人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY以下、SATC)」のリブート版「アンド・ジャスト・ライク・ザット(And Just Like That)」の最終回が米国で配信され、作中で着られていた衣装の検索数が急上昇している。1998年に放送を開始して以来絶大な人気を誇るドラマの新作として、ファッションにも注目が集まっていた。
中でも話題をさらったのが、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)演じるキャリーがパリでのシーンで着ていた、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」2019年春夏コレクションのオレンジ色のドレス。複数のファッションECサイトからセールアイテムを一覧できるサービスを提供する「ラブ・ザ・セールス(LOVE THE SALES)」によると、最終回の配信後24時間以内で、“ヴァレンティノ ドレス”の検索数は1085%、“オレンジ ロングドレス”の検索数は194%と、それぞれ急上昇した。
ほかにも、作中のウエディングシーンでキャリーが着用した「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」のエメラルドグリーンの花柄ドレスやレースジャケット、グリーンに輝くオニキスのネックレスなどが注目を集めた。同サイトでの検索数はそれぞれ、“レースジャケット”が214%、“グリーン パールネックレス”が171%、“花柄のドレス”が117%上昇したという。
事業部別で見ると、プロフェッショナルプロダクツ事業本部の売り上げは同22.2%増で、アメリカと中国本土が好調だった。営業が再開されたヘアサロンとECが共に伸び、ブランドでは「ケラスターゼ(KERASTASE)」が成長に貢献した。プチプラコスメなどを擁するコンシューマー・プロダクツ事業本部は同4.5%増でアメリカや新興市場が伸びた。「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は新作の“スカイハイ マスカラ”がブランド史上最も成功したローンチとなり、「ガルニエ(GARNIER)」はビタミンCの美容液が人気だった。
同21.3%増を記録したリュクス事業本部はコロナ前の水準に戻り、さらにコンシューマー・プロダクツ事業本部を抜き、グループで最大のカテゴリーとなった。「ランコム(LANCOME)」の“アプソリュ”シリーズや「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」などのウルトラプレミアムスキンケアラインに加え、「キールズ(KIEHL'S)」のレチノール入り美容液“DS RTN リニューイング セラム”といったエイジングケアアイテムが人気を博した。またフレグランスも「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の“リブレ”や「ミュグレー(MUGLER)」の“エイリアン ゴッデス”などが売り上げをけん引。なお、昨年末にはLA発のクリーンビューティブランド「ユース トゥ ザ ピープル(YOUTH TO THE PEOPLE)」を傘下に収めた。
バンク・オブ・アメリカ(BANK OF AMERICA)のエヴァ・キロガ(Eva Quiroga)=アナリストは「中国市場の勢いが落ち着き、アメリカの需要が弱い中でも、ロレアルは力強いパフォーマンスを叩き出した」と評価する。営業利益率についてバーンスタイン(BERNSTEIN)のブルーノ・モンテイン(Bruno Monteyne)=アナリストは「目標をクリアできなかったが、それはブランディングへの投資が原因だろう。ロレアルはブランド価値を高め、長期的な成長のためにブランディングへ重く投資する傾向にある」とコメント。
今なお好敵手でもある伊勢丹新宿本店と阪急うめだ本店のほか、セレクトショップまで参画したサステナブルなアクションが3月23日、スタートする。神谷将太バイヤーは、三越伊勢丹と阪急阪神百貨店、岩田屋三越、エスティーカンパニー、ファッションコアミッドウエスト、そして佐藤繊維(GEA)の6社による「デニム de ミライ」の発起人だ。神谷バイヤーは、引き取り手がいなかった「リーバイス」501のデニム20tを目の当たりにして、「なんとかしたい」と思い、「ほかの店舗やブランドとの取り組み」を決意。商品については、50以上のブランドに150以上のアップサイクルを依頼。販売については、上述6社がそれぞれの視点で150以上の商品から買い付け、全国津々浦々で販売する。「他人の企画には乗っからない」という業界の風土を払拭し、仲間を増やし、そこで生まれる掛け算が発信できれば、業界を超えたメッセージにつながると考える。
フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)は、2月28〜3月8日に開催予定の2022-23年秋冬パリ・ファッション・ウイーク(以下、パリコレ)の暫定スケジュールを発表した。9日間のスケジュールに名を連ねる95ブランドのうち、45組がリアルショーを計画。37組がデジタル発表に加え、現地でプレゼンテーションを開く準備を進めている。