時流を織り交ぜて輝く“伊勢木綿” ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。”第5回

 前回の“伊勢和紙”に続いて、今回は江戸中期に誕生した“伊勢木綿”を紹介する。その前に、同じ江戸中期に生まれたと言われる “伊勢音頭”について触れてみたい。

 伊勢音頭はお伊勢参りの道中唄で、東海地方の人にとっては「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ」のフレーズでなじみ深いものだ。諸説あるが、伊勢音頭の起源は享保(1716年〜1736年)の頃に作られた「かわさき音頭(伊勢市河崎)」が源流で、その後、伊勢古市の遊郭で唄い踊られたと言われている。お伊勢参りの“荷物にならないお土産”として爆発的に全国を伝播し、日本三大盆踊り“郡上おどり”(岐阜県郡上市八幡町)の有名曲「かわさき」のルーツともされている。

 昨年の11月、この伊勢音頭を見る機会があった。道中唄ということで庶民に向けたものという先入観があったのだが、歴史に裏打ちされた威厳と誇り、そして何よりも品格を感じた。舞に合わせて三味線を弾き、唄を唄う奏者“地方(じかた)”が奏でる唄と三味線とお囃子は、終始鳥肌ものだった。また、伊勢古市の遊郭「備前屋」名物だった“伊勢音頭の総踊り”を描いた歌川貞秀の浮世絵「いせおんど 桜襖(さくらふすま)」を目にした瞬間、そのスケールの大きさに圧倒され、「これこそが全国に波及した理由だったのか」と実感したものだ。

 そんな伊勢音頭を思い浮かべながら、伊勢神宮の参道口にある宇治橋から五十鈴川(いすずがわ)に沿って続く通り“おはらい町”を歩くと、きれいな配色で構成された格子や縞模様の着物用の反物をはじめ、ハンカチ、バッグといった先染織物の製品と出合う。これが“伊勢木綿”という織物で、人の優しさや温もりを感じる素材感を持ち、伊勢神宮の参拝土産としても重宝されていた。現在、この伊勢木綿を織ることができるのは、津市にある織物会社、臼井織布だけである。「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ…」という伊勢音頭の歌い出しは、こうしたものづくりと商流のあり様を歌ったのかと思い起こされる。

 ここでは、250年以上に渡って伊勢木綿を織り続けてきた臼井織布の主人、臼井成生さんに話を聞いた。温もりを感じる風合いの秘訣や、「生きた産業」として残していくために挑戦することとは。

高谷健太(以下、高谷):僕も伊勢木綿の製品をいくつか持っています。特にガーゼのハンカチはふわふわで、羽毛布団やカシミヤのような不思議な感覚を抱きます。伊勢木綿のこの独特の風合いは、どのように作られているのでしょうか?

臼井成生・臼井織布代表(以下、臼井):伊勢木綿は、撚りの弱い単糸を使用しているため、洗っていくうちに撚られた糸が綿(わた)に戻ろうとして、生地が柔らかくなる特徴を持ちます。一般の木綿は洗えば硬くなるのに対して、伊勢木綿は洗えば洗うほど柔らかな肌触りと、古布のような素朴な風合いが出てくるわけです。先染織物なので、綺麗な色柄の格子や縞模様ができることも魅力です。

高谷:使えば使うほどに味が出て、末長く愛でることができるのですね。

臼井:そうです。かつては手織りでしたが、明治時代にトヨタの創始者・豊田佐吉氏が設立した豊田式織機から購入した力織機を現役で30機ほど稼働させています。大正時代に発明された自動織機よりも古く、部品の生産も終了していますが、単純な機械設計のため自分たちで修理ができるのが救いです。廃業した機屋から使わなくなった織機や部品を譲り受けて使ったり、自分たちで代替品を作ったり。からくりみたいな感じで使い続けています。

高谷:すごいですね。力織機をこんなに稼働させている機屋さんは初めて見ました。織物に限らず、日本にそういった物作りができるところが、あとどのくらい残っているのか考えてしまいます。

臼井:われわれの織機は手織りと同じスピードなので、1分間で織り上がるのはわずか3センチ。一反(約12〜13メートル)を織るには1日かかります。ゆっくり織るからこそ、ふんわりとした織物に仕上がる。そもそも現代の織機では、柔らかな糸が切れてしまい、織ることも出来ません。

高谷:この地域では古くから木綿の織物が盛んだったのでしょうか?

臼井:はい。江戸時代、この地方は綿花の一大産地でした。綿花栽培に適した気候に加えて、水、土、肥料となるイワシが豊富だったことが大きな理由です。伊勢木綿は、当時から伊勢神宮の参拝土産の一つとして、また日本橋の呉服問屋でも売られていました。最盛期の明治時代には、大きいところだと年間100万反を、われわれのような小さな企業でも年間1万反を織っていました。しかし高度経済成長期以降、化学繊維の発展や海外から安価な製品が輸入されるようになり、伊勢木綿の需要は落ち込んで、製造業者のほとんどが廃業してしまいます。かつてこの一帯には伊勢木綿を織る機屋がたくさんありましたが、残ったのはうちだけです。

高谷:臼井織布さんだけが今も続いている大きな理由は何なのでしょうか?

臼井:時代に合わせて物作りを変えてきたことでしょうか。かつては寝巻を中心につくっていましたが、今はカバンやストール、ポーチなども作っています。そもそも私は、“伝統産業”と言われているうちはダメだと思っています。ガラスケースの中で展示される時点で、時代の流れに乗れず衰退してしまったもののように感じますから。厳しい戦いであっても、実際に着られる物や使われる物、そして「生きた産業」として伊勢木綿を残したいんです。

高谷:素晴らしい心意気だと思います。ファッションを生業にする者として、僕も今まさに取り組んでいることの一つです。それでは臼井さんは今、伊勢木綿を通してどんなチャレンジをしているのでしょうか?

臼井:手探りではありますが、自社で商品企画とデザイン、製造、販売を行っています。柄のデザインも当社の若いスタッフが担当しています。伊勢木綿の反物は色柄のバリエーションが豊富なのも特徴で、同じ柄の着物を着ている人が何人もいたらお客さまに申し訳ない。そのため、基本的に一度織った色柄は二度と作りません。

高谷:伊勢木綿への覚悟が伝わってきますね。

臼井:さらに挑戦的な試みとして、他社とのコラボレーションも行っています。足袋や手ぬぐいを現代風にアレンジする京都のブランド「ソウソウ(SOU・SOU)」とのコラボでは、伊勢木綿の名前が広がり、「着物をあつらえたい」というお客さまがぐっと増えました。本当にありがたいです。こういったコラボには積極的にチャレンジし、自社商品の企画力ももっと高めて、商品のラインナップも増やしてきます。


 事務所の黒板には、臼井さんの先代が書き残した“継続は力なり”“知足安分”という言葉があった。さらにインタビューの最後には、次の担い手として息子さんの臼井良貴氏を紹介してもらった。250年という伊勢木綿の歴史も、一日の積み重ねなのだ。そしてその歴史は、明日へと続いていく。

 昨今、「新時代におけるラグジュアリーとは何か」を僕なりに考えていた。華美できらびやかな世界だけでなく、その対極ともいえる素朴で庶民的な魅力を持ったものも真のラグジュアリーになりうるのか。ずっと答えを出せずにいたが、臼井織布に足を運んだことで、探し求めていた答えに少し近づけた気がした。生産方法や製品の特徴、そして物作りの歴史において、「ほかの何ものにも変えがたいこと」こそが揺るぎない価値であり、真のラグジュアリーなのだと思う。

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時流を織り交ぜて輝く“伊勢木綿” ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。”第5回

 前回の“伊勢和紙”に続いて、今回は江戸中期に誕生した“伊勢木綿”を紹介する。その前に、同じ江戸中期に生まれたと言われる “伊勢音頭”について触れてみたい。

 伊勢音頭はお伊勢参りの道中唄で、東海地方の人にとっては「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ」のフレーズでなじみ深いものだ。諸説あるが、伊勢音頭の起源は享保(1716年〜1736年)の頃に作られた「かわさき音頭(伊勢市河崎)」が源流で、その後、伊勢古市の遊郭で唄い踊られたと言われている。お伊勢参りの“荷物にならないお土産”として爆発的に全国を伝播し、日本三大盆踊り“郡上おどり”(岐阜県郡上市八幡町)の有名曲「かわさき」のルーツともされている。

 昨年の11月、この伊勢音頭を見る機会があった。道中唄ということで庶民に向けたものという先入観があったのだが、歴史に裏打ちされた威厳と誇り、そして何よりも品格を感じた。舞に合わせて三味線を弾き、唄を唄う奏者“地方(じかた)”が奏でる唄と三味線とお囃子は、終始鳥肌ものだった。また、伊勢古市の遊郭「備前屋」名物だった“伊勢音頭の総踊り”を描いた歌川貞秀の浮世絵「いせおんど 桜襖(さくらふすま)」を目にした瞬間、そのスケールの大きさに圧倒され、「これこそが全国に波及した理由だったのか」と実感したものだ。

 そんな伊勢音頭を思い浮かべながら、伊勢神宮の参道口にある宇治橋から五十鈴川(いすずがわ)に沿って続く通り“おはらい町”を歩くと、きれいな配色で構成された格子や縞模様の着物用の反物をはじめ、ハンカチ、バッグといった先染織物の製品と出合う。これが“伊勢木綿”という織物で、人の優しさや温もりを感じる素材感を持ち、伊勢神宮の参拝土産としても重宝されていた。現在、この伊勢木綿を織ることができるのは、津市にある織物会社、臼井織布だけである。「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ…」という伊勢音頭の歌い出しは、こうしたものづくりと商流のあり様を歌ったのかと思い起こされる。

 ここでは、250年以上に渡って伊勢木綿を織り続けてきた臼井織布の主人、臼井成生さんに話を聞いた。温もりを感じる風合いの秘訣や、「生きた産業」として残していくために挑戦することとは。

高谷健太(以下、高谷):僕も伊勢木綿の製品をいくつか持っています。特にガーゼのハンカチはふわふわで、羽毛布団やカシミヤのような不思議な感覚を抱きます。伊勢木綿のこの独特の風合いは、どのように作られているのでしょうか?

臼井成生・臼井織布代表(以下、臼井):伊勢木綿は、撚りの弱い単糸を使用しているため、洗っていくうちに撚られた糸が綿(わた)に戻ろうとして、生地が柔らかくなる特徴を持ちます。一般の木綿は洗えば硬くなるのに対して、伊勢木綿は洗えば洗うほど柔らかな肌触りと、古布のような素朴な風合いが出てくるわけです。先染織物なので、綺麗な色柄の格子や縞模様ができることも魅力です。

高谷:使えば使うほどに味が出て、末長く愛でることができるのですね。

臼井:そうです。かつては手織りでしたが、明治時代にトヨタの創始者・豊田佐吉氏が設立した豊田式織機から購入した力織機を現役で30機ほど稼働させています。大正時代に発明された自動織機よりも古く、部品の生産も終了していますが、単純な機械設計のため自分たちで修理ができるのが救いです。廃業した機屋から使わなくなった織機や部品を譲り受けて使ったり、自分たちで代替品を作ったり。からくりみたいな感じで使い続けています。

高谷:すごいですね。力織機をこんなに稼働させている機屋さんは初めて見ました。織物に限らず、日本にそういった物作りができるところが、あとどのくらい残っているのか考えてしまいます。

臼井:われわれの織機は手織りと同じスピードなので、1分間で織り上がるのはわずか3センチ。一反(約12〜13メートル)を織るには1日かかります。ゆっくり織るからこそ、ふんわりとした織物に仕上がる。そもそも現代の織機では、柔らかな糸が切れてしまい、織ることも出来ません。

高谷:この地域では古くから木綿の織物が盛んだったのでしょうか?

臼井:はい。江戸時代、この地方は綿花の一大産地でした。綿花栽培に適した気候に加えて、水、土、肥料となるイワシが豊富だったことが大きな理由です。伊勢木綿は、当時から伊勢神宮の参拝土産の一つとして、また日本橋の呉服問屋でも売られていました。最盛期の明治時代には、大きいところだと年間100万反を、われわれのような小さな企業でも年間1万反を織っていました。しかし高度経済成長期以降、化学繊維の発展や海外から安価な製品が輸入されるようになり、伊勢木綿の需要は落ち込んで、製造業者のほとんどが廃業してしまいます。かつてこの一帯には伊勢木綿を織る機屋がたくさんありましたが、残ったのはうちだけです。

高谷:臼井織布さんだけが今も続いている大きな理由は何なのでしょうか?

臼井:時代に合わせて物作りを変えてきたことでしょうか。かつては寝巻を中心につくっていましたが、今はカバンやストール、ポーチなども作っています。そもそも私は、“伝統産業”と言われているうちはダメだと思っています。ガラスケースの中で展示される時点で、時代の流れに乗れず衰退してしまったもののように感じますから。厳しい戦いであっても、実際に着られる物や使われる物、そして「生きた産業」として伊勢木綿を残したいんです。

高谷:素晴らしい心意気だと思います。ファッションを生業にする者として、僕も今まさに取り組んでいることの一つです。それでは臼井さんは今、伊勢木綿を通してどんなチャレンジをしているのでしょうか?

臼井:手探りではありますが、自社で商品企画とデザイン、製造、販売を行っています。柄のデザインも当社の若いスタッフが担当しています。伊勢木綿の反物は色柄のバリエーションが豊富なのも特徴で、同じ柄の着物を着ている人が何人もいたらお客さまに申し訳ない。そのため、基本的に一度織った色柄は二度と作りません。

高谷:伊勢木綿への覚悟が伝わってきますね。

臼井:さらに挑戦的な試みとして、他社とのコラボレーションも行っています。足袋や手ぬぐいを現代風にアレンジする京都のブランド「ソウソウ(SOU・SOU)」とのコラボでは、伊勢木綿の名前が広がり、「着物をあつらえたい」というお客さまがぐっと増えました。本当にありがたいです。こういったコラボには積極的にチャレンジし、自社商品の企画力ももっと高めて、商品のラインナップも増やしてきます。


 事務所の黒板には、臼井さんの先代が書き残した“継続は力なり”“知足安分”という言葉があった。さらにインタビューの最後には、次の担い手として息子さんの臼井良貴氏を紹介してもらった。250年という伊勢木綿の歴史も、一日の積み重ねなのだ。そしてその歴史は、明日へと続いていく。

 昨今、「新時代におけるラグジュアリーとは何か」を僕なりに考えていた。華美できらびやかな世界だけでなく、その対極ともいえる素朴で庶民的な魅力を持ったものも真のラグジュアリーになりうるのか。ずっと答えを出せずにいたが、臼井織布に足を運んだことで、探し求めていた答えに少し近づけた気がした。生産方法や製品の特徴、そして物作りの歴史において、「ほかの何ものにも変えがたいこと」こそが揺るぎない価値であり、真のラグジュアリーなのだと思う。

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「アパレルのサプライチェーンを変える」 3DCGサンプル作成サービス「ストゥーラ」が旗揚げ 

 3DCGを活用したアパレルメーカー向けの商品サンプル作成サービス「ストゥーラ(STURE)」がこのほどスタートした。サービスを提供するforGIFT(東京、白井崇文社長)は、親会社クリーク・アンド・リバーのゲームグラフィックの開発ノウハウに、長らくアパレル業界に携わってきた白井社長の知見を掛け合わせることで、リアルに近い高品質な3DCGサンプル制作を可能にした。白井社長は「(3DCGサンプルの活用で)ムダな費用を減らせば、“攻め”に転じる資金余力が生まれる。多くのアパレルが構造改革が迫られている今だからこそ、業界が生まれ変わる手助けをしたい」と語る。

 3DCGサンプルの導入は、商品の企画、製造、販売に至るまで、サプライチェーンにおけるさまざまなプロセスでコスト削減などの効果が期待できる。白井社長は具体的なメリットを次のように挙げる。

・リードタイムの短縮:発注から通常1カ月程度かかるサンプル製作が数日程度に短縮。企画から販売開始までを縮め、商品の販売期間を延ばすことができる。

・サンプルの精度向上:サンプル製作の過程をリアルタイムで共有・確認できるため完成品の精度が向上。何度もサンプルを作成する時間的・資金的コストを抑制できる。

・ECの「ささげ」業務の簡略化:精巧な3DCGコストをEC商品ページに掲出でき、実物の画像を撮影する手間が省ける。ECでの事前予約商品は販売機会の延長が期待できる。

 白井社長はこれまでメンズブランドの運営やOEM(他社ブランドの商品製造)などを手がけ、それ以前にはアーティストの衣装制作やホテルのタキシードデザインなどモノ作りの現場でも経験を積んだ。「アパレルビジネスの首を絞めるのは販管費だ。ビジネスの規模を拡大すれば人件費や設備費の膨張は必然で、それは業績が悪くなっても変わらず肩にのしかかるもの。このような状況を打破するには、デジタルをテコに、サプライチェーンそのものを変革していかなくてはならない」と語る。

3DCG開発チームの自社構築は
「本末転倒になりかねない」

 「ストゥーラ」は撮影スタジオや最新の機材、3DCG専門の開発チームなど、クリーク・アンド・リバーのリソースをフル活用することで、シーズン単位のまとまった数のサンプル受注にも対応できる。服の素材やシワなどの表面感、フォルムなどはクライアントとすり合わせながら、可能な限りリアルに近づけていく。納品後も、ECやオンライン商談などへの導入・活用を支援する。すでに大手メーカーと共同でサービスの実証実験を終え、コスト削減効果も検証した。「ケースバイケースではあるが、サプライチェーンに関わるさまざまなコスト全体のうち20%程度の削減が見込める」という。

 アパレルメーカーが3DCGサンプル開発チームを自社で構築するという選択肢には、「人材面も設備面も大きな投資が必要になり、『コストを抑制する』という目的が本末転倒になりかねない」と警鐘を鳴らす。「だからこそ僕らに手助けできることがある。導入いただいた企業さまには、まずは小規模なブランドや一部商品でテスト的にスタートし、コスト抑制効果に納得した上で導入を拡大してもらう。(3DCGサンプルの導入が)絵に書いた餅にらないよう、できる限り伴走する」。

 長期的な展望としては、「3DCGサンプルによるバーチャル試着システム」や「アバターコスチュームを活用したリアル商品のテストマーケティング支援」のほか、ゲームやアニメなどのエンタメやカルチャーと結びつけた事業などを構想する。ただ白井社長は「3DCGというとメタバースやNFTというバズワードを連想しがちだが、それは次のステップ」と強調する。「企業が新しい分野で戦うための力(資金)を生み出す、サプライチェーン改革に3DCGを活用する。まずはここに僕らのやるべきことがあると考えている」。

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「アットコスメ」の口コミから読み解く“韓国コスメ”ヒットの法則

 今回は「アットコスメ」に寄せられた「韓国コスメ メイクアップ」に関する口コミを西原羽衣子「アットコスメ」リサーチプランナーが解説。ヒットの法則を読み解いていく(集計期間:22年3月1~31日)。

―――「韓国コスメ メイクアップ」で、象徴的に使われているワードは?

西原羽衣子「アットコスメ」リサーチプランナー(以下、西原):ランキング上位の韓国メイクアップコスメへの口コミには「グリッター・ラメ」と「ティント」というワードが特徴的に使われている。「日本のコスメで、ここまでぎっしり大粒ラメが詰まっているものはなかなかない」「『ロムアンド(ROM&ND)』のラメは別格」と言われるように、特に大粒のラメ(グリッターという言葉も口コミでは同義で使われている)が韓国コスメを代表する特徴と捉えられているようだ。リップティントに関しても、依然として韓国コスメへの期待が高い様子。「韓国コスメデビュー」「初韓国コスメ&初ティント」といった口コミも見られ、エントリーアイテムとなっているようだ。

―――3月に、「韓国コスメ メイクアップ」以外で好調なカテゴリーは?

西原:UVやプライマーが伸長した。「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”(30mL、税込3740円)、「コスメデコルテ(DECORTE)」“サンシェルター トーンアップCC”(全3色、35g、各税込3300円)、「なめらか本舗」“スキンケアUV下地”(50g、税込1100円)といった既存商品に加え、「イハダ(IHADA)」“薬用フェイスプロテクトパウダー”(9g、税込1980円)といった敏感肌やゆらいだ肌でも使えるものや、「アネッサ(ANESSA)」“デイセラム”(30mL、税込3850円)や「カネボウ(KANEBO)」“ヴェイル オブ デイ”(40g、税込5500円)といった高いスキンケア効果を訴求する新製品が登場しており、日焼け止めにスキンケアとしての潤い感や心地よさや求める声は、ますます増えるのではないかと思う。

 またマスク生活でのノーファンデ化の影響か、「プライマー」という言葉が使われる頻度が高まっている。ロングセラー商品である「ポール & ジョーボーテ(PAUL&JOE)」“プロテクティング ファンデーション プライマー” (全2種、30mL、各税込3850円)の他に、「アンドビー(&BE)」“UVプライマー”(36g、税込2750円)や「アピュー(A’PIEU)」“ジューシーパン スキンケアプライマー”(全2種、14.7g、各税込1980円)、「リリミュウ(RIRIMEW)」“トーンアップカラープライマー” (全4種、30g、各税込1760円)といった新商品が注目されている。ファンデーション以外で肌をきれいに見せるという選択肢の広がりを感じさせる。

22年3月「韓国コスメ メイクアップ」口コミランキング

1位「ロムアンド」“ジューシーラスティングティント”(全11色、5.5g、各税込1320円)

西原:口コミで「本当に唇の色そのまま」などと評される、「MLBB(My Lips But Better=自分の唇のようだけど、よりきれいに見せてくれる色。粘膜カラー)」であることが、人気の理由。「口紅全般苦手だが、自然に血色がいい唇のような色のリップでありがたい」という口コミも見られた。周囲や肌から「浮かない」ことを重視する現代の生活者が、リップの色が肌から浮いてしまう心配なく安心してメイクアップを楽しめることに価値を見出していると思われる。2つめの理由がリップティントであること。「落ちてもほんのり血色感が残っているのが最高」と評され、「マスク生活には欠かせない」アイテムとなっているようだ。

2位「クリオ(CLIO)」“プロ アイ パレット”(全3種、各税込3740円)

西原:「可愛い色がいっぱいつまっていて、毎日のアイメイクが楽しい」など、他商品に比べて「楽しい」というワードが多く出現することが、この商品の特徴。10色もの色がセットされたパレットタイプで、一見使いこなすのが難しいようにも思われるが、「10色全て統一感がある」「マット、細かいラメ入りマット、ラメ数種(小ぶりなもの、ざくざくしたもの)のいろんな組み合わせ」と色味ではなく、質感のバリエーションがあり「本当に捨て色がなく全部使える」という評価につながっている。

3位「ロムアンド」“ロムアンド ハンオールフィックスマスカラ L01 ロングブラック”(7g、税込1430円)

西原:他商品よりも特徴的に語られているのが、色味の絶妙さ。「ブラックでもブラウンでもない絶妙な色味」が「ブルベでも使えるブラウン」と評価されている。「黒より優しい色合いなのに、しっかり盛れるし、茶色より肌がくすまない」「(ブルべの)虹彩を引き立ててくれるような色合いが素晴らしい」というコメントも見られ、パーソナルカラーがブルーベースの人たちの「ブラウンのマスカラはことごとく似合わない」という悩みに応えたことが人気の理由と言える。

4位「ロムアンド」“デュイフルウォーターティント”(全8色、5g、各税込1320円)

西原:1位と同ブランドのリップティントだが、こちらはよりツヤ感のあるウォータータイプ。「サラッとしたテクスチャーなのでつけ心地が軽く、唇への負担が軽い」という使い心地と、「重ね塗りをしても濁りなく透明感のある仕上がり」が評価されている。「透け感あるほうが好きなら絶対こっち」とコメントも見られ、1位の“ジューシーラスティングティント”と使い分けしている様子も見られる。

5位「ロムアンド)」“リキッドグリッターシャドウ”(全4色、2g、各税込1100円)

西原:大きさの異なるラメが「小中大特大みたいな感じで配分良く」入っており「筆が細くて涙袋にも塗りやすい」と評されるリキッド状アイシャドウ。涙袋に使うことで「うるっとした目元になる」「白目がキレイに見える」と言われている。特徴的に見られるのが、「友達にも褒められる率高くて大満足」「彼氏ウケ◎」といった声。同性であれ異性であれ、他者から自分がどう見えるかを意識する層からの評価が高いようだ。

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長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

こんにちは。

ゴールデンウィークもいよいよ後半!過ごしやすい天気が続いていますね。

 

今日は5月20日(金)より銀座本店で開催する、長坂真護作品展についてさらに詳しくご紹介します。

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

今回、バーニーズ ニューヨークで初の展示を開催する美術家 長坂真護さん。

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

長坂さんは2009年に自ら経営する会社が倒産し画家へと転身。

2017年6月“世界最大級の電子機器の墓場”と言われるガーナのスラム街アグボグブロシーで、日本を含む先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる現地の人々と出会います。

その現実を目の当たりにし、アートの力で “先進国の豊かな生活は、このスラム街の人々の犠牲のもとに成り立っているという真実” を伝えることを決意。

「サスティナブル・キャピタリズム」を提唱し、これまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、2018年にはスラム街初の私立学校、2019年にはスラム街初のミュージアムを設立。

現在もガーナと日本さらには世界各地を訪れながら、精力的に創作活動と社会活動をおこなっています。

 

今回、バーニーズ ニューヨーク銀座本店では、5月20日(金)より長坂さんによる作品約40点をB1を中心にご紹介するほか、ウィンドウディスプレイでもフィーチャー。

ガーナ アグボグブロシーの光景を目の当たりにしアートへと昇華させた”ガーナ”の作品を中心に、オリーブ農園の勉強のために訪れた香川県の小豆島沿岸のプラスチック片やシーグラスを用いた”小豆島”シリーズの作品、展示会初お披露目となる衣料廃棄物を用いた作品バーニーズ ニューヨークからインスピレーションを得て制作された新作などを、銀座本店店内のさまざまなところで目にしていただけます。

 

期間中にご覧いただける作品の一部をご紹介します。

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『NICE SHOT』

Oil and E-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『This is a starmaker』

Oil and E-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『I am in the right』

Oil and Sea-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『トン トン トン』

Oil and Sea-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『New Puppy』

Oil and E-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『the coldness of kindness』

Oil and E-waste on Canvas

20×20cm

¥344,300(税込) ※額装代込み

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『I’m Princess』

Oil and E-waste on Canvas

30×30cm

¥660,000(税込) ※額装代別途¥26,400(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『One H.P』

Oil and E-waste on Canvas

30×30cm

¥660,000(税込) ※額装代別途¥26,400(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『Hi Good Afternoon』

Oil and E-waste on Canvas

30×30cm

¥660,000(税込) ※額装代別途¥26,400(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『Explorer』

Oil and Sea-waste on Canvas

30×30cm

¥660,000(税込) ※額装代別途¥26,400(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『HELLO CAT』

Oil and E-waste on Canvas

40×30cm

¥880,000(税込) ※額装代別途¥30,800(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『I’m HERO』

Oil and E-waste on Canvas

40×30cm

¥880,000(税込) ※額装代別途¥30,800(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『I’m E-waste Bear』

Oil and E-waste on Canvas

40×30cm

¥880,000(税込) ※額装代別途¥30,800(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『ピカゴロ スイッチ』

Oil and E-waste on Canvas

40×30cm

¥880,000(税込) ※額装代別途¥30,800(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『From UK to Ghana』

Oil and E-waste, Fabric on Canvas

45×45cm

¥1,100,000(税込) ※額装代別途¥38,500(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『ココカラデテ 七つの海へ』

Oil and E-waste on Canvas

40×50cm

¥1,100,000(税込) ※額装代別途¥38,500(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『I’m painter』

Oil and E-waste on Canvas

50×40cm

¥1,100,000(税込) ※額装代別途¥38,500(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『あなたがいるので花は咲く』

Oil and E-waste on Canvas

50×40cm

¥1,100,000(税込) ※額装代別途¥38,500(税込)

 長坂真護作品展 展開予定作品のご紹介|EXHIBITION: NAGASAKA MAGO

『Bunny’s New York』

Oil and E-waste on Canvas

60×60cm

¥2,420,000(税込) ※額装代別途

 

このほかにも新作を含む作品が一堂にラインナップ、展示販売いたします。

世界が注目する美術家 長坂真護さんの作品を直接感じられる特別な機会にぜひバーニーズ ニューヨーク銀座本店へお出かけください。

 

EXHIBITION:

NAGASAKA MAGO

長坂真護作品展

5/20 FRI. – 5/29 SUN. 銀座本店B1

※作品はB1のほか他フロアでも展示する可能性がございます。

LVMHのアルノー会長兼CEO、80歳まで続投可能に

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO、73歳)のCEO年齢制限を80歳まで延長する。株主総会で81.6%の賛成多数で決議された。同社の内規ではCEOは75歳までと定められていた。

 総会で議長を務めたアルノー会長兼CEOは、「2021年度の営業利益172億ユーロ(約2兆3392億円)は、他のラグジュアリーグループの売上高に匹敵する」と業績を誇り、「高級品は四半期ごとの競争ではなく、長期的な戦いであり、(株主も含めた)ファミリーによって運営されるのが最善である」と強調した。

 アルノー会長兼CEOは1949年3月5日生まれ。71年にパリ理工科大学を卒業し、ニューヨークで父親の建設会社で経営に携わった。84年にパリに帰国し、投資会社フィナンシエール・アガッシュを再構築する中で、倒産して売りに出されていたテキスタイル会社で「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」を保有するブサック・サンフレールを買収。89年にLVMHの筆頭株主になり、現在に至る。

 5人の子どもがおり、それぞれグループの要職に就いている。「ルイ・ヴィトン」エグゼクティブ バイス プレジデントなどを務める長女のデルフィーヌ、LVMHのコミュニケーション&イメージなどを取り仕切る長男のアントワーヌ、ティファニーの取締役副社長を務める次男のアレクサンドル、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」CEOで三男のフレデリック、「ルイ・ヴィトン」ウオッチ部門ディレクターで四男のジャン。年齢制限延長に伴い、後継者選びも先送りとなりそうだ。

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