トレンドのミニ&ナノバッグの実用性を検証 名刺が何枚入るか試してみた

 デジタルシフトが加速するにつれて、ますます需要が高まっているのがミニバッグ。多くのブランドがトレンドアイテムとしてここ数シーズン打ち出している。アクセサリー感覚で持てる小ぶりなサイズが魅力だが、気になるのはその実用性だ。ビッグバッグに引き続き、「WWDJAPAN」編集部が社内の名刺(W9.1cm × H5.5cm)をかき集めて、どのくらいの容量なのか調べてみた。

【CELINE】
スモールボックス キュイル トリオンフ
名刺300枚

 アイコニックな“トリオンフ”モチーフをステッチで表現した新作。ボックス型でマチが11cmもあるため、小ぶりながらもたっぷりな容量です。ミニ財布やリップ、ワイヤレスイヤホンを入れて、ちょっとした外出にも重宝しそう。レザーストラップは長さが調整できるため、ショルダーバッグとしてもクロスボディーバッグとしても使えます。

【VALENTINO GARAVANI】
ワンスタッズ ナッパレザー チェーン マイクロバッグ
名刺90枚

 「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」から大ぶりな“ローマンスタッズをあしらった超ミニバッグが登場。マグネットタイプのフラップを開くと、コンパートメントが2つに分かれているため、名刺を90枚収納することができました。さらに名刺がぴったり入るW11cm × H8cm × D5cmというサイズ感もポイント。カラーは、イエローとブロッサムの2色を用意しています。

【SAINT LAURENT】
LE 5 A 7 ミニ ホーボー
名刺187枚

 「セリーヌ」に続く収納量なのが「サンローラン」の“ミニ ホーボー”。横幅19cm、マチ4.5cmという大容量に期待しながら名刺を詰め込んでみると、187枚も入れることができました。ボディーにはスムースなカーフレザーを使用し、アイコニックな“YSL”イニシャルのクロージャーをフロントに施しています。

【LOEWE】
アマソナバッグ ナノ
名刺123枚

 今年デザインをアップデートした「ロエベ」の名品バッグ“アマソナ”に、ナノサイズが仲間入り。自立するタイプで、ボディーにはアナグラムを編み込んだジャカード素材とカーフスキンを施しています。サイドまでジップが走り開閉しやすく、名刺123枚を収納することに成功しました。取り外し可能な細身のチェーンストラップ付きで、実用性も申し分なし。

【MIU MIU】
ミュウ ベル ナッパレザー ミニバッグ
名刺143枚

 ブランドを象徴する“マテラッセ”をモチーフにしたミニバッグは、名刺を縦にしてサイズ検証。横14cmではあるものの、丸みのあるデザインのため名刺を横向きに入れることができませんでした。でも、大きく開くがま口タイプのため中身が一目瞭然で、小物を取り出しやすいのが便利。ボディーには柔らかなナッパレザーとメタルパーツをあしらっています。

【SALVATORE FERRAGAMO】
トリフォリオ マイクロ バッグ
名刺100枚

 “トリフォリオ”シリーズから誕生した、真鍮製の新作。まるでオブジェのような佇まいで、コンパクトながらもずっしりとした重量感です。マチが狭く、完全に収納することはできませんでしたが、アクセサリーポーチとしてリップなどの小物を入れるのにはぴったりなサイズ。ハンドルとチェーンが付いているため、2ウエイで持つことができます。

【JIL SANDER】
ミニバッグ
名刺90枚

 内側と裏側のポケット、マグネット式フラップ、取り外し可能なストラップ。「ジル サンダー」のミニバッグは、ブランドらしいシンプルな見た目とは裏腹に機能性も工夫しています。幅11cmだから名刺もちょうど入るサイズ感。ミニマルなデザインなので、オールシーズン持つことができ、どんなシーンにも使いやすそう。

【BOTTEGA VENETA】
カセット
名刺153枚

 イントレチャートを巨大化させた人気シリーズ“カセット”は、柔らかなナイロン素材を使用し、軽量で肌になじみやすいのが特徴です。フラップを開けるとマチが広く、中身が見えやすいのもユーザーにはうれしいポイント。カラーはグリーンに加えて、ブラック、ホワイト、タンジェリン、ブリス ウォッシュドの5種類をそろえています。

【GIORGIO ARMANI】
ジョルジオ アルマーニ ラ プリマ ミニバッグ
名刺70枚

 「ジョルジオ アルマーニ」の“ラ・プリマ”シリーズからコンパクトサイズがお目見え。光沢のあるリキッドパテントレザーにエンボスロゴを配し、ダーツによってボリュームを出した丸みのあるデザインです。名刺70枚を入れても型崩れしにくく、開閉がスムーズなマグネット式のフラップなので使い勝手も文句なし。

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トレンドのミニ&ナノバッグの実用性を検証 名刺が何枚入るか試してみた

 デジタルシフトが加速するにつれて、ますます需要が高まっているのがミニバッグ。多くのブランドがトレンドアイテムとしてここ数シーズン打ち出している。アクセサリー感覚で持てる小ぶりなサイズが魅力だが、気になるのはその実用性だ。ビッグバッグに引き続き、「WWDJAPAN」編集部が社内の名刺(W9.1cm × H5.5cm)をかき集めて、どのくらいの容量なのか調べてみた。

【CELINE】
スモールボックス キュイル トリオンフ
名刺300枚

 アイコニックな“トリオンフ”モチーフをステッチで表現した新作。ボックス型でマチが11cmもあるため、小ぶりながらもたっぷりな容量です。ミニ財布やリップ、ワイヤレスイヤホンを入れて、ちょっとした外出にも重宝しそう。レザーストラップは長さが調整できるため、ショルダーバッグとしてもクロスボディーバッグとしても使えます。

【VALENTINO GARAVANI】
ワンスタッズ ナッパレザー チェーン マイクロバッグ
名刺90枚

 「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」から大ぶりな“ローマンスタッズをあしらった超ミニバッグが登場。マグネットタイプのフラップを開くと、コンパートメントが2つに分かれているため、名刺を90枚収納することができました。さらに名刺がぴったり入るW11cm × H8cm × D5cmというサイズ感もポイント。カラーは、イエローとブロッサムの2色を用意しています。

【SAINT LAURENT】
LE 5 A 7 ミニ ホーボー
名刺187枚

 「セリーヌ」に続く収納量なのが「サンローラン」の“ミニ ホーボー”。横幅19cm、マチ4.5cmという大容量に期待しながら名刺を詰め込んでみると、187枚も入れることができました。ボディーにはスムースなカーフレザーを使用し、アイコニックな“YSL”イニシャルのクロージャーをフロントに施しています。

【LOEWE】
アマソナバッグ ナノ
名刺123枚

 今年デザインをアップデートした「ロエベ」の名品バッグ“アマソナ”に、ナノサイズが仲間入り。自立するタイプで、ボディーにはアナグラムを編み込んだジャカード素材とカーフスキンを施しています。サイドまでジップが走り開閉しやすく、名刺123枚を収納することに成功しました。取り外し可能な細身のチェーンストラップ付きで、実用性も申し分なし。

【MIU MIU】
ミュウ ベル ナッパレザー ミニバッグ
名刺143枚

 ブランドを象徴する“マテラッセ”をモチーフにしたミニバッグは、名刺を縦にしてサイズ検証。横14cmではあるものの、丸みのあるデザインのため名刺を横向きに入れることができませんでした。でも、大きく開くがま口タイプのため中身が一目瞭然で、小物を取り出しやすいのが便利。ボディーには柔らかなナッパレザーとメタルパーツをあしらっています。

【SALVATORE FERRAGAMO】
トリフォリオ マイクロ バッグ
名刺100枚

 “トリフォリオ”シリーズから誕生した、真鍮製の新作。まるでオブジェのような佇まいで、コンパクトながらもずっしりとした重量感です。マチが狭く、完全に収納することはできませんでしたが、アクセサリーポーチとしてリップなどの小物を入れるのにはぴったりなサイズ。ハンドルとチェーンが付いているため、2ウエイで持つことができます。

【JIL SANDER】
ミニバッグ
名刺90枚

 内側と裏側のポケット、マグネット式フラップ、取り外し可能なストラップ。「ジル サンダー」のミニバッグは、ブランドらしいシンプルな見た目とは裏腹に機能性も工夫しています。幅11cmだから名刺もちょうど入るサイズ感。ミニマルなデザインなので、オールシーズン持つことができ、どんなシーンにも使いやすそう。

【BOTTEGA VENETA】
カセット
名刺153枚

 イントレチャートを巨大化させた人気シリーズ“カセット”は、柔らかなナイロン素材を使用し、軽量で肌になじみやすいのが特徴です。フラップを開けるとマチが広く、中身が見えやすいのもユーザーにはうれしいポイント。カラーはグリーンに加えて、ブラック、ホワイト、タンジェリン、ブリス ウォッシュドの5種類をそろえています。

【GIORGIO ARMANI】
ジョルジオ アルマーニ ラ プリマ ミニバッグ
名刺70枚

 「ジョルジオ アルマーニ」の“ラ・プリマ”シリーズからコンパクトサイズがお目見え。光沢のあるリキッドパテントレザーにエンボスロゴを配し、ダーツによってボリュームを出した丸みのあるデザインです。名刺70枚を入れても型崩れしにくく、開閉がスムーズなマグネット式のフラップなので使い勝手も文句なし。

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【スナップ】「ニューバランス」好きな女性のスニーカーコーデ 大人の“990”スタイル

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」マニアの対談に続き、同ブランドの人気シリーズ“990”を取り入れた5コーディネートを提案する。オンライン限定ブランド「サヴォイ(SAVOY)」ディレクターのマイ(MAI)が、大人の女性にもぴったりなスタイルを解説する。

【LOOK1】

 “990v5”にあしらっているネイビーのディテールに合わせて、同系色のTシャツで統一。メンズサイズのトップスを選ぶことで、より女性らしいラインが際立ちます。ベルト付きワイドパンツは愛用している『ザ フランキー ショップ(THE FRANKIE SHOP)」。全体的にゆったりとしたシルエットなので、ベルトを加えてメリハリのあるスタイルに仕上げました。

【LOOK2】

 オーバーサイズのセットアップを着るときは、“990v4”を選びます。シューズがシャープなデザインなので、身幅があるジャケットとパンツでほどよい抜け感を出すように意識していますね。さらに白いTシャツとシャツをインナーに取り入れて、リラックスした雰囲気にしているのも着こなしのポイントです。

【LOOK3】

 ベストとTシャツを合わせるのは私の定番スタイルです。大きめのTシャツとデニムだけだと全体的にボリュームが出てしまうので、Vネックのベストを組み合わせると、首元がスッキリ見えるのでバランスが取れます。ぼってとしたフォルムの“990v5”とオールホワイトのコーディネートだから、バッグは黒を選ぶと引き締まりますね。

【LOOK4】

 スエットとハーフパンツを組み合わせた軽快なコーディネート。少年ぽさがあるボトムスの日は、脚を露出して女性らしさを出すようにしています。とはいえメンズライクな要素は残したいので、肌見せは最小限にして大きめのトップスを選んでいます。足元は「ジョウンド(JJJJOUND)」とコラボレーションした“990v4”、トートバッグは「サヴォイ」のものです。

【LOOK5】

 モノトーンのアイテムが多いですが、元気が出そうなイエローで気分転換。ゆったりとしたシャツをコーディネートの主役にする場合は、そのまま着るのではなく、ボタンを少し開けて、インナーにタイトなタンクトップでボリュームダウンさせるのがいいですね。ワイドなボトムスなので、足元はダークトーンのシューズを選ぶとスッキリした印象になります。

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ZOZO、出荷単価大幅上昇 テナントが値引き抑制 22年4〜6月期

 ファッションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの22年4〜6月決算は、商品取扱高(GMV)が前年同期比9.5%増の1279億円、営業利益が同13.7%増の143億円、経常利益が同14.1%増の142億円、純利益が同14.1%増の99億円だった。出店テナントであるアパレル企業が為替や物流などのコスト増を受けて値引き抑制に動いたことで、平均出荷単価は2.6%増の7699円、平均商品単価は1.8%増の3552円と大きく上昇した。商品単価と出荷単価は低価格ゾーンのブランドの出店増加に伴い、長らく下落傾向にあったが、久しぶりの反転になる。澤田宏太郎・社長兼CEOは「アパレル製品のコスト増の影響で7月以降も商品単価や出荷単価の上昇は続くと見られるが、過去のデータを見る限り、『ゾゾタウン』の流通額に大きな影響はない出ないと見ている」。

 出荷単価の上昇と物流拠点「ZOZOベース」の作業効率改善により、売上総利益率は0.2ポイント改善の9.3%、営業利益率(対商品取扱高)は0.5ポイント改善の12.3%に上昇した。

 主力の「ゾゾタウン」事業のGMVは同11.5%増の1010億円、急成長している「ペイペイモール」事業は同14.5%増の112億円となったものの、「ペイペイモール」は通期で3割近い増加を見込んでおり、計画を下回った。「期初の計画は変えず、7月以降に挽回する」(澤田社長)考え。
 
 また、アナリストからの質問に答える形で、急成長を続ける「シーイン(SHEIN)」についても言及し、「(シーインのことは)ウオッチをしており、どこをどう狙っているかをわれわれとしても理解しているつもりだ。中期的にはそれなりの脅威になると考えており、しっかりと手を打っていく」(澤田社長)。

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フジロック出演のスーパーオーガニズム 最新アルバムに込めた思いやメンバーのファッション的特徴を聞く

 最近は誰もがどこでも自由に音楽を生み出せる時代だからこそ、よりオリジナリティが求められるようになった。そんな中で、どの音楽的先人たちにも似ても似つかないサウンドを奏でるのが、多国籍バンドのスーパーオーガニズム(Superorganism)だ。日本、韓国、イングランド、ニュージーランドのバックグラウンドを持つ彼らは、インターネットで交友を深める中で2017年に誕生した楽曲「Something for Your M.I.N.D.」を発表すると、R&B歌手のフランク・オーシャン(Frank Ocean)が自身のラジオ「ブロンデッド(blonded)」でピックアップしたこともあり一気にブレイク。わずか“2分45秒”で世界中の音楽好きを虜にしたのである。

 18年にリリースしたデビューアルバム「Superorganism」から、コロナ禍を経て制作した2ndアルバム「World Wide Pop」のリリースに合わせ、メンバーのハリー(Harry)とオロノ(Orono)が来日。7月31日には「フジロックフェスティバル '22(FUJI ROCK FESTIVAL '22)」のホワイトステージに登場する2人に、まだまだ謎の多いバンドについてや、結成の経緯からお互いの第一印象、「World Wide Pop」の秘話、そして各メンバーのファッション的特徴までを聞いた。

ーーまずは初歩的な質問として、バンドメンバーの出会いと結成の経緯を教えてください。

ハリー:オロノとは、僕がエヴァーソンズ(The Eversons)というバンドのメンバーとして来日した2015年に、東京で出会ったんだ。彼女はユーチューブ(YouTube)を通じて僕らのことを知ってライブを見に来たから、ユーチューブが縁をつないでくれたことになるね。その後、17年にちょっと違う形式でただ音楽を発表するプロジェクトを思い付いて、インターネットでメンバーを少しずつ集めていたんだけど、その時に声を掛けた1人がオロノなんだ。1990年代はバンドを組もうと思ったら実際に会う必要があったから、同じ地域に住むメンバーばかりだったけど、今の時代はオンラインで誰かと出会うことは普通だし、世界中の人と一緒に音楽が作れるよね。オロノは当時アメリカに、ソウルはオーストラリアに、僕ら他のメンバーはロンドンに住んでいたし。それで、彼女と初めて作った楽曲「Something for Your M.I.N.D.」が世界的に評価を得ることができたからスーパーオーガニズムを結成して、レコード会社として契約し、アルバムを制作し、ツアーをするようになったんだよ。

ーーお互いの第一印象は?

オロノ:彼のバンドのインタビューを全部読むくらい大ファンだったから、来日ライブを観た時は本当に手足が震えるくらい「彼だ!どうしよう!」って感じだった(笑)。

ハリー:当時の彼女はまだティーンエイジャーだったんだけど、まず英語力の高さと頭の回転の速さにびっくりしたね。それからフェイスブック(Facebook)で友達になったら、彼女が自分で作ったアート作品や音楽をアップしていて、それらが僕のツボにハマったんだ。特に彼女の声を素晴らしいと感じたから一緒に曲を作ろうって話になったんだけど、特に期待しないでいたのに盛り上がって「Something for Your M.I.N.D.」ができたんだよ。

ーー自分たちが思う、多国籍バンドだからこそのポジティブな面とネガティブな面は?

ハリー:自分の視野を広く持つことができている、かな。例えば、日本には数日前から滞在していてオロノの実家に泊まっているんだけど、一緒に自転車に乗って彼女の地元を探索したり、今まで出合ったことのないトンカツを食べたりと、新しい経験ばかり。もし、スーパーオーガニズムが全員がイングランド出身のメンバーだったら絶対に経験できなかったことだから、すごくポジティブに感じているよ。ただ、個人としてはアウトサイダーだと感じることが時折ある。というのも、僕はイングランドで生まれてニュージーランドで育っているから、自分のことを完全なイングランド人だともニュージーランド人だとも思わないんだ。でもこのバックグラウンドがあるからこそ、いろいろな文化や人種に対してオープンマインドでいられるんだろうね。

オロノ:最初はどちらの面においても価値基準を置いてしまいがちだったけど、そういう考え方をしないようになったかな。

ーー多くの楽曲で“足し算的要素”を感じるのですが、制作過程を教えてください。誰か一人が舵を取ることが多いのか、それともその時々によって違うのでしょうか?

ハリー:僕たちの楽曲は、5コードのものもあるけど大体が3コードで、それを土台にしつつ核になるものがあって、それに肉付けしていくことが多いね。核となるものはいつも変わらなくて、キャッチーなメロディやいいコーラス、いい歌詞。それにサウンドエフェクトやシンセサイザー、ギターサウンドをかけ算したり割り算したりしていく感じで、楽曲をプレゼンテーションする感覚に近いかもしれない。

オロノ:でも肉付けしすぎると逆に楽曲がバラバラな感じになってしまうから、そこのさじ加減が重要。今回のアルバム「World Wide Pop」に参加してくれた音楽プロデューサーのスチュアート・プライス (Stuart Price)は、その点ですごく波長が合ってやりやすかった。

ーー2ndアルバム「World Wide Pop」を制作するに至った理由は?

オロノ:実は、2018年に1stアルバム「Superorganism」を制作し終えた瞬間から「World Wide Pop」の制作はスタートしていて、収録曲のいくつかのリリックは17年の時点には書き始めていたわ。

ハリー:そういった楽曲は少しずつ変化させているんだけど、ミュージシャンというのはある意味で“頭の病気”を患っていて、“楽曲を制作することが幸福である”という強迫観念に捉われている節があるんだよ。あとは“クリエイティブであり続けたい”病にかかっている人もいるし、自分の頭の中のアイデアを外の世界に出すことで、自分自身を保つことができるんだ。

オロノ:ある意味では、楽曲は常に書き続けているからすでに3rd、4th、5thアルバムを制作していることになるだろうし、ずっとつながっているものなんだよね。

ーーアルバムから先行配信していた「It’s Raining」や「On & On」などのシングルは、どれもアートワークが動物をモチーフにしていますね。

オロノ:今回の「World Wide Pop」のアートワークは自分が描いたんだけど、ちょっとした仕掛けとしてCDジャケットを開けたらシングルのアートワークがパズルのように組み合わさるようにしているの。動物を選んだ理由は、メンバー全員が好きだから。それで一人一人にスピリットアニマルを聞いて、ハリーだったらキツネで、私だったらナマケモノみたいな。今後、このプリントは売ろうと思っている。

ーー「World Wide Pop」の中で、特にエピソードのある楽曲があれば教えてください。

ハリー:「Don’t Let The Colony Collapse」という楽曲は、19年のある夏の日のロンドンが記録的な暑さで、信じられないくらいオレンジ色だった空を見てメロディーとコードを思い付いたんだ。自分のベッドルームでアコースティックギターを片手に、スマホにボーカルパートを録音したのはいいけど、その後それを忘れていた。しばらくして、ツアーの最終日にジャカルタのホテルのプールでお酒を飲んでいる時に思い出して、オロノにアイデアを話したらとても気に入ってくれたんだ。それからロンドンに戻って、オロノとアイデアを送り合いながらアコースティックギターでさらに書き進めて、ニュージーランドに帰省した時にも母親のピアノを弾きながら少しづつ構成を考えた。それと同時に、オロノはリリックを考えていてくれたんだ。

オロノ:最初に聴かせてくれたのはアコースティックバージョンだったけど、その時からダンスヒットになることを感じていて、実際に制作の時にスチュアートがドラムをたくさん足してくれたんだよね。

ハリー:スチュアートはその道のエキスパートだから、最終的にクラブアンセムのような感じに仕上げてくれたのさ。

ーー先ほどスピリットアニマルの話が挙がりましたが、2人から見て各メンバーのファッション的特徴は?

オロノ:私はダサい(笑)。

ハリー:オロノは表現するのが難しいな……。Tシャツにジーンズ、時々カーゴパンツって感じ。

オロノ:お父さんぽいよね。

ハリー:それだ、“ダッド”だね。トゥーカン(Tucan)は、ソフトでエキセントリックなオタクって感じ?

オロノ:そんな感じで、ちょっと「ブルー・アルバム」感があるよね(編集者注:“泣き虫ロック”と評されるバンドのウィーザーが1994年に発表したデビューアルバム『Weezer』のこと)。

ハリー:そうそう。それと1970年代ぽい感じがして、口ひげがぴったりなファッションをよくしているね。ソウル(Soul)は、ちょっとサイケデリックな宇宙人ぽさがあるかな。

オロノ:彼はとてもオシャレだと思う。

ハリー:ビー(B)はドレスとかを着ていて、ガーリーな感じ。それに、カラフルなものをよく身に着けているよ。僕自身は……分からないけど、フットボールシャツにジーンズかショーツが多いかな。今日着ているのは、僕のホームタウンを拠点にするフットボールチーム、バーンリーFCの1992-93シーズンのユニホームだね。昨シーズンまではプレミアリーグに所属してたんだけど、今シーズンは降格してEFLチャンピオンシップ(2部相当)で戦うんだ。残念だよ……。

ーー昨今の音楽とファッションシーンの関わり方についてはどう思いますか?

オロノ:昔からあったことではあるけど、最近はブランドがミュージシャンをモデルに起用することがトレンドすぎる。私は、オシャレな衣装を着てポーズを取るのも、撮影されることも好きじゃない。正直なところ、ニューヨークでファッションシューティングで今まで着たことがないようなきらびやかな衣装をまとい、おかしなポーズで撮影するのは非常に居心地が悪いと思っちゃう(笑)。“ファッショナブルである”というのが音楽をやる理由の一つではないから、ファッションにはあまり興味がないかな。洋服は自分で着るものであって、着られるものではないから。

ハリー:自分の好きな洋服を着ていて、オリジナリティを持って着こなしているミュージシャンのファッションは気になるし、本当のパーソナリティを反映している場合は興味があるね。でも、僕自身はファッションに対して全く気を遣っていなくて、Tシャツとかジーンズとか、とにかく自分が着心地が良いと感じたものを選んでいるよ。というのも1stアルバムを作った後に、自分の本当の姿やパーソナリティーを反映する、自分が着たいものを着ること、そして決してお仕着せのファッション撮影はやらないことは、みんなで話し合ったルールの一つでもあるんだ。洋服を着せる行為は、アーティストの“個性的な声”を潰してしまっているような気がするんだよね。ただ、ある意味ミュージシャンはその時のトレンドを取り入れて自分なりに消化することに長けているから、そういう意味で自分らしくトレンドを着ることは問題はないとは思っているよ。

オロノ:自分が着たいもの、着ていて居心地の良いものを着るのが一番なのは当然。だけど、最近は着ているものが自分自身を表現する手段でもあることに気が付いたの。何を着ているかで自分を表現できたらいいんじゃないかって。私は着心地がいいこと、リラックスできることを最も大切にしているから、Tシャツやジーンズ、カーゴショーツ、ピアスで自分の個性を表現している。だからこそ、今まで着たことのないようなものを着せられて撮影することは、自分自身ではないから好きじゃないの。

ーーそれと同時並行的に、マーチャンダイズを重要視するアーティストも増えています。

ハリー:2人ともマーチャンダイズのデザインには深く関わっていて、最近ではアメリカ人アーティストのケル・ローレン(​​Kel Lauren)とコラボしたよ。日本では、数年前に「アンダーカバー(UNDERCOVER)」とのコラボTシャツを制作したように、好きなブラントやアーティストとのコラボはやっていきたい。いかにもマーチャンダイズというものではなくて、クオリティーもデザインも良くて、自分がそのバンドのファンだったら絶対に買いたいと思うようなものをこれからも作っていきたい。

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「アー・ぺー・セー」×「エディフィス」の別注デニム3型が発売 日本製オリジナルデニムを使用

 ベイクルーズの「エディフィス(EDIFICE)」は「アー・ペー・セー(A.P.C)」と協業した別注デニムを7月30日に発売する。アイテムはスリムテーパードとストレート、ワイドテーパードの3つのシルエットを、それぞれブラックとインディゴカラーの2色でそろえる。価格は税込3万3000円。エディフィス全店とベイクルーズ 公式オンラインストアで取り扱う。今回の企画では、「アー・ペー・セー」が一から作成したという日本製のストレッチデニム素材を採用したという。

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「アグ」×「ソフネット」新作コラボシューズが発売 躍動感のあるモノトーンルック

 「アグ(UGG)」は、「ソフネット(SOPHNET.)」との新作コラボシューズ“UGG CA805 V2 BLACK/GREY”を7月29日に発売する。価格は税込2万4200円で、サイズは23〜29をそろえる。アグ銀座、大阪店の2店舗とアグ 公式オンラインサイトなどで取り扱う。

 今回のコラボシューズは、ダイナミックなボリュームのあるソールが特徴の「アグ」の“CA805 V2”をベースに「ソフネット」らしいアレンジを加えたもの。レイヤーを生かし、モノトーンを基調としながらも躍動感のあるルックに仕上げた。

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【9月23日まで無料公開】島国ニッポンで広がる漁網リサイクルの可能性 服や鞄へ【海の危機、私たちはどう動く?】

 島国、ニッポン。全国に2800近い漁港があり、漁網は年間約2万トン生産され、数年後には産業廃棄物として埋め立て、焼却処理をされている。漁網の素材の約3割がナイロンであり、これをごみではなく資源としてマテリアルリサイクルしようという動きが出てきている。海や魚は多くの人にとって身近な存在なだけに、漁網リサイクルは資源活用に加えて町おこしや教育といった社会活動へつながっている。

 日本における廃棄漁網のマテリアルリサイクル使用のカギを握る企業がリファインバースだ。2003年創業の同社は再生樹脂製造販売を生業とし、業務用カーペットや自動車エアバッグといった従来コストをかけて処理してきた廃棄物を収集・中間処理し、独自のテクノロジーを用いてリサイクル素材として活用するビジネスを展開している。

 漁網のリサイクルについては19年に本格的にスタート。北海道厚岸町で廃漁網の回収・分別などを行い、愛知・一宮でペレット化。当初はプラスチックパーツとして販売していたが、同タイミングでアパレルからのニーズが高まったことで、現在は年間約20トンの廃棄漁網を扱い、協力工場で紡糸を行い「リアミド(REAMIDE)」のブランド名で販売している。

 「サステナビリティやサーキュラーエコノミーは、理論やプランだけでは実現できない。廃棄物を運ぶ車両や処理設備、資源化・素材化の技術やノウハウ、循環を支えるネットワークが重要だ」と同社。漁網については同じナイロン素材で実績のあるカーペットのリサイクル技術を応用できるというが、漁網独特の課題が搬送と洗浄だ。塩気を含み、砂や有機物が付着する魚網を回収・運搬、洗浄する工程が技術的にもコスト的にも負担が大きい。今月には北海道・苫小牧にリサイクルの新工場を竣工した鈴木商会と業務提携し、量産化に向けてステップを進めた。

漁網は地産地消のモデルが描きやすい

 マテリアルリサイクルの強みを同社の玉城吾郎取締役素材ビジネス部長は「出自がはっきりしており、地産地消のモデルが描きやすいことだ」と話す。どこの誰が使用していた漁網であるかがわかる、つまりトレーサビリティーがとれていることはリサイクルアイテムを手にする消費者からの信頼につながる。

 同社の糸を使用している例を見てみよう。釣り用品の「ダイワ(DAIWA)」は3月に「楽天 ファッション ウィーク東京」に参加し、漁網アップサイクルプロジェクトを発表。表参道ヒルズでインスタレーションを行い、同ウィークのSDGsレポーターである長濱ねるが漁網をリサイクルしたドレスを披露した。インスタレーションで見せたのは、北海道の漁港に始まり、再生された服を漁協関係者が着る循環のストーリー。「ダイワ」を手掛けるグローブライドはアパレル「ディーベック(D-VEC)」も手掛け、その中で漁網リサイクルナイロンも使用している。漁網をフックに海とつながりを伝えるブランドストーリーは消費者にとって受け取り・共感しやすいものと言えるだろう。

 リサイクル糸全般がそうであるように、漁網リサイクルナイロンも長繊維化に課題が残る。向いているのが地厚さを生かせるバッグやインテリアといったアイテム。兵庫県豊岡市は日本有数の鞄の産地であり、美しい海で知られる。兵庫県鞄工業組合による地域団体商標「豊岡鞄」は現在、「100年後も豊かな海と鞄に支えられた街であるために」をモットーに、14社が参加し廃漁網を有効利用する取り組みを2021年から行っている。海の町の子どもたちが漁網リサイクルのスクールリュックで育つ。説得力のあるストーリーだ。

【漁網リサイクルの可能性】
東海正/東京海洋大学学術研究院教授
 プラスチック製品生産量全体に占める漁網の割合は0.2%程度と少ない分、リサイクル対策は遅れたが、ここにきて海洋分解性プラスチック使いや、使用済み漁具の回収・再利用を進めようといった声が高まっている。漁網に使うナイロンは高品質な物が多く、水平リサイクルは可能だが、課題もある。複合素材使いや加工してあるものも多く、塩分を含み貝殻などの付着物があるため解体、分別は困難。また、漁業者がそれぞれに持つ漁具を集めて運搬する物理的課題もある。最近は、いろいろな企業が漁網リサイクルに関心を寄せており、漁業関係者からリサイクル業者へ、集積して処理するシステムをうまくつなげてコストを下げることでリサイクル利用が進むことを期待している。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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プーチ、コロンビアの自然派コスメ「ロト デル シュール」の過半数株式を取得

 ラグジュアリーファッション・フレグランス企業のプーチ(PUIG)は、南米コロンビアのナチュラルコスメのトップブランド「ロト デル シュール(LOTO DEL SUR)」の過半数株式を取得した。取引額など詳細は非公開。「ロト デル シュール」を創業したヨアナ・セイント(Johana Sanint)は引き続き同ブランドの指揮を執り、独自の小売ネットワークを生かしたビジネスモデルを継続する。

 「ロト デル シュール」はコロンビア国内で21店舗を展開。プーチは、「消費者のナチュラルコスメに対する関心が高まる中、独自の生態系を持つラテンアメリカの植物を使った同ブランドの製品には大きなポテンシャルがある」とコメントしており、ラテンアメリカにおける存在感の強化とグローバルなビジネス拡大を支援していく。今後スペインではマドリード、北米ではマイアミへの出店を予定し、メキシコ、チリでの展開も視野に入れる。

 プーチは、19年3月に同社の少数株式を取得していた。6月にはスウェーデン発のフレグランスブランド「バイレード(BYREDO)」の過半数株式を取得した。

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プーチ、コロンビアの自然派コスメ「ロト デル シュール」の過半数株式を取得

 ラグジュアリーファッション・フレグランス企業のプーチ(PUIG)は、南米コロンビアのナチュラルコスメのトップブランド「ロト デル シュール(LOTO DEL SUR)」の過半数株式を取得した。取引額など詳細は非公開。「ロト デル シュール」を創業したヨアナ・セイント(Johana Sanint)は引き続き同ブランドの指揮を執り、独自の小売ネットワークを生かしたビジネスモデルを継続する。

 「ロト デル シュール」はコロンビア国内で21店舗を展開。プーチは、「消費者のナチュラルコスメに対する関心が高まる中、独自の生態系を持つラテンアメリカの植物を使った同ブランドの製品には大きなポテンシャルがある」とコメントしており、ラテンアメリカにおける存在感の強化とグローバルなビジネス拡大を支援していく。今後スペインではマドリード、北米ではマイアミへの出店を予定し、メキシコ、チリでの展開も視野に入れる。

 プーチは、19年3月に同社の少数株式を取得していた。6月にはスウェーデン発のフレグランスブランド「バイレード(BYREDO)」の過半数株式を取得した。

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【9月23日まで無料公開】海洋危機に立ち上がるZ世代 日本版パーレイ目指す【海の危機、私たちはどう動く?】

 Z世代を中心とするNPO法人ウミナリ(UMINARI)は、生活者や企業、研究機関などさまざまなセクターと共に海洋環境問題の解決に取り組む。ウミナリ代表理事を務める伊達ルークは、大学在学中の2018年に同団体を立ち上げた。「アディダス(ADIDAS)」や「ディオール(DIOR)」などとも取り組む海洋保護団体パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(PARLEY FOT THE OCEANS、以下パーレイ)に着想を得て、中立的なサードセクターを立ち上げてムーブメントを最大化することを目指す。彼のビジョンは国連関係者らからも共感を得て、2019年には国連環境計画(UNEP)が主催するUNEPフォーラムにも登壇した。伊達代表に話を聞いた。

WWD:ウミナリを立ち上げた経緯は?

伊達ルーク=ウミナリ代表理事(以下、伊達):「アディダス」とパーレイのコラボスニーカーが、海洋問題を知るきっかけだった。カッコ良いなと思って手に取ったその商品が実は海のごみから作られているという。調べていくうちに、問題の深刻さに衝撃を受けた。何か自分もしなければと思い、最初は一人で浜辺のごみをひたすら拾った。たばこやペットボトルのような生活から出るごみもあれば、レジンペレットのような産業系のごみ、海外からの漂着ごみもある。この問題は消費者だけが悪いわけでも、企業だけが悪いわけでもない。これだけ多岐にわたっているのだから、みんなで解決を目指さなければと思った。パーレイの在り方がインスピレーションになり、中立的な歯車になってさまざまなセクターと手を組める団体を作ろうと思った。

WWD:海洋環境問題はすぐに自分ごと化できた?

伊達:ネットで調べているうちは年間で800万トンのごみが流れているといったスケールの大きい数字を知っても正直SFを見ている感覚だった。僕は千葉の海辺出身で、実際にそんなにごみが落ちていた記憶もない。でも一連の問題を認識してからあらためて地元の海を見ると確かにごみが落ちていた。知らないとこんなにも目に入ってこないのだと反省の気持ちが生まれたときに、火が付いたと思う。

WWD:ウミナリの活動内容は?

伊達:大きな柱は教育活動だ。特に未来の当事者になる世代とコミュニケーションを取り、共にビジョンを構築することが大切だと考えている。最初は小学校での授業の枠をもらって講義をした。中学校、高校、大学と徐々に対象を広げ、今は企業でのセミナーなども行っている。昨年は学生から社会人まで誰でも参加できるゼミ形式のイベントも実施した。一番多いときには、約150人が参加した。一方的な講演だけではなく、さまざまな世代が対話し共創が生まれる場の提供にも力を入れている。そのほかにもビーチクリーン活動や大手飲食メーカーの包装材の開発に加わったり、スポーツブランドのマーケティングをアドバイスしたりといった企業へのアドバイザリーも行っている。

WWD:専門的な知見はどこで得た?

伊達:学生時代に、国連の環境部門に勤める職員に送った1通のメールが人生の転機になった。ブラジルオフィスに勤めていたその人に「自分は日本でNPOを立ち上げて、こんなムーブメントを起こしたい」と熱いメッセージをコンタクトフォームから送ったら、国連のシニアディレクターと直接会う機会をくれた。そこから一気に人脈が広がり、各界の識者に会ったり、カンファレンスに参加したりして知識を詰め込んだ。

WWD:ウミナリのメンバーはどのような人たち?

伊達:学生や社会人まで約30人のメンバーが在籍していて、年齢は僕が最年長だ。海の豊かさを守るというパーパスに共感してくれている部分は共通するが、それ以外の参加理由は人それぞれだ。例えば海の生き物が好きな人もいれば、ムーブメントの作り方に興味を持ってくれる人もいる。メンバーはやみくもに増やすのではなく、僕自身がきちんとコミュニケーションを取れて一人一人がきちんとコミットできる規模に気を付けている。

海とのつながりを考え、ストーリーを紡ぐことが大事

WWD:海洋環境問題に対するアクションを模索する企業へのアドバイスは?

伊達:環境や社会課題への取り組みを特定の部署が担っている事例をよく見かけるが、企業が本来のパフォーマンスを出し切るためには、コアとして取り組む態勢を整えることが不可欠だ。課題解決を企業活動のコアに結び付け、ストーリーを構築していく作業を私たちは手伝いたい。全ての経済・社会活動のベースが海である以上、海と関係ない企業はない。では、自分たちはどう海とつながっているかというコンテクストを考えることが大事だ。

 先日コミュニケーションファームのエデルマン・ジャパンとビーチクリーンを行った。ビーチクリーンをきっかけに、エデルマンだからこそできる海洋問題に対するコミュニケーションについて社員とディスカッションした。単発のアクティビティーで終わらせず、本業の中でどう取り組めるか、クライアントにどう働きかけるかといったことにまで広げていくことが大事だ。社会課題に対していろんなセクターをつなげるコミュニケーション方法を考えることは本質的に同社だからできることだし、そこから生まれるアクションは同社のブランドバリューをきちんと持ち上げてくれるものになる。

WWD:特にファッションやビューティ企業の取り組みを見て思うことは?

伊達:例えば、漁網をまた糸にして服にした場合、洗濯すればマイクロファイバーが出てしまうといった批判も聞くが、それを僕はグリーンウォッシュみたいな言い方はしない。何か問題を解決しようとするときに、ゼロ・100で判断してしまうと進まない。インパクトだけで見ずに、企業として問題自体を知らせていくある意味メディアとしての役割、責任もあるはずだからだ。

WWD:今後のビジョンは?

伊達:今年から調査活動に注力する。海洋環境問題はまだ分からないことも多い。未来の当事者の世代が熱量を持って、周りを巻き込みながら取り組むことが理想だ。僕らが発信力のある調査研究をし、その結果だけでなく、過程もオープンにしていきたい。例えばデータベースに強い企業や、水中をきれいに撮影できるプロダクトを持っている企業なども巻き込みたい。同時に、業界の垣根を越えたアライアンスの構築も大切だ。海洋問題に対して、いろんなセクターが共同して取り組む枠組みを作る。そこにファッションやビューティ業界も入ってきてほしい。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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【9月23日まで無料公開】海洋危機に立ち上がるZ世代 日本版パーレイ目指す【海の危機、私たちはどう動く?】

 Z世代を中心とするNPO法人ウミナリ(UMINARI)は、生活者や企業、研究機関などさまざまなセクターと共に海洋環境問題の解決に取り組む。ウミナリ代表理事を務める伊達ルークは、大学在学中の2018年に同団体を立ち上げた。「アディダス(ADIDAS)」や「ディオール(DIOR)」などとも取り組む海洋保護団体パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(PARLEY FOT THE OCEANS、以下パーレイ)に着想を得て、中立的なサードセクターを立ち上げてムーブメントを最大化することを目指す。彼のビジョンは国連関係者らからも共感を得て、2019年には国連環境計画(UNEP)が主催するUNEPフォーラムにも登壇した。伊達代表に話を聞いた。

WWD:ウミナリを立ち上げた経緯は?

伊達ルーク=ウミナリ代表理事(以下、伊達):「アディダス」とパーレイのコラボスニーカーが、海洋問題を知るきっかけだった。カッコ良いなと思って手に取ったその商品が実は海のごみから作られているという。調べていくうちに、問題の深刻さに衝撃を受けた。何か自分もしなければと思い、最初は一人で浜辺のごみをひたすら拾った。たばこやペットボトルのような生活から出るごみもあれば、レジンペレットのような産業系のごみ、海外からの漂着ごみもある。この問題は消費者だけが悪いわけでも、企業だけが悪いわけでもない。これだけ多岐にわたっているのだから、みんなで解決を目指さなければと思った。パーレイの在り方がインスピレーションになり、中立的な歯車になってさまざまなセクターと手を組める団体を作ろうと思った。

WWD:海洋環境問題はすぐに自分ごと化できた?

伊達:ネットで調べているうちは年間で800万トンのごみが流れているといったスケールの大きい数字を知っても正直SFを見ている感覚だった。僕は千葉の海辺出身で、実際にそんなにごみが落ちていた記憶もない。でも一連の問題を認識してからあらためて地元の海を見ると確かにごみが落ちていた。知らないとこんなにも目に入ってこないのだと反省の気持ちが生まれたときに、火が付いたと思う。

WWD:ウミナリの活動内容は?

伊達:大きな柱は教育活動だ。特に未来の当事者になる世代とコミュニケーションを取り、共にビジョンを構築することが大切だと考えている。最初は小学校での授業の枠をもらって講義をした。中学校、高校、大学と徐々に対象を広げ、今は企業でのセミナーなども行っている。昨年は学生から社会人まで誰でも参加できるゼミ形式のイベントも実施した。一番多いときには、約150人が参加した。一方的な講演だけではなく、さまざまな世代が対話し共創が生まれる場の提供にも力を入れている。そのほかにもビーチクリーン活動や大手飲食メーカーの包装材の開発に加わったり、スポーツブランドのマーケティングをアドバイスしたりといった企業へのアドバイザリーも行っている。

WWD:専門的な知見はどこで得た?

伊達:学生時代に、国連の環境部門に勤める職員に送った1通のメールが人生の転機になった。ブラジルオフィスに勤めていたその人に「自分は日本でNPOを立ち上げて、こんなムーブメントを起こしたい」と熱いメッセージをコンタクトフォームから送ったら、国連のシニアディレクターと直接会う機会をくれた。そこから一気に人脈が広がり、各界の識者に会ったり、カンファレンスに参加したりして知識を詰め込んだ。

WWD:ウミナリのメンバーはどのような人たち?

伊達:学生や社会人まで約30人のメンバーが在籍していて、年齢は僕が最年長だ。海の豊かさを守るというパーパスに共感してくれている部分は共通するが、それ以外の参加理由は人それぞれだ。例えば海の生き物が好きな人もいれば、ムーブメントの作り方に興味を持ってくれる人もいる。メンバーはやみくもに増やすのではなく、僕自身がきちんとコミュニケーションを取れて一人一人がきちんとコミットできる規模に気を付けている。

海とのつながりを考え、ストーリーを紡ぐことが大事

WWD:海洋環境問題に対するアクションを模索する企業へのアドバイスは?

伊達:環境や社会課題への取り組みを特定の部署が担っている事例をよく見かけるが、企業が本来のパフォーマンスを出し切るためには、コアとして取り組む態勢を整えることが不可欠だ。課題解決を企業活動のコアに結び付け、ストーリーを構築していく作業を私たちは手伝いたい。全ての経済・社会活動のベースが海である以上、海と関係ない企業はない。では、自分たちはどう海とつながっているかというコンテクストを考えることが大事だ。

 先日コミュニケーションファームのエデルマン・ジャパンとビーチクリーンを行った。ビーチクリーンをきっかけに、エデルマンだからこそできる海洋問題に対するコミュニケーションについて社員とディスカッションした。単発のアクティビティーで終わらせず、本業の中でどう取り組めるか、クライアントにどう働きかけるかといったことにまで広げていくことが大事だ。社会課題に対していろんなセクターをつなげるコミュニケーション方法を考えることは本質的に同社だからできることだし、そこから生まれるアクションは同社のブランドバリューをきちんと持ち上げてくれるものになる。

WWD:特にファッションやビューティ企業の取り組みを見て思うことは?

伊達:例えば、漁網をまた糸にして服にした場合、洗濯すればマイクロファイバーが出てしまうといった批判も聞くが、それを僕はグリーンウォッシュみたいな言い方はしない。何か問題を解決しようとするときに、ゼロ・100で判断してしまうと進まない。インパクトだけで見ずに、企業として問題自体を知らせていくある意味メディアとしての役割、責任もあるはずだからだ。

WWD:今後のビジョンは?

伊達:今年から調査活動に注力する。海洋環境問題はまだ分からないことも多い。未来の当事者の世代が熱量を持って、周りを巻き込みながら取り組むことが理想だ。僕らが発信力のある調査研究をし、その結果だけでなく、過程もオープンにしていきたい。例えばデータベースに強い企業や、水中をきれいに撮影できるプロダクトを持っている企業なども巻き込みたい。同時に、業界の垣根を越えたアライアンスの構築も大切だ。海洋問題に対して、いろんなセクターが共同して取り組む枠組みを作る。そこにファッションやビューティ業界も入ってきてほしい。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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エアークローゼット上場初日 ストップ高に

 衣料品レンタルサービスのエアークローゼットは29日、東証グロースに上場した。公開価格800円に対し、取引開始から25分の9時25分に910円の初値をつけ、その後9時33分にストップ高となる1060円になった。ファッションサブスク事業の将来性に市場から好感を持たれた。

 同社はサービス開始から7年で会員登録者数70万人に成長。2022年6月期の業績見通しは、売上高33億円(前期比16.1%増)、営業損益は5100万円の赤字(前期は3800万円の黒字)、純損益は4億2300万円の損失(同3億4400万円)だった。

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「グラウンド ワイ」×「ニューエラ」× MLBのトリプルコラボが実現 全4型を用意

 ヨウジヤマモトの「グラウンド ワイ(GROUND Y)」は、アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)と帽子ブランドの「ニューエラ(NEW ERA)」とのトリプルコラボレーションを8月5日に発売する。「グラウンド ワイ」の直営店とヨウジヤマモトの公式オンラインストア「ザ ショップ ヨウジヤマモト(THE SHOP YOHJI YAMAMOTO」などで取り扱う。

 今回のトリプルコラボは、定番キャップ“ナインサーティー(9THIRTY)”をはじめ、コーチジャケットとフーディー、Tシャツの3型のアパレルを用意。“ナインサーティー”は、リアにMLBのシルエットバッターマンロゴを配し、フロントの「グラウンド ワイ」のロゴをシルエットバッターマンロゴのカラーリングとそろえた。アパレルは、どれも背面にMLBの全30球団のロゴを大胆にデザインしている。価格は“ナインサーティー”が税込8800円、コーチジャケットが同2万7500円、フーディーが同1万9800円、Tシャツが同9900円だ。

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「SK-II」唯一の製造拠点、P&G滋賀工場を公開 世界に4つしかない環境リードサイトの取り組みとは?

 「SK-II」はこのほど、滋賀県野洲市にあるSK-II滋賀工場内に新施設「ピテラ エクスペリエンス センター」を開設しメディア向けに公開した。同工場は、「SK-II」唯一の生産拠点であり、13の国と地域に流通する「SK-II」製品の全ての製造を担う。2019年に製造棟を増築し、滋賀工場の創業50周年となる昨年には新管理棟が竣工した。同棟内に「ピテラ エクスペリエンス センター」を開設し、約10年ぶりに工場内を公開した。

 プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE以下、P&G)では、サステナビリティをグローバル経営戦略の一つに据え、長期ビジョン「Ambition2030」を通じて明確な数値目標を設定している。さらに、40年のネットゼロ達成に向けて、世界にあるP&Gの約130の工場のうち、日本・滋賀、フランス・ブロワ、スペイン・ヒホナ、チェコ・ラコナにある4つの工場をリードサイトに選定。環境負荷低減のパイロットプランを推進する。日本国内には滋賀工場のほかに「パンパース(PAMPERS)」などを製造する明石工場、「ファブリーズ(FEBREZE)」「レノア(LENOR)」を製造する高崎工場がある。

自動化により安全・衛生面を厳格に管理

 滋賀工場は、環境に優しいサプライチェーンを目指し包装ラインや製造システムを刷新。倉庫を自動化するなど安全・衛生管理を徹底する。製造ラインのガラス製ボトルの亀裂をチェックする工程では、AI(人工知能)搭載の機器を導入。AIが学習することで検査の精度を高めている。ボトルをレールに乗せる工程では、ロボットのアームが正確な動きで割れや破損が起きないようにボトルを運び、中身の充填前に二重のジェット噴射でボトル内の細かい埃を取り除く。外箱のラベルの位置にズレがないかの検品も機械による自動スキャンで行う。自動化と人の目によるチェックの組み合わせにより安全な製造を可能にしている。

産業排水を飲料レベルまで浄化し再利用する取り組み

 滋賀工場では、製造工程で出る排水を循環させる設備を持つ。現在は排水の11%を循環させており、循環した水は飲用水レベルまで水質を浄化し、製造用純水に精製される。この設備の導入により、滋賀工場の生産量あたりの水使用量は19年6月以降10%以上向上した。現在新たに、排水に科学的な処理を行い浄化する“水再生プラント”を建築中で、12月の竣工を予定する。プラントで浄化した水を水循環システムに送り込むことで、排水を100%再利用できることになる。

駐車場を利用したアジア拠点最大の太陽光発電パネル

 P&Gジャパンとして初めて、またP&Gグループのアジア拠点最大の太陽光発電パネルを駐車場のスペースを利用し設置した。太陽光パネルで発電した電力は、管理棟の電力需要を100%カバーするほか、余剰電力は化粧品製造設備で利用する。これにより生産量あたりの温室効果ガス排出量を10年比53%削減することに成功した。19年6月からは再生可能エネルギーを購入し、二酸化炭素排出実質ゼロを実現。将来的に、滋賀工場としての二酸化炭素排出量ゼロを目指す。これらの取り組みにより、P&G滋賀工場は21年に国際環境認証制度「LEED」のゴールド認証を取得。3月には、全米製造業協会(U.S National Association of Manufactures)のサステナビリティ・サーキュラーエコにミーリーダーシップアワードを受賞した。

新設した「ピテラ エクスペリエンス センター」

 「ピテラ エクスペリエンス センター」では、ピテラ研究の歴史や肌測定のミニマジックスキャンを展示。壁には“責任あるバリューチェーン”のモデルを一筆書きで描いたイラストや、滋賀の伝統工芸品である信楽焼に従業員を描いたオブジェを飾り、地域や人とのつながりを表している。建設に際しては、再生プラスチック以外のプラスチックを使用せずに設計した。管理棟の建設過程でも、低炭素鋼など持続可能な材料を用い、埋め立て廃棄物ゼロを実現した。「ピテラ エクスペリエンス センター」は、現時点では一般非公開となっている。

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香料最大手ジボダン、2022年上半期は増収減益 今年後半に値上げ実施

 世界最大の香料メーカーであるジボダン(GIVAUDAN)は、2022年度上半期(1〜6月)決算は、売上高が前年同期比8.3%増(為替、買収、売却等の要因を除外した実質では6.2%増)の36億5000万スイスフラン(約5195億円)、営業利益は同2.9%増の6億3100万スイスフラン(約898億円)、純利益が同8.4%減の4億4000万スイスフラン(約626億円)の増収減益だった。減益の要因は、原材料費の高騰やサプライチェーンの混乱など。同グループは年内に値上げを予定している。

 事業部別では、フレグランス&ビューティ事業の売上高が同5.3%増の16億5000万スイスフラン(約2348億円)、食品やウェルビーイングに関する事業の売上高は同10.9%増の20億1000万スイスフラン(約2861億円)だった。フレグランス&ビューティ事業の中で、ファインフレグランス向けの原材料の売上高は実質値で同17.9%増、コンシューマー製品向けは同0.4%増、アクティブビューティ向けは同8%増。ファインフレグランスの取引量増加などが成長のけん引力となり、新規事業も高い水準で推移した。香料原料の需要は引き続き堅調という。

 同グループは、「ポートフォリオの拡大」「顧客層の拡大」「重点市場の強化」の3つの成長戦略を推進する。2025年までに売上高の平均成長率4~5%、フリーキャッシュフロー比率12%以上を目指す。

 同社のジル・アンドリエ(Gilles Andrier)CEOは、「厳しい環境にもかかわらず、22年上半期は堅調な業績を上げることができた。原料費の上昇を補うため、お客さまの協力のもと価格改定を進める」とコメントしている。

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「アクネ ストゥディオズ」がマーティン・ラボルドとコラボ 馬やフルーツのコラージュをプリント

 「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」はこのほど、2022-23年秋冬ウィメンズコレクションで、ポルトガル・リスボンを拠点に活動するアーティスト、マーティン・ラボルド(Martin Laborde)とコラボレーションしたアイテムをアクネ ストゥディオズの各店舗と公式オンラインストアで発売した。

 同氏は、イメージやオブジェクトをシュールな“絵画”として蘇らせ、雑誌や迷惑メール、待合室で見つけた印刷物などのコラージュ作品を得意としている。コラボでは、グリーンサテンのロングスリップドレスや、スカイブルーのTシャツドレス、ホワイトサテンシャツ、グリーンのオーバーサイズパーカなどを用意し、馬や花、フルーツのコラージュプリントを施した。また、コラボのために自ら監督を務めたフィルムを制作した。

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「マーク ジェイコブス」が新コンセプトストアを表参道にオープン “クラシックQ”を復刻&先行販売

 「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は7月29日、「マーク ジェイコブス 表参道
」を開店した。新コンセプトストアの位置付けで、日本でのオープンは初。

 地上1、2階の2フロア構成で、柔らかなグレーを基調とし、モノグラムロゴとベルベットコーデュロイで装飾する。1階はレザーグッズを中心にディスプレー。2階には服、シューズ、ジュエリー、フレグランスを並べる。外観は、コンクリートと遊び心のあるピンクのネオンが目を引く。

 オープンを記念して、「マーク バイ マーク ジェイコブス(MARC BY MARC JACOBS)」で人気だった“クラシックQ(CLASSIC Q)”を復刻。新作バッグ“ザ プッシュロック リダックス(THE PUSHLOCK REDUX)”と共に先行販売する。また、5万5000円(税込)以上の購入者にはオリジナルギフトもプレゼントする。

■マーク ジェイコブス 表参道
オープン日:7月29日
時間:11:00〜20:00
住所:東京都渋谷区神宮前4-30-4 表参道430ビル

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最高級紳士靴「ジョンロブ 」の最重要マーケットが日本である理由

 エルメス傘下の高級紳士靴「ジョンロブ (JOHN LOBB)」において、日本市場は売上高の25%以上のシェアを占める最重要マーケットだ。

 原料の選定から製造工程まで最高峰にこだわり、商品価格は20万円前後。そんな高級靴が日本で支持を得たのは、「古くから職人を“匠”と呼び、その技術や姿勢をリスペクトする土壌があったからだ」と松田智沖ジョンロブジャパン社長は語る。2005年着任以降、15年余りで国内ビジネスの売上高を約5倍の規模に成長させ、21年度の業績はコロナ禍前の19年度業績を超えた。ビジネススタイルのカジュアル化が進む中でも変わらぬ「ジョンロブ」の強さの理由を聞いた。

WWD:日本でのビジネスの進捗は?

松田智沖社長(以下、松田):約30年前 の日本上陸から堅調に伸びている。「ジョンロブ」がここまでビジネスを続けてこられた最も大きな理由は、これまで日本人が伝統工芸を守ってきたように、私たちのクラフツマンシップに対しても深い理解をいただけたからだと考えている。ストレートチップの“シティⅡ(CITY Ⅱ)”や“フィリップⅡ(PHILIPⅡ)”、コインローファーの“ロペス(LOPEZ)”、ダブルモンクの“ウィリアム(WILLIAM)”といった定番モデルへの需要は根強いが、自分だけの一点物を手に入れたいというニーズも大きい。毎年10月に世界同時販売する限定モデルは日本では特に反響がある。細部へのこだわりも強く、定番モデルのステッチの色を変えたり、アッパーを質感の違う素材に変えたりといった国内限定商品もよく売れる。一見、微々たる差と思われるようなディテールが、日本のお客さまの繊細なこだわりに刺さっている。

WWD:メインの客層は?

松田:40〜50代の自ら事業をされている方や企業のエグゼグティブが多い。近年は20代後半〜30代の若いお客さまも増えている。僕が若いころは、靴に限らず時計や車などの大きな買い物は、「階段を上る」感覚に近かった。職位が上がったり独立したりと、キャリアの転機になるタイミングで少し高いブランドを身につけ、ステップアップしていくという具合だ。それが今はインターネットやSNSが普及し、若い人にはわれわれを含め全てのブランドがフラットに見えるようになった。年功序列で時間とともに地位や年収が上がっていくという、キャリアや人生に対する見方も変わった。だからこそ今の若いお客さまは、一足飛びに「一番いいもの」を求めるし、手前味噌ながら紳士靴の頂点である当社の商品を選んでいただけているのだと捉えている。

若い顧客も増加傾向
パーソナルオーダーをより身近に

WWD:若年層に向けた施策は。

松田:ブランドの魅力をより手軽に、より多くの方に知っていただけるよう、好みの仕様にカスタマイズできるパーソナルオーダーの間口を広げている。オーダーは2種類。一つは本国の職人が足のサイズ測定からご希望の仕様のヒアリング、製作、納品まで全てフルオーダーで行う「ビスポーク」。もう一つが、既製品をベースにアッパーやソールの素材・色を選べるイージーオーダーの「バイリクエスト」だ。後者は通常、ベースとなる商品の定価に2割を上乗せした代金をいただい ているが、閑散期生産を活用し、期間限定(2〜5月)でこの追加料金を無料とする「バイリクエストフェア」を2006年から継続実施している。例えば1足目に定番モデルを選ばれたお客さまが、次はアッパー素材をスエードに変えたり、ソールをラバーソールに変えたり。そんな風に2足目、3足目をリピートされるお客さまが増えた。

WWD:コロナ禍で服装のカジュアル化が加速している。

松田:お客さまが「ジョンロブ」に感じてくださっている価値は、社会の表層の流れでは揺らがない。「高揚感」や「自信」といった、お客さま一人一人のもっと深いところに根ざす精神的なものだと考えている。その証左として、当社の2021年度の国内販売足数は、コロナ前(19年度)と比較しても大きく伸びている。

 今後、人々の足元が全てスニーカーになってしまうかといえばそんなことはないだろう。コロナ禍以降も顧客さまのビジネススタイルは、スーツに革靴という方がほとんど。話を聞くと、「これまで愛用していたブランドでもかっちりとしたスーツのバリエーションが減った」「大事な商談や会議などに着ていける服がない」と嘆かれている。昨今オーダースーツの需要が伸びているのも、ひょっとしたらお客さまが満足できる既製品がそろえられていないことの裏返しなのかもしれない。

 ブランドには変えるべきものと、変えてはならないものがある。目の前のお客さまの声に耳を傾ければ、それはおのずと見えてくる。商品のデザインや仕様は、時流に合わせてアップデートすべきだ。われわれも定番モデルの一部は、軽量なソールでスニーカーに近い柔らかなはき心地を実現した新ライン“ニュースタンダード”を2020年春から販売し、新客のフックになっている。ただそれらも使っている革はフルグレインと呼ばれる最高峰のものであるし、製造工程は一切妥協していない。一見姿形は違うどの製品にも、ブランドのクラフツマンシップを通底させている。自分たちの抱えているお客さまを見失わないこと。その上で、やるべきことをはき違えないよう舵取りをすること。これが私の最も大事なミッションだ。

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ラグジュアリー領域で博報堂D Yグループ4社が協働 LINE公式アカウント支援サービス「Q」を選ぶべき理由とは?

 日本国内でのSNSマーケティングに欠かせないツールである「LINE」。博報堂Gravityは、博報堂DYグループ4社の知見を集約させ、ラグジュアリー/プレミアムブランドに特化した、ワンストップLINE公式アカウント支援サービス「Q」をリリースした。博報堂DYグループならではの、特徴や強みはどこにあるのか。

 もともとラグジュアリー/プレミアムブランドのマーケティングを得意としてきた博報堂Gravity。数あるSNSの中で、LINEに特化した理由について、同社の小長谷有紀チーフ・プロデューサーは「LINEの圧倒的な普及率の高さに加え、個人情報保護の観点から、サードパーティーCookie規制の流れが本格化しています。LINEはユニークIDという形でファーストパーティーIDデータを持つため、CRMと統合すれば、より強力なプラットフォームになるはずと、約3年かけて地道に準備を進めてきました」と話す。

4社の強みをいかしたLINEの
ワンストップ支援

 「Q」は、ブランドのLINE公式アカウントを診断・分析し、現状と課題をレポーティングする。それをベースに、必要とあればアカウントの運用代行からデータ活用までワンストップで任せることもできるサービスだ。

 博報堂DYグループの中で、全体の統括やコンテンツ制作を博報堂Gravity、アカウント運用をpeak、戦略立案、プランニングおよびメディアバイイングと各アカウントのデータ集計を博報堂DYメディアパートナーズ、API開発をデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)というように、各社の得意分野を集約させているため、ワンストップながら最先端を提供できる点にも胸を張る。「LINE公式アカウント内の単発のコンテンツではなく、他プラットフォームの反響も含めて、広くユーザーに届けていくことができるのが強みです」。

 外資系のラグジュアリー/プレミアムブランドを担当する上で複雑なのが、“本国”の意向との兼ね合いだ。「使える素材が限定されていたり、日本独自でキャンペーンを行う際も確認や承認のステップが膨大にあるので、そこに丁寧に寄り添う必要があるのが、ドメスティックブランドと大きく違うところ」と語る。

 peakの土田史華SNS Div.マネージャーは「一般消費財と、ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE公式アカウントでは目的やユーザーが期待していることが異なるので、単純には比較がしづらい。同じラグジュアリー/プレミアムブランドの公式アカウントの運用実績をすでに多数持っているため、真の競合他社との比較分析が可能と考えています」と説明する。

ラグジュアリーブランドの
信頼を得る運用実績

 実際にこのチームでLINE公式アカウントを運用してきた例が、「カルティエ(CARTIER)」だ。3、4年前にすでにあったアカウント運用を引き継ぐところからスタート。ラグジュアリーブランドのLINE運用が活発になってきた時期で、要望を受けた。

 他社の運用を見ると、施策によって「友だち」の数を一時的に伸ばしても、その後にブロックされてしまい、本当に届けたいメッセージやキャンペーンの情報を届けられていないことが、課題として浮かび上がった。

 「なにか解決方法はないかと考え、ある時計のキャンペーンにおいて、グローバル展開のコミュニケーションとの相乗効果に加えて、LINE公式アカウント活性化も目的としたローカルコンテンツ制作のご提案を実施しました」と小長谷チーフ・プロデューサー。パワーのあるアーティストを起用した魅力的なコンテンツを作ることでブランドターゲットにより近しい「友だち」を獲得することを考えた。常田大希や野田洋次郎、池田エライザといった人気アーティストをキャスティングし、LINE内限定ライブ配信などを行った。その結果、「友だち」の数は大幅に伸長した。キャスティングや運用も含め、まさに4社の強みがいかされた事例といえよう。

競合の成果等を含めた独自の
データベースが強み

 「さらに、キャンペーンで獲得したユーザーを実際の売り上げにどうつなげていくかというのが次のフェーズ。ユーザーの反応データを集計・分析し、運用効率を高めていくのは、データが膨大であったり、アカウントによっては手作業で行う必要があったりと地道な作業です。一方で、そのような作業を積み重ねていくことでノウハウを蓄積していけることが運用のやりがいでもあります」と土田マネージャー。

 このように、ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE公式アカウントの運用を手作業も交え地道に続けてきたことが、大きな強みだ。「LINEでは競合他社がいつ、どんな投稿をしてどんな成果を上げたのかなどのデータを取得する機能やサービスを提供していません。しかし、博報堂DYグループはデイリーでそれらのデータを手動でキャッチアップし、独自のデータベースを構築してきました。その蓄積があるので、お客さまにも競合他社の成功例として数字を交えて示すことができますし、『Q』のアカウント診断・分析にもその博報堂DYグループのデータが生かされています」と小長谷チーフ・プロデューサーは自信を見せる。

まずは「Q」で診断・分析から!
課題と改善点を洗い出す

 「Q」でLINEアカウントの診断を依頼すると、約100項目について評価、分析のレポートを受け取ることができる。さらに全体のまとめとして「アカウント」「エンゲージメント」「集客施策」「データ収集」と4つの項目でスコアリングした、分かりやすい図も提供される。

 「Q」の診断・分析の特徴は、独自のスコアリング基準にある。ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE投稿やその回数は、一般消費財とはアプローチが異なるため、単純には比較しづらい。「Q」にはコツコツと蓄積してきたデータがあるため、競合となるラグジュアリー/プレミアムブランドと比較して初めて、自身のアカウントの現状を俯瞰して知ることができるのだ。新たな視点からの分析を受けることで、より良いアプローチが見つかる可能性も大いにある。

 また、診断後にその改善案の策定から実施まで、望む範囲で任せられるのも「Q」の特徴。LINE公式アカウントの投稿は有料のため、漫然と運用しているとコストパフォーマンスが悪いツールとなってしまいがちだ。「Q」では費用対効果の視点も重視する。現状で公式アカウントの運用がうまくいっていない、その原因がわからないと感じている場合は、診断・分析を受けてみるだけでも、それまで気付くことができなかった改善ポイントが得られること間違いなしだ。

TEXT : MIWAKO ANNEN
問い合わせ先
博報堂Gravity

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ラグジュアリー領域で博報堂D Yグループ4社が協働 LINE公式アカウント支援サービス「Q」を選ぶべき理由とは?

 日本国内でのSNSマーケティングに欠かせないツールである「LINE」。博報堂Gravityは、博報堂DYグループ4社の知見を集約させ、ラグジュアリー/プレミアムブランドに特化した、ワンストップLINE公式アカウント支援サービス「Q」をリリースした。博報堂DYグループならではの、特徴や強みはどこにあるのか。

 もともとラグジュアリー/プレミアムブランドのマーケティングを得意としてきた博報堂Gravity。数あるSNSの中で、LINEに特化した理由について、同社の小長谷有紀チーフ・プロデューサーは「LINEの圧倒的な普及率の高さに加え、個人情報保護の観点から、サードパーティーCookie規制の流れが本格化しています。LINEはユニークIDという形でファーストパーティーIDデータを持つため、CRMと統合すれば、より強力なプラットフォームになるはずと、約3年かけて地道に準備を進めてきました」と話す。

4社の強みをいかしたLINEの
ワンストップ支援

 「Q」は、ブランドのLINE公式アカウントを診断・分析し、現状と課題をレポーティングする。それをベースに、必要とあればアカウントの運用代行からデータ活用までワンストップで任せることもできるサービスだ。

 博報堂DYグループの中で、全体の統括やコンテンツ制作を博報堂Gravity、アカウント運用をpeak、戦略立案、プランニングおよびメディアバイイングと各アカウントのデータ集計を博報堂DYメディアパートナーズ、API開発をデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)というように、各社の得意分野を集約させているため、ワンストップながら最先端を提供できる点にも胸を張る。「LINE公式アカウント内の単発のコンテンツではなく、他プラットフォームの反響も含めて、広くユーザーに届けていくことができるのが強みです」。

 外資系のラグジュアリー/プレミアムブランドを担当する上で複雑なのが、“本国”の意向との兼ね合いだ。「使える素材が限定されていたり、日本独自でキャンペーンを行う際も確認や承認のステップが膨大にあるので、そこに丁寧に寄り添う必要があるのが、ドメスティックブランドと大きく違うところ」と語る。

 peakの土田史華SNS Div.マネージャーは「一般消費財と、ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE公式アカウントでは目的やユーザーが期待していることが異なるので、単純には比較がしづらい。同じラグジュアリー/プレミアムブランドの公式アカウントの運用実績をすでに多数持っているため、真の競合他社との比較分析が可能と考えています」と説明する。

ラグジュアリーブランドの
信頼を得る運用実績

 実際にこのチームでLINE公式アカウントを運用してきた例が、「カルティエ(CARTIER)」だ。3、4年前にすでにあったアカウント運用を引き継ぐところからスタート。ラグジュアリーブランドのLINE運用が活発になってきた時期で、要望を受けた。

 他社の運用を見ると、施策によって「友だち」の数を一時的に伸ばしても、その後にブロックされてしまい、本当に届けたいメッセージやキャンペーンの情報を届けられていないことが、課題として浮かび上がった。

 「なにか解決方法はないかと考え、ある時計のキャンペーンにおいて、グローバル展開のコミュニケーションとの相乗効果に加えて、LINE公式アカウント活性化も目的としたローカルコンテンツ制作のご提案を実施しました」と小長谷チーフ・プロデューサー。パワーのあるアーティストを起用した魅力的なコンテンツを作ることでブランドターゲットにより近しい「友だち」を獲得することを考えた。常田大希や野田洋次郎、池田エライザといった人気アーティストをキャスティングし、LINE内限定ライブ配信などを行った。その結果、「友だち」の数は大幅に伸長した。キャスティングや運用も含め、まさに4社の強みがいかされた事例といえよう。

競合の成果等を含めた独自の
データベースが強み

 「さらに、キャンペーンで獲得したユーザーを実際の売り上げにどうつなげていくかというのが次のフェーズ。ユーザーの反応データを集計・分析し、運用効率を高めていくのは、データが膨大であったり、アカウントによっては手作業で行う必要があったりと地道な作業です。一方で、そのような作業を積み重ねていくことでノウハウを蓄積していけることが運用のやりがいでもあります」と土田マネージャー。

 このように、ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE公式アカウントの運用を手作業も交え地道に続けてきたことが、大きな強みだ。「LINEでは競合他社がいつ、どんな投稿をしてどんな成果を上げたのかなどのデータを取得する機能やサービスを提供していません。しかし、博報堂DYグループはデイリーでそれらのデータを手動でキャッチアップし、独自のデータベースを構築してきました。その蓄積があるので、お客さまにも競合他社の成功例として数字を交えて示すことができますし、『Q』のアカウント診断・分析にもその博報堂DYグループのデータが生かされています」と小長谷チーフ・プロデューサーは自信を見せる。

まずは「Q」で診断・分析から!
課題と改善点を洗い出す

 「Q」でLINEアカウントの診断を依頼すると、約100項目について評価、分析のレポートを受け取ることができる。さらに全体のまとめとして「アカウント」「エンゲージメント」「集客施策」「データ収集」と4つの項目でスコアリングした、分かりやすい図も提供される。

 「Q」の診断・分析の特徴は、独自のスコアリング基準にある。ラグジュアリー/プレミアムブランドのLINE投稿やその回数は、一般消費財とはアプローチが異なるため、単純には比較しづらい。「Q」にはコツコツと蓄積してきたデータがあるため、競合となるラグジュアリー/プレミアムブランドと比較して初めて、自身のアカウントの現状を俯瞰して知ることができるのだ。新たな視点からの分析を受けることで、より良いアプローチが見つかる可能性も大いにある。

 また、診断後にその改善案の策定から実施まで、望む範囲で任せられるのも「Q」の特徴。LINE公式アカウントの投稿は有料のため、漫然と運用しているとコストパフォーマンスが悪いツールとなってしまいがちだ。「Q」では費用対効果の視点も重視する。現状で公式アカウントの運用がうまくいっていない、その原因がわからないと感じている場合は、診断・分析を受けてみるだけでも、それまで気付くことができなかった改善ポイントが得られること間違いなしだ。

TEXT : MIWAKO ANNEN
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博報堂Gravity

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「ディオール」のスカート炎上問題 パリの店舗前で中国人学生50人が謝罪を求め抗議活動

 「ディオール(DIOR)」が2022年ウィメンズ・フォール・コレクションで披露したミドル丈のスカートが、中国の明時代の伝統的な衣服であるマミアンスカートに似ていると中国のネットユーザーの間で物議を醸している問題について、約50人の中国人の学生がパリのシャンゼリゼ通りにある「ディオール」の店舗前に集結し、抗議を行った。

 抗議のために集まった学生の多くはマミアンスカートや漢服を着用し、「ディオール」からの謝罪と問題となったスカートの販売中止を求めた。また、「Dior, stop cultural appropriation(『ディオール』は文化の盗用をやめろ)」「This is a traditional Chinese dress(これは中国の伝統衣装だ)」といったプラカードを掲げて抗議していたという。抗議は10分ほど続き警察によって解散させられた。中国の報道機関によると、この抗議の様子はウェイボー(Weibo)やウィーチャット(WeChat)でライブ配信され、50万回以上視聴されたという。また、現地メディアによると、類似の抗議はニューヨークとロンドンでも実施される予定だという。

 21年12月にコレクションが公開され、4月に店舗での販売開始と同時にソウルでショーを披露した当時、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは、同コレクションは創業者クリスチャン・ディオール(Christian Dior)の妹、キャサリン(Catherine)へのトリビュートであり、制服、特に学校のユニホームにインスピレーションを受けたと説明している。
「ディオール」は現時点でも本件についてコメントを出していない。

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「ディオール」のスカート炎上問題 パリの店舗前で中国人学生50人が謝罪を求め抗議活動

 「ディオール(DIOR)」が2022年ウィメンズ・フォール・コレクションで披露したミドル丈のスカートが、中国の明時代の伝統的な衣服であるマミアンスカートに似ていると中国のネットユーザーの間で物議を醸している問題について、約50人の中国人の学生がパリのシャンゼリゼ通りにある「ディオール」の店舗前に集結し、抗議を行った。

 抗議のために集まった学生の多くはマミアンスカートや漢服を着用し、「ディオール」からの謝罪と問題となったスカートの販売中止を求めた。また、「Dior, stop cultural appropriation(『ディオール』は文化の盗用をやめろ)」「This is a traditional Chinese dress(これは中国の伝統衣装だ)」といったプラカードを掲げて抗議していたという。抗議は10分ほど続き警察によって解散させられた。中国の報道機関によると、この抗議の様子はウェイボー(Weibo)やウィーチャット(WeChat)でライブ配信され、50万回以上視聴されたという。また、現地メディアによると、類似の抗議はニューヨークとロンドンでも実施される予定だという。

 21年12月にコレクションが公開され、4月に店舗での販売開始と同時にソウルでショーを披露した当時、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは、同コレクションは創業者クリスチャン・ディオール(Christian Dior)の妹、キャサリン(Catherine)へのトリビュートであり、制服、特に学校のユニホームにインスピレーションを受けたと説明している。
「ディオール」は現時点でも本件についてコメントを出していない。

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「ジョーダン ブランド」“エア ジョーダン 3”のオリジナルカラー“ファイヤー レッド”が9年ぶりに復刻

 ナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」は、スニーカー“エア ジョーダン 3(AIR JORDAN 3)”のオリジナルカラー“ファイヤー レッド(FIRE RED)”を8月6日に発売する。価格は2万4200円税込で、「ナイキ」のスニーカー専用アプリ「スニーカーズ(SNKRS)」などで取り扱う。

 “ファイヤー レッド”は、1988年に発売したオリジナルカラー4色のうちの1色。これまで2007年と13年に復刻しており、今回は9年ぶり3度目となる。過去の復刻では、ヒールに配したロゴが“ジャンプマン”仕様だったが、今作はオリジナルを忠実に再現した“ナイキ エア”仕様となっている。

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【スナップ】パリコレの路上からvol.4 「セリーヌ オム」はやっぱり“エディみ”強めなゲストが多かった

 「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」が、2023年春夏コレクションをパリで発表した。数年ぶりのショー開催とあって話題を集めたうえに、韓国から来場したBTSのVとBLACKPINKのLISA、俳優パク・ボゴム(Park Bogum)の姿を一目見ようとファンが集い、会場のパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)は前代未聞の大混雑に見舞われた。ほかにも歌手のケヴィン・パーカー(Kevin Parker)や、カーティス・ハーディング(Curtis Harding)、俳優のエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)、ダイアナ・シルヴァーズ(Diana Silvers)、トーマス・ブロディ=サングスター(Thomas Brodie-Sangster)、数日前に同じ会場でショーを行なったデザイナーのリック・オウエンス(Rick Owens)らが集結。来場者はライダースジャケットにスキニージーンズ、シアー素材のブラウスと足もとはサンティアゴブーツといった、エディ・スリマン(Hedi Slimane)をリスペクトする装いが多かった。細身のシルエットに無造作なヘアスタイル、タバコをふかす仕草も含め、エディの美意識を来場者が体現していた。

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MTGが日本電産とFlexと新製品開発でタッグ グローバル展開見据えたヘアドライヤー開発

 MTGは、総合モーターメーカーの日本電産と世界中に生産拠点を有するFlexと「リファ(REFA)」の新製品開発で協業し、グローバル展開を見据えたヘアドライヤー“リファビューテックドライヤースマート”(税込3万8000円)を11月から発売する。ヘアサロンや百貨店、公式ECサイトなどで展開し、23年度中に中国をはじめアジア諸国で販売する。初年度の販売台数は30万台、近い将来に100〜200万台を目指す。

 同社は、世界中の人々が健康で美しく生き生きとした人生を過ごせる“バイタルライフ”を事業ビジョンに掲げる。ヘルス、ビューティ、ハイジーンの領域で取り組むが、ビューティ領域で「世界一のヘアドライヤーを提供するための最強パートナーと協業した」(松下剛MTG社長)。2019年からヘアドライヤーを展開し、参入期間が短いにもかかわらず美容師の技術を再現した機能性が支持されヘアサロンでのシェアはトップクラスとなっている。今回、世界で勝負できるヘアドライヤーを実現するため、多くの美容師の意見からヒントを得て“リファビューテックドライヤースマート”を開発した。特長は、速く・楽に・美しく乾く・軽量であること。コンパクトなサイズもポイントだ。

 速く・楽に・美しく乾くに必要不可欠なモーターを世界トップクラスの総合モーターメーカーの日本電産が担当。松下社長が小部博志日本電産代表取締役副会長執行役員に直談判し9カ月という短期間で、直径約29mmで1分間に約10万回転する超小型高速モーター“HPDモーター”を開発した。「小型化は高価になるものだが、松下社長から高性能でありながら価格は抑えて欲しいと何度もリクエストがあり、中国の浙江省にある工場で生産することで実現した」(小部副会長)という。

 またグローバル展開を見据え、世界各国で生産できる体制も構築。ファブレス企業である利点を生かし、「世界30カ国でサプライチェーンを展開し、あらゆる製品を生産する」(デイビッド・モデジディス=David Moezidis Flexライフスタイルソリューションズ代表)Flexとタッグを組む。

 主力ブランドの「リファ」は2009年に誕生し、代表アイテムの美容ローラーが現在までに累計出荷台数が1300万本を突破し、「それまで美容感度の高い一部の層が使用していた美容機器を民主化したのが『リファ』だ」(加藤寿恵MTGビューティブランド本部長)。現在は第2成長期としてヘアケアとシャワーヘッドにも注力する。中でもヘアケアは19年から日本のプロの技を独自のテクノロジーで再現する“リファビューテック”シリーズを立ち上げ、ヘアドライヤーを販売し、ベストコスメ賞を50以上獲得するほど支持を集めている。現在ヘア関連の売り上げは日本が大半を占めるが、グローバル展開を加速することで「誕生から9年間で1000万台を突破した美容ローラーを超えるペースでドライヤーも1000万台を実現したい」(松下社長)と意気込む。

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MTGが日本電産とFlexと新製品開発でタッグ グローバル展開見据えたヘアドライヤー開発

 MTGは、総合モーターメーカーの日本電産と世界中に生産拠点を有するFlexと「リファ(REFA)」の新製品開発で協業し、グローバル展開を見据えたヘアドライヤー“リファビューテックドライヤースマート”(税込3万8000円)を11月から発売する。ヘアサロンや百貨店、公式ECサイトなどで展開し、23年度中に中国をはじめアジア諸国で販売する。初年度の販売台数は30万台、近い将来に100〜200万台を目指す。

 同社は、世界中の人々が健康で美しく生き生きとした人生を過ごせる“バイタルライフ”を事業ビジョンに掲げる。ヘルス、ビューティ、ハイジーンの領域で取り組むが、ビューティ領域で「世界一のヘアドライヤーを提供するための最強パートナーと協業した」(松下剛MTG社長)。2019年からヘアドライヤーを展開し、参入期間が短いにもかかわらず美容師の技術を再現した機能性が支持されヘアサロンでのシェアはトップクラスとなっている。今回、世界で勝負できるヘアドライヤーを実現するため、多くの美容師の意見からヒントを得て“リファビューテックドライヤースマート”を開発した。特長は、速く・楽に・美しく乾く・軽量であること。コンパクトなサイズもポイントだ。

 速く・楽に・美しく乾くに必要不可欠なモーターを世界トップクラスの総合モーターメーカーの日本電産が担当。松下社長が小部博志日本電産代表取締役副会長執行役員に直談判し9カ月という短期間で、直径約29mmで1分間に約10万回転する超小型高速モーター“HPDモーター”を開発した。「小型化は高価になるものだが、松下社長から高性能でありながら価格は抑えて欲しいと何度もリクエストがあり、中国の浙江省にある工場で生産することで実現した」(小部副会長)という。

 またグローバル展開を見据え、世界各国で生産できる体制も構築。ファブレス企業である利点を生かし、「世界30カ国でサプライチェーンを展開し、あらゆる製品を生産する」(デイビッド・モデジディス=David Moezidis Flexライフスタイルソリューションズ代表)Flexとタッグを組む。

 主力ブランドの「リファ」は2009年に誕生し、代表アイテムの美容ローラーが現在までに累計出荷台数が1300万本を突破し、「それまで美容感度の高い一部の層が使用していた美容機器を民主化したのが『リファ』だ」(加藤寿恵MTGビューティブランド本部長)。現在は第2成長期としてヘアケアとシャワーヘッドにも注力する。中でもヘアケアは19年から日本のプロの技を独自のテクノロジーで再現する“リファビューテック”シリーズを立ち上げ、ヘアドライヤーを販売し、ベストコスメ賞を50以上獲得するほど支持を集めている。現在ヘア関連の売り上げは日本が大半を占めるが、グローバル展開を加速することで「誕生から9年間で1000万台を突破した美容ローラーを超えるペースでドライヤーも1000万台を実現したい」(松下社長)と意気込む。

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「ジンズ アンド サン」が「ヒューマンメイド」と初コラボ サングラスと“張り⼦”のセットをEC限定発売

 ジンズ(東京、⽥中仁社長)のサングラスブランド「ジンズ アンド サン(JINS&SUN)」は、NIGO®が手掛ける「ヒューマンメイド(HUMAN MADE)」と初コラボした商品を8⽉1⽇に発売する。サングラスと「ヒューマンメイド」で⼈気の動物をモチーフにした“張り⼦”をセットにしたもので、価格は3万8500円(税込)。張り⼦は⼀つ一つ職⼈が⼿作りしており、アイウエアスタンドにもなる。両ブランドの公式オンラインサイトで販売する。

 サングラスは、1990年代風のデザインが特徴の丸みのあるウエリントンタイプ。フレームカラーごとにシロクマ、カモ、トラ、ブルドッグと異なる動物の張り⼦をセットする。それぞれに封筒をイメージしたケースと、「ヒューマンメイド」のハートを総柄にしたセリート(眼鏡拭き)が付属する。

 「ジンズ アンド サン」は2021年にデビュー。NIGO®が監修を務める。

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英国靴「クラークス オリジナルズ」が東京に世界初のコンセプトストア 大阪店もオープン

 英国のシューズブランド「クラークス オリジナルズ(CLARKS ORIGINALS)」は8月5日、原宿に新コンセプトストアの「クラークス オリジナルズ 東京」をオープンする。同コンセプトストアの出店は世界初。

 開放感のある販売スペースは、同ブランドが誕生した1825年の英国南西部サマセット州をイメージしたもので、空間デザインは中原慎一郎コンランショップ・ジャパン社長が担当する。長年デザインを変えずに愛されるアイコンモデルを多数持つブランドらしく、“普遍性”をテーマにしたという。店舗奥には、ギャラリースペース“ザ ブランド ボックス(THE BRAND BOX)”を設ける。「クラークス オリジナルズ」を体現できる空間で、イベント時などに限定開放する。

 オープンを記念して“デザートブーツ”(8月予定、3万7400円税込、以下同)、“デザートトレック”(10月予定、3万7400円)、“ワラビー”(12月予定、3万8500円)の限定モデルも順次発売する。それぞれ黒のスエードに、ユニオンジャックをモノクロトーンで刺しゅうしたものだ。

 なお同ブランドは9月16日、心斎橋に「クラークス オリジナルズ 大阪」も開店する。限定3モデルは大阪店でも扱う。

 「クラークス オリジナルズ」は1825年に創業。2025年に200周年を迎える。

■クラークス オリジナルズ 東京
オープン日:8月5日
時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
住所:東京都渋谷区神宮前6-17-10 原宿アール1階

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写真プリントショップの運営会社がアパレル参入、商機は「アパレルもオンデマンドプリントへの変革」

 写真プリントショップ「パレットプラザ(PALETTE PLAZA)」やスマホショップを運営するプラザクリエイトがアパレル事業に参入する。テキスタイルやTシャツプリント機の最大手企業のコーニットデジタル(KORNIT DIGITAL)と提携し、原宿に最新鋭のインクジェットプリント機を併設したカフェ型のスペース「クリエイティブプラザ・ハット(CREATIVE PLAZA HATTO)」」を9月にオープンする。東証スタンダード上場のプラザクリエイトは写真プリントの「パレットプラザ」を239店舗、「ソフトバンクショップ」「ワイモバイルショップ」を軸にしたスマホ販売店を109店舗、全国で運営している。なぜ写真プリントとスマホショップ販売の同社がアパレルに参入するのか。今年7月1日に社長に就任したばかりの新谷隼人・社長に聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):なぜアパレルに参入を?

新谷隼人(以下、新谷):大量生産・大量廃棄などの問題を抱えるアパレル産業は大きな転換期にある。大量に作ってから売って、多くの在庫を残してしまうビジネスモデルは転換期にある。当社の祖業である写真現像やプリント事業はそれとは全く逆で、全国に展開する店舗でプリントしてお客に渡すというビジネスモデル。コーニット社の最新鋭のインクジェットプリント機を含めた生産プラットフォームを使えば、アパレル産業も受注してから作って販売するサステナブルなビジネスモデルに変革できる。そうなると我々がこれまで展開してきたビジネスモデルに近くなる。

WWD:全くの新規参入だ。勝算は?

新谷:機械さえあればうまくいくみたいなことは全く考えていない。アパレル事業は、toC(最終消費者向け)ではなく、toB(法人向け)のビジネスからスタートする。ただ基本的に本気でアパレルをサステナブルに変えて行きたいと考えている。コーニットの最新鋭プリント機「アトラスマックス(ATLAS MAX)」とカフェを併設した「クリエイティブプラザ・ハット」は約70坪。同機は、日本初導入となる最新鋭のインクジェットプリント機で、これまで必要だった前処理工程が不要で、文字通りワンステップで多種多彩でかつ非常に高精度なテキスタイルプリントが可能で、1時間で最速100枚のTシャツをプリントできる。

 「クリエイティブプラザ・ハット」のコンセプトは、「カフェ・コミュニティ・プリント」をかけ合わせ、新しくサステナブルなアパレル産業に変革する事業者たちが集う拠点。カフェも、グアテマラ発のサステナブルコーヒーとして知られる「グッド・カフェ・ファームズ(GOOD COFFEE FARMS)」と組む。サステナブルで美味しいコーヒー楽しみつつ、最新鋭の繊維機械を実際に見てもらうことで、変革の機運を高めたい。

新谷:当社は環境の変化に応じて、新たな小売り業態、しかもリアル店舗をベースにした新業態を作ってきた。コーニットの機械を初めて見たとき、大きな衝撃を受けた。私は当社で「ソウゾウ事業」を担当し、新規事業の立ち上げに携わってきたが、まさに何か新しいことが始まる」ということを直感した。スマホショップは30〜50坪で月1000万円の売り上げを持つものの、写真プリントの「パレットプラザ」は10〜15坪の店舗で月間200〜300万円。1枚20〜30円のプリントを積み上げて売り上げを作っている当社にとって、数億円の機械と神宮前に60坪という店舗は、かなり大掛かりな新規投資だ。

 ただ正直、現時点ではあえて今後の事業プランはほぼ白紙の状態だ。「クリエイティブプラザ・ハット」を運営しながら、今後については決めていく。「パレットプラザ」など既存の300店舗をこの新規事業に切り替えていく可能性もあるし、まったく別のやり方もするかもしれない。一つ決まっているのは3年で10億円の数字を作ること。当社の財産は既存の店舗で日々、お客さまと接点を持っていること。白紙とは言ったが、「パレットプラザ」で紙にプリントしているものを布に置き換えようと思っただけでも、かなり多くの潜在需要がある。紙と布では全然違うと思われるかもしれないが、イメージをなにかに残したいという本質的なニーズは実はそう変わらない。「アトラスマックス」は積層型のプリントで刺繍のように表現できるプリントもあり、アパレルに限定せず、グッズや日用雑貨、ノベルティグッズなどの用途にも広げられる。そうしたアイテムを「パレットプラザ」で販売することも考えられる。

WWD:パートナーはどういった企業やブランドを?

新谷:すでに有力なセレクトショップなどに声をかけている。パートナーとして重要なのは「既存のマインドを変えられるか」だと実感している。少し気になっていることがある。私がアパレル関係者を訪ね歩き、「既存のアパレル産業のやり方には大きな問題がある。なぜ変えられないのか?」と指摘すると、誰もが一様に悲しげな表情をすること。ロクにアパレルビジネスのことなど知らない新参者にこんなことを言われたら、憤慨する人がいてもおかしくない。にもかかわらず悲しい表情になってしまうのはなぜなのか。いずれにしろ当社は、アパレル産業は今こそサステナブルに変われると信じているし、そうした志を同じくする人を探し求めている。響くことがあれば、ぜひ我々と一緒に変革に取り組んでほしい。

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アルゼンチン発フレグランス「フエギア1833」創業者が来日 自然の変化や楽器の演奏者までも想起させる香りとは

 アルゼンチン発フレグランスブランド「フエギア1833(FUEGUIA 1833以下、フエギア)」の創業者であるジュリアン・ペデル(Julian Bedel)が来日した。「フエギア」は2010年に誕生。ベデルが愛するポエムやタンゴ、アルゼンチンのパタゴニアに広がる大自然や歴史、文化、人物などをインスピレーション源にしたフレグランスを提案している。日本では、六本木の「グランドハイアット東京」と「ギンザ シックス」内にブティックがあり、約100種類ものフレグランスを販売。香りのリサーチも兼ねて来日したべデルに、ブランドに込めた思いや調香のプロセス、こだわりなどについて聞いた。

WWD:学術的なアプローチでブランドをスタートしたが、どのような思いでフレグランスを制作しているか?

ジュリアン・べデル=フエギア 1833 創業者(以下、ベデル):香りのインスピレーションはあらゆるものから。アートや文学、植物、動物など何でもインスピレーションになる。私はアルゼンチンの都市と農村の間で育った。アルゼンチンの伝統的な文化であるタンゴやダンスはエリアにより異なり、それが文化の中心になっている。タンゴはアルゼンチンの文化を凝縮しているといってもいい。そういった文化的な思いが私のクリエイションの根底にある。

WWD:多くのオリジナルのフレグランスブランドがあるが、「フエギア」が他のフレグランスと違う点は?

ベデル:香りのアイデアが生まれたとき、イメージだけでなく、技術的にその香りを分析して香りの要素を化学的に分析する。それにより、香りを構成する分子を元に構成していくという点。例えば、世界最高峰の弦楽器である「ストラディヴァリウス(STRADIVARIUS)」の香りを表現するために、バイオリンに使用されている木の香りだけでなく、それを演奏してきた優れた音楽家の演奏時の空気感も忠実に再現するんだ。夏を感じさせる新作“アルマ”は、スペイン・メノルカ島に咲く花のサントリナやカモミール、ローズマリー、ジャスミンなどを採集して蒸留した香りだ。島で原材料を採集することにより、メノルカ島の夏の太陽を純粋に再現できた。このように、さまざまな場所の自然の香りを捉えて届けている。私は、植物のメッセージを伝えるパフュームクリエイターだ。調香師は、会社の香りのパレットから美しい香りを予算内で制作するが、私は、納得のいく自然素材を使用して予算に関係なく香りを作り出している。

フレグランスはある意味透明であるべき

WWD:フレグランスの原料=自然原料へのこだわりの理由は?それらは、全てオリジナルか?

ベデル:「フエギア」では植物の香りを、元来の美しさと同じレベルで再現できるかというのがポイント。色々な場所の自然の香りを捕まえて届ける香りのメッセンジャーだ。フレグランスとは、自分の中の美を覚醒させるものであるべき。フレグランスは化粧品ではない。植物のエッセンスを取り込むことで気分を高めるものであるべきだと思う。だから、南米の薬効成分を持つ植物の香りを使うこともある。

WWD:調香にかかる期間は?香りが完成したと感じる決め手は?

べデル:アイデアが浮かんで、それに命を吹き込むための原料を考えるのに時間がかかる。ラボに原料があれば、あまり時間はかからない。香りにもよるが、木に菌を埋め込み樹脂が出るのを待ってから制作した“ウード”には約10年を費やした。樹脂とは、木が自分を菌から守るために発酵してできる化合物のようなもの。それは、バニラやタバコ、コーヒー、チョコレートの制作過程に起こるメイラード反応(食品の加工や貯蔵の際に生じる、製品の着色、香気成分の生成、抗酸化性成分の生成などに関わる反応)と同じ。自然変化には時間がかかり、結果が出ないこともある。フレグランスが完成したと感じる瞬間は、絵画と一緒で、一番難しい。香りの説明はせず、他の人に感想を聞いてみて、手直しを加えて完成させることも。なぜなら、フレグランスは付ける人の肌と影響し合うから。付ける人の香りと相まっていい香りかというのが大切だ。フレグランスは、付ける人が本来持つ香りを消してはならないある意味、透明であるべきものだと考える。

自然の美しさ、演奏などの擬似体験を可能にする香りを提供

WWD:さまざまな香りを調香する際に意識するものやことは?何をイメージして調香するか?

べデル:フレグランスの調合は作曲するのと同じように本能的なもの。理屈ではなく、頭に浮かんだものを直感的に感じ取り、香りに反映している。ラボには約3000種類の香料の原料があり、技術もある。だから、直感を信じて、自分の周波数で調香するんだ。

WWD:調香師はザ・ノーズと言われ、嗅覚の鋭さや特殊な感覚が必要とされるが、調香師になろうと思ったきっかけは?

べデル:私は、自分を調香師とは思っていない。植物のメッセージを伝えるパフュームクリエイターだ。調香師は、会社の香りのパレットから美しい香りを予算内で制作するが、私は、納得のいく自然素材を使用して予算に関係なく香りを作り出している。芸術家一家の1人として育ち、画家や彫刻家として活動してきた。工房で素材と向き合う作業が好きだったが、自分に向いていなかった。植物が好きだったということもあり、絵の具の色素を植物の香りの分子に置き換えてみようと思った。絵の具のパレットを香りのパレットに置き換えたといってもいい。絵の具も香りも、何かを表現する“媒体=言語”だと考える。私自身、香水はつけない。だが、自然の香りは大好きで、素晴らしい植物の美しさをフレグランスで届けられればと思った。「フエギア」は、植物学者が持つ植物へのこだわり、化学者の香りを分子の状態まで分析するアプローチ、芸術家の直感が融合して生まれる。植物学者、化学者、芸術家の各アプローチは切り離せない。自然の香りもそうだが、演奏などを擬似体験できるようなさまざまな香りを提供している。

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