私が「月刊住職」を読んだ理由 エディターズレター(2020年10月16日配信分)

※この記事は2020年10月16日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

私が「月刊住職」を読んだ理由

 皆さん、ようやく金曜日でございます。ジェーン・スーに代わり、「よくぞ、ここまでたどり着きました!」とエールを贈り合いましょう。この週末は、何をしようかな?明日は、楽天 ファッション ウィーク東京の最終日ですね。夜のショーには伺うつもりなので、そのあとは、友人と外食したいと思います。

 気の置けない友人との外食でオススメなのが、「ぜ~んぜん関係・興味ないジャンルの雑誌を買って、一度、隅々まで眺めてみる」です。実は「日本経済新聞」の1面下にある小さな広告に注目しておりまして、それ経由で「月刊住職」「ねじの世界」「養豚の友」などを入手。友人と分かち合ったことがあります。もう少し手に入れやすい雑誌だと、「IRON MAN」とか「月刊ボディビルディング」などは、ビジュアルの強さも合間って、なかなかに楽しめます。前説ナシで巻頭8Pとかで特集される(この手の雑誌は、大味、いや大胆な誌面構成も多く、それも盛り上がりポイントです)ボディビルダーの記事から独特な世界(ファッション業界も一緒かもしれませんw)のインフルエンサーの存在を学び、広告からその世界の住人のニーズを読み取るのです。

 わかりやすい例をあげてみましょう。この手の雑誌でかつてボディトリマーの広告を見かけました。確かにあのブーメランパンツを穿きこなすには、欠かせないアイテムです。私も使っていますが、ニーズは違います。さぁ、ここから妄想の翼を広げましょう。例えば「コンシーラーなどは、この世界でも売れるかも?」なんて妄想が生まれ、「ネオンカラーのマニキュアとかも広告出したら?」など発展します(ちなみに、仲の良い友人は同業者ですw)。で、気づくと2時間なんてあっという間。フライデー・ナイトやサタデー・ナイトになんとなく、何かを学んだカンジがして心地よいのです。ちなみにリンクの3、4本目にある私の記事は、そんな「週末の夜に、みんなで盛り上がってくれたら嬉しいな」という思いから誕生しました。こんな風に、「消費のされ方」を想像しながら商品を生み出す姿勢、大事だと思っています。

 全然違うジャンルの業界紙を読むと、この業界に直結するヒントも得られます。例えば「食品産業新聞社」のウェブニュースは今年2月、「紅茶飲料市場が過去最高。仕事中に飲む大人が増加」という記事をアップしています。ここでリンクの1、2本目にあるビューティ業界の「ミルクティーカラー」とか「アールグレイの香り」などがつながったアナタは鋭い!こりゃ、まだまだ来ますね。紅茶ブーム。そう思うのです。

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森星の「今日からできるサステナビリティ」Vol.3 サステナブルなファッションと、モノづくりへの興味

 渋谷スクランブルスクエアで開催された新プロジェクト「シティ シェド(CITY SHED)」のポップアップストアで、事業者としてプロジェクトの立ち上げから商品MD、プロモーション、空間デザインまでを初めて指揮したモデルの森星(会期終了)。「都会のなかの循環のかたち」をテーマにした同ストアでは、彼女の愛用する約50のアイテムをセレクトし、販売した。全3回にわたるインタビューでは、「シティ シェド」発足の背景から具体的なアクションに至るまで、生活に取り入れられそうなヒントをお届け。最終回は、ファッションで実践しているサステナビリティと、モノづくりに興味を抱いたきっかっけを紹介する。

WWD:本業であるファッションでもサステナブルな取り組みをしている?

森星(以下、森): 母が使わなくなったジュエリーをライトスタンドの装飾にしたり、生地をインテリアに取り入れたりして再利用しているので、私もそこからヒントをもらっています。最近では、着なくなったレザーパンツとベルトを解体して自転車のサドル用バッグにリメイクしたり、フリンジの洋服を自転車用のキーチェーンと組み合わせて、肩からかけるアクセサリーのようなアイテムも作りました。私自身は不器用なので、制作はバッグ職人のナツカさんに依頼しました。

WWD:気になるブランドや職人はどのように見つける?

森:検索魔なので見つけるのは得意(笑)。1日中SNSで好きなモノを探していて、ナツカさんもインスタグラムで見つけて、ダイレクトメッセージから連絡を取りました。実は、「シティ シェド」で扱っている「スク(SUKU)」とのコラボレーションもインスタグラムがきっかけ。気になるモノがあれば、インスタグラムでダイレクトメッセージを送ることが多いです。

WWD:「シティシェド」や「エデン(EDAIN)」の取り組みと併せて、伝統工芸の職人を訪ねたりもしている。手仕事を感じるモノづくりの魅力は?

森:伝統工芸からは、消耗品とはかけ離れたエネルギーやパワーをもらうことができます。私たちは小腹が空けばすぐにコンビニでおにぎりを買えるし、寒くなったらリーズナブルな上着を手に取ることもできます。まだ上手く言葉にできないのですが、それが当たり前になると便利な日常に感謝することを忘れてしまい、逆に“豊かさ”からかけ離れていくような気もします。

私の祖母である森英恵は、戦時中のモノがない時代でも「おしゃれをしたい」という気持ちから、着物の切れ端を縫って洋服に仕立て、やがてそれがブランドになりました。そんな“洋服を着る”こと自体に感謝できていた時代を想うと、感覚の違いに驚かされるし、うらやましいと感じることも。モノに困らない時代に生まれたからこそのメリットとデメリットを考えてしまいます。

WWD:しかしながら、ファッションはトレンドやシーズン性と切っても切り離せない点がある。

森:私自身、これまで全てのモノを消耗品として捉えていた点を反省しています。ただ、消費される服を“悪”として描きたいわけではなく、心地よいと思うポイントが変化してきました。祖母が経験したモノがない時代の感覚や、一過性のことばかりではなく、10〜20年先を見据えたライフスタイルを送るような作り手の方たちを今は「もっと知りたい」と感じます。

SNSなどで日々情報を得ることで、世の中で起こっていることを知った気になってしまいがちですが、伝統工芸やパーマカルチャー(パーマネント<永続性>と農業<アグリカルチャー>、文化<カルチャー>を組み合わせた造語。人と自然が共存する、永続可能な社会を作るための暮らし方)などの時間をかけて作り上げるモノコトや、そこに従事する方たちの自立した価値観や生き方に、憧れ的な興味を持っています。

WWD:ゆくゆくは伝統工芸やパーマカルチャーの取り組みもしてみたい?

森:順序を追って、いつか取り組んでみたいです。私が急に伝統工芸を語るのも、パーマカルチャーに興味があるからと言って山籠もりして自給自足的な生活を送るのも少し違う。あくまでモデルとして、私が大好きなファッションの世界をベースに、やれることからやっていくのが役目だと思うし、それが自分自身にとっても楽しく意義あるかたちでプロジェクトを進められる方法だと思っています。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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世界文化社の「家庭画報」がサステナブルな通販事業をスタート

 世界文化社が発行する「家庭画報」は、サステナブルな通販事業「家庭画報クチュール きものリメイク」を新規事業としてスタートする。本事業は、「持続可能な生産消費形態の確保」を目的としたSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に取り組むもの。手持ちの着物をリメイクし、今のライフスタイルに合ったアイテムに再生させることで、着物に新しい命を吹き込み、日常生活の中で活用する喜びと楽しさを提供する。

 サービスは、「家庭画報」と縁のある作家やデザイナー、企業と協力しながらセミオーダーシステムを採用して展開していく。第1弾では、着物コーディネーター・オハラリエコがプロデュースする「リコスタイル(RICO STYLE)」、和モダンなバッグや小物を扱う「月之」、着物リメイクブランド「哉子デザイン(KANAKO DESIGNS)」、老舗草履メーカー「菱屋カレンブロッソ」とのコラボレーションが実現。ワイドパンツやバルーンスカート、クラッチバッグなど、彼らが提案する5種類のデザインから選択して、自身の着物をリメイクできる。注文は、「家庭画報.com」公式サイト内の申し込みフォームから受け付け中だ。

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コロナ感染予防にも効果? 「ジンズ」「ゾフ」が飛沫カット眼鏡を発売

 アイウエアブランドの「ジンズ(JINS)」と「ゾフ(ZOFF)」は、飛沫や花粉をカットする眼鏡の発売が続いている。花粉対策に加え、口や鼻と同様にウイルス感染を起こす可能性がある目のケアを目的とするものだ。

 「ジンズ」が従来の機能的な眼鏡のシリーズをリニューアルした“ジンズ プロテクト(JINS PROTECT)”のフラッグシップモデル“ジンズ プロテクト プロ”は、高密着の透明フードを使用し、顔との隙間を減らすことで飛沫の最大92%カット、花粉の最大98%カットを実現した。密着度を高める専用のバンド付きで、価格は8000円。実証実験による確かなエビデンスに基づいて設計されたシリーズは、“ジンズ プロテクト プロ”のほか、子ども向けもあるスタンダードモデルの“ジンズ プロテクト”、目のまわりを保湿して乾燥から目を守る機能を持つ“ジンズ プロテクト モイスト”の3種類がある。

 また、インターメスティックが手掛ける「ゾフ」は目元への飛沫・花粉対策眼鏡“ゾフプロテクト(ZOFF PROTECT)”シリーズからさらに高いカット機能を持つ“エアバイザー ウルトラ(AIR VISOR ULTRA)”モデル全4種類を1月22日に発売する。目元をしっかり覆うシリコンのフード、鼻元から空気が侵入しない新構造、フードの側面につけたレンズが結露しにくい通気口、耳への掛かり具合が調整可能なラバーテンプルが特徴だ。目元への花粉の侵入を最大98%カットする機能を持ち、価格は3300円。マスクとの併用を想定して、全モデルがくもり止め(防曇)レンズを使用している。

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豊島と福島県いわき市が「スマートライフの推進に関する連携協定」締結 先端技術で街を活性化

 繊維商社の豊島は、福島県いわき市と「スマートライフの推進に関する連携協定」を締結した。これは、豊島が手掛けるスマートウエアなどの最先端技術を活用し、いわき市が抱える課題の解決や街の活性化につなげるというもので、同市が策定した「いわき創生総合戦略」の一環。

 豊島は2017年よりCVCファンドからの出資を通じて最新テクノロジーを保有するテック企業とスマートウエアの開発を進めており、出資しているミツフジの体調を可視化するスマートウエア「hamon」は昨年、いわき市と地元のプロサッカークラブ「いわきFC」が開催した「健康なカラダづくりプログラム」で使用された。

 同社は昨年6月に発表したSDGs宣言の中で、“人に優しい地域づくり”“イノベーティブな事業づくり”を使命として掲げ、地域のさまざまな課題の解決にファッションテックを活用して貢献しようと“着るスマートタウン「kurumi」構想”を立ち上げており、いわき市との協定をその先進事例としたい考えだ。

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