J.フロントがCO2削減へ本腰 取引先200社に排出量数値化を呼びかけ

 J.フロント リテイリングは20日、取引先を対象に「脱炭素社会に向けた取り組みに関する説明会」を東京・大手町で開催した。傘下の大丸松坂屋百貨店の取引先約200社の担当者が出席し、同社が中長期的に取り組むCO2削減のための方針やアクション、取引先に求めることなどを示した。

 政府は昨年4月、2050年のカーボンニュートラル(実質排出ゼロ)に向け、30年に国内全体でCO2排出を46%削減(2013年度比)する新目標を掲げた。これを受け同社も、まず主力子会社の大丸松坂屋百貨店で数値目標を策定。店舗照明のLED化、社用車を電気自動車に切り替えるなどにより、店舗や社屋からの排出量を60%抑える。このための取り組みとして、19年にリニューアルオープンした大丸心斎橋店本館は全照明をLED化しており、23年までに松坂屋名古屋店、松坂屋静岡店に再生エネルギー電力を導入する。

 ただし、「われわれ大丸松坂屋百貨店だけでのCO2排出量は、サプライチェーン全体でみると5%に過ぎない」と澤田太郎・大丸松坂屋百貨店社長。残りの95%の大部分が、取引先の原料調達や商品製造によるものだと試算。これらサプライチェーンにおける自社以外によるCO2排出は、30年までに40%削減(13年比)を掲げる。

 大丸松坂屋百貨店はCO2の年間排出量を、簡易測定方式(衣料品や化粧品など商品カテゴリーごと、環境省が定めた1トン当たりの製造で発生するCO2排出量の単位に、実際の調達量を掛けて算出する方法)により試算し発表している。今後は取引先からヒアリングしたCO2排出量を合計して算出する方式へ段階的に切り替える。この方式であれば排出量をより正確に算出できることに加え、「廃棄物削減や物流効率化など、お取引先さまの削減努力が数値にダイレクトに反映され、モチベーションにもつながる」とする。

 同社は21年秋には取引先500社を対象にCO2削減に関する意識・活動調査のためのアンケートを実施したが、回答があったのは約3割。そのうち、事業活動で発生するCO2排出量を「算出している」と答えた企業(未回答もこれに含む)は1割に満たないという結果だった。澤田社長は「CO2削減は当社だけではどうにもならず、取引先の皆さまのご協力が不可欠。まずはCO2の排出量を可視化する仕組み作りから始めていただき、その上でCO2を減らすためにはどういった取り組みができるか、一緒に考えていきたい」と訴えた。

 J.フロントと取引先との質疑応答は以下の通り。

Q.ただでさえ環境配慮型の商品開発はコスト高になる。百貨店販売がポイントや値引きに依存していてば、利益が残らなくなってしまう。この構造は変えられるのか。 (婦人靴メーカー)

A.環境配慮型の商品の価格も上げていただくのも、解決策の一つになる。ただ、店頭だけでその価値を伝えるには限界がある。例えば、商品開発に深く携わった方が弊社の動画コンテンツに登場し、商品のバックグラウンドまでお客さまに伝えることも有効だろう。こういった、価格に対する価値をご理解いただく取り組みにも、手を携えて取り組んでいきたい。やみくもな値引きやポイントアップは、お客さまへの訴求効果が薄れてきている。アプリ会員を対象とした、趣味趣向でターゲティングした効率的なクーポン運用ならば、全体の値引き額は削減しつつ集客効果も望めるはずだ。

Q.大丸松坂屋は定借運営の拡大を進めているが、われわれにとっては初期の店舗投資が重い。こういった部分も考慮していただけるのか。(婦人靴メーカー)

A.定借の拡大方針は変わらない。だが何が何でも定借、というわけではなく、お取引先さまとのていねいな対話を通じて最適な取引形態を模索していく。

Q.小さな企業は、CO2排出量を可視化する仕組みにコストを投下する余裕がない場合もある。今後は排出量の可視化が取引の必要条件となっていくのか。(婦人バッグメーカー)

A.(CO 2排出量の)可視化ができないから取り引きをすぐにやめるということはない。ただ皆さまにも前進していただきたい。われわれもノウハウで先行している部分はあり、手助けできることはあると考えている。

Q.商品包装の再生紙化を進めているが、お客さまから「ハレの場ではこころもとない」というお声をいただく。大丸松坂屋の店舗では一部のお客さまからクレームもあると聞く。何かいい手立てはないか。(大手ジュエリーメーカー)

A.百貨店側からも、お客さまへの働きかけを強める。お客さまの目に触れるところに、環境配慮への取り組みに対するご理解が深まるような仕掛けを散りばめ、バックアップしていきたい。

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東コレのメインテーマに抜てきされた23歳 音楽アーティスト、にしなの素顔

 1998年生まれのにしなは、儚さを感じる歌声と多様な楽曲サウンド、日常を切り取った飾り気のない歌詞が魅力のアーティストだ。昨年は、あいみょんやKing Gnuなど名だたるアーティストを輩出してきたスポティファイ(Spotify)の新人サポートプログラム“アーリーノイズ(Early Noise)2021”に選出されたほか、テレビCMとのタイアップソングの書き下ろしや初のワンマンライブを実現。1月にリリースした「スローモーション」は、3月の「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」のメインテーマにも選ばれ、この夏にビームスが主催する音楽フェス「BE FES!!」への出演も決まるなど、ファッション業界からも注目を集め始めている。7月にはニューアルバム「1999」のリリースも決定した。そんな彼女に音楽を始めたきっかけや曲作りの哲学、好きなファッションスタイルなどを聞いた。

WWD:音楽に興味を持ち始めたたのはいつから?

にしな:もともと歌うことが好きで、小学生の時には歌手になりたいと思っていました。でも漠然と思っていただけで、それを行動につなげることはありませんでした。家族にもバレないようにお風呂で小さな声で歌う、みたいな感じでした(笑)。

WWD:本格的に音楽活動を始めたきっかけは?

にしな:高校2年生のときに、音楽をやっていた友達から無料でレッスンを受けられるオーディション情報を聞いて、「これなら落ちても誰にもバレないし、やってみてもいいじゃん」と軽い気持ちで応募しました。1次審査のために音源を送らなきゃいけなくて、録音のやり方が知らず、iPhoneを裏向きに置いて動画として撮影したくらい(笑)。あんなに手探りだったのに、よく受かったなと思います。

WWD:レッスンではどんなことを学んだのでしょうか?

にしな:ギターの選び方とか、ライブハウスに出るにはどうすればいいかとか、音楽活動の基礎を教えてもらいました。実戦的な学びはもちろん、それ以上によかったのが、本気で音楽に取り組む同世代に出会えたこと。私はどちらかというとシャイで内側にこもりがちだったけど、自分のやりたいことに挑戦する同世代を見て大きな刺激を受けました。そこからライブハウスに自分で電話して出させてもらったり、ユーチューブに動画をあげたりと、マイペースだけど継続して音楽に取り組んでいきました。

WWD:アコースティックな音楽が多い印象ですが、ルーツは?

にしな:歌うことに憧れたのはコブクロさんがきっかけです。中学からはバンドも聞くようになって、クリープハイプやラッドウィンプス、バックナンバーなどもよく聞いていました。

WWD:1月にリリースした「スローモーション」は、バンドライクなサウンドでしたね。

にしな:椎名林檎さんの「ギブス」を聞きながら、こういう世界観の曲をやってみたいと思ったのがスタートでした。ヒリヒリするようなギターのアレンジは意識しています。それと、恋をして、一瞬一瞬の出来事が激情的になると、後からスローの映像で思い返せる感覚があって。喧嘩のときに花瓶が割れたら、その瞬間を後から明確に思い出せるというか。その個人的な感覚をタイトルの「スローモーション」に込めました。

WWD:昨年はGMOクリック証券のCMソングとして「U+」をリリースしました。壮大なアレンジが印象的でした。

にしな:“多様性”という大きなテーマのもと、「私にとっての多様性を表現してほしい」とリクエストされて。コラージュアーティストの五反田和樹さんの映像が先に出来ていたので、それを見ながら歌詞とメロディーを広げていきました。クライアントやほかのクリエイターの熱に良い意味で影響されて、いつもと違うアレンジに挑戦できたのがよかったです。制作過程はいつもと異なるけど、コードと歌詞とメロディというシンプルな要素は変わらないから、タイアップやコラボ楽曲でも自分らしく音楽と向き合えています。

WWD:ライブでの衣装のこだわりは?

にしな:これというこだわりは特にないですが、衣装はパフォーマンスにも影響を与えます。ガーリーな服を着るとかわいい自分になりたい、かっこいい服なら強い自分になりたいと思うので。自分の中でモードが切り替わりますね。

WWD:雑誌撮影なども増えています。音楽ではなく、ファッションや写真で表現することの面白さは?

にしな:コンプレックスがたくさんあるから、「私なんかでいいのかな」って思っちゃいます。でも、いろんな服を着て、素敵に撮ってもらうと、自分が知らなかった側面に出合えて、自分を好きになるきっかけをくれる。それがうれしくて、最近は楽しめるようになってきました。

WWD:普段はどんなファッションが好き?

にしな:ゆるい雰囲気が好きです。古着が好きで下北によく行っています。あとはニューヨーク発のニットブランド「ヤンヤン(YANYAN)」とか、「フィル ザ ビル(FILL THE BILL)」も好き。衣装で着てから知るブランドも多いです。

WWD:今後チャレンジしたいことは?

にしな:まずはいろんな音楽を作り続けること。いろんな人と出会って、ふざけた曲も、真面目な曲も作りたい。あとはライブですね。ライブってお客さんと時間を共有して、エネルギーをもらえる大事な時間で。行ったことのない地域の方が多いから、いろんな所に行きたいです。ほかにも音楽を軸にしながら、短い映画とか、絵本とか、枠にとらわれずに新しい表現に挑戦できたらうれしいです。

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「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ」がファンデーションとミニリップのスペシャルキットを発売

 「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE & GABBANA BEAUTY)」は6月22日、ファンデーションとミニリップのメイクキット“オンリーワンボックス”を数量限定で発売する。ファンデーションはクッションファンデーションとクリームファンデーションの2種から1種が、ミニリップはブランドを代表する“ザ・オンリーワンリップ”から3色が入る。価格はクッションファンデーションのキット“プレシャスキン”が税込7700円、クリームファンデーションのキット“グロリアスキン”が税込1万1000円。

 “グロリアスキン パーフェクトルミナス クリーミーファンデーション”(SPF20・PA++、全4色)は、みずみずしく艶のある“ドルチェスキン”をかなえるアイテムとして2019年のメイクアップライン日本本格上陸時から展開。“プレシャスキン パーフェクトフィニッシュ クッションファンデーション”(SPF30・PA+++、全4色)は、水分を60%配合したジェリー状の“新感覚クッションファンデ”として20年春の発売以来人気を集める。

 ミニリップは“ザ・オンリーワン ルミナスカラー リップスティック”から150番のモカブラウン、240番の王道ピンク、670番のテラコッタカラーをそろえ、メイクアレンジを楽しめるキットとしてファンデーション単品の価格で販売する。

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メーガン妃の「インヴィクタス・ゲーム」ファッションまとめ ハリー王子とそろって登場

 負傷軍人などのための国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム(Invictus Games)」が、4月15日〜22日にかけてオランダの首都ハーグで開催中だ。サセックス公爵ハリー王子(Prince Harry以下、ハリー王子)がパトロンを務める同大会には、メーガン・マークル(Meghan Markle以下、メーガン妃)=サセックス公爵夫人も訪れている。歓迎レセプションに「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の白のパンツスーツで出席したメーガン妃は、ほかにも「セリーヌ(CELINE)」や「カイト(KHAITE)」「ブランドン マックスウェル(BRANDON MAXWELL)」などのブランドを着用。「インヴィクタス・ゲーム」でメーガン妃が披露したファッションをお届けする。

 ランドローバーチャレンジを観戦していたメーガン妃は16日、白いトップスに「セリーヌ」による黒のツイードジャケットとバッグを合わせた。ジーンズは「マウジー(MOUSSY)」を着用し、シューズは「シャネル(CHANEL)」のバイカラーのパンプスを選択。ポニーテールにまとめたヘアースタイルに、イギリスの眼鏡ブランド「リンダ ファロー(LINDA FARROW)」のサングラスをコーディネート。ハリー王子は大会のロゴが入った黒いポロシャツに、ネイビーブルーのスニーカーを着用した。

 夜に行われた開会式では、「カイト」のオフショルダーのトップスに、黒のフレアパンツを選択。足元は「マノロ・ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」のヒールだった。「ロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwartz)」のイヤリングが際立つまとめ髪スタイルで登壇し、開催国のオランダに感謝の意を伝え、ウクライナへの連帯と支持を表明した。

 メーガン妃は、「ブランドン マックスウェル」のジャケットと、ウオッシュ加工が施されたジーンズを着用。「マノロ・ブラニク」のパンプスと合わせた。ヘンリー王子は、大会のロゴが入ったジップアップトップスと、チノパンを合わせたスタイルで出席した。

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「サルヴァトーレ フェラガモ」が「アースデー」を祝した新サングラス サステナ素材と7色のカラバリ

 「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」は、地球環境について考えるイベント「アースデー(Earth Day)」を記念し、サステナブル素材を使用しているサングラスを4月22日に発売する。「サルヴァトーレ フェラガモ」銀座本店と公式オンラインストアで取り扱う。価格は税込3万5200円で、ピンク、ブルー、イエロー、オレンジ、グリーン、ブラウン、ブラックの7色をそろえる。

 サングラスは同ブランドのアイコンシューズ“レインボー”から着想を得た、鮮やかな7色のカラーバリエーションが特徴。80年代のスタイルを連想させるオーバーサイズのレクタンギュラーと、“ガンチーニ”モチーフをあしらったサイドアームも目を引くデザインだ。

 また環境に配慮した素材使いにもこだわっている。フレームには植物ベースの複合素材を、レンズには回収された木材や農業廃棄物から作られた植物由来の成分を使用している。さらに50%のリサイクル素材を用いた特別なパッケージが付く。

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NYコレを主催するCFDAがメタバースやNFTに進出するブランドを支援 ウェブ3移行に備え

 アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America以下、CFDA)は、ファイブクリプト(5CRYPTO)、ザ・サンドボックス(THE SANDBOX)、ポリゴン ステュディオス(POLYGON STUDIOS)と提携し、アメリカのブランドのウェブ3(Web3、ブロックチェーン技術を基盤とする新しいインターネットのあり方)への移行に備え、メタバースやNFTに進出することを支援する。

 ファイブクリプトは仮想通貨やメタバース、NFTに特化したクリエィティブコンサルティング企業。アニモカ ブランズ(ANIMOCA BRANDS)傘下のザ・サンドボックスは、ユーザーが分散型プラットフォームを使ってバーチャルのゲームフィールドを作ることができるサービス。セバスチャン・ボルジェ(Sebastien Borget)とアーサー・マドリッド(Arthur Madrid)が共同設立した同社は、これまでにスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、「グッチ(GUCCI)」「アディダス(ADIDAS)」とコラボレーションしている。ポリゴン ステュディオスは仮想通貨ポリゴンの大規模でエネルギー効率の良いNFTプロジェクトに強みがあるブロックチェーン部門で、トップクラスのウェブ3のゲームやNFTプロジェクトの大半を手掛け、過去に「ブルガリ(BULGARI)」「プラダ(PRADA)」「アディダス(ADIDAS)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」といったブランドのウェブ3移行を支援してきた。

 この提携は、CFDAに所属するアメリカのデザイナーやブランドに学習の機会や知見を与え、彼らがバーチャルの世界に進出してより多くの顧客層にリーチすることや、新たな収入源を確保しつつウェブ3のコミュニティーと関わり、よりコミュニティーを活性化することを目的としている。

 CFDAのスティーブン・コルブ(Steven Kolb)最高経営責任者(CEO)は、「我々の使命は、デジタル戦略でCFDAメンバーの成長を支援し、ファッションと小売りの革新を進めるリーダーになってもらうこと。この提携の目的は、メンバーにメタバースに進出するにはどうすれば良いか、進出した後は何をすればいいのか、基本的な知識とプランを与えること。ブランドの大小に関わらず平等に学びの機会を与えるファッション団体は我々が初めてだと思う。ウェブ3が素晴らしいのは、真にグローバルな市場が広がっていることだ。メタバースでは、国境を越えて世界中のパートナーとコラボレーションし、成長する可能性が無限にある。CFDA自体がメタバースに参入し、CFDAの活動をプロモーションするだけでなく、メンバーにチャンスを与えることが目標だ」と語る。
 
 コルブCEOによれば、メンバーは顧客エンゲージメント、ブランド構築、ロイヤリティプログラムについて学ぶ機会があるほか、パネルディスカッションや個別面談、編集コンテンツなどが用意されているという。CFDAが主催するニューヨーク・ファッション・ウイークが将来メタバースで開催されるかという質問に対しては、「それを望む人がいる限り可能性はあるが、メタバースでのファッションショーは顧客と関わるためのマーケティングツールのひとつに過ぎず、リアルのファッションショーに取って代わるとは思わない」と回答した。

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ゼニアが上場後の初決算 21年の売上高は27%増の1744億円

 エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP以下、ゼニア)の2021年12月通期決算は、売上高が前期比27.3%増の12億9240万ユーロ(約1744億円)、営業損失は前年の2255万ユーロ(約30億円)の赤字から9402万ユーロ(約126億円)へと拡大し、純損失も前年の4654万ユーロ(約62億円)の赤字から1億2766万ユーロ(約172億円)へと拡大した。

 なお、同社は特別買収目的会社(SPAC)であるインベストインダストリアル・アクイジション(INVESTINDUSTRIAL ACQUISITION CORP.)との合併によって21年12月20日にニューヨーク証券取引所に上場しており、純損失の拡大には合併や上場に伴う費用2億500万ユーロ(約276億円)などの非資金損益項目が影響している。これらの調整後の純損益は7500万ユーロ(約101億円)の黒字だった。

 ブランド別に見ると、主力の「ゼニア」の売上高は同23%増の10億3500万ユーロ(約1397億円)、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は同47%増の2億6400万ユーロ(約356億円)だった。

 ジルド・ゼニア(Gildo Zegna)会長兼最高経営責任者は、「21年は当社にとって素晴らしい年となった。私の祖父が111年前に創業した当初から受け継がれているブランド価値を大切に守りつつ、現在も成長し続けていることを大変誇らしく思っている」と語った。同氏はまた、「ウクライナの悲劇的な状況に深い悲しみを覚えている」と述べ、同国からの避難民30人を工場で雇用することを明らかにした。

 22年の展望については、「コロナ禍の影響による外出規制の解除後、欧州での売り上げは大幅に回復し、米国とアラブ首長国連邦での事業も好調だ」として、12~14%の成長を見込んでいると説明した。

 ゼニアは上場の準備を進めていた21年8月にランサムウエアによる攻撃を受けている。これは有害なプログラムによってコンピューターをロックしたり、ファイルを暗号化したりして使用不能にした後、元に戻すことと引き換えに“身代金”を要求するもの。同社もITシステムの大半が影響を受けたものの、犯人側からの接触に応じなかったため、犯人側が不正に入手した財務情報などを漏えいされた。同社はそれでも“身代金”の支払いを拒否し、ITシステムが侵害されたことを公表した後、バックアップサーバーなどからデータを回復したという。

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「サンローラン」が新ポッドキャストコンテンツ ゲストにカトリーヌ・ドヌーヴら、デザイナーがホスト

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」はこのほど、ポッドキャストで新たなコンテンツ「スモーキング」をスタートした。

 アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)「サンローラン」クリエイティブ・ディレクターがゲストと対談するもので、第1弾のゲストは俳優のカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)、映画監督のギャスパー・ノエ(Gaspar Noe)ら。

 インタビューは、ヴァカレロ クリエイティブ・ディレクターがキュレーターを務めるパリの店舗「サンローラン リヴ・ドロワ」の“秘密の部屋”で行われ、その親密な雰囲気から、多岐にわたるテーマについて自由で忌憚のない議論が繰り広げられたという。例えばドヌーヴは、自身のキャリアや映画についてはもちろん、美やフェミニニティー(女性らしさ)についても話す。

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マッシュの「リリー ブラウン」からランジェリーがデビュー

 マッシュスタイルラボのウィメンズブランド「リリー ブラウン(LILY BROWN)」が、ランジェリーラインをスタートした。一部商品はECで販売しているが、4月20日に、ルミネ新宿2内にポップアップストアをオープン予定だ。同日に自社ECでも本格的に販売を始め、4月25日からは「リリー ブラウン」の既存7店舗で販売をスタートさせ、順次、他店舗でも取り扱う予定だ。

 同社は、「ジェラートピケ(GRLATO PIQUE)」や「スナイデル ホーム(SNIDEL HOME)」、「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」などで下着を展開しているが、いずれもノンワイヤーブラやカップ付きキャミソールなどが主流で、ワイヤー入りのブラジャーを販売するのは、「リリー ブラウン」が初めてだ。ワイヤー入りブラの開発には専門的な技術が必要なため、下着専業メーカーで経験を積んだデザイナーやMD、営業を採用し、チームを編成してデビューに至った。

 ブランドのコンセプトである“ビンテージフィーチャー”の世界観を、サテンとレースのコンビネーションやリリー(百合)モチーフのレース、繊細な刺しゅう、ドット柄などで表現。価格はブラジャーが6490〜7590円(税込、以下同)、ショーツが3190〜3520円、ブラレット&ショーツのセット5390〜9680円。田端千夏マッシュスタイルラボ企画本部「リリー ブラウン」チーフデザイナーは「服を着たときにボディーラインをきれいに見せるアイテムと、アパレルブランドならではの、身に着けることで気分が上がるランジェリー両方を提案したい」と話す。「カップ付きキャミソールや、部屋着やワンマイルウエアとして着用できるロングスリップがきっかけになりワイヤーブラなど幅広い商品へ広がっていけば」と、ランジェリーのデザインを担当する仲谷陽子マッシュスタイルラボ企画本部「リリー ブラウン」デザイナーは今後を見据える。

ワイヤーブラのサイズ展開は01・02・03・04に

 ワイヤーブラのサイズ展開は、アンダーとカップのサイズではなく、01・02・03・04とした。仲谷デザイナーは、「アンダーとカップのサイズ展開だと、SKUが増えるので、店舗の限られたスペースでは美しく見せることができない。試着するにも心理的なハードルが上がる」と話す。1つのサイズで対応できる体形の範囲を広げるため、L字ワイヤーを使用して前中心を低くしたり、後ろのホックを4段にしたりと仕様を工夫した。同じサイズ展開でノンワイヤーブラもあり、脇を高くすることにより、バストの脇流れを防ぐカップ構造にするなど、ノンワイヤーでもバストメイク力を備えている。01〜04というサイズ展開のブラジャーは単品売り、ブラレットなどはショーツとセット販売する。

 下着メーカーではない同社が本格的なワイヤーブラに参入するのは壁もあり、要望を汲み取りつつ小ロットでも対応してくれる工場を探すのは困難だったという。田端チーフデザイナーは、「アパレルと下着では納期が全く違う。下着の方が納期が長いため、その開発ペースに慣れるのが大変だった」と振り返る。ワイヤーブラのパーツは約20〜多いものでは40以上のパーツから構成され、各パーツをそれぞれの製造メーカーから縫製工場に集めて生産するには、アパレルより長い時間と手間が必要。さらにコロナ禍で、アジアでは工場の休業や物流が滞ることもあり、立ち上げまでの道のりは険しかっただろう。

洋服と素材やカラーをリンクさせたデザインも

 ランジェリーラインが加わったことで、「リリー ブラウン」というブランドの世界観に奥行きが出て、新たなファンの獲得も期待される。田端チーフデザイナーも仲谷デザイナーも「洋服と同じレースやビンテージの柄を使ったり、カラーをリンクさせたり、デザインの連動を図りたい」と話す。1型だけのワイヤーブラの型数やサイズ展開を増やし、ランジェリーブランドとしてのポジションを確立する予定だ。人気ファッションブランドのランジェリーカテゴリーの挑戦に注目が集まる。

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「勝ち組、負け組【番外編】」フードコート戦線、負け組に陥る危険な落とし穴は?

コロナ禍を経て、外食産業の勢力図は変化しています。コロナ禍前は、ショッピングセンター(以下SC)のレストラン街やフードコートの店舗が稼ぎ頭でした。真夏日には、近隣の学生やお年寄りが、涼をとりに、SCに来店していました。また、都心繁華街に出店する店舗は、多くの来街客でにぎわい、相席なども当たり前でした。コロナ禍後に一変、3密回避、リモートワークの進展で、駐車場完備ロードサイド郊外店舗が優勢です。まん延防止全面解除で、フードコートは復権するのでしょうか。フードコート戦線 勝ち組として生き残るポイントは?負け組に陥る危険な落とし穴は?考察します。
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インポーターのグルッポタナカが、仏のバッグ&ジュエリー「デストレー」の独占輸⼊販売権を取得

 インポーターのグルッポタナカはこのほど、フランスブランド「デストレー(DESTREE)」の⽇本における独占輸⼊販売権を取得した。2023年リゾートコレクションからバッグとジュエリーを中⼼に扱いを開始する。

 「デストレー」は15年にパリで創業。ジェラルディーヌ・ギヨ(Geraldine Guyot)共同創業者兼チーフ・ブランド・オフィサー(CBO)と、ラエティシア・ロンブローゾ(Laetitia Lumbroso)共同創業者兼最⾼経営責任者(CEO)が⼿掛ける。ギヨCBOは英国のセント・マーチン美術大学の修士課程で美術史を学び、現代美術家にインスピレーションを得たバッグとジュエリーを製作している。また、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)会長兼CEOの次男である、アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)「ティファニー(TIFFANY & CO.)」プロダクトおよびコミュニケーション部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントの妻でもある。

 ⽥中タキ グルッポタナカ チーフ・マーケティング・オフィサーは、「ギヨCBOと初めて会ったとき、ブランドについてはもちろん、SDGsやシスターフッド(女性同士の連帯)について話して、すぐに意気投合し、契約に至った。⽇本総代理店として直営店の運営や卸、PRからセールスまで⼀貫して⾏い、⽇本のみなさまに⻑く愛されるブランドを⽬指したい」と話す。

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【決算まとめ】2月決算の上場外食企業の決算インプレッション

4月15日で2月決算の上場外食企業の22.2期決算が数社を除き出そろった。対象期間21年3月~22年2月の365日のうち、東京都の場合、365日中通常営業ができたのは10月の25~31日の1週間、11月と12月、1月1日~1月20日の合計88日にとどまった。つまり1年のうち24%しか通常営業ができなかったことになる。緊急事態宣言は159日、1年の44%を占め、蔓延防止等重点措置は118日、1年の32%であった。厳密に調べていないが、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府も概ね似たような傾向とみられる。
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「メゾン キツネ」が東京・渋谷の「ミヤシタパーク」内に新店舗をオープン 既存のカフェに併設

 「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」は4月23日、東京・渋谷の複合施設「ミヤシタパーク」内に新店舗「メゾン キツネ シブヤ」をオープンする。2020年8月にオープンした「カフェ キツネ シブヤ」に併設した形で、内装は木材とコンクリートをミックスし、ミラー張りの柱を中心に配す。

 オープンを記念して、税込3万5000円以上の購入者には、2022年春夏のメインテーマである“メゾン キツネ キャンプ”のロゴが入ったバッグかタンブラーをプレゼントする。

■メゾン キツネ シブヤ
オープン日:4月23日
時間:11:00〜21:00
定休日:無休
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 レイヤード ミヤシタパーク ノース2階

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