パリコレを陰で支えたヘアメイクや写真家が明かす舞台裏 激変する環境下で闘うプロたち

 新型コロナウイルスの影響により10月に行われた2021年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークはデジタルとリアルの両軸で開催された。スポットライトを浴びる華やかなショーの裏側には、その舞台を陰で支える多くのプロたちがいる。ショーを通じてファッションが持つ夢の力を届けながら、クラスターを発生させることなく無事に閉幕できたのは、彼らが細心の注意を払って仕事をしたからこそである。10月のパリコレは例年と比べて何が違い、舞台裏では何が起こっていたのか。ヘアスタイリストやメイクアップアーティスト、カリグラファー、フォトグラファーに聞いた。

ニコラ・ウシュニール/カリグラファー
コレクション仕事激減を機に新たな分野に挑戦

Q.ファッション・ウイークでの主な活動内容は?

A.ブランドが発送するショーの招待状に住所や名前、座席を手書きするカリグラファーとして17年前から活動しています。毎シーズン、パリコレに参加するほぼ全てのブランドと仕事をしていて、1シーズンに約6万枚の招待状を書いていました。

Q.今季は仕事内容がどのように変化した?

A.多くのブランドがデジタル発表に切り替えたため、仕事量は大幅に減りました。リアルのショーを開催したブランドも電子メールでの招待状に変更したり、招待客を減らしたりしたため、今季書いた招待状は約2000枚。これまで招待状としてガラスやレザーなどをさまざまな素材が使われていましたけど、今季はシンプルな紙の素材が多かったです。

Q.今後のファッション・ウイークに期待することはあるか?

A.今季はパーティーやイベントも自粛だったのでパリコレらしくなかったですね。早く安全が確保されて、活気に満ちたファッション・ウイークが戻ってくることを願っています。僕の仕事は減ったけれど、建築やインテリア、フードなどモード界以外で活動の幅を広げていて、パンデミックを機に新たな分野にどんどん挑戦していきたいです。

前田麻美/ヘアスタイリスト
テーブル間の仕切りで作業は1人きり

Q.ファッション・ウイークでの主な活動内容は?

A.ショーのバックステージでヘアスタイリングを手掛けています。10年前からパリコレに参加し、最も多いシーズンで4都市で40ブランドのショーに携わりました。ここ数年はショーに招待された著名人のヘアスタイリングを行うことが多くなりました。1シーズンに4〜5人の女優を担当し、多数のショーに出席する場合はヘアチェンジを含めて8〜12時間張り付くこともあります。

Q.今季は仕事内容がどのように変化した?

A.フランス以外からの著名人が渡航を自粛したため、今季はリアルのショーを実施した「エルメス(HERMES)」と「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」のバックステージで仕事をしていました。

Q.バックステージの変化は?

A.メイクとヘアを行う各テーブルの間は透明のアクリル板で仕切られていました。通常ならヘアを複数人で仕上げるのですが、その仕切りによってスペースが縮小されたため1人で作業しました。バックステージでは常時マスク着用が義務化され、会場に到着するとブランドが用意したマスクに付け替えるという徹底ぶり。モデルもショーが始まるギリギリまでマスクを着けていたため、メイクアップアーティストは直しが何度も必要で大変そうでしたよ。バックステージの様子を写真撮影するのは通常時でも禁止されていますが、今季は注意書きの紙が配られたり、スタッフが見回りチェックしたりするほど特に厳しかった。ケータリングの食事がいつものビュッフェ形式ではなく、個別包装された軽食を各自が注文して受け取る形式で、行列ができていたのも今季を象徴する光景でしたね。

Q.今後のファッション・ウイークに期待することは?

以前のようにリアルでショーを開催することが難しくなったけれど、各ブランドがデジタルで世界同時配信する様子にパワーをもらいました。今後はフロントローのような臨場感を味わえなくても、シーズンテーマやブランドの世界観、素材の質感、そこに携わるヘアメイクの繊細なこだわりを伝えていけるようなショーやプレゼンテーションが増えてほしいなと期待しています。

長嶋加奈/メイクアップアーティスト
いつもより空間が広く快適に

Q.ファッション・ウイークでの主な活動内容は?

A.メイクアップアーティストとしてショーのメイクを手掛けています。2012年1月に初めてアシスタントとしてパリコレに携わり、16年9月からはメイクアップアーティストとして参加し続けています。ロンドンとミラノ、ニューヨークのファッション・ウイークでも仕事をし、多いときで25ブランドのショーを担当しました。パリでは一番多いシーズンで10ブランドを手掛けました。

Q.今季の仕事内容は?

A.ミラノで「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の3ブランド、パリで「ディオール(DIOR)」「クロエ(CHLOE)」「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」「エルメス」「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の6ブランドに参加しました。

Q.バックステージで見られた変化は?

A.ブランドによっては事前に新型コロナウイルス陰性の検査結果の提出や、健康状態に関する書類にサインを求められました。会場に入るときにはFFP2マスク(FFP2はヨーロッパが定めたEN規格に適合したマスクで、日本の防じんマスクのDS2に相当するもの)や医療用マスクが配られました。各テーブルには自分専用の消毒ジェルとフェイスシールドが用意されており、メイク用具には常時アルコールスプレーをかけるなどそれぞれが自己責任で万全の注意を払っていました。通常時のパリコレのバックステージは狭く密集状態で、1テーブルを2〜3人でシェアするような状態が当たり前でしたが、今季は感染対策で空間が広くなり、1人1テーブルや2人で大きいテーブルを使うなど、いつもより快適に仕事ができましたね。

Q.今後のファッション・ウイークに期待することはあるか?

A.10月は開催されるのかギリギリまで懸念されていたましたけど、各方面の努力で無事に開催されたのはうれしかった。やはりファッションショーは私にとって季節の変化を感じられるビッグイベントであり、ファッション・ウイーク中には世界各国の人と会うことができる貴重な機会ですから。来季以降も無事に続けられることを祈っています。

アシエル・タンベトヴァ/「STYLE DU MONDE」主宰、フォトグラファー
たった1人の「シャネル」バックステージ撮影

Q.ファッション・ウイークでの主な活動内容は?

A.2008年にアントワープでストリートスタイルを撮影し始め、その後すぐにパリコレにも参加して世界各国へと活動範囲を広げました。現在も各国のファッション・ウイークでストリートスタイルやバックステージを撮影しています。

Q.今季は仕事内容がどのように変化した?

A.渡航制限のため、ミラノとパリでしか撮影を行えなかったんです。ニューヨークとロンドンには参加できず、私の長年のルーティーンが崩れたのは初めて。

Q.今季の現場で見られた変化は?

A.通常のスケールとは異なっていたけれど、仕事が継続できたことはとてもうれしかった。 会場の外で待ち構えるフォトグラファーの人数や、招待されるゲストも明らかに少なかったですね。でも、そのおかげで私たち全員がいつもより安全な環境で仕事をすることができました。マスク着用の義務にはみんなが従い、ガイドラインを可能な限り守ろうとする姿勢が見られました。 バックステージは各ブランドの安全対策がとても厳しく、わずかな人数のフォトグラファーしか入場を許可されていませんでした。「シャネル(CHANEL)」は私1人だけでしたから。

Q.今後のファッション・ウイークに期待することは?

A.2021年は正常通りに戻ってほしいですね。

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ファッション業界のコロナ禍での求人減 転職・副業事情をプロに聞く

 2020年はファッション業界にとって波乱の1年だった。コロナ禍での緊急事態宣言の休業や、外出自粛によって実店舗を主軸にしたビジネスが苦戦。ブランド事業の休止や縮小が見られることもあった。ポジティブな面に目を向けるとオンライン販売でのEC事業が急成長し、都心よりも地元でのショッピングが見直され、売り上げを伸ばした企業もあった。また、働き方も多様化し、リモートワークや副業解禁も進んでいる。

 アパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス(CREDENCE)」が発表した2020年9〜11月のアパレル・ファッション業界の求人数は、前年同期比で全体約16%減、正社員求人は約8%減、契約社員求人約44%減と、前年割れが目立った。都心の販売職の求人は減っているものの、EC事業の好調により、IT関連の求人は増加傾向にあるという。

 ここでは「クリーデンス」の河崎達哉・事業責任者に、ファッション企業のコロナ禍における求人の状況や2021年度の見込みについて聞いた。

ラグジュアリー、リユース、スポーツの採用は堅調

WWD:この1年の求人状況は?

河崎達哉(以下、河崎):コロナによって、パンドラの箱が開いたようにアパレル・ファッション業界の構造問題が溢れ出し、求人にも反映されたという印象だ。各社の人事担当者は採用よりも、今いる人員の最適化を重要視していた。採用エリアでは都心が厳しいなか、郊外や地方は相対的によく、消費者が車で行ける場所で買い物をするというアフターコロナのニーズが現れていた。また、ラグジュアリーの採用熱は高く、感度の高いコアなファンを掴んでいるブランドはコロナ禍であろうと、強さを感じた。またリユース系の販売職、スポーツアパレル系の採用も比較的好調。ファッションでも領域によって差が出た一年だった。

WWD:去年に比べて、求職者も増えているのか? 

河崎:今年は当社のマーケティング費(広告出稿)を抑えたにも関わらず、昨年と同等の登録者数があった。求職者は2極化しており、現在の会社の状況を見て動かざるを得ない人と、様子を見ている人に分かれる。

WWD:採用される人の傾向は?

河崎:採用する際に「スキル」「人物」「志向性」という基準がある中で、「人物」では企業の目線が高くなってきている。コロナ禍によってこれまでの売り手市場から一気に買い手市場になったことを背景に、採用見送りの理由を見ていると今まで以上に「本当にそのブランドが好きか?」「意志や思いがあるか?」というとこを問う企業が増えている。レジリエンス(困難を乗り越える力)という捉え方では、ブランド愛があれば頑張ることができたり、結果的に長く続けられたりということもあるため、その踏ん張る力を今まで以上に重視しているのだと感じる。しかし、採用見送りの理由で一番多いのは「経験スキルが足りていない」ということ。これまでならチャレンジでも採用できていた人材が、コロナ禍でコストが厳しくなり本当の即戦力を必要とする企業もある。

WWD:今、転職する際に求められているスキルとは?

河崎:販売職ではSNS運用ができるかどうかは重視されているが、ラグジュアリーブランドでは販売力と顧客化力を今まで以上に見ている傾向にある。その人ならでは強みを持っている人は求人マーケットでもニーズが高い。

副業で従業員のキャリアが充実

WWD:フリーランスに転身し業務委託として仕事をする人も増えている。企業も正社員以外での採用が増えているのか?

河崎:増えている。業務委託契約は経営の観点から正社員よりも人件費を抑えられるというコスト削減の面もあるが、チャレンジ採用ができるという点でも注目されている。中堅中小企業では、急にITやECを本格的に着手することになっても正社員で数人採用することはハードルが高い。それよりは週2、3日で出勤できる人と業務委託契約を結んだり、またはあえて他業界のエンジニアを副業で採用したりすることで社内に新たな価値観や刺激を入れることができるというメリットもある。「クリーデンス」で運営するフリーランスのファッション人材と企業をつなぐマッチングプラットフォーム「フレクション(FLEXSHION)」では、登録者が顕著に増えている。

WWD:副業者の数は増えている?副業を解禁する企業の傾向は?

河崎:副業を許可している企業はまだまだ少なく、これから制度を整えようとしている段階にある。副業を解禁する企業の傾向は、デジタル施策への着手も早く、変化をいとわないような印象。職種ではデザイナー、パタンナー、EC・ITエンジニアなどの募集が多く、販売職の副業の事例は当社ではまだない。

WWD:副業を解禁する企業側のメリットとは?

河崎:従業員のキャリアが充実し、その恩恵が企業に戻ってくるということ。閉ざされた環境で働くよりもいろんな刺激があった方が、新しい欲求が生まれるケースもある。従業員が新たなスキルを得られることに加え、前向きに仕事に取り組む姿勢が見られる効能を狙っていると考える。

WWD:2021年の求人の見通しは?

河崎:一定数は回復すると思うが、コロナ前の件数に戻るには数年はかかると思う。引き続きIT・EC系の求人は増えていき、販売の求人増は大きくは見込めないと予測する。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の傾向から、マーケティング、EC、生産管理などのポジションのニーズが高まり、採用の動きは活発化しそうだ。DX担当者と一括りにする中でも、事業の問題点を見つけて経営者を動かす力があるタイプ、ITを導入して運用のPDCAサイクルを回す実行部隊のタイプなど種類は分かれそうだ。

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「ファセッタズム」×「ジョーダン ブランド」 x NBA選手のラッセル・ウェストブルックのトリプルコラボ ラッセルの最新シグネチャーのスニーカーも登場

 ファセッタズム(FACETASM)」は12月28日、ナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」とNBAスター選手のラッセル・ウェストブルック(Russell Westbrook)とコレボレーションした「Jordan “Why Not?” FACETASMコレクション」を発売する。ラッセルのシグネチャーモデル“Why Not? Zer0.4”(1万7500円)やトラックスーツ、ジャケット、フーディー、Tシャツをラインアップする。「ファセッタズム」公式オンラインサイト、表参道店、心斎橋店のほか、2021年1月28日からはSNKRS、「ナイキ」のナイキラボ MA5(NIKELAB MA5)でも取り扱う。

 アパレルは、「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」の定番アイテムのトラックスーツ(4万1800円)、ジャケット(4万6750円)、フーディー(1万7600円)、Tシャツ(6050円)にグリーンやオレンジの配色を施した。ライナージャケットは片側をフリース、もう片側にはナイロンを用いたバーシブル仕様だ。トラックジャケットは、背中から前面にかけてテープをあしらい、背面には“Why Not?” FACETASM”とプリント。パンツにはサイドにサテンのテープやジッパー付きポケットを施して、機能性を高めた。

 ラッセルは「シューズをデザインするときには、自分がどういう人間であるかをしっかりと表現している。このシューズとコレクションは、さまざまな素材を使っていながら、シューズの機能性をしっかりと優先させているところが気に入っている」とコメントした。

 落合宏理「ファセッタズム」デザイナーは「自由で楽しい、という思いを大事にしてもの作りをしている。このコラボレーションもこうした考えを形にしたものに仕上がっている。“Why Not?”が表す精神を反映させ、人々の心を動かすものを作りたいと思った」と語った。

 ラッセルは過去にも「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」や「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」とも協業しており、NBA随一のファッション好きとして知られている。

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真冬にアロハシャツのことを考える男の話

 通年で襟のある服を着る。相手に失礼があってはいけないと考えるからだ。体感が40度を超える真夏のビル街でもそれは変わらない。俄然、アロハシャツが真夏のユニホームの本命となる。つまり東京が熱帯化する4月から10月くらいまで、僕のアロハシャツ着用率は急上昇する。もはや1年の半分以上だ(笑)。しかし、僕以上にアロハシャツのことを考えている人がいることを知った。1999年に沖縄でアロハシャツ専業ブランドとしてスタートした「パイカジ(PAIKAJI)」の吉田康秀チーフデザイナーオフィサー(以下、CDO)のことだ。

WWD:コロナ禍で当社も引き続きリモートワーク中で、2020年はさすがにアロハシャツを着る機会が減った。事業に悪影響は?

吉田康秀「パイカジ」CDO(以下、吉田):ビデオ会議システムを使ったコミュニケーションの増加により、一方でコロナ疲れにより、7~8月はオンライン会議でも夏を意識したアロハシャツを着ようという機運が高まった。そのため、悪影響は最小限にとどめられた。また開襟シャツは沖縄では、かりゆし(“縁起がよい”の意)ウエアとしても認知されており、襟があることで礼節も保てると人気だ。

WWD:「パイカジ」の顧客層について教えてほしい。

吉田:9割が男性客で、中心となるのは40代後半~50代前半のいわゆる“サザン世代(カラオケでサザンオールスターズやチューブを歌う世代)”。プロダクトは100%日本製で、主に沖縄・豊見城市にある自社工場で作っている。平均単価は1万7000~8000円だ。

WWD:アロハシャツを日本生産するブランドはほかにもあるが、「パイカジ」の特別性とは?

吉田:色と構図だ。それらは目から入る情報で、脳科学者いわく脳に与える影響が最も強い。僕は、「パイカジ」のウエアを通じてストレスフリーになってほしいと本気で考えている。またマイナーチェンジはあるものの、アロハシャツの形はほぼ決まっており、感覚的にはキャンバスに近い。だから僕は図案のことを1年中考えている。風景や映画を見ても、アロハシャツの図案に結び付けてしまうのは職業病と言えるだろう(笑)。アロハシャツに関連するものであれば、書籍でもレコードでもとりあえず手に入れてしまう。

WWD:「パイカジ」で図案を考えるのは主に吉田CDOである?

吉田:8割ほどを僕が考える。半期に30~40の候補を出し、そのうち10~15が採用される。3、4の定番柄はあるものの、毎シーズン図案は入れ替わる。

WWD:クリエイティブにおいて吉田CDOが最もこだわる点は?

吉田:アロハシャツの場合、モチーフにはある程度パターンがある。だからこそ色と構図が重要となる。過去に「ドラゴンボール」や「機動戦士ガンダム」とコラボしたこともあるが、そこでも色と構図に注力した。

WWD:アロハシャツは夏の商材だが、冬の活動は?

吉田:変わらない。ありがたいことに、真冬でも那覇・国際通りの直営店や自社ECで「パイカジ」を購入される方は多い。ジャケットのインナーに着たり、さらにその上にコートを重ねたり。こだわりが強い人がリピーターになってくれている。

WWD:13~18年まではイタリア・フィレンツェで開催されるメンズファッション最大の見本市、ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)にも参加した。

吉田:その甲斐あってドイツやデンマーク、スウェーデンにも卸している。「マリメッコ(MARIMEKKO)」に代表されるように、冬が長くつらい北欧の人はファブリックにハッピーを求めるのかもしれない。それも意識して、冬物も“あまり冬っぽくしないこと”を心掛けている。

WWD:国内の主な販路は?

吉田:百貨店なら和光、セレクトショップならディストリクト ユナイテッドアローズなどが中心だ。意外かもしれないがアロハシャツメーカーにとっては12~3月が最も忙しい。夏に向けての仕込みもあるし、営業活動が重なるからだ。

WWD:世の中は引き続き混迷を極めるが、21年に向けた「パイカジ」の抱負とは?

吉田:引き続き着る人、そしてそれを見る人がハッピーになる図案を作りたい。そのためには僕自身が、日常の中でアンテナを思いっきり立ててハッピーの種を見つけられるよう努力しなければならない。

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“若手の登竜門”「第35回イエール賞」でデビューした新星に心奪われる セリーヌ・シェンを見逃すな

 10月に開催された「第35回イエール国際フェスティバル(35e Festival International de Mode, d’Accessoires et de Photographie à Hyères以下、イエール賞)」に参加してきました。同フェスティバルは“若手デザイナーの登竜門”として知られており、毎年4月に行われています。しかし今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により10月に延期され、さらにフランスへの渡航者も少ない状況での開催となりました。ファイナリスト10人はプレゼンテーションやランウエイショーによる審査に臨みましたが、審査員長のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)をはじめ、ジャーナリストのティム・ブランクス(Tim Blanks)やモデルのカイア・ガーバー(Kaia Gerber)ら審査員の姿は会場になく、テレビ電話を通して審査が行われました。

 そんな異例の状況でグランプリに輝いたのは、ベルギー出身のトム・ヴァンデル・ボルクト(Tom Van Der Broght)でした。来場者の投票による市民賞(Public Prize City of Hyères)もダブルで獲得しました。昨年は全ての受賞者を的中させましたが、今年はことごとく外れでした……。グランプリのトム・ヴァンデル・ボルクトはファイナリストの中で最もサイケデリックで異彩を放っており、芸術作品という印象が強かったです。クリエイションに対する純粋な情熱は熱いほど伝わり、審査員からもその点が評価されたようです。

才能の片鱗を見せたフランスの新星

 個人的には、セリーヌ・シェン(Celine Shen)の作品に心を奪われました。フランス出身の彼女はパリ国立工芸学校でファッションデザインを学んだ後、「メゾン アライア(MAISON ALAIA)」でインターンシップを経験し、「イエール賞」に応募した今回がファーストコレクションです。「時代を超越した機能的なデザインを目指し、自分を解放して飛び立たてるような洋服作り」が彼女の哲学だと言います。コレクションはトルソー(フランスの古風な嫁入り衣装)から着想し、白と黒のモノトーンにゴールドのメタルを組み合わせていました。18世紀のドレスの襟や袖口を解体して取り外し可能なデザインとして盛り込み、それらを繊細な紐やチェーンで編んで繋ぎ合わせます。ドレスやロングシャツの円形状のシルエットは針金で形成されており、18世紀のロココの片鱗が見られました。特にハットやバッグなどのアクセサリーはコマーシャルピースとしても完成度が高かったです。賞は獲得できなかったものの「『LVMHプライズ(LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ)』に挑戦したい」と次の目標に向けて目を輝かせていました。

 過去のイーエル賞グランプリ受賞者には「サン ローラン(SAINT LAURENT)」のアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)や「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」のジュリアン・ドッセーナ、「ケンゾー(KENZO)」のフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)らが名を連ねています。2年前には「ボッター(BOTTER)」のルシェミー・ボッター(Rushmey Botter)とリジ―・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)が受賞後間もなく「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のアーティスティック・ディレクターに抜擢されており、「イエール賞」はますます注目を集めています。昨年の受賞者も着々とステップアップしており、グランプリ受賞者であるクリストフ・ランフ(Christoph Rumpf)はパリでブランドを始動する予定ですし、特別賞を獲得した日本の「リコール(REQUAL)」は2021年春夏の「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」に参加しました。ショーをオンラインで見て、パワーアップした独自の世界観にワクワクしました。若手デザイナーの純粋な情熱と無限の可能性がファッション業界の未来を明るく照らしているようで、私にとって前向きなエネルギーを受け取れた「イエール賞」でした。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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冬の手肌も乾燥しない!今の時期に大活躍な除菌ミスト&ハンドクリームまとめ

 新型コロナウイルスの影響で、除菌ミストやハンドクリームが必需品となった今。化粧品メーカーからはスキンケアのノウハウを詰めこんだハンドアイテムが続々と登場している。ここでは、おすすめの製品を紹介。

除菌ミスト&ジェル

 食品に用いられる100%天然成分で作られた除菌スプレー。水酸化カルシウムを主原料とし、多くのウイルスや病原菌が生存できないとされる強アルカリの環境を瞬時に作り、ウイルスや病原菌の外膜(タンパク質)を破壊して不活化させる。99.99%の除菌力を発揮し、新型コロナウイルスへの有効性も認証された。次亜塩素酸や界面活性剤、防腐剤、着色料、香料、シリコーン不使用で赤ちゃんや子どもでも安心して使える処方だ。また手肌だけでなく、おしゃぶりやマスク、野菜・果物、衣類、食卓など、暮らしのあらゆるシーンで使用が可能。 ハンドクリームは沖縄伊江島の有機サトウキビ由来の植物発酵アルコール 62vol%配合。ライスワックス、乳酸桿菌、バクチオールを加え、肌の保湿・保護・美肌菌ケアも同時に行う。手指を清潔に保ちながらアルコールによる手荒れを防ぎ、肌本来の潤いを高める。

植物由来のエタノールを70%、植物由来のグリセリンを配合し手肌をケア。“スーパーポジティブ”はフランキンセンス精油とイランイラン精油を組み合わせ、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の分泌を刺激する香り。一方の“スーパーバウンシー”はイタリア産マンダリンオレンジ精油とエジプト産ゼラニウム精油をブレンドし、体の免疫力・抗酸化力を高めることでストレスを跳ね返す香りになっており、どちらも手肌をケアしながら前向きな気持ちに導いてくれるアイテム。

 人気ナンバーワンの香り“ヴァーベナ”から登場したアルコール70%入りのハンドジェル。レモンを思わせる柑橘系のフレッシュな香りで、気分のリフレッシュにも。グリセリン配合で潤いを与えながら、手肌を清潔に保つ。あまりもの人気で欠品を起こすほどのアイテム。

 エタノール高配合で、手肌をさっぱりと爽やかにリフレッシュするハンドジェル。カシスエキスやアボカドエキスなどの保湿成分配合で乾燥からも手肌を守る。純白な花のブーケのようにピュアで甘いホワイトフローラルの香り。

 「ゲラン」の人気スキンケアシリーズから、手肌をケアするハンドケアジェルが登場。類稀なハチミツに加えてグリセリンなどの保湿成分も配合。 アルコール濃度60%以上でありながら、手肌の保湿やバリア機能をサポートし、清潔に整える。

 エタノール 76.9~81.4vol%で高精製ワセリンやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分配合の消毒ハンドジェル。手荒れの気になる季節にも、べたつかず、しっとりさらさらの使用感が特徴で、無香料かつ無着色。

 オーガニック・ナチュラル原料を使用したイタリア生産のハンドジェル。有機穀物由来の植物発酵エタノールと植物性オイル配合で、同時に保湿も行う。摘みたての爽やかでみずみずしいレモンの香りと、濃厚に漂う芳香なローズの香りの2種をラインアップ。どちらもアルコール濃度 59vol%。

 福岡県の化粧品企業であるユーピーエスが消毒用アルコールに加え、「美少年酒造」の“大吟醸酒”をそのまま配合した除菌スプレー。手肌を清潔に整えながら、日本酒特有の米発酵液が肌を保湿する。

ハンドクリーム

 前述のハンドジェルと同時に発売されたハンドバーム。類稀なハチミツにシアバターを配合し、乾燥ダメージを受けた手肌を潤いバリアで包むように、 若々しく、ふっくらとした肌へ導く。ネイルケアとしても使用できる。

 “7.1秒に1本売れている”人気のベストセラー美容液“アルティミューン パワライジング コンセントレート N”のシリーズから発売となったハンドクリーム。美容液同様、乾燥などの外的ダメージから肌を守り滑らかに導く。花粉やちり・ほこりなどの空気中の微粒子の付着を防ぐ新技術を搭載。手洗いやアルコール消毒によって乾燥する手肌を美しく保つ。

 ネロリウオーター、シナラオイル、インカインチオイルの3つの基本成分が手肌をしっとりと保湿する。ブランドの中でも人気のネイルオイルと同様、製品名に時刻を“刻み”朝から夜まで気分やシーンに合わせて使うことができる。

 自然由来指数98%のハンドクリーム。こっくりしたテクスチャーで、手肌を潤いのベールで包み込む。しっかりなじませると、まるで手肌をうるおいでラッピングしたかのような心地に。リラックスするような穏やかな3種の香りは、天然植物精油を90%以上をブレンドして作られた。

 「ダイアン ボタニカル 」から秋に登場した「プロテクト」シリーズは、乳酸菌1を配合した、肌をやさしく守りながら潤いを与えるハンド&ボディーシリーズ。ハンドにもボディーにも使えるミルクは乳酸菌に加え、黒ハチミツなど天然由来の保湿成分で乾燥から肌を守る。敏感になった肌をリッチな潤いで包み込む。

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編集長は先月何した?TikTokスターと知り合い、バレンシアガの新店をくまなく歩き、小泉大臣に単独取材

 お久しぶりです。「って言われてもあなた誰?」という反応をもらっても仕方ないくらい本連載の更新をサボっておりました私、「WWDジャパン」編集長の向と申します。年内駆け込みで最近の仕事を振り返らせていただきます。今年は新型コロナ下で簡単には会えないからこそひとつひとつが記憶に残る取材となりました。家族や友人との時間も同じですよね。皆さま、どうぞ穏やかな年末年始をお迎えください。

10月16日(金)

「ファセッタズム」でTikTokスターたちをスナップ

 時を10月まで戻します。5年ぶりのファッションショーを東京で披露した「ファセッタズム(FACETASM)」へ向かうと会場である夜の寺田倉庫周辺で早速“イケてる”ザワツキを嗅ぎ取りました。ちょっと粋がった人(誉め言葉です)が集る場所には独特な空気があり私は好きです。路上で山本さん(詳細は割愛しますが頑張っている業界人のひとり)とすれ違うと「お!久しぶり!」に続く2言目で「彼、よろしくね」とモデルの大平修造さんを紹介してくれました。文句なしにカッコいいし「ファセッタズム」が似合っている!早速スナップさせてもらいました。ティックトック(TikTok)スターとは聞いていましたがそのフォロワー数はなんと290万(12月26日時点)!凄っ!大阪市の人口約270万より多いですよ。会場の中では話題のよしミチ姉弟もスナップ。弟のよしあきさんが着ているのは「ファセッタズム」のウィメンズのブラウスです。お似合い。

10月19日(月)

「ギャルソン」ファミリーのショー、動画3連発

 この日は東京・南青山のコム デ ギャルソン本社で「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」(動画上)、「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)」(動画中)、「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」(動画下)の3ブランドのショーとインスタレーションが一気に発表になりました。孤高であり同時に人間味溢れるギャルソンファミリーの生き様を見るようなショーを動画で撮りました。3連チャンでお楽しみください。

10月27日(火)

ファッション ワールドで篠原ともえさんとサステナビリティ対談

 東京ビッグサイトで開かれた「ファッション ワールド」でセミナーを2本担当しました。そのひとつが篠原ともえさんとの対談でテーマは「サステナビリティが広げるクリエイションの可能性」。1年前にこの内容で書いた私のコラムを読んだ篠原さんから声をかけてもらいました。篠原さんは衣装デザイナーとしても活躍しており、嵐の衣装も手掛けたそう。遠景写真で恐縮ですが、見てもらいたいのは篠原さんが着ているドレス。彼女自身がデザインした余剰生地を使った廃棄ゼロパターンの服です。美しい服でした。タレントの衣装は多くの人が目にしますからそこにサステナビリティの考え方を反映するのは影響力大でよいですね。

11月5日(木)

バレンシアガ表参道店 たとえるなら超おしゃれな“倉庫” 

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」青山店のリニューアルオープンの内覧会へ。何を隠そう私、間違えて1週間前に一度訪れておりその時はしっかりとした仮囲いで入口が見つからず(当たり前)、「さすが『バレンシアガ』、攻めるな」と思いましたが、単なる私のミスでした。それはさておき内覧と言っても感染対策から同時間に滞在するのは数人だけ。人気がない巨大な店舗でその魅力をズシリと体感しました。短く表現するなら「めちゃくちゃおしゃれな倉庫」です。

 デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)は大衆の日常を独自の視点で切り取りモードへ昇華するアーティスティック・ディレクターですが、そのセンスが店のサイズ、床、鏡、壁、階段、カーテン、照明、什器、椅子、服や靴の並べ方など店舗を構成するあらゆる点に反映されています。中でも面白いのは店外のアスファルトと店中の床がテレコの印象を受ける床のデザインです。言葉で説明しても混乱するだけなのでぜひ実物を見てほしい。デザインって面白いな、と思えるはず。

11月11日(水)

小泉進次郎大臣取材で環境省へ

 サステナビリティの取材で環境省へ。小泉進次郎環境大臣に単独インタビューをしました。インタビュー後に部屋の一画を即席のスタジオに。フォトグラファーの小田駿一さんが2分という超短時間で素晴らしいポートレートを撮影してくれました。私はポートレート撮影中はカメラマンと被写体のランデブーだと思っており、話しかけたり変に盛り上げたりせず2人の世界に入ってもらいます。信念がある人は目に力があり、信念があるフォトグラファーはそれを撮るのです。

11月18日(水)

今年唯一の紙焼き写真「毎日ファッション大賞」授賞式

 「毎日ファッション大賞」の審査員を務めており、この日は授賞式。いつもなら関係者が大勢集まり受賞者を称えますが、今年はもちろんパーティーなどはナシ。ミニマムかつアクリルボード越しの授賞式です。とはいえ、38年続く栄えある賞のトロフィーや賞状が授与される瞬間は重みがあります。後日、毎日新聞社から紙焼きの写真が届きました。この一年間で紙焼きで受け取った写真はこれ一枚。嬉しいです。大賞の「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」のブラウスとスカートを着て行ってよかった。

11月19日(木)

オンライン授業のときセンセイは孤独なのです

 服飾専門学校の授業をいくつか担当しており、それも今年は基本オンライン。これがなかなかキツイ!セミナーや授業は一方的に話しているようで実はそうではなかったことを痛感します。顔さえ見えていれば無言の反応はともすれば言葉以上に雄弁です。話し手はそれを受け取り、言葉を重ねたり変えたり繰り返したりして伝わるよう努力をします。その反応が見えないものだからキツイのです。1時間半全力で話した後は脱力です。だからこの日、名古屋・知立の中部ファッション専門学校が学生さんの姿を含む様子をSNSでタグ付け投稿してくれたことがとても嬉しかった!「私、こんなにデッカク映っていたんだ」と驚き照れますが(笑)現場の空気が一気に届いてホッとしました。

11月24日(火)

銀座シックスで打ち合わせ

 打ち合わせをギンザ シックス(GINZA SIX)の「コヴァ(COVA)」で。これ、アイスコーヒーです。ということをお伝えしたいだけの一カットです。イタリアがとても恋しいです。

11月30日(月)

「シャネル」のファッション部門トップへオンライン取材

 この日はパリにいるシャネルのブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=ファッション部門プレジデント兼シャネルSASプレジデントにインタビューでした。で、改めて思ったのです。新型コロナにより世界が分断されて寂しいけれど、これを機に進んだことはたくさんあると。前回同氏にインタビューをしたのは約2年前、場所はパリの「シャネル」のオートクチュールのショー会場のバックステージでした。もちろんブランドの真髄であるオートクチュールの会場で取材できる価値は非常に大きいです。ただ、それを実現するにはパリまで飛行機で飛び、ホテルから会場向かい、ショーの直前という慌ただしい中で時間をもらう必要があります。それが!今やオンラインで互いにリラックスした環境の中で実現するのです。パンデミックにより分断されたけれど、ある意味人と人の距離は近くなったと思います。難点はこういった日記につける写真がない、ということですね(笑)。

12月1日(火)
11月発行号を振り返る
&在宅勤務のお供

 「WWDジャパン」は毎週月曜日発行の週刊紙です。11月に発行した5冊の特集をご紹介します。特集以外にも読み応えあるニュースや連載を掲載しています。電子版含み、今からでももちろん購入できます。気になる号があればぜひお手にとってください。

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スピック&スパンの2021年春夏  予約販売で「リアルな需要予測」

 スピック&スパン(SPICK & SPAN)の2021年春夏は、“Let‘s Move On(次に移ろう)”を合言葉に、1月からピンク、ピスタチオ、バターイエローなどのアイキャッチでカラフルな商品を並べ、春の訪れのワクワク感を演出する。コーディネートは「気心地が良いけれど、きちんと感もある」ことを重視し、ウエストをマークしたようなアイテムやシアー感のあるアイテムなどをポイント使いしてメリハリを付けて打ち出す。

 強化アイテムはデニム。展示会では、オリジナルのデニムライン「ファイブ アンド ハーフ(5 1/2)」で特に人気の“ビューティラインデニム”の新色や新型、さらに買い付けブランドでは「ティッカ(TICCA)」のワンピースや「マニプリ(MANIPURI)」のスカーフなどの幅広いデニムアイテムをそろえる。

 今季の買い付けブランドの傾向について、久松哲也ディレクターは「海外出張を控えたことで、結果的に国内ブランドの比率が上がった」とコメント。別注企画を意図的に増やし、国内ブランドでも「『スピック』でしか買えないモノを増やした」と加える。一方で、20-21年秋冬に好評だった「ジャスト(JUST)」「セカンドフィメール(SECOND FEMALE)」などのコペンハーゲンブランドは継続して買い付けた。「セレクトショップとして新しい提案は欠かさない」として、新規で「イザベルマランエトワール(ISABEL MARANT ETOILE)」「イロット(IIROT )」を導入する。さらに雑貨の仕入れ比率を上げて、バッグやシューズのラインアップを増やした。

 ベイクルーズではグループ全体でプロパー期のセール抑制を行っている。この一環としてスピック&スパンでは、ECサイトでの予約販売商品の品番数を大幅に増やしている。リアルな需要予測で、予約好調アイテムの追加発注に予算を回し、不要在庫の圧縮に取り組む。さらにEC限定商材や再入荷リクエスト商材のリピート発注などの施策が「在庫ロス削減と売上高アップにつながっている」という。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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海外オフィス増強、伊コンテスト受賞 国際ファッション専門職大学の実践教育はコロナ禍でどう進んだ?

 ファッション専門学校のモード学園などを運営する日本教育財団が昨年開学した国際ファッション専門職大学の特徴は、職業に直結した実践的教育カリキュラムだ。今年はコロナ禍で授業内容が制限された中でグローバルな体制強化とプログラムの充実を見せた。

 姉妹校のパリ校(CREAPOLE)に加え、海外オフィスを上海と台湾のほか、今年ミラノとニューヨークにも設置。海外研修・実習や留学時のサポートから、海外企業や教育機関との連携、また海外から直接入学する際の相談まで担う体制を5つの拠点で整えた。

 また、デザインスクールに通う学生や若いクリエイターを対象としたイタリアのコンテスト「第6回国際イントレック シンカンティエ レ コンペティション」に参加。革製品、ジュエリー、靴、インテリアデザイン、舞台衣装の5部門に全世界15カ国から105人の学生が参加した中から同大学ファッションクリエイション学科の2人が舞台衣裳部門で受賞した。

 舞台衣裳部門はイタリアの芸術祭「トーン・オン・ザ・ストーン・ファンデーション&フェスティバル(TONES on the STONE Foundation & Festival)」との合同プロジェクトで中世の魔女狩りをテーマとしたオペラで使う衣装をデザインしたもので、受賞作はイタリアの職人によって製作されるという。

 また、国内でも臨地実習として先ごろ東京・押上の東京ニットファッション工業組合の加盟企業を訪問し、川合染工場の製品染め、川島メリヤス製造所の横編みニット製造、アートランドの手捺染製造などを見学した。ファッションビズネス学科2年の木村アリス美南さんは、「川合染工場では、植物や果物など自然のもので染めて、環境への配慮が素晴らしいと思った。服を作る過程で汚染されているのが問題になっているので、この工場のような方法が増えたら、環境問題も改善されるのではないか」。ファッションクリエイション学科2年の森下あやめさんは「アートランドでは、手作業で模様をプリントしているのが新しい発見だった。今は大量生産が増える中、手作業で手間や時間をかけていることがわかった。手作業のほうがプリントに味が出ていてよかった。このことをもっとたくさんの方に知ってほしい」と感想を話した。

 同大学は3、4年次に300時間の実習を義務付けており、アフターコロナに向けてグローバルな教育カリキュラムのさらなる充実を目指す。

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