アジアブランドに特化したオンラインセレクトショップ「シックスティーパーセント(60%)」が仕掛ける“日本のアーティスト×アジアブランド”のコラボレーション企画が好調だ。これまでHYDE×「ハイパンダ(HIPANDA)」(中国)、セカイノオワリのFukase×「モアザンドープ(MORE THAN DOPE)」(韓国)、kemio×「ハヴィズム(HAVISM)」(韓国)など、50以上の限定コレクションを発売。商品の売れ行きだけでなく、アジア進出するアーティスト×日本進出を狙うアジアブランドの声を捉えた企画は、相乗効果のあるプロモーションとしても注目を集めている。
木下:2020年のクリスマスに発売したHYDE×「ハイパンダ」は、特に反響が大きかった。日本と中国だけでなく、ヨーロッパ圏の方からもDMがたくさん届くなど、かなりの盛り上がりを見せた。「ハイパンダ」も現地では知名度がかなり高いが、この時はレジェンドであるHYDEさん側からの流入が顕著だった。韓国の「FCMM」×日本の「ウィンダンシー(WIND AND SEA)」の企画では、ビジュアルにアイドルグループNCTの日本人メンバーであるSHOTAROさんを起用した。影響力のあるモデルのパワーも加わって、相乗効果が3倍に。急遽在庫を追加して、数量限定で再販するほど好評だった。
木下:6月16日にアジア発のハイエンドなストリートブランドだけを集約した新エリア「60% レベリー(60% LEVELY)」をオープンする予定だ。立ち上げのタイミングには、日本の「エクストララージ(XLARGE)」、韓国の「アクメドラビ(ACME DE LA VIE)」、タイの「カーニバルバンコク(CARNIVAL BANGKOK)」など、計12のブランドをラインアップする。さらにローンチ後には、フリーペーパー「FLJ」と共同制作した「60% レベリー」独占号を部数限定で発行する。日本ブランドの取り扱いも本格的にスタートするので、日本ブランド×アジアアーティストのコラボ企画も実施していきたい。
「コーチ(COACH)」は、LGBTQ+コミュニティーを支援する6月のプライド月間を記念して、同コミュニティーを讃えるメッセージ“Go All Out For Pride”を発表した。その一環としてカラフルに彩ったオールジェンダーコレクションを発売した。同ブランドの取扱い店舗と公式オンラインストアで販売中だ。
フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)は7月4〜8日に開催される2022-23年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークの暫定スケジュールを発表した。名を連ねる29ブランド全てがリアル発表で、そのうち27組がショーを行う予定だ。すべてのコレクションは引き続き、サンディカのデジタルプラットフォームで視聴できる。
今季は「シャネル(CHANEL)」や「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」などに加え、コロナ禍になって以来、長編映像作品でコレクションを見せてきた「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」もリアル発表にカムバック。年に一度の“アーティザナル”CO-EDコレクションを披露する。また、オミクロン株の拡大を受けて1月のショーを中止した「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」をはじめ、15周年を迎える「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」や「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」もショーを再開。「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は「バルマン(BALMAIN)」を手掛けるオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)をゲストデザイナーに迎えたコレクションをお披露目し、年1回だけクチュールを発表する「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はデムナ(Demna)による2回目のクチュールショーを行う。日本からは、今シーズンも「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」が参加する。
なお、クチュール再開が噂されていた「ジバンシィ(GIVENCHY)」は、マシュー・M・ウィリアムス(Matthew M. Williams)による初のクチュール披露の延期を正式に認めた。「現在、マシューはアトリエと協力して制作に取り組んでいる。しかし、クラフツマンシップにこだわり、必要な時間をかけてコレクションを作り上げて、しかるべき時に発表することを望んでいる」という。