百貨店初売りは「ルイ・ヴィトン」×草間彌生に客殺到 「プロパーより新作」の傾向は継続

 百貨店主要5社の2022年12月度業績は、おしなべて1割程度の増収だった。新型コロナ感染者は増加傾向も、年末商戦は全体的に活況。クリスマスケーキやおせちなど、季節商品へのニーズが他フロアへの波及効果を生んだ。衣料品フロアでは買っていますぐ使える秋冬アウター、ラグジュアリーでは早くも春夏の新作が売れた。また23年の初売りは、各社元日から1月2日にかけてスタート。元日は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と草間彌生のコラボレーションアイテム第一弾の発売日だったこともあり、同ブランドが売り場を構える百貨店には目当ての客が殺到した。
 
各社の前年同月と比較した12月度の売上高は、三越伊勢丹が14.6%増、高島屋が4.9%増、大丸松坂屋百貨店が9.5%増、そごう・西武が1.6%増、阪急阪神百貨店が10.2%増だった。

 高島屋の高島屋新宿店は、前年同月比17%増と高伸。「ラグジュアリーを中心に高額品が好調で、訪日外国人増加による免税押し上げ効果もあった」(同社)。そごう・西武も好調のプレステージブランドが同15%増、19年比でも35%増とけん引し、衣料品も前年同月比5%増、19年比並みと健闘した。

初売りの需要は「今すぐ着られる」「ビジネスアイテム」

 三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店は、初売り初日(1月2日)の売上高が前年比19%増。うちセール商品が同11%増に対し、春夏新作などのプロパー(正価)商品は同28%増だった。「プロパーかセールかに関わらず、いますぐ着ることができるアウターやニットなどがよく売れた」と同社広報。紳士ではオフィスワーク回帰でビジネスアイテムの需要が高かった。阪急阪神百貨店の阪急本店も、初売り初日は前年比約15%増、客数が同約20%増と大きく伸ばした。

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キンモクセイや紅茶の香りが大ヒット 「シロ」人気の香りが誕生する背景に“日常”と“想い”

 コロナ禍を経て消費者のニーズは一変した。ビューティ業界でも例に漏れず、在宅時間が増えたことから“香り”の重要性が高まった。リモートワークのオンオフの切り替え時に、気持ちをリラックスさせたい時に、また好きな香りでケアしたいとフレグランス以外にもボディーケア、バスケア、ディフューザーなど香り系アイテムの需要が拡大した。そこから香りのトレンドも多く生まれ、ここ数年は金木犀の香りや紅茶の香りが人気となっているのは記憶に新しい。

 今や各社から出ている金木犀や紅茶の香りだが、話題となったきっかけはコスメティックブランド「シロ(SHIRO)」だろう。どちらの香りもいち早く2018年に限定で登場し、オードパルファンやフレグランスディフューザー リキッド、ハンド美容液など拡充して人気シリーズに育成した。そんなトレンドの香りを生み出す「シロ」のフレグランス開発についてシロ・マーケティング部門企画Gの田﨑菜月マネジャーに話を聞いた。

WWD:人気の香りのアイデアはどうやって生まれている?

田﨑菜月マーケティング部門企画Gマネジャー(以下、田﨑):フレグランスに限らずブランド全製品に共通して言えることですが、モノ作りにおけるマーケティングを一切行っていません。一般的に製品を開発するにあたっては、競合の調査やコンセプト作り、ターゲット設定、価格設定などを行いますよね。われわれは他社を調べることもしていません。では、なにをきっかけに製品を誕生させているのかというと、“日常”や“想い”から生まれることが多いです。スキンケアの場合は、良質な素材との出合いも大きく関係しています。

WWD:「シロ」のフレグランスは細かい設定を行わない、真逆の考えで開発する。

田﨑:1つ目の“日常”ですが、沈丁花の香りをイメージした「パウダーリリー」(限定)や「キンモクセイ」、「アールグレイ」の香りはまさに企画内スタッフの日常から生まれた香りです。私は普段散歩している時に、心が少しでも動いたことはiPhoneのメモ機能に書き込んでいます。香りに限らず、「わっ!ステキ!」と思ったことなどなんでもメモ。金木犀も、みなさんきっと心が動く香りですよね。「作りたい」「欲しい」と気持ちが動くきっかけとなり、誕生した香りです。

 2つ目の、誰かのためにという“想い”は、例えば毎年春先に限定発売する桜の香り「さくら219」は、一人の受験生との出会いから始まりました。「シロ」が大好きな彼女の受験を応援するために、「桜が咲きますように」という願いを込め、219回の試作を重ねて香りが誕生しました。また、ブランドの限定フレグランスの原点となる香り「ハッピーヴァーベナ」は、11年の東日本大震災でなにか応援できることがないかと開発。もともと定番で発売していた「ヴァーベナ」の香りを心が元気になるようにと改良してボディーシートなど全製品を被災地へ届け、製品の利益を寄付しました。

WWD:コロナ禍でアルコール製品をいち早く発売していたのも誰かのためにという“想い”から。

田﨑:コロナの感染拡大後すぐに何か役立つことはできないかと、企画から1カ月以内でアルコール65vol%配合の「チャクラーサナ スプレー65」を発売し、その後もアルコール濃度80vol%のスプレーとジェルも発売。消毒時も気持ちが上がるようにとオレンジやゼラニウムが香る「チャクラーサナ」と、ブランド人気ナンバーワンの「サボン」の2種を用意しました。

WWD:香りのきっかけは“想い”。そこからどのように製品に落とし込む?

田﨑:想いが先にあると、そこからのアイデアはどんどん広がっていきます。例えば「さくら219」の場合は、受験生が使用するシーンを想像し、「受験勉強をしながらだと香りの強さはこうだよね」「ハンドクリームが1番使いやすそうだな」など、具体的な香りのイメージが仕上がっていきます。23年発売の「さくら219」には、ファブリックソフナーも登場しますが、これは家族から受験をがんばる我が子へのエールとして開発しました。受験は本人が頑張るのはもちろんですが、衣類をいつも「さくら219」の香りにしてもらいたいという想いでアイテムが決まっていきます。

WWD:人気の香りは狙ったものではなく、自然とトレンドになっていた。

田﨑:「キンモクセイ」「アールグレイ」の人気は、まさかここまで!と驚きです。皆さまから支持されて気付いたことですが、香りの名前付けは重要だと実感しましたね。「キンモクセイ」という名前ではなく、もっと異なるネーミングにしていたら伝わっていなかったと思います。単純に金木犀がいい香りだったから、「キンモクセイ」を作ろうとストレートに決めたのが、お客さまには分かりやすかったようです。あとは、ブランドスタート時から地道に店舗でムエット(試香紙)を配り続けていたので、いい香りだねと少しずつ輪が広がって着実にファンを増やしたのだと思います。

WWD:「シロ」の売り上げの過半数はフレグランス。香りに注力するようになったのはいつから?

田﨑:スキンケアのイメージが強い人もいるかもしれませんが、実は「シロ」はずっとフレグランスカテゴリーの売り上げが1番高い。定番品に加え、16年からは毎月限定フレグランスを出しているほどです。なぜここまで新しい香りを誕生させているかというと、お客さまがふらっと店舗に立ち寄った時に常に新しい香りを感じて欲しいからです。「シロ」に来店するたびに、新しい香りに出合えるかもしれないというワクワク感を持って欲しいですね。

WWD:思い出深い香りの製品は?

田﨑:2019年に登場したパフュームシリーズ「SHIRO PERFUME」ですね。フレグランスも毎日自分の洋服を選ぶようにアイデンティティを表すように使ったら楽しいのではないかと考え誕生しました。同シリーズは、日本やフランス、スペインなど各国のパフューマーが、自身のアイデンティティや香りに目覚めたキッカケを込めた12種の香りをラインアップ。例えば、「インセンス クリア」の香りはお寺の息子でもあったパフューマーの慣れ親しんだお香がベースに、「パリジャン シャツ」の香りはパフューマーの父が白いシャツにウッディコロンをまとっていた思い出から生まれています。香りが個性を表すものになったらいいですね。

WWD:ブランドでのフレグランスの立ち位置やあり方は。

田﨑:フレグランスを通して「シロ」を知ってもらうことが多く、新規のお客さまはブランド人気の香り「サボン」「ホワイトリリー」の香りをきっかけにする場合が多いです。製品も4カテゴリー18種類と間口が広いので、まずはオードパルファン、ハンド美容液などから入る人も多いですね。そのため、ファーストタッチとなるフレグランスの限定品は、引き続き毎月発売していきます。もちろん企業理念にある「世の中を幸せにする」を念頭に置きながら、誰かへの想いや日常での素敵なことを形にしていきます。お客さまが笑顔になり、そして世の中が幸せになることがブランドの目指していくことですね。

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「ドクターマーチン」の卯年を祝福した新作シューズはレッドとゴールドでカラーリング

 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」は、卯年を祝したシューズを1月7日に数量限定で発売する。全国のドクターマーチンショップと公式オンラインストアで取り扱う。

 シューズは、ブランドの定番モデル“1460 8ホールブーツ”(税込3万3000円)と“1461 3ホールシューズ”(同2万7500円)の2型を用意。幸運を呼ぶカラーのレッドとゴールドでウェルトステッチやヒールループ、ジップ、アイレットなどを彩った。いずれもバックにはD型リングをあしらい、“1460 8ホールブーツ”のジップの引手と“1461 3ホールシューズ”のシューレースにはオリジナルのゴールドチャームを装飾している。

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「ドクターマーチン」の卯年を祝福した新作シューズはレッドとゴールドでカラーリング

 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」は、卯年を祝したシューズを1月7日に数量限定で発売する。全国のドクターマーチンショップと公式オンラインストアで取り扱う。

 シューズは、ブランドの定番モデル“1460 8ホールブーツ”(税込3万3000円)と“1461 3ホールシューズ”(同2万7500円)の2型を用意。幸運を呼ぶカラーのレッドとゴールドでウェルトステッチやヒールループ、ジップ、アイレットなどを彩った。いずれもバックにはD型リングをあしらい、“1460 8ホールブーツ”のジップの引手と“1461 3ホールシューズ”のシューレースにはオリジナルのゴールドチャームを装飾している。

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「ア ベイシング エイプ®」×「ジョウンド」のコラボ第2弾 ネイビーを基調としたコレクション

 「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は1月7日、カナダブランド「ジョウンド(JJJJOUND)」とのコラボ最新作を発売する。両者のタッグは2度目。

 ネイビーを基調としたコレクションで、「ア ベイシング エイプ®」のアイコンの一つであるスニーカー“ベイプスタ”を「ジョウンド」流にアレンジしたりする。

 商品は、両ブランドの店舗および公式オンランストアで扱う。7日にオープンする「ベイプストア イセタンメンズ(BAPE STORE ISETAN MEN’S)」でも販売する。

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「フローラノーティス ジルスチュアート」がバレンタイン限定ポップアップを伊勢丹新宿店で開催 ショコラトリーとコラボした新作を先行販売

 「フローラノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」は、バレンタイン限定のポップアップを1月18〜24日、伊勢丹新宿本店1階化粧品/プロモーションで開催する。ポップアップでは、ショコラティエの辻口博啓が手掛けるショコラトリー、「ル ショコラ ドゥ アッシュ」とコラボレーションした限定アイテムを先行販売する。期間中にポップアップストアで6600円(税込、以下同)以上購入した人には、先着100人限定で「ルショコラ ドゥ アッシュ」コラボレーション企画限定のプチショコラをプレゼントする。

 ポップアップで展開するコレクション“チョコレート コスモス”では、花々の香りにカカオのほろ苦さを重ねた、チョコレートコスモスの香りのアイテムをそろえた。ラインアップするのは、オードパルファン(20mL)とハンドクリームのミニサイズがセットになった“オードパルファン&ハンドクリーム”(5060円以下同)や、 “ハンドクリーム”(2200円)、リペアヘアオイル”(4180円)などだ。

■「Bordeaux Flower Lounge」伊勢丹新宿店ポップアップストア
会期:1月18〜24日
場所:伊勢丹新宿店本館1階 化粧品/プロモーション
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14-1

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「ウカ」のチョコカラー“ケンザン”が再登場 バレンタイン向け限定キットも

 トータルビューティカンパニーの「ウカ(UKA)」」は1月14日から2月14日まで、チョコレートカラーのスカルプブラシ、“チョコレートケンザン”(税込2420円)を発売する。“チョコレートケンザン”は2022年のバレンタイン向けに販売し、人気に。今年も同シーズンに合わせて展開する。

 “ケンザン”は、シリコーン製のスカルプブラシ。頭皮クレンジング時やシャンプー時、頭皮用美容液の塗布時に使用することで、マッサージやツボ押しとして頭皮ケアをかなえるロングセラーアイテムだ。また、“チョコレートケンザン”とチョコミントをイメージした香りの“スカルプクレンジング チョコミント ディープ&ライト”がセットとなったキット、“チョコレートボックス フォー スカルプケア”(税込4345円)も販売期間と数量を限定して発売する。“同スカルプクレンジング”は、ミントのフレッシュな香りの中にグリルドココナッツとバニラの甘さ を加えることで、チョコミントの香りを再現した。アミノ酸と植物由来の洗浄成分を使用し、ガゴメエキス(保湿成分として)とセンブリエキス(保湿成分として)を配合。チョコミントの爽やかなフレーバーで頭皮をすっきりと仕上げ、サロンケア後のような爽快感を自宅で得ることができる。

 1月7日からは、会員プログラム「ウカイン」対象で先行予約を受け付ける。同ブランドの公式サイトとサロンなど直営店店舗で取り扱う。

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「ウカ」のチョコカラー“ケンザン”が再登場 バレンタイン向け限定キットも

 トータルビューティカンパニーの「ウカ(UKA)」」は1月14日から2月14日まで、チョコレートカラーのスカルプブラシ、“チョコレートケンザン”(税込2420円)を発売する。“チョコレートケンザン”は2022年のバレンタイン向けに販売し、人気に。今年も同シーズンに合わせて展開する。

 “ケンザン”は、シリコーン製のスカルプブラシ。頭皮クレンジング時やシャンプー時、頭皮用美容液の塗布時に使用することで、マッサージやツボ押しとして頭皮ケアをかなえるロングセラーアイテムだ。また、“チョコレートケンザン”とチョコミントをイメージした香りの“スカルプクレンジング チョコミント ディープ&ライト”がセットとなったキット、“チョコレートボックス フォー スカルプケア”(税込4345円)も販売期間と数量を限定して発売する。“同スカルプクレンジング”は、ミントのフレッシュな香りの中にグリルドココナッツとバニラの甘さ を加えることで、チョコミントの香りを再現した。アミノ酸と植物由来の洗浄成分を使用し、ガゴメエキス(保湿成分として)とセンブリエキス(保湿成分として)を配合。チョコミントの爽やかなフレーバーで頭皮をすっきりと仕上げ、サロンケア後のような爽快感を自宅で得ることができる。

 1月7日からは、会員プログラム「ウカイン」対象で先行予約を受け付ける。同ブランドの公式サイトとサロンなど直営店店舗で取り扱う。

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コールドプレイのガイ・ベリーマンによるファッションブランド「アプライド アート フォームズ」 20年以上忘れられなかった情熱の先

ガイ・ベリーマン/「アプライド アート フォームズ」クリエイティブ・ディレクター

PROFILE:1978年生まれスコットランド出身。ロンドン大学で機械工学と建築学を学ぶ中で、クリス・マーティンらと出会いロックバンド、コールドプレイを97年に結成。ベーシストとしてデビューからバンドに在籍している。バンドは2000年のデビューアルバム「パラシューツ」が世界的にヒットし、これまで発表した全7枚のアルバム総セールスは8000万枚以上を記録。ベリーマンは多忙な音楽活動の傍ら、自身のファッションブランド「アプライド アート フォームズ」を20年に立ち上げた

 四半世紀近くロックシーンをけん引してきた世界的人気バンドの一つ、コールドプレイ(Coldplay)。ガイ・ベリーマン(Guy Berryman)は、同バンドを1998年のデビューから支えてきたベーシストであり、ビンテージ収集家であり、自動車専門誌「ロードラット(THE ROAD RAT)」の創刊者であり、アパレルブランド「アプライド アート フォームズ(APPLIED ART FORMS、以下AAF)」のクリエイティブ・ディレクターだ。

 ベリーマンはもともとプロダクトデザインの道に進もうとしていたが、ミュージシャンとして成功を納めてからもその情熱は消えることはなく、2020年に自ら「AAF」を設立。幼い頃から魅了されてきたミリタリーウエアの要素を軸に、どれも長く愛用することを考えたたビンテージ収集家ならではのアイテムをそろえる。

 「AAF」がドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)での取り扱いがスタートすることを記念し、2022年11月にベリーマンが来日。本人の口から「AAF」の成り立ちやこだわりなどを語ってもらった。

ーー小さい頃からファッションに興味があったのでしょうか?

ガイ・ベリーマン(以下、ベリーマン):特定のブランドが好きというわけではなくて、10代の頃からビンテージアイテムが好きで、買い漁って自分なりのアーカイブコレクションを作っていたね。ただ、何かをクリエイションすることが一番好きだったから、当時は車や建築、インテリア関連のプロダクトデザインや手を使ってモノを作る仕事に就くために、ロンドン大学で機械工学と建築学を学んだよ。

ーーミュージシャンとして成功した後、2020年に「AAF」を立ち上げた経緯を教えてください。

ベリーマン:ミュージシャンとして20年以上走り続けてきたけど、やはり大学でデザインを学んだことを生かして何かを作りたい、という強い思いを抱き続けていた。そして、2年前のパンデミックのタイミングで、この思いを過去のものとして捨てるか、それともものづくりにチャレンジするかを考え、エネルギーを注ぐを決心をしたんだ。あとは、妻がオランダ出身だからよくアムステルダムに行くんだけど、今のチームスタッフと出会ったのも大きいね。

ーー構想は以前からあったのでしょうか?

ベリーマン:そうだね。実は正式に立ち上げる前に、ファッションのバックグラウンドを持っていないのにどうしても作ってみたくて、誰かに見せるわけではなく、自分が着るためだけにフルラインアップのアイテムを自作したことがあるんだ。でも、とにかくその出来が悪くてね(笑)。そんな経験があったからこそ、当初の構想をいったん白紙にして、クオリティーが何よりも重要だと再認識したよ。世界には数え切れないほどのブランドがある中で、僕がブランドを世に出すならば、クオリティーにこだわる必要がある。みんなに振り向いてもらうためには、いい生地やいい職人をそろえ、ベストクオリティーを常に保たないといけないんだ。

ーーアイテムの多くはミリタリーウエアに着想しているそうですが、デザインソースは自分が集めてきたアーカイブが中心ですか?

ベリーマン:ほぼ全て、昔から自分で集めてきたビンテージのアーカイブだね。例えば、3つのアーカイブジャケットを用意して、実際に裁断して解体し、1つのアイテムに再構築する場合もあるよ。

ーーアーカイブの量はどれくらいあるんでしょうか?また、収集する際はイギリス陸軍やアメリカ空軍などのこだわりはありますか?

ベリーマン:イングランドとオランダにそれぞれ保管場所があって、ジャケットもパンツも100以上あるから……自分でもどれくらいあるか分からないくらい(笑)。収集する時は、1940年代~60年代という年代以外は特に気にせず、デザインや生地が気に入れば関係なく集めているよ。あとは、ミリタリーウエアのビンテージだけじゃなくて、90年代の「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」も相当の量を持っている。彼らもビンテージを再構築して新しいアイテムを作り出していたから、それらを集めることでアプローチの仕方も学べるんだ。

ーー大学で学んだことは生かされていますか?

ベリーマン:建築から学んだ空間の利用や光の当たり方など、技術や考え方は生かせることが多いかな。ラフ・シモンズ(Raf SImons)も工業デザイン学校で建築を学んでいたしね。

ーーコレクションしているクラシックカーや、ツアーで訪れる海外の土地からインスピレーションを得ることは?

ベリーマン:1950~60年代のクラシックカーや建築、ミッドセンチュリー家具など、一般的に“デザイン”と呼ばれるものが好きなんだけど、クラシックカーからはさすがに難しいかな(笑)。国外に行くことはすごく刺激を受けるね。それに、絶対に見つけられないようなものを見つけるのが好きだから、どこに行っても絶対に古着屋やチャリティーショップには必ず足を運ぶ。トレジャーハンターのつもりで世界各地を訪れているよ。

ーー素材へのこだわりが特に強いそうですね。

ベリーマン:第二次世界大戦時にイギリス空軍のために作られた高機能素材のベンタイル(Ventile)をよく使用しているね。高密度で編んでいるから、コーティング加工していないのに水を弾いてくれるし、何よりも耐久性が高いから時間をかけて着込んでいくと、次第に色が変わっていく経年変化が楽しめるんだ。僕は、環境によって色が変化していく過程が好きで、「AAF」は全てのアイテムがロウデニムのように自分色に仕上げていく感覚に近いかもしれない。

ーー最新素材を使わないのも一種のこだわりですか?

ベリーマン:長年着ること、経年変化を楽しむことを考えると、ちょっと難しいからね。

ーーその着方・考え方は、今の時代にも合っていますよね。

ベリーマン:多くのブランドは、リサイクル素材を使うといったアプローチでサステナビリティを目指しているけど、僕は“いいデザインといい素材のアイテムを長く着ること”が一番のサステナビリティだと考えているよ。

ーーということは、シーズンごとの発表は考えていないのでしょうか?

ベリーマン:通常のファッションサイクルと合わせることは考えていない。半年後の新しいアイテムを発表し、半年前のものをセールするというサイクルは、僕にとっては理想的じゃないから。コレクションの変化は少しづつで、気に入ったアイテムは常に用意し必要に応じて色やディテールを変えるくらいだよ。

ーーコールドプレイのベーシストと「AAF」のクリエティブ・ディレクターは、それぞれどれぐらいの活動比率ですか?

ベリーマン:「AAF」での仕事はフルタイムのように感じる。ライブで世界中を回っていても、演奏中以外の時間は自由だから、アムステルダムにいるデザインチームと常にコミュニケーションを取っているように、どれだけ忙しくても情熱のあることへの時間は作れるんだ。コールドプレイと「AAF」のクリエイティブは、相互作用しながらバランス良くできているよ。

ーー今回の来日で、ミリタリーウエアを探す予定はありますか?

ベリーマン:(取材したタイミングは)来日したばかりだから、原宿で古着を見たり、「キャピタル(KAPITAL)」と「ビズビム(VISVIM)」のお店に行っただけだね。「ビズビム」はブランドの成り立ちや考え方、素材使いなどから親近感を覚えたよ。

ーー今後の展望は?

ベリーマン:次から次へとアイデアが浮かんでいるから、次のレベルへいけるように自分を駆り立てている最中だ。あるブランドとのコラボを考えているから楽しみにしていて。

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日本のレザーブランド「創悦」が“魔除け”をテーマにした期間限定店を阪急うめだにオープン

 メード・イン・ジャパンにこだわる日本のレザーブランド「創悦(そうえつ)」は1月11~19日の期間、阪急うめだ本店(1階 コトコトステージ11)でイベント「創悦・#MAYOKE ~JAPAN LEATHER×魔除け~」を開催する。

 住む者を災いから守るといわれる鬼瓦をモチーフにしたバッグ(13万2000円税込、以下同)やご朱印帳ケース(2万2000円)、魔除けの効果があるとされ植物を飾ったり小物入れとして使ったりできる牛革製の“コーヌ・コピア(魔法の角)”(1万3200円)などをラインアップする。

 「創悦」は、「戻りつつあるインバウンド客にも楽しんでもらいたい」と話す。

■「創悦・#MAYOKE ~JAPAN LEATHER×魔除け~」
日程:1月11~19日
場所:阪急うめだ本店(1階 コトコトステージ11)
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7

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ラボグロウンダイヤモンドなどを扱うEC「ザ・フューチャー ロックス」が伊勢丹新宿本店でポップアップショップを開催

 ラボグロウンダイヤモンドなどを使用したジュエリーのECプラットフォーム「ザ・フューチャー ロックス(以下TFR)」が伊勢丹新宿本店本館4階センターパーク/ザ・ステージ#4で1月6〜17日、ポップアップショップを開催する。同プラットフォームは昨年夏に日本上陸。中国・香港が拠点のデジタルプラットフォームで、世界中の選りすぐりのラボグロウンダイヤモンドなどを使用した環境に優しいジュエリーブランドを販売しており、ファッション感度の高い消費者に支持されている。

 ベストセラーは、日本の伝統手工業でつくられたラボグロウンダイヤモンドとトレーサブルな金属を使用した「ヒカリ(HIKARI)」をはじめ、仏パリ発のリサイクルゴールドを使用したジュエリーが登場。また、「ロイヤル イー パリス(LOYAL. E PARIS)」とコラボレーションした「TFR」の限定リング“イントレピッド グランド アーク”を先行発売する。コラボリングの税込価格は59万円。

 「ヒカリ」は、太陽の暖かさとエネルギーなどからインスピレーションを得たラボグロウンダイヤモンドと18金ゴールドを使用したコレクション。中心価格帯は税込3万〜7万円。

■「ザ・フューチャー ロックス」限定ポップアップショップ
会期:2023年1月6(金)〜17日(火)
会場;伊勢丹新宿本店4階センターパーク/ザ・ステージ#4

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ラボグロウンダイヤモンドなどを扱うEC「ザ・フューチャー ロックス」が伊勢丹新宿本店でポップアップショップを開催

 ラボグロウンダイヤモンドなどを使用したジュエリーのECプラットフォーム「ザ・フューチャー ロックス(以下TFR)」が伊勢丹新宿本店本館4階センターパーク/ザ・ステージ#4で1月6〜17日、ポップアップショップを開催する。同プラットフォームは昨年夏に日本上陸。中国・香港が拠点のデジタルプラットフォームで、世界中の選りすぐりのラボグロウンダイヤモンドなどを使用した環境に優しいジュエリーブランドを販売しており、ファッション感度の高い消費者に支持されている。

 ベストセラーは、日本の伝統手工業でつくられたラボグロウンダイヤモンドとトレーサブルな金属を使用した「ヒカリ(HIKARI)」をはじめ、仏パリ発のリサイクルゴールドを使用したジュエリーが登場。また、「ロイヤル イー パリス(LOYAL. E PARIS)」とコラボレーションした「TFR」の限定リング“イントレピッド グランド アーク”を先行発売する。コラボリングの税込価格は59万円。

 「ヒカリ」は、太陽の暖かさとエネルギーなどからインスピレーションを得たラボグロウンダイヤモンドと18金ゴールドを使用したコレクション。中心価格帯は税込3万〜7万円。

■「ザ・フューチャー ロックス」限定ポップアップショップ
会期:2023年1月6(金)〜17日(火)
会場;伊勢丹新宿本店4階センターパーク/ザ・ステージ#4

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中国で売れている大分・別府発ヘアケア「オンセンソウ」流の商品開発【連載 アジアのビューティ市場vol.2】

 大分・別府の温泉藻を使用したパーソナルケアブランド「オンセンソウ(ONSENSOU)」が中国で売れている。別府で温泉研究を行うサラビオ(SARABiO)温泉微生物研究所と、ブランド企画・海外販売代理事業を行うヴェラスが共同開発し、日本と中国で2019年7月に発売した。中国市場の売り上げは毎年50%増で安定成長しているといい、中国SNSでも話題になった。

 別府は3000近くの源泉があり、11種類ある療養泉のうち10種が集まる温泉都市。「オンセンソウ」は、豊富な温泉資源の研究から発見した新種の温泉藻と温泉酵母を使用する。石原爽ヴェラス代表は「日本はプロダクトアウトが主流だが、『オンセンソウ』はグローバルマーケットインで開発した。日本や中国市場だけでなく、世界で売れる日本製品を目指した」と話す。現在は中国本土のほか、北米、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、台湾などの国と地域で販売しており、売り上げの8割は中国本土が占めるという。

着目したのは抜け毛の悩み

 消費者ニーズを調査する中で目をつけたのが抜け毛の悩みだ。海外では男女問わず若い世代から抜け毛を気にする人が増えており、中国国家保健医療委員会のデータによると、中国では2億5000 万人以上、およそ6人に1人が脱毛に悩んでいる。そのうち69.8%が30歳未満だった。石原代表は「現代社会は生活リズムが悪くストレスが多い上、大気汚染、日焼けなど色々な原因があり、昔より抜け毛の悩みを持つ人が多い」と説明する。

 一方で、日本の抜け毛ケアはターゲットの年齢層が高めの男性向け製品が多い。そこで「オンセンソウ」は緑藻エキスや加水分解酵母エキスなど頭皮環境を整える成分を配合し、若い女性も日常的に使えるよう、香りやボトルにもこだわったヘアケア商品を開発した。

 中国で安定成長を続けているが、石原代表は「ベンチャー企業なので、大手のようなマーケティング費用はかけていない」と話す。それでも消費者に選ばれるのは、商品力が大きな理由だ。石原代表は「パーソナルケア商材なので使って良さが分かると継続につながりやすい。月によっては30%ほどがリピート購入だ」と語る。

 石原代表は特定の年齢層や属性をターゲットにするのではなく、あくまでもニーズに対して商品開発するという。そのため「オンセンソウ」のユーザーは20〜50代まで幅広い。「中国は全世界から商品が集まるため選択肢が多い。その上、消費者は成分や使い方の知識を持っており、本当にいい商品を出さなければ納得してくれない。ライバル商品と比べて価格や香り、見た目、ストーリー性など優位性がなければいけないし、効果が分かりやすいものが求められる」。

 商品の良さを理解してもらうために、使用感だけでなくエビデンスや開発技術力も必要だ。「オンセンソウ」の場合は独自の特許成分を配合するが、「温泉藻エキスは中国では無名な成分なので、消費者を教育する必要があった。消費者は新しいものを受け入れるマインドがあり、化粧品の成分の研究をするKOL(Key Opinion Leader)など説得力のある人に広めてもらった」という。美の象徴として有名な歴史上の人物、楊貴妃が温泉を好んでいたことから、中国内では温泉は肌にいいというイメージがある。温泉由来成分の中でも温泉藻という独自性を持つことが「オンセンソウ」のブランドストーリーとなった。

 また商品開発ではネット上の口コミ意見も取り入れており、エイベックス・エンタテインメントの「J47プロジェクト」が企画に参加した新作“ゴールデンシルクリペアシリーズ”は、ユーザーのダメージケア商品が欲しいという声を受けて開発した。リンスインシャンプーとスペシャルケアトリートメントの2種で、良さを感じやすい商品に仕上がったという。

商品を広めるピラミッド型のKOL起用

 各種メディアの活用も中国での拡大に役立った。石原代表は中国テレビ局の取材記者という経歴を持ち、ブランド初期から中国メディアで商品が取り上げられた。また中国SNS上のネットワークがあり、有名なKOLや芸能人と単発ではない、長期的な関係を持って商品の宣伝を依頼している。中国のトップライバーで“口紅王子”と呼ばれる李佳琦(Austin Li)は自ら「オンセンソウ」を購入して商品を気に入り、これまでに6回ライブ配信で販売を行った。1回の配信で約3万本ほどが売れた。

 李佳琦のような大きな影響力を持つ人や芸能人だけでなく、中規模のKOL、またKOC(Key Opinion Consumer)を起用することで、ピラミッド型に話題を広げているのが特徴だ。このような上から広げていく拡散方法は中国では定番のマーケティング手法となっている。

 「オンセンソウ」の場合は話題拡散の起点を日本にしており、「まずは日本から発信し、在日KOLとも取り組みを行う。次に中国本土のKOLに拡散してもらい、有名なインフルエンサーに紹介されたことをオフラインのマーケティングに使っている」という。またインフルエンサーだけでなく、消費者の口コミも重要視している。

 中国市場での安定成長を基盤に、「ヨーロッパなど新しい地域にも進出したい」と石原代表。「グローバルブランドは欧米がメインで、日本の中小企業はほとんど知られていない。『オンセンソウ』は世界で戦える商品を開発している。世界で有名な日本の中小企業のパーソナルケアブランドにしていきたい」と語った。

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「スウォッチ」が2023年の干支、ウサギをモチーフにした時計を発売

 「スウォッチ(SWATCH)」は、卯年に合わせてウサギをモチーフにした時計を発売した。カラーは鮮やかな赤と金の組み合わせで、時針と分針、さらに遊環(ストラップループ)がウサギの耳になっている。価格は1万3530円(税込)だ。

 「スウォッチ」は1999年から新年を祝う、干支を題材にした時計を発売している。

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BLACKPINKのROSEが「ティファニー」の最新キャンペーンに登場 ダイヤ付きバングルを着用

 「ティファニー(TIFFANY & CO)」は、同ブランド初のジェンダーレスなジュエリーコレクション“ティファニー ロック”の発売を記念して、ブランドアンバサダーを務めるBLACKPINK(ブラックピンク)のROSE(ロゼ)を起用した最新キャンペーンを発表した。ROSEは同キャンペーンにおいて、ダイヤモンドをあしらったバングルを身に着ける。

 “ティファニー ロック”コレクションは、ほかにリングやピアス、ペンダントなどをラインアップ。「ティファニー」の店舗および公式オンラインストアで順次発売する。

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BLACKPINKのROSEが「ティファニー」の最新キャンペーンに登場 ダイヤ付きバングルを着用

 「ティファニー(TIFFANY & CO)」は、同ブランド初のジェンダーレスなジュエリーコレクション“ティファニー ロック”の発売を記念して、ブランドアンバサダーを務めるBLACKPINK(ブラックピンク)のROSE(ロゼ)を起用した最新キャンペーンを発表した。ROSEは同キャンペーンにおいて、ダイヤモンドをあしらったバングルを身に着ける。

 “ティファニー ロック”コレクションは、ほかにリングやピアス、ペンダントなどをラインアップ。「ティファニー」の店舗および公式オンラインストアで順次発売する。

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「フェラガモ」の創業一族がミラノ中心部にホテル セレクトショップも入居

 フェラガモ一族が保有するホテル経営会社「ルンガルノ・コレクション(LUNGARNO COLLECTION)」は、1564年に作られた歴史的建造物を改修し、ホテル併設の商業施設「ポートレート・ミラノ」をオープンした。ホテルは、ローマとフィレンツェで手掛けるラグジュアリーホテル「ポートレート・シリーズ」の最新版。2002年までは神学校、それ以前には図書館や刑務所、病院としても使用された建物は、ミラノの高級ショッピング街の中心に位置。コルソ・ベネチア通りとサンタンドレア通りを結び、広さは3万140平方メートルにも及ぶ。社長のレオナルド・フェラガモ(Leonardo Ferragamo)は、「数年かけて取り組んできた壮大なプロジェクト。500年もの歴史に新たな1ページを刻むことを誇りに思う。ミラノ市民はもちろん、ミラノを愛するすべての人が楽しめる開かれた場所だ」と語る。

 16世紀の回廊やバロック時代の門など、数世紀にわたる歴史を誇る建物の美しさを生かした改修は、世界的建築家のミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)が手掛けた。その目玉は、20室のスイートルームを含む73の客室を用意した3階建てのホテル。1階は、各部屋が回廊に面している。内装は、ミレニアル世代に人気のミッドセンチュリーなデザインの影響を受け、明るい色のウォールナット材、籐のパネル、カラマツのフローリング、またミラノのアパートメントでよく見られるレザーのハンドルや、緑色と赤色の組み合わせなど、イタリアのスタイルを取り入れている。

 中庭を見下ろす1階部分にはホテルの一部として小売店舗のほか、カジュアルと高級レストランの双方を含むダイニングスペースを構える。さらにミラノのセレクトショップ「アントニア(ANTYONIA)」は、この西棟全体を占める形で2番目となる店舗をオープン。その広さは750平方メートルだ。有名、新進デザイナーによるメンズやウィメンズのほか、スニーカーの陳列スペースも用意。東棟は、イタリアのレストラン兼バー「ビーフバー(BEEF BAR)」のファインダイニングとなり、1950年代をイメージした店内ではミラノの食文化に合わせて牛肉を中心としたメニューを提供する。「ビーフバー」はすでにパリやトゥルム、ミコノス、香港で20店舗を展開しているが、ミラノには初出店。また、レオナルド・フェラガモの娘であるマリア・ソール(Maria Sole)のジュエリーブランド「ソール・スタジオ(SO-LE STUDIO)」は2022年12月、アンチエイジングのクリニック「ロンジェビティ・スイート(THE LONGEVITY SUITE)」は23年春、それぞれ中庭と地下に店舗を構える予定だ。

 レオナルド・フェラガモは、「フェラガモ」を創業したサルヴァトーレ・フェラガモ(Slavatore Ferragamo)の次男にあたる。

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2023年の開業&閉店まとめ 新しいヒルズ開業から老舗百貨店閉店まで

 2023年に開業する主な商業施設と閉店する主な開業施設を下記にまとめる。1月には東京・渋谷区で長年親しまれてきた東急百貨店本店が56年の歴史に幕を閉じ、27年の複合施設開業に向けた再開発に入る。東京・港区では六本木ヒルズに続くようなスケールの大きな街づくりが進行する。

「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」が閉館(1月15日)

 三井不動産は1999年に神戸市郊外に開業したアウトレットモールを一時閉館する。隣接地も含めた施設の一体的な建替え計画に伴うもの。店舗面積2万8000平方メートルに約130店舗が営業している。2月から解体工事が始まり、その後、隣接地とともに再開発されて24年度中に新しい商業施設としてオープンする。建て替え後の新しい商業施設は延べ床面積で2倍にスケールアップし、物販・飲食の充実だけでなく、レジャーなどの要素も加わる見通し。

「羽田エアポートガーデン」が全面開業(1月31日)

 羽田空港で国際線が発着する第3ターミナル直結の場所に住友不動産が開発した複合施設が全面開業する。全1717室のエアポートホテル、展望天然温泉、イベントホール・会議室、商業施設、バスターミナルで構成される。20年の開業予定だったが、コロナで延期になっていた。商業施設には国内外の旅行客やビジネス客を対象にした物販や飲食など80店が入る。ホテルや展望天然温泉などの一部は既に12月21日に先行開業している。

「東急百貨店本店」が閉店(1月31日)

 東急百貨店本店は1967年に開業し、89年にはBunkamuraが併設された。ラグジュアリーブランドを集積した構成と、高級住宅地である渋谷・松濤を背にするロケーションから近隣の優良顧客に支持を得て、外商セールスも強みとしてきた。

 跡地は、東急、東急百貨店、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループにより設立された投資会社Lキャタルトンの3社が再開発を進め、27年に地上36階・地下4階の新ビルが関西する予定。新ビルには宿泊施設や商業施設が入る。ホテルは超高級ホテル「ザ・ハウス・コレクティブ」の日本初進出が発表されたが、商業施設の中身についてはまだ明らかにされていない。東急百貨店は特選売り場など一部を渋谷ヒカリエに移す。

「津田沼パルコ」が閉店(2月28日)

 千葉県習志野市のJR津田沼駅前で1977年7月から営業する津田沼パルコが営業を終了する。近隣の商業施設との競合が激しくなる中、テナントの売り上げは30年前をピークに減少傾向が続いていた。運営するパルコは、建物の賃貸借契約満了を機に撤退を決めた。70年代には周辺にイトーヨーカ堂、丸井、高島屋、ダイエーなどが相次ぎ出店して「津田沼戦争」と呼ばれる激戦区だった。跡地の利用は未定。16年には千葉パルコが閉店しており、これで千葉県内からパルコがなくなる。

「東京ミッドタウン八重洲」が全面開業(3月10日)

 東京駅八重洲口の駅前に、バスターミナルや商業施設、オフィス、ホテルなどで構成する複合施設として開発された。開発・運営の三井不動産にとって六本木、日比谷に続く3つ目の東京ミッドタウンになる。すでに22年9月にバスターミナルや一部店舗が先行開業している。東京駅と直結する立地であり、交通の要所として国内外から多くの人が行き交う。1〜4階には再開発前にこの場所にあった中央区立城東小学校が入っている。

 3月10日のグランドオープン時には、低層部の商業エリアに「CFCL」「ジェラートピケ オム」「ホソオ(細尾)」などが入る。40〜45階の高層部には日本初進出の超高級ホテル「ブルガリホテル東京」が入ることも話題だ。ツイン・ダブルルームを中心に、ラグジュアリーなスイートから最高峰のブルガリスイートまで、さまざまなタイプを取り揃えた98部屋の客室があり、VIP客をもてなす。

「シミントひろしま」が開業(3月31日)

 広島市中心部の旧広島市民球場跡地の再開発によってできるイベント広場の商業施設。イベント広場を取り囲むように物販と飲食店の8棟を配置する。再開発はNTT都市開発、広島電鉄、大成建設などが手がける。テナントは1月に発表予定。旧広島市民球場跡地整備等事業は広さ約4.7ヘクタール。多様なイベントできる空間や憩いの場となるオープンスペースが整備される。広島城や原爆ドーム、広島バスセンターなどに囲まれた中央公園の一角にある。市民球場の跡を次ぐ空間であり、市民と共ににぎわう空間ということで「シミント」の名がつけられた。

「東急歌舞伎座タワー」が開業(4月14日)

 東急および東急レクリエーションが東京・新宿で開発を進める地上48階・地下5階のビルにホテル、映画館、劇場、ライブホール、店舗などが入る。14年まで営業していた映画館の新宿ミラノ座の跡地で、その系譜を引き継いでエンターテイメントのコンテンツを充実。インバウンドを含めて広域から集客する施設を目指す。

 17~47階には東急ホテルズが運営するホテル&レストランの「BELLUSTAR TOKYO」(39~47階)と「HOTEL GROOVE SHINJUKU」(18~38階)、9~10階に東急レクリエーションの映画館「109シネマズプレミアム新宿」、6~8階にTSTエンタテイメントが運営する劇場「THEATER MILANO-Za」、1~4階にTSTエンタテイメントによるライブホール「Zepp Shinjuku(TOKYO)」がそれぞれ入る。地下1階には、羽田空港と成田空港直通のリムジンバス乗降場を設ける。

「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」「三井アウトレットパーク 大阪門真」が開業(4月)

 三井不動産が大阪府門真市に「ららぽーと」と「三井アウトレットパーク」の複合型ショッピングセンターを開業すると発表した。プロパーのSCとアウトレットのSCの併設は同社では初めて。店舗面積6万6300平方メートルに計250店舗が入る。3層の建物の主に1階と3階をららぽーとにし、2階の三井アウトレットパークを挟む格好になる。アメリカのファッションブランド「フォーエバー21」の日本再上陸1号店が話題になりそうだ。

「ジ アウトレット湘南平塚」が開業(春)

 イオンモールが運営するアウトレットモール業態で、広島、北九州に続く3施設目となる。当賃貸面積は3万3000平方メートル。神奈川県の湘南エリアでは初の本格的アウトレットモール。東名高速、新東名高速などのインターチェンジからも近く広域から集客する。地元のサッカーチーム・湘南ベルマーレ監修によるフットサルコートやクラブハウスも設置する。

「麻布台ヒルズ」が開業(7月)

 森ビルが東京都港区で建設する。東京タワーに近い約8万1000平方メートルのエリアを再開発し、複数のビルを建て、高級ホテルや商業施設、オフィス、予防医療センター、インターナショナルスクールなどで構成する。中心となる高さ330メートルのビルのこの時点では、大阪のあべのハルカスを抜いて日本で最も高いビルになる。

 同じく森ビルが運営するアークヒルズに隣接し、六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズの中間に位置する。商業施設の内容は明らかになっていないが、150店舗が入って営業面積は1万9000平方メートルの規模となる。森ビルがヒルズの最新形として注力しており、さまざまな面で注目を集めている。

「京都高島屋S.C.」が開業(秋)

 高島屋京都店の隣接地で工事中の区画を専門店ゾーンにし、2023年秋に百貨店と専門店で構成する商業施設「京都高島屋S.C.」としてオープンする。

百貨店ゾーンと専門店ゾーンは地下1階〜地上7階までの8フロアで接続。百貨店ゾーンは5万2000平方メートル、専門店ゾーンは1万3000平方メートルで、合計6万5000平方メートルの商業施設になる。百貨店ゾーンと専門店ゾーンの併設では、玉川高島屋S・C、タカシマヤタイムズスクエア(新宿)、日本橋高島屋S.C.などの実績がある。

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