TSIがEC売上高1.8倍へ 新中計でデジタルシフト鮮明

 TSIホールディングスは2025年2月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。営業利益は22年2月期実績44億円の1.8倍増となる80億円を掲げる。成長戦略の骨子はリアル店舗偏重の売上構成から収益性の高いECへと軸足を移す「デジタルシフト」と、非アパレルに事業領域を広げる「脱アパレル」だ。

 「全社をデジタル最優先の組織体制にシフトする」。14日に行われた同社の22年2月期決算会見(オンライン配信形式)で、下地毅社長はそう語った。同社の25年2月期の売上高目標は1896億円。22年2月期実績1403億円とのギャップの大部分を埋めるのは、EC売上高の成長だ。25年2月期のEC売上高目標は760億円。22年2月期実績429億円からは1.8倍近い成長を見込む。商品企画から仕入れ、販売に至るまでのサプライチェーン全体をECを前提に再設計する。ECではエンターテインメント性のあるコンテンツを強化し、回遊性と訪問頻度を高める。

 リアル店舗は「ブランドの世界観を体現する、贅沢な価値体験の場」として機能させる。大型店舗や一等地店舗を25年2月期末までに100店舗程度出店・改装。低収益事業・店舗は収束を進め、顧客をECに誘導する。

 「脱アパレル」の方針としては、これまで衣料品販売で培ってきたブランド力や顧客基盤を核に、ライフスタイルやエンターテインメントといった非アパレル領域にも進出する。事業カテゴリーを「ウェルネス&ライフスタイル」「ストリート&カルチャー」「ファッションキャピタル」「デジタルジェネレーション」の4つに再編。カテゴリー内ではブランドの垣根を超え、さまざまなコンテンツ開発や顧客コミュニティーの形成を進める。

 これまで屋台骨だった婦人服に変わり、柱となるのはゴルフ、アスレジャーなどの「ウェルネス&ライフスタイル」の領域だ。同カテゴリーの25年2月期売上高は752億円を計画する。主力のゴルフブランド「パーリーゲイツ(PEARLY GATE)」ではイベントの開催などでファンコミュニティーを作り、さらなるビジネスの拡大を狙う。「ステューシー(STUSSY)」「ハフ(HUF)」がけん引する「ストリート&カルチャー」領域(25年2月期の売上高計画405億円)と合わせて、全社の売り上げの半分以上を稼ぐ。

 Z世代などに向けた「デジタルネイティブ」領域も、婦人服の「ファッションキャピタル」領域(同200億円)と同等の202億円まで成長させる。インフルエンサーやタレントなどをディレクターに据えて仕掛けるD2Cブランド事業は既存の「エトレトウキョウ(ETRE TOKYO)」「メクル(MECRE)」に加え4ブランドを立ち上げ予定で、計35億円の事業規模を目指す。

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TSIがEC売上高1.8倍へ 新中計でデジタルシフト鮮明

 TSIホールディングスは2025年2月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。営業利益は22年2月期実績44億円の1.8倍増となる80億円を掲げる。成長戦略の骨子はリアル店舗偏重の売上構成から収益性の高いECへと軸足を移す「デジタルシフト」と、非アパレルに事業領域を広げる「脱アパレル」だ。

 「全社をデジタル最優先の組織体制にシフトする」。14日に行われた同社の22年2月期決算会見(オンライン配信形式)で、下地毅社長はそう語った。同社の25年2月期の売上高目標は1896億円。22年2月期実績1403億円とのギャップの大部分を埋めるのは、EC売上高の成長だ。25年2月期のEC売上高目標は760億円。22年2月期実績429億円からは1.8倍近い成長を見込む。商品企画から仕入れ、販売に至るまでのサプライチェーン全体をECを前提に再設計する。ECではエンターテインメント性のあるコンテンツを強化し、回遊性と訪問頻度を高める。

 リアル店舗は「ブランドの世界観を体現する、贅沢な価値体験の場」として機能させる。大型店舗や一等地店舗を25年2月期末までに100店舗程度出店・改装。低収益事業・店舗は収束を進め、顧客をECに誘導する。

 「脱アパレル」の方針としては、これまで衣料品販売で培ってきたブランド力や顧客基盤を核に、ライフスタイルやエンターテインメントといった非アパレル領域にも進出する。事業カテゴリーを「ウェルネス&ライフスタイル」「ストリート&カルチャー」「ファッションキャピタル」「デジタルジェネレーション」の4つに再編。カテゴリー内ではブランドの垣根を超え、さまざまなコンテンツ開発や顧客コミュニティーの形成を進める。

 これまで屋台骨だった婦人服に変わり、柱となるのはゴルフ、アスレジャーなどの「ウェルネス&ライフスタイル」の領域だ。同カテゴリーの25年2月期売上高は752億円を計画する。主力のゴルフブランド「パーリーゲイツ(PEARLY GATE)」ではイベントの開催などでファンコミュニティーを作り、さらなるビジネスの拡大を狙う。「ステューシー(STUSSY)」「ハフ(HUF)」がけん引する「ストリート&カルチャー」領域(25年2月期の売上高計画405億円)と合わせて、全社の売り上げの半分以上を稼ぐ。

 Z世代などに向けた「デジタルネイティブ」領域も、婦人服の「ファッションキャピタル」領域(同200億円)と同等の202億円まで成長させる。インフルエンサーやタレントなどをディレクターに据えて仕掛けるD2Cブランド事業は既存の「エトレトウキョウ(ETRE TOKYO)」「メクル(MECRE)」に加え4ブランドを立ち上げ予定で、計35億円の事業規模を目指す。

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デジタルアーティストK2ことSora Aotaがストリートウエアブランド「アーケニー」立ち上げ

 デジタルアーティストのK2ことSora Aotaが、ストリートウエアブランド「アーケニー(ARTCHENY)」を立ち上げた。同氏がデザインを手掛けたファーストコレクションを、アメリカ・ニューヨーク市マンハッタンの375ショールーム(375 Showroom)で4月23、24日(現地時間)に開くポップアップストアで販売する。同店のオープン前日には、ヒップホップDJのフー・キッド(WhooKid)らを招いたレセプションパーティーを開催。その後は東京をはじめ、ヨーロッパの各都市や上海、ソウル、台湾などを巡るワールドツアーを予定しており、東京でのポップアップストアは6月に実施する。

 Sora Aotaは、iPadで描くSF風デジタルアートが特徴の20歳だ。ツイッターに投稿していたファンアートをきっかけに、ヤング・サグ(Young Thug)やトリッピー・レッド(Trippie Redd)らUSラッパーたちのアルバムのアートワークを描いた。

 ブランド名の「アーケニー」は、“芸術(ART)”“化学反応(CHEMISTRY)”“錬金術(ALCHEMY)”を組み合わせた造語。彼自身のアート作品を落とし込んだアイテムを軸に、クラシックを現代的に解釈したシルエットで、伝統的な手法と細部にこだわったコレクションを提案する。ファーストコレクションとなる2022年春夏シーズンは、“はみ出し者の神話(Misfit myth)”をテーマに全て日本で制作した。フーディーやTシャツ、オープンカラーシャツなどのベーシックなアイテムは、シルエットを重視しながら加工などでギミックを盛り込み、漫画家のJUN INAGAWAとコラボレーションしたアイテムもそろえる。

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デジタルアーティストK2ことSora Aotaがストリートウエアブランド「アーケニー」立ち上げ

 デジタルアーティストのK2ことSora Aotaが、ストリートウエアブランド「アーケニー(ARTCHENY)」を立ち上げた。同氏がデザインを手掛けたファーストコレクションを、アメリカ・ニューヨーク市マンハッタンの375ショールーム(375 Showroom)で4月23、24日(現地時間)に開くポップアップストアで販売する。同店のオープン前日には、ヒップホップDJのフー・キッド(WhooKid)らを招いたレセプションパーティーを開催。その後は東京をはじめ、ヨーロッパの各都市や上海、ソウル、台湾などを巡るワールドツアーを予定しており、東京でのポップアップストアは6月に実施する。

 Sora Aotaは、iPadで描くSF風デジタルアートが特徴の20歳だ。ツイッターに投稿していたファンアートをきっかけに、ヤング・サグ(Young Thug)やトリッピー・レッド(Trippie Redd)らUSラッパーたちのアルバムのアートワークを描いた。

 ブランド名の「アーケニー」は、“芸術(ART)”“化学反応(CHEMISTRY)”“錬金術(ALCHEMY)”を組み合わせた造語。彼自身のアート作品を落とし込んだアイテムを軸に、クラシックを現代的に解釈したシルエットで、伝統的な手法と細部にこだわったコレクションを提案する。ファーストコレクションとなる2022年春夏シーズンは、“はみ出し者の神話(Misfit myth)”をテーマに全て日本で制作した。フーディーやTシャツ、オープンカラーシャツなどのベーシックなアイテムは、シルエットを重視しながら加工などでギミックを盛り込み、漫画家のJUN INAGAWAとコラボレーションしたアイテムもそろえる。

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現役モデルが業界の厳しさや苦悩のケアを目指し異業種参入 SAWAがコーチングを始めた理由

 トップモデルとしてキャリアを積んだSAWAが、2021年12月にメンタルメイクコーチング「ゆうなぎ(YOUNaGI+)」を設立した。モデルとして表舞台に立ってきたキャリアと、私生活では母親である経験を生かし、モデルやタレント、そして彼らを支えるマネジャーたちに向けて段階別のコーチングコースを設け、対話を重ねながら受講者の目標達成やメンタルをサポートしている。

 “コーチング”とはコミュニケーション手法の一つ。相手との対話や質問を通して、本来持っている能力や可能性を最大限に引き出し、目標に向けてモチベーションを高めるというもの。さまざまな悩みを抱えている人々に寄り添う彼女に、コーチングを身につけることの大切さや、厳しいモデル業界で苦労したこと、そこから得た気づきなどについて話しを聞いた。

WWD:「ゆうなぎ」をはじめたきっかけは?

SAWA:モデル業は常に自分と向き合っていないといけなくて、現場だけが仕事ではないんです。当時の私は仕事について一日中考えることが当たり前になっていて、心から楽しめていませんでした。楽しむよりも、全力投球で仕事に臨むことにしか目を向けられていなかったんです。あのときにセルフコーチングを身につけていたら、もっと心に余裕が持てて、自分を上手くコントロールしながら楽しめたんじゃないかなと。だからこそ、自分を育ててくれたこの業界で私にもできることがあると思い、「ゆうなぎ」を立ち上げました。自分と向き合うのを辛く感じているモデルたちをサポートすることで、モデルという仕事をもっと楽しんで、自分らしさを見つけてほしいです。

WWD:コーチングに出合ったのはいつですか?

SAWA:不妊治療を経て、無事に生まれてきてくれた長女が重度の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎持ちであることが分かったんです。食べられるものが制限されるため、食物アレルギーについて学んではみたものの、なかなか苦労が多くて。育児に悩んでいるときに友人に紹介されたのが子どものコミュニケーション能力を学ぶマザーズコーチング(母親のためのコーチング)でした。スクールを受講して、自分のこれまでの価値観や考え方などが大きく覆されて、そこから学んだことが本当に多かったですね。その体験をきっかけに、よりたくさんの子どもや子育てに悩むママたちの助けになりたいと思い、資格を取りコーチとしての活動も始めました。

孤独と不安に押しつぶされた過去

WWD:コーチングに出合う前、自身もメンタルヘルスへの影響がありましたか?

SAWA:当時の私は精神的に完全に壊れていましたね。接触障害になったり、急に不安や恐怖に駆られたり。うつ病の一歩手前までになったこともありました。モデル業は華やかな印象ですが、実はとても孤独な職業なんです。オーディションに行かないと仕事はもらえないし、仕事が保証されているわけでもありません。オーディションに落ち続けていると、自分自身を否定されている気持ちになることもありましたね。その仕事がダメだっただけなのに、私の全てを否定されているように捉えてしまっていました。

WWD:そんな時、支えてくれたものは何だったのでしょうか?

SAWA:モデルとしての自分を確立できたのは、マネジャーのおかげです。私が悩んだ時に、自分以上にモデルとしての価値や良さを教えてくれました。一番最初のマネジャーに「SAWAにしかないものがある」「SAWAを選んでくれる人はずっとあなたのファンでいてくれる」と言われた言葉に強く背中を押されましたね。自分の可能性を自分以上に信じてくれる人が一人いるだけで、すごく励みになりました。自分一人だと不安になりますが、周りからのエネルギーが加わると、「やるぞ!」という強いパワーを与えてくれるんです。

WWD:厳しいモデル業界を経験して得たことは?

SAWA:私は完璧なモデル体型ではないので、海外でもキャスティングに入るかギリギリなんです。それでもこの業界で勝ち残っていくには、周りや時代に合わせるのではなく、個性を出していくことが一番大事だと気づきました。キャスティングのオーディションでは、会場に入った瞬間からジャッジされることがほとんどなので、その短い時間の中で自分らしさをどう表現するかが重要なんです。だからこそ、若い子たちにもコーチングについて知ってもらい、個性を発揮できるように自分自身と向き合えてもらえるとうれしいです。

WWD:実際にどんな悩みを抱えている人が多いですか?

SAWA:自分で自分の不安の正体が分からず悩んでいる人が多いですね。ゴールが見えない状態でも日々がむしゃらに走り続けて、自分で自分を追い詰めてしまっているんです。そんな彼らの孤独や不安をなくし、本当にやりたいことや個性を理解した上で、課題に向き合うプロセスを提案していきたい。無意識に周りや時代に合わせて自分の中の正解を見つけることよりも、まずは自分が持っている思考癖を理解し、うまく付き合っていくことが大切ですね。

WWD:モデルであり、母であるバッググラウンドを今の仕事でどのように生かしていますか?

SAWA:モデル業を通していろいろなクリエイターやスタッフと関わり、さまざまな価値観や考え方を自然に吸収できたので、多角的な視点を持ちながらアドバイスしています。そして、母になってからは“待てる”ようになりました。今までは子どもに「それはダメ」「こうしなさい」と注意していたのが、いろいろ経験させることで本人が学ぶ機会を得られるのかなと徐々に思えるようになっていったんです。子どもも一人の人間として見ることで、距離感をうまく保てるようになりましたね。親子や夫婦関係に悩んでいる講習者もいるんですが、自分の経験を通して寄り添うことを大切にしています。

自分の価値観を問うこと

WWD:SAWAさんがメンタルヘルスを維持するために心掛けていることは?

SAWA:自分自身に問いを持つことを意識して、セルフコーチングを心掛けています。自分がこうやって話している時も考えながら話しているんです。「あの時、この言葉を選んだけれど、どういう気持ちで言ったんだろうか」など、自分の価値観を問うようにしています。人が話している言葉もそのまま受け取るのではなく、一歩引いて、相手の感情をさまざまな視点で考えられるようになり、ぶつかることもなくなりました。

WWD:今後のプロジェクトについて教えてください。

SAWA:モデル業界をサポートすると同時に、後輩たちの目標となれる存在でありたいです。また小・中学生を対象とした“たいわ室”という講習も行っているので、彼らが大人になった時に「自分自身を追い込まずに、誰かに頼ってもいいんだよ」と気づけるようにしてあげたいですね。コーチングを身につけて、心の孤独を持たない子どもたちが増えてくれることを願います。

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現役モデルが業界の厳しさや苦悩のケアを目指し異業種参入 SAWAがコーチングを始めた理由

 トップモデルとしてキャリアを積んだSAWAが、2021年12月にメンタルメイクコーチング「ゆうなぎ(YOUNaGI+)」を設立した。モデルとして表舞台に立ってきたキャリアと、私生活では母親である経験を生かし、モデルやタレント、そして彼らを支えるマネジャーたちに向けて段階別のコーチングコースを設け、対話を重ねながら受講者の目標達成やメンタルをサポートしている。

 “コーチング”とはコミュニケーション手法の一つ。相手との対話や質問を通して、本来持っている能力や可能性を最大限に引き出し、目標に向けてモチベーションを高めるというもの。さまざまな悩みを抱えている人々に寄り添う彼女に、コーチングを身につけることの大切さや、厳しいモデル業界で苦労したこと、そこから得た気づきなどについて話しを聞いた。

WWD:「ゆうなぎ」をはじめたきっかけは?

SAWA:モデル業は常に自分と向き合っていないといけなくて、現場だけが仕事ではないんです。当時の私は仕事について一日中考えることが当たり前になっていて、心から楽しめていませんでした。楽しむよりも、全力投球で仕事に臨むことにしか目を向けられていなかったんです。あのときにセルフコーチングを身につけていたら、もっと心に余裕が持てて、自分を上手くコントロールしながら楽しめたんじゃないかなと。だからこそ、自分を育ててくれたこの業界で私にもできることがあると思い、「ゆうなぎ」を立ち上げました。自分と向き合うのを辛く感じているモデルたちをサポートすることで、モデルという仕事をもっと楽しんで、自分らしさを見つけてほしいです。

WWD:コーチングに出合ったのはいつですか?

SAWA:不妊治療を経て、無事に生まれてきてくれた長女が重度の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎持ちであることが分かったんです。食べられるものが制限されるため、食物アレルギーについて学んではみたものの、なかなか苦労が多くて。育児に悩んでいるときに友人に紹介されたのが子どものコミュニケーション能力を学ぶマザーズコーチング(母親のためのコーチング)でした。スクールを受講して、自分のこれまでの価値観や考え方などが大きく覆されて、そこから学んだことが本当に多かったですね。その体験をきっかけに、よりたくさんの子どもや子育てに悩むママたちの助けになりたいと思い、資格を取りコーチとしての活動も始めました。

孤独と不安に押しつぶされた過去

WWD:コーチングに出合う前、自身もメンタルヘルスへの影響がありましたか?

SAWA:当時の私は精神的に完全に壊れていましたね。接触障害になったり、急に不安や恐怖に駆られたり。うつ病の一歩手前までになったこともありました。モデル業は華やかな印象ですが、実はとても孤独な職業なんです。オーディションに行かないと仕事はもらえないし、仕事が保証されているわけでもありません。オーディションに落ち続けていると、自分自身を否定されている気持ちになることもありましたね。その仕事がダメだっただけなのに、私の全てを否定されているように捉えてしまっていました。

WWD:そんな時、支えてくれたものは何だったのでしょうか?

SAWA:モデルとしての自分を確立できたのは、マネジャーのおかげです。私が悩んだ時に、自分以上にモデルとしての価値や良さを教えてくれました。一番最初のマネジャーに「SAWAにしかないものがある」「SAWAを選んでくれる人はずっとあなたのファンでいてくれる」と言われた言葉に強く背中を押されましたね。自分の可能性を自分以上に信じてくれる人が一人いるだけで、すごく励みになりました。自分一人だと不安になりますが、周りからのエネルギーが加わると、「やるぞ!」という強いパワーを与えてくれるんです。

WWD:厳しいモデル業界を経験して得たことは?

SAWA:私は完璧なモデル体型ではないので、海外でもキャスティングに入るかギリギリなんです。それでもこの業界で勝ち残っていくには、周りや時代に合わせるのではなく、個性を出していくことが一番大事だと気づきました。キャスティングのオーディションでは、会場に入った瞬間からジャッジされることがほとんどなので、その短い時間の中で自分らしさをどう表現するかが重要なんです。だからこそ、若い子たちにもコーチングについて知ってもらい、個性を発揮できるように自分自身と向き合えてもらえるとうれしいです。

WWD:実際にどんな悩みを抱えている人が多いですか?

SAWA:自分で自分の不安の正体が分からず悩んでいる人が多いですね。ゴールが見えない状態でも日々がむしゃらに走り続けて、自分で自分を追い詰めてしまっているんです。そんな彼らの孤独や不安をなくし、本当にやりたいことや個性を理解した上で、課題に向き合うプロセスを提案していきたい。無意識に周りや時代に合わせて自分の中の正解を見つけることよりも、まずは自分が持っている思考癖を理解し、うまく付き合っていくことが大切ですね。

WWD:モデルであり、母であるバッググラウンドを今の仕事でどのように生かしていますか?

SAWA:モデル業を通していろいろなクリエイターやスタッフと関わり、さまざまな価値観や考え方を自然に吸収できたので、多角的な視点を持ちながらアドバイスしています。そして、母になってからは“待てる”ようになりました。今までは子どもに「それはダメ」「こうしなさい」と注意していたのが、いろいろ経験させることで本人が学ぶ機会を得られるのかなと徐々に思えるようになっていったんです。子どもも一人の人間として見ることで、距離感をうまく保てるようになりましたね。親子や夫婦関係に悩んでいる講習者もいるんですが、自分の経験を通して寄り添うことを大切にしています。

自分の価値観を問うこと

WWD:SAWAさんがメンタルヘルスを維持するために心掛けていることは?

SAWA:自分自身に問いを持つことを意識して、セルフコーチングを心掛けています。自分がこうやって話している時も考えながら話しているんです。「あの時、この言葉を選んだけれど、どういう気持ちで言ったんだろうか」など、自分の価値観を問うようにしています。人が話している言葉もそのまま受け取るのではなく、一歩引いて、相手の感情をさまざまな視点で考えられるようになり、ぶつかることもなくなりました。

WWD:今後のプロジェクトについて教えてください。

SAWA:モデル業界をサポートすると同時に、後輩たちの目標となれる存在でありたいです。また小・中学生を対象とした“たいわ室”という講習も行っているので、彼らが大人になった時に「自分自身を追い込まずに、誰かに頼ってもいいんだよ」と気づけるようにしてあげたいですね。コーチングを身につけて、心の孤独を持たない子どもたちが増えてくれることを願います。

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「ハーパーズ バザー」に榮倉奈々と賀来賢人が夫婦で登場 衣装は「フェンダーチェ」

 ハースト婦人画報社の「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」は、4月20日発売の6月号に女優の榮倉奈々と俳優の賀来賢人を表紙に起用した。夫婦でファッション誌に登場するのは同誌が初めて。

 同号は“家族と絆の肖像”がテーマで、榮倉と加賀が手をつなぐ姿を撮影したファッションポートレートを掲載している。二人は「フェンディ(FENDI)」と「ヴェルサーチェ(VERSACE)」がタッグを組んだ「フェンダーチェ(FENDACE)」のドレスとスーツを着用している。榮倉は「自立した強い女性像をエンパワーメントしてくれるようなウエアだったので、撮影での二人の距離感にも女性がリードするようなムードを反映しました」とコメントした。

 榮倉と加賀はドラマ「Nのために」での共演をきっかけに、2016年8月に結婚。二人での共演は約8年ぶりとなる。

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元AKBこじはるの「ハーリップトゥ」がファン向けイベントを開催 6日間で3500人が来場の見込み

 小嶋陽菜が手がけるライフスタイルブランドの「ハーリップトゥ(HER LIP TO)」は4月16〜22日、東京・南青山でショッピングイベントを行う。2022年春物のファッションアイテムや新作ビューティアイテムを販売すると共に、ブランドの世界観を体感できるようさまざまな仕掛けを取り入れた。入場はチケット制(500円)で、6日間で約3500人が訪れる見込み。

 ファッションでは華やかな春物ドレスやスカート、ビューティではUVケアや香りのアイテムなどをそろえる。パフュームオイルの“ローズブランシュ”(6380円=税込)は新作の一押し商品だ。購入した商品は週明けから順次ECで発送する仕組み。ただし、UVケアアイテムやパフュームオイルは屋外のスペースで即時販売もし、入場チケットを持たない客も購入できるようになっている。

 また、同じ施設内のピッツェリアとドリンクなどのオリジナルメニューも開発しており、白いバラが飾られたテラススペースで楽しむことができる。さまざまな場所に撮影スポットを設けており、ブランドの世界観を楽しむと共に、発信もしたくなるよう工夫を凝らしている。

 「ハーリップトゥ」ではファンとつながり、コミュニティーを強めていくために、こうしたイベントを定期的に開催。前回は21年12月に代官山でポップアップカフェを開いた。「春はおしゃれを楽しもうという気分が一番盛り上がるシーズン。以前はその場で買って帰れるイベントをしていたが、お客さまが増えて在庫を置くスペースなどを確保することが難しくなり、後日ECで発送する今のような形になった。上海のロックダウンによる物流遅延などもあり、苦労した点もあるが、お客さまにブランドの世界観を楽しんでいただきたい」と小嶋。

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起業家&カリスマホストROLANDが語る「自己資金でブランドをやる理由」(前編)

 カリスマホストとして知られるROLANDは4月15日、新ブランド「ミニマス(MINIUS)」をスタートする。アパレルではすでに自らの名前を冠した「クリスチャンローランド(CHRISTIAN ROLAND)」を2019年3月にスタートさせていたが、同ブランドのサイトにアクセスすると自動的に「ミニマス」のページに切り替わる。実質的に自らの名前を冠した「クリスチャンローランド」を休止し、全く別のコンセプトでブランドを立ち上げることになる。数々の伝説的なエピソードを持つホストであり、同時にインスタグラムやツイッターなどのSNSの総フォロワー数290万を抱えるROLANDが、なぜアパレルに失敗したのか。新ブランドでは、ウイメンズブランド「ジュエミ(JUEMI)」などのD2Cブランド運営するディーエスエスアール(DSSR)の本間英俊・代表取締役をパートナーに迎え、ブランドと同名のミニマス社を設立。デザイン監修にはメンズブランド「ジュンハシモト(JUNHASHIMOTO)」の橋本淳デザイナーを迎える。美容や飲食などの事業を運営する経営者でもあるROLANDはファッションビジネスをどう見ているのか?二人に話を聞いた。

WWD:なぜ新ブランド「ミニマス」を?

ROLAND:失敗を隠すつもりはないので、わかりやすく言うと「クリスチャンローランド」は敗戦だった。僕なりに全力でいろんなことに向き合ったが、ビジネスとしては失敗だった。ブランドを初めてからこの2年で、自分の服を着てる人を街で見かけたのは、2年間で驚くことに1回しかなかった。

WWD:「クリスチャンローランド」は単なる名前貸しのブランドではなく、自己資金だった?

ROLAND:もし名前貸しだけだったら「ああ、クリスチャンローランド、そんなの昔プロデューサー的にやってましたね」って言えるかもしれませんが、ブランド自体に名前も入っているし、自己資金も入れていた。いずれにしろうまく行かなかった全責任は僕にあります。振り返ってみれば知識や経験が不十分だった。まず第1に、インフルエンサーがアパレルやるときに言いがちなキメ台詞、「自分が欲しいものを作っていきます」っていうやつ。僕が欲しいと思ってるものを、世間はそんなに欲していなかった(笑)。そしてもう一つは、僕が全面的に出すぎることによって、仮にプロダクト自体が良かったとしても、ファングッズのような認識になってしまったこと。加えて、これがかなり大きいと思うのだけど、素人のくせに「アパレルをなめていた」んだな、と。

WWD:どういうことでしょう?

ROLAND:ホストクラブでも、アイドルがホストをするとすごく売れるんです。でもそれって本職の僕らからすると、内心は面白くないですよね。泥水すすりながら新人のときはトイレ掃除をして、先輩のヘルプをして勉強しながら這い上って、やっと日の目を浴びて、売り上げを上げられるようになってきたのに、超パワフルなインフルエンサーが来ると、リスペクトなく、業界を荒らすみたいな感覚になる。僕も同じこと、それに近いことを、インフルエンサーとして、アパレル業界に対してやってしまったら、やっぱり受け入れてくれないよなと。僕は自分なりに、パタンナーの方や取引先の方と熱を持って話をしていたつもりだけど、先方は僕に対してそこまでの温度感をなかなか持ってもらえないときもあった。でも当然ですよね。やっぱり心のどこかで自分がインフルエンサーで、これだけのフォロワーやファンがいれば、なんとかなると思っていたんです。

WWD:ミニマス社の代表取締役は本間英俊氏で、所在地も本間氏が代表を務めるDSSRのオフィスになる。ROLANDはどういう立場なのか。

本間:僕も出資していますが、ROLANDさんが筆頭株主であり、実質的なオーナーです。

ROLAND:「クリスチャンローランド」の失敗を踏まえ、誰がどういった役割で何をやるか、どういった座組がベストなのか、自分なりにかなり考えましたし、本間さんとも話し合いました。最終的には僕が一番責任がある立場であると同時に、任せるべきところは全部任せる。業務でいうと僕が担う業務は5%くらいで、95%くらいはプロの人達に任せようと。デザイン監修は、メンズデザイナーの重鎮である「ジュンハシモト(JUN HASHIMOTO)」のハシモトジュンさんに担っていただいてますし、売り方や販売戦略みたいなところは本間さんにお任せしています。二人ともプロ中のプロで、私が口を出す必要はない。ECサイトのモデルとしても、私は出ません。私が出ることでファングッズになるリスクがあるからです。

WWD:ではどういった役割を?

ROLAND:ブランドの方向性やコンセプトは僕自身が出しますし、最終的な商品の仕上がりも見ています。できるだけプロにおまかせしつつ、最終的な責任は私にある、そういった座組みですが、僕のイズムが全く反映されずにお金だけ投げてる出資者っていうようなものではない。これは言っておきたいのですが、例えば不祥事だったり、業績が良くなかったり、それらはすべて僕の責任です。名義貸しではないということです。

WWD:新ブランド「ミニマス」はアクティブファッションブランドと銘打たれていますが、どんなブランドでしょうか。

ROLAND:基本的なコンセプトは自分で決めたのですが、まずブランドパーパスとして「多くを持たない。消費するのではなく、一着を身につけ続ける」というメッセージを掲げています。わかりやすくいうと、日本人の質問の代表的なものに、無人島に例えたものがありますよね。僕が「無人島になにか1つ着ていくとしたら、何がいいですか」っていう質問をされたときにどう答えるか考えました。機能性でいったらアウトドアブランドなんでしょうけど、ギアに振ったものってシルエットがダボついたものが多くて。ヘリコプターでいきなり救助されて、めちゃくちゃカメラに抜かれたときに「こいつめちゃくちゃ暖取りに行ってるな~」と見えそうな、全然かっこよくない服を着るのは嫌なんですよ。かといって、エディ・スリマンが作ったようなタイトな服を着て、木の実を採りに行きたくないじゃないですか。それ着て魚は獲れないし、焚き火もできない。だから、エレガントさの中に、機能的なギア的な要素をミックスして、というものがあったら、僕は無人島に一着、それを着ていきたいなと思えるんですよね。デザイン性だと、おそらくハイブランドには勝てない。機能性でいくと、やっぱりギアに振ったアウトドアブランドには勝てない。ただふたつをミックスさせたら勝機があるんじゃないのかなと。ギアに振りすぎず、かつデザインに振りすぎない、とにかくシンプルなものです。

本間: ROLANDさんから、昔は着飾ることを重視していたけど今は引いていくことに美学を感じていると伺ったときに、どうやったらそれを服で実現できるかを考えました。ROLANDさんの世界観を表せるデザインの筆を取れるのは、橋本さんしかいないだろうとと、お願いに行きました。橋本さんももともとミニマルな世界がお好きなのでROLANDさんとお話が合ったんですよね。それで、橋本さんとスポーツウェアに使うような機能素材を使って、どうエレガントにできるか、素材探しから徹底的に行いました。

ROLAND:相当こだわってくれたと思います。素材の部分では、やっぱり良質なものにこだわりったことで、90%くらいは日本製の生地になった。

WWD:途中経過に関してあまり口を挟まないようにしていたということだが、上がってきたものを見てどうだったのか?

ROLAND:やっぱり専門家すげえな、と(笑)。バーバリーのトレンチって襟がアイコニックで、立たせるためにわざとステッチを入れてますよね。このジャージトップスも、襟の後ろに飾りのファスナーをつけることで、襟がしっかり立つようにしている。プロじゃないと思いつかないアイデアが散りばめられている。そして、もちろん普通にかっこいい。今着ているこのジャケットも、形はスーツだけどジャージー素材なのでジムにも行ける。ベンチプレスもできるし、ジョギングもできるくらいの吸水速乾素材を使っています。

本間: ROLANDさんと打ち合わせすると、基本は全部引いてくるので、服がすっごいシンプルになるんですよ。

ROLAND:ロゴ入れる位置も、最初はフロントにみたいな話もあったんだけど、橋本さんと色々話して、肩に同系色でできるだけさりげなく入れるのがかっこいいというアイデアをいただいて。

本間:どんどん引き算するので、放っておくとロゴもなくていいみたいな(笑)。それはさすがに目立たなくてもいいので入れてくださいとこちらからお願いしたり。

ROLAND:削ぎ落としていくのって、僕自身は好きなんすけど、難しいですね。足していくよりも全然難しい。

本間:逆に足すというポイントで言えば、ROLANDさんはサッカーをやるので、スパイク履いたまま脱ぎ着できるようにジャージパンツの裾にファスナーをつけたいって言ったんですよね。

ROLAND:あ、95%おまかせしていましたが、そこは5%の僕のこだわりです(笑)。

WWD:今売り方は?

ROLAND:常設の店舗を作りたいっていうのは今のところは頭にはない。EC中心で考えています。

本間:主にはD2C型という形ですね。あとはポップアップストアはやっぱり魅力の一つなんじゃないかなと思ってるんで、いいデベロッパーさんだったり、いい箱があれば、ぜひやりたい。

WWD:ライブコマースは?

ROLAND:時代に適した売り方ではあるなと思うので、選択肢のひとつとして興味はありますね。ただ、前回の反省の一つが「自分が出過ぎない」ってところなので、バランスを見ながら、と思っています。多数のフォロワーを抱えるSNSは強力な武器なので、そうした発信のところで出し惜しみするつもりはないですし、写真はモデル撮影の時に私の分も撮っていて、それは使っていくつもりです。いずれにしろ、やり方は決めつけず、様子を見ながら変えていこうとも思っています。

本間:やっぱりROLANDさんの持っているSNS合計290万人というは圧倒的なメディア。だからこそ、ブランドのメッセージやパーパスを、SNSを通じて丁寧に発信していきたい。お客様が望む限り製品を修理して使い続けられるシステムや、身体のサイズに合わせた補正、着なくなったアイテムの買取クーポンの発行、そのアイテムにメンテナンスを施したリバイバル商品の販売など、ブランドとしてのお約束も、予めきめ細かく決めています。

ROLAND:「ミニマス」は極めてシンプルで、一見してわかりやすいデザインではないので、何もしないと、そういうシンプルなものが好きな人にしか買われないかもしれない。でもSNSを通じて、現時点ではそういうものに興味ない人にも、メッセージを伝えられる。幸い芸能系の仕事もしているので、ブランドのパーパスが合っている方へのギフティングはする予定です。やっぱり手にとってもらわないと伝わりにくい服なので。アスリートが多くなるのかなと思っています。

本間:あと、ROLANDさんのメディア力で、実は海外にもすごく可能性を感じています。ROLANDさんの本は台湾でもベストセラーになっていて、日本と海外合わせて累計40万部も売れている。これはやっぱりSNSならではの強力な武器になる。なのでミニマスは最初から、海外対応をやっていきます。今の日本のアパレルだと、ゴルフウェアくらいしかあまり盛り上がっていないので、機能的でエレガントな服は可能性がある。

WWD:ROLANDさんのSNSの海外フォロワーの割合は?

ROLAND:正確にはわかりませんが、例えば今はフォロワー60万人くらいのInstagramで言うと、1割ぐらいは中国語圏の印象です。YouTubeコメントとかもかなり多いっていう話も聞きますね。なので東アジア圏とか、あとこんまりさんとかのライフスタイルがアメリカでヒットしたっていうのも、やっぱりアメリカも「大量消費、大量生産」なところに、少なからず疲弊している部分と思うので「ミニマス」のコンセプトはけっこう海外の方も共感してくれるんじゃないかな、というワクワク感がありますね。

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「ドルチェ&ガッバーナ」 × 「呪術廻戦」コラボアイテムが公開 キャラクターをイメージしたウエアやシューズ

 「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」は15日、「呪術廻戦」とのコラボアイテムを公開した。アイテムはウエアやシューズ、アクセサリーなどをそろえる。

 また、21日から東京・渋谷のゼロベース渋谷(ZEROBASE 渋谷)で予約制のポップアップストアを開催することも発表し、同店と特設サイトで先行販売を行う。4月27日からは伊勢丹新宿店 メンズ館、阪急うめだ本店で開催するポップアップストアで、5月2日からは全国の「ドルチェ&ガッバーナ ブティック」で順次発売予定だ。 今回のコラボレーションでは、「呪術廻戦」の世界観やキャラクターからインスピレーションを受けてデザインしたグラフィックと、ブランドを象徴するモチーフを組み合わせた。さらに、日本のストリートスタイルと東京の若者たちのファッションにも着目したという。

 キャラクターがアイテムを身につけたイラストは、TVアニメ「呪術廻戦」監督の朴性厚氏による書き下ろしだ。

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「サンローラン」の新スニーカーは英国のロックバンド、ザ・キュアーのロバート・スミスから着想

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」は4月14日、2022年春夏メンズ・コレクションで発表した新スニーカー“スミス”を発売した。価格は税込17万500円と30万8000円。

 同スニーカーは1976年に結成された英国のロックバンド、ザ・キュアーのフロントマンであるロバート・スミス(Robert Smith)にインスピレーションを得てデザインされた。テーラーリングアイテムとスポーツウエアをミックスするロバートのスタイルや、スニーカーをバンダナやスカーフで装飾するテクニックにオマージュを捧げたものだ。

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ロックダウンの上海から現地報告 ファッション企業の対応と人々の暮らし

 新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、中国・上海では2週間以上もロックダウン(都市封鎖)が続いている(4月15日現在)。世界最大級の消費市場でもあり、「世界の工場」としての顔を持つ上海のロックダウンは、ファッションビジネスにどんな影響を与えているのか。そして人々の暮らしはどうなっているのか。上海在住のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)コンサルタントの内田文雄氏が報告する。

 2020年1月に中国・武漢から全世界に広がった新型コロナウィルス。中国ではその年の7月頃から収束に向かい出し、その後は何回か各都市で猛威を振るった時期もありましたが、ここ最近は落ち着きを見せ、経済的にもコロナ前の市況に戻った感がありました。

 特に中国を代表する経済都市・上海はコロナの影響もほとんど受けずに、「コロナ政策の優等生」でした。

 ところが、その上海も今年の3月初めに香港から流入したオミクロン株の感染が広がり始め、3月21日頃から上海の各地域で小区(日本の町内会に相当)単位の封鎖、商業施設も封鎖が続きました。

 そして、ついに3月28日から上海市の東側(浦東)が4日間、西側(浦西)が4月1日から4日間の実質的なロックダウン(都市封鎖)に突入しました。当初東西地域共に4日間で終わる予定でしたが、それに反して徐々に広がる感染者(陽性患者、無症状患者)の数は、1日1万、1.5万人、2万人…と日増しに増えていき、上海市政府は「継続的に封鎖を延長する」という判断を下しました。

 私は上海の西側に住んでいます。東側に比べて封鎖が4日間遅かったため、食料品などを購入する機会に恵まれました。でも東側に住んでいる人たちは突然封鎖隔離が決まり、即施行されたことで大混乱になりました。

 上海市民全員が自宅、またはホテルで完全隔離を余儀なくされています。家から一歩も出ることができず、ほぼ毎日のようにPCR検査があり、その検査のときだけ屋外に出ることが許されます。私自身もこの原稿を書いている時点(4月14日)で既に隔離15日目を家で過ごしています。

 隔離封鎖中は自ら食料品のデリバリー注文はできません。基本的に物流は止まっているし、デリバリースタッフも隔離されています。上海市政府から週に1度、野菜、肉、米などの配給はありますが、それでは絶対的に足りません。各小区、各居住マンション単位で団購(グループでまとめて購入する仕組み)は許可されており、ネット上のグループチャットを通じて注文をすることになります。普段は安価な野菜が異常に高騰していて、それを揶揄するような写真がSNS上で話題になりました。

 上海の商業施設をはじめありとあらゆる物販、飲食店、銀行は閉まっており、SNSなどで発信される嘘の様に人一人いない上海の街の姿に、市民が寂しい思いを抱かせています。

ファッションビジネスにさまざまな制限

 ファッション企業の仕事も、例外なく在宅リモートワークを強いられています。リモートワーク自体は20年のコロナ発生から短期間の隔離を何度か経験しており、慣れているように見えます。ただ、今回のようなに、隔離がいつ終わるか見えないロックダウンという特殊な状況では、いくつかの点で違っているようです。

 1つ目は、素材、材料などを直接触って確認ができないこと。デザイナー、MD、生産の担当者が服の素材スワッチ、商品サンプルを確認できない。あるいは店舗の内装設計担当者であれば、内装で使う材料や什器サンプルなどを確認できないのです。

 2つ目は、物流インフラの停止です。ファッション企業もオフライン店(リアル店舗)は全店閉鎖しています。一方でオンライン(ネット通販)はできても上海市内のお客さんへは配送ができません。

 3つ目は、コミュニケーションの制限です。上海のオフライン店は閉鎖していても、上海以外にオフライン店がある場合は、ライブ動画で店の状況を見ることはできます。でも直接現場を見ないと、お客さんの細かい反応も分からず、的確な指示を出せません。

 4つ目は、PCR検査の多さ。ほぼ毎日小区内で実施されるPCR検査は、時間が決まっていません。自宅でリモート会議中でも呼び出されると中座して、検査に行くしかない。会議に支障が出るケースが少なくないのです。

 5つ目は、何よりも食料確保が優先されることです。リモートワークも重要だけど、終わりが見えないロックダウン中は、生きていくうえで食料品確保が欠かせません。団購で購入するタイミング(基本的には朝から夕方くらいまでに実施、つまり仕事をしている時間と重複している)を逸すると、食料品を何日も購入できない。それを考えるとリモート会議に集中できないのです。

 さて本題の上海のファッション企業のロックダウン中の状況です。まず日系ファッション企業、続いて中国ローカル企業という順番で事例を挙げます。

【日系企業の事例1】解除後を見据えて仕掛けを練る

 この大手SPAは、上海で5店舗展開していますが、14日時点で全店を休業しています。オンラインは継続販売しています。上海市内への配送はできないけれど、数字は好調とのこと。その要因は物流倉庫を上海市郊外に置いているためです。ロックダウンの影響を受けずに、上海以外の地域に配送をできるからです。

 とはいえ、店舗休業は痛手です。販売期間の短い春物商品を好調なオンラインでの消化に注力。また苦肉の策として在庫を日本に移し、日本国内で売っています。

 今後のプロモーション、イベントに関しては、全て延期せざるを得ず、広告宣伝費投資を抑制。それでも先を見た準備にはぬかりがありません。20年のコロナ発生時と同様に、ロックダウン解除後にマーケットの反動重要が起こることを前提に、販促の計画を練っているそうです。

【日系企業の事例2】上海以外の店舗の在庫でECに対応

 中国全土に30店舗を展開する雑貨アクセサリーブランドは、上海市政府のルールに従い、上海の店舗のみ閉鎖しています。生命線のオンライン販売は、物流倉庫を上海市内に置いているため出荷配送ができない。ただし、出荷配送が可能な地方店舗から振り替えするなどの打ち手で対応したそうです。上海以外の店舗では、上海のロックダウンを想定して、事前に相当数を出荷していたこともあり、現時点では欠品、商品要望は出ていない。

 ロックダウンが解除されるであろう4月末に向けてネットでのイベントを仕掛ける予定です。店舗でも解除後に顧客に向けたイベントを企画中です。

【日系企業の事例3】物流拠点の分散の必要性を痛感

 上海に1店舗、卸販売で35店舗展開している婦人服ブランドも店舗は休業中です。ロックダウン自体は想定外だったけど、その前から明らかに消費マインドの下落が見えていたそうです。

 なのでロックダウン直前の3月初めに、上海の店舗で春新商品のオフ施策実施。卸販売では3月中旬に物流倉庫がPCR検査のため停止するも、事前にリスク回避のため、前倒しで出荷を済ませことなきを得ました。オンライン販売はT-mallで好調に推移しています。

 しかし、ロックダウン中は店舗の閉鎖、オンライン販売も物流倉庫が上海市内に有るため配送が機能せず、打ち手なしになってしまいした。ロックダウン解除後には、日本側からの動画、SNSの配信強化、仕入れ抑制、仕掛け前商品のキャンセルなどを予定しています。

 ロックダウンでの痛い教訓は、物流倉庫拠点の一極集中でした。機能停止を避けるための、リスクヘッジ策が不可欠と考えています。

【日系企業の事例4】上海以外のエリアでの販売強化

 中国に約900店舗展開する日本を代表するカジュアルブランドも上海市政府のルールに従い上海市内86全店舗を休業しています。上海では本部、オフライン店全員が自宅隔離でリモートワーク。その分、上海以外のエリアでの販売を強化し、華北、華南地区では売り上げが上昇しています。ただ上海にもいくつかの物流倉庫があり、受け地方への配送の遅延が起こっているようです。

 一方、生産面は縫製工場自体が中国全土に分散しているので影響は軽微といいます。問題は生産された商品の海外への物流です。上海港まで輸送できないので、積載地を変更するなどで苦労しています。

【日系企業の事例5】店舗閉鎖は上海だけではない

 全国に10店舗展開している日系のアメカジブランドは、本部、倉庫共に上海の浦西(上海の西側)に立地するため、4月1日からロックダウン前に倉庫に着荷した商品から、投入スケジュールを前倒して新作を全国各区店へ出荷しました。倉庫出荷担当スタッフの1人は解除期間が読めなかったため、ロックダウン解除後すぐに対応できるように3月末から今現在も倉庫に寝泊まりし対応しているそうです。

 上海に店舗がないため、販売では直接的な影響はないそうです。しかし全国的にコロナ影響が出ている。東北部のハルピン、瀋陽のショッピングセンターは、3月から施設が長期クローズの状態。蘇州は2月10日からコロナの影響が非常に大きく、現在もまだ収束がつかず、ついに食品を除いたSCの大部分の休業が続いている。

 販促面は、店頭は春物新作1件9折、2件85折(1枚購入10%OFF、2枚購入 5%OFF)のイベントを春節後から現在まで継続実施中。

 ECモール大手のTモールの販売委託会社、倉庫共に上海市内にあるため、ロックダウンにより多大な影響を受けている。上海の物流が機能していないことから、全国各オフライン店からお客さんへ直接発送に切り替え対応をしているものの、販売後の対応や、購入者の受け取り先エリアの物流制限(上海、蘇州、北京など)もあり、非常に対応が困難な状況にあります。

【中国企業の事例】コロナの長期化を織り込んだ戦略策定

 上海と温州に本部があり、中国全土に4800店舗を展開する子供服アパレルは、上海の店舗は休業した。

 オンライン販売は数字も概ね好調だという。物流倉庫を温州に置いているため、上海以外の全国に配送をできていることが挙げられる。

 上海でのオンライン販売は、販売期間の短い春物と一部初夏物を大きな割引率で販売している。だが、上海市内の物流停止で商品受け取りは封鎖解除後となることと、隔離中は服よりも野菜、肉など生活必需品に対する欲求が高いため、販売額は伸びていない。

 中国では元々ライブコマースが発達している。ブランド本部のみならず店舗からも日々配信しているが、これも上海の店舗では開催ができない。各店店長は自宅からSNSを使って商品情報や割引情報のみ発信し続けているが、自宅でのライブコマース配信は困難なため、売り上げへの貢献には限られる。

 ちなみに私はVMDの専門家として同社に「商品企画/売り方/売り場に至る一連の仕組み、改善指導」を担っている。4月初めにリモートワークで行われた23年春商品系会議では、今のロックダウン現状や、全国で繰り返されるコロナによる規制、影響なども鑑み、「23年春もコロナの影響がある」という前提で議論が行われた。他の中国企業も同様で、コロナ感染リスク織り込んで次のシーズンの戦略を立てている。

物流拠点のあり方を再考する

 上海のロックダウンではオフライン店が全滅の中、オンラインがビジネスの生命線となるが、物流倉庫を上海市内とそれ以外のエリアに置いていることの違いで、大きな差が出ました。最近、近くて便利だけど家賃が高い上海に倉庫を構えるよりも、例えば杭州など他の省の倉庫の方が家賃も安く、かつ配送サービスも行き届いた場所に構えるという選択肢もあるのではないでしょうか。

 実際に私の中国人の知人が杭州に持つ巨大倉庫は、上海に本社を置く日系アパレルや酒類販売会社も利用していて、今回も何の支障も無く、中国全土に配送を行なっています。

 同時に物流倉庫の一極集中というリスクもないわけではありません。コストは掛かるけれど、倉庫の分散も考えるべきでしょう。

情報発信の仕方を再考する

 私自身もロックダウンを初めて経験しているわけですが、隔離中にスマホは絶対手放せませんでした。しかもウィーチャット(日本でいうとLINEに近い機能)は情報交換、日常のやり取りに不可欠です。

 しかしロックダウン中にこのウィーチャットのモーメンツに友人が近況報告、企業が広告をアップしても見ることができない環境になりました。なぜかいえば、上述の通りで「隔離中はまず食べることで必死」だからです。Wウィーチャットを使って小区単位や各住民が団購を行う。食料品、生活用品の確保に不可欠なのです。調達する商品は数量限定のものもある。欲しいものをスピーディに注文することに、朝から晩まで忙殺されます。

 都市封鎖レベルの状況では、各種SNSを使った販促、宣伝の効果は極めて弱いと言えます。事実、ロックダウン前まで毎週の様に定期的に送られてきていた販促目的のメールが全く来なくなりました。これは企業側が故意に送信をストップしているのだと思われます。

 逆にソフト宣伝というか、ロックダウン中「いかに自宅で有意義に過ごすか」「家で野菜を育てませんか」などのメッセージを送信するライフスタイル古本&古着店「多掴魚」は、隔離で苦しんでいる人たちを逆なでせず、好感が広がりました。心情的に訴求できる、的を射た手法です。

長引くロックダウンの過酷さ

 ロックダウンの異常な環境のなかでは、1日1日を大事に生活しようと心がけるようになります。仕事も重要ですが、何と言っても生きていくために食料品を確保して、毎日食べることだけを考えている、と言っても過言ではないと思います。

 それほど、食料品、生活用品の購買への不安や悩みに尽きない、過酷な状態であるということを日本の皆さんには理解していただきたいです。

 今回のロックダウンで、陽性患者、無症状患者がいない一部の地域では、条件付きの封鎖解除がされています。しかし私の予想では上海全体の封鎖解除されるのは、早くても5月以降になるのではないかと思います。1日も早く解除されいつものオシャレで活気のある上海に戻ることを祈っています。

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数多くのセレブのレッドカーペット衣装を手掛けてきたジョルジオ・アルマーニ レディー・ガガの衣装などについて語る

 レッドカーペットイベントや授賞式がリアルに戻った今シーズン、多くのセレブは久しぶりに華やかな衣装を身に纏い、スポットライトを浴びる場を楽しんだ。中でも今季はクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)が着用した「シャネル(CHANEL)」のショートパンツやアリアナ・デボーズ(Ariana DeBose)の「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のパンツといった目を引く衣装から、従来の豪華なボールガウンといったハリウッドらしいルックがレッドカーペットを占めた。肌の露出度が高いような衣装はあまり多く見られず、レッドカーペットにエレガンスが戻ったといっても過言ではないだろう。

 このトレンドをまさに体現したのがアカデミー賞授賞式でのニコール・キッドマン(Nicole Kidman)やグラミー賞授賞式のレディー・ガガ(Lady Gaga)だ。2人とも「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のカスタムガウンを着用した。2人の個性に合わせ、テイストもデザインも異なる衣装は、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)のデザインの幅広さを物語った。

 トニー・ベネット(Tony Bennett)との曲「ラヴ・フォー・セール(Love For Sale)」で最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム賞受賞を受賞したレディー・ガガは、ホワイトのスカートがウエストに巻かれたブラックのワンショルダーのシルクガウン姿で登場した。一方、映画「愛すべき夫妻の秘密(Being the Ricardos)」でルシール・ボール(Lucille Ball)役を演じ、主演女優賞にノミネートされたニコールはパステルブルーのシルクガウンをチョイス。ペプラムスカートと大ぶりなリボン、ゴールドのクリスタルをあしらったエレガントなドレスだ。

 米「WWD」は、ジョルジオ本人にレッドカーペットのトレンドや影響力ある女性の衣装を手掛けること、自身のデザインを着用したセレブを見た時の感動などについて聞いた。

WWD:クラシックなスタイルがレッドカーペットに戻ったと思う?それは昔ながらのハリウッドらしいスタイルなのか、もしくは言葉通りのクラシックなスタイル?

ジョルジオ・アルマーニ=デザイナー(以下、アルマーニ):はい、ハリウッドの黄金期を連想させるような、ドラマチックで煌びやかなグラマラスさが戻ってきている。私がキャリアを始めた頃と真逆なトレンドだ。ファッショントレンドは循環するもので、必ず何年かに1回戻ってくるからね。今は誰しもがSNSでスーパースターになれる中、みんなが大胆な夢を抱き、輝ける時代。だからこそ本当のスターたちはさらに輝かなければならない。彼らのスタイルをフォローすることはとてもワクワクすることだ。

WWD:ニコール・キッドマンとレディー・ガガは全く異なる性格の持ち主だが、2人とも授賞式で着用した衣装は素晴らしかった。彼女たちに共通するファッションのメッセージはあるのか。

アルマーニ:確かにニコールとレディー・ガガは全く違う女性だが、共に「アルマーニ」ウーマンであり、ファッションに大きな興味と熱量を抱いている。2人はドレスに負けることなく、自分らしく着こなせる。だからどれだけ華やかでゴージャスな衣装を着ても、個性が埋もれてしまうことなく、自分らしさが際立つのだ。

WWD:2人の衣装をデザインする際にこだわった点は?彼女たちから何かリクエストはあったのか?

アルマーニ:私が作る全てのドレスは、必ず会話から生まれる。着る人の要望に耳を傾け、それをデザインに反映する。2人は今、キャリアにおいて重要なステージに立っている。そこで、彼女たちの美しさや功績を讃えるようなドレスを作りたかった。また2人ならではの女性らしさも表現すべく、エレガントで品のあるニコール、色気のあるレディー・ガガを際立たせたかった。カラーパレットやデザインに関しては、ニコールには絵画的なもの、レディー・ガガにはグラフィカルなものを提案し、2人とも最初から気に入ってくれた。

WWD:自分でスケッチした衣装がレッドカーペットでセレブが着用しているのを見た時の感情はどのようなもの?人それぞれ立ち方だったりパーソナリティーがあったりするので、それも加味してデザインをする?

アルマーニ:ドレスは単体では動きのないもの。誰かが着て初めて命が吹き込まれ、その人その人のパーソナリティーにに合わせて動く。コレクションをデザインするときは特定の女性をイメージすることはないが、レッドカーペットは着る人のアティチュードや姿勢を知っているので、そういった要素をデザインに落とし込む。今でも自分が作ったドレスが、セレブが着用することによって生き生きと輝く瞬間を見ると、毎回感動するよ。

WWD:レッドカーペットのデザインはどのように進化してきた?

アルマーニ:時代に合わせて自分のスタイルも年々進化してきた。これまで、従来のグラマラスさに近いスタイルを自分のレンズを通してたくさん表現してきた。私は引き算をしたエレガンスが好きで、“やりすぎた”派手なグラマーは耐えられない。しかし派手なデザインやグラマラスさも上手に取り入れれば、素敵なクリエイションを生み出すことができる。その絶妙なバランスは面白いと思う。

WWD:衣装を手掛けた女優で驚いたことはある?

アルマーニ:予想外なディテールや気づきは必ずある。たとえば女優の歩き方だったり、見た目だったり。毎回何かしらサプライズはあるけれど、それもこの仕事の魅力の一つだと思う。

WWD:レッドカーペットは、今でも世間の憧れであり続けると思う?

アルマーニ:今も憧れではあるが、もしかしたら昔とは少し違う意味合いかもしれない。今はみんな、(SNSなどで)日々大量のニュースや写真を目にする。そんな中でレッドカーペットがハリウッドの全てではなくなったが、あの華やかさや雰囲気を真似できるイベントはないだろう。レッドカーペットの写真や記事はセレブやブランドへの憧れや興味を高め、たくさんの話題を生み出す。ポップカルチャーにはなくてはならない存在で、ファッションの重要性を物語る。

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数多くのセレブのレッドカーペット衣装を手掛けてきたジョルジオ・アルマーニ レディー・ガガの衣装などについて語る

 レッドカーペットイベントや授賞式がリアルに戻った今シーズン、多くのセレブは久しぶりに華やかな衣装を身に纏い、スポットライトを浴びる場を楽しんだ。中でも今季はクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)が着用した「シャネル(CHANEL)」のショートパンツやアリアナ・デボーズ(Ariana DeBose)の「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のパンツといった目を引く衣装から、従来の豪華なボールガウンといったハリウッドらしいルックがレッドカーペットを占めた。肌の露出度が高いような衣装はあまり多く見られず、レッドカーペットにエレガンスが戻ったといっても過言ではないだろう。

 このトレンドをまさに体現したのがアカデミー賞授賞式でのニコール・キッドマン(Nicole Kidman)やグラミー賞授賞式のレディー・ガガ(Lady Gaga)だ。2人とも「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のカスタムガウンを着用した。2人の個性に合わせ、テイストもデザインも異なる衣装は、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)のデザインの幅広さを物語った。

 トニー・ベネット(Tony Bennett)との曲「ラヴ・フォー・セール(Love For Sale)」で最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム賞受賞を受賞したレディー・ガガは、ホワイトのスカートがウエストに巻かれたブラックのワンショルダーのシルクガウン姿で登場した。一方、映画「愛すべき夫妻の秘密(Being the Ricardos)」でルシール・ボール(Lucille Ball)役を演じ、主演女優賞にノミネートされたニコールはパステルブルーのシルクガウンをチョイス。ペプラムスカートと大ぶりなリボン、ゴールドのクリスタルをあしらったエレガントなドレスだ。

 米「WWD」は、ジョルジオ本人にレッドカーペットのトレンドや影響力ある女性の衣装を手掛けること、自身のデザインを着用したセレブを見た時の感動などについて聞いた。

WWD:クラシックなスタイルがレッドカーペットに戻ったと思う?それは昔ながらのハリウッドらしいスタイルなのか、もしくは言葉通りのクラシックなスタイル?

ジョルジオ・アルマーニ=デザイナー(以下、アルマーニ):はい、ハリウッドの黄金期を連想させるような、ドラマチックで煌びやかなグラマラスさが戻ってきている。私がキャリアを始めた頃と真逆なトレンドだ。ファッショントレンドは循環するもので、必ず何年かに1回戻ってくるからね。今は誰しもがSNSでスーパースターになれる中、みんなが大胆な夢を抱き、輝ける時代。だからこそ本当のスターたちはさらに輝かなければならない。彼らのスタイルをフォローすることはとてもワクワクすることだ。

WWD:ニコール・キッドマンとレディー・ガガは全く異なる性格の持ち主だが、2人とも授賞式で着用した衣装は素晴らしかった。彼女たちに共通するファッションのメッセージはあるのか。

アルマーニ:確かにニコールとレディー・ガガは全く違う女性だが、共に「アルマーニ」ウーマンであり、ファッションに大きな興味と熱量を抱いている。2人はドレスに負けることなく、自分らしく着こなせる。だからどれだけ華やかでゴージャスな衣装を着ても、個性が埋もれてしまうことなく、自分らしさが際立つのだ。

WWD:2人の衣装をデザインする際にこだわった点は?彼女たちから何かリクエストはあったのか?

アルマーニ:私が作る全てのドレスは、必ず会話から生まれる。着る人の要望に耳を傾け、それをデザインに反映する。2人は今、キャリアにおいて重要なステージに立っている。そこで、彼女たちの美しさや功績を讃えるようなドレスを作りたかった。また2人ならではの女性らしさも表現すべく、エレガントで品のあるニコール、色気のあるレディー・ガガを際立たせたかった。カラーパレットやデザインに関しては、ニコールには絵画的なもの、レディー・ガガにはグラフィカルなものを提案し、2人とも最初から気に入ってくれた。

WWD:自分でスケッチした衣装がレッドカーペットでセレブが着用しているのを見た時の感情はどのようなもの?人それぞれ立ち方だったりパーソナリティーがあったりするので、それも加味してデザインをする?

アルマーニ:ドレスは単体では動きのないもの。誰かが着て初めて命が吹き込まれ、その人その人のパーソナリティーにに合わせて動く。コレクションをデザインするときは特定の女性をイメージすることはないが、レッドカーペットは着る人のアティチュードや姿勢を知っているので、そういった要素をデザインに落とし込む。今でも自分が作ったドレスが、セレブが着用することによって生き生きと輝く瞬間を見ると、毎回感動するよ。

WWD:レッドカーペットのデザインはどのように進化してきた?

アルマーニ:時代に合わせて自分のスタイルも年々進化してきた。これまで、従来のグラマラスさに近いスタイルを自分のレンズを通してたくさん表現してきた。私は引き算をしたエレガンスが好きで、“やりすぎた”派手なグラマーは耐えられない。しかし派手なデザインやグラマラスさも上手に取り入れれば、素敵なクリエイションを生み出すことができる。その絶妙なバランスは面白いと思う。

WWD:衣装を手掛けた女優で驚いたことはある?

アルマーニ:予想外なディテールや気づきは必ずある。たとえば女優の歩き方だったり、見た目だったり。毎回何かしらサプライズはあるけれど、それもこの仕事の魅力の一つだと思う。

WWD:レッドカーペットは、今でも世間の憧れであり続けると思う?

アルマーニ:今も憧れではあるが、もしかしたら昔とは少し違う意味合いかもしれない。今はみんな、(SNSなどで)日々大量のニュースや写真を目にする。そんな中でレッドカーペットがハリウッドの全てではなくなったが、あの華やかさや雰囲気を真似できるイベントはないだろう。レッドカーペットの写真や記事はセレブやブランドへの憧れや興味を高め、たくさんの話題を生み出す。ポップカルチャーにはなくてはならない存在で、ファッションの重要性を物語る。

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「ハッチ」が2月デビューの新ラインのポップアップショプを伊勢丹新宿本店で開設

 ハチミツを使ったスキンケア化粧品を展開する「ハッチ(HACCI)」は、伊勢丹新宿本店本館1階でポップアップショップを4月26日までオープンしている。今年2月にデビューした新スキンケアライン“ハニー バイ ハッチ (HONEY BY HACCI)や同ラインの新製品の先行販売や特別キットなどもそろえる。

 店舗は2ステップでスキンケアが完結する“ハニー バイ ハッチ”のハニーピンクの世界観を表現したフォトジェニックな空間を演出。ブースター・化粧水・美容オイル・乳液の4つの役割を持つ“スキップローション”(150mL、税込4950円)と、美容液・クリームの効果がある“スキップセラム”(50mL、同6600円)を中心に扱う。また、4月27日に発売するブランド初の酵素洗顔パウダー“スキップウォッシュ”を先行販売する。そのほか、「ハッチ」のロングセラー製品“はちみつ洗顔石けん”(80g、同5280円)、“ハニーコラーゲン”(30mL×9本、同5184円)をハニーピンクのパッケージで販売。“ハニー バイ ハッチ”のスペシャルキット(1万5000円)もそろえる。

 今後も百貨店のポップアップなどを順次実施する予定だ。

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故アレキサンダー・マックイーンの24歳当時の履歴書を保有者が売却へ 提示価格は12万円

 「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」創業デザイナーの故リー・アレキサンダー・マックイーン(Lee Alexander McQueen)の履歴書が、4月21〜24日に開催されるニューヨークのインターナショナル・アンティクワリアン・ブックフェア(New York International Antiquarian Book Fair)で売却される。提示価格は1000ドル(約12万4000円)。

 同履歴書は1992〜93年ごろ、マックイーン氏が24歳当時に書いたと見られている。同氏の友人兼ミューズであり、最初のパブリシストであったアリス・スミス(Alice Smith)が保有していたもの。タイプライターで作成されており、「個人情報」「学歴」「職歴」などの欄がある。ファッション業界の“異端児”として成功を収めたのち、40歳で自死した同氏の貴重な遺品となっている。

 職歴については、セントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)卒業後の84〜90年にかけて5つの会社で見習いをしたことも記載されている。サヴィル・ロウのテーラー「アンダーソン&シェパード(ANDERSON AND SHEPPARD)」での経験について綴る際には、“カルバン・クライン(Calvin Klein)”を“Calvin Kline”と、“Their”を”There”とスペルミスをするなど意外な一面も見られる。

 趣味についても書かれており、写真集の古本や、60〜70年代のカルト映画が好きだという情報も。また、実際には69年3月17日生まれだが、履歴書には68年生まれと書かれているのも興味深いところだろう。

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ロンドンのデザイナーたちは今、何を思う? 22-23年秋冬で見えた2つのキーワード

 2022-23年秋冬シーズンのロンドン・ファッション・ウィーク(London Fashion Week以下、LFW)は、ほぼ全てのブランドがリアルのショーを開催し、座席はソーシャルディスタンスがなく、ナイトクラブでのアフターパーティーも復活した。“全ての人に開かれたLFW”に向けて英国ファッション協会は、政府と企業と協力。一般人も参加可能なワークショップや、無料での飲食店利用、ヘアサロンでのスタイリングサービスなど、400以上のイベントを街中で開催した。引き続きアジア勢の参加はなかったものの、欧州とアメリカ、中東からの業界関係者が多く、街中にも観光客が戻っているようだった。

 今季のLFWから見えたものは、“ノスタルジック”と“1920〜30年代”という2つのキーワードだ。幼少期や学生時代といった誰もが胸の奥にしまっている思い出を共有し、懐かしさに浸りながら心を一つにするような”ノスタルジック”なアプローチである。また、第一次世界大戦後の20年代と、パンデミックが終息へと向かう現代のムードに共通項を見出すデザイナーも多かった。時代の空気を嗅ぎ分け、それぞれの手法でコレクションへと落とし込んだブランドのコレクションをダイジュストでリポートする。

強い「アーデム」に進化

 アーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)の「アーデム(ERDEM)」は、30年代に活躍した写真家マダム・ドーラ(Madame d´Ora)が今季のミューズだ。彼女自身のスタイルと、キャバレーで撮影した彼女の友人らのドレスアップした姿に想像を掻き立てられたという。モラリオグルは、「ドイツでは1919年に女性に選挙権が与えられ、ベルリンにレズビアンバーが次々に開いたのだ」と時代背景を説明した。「2つの世界大戦のちょうど中間にあたるこの時代、男性は女装を楽しみ、人々が性を解放した。フェミニティとマスキュリニティの対極的な関係を融合させるというアイデアが気に入ったんだ」と続けた。

 昨年メンズラインをスタートした「アーデム」は、今季がフルアイテムがそろう本格的なスタートだと言い、グランドピアノが生演奏を奏でる演出の中、男女のモデルをランウエイに登場させた。男性性を感じさせるダブルレストの黒のコートには、同色で花柄の刺しゅうを施し、シャツのボタンを上まで閉めたスーツのルックや、シルクのシャツドレスには刺しゅうとビーズで装飾をし、男女で共有させた。シグネチャーであるロマンティックな花柄は、ほつれた生地や細かなプリーツで描き、陰影によってぼやけたムードが儚さを与える。終盤は、総スパンコールや繊細なレースのイブニングドレスが登場し、暗がりの会場内で妖艶な魅力を放っていた。これら女性性の強いルックは、レザーブーツや厚底のローファーでたくましさを付け加えた。

 持ち前のカラフルな花柄は控えめだった。代わりに手刺しゅうやフリンジ、ビーズといったバラエティに富む装飾で華やかさを持たせながら、暗黒時代の憂鬱なムードを表現した。ナイトライフが再開する未来への期待と、予測不可能で不安定な未来を憂う、現在の私たちの心の内を映し出しているようだ。メンズを始めたことが影響してか、可憐さよりも力強さが際立っており、「アーデム」の新たな魅力が感じられた。

華麗なる「リクソー」の世界

 レトロなドレスを主力商品とする「リクソー(RIXO)」は、1920〜30年代のハリウッド映画から着想を得て、パーティ向けの華やかなドレスで彩った。この時代の女性のスタイルを象徴する、ストレートラインの身頃の膝下丈のドレスが基盤となる。フリルやスリップの入った裾が、踊る体に合わせてリズミカルに揺れ、自由奔放で快活な若々しさがあった。手書きの花柄のプリントの他、ビーズとスパンコールの装飾でドレスが輝き、「アーデム」でも登場した全面スパンコールのヘッドピースでグラマラスなスタイルへと昇華させた。

 プレゼンテーションは、1835年に設立されたゴールドスミスホールが会場だ。金の装飾と大きなシャンデリアで飾られた、豪華なビクトリア様式の会場内にはシャンパンタワーが用意され、生演奏が鳴り響き、富裕層が集まる社交界のような雰囲気。映画「グレート・ギャツビー」さながらの華麗な演出で、来場者はシャンパンを片手に大いに楽しんでいる様子だった。

挑発する「モリー ゴダード」

 パンデミックの影響と、妊娠・出産のためにリアルのショーを2年間開催していなかった「モリー ゴダード(MOLLY GODDARD)」。母となって初めて行うショーの会場にレジャーセンターを選び、小高いステージ状のランウエイを用意した。88年にロンドン西部で生まれたゴダードは、パンクの聖地カムデンタウンやイギリス最大規模の蚤の市ポートベロー・マーケットといった豊かな文化が根付く地元からインスピレーションを得たという。

 どこか懐かしくほっこりとした印象を与えるニットのアンサンブルや、部分的にスパンコールを施したアーガイルのニットセーターは、お尻を覆い隠すゆったりとした量感。フリルをふんだんに使ったスカートを合わせて、ローウエストの新しいシルエットを打ち出した。学生服を思わせるブレザーとプリーツスカート、分厚いソックス、80年代風のレギンスやポインテッドトーのパンプスと、ノスタルジックな要素が盛りだくさん。加えて、パンキッシュなスパイスをもたらしたのは、チャンキーな厚底のボクシングブーツと、ちょんまげ風ヘアにキャットアイのメイクアップだ。終盤に登場したチュールのボリュームたっぷりのドレスも、“かわいい”の枠に収まりきらない挑発的な姿勢を宿していた。

「ヴィヴィアン ウエストウッド」のスピリット

 デジタルで発表した「ヴィヴィアン ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」は、現地でプレス向けにプレビューを開催。テーマは”Wild Beauty”で、本能に掻き立てられて自由を求めるブランドらしいパンキッシュなスタイルを表現していた。16世紀の絵画作品「カーニバルとレントの戦い」のプリントや、ヴィヴィアンの手描きによる魔よけのシンボルである邪眼モチーフ、幾何学模様など豊富な柄が登場する中、ひときわインパクトを放っていたのがタイガープリント。今年の干支である寅は、中国で強さ、勇気、悪を払う象徴であり、世界が再起動し始めている今だからこそ、着る人にエネルギッシュなパワーを与える力がある。オリジナルのタイガープリントは、2001年秋冬コレクションから引用したもので、シャツやジャケット、ドレスに描いた。

 胸元に校章の刺しゅうが入ったブレザーの学生服は、ミニスカートと合わせて、90年代後半の女子高生を彷彿とさせる懐かしいスタイル。また、イギリスの幼稚園で園児が毎年描くポートレートの寄せ書きのプリントは、イギリス人なら誰もが幼少期を思い出すノスタルジックなものだという。学生服のほかにも、ラペルを誇張した金ボタン付きのロング丈コートなど、クラシックなルックも多く見られた。ステイホームが終えんを迎え、フォーマルな行事で賑わう未来を予期させるコレクションだった。

ホラー風味の「シモーネ ロシャ」

 昨年出産したシモーネ・ロシャ(Simone Rocha)は、二児を抱える母親としての新たなライフスタイルが、クリエイションにも影響を与えたようだ。生まれ故郷であるアイルランドから着想を得る彼女は今季、「アイルランドの誰もが知っているとても古い寓話」という“リールの子供たち(Chlredn of Lir)”をコレクションで描いた。嫉妬深い継母によって、白鳥の姿に変えられた4人の男女の子供が主人公の寓話で、湖で900年間生きた後に人間の姿に戻って命が絶えるという物語である。

 まるでホラーのような寓話を反映させたショーは、パフスリーブの真っ黒のルックで始まった。レザーのライダースジャケットにナイロンのフリルとリボンをドッギングし、チュールを使った可憐なドレスにカーゴパンツを合わせ、ハイブリッドの手法やミスマッチな組み合わせで子供から白鳥へと変わる過程を表現した。中盤のシアー素材のネグリジェ風ドレスや、チュールとレースで愛らしいルックは、白鳥として湖で生きる子供たちへと物語が続いていく。時折差し込んだ重厚なベルベットの生地と、喪服のような漆黒のドレスにパールの装飾とジュエリーで飾ったルックは、寓話のダークな側面を映し出した。ナイロンやパテントレザー、ベルベットの艶は「白鳥の羽の質感や濡れたくちばしだ」とロシャは説明した。真っ白のキルトの羽織りや、チュールとレースのドレスに施したアイキャッチーな赤色の装飾は、「血の滴」だという。

 ランウエイを歩くモデルにスポットライトを当てて、ホラー映画風の不気味な音楽が暗闇の教会の内に響き渡った。子供に読み聞かせるには悲惨な結末だが、現実は時として無情にも残酷であるという教訓が込められており、メルヘンな「シモーネ ロシャ」の世界観との対比が際立った。ショーの演出と背景のストーリーには興味をそそられたが、コレクションとしては過去数シーズン大きな飛躍は見られない。とはいえ、ブランドを愛するコミュニティが安定を求めているのだとしたら、その人たちを満足させられる内容だったと言えるだろう。

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東京から世界へ! デザイナーの成長を後押しするアワード「TFA」とは?

 東京都と日本ファッション・ウィーク推進機構が主催する「東京ファッションアワード 2022(以下、TFA)」の受賞8デザイナーが、2022-23年秋冬「楽天 ファッション ウィーク東京(以下、東コレ)」期間中に公式会場の渋谷ヒカリエにてフィジカル形式で新作コレクションを発表した。「TFA」は、東京を拠点とするファッションデザイナーの海外での展開をサポートするために2014年に創設されたアワードで、これまでに総勢50人のデザイナー、44のブランドを選出。デザイナーの海外ビジネスを支援する国内随一のアワードとして知られる。

 「TFA」最大の特徴は、国内外の有力バイヤー及びバイヤー経験者が審査員を務めることだ。選定基準は、世界で活躍する品質であるか、ポテンシャルがあるか。さらに応募資格として、 1.東京をビジネスの拠点にしていること 2.海外市場開拓に意欲があり体制が整っていること 3.セールスを3シーズン以上行っていることが求められる。

 小売の現場ならではの視点で選ばれたブランドは、パリ・ファッション・ウイーク期間中に開設される「ショールーム・トーキョー」に最大4シーズン継続して出展することができる。過去受賞者には「ファセッタズム(FACETASM)」「ダブレット(DOUBLET)」「チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」などが名を連ね、世界各国のバイヤーにも「注目の東京ブランドが集まるショールーム」という認知が広がっているという。第1~3回のアワード受賞者は、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に現地で展示会を開催。第4~6回は、展示会に加えて、イタリアの「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」にも参加した。7回目(「TFA 2022」)からは、新たにウィメンズ部門の募集を開始。2月末~3月頭と9月末~10月頭のパリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク期間中の支援が加わり、“東京ブランド”の海外発信をさらに強化する。

 「TFA」の企画・運営に携わる田中大海・伊藤忠ファッションシステム 第1ディビジョン マーケティング開発第3グループは、「今回が大きなターニングポイントになった」と語る。「募集デザイナーを拡充し、エントリー数は従来比の2倍近くとなり過去最高となった。 3月に実施した東コレでのコレクション発表イベントも反響が大きく、エンドユーザーにまで認知が広がった感覚だ」。海外で販路を広げるデザイナーに共通するのは、「あくまで『TFA』をビジネス拡大のステップアップと捉えている」こと。「『TFA』を起点に、さらに具体的なビジョンを持って邁進するデザイナーや、ここの支援に加えてプラスアルファのアクションを起こしている人が、海外でのビジネスを伸ばしている印象だ」と話す。

 次回エントリーを考えるデザイナーにエールを送る。「自身のプランニングや『TFA』の募集要項に沿うかなど不安な人も多いと思う。しかし、興味がある人はぜひ応募してほしい。日本のマーケットは海外と比較しても非常に細分化されており、かつ日本の人口分布的にも縮小は免れない。グローバルマーケットの重要性を感じているデザイナーには『TFA』にチャレンジしてもらい、フィジカルな展示会やショーにしかない“パワー”を感じ、自身のビジネスに活用してほしい」。

問い合わせ先
「東京ファッションアワード」事務局
日本ファッション・ウィーク推進機構内 SUNデザイン研究所
mailto:press@tokyo-fashion-award.jp

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“もったいない”をなくす第7回「パスザバトン マーケット」が4月16~17日に東京・品川で開催 グリーンや花なども販売

 スープストック トーキョー(SOUP STOCK TOKYO)などを運営するスマイルズによる「パスザバトン マーケット(PASS THE BATON MARKET以下、PTBM)」が4月16、17日に東京・品川のコクヨ品川 ザ キャンパスで開催される。今回の開催は7回目。

 「PTBM」は、“もったいない”をなくすをテーマに掲げ、ファッション、インテリア、雑貨、食品などの規格外のデッドストックや賞味期限が近いがおいしく食べることができる食品などを販売する蚤の市だ。今回の出展者数は53。ファッションでは「アバハウス インターナショナル(ABA HOUSE INTERNATIONAL)」や「ユナイテッド アローズ(UNITED ARROWS)」などが出展。今回は、「カリモク家具(KARIMOKU)」や「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」「ジノリ1735(GINORI 1735)などの初出展に加え、『ソルソ ファーム(SOLSO FIRM)』や『フラワーズ ネスト(FLOWERS NEST)』『ときいろ(TOKIIRO)』などのグリーンやフラワーも豊富にそろう。

 衣・食・住、さまざまな企業の倉庫に眠っているデッドストックや規格外品など、『PTBM』だから出会えるモノが日本各地から集まる2日間だ。会期中には、親子で楽しめるワークショップなども開催(要予約)。入場料は300円(小学生以下、無料)。

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“もったいない”をなくす第7回「パスザバトン マーケット」が4月16~17日に東京・品川で開催 グリーンや花なども販売

 スープストック トーキョー(SOUP STOCK TOKYO)などを運営するスマイルズによる「パスザバトン マーケット(PASS THE BATON MARKET以下、PTBM)」が4月16、17日に東京・品川のコクヨ品川 ザ キャンパスで開催される。今回の開催は7回目。

 「PTBM」は、“もったいない”をなくすをテーマに掲げ、ファッション、インテリア、雑貨、食品などの規格外のデッドストックや賞味期限が近いがおいしく食べることができる食品などを販売する蚤の市だ。今回の出展者数は53。ファッションでは「アバハウス インターナショナル(ABA HOUSE INTERNATIONAL)」や「ユナイテッド アローズ(UNITED ARROWS)」などが出展。今回は、「カリモク家具(KARIMOKU)」や「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」「ジノリ1735(GINORI 1735)などの初出展に加え、『ソルソ ファーム(SOLSO FIRM)』や『フラワーズ ネスト(FLOWERS NEST)』『ときいろ(TOKIIRO)』などのグリーンやフラワーも豊富にそろう。

 衣・食・住、さまざまな企業の倉庫に眠っているデッドストックや規格外品など、『PTBM』だから出会えるモノが日本各地から集まる2日間だ。会期中には、親子で楽しめるワークショップなども開催(要予約)。入場料は300円(小学生以下、無料)。

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「アニエスベー」でファッション業界のサステナブルを学ぶ 中高生の「ファッション育」Vol.2

 中高生のためのファッション育プロジェクト「フューチャー・ファッション・インスティテュート(FUTURE FASHION INSTITUTE、以下FFI)」は、「ファッション育」を通じて子どもたちの感性を磨き、未来の業界を担う人材やセンスを生かして働く子どもの育成を応援している。展示会への訪問や業界人へのお仕事インタビューなどを重ねるメンバーは、自らの体験をシェアして友人に刺激を提供。ポジティブなループを通して、子どもたちが「未来の自分」を思い描き、夢に一歩近づくことを願う。今回は「アニエスベー(AGNES B.)」を訪れ、ファッション業界のサステナブルについて学んだ。

 学生が訪れたのは、「アニエスベー」青山店。店舗の2階はギャラリーとして、アートを展示・販売している。プレインターンは、「アニエスベー」が2019年に公式インスタグラムにアップした「I HATE FAST FASHION」という投稿の意味を学ぶことから始まった。創業者のアニエスベーやブランドの関係者は、ファストファッションの大量生産がもたらした大量廃棄や、原材料の生産地の特性やノウハウを軽視した画一的なモノづくりに警鐘を鳴らしてきた。露木麻理子アニエスベージャパン ブランド&デジタル部シニアリーダーは、「皆さんには、流行っているからという理由で衝動買いしてしまったり、バーゲンだったからつい買ってしまったりで、“ほったらかし”にしている洋服はありませんか?」と投げかける。そんな洋服も大事に着続けて欲しいというのが、「アニエスベー」のスタンスだ。

 創業デザイナーのアニエスべーは昔から、彼女自身が最新コレクションの洋服を、それより前に発表し着続けている洋服とコーディネート。「ずっと着ていなかった洋服も、1つだけ、なにか新しいものと合わせると、新鮮な気持ちでもう一度楽しめる」という彼女の考え方に憧れるスタッフは多い。実際露木シニアリーダーは、「『アニエスベー』で働いて20年以上になりますが、今日のブルゾンは、ショップスタッフとして働いていた頃からの一着。スカートは、40年近い歴史あるモデルのリバイバル。改めて新鮮な気分でコーディネートしてみました」という。

 色褪せない「アニエスベー」のデザインは、実際長く愛されている。例えばブランドを代表する“カーディガンプレッション”は1979年の誕生以来、ウィメンズやメンズ、キッズ、さまざまな色や柄はもちろん、長袖やボレロ、レザー、ネックラインにスタッズを施したタイプ、ロングドレスなど、既存のものを使って独自なものを生み出し続けながら現在に至っている。22年春夏シーズンに登場した新作「カーディガンプレッション ビオ」は、GOTS(オーガニックテキスタイルの世界基準)認証を得たオーガニックコットン100%の糸を用い、染色には天然の植物性染料を使用。技術継承のため、この商品は40年以上、フランスの同じ工場で生産し続けている。

 一方バスケットバッグに用いるラフィアは、マダカスカルが原産のヤシの葉から取り出した天然繊維だ。はじめは硬いが使い続けると樹脂がツヤを生んで柔らかくなる素材は、家具などに仕上げる現地の職人の手作業を経てバッグになる。マダカスカルは政情不安が続き、現地の人々は不安定な生活に悩んでいるという。そこで環境に優しいモノづくりを継続して依頼することで生活の安定を願っている。

サステナブルの工夫は、
ハンガーから社内の自動販売機まで

 「アニエスベー」が地球環境に向き合うのは、「ファッション業界が、『汚染産業』と言われている」からだ。アニエスベージャパンの松戸美紗サステナビリティ・アンバサダーは、ファッション産業が世界の排水の20%、温室効果ガスの10%を生み出しているなど「汚染産業」と言われている現実を伝え、「ブランド立ち上げ当初から環境保護活動を続ける創業者のアニエスベー同様、私たち本社スタッフも全員、20年からサステナブル・プロジェクトに取り組んでいます」という。現在取り組むのは、①プラスチックの削減、②再生プラスチックの利用、③廃棄物の削減、④環境に優しいエネルギーの活用、⑤衣類回収などの各種プロジェクトなど。例えばプラスチックの削減については、「日本でも60%が燃やされたり、埋め立てられたりしている」現実に目を向け、まずは商品を守るための梱包資材に目を向けた。結果、梱包資材のスポンジはこれまでに7万6000個を削減し、ポリ袋にいたっては20万枚以上を廃止した。倉庫から店頭に商品を搬入するときのハンガーも、使い捨てを改めてリユースに。店頭では、今年中にショッピングバッグを本体だけでなくハンドルまで認証紙素材に切り替え。雨よけのカバーは2月に再生プラスチック素材に切り替え、緩衝材の“プチプチ(エアクッション)”も同様のサステナブル素材に切り替える予定だ。ECでも、プラスチックを使わない包装に改めた。商品の下げ札をプラスチックではなく糸でつけるようにしたり、バッグラインでは内装ラベルも再生ポリエステル素材に切り替えたりなど、サステナブルな取り組みは細部にも及んでいる。

 また日本国内の「アニエスベー カフェ」でも、テイクアウトを含めてプラスチックの紙素材への切り替えを進め、昨年は400kgのプラスチックを削減した。努力は社内にもおよび、クリアファイルは紙製に切り替えた。さらにオフィスでは自動販売機を撤去することでペットボトルのゴミの半減に成功。さらにはペットボトル用のゴミ箱を撤去して、ゴミゼロも達成した。

 ファッション業界は毎年9200万t、実にゴミ収集車が1秒に1回捨てるほどの繊維の廃棄物を生み出しているという。アニエスベーでは、店舗で不良品を生まないよう啓発ビデオを作成するなど努力を積み重ね、20年の洋服の不良品は半減、バッグでも25%の削減に成功し、昨年はさらに平均して14%の削減を達成した。これにより日本での商品廃棄は生産量の0.004%まで減少したが「この数値をゼロにするため、さらに努力を重ねている」。また、渋谷店は100%再生可能エネルギーを使用し、青山店はLED照明を導入するなど、環境に優しいエネルギー消費も心がけている。

 個人としてのアニエスベーは、フランス本社のCEOでもある息子と共に、タラ オセアン(TARA OCEAN)財団を共同創立し、海洋科学探査船「タラ号」を購入。この船は世界を航海し、気候危機や環境破壊が海洋に及ぼす影響を調査・研究している。地表の7割は海で「海の健康」は「地球の健康」に直結するが、理解できていないことはまだまだ多い。「タラ号」はそんな謎の解明とともに、環境保護についての啓発活動に取り組んでいる。アニエスべーがサポートする活動らしいのは、船にはアーティストも乗船して、彼らのアートの力で経験を発表して、海洋保護の重要性を訴えている点だ。アーティストでなければ感じられない海の状態や様子、実際の海での体験を作品で発表し、「アートと科学の融合」を目指している。

参加した学生のレポートから
 SDGsに色々な方法で注力し、たくさんの人に環境問題を伝えていることを知り「すごい」と思いました。私も、なにか行動しようという気持ちになりました。ありがとうございました。(Eri 中学2年生)

 今はほとんどのブランドが「環境問題に取り組んでいます」と発信しているが、「どんなことをしているのか」を明記しているところは少ない。「何をしているのか、教えてほしい」と思っていたので、「アニエスベー」がしっかり教えてくれて嬉しかった。特に「タラ号」の取り組みは凄い。日本に来た時は存在を知らなかったので、また来日してほしい。代表的なカーディガンの素材を地球に優しくしたり、洋服を作る上で余った布でエコバッグを作ったり。それを私たちが使えば、「アニエスベー」と共に環境問題を解決しようとしている感じになれて「いいな」と思った。今春の洋服を見ることができて、先取り感があってすごく嬉しかった。(Hana 中学2年生)

 SDGsなどにしっかり取り組み、ファッションブランドらしく伝えていた。SDGsに関する取り組みは、%で表したり、個数で表現したりバラバラ。「全然違うんだな」と感じた。身近でできるSDGsを考えようと思う。(Koto 中学2年生)

 中高生向けだったので少し難しかったけれど、SDGsの17の目標は知っていた。ブランドの人が実行しているのを初めて聞けて、おもしろかった。海が好きで、「タラ新聞」を読んでいたので、「タラ号」の話がとてもおもしろかった。ファッションにはあまり興味がなかったけれど、ファッションもSDGsを意識して地球の問題を解決しようとしていることにびっくりした。これからもっとファッションにも興味を持ってみたい。(Ao 小学5年生)

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「メイトバイク」が窪塚洋介を起用した新キャンペーン“先、行ってるね。”を発表 E-バイクを通じてサステナブルな社会変革を目指す

 世界一の自転車都市として知られるデンマーク・コペンハーゲン発のE-バイクブランド「メイトバイク(MATE. BIKE)」はこのたび、日本上陸1周年を記念した新コーポレートスローガン“この星の、走り方までデザインする。”を発表した。またこれと同時に、日本上陸時からブランドアンバサダーを務める俳優・窪塚洋介を起用した新キャンペーン“先、行ってるね。”も4月7日から展開している。

 そもそもE-バイクとは、スポーツバイクに電動アシストユニットを搭載し、免許不要で公道を走ることが可能な電気自転車を指す。スポーツバイクの走行性能と電動自転車のアシスト機能を持ち合わせたハイブリッドバイクのため、長距離や坂道でも軽快に移動することが可能で、なおかつ二酸化炭素を排出しないサステナブルな移動手段として世界的に注目を集めている。その中で「メイトバイク」は、交通渋滞や気候変動などの環境問題を危惧したクリスチャン・アデル・ミシェル(Christian Adel Michael)とジュリー・クロンストラム・カートン(Julie Kronstrom Carton)の姉弟が、2016年に自転車王国デンマークで創業。クラウドファンディングから始まったスタートアップ企業で、E-バイクが機能的にもデザイン的にも優れ、より社会的地位の高い交通手段として根付いてほしいという願いから生み出した初代“メイト(MATE)”は、680万ドル(約8億4300万円)の資金調達に成功。さらに2代目“メイトエックス(MATE X)”では、ヨーロッパ史上最高調達額となる1700万ドル(約21億800万円)を達成し、世界80カ国以上の街で乗られるなど、興隆著しいE-バイク文化を早くからけん引してきた。また、ジャンルの壁を越えた協業にも積極的で、これまでに「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」や「パーム エンジェルス(PALM ANGELS)」とのコラボを実現している。

 現在「メイトバイク」が展開しているのは、“メイトエックス”と“メイトシティ”の2モデルだ。“メイトエックス”は、街乗りだけでなくオフロード走行も視野に入れ、幅4インチ(約10cm)のファットタイヤが目を引くストリートライクなシルエットが特徴。新キャンペーン“先、行ってるね。”で窪塚が乗っているのは、本モデルだ。一方“メイトシティ”は、タイヤサイズを1.5インチ(約4cm)にすることで小回り性能をアップし、重量も30%近い軽量化に成功した街乗り特化モデル。両モデルとも、3ステップで簡単に折り畳むことができるほか、スマートフォンなどが充電可能なUSBポート付きカラーディスプレイ、優れた安定性を提供するフルサスペンション、ブレーキ性能の高い油圧式ディスクブレーキ(機械式との選択)など、購買意欲を駆り立てるギミックを数多く搭載している。だが最大の魅力は、電気エネルギーで走行することから二酸化炭素を排出しない移動手段という点だ。「メイトバイク」は、E-バイクが人々の暮らしに根付くことで自然なかたちでサステナブルな社会変革に貢献できることを目指しており、今回の新コーポレートスローガン“この星の、走り方までデザインする。”にはこの思いが強く込められている。

 新コーポレートスローガンと窪塚を起用した新キャンペーンのローンチ前夜、関係者らを招いたパーティーが都内某所で開催された。会場では、西麻布のイノベーティブレストラン「81(エイティワン)」でシェフを務める永島健志によるフードが振る舞われ、ミュージックプロデューサーの宇山ヒロトによるDJが行われた中、窪塚本人が登場。巧みなMCと共に来場者に向けキャンペーンムービーを一足早く披露し、特別な一夜に自ら華を添えた。なお「メイトバイク」は現在、ブランドの公式ツイッターをフォローし、対象ツイートに「#MATEと先行ってるね 」とコメントをつけて引用リツイートした方の中から、抽選で2人に“メイトエックス”もしくは“メイトシティ”をプレゼントするSNSキャンペーンを行っている。期間は5月8日までで、当選者は恵比寿にある旗艦店で走り方のレクチャーなどを受けることができる。

PHOTOS : KAZUSHI TOYOTA
TEXT : RIKU OGAWA
問い合わせ先
メイトバイク トウキョウ
03-6277-3987

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ファストリ柳井正会長が語った「ウクライナ紛争」「企業のあるべき姿」「成長の次の一手」

 「本気で次の成長を目指す」「企業こそが平和を作る」。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は4月14日、2022年8月期上期決算会見に登壇した。決算会見の場で半年ごとに行われる柳井会長のプレゼンテーションは、同社が今後長期的に何を目指すのか、なぜそう考えるのを知るための絶好の機会だ。コロナによる足踏み状態から次の一手へ。柳井会長のプレゼンテーションとメディアとの一問一答をまとめた。

 柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(以下、柳井):ファーストリテイリングとして今何が最も大切だと考えているのか、今後どのような考え方で経営を進めていくのかをお話します。新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、一部の国や地域では今も拡大傾向にありますが、日本を含め多くの国では感染拡大に警戒しつつ、正常な経済活動や日常生活を取り戻そうとしています。これからは、いよいよウィズ・コロナの時代に入っていきます。この2年間、お客さまや従業員の感染防止、国内外の移動制限、物流の混乱といったことが影響し、ビジネスを思い通りに進められない状況でした。しかし、今からは新しい時代に向けて、改めて今期は新しい成長を目指していきます。

 今年の年頭、私はファーストリテイリンググループの一年の方針を「世界で稼ぐ」としました。私たちがお客さまに提供している“LifeWear”、つまり快適で豊かな生活を実現する高品質な日常着を、世界中のさまざまな国と地域で、現地の人々と一緒に作って売っていく、この姿勢をより徹底していきます。コロナの影響で、世界各地での新規出店ペースは落ちていましたが、今期から積極出店を再開し、近い将来に年間で400〜500店を作りたいと思います。

 同時に店舗とECの融合を世界各地で高いレベルで実現していきます。工場、倉庫、店頭の全ての在庫を一元化し、商品の企画から生産、物流、販売の動向、お客さまのご意見や要望、あらゆる情報を瞬時に把握し、それをもとに世界各地域のヘッドクオーターが現場で直接経営判断をしていく体制を構築します。そして、世界各地で集めた情報に基づき即座に商品化し、優れた技術を持つ世界中の生産パートナーと協力して新たな売れ筋商品を開発していきます。

 今月21日、英ロンドンのリージェントストリートに、「ユニクロ(UNIQLO)」と「セオリー(THEORY)」が同居する欧州で初の店舗がオープンします。今後、イタリアやスペイン、ドイツでも出店していきます。アメリカや東南アジアでも、中国と同様に服の分野で圧倒的なトップ企業となり、世界ナンバーワンのカジュアルウエア企業を今期で目指します。そのためのカギを握るのは人材です。世界各地で今後の会社の経営を任せられる人材が次々と育ち、私の経営を引き継ぐ次代の体制も大枠は固まってきています。世界各地で圧倒的な成長を成し遂げるために、立派に経営を遂行できる体制が整いつつあります。その点、私は何も心配しておりません。

あらゆる戦争に強く反対する

 企業の最大の意義は継続にあります。10年後、20年後、30年後、さらに次の世代まで見据える経営をする。それが本当のガバナンスであると思います。そして、上場企業の最大の目的は成長して収益を上げることです。目先の会計年度ばかりを考えて近視眼的な経営に陥らず、良い意味でのオーナーシップを維持し、より高い利益を上げ、株主の利益を守ります。少数株主の利益にも、引き続き十分な配慮をして参ります。そのために一番大切なことは、企業とは世の中にとって良いことをする存在でなければならないということです。

 まず、私たちの本業である服の事業を通じて、世界中のあらゆる人々により快適で豊かな生活を実現する。このことを徹底的に実現していきます。さらにサプライチェーンにおける人権や労働環境の尊重、気候変動などの地球環境問題、障がい者雇用、難民支援といった世界的な問題解決への取り組みを、より積極的に進めます。

 現在、ファーストリテイリングは世界27の国と地域に3500店舗以上を展開し、中国やアジアを中心に数多くの国々に生産パートナーも存在します。こうした地域では、現地のパートナーと一緒になって、多くの社員がボランティアとして社会貢献活動に参加し、現地社会に溶け込んでいます。しかし、こうした活動はまだ十分ではなく、出発点に立ったばかりですが、今後さらに力を入れていきます。

 私はあらゆる戦争に強く反対します。人々の人権を侵害し、平穏な生活を脅かすいかなる攻撃も非難します。現在行われている戦争を即座に停止し、国家間の深刻な対立をいかに解消し、どうすれば平和な世界ができるのか、世界中の人々が幸せに暮らすことができるのか、真剣にその方法を考えなければなりません。特に、日本はその役割を積極的に担うべきだと考えます。その点で企業の果たすべき役割は非常に大きいものがあります。企業にできることは限りがあるのではなく、企業にしかできないことがたくさんある。そう考えるべきです。暴力で解決できることは何一つありません。憎しみあって対立構造を作るのではなく、世界の人々が協調する。そのために企業としてできることを最大限やる。国が分断されても、企業は分断されません。むしろ分断を解消し、お互いの理解と融合を深めるのが企業活動です。

国ではなく、企業にしかできないことがある

 私たちの服の産業は平和産業です。人々の暮らしをより豊かに、楽しく、快適にする産業です。私たちの使命は、快適な普段着を継続的に人々に提供することにあります。現在のように混迷した状況にあっても、平和な社会の実現のために、一つ一つの企業、一人一人の個人が最大の努力をするべきです。そのために、私たちは世界各地で安定的に事業を継続し、経済の成長、雇用の確保に努力すると共に、緊急事態に対応するため、国連難民高等弁務官事務所を通じて(ウクライナ避難民支援のために)1000万米ドルの寄付を行い、20万点の衣料を提供しております。欧州各地で、多数の従業員有志がウクライナからの避難民の方々に直接日常の服をお届けする活動を始めています。戦火に見舞われている方々の境遇に深く思いを寄せ、今後も最大限の支援を続けていきます。

 平和は黙っていてもやってはきません。世界が一つにつながっている現代、戦争は違う国のことだから、自分は民間人だから、と傍観者になることはできません。服を変え、常識を変え、世界を変えていく。私たちの提供する“LifeWear”、そしてその基本となる“MADE FOR ALL”の核心は、服を通じて社会を変え、より良い社会を作っていく、そのこと自体にあります。平和な世界が実現しない限り、グローバルな企業として私たちが成長することは不可能です。冒頭に申し上げた世界ナンバーワンも、それでは何の意味も持ちません。

 私たちはこれまでの活動を通じて、国連難民高等弁務官事務所、国連女性機関、国際労働機関などの国際機関と長い協力関係があります。さらに、社会貢献を目的に活動する各国の民間団体、法人、世界中の心ある投資家の方々とも連携できる関係にあります。豊かで安定した社会の実現を他人任せにするのではなく、世界中のあらゆる人々との協働を通じ、自分たちの力で未来を作り出す、そのような考え方に立って今後も行動していきます。

 厳しい現実があっても、人類は必ず混乱を克服し、新しい平和で繁栄した時代がくると私は確信しております。アジアを中心に40億人の新たな中産階級が誕生しつつあります。この動きは止まることはありません。世界は確実にアジアの時代になります。発展途上国と先進国が協力し、その流れを促進し、人々の生活をより良くする、自国の都合のみを考えた国益ファーストではなく、本当の自由主義、民主主義の世界を実現する主役は、企業であり個人です。改めて、自分たちは何のために商売をするのか、企業の存在意義とは何か、自分たちの原点を深く考え、より平和な世界とより良い生活の実現に努力して参ります。今後ともご理解とご協力をお願いします。

【質疑応答】

――ウクライナ紛争など、世界情勢を今どのように見ているか。ファッション企業が何をすべきか。ファーストリテイリングには何ができるのか。

柳井:今の状況は危機的だと思いますが、世界の全てがそういうこと(悲観すべきもの)ではなく、欧州で起きたことが全世界に瞬時に伝わっているということは、(見方を変えれば)素晴らしいことでもある。ある一カ所で起きたことが世界中に瞬時に伝わり、世界中に影響を及ぼしている。そのことを世界中の人がもっと認識すべきだと思います。それぞれの役割と本質が問われる時代になっている。民間企業だから(支援が)できない、個人だからできない、ということではないと思っています。むしろ国だと国益が影響して、やりたくてもできない。民間企業や個人の方がむしろ自由にできる。ここは自由と民主主義の国ですから。その中で、本当にやってやろうと思っている企業や個人が少ないんじゃないかと思っています。

 日本は欧州から見たら極東、アメリカから見たら極西です。だからこそなんでもできるんじゃないか。日本はアジアで最初に先進国になった国ですし、ファッションにおいてもアジアで最初になった(産業や文化として成熟した)国だと思います。戦前は欧州、戦後はアメリカからファッションが入ってきて、それをうまく消化したのが日本。日本ほど情報に敏感な国はありません。日本の企業だからこそいろんな発想がきっとできると思うし、ファッション企業だからどうのということではなく、企業として個人として、できないことを考えるよりできることを考えて実行することが大事だと思っています。(ファーストリテイリングとして)できないことは何もないです。どんなことでもできると思います。日本には国益やアメリカとの軍事同盟など、いろんなものがある。国にはやりたくてもやれないことがあると思います。

――今後の価格戦略について。今春物は一部商品で値上げをしているが、今後の値上げをどう考えているか。

柳井:今の日本の経済情勢から考えて、安易な値上げはできないと思います。価格に非常に敏感ですよね。われわれは値上げはほとんどの商品でしていませんが、ほとんどしていない中でも「これは値上がりした」という情報はすぐに伝わります。それが今の現状です。ただし、原材料価格が2倍や3倍になっているなっているケースもある中で、それを今のままのプライスで売ることは不可能です。われわれも上場企業ですから、成長を目指していく中で利益がなければできません。それをどううまく努力していくか、それを考えて実行していく。ビジネスは会計年度やシーズンで考えるものではなく、もっと長期で考えるものです。2022-23年秋冬物、23年春夏物は考えに考えぬいたプライスになる。それが私の答えです。

――今後も値上げはやむを得ないということか。

柳井:やむを得ないということではないんじゃないでしょうか。考えに考え抜いたプライスならば、お客さまにご理解していただけると思います。

――中国のゼロコロナ政策が事業に与える影響は。

柳井:われわれも収益面や従業員の生活で大変困っています。しかしこれは国の政策なので、それぞれの国によって考え方は違います。やはりまずはコロナが早く収束すること、それが一番大事で、世界中で同時に(コロナに)対応していくことが重要だと考えています。

岡崎健取締役グループ上席執行役員CFO(以下、岡崎):中国の行動規制が今後どうなるかについては、我々がコントロールできることではありません。上海港からの出荷が難しくなるなど、個別の問題は出てきています。しかし起きている問題は仕方がないことなので、他の港から出荷するなどしています。中国は行動規制により休業している店もありますが、それがない地域ではかなり売り上げも戻っています。規制が明ければ経営も回復してくると思っています。短期的な業績の影響はもちろんありますが、下期全体としてはそれほど大きな心配はしていません。

――ロシアの店舗について、営業継続から一転して休業に至った経緯は。

柳井:あらゆる状況を見極めて判断しないといけません。さまざまな面で事業継続が困難になったから休業しました。商品が届かない、紛争が非常に激しくなった、さまざまな面があり、総合的に判断して休業に至ったということです。

岡崎:当初は状況を注視しながら、我々の使命である一般の方に日常着を提供すること、現地従業員の雇用という面でも営業はでき得る限り継続するというのが我々のスタンスでした。しかし、その後状況を注視する中で紛争が進み、人々の平穏な日常が脅かされるということで、営業を継続するべきではないと判断しました。

――営業休止の決定が遅れたと思っているか。

柳井:遅れてはいないと思います。皆さん勘違いされているんじゃないかと思いますが、今はいつでもどこでも誰とでも、テレビ会議で話ができる時代です。現地の状況、世界各地の状況は全て分かっています。ですから遅れるということはあり得ません。

――円安について。円安のメリットとデメリットをどう考えるか。

柳井:円安にメリットは一切ありません。日本全体から見てデメリットばかりです。今まで円安メリットといったことを言っていたのは、企業ばかりですね。しかも、それも本当のところではメリットではない。日本は世界中から原材料を仕入れて、加工して付加価値を出して売っています。そういう中で、自国通貨が安く評価されることは決していいことではありません。円安の行方については心配しています。これ以上円安が続くと、日本の財政が悪い方向にいく。そうならないように日本の財政をどうにかしないといけないんじゃないかと考えます。

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「ロエベ」が“パウラズイビザ”コレクションの最新作を発売 ポップアップや東京レインボープライドへの協賛も

 「ロエベ(LOEWE)」は4月14日、カプセルコレクション“パウラズイビザ”の最新作を発売した。カルト的人気を誇ったショップ「パウラズ」にちなんだ毎夏恒例のユニセックスコレクションで、“スペイン・イビザ島の解放感”と“自由”をテーマとする。

 伊勢丹新宿本店(本館1階ザ・ステージ、4月13~19日)を皮切りに全国5都市でポップアップストアをオープンし、“アナグラム バスケットバッグ ミニ”を先行販売するほか、特設サイトからの事前登録者にはオリジナルネイルシールをプレゼントする。

 東京レインボープライドにも協賛し、渋谷・表参道エリアでレインボーに彩ったバスを運行する。バスのMCとして、動画クリエイターのkemioやドラァグクイーンのブルボンヌが登場するスペシャルライドも予定する。

 さらに4月15日から6月19日まで、ファッションビルの京都バル内で「パウラズ」50周年アーカイブ展を行う。1970年代に撮影された写真や、当時のドレスや帽子を展示する。

 ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)「ロエベ」クリエイティブ・ディレクターは、「イビザ島は、非日常を味わえる場所。今年の“パウラズイビザ”コレクションは、イビザ島を“終わりなきパーティー会場”と捉えて製作した。セクシーで解放感に満ちていて、イビザ島の真髄である自由奔放な姿勢を表現した。カラーはリラックスしたピュアホワイトを基調としつつも、対照的にビビッドで陽気なオレンジ、ピンク、レッド、グリーンを用いた。チューブドレスやトップスなど、すべてのアイテムがユニセックスで、まさに“イビザ島の自由”を体現する」と話す。広告キャンペーンは、写真家のグレイ・ソレンティ(Gray Sorrenti)が担当した。

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UA「ロク」が渋谷パルコでポップアップ 古着リメーク商品やビーガンフードを用意

 ユナイテッドアローズのウィメンズブランド「ロク(6、ROKU)」は、4月14日から渋谷パルコでポップアップストア「SHE IS HERE MARKET produced by 6」をオープンしている。期間は24日まで。

 オリジナルおよびインポート商品に加えて、東京・祐天寺のビンテージショップ「ウィッティー ヴィンテージ」の古着をアップサイクルしたウエアや、「レッドカード(RED CARD)」のデザイナーである本澤裕治と協同企画したリメークジーンズ、エイチビューティ&ユース発のジュエリーブランド「プリーク(PREEK)」に別注したパールアクセサリーなどを用意する。ファッションのみならず、今年2月にオープンしたビーガンフードショップ「ホームカミング ヴィーガン シチリアン ピザ」の焼き菓⼦も販売する。

 さらに、2022年春夏シーズンのルック「SHE IS HERE」に出演した写真家やビーガンフードクリエイター、⽂筆家、フラワーアーティストなど10人が“人生で影響を受けた本”を選びディスプレーした「SHE IS HERE BOOKSHELF」コーナーも構える。

■SHE IS HERE MARKET produced by 6
日程:4月14〜24日
場所:渋谷パルコ1階ポップアップスペース「The window」
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1

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縫製のヴァレイ、神戸コレクションのプロデューサー発掘オーディションを支援

 アパレル縫製のヴァレイ(奈良県上牧町、谷英希社長)は、リアルクローズイベント「神戸コレクション」で開催するファッションプロデューサー発掘オーディションを製造と販売面でサポートする。毎日放送、ライブ動画ストリーミングプラットフォームを運営する「SHOWROOM」との提携によって行う。

 次世代のプロデューサー発掘を目的に、「ファッションプロデューサーオーディションWatashi Made」を3月にスタートした。プロアマ問わず応募可能で、受賞者が企画した服は今年秋の神戸コレクションで披露される。4月16日23時59分まで、オーディションへのエントリーを受付中だ。オーディションの模様は、配信アプリ「SHOWROOM」内で視聴でき、投票結果や専門家による審査を経て受賞者が決まる。プロジェクトの様子はその後も引き続き、同アプリ内で配信する。

 神戸コレクションのプロデューサーの植村仁氏は「日本初のリアルクローズファッションショーとして始まって20年。この間、ファッション業界は大きく変化した。今回のプロジェクトは、日本の職人と次世代のファッションプロデューサーによって生み出されるサスティナブルなモノ作りを実現できるもの。作る方も消費する方も業界を見つめ直すきっかけになれば」と期待を寄せる。

生産、販売、配送を一気通貫で

 ヴァレイは21年11月に始まったデザイナー支援のプラットフォーム「新(アラタシ)」を活用し、デザインから生産、販売までサポートする。神戸コレクションで披露して以降もブランドとして運営していく。

 アラタシは、自身のブランドを持つデザイナーに対して、生産から販売、配送までを一気通貫で支援するサービス。全国約250人の縫製職人を組織する同社の事業「マイホームアトリエ」の仕組みを用いて、小ロットからモノ作りを担う。販売はアラタシのオンラインストアを通じて受注販売する。

 契約は登録制で、デザイナーは2通りの方法で参加できる。1つはアラタシで提案する自社レーベルの新商品をサンプル製作から本生産、出店販売、配送までヴァレイに委託する方法。小ロットであっても安定した高品質な生産が可能になる。2つめは、オンラインストアに出店して委託販売する方法で、コルサンティング料も含めて販売手数料は売り上げの20%。顧客の購買行動をリアルタイムで把握、分析し、PR活動にフィードバックするなどオンライン販売を全面的にサポートする。

 このプラットフォームを利用することで、デザイナーはデザイン活動に集中でき、SNSを使ったファン作りにも注力できる。さらに根強いファンがいるブランドがオンラインモールに出店することにより、集客力の相乗効果が得られるという。

国内の小ロットの生産背景を活用

 同社の谷英希社長はアラタシを立ち上げた理由についてこう語る。「コロナ禍で服が売れないとデザイナーが困っていた。縫製職人の仕事が減ることにもつながるのでデザイナー支援を始めた。そこで見えてきたのが、個人でブランドを手がけているデザイナーはデザインの仕事以外にもやるべきことが多く、その負担が大きいこと。資金調達や梱包作業などヴァレイでできることは任せてもらい、デザイナーは作って売ることに専念してほしい。デザイナーのポテンシャルを最大化し、着実に成長していけることに重きを置いている」

 サービス開始から1カ月で10数人のデザイナーが登録した。「フィルボワール」「カイキ」をはじめ、「ダイチオガタ」「ヤプトゥス」「ジェッシュ」「ホウガ」「サブリマティオ」「ナギサ」などD2Cブランドやデザイナーズブランドなどがすでにサービスを活用している。たとえば、D2Cの「フィルボワール」は、12月にアラタシで販売したところ、2021年度の売り上げを約1週間で達成。そのうち、新規顧客は全体の3割以上を占めたという。

 アラタシの仕組みは、日本の縫製職人の手による受注生産を基本とするため、必要以上に服を作らなくてすむ。これまでの大量生産、大量消費の時代に大きな社会問題となっていた衣料廃棄を極限まで減らすことができる。「小ロット生産で環境負荷を最低限にしながら関わる人たちを幸せにしていく仕組み」と谷社長は胸を張る。

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元川中商事のアンドモア破産の衝撃。巻き添え倒産に波及、投資ファンドも大損失か

ホームページがなく謎多き会社と言われた川中商事とその後継、アンドモア(本社・東京都港区)が破綻した。全国に個室居酒屋347店を展開していたが、コロナ禍で宴会需要が激減して、2012年10月29日までに事業を停止。今年3月31日には、東京地裁に自己破産を申請した。負債は約100億円で、外食のコロナ関連倒産では最大となった。しかも、アンドモアの飛高和也社長が経営する、別の会社ApeXも負債55億7300万円の負債を抱えて連鎖倒産。2015年よりアンドモアに出資していた投資ファンドも、巨額の損失となった模様だ。アンドモア破産の影響はあまりに大きい。
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「オルビス」がパーソナライズサービスの体験イベントを開催

 オルビスは、2021年春にローンチしたパーソナライズスキンケアサービス「カクテルグラフィー(COCLTAIL GRAPHY)」の1周年を記念し、4月29日~5月8日に表参道にある「オルビス」の体験特化型施設「スキンケア ラウンジ バイ オルビス(SKINCARE LOUNGE BY ORBIS)」で体験イベントを実施する。

 限定体験イベント「カクテルパーティー」は、肌がゆらぎやすい季節に「肌を知り、あなたの肌に合わせたケアを。より身近に、もっと始めやすくしてほしい」という思いを込めて開催。肌測定 IoT デバイス「スキンミラー」で自身の肌状態を測り、今の肌に合った3本のパーソナライズスキンケアが選定される「カクテルグラフィー」のサービスを体験できるほか、来場者特典として肌測定の診断結果と連動した “あなただけの”ノンアルコールカクテルを提供する。

 また、周年記念の限定キャンペーンとして4月26日~5月31日まで「スキンミラー」のレンタル料が税込3300円から税込980円(+別途送料)になる。「カクテルグラフィー」のブランドサイトで申し込み可能。

 21年春にスタートした「カクテルグラフィー」は、肌測定 IoT デバイス「スキンミラー」と、肌状態に合わせて毎月変化する3本のパーソナライズスキンケア、自分の肌のためだけの情報が届く専用アプリから構成される定期販売モデルのサービス。3カ月ごとの契約で、料金はデバイスのレンタル代が税込3300円(初月のみ)、スキンケアは1回(約1カ月分)税込7920円。

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「オルビス」がパーソナライズサービスの体験イベントを開催

 オルビスは、2021年春にローンチしたパーソナライズスキンケアサービス「カクテルグラフィー(COCLTAIL GRAPHY)」の1周年を記念し、4月29日~5月8日に表参道にある「オルビス」の体験特化型施設「スキンケア ラウンジ バイ オルビス(SKINCARE LOUNGE BY ORBIS)」で体験イベントを実施する。

 限定体験イベント「カクテルパーティー」は、肌がゆらぎやすい季節に「肌を知り、あなたの肌に合わせたケアを。より身近に、もっと始めやすくしてほしい」という思いを込めて開催。肌測定 IoT デバイス「スキンミラー」で自身の肌状態を測り、今の肌に合った3本のパーソナライズスキンケアが選定される「カクテルグラフィー」のサービスを体験できるほか、来場者特典として肌測定の診断結果と連動した “あなただけの”ノンアルコールカクテルを提供する。

 また、周年記念の限定キャンペーンとして4月26日~5月31日まで「スキンミラー」のレンタル料が税込3300円から税込980円(+別途送料)になる。「カクテルグラフィー」のブランドサイトで申し込み可能。

 21年春にスタートした「カクテルグラフィー」は、肌測定 IoT デバイス「スキンミラー」と、肌状態に合わせて毎月変化する3本のパーソナライズスキンケア、自分の肌のためだけの情報が届く専用アプリから構成される定期販売モデルのサービス。3カ月ごとの契約で、料金はデバイスのレンタル代が税込3300円(初月のみ)、スキンケアは1回(約1カ月分)税込7920円。

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SNSでバズる「#骨スト優勝服」って何? 骨格から服を作るアパレルD2Cが話題

 近年、SNSを中心に「骨格診断」が話題になっている。骨格診断とは、生まれ持った骨格によるスタイルの違いから、その人に似合う服の素材や形などを知るもの。骨格タイプは協会によりさまざまに区分されるが、日本ではストレート・ナチュラル・ウェーブの3タイプが主流だ。インスタグラムでは「#骨格診断」の投稿が32万件を超え、AMFが発表した「JC・JK流行語大賞2021」ではモノ部門の第3位に入った。

 複数のD2Cブランドを運営する3rdは2021年3月、骨格ストレート向けブランド「レオニー(REONIE)」をローンチした。ブランドは骨格診断などのイメージコンサルティングを行うRAN・ビモーレ(Bimore)オーナーが監修し、シーズンごとにオリジナル商品を受注販売するほか、週1回ほどセレクト商品を発売する。

 中田小百合ブランドマネージャーは「ブランドの立ち上げは、私自身が診断サロンに行ったことがきっかけ。骨格ストレートと診断されたが、ネットで検索してもメディア記事しか出てこない。服が買える場所があったらいいのにと思い、診断してもらったRANさんに監修して欲しいとDMでお願いした」と振り返る。骨格ストレート当事者である中田ブランドマネージャーの思いは同様の悩みを持つ人に刺さり、リピート率は約50%とファンの支持を受けるブランドとなった。

 骨格ストレートは、日本人に多い骨格といわれる。厚みのある体型でメリハリのあるボディーラインである一方、トレンドの服を着ても着太りして見えるなどの特徴があり、服選びで悩む人も少なくない。そのためSNSでは「骨スト優勝服(骨格ストレートに似合う服)」の情報が盛んにやりとりされている。こうしてSNSで取り上げられる服は「グレイル(GRL)」や「シーイン(SHEIN)」など、リアル店舗を持たないECサイトのアイテムが多い。“試着できないけど失敗したくない”“何を選んでいいか分からない”という悩みに、骨格診断は適している。

 RAN・ビモーレオーナーは「ダイエットをしても理想の体型になれないと悩む人もいるけれど、憧れの人と自分は骨から違う。別物だと知ることで、自分の体型を生かす考えに変えられる。自分の良さを知れる診断だ」と話す。骨格診断を含め、パーソナルカラー診断や顔タイプ診断などのイメージコンサルティングは、“自分の良さを生かすツール”なのだ。

パタンナーは悲鳴? こだわりの多い“骨スト優勝服”

 シーズンごとのオリジナル商品は、昨冬は4型、今春は2型を発売。毎回骨格ストレートの悩みを解決する服として企画しており、ブランドファンから意見を募るほか、骨格ストレートに関連するインフルエンサーとのコラボも実施した。

 骨格診断では首元の開き具合やスカートの丈、オーバーサイズかコンパクトか、ネックレスの長さ、バッグのサイズ感、素材の厚みまで似合う形を見つけられる。例えば骨格ストレートはハリ感のある素材が得意で、チュールやレースのように柔らかい素材は苦手だ。中田ブランドマネージャーは「骨格ストレートに似合うものを集めるとシンプルな服が多くなる。しかし、そういうものは既に世の中にあるので、『レオニー』で揃える必要がない」と話す。作るのは、主に“着たいけど着れなかった服”だ。

 例えばユーチューバーのEmilyとコラボした「フラワーレースタイトスカート」は、苦手な繊細なレースを得意なハリ感のある生地に重ねることで着やすくした。また腰回りのボリュームを抑えるためにウエストゴムは使用しない、前後のダーツですっきりしたIラインを作るなど、細かくこだわる。

 またパンツにはシンプルなデザインもあるが「ストレッチ素材だと前モモのハリ感が出やすくなるので、ストレッチが効かないくらいの生地を使った。角ばった“ピーマン尻”の悩みが多いので、お尻が上がって見えるようにもこだわった」と中田ブランドマネージャー。

 細かく多岐にわたるこだわりの影響で、多くの場合、サンプルは5回ほど作成する。中田ブランドマネージャーは「パタンナーは骨格診断の知識が豊富ではないし、アパレルの基準サイズから外れる要望も多く、当初はすり合わせが大変だった。ハリ感を求めて生地を変えると一から作り直し。『これ以上は無理です』と言われることもあった。ボツになった商品もある」と苦労を語る。そのためオリジナル商品は1万円以上の高単価商品が多く、手頃なセレクト商品とのセット販売も好評だという。

アパレルブランドなのにSNSで「ブランドイメージを出さない」

 そもそも骨格診断はSNSで広まったトレンドで、「レオニー」もSNSを流入元として成長する。アパレルブランドの多くはSNSでブランドイメージを発信するが、骨格ストレート向けブランドということもあり、中田ブランドマネージャーは「ブランドイメージはあえて出していない」と話す。

 ブランドの服作りのコンセプトは、“自分に似合う服とともに自分らしい魅力を引き出す”こと。カジュアルからコンサバまで、アイテムのテイストはバラバラだ。ブランドの試着会に参加するファンは学生から50代まで幅広く、生活スタイルやファッションスタイルも異なる。

 イメージの代わりに発信するのは、情報だ。ツイッターでは8700フォロワーを抱え、「“骨スト優勝”に関する話題はツイッターの方が多い。ブランドアカウントでは骨格に合う服装について比較ツイートを投稿したところ、バズを生み出せた」と中田ブランドマネージャー。時には「自社商品の話だけをしているとフォロワーは離れていく。チームでも意見が割れたが、結果的にブランドを知ってもらうきっかけになった」と他社の骨格ストレートに似合う商品を紹介することもある。

 こうして集まった骨格ストレートのファンとの交流も盛んだ。中田ブランドマネージャーは「そもそもどんなものが欲しいか、デザインはどちらがいいか、イラストなども提示しながら意見を聞く。SNSだけでなく、試着会に来場した方にも投票してもらう」と、ファンの意見を重視する。ブランドは交流や情報発信を通じ、骨格ストレートという同属性の人たちが集まる、一種のコミュニティとして機能している。このような高いエンゲージメントが、ブランドの成長に繋がっている。

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「ホリエモンを抜いた男は”マッチョ”だよ」ナルシストが外食を変える

コロナ禍のなか、彗星のごとく現れた米田拓史氏。コロナ禍で法人需要が激減、高級業態がもろに打撃を受けているなか、2020年10月16日、東京・新橋に高級焼鳥店「一石三鳥」をオープンさせた。その勢いは止まることなく、米田氏はコロナ禍の1年半で高級業態を中心に5店舗をオープンさせた。また、国内クラウドファンディング市場では、ホリエモン(堀江貴文)が運営する『WAGYUMAFIA』の獲得額を上回る42,228,000円を獲得、史上最高額(飲食部門)を記録した。"超"が付くほどのナルシストである米田氏、今年の夏には地元大阪への凱旋出店も決まっており、その比類なきスピード感は日頃の筋トレなのか。ナルシスト米田氏を取材した。
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