神戸阪急がファッションフロアを新装 神戸の“美意識”に応えるジャンルレスな売り場

 神戸阪急は31日、本館・新館の一部フロアを新装オープンする。新館1〜3階は、「ハンキュウ モード コウベ」と銘打ち、神戸の感度の高い消費者に向けてコンテンポラリーファッションを軸にビューティや雑貨もミックスする。本館2〜4階はデジタルを活用したパーソナルな化粧品の提案に磨きをかけ、「コウベ ハンキュウ ビューティ」としてリニューアルする。

 同店がある三宮の周辺には、大丸松坂屋百貨店の主力店舗で強固な顧客基盤を持つ大丸神戸店がある。また阪急本店の所在する梅田駅にも電車で約20分と、商圏が近接している。30日に開かれたメディア向け内覧会で杉崎聡店長は、「品ぞろえの物量や新しさで(他店と)張り合うつもりはない。神戸に住む人々の価値観や審美眼をいかに理解し、寄り添えるか。これが当店の存在意義になる」と語った。

 新館の「ハンキュウ モード コウベ」は、「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ケンゾー(KENZO)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)」といったコンテンポラリー・ハイデザイナーズファッションを主役とする一方、雑貨や食などの比率を約3割まで高めた。「神戸人はトレンドに流されることなく、エレガントな遊び心を持ち、自分なりの美意識を持って物を選ぶ。売り場もそれにマッチしたものでなくてはならない」と杉崎店長。

 フロア中央は、「クロエ(CHLOE)」による世界初のジェラートスタンド「クロエ・ル・グラシエ(CHLOE LE GLACIER)」(2階)や香水セレクトショップの「ノーズショップ(NOSE SHOP)」(同)、ビンテージのレアスニーカーショップ「ワームコウベ(WARM KOBE)」(3階)などをジャンルレスに集積する。その他にも神戸初出店の英国インテリアショップ「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)」(3階)があったり、「トム ブラウン(THOM BROWN)」(2階)にバーが併設されていたりと、画一的でないフロア構成が回遊する楽しさを生み出す。神戸ならではの店内演出として、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」では神戸港の造船所の木材を、「マルニ(MARNI)」では景観維持を目的に間伐した市街地の材木を什器に取り入れた。

 本館「コウベ ハンキュウ ビューティ」の2階は“ラグジュアリービューティ”をテーマに国内外約30ブランドをラインアップ。中央には「ビューティステーション」を設置してメイクアップイベントやライブ配信などのイベントを行う。資生堂やコーセーの「コスメデコルテ(DECORTE)」はオンラインカウンセリングに特化したカウンターや個室を用意し、「M・A・C」はタブレット端末によるバーチャルメイクが可能。3階は「アヴェダ(AVEDA)」「サボン(SABON)」といった比較的値ごろなバス・ボディーケアで若年層やギフト需要を取り込む。4階は、顔専門のトレーニングプログラムを提案する美顔機器の「ヤーマン(YA-MAN)」をはじめ、体験型コンテンツが豊富だ。

 阪急阪神百貨店は約80億円を投じ、23年秋までに神戸阪急の全館営業面積の9割を改装する。旧そごう神戸店(〜2019年10月)時代から長らく大規模改装がなされないまま、婦人服に偏っていたカテゴリーバランスをテコ入れする。神戸市による三宮地区の再整備事業とも足並みをそろえ、エリア密着型百貨店として刷新を進める。6月には新館1階に「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「セリーヌ(CELINE)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」をオープンした。

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「フミエ タナカ」2023年春夏東京コレクション

 「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」が2023年春夏コレクションを東京で発表した。

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壁が動いた「ネグレクトアダルトペイシェンツ」やユニホーム企業「ハイドサイン」など異色ぞろい 「WWDJAPAN」が選ぶ東コレ2日目のヒットブランド

 2023年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」(以下、東コレ)が8月29日に開幕した。9月3日までの6日間、国内外のバイヤーやジャーナリストに向けて、全49ブランドがリアルショーやオンライン形式でコレクションを披露する。

 「WWDJAPAN」は今シーズンも、総力をあげて東コレを取材。ここでは、取材班が“イケてる!面白い“と思ったブランドを毎日リポートする。2日目は「ハイドサイン」「ネグレクトアダルトペイシェンツ」「ホウガ」をお届け。


東コレ取材5シーズン目
編集部 美濃島
「ハイドサイン(HIDESIGN)」

見どころ:普段はプロ向けのユニホームをデザインするハイドサインが、スタイリストでファッションディレクターの山口壮大をクリエイティブディレクターに迎えて、ファッションブランド「ハイドサイン」として東コレに参戦!ブルーカラーやホワイトカラーに分類されない労働者=“グレーカラー“に向けた新しいユニホームを提案しました。日本のワークウエアらしい緑がかったグレーをキーカラーに、マルチポケットのギミックと、アームカバーやベストによるレイヤードで、作業着をファッションとしてアレンジ。それぞれのポケットがハンマー用、ヘラ用、カッター用と特定の用途があるのも、ユニホーム企業ならではです。さらに、「当たり前のようにこだわってきた、長く使える耐久性」(吉井秀雄ハイドサイン社長、チーフデザイナー)と、東レが開発した植物由来の素材を採用し、環境にも配慮しました。いくつかのピースは一般消費者向けに販売する予定とのことで、ビジネス面の成果も楽しみです。入り口で来場者一人一人がタイムカードを切る演出からも、現場仕事へのリスペクトを感じられました。


東コレ取材2シーズン目
ソーシャルエディター佐立
ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATIENTS)」

見どころ:毎シーズン、プレイフルな演出で観客を楽しませてくれる「ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATIENTS、以下ネグレクト)」。今回は、「ランウエイなのに歩かなかったら」という渡辺淳之介デザイナーのアイデアから、"可動式の壁"に最初のモデルが乗って登場しました。恒例の麺を食べるパフォーマンスは、麺を用意まではしていたけど「そろそろいいかな」と卒業を決断。自由なクリエイションが「ネグレクト」らしいです。1990年代を感じさせるルックは、英国ロックバンドのブラー(Blur)などブリットポップの音楽シーンがインスピレーションだそう。"可動式の壁"の花柄模様は「SONG2」のミュージックビデオを再現。スポーティーな素材、ゆったりとしたシルエットやトラックスーツなどは、英国で"チャヴカルチャー"とステレオタイプ的に呼ばれた労働者階級の若者のファッションを連想させます。


東コレ取材は10年目
ファッションリポーター大杉
「ホウガ(HOUGA)」

見どころ:「ホウガ」は今季、ロックやパンク、ストリートの要素が加わった力強いコレクションを見せました。「ほっこりとした、甘いテイストのブランドだと言われることが多い」と石田萌デザイナーが話す通り、実は私もそのようなイメージを持っていた一人でした。しかし、その印象は一変。得意とするラッフルやギャザーなどの要素はありつつも、フリルがランダムに接ぎ合わされていたり、ボリュームが増していたりと、反骨精神を感じさせます。シーズンテーマも「MY WILL, OUR WILL(私の意思、私たちの意思)」と、意思を持つことで「世の中の当たり前に流されないで」という思いを込めたそうです。目を引くシルバーやルビーピンク、サファイアブルーなどのカラーパレットは、石田デザイナーが幼少期から少しづつ集めてきた鉱石や宝石の色から着想を得たそう。「切なものを守るため、自分の意思に自信を持てるように」と。社会問題や環境問題が避けられないトピックになっている今、そいうったメッセージのある服は、人の心を動かし、共感を得られるはず。“かわいい”や”かっこいい”だけでなく(見た目は大前提ですが)、ファッションの持つパワーを感じられたコレクションでした!

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「ナイキ」から“エア フォース 1”誕生40周年記念モデル 「A+S」では彫刻家・小畑多丘の個展を開催

 「ナイキ(NIKE)」は、新作スニーカー“エア フォース 1 ロー レトロ カラー オブ ザ マンス ホワイト チョコレート(AIR FORCE 1 LOW RETRO COLOR OF THE MONTH WHITE/CHOCOLATE)”を発売する。価格は1万6500円(税込)で、9月1日に東京・原宿のスニーカーショップ「A+S」で先行販売し、3日から「ナイキ」の公式アプリ「SNKRS」などで取り扱う。

 今作は、2022年で“エア フォース 1”誕生40周年を記念するスペシャルエディションの一足だ。ホワイトをベースカラーに、スウッシュやアウトソール、ミッドソールの“AIR”の文字などにチョコレートカラーを採用。そして、記念モデルの証としてシュータンに“Anniversary Edition”の文字をゴールドで刺しゅうしたほか、ヒールにもクラシックフォントで“NIKE AIR”の文字をあしらい、“Since 1982.”と刻印した記念歯ブラシが付属する。

 なお「A+S」は、発売に合わせて彫刻家・小畑多丘の個展「アート アンド スニーカーズ(ART AND SNEAKERS)」を9月1日から30日まで開催する。スニーカーとヒップホップカルチャーが感じられる作品を展示・販売し、入場は無料だ。

■ART AND SNEAKERS
日程:9月1〜30日
時間:12:00〜20:00
場所:A+S
住所:東京都渋谷区神宮前3-34-10 2階

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故ヴァージル・アブローを魅了した新鋭アーティストのベイビー・ブラッシュとは?

 ストリートアーティストのベイビー・ブラッシュ(BABY BRUSH)が、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)の六本木店で行ったイベントに合わせて来日した。ベイビー・ブラッシュはスイス・チューリッヒで生まれで、現在はイタリアを拠点に活動。主にエアブラシを用いて作品を制作し、ネオンカラーを基調とした鮮やかな色彩とその細やかで大胆な筆使いで故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)を魅了し、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」とのコラボレーションを実現している。

 来日したベイビー・ブラッシュに、アーティストになった経緯から「オフ-ホワイト」とのコラボの経緯までを語ってもらった。

ーー幼い頃からアートやデザインに興味があったのでしょうか?

ベイビー・ブラッシュ:4~5歳頃から街中の道路標識や看板が好きで、母親いわく周りの子どもたちが絵を描いている中で僕だけは文字を描いていたらしい(笑)。そして、1970年代にニューヨークでグラフィティ文化が発展したタイミングとほぼ同時期に、スイスはタイポグラフィ文化が根付いているからグラフィティが流行し(注:スイスはタイポグラフィやグラフィックデザインが最も発展している国の一つ)、今でも街中にグラフィティが数多くあるんだ。その影響もあって13歳頃からストリートスタイルに傾倒し、15歳でエアブラシを持っていたね。エアブラシは、日本でいうお祭りや遊園地みたいな場所で、塗装する人たちが使っているのを見て存在を知ったんだ。

 それから、芸術系の大学に進学してタイポグラフィを専攻した。両親がイタリア人だから、イタリアを拠点にヨーロッパを転々としつつ、アートや映画、音楽、コミックなどアメリカのカルチャーに大きな影響を受けていたので、現地で勉強もした。どれくらい好きかっていうと、スイスの音楽を一切聴いて育っていないくらいね(笑)。スイスは小さい国だから(注:九州地方より小さい)、ディープなカルチャーを感じることは難しかったんだ。

ーー大学に進学した理由は、職に就くことを考えていたからですか?それとも、あくまでアーティストを目指すための通過点?

ベイビー・ブラッシュ:両親の顔を立てるために学校を卒業しないといけなかったのもあるけど、一番はアーティストになるための経験だね。誰かの下で働くために学ぶ、という考えはなかったよ。

ーーアーティスト活動を始めたのは具体的にいつ頃ですか?

ベイビー・ブラッシュ:今の時代、インターネットやSNSを通じて自分の作品を世に発信するアーティストが多いと思うけど、その多くが“未成熟な状態”で発表しているように感じる。それが僕は嫌で、2014年からプロフェッショナルレベルのクオリティになるまでじっくりと準備し、2019年にようやく自信を持って作品を発表できるようになったんだ。

ーーそれでは、アーティスト名の由来を教えてください。

ベイビー・ブラッシュ:僕の顔が幼かったからずっとニックネームが“ベイビーフェイス”で、インスタグラムのアカウント名の一部も“babyface”にしてたんだ。作品を描くときに“エアブラシ(airbrush)”を使っていたから、シンプルに“baby”と“brush”を組み合わせただけだよ。

ーー今のようなどこかネオンを彷ふつとさせる作風が確立したタイミングは?

ベイビー・ブラッシュ:エアブラシで作品を描いた洋服を友達によくプレゼントしていたんだけど、いろいろな人から「オリジナリティが高いね」って言われて、その時に作風が確立していることに気付いたんだ。だから試行錯誤した末にというよりも、いつの間にかだね。

ーー洋服にエアブラシで作品を落とし込むようになったきっかけは?“自分の作品を着たい”という衝動があったんでしょうか?

ベイビー・ブラッシュ:20歳頃から洋服をキャンパスにエアブラシで作品を描いていたんだけど、自分の作品が動いているのを見てみたかったんだ。それに、人々がギャラリーに足を運ばなくても街中で僕の作品を見ることができるからね。

ーー「オフ-ホワイト」とのコラボは、アーティスト人生を語るうえでのハイライトの1つだと思いますが、この経緯は?

ベイビー・ブラッシュ:まず、いろいろなブランドからコラボの依頼が届いていたけど、僕がアーティスト活動をスタートするまでに時間を要したように、一つ一つの関係性を大事にしたかった。それに、最初にコラボするブランドだけは本当に納得した相手が良かったから、全て断っていたんだ。でもある日、ヴァージルから突然DMが届いたんだ。というのも、昔からの親友のブロディンスキ(Brodinski、フレンチ・エレクトロ・シーンを代表するプロデューサー/DJ)がヴァージルと知り合いでね。僕はブロディンスキの作品のアートワークや洋服のカスタムを担当していたから、ヴァージルがインスタグラム経由で僕の作品を見てくれたみたい。パンデミックのタイミングだったから全てをリモートで進めて、発売するタイミングで初めて会う予定だったけど、亡くなってしまった。ヴァージルはグラフィティに造詣が深かったから、親和性を感じてくれたんだろうね。

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大竹伸朗の大回顧展が11月に開催 500点の作品展示と新作グッズを販売

現代日本を代表するアーティスト、大竹伸朗の大回顧展「大竹伸朗展」が東京・竹橋の東京国立近代美術館で11月1日から2023年2月5日まで開催される。

同展は、06年に東京都現代美術館で開催された「全景1955–2006」以来となる大規模な回顧展。1982年の初個展開催時から現在にいたるまで、約半世紀にわたる大竹伸朗の創作活動を振り返ることができる。

会場は7つのテーマで構成され、初期の作品から近年の海外発表作、そしてコロナ禍に制作された最新作まで、およそ500 点の作品が一堂に会し、手製本から巨大な小屋型のインスタレーション、作品が発する音まで、ものと音が会場を埋め尽くす。

映画「モテキ」の劇中でも登場した、スナックの看板をモチーフにした代表作「ニューシャネル」(98年)をはじめとした「大竹文字」Tシャツや、直島銭湯「I♡湯」(09年)でも人気を博す大竹伸朗グッズ。同展のために製作された新作グッズも多数登場する。グッズの詳細は公式サイトで今後発表予定だ。

■大竹伸朗展
日程:11月1日〜2023年2月5日
時間:10:00〜17:00 / 金・土曜日10:00〜20:00
定休日:月曜日(ただし1月2日、 1月9日は開館)、年末年始(12月28 日–1月1日)、 1月10日
場所:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー、 2F ギャラリー4
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
入場料:一般1500 円(税込、以下同) / 大学生1000 円
*高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名) は無料

■巡回情報
愛媛県美術館
2023年5月3日〜7月2日
富山県美術館
2023年8月5日〜9月18 日(仮)

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大竹伸朗の大回顧展が11月に開催 500点の作品展示と新作グッズを販売

現代日本を代表するアーティスト、大竹伸朗の大回顧展「大竹伸朗展」が東京・竹橋の東京国立近代美術館で11月1日から2023年2月5日まで開催される。

同展は、06年に東京都現代美術館で開催された「全景1955–2006」以来となる大規模な回顧展。1982年の初個展開催時から現在にいたるまで、約半世紀にわたる大竹伸朗の創作活動を振り返ることができる。

会場は7つのテーマで構成され、初期の作品から近年の海外発表作、そしてコロナ禍に制作された最新作まで、およそ500 点の作品が一堂に会し、手製本から巨大な小屋型のインスタレーション、作品が発する音まで、ものと音が会場を埋め尽くす。

映画「モテキ」の劇中でも登場した、スナックの看板をモチーフにした代表作「ニューシャネル」(98年)をはじめとした「大竹文字」Tシャツや、直島銭湯「I♡湯」(09年)でも人気を博す大竹伸朗グッズ。同展のために製作された新作グッズも多数登場する。グッズの詳細は公式サイトで今後発表予定だ。

■大竹伸朗展
日程:11月1日〜2023年2月5日
時間:10:00〜17:00 / 金・土曜日10:00〜20:00
定休日:月曜日(ただし1月2日、 1月9日は開館)、年末年始(12月28 日–1月1日)、 1月10日
場所:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー、 2F ギャラリー4
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
入場料:一般1500 円(税込、以下同) / 大学生1000 円
*高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名) は無料

■巡回情報
愛媛県美術館
2023年5月3日〜7月2日
富山県美術館
2023年8月5日〜9月18 日(仮)

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AMIAYAと学ぶサステナビリティvol.5 衣と食をつなげ、ゴミを出さない循環モデルとは

 私たちAMIAYAがリアルな目線でサステナビリティを学ぶ本連載。自由にファッションを表現する楽しさや、ファッションが持つポジティブなエネルギーを届けたいという思いは、今も昔も変わりません。ファッション業界の負の側面が問題になっている近年、私たちは大好きなファッションを通して責任ある発信をしていきたい。モノづくりに関わる人間としてこれからの未来のためにできるより良い選択をしていきます。

 今回は、“衣”から“食”をつなぎ、ゴミを出さない新しい循環モデルを実践している「アルーフ ホーム(ALOOF HOME)」に伺いました。東京・南青山に店舗を構える同ブランドは、和紙やコットン、シルクなどの天然繊維を用いた衣類を中心に、カーテンや寝具などの衣食住に関わるプロダクトを販売しています。合成繊維を使わずに、天然繊維を使用しているのには理由があります。それは、回収した古着を京都・美山の自社農場で肥料に活用して野菜を育てているからです。南青山の店舗に併設されたカフェスペースでは、それらの野菜を使ったフードやカフェメニューを楽しめます。

 ファッション業界が抱える問題のひとつでもある大量の在庫廃棄から生じる汚染水や温室効果ガスは、環境問題を語る上で避けては通れません。「アルーフ ホーム」の循環モデルは、これからのファッションの未来を担う新しいプラットフォームになっていくはずです。園部皓志代表は、「ゴミを出さない」とシンプルだけど、やるべきことをきちんと見据えていました。ファッションの未来は明るい!と希望が持てる取材でした。

「かっこいい」より「おいしい」で理解するサステナビリティ

AMI:衣から食をつなげるというコンセプトを思いついたきっかけは?

園部皓志代表(以下、園部):すごく簡単に言うと、人には「かっこいい」より「おいしい」の方が伝わりやすいんです。かっこいい服を着てサステナビリティを考えるよりも、食を通じた方が理解が早い。僕は以前ファストファッションブランドに勤めていましたが、日本の消費者は世界と比べるとサステナビリティへの意識がまだまだ低い。「サステナブルだから」よりも「安くて高品質」だからの方が購買につながります。そんな消費者をどう教育すべきかを2年間かけて考え、服を肥料にして土壌を活性化して、その土壌で育てた素材を活用した食を販売するモデルに行き着きました。

AYA:その壮大なスキームをたった2年で形にできたのってすごいですね。

園部:僕はトレンド予報士の資格を取得していて、世の中の兆候を捉え仮説を組み立てるのが得意なんです。2017年ころには、20年までには環境や健康系の市場が活性化することを見据えていました。でもサステナブルな服を購入してもらう方法を考えるのはすごく難しくて。ファッション業界にはさまざまな問題がありますが、僕はまず使った後の責任に焦点を当て「ゴミを出さないこと」を軸にしました。

AMI:天然繊維が畑の肥料になるんですね。

園部:もともと麻などは肥料として活用されていたので、天然繊維も肥料になるのではないかと思い、検証したら微生物を活性化させることができました。最初は日本を代表する繊維の和紙で商品開発を進め、今はコットンやシルクも使用しています。

AYA:古着の回収ボックスは街でよく見かけますが、その服がその後どこに行っているかは正直分からない。でも「アルーフ ホーム」は、自分の着た服が肥料になって野菜になって戻ってくるので、意識が変わるきっかけになりそうですね。こちらのお店では食事を楽しめるだけでなく、価値観を共有するコミュニティーの一員になれるのもうれしいです。

園部:お客さまの意識を変化させるためには、五感で感じられる場所が必須だと思いました。サステナブルブランドである以上、伝えるべきメッセージがたくさんあるので、この空間を発信拠点にしていきます。

ファッション好きの“矛盾”を解消する購入方法

AMI:商品の購入方法には、“Long Buy(定額購入)”と“Time Buy(期間型購入180日)”の2種類があります。サステナビリティの観点から考えると1着を長く大切に着ることが大事だけど、ファッション好きのいろんな服を楽しみたい気持ちと矛盾してしまうんです。このシステムは、どちらの欲求も満たしてくれるので良いですね。

園部:僕の軸は、ゴミを出さないことです。周りからも「長く着た方がサステナブルなんじゃないですか」と指摘を受けたことがありますが、その根拠はないですよね。

AMI:このスキームを実践する上で難しかったことは?

園部:本当にいろいろ難しかったですよ(笑)。最初は土に戻るスピードが速い和紙に着目しましたが、僕たちの最終目標は服を戻した土壌で野菜を作ることです。それには微生物をどれだけ活性化できるかが重要でした。周りには時間ではなく質の大切さを理解してもらうことに苦労しました。

AMI:京都の自社農園もいちから作ったんですか?

園部:はい、知り合いの土地の一部を購入しました。このスキームを実現するには、自分が見える範囲でスピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すことが鍵になります。デザインするときに、自由がないと嫌じゃないですか。それと一緒です。

AYA:すごい。その熱量はどこから来るんですか?

園部:やっぱりファッションが好きなので。服には人の気持ちを変える力があります。今は、そのファッションの本質が忘れられている気がします。僕はスーパーファッションデザイナーではないので、サステナブルの分野で「ゴミを出さない」ビジネスモデルを構築して資本を集め、人の意識を変えることに挑戦したい。

AMI:私たちもモノづくりに携わる人間としていろんな矛盾を感じています。でも、その中でどう責任を持って生み出していくかが重要だと思います。服を販売した後の仕組みを構築するのも責任を持つ1つの方法で、ファッションに対しての夢が広がるブランドだなと思いました。

園部:将来的には、皆さんが生み出したものは私が全部回収して、ゴミを出さない国作りを目指します。

■Aloof hom
場所:東京都港区南青山3-2-9
電話:03-6812-9401
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日・金曜日

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「ナナミカ」と「アウェイク ニューヨーク」によるコラボコレクション チェック柄のジャケットやパンツなど

 「ナナミカ(NANAMICA)」は、「アウェイク ニューヨーク(AWAKE NY)」とのコラボレーションによるカプセルコレクションを9月16日に発売する。「ナナミカ」の直営店と両ブランドの公式オンラインストアなどで取り扱う。

 コレクションでは、「ナナミカ」を象徴する速乾性に優れたアルファドライ素材を使用し、「アウェイク ニューヨーク」によるチェック柄を用いたデザインを提案している。アイテムは、チェック柄のジャケット(税込5万1700円)とパンツ(同4万2900円)、バケットハット(同9680円)に加えて、胸元にオリジナルのエンブレムを刺しゅうしたホワイトシャツ(同2万5300円)やフーディ(同2万8600円)などを用意する。

 「アウェイク ニューヨーク」クリエイティブ・ディレクターのアンジェロ・バク(Angelo Baque)は、コラボについて次のようにコメントしている。「この商品はまさに日本とニューヨークの融合。お気に入りの『ナナミカ』のシルエットを使い、私たちのデザインランゲージとパターン、特にチェック柄を合体させた。これらは東京のストリートやニューヨークの美術館街で気軽に着ることができる。また着回しが効いて機能的であり、都市で生活する人々にとって必要な特性を持っている」。

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人気美容師が明かす“脱白髪染め”の秘密 施術に最適なヘアカラー剤とは?

 シュワルツコフ プロフェッショナルから今春デビューした、クレイを使った新ヘアカラーブランド「テラ(TERRA)」。自然素材をベースとし、頭皮や髪への優しさを追求しながらも、一般的なナチュラル系カラー剤のイメージを覆す色持ちと艶感を実現。クレイの特性により髪に高密着するため、染料の浸透・発色もいい、という特徴が多くの美容師の支持を得ている。

 今回は、「テラ」が“脱白髪染め”に最適、という側面を中心に紹介する。“脱白髪染め”といえば、ヘアサロン業界でヒットワードとなっている話題の施術。日本女性の最大の人口ボリュームゾーンである大人女性にアプローチできる、今後サロンメニューの柱となる可能性も秘めている。

 脱白髪染めとは、白髪を黒染めして隠すのではなく、生かしてヘアカラーデザインとして見せるというもの。「テラ」は3つの特徴から、脱白髪染めに向いているといわれる。1つはクレイ独特の粘性により、ゼロテク(ギリギリ地肌につけずに塗布するテクニック)が簡単にできるという点。さらに色持ちが良い(従来品と比べて41%アップ)点と、シリコーンによらない自然な艶が出せるという点も、脱白髪染めの仕上がりの魅力をアップさせる。

 ここでは北海道のトレンドセッターサロン、「ウィークエンド(WEEKEND)/ソルト(SALT)」の久保慎悟代表が登場。5万人超えのフォロワーがいるインスタグラム(@yolo_hair_life)では、脱白髪染め投稿がバズッており、全国から脱白髪染めの顧客が訪れるという久保代表に、そのノウハウと可能性を聞いた。
 

白髪を生かした明るく
艶やかなヘアカラー

 久保代表の現在の顧客で、「ウィークエンド」に通う前までは、部分的に白髪染めを行っていたモデル。今回、久保代表は彼女に、脱白髪染めのカラーリングを施し、シャドウルーツ(明るく染めた髪の根元を中心に暗くし、コントラストを付けたカラースタイル)に仕上げた。「分け目部分に白髪が多いお客さまで、当初はファッションカラーで白髪ぼかしを行っていたけれど、最近ブリーチ施術に移行してハイトーンにした。施術的には白髪も黒髪も生かしたいので、まず根元以外をフルブリーチ。黒髪から毛先の18レベルまでつながるグラデーションを作り、その後に白髪がぼける程度のカラーリングを施した」と話す。根元に白髪と黒髪の2色があるということは、既に筋感ができているということ。その筋感を生かしたハイライトデザインにし、白髪が伸びてきても目立たず、逆にハイライトデザインが完成するようにしたのが“脱白髪染め”だ。

脱白髪染めは、生涯顧客のために
絶対マスターすべき技術
それを強力に
サポートするのが「テラ」

安部和恵「テラ」シニアブランドマネージャー(以下、安部):「ウィークエンド」の客層を教えてください。

久保代表(以下、久保):30代後半から40代前半がボリュームゾーンとしては多いですが、10代から80代まで来ていただいています。“生涯顧客”をコンセプトにしており、若い方でも年配の方でも、お悩み解決できることを掲げているので、世代を問わず、ご家族の顧客も多いです。

安部:お店のコンセプトは?

久保:「作りたてのスタイルで魔法をかけない」ことですね。美容室帰りのスタイルを、明日も再現できることと、2カ月後・3カ月後も美しくいられることを重視しているので、「その時だけの髪型を作らないように」というのは常にスタッフに言っているし、僕自身も心掛けています。

安部:脱白髪染めは、そのコンセプトにぴったりですね。最初に着目したきっかけは?

久保:美容師になりたての頃、女性が来店した時に全員プリンになっているのを見て驚きました。当時は白髪染めの方も多かったので、ほぼ全員根元が白くて、中間から毛先が黒くて横線が入っていて……。そのときから「プリンをなくそう」と思って仕事をしてきました。世間的に打ち出したのは、コロナが始まったときです。お客さまの来店周期が確実に伸びると感じたので、SNS上で打ち出したところバズり、世間に広まっていきました。

安部:久保さんの脱白髪染めとは?

久保:1カ月後、2カ月後に、白髪の存在を感じさせないのが脱白髪染めだと考えています。白髪が伸びるとできることが増えてくるし、立体感が出てくることを実感してほしいですね。世代が上がるにつれボリューム感がなくなってくるので、根元から立体感を作っていける白髪があることは大きなメリットなんです。逆に黒染めは、白い髪と黒い髪を一色に見せるのものなので、フラットになってしまいます。根元から筋を作るのはブリーチじゃないとできないことなので、根元0ミリから立体感が出せるのは、白髪特有のメリットなんです。さらに僕は、白髪が伸びてくるにつれ、透明感が出るように毛先のカラーも調整しています。年齢を重ねるにつれどんどん白髪は増えていきますが、その施術だとどんどん透明感のあるカラー、立体感のあるカラーにできるので、「年をとるのが楽しみになった」と言ってもらえます。

安部:脱白髪染めに「テラ」を使っている理由は?

久保:ゼロテク(ギリギリ地肌につけずに塗布するテクニック)で使えるのが一番大きなメリットですね。やはり地肌へのダメージは避けたいですから。色みに関してもブラウンラインが使いやすいです。いわゆるグレイカラーのブラウンラインと、ブラウンみが少ないラインの2つにきれいに分かれているので、イメージして使いやすいというのが、美容師として大きなメリットだと思います。

安部:ほかには?

久保:「テラ」のいいところは、操作性の高さと、あとは艶と色持ちですね。この3つが大きいと思います。僕が提案している脱白髪染めは、次回来店時まできれいなままで過ごせる施術。2カ月後、3カ月後にさらに透明感が出るように毛先のカラーも調整しているので、色持ちがいいのは有難いですね。

安部:色的には?

久保:「テラ」の“サンドブラウン”や“マホガニー”はいいですね。僕にはブリーチをするお客さまも多いのですが、明度が高くなるにつれて、赤みが抜けやすく、青みが反応しやすくなってしまいます。グレーにしたいからといって紫を使うと、赤だけ流れて青っぽくなってしまうケースもある。ブラウンを使ってグレーやベージュができるまで色を抜いてあげたほうが、褪色してきた箇所が明るくなって根元の白髪とつながる状態になる。「テラ」の“サンドブラウン”や“マホガニー”を使うと、きれいな状態が長く続くと思います。

安部:今後、超高齢化社会に向かうにつれ、ますます重要な施術ですね。

久保:そうですね。僕が脱白髪染めをやっているのは、デザインを売っている訳ではなく、「生涯顧客」を作っているんです。一人のお客さまを一生涯担当したいという思いが強いですね。どんな人も必ず白髪になってきて、薄くなってくるので、今目の前のお客さまを「生涯担当したい」と考えているなら絶対マスターすべき技術だし、マスターするべき考え方なのかなと思っています。それを強力にサポートしてくれるカラー剤が、「テラ」だと考えています。

脱白髪染めにも最適な高密着・
高浸透クレイカラー「テラ」

問い合わせ先
シュワルツコフ プロフェッショナル お客様相談室
(受付:土・日・祝日を除く10~12時/13~17時)
03-3472-3078

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担当21年目のファストリ社員に聞く社会貢献の現場と現実 「被災地でユニクロはインフラなんだと震えた」

 サステナビリティは地球環境問題だけでなく、「社会」もまた重要な要素である。企業は世界の社会課題とどう向き合い、貢献するかが問われる時代だ。とは言え「社会」という漠然として言葉が何を指すのか理解は難しい。そこで、ファーストリテイリングで社会貢献分野に長年携わるシェルバ英子コーポレート広報部部長に、これまでの歩みと同社が社会貢献を行う意味について聞いた。世界進出をしたことで見えた「社会」とは?そして社会貢献とビジネスの関係とは?

WWDJAPAN(以下、WWD):ファーストリテイリングは、地域社会やNGO・NPOと連携して各国や地域における社会的課題を解決するための支援を行っている。シェルバさん自身のこれまでの歩み、今の仕事を選び続けている理由は?

シェルバ英子ファーストリテイリング コーポレート広報部部長(以下、シェルバ):自然の流れであり、あまりたいそうなことは言えないが、入社は2001年。それ以前は「ギャップ(GAP)」の当時の原宿旗艦店でアシスタント・ストアマネジャーとして働いていた。あるとき「ギャップ」の2900円のフリースが売れなくなり、競合調査をしたら原宿にオープンした「ユニクロ(UNIQLO)」では1900円で売っていた。何度か視察をする中で、“この会社、勢いがあって面白いな”と思ったのが出会いになる。ちょうど人材募集をしていたので入社をし、最初は社員研修のプランニングなどの担当部署にいたが、社長直轄の社会貢献室を立ち上げるタイミングで“新しいこと好きそうだから”と声がかかった。

 柳井(正ファーストリテイリング会長兼社長)は当時から「世の中、もうけっぱなしではダメ。社会に還元する企業でなきゃいけない」と明確に言っており強く印象に残っている。人事や総務、広報なども細分化されていない、まだベンチャー気質があった頃のこと。「ウチにしかできないことをやろう」と思った。地域と結びついて、従業員が参加できること、服を通じてできる取り組みを探そうとした。この軸は今も変わらない。

WWD:社会貢献室は2004年にCSR部となる。

シェルバ:会社がどんどん大きくなっていった時期で、同時に一部のグローバルSPA企業が“スエットショップ”と批判されるなど、アパレルの労働環境が問題視されていた頃でもある。グローバルを意識する中、労働集約型の産業の課題に着手せねばと、CSR部では04年の設立当時から労働環境のモニタリングを始めている。日本企業の中でも早い方だったと思う。2017年からはサステナビリティ部が設立され、自然環境の取り組みが進んでいるが、私は引き続き社会貢献活動を担当している。

WWD:今の所属が広報部である理由は?

シェルバ:「情報発信は取り組みと同じくらい大切」という考えから、2年前にサステナビリティ部のマーケティングチームを広報部に移管。これまでは定期刊行物を作るような活動しかしてこなかったものを、「ユニクロ」のブランディングの根幹のひとつを担う役割としてサステナビリティの位置づけが変わってきた。

WWD:「ユニクロ」の根幹と言えば、地域、小売店、服だと思うが、社会貢献活動もそれらがベースにあるのか。

シェルバ:社長の柳井はよく「平和な社会でないとビジネスが成り立たない。だから地域社会が持続可能な状況を作ることに目を向けるべきだ」と言っているが、その考え方がベースにある。

従業員間の合意形成を測ることは簡単ではない

WWD:シェルバさんのキャリアはファーストリテイリングの変遷と重なりとてもユニークだ。モチベーションはどこにあるのか?

シェルバ:さかのぼると、“人”となる。最初に担当した仕事が瀬戸内オリーブ基金だった。瀬戸内オリーブ基金は、当時日本最大と言われた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島(てしま)事件」をきっかけに建築家の安藤忠雄氏と豊島事件弁護団長の中坊公平氏が呼びかけ設立されたNPO法人。当時は知名度がなく、2000年に調整が成立していたものの跡地や緑化の問題は深刻で、企業が入り込むにはディープな世界だったが、社長は現場を視察してこの状況を変えることが市民社会として必要だと思ったという。事業との関連性はなかったが、全国展開している店舗でできること、として募金と寄付の活動を始めた。

 募金を寄付するだけではなく、従業員がボランティアに参加し、それがどのように使われているかを知る仕組みが必要なんじゃないか?となり、2003年に仕組みを作ったものの、従業員からの関心が低く。どうしたら関心を持ってくれるかな、と考えることは自分のモチベーションになった。

WWD:日々売り上げに追われている一人一人の意識を変える、まさにサステナビリティの肝で難所だ。ほかにこれまでの仕事で印象的だったものは?

シェルバ:難民支援はずっと関わらせていただいている。もうひとつ、06年に服の店頭回収を開始した。そしてこれまた従業員がその気にならないと進まないプロジェクトだ。お客様の服を店でお預かりして役立てる取り組みだから、丁寧な対応が大切。同時に全従業員が納得する取り組みでないと意味がない。当初はアンケートをとったところ半数くらいの従業員しかやりたがらなかった。

WWD:店頭としては成績にもつながる“売る”ことに集中したいと思うのが自然だ。

シェルバ:そこでまずは北海道でトライアルを行い、「毎月これくらい回収があった」といった情報や具体的なオペレーション方法をシェアすることで、「それなら店舗のオペレーションの中でやっていける」といった納得感を得られるようにした。従業員が自分ごと化し、合意形成を測ることはとても大切。簡単ではない。

WWD:衣料の寄贈は2021年8月末までの累計で79カ国、4619万点と膨大だ。難民支援も服の回収と同じく2006年スタートである。つながりはあるのか?

シェルバ:「回収した服をどういう使い方をするのか、誰が着るのか。中古市場に流すことが多いようだが、うちは最後までどうなったのか追いたい」そんな声が社員からあがるなか、服は服として活用したいという思いもあり、実際に服が必要なところはどこなのかを探して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に引き継ぐことに決めた。

 そこで初めて地球上の難民の課題を知った。UNHCRの予算は医療などが優先で衣料にはまわりづらい。ならば「これは私たちがやる意味ある」と思った。店頭回収から支援までの一連のスキームを作ったことは意義ある経験となった。社内でよく使われる好きな言葉が「現場、現実、現物」。現場に行って現実を見て、課題を知って何ができるかを見つけるという意味で、店舗運営や商売を語るときに使われるが、サステナビリティも同じだと思う。現場で課題を発見して課題を解決する。

WWD:2025年度までに、100億円規模で社会貢献活動に投資することを発表している。その中身はあくまで「服屋として何ができるのか」という視点だと。

シェルバ:アパレル企業としては筋が通っていると思う。それとやはり、平和な社会なくしてビジネスは成り立たない。世の中の不均衡といった問題の解決策を服を通じて探っている。

記憶に残る東日本大震災でのできごと

WWD:多くの人と接する中で記憶に残ることは?

シェルバ:東日本大震災のとき。3月11日の金曜日から24時間以内に「ユニクロ」への支援要請がカスタマーセンターや店舗スタッフに届き、その多くが「早く!」と怒りにも近いテンションだった。私たちはもう社会インフラなっているのだ、頼られているのだと震え上がった。社長個人が10億円を出すことを決めて、現場も週末中に声を集めて数百万枚レベルの衣料支援が必要であると決定。以降、半年間は木曜日の夜から月曜日の朝まで毎週服を届けに行ったが、今でもあの時のことを思い出すと、社会からの期待に背筋が伸びる。

WWD:まさに「現場、現実、現物」だ。

シェルバ:当初は自治体も被災者であり機能をしていなかった。そこで仙台で倉庫を借りて、そこに備蓄されていた日用品もまとめて、借りた車で被災地へワーっと届ける。そういったことを繰り返ししていた。あれから10年が経ち、ヨーロッパのスタッフがウクライナで同じことをしている。ロシアによるウクライナ侵攻が始まって5日目くらいには、ヨーロッパにある衣料をポーランドなどに届けるなど同じスキームで支援を行っていて、そういう教育があったわけではないけど同じことを実践していることは印象的だ。

WWD:地球上のさまざまな課題と接する中、ファッションにはどんな力があると思うか?

シェルバ:「ユニクロ」にはライフウエアというコンセプトがあり、あらゆる人のための普段着を作っている。私たちは「救援物資」という言葉を使ってしまうが、もらった人たちに取っては1枚の服。人間としての尊厳を表すものが服。受け取った服を「あなたにはこれが似合う」と交換するなど、自己表現にもなっている。有事の際には、もちろん生命を維持する水や食べ物の方が必要だが、着替えることでリフレッシュしたり気持ちを高揚させたりするパワーが服にはあると、現場を見てきて強く思う。

 「UT」の平和を願うチャリティーTシャツプロジェクト「ピース・フォー・オール(PEACE FOR ALL)」もそうだが、お客さまとサステナビリティのタッチポイントのような存在、社会課題に結びつく商品の伝え方は小売業ならではと思う。

グローバルビジネスで企業姿勢を表すCSRを推進は不可欠

WWD:「支援」は企業にとってどんなメリットがあるのか?もしくは「支援」はメリットを求めることではないのか?

シェルバ:海外進出を進めた頃、社長の柳井は各国の要人と会う際に「あなたの会社はうちの国にどう貢献しますか?」と問われることが多く、「良い服を手ごろな価格で提供します」というだけでは話にならないと感じたと聞いている。それもありグローバルビジネスで企業姿勢を表す際にCSRを推進することが不可欠であるという考えから05年に社会貢献室をCSR部に改組するとともに、CSR委員会を立ち上げた。「支援」、「難民問題」という表現は上から目線に聞こえるかもしれないが、やはりそこは地球市民の責務であり、社会課題を解決することが企業の役割のひとつだと思う。

WWD:世界でさまざまな立場の人と接する仕事だが、コミュニケーションをする際に意識していることは?

シェルバ:話す以上に、聞く方が大事だとは思う。相手が国連の人でも難民の人でも従業員でもそう。何を考え、何を必要としているかを聞く。そして全部聞いた上で「これはできるけど、これはできない」とロジカルに伝える。人間だから、つい当たり障りのない返答をしそうになるが、中途半端な期待を残さないことも大事で相手がどんな立場でもそこはぶらさない。

WWD:依頼を受けることは多いだろう。

シェルバ:難民キャンプで「しかるべき人に届けてほしい」と嘆願書を渡されたことがあったが、私たちにはできないことだからお断りをした。本当に悲しいこと。難民の方たちは自分の意志とは関係なく難民という立場に置かれている。「自分にはパスポートがない、帰る家がない」と聞いて、何も答えられなかったこともある。

 東日本大震災のときの経験も胸をえぐられた。津波の被害があったエリアとなかったエリアの境に避難所があったため、被災していない人も服を持っていったため、大ごとに。間に入ってくれる機関もなかったから、自分たちで即座に優先順位を決めて「波をかぶった人から配ります」と伝えたのだが、公平の中にも優先順位が必要なわけで、学びが大きかった。

WWD:みんなに、は難しい。

シェルバ:平等でないから、全員に渡せないからやらない、ではなく、必要な人にはやはり渡したいのが私たちの思いだ。

WWD:これから関わりたいことは?

シェルバ:リサイクル素材などの採用、責任ある調達など商品に紐づいた情報発信をより積極的に実施していくことで、透明性の向上やお客様によりわかりやすく伝えることを心掛けていきたい。その際に、自社がやっていることを一方的に伝えるのではなく、お客様にも参加いただける機会を増やしながら、活動の輪を広げていきたいと思う。 ユニクロは現在、25の国と地域で店舗を展開しており、商品、店舗、従業員がサステナビリティのタッチポイントとなって、サステナビリティがお客様にとって身近なものとなるよう取り組んでいきたい。

WWD:多彩な情報に触れる仕事だが、日々の情報収集方法は?

シェルバ:歴史が好きで、司馬遼太郎が好き。組織論や普遍的な人間の立ち振る舞い、愚かさは彼が先生だ。時事ニュースは流しっぱなし。ソーシャルはあまり見ない。一喜一憂したくないから。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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「ユニクロ ユー」の秋冬コレクションが9月16日に発売 シーズンレスでミニマルな48型

 ユニクロは、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)率いるパリのデザインチームによる「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」の2022秋冬コレクションを9月16日に発売する。アイテムはウィメンズ21型、メンズ23型、小物や雑貨4型をそろえ、価格はシャツが2990円(税込、以下同)、ニットやボトムスが3990円〜、アウターが7990円〜。フルラインアップは105店舗とオンラインストアで取り扱い、一部商品を国内全店舗で販売する。

 今季のコレクションでは、ミニマルでありながらも機能性を備えたアイテムをそろえた。アウターはロングコートや、ワークウエアに着想したショートブルゾンなど、ジェンダーを問わないラインアップを展開。ウィメンズは着回しやすいステンカラーコートやウールニット、メンズライクなシャツなどをそろえた。メンズはアウトドアにまで使えるラインアップにこだわり、トップスはウールやフランネル、コットンジャージー素材を採用したものを展開。定番のチノパンツはワイドテーパードシルエットを採用した。

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「ユニクロ ユー」の秋冬コレクションが9月16日に発売 シーズンレスでミニマルな48型

 ユニクロは、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)率いるパリのデザインチームによる「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」の2022秋冬コレクションを9月16日に発売する。アイテムはウィメンズ21型、メンズ23型、小物や雑貨4型をそろえ、価格はシャツが2990円(税込、以下同)、ニットやボトムスが3990円〜、アウターが7990円〜。フルラインアップは105店舗とオンラインストアで取り扱い、一部商品を国内全店舗で販売する。

 今季のコレクションでは、ミニマルでありながらも機能性を備えたアイテムをそろえた。アウターはロングコートや、ワークウエアに着想したショートブルゾンなど、ジェンダーを問わないラインアップを展開。ウィメンズは着回しやすいステンカラーコートやウールニット、メンズライクなシャツなどをそろえた。メンズはアウトドアにまで使えるラインアップにこだわり、トップスはウールやフランネル、コットンジャージー素材を採用したものを展開。定番のチノパンツはワイドテーパードシルエットを採用した。

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「ア ベイシング エイプ®」と「アー・ペー・セー」が初コラボ 特別な“ベイプカモ”やデニムを使った商品を発売

 「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は「アー・ペー・セー(A.P.C.)」と初コラボし、メンズ・ウィメンズ・キッズからなるコレクションを9月3日に発売する。「ア ベイシング エイプ®」の取り扱い店舗および公式オンラインストアで扱う。

 同コレクションは、コーチジャケット(3万8500円税込、以下同)やスエット(メンズ・ウィメンズ2万6400円、キッズ1万4300円)、Tシャツ(メンズ・ウィメンズ1万3200円、キッズ6600円)、バッグ(2万3100円)、キーホルダー(4400円)などからなり、迷彩柄の中に“A”“P”“C”の文字を溶け込ませた特別な“ベイプカモ”を作成したり、両ブランドのロゴを重ねたタグを作ったり、コラボならではのアクションを行う。

 ほかにも、「ア ベイシング エイプ®」のアイコンである“ベビーマイロ”と「アー・ペー・セー」のロゴを組み合わせたグラフィックをプリントした商品や、「アー・ペー・セー」を象徴するデニムを使ったジャケット(5万7200円)やパンツ(3万5200円)も販売する。

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「ア ベイシング エイプ®」と「アー・ペー・セー」が初コラボ 特別な“ベイプカモ”やデニムを使った商品を発売

 「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は「アー・ペー・セー(A.P.C.)」と初コラボし、メンズ・ウィメンズ・キッズからなるコレクションを9月3日に発売する。「ア ベイシング エイプ®」の取り扱い店舗および公式オンラインストアで扱う。

 同コレクションは、コーチジャケット(3万8500円税込、以下同)やスエット(メンズ・ウィメンズ2万6400円、キッズ1万4300円)、Tシャツ(メンズ・ウィメンズ1万3200円、キッズ6600円)、バッグ(2万3100円)、キーホルダー(4400円)などからなり、迷彩柄の中に“A”“P”“C”の文字を溶け込ませた特別な“ベイプカモ”を作成したり、両ブランドのロゴを重ねたタグを作ったり、コラボならではのアクションを行う。

 ほかにも、「ア ベイシング エイプ®」のアイコンである“ベビーマイロ”と「アー・ペー・セー」のロゴを組み合わせたグラフィックをプリントした商品や、「アー・ペー・セー」を象徴するデニムを使ったジャケット(5万7200円)やパンツ(3万5200円)も販売する。

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「ヨシオクボ」が東コレで見せたダイナミズムの“究極系” ベテランの決意と未来への第一歩

 久保嘉男デザイナーによる「ヨシオクボ(YOSHIOKUBO)」が、2023年春夏コレクションのショーを東京・渋谷のイベントホール「ベルサール渋谷ファースト」で開催した。「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」冠スポンサーの楽天が実施する支援プロジェクト「バイアール(by R)」のサポートによるもので、6月のパリ・メンズ・ファッション・ウイークでオンライン形式で披露した23年春夏コレクションをベースに、新作を加えて再編集した東京独自の内容だ。

 ショー直前のバックステージで、久保デザイナーは意外な言葉を口にした。「今回で、これまでのようなショーの形は一旦休憩するつもり。ファッションを夢見て、憧れて、情熱をかけてブランドをやってきた中で、ショーという形態を疑ったことはなかった。でも今、SNSで服の情報が溢れる中、既存のショーという形式にみんなが慣れすぎちゃっている。デザイナーの僕でさえ情報が多すぎると思っている。一歩引いて、服の見せ方と、服作りそのものを見直そうかなと。『バイアール』はそれにふさわしい舞台やし、これまでの『ヨシオクボ』の究極系のショーにしたい」。

ぼんやり浮かぶ人魂を
“透ける”ギミックで表現

 広々とした会場には、巨大な白い幕が吊るされていた。幕の向こう側でぼんやりとした青いシルエットが浮かび上がると、その独特な動きに魅了される。コレクションピースをまとったダンサー、KELOによるパフォーマンスだ。ダンスが終わると会場が暗転し、ランウエイショーが開幕した。シーズンテーマは、夜に浮遊する火の玉を意味する“人魂(ひとだま)”だ。

 ウエアは、ブランドの持ち味であるスポーティーなスタイルを軸に、オーガンジーやメッシュなどの“透ける”生地を多用し、宙に浮かぶ人魂を表現した。オーガンジーをたっぷりと使い、ボーンを入れて獣のような構造を作ったドレスや、同じくオーガンジーによる球体のようなフォームのブルゾンなど、ダイナミックなシルエットに振り切ったコレクションピースを連打する。一方で、身頃やヨーク、袖の一部をメッシュで切り替えたブルゾンや、全面をメッシュで作ったオーバーサイズのトップスなどのリアルクローズも登場した。いくつかのルックには、ヘアメイクアップアーティストの奥平正芳が制作した、妖怪の頭のようなヘッドピースを組み合わせて、奇想天外な世界観を強調した。

 メッシュに刺しゅうされた英字は、一見クールなスラングかと思いきや、“SHIRANGANA(知らんがな)”をはじめとする大阪弁だった。「アメリカに長くいたのに、今でも大阪弁が抜けんのは、僕の揺るがないアイデンティティーやから」と、久保デザイナー。さらに、しめ縄を彷彿とさせるテキスタイルや竹やぶのようなグラフィックといった“和”の要素や、NFTを想定した風船のように膨らむ構造など、ここ数シーズンで挑戦してきたクリエイションの要素を詰め込み、全54体の壮大なコレクションを完成させた。フィナーレではモデルたちが幕の裏側を歩き、ダイナミックなシルエットを印象付けた。

 ショー後の久保デザイナーの表情は晴れやかだった。「ブランドをやめるわけじゃないですよ(笑)。あくまで、服作りの方向性を変えて、新しいチャレンジをしようと決めただけ。服は今も好きやし、これからも作り続けたい。さらに芯の食った服作りを目指していきます」。

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着想源はミニトマト!? スタートアップが作る環境に優しいパッケージ&サンプリング手段4選

 コスメのパッケージはプラスチックかガラスだけだろうか?そして、外箱は使い捨てる以外にないのだろうか?現在は貝殻、海藻、野生の植物、紙など、さまざまな原料を用いた容器やサンプリング手法が生まれている。4つのスタートアップを紹介する。

ミニトマトを再現したノップラ

 ノップラ(NOTPLA)は、「パッケージを消してしまおう」を謳う。持続可能な包装資材を開発するスタートアップ企業は、使い捨てプラスチックに代わるパッケージの普及を目指す。2014年、ロドリゴ・ガルシア・ゴンザレス(Rodrigo Garcia Gonzalez)とピエール・パスリエ(Pierre Paslier)が学生の時に起業した。

 ノップラのマーケティングを担当するマルゴー・ダゲール(Margaux Deguerre)は、「液体をカプセルに閉じ込める方法を考えたとき、彼らは自然からインスピレーションを受け、ミニトマトを再現した」と言う。ノップラは、その名のとおりプラスチックではない素材、つまり海藻や植物といった、数週間で生分解されるものでできたパッケージをつくっている。

 現在は多くのスポーツイベントやフェスに協賛し、食品容器を生分解仕様にするコーティング事業にも挑戦。海藻の繊維を使ったノップラペーパー、オイルを内包できるノップラ ピペットなども開発した。後者は水で溶けるため、使い切りシャンプーなどの容器に使用できる。マーケティング担当のダゲールは、「化粧品業界にも関心を抱いている」という。

100回繰り返し可能なアイディ・セント

 アイディ・セント(iD SCENT)は、「におい」の商品化を考えた。香水のサンプリングを改革するのがねらいだ。

 新たなテクノロジー、「センティスト」は、100%リサイクルできる紙に香水を含ませる。空気を圧縮させることで、香りを紙の繊維になじませるのだ。この方法を使うと、揮発しないアルコールフリーの香水なら数カ月から数年に渡って香りを楽しめる。

 「ゲラン(GUERLAIN)」の“アクアアレゴリア ネロリア ベチバー”のサンプルは、香水のびんをイメージした紙の形で配られた。サンプルの上についている帽子のような部分を上に向かって引っ張ると、白いスティック上のサンプルが出てくる。このサンプルは、理論上は100回以上繰り返し使用可能だ。

 10年前に始まったアイディ・セントは、サンプルを多くの人々が共有できるように作られた。フランスのブロンを拠点とし、自国で再生可能で環境に配慮した紙を生産している。

食感、見た目、匂いを再現するオーガノイド

 オーガノイド・テクノロジー・ゲーエムベーハー(ORGANOID TECHNOLOGY GmBH以下、オーガノイド)は、商品の触り心地、見た目、においの再現をこだわり抜いている。ディレクターのアルプ・ベアール(Alp Behar)は、「オーガノイドが作ったサンプルの表面に触れても、まるで本物のバラの花びらに触れたり、香りを感じているように錯覚するでしょう」と説明する。オーガノイドは、フランス、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、イスラエルといった国々に向けて販売している。

 オーガノイドは、オーストリアのフリースで2018年に設立された。商品はすべて、カーボンニュートラルに取り組む、同国にあるチロルの山脈でつくられている。

 べアールは、「オーガノイドは、コスメの販売に向いている」という。家具と一緒にディスプレイしたり、別の商品に同梱したりのサンプリングに向いているという。

 またオーガノイドは、スキンケア用品やエッセンシャルオイルのような物質を貯蔵する役割を果たす天然の苔を使った、肌に貼るパッチ、ナットパッド(NatPad)という商品のために子会社もつくっている。ナットパッドは、オーガノイドの表面にもつけることができる。

廃棄される貝殻を地元で消費するマラキオ

 マラキオ(Malakio)は、魚介類の殻をレストランから直接集めている。それらを押しつぶして、天然の粘結剤と混ぜるためだ。ローテクな作り方だからこそ、「二酸化炭素の排出を抑えることができる」と共同創設者であるヒューゴ・ケルマレック(Hugo Kermarrec)は言う。

 マラキオは、再利用した素材を使った食器やインテリアの販売から家具の製造へと事業を拡大。現在は、コスメのパッケージを手がけている。マラキオの製品に使われている素材には隙間があるため、クリームやパウダー、水性のコスメを収めるのに適している。

 マッスル貝や牡蠣、帆立貝の貝殻は、様々な色に変わる。「自然に着色できるのも特徴」とケルマレックは語る。現在はフランスのナントに拠点をおくが、もともとは同国のブルターニュで2020年に設立された。

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長濱ねるが東コレのエコバッグデザインに挑戦 SDGsレポーター就任で感じた変化

 2022-23年秋冬シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」のSDGsレポーターである長濱ねるが29日、「RFWT」公式会場の表参道ヒルズで合同取材に応じ、サステナブルなどについて語った。

 長濱は「もともと好きなブランドでした」という、「フェティコ(FETICO)」のチュニックを着用。「エレガントでかっこよく、肌見せをポイントに個性を出せるので、日常でも、ドレスアップしたい場面でも使える。ショーを見ていても“着たい!”と思う服が多かったです」と語った。

 また、「RFWT」のSDGsレポーターに就任して3シーズン目を迎え、持続可能な取り組みが以前よりも身近になっている実感があるという。「就任当初は、SDGsに貢献していることで知られているブランドはいくつかあった印象でしたが、今はどのブランドにとっても当たり前になりつつある。消費者が意識せずにたまたま選んだのが、環境に配慮した服だったという風に変わってきています」。

 さらに長濱は今シーズン、リポーターに加え「RFWT」の公式エコバッグをデザインしており、素材やデザインについてのこだわりも語った。「エコバッグは石川県のファブリックメーカー、小松マテーレと作ったもので、マスクを作るときに四角く切り抜く工程で余った切れ端を再利用しています。石川県の工場で布の染色の工程を見て、どうしても大量の水が必要であることを知り、その中でどのようにSDGsと両立していけるのかと考えて制作しました」。

 今後楽しみにしているショーは「たくさんありますけど、『アンリアレイジ(ANREALAGE)』や『フミエタナカ(FUMIE TANAKA)』は特に楽しみです」とし、鑑賞し終えたばかりの「『ケイイチロウセンス(KEIICHIROSENSE)』は先ほど初めて見て、すごく感動しました。こういうフィジカルのショー体験はやはりいいですね」と述べた。

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「アミリ トーキョー」誕生 新天地で描く次世代のラグジュアリー

 米ロサンゼルスを拠点とする「アミリ(AMIRI)」が、東京・南青山に旗艦店をオープンした。直営店は世界6店舗目で、アジアでは中国・上海に次ぐ2店舗目だ。マイク・アミリ(Mike Amiri)CEO兼クリエイティブ・ディレクターは、同店を「真のラグジュアリーへのステップアップには欠かせない」と位置づける。メゾンが愛するLAのムードを保ちながら、日本の伝統技術を各所に取り入れて、誰もまねできないクリエイティビティーを探求する「アミリ」の世界観を体現する。

“僕らは新たなステージへと
駆け上がる”

WWD:東京への出店を決めた理由は?

マイク・アミリ(以下、アミリ):東京はファッションの多様性を代表する街で、個性とクリエイティビティーに溢れている。メゾン設立当初からとても重要なマーケットで、出店は念願だった。ここに来れば、われわれがどんなメッセージを込めてものづくりを行っているかを理解できるはずだ。より多くのユーザーに、メゾンを知ってもらうきっかけになってほしい。

WWD:「アミリ」が掲げる“次世代のラグジュアリー”とは?

アミリ:従来のメゾンが大切にしてきた伝統やヘリテージを持ち合わせながら、新しいカルチャーと密接につながり、社会を代弁するような存在だ。現代社会では新たなシーンが次々に登場し、刺激が生まれ続けている。若い世代にもラグジュアリーのストーリーを伝えるには、彼らとの対話を持ち続けなければいけない。「アミリ」はものづくりへのピュアな欲求から始まったが、クリエイションと向き合い、メゾンの世界観を築いていくうちに、“次世代のラグジュアリー”へと変わっていった。

WWD:間もなく立ち上げる2022-23年秋冬コレクションのこだわりは?

アミリ:店舗のアートも手掛けてくれたウェス・ラング(Wes Lang)との協業だ。あらゆる画材とテクニックを思いつくままに操る彼の姿を見て、アートワークを単にグラフィックとして採用するのではなく、服をキャンバスに見立てて、刺しゅうやジャカード、ペイント、色落ち加工など、さまざまな技法で表現していった。ぜひ店舗で重層的なクリエイションを目の当たりにしてほしい。

WWD:6月に発表した23年春夏コレクションでは、テーラードを強く打ち出した。

アミリ:次世代のラグジュアリーに大切なのは、いろんな側面を常に取り入れること。だから、「アミリ」が持つカジュアルなムードと着心地の良さをテーラードにミックスした。ブレザーだったら、ライニングやつなぎの部分を外して軽くしてみたり、ウール素材にビンテージ加工をして古いTシャツのような質感にしたり。コアなファンのほか、新たなユーザーからの手応えも大きい。

WWD:メゾン設立から8年がたった。今後の展望は?

アミリ:短期間でこれだけ成長できたのは、自分たちがどんなメゾンかを明確にして、メッセージを届けてきたから。誰もまねできないオリジナルなインスピレーションとオーセンティックなイメージをそのままに、メゾンの間口を広げて、大きな夢を描き続けたい。「アミリ トーキョー」とともに、新たなステージへと駆け上がっていく。

ガラス張りの心地よい空間に
自然の豊かさをプラス

 「アミリ トーキョー」は、店舗面積204㎡で2フロア構成だ。1階は自然光がたっぷりと注ぐ全面ガラス張りの空間で、コンクリートをベースにしたシンプルな設計。つり下ろし式のハンガーラックなどで要素を削ぎ落としながら、大理石の什器やオーク材の台、観葉植物をミックスして、自然の豊かさを表現した。シルクシャツやデニムといった定番アイテムをはじめ、バスケットボールをモチーフにしたバッグやレザーグッズ、フットウエアなどのメンズコレクションを集積する。店内各所には、アミリの友人であり、2022-23年秋冬コレクションで協業したアーティスト、ウェス・ラングによる描き下ろしのアートワークを設置。LAから世界に名を広めた同氏の作品が、同じくLAから次世代のラグジュアリーを伝える「アミリ」と共鳴する。

盟友による大型アートワークがお出迎え
常設店初のウィメンズコーナーも

 2階は、ローソファーや彫刻のようなテーブルなど、洗練された家具をゆったりと配置し、リラックスした空間を演出した。中央に敷いた市松模様のラグが、日本の伝統と温もりを感じさせる。ウェス・ラングが東京店のために制作した大型のアートワークが目を引く中央のコーナーには、メゾンの最新アイテムやカプセルコレクションをラインアップ。ウィメンズコーナーも充実し、ブラウスやコートといったウィメンズアパレルと、スニーカーやレザーグッズなどを用意する。上層階の外装は、黒漆喰を日本伝統の左官工法で仕上げ、ガラス張りの下層とのコントラストを生み出している。

東京店限定のアイテムたち

 「アミリ トーキョー」限定のカプセルコレクションも販売。メゾンの象徴的なデザイン“ボーンスタック”を、日の丸に着想した赤と白でアレンジして、フーディーやTシャツ、スエット、トランクス、ハットに落とし込んだ。

INFORMATION

住所:東京都港区南青山5-3-27
時間:11:00~20:00
不定休

PHOTOS:AMIRI, SHUHEI SHINE
問い合わせ先
アミリ/スタッフ インターナショナル ジャパン
クライアントサービス
0120-106-067

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「コーチ」が新コレクションを記念したイベント開催 kemioによるビデオガイドやライブ演奏など

 「コーチ(COACH)」は9月3〜11日、2022年フォール・コレクションの発売を記念したイベント“サムウェア イン アメリカ(Somewhere in America)”を東京の表参道バツアートギャラリーで開催する。

 想像上のアメリカの郊外の町にインスパイアされた同イベントでは、アップカミングなアーティストによるライブ演奏や、クラフツマンシップを感じられるプレゼンテーション、アメリカの郊外の町からインスパイアされたスイーツの提供など、さまざまなコンテンツを用意する。また、動画クリエイターkemioが登場する、会場でのみ視聴可能なスペシャルビデオガイドも公開。入場無料で、参加は公式HPから要予約。

 同コレクションでは、シアリングやレザーのアウターウエアをはじめ、新作バッグ“バンディット(Bandit)”や、グラフィティアーティストデュオのミント&サーフ(Mint&Serf)とのコラボレーションによるアートワークを施したアイコンバッグ“ローグ(Rogue)”などが登場する。

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「ららぽーと堺」11月8日開業 目玉は1400人観覧の屋内スタジアムコート

 三井不動産が大阪・堺に建設中の郊外型ショッピングモール「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」の開業日が11月8日に決まり、施設概要などの説明会が29日、現地で行われた。

 地上3階建ての店舗棟は約9万200平方メートルで、そのうち店舗面積は約5万平方メートル。ファッションからインテリア、日用品、食物販、レストラン・カフェまで212店舗が出店する。関西初出店33店を含む97店が堺市初出店。他のららぽーとの施設に比べて飲食の構成比率が高めで、フードコートのテナントを含めると飲食店は全体の2割を占める。多様化するニーズに対応し、食事や買い物だけでなく、イベントを通じた新しい体験を提供することをめざす。

 中でも注目は1階中央の吹き抜け空間に設けた屋内型スタジアムコート「ファンスタクロススタジアム」。Xスポーツやダンス、3人制バスケットボールの3×3(スリーエックススリー)などのスポーツイベントのほか、音楽ライブやeスポーツなど幅広いエンターテインメントベントが開催され、約1400人の観覧が可能だ。中央には国内商業施設の屋内型ビジョンとしては最大級の横型メインビジョン、2階壁面には全長58.5mのリボンビジョンが設置されたほか、本格的な音響・照明設備を完備し、本物のスタジアムさながらの臨場感を演出する。

 スタジアムコートを取り囲むように、階段ベンチ席を含む約380席を有するフードホール「サカイ フード スタジアム」が併設され、イベントを観覧しながら飲食を楽しめるのも大きな特徴。スタジアムコート全体では2500平方メートルの広さとなる。飲食ゾーンとしては、3階にエリア最大級の1400席を有し、20店舗がそろうフードコート「サカイ フード キッチン」、2階には堺市初出店の「エッグスンシングス」や「京鼎樓」などが集結する「サカイ フード ストリート」が登場。フードコートには、イベントやお誕生日会などに利用できるレンタルスペースやキッズスペース、コンセント付ブース席を備えたコワーキング&カフェゾーンも併設し、地域コミュニティ拠点としての機能も備えた。

 北西のエントランス前には、屋外広場「ミハラパーク」が広がり、子供用遊具のある「プレイゾーン」や、イベント時にスポーツが体験できる「アーバンスポーツゾーン」などを設ける。ほかには、音楽ゲーム「太鼓の達人」の世界観を用いて堺の街や地域の祭りを表現した日本初のアミューズメントエリア「ナムコ 太鼓の達人毎日おまつりだドン!(仮称)」や、赤ちゃん絵本「しましまぐるぐる」がテーマの遊び場「しまぐるランド」、アニマルテーマパーク「モフ アニマルカフェ」など、体験型のエンタテインメント店舗が充実している。

 ららぽーと堺は、関西エリアのららぽーとの施設としては4施設目。施設が立地する堺市美原区は、堺と大阪南部、奈良県中部をつなぐ交通の結節点としての役割を担い、阪和自動車道の美原南ICからも近い。商圏エリアは堺市、大阪市、大阪東部、大阪湾岸エリア、奈良西部を想定する。ららぽーとの基本商圏は10キロ圏内だが、本格的なイベント開催を経常的に行うことで広域からの集客を狙う。

 イベント空間を集客の目玉にした理由について、同社の商業施設本部リージョナル事業部の小野寺弘康氏は「スタジアムコートを核にしたのはチャレンジでもあるが、ECの時代だからリアルの価値や施設に足を運んでもらうことの唯一無二性を大事にしていきたい。そこを担保しながら、リアルとデジタルを融合したイベントも検討していく」と話している。

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「GU」が1万5000円以下で1週間の通勤服を提案 働く女性向けの新キャンペーン

 ファーストリテイリンググループの「ジーユー(GU)」はこのほど、働く女性を応援するキャンペーン「ジーユー 1ウィーク ワードローブ(GU 1week Wardrobe)」を公式オンラインストアで開始した。

 同キャンペーンは、コロナ禍によって生じた通勤服の悩みを解決するため、働く女性に向けてファッション性・着まわし・低価格をテーマに1週間(平日5日間)のワードローブを税込1万5000円以下で提案するもの。ジーユー銀座店では、通勤電車をイメージした展示とともに、1週間の着まわしコーディネートを提案するポップアップを9月25日まで開催する。期間中、コーディネート一式を購入すると、先着300人に“マシュマロパンプス”1足をプレゼントする。

 「ジーユー」の調査によると、コロナ禍以前と比較してコロナ禍中の支出で減少したものとして、「交際費」「娯楽費」「被服費」がトップ3にランクイン。被服費が減少したと答えた人のうち、1カ月あたりの被服費平均額は、コロナ禍以前は1万2291円だったのに対し、コロナ禍中は5882円と半額以下にまで大幅に減少したことが判明した。また、コロナ禍で約4割の人が「リラックスした雰囲気の服が多くなった」とし、約2割が「トレンドの服がない」「通勤服が不足している」と回答した。さらに、半数以上が「着まわしやすさ」を通勤服に求めており、次いで「価格」や「着心地」 を求め、低価格ながらも着まわしできるアイテムが重要視されている傾向が明らかになった。「コロナ禍以前と比較した通勤服やファッションに関する調査」として、全国20代~50代の女性500人にインターネット調査を8月10〜15日に行った。

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「ディオール」が再生型花栽培を中心とする新サステナビリティ計画「BEAUTY AS A LEGACY 2030」を策定

 「ディオール(DIOR)」はこのほど、持続可能な事業活動の促進に向けたロードマップ「BEAUTY AS A LEGACY 2030」計画を発表した。再生型花栽培に投資し、バリューチェーン全体を通じて生物多様性保護と地域コミュニティーへの悪影響の軽減に取り組む。

 同計画は、再生型花栽培、気候変動への取り組み、エコデザイン、責任ある原料調達と透明性、文化的責任の5つの活動で構成する。「ディオール」では、生態系の保全における花々の役割を重視。ローラン・クレットマン(Laurent Kleitman)社長兼最高経営責任者は、「花々は昆虫や鳥類、哺乳類よりはるかに早く絶滅に直面すると報告されている」と指摘し、花をサステナビリティ戦略の先頭に据える。再生農業に特化した世界最大の組織ヘクター(HECTAR)とパートナーシップを組み、2023年までに教育プログラムを開始する。新規事業開発の支援団体や研究プログラムを取り上げ、科学的な研究機関と連携して、生態系における花農業の影響の調査や他農業との相乗効果の研究を行う。

 気候変動への取り組みでは、バリューチェーン全体の二酸化炭素排出量を削減すべく科学的根拠な基づく目標を設定。30年までに19年比で46%削減を目指す。そのほかエコデザインや透明性の活動では、28年までに化石原料由来のプラスチックの使用停止、公式サイトにおける成分や配合目的の掲載、ブランドコミュニケーションを通じた多様性の支持、女性が活躍できる組織政策の強化、生産者の専門知識の認知と評価向上に注力する。

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「シーイン」が著作権侵害トラブル 訴えたアーティストは「何度も同じことが起きていて見過ごせない」

 ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのジェニファー・スターク(Jennifer Stark)は24日、「シーイン(SHEIN)」がスタークの著作権を侵害したとして、運営会社のシーイン ディストリビューション グループ(SHEIN DISTRIBUTION GROUP)に対して損害賠償を求めて提訴した。26日時点では「シーイン」側は答弁書を出しておらず、コメントも得られなかった。

 訴状によると、スタークが2014年に米国著作権局に登録した“Meltdown”、15年に登録した“Drip Cascade”、そして17年に登録した“Chromatic Cascade”の3作品の著作権を「シーイン」が侵害したと主張する。“Meltdown”は、マイアミ国際空港内の壁画アートにも使用されているデザインだ。

 スタークは「アート界にとって、見過ごせないほど多くの問題が起きている。われわれは立ち上がる必要があった。なぜならこれまでに何度も同じことが起きており、これに終止符を打つ必要があるからだ」とコメントを発表している。

 「シーイン」の権利侵害をめぐる裁判はこれまでにも数多く起きている。6月にはアーティストのマギー・スティーブンソン(Maggie Stephenson)が「One is good, more is better」と題した作品の著作権侵害などを主張して提訴。そのほかにも「ステューシー(STUSSY)」や「ドクターマーチン(DR. MARTENS)」などのブランドとも商標権侵害をめぐって係争中だ。

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「シーイン」が著作権侵害トラブル 訴えたアーティストは「何度も同じことが起きていて見過ごせない」

 ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのジェニファー・スターク(Jennifer Stark)は24日、「シーイン(SHEIN)」がスタークの著作権を侵害したとして、運営会社のシーイン ディストリビューション グループ(SHEIN DISTRIBUTION GROUP)に対して損害賠償を求めて提訴した。26日時点では「シーイン」側は答弁書を出しておらず、コメントも得られなかった。

 訴状によると、スタークが2014年に米国著作権局に登録した“Meltdown”、15年に登録した“Drip Cascade”、そして17年に登録した“Chromatic Cascade”の3作品の著作権を「シーイン」が侵害したと主張する。“Meltdown”は、マイアミ国際空港内の壁画アートにも使用されているデザインだ。

 スタークは「アート界にとって、見過ごせないほど多くの問題が起きている。われわれは立ち上がる必要があった。なぜならこれまでに何度も同じことが起きており、これに終止符を打つ必要があるからだ」とコメントを発表している。

 「シーイン」の権利侵害をめぐる裁判はこれまでにも数多く起きている。6月にはアーティストのマギー・スティーブンソン(Maggie Stephenson)が「One is good, more is better」と題した作品の著作権侵害などを主張して提訴。そのほかにも「ステューシー(STUSSY)」や「ドクターマーチン(DR. MARTENS)」などのブランドとも商標権侵害をめぐって係争中だ。

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「ヨシオクボ」2023年春夏東京コレクション

 「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」が2023年春夏コレクションを発表した。

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「ヨシオクボ」2023年春夏東京コレクション

 「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」が2023年春夏コレクションを発表した。

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高島屋×「ホワイトマウンテニアリング」の第2弾 “循環”をテーマに7商品をラインアップ

 高島屋のセレクトショップ「CSケーススタディ」は、「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」とのコラボ第2弾となるカプセルコレクションを8月31日に発売する。

 同コレクションは7商品からなり、高島屋限定で扱う。価格は、裾のドローコードでシルエットを変えられる製品染めのコーチジャケットが4万6200円(税込、以下同)、3タックのテーパードパンツが4万1800円など。高島屋のサステナブルプロジェクト“デパート デ ループ”に基づくもので、JEPLAN(ジェプラン、旧日本環境設計)の衣料品再生プログラム“ブリング”を活用して、不要時には高島屋が店頭で回収。繊維の原料などに再資源化して循環させる。

 Tシャツの胸にもプリントするトレードマークについて相澤陽介「ホワイトマウンテニアリング」デザイナーは、「テキスタイルは糸が重なり合って1枚の布となる。それは、とても時間のかかる作業だ。そして“ブリング”は、服をあらためて糸や布に循環させるため、さらに手間と時間がかかる。しかし服の未来を考える際、非常に重要なアクションであり、服を着る人の意識にもつながっていくはず。そこでトレードマークは、“循環”をコンセプトに製作した」と話す。

 CSケーススタディは、2021年に20周年を迎えた。

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今更聞けない「映え」の意味とは 考えたい言葉 vol.28

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第28弾は、【映え】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

若手2人が考える【映え】

 「映(ば)え」は、映(は)えるという動詞が連濁化して、見栄えの良いものを表現する言葉。若者を中心にSNSや写真、目にしたときに全体的に良く写っている状態などを指すものとして「映え」という概念が普及するようになった。2017年の流行語大賞にノミネートされている。風景やスポット、食べ物など、写真に残したときに美しいものを対象に使う。

 一方、映えることを優先して、その瞬間や食べ物の場合はその味などを楽しんでいないのではないかという批判の意を込めて、「インスタ蝿」という言葉で「映え」を楽しむ人を揶揄する言葉も生まれた。ただ、実際に「映え」の対象を粗末にする人は先行するイメージほど多くはなく、「映え」を楽しむことがその瞬間を楽しむ文化として浸透している。

 2017年ごろの「映え」は、建物にフォトスポット的アレンジを加えたものなど、作られた場所が主流だった。トレンドのスポットやものとして多くの人が同じものを「映え」の対象としていた。しかし22年現在は、自分達でアレンジ・カスタマイズできるものや、生活の延長にあるような、余白のある「映え」が人気となっている。例えば、推しの名前を入れられるドリンクを撮ったり、あえて「うんこミュージアム」に行ったりするなど、自分の美的価値観を表現するようになっている。

【ポッドキャスト】

「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。

ポッドキャスト配信者

ソーンマヤ:She/Her。翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

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今更聞けない「映え」の意味とは 考えたい言葉 vol.28

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第28弾は、【映え】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

若手2人が考える【映え】

 「映(ば)え」は、映(は)えるという動詞が連濁化して、見栄えの良いものを表現する言葉。若者を中心にSNSや写真、目にしたときに全体的に良く写っている状態などを指すものとして「映え」という概念が普及するようになった。2017年の流行語大賞にノミネートされている。風景やスポット、食べ物など、写真に残したときに美しいものを対象に使う。

 一方、映えることを優先して、その瞬間や食べ物の場合はその味などを楽しんでいないのではないかという批判の意を込めて、「インスタ蝿」という言葉で「映え」を楽しむ人を揶揄する言葉も生まれた。ただ、実際に「映え」の対象を粗末にする人は先行するイメージほど多くはなく、「映え」を楽しむことがその瞬間を楽しむ文化として浸透している。

 2017年ごろの「映え」は、建物にフォトスポット的アレンジを加えたものなど、作られた場所が主流だった。トレンドのスポットやものとして多くの人が同じものを「映え」の対象としていた。しかし22年現在は、自分達でアレンジ・カスタマイズできるものや、生活の延長にあるような、余白のある「映え」が人気となっている。例えば、推しの名前を入れられるドリンクを撮ったり、あえて「うんこミュージアム」に行ったりするなど、自分の美的価値観を表現するようになっている。

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ソーンマヤ:She/Her。翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

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