な後出しビジネス

もし、同様のコンセプトのビジネスが既に存在していたならば、むしろそれはチャンスである。 なぜなら、あなたはその企業やビジネスが上手くいかなかった、または上手くいっていない理由を分析し知ることができるからだ。 またそのビジネスが過去に存在し、既にサービスを終了しまっているか、どうかも重要な情報だ。あなた自身がもしくはあなたの友人が今そのサービスや製品を利用していないのはなぜだろうか。そこにはあなたのビジネスを成功に導いてくれる、最大の鍵があるかもしれない。 後出しのビジネス例:
  • Google after Yahoo
  • Facebook after Friendster
  • Sketch after Photoshop

スタートアップでアイディアよりも重要な2つのこと

確かにビジネスアイディアは、スタートアップにおいて大切な要素の1つであるし、先行者利益なるものがあることも事実だろう。しかしそれらは大した問題ではないと述べた。 では何が重要なのだろうか?その答えは2つある。

ユーザーニーズを中心にサービスアイディアを考えよう

誰しもビジネスを展開する際には、必ずマーケットやターゲットのリサーチを行うだろう。しかし、これをアイデアの段階で実行できる人は少ない。どんなスゴいアイディアにしようか思い悩むのではなく、簡単なアイディアをいくつか吟味してみることが重要なのだ。 リサーチのコツは、想定されるターゲットにビジネスアイディアを話すのではなく、自ら足を運び、耳を傾けることだ。ターゲットを知ることができれば、どこに競合がいて、どこにチャンスがあるのかを知ることができるだろう。そうすれば、アイディアが既に存在するかなどは、全く気にならなくなるはずだ。 これはデザイン思考のプロセスであり、btraxが企業に提供するワークショップの中でも多く用いられている。

何をよりも、どうやるか

そして何よりも大事なのは、あなたのアイディアをいかに成功へ導くかである。当然だと言われてしまいそうだが、これは意外とちゃんと理解されていないことも多い。 アイディアは時として、いとも簡単に模倣されてしまう。特に強いブランドを持った大企業などにマネされてしまえば、あっと言う間にビジネスチャンスを奪われてしまうかもしれない。つまりアイディアはアイディアでしかないし、それ自体に大きな価値はない。 これに対し、あなたが行ったやり方、戦略はあなたにしかできないやり方になる。全てはあなたが、どうやったか次第なのである。

最後に

ここで最後に、Dropboxの創業者が実際にピッチイベントで投資家と行ったやりとりを、1つ引用したい。

投:他にも似たような企業がある中で、なぜ私はこの企業に(Dropbox)に投資したらいいのですか? 創:確かに他に似たような企業はたくさんあります。しかしあなたはそれらを使っていますか? 投:いいえ 創:それはなぜですか? 投:良いサービスではないから。 創:OK。それがDropboxが解決する課題です。 (*投資家:投 創業者:創)

そしてご存知であろうようにDropboxは、現在日本を含む世界中の国と地域で、5億人を超える人に利用されるサービスとなっている。このやりとりからDropboxが成功した理由に、アイディア自体がそこまで重要ではないことがわかる。 今回はスタートアップの話を中心に取り上げたが、これらはスタートアップに限った話ではない。アイディアを求められる場面は、ごく頻繁に訪れる。しかしどのような時であれ、アイディアとの向き合い方をもう一度考え直すことは、今までになかった可能性とチャンスを、あなたにもたらすかもしれない。 ちなみに、弊社では昨年、一昨年に引き続き今年も福岡市のスタートアップ育成事業に携わっているので、世界を舞台に新しいことにチャレンジしたい方はぜひウェブサイトをチェックして頂きたい。 参考: Startup Ideas: How do you know if your startup idea already exists? (Quora)

福岡スタートアッププログラムに学ぶ起業家に必要な4つの基本事項

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素晴らしいビジネスアイデアがあっても、「起業など自分にできるのか」と自信が持てなかったり、「そもそも何をしたらいいのかわからない」とそのエネルギーを持て余したりしている人は多いのではないだろうか。リスクを恐れる風潮が根強い日本ではその傾向が尚更強いように感じる。 しかし日本にもスタートアップが次々と生まれている地がある。福岡だ。外国人のためのスタートアップビザの発行や、東アジアや欧州のスタートアップ支援機関との提携など、日本のなかでもスタートアップ誘致を積極的に進めている代表的な都市である。 同時に福岡在住の起業家予備軍とのコラボレーションを進めることで福岡発のグローバル企業を生まれやすくする土壌の創生を積極的に進めている。 この動きに大きく貢献しているのが、グローバルスタートアップ育成事業「Global Challenge!! STARTUP TEAM FUKUOKA」だ。これは福岡市主催で2年前にスタートした起業家を育てるプログラムで、起業を真剣に考える起業家予備軍の発掘や、福岡発のスタートアップの輩出、そして福岡発の起業ムーブメントの醸成という目に見える成果を実際に出している。 btraxでは、福岡市からの委託を受けて、2年前のスタート時点からこの事業の企画・運営を担い、多くの起業家、あるいはその予備軍の方々と関わってきた。この記事では、起業家にとって必要な4つの基本について、福岡スタートアップ事業の事例をご紹介しながらお伝えしたい。 関連記事:開業率日本一! スタートアップ・ムーブメントを生み出す福岡市の取り組み【DFI2017より】

1.自分でも起業できると思う

雲の上のような超有名企業の社長さんの講話を聴くことは、それはそれで一理あるかも知れない。しかしそれよりも実際に自ら起業し成功した経験者から、起業に至るまでのプロセスを聞いて学ぶということが重要だ。 そして、その学びを通じて起業を現実的に捉え、「自分にもできる」という自信を持つことがまずは起業のスタート地点である。 実際に福岡のプログラムでは、地元で成功している起業家はもちろん、東京やサンフランシスコから招聘した起業家によるパネルディスカッションを実施。ノートとペンを持った座学ではなく、起業家と言われる人たちや専門家の人たちと実際に話してもらうため、モデレータによるQ&Aセッションも導入した。 fukuoka global challenge1 ↑国内研修にて行った福岡にゆかりのある起業家の皆さんとのパネルディスカッション。左からbtrax Japanの多田、ドレミングの桑原氏、スカイディスクの橋本氏、しくみデザインの中村氏、ヌーラボの橋本氏 fukuoka global challenge2 ↑市民報告会にて行ったマネーフォワードの瀧氏とBrandonによるパネルディスカッション 結果として、参加者は起業をより身近に感じた、あるいは「自分にもできそうだ」と感じたことがアンケート結果からわかった。また、この段階で得た多くの経験談は今後起業の過程で参考になることも多いだろう。その意味でもできるだけ多くの経験者の話を聞いておくことをおすすめする。

2.短時間でビジネスアイデアを説明できるようになる

せっかく素晴らしいビジネスアイデアを持っていても、それを上手く人に伝えられない人は多い。ビジネスは一人で出来るものではない。手伝ってくれる仲間も必要だし、起業するためには資金も必要だ。いくらアイデアが素晴らしくてもそれをうまく伝えられないのでは起業への道のりはかなり険しくなる。 起業家に不可欠なのは効果的なプレゼンテーション方法の体得だ。ビジネスアイデアをまとめ、短時間でアイデアのエッセンスをどのように伝えるか、そして聞く人の共感をどのように得るか。 これらの習得のため、プログラムではサンフランシスコからbtraxのファシリテーターを呼び、「デザイン思考」を取り入れたセッションを前後2回に亘って実施した。このあたりで、「アイデアが素晴らしければ、起業は簡単だ」と思っている人は最初の挫折感を味わったようだが、案外、最初の挫折がかえって良い効果をもたらすこともある。 workshop ↑プログラム参加者が英語でピッチの練習を行っている様子 ちなみにグローバルを視野に入れているのであればプレゼンテーションでの使用言語はもちろん英語だ。そのため、英語力というよりも、まずは「英語なんて怖くない」という意識を持つことが重要になる。 実際、英語が流暢ではない参加者がプログラムの最後にサンフランシスコでのピッチコンテストで優勝を果たせたのは快挙であった。

3.スタートアップの聖地で度胸とフィードバックを得る

スタートアップの聖地、世界中のVC投資が集まる場所、世界をリードする最先端企業が集まる場所と言えば、サンフランシスコ・シリコンバレーだ。グーグル本社やフェイスブック本社の看板の前でピースサインで記念写真。そして聖地の空気を味わう。そんなことを期待しているのであれば行っても無駄である。 企業を訪問したりイベントに参加したりして、実際にサンフランシスコ・シリコンバレーの起業家や起業家予備軍と話す。また、ピッチイベントに参加して投資家からフィードバックを得る。これらの経験を得ることは自らのスタートアップを始めるうえで何物にも代えがたい財産となる。 ただ、これらを個人で行うのはかなりハードルが高いだろう。実際に個人が企業に訪問しようとしても受け入れてもらえるケースはほとんどない。 btraxにはサンフランシスコでのネットワークがある。プログラムではLinkeIn、Airbnb、Frogなど現地の約16社程度のスタートアップ・ユニコーン企業に協力してもらい、ハードウェア系、アプリケーション系、最新サービス系などを1日に4社程度訪問できる4種類の訪問コースを設定。 訪米研修参加者はあらかじめ行きたいコースを選択し、btraxスタッフアテンドのもと各社を訪問した。大人数で訪問する企業訪問とは違い、それぞれの訪問先で各自が聞きたいことを聞くこともでき、参加者からの評判は非常に良かった。 openhouse-airbnb ↑Airbnbの本社を訪問し、オフィスツアーやAibnb社員との質疑応答を行った さらにサンフランシスコでは頻繁にピッチイベントが開催されているが、btraxもピッチイベントAsianNightを主催している。 現地のスタートアップが参加するイベントだが、ここで訪米研修参加者用の枠を設定した。英語で、ピッチを聞くのに慣れた現地の観客の前でのピッチである。福岡からの参加者にとっては度胸付けという意味でも最高の場だ。 結果として、プログラム参加者のなかからこのAsianNightで準優勝者、翌日に飛び入りで参加したShark Tankという別のピッチイベントで優勝者を出したことは我々運営側にとっても嬉しいことであった。 Asian-night ↑Asian Nightのピッチ登壇者たち

4.起業に必要な事務知識を身につける

ビジネスアイデアとプレゼンテーションスキルだけではまだ起業できない。会社設立のための法務知識や資金集めについての知識が不可欠になる。 もちろん、起業のための法務や資金集めのノウハウについての書籍などは多く出版されているので、自身でコツコツと勉強するのも良いかも知れない。しかしながら、起業というのはスピードとの勝負でもある。 そこで「必要な知識を素早く理解する」ことが重要になってくる。特にスタートアップ支援専門の弁護士や第一線で活躍する投資家に直接質問できる機会は貴重だ。 プログラムではそんなエキスパートを招き、「弁護士への相談シミュレーション」や「投資家の前でのエレベータピッチ」の時間を多く取ることでそのような機会を提供した。 参加者は彼らが弁護士や投資家に対して持っていた、「直接話す機会がない」「知識が無い状況では相談しづらい」「そもそも相談の仕方がわからない」といったハードルを払拭できたようだ。セッション後のネットワーキングでは、彼らの前に名刺交換ための長蛇の列ができていた。

まとめ

一昨年、昨年と企画・運営を担い、福岡には積極的で物怖じしない、そしてフレンドリーな方々が多いと感じた。起業家にはとても重要な気質である。サンフランシスコ・シリコンバレーのスタートアップを知る我々が福岡はすごいと思った2年間であった。 嬉しいことに、引き続き本年度も「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA 2018」の企画・運営をさせていただくことになった。本年度はさらにパワーアップしたプログラムを企画中である。 すでに本年度の公募が始まっている。スタートアップを興したい方、すでに起業したものの迷走中の方は、是非とも応募してほしい。プログラムの詳細や応募方法などは、ウェブサイトに記載しているので、ご参照いただきたい。