この正月は“ちいかわ”の着ぐるみで寝正月だっていいじゃない!? ヴィレヴァンが公式ECで販売中

 ヴィレッジヴァンガードは公式オンラインストアで、“ちいかわ”の着ぐるみシリーズを販売中だ。

 サザック(大阪、田中正良社長)が製作したもので、“ちいかわ”“ハチワレ”“うさぎ”の3種類を用意する。価格は各6050円(税込)。素材はふわもこの“サンゴマイヤー”で、しっぽもかわいい。サイズはフリー(着丈150×身幅64×袖丈57.5cm)。“ちいかわ”になりきるもよし、パジャマ代わりに着用して寝正月するもよし。

 “ちいかわ”は、イラストレーターのナガノによるキャラクターおよび漫画・アニメ作品で、「なんか小さくてかわいいやつ」の略称。

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オーストラリア発自然派スキンケア「スノー フォックス スキンケア」から夜用スキンケア登場 質の⾼い眠りと美肌の関連に着目

 オーストラリア生まれの敏感肌・年齢肌・肌荒れ向けに開発されたハイブリッド型スキンケアブランド「スノー フォックス スキンケア(SNOW FOX SKINCARE)」は2023年2月20日、夜用スキンケア「フレンチ ガーデンシリーズ」を発売する。

 同シリーズは、質の高い眠りと美肌の関連性に着目し、肌のバリア機能の向上をサポートするココナッツオイルと、敏感な肌を落ち着かせ、揺らぎがちな肌を安定させるラベンダーエキスを全てのアイテムに配合。厳選された最高級のフランス産ラベンダーのフレグランスがアロマテラピー効果で深い睡眠へと誘う間に、ココナッツオイルの高い保湿力が肌を整え、セラミドが角質層に浸透し、バリア機能をサポート。眠っている間に質の高いスキンケアが手軽に体験できるのが特徴だ。

 肌の汚れをしっかり落としながらも、潤いを与えるオリジナルブレンドのオイル(フレンチラベンダー・ココナッツ・ツバキ種⼦油)を配合した“グッドナイト フレンチ ガーデン フェイシャル クレンジング オイル”(税込6688円)、美容液と化粧水の2つの機能を閉じ込めたエッセンス“フレンチ ガーデン ミルキー エッセンス”(同7392円)、肌の上に透明のマスクをつけたような不思議な感覚へと誘う夜用マスク“フレンチ ガーデン スリーピング マスク”(同8448円)の3アイテムをラインアップ。

 同ブランドは2016年にオーストラリアで誕生。敏感肌向けに⽪膚科医と共同開発し、無添加にこだわり開発された、植物学と⽪膚科学を融合したハイブリッド型スキンケアで、日本には21年に上陸。地球第⼀主義を理念に、ヴィーガン・エシカル・クルエルティフリー・クリーン・プロフェッショナル・オーシャンセーフの 6つの哲学を商品開発理念に掲げている。

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井上咲楽となえなのが「ガールズ バイ ピーチ・ジョン」の人気ブラの新色をプロデュース 価格はセットで2178円から

 「ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)」の若年層向けブランド「ガールズ バイ ピーチ・ジョン(GiRLS by PEACH JOHN)」が、ブランドミューズの井上咲楽となえなのがプロデュースした人気シリーズの新色を1月11日に発売する。ラインアップするのは“ワイヤー入りのなちゅこれシンプルレースブラセット”(2178円税込、以下同)とノンワイヤーブラの“ピージー”シリーズの“ピージー002”(2178円)、“ピージーショーツ”(980円)で、井上となえなののそれぞれがプロデュースしたカラーをそろえる。公式オンラインサイトと全国の店舗で取り扱う。

 今回のコレクションでは、より多くの人に着用してもらいたいという思いから、両者が普段から愛用しているブラの中からラインアップを選定したという。井上は、自身が透けにくい下着を身につけることが多いことから、肌馴染みのよいオレンジ系のカラーを選んだ。なえなのは、自身の好きなブルー系のカラーを選び、同世代の友人らにもヒアリングしてトレンドのくすみカラーに仕上げたという。

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「H&M」とジャスティン・ビーバーのコラボは本物? 食い違う主張でトラブルに

 「H&M」は、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)とのコラボコレクションについて、ジャスティン本人に批判されたことを受けて販売を停止した。ジャスティンの肖像や歌詞の一部がプリントされたアパレルやトートバッグ、スマートフォンケースなどを販売していた。両者は2017年にもコラボアイテムを発表した実績があり、今回が2回目の協業となる。

 ジャスティンは、「全て私の許可を得ていない。私があなただったら買わないだろう」「『H&M』が作った私の商品はゴミ」などと自身のインスタグラムのストーリーズに投稿した。これを受けて「H&M」は、「他のライセンス商品やコラボアイテムと同様に、今回も適切な承認と手続きを経ている」と反論し、販売は継続すると発表していた。しかしそのわずか24時間後には方針を転換し、販売を停止している。

 販売停止時に発表したコメントでは、「従前の発表通り、『H&M』は適切な承認手続きをとってきた。しかし、ジャスティン・ビーバーに配慮して、店舗とオンラインから該当商品を取り下げることを決めた」と述べている。

 ファッション業界の法律問題に精通する弁護士は、急いで製品を市場に出そうとすると、こうしたコラボレーション案件でトラブルが発生しやすいと話す。「(コラボレーションアイテムを販売しようとしている企業は、)世に出そうとしている製品が、タレントとの契約内容を満たすような品質であるかを確認することが重要だ」。

 「H&M」からもジャスティンの代理人からも、法的措置を検討しているかどうかについてのコメントは得られなかった。

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ユナイテッドアローズは王道アメカジをクリーンに 23年春夏メンズ動向

 ユナイテッドアローズが2023年春夏シーズンの展示会を行った。メンズのテーマは“リフレッシュスタンダード”。 王道のアメカジスタイルをベースに、爽やかな色と柄を合わせてクリーンな印象に仕上げる。例えば、デニムジャケットにブルーのストライプシャツを忍ばせたり、カーキのカジュアルなボタンダウンシャツに淡いグリーンのパイルカーディガンを合わせたり、といった具合だ。プレス担当者は、「昨シーズンはカラーニットをはじめ、着ることで気分が上がるようなアイテムが好調だった。それらを王道のアメカジに掛け合わせることで、定番をアップデートさせるスタイルを目指した」と話す。

 一押しのデニムのセットアップは、岡山を拠点とする「コールマイン(COALMINE)」に別注したもの。職人技によるリアルな色落ちが楽しめるブルーと、ノンウオッシュの2色をそろえる。近年のトレンドであるレトロアウトドアのムードも継続し、「エル・エル・ビーン(L.L.BEAN)」の日本オリジナル企画のアノラックジャケットなども用意する。

 コロナによる行動制限が緩和され、通勤を再開する企業が目立つことから、スーツにも力を入れる。国産生地のジャケット(3万7400円税込、以下同)やパンツ(1万2100円)などを企画した。「スーツの売り上げは一時ガクンと下がり、カジュアルにニーズが集中した。しかし外出機会が増え、オフィスはもちろん、日常でもジャケットを羽織る人が少しずつに増えている。見た目に対して値頃感のある価格も強みだ」とプレス担当者は語る。

 4シーズン目となるゴルフレーベル「ユナイテッドアローズ ゴルフ(UNITED ARROWS GOLF)は、日常でも着られるデザインを追求した。ロゴは控えめにし、グラフィックも極力使わず、グレーやネイビー、パステルなどの色をベースにした。ファンゴルファーとシリアスゴルファーを区別したのも特徴で、シリアスゴルファー向けのアイテムは筆記体風のロゴが目印。4方向に伸びる素材を使って無駄のないジャストサイズでブルゾンやパンツ、ポロシャツなどを企画した。一方ファンゴルファーに向けては、ゆとりのあるサイジングで日常での使いやすさを重視したプルオーバートップスやショーツなどをそろえた。

 ゴルフラインは現在、六本木や丸の内など計8店舗で扱っており、顧客の認知度も徐々に高まっているという。早稲田貴也ブランドビジネス本部GOLF事業推進室室長は、「ゴルフをやりたいけど、何を着ればいいか分からない人は意外と多い。既存ゴルファーはもちろん、新規のプレーヤーにも手に取ってもらいたい」と話す。

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イタリア発「ガガミラノ」創業者がラグジュアリー・スマートウオッチウエア「ハンブルリッチ」をローンチ 世界初の直営店を原宿に12月30日オープン

 「ガガミラノ(GaGa MILANO)」創設者のルーベン・トメッラ(Ruben Tomella)が新たに手掛けるイタリア発のラグジュアリー・スマートウオッチウエア「ハンブルリッチ(HUMBLE RICH)」が今冬デビューし、12月30日に世界初の直営店を東京・原宿にオープンする。

 現在、公式オンラインストアで販売を開始し、12月26日から伊勢丹新宿店とジェイアール名古屋タカシマヤ、大阪高島屋ではポップアップイベントを開催。期間中は、購入特典としてオリジナルスタンドをプレゼントする。

 「ハンブルリッチ」は、個性豊かに“着せ替え”できる注目のスマートウオッチウエアだ。イタリア人のルーベンならではの優美で遊び心のあるデザイン性と機能性を兼ね備え、工具不要でケースを開閉できる独自システム「ブラグ&リッチ ウォッチ」や、ベルトを簡単に交換できる「プラグ&リッチ バンド」は非常に利便性が高い。さらに環境負荷を減らすことを目的に、製品の素材やパッケージには、再生ステンレスや再生繊維、再生カーボンなど再生素材をできる限り使用している。ブランド名は、「謙虚であること(HUMBLE)」と「豊かであること(RICH)」を組み合わせた造語で、「実⽤品であるスマートウォッチを、ライフスタイルツールへと昇華する」という思いを込めた。

 デビューシーズンは、アップルウォッチシリーズ7・8に対応する全3シリーズを発売。⾼級感とつけ⼼地の良さを両⽴した“クラシック シリーズ”は、多彩なカラーリングやシリコンにイタリアンレザーを貼り合わせたストラップが特徴だ。素材とカラーのコントラストを楽しむ“スポーツ シリーズ”は、ファブリックとシリコンを組み合わせたベルトが、カジュアルな印象。ベゼルに⾦箔や蓄光塗料を練り込み、夜間に発光するユニークなモデルもラインアップする。“エシカル シリーズ”は、再生ステンレスのケースに艶のあるグリーンセラミックのベゼルを合わせて、シリコンベルトにロゴを刻印した。価格帯は7万円台から。

 ローンチに先駆けて開催されたメディア発表会には、ルーベン本人がイタリアから急遽来日。開発の経緯について「(スマートウオッチは)テクノロジーとしては素晴らしいけど、イタリア人はオリジナリティー溢れる特徴的なデザインが好きなので、シンプル過ぎると思っている人は多い。2017年に『ガガミラノ』をドレスアップするための外付けのケースを試作したら、大きくなってしまったのでいったん保留にしたが、“ケースでドレスアップする”というアイデアこそが、『ハンブルリッチ』の物語の始まりとなった」と振り返った。

 東京・原宿の神宮前交差点沿いにオープンする旗艦店では、コレクションをフルラインアップ。ブランドの世界観を体感できる。

■ハンブルリッチ神宮前
オープン日:12月30日
住所:東京都渋谷区神宮前6-4-1 原宿八角館1階
営業時間:11:00〜20:00(日・祝は10:00〜20:00)

問い合わせ先
ウエニ貿易
03-5815-3277

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「グッチ」から新年を祝う“ウサギ”がテーマのカプセルコレクション ウエアからバッグ、時計まで

 「グッチ(GUCCI)」は12月27日、2023年の干支である“ウサギ”をテーマにしたカプセルコレクションを発売した。一部の店舗で扱い、当該ショップではウサギのスプレーペイントがウインドーを彩る。

 ウエアからバッグ、シューズ、ジュエリー、時計に至るまで幅広いカテゴリーでそろえ、楽しい色使いやプリントで、新年を迎えるワクワクした気分を表現する。

 ウサギはニットに織り込まれたり、エンブロイダリーパッチになったり。また、スプレーペイントでTシャツやローファー、時計に描かれる。ふわふわのフリース素材のサンダルも用意し、アイコンバッグもウサギをイメージしたスペシャルアレンジで登場する。

 広告キャンペーンは、マックス・ジーデントップ(Max Siedentopf)が撮影。フラワーガーデンでウサギと戯れるさまを捉えたもので、春の訪れを予感させるムードを鮮やかなカラーで描き出す。

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「ボス」が卯年に合わせ、“世界で最も有名なウサギ”バッグス・バニーとコラボ

 「ボス(BOSS)」は2023年の卯年を迎えるにあたり、「世界で最も有名なウサギである」(「ボス」)バッグス・バニーとその仲間たちとコラボしたカプセルコレクションを発売した。銀座、表参道、六本木ヒルズ、心斎橋の4店舗と公式オンラインストアで扱う。

 同コレクションはメンズ・ウィメンズからなり、アウター、ニット、ジャージーなどリラックス感のある商品をラインアップする。例えばスタジャンは、同じくスタジャンを着たバッグス・バニーが大きな“B”に寄り添う意匠を胸元にあしらう。黒を基調に、赤を印象的に用いるカラーリングも特徴だ。

 「ボス」のアンバサダーで、中国のオリンピック水泳選手でもある王駿(ワン・シュン)らがキャンペーンビジュアルのモデルを務める。

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26人に聞いた“W”WD杯的2022年のブラボー!!

 深夜の日本中に響き渡った歓喜の雄叫び「ブラボー!」。連日のうれし涙と悔し涙に涙腺が崩壊し、寝不足の目に朝日が沁みる……。そんな1カ月に渡ったW杯も幕を閉じ、気付けば2022年も残すところあとわずか。というわけで、26人(サッカー好きかはさておき、1チームの登録人数と同じ!)のブラボーを聞いてみた。今年はどんなブラボーがあったかな?声に出すだけで、なんだか“元気”が出てくる不思議な言葉。そう、元気があればなんでもできる。来年に向けて、迷わず行けよ、行けばわかるさ。では、みなさんご一緒に。BRAAAAAAAVO!

明石泰士/プププ代表

 「WWDJAPAN」をキッカケに出会えた憧れの方、石川涼さんのラジオ「スナックおれ®」に毎回出演させてもらっていて毎回ブラボー(「AuDee」というアプリで聴けます)。あと自分が手掛けているブランド「ソックスソックス(S○XSOCKS)」の海外展開が出来てブラボー。本年も健康な状態で終える事が出来てブラボー。

内田竜之介/クリエイティブディレクター

 夏に独立したときです。その日はかなり気合いを入れて、スーツを着て開業届を出しに行ったのですが、2〜3分で終わってしまって……。拍子抜けしましたが、自分にとっては“ブラボー”な瞬間でしたね。2022年は「2G」のさまざまなプロジェクトに取り組んだり、6年来の友人ショーン・ウェザースプーンと自分の名前を冠した「UCHI」というブランドのコラボレーションも実現しました。来年はこれまで以上にさまざまなプロジェクトにチャレンジしていきたいと思っています。

奥田浩太/ジュエリーデザイナー

 最も敬愛するNYの伝説的デザイナー、クリスチャン・フランシス・ロス(Christian Francis Roth)のマネードレスカバーの「W」(1990年11月12-19日号)を手に入れたとき。長年ずっと探していた貴重な資料なので、手に入った時はとてもうれしかったです。

カンジン李/24 PRESS ROOMバイヤー、L.DOPE創設者

 日本への渡航解禁!台湾の社員を連れて数年ぶりに日本に来ることができた。ブランドの展示会に参加したり、デザイナーにインタビューしたり、実際に会うことは最高に素晴らしい。

Kei/P_leagueプレイヤー

 ショーン・ウェザースプーン(Sean Wotherspoon)とライアン(Ryan)による「ザ カーカンパニー(THE CAR COMPANY」のポップアップ。場所を用意できないかと連絡をもらったのは開催の1週間前。「オフショア(OFFSHORE)」と「バゲージコーヒー(BAGGAGE COFFEE)」の協力のもと、限られた時間で必死に準備を進め、当日は大盛況となりました。やりたい!と思ったら形にできると感じた、ブラボーな1週間でした!

神原むつえ/モデル

 今年も多くのお仕事をさせていただきましたが、中でも高校の同級生が大阪で立ち上げたブランドのファーストルックの撮影を一緒にできたことがとってもブラボーでした!10年前に話した「お互いがデザイナー、モデルになって一緒に仕事する」という夢が叶ったんです。いつもはあまり味わうことがないくすぐったさもあったのですが、実際に完成したデータを見たときは感慨深いものがありました。

高村美緒/「Ring of Colour」編集長、エディター

 2年半ぶりのパリを訪問。空港のイミグレーションは長蛇の列、外は豪雨と最悪の状況でしたが、今回ばかりは笑顔が止まらない。今回はパリでのショーを再開したり挑戦したりの日本人デザイナーも多く、そのクリエイションに鼓舞され、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」のショーでは強さ宿る1ルック1ルックに心揺さぶられました。馴染みの景色や旧友との再会もあり、どこか遠くに仕舞っていた胸躍る感覚が蘇り続けた3週間。最高にブラボーでした。

Gon!/「ドロシー・ヴァカンス」お針子

 やっぱりW杯を彩る各国のユニフォーム観戦!フロントボタンを開けると国旗が現れるなんともニクい遊び心のブラジル。全身コーデで国旗が完成、合わせ技のフランス。肉体美に原色が映えるアフリカ勢。毎回攻め気味感覚カメルーンの2002年のノースリーブは斬新で何度見返しても飽きない。名プレーはいつだってユニフォームと共に記憶に残る。BRAVO!ありがとう!

正田啓介/「スタジオ・ザ・ブルーボーイ」代表

 インテリアブランド「スタジオ・ザ・ブルーボーイ(STUDIO THE BLUE BOY)」とイタリア・フィレンツェにあるアーティストレジデンス「ヌメロヴェンティ(NUMEROVENTI)」とのお香のコラボレーションが実現できたこと。そして、実際にフィレンツェでローンチイベントができたこと。コロナ前に約束していたコラボレーションが3年越しにようやく実りました。

xiangyu/アーティスト

 渋谷パルコで開催された蓮沼執太さんとパーカッション奏者の宮坂遼太郎さんとのコラボLIVEをしたこと。パーカッションの方と一緒にパフォーマンスするのは初めてだったけど、3人ともリハとは全く違ったパフォーマンスをしていて最高。セッションの楽しさに出会えた、まさにブラボーな瞬間でした!

Takato Harashima/モデル

 甥っ子が産まれた事でしょうか。4歳離れた19歳の妹が1月に男の子を出産しました。妊娠を聞いたときは心配でしたが無事出産しブラボーでした!自分ももうおじさんになったんだと思うとびっくりです!

高野聡司/レディ トゥ ファッション社長

 コロナが落ち着き、ファッション・アパレル業界の各社の売り上げが戻ってきた嬉しい1年間でした。それに伴い、これまで最も多くの企業様の採用・求職者の転職をご支援ができ、社員みんなでお祝いできた瞬間が最もブラボー!と感じました。うちの猫もブラボーと言っています。

竹内隆平/BAGGAGE COFFEE オーナー

 サッカー選手であり写真家の犬飼智也と、イラストレーターの松原光とのサッカー・アート・コーヒーが融合したエキシビションを開催したこと。写真というすでに完成している作品にドローイングするという新たな作品の形を表現できた。好きな人たちとできた最高の企画にブラボー!

豊田和志/フォトグラファー

 子供が生まれたことです。5月某日、「WWDJAPAN」の撮影に向かう途中に出産の連絡が入りました。その場でビデオ通話にして、もう感動!生命って素晴らしい。大げさじゃなくその瞬間から世界の見え方が変わりました。現在、生後7ヶ月ですが、はやくも手づかみで肉を食べています(笑)。 どうか健やかに育ってください。

野澤正樹/PR

 かねてより交流のあった森田美勇人君によるファッションブランド「フラットランド(FLATLAND)」をローンチした時が一番ブラボーだった瞬間です。ブランドのコンセプトは“「フラットな世界」で愛することができるように”。商品は、素材から生産背景、ディテール、その他全てにこだわりが詰め込まれていています。表現者である美勇人君がファッションを通して、伝えるモノ。業界に身を置く僕も多くのことを勉強させてもらってるブランドに「ブラボー!!」

濱本愛弓/スタイリスト

 憧れていた“ベンツ230E”を買いました!もうすぐ納車。待ち遠しいです。

原木賢太/装飾家

 趣味で続けているブラジリアン柔術で紫帯に上がったことです。ブラジリアン柔術の帯色は白→青→紫→茶→黒と昇段していきます。なので紫帯は折り返し地点とも言えます。齢35歳、人生も折り返し地点。柔術も折り返し地点。ゴールはまだ先。柔術も仕事も、まだまだ汗をかき続けます!

藤崎尚大/「ミーンズワイル」デザイナー

 バウハウスを好きになるきっかけになった写真家に、思い立って連絡したところ返事が返ってきて、2年ぐらいやりとりしていた。そんな彼と6月に初めてパリで会うことができた。いろんな言葉をもらってそれだけで感無量だけど、今後何か一緒にできるかもしれない。また一つ楽しみが増えた。

ぷっちょん/MFC STORE店長

 1番大好きな番組「月曜から夜ふかし」に出たこと。

本日のくっく/スニーカーユーチューバー

 2月14日に公開した「【衝撃の結末】偽物スニーカーを鑑定に出したらとんでもない闇を暴いてしまった、、、」という真贋鑑定サービスの精度を検証する動画。50万再生を超え、「Yahoo!ニュース」に取り上げられるなど、大きな反響を呼びました。この動画がきっかけでアトモスの本明さんと対談したり、スニーカーユーチューバーとしての知名度も一気に上がったので、この一連の騒動が僕にとって今年1番ブラボーだった瞬間です。

松波砂耶/フリーランスPR

 PRを担当している地元愛媛のアートフェスティバル「道後オンセナート 2022」がスタートし、道後温泉本館で、大竹伸朗さんのアートが覆う「熱景/NETSU-KEI」が誕生したこと。会うことさえも恐れ多いと思っていたので、アート制作をお願いしに行った時ときは一生分の汗が出たかと思うくらい緊張しました(笑)。凄まじく迫力満点のアートなので完成した時の驚きと感動は今でも忘れません(「熱景」は24年12月までの予定)。

Milky B/DJ

 アルマーニでDJさせていただいたことが大きなターニングポイントになりました。そのイベントをきっかけにさまざまなお仕事をいただけるようになり、さらにそのお仕事を通していろんなアイデアが浮かんで、新たに夢ができたり、DJとしてもより”音”と向き合うようになったり、一つの機会がたくさんきっかけをくれました。日本代表の皆さんが次のBravo!を求めて頑張るように、また自分にBravo!を送れるよう、日々頑張っています!

森田美勇人/アーティスト

 僕は歌い、踊り、演奏をする表現者として活動をしています。10代の頃から続けている表現活動の中で"衣装"は大変大切なものであり、洗練かつ神秘的な感覚を常に追求してきました。ファッションの世界とはまた違った観点なのかもしれませんが自分特有の「衣装」というルーツを活かして服づくりをしたいと思い、僕のプロジェクト「フラットランド」から服を創らせていただいたことが2022年最大のブラボーな瞬間でした。

「アディダス」の3人に聞いた
ドーハで観た!リアルブラボー

高木将/アディダスマーケティング事業本部 マネージャー

 カタールで歓喜の瞬間を目撃したこと。カタールを歓喜の地にしたいという想いを込めてユニフォームを開発し、実際にカタールまで応援に駆けつけました。目の前で優勝候補にもあげられるドイツに逆転勝利した日本代表の姿には感動しました。

高橋慶多/アディダスマーケティング事業本部 マネージャー

 ドイツを撃破したグループステージ初戦。ツアーでお連れしたなでしこジャパンで活躍される長野風花選手が、歓喜の瞬間に周りを気にすることなく全身で喜びを表現し、SAMURAI BLUEの選手たちに最大限の賛辞を贈った瞬間。日本代表の選手同士が共鳴する素晴らしさを感じました。

福田新/アディダスマーケティング事業本部 シニアマネージャー

 グループリーグ第3戦スペイン戦を含め、現地で4試合を観戦しました。日本代表ユニフォームを身に着けて街を歩いているだけで、いろいろな国の方から「Congratulations!!」「Amazing!!」などと声をかけられ、日本人であることをとても誇らしく感じたブラボーな瞬間でした。

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経済予測名人のニトリ会長が語った「2023年の経済」「日経平均予想」「ニトリの逆張り戦略」

 今年も残すところあとわずか。そんな中、ニトリホールディングスの2023年3月期第3四半期の決算説明会が開催された。世界経済や為替、株価など、“経済予測の達人”と呼ばれる似鳥昭雄・代表取締役会長兼最高経営責任者はそこで何を語ったのか。海外での出店要請の増加要因について、白井俊之・同社長兼最高執行責任者と、グローバルを担当する武田政則・取締役兼ニトリ社長の説明も交えて、レポートする。

為替147円で予約は失敗。為替は得意だったが見誤った

――為替予約については今期分まで予約だと思うが、予約方針等で、長期の予約を検討する等の方針変更はあるのか、検討されているのか。海外事業の状況についてもより詳しく伺いたい。というのも、中長期で考えていくと、海外での小売り事業が広がっていけば為替がオフセットできる分があると思うので、そういった視点を踏まえて考えると、今後、海外事業の展開加速は可能なのか?今、中国、東南アジアの積極展開の話があったが、もう少し詳細に、直近の状況等アップデートいただければ。

似鳥昭雄ニトリ会長兼CEO(以下、似鳥):では、為替のことは私の方から。今期の決算末(2023年3月)まで147円で予約したが、結果的にちょっと失敗したなと。まあ、みなさんご存知のように134円と。一時151円までいったものだから。再度下がってきたときに買わないと、今度は150円から155円とか、もしくわ160円に行くのではという話もあったので。また、一度(政府が)為替介入して効果がなかった。日本政府は為替介入しても効果は少ないんだなと。もしあったとしても、あんまり影響ないかもしれないということがあって、みなさんと協議して147円で決算まで買おうかと。我慢して我慢し続けたんですけどね。

 私の予想では、アメリカの景気が悪くなって、年末近くになって、為替よりも景気が悪い方が強くなって円高になるということをずっと言ってきたが、それがなかなかならなかった。かなり時期がずれていたというか、住宅も夏以降、10%ずつ注文住宅が前年比で減ってきて、そういう状況もあるから、間違いなくアメリカから不景気になっていくと。そちらのほうが強くなると思っていたが、なんといっても0.75%ずつ毎月毎月金利を上げるということで、その時点では0.7%上げるということがはっきり決まったので、まあ、まずいなと思って、かなり迷ったが予約してしまった。あの時にあそこまで我慢したのでもう少し我慢したら、132円か130円切るぐらいのところでできたかなと。失敗したなと。大変みなさんに対しては申し訳ない。為替は得意な方だったが、ちょっと見誤ってしまったなと。みなさんにお詫び申し上げます。

来年は円高に、110~120円予想

似鳥:(為替は)来年で言うと、僕は110円ぐらいまで、110円から悪くても120円ぐらい、もしかしたら118円ぐらいでいくのかなと。理由は後から申し上げるが、アメリカが予想以上に景気が悪くなる。衣料も含めて世界的に景気が悪くなって、インフレも関税も下がると。ひょっとしたら日本型のデフレ経済になるきっかけになるかも。その前のインフレというのは、あだ花になるかもしれない。パッと咲いてですね。これは勘ですけどね。これだけ戦後に類例がなかったので。日本の失われた30年という、長期的なデフレで。これがこのインフレというものを機会にひょっとしたら、という気がするが、これは何の科学的根拠も何もないが。まあ、来年からは間違いなく世界的に不況で。その中でもアジア圏はいいんじゃないかと。

 今年は(ニトリの為替平均レートが)トータル132円で、去年が111円だから、21円の差。21円で20億円だから、21円×20億円で420億円前年より損をした。210円(おそらく、110円の言い間違い)に来たら、400億円がポンと為替(差益)に乗っかると。今の状況は間違いなく円高になるから、基本的には下がるまで待ち続けると。私の考えは、為替はドル高がドル安、円安が円高、下がるまで待つ。その後、次の段階でまた上がっていく。今度は今度は長期的に3年ぐらい、2~3年長期的に予約したいなと考えている。今度は失敗しないように。みなさんに大変ご迷惑をおかけしました。だけど、まあ、これから何十年も続いていきますからね。こういう10年か20年に1回、リーマンショックとかオイルショックがある。逆境を今まで乗り切ってきた。まあ戦後、僕は創業して55年だが、初めてのコロナ、それから円安、原材料高、輸送費が倍以上という。こういうのは創業して初めてだ。これもいい経験。失敗を経験として、今後の10年の糧にしていきたい。

海外中心に出店加速、10年間でグループ3000店舗へ

似鳥:出店はとくにシンガポールやマレーシアが軌道に乗ったので、タイやフィリピン、インドネシア、韓国、できたらインドといったところに、なるべく早く、来年調査して、少なくとも再来年、1店でもまずは(店を)出してみたい。海外は早く(年間)100店舗出店できる(ようになりたい)。来年に100店はどうかと思うが、再来年は間違いなく100店舗以上出して、日本より海外の方が多くなると思う。(グループの店舗純増数は)今年が約110店舗だが、来年は184店舗、再来年からは最低200店舗、それが3年ぐらい続いて、次は250店の時代と。(来年には総店舗数が)海外を含めて1000店舗(を超える)。異業種も含めて10年間で3000店舗という計画を立てている。だいたい全部(計画は)できたが、細かくは再度検証した結果、みなさんにお知らせすることができると思う。

――(衣料品の)「N+(エヌプラス)」と「デコホーム」について、通期の出店の見通しを変えている背景と、今、海外の出店については力強い言葉をいただいたが、今後の国内の出店戦略について考え方を教えてほしい。

似鳥:「Nプラス」は今年(期末店舗数が)30店舗、来年20店舗(を出店計画しており)、合わせて50店舗になる。3年目以降も最低20店舗ずつ、できたら毎年30店舗(出店)して、どんどん増やしていきたい。「デコホーム」は今160店舗。来年50店舗をオープンする。だいたい24年度が50店舗、25年度からは60~70店舗と増えていく。「ニトリ」は23年度が29店舗。(その後は)15~20店舗ぐらいがずっと続くと思う。

武田政則・ニトリHD取締役兼ニトリ社長(以下、武田):海外は今目標で来年77店舗オープンしようとしている。1店舗ずつ、地域、ショッピングセンター(SC)にメドをつけながら進めている。その中で、実はマレーシアはおかげさまで9店舗まで決まった。タイがバンコクで2店舗決定している。シンガポールも1店舗決まりそう。最終合意まで至っていないが、大変多くのお店がベトナム依頼がきていて、今、10店舗来ていて条件を調整している。インドネシアが今8店舗お声がけいただいていて、この中から条件がいいものを選んでいこうと考えている。フィリピンは大手の方たちと商談がスタートしていて、具体的に面積のすり合わせなどを行っている。あとは韓国が8物件提示をいただいていて、そのうち数店舗決められるのではないか。香港は9物件いただいていて、条件のすり合わせをしている。あまりよくない場所には出したくないので、しっかりと詳細を確認しながら進めたい。

 (出店した)シンガポールとマレーシアのお店を見ていただいて、具体的な物件など本当に多くのお声がけをいただいている。それに向けて新しい海外の法人の立ち上げを急ピッチで社内で動いている。あとはサプライチェーンだ。週かの方法や、どこに大型物流センターを作ってどういう風に運ぶかということも、かなり急激にお店が増えてくるので、今しっかりとそのサプライチェーンマネジメント・チームをつくって対策を打っているところだ。

 中国は(ゼロコロナ政策からの方針転換という)こういう状況で、街にはほとんど人がいない中で営業している。私たちの従業員も大勢(コロナに)かかっているが、そんな中で、実はテナントが空きつつある。多く空いてきているので、逆にチャンスだと思っていて、私たちの理想の面積がしっかりと提案いただけるようになってきている。みなが(お店を)やめていくところに、しっかりとニトリの店にしていきたい。スピードを上げていくうえで、店舗開発担当の人数まで増やして対応している。

世界展開する大型家具・インテリア業態は「IKEA」と「ニトリ」だけ
SC内に競合がなく、客層拡大・集客に期待かかる

――これだけアジア各国で強いラブコールが来ているのは、どういうところが各国で評価されていると考えているか?

武田:家具からホームファッションまで(の商品群や)、コーディネートで色がつながっているという商品構成を、ずっと何十年もかけて作り上げてきたが、実はそういう店舗・商品がインターナショナルで展開できているのが、今までIKEAさんだけだ。IKEAはものすごい大きな店を100万~150万人に1店舗ということで出店されているが、私たちはもっと商圏に入り込んで、10万~15万人の中に店舗をつくっていける。もっともっと近所になっていけるということと、SCにはIKEAは(店舗が大きすぎて)入れられないので、そういう意味では、今ニトリは日本では平均1100~1200坪が平均だが、今中国・ASEANは500坪型、700坪型で標準化を進めている。同じ売り場を複数増やしていけるということで、ローコストオペレーションも進めさせていただいている。

白井俊之・社長兼COO(以下、白井):先週、東南アジアを回ってマレーシア、シンガポールの店に行ってきた。マレーシアのジョホールバルというところに先週木曜日(12月15日)に新店がオープンして非常に好調だ。同じジョホールバルの2店舗目が来年1月にオープンするが、実はIKEAさんと同じSCに入る。まったく同じSCで、ニトリとIKEAのカンバンが一つの写真に納まるようなめずらしいSCになる。

 それで現地でいろいろ話を聞いてきて、ニトリがSCからお声がかかる理由として、大きく2つある。一つはSCの中で住まいでうちのようなフォーマットの店がほとんどない状態だ。SC側から見ると、今までそのSCに来ていなかったお客さまをうちが呼び込むということを相当期待されている。SCからすると、客層が拡大できると。また、大きなスペースを取る割には、他のテナントへの影響も少ない。アパレル同士だったらどうしてもカニバリ(食い合い)になるが、(しないので)ウェルカムのようで、比較的、おそらく他社よりもいい条件で入らせていただけるんじゃないかなという手応えを感じている。今、武田からも話が合ったように、我々が出店の用意があるということを十分理解したうえで、各国・地域で国を超えてデベロッパーさんが東南アジアのお店などにもどんどん視察に来られていて、いろいろな話をいただいている。

50年に1回の大災害を1年で乗り切る。筋肉質に体質改善

――似鳥会長はこれまでずっと、ピンチはチャンスだと言い続け、不透明な時、厳しい時こそニトリは伸びる、厳しい環境が社員を伸ばす、とずっと言われ続けてきた。先ほどの為替の話のように、 半世紀以上経営されてきて、予測が外れるといったような状況が起きてきている。そういった中で、今は何を社員に呼びかけているのか?

似鳥:今こういう状況で、社員もモチベーションが非常に上がりにくい。もうマイナス、マイナス、未達成の状況が続いてるので、なんぼ努力しても進んでいかなくて、士気が上がらないという状況なのは間違いない。私からのメッセージとしては社内報などを毎月出しているが、最近は私とか幹部とか、現在こういう状況だけど、来年以降はこうなりますよ、とか、何十年の中のたった今年1年だから、まあどんな会社だってそんなことはあり得るし、いちいち深刻がって「もううちの会社、このままマイナスになっていくのかな」とか、全然そういう心配はいらないというね。理由もちゃんと説明して、やはり円安っていう状況が1番ですけど。これはもう来年は間違いなく円高になるんですね。たった1年だから我慢してくださいと。それによって今年、筋肉質に(改善した)。今まではもう進め、進めで、商品とか出店とかに力を入れていたが、見直しして、社内の業務改革で、100億円、200億円という数字はコストダウンした。だから、「ピンチはチャンス」というのは、ピンチでどうしても数字が(目標に)行かない場合には、社内のコストダウンに力を入れて、しかるべき、ピンチから1、2年後(チャンスに変わるタイミングで)攻めて行ける。

 逆に、そうは言っても国内ではわりかし長く景気がよく続いている。まだ土地も下がらない。建物(費)も下がらない状態も続いているが、来年から潮目が変わると思う。もう、アメリカも戦後1番長い景気だから、この景気が落ちるのはっきりしている。下だれば坂も長いし、谷も深いと。世界的に、アメリカがくしゃみすれば、世界中が風邪をひいてしまう。日本も同じような状態だと思う。日本は金利が、黒田総裁が変わっていく頃にはプラスなってくるだろうから、余計、円高になってくる。それを社内に発信して、だから今、体を鍛える、筋肉質に鍛える時なんだと。

 私も筋トレを月曜から木曜までやっていて、ボクササイズも週1回やっている。土日はゴルフという。本当に体を鍛えるのをやっている。つい最近、階段から転げ落ちて、一本背負いみたいになっちゃって全員打撲のむち打ちになり、寝たきりになってしまったが、1日1日回復して、皆さんに顔を見せるのに間に合ってよかった。このようにピンピンしている。やっぱり筋トレをしていてよかった。今年は我が社で言うと、筋トレをやって鍛えて、しかるべき来年からどんどん攻める。今年はそういう時期じゃないかなと思っている。株価も大変みなさんに迷惑をかけているが、間違いなく元に戻るし、利益もどれだけ行くとはまだ言えないが、順調に来年から回復すると思う。まあ、10年、20年に1回ぐらいはね……。うちの30何年か増収増益というのは出来すぎだ。運が良すぎた。50年に1回の大災害と思えば、それもたった1年で乗り切るんだから、うちの社員にはみんなに我慢してと。早く辞めたりしないでと。若手の人は目先で動くから、入社して2年3年はね。もう30歳過ぎると辞め過ぎないが。やっぱり動揺するんですよね。入社員3年、4年は。そういう風なメッセージを毎月社内には送っている。早まらないでちょうだいね、と。会社を信頼してと。そういう話をしているところだ。

ユニクロのファストリは株式分割。ニトリの投資単位の引き下げは?

――似鳥会長に質問。「ユニクロ」のファーストリテイリングが株式分割を久しぶりにされた。ニトリは現状、株価が1万6400円前後で、投資には164万円ぐらい必要だ。東証はできれば投資単位を50万円以内が望ましいと明言している。投資単位の引き下げの考えは?

似鳥:私の一存でそうしますとは言えないが、事実、証券協会から強制ではないけれどできるだけ買いやすくしてほしいという要望はある。今回のユニクロさんは3分の1にした。3分の1にしたって、まだ2万円台で、300万円ぐらい必要。まだまだ高い。うちなんかまだ100万円台。ユニクロがまた下げたら、うちも下げます(笑)。10分の1ぐらいにするのかなと思ったけど、3分の1。ちょっと様子見ということかなと。今すぐ下げることはないけど、投資家のためには買いやすい価格にするべきだと思う。

――そもそも、10分の1ぐらいにするのかなと思ったということだが、ファストリが今下げたことに対しては驚いたか?

似鳥:ああ、やっぱりなという。高すぎるので、よく買う人いるなと(笑)。今、800万円とかね。大企業・機関や、個人投資家でもお金持ち中心でやっているんだなと。それであそこまで上がっていくなら大したものだと思っているが。私もああいう企業になりたいなと思っているんですけどね。今年も柳井(正ファーストリテイリング会長兼社長)さんとゴルフを今年もしたけれど、僕が尊敬する一人です、柳井さんは。お互いに会話しながら、株のことは話ししないけれども、ゴルフしながら歩きながら、私が教えてもらっているところがある。

――御社は様子見ということか?

似鳥:もう少し様子を見てだと思う。あと、株価が今、1万6000円ぐらいでしょ?それが何千円ぐらいに下がると目立たないというか、親戚とか周りから見て、評判がね……。たとえば3000円とか4000円になると、もうまったく(評価が)なくなってしまうと。そういう面で、社員からはそのまま維持してほしいという要望が多い。本当にどうしたらいいかと、今のところ思考中だ。

来春ベースアップ4%を予定。転勤制度改正、希望者への土日休み拡充も

――家計が苦しくなる中で、従業員の暮らしにも影響が出る。来春闘に向けて賃上げは?

白井:ベースアップに関しては、ニトリは19年連続でベースアップを続けていて、来年度の見込みとして最低でも4%は確保したい。ただ、今一番従業員から要望が多いのは、転勤についての制度について。会長の似鳥からも、20代でいろいろな仕事をというところで、転勤が非常に多いが、来年度から思い切って、だいたい入社4年目以降から、関東圏、関西圏を選択して、転勤のない制度を導入することを決定して、これから社内に発表するところだ。むしろそちらの方が、働き方というところで言うと、非常に社内においてインパクトがあるんじゃないかなと。それと、賃上げについては、最低でも定期昇給ベア4%を予定している。

似鳥:流通業は全国に店がある。どうしても転勤の問題や、土日休みじゃないということもあり、優秀な人材が退職するということもある。今、白井社長が言ったように、転勤は希望があれば親元からも通えるようにしようと。それから、今年6月から月3回、パートさんも含めて希望者が土日に休みを取得できるようにしている。来年から月4回、毎週1回、土日希望があればと。アンケートをとって実行しているが、若い人が土日、恋人がとか、お付き合いが、と(いうことで取得希望者が多いかと)思ったら、そういう人たちは平日の休みのほうが自由で人が少なくていいという。意外と、子どもさんを持っている30代の方などが、土日の運動会や参観日などで、30%、1/3ぐらい(希望している)。意外と土日(休み希望は)少なかった。そういうこともアンケートをとってわかった。ありとあらゆることで働き方を改革していこうとずっとやっている。まだまだいろいろあるが、きょうはこのくらいで。

逆境のピンチ後に成長。デフレ時に土地・建物を取得
「無借金なのでいつでも十分に投資可能」

――似鳥会長は「ピンチはチャンス」、収益が厳しいときにこそ一気に他社を差をつけるとおっしゃっているが、他社を引き離すために、どんなストーリーを考えているのか?また、値下げは「季節のお買い得商品」という値下げキャンペーンはわかるが、「生活応援キャンペーン」をやって、「冬の期間限定価格」をやって、「ぽかぽかNウォームお試しキャンペーン」などをやって、など、少なくても昨年に比べて値下げというか、価格戦略のキャンペーンを打っているのは、これも今のうちに他社が値上げしなければならない前に一気に差をつける戦略の一つと見てよいのか?

似鳥:創業してから過去55年、結論から言うと、伸びてきたなと思うのは、逆境のピンチがあって、その後、伸びてきた。景気がいいときは他の企業も伸ばしてくる。出店もするし。だけど、不況のときとか、逆境のときは、みんな控えめに抑える。今まで日本もまだずっとよかったが、来年から金利も多少上がるだろうし、土地は下がってくるとは思う。東京の土地で入札して負けたことなかったが、今年とか去年は買えない。土地(の価格)が倍になって。マンションメーカーだ。マンションが非常に高くなっている。マンションメーカーが3年ぐらいたった時には暴落しているでしょうから、そのマンションメーカーは危ない。馬鹿だなと思う。そういうことやっちゃダメだと思う。今年は池袋の土地と建物は買った(筆者注:東急ハンズ池袋店跡地をヒューリックから土地・建物を取得。11月18日に「ニトリ 池袋サンシャイン60通り店」をオープン。売り場面積約1810坪)が、ああいう物件はめったに出ない。多少高めでも、それでも十分売れているので、買ってよかったなと思う。基本的には高値の時には投資はしないと。建物も坪当たり建築費が50万円(と高騰している)。うちで40万円ちょっと。エスカレーター、エレベーターなどすべてを完備して。でも、一番安い時には20万円ちょっと。半分だった。そういう時代が何十年も続いて、高くなったのはつい6~7年前から。それは僕はまた元に戻ると思う。土地も建物も。そういう意味では来年から徐々にありとあらゆるものがデフレに戻る。土地も建物も。だからチャンスだ。10年か15年に1回そういうときがあって、そのときに土地と建物をどんどん買う。仕込む時期だ。そして、景気がよくなってきたなというときには、うちがばーっと、出店も増やしているし、今、テナントで借りているのが90%ぐらいになっているが、土地と建物が下がったときに買って自前で建てていく。その繰り返しをこの10年~15年ごとにやってきたのが今現在あるのではないかと。投資の仕方だが。今は最悪のとき。ここ2~3年は。来年から下がってくると思う。

 それから、政府も5年間、賃金(向け)を金利ナシで貸し付けてきたが、期限切れで来年から返していかなければならない。僕は中小企業は何万社、何十万社も厳しい時期になっていくと思う。そのときのためにみんな準備はしていると思うが。来年以降、大企業にとっても中小企業にとっても厳しい時代入ると思う。相対的に景気はあまり変わらないかもしれないと思うが、土地建物、金利が上がって、潮目が変わってくる。値上げどころが逆にありとあらゆるところが下がってくる。そういう時代に入ってくるんじゃないかなあと私はそう思っている。その繰り返しで、10年か15年に1回は繰り返して、ずっとうまくいって、ニトリが大きくなってきた原因の一つだと思う。

 お金は今年も1000億円投資したので、来年も純利益と、減価償却がプラス150億円ぐらいあるので、無借金だし、十分投資はしていける準備はいつでもしている。

武田:価格政策、値下げ政策は、他社うんぬんもそうだが、お客さまに使っていただけるチャンスなので、そこで私たちがお安くできるものは頑張ってお安くするということを一番考えている。あとは、工場を回すということも非常に重要な要素で、それぞれの時期にそれぞれの工場の商品をしっかりと生産する人を雇用し続けられるようにすることが大切だ。私たち、直接工場とやっている。そこに対しては意識をもってやっていく。そういうところで商品の売価を検討している。

ベトナム、タイで糸から製品まで一貫工場も稼働
製造、商社、物流まですべて自社で賄ってコストダウン、競争力向上へ

似鳥:最後に私のほうから、一言。海外は私、ベトナムもアメリカも行ってきた。アメリカは今年5月、11月にベトナムの(自社)工場。2万5000坪の世界最大規模のカーテン工場。コロナの間、素人で機械を組み立てて1年(操業開始が)遅れたが、ようやく軌道に乗ってきた。大量生産が始まってきている。今は無地だけ。普通の会社は糸を作ったり、染めたり、専門の会社があり、うちの会社が普通に発注する場合には、縫製会社に頼み、縫製会社が生地屋さんに頼んで、紡績工場に頼んで、そこから、染め、糸の会社に頼んでと。そういう会社が6つ7つ(中間取引先が)あるのを、うち1社でやっている。糸から完成品まで(一気通貫で)。これは世界で初めてで、しかも、坪数の大きさや量産も世界最大規模。壮観です。アナリストの方もベトナム工場を視察していただいた。自分の会社のことだけど、すごいなと思う。やっぱり、こういうものがあれば、いくら海外に毎年何百店出しても供給し続けられるなと。

 タイ工場も、40年ぐらい取引をしてきたところが、赤字で困っているから工場を引き受けてくれないかと。カーペット工場で、(以前は)日本のペットボトルを集めて、今は(ペットボトルなど廃材の輸出入が)禁止されているので、日本で精製してビーズ状にしたものを、タイで溶かして綿(ワタ)にして糸に紡績して、染めて、裁断して、カーペットにして日本全国に持ってきている。これも進化していて、安いカーペットから厚みのあるカーペットに、柄が入ったもの(もできるようになっていて)、ラグがすごく売れる。1畳、2畳サイズの。今度はタイルカーペットを作る。別にバンコクに1万坪ぐらいの新工場を建設する。来年建築が始まり、再来年稼働する。ぜひアナリストの方もご希望があれば案内させていただく。ベトナムも行ける。来年夏か秋に募集させていただく。わが社が出すのではなく、みなさんの経費で参加していただければ。そういう工場も着々と(整備している)。ベトナムのハノイも12月に買って、新しく製造をやる。

 モノを作ってから完成品まで、そして、商社からなにから、物流の仕組みも進めている。カーゴ会社も去年作った(筆者注:物流機能子会社ホームロジスティクスを通じて、一般貨物自動車運送事業の新会社ホームカーゴを設立。コンテナ陸上輸送=ドレージ輸送を開始)。コンテナを引っ張るドレー車の会社で、(国内ディストリビューションセンターが)10カ所ぐらいあるが、今は3カ所か4カ所(で輸送を開始した)。1台3000万円ぐらいするものを導入した。それを全国でできるように。海外でもできるように。すべてのことを自社で賄うと、だいたい3割、4割下がるので、コストダウンを図っていくことをやっていきたい。

2023年の年末株価予想は3万1000円
世界経済失速でも、日本の株価は「割安」

――最後に株価予想をお願いします。

似鳥:株価予想ね。正月番組を見てください(笑)。私が当たりました。2万9000円予想だったので、2万8500円ということで、ダントツの第1位だった。「来年は?」と言うので、3万1000円にした。え、言っちゃだめ?ま、いいんじゃないですか。なぜならば、世界的に不況になると思う。(実質GDP予想が)アメリカも1%。もっと下がるかもしれない。EUは0.5%とか。日本だけは1.何%とか。おそらくいかないんじゃないかと思う。世界的にも成長がアメリカはじめ中国も(失速する)。じゃあ、なんで日本の株価が上がるんだ?と。今まで、アメリカはじめ、金利が高い、景気がいいときにお金が流れているが、今度は逆にそこからお金が逃げていく。日本はもともと株が安く、かなり外国企業が売って違うところに投資したので。また、日本の株価は安いと、みなさん世界の投資家が思っている。来年は底堅いというか、日本の方にお金が戻ってくるんじゃないかなと私は思う。で、3万1000~3万2000円ぐらいと思ったが、3万1000円に。今よりも高くなると。今が2万7000円前後。今年の予測としては、2万4000円までいって、夏前後までいって、秋ぐらいから上がって2万9000円になると予想した。来年もそのような状態で上がっていくんじゃないかなと考えている。どうなりますでしょうか。当たるも八卦、当たらぬも八卦。もうこれは勘ですから、ハズレた場合にはすいません、ごめんなさいと謝ります。あくまでも私の意見で、うちの社員の話は聞いてませんので(笑)。

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経済予測名人のニトリ会長が語った「2023年の経済」「日経平均予想」「ニトリの逆張り戦略」

 今年も残すところあとわずか。そんな中、ニトリホールディングスの2023年3月期第3四半期の決算説明会が開催された。世界経済や為替、株価など、“経済予測の達人”と呼ばれる似鳥昭雄・代表取締役会長兼最高経営責任者はそこで何を語ったのか。海外での出店要請の増加要因について、白井俊之・同社長兼最高執行責任者と、グローバルを担当する武田政則・取締役兼ニトリ社長の説明も交えて、レポートする。

為替147円で予約は失敗。為替は得意だったが見誤った

――為替予約については今期分まで予約だと思うが、予約方針等で、長期の予約を検討する等の方針変更はあるのか、検討されているのか。海外事業の状況についてもより詳しく伺いたい。というのも、中長期で考えていくと、海外での小売り事業が広がっていけば為替がオフセットできる分があると思うので、そういった視点を踏まえて考えると、今後、海外事業の展開加速は可能なのか?今、中国、東南アジアの積極展開の話があったが、もう少し詳細に、直近の状況等アップデートいただければ。

似鳥昭雄ニトリ会長兼CEO(以下、似鳥):では、為替のことは私の方から。今期の決算末(2023年3月)まで147円で予約したが、結果的にちょっと失敗したなと。まあ、みなさんご存知のように134円と。一時151円までいったものだから。再度下がってきたときに買わないと、今度は150円から155円とか、もしくわ160円に行くのではという話もあったので。また、一度(政府が)為替介入して効果がなかった。日本政府は為替介入しても効果は少ないんだなと。もしあったとしても、あんまり影響ないかもしれないということがあって、みなさんと協議して147円で決算まで買おうかと。我慢して我慢し続けたんですけどね。

 私の予想では、アメリカの景気が悪くなって、年末近くになって、為替よりも景気が悪い方が強くなって円高になるということをずっと言ってきたが、それがなかなかならなかった。かなり時期がずれていたというか、住宅も夏以降、10%ずつ注文住宅が前年比で減ってきて、そういう状況もあるから、間違いなくアメリカから不景気になっていくと。そちらのほうが強くなると思っていたが、なんといっても0.75%ずつ毎月毎月金利を上げるということで、その時点では0.7%上げるということがはっきり決まったので、まあ、まずいなと思って、かなり迷ったが予約してしまった。あの時にあそこまで我慢したのでもう少し我慢したら、132円か130円切るぐらいのところでできたかなと。失敗したなと。大変みなさんに対しては申し訳ない。為替は得意な方だったが、ちょっと見誤ってしまったなと。みなさんにお詫び申し上げます。

来年は円高に、110~120円予想

似鳥:(為替は)来年で言うと、僕は110円ぐらいまで、110円から悪くても120円ぐらい、もしかしたら118円ぐらいでいくのかなと。理由は後から申し上げるが、アメリカが予想以上に景気が悪くなる。衣料も含めて世界的に景気が悪くなって、インフレも関税も下がると。ひょっとしたら日本型のデフレ経済になるきっかけになるかも。その前のインフレというのは、あだ花になるかもしれない。パッと咲いてですね。これは勘ですけどね。これだけ戦後に類例がなかったので。日本の失われた30年という、長期的なデフレで。これがこのインフレというものを機会にひょっとしたら、という気がするが、これは何の科学的根拠も何もないが。まあ、来年からは間違いなく世界的に不況で。その中でもアジア圏はいいんじゃないかと。

 今年は(ニトリの為替平均レートが)トータル132円で、去年が111円だから、21円の差。21円で20億円だから、21円×20億円で420億円前年より損をした。210円(おそらく、110円の言い間違い)に来たら、400億円がポンと為替(差益)に乗っかると。今の状況は間違いなく円高になるから、基本的には下がるまで待ち続けると。私の考えは、為替はドル高がドル安、円安が円高、下がるまで待つ。その後、次の段階でまた上がっていく。今度は今度は長期的に3年ぐらい、2~3年長期的に予約したいなと考えている。今度は失敗しないように。みなさんに大変ご迷惑をおかけしました。だけど、まあ、これから何十年も続いていきますからね。こういう10年か20年に1回、リーマンショックとかオイルショックがある。逆境を今まで乗り切ってきた。まあ戦後、僕は創業して55年だが、初めてのコロナ、それから円安、原材料高、輸送費が倍以上という。こういうのは創業して初めてだ。これもいい経験。失敗を経験として、今後の10年の糧にしていきたい。

海外中心に出店加速、10年間でグループ3000店舗へ

似鳥:出店はとくにシンガポールやマレーシアが軌道に乗ったので、タイやフィリピン、インドネシア、韓国、できたらインドといったところに、なるべく早く、来年調査して、少なくとも再来年、1店でもまずは(店を)出してみたい。海外は早く(年間)100店舗出店できる(ようになりたい)。来年に100店はどうかと思うが、再来年は間違いなく100店舗以上出して、日本より海外の方が多くなると思う。(グループの店舗純増数は)今年が約110店舗だが、来年は184店舗、再来年からは最低200店舗、それが3年ぐらい続いて、次は250店の時代と。(来年には総店舗数が)海外を含めて1000店舗(を超える)。異業種も含めて10年間で3000店舗という計画を立てている。だいたい全部(計画は)できたが、細かくは再度検証した結果、みなさんにお知らせすることができると思う。

――(衣料品の)「N+(エヌプラス)」と「デコホーム」について、通期の出店の見通しを変えている背景と、今、海外の出店については力強い言葉をいただいたが、今後の国内の出店戦略について考え方を教えてほしい。

似鳥:「Nプラス」は今年(期末店舗数が)30店舗、来年20店舗(を出店計画しており)、合わせて50店舗になる。3年目以降も最低20店舗ずつ、できたら毎年30店舗(出店)して、どんどん増やしていきたい。「デコホーム」は今160店舗。来年50店舗をオープンする。だいたい24年度が50店舗、25年度からは60~70店舗と増えていく。「ニトリ」は23年度が29店舗。(その後は)15~20店舗ぐらいがずっと続くと思う。

武田政則・ニトリHD取締役兼ニトリ社長(以下、武田):海外は今目標で来年77店舗オープンしようとしている。1店舗ずつ、地域、ショッピングセンター(SC)にメドをつけながら進めている。その中で、実はマレーシアはおかげさまで9店舗まで決まった。タイがバンコクで2店舗決定している。シンガポールも1店舗決まりそう。最終合意まで至っていないが、大変多くのお店がベトナム依頼がきていて、今、10店舗来ていて条件を調整している。インドネシアが今8店舗お声がけいただいていて、この中から条件がいいものを選んでいこうと考えている。フィリピンは大手の方たちと商談がスタートしていて、具体的に面積のすり合わせなどを行っている。あとは韓国が8物件提示をいただいていて、そのうち数店舗決められるのではないか。香港は9物件いただいていて、条件のすり合わせをしている。あまりよくない場所には出したくないので、しっかりと詳細を確認しながら進めたい。

 (出店した)シンガポールとマレーシアのお店を見ていただいて、具体的な物件など本当に多くのお声がけをいただいている。それに向けて新しい海外の法人の立ち上げを急ピッチで社内で動いている。あとはサプライチェーンだ。週かの方法や、どこに大型物流センターを作ってどういう風に運ぶかということも、かなり急激にお店が増えてくるので、今しっかりとそのサプライチェーンマネジメント・チームをつくって対策を打っているところだ。

 中国は(ゼロコロナ政策からの方針転換という)こういう状況で、街にはほとんど人がいない中で営業している。私たちの従業員も大勢(コロナに)かかっているが、そんな中で、実はテナントが空きつつある。多く空いてきているので、逆にチャンスだと思っていて、私たちの理想の面積がしっかりと提案いただけるようになってきている。みなが(お店を)やめていくところに、しっかりとニトリの店にしていきたい。スピードを上げていくうえで、店舗開発担当の人数まで増やして対応している。

世界展開する大型家具・インテリア業態は「IKEA」と「ニトリ」だけ
SC内に競合がなく、客層拡大・集客に期待かかる

――これだけアジア各国で強いラブコールが来ているのは、どういうところが各国で評価されていると考えているか?

武田:家具からホームファッションまで(の商品群や)、コーディネートで色がつながっているという商品構成を、ずっと何十年もかけて作り上げてきたが、実はそういう店舗・商品がインターナショナルで展開できているのが、今までIKEAさんだけだ。IKEAはものすごい大きな店を100万~150万人に1店舗ということで出店されているが、私たちはもっと商圏に入り込んで、10万~15万人の中に店舗をつくっていける。もっともっと近所になっていけるということと、SCにはIKEAは(店舗が大きすぎて)入れられないので、そういう意味では、今ニトリは日本では平均1100~1200坪が平均だが、今中国・ASEANは500坪型、700坪型で標準化を進めている。同じ売り場を複数増やしていけるということで、ローコストオペレーションも進めさせていただいている。

白井俊之・社長兼COO(以下、白井):先週、東南アジアを回ってマレーシア、シンガポールの店に行ってきた。マレーシアのジョホールバルというところに先週木曜日(12月15日)に新店がオープンして非常に好調だ。同じジョホールバルの2店舗目が来年1月にオープンするが、実はIKEAさんと同じSCに入る。まったく同じSCで、ニトリとIKEAのカンバンが一つの写真に納まるようなめずらしいSCになる。

 それで現地でいろいろ話を聞いてきて、ニトリがSCからお声がかかる理由として、大きく2つある。一つはSCの中で住まいでうちのようなフォーマットの店がほとんどない状態だ。SC側から見ると、今までそのSCに来ていなかったお客さまをうちが呼び込むということを相当期待されている。SCからすると、客層が拡大できると。また、大きなスペースを取る割には、他のテナントへの影響も少ない。アパレル同士だったらどうしてもカニバリ(食い合い)になるが、(しないので)ウェルカムのようで、比較的、おそらく他社よりもいい条件で入らせていただけるんじゃないかなという手応えを感じている。今、武田からも話が合ったように、我々が出店の用意があるということを十分理解したうえで、各国・地域で国を超えてデベロッパーさんが東南アジアのお店などにもどんどん視察に来られていて、いろいろな話をいただいている。

50年に1回の大災害を1年で乗り切る。筋肉質に体質改善

――似鳥会長はこれまでずっと、ピンチはチャンスだと言い続け、不透明な時、厳しい時こそニトリは伸びる、厳しい環境が社員を伸ばす、とずっと言われ続けてきた。先ほどの為替の話のように、 半世紀以上経営されてきて、予測が外れるといったような状況が起きてきている。そういった中で、今は何を社員に呼びかけているのか?

似鳥:今こういう状況で、社員もモチベーションが非常に上がりにくい。もうマイナス、マイナス、未達成の状況が続いてるので、なんぼ努力しても進んでいかなくて、士気が上がらないという状況なのは間違いない。私からのメッセージとしては社内報などを毎月出しているが、最近は私とか幹部とか、現在こういう状況だけど、来年以降はこうなりますよ、とか、何十年の中のたった今年1年だから、まあどんな会社だってそんなことはあり得るし、いちいち深刻がって「もううちの会社、このままマイナスになっていくのかな」とか、全然そういう心配はいらないというね。理由もちゃんと説明して、やはり円安っていう状況が1番ですけど。これはもう来年は間違いなく円高になるんですね。たった1年だから我慢してくださいと。それによって今年、筋肉質に(改善した)。今まではもう進め、進めで、商品とか出店とかに力を入れていたが、見直しして、社内の業務改革で、100億円、200億円という数字はコストダウンした。だから、「ピンチはチャンス」というのは、ピンチでどうしても数字が(目標に)行かない場合には、社内のコストダウンに力を入れて、しかるべき、ピンチから1、2年後(チャンスに変わるタイミングで)攻めて行ける。

 逆に、そうは言っても国内ではわりかし長く景気がよく続いている。まだ土地も下がらない。建物(費)も下がらない状態も続いているが、来年から潮目が変わると思う。もう、アメリカも戦後1番長い景気だから、この景気が落ちるのはっきりしている。下だれば坂も長いし、谷も深いと。世界的に、アメリカがくしゃみすれば、世界中が風邪をひいてしまう。日本も同じような状態だと思う。日本は金利が、黒田総裁が変わっていく頃にはプラスなってくるだろうから、余計、円高になってくる。それを社内に発信して、だから今、体を鍛える、筋肉質に鍛える時なんだと。

 私も筋トレを月曜から木曜までやっていて、ボクササイズも週1回やっている。土日はゴルフという。本当に体を鍛えるのをやっている。つい最近、階段から転げ落ちて、一本背負いみたいになっちゃって全員打撲のむち打ちになり、寝たきりになってしまったが、1日1日回復して、皆さんに顔を見せるのに間に合ってよかった。このようにピンピンしている。やっぱり筋トレをしていてよかった。今年は我が社で言うと、筋トレをやって鍛えて、しかるべき来年からどんどん攻める。今年はそういう時期じゃないかなと思っている。株価も大変みなさんに迷惑をかけているが、間違いなく元に戻るし、利益もどれだけ行くとはまだ言えないが、順調に来年から回復すると思う。まあ、10年、20年に1回ぐらいはね……。うちの30何年か増収増益というのは出来すぎだ。運が良すぎた。50年に1回の大災害と思えば、それもたった1年で乗り切るんだから、うちの社員にはみんなに我慢してと。早く辞めたりしないでと。若手の人は目先で動くから、入社して2年3年はね。もう30歳過ぎると辞め過ぎないが。やっぱり動揺するんですよね。入社員3年、4年は。そういう風なメッセージを毎月社内には送っている。早まらないでちょうだいね、と。会社を信頼してと。そういう話をしているところだ。

ユニクロのファストリは株式分割。ニトリの投資単位の引き下げは?

――似鳥会長に質問。「ユニクロ」のファーストリテイリングが株式分割を久しぶりにされた。ニトリは現状、株価が1万6400円前後で、投資には164万円ぐらい必要だ。東証はできれば投資単位を50万円以内が望ましいと明言している。投資単位の引き下げの考えは?

似鳥:私の一存でそうしますとは言えないが、事実、証券協会から強制ではないけれどできるだけ買いやすくしてほしいという要望はある。今回のユニクロさんは3分の1にした。3分の1にしたって、まだ2万円台で、300万円ぐらい必要。まだまだ高い。うちなんかまだ100万円台。ユニクロがまた下げたら、うちも下げます(笑)。10分の1ぐらいにするのかなと思ったけど、3分の1。ちょっと様子見ということかなと。今すぐ下げることはないけど、投資家のためには買いやすい価格にするべきだと思う。

――そもそも、10分の1ぐらいにするのかなと思ったということだが、ファストリが今下げたことに対しては驚いたか?

似鳥:ああ、やっぱりなという。高すぎるので、よく買う人いるなと(笑)。今、800万円とかね。大企業・機関や、個人投資家でもお金持ち中心でやっているんだなと。それであそこまで上がっていくなら大したものだと思っているが。私もああいう企業になりたいなと思っているんですけどね。今年も柳井(正ファーストリテイリング会長兼社長)さんとゴルフを今年もしたけれど、僕が尊敬する一人です、柳井さんは。お互いに会話しながら、株のことは話ししないけれども、ゴルフしながら歩きながら、私が教えてもらっているところがある。

――御社は様子見ということか?

似鳥:もう少し様子を見てだと思う。あと、株価が今、1万6000円ぐらいでしょ?それが何千円ぐらいに下がると目立たないというか、親戚とか周りから見て、評判がね……。たとえば3000円とか4000円になると、もうまったく(評価が)なくなってしまうと。そういう面で、社員からはそのまま維持してほしいという要望が多い。本当にどうしたらいいかと、今のところ思考中だ。

来春ベースアップ4%を予定。転勤制度改正、希望者への土日休み拡充も

――家計が苦しくなる中で、従業員の暮らしにも影響が出る。来春闘に向けて賃上げは?

白井:ベースアップに関しては、ニトリは19年連続でベースアップを続けていて、来年度の見込みとして最低でも4%は確保したい。ただ、今一番従業員から要望が多いのは、転勤についての制度について。会長の似鳥からも、20代でいろいろな仕事をというところで、転勤が非常に多いが、来年度から思い切って、だいたい入社4年目以降から、関東圏、関西圏を選択して、転勤のない制度を導入することを決定して、これから社内に発表するところだ。むしろそちらの方が、働き方というところで言うと、非常に社内においてインパクトがあるんじゃないかなと。それと、賃上げについては、最低でも定期昇給ベア4%を予定している。

似鳥:流通業は全国に店がある。どうしても転勤の問題や、土日休みじゃないということもあり、優秀な人材が退職するということもある。今、白井社長が言ったように、転勤は希望があれば親元からも通えるようにしようと。それから、今年6月から月3回、パートさんも含めて希望者が土日に休みを取得できるようにしている。来年から月4回、毎週1回、土日希望があればと。アンケートをとって実行しているが、若い人が土日、恋人がとか、お付き合いが、と(いうことで取得希望者が多いかと)思ったら、そういう人たちは平日の休みのほうが自由で人が少なくていいという。意外と、子どもさんを持っている30代の方などが、土日の運動会や参観日などで、30%、1/3ぐらい(希望している)。意外と土日(休み希望は)少なかった。そういうこともアンケートをとってわかった。ありとあらゆることで働き方を改革していこうとずっとやっている。まだまだいろいろあるが、きょうはこのくらいで。

逆境のピンチ後に成長。デフレ時に土地・建物を取得
「無借金なのでいつでも十分に投資可能」

――似鳥会長は「ピンチはチャンス」、収益が厳しいときにこそ一気に他社を差をつけるとおっしゃっているが、他社を引き離すために、どんなストーリーを考えているのか?また、値下げは「季節のお買い得商品」という値下げキャンペーンはわかるが、「生活応援キャンペーン」をやって、「冬の期間限定価格」をやって、「ぽかぽかNウォームお試しキャンペーン」などをやって、など、少なくても昨年に比べて値下げというか、価格戦略のキャンペーンを打っているのは、これも今のうちに他社が値上げしなければならない前に一気に差をつける戦略の一つと見てよいのか?

似鳥:創業してから過去55年、結論から言うと、伸びてきたなと思うのは、逆境のピンチがあって、その後、伸びてきた。景気がいいときは他の企業も伸ばしてくる。出店もするし。だけど、不況のときとか、逆境のときは、みんな控えめに抑える。今まで日本もまだずっとよかったが、来年から金利も多少上がるだろうし、土地は下がってくるとは思う。東京の土地で入札して負けたことなかったが、今年とか去年は買えない。土地(の価格)が倍になって。マンションメーカーだ。マンションが非常に高くなっている。マンションメーカーが3年ぐらいたった時には暴落しているでしょうから、そのマンションメーカーは危ない。馬鹿だなと思う。そういうことやっちゃダメだと思う。今年は池袋の土地と建物は買った(筆者注:東急ハンズ池袋店跡地をヒューリックから土地・建物を取得。11月18日に「ニトリ 池袋サンシャイン60通り店」をオープン。売り場面積約1810坪)が、ああいう物件はめったに出ない。多少高めでも、それでも十分売れているので、買ってよかったなと思う。基本的には高値の時には投資はしないと。建物も坪当たり建築費が50万円(と高騰している)。うちで40万円ちょっと。エスカレーター、エレベーターなどすべてを完備して。でも、一番安い時には20万円ちょっと。半分だった。そういう時代が何十年も続いて、高くなったのはつい6~7年前から。それは僕はまた元に戻ると思う。土地も建物も。そういう意味では来年から徐々にありとあらゆるものがデフレに戻る。土地も建物も。だからチャンスだ。10年か15年に1回そういうときがあって、そのときに土地と建物をどんどん買う。仕込む時期だ。そして、景気がよくなってきたなというときには、うちがばーっと、出店も増やしているし、今、テナントで借りているのが90%ぐらいになっているが、土地と建物が下がったときに買って自前で建てていく。その繰り返しをこの10年~15年ごとにやってきたのが今現在あるのではないかと。投資の仕方だが。今は最悪のとき。ここ2~3年は。来年から下がってくると思う。

 それから、政府も5年間、賃金(向け)を金利ナシで貸し付けてきたが、期限切れで来年から返していかなければならない。僕は中小企業は何万社、何十万社も厳しい時期になっていくと思う。そのときのためにみんな準備はしていると思うが。来年以降、大企業にとっても中小企業にとっても厳しい時代入ると思う。相対的に景気はあまり変わらないかもしれないと思うが、土地建物、金利が上がって、潮目が変わってくる。値上げどころが逆にありとあらゆるところが下がってくる。そういう時代に入ってくるんじゃないかなあと私はそう思っている。その繰り返しで、10年か15年に1回は繰り返して、ずっとうまくいって、ニトリが大きくなってきた原因の一つだと思う。

 お金は今年も1000億円投資したので、来年も純利益と、減価償却がプラス150億円ぐらいあるので、無借金だし、十分投資はしていける準備はいつでもしている。

武田:価格政策、値下げ政策は、他社うんぬんもそうだが、お客さまに使っていただけるチャンスなので、そこで私たちがお安くできるものは頑張ってお安くするということを一番考えている。あとは、工場を回すということも非常に重要な要素で、それぞれの時期にそれぞれの工場の商品をしっかりと生産する人を雇用し続けられるようにすることが大切だ。私たち、直接工場とやっている。そこに対しては意識をもってやっていく。そういうところで商品の売価を検討している。

ベトナム、タイで糸から製品まで一貫工場も稼働
製造、商社、物流まですべて自社で賄ってコストダウン、競争力向上へ

似鳥:最後に私のほうから、一言。海外は私、ベトナムもアメリカも行ってきた。アメリカは今年5月、11月にベトナムの(自社)工場。2万5000坪の世界最大規模のカーテン工場。コロナの間、素人で機械を組み立てて1年(操業開始が)遅れたが、ようやく軌道に乗ってきた。大量生産が始まってきている。今は無地だけ。普通の会社は糸を作ったり、染めたり、専門の会社があり、うちの会社が普通に発注する場合には、縫製会社に頼み、縫製会社が生地屋さんに頼んで、紡績工場に頼んで、そこから、染め、糸の会社に頼んでと。そういう会社が6つ7つ(中間取引先が)あるのを、うち1社でやっている。糸から完成品まで(一気通貫で)。これは世界で初めてで、しかも、坪数の大きさや量産も世界最大規模。壮観です。アナリストの方もベトナム工場を視察していただいた。自分の会社のことだけど、すごいなと思う。やっぱり、こういうものがあれば、いくら海外に毎年何百店出しても供給し続けられるなと。

 タイ工場も、40年ぐらい取引をしてきたところが、赤字で困っているから工場を引き受けてくれないかと。カーペット工場で、(以前は)日本のペットボトルを集めて、今は(ペットボトルなど廃材の輸出入が)禁止されているので、日本で精製してビーズ状にしたものを、タイで溶かして綿(ワタ)にして糸に紡績して、染めて、裁断して、カーペットにして日本全国に持ってきている。これも進化していて、安いカーペットから厚みのあるカーペットに、柄が入ったもの(もできるようになっていて)、ラグがすごく売れる。1畳、2畳サイズの。今度はタイルカーペットを作る。別にバンコクに1万坪ぐらいの新工場を建設する。来年建築が始まり、再来年稼働する。ぜひアナリストの方もご希望があれば案内させていただく。ベトナムも行ける。来年夏か秋に募集させていただく。わが社が出すのではなく、みなさんの経費で参加していただければ。そういう工場も着々と(整備している)。ベトナムのハノイも12月に買って、新しく製造をやる。

 モノを作ってから完成品まで、そして、商社からなにから、物流の仕組みも進めている。カーゴ会社も去年作った(筆者注:物流機能子会社ホームロジスティクスを通じて、一般貨物自動車運送事業の新会社ホームカーゴを設立。コンテナ陸上輸送=ドレージ輸送を開始)。コンテナを引っ張るドレー車の会社で、(国内ディストリビューションセンターが)10カ所ぐらいあるが、今は3カ所か4カ所(で輸送を開始した)。1台3000万円ぐらいするものを導入した。それを全国でできるように。海外でもできるように。すべてのことを自社で賄うと、だいたい3割、4割下がるので、コストダウンを図っていくことをやっていきたい。

2023年の年末株価予想は3万1000円
世界経済失速でも、日本の株価は「割安」

――最後に株価予想をお願いします。

似鳥:株価予想ね。正月番組を見てください(笑)。私が当たりました。2万9000円予想だったので、2万8500円ということで、ダントツの第1位だった。「来年は?」と言うので、3万1000円にした。え、言っちゃだめ?ま、いいんじゃないですか。なぜならば、世界的に不況になると思う。(実質GDP予想が)アメリカも1%。もっと下がるかもしれない。EUは0.5%とか。日本だけは1.何%とか。おそらくいかないんじゃないかと思う。世界的にも成長がアメリカはじめ中国も(失速する)。じゃあ、なんで日本の株価が上がるんだ?と。今まで、アメリカはじめ、金利が高い、景気がいいときにお金が流れているが、今度は逆にそこからお金が逃げていく。日本はもともと株が安く、かなり外国企業が売って違うところに投資したので。また、日本の株価は安いと、みなさん世界の投資家が思っている。来年は底堅いというか、日本の方にお金が戻ってくるんじゃないかなと私は思う。で、3万1000~3万2000円ぐらいと思ったが、3万1000円に。今よりも高くなると。今が2万7000円前後。今年の予測としては、2万4000円までいって、夏前後までいって、秋ぐらいから上がって2万9000円になると予想した。来年もそのような状態で上がっていくんじゃないかなと考えている。どうなりますでしょうか。当たるも八卦、当たらぬも八卦。もうこれは勘ですから、ハズレた場合にはすいません、ごめんなさいと謝ります。あくまでも私の意見で、うちの社員の話は聞いてませんので(笑)。

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「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ」が日本撤退

 資生堂はこのほど、「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE&GABBANA BEAUTY)」が、2022年年末で全店舗の営業およびECを終了すると発表した。店舗の運営は、ルミネ横浜店が12月30日まで、銀座三越店、資生堂ビューティ・スクエア、高島屋大阪店が31日まで。ECは順次終了しており、アットコスメショッピングと大丸松坂屋百貨店のメディアコマース「DEPACO(デパコ)」は31日まで取り扱う。営業終了まで、各店舗とECでキャンペーンを実施している。

 「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ」は、1992年にブランド初のフレグランスを発表。これまで100種類以上のフレグランスを生み出し、ベースメイクやメイクアップまでアイテムを拡充してきた。その後、資生堂が2016年10月にドルチェ&ガッバーナ社とフレグランス、メイクアップ、スキンケア商品の開発、生産および販売に関する独占グローバルライセンス契約を締結。日本では16年からフレグランス、19年からメイクアップコレクションを展開していた。資生堂が中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」の選択と集中による事業ポートフォリオの再構築を進める中、21年12月31日にフランスを除く市場でライセンス契約を終了。22年1月1日からは資生堂の連結子会社であるEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域本社でフレグランス事業を担うボーテプレステージインターナショナルが最低12カ月間、ドルチェ&ガッバーナ社商品のグローバルでの生産および販売を継続すると発表していた。

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【2023年春コスメ】「YSL」はピンクヌードなカラーをラインアップ 暖かで魅惑的なアイシャドウなど

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT 以下、YSL)」は2023年1月1日、夕日を浴びてピンクに染まり輝くモロッコの砂漠にインスピレーションを受けた2023年のスプリングルック「モロッカン ピンク ヌード」を発売する。ラインアップはマルチカラーパレット、リップスティック、クッションファンデーションなど全4アイテム5種で、ピンクを取り入れながらも甘くなりすぎない、「YSL」らしいエッジの効いた限定カラーがそろった。12月26日から公式オンラインブティックと表参道フラッグシップブティックで先行発売を行う。

 乾いたマットヌードの陰影カラーに発色の良いレッド、きらめくピンクやゴールドのカラーがアクセントになった “クチュールカラークラッチ #5デザート ヌード”(税込1万3860円、以下同)は、チークやハイライター、ブロンザーとしても使える全10色のマルチカラーパレット。マット、グリッター、メタリックと異なる質感と組み合わせやすいカラーが詰め込まれていて、ピュアなマットヌードや情熱的なメタリックレッドまでファッションや気分に合わせて楽しむことができる。

 人気のマットリップ“ルージュ ピュールクチュール ザ スリム ベルベットラディカル”(限定2色、各5500円)は、血色感を演出する赤みを含んだココアカラーと深みのあるテラコッタブラウンの2色が限定色を用意した。ピンクヌードメイクにマッチしやすいブラウンカラーでメイクを引き締める。

 内側から輝く白光肌に仕上げるクッションファンショーションとして今年9月に登場した“ラディアント タッチ グロウパクト コレクター”[SPF50+/PA++++](全2色、各1万230円)は、ペールピンクのクラッシュドレザーに、ゴールドのロゴをあしらった限定パッケージのコレクターズエディションが登場する。“アンクルドポールクッションN” [SPF50+/PA++++](全3色、各9790円)は今年限定発売され高い人気を集めたブラック一色の「オーバーノワール エディション」を復刻発売。ブラックのクラッシュドレザーにブラックのブランドロゴを組み合わせた、シックでモードなデザインに仕上げている。

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「サカイ」とカフェを仕掛けたシェフ集団ゲットー ガストロ 「ヒップホップのような」食のクリエイション

 「サカイ(SACAI)」は、ニューヨーク・ブロンクスを拠点に活動するシェフ集団ゲットー ガストロ(Ghetto Gastro)とコラボレーションした期間限定カフェ「サカイ ガストロ」を東京・原宿のトウキョウ バーンサイド(Tokyo Burnside)で12月30日まで開催中だ。同店は、「ナイキ」とブルーボトルコーヒー(BLUE BOTTLE COFFEE)、ロッキーズ・マッチャ(Rocky’s Matcha)がサポートし、「ナイキ」のスウッシュロゴをあしらったソール型のワッフルをゲットー ガストロがアレンジした独自のレシピで提供する。メニューは4種類で、抹茶のワッフルとフライドチキンのセット“チキン クープ”(税込1980円、以下同)、神戸と広尾に店舗を構えるハーロウ(HARLOW)のアイスクリームを添えたチョコレートワッフル“ブラック パワー ワッフル”(1870円)とストロベリーワッフル “ストロベリー ヘイズ”(1870円)、コーンワッフルにクラブサラダとキャビアを添えた“トリプルC’s”(5280円)をラインアップする。

 メニューを担当したゲットー ガストロは、リーダーのジョン・グレイ(Jon Gray)、ピエール・セラオ(Pierre Serrao)、レスター・ウォーカー(Lester Walker)の3人で、2012年に活動をスタート。“地域をつなぐ食文化とコミュニティー力”をコンセプトに掲げ、料理とカルチャーをベースに、ファッションや音楽、アートなどを融合させたイベントやフードのプロデュースを行っている。これまでには、オーディオブランド「ビーツ・バイ・ドクタードレ(BEATS BY DR. DRE)」や「アンブッシュ(AMBUSH)」「アウェイク ニューヨーク(AWAKE NY)」と協業したほか、16-17年秋冬のパリ・ ファッション・ウイークでは「リック・オウエンス(RICK OWENS)」のディナーイベントでメニューを担当。「サカイ ガストロ」のために来日した彼らに、コラボした経緯やメニュー作りで意識したことなどを聞いた。

WWD:「サカイ」とコラボレーションした経緯は?

ジョン・グレイ(以下、グレイ):21年にロサンゼルスで行われた「ファミリー スタイル フード フェスティバル(Family Style Food Festival)」で、僕らのワッフルブランド「ウェイビー(WAVY)」と「ナイキ」が初めてコラボし、同ブランドのアイコンモデル“ワッフルレーサー”のソールに見立てたワッフルを作ったんだ。以来「ナイキ」を通して、「サカイ」とつながり、今回のプロジェクトを実現することができたのさ。

WWD:ファッションブランドである「サカイ」とタッグを組むことで意識したことは?

グレイ:僕らが言う“コミュニティー”とは、どこかの地域というよりも、ビジョンやクリエイションの一部であることを意味している。高級な素材を世界中から集めて料理に使い、普段そういうものを食べる機会がない人たちも気軽に味わえるようにしているんだ。「サカイ」も僕らの料理と同じように、いろいろな素材やパターンを服に取り入れているよね。今回のメニューでは、ワッフルに抹茶やフライドチキン、キャビアなど意外性のあるものを組み合わせて、彼らのクリエイションと共鳴するように作ったんだ。

WWD:メニューの中で、特にフライドチキンと抹茶のワッフルのセットがアメリカと日本の文化の融合を感じる。

ピエール・セラオ:日本とアメリカの食文化の共通点を表現したかったんだ。フライドチキンとワッフルを一緒に食べるのは、日本人にとってあまりなじみがないかもしれない。でも、抹茶でワッフルを作ることで、より親近感を持って食べてほしかった。それに、僕らのルーツであるアフリカを象徴する赤と黒、緑、黄色もイメージしているんだ。今回は日本でカフェを開くから、緑と赤を連想させる抹茶といちごを使ったメニューを取り入れたかった。

WWD:今後レストランを開く予定はありますか?

グレイ:食は一つのところにとどまる必要はないから、レストランを開くつもりは今のところないんだ。ここでカフェをオープンしたのは、さまざまな国籍や人種の人たちが訪れ、異なる文化が交差する空間で食を提供したかったから。僕らのクリエイションは、あらゆる要素から成り立っている、ヒップホップみたいな感じかな。実は、このトウキョウ バーンサイドはクリエイティブ・エージェンシーのエン ワン トウキョウ(en one tokyo)と共同企画した場所でもあるんだ。

WWD:これまでにさまざまなファッションブランドともコラボし、学んだことは?

レスター・ウォーカー:僕らはシェフであり、クラフツマンシップをすごく大切にしている。過去に協業してきたファッションブランドからはものづくりの精神をとても感じたよ。異素材を組みせるという「サカイ」のブランドコンセプトを理解するように、ブランドの歴史やどんな素材を使っているのかをちゃんと調べて、自分たちの食のフィールドでもどう表現できるのかを学んでいるんだ。

■sacai GASTRO
会期:12月30日まで
場所:トウキョウ バーンサイド
住所:東京都渋谷区神宮前5-12-14 2F Tokyo Burnside

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Z世代に人気の「メルト ザ レディ」 24年7月でブランド終了を掲げる「終わるからこそ尊い」の美学

 新宿ルミネエストの地下1階といえば、ヤング向けファッションの殿堂的フロアの1つだ。バロックジャパンリミテッドやマークスタイラーなどのブランドが並ぶ中に、少し毛色が異なるショップ「メルト ザ レディ(MELT THE LADY)」がある。大きな長テーブルが置かれた店頭の内装も販売員のスタイリングも個性的。売れ筋を追求した結果、似た商品が並ぶこともあるフロアの中で異質な雰囲気を放っている。それなのに、ルミネに取材すると好調ブランドとして名前が上がることがよくあり、商品入荷日には実際に女の子たちの行列ができている。

 同ブランドを手掛けるのは、宮内敦社長率いるメソニックデザインオフィス。宮内社長は以前、ギルドコーポレーションを運営していたヒットメーカーだといえば、ヤングファッションに詳しい業界人ならピンとくるはず。「メルト ザ レディ」に取材を申し込むと、ディレクターのAyaさんが対応してくれるという。キャットストリート近くにあるショップ兼アトリエを訪ねて彼女に話を聞いていたら、「あと2年でブランドを終了します」というコメントも飛び出した。

「少女が溶けて大人になるイメージ」

WWD:ルミネで売れているという話をよく聞くし、現役大学生の「WWDJAPAN」インターンに聞いても「『メルト ザ レディ』が今周りで人気」といった声が出る。でも、ブランドとしてはあまり情報が出ておらず謎も多い。改めて、どんなブランドなのか。

Aya:私自身、こういった取材を受けるのは初めてです。ブランドを立ち上げたのは2017年の7月、自分が20歳のときでした。私は広島県出身なんですが、ブランド立ち上げ前は地元で服飾・美容の専門学校に通いつつ、ときどき上京してモデルの仕事もしていました。(メソニックデザインオフィスが手がけるブランド)「バブルス(BUBBLES)」のECサイトのモデルなどをしていて、その縁で、知人を通してメソニックデザインオフィスに「将来自分のブランドがやりたい」と相談しました。それで、「バブルス」の原宿店(当時)でコーナー展開するという形で、「メルト ザ レディ」をスタートしました。

WWD:ブランドのコンセプトは?

Aya:ブランド名自体がコンセプトです。少女から女性へと成長していくその抜け殻や、少女が溶けて大人へと変わっていくといったイメージ。成長過程そのものをブランドとして掲げています。元々私は服がすごく好きで、ロリータや原宿系といった周りの目を気にしないファッションが中学生のころから好きだった。そんな自分が、世間の目を気にせず等身大で着たいものを作るブランドです。お客さまはファッションに敏感な20代が中心。太もも部分にホックがついていて、それを外すと肌がのぞくスラックス“ホックスリットパンツ”(1万2000〜1万4000円前後)などが人気商品になっていて、それはふらりと入った古着店で店員さんが着ていたこともあります。Y2Kのブームもあって、肌見せのデザインがジャンルを問わず幅広い層に支持されたという面もあると思います。

WWD:立ち上げの際に、宮内社長からブランドの方向性などについて指示があったのか。

Aya:特になく、まずは自分が作りたいものを作ろうという感じでした。最初の2年間は、私とMD担当、生産管理の3人で模索する日々。広島で服飾の専門学校に通ってはいましたが、ファッションビジネスの知識はほとんどなくて赤ちゃんみたいな状態だったので、何度もトライ&エラーを重ねて今があります。OEMメーカーさんに対し、言葉でうまく指示を伝えることもできませんでしたが、絵は習っていたので絵で伝えることはできた。それでも、上がってきたサンプルを見て驚愕するといったことが何度もありました。

 転機は立ち上げから3年目。宮内とブランドのあり方や今後をしっかり話し、もっと本格化させようとなりました。それで19年3月にここ(キャットストリートそばのアトリエ兼ショップ)をオープンしました。普通の路面店にするのではなく、コンセプトや内装をそのときどきでガラッと変えて、毎回期間限定で開けていくポップアップ形式の運営方法を考えていたんです。ただ、19年9月にルミネエストにもお店を出したので、まずはルミネエストに注力しようとなり、そのままコロナ禍になってしまった。このアトリエ兼ショップを店として開けられた期間は、これまでほんの数週間だと思います。

「自分の中で区切りをつけたい」

WWD:具体的に、どのように商品を企画し、売っているのか。

Aya:毎月店頭やECで発売するのは計30〜40型。1カ月分が1つエピソードになっていて、2回に分けて投入するので、それぞれがエピソードのボリューム1、ボリューム2という位置づけです。エピソードはシーズン1からシーズン3までの3部構成になっていて、実はブランドの最初から最後までの流れをもう決めています。そこから逆算して、リアルな時間軸とともにストーリーが進んでいくようになっています。

WWD:ブランド終了が既に決まっているという意味か。

Aya:はい。今はシーズン2の途中ですが、シーズン3が23年3月に始まって、24年の7月で終了する予定です。自分自身、(モデル業を含め)10代のころから服の仕事に関わってきて、今年で26歳になります。この期間はすごく尊い時間だったと思う。流行はどんどん変わっていきますし、“成長型”のブランドでやっているからこそ、自分の中で区切りをつけたい。SNSやECサイトで動画や写真でエピソードを発信していますが、お客さまは「このエピソードって一体何のこと?」と思っているかもしれません。シーズン1の終了時である22年の3月に発信した動画に、時計の針が24で重なる、終了を匂わせるシーンを入れました。シンデレラの話ではないですが、24時間で魔法が解けるといったイメージです。お客さまには、エンターテインメントとして、こうしたエピソードも楽しんでほしい。

WWD:ブランドが終了してしまうと知ったら、驚くファンは多そうだ。自身も寂しくないのか。

Aya:大切にしているブランドなので、もちろんすごく寂しいですよ。でもそれも尊いなと思う。終わりがあるから今も一生懸命にそこに向かって頑張ることができています。ダラダラ続けるのではなく、そこからまた新しいスタートが切れたらいいなと思っています。24年7月を迎えたらどうするかはいろいろと考えています。大人になった自分とともに、また成長していくブランドができたらいいなという思いもあります。

WWD:先ほどからよく“成長型ブランド”という言葉が出る。“成長型ブランド”という言葉をどういう意味で使っているのか。

Aya:私がそのときに着たい、等身大の服を作るという意味です。だから、立ち上げ当初とはテイストも結構異なっています。以前のような、もっとガーリーなテイストの服が好きだとお客さまに言われることもありますよ。ただ、自分と向き合って、そのときの自分が作りたいものが何なのかを突き詰めていますし、自分の成長と共に質も上げていきたい。年齢を重ねていく自分自身が違和感を感じないように、生地や縫製などの質も徐々に高めています。自分が常に納得して、自信をもって伝えられるブランドという意味で“成長型ブランド”と表現しています。シーズン1のころは私自身が商品ビジュアルのモデルも務めていましたが、それに対しても段々違和感を覚えるようになったので、シーズン2からは海外のモデルさんを起用しています。

期間限定ブランドはポップアップの進化系?

WWD:ビジネスの規模は今どれくらいなのか。

Aya:20年の春以降、売上高は特に増減なく10億円弱で安定しています。ブランドの終了を決めているので、商品の供給量も変えていません。ルミネエスト以外からも出店オファーはいただきますが、規模感は抑えている。もっと多くの人に着てもらいたいという気持ちがないわけではないですが、発売日に並んで商品を買ってくださるお客さまの気持ちを大事にしたい。せっかく並んで買ったのにみんなが着ていたら、きっとがっかりしてしまうから。1着1着に愛情を込めて作っているので、本当にこれが着たいと思うお客さまに届けたい。この規模では(生産ロットなどの問題で)難しいこともありますが、反対にこの規模だからできることもある。ブランドを大きくするよりも、この規模で作るべきものをしっかりお届けしたいと考えています。

WWD:世の中全体を見ても、期間限定のポップアップショップやポップアップイベントがますます増えている。そこからさらに一歩進んで、期間限定のブランドとして出てきたのが「メルトザレディ」というわけだ。こういう、ある種の話題性が今の時代はブランド作りに欠かせないと考えているか。

Aya:マーケティングなどは本当に得意でないので、なぜ「メルト ザ レディ」が売れたかなどについて私から言えることはないです。一生懸命作りたいものを作ってきただけで、命をかけてブランドをやっていると言ってもいいくらい。それがたまたま、お客さまの心に刺さったんだと思います。そういう熱量はお客さまに伝わると思う。

 ただ、今の時代は単にいい商品を作るだけではダメです。作ったものをしっかり伝えないといけない。いいものを作っても、それを発信しないと日の目を見ずに流れていってしまいます。今は(あらゆるコンテンツで)時間の奪い合いだから、お客さまも新作発売日だからってわざわざECサイトを見るということはありません。だからこそ、パッと目に入るように写真や動画をSNSで発信することの重要性は大きい。しっかり売るはずで仕込んでいたアイテムが、私がほかの業務でバタバタしてしまってSNSの打ち出しが弱まってしまったという失敗はあります。

WWD:あと2年間、どのようにブランドを育てていきたいか。

Aya:自分の作りたいものに向き合って作っていますが、店頭スタッフとの月一回のミーティングでお客さまの声もしっかり聞くようにしています。ブランドはお遊びではないので、(自分自身の世界と)お客さまのニーズとの融合が「メルト ザ レディ」だと思う。エピソードも単なる自己満足で出していたら意味がありません。(エピソードやそこに込めた思いを)お客さまにしっかり伝えていって、楽しんでいただきたい。実際、SNSのDMなどで「このエピソードって、もしかしてこういう意味ですか?」といったことを送ってきてくださるファンの方もいますよ。“成長型ブランド”として、「もうこのブランドからは卒業」と思われないように、今のお客さまと一緒に成長したいです。

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「ジバンシイ」新クリエイティブ ディレクター、トム・ウォーカーが思い描く“現代的な女性”のイメージとは?

 「ジバンシイ(GIVENCHY)」のメイクアップ クリエイティブ ディレクターに就任した英国出身のメイクアップアーティスト、トム・ウォーカー(Thom Walker)が来日した。彼はメイクアップコレクションを手掛けるとともに、広告の監修も務める。フリーランスとして「エルメス(HERMES)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALXANDER MCQUEEN)」「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などのファッションブランドでファッションショーやキャンペーンを手掛けるなど豊富な経験と実績を持つ彼に、就任までの経緯や「ジバンシイ」での仕事について聞いた。

WWD:「ジバンシイ」のディレクターに就任した率直な感想は?

トム・ウォーカー「ジバンシイ」メイクアップ クリエイティブ ディレクター(以下、ウォーカー):とても興奮しているし光栄なことで、今までの仕事の成果を評価してもらったことをうれしく思う。「ジバンシイ」と私は、現代女性の美に対して非常に似た哲学を持っており、それを分かち合えたことが今回の就任につながった。

WWD:「ジバンシイ」やあなたが共有する現代女性のイメージとは?

ウォーカー:エレガンスでありながら時代を超越した感覚を持ち合わせ、大胆でリスクを恐れない。新しいことに挑戦する、シンプルであることを恐れない人。ブラックドレスや赤い口紅のように、シンプルにはパワーが潜んでいる。

WWD:クリエイティブ・ディレクターとしてブランドに関わりたい思いは以前からあった?

ウォーカー:もちろん。夢のような話だ。最初は実現しない夢のように感じていたが、経験を重ねると「いつか現実になるかもしれない」と実感できるようになった。百貨店のカウンターで働いていた時から、広告ビジュアルやファッションにインスパイアされ、ファッションの世界で働いてからはクリエイティブ・ディレクションに強い興味が生まれた。メイクアップアーティストとして商品を作るのは究極の目標だった。

WWD:ブランドにそのまま残したいもの、逆に変えたいものは?

ウォーカー:必ずしも「変えたい」とは思っていない。「変える」というより今あるものや必要なものを時代に適応・昇華させるような感じ。例えば、ルースパウダー“プリズム・リーブル”は長い歴史のある象徴的な製品で、発売当初から今なお革新的。革新的なマインドを持ち続けて全ての製品を進化させたいし、一方でメイクアップが気持ち良く感じられるよう感覚的な体験も大切にしたい。今は2024年に発売する製品を考えている。多くは語れないが、目にフォーカスした製品だ。巧妙でユーザーフレンドリーでありながら、革新的なものを作りたい。

WWD:「ジバンシイ」のメイクはテクノロジーの力で進化することで、より自然な仕上がりがかなうように思う。

ウォーカー:テクノロジーは、商品開発にとって重要な要素。肌に合わないファンデーションは興味を持てないし、ベネフィットも求められる。反対に肌がきれいに見せられれば、もっとつけたくなるだろう。テクノロジーとマインド、さらにクリエイティブを全製品に注入できれば間違うことはないだろう。ベースメイクに関しては、メイクだと分からないぐらいの領域を目指したい。

WWD:商品開発はどう進めているか。

ウォーカー:チームには10人くらいのメンバーがいて、大きなテーブルを囲んで意見を出し合っている。みんながどう考えているかを知りたい。自分と異なる意見を知るのはとても楽しいプロセスだ。

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2022年の重大ニュースを振り返る:記者談話室vol.60

 「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

 第60回は「2022年の重大ニュースを振り返る」です。長引くコロナ、ロシアによるウクライナ侵攻、世界的なコスト高、そして円安など、ファッション業界は国際政治や国際政治の影響を強く受けた1年となりました。今年1年のファッション業界の重大ニュースをピックアップし、ざっくばらんに話し合ってみました。

この配信は以下のアプリでもご利用いただけます。
Apple Podcast
Spotify

 今回の「記者談話室」は、12月20日にユーチューブでライブ配信しています。その音声をお届けします。


詳細・お申し込みはこちら

※お申し込み、お支払いはPeatixでのお手続きとなります
※全受講および第1回のお申し込みは1月26日(木)12時、第2回以降の単発受講はそれぞれ前日の12時をもって受け付け終了となります。

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2022年の重大ニュースを振り返る:記者談話室vol.60

 「WWDJAPAN」ポッドキャストの「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

 第60回は「2022年の重大ニュースを振り返る」です。長引くコロナ、ロシアによるウクライナ侵攻、世界的なコスト高、そして円安など、ファッション業界は国際政治や国際政治の影響を強く受けた1年となりました。今年1年のファッション業界の重大ニュースをピックアップし、ざっくばらんに話し合ってみました。

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 今回の「記者談話室」は、12月20日にユーチューブでライブ配信しています。その音声をお届けします。


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※全受講および第1回のお申し込みは1月26日(木)12時、第2回以降の単発受講はそれぞれ前日の12時をもって受け付け終了となります。

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