エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)が、「トム フォード(TOM FORD)」を運営するトム フォード インターナショナル(TOM FORD INTERNATIONAL以下、TFI)の買収に向けて交渉していると米「ウォール・ストリート・ジャーナル(THE WALL STREET JOURNAL)」が報じた。およそ1カ月前には、TFIが身売りを検討していると米ブルームバーグ(BLOOMBERG)が報じていた。
「トム フォード」は、デザイナーのトム・フォードが2005年に設立。同年にELCと提携し、ビューティを扱う「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」を立ち上げた。ELCのトレイシー・トーマス・トラヴィス(Tracey Thomas Travis)最高財務責任者によれば、「トム フォード ビューティ」は特にフレグランスが好調で、今後さらに成長が見込まれるという。なお、情報筋によれば取り引きは30億ドル(約3960億円)規模になると見られているが、ELC以外にも関心を示している買い手が複数いるほか評価額が高すぎるとする専門家もおり、合意に至るかは不透明だ。
「トム フォード」はメンズ、ウィメンズ、アクセサリー、ビューティに加えて、イタリアの大手眼鏡企業マルコリン(MARCOLIN)と提携してアイウエアを展開している。買収が成立した場合、ELCがビューティ以外の事業をいかに運営するのかについては未知数だが、同社が「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」などを擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)や、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)のような“ラグジュアリー・コングロマリット”を目指すのではないかと見る関係者もいるという。
ゴールドウインは、東京の恵比寿ガーデンプレイスに「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を含めた3業態による複合店を11月8日に開く。キャンプをテーマにした「ザ・ノース・フェイス」、キッズアイテムを幅広く展開する新業態「プレイアースキッズ(PLAY EARTH KIDS)」、ウェルネスの「ニュートラルワークス.(NEUTRALWORKS.)」の3業態で、売り場面積は関東最大の991平方メートルとなる。
大丸心斎橋店は、本館7階のビューティフロアを“ニューラグジュアリー”層を取り込む売り場として、2024年を目処に再編集する。今年から段階的に新ブランドを導入しており、2月は美容機器やコスメを展開する「アーティスティックアンドシーオー(ARTISTIC&CO.)」、3月は韓国発のスキンケアブランド「ボノトックス(BONOTOX)」やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)から誕生した「V&A ビューティ(V&A BEAUTY)」などをそろえるショップ「ビエンス(BIENCE)」と「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」をオープンした。8月4日にはトレーニングブランド「シックスパッド(SIXPAD)」、8月29日にはファスティング専門店「エステプロ・ラボ(ESTHE PRO LABO)」のオープンを控えている。
8月4日にオープンする「シックスパッド」は、女性に特化したコンテンツや商品をラインアップする。最短10分で高効率のトレーニングが自宅でできるEMSオンラインジム「シックスパッド ホームジム(SIXPAD HOME GYM)」専用のパワースーツ(税込11万8800円)や専用のバイク(スタンダードモデル税込13万2000円、ハイエンドモデル税込49万5000円)などを揃える。専門のトレーニングアドバイザーが常駐し、体組織計測定器を使用したトレーニング結果の可視化や食事面のアドバイスなど一人一人のトレーニングに寄り添い、カウンセリングする。なお、「エトヴォス(ETVOS)」跡地にオープンする。
今回は、3型のTシャツと2型のヘッドウエアを用意した。Tシャツ2型には、山本耀司が2013年の絵画インスタレーション「Art Complex by Yohji Yamamoto A Beauty Looking Back」で発表した“見返り美人”の作品を落とし込み、もう1型には1990年代初頭の「ヨウジヤマモト」のルックブックで使用されていた“YY”のアートワークをプリント。2型のヘッドウエアには、フロント部分に“見返り美人”の作品に記されていた手書きの“Yohji Yamamoto”を刺しゅうしている。価格はTシャツが税込1万7600円、ヘッドウエアが同1万2100円だ。
藪野淳/欧州通信員:これまでロストバゲージは未経験だが、心配性のため、預け荷物に入れるAirTagを購入。最近ではフライトが遅延しても、キャンセルにさえならなければいいか~と寛大になりつつある (右)村上要/編集長:久しぶりだった5月の出張では、コンセントに差し込む変換アダプターを忘れるほど感覚が鈍っていることに危機感。「招待状の準備を忘れかけた」という日本のブランドのことは笑えない ILLUSTRATION : UCA