日常的に使える、くびれすぎない“微マーメイドスカート”に注目【21-22年秋冬トレンド】

 名前の通り、人魚姫をイメージした“マーメイドスカート”は、流れ落ちるシルエットが魅力のアイテム。すっきりとしたタイトスカートと、ロマンチックなフレアスカートのいいとこ取りで、砂時計のような美しいくびれが叶います。これまでフェミニンでドレッシーなイメージが強かったですが、新タイプの“マーメイドスカート”は細さやくびれが控えめなのでシーンを選ばず、日常のスタイリングに落とし込みやすくなってきました。

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、ニットアップにマーメイドスカートを取り入れた装いを提案しました。チェス盤柄をグラフィカルに変形させたモチーフが、ダイナミックな曲線的なシルエットを描き出します。足元はぽってりしたブーツでムードをずらしました。今回は、マーメイド風シルエットのスカートをピックアップ。従来よりくびれが控えめの“微マーメイド”など、冬からの春に向けた着こなしプランをご紹介します。

マニッシュなジャケットと合わせてフェミニンなムードを軽減

 従来のマーメイドスカートは薄手のロング丈が主流でしたが、近ごろは選択肢が広がってきました。しっかりした厚手の生地や、膝下丈のレングスだと裾がヒラヒラしないので、シックに着こなせます。

 「フォトコピュー(PHOTOCOPIEU)」のスカートは、張り感のある素材で、ミモレ丈に仕立てました。ブラウンの穏やかな色合いが、落ち着いた印象を与えます。ざっくりしたジャケットを羽織って、モダンなたたずまいに整えました。ジャケットとの組み合わせは、フェミニンさを軽減する新手のスタイリングです。

ツートーン×落ち感のあるレイヤードでシルエットにめりはり

 古典的なマーメイドスカートは、膝のあたりでいったんくびれるのがお約束のシルエットでした。でも実は、膝から下にドレープを加えても、同じような効果を引き出せます。膝の絞りがない分、動きやすさもキープできて、裾も広がりすぎません。

 「ルリ(RURI.W)」のスカートは、優美なドレープが裾を躍らせています。布の陰影が出て、流れるような落ち感も生まれました。裾が広がりすぎない分、ノーブルな雰囲気に。ベスト風の羽織り物を重ねて、“白×黒”のめりはりあるコントラストを演出。タートルネックのニットトップスで縦長イメージをアップしつつ、足元はごつめブーツでタフにキメました。

ハイウエストとロング丈で流麗エレガンスに

 正統派のマーメイドスカートは、流れ落ちるようなしなやかシルエットが魅力です。細さが引き立つのは、膝でしっかりくびれるから。エレガントなムードのスタイリングに向いています。脚を隠すロング丈は、年間を通して重宝するスカートです。

 裾に向かうフレアを生かして、きれいめのコーディネートに整えたのは「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」。幅たっぷりのタック使いがきちんと感を際立たせ、凛としたムードに仕上げました。ロング丈の相乗効果も効いて、一段と流麗な着映えに。ブラウスをウエストインして、主役のスカートに視線を集めるスタイリングが冴えています。

裾だけフリルで控えめなロマンチック

 膝ゾーンで目立った絞りを加えず、裾のフリルやティアード(段々)、切り替えなどで動きを出す“微マーメイド”も増えてきました。ディテールが控えめなので、さまざまなシーンで着回しやすいタイプです。

 「ルプコ(RPKO)」のスカートは、裾にだけフリルをあしらったデザイン。トップスをウエストインしてコンパクトにまとめ、ブーツも同系色で合わせることで、いっそうすっきりした縦長のイメージが強まりました。

 マーメイドスカートはしなやかなレッグラインを印象づけやすいので、かさばりやすいアウターが多い冬にこそ、味方につけたいボトムスです。適度な主張と程よい華やかさを演出できるのも強み。スタイリングが手軽にキマるのは、慌ただしい年明けに便利です。バリエーションが増えてきた“微マーメイド”なら、着こなしの幅も広い分、新年のおしゃれに取り入れてみる価値ありです。

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サステナブルな消費を根付かせたい! 20歳大学生起業家の挑戦

 三井不動産が運営する東京・渋谷の複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」の1階イベントスペース「アンドベース(&BASE)」で、環境配慮型のアパレルや雑貨など取り扱う16ブランドを集めたポップアップストア「ネオ(NEO)〜消費が変わる、未来が変わる〜」が1月16日まで開催されている。

 ポップアップストアは、環境配慮型商品のSNSメディア・ECの「エシカルな暮らし」を運営するベンチャー企業Gab(東京)が主催。代表を務める山内萌斗さんは20歳の大学生だ。

 2019年の冬。地元の静岡・浜松の国立大学2年生だった山内代表は一念発起して上京し、起業した。大学は現在も休学中という。「周りには、サステナビリティに強い関心を持ち、身の回りでやれることから取り組んでいる若者はたくさんいる。でも僕は、エシカルな意識を社会に根付かせ、消費のあり方そのものを変えるプレイヤーを目指していきたい」と語る山内代表。若くして起業に至った経緯と今後を聞いた。

WWD:ポップアップストアの反響は?

山内萌斗代表(以下、山内):商品を実際に手に取ったお客さまからは、「これがリサイクル素材(を使った商品)なんだ」「予想以上(の品質)で驚いた」といった声が聞かれますね。エシカルファッションブランドの「カーサ フライン(CASA FLINE)」はサステナブルな素材だけでなく都会的なカラーパレット、立体的なパターンにもこだわっていて、通な洋服好きにも袖を通してほしい商品ばかりです。「ラヴィスト トーキョー(LOVST TOKYO)」のリンゴ原料のヴィーガンレザー雑貨は、アニマルレザーにはない風合いがユニーク。自然派化粧品ブランド「ボタニカノン(BOTANICANON)」は、廃校舎をリノベした工場で製品を作っています。品質だけでなく、その背景にあるストーリーも面白いブランドばかりです。

WWD:Gabとはどんな会社?

山内:学生メンバーが中心となって立ち上げ、現在社員は7人。まだまだ小さな会社です。今回のポップアップは、三井不動産がブランドやECを運営する小規模事業者を対象に、消費者とのリアルなタッチポイント構築を支援するプロジェクト「ニューポイント」の一環で出店の機会をいただきました。スペースの貸し出しは無料で、商品の仕入れコストも(三井不動産に)一部を肩代わりしていただいています。

 当社の主な事業は「エシカルな暮らし」のインスタメディアとEC運営ですが、そのほかにも街のゴミ拾いがゲーム感覚でできるイベントの運営や、ポイ捨てごみを“活用”した広告ビジネスを展開しています。僕たちは路上ゴミが多い場所をデジタルマップ上に可視化するシステムを開発しました。これによりゴミ箱の設置場所を最適化するとともに、「ゴミが多い場所=人通りが多い場所」であることを利用し、広告を設置してマネタイズしています。

WWD:起業のきっかけは?

山内:学校に馴染めなかった中高時代にさかのぼります。初めは、僕みたいな生徒がいなくなるような学び場を作りたい、と学校の先生を志していました。しかし大学の情報学部でデジタル関連の学びを深めるうち、いち教育者として携わるより、教育を根本から変えるような仕組みを作ることができる経営者になりたいと思い始めました。そして大学1年生の時、東京大学の「起業家育成プロジェクト」を通じてシリコンバレーへ留学したことが大きな転機になりました。

WWD:シリコンバレーではどんな刺激を受けた?

山内:米国の若くして起業を志す人たちは、「このサービスが本当に世の中にとってマストハブ(必要不可欠)なのか?」ということを考え抜いています。僕はその点でいえば、自分の独りよがりな経験に縛られ、教育という狭い枠組みでしか考えていなかった。世界を見渡せば、環境問題や貧困など、必要とされている事業領域は広大です。2週間という短い期間でしたが、起業家になるには、もっと視野を広げる必要があることを思い知らされました。

WWD:そこからは「思い立ったらすぐやろう」と。

山内:はい。大学ではやれることも限られますし、帰国して半年後(19年10月)には休学して上京し、12月に起業しました。幸いにもエンジェル投資家や企業数社の支援を受け、ゴミ箱を活用した広告事業(前述)をテストしていたのですが、19年末に新型コロナで街のトラフィックが激減。ビジネスそのものが成り立たなくなりました。

 早くも会社の存続が危ぶまれましたが、このような状況で、人々の消費意識がサステナブルな方向へ大きくシフトしていることも感じていました。そこで社運をかけたプロジェクトだったのが「エシカルな暮らし」です。20年2月にインスタアカウントを、7月にはECを立ち上げて仕入れ販売(一部は代理販売)を始めました。現在、インスタアカウントのフォロワーは2万4000人、ECの取り扱いブランドは32まで増え、なんとか7人(の社員)が食べていけるくらいにはなっています。

WWD:ブランドの選定基準は?

山内:まず「デザイン性が優れていること」。次に「感動体験があること」。最後に、「誰を助けているかが明確であること」です。たとえ環境に徹底して配慮したアイテムでも、ダサかったら手に取ってもらえません。また、エシカルな商品を語る際には、一般消費者には馴染みのないサプライチェーンや生産者、難解な横文字のリサイクル技術などを説明しがち。そういう敷居が高いイメージも変えていきたくて、使った時の「軽い」「温かい」みたいな直感的な部分を大事にしています。

WWD:今後について。

山内:世の中には、地球のために素晴らしい取り組みをしているブランドはたくさんあります。僕たちのビジネスはまだまだ偉そうなことを言える規模ではありませんが、そういうブランドを掘り起こし、消費者との橋渡し役にもなることで、サステナブルな消費を地道に根付かせていきたいです。

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2022年開業の注目ショッピングセンター 陸上トラック併設から農園隣接まで

 日本ショッピングセンター協会によると、2022年に開業予定のショッピングセンター(SC)は31施設になる。いずれもコロナの前から計画されていた案件だが、新常態の広がりを受けてリアル店舗の価値をいかに高めるかが焦点になっている。小売業界が注目する施設を紹介する。

「ららぽーと福岡」(4月開業予定)

 三井不動産、九州電力、西日本鉄道の3社が、福岡市博多区の青果市場跡地を開発して大型SCをオープンする。九州初の「ららぽーと」となる。店舗面積は4万6380平方メートル。天神や博多といった繁華街とも近いため、エリアの商業地図への影響は大きくなりそうだ。

 都心部にはないエンタメ性を兼ね備えているのが強みになる。九州では初となる子供の職業・社会体験施設「キッザニア」、木製の玩具をたくさんそろえて遊ぶこともできる「おもちゃ美術館」などで広域から集客する。また陸上トラック、テニス・バスケットボール・フットサルのコートを併設しており、スポーツを通じた幅広い世代の交流の場にもなる。

カメイドクロック(4月開業予定)

 野村不動産が東京都江東区のJR亀戸駅近くで開発する。1939〜93年まで第二精工舎(現セイコーインスツル)の工場、97〜2016年までは地元密着型のSC「サンストリート亀戸」があった場所をマンションなどと合わせて再開発した。

 店舗面積は2万2500平方メートル。物販は地元客に向けて「ユニクロ」「ジーユー」「スポーツデポ」「アルペンアウトドアーズ」「コジマ×ビックカメラ」「デコホーム」などを誘致したほか、下町の食を集めた「カメクロ横丁」、eスポーツスタジオ「カメスポ」などで構成する。

(仮称)イオンモール八幡東田プロジェクト(春開業予定)

 イオンモールが福岡県北九州市のテーマパーク「スペースワールド」跡地を再開発して、アウトレットモールを核にした商業施設を春に開業する。2018年に広島市で開業した「ジ・アウトレット」の2番目の施設になる。店舗面積は4万8000平方メートル。

 JR鹿児島本線のスペースワールド駅から徒歩5分。同施設の隣にはすでにイオンモール八幡東が営業しており、連絡橋でつながれる。アウトレットモールのほか、体験型英語教育施設「キタキュウシュウグローバルゲートウェイ(KGG)」、北九州市が運営する「新科学館」などが入る。

東京ミッドタウン八重洲(8月開業予定)

 三井不動産が東京駅八重洲口で進める複合施設がオープンする。07年の六本木、19年の日比谷に続く3番目の東京ミッドタウンとなる。地上45階・地下4階の高層ビルのうち、SCは地下で店舗面積4823平方メートルのコンパクトな規模となる。地下には羽田空港や成田空港、地方都市と結ぶバスターミナルが整備され、また日本有数の地下街である八重洲地下街ともつながる。

 上層部(地上39〜45階)には高級宝飾ブランドの「ブルガリ」による「ブルガリホテル東京」が開業する。「ブルガリ」によるホテルはミラノ、ロンドン、パリなどに続いて10軒目。建物の大部分(地上7〜38階)を占めるオフィスエリアは、コロナ後の新しい働き方や感染対策、デジタル対応などに最新鋭のテクノロジーを用いた作りになっている。

ふかや花園プレミアム・アウトレット(秋開業予定)

 三菱地所・サイモンが埼玉県北西部の深谷市で開発する大型アウトレットモールがオープンする。関越自動車道・花園インターチェンジから3分、秩父鉄道・ふかや花園駅から徒歩3分の立地に、店舗面積2万7000平方メートル、店舗数約120店舗が入る。

 深谷市による「花園IC拠点整備プロジェクト」と連携した商業施設となる。農業と観光の振興によって広域的なエリアの活性化を目的として進められる。隣接地にはキユーピーの体験型農業施設「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」があり、農園、マルシェ、レストランを楽しめる。また深谷市が運営するイベント広場「深谷テラス」もある。

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テレワークがはかどるフレグランスがフィッツから誕生 「集中の香り」と「リラックスの香り」でオンとオフの切り替え

 フレグランスを中心に化粧品の輸入販売・開発を行うフィッツコーポレーションはこのほど、香りの機能性に着目した新ライン「フィッツコンディショニング(FITS CONDITIONING)」を立ち上げた。同社が誇る長年のフレグランスのノウハウと研究を生かし、“香りのチカラでコンディションを整える”フレグランスを提供する。第1弾製品は「集中したいときに使いたい香り」「リラックスしたいときに使いたい香り」の2つの香りで、それぞれルームスプレーとディフューザーを販売する。2021年12月25日まで、蔦屋書店スクランブルスクエア店内のシェアラウンジで2つの香りを楽しめるイベントを開催していた。

 「ライジングウェーブ(RISINGWAVE)」「レールデュサボン(L’AIR DE SAVON)」「ヴィーナススパ(VENUS SPA)」といったオリジナル商品に加え、「ボディファンタジー(BODY FANTASIES)」「モムチ(MUMCHIT)」「アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)」など海外ブランドのライセンス製品や輸入販売を担う同社の込戸やよい「フィッツコンディショニング」企画・開発者に、フレグランスの新業態に挑戦する理由や意気込みについて聞いた。

WWD:「フィッツコンディショニング」とは。

込戸やよい「フィッツコンディショニング」企画・開発者(以下、込戸):われわれは「社会にある課題を香りで解決していく」というミッションを掲げており、コロナ禍で浮上したさまざまな課題を香りで解決すべく、新ラインを立ち上げた。特にリモートワークで1日同じ空間の中でオンとオフ、仕事とプライベートを過ごさなければいけなくなり、気持ちを切り替えるのが難しくなった。もともと4〜5年前から「フィッツスポーツ(FITS SPORTS)」というスポーツ選手のパフォーマンスアップに寄与する機能性香料を開発してきたが、スポーツだけでなく、ビジネスシーンや学習の場でも香りの力を生かせるのでは、と考えた。「フィッツスポーツ」で開発した機能性香料を、リモートワークやライフスタイルに応用したのが「フィッツコンディショニング」だ。古賀良彦・杏林大学医学部精神神経学教室名誉教授兼医学博士に監修してもらい、“コンディションを整える”フレグランスを手掛けた。

きっかけはスポーツ選手との協業

WWD:そもそも4〜5年前に“機能性香料”に着目した理由は。

込戸:男性向けのフレグランス「ライジングウェーブ」で12年前、とある野球選手をキービジュアルに起用させていただいたのだが、そのきっかけが普段から愛用していた弊社のボディークリームだった。とても甘くティーン向けの香りだが、彼は身だしなみにもとてもこだわる人で、1週間に何本も使っていたという。その後別のサッカー選手とも取り組みさせていただくようになったのだが、ゴールをしたときにユニフォームのエンブレムにキスをする仕草が有名で、話を聞いてみると、実はそこに香水を仕込んでいたというエピソードも。それまでは弊社の中のフレグランスはスポーツシーンには需要がないのかと思っていたのだが、香りはスポーツといったパフォーマンス界でも大きな力を持つことに気づき、ただの嗜好品を超えて、機能性を持たせたらもっと可能性は広がるのでは、と考えるようになったのがきっかけだった。

WWD:第1弾製品として、「集中」と「リラックス」の香りのスプレーとディフューザーを作った。

込戸:競馬やゴルフ、野球、マラソンなどさまざまなスポーツで活躍するアスリートに話を聞くと、「パフォーマンス向上」「集中力アップ」といったニーズと、一方で「リラックス」「リカバリー」といったキーワードが共通してたくさん出てきた。ただ、それは普段の日常の中でも絶対にあるニーズ。例えば集中するときに最適な香りがあれば、受験生は勉強がはかどるだろうし、ビジネスマンにも活用いただけると感じた。まずは分かりやすさという点でも、集中とリラックスという2つの香りを出すことにした。「フィッツスポーツ」では鼻に貼る鼻腔拡張テープを開発したが、今回は日常のライフスタイルに寄り添うアイテムとして、使いやすいディフューザータイプを作った。ただディフューザーだとふんわり柔らかく香りたつので、空間を彩るにはいいもののオンとオフの切り替えがしづらいと感じ、即時に香りを広げられるルームスプレーも用意した。単品で購入することももちろん可能だが、個人的にはセットで使うことをオススメしている。

WWD:機能性に着目したフレグランスでこだわったことは。

込戸:日本は欧米諸国に比べて香りの文化が習慣化されていないとよくいわれるが、われわれは日本人が香りに馴染みがないというより、日本人に合った使い方や向き合い方を伝える必要があると感じている。そこで今回の「フィッツコンディショニング」では、「香りにはこんなアプローチもあるんだ」という気づきを与える目的もある。日本ではアロマテラピーはまだ一部の方にしか浸透しておらず、ハードルが高いと感じる人も多い。日常的なシーンで手軽に使っていただくことで、香りの持つ力を身近に感じてもらえるような説明の仕方にこだわった。

WWD:コロナ禍で人々の香りへの意識はどのように変化したと感じるか。

込戸:社会情勢が大きく変わって、人々のライフスタイルが大幅に変化した。おうち時間が伸びて、日常生活における香りの取り入れ方が大きく変わってきている。弊社でもルームディフューザーやファブリックスプレーといったインテリアフレグランス商材が急伸した。またこれまでは対外的に自分を魅力的にみせるためにあった香水が、今はどちらかというと自分自身のリラックスだとか、内面のために使う人が増えている。今後われわれとしては、そういったインテリア商材はもちろん今回の「フィッツコンディショニング」といった新たな香りの楽しみ方を提案し続けたい。

フレグランス企業として
30年以上香りと向き合ってきた実績を強みに

WWD:他社でも機能性フレグランスを開発することが増えている。「フィッツコンディショニング」の強みは。

込戸:やはり30年間、香りと向き合ってきた実績が大きい。今回香りの研究開発を重ねて開発したが、そこのサイエンス的な部分と、嗜好性がしっかり取れるような香りを組み合わせ、掛け算をしているというのは、ポイント。仮にパフォーマンスが向上しても悪い香りだったら誰も手に取らないわけで。そこはしっかりと「ただ、いい香りでしょ?」というわけではなくて、脳と香りの関係性を研究されている古賀先生にも協力いただいたことで、この両方の掛け算がしっかりできている。

WWD:今後はモノ以外のサービスにも事業を広げるのか。

込戸:今後は1日に大きな時間を占めるレスト(睡眠)タイムに、香りを利用したソリューションを提供できないか考えている。スプレーといった商品だけでなく、AIなどのテクノロジーを活用できないか、今開発を進めている。「フィッツコンディショニング」は企業名を冠しているだけに、強いこだわりと思いを込めており、弊社の中でも今後の成長の柱と捉えている。既存のブランドの枠を越えて香りの新たな市場を開拓するパイオニアでありたいし、「社会の課題を香りの力で解決する」と銘打っている。香りは目に見えないからこその難しさと、面白さがある。嗅覚は五感の中で唯一本能に直結して感じられる器官でありながら、まだまだ未開拓な分野でもある。だからこそ可能性はあるし、香りの世界を広げていきたい。

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テレワークがはかどるフレグランスがフィッツから誕生 「集中の香り」と「リラックスの香り」でオンとオフの切り替え

 フレグランスを中心に化粧品の輸入販売・開発を行うフィッツコーポレーションはこのほど、香りの機能性に着目した新ライン「フィッツコンディショニング(FITS CONDITIONING)」を立ち上げた。同社が誇る長年のフレグランスのノウハウと研究を生かし、“香りのチカラでコンディションを整える”フレグランスを提供する。第1弾製品は「集中したいときに使いたい香り」「リラックスしたいときに使いたい香り」の2つの香りで、それぞれルームスプレーとディフューザーを販売する。2021年12月25日まで、蔦屋書店スクランブルスクエア店内のシェアラウンジで2つの香りを楽しめるイベントを開催していた。

 「ライジングウェーブ(RISINGWAVE)」「レールデュサボン(L’AIR DE SAVON)」「ヴィーナススパ(VENUS SPA)」といったオリジナル商品に加え、「ボディファンタジー(BODY FANTASIES)」「モムチ(MUMCHIT)」「アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)」など海外ブランドのライセンス製品や輸入販売を担う同社の込戸やよい「フィッツコンディショニング」企画・開発者に、フレグランスの新業態に挑戦する理由や意気込みについて聞いた。

WWD:「フィッツコンディショニング」とは。

込戸やよい「フィッツコンディショニング」企画・開発者(以下、込戸):われわれは「社会にある課題を香りで解決していく」というミッションを掲げており、コロナ禍で浮上したさまざまな課題を香りで解決すべく、新ラインを立ち上げた。特にリモートワークで1日同じ空間の中でオンとオフ、仕事とプライベートを過ごさなければいけなくなり、気持ちを切り替えるのが難しくなった。もともと4〜5年前から「フィッツスポーツ(FITS SPORTS)」というスポーツ選手のパフォーマンスアップに寄与する機能性香料を開発してきたが、スポーツだけでなく、ビジネスシーンや学習の場でも香りの力を生かせるのでは、と考えた。「フィッツスポーツ」で開発した機能性香料を、リモートワークやライフスタイルに応用したのが「フィッツコンディショニング」だ。古賀良彦・杏林大学医学部精神神経学教室名誉教授兼医学博士に監修してもらい、“コンディションを整える”フレグランスを手掛けた。

きっかけはスポーツ選手との協業

WWD:そもそも4〜5年前に“機能性香料”に着目した理由は。

込戸:男性向けのフレグランス「ライジングウェーブ」で12年前、とある野球選手をキービジュアルに起用させていただいたのだが、そのきっかけが普段から愛用していた弊社のボディークリームだった。とても甘くティーン向けの香りだが、彼は身だしなみにもとてもこだわる人で、1週間に何本も使っていたという。その後別のサッカー選手とも取り組みさせていただくようになったのだが、ゴールをしたときにユニフォームのエンブレムにキスをする仕草が有名で、話を聞いてみると、実はそこに香水を仕込んでいたというエピソードも。それまでは弊社の中のフレグランスはスポーツシーンには需要がないのかと思っていたのだが、香りはスポーツといったパフォーマンス界でも大きな力を持つことに気づき、ただの嗜好品を超えて、機能性を持たせたらもっと可能性は広がるのでは、と考えるようになったのがきっかけだった。

WWD:第1弾製品として、「集中」と「リラックス」の香りのスプレーとディフューザーを作った。

込戸:競馬やゴルフ、野球、マラソンなどさまざまなスポーツで活躍するアスリートに話を聞くと、「パフォーマンス向上」「集中力アップ」といったニーズと、一方で「リラックス」「リカバリー」といったキーワードが共通してたくさん出てきた。ただ、それは普段の日常の中でも絶対にあるニーズ。例えば集中するときに最適な香りがあれば、受験生は勉強がはかどるだろうし、ビジネスマンにも活用いただけると感じた。まずは分かりやすさという点でも、集中とリラックスという2つの香りを出すことにした。「フィッツスポーツ」では鼻に貼る鼻腔拡張テープを開発したが、今回は日常のライフスタイルに寄り添うアイテムとして、使いやすいディフューザータイプを作った。ただディフューザーだとふんわり柔らかく香りたつので、空間を彩るにはいいもののオンとオフの切り替えがしづらいと感じ、即時に香りを広げられるルームスプレーも用意した。単品で購入することももちろん可能だが、個人的にはセットで使うことをオススメしている。

WWD:機能性に着目したフレグランスでこだわったことは。

込戸:日本は欧米諸国に比べて香りの文化が習慣化されていないとよくいわれるが、われわれは日本人が香りに馴染みがないというより、日本人に合った使い方や向き合い方を伝える必要があると感じている。そこで今回の「フィッツコンディショニング」では、「香りにはこんなアプローチもあるんだ」という気づきを与える目的もある。日本ではアロマテラピーはまだ一部の方にしか浸透しておらず、ハードルが高いと感じる人も多い。日常的なシーンで手軽に使っていただくことで、香りの持つ力を身近に感じてもらえるような説明の仕方にこだわった。

WWD:コロナ禍で人々の香りへの意識はどのように変化したと感じるか。

込戸:社会情勢が大きく変わって、人々のライフスタイルが大幅に変化した。おうち時間が伸びて、日常生活における香りの取り入れ方が大きく変わってきている。弊社でもルームディフューザーやファブリックスプレーといったインテリアフレグランス商材が急伸した。またこれまでは対外的に自分を魅力的にみせるためにあった香水が、今はどちらかというと自分自身のリラックスだとか、内面のために使う人が増えている。今後われわれとしては、そういったインテリア商材はもちろん今回の「フィッツコンディショニング」といった新たな香りの楽しみ方を提案し続けたい。

フレグランス企業として
30年以上香りと向き合ってきた実績を強みに

WWD:他社でも機能性フレグランスを開発することが増えている。「フィッツコンディショニング」の強みは。

込戸:やはり30年間、香りと向き合ってきた実績が大きい。今回香りの研究開発を重ねて開発したが、そこのサイエンス的な部分と、嗜好性がしっかり取れるような香りを組み合わせ、掛け算をしているというのは、ポイント。仮にパフォーマンスが向上しても悪い香りだったら誰も手に取らないわけで。そこはしっかりと「ただ、いい香りでしょ?」というわけではなくて、脳と香りの関係性を研究されている古賀先生にも協力いただいたことで、この両方の掛け算がしっかりできている。

WWD:今後はモノ以外のサービスにも事業を広げるのか。

込戸:今後は1日に大きな時間を占めるレスト(睡眠)タイムに、香りを利用したソリューションを提供できないか考えている。スプレーといった商品だけでなく、AIなどのテクノロジーを活用できないか、今開発を進めている。「フィッツコンディショニング」は企業名を冠しているだけに、強いこだわりと思いを込めており、弊社の中でも今後の成長の柱と捉えている。既存のブランドの枠を越えて香りの新たな市場を開拓するパイオニアでありたいし、「社会の課題を香りの力で解決する」と銘打っている。香りは目に見えないからこその難しさと、面白さがある。嗅覚は五感の中で唯一本能に直結して感じられる器官でありながら、まだまだ未開拓な分野でもある。だからこそ可能性はあるし、香りの世界を広げていきたい。

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【外食市場21年11月】飲酒業態、回復ムードでもコロナ前の5割。逆手に取る居酒屋もあるが。

社団法人日本フードサービス協会(本部:東京都港区、会長:髙岡 慎一郎)による 協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2021年11月度は、約1年ぶりに営業時間短縮要請が解除され、酒類提供の制限も無くなり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売上はほぼ前年並みの99.8%、コロナ前(2019年)比で91.8%まで回復した。
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