「ダブレット」と桐生の名店「エスティーカンパニー」がタッグ 2023年新春を祝う“上毛かるた”Tシャツ

 あと数時間で2023年!お正月といえば初詣にお節料理にお屠蘇に……とおめでたいモノ目白押しですが、群馬・桐生が誇る名店セレクトショップ「エスティーカンパニー(ST COMPANY)」からも、実におめでたい(?)新春限定アイテムの情報が届いたので是非紹介させてください。人気ブランド「ダブレット(DOUBLET)」と「エスティーカンパニー」がタッグを組んで製作した、“KARUTA Tシャツ”です!

 “KARUTA”と聞いてピンときたアナタは群馬県民、ないしは北関東にゆかりのある方でしょうか。それ以外の地域の皆さんも、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」などで、群馬県民が県の自然や歴史、風土を題材にした「上毛かるた」なるものに幼少期から親しみ、小学校ではかるたの授業があり、県大会などでかるたの腕を競い合っているという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。そんな群馬が誇る「上毛かるた」の札を、今回のTシャツはグラフィックのモチーフにしています。

 「エスティーカンパニー」があるのは群馬の桐生、「ダブレット」の井野将之デザイナーも群馬出身。群馬タッグが産み出した実に地元愛あふれる商品ですね。「上毛かるた」に親しんだ群馬県民の皆さんは、「この図柄、懐かしい!」となる商品だと思います。しかし、その他の地域の方や「群馬県民だけど『上毛かるた』には特段思い入れがない」という方もご安心ください。往年のロックバンドTシャツのようなデザインなので、かるたの元ネタを知らなくても十分に楽しめます。

 3柄4サイズ展開で、各税込1万5400円。「エスティーカンパニー」の桐生本店や高崎オーパ内の店舗、ECで1月2日の初売りに合わせて発売します。桐生本店では、ロックバンド×お正月風味な空間インスタレーションも実施するそう。個人的には、今回の商品の告知ビジュアルに「エスティーカンパニー」の販売員さんと共に、環敏夫社長ご自身が出ていることにグッときています(笑)。「ダブレット」の井野デザイナーを始め、環社長を“ファッション業界のお父さん”として近しく感じている業界人は多いので(私自身もそうです)、このビジュアルに皆さん新年早々ほっこりするのではないでしょうか。

 SNS時代は都心の店も地方の店もフラットになって、面白い企画をすれば注目が集まるし、お客さんはその店に行きたいがために旅をする。「エスティーカンパニー」はまさにそんな“デスティネーションストア”(目的地になる店)の一つですが、「WWDJAPAN」は2023年もそういったお店をたくさん取り上げていこうと思っています!

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バケットハット、バラクラバの次はファーハット 1点投入で気軽にムードチェンジ【2022-23年秋冬トレンド】

 バケットハットやバラクラバとヒットが続いた顔周りの“ネクスト”アイテムに、もふもふのファーハットが急浮上してきました。90年代リバイバルの流れで、イギリスバンド、ジャミロクワイ(Jamiroquai)風のトール系ハットも復活。ボリューミーなハットは、抜群の小顔効果を発揮してくれます。ファーの風合いが愛らしさや朗らかなムードを印象付けてくれるのも、ファーハットならではのメリットです。

 例えば「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」は、2022-23年秋冬コレクションでジャミロクワイ流ファッションを“リミックス”。メキシコのエスニック衣装とのマリアージュを提案しました。ファー特有のぬくもりはもちろん、重たくなりがちな真冬のコーディネートに華やかさが加わりました。今回は、さまざまなブランドの秋冬ルックから、ファーハットのスタイリングを読み解いていきます。

ドレッシーなスタイルに“ずれ感”を投入

 人気が続くバケットハットやキャスケットはカジュアルな印象を持たれがちですが、ラグジュアリーブランドがファーハットで相次いで提案しているのは、アッパーな装いへの“1点投入”です。ドレッシーなウエアとの適度な“ずれ感”が、サプライズを呼び込みます。

 「ヴェルサーチェ(VERSACE)」はピスタチオカラーのファーハットを、ニットのセットアップに合わせました。ほっそりしたIラインシルエットの優雅な装いに、もふもふしたファーハットをオン。クラウンが高いハットが視線を上に誘うので、全体をいっそう縦長に見せてくれます。

 中央がこんもり盛り上がったシルエットがファーハットの従来の基本形でしたが、近ごろはそれとは異なるデザインも登場しています。中央部分の高さが低く、すげがさのようなハットはエスニックなムードを漂わせます。上品なドレス姿にムードチェンジを仕掛けるスタイリングに効果的です。2枚目の写真「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」は、パウダーピンクのワンピースにパープルのファーハットをプラス。クラウンが低く、笠が張り出した形のおかげで、顔がすっきり映る仕掛け。パテントレザーのサイハイブーツでつややかさも加え、センシュアルな装いに仕上げました。

視線はずしで肌見せをカムフラージュ

 スタイリング面で、使い道やメリットが多いファーハット。視線を誘い込むので、別のスポットから目をそらす効果も期待できます。例えば、大胆な肌見せとの組み合わせは、おすすめしたい上手なファーハットの使い方。ヌーディーな印象を薄めるのに役立ちます。

 顔周りを囲むような大きめのファーハットを迎えたのは、「ユハン ワン(YUHAN WANG)」。白のファーで愛らしいムードに。正面に入った深いスリットから生足がしっかりのぞく装いですが、主張の強いハットが視線を呼び込むカムフラージュ効果を発揮。ハットのボリュームが生きて、全体がコンパクトに見えるのも、このスタイリングのいいところです。

 “Y2K”のトレンドが衰えを見せず、肌見せも勢いが続いています。服の面積が小さくなる分、別のスポットでインパクトを補わないと、肌が目立ち過ぎる心配も。特大のファーハットは、その点で格好のリリーフ役です。

 2枚目の写真「アンブッシュ(AMBUSH)」のパンツルックは、デコルテとウエストでダブルの肌見せを仕掛けました。ほぼ水着スタイルに近い上半身のバランスを、巨大なファーハットが調節。ブラックで統一してゴージャスさを高めました。毛足が長いハットの異素材感が、装いに奥行きをもたらしています。

まったり“チル”なコーデに最適

 リッチでゴージャスな雰囲気が持ち味のファーハットですが、別のテイストも用意されています。ファーのバケットハットはかさばりすぎず、マルチに操れる重宝アイテム。つばがフラットなマウンテンハットの形はジェンダーレスに取り入れやすく、着こなすムードとの相性を選びません。

 「ニューエラ(NEW ERA)」は、ピンクのオーバーサイズジャケットにベージュのファーハットをオン。バケットハットのシルエットが、チルな雰囲気に。スエットパンツと色を合わせて、穏やかな見え具合に整いました。

 真冬に多くなるダークトーンの装いに、ふんわりしたファーハットを差し色に迎えれば、全体のムードを軽やかに変えられます。かぶるだけのお手軽な“後付け”で済むのは、帽子ならではのよさです。

 2枚目の写真「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」は、レザー仕立てのロングジレを主役に、モノトーンコーデでタフなムードを披露しました。マルチカラーのファーハットを盛り込んで、ゆるめのリラックスしたウエアにアクセントを添えています。差し色のツールとしても、ファーハットは目立つポジションなだけに効果は絶大。冬ルックのムードチェンジャーを任せられます。

 ファーハットは、ボリュームやもふもふの質感に加え、シルエットや色の選択肢も多いので、着こなしのバリエーションを広げやすいアイテムです。寒さが厳しくなるこれからの季節、自分好みの装いに役立ててみませんか。

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「デザインだけでなく、価格帯や多様性、環境に対してもフレンドリーでありたい」 ギョーム・アンリが語る「パトゥ」でのクリエイション

ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターが手掛ける「パトゥ(PATOU)」にとって、2022年は大きく前進した1年だった。20年春夏シーズンのデビューから高い完成度で打ち出された「パトゥ」スタイルはシーズンごとに少しずつバリエーションが広がり、2月には世界初となる旗艦店を東京・表参道ヒルズにオープン。7月には、それまではプレゼンテーションで発表していたコレクションを初めてショー形式で披露した。ブランドの世界観を体現する旗艦店で、6年ぶりに来日したギョームにブランド再生の歩みやコレクションへのアプローチについて聞いた。

 

WWD:久しぶりに東京に来て感じたことや変化は?

ギョーム・アンリ(以下、ギョーム):「パトゥ」に入ってから東京に来るのは、これが初めて。日本は「パトゥ」への支持が厚いマーケットでずっと来たかったのに、新型コロナウィルスの影響でずっと来日できなかったからね。まだいろんなところを訪れることはできていないけれど、街中で見かける人は皆オシャレを自由に楽しんでいて、ファッションのエネルギーを感じる。

WWD:ここは「パトゥ」初の旗艦店だが、ようやく実際に見られた感想は?

ギョーム:本当にエキサイティング!「パトゥ」にとって初めての旗艦店だったし、ずっとFaceTimeを通して進めてきたから、店舗をデザインするのはチャレンジでもあった。だから、ここに来るまでは正直ナーバスだった。でも、ブランドのファンタジーや価値観、アトリエのような雰囲気が表現されていることを実感できて、とても気持ちが高まったよ。

WWD:「パトゥ」(かつての「ジャン・パトゥ」)は歴史あるフレンチメゾンだが、そのアイデンティティーや“らしさ”をどのように捉えている?

ギョーム:「ジャン・パトゥ」は100年以上も前に設立されたブランドだが、1996年からずっと休眠状態だった。そんなブランドを復活させるということは興味深く、 “再生”であると同時に“創造”でもあったと言える。オフィスや既存のビジネスも、きちんとしたアーカイブもない状態からのスタートだったからね。それに、「ジャン・パトゥ」があまり知られていなかったマーケットにとっては、「パトゥ」はまったく新しいブランド。だからブランドがもつ価値にフォーカスしつつ、現代のためのブランドを作り上げることに取り組んだ。重きを置いたのは、ジャン同様のクチュールの精神やアトリエでの仕事を大切にしながらも、今を生きる女性たちが日常生活の中で着られる服を提案すること。それはジャンの価値観にも通じる部分で、彼の最初のミューズは実の姉だったし、彼は当時からクチュールだけでなく街中で着るためのスポーツウエアを提案していた。そして、パーティーが好きだったジャンのようにフレンドリーなブランドであることも、大事な要素。「パトゥ」っていう響き自体にも、ニックネームみたいな親しみやすさがあると思う。デザインだけでなく、価格帯や多様性、環境に対してもフレンドリーでありたいと考えている。
 デザインとしては、ジャンだけでなく、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やミシェル・ゴマ(Michael Goma)、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が手掛けていた時代もある。アーカイブそのものから着想を得ることはあまりないけど、その根底にあるスポーティーさやシンプルさ、ドラマチックなボリュームを「パトゥ」らしさと捉えている。マインドとしてはジャン・パトゥと常に共にあるけれど、彼が提案したモノをアレンジして再現する“リクリエイション”というより、新しいモノを生み出す“クリエイション”という感覚だね。

WWD:「パトゥ」でコレクションをデザインするときに常に心掛けていることは?

ギョーム:着る人の魅力を引き立てるモノでありながらも、毎日の生活のニーズに応えるモノであること。ファッションは時に夢やファンタジーであり、尊重はするけれど、それだけになってしまうのは「パトゥ」の価値観にはそぐわないと思う。その一方で、ベーシックな白シャツのようにリアルなだけになってしまうのも違う。日常生活で着られるリアリティーと、ファッションが生み出すファンタジーのバランスが重要なんだ。ドローストリングによってシルエットやボリュームを自由に変えられるアイテムは、まさにそれを象徴するもの。着こなし方や組み合わせ方によって、控えめからエッジーまで自分らしさを表現してほしい。

WWD:自分らしさを表現するという点でいうと、2023年春夏コレクションは「WHO IS YOUR MUSE?(あなたのミューズは誰?)」をタイトルに掲げていた。提案したスタイルも、「パトゥ」らしさを感じるラッフルやバルーンスリーブが特徴的なルックやソフトなテーラリングから、スポーティーなスタイル、ミニマルなドレスまでが提案され、より幅広い女性像が描かれているようだった。

ギョーム:コレクションが同じようなアイテムの繰り返しではいけないと思っている。ファッションは夢の空間なだけではなくプロダクトでもあるから、他のアイテムを台無しにするモノは作りたくない。小規模なコレクションの中でも、同じフィロソフィーと価値観をもった多様なアイテムを提案したいんだ。メニューに適切な数の選択肢が用意されたレストランのようにね。そして、着用者に僕自身が思い描いたイメージを強いることは決してしたくない。それぞれのコレクションはストーリーをベースにしているけれど、それは僕自身のストーリー。僕のストーリーを着用者に押し付ける必要はない。だから、店に並んだ時点で、コレクションは僕のモノではなく、それぞれの人生を歩んでくれればいいと思っている。「パトゥ」を着用している人が僕のことを知らなくてもいいし、僕がデザインした服を着ている姿を見るだけでハッピーなんだ。

WWD:23年春夏のショーにはメンズも一人登場したが、その意図は?

ギョーム:昔は自分のことを“ウィメンズ・ファッションデザイナー”と言っていたけど、今はシンプルに“ファッションデザイナー”と表現している。もはやファッションにジェンダーは関係ないし、ショーでは「パトゥ」は誰でもウェルカムということを伝えたかった。男性が「パト
ゥ」を着てくれているのを見るととてもうれしいし、日本人の男性にはぴったりフィットする人も多い。昨日イベントを開いた時にも「パトゥ」の服を着こなしてくれている男性がいて、「うらやましい!」と思ったよ(笑)。

WWD:メンズコレクションを作りたい気持ちはある?

ギョーム:もちろん!「カルヴェン(CARVEN)」ではメンズも手掛けていたから懐かしいし、とても楽しんでやっていたからね。でも始めるには、市場があるかをきちんと見極める必要があると思う。

WWD:「パトゥ」でショーを開くのは23年春夏が初めてだった。今後もショー発表を続けるのか?

ギョーム:次回は、来年1月27日の朝にパリでショーを開く予定だよ。(以前のように)プレゼンテーションでコレクションを話しながら見せるのもよかったけれど、デビューシーズンから3年がたち、服を動きの中で見せる必要性を感じている。シルエットからキャスティングまでを通して、「パトゥ」の全体像を表現したい。

WWD:今後、「パトゥ」で取り組みたいことは?

ギョーム:セラミックなどのホームコレクションは興味深いけど、「パトゥ」は小さなチームだからね。ただ、22-23年秋冬にコラボしたラバーブーツブランド「ル シャモー(LE CHAMEAU)」のような専門ブランドと一緒にモノ作りに取り組むのも面白いと思う。来年1月に披露する23-24年秋冬コレクションでは、また別のエキサイティングなコラボがあるから、楽しみにしていてほしい。

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LVMHのアルノー会長がレオナルド・ダ・ヴィンチの邸宅を購入 ミラノ市内でワイン畑も

 イタリアのコリエレ・デラ・セラ紙によると、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、ミラノの「カーザ・デリ・アテラーニ」として知られる由緒ある建物を購入した。コンティ家とポタルッピ家の子孫の所有物件で、ファッションショーや発表会、カクテルレセプションなど、プライベートなイベントも多数開催されてきた。取引額や購入の目的は不明。LVMH代表者からのコメントは得られていない。

 1490年頃に建てられた「カーザ・デリ・アテラーニ」は、レオナルド・ダ・ヴィンチが傑作「最後の晩餐」を描くためにミラノに滞在していた1498年に、ミラノ公ルドヴィコ・イル・モーロから寄贈されたものだ。その後、所有者が変わり、1919年に上院議員で実業家のエットーレ・コンティが取得し、その息子で有名な建築家のピエロ・ポータルッピが修復を手掛けた。

 緑豊かな中庭があり、約2エーカー(約8100平方メートル)のブドウ畑も抱える。放置され荒れ果てていた畑だったが、2014年に修復され、翌年ミラノで開催された国際博覧会で一般に公開された。大都市の中心に現存する唯一のワイン生産地でもある。

 「フォーブス(Forbes)」によると、12月時点で純資産が1818億ドルと推定されているアルノー会長兼CEOは、世界で最も裕福な男性の一人で、テスラ(TESLA)やツイッター(TWITTER)のオーナー、イーロン・マスク(Elon Musk)やアマゾン(AMAZON)のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)などの起業家としばしばトップの座を競い合っている。

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今年もご愛顧いただきありがとうございました!

こんにちは。

いよいよ新しい年の始まりが近づいてきましたね!

 

2022年も、バーニーズ ニューヨークは多くのお客様との出会いと素敵な笑顔に支えていただきました。

来年もよりいっそうみなさまに喜んでいただけるよう、バーニーズ ニューヨークならではのファッションをご提案してまいりますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。

 

明日1月1日(日・祝)は、西武渋谷店・アウトレット店は営業、銀座本店・六本木店・横浜店・神戸店・福岡店は休業いたします。

年末年始の営業についてはこちらをご確認ください。>>>

 

アウトレット各店は各アウトレットモールに準じて営業いたします。

詳しくは各サイトをご確認ください>>>

 

オンラインストアでは年末年始もショッピングをお楽しみいただけますよ!

冬物アイテムはもちろんのこと、開催中のウィンターセールも引続きチェックしてくださいね。>>>

 

ウィンターセールでは、明後日1月2日(月・休)からセール対象品が増え、店頭がいっそう充実します。

 

みなさま、2023年もバーニーズ ニューヨークをどうぞよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎えくださいね。

UA栗野氏×トレンド予測の第一人者が語る「南半球の誇り」  それは“新しい世界を理解するためのレシピ“

 日本服飾文化振興財団は今年11月、南半球のクリエイティビティに焦点を当てた本「プラウド サウス(PROUD SOUTH)」の編集を手がけたひとり、リー・エデルコート(Lidewij Edelkoort)の来日に合わせ、栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問とのトークセッションを開催した。同書は南半球、つまりアフリカや南米、南アジア、東南アジアなどのアートやファッション、写真といったクリエイティビティを紹介する内容で、424ページにおよぶ写真とエッセイで構成されている。なぜ今、南半球なのか?2人からはファッション産業を刺激し、覚醒させる言葉が次々と飛び出した。

 1950年オランダ生まれのエデルコートは、トレンド予測の第一人者として知られ、テキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION)」でのインスタレーションなどが有名だ。今も数々のグローバル企業に向けてトレンド分析やデザインコンサルティングを行っている。彼女が示す“トレンド”とは短視ではなく、歴史や社会情勢を踏まえて数シーズン先に消費者が何を求めるかを示すものである。

 エデルコートが同ブックに収めた写真、そこに映るファッションや人物はエネルギッシュだ。カラフルでまっすぐで、明るく、自信に満ちている。「彼らから新しいイニシアチブを感じたし、写真の力を改めて発見し、幸せだった」とエデルコートは制作過程を振り返る。企画からリサーチ、写真家探しには1年半以上の時間を費やしたという。写真家たちはいずれも“南半球”にルーツを持つ人たちで、いわゆる有名人ではない。「まず考える時間を十分にとり、そしてリサーチをした。写真家を見つけるのはとても大変だった。ネットを通じて探し、人づてで連絡をとり、説明をして。で、返事がこなかったりして(笑)」。

“ファッションはもう生き残れない”とまで発言してしまった

 このトークイベントでもっとも時間が割かれたのは「北半球の住人が南半球のクリエイションを扱うことの意味と意義」だった。15世紀の大航海時代以降、ざっくり言えば、北半球の国が宗主国で南半球の国が植民地という関係が長く続いた。冒頭にエデルコートが「白人である私が南半球を扱っていいのか、という自問があったから彼らにもそれは質問をしました。そして概ねOKでした」と話したのもそういった歴史的背景を念頭に置いてのことだ。聞き手である栗野上級顧問を含む聴衆の大多数を占める日本人もまた、「帝国側」だった意識が少なからずあるからか、その言葉は会場に緊張感と熱を生んだ。

 同書は「まずは南半球の人たちのために作った」とエデルコオートは言う。「世界はゆっくりとしか変わってゆかない。新しい世代が出てきてもまた逆流したりする。ポスト・コロニアリズム、ポストポスト・コロニアリズム、ポストポストポスト・コロニアリズムといった感じで100年かけて変ってゆくだろう。今は始まりのときだと思う」。

 エデルコートが南半球のファッションや写真に惹かれたのは、西欧型のファッションシステムの価値基準とは異なる表現がそこに見つかるから。そこから自身も活力を得たい、そんな思いがあったようだ。「『プラウド サウス』の写真を見たあるジャーナリストが“ファッションをやっている人が撮ったのではないみたい”と発言するのを聞き、やはりここにこそ新しいコアがあると確信した」。

 彼女は数年前に「アンチ・ファッション・マニフェスト」という本を書き、現状のファッション産業のシステムに厳しい指摘を投げかけている。「今のファッションビジネスはコピーとマーケティングだらけで自分自身を苦しめている。本の中では“ファッションはもう生き残れない”とまで発言してしまった」。栗野も「ファッションシステムやマーケティング、ソーシャルメディアの存在は均整をうながし、ファッションを殺してきた。今の北半球のファッションには常にオールドファッションの影を感じる」と厳しい。「たとえば、新しく知ったアフリカのデザイナーたちを理解しようとする際も“あの人はパリのファッションウィークに出ているね。エスタブリッシュだね”と既存のシステムの中で理解し、安心感を得ようとしがちだ。南から北へ、ではなく、南は南の中でまわっている。僕らはすでに世界のファッションのリーダーではないことを理解しないといけない」。

とはいえ、僕らはまだファッションを愛し、考えている

 「とはいえ、僕らはまだファッションを愛していて、それについて考えている。南半球のクリエイターたちの誇り『プラウド サウス』は僕らが新しい世界を理解するためのレシピなのかもしれない」と栗野。「これまで多くのことを学んできたが、僕らは北と聞くと寒い場所とイメージする。だけどブラジルに行けば北は暖かく南は寒い。場所が変われば地図の中心地も変わリ、アフリカでは当然アフリカがセンターで日本はとても遠い。そんなことから改めて見方を変えたい」。

 新しいレシピのキーワードは、エデルコートがあげる「Emancipation=解放」だろう。「南半球では、私たちとは全然違うものごとの決め方に感動します。色に対する解釈もそう。ベージュがベーシック、と言う固定観念は南半球の色使いから解放される。ジェンダーなどについても同じことが言えます。視点を変える、意識を変える時代に来ています。大事なことはオリジン、根っこです。自分の根っこをきちんと表現することはアバンギャルで素晴らしいこと。希望を持てることだと思う」。

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UA栗野氏×トレンド予測の第一人者が語る「南半球の誇り」  それは“新しい世界を理解するためのレシピ“

 日本服飾文化振興財団は今年11月、南半球のクリエイティビティに焦点を当てた本「プラウド サウス(PROUD SOUTH)」の編集を手がけたひとり、リー・エデルコート(Lidewij Edelkoort)の来日に合わせ、栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問とのトークセッションを開催した。同書は南半球、つまりアフリカや南米、南アジア、東南アジアなどのアートやファッション、写真といったクリエイティビティを紹介する内容で、424ページにおよぶ写真とエッセイで構成されている。なぜ今、南半球なのか?2人からはファッション産業を刺激し、覚醒させる言葉が次々と飛び出した。

 1950年オランダ生まれのエデルコートは、トレンド予測の第一人者として知られ、テキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION)」でのインスタレーションなどが有名だ。今も数々のグローバル企業に向けてトレンド分析やデザインコンサルティングを行っている。彼女が示す“トレンド”とは短視ではなく、歴史や社会情勢を踏まえて数シーズン先に消費者が何を求めるかを示すものである。

 エデルコートが同ブックに収めた写真、そこに映るファッションや人物はエネルギッシュだ。カラフルでまっすぐで、明るく、自信に満ちている。「彼らから新しいイニシアチブを感じたし、写真の力を改めて発見し、幸せだった」とエデルコートは制作過程を振り返る。企画からリサーチ、写真家探しには1年半以上の時間を費やしたという。写真家たちはいずれも“南半球”にルーツを持つ人たちで、いわゆる有名人ではない。「まず考える時間を十分にとり、そしてリサーチをした。写真家を見つけるのはとても大変だった。ネットを通じて探し、人づてで連絡をとり、説明をして。で、返事がこなかったりして(笑)」。

“ファッションはもう生き残れない”とまで発言してしまった

 このトークイベントでもっとも時間が割かれたのは「北半球の住人が南半球のクリエイションを扱うことの意味と意義」だった。15世紀の大航海時代以降、ざっくり言えば、北半球の国が宗主国で南半球の国が植民地という関係が長く続いた。冒頭にエデルコートが「白人である私が南半球を扱っていいのか、という自問があったから彼らにもそれは質問をしました。そして概ねOKでした」と話したのもそういった歴史的背景を念頭に置いてのことだ。聞き手である栗野上級顧問を含む聴衆の大多数を占める日本人もまた、「帝国側」だった意識が少なからずあるからか、その言葉は会場に緊張感と熱を生んだ。

 同書は「まずは南半球の人たちのために作った」とエデルコオートは言う。「世界はゆっくりとしか変わってゆかない。新しい世代が出てきてもまた逆流したりする。ポスト・コロニアリズム、ポストポスト・コロニアリズム、ポストポストポスト・コロニアリズムといった感じで100年かけて変ってゆくだろう。今は始まりのときだと思う」。

 エデルコートが南半球のファッションや写真に惹かれたのは、西欧型のファッションシステムの価値基準とは異なる表現がそこに見つかるから。そこから自身も活力を得たい、そんな思いがあったようだ。「『プラウド サウス』の写真を見たあるジャーナリストが“ファッションをやっている人が撮ったのではないみたい”と発言するのを聞き、やはりここにこそ新しいコアがあると確信した」。

 彼女は数年前に「アンチ・ファッション・マニフェスト」という本を書き、現状のファッション産業のシステムに厳しい指摘を投げかけている。「今のファッションビジネスはコピーとマーケティングだらけで自分自身を苦しめている。本の中では“ファッションはもう生き残れない”とまで発言してしまった」。栗野も「ファッションシステムやマーケティング、ソーシャルメディアの存在は均整をうながし、ファッションを殺してきた。今の北半球のファッションには常にオールドファッションの影を感じる」と厳しい。「たとえば、新しく知ったアフリカのデザイナーたちを理解しようとする際も“あの人はパリのファッションウィークに出ているね。エスタブリッシュだね”と既存のシステムの中で理解し、安心感を得ようとしがちだ。南から北へ、ではなく、南は南の中でまわっている。僕らはすでに世界のファッションのリーダーではないことを理解しないといけない」。

とはいえ、僕らはまだファッションを愛し、考えている

 「とはいえ、僕らはまだファッションを愛していて、それについて考えている。南半球のクリエイターたちの誇り『プラウド サウス』は僕らが新しい世界を理解するためのレシピなのかもしれない」と栗野。「これまで多くのことを学んできたが、僕らは北と聞くと寒い場所とイメージする。だけどブラジルに行けば北は暖かく南は寒い。場所が変われば地図の中心地も変わリ、アフリカでは当然アフリカがセンターで日本はとても遠い。そんなことから改めて見方を変えたい」。

 新しいレシピのキーワードは、エデルコートがあげる「Emancipation=解放」だろう。「南半球では、私たちとは全然違うものごとの決め方に感動します。色に対する解釈もそう。ベージュがベーシック、と言う固定観念は南半球の色使いから解放される。ジェンダーなどについても同じことが言えます。視点を変える、意識を変える時代に来ています。大事なことはオリジン、根っこです。自分の根っこをきちんと表現することはアバンギャルで素晴らしいこと。希望を持てることだと思う」。

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