服の“物撮り”に苦労しているアナタに! カメラマンが開発した便利アイテム磁石式ハンガー

 ECサイト用、SNS用、はたまた個人でフリマサイトに出品する用などとして、服の写真を撮る機会が激増しています。われわれメディアも、人気ブランドの展示会や注目コラボの発表時などはウェブ媒体で商品写真をいち早くご紹介するため、カメラマンと共にブランドのショールームやイベント会場に足を運びます。しかし、服の“物撮り”って結構難しいんですよ。ハンガーに掛けて撮るとくるくる回ってしまうし、テーブルの上に平置きすると大きめの脚立や照明を持参しないと微妙な写りになってしまう。時間やスペース、機材が限られている中で、美しい“物撮り”を行うにはどうしたらいいのか……。この悩みに共感してくださる方、ファッション業界内外に結構多いのではないでしょうか。

 そんな悩めるアナタに朗報です。先日、合同展の「ニューエナジー(NEW ENERGY)」を取材した際、“物撮り”をよりスムーズに進められる便利&低コストなアイテムを発見しました。自身も“物撮り”を頻繁に行っているというカメラマン、野沢朋央さんが開発に携わったという、磁石式ハンガーの「ノゾン(NOZON)」がそれです。

 ECサイト用の“物撮り”現場などでは、色違いや細かなデザイン違いなども含め、何百枚も(いや、もっとかも)の写真を撮ることが求められます。そんなふうに、「“物撮り”は過酷な環境で若いカメラマンが担当しているケースが多い」と野沢さん。自身の経験から、「ハンガーなしで服をきれいに壁に固定することができれば、撮影がスムーズになる上にレタッチでハンガーや影を消す手間も不要になるのに……」と感じていたそう。そこで、スタジオ勤務時代の撮影手法を参考に、自分で木片を削ったパーツに磁石をつけて「ノゾン」のプロトタイプを製作。白い背景紙を貼った鉄板の上にプロトタイプの磁石で服を固定して撮影してみたところ、撮影時間が大幅に短縮されました。

 カメラマン仲間などに話すと強いニーズを感じたものの、自分でDIYしたパーツでは商品化は難しい。そこで野沢さんが相談したのがアクションフィギュアメーカー、テスト(T.E.S.T.)の戸張雄太CEOです。野沢さんはテストのフィギュアの“物撮り”も担当しており、そこから生まれた縁。フィギュアには磁石も使うため、テストの生産背景を使うことで磁石式ハンガーの量産が可能になりました。

 「ノゾン」は大、中、小サイズの磁石式ハンガーと鉄製プレートなどがセットになっており、税込2万9700円。現在、自社のECサイトで販売しています。サイズの異なるハンガーを複数組み合わせることで、パーカのフードをきれいに固定したり、重量のあるボトムスを固定したりすることも可能。また、磁石式ハンガーにはシリコン製カバーも付属しており、ニットなどもずり落ちづらい仕様です。

 仕事として“物撮り”を行っているカメラマンや、社内の人員のみで慌ただしくSNSやEC用の画像撮影を行っているファッション企業などをユーザーとして想定していましたが、「ニューエナジー」では一般消費者からも引き合いがあったそう。冒頭で話したように、フリマサイトに出品する際に写真をきれいに撮りたいといったニーズがあるようです。また、ショップのディスプレーとして服を展示する際に「ノゾン」を使うといった使用法もアリですね。「WWDJAPAN」でも社内で“物撮り”をする際に試してみたいと思います!

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服の“物撮り”に苦労しているアナタに! カメラマンが開発した便利アイテム磁石式ハンガー

 ECサイト用、SNS用、はたまた個人でフリマサイトに出品する用などとして、服の写真を撮る機会が激増しています。われわれメディアも、人気ブランドの展示会や注目コラボの発表時などはウェブ媒体で商品写真をいち早くご紹介するため、カメラマンと共にブランドのショールームやイベント会場に足を運びます。しかし、服の“物撮り”って結構難しいんですよ。ハンガーに掛けて撮るとくるくる回ってしまうし、テーブルの上に平置きすると大きめの脚立や照明を持参しないと微妙な写りになってしまう。時間やスペース、機材が限られている中で、美しい“物撮り”を行うにはどうしたらいいのか……。この悩みに共感してくださる方、ファッション業界内外に結構多いのではないでしょうか。

 そんな悩めるアナタに朗報です。先日、合同展の「ニューエナジー(NEW ENERGY)」を取材した際、“物撮り”をよりスムーズに進められる便利&低コストなアイテムを発見しました。自身も“物撮り”を頻繁に行っているというカメラマン、野沢朋央さんが開発に携わったという、磁石式ハンガーの「ノゾン(NOZON)」がそれです。

 ECサイト用の“物撮り”現場などでは、色違いや細かなデザイン違いなども含め、何百枚も(いや、もっとかも)の写真を撮ることが求められます。そんなふうに、「“物撮り”は過酷な環境で若いカメラマンが担当しているケースが多い」と野沢さん。自身の経験から、「ハンガーなしで服をきれいに壁に固定することができれば、撮影がスムーズになる上にレタッチでハンガーや影を消す手間も不要になるのに……」と感じていたそう。そこで、スタジオ勤務時代の撮影手法を参考に、自分で木片を削ったパーツに磁石をつけて「ノゾン」のプロトタイプを製作。白い背景紙を貼った鉄板の上にプロトタイプの磁石で服を固定して撮影してみたところ、撮影時間が大幅に短縮されました。

 カメラマン仲間などに話すと強いニーズを感じたものの、自分でDIYしたパーツでは商品化は難しい。そこで野沢さんが相談したのがアクションフィギュアメーカー、テスト(T.E.S.T.)の戸張雄太CEOです。野沢さんはテストのフィギュアの“物撮り”も担当しており、そこから生まれた縁。フィギュアには磁石も使うため、テストの生産背景を使うことで磁石式ハンガーの量産が可能になりました。

 「ノゾン」は大、中、小サイズの磁石式ハンガーと鉄製プレートなどがセットになっており、税込2万9700円。現在、自社のECサイトで販売しています。サイズの異なるハンガーを複数組み合わせることで、パーカのフードをきれいに固定したり、重量のあるボトムスを固定したりすることも可能。また、磁石式ハンガーにはシリコン製カバーも付属しており、ニットなどもずり落ちづらい仕様です。

 仕事として“物撮り”を行っているカメラマンや、社内の人員のみで慌ただしくSNSやEC用の画像撮影を行っているファッション企業などをユーザーとして想定していましたが、「ニューエナジー」では一般消費者からも引き合いがあったそう。冒頭で話したように、フリマサイトに出品する際に写真をきれいに撮りたいといったニーズがあるようです。また、ショップのディスプレーとして服を展示する際に「ノゾン」を使うといった使用法もアリですね。「WWDJAPAN」でも社内で“物撮り”をする際に試してみたいと思います!

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「ヴェルサーチェ」2023-24年秋冬コレクション

「ヴェルサーチェ(VERSACE)」が2023-24年秋冬コレクションを発表した。

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「シャネル」は若々しいツイードなのに春夏とは一変 「ミュウミュウ」がナンセンスな勝負仕掛ける【2023-24年秋冬パリコレ取材はどこまでもVol.8】

 パリコレは、本日が最終日。ところが今日は市内全域でストライキが発生し、地下鉄のほとんどが使えません。デモが予定されているエリアでは交通封鎖。簡単には終わらせてくれませんね。では最終日、楽しく参りましょう。

10:45 「シャネル」
同じツイードなのに
春夏とは全然違う!

 最終日の朝は、「シャネル(CHANEL)」でスタートです。

 このコラムでは度々、「らしさ」や「本質」「原点」「メゾンコード・ドレスコード」の話をしてきました。もちろん革命的な新しさを提供することもファッションの1つの価値ですが、ブランドがブランドとして存在し続けるには「らしさ」や「本質」「原点」「メゾンコード・ドレスコード」をどうするのか?の姿勢が問われます。

 そんな考え方を実績をもって提唱したのは、長きに渡り「シャネル」を盛り上げた大帝、故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)でした。彼は、正直勢いを失っていた「シャネル」のトップに就くと、ツイードやカメリア、Cを重ねたモチーフ、チェーンバッグ、そこに刻んだ“マトラッセ”と呼ばれる格子柄、パールをふんだんに使ったコスチュームジュエリーなど、ココ・シャネル(Coco Chanel)が生み出したアイデアを甦らせ、アイコンと呼ばれるまでに仕上げ、連打し続け、その集合体を「シャネル」の「らしさ」や「本質」「原点」「メゾンコード・ドレスコード」として発信し続けたのです。

 そしてカールの右腕でアーティスティック・ディレクターのバトンを受け継いだヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)は、彼女らしくアイコンをアップデートし続け、結果「シャネル」の「らしさ」や「本質」「原点」「メゾンコード・ドレスコード」もアップデート。だからこそ、人々は「シャネル」というブランドに魅了され続けるのです。これぞ、ブランドビジネスの王道でしょう。

 その意味でヴィルジニーは今シーズン、カメリアに再度注目。この花が持つ美しさはもちろん、シャネルが愛し、カールが再度表舞台に引っ張り出したからこそ気高く、特別な存在であるという強さに焦点を当てました。舞台の中央には、カメリアの花です。

 コレクションは、ブラック&ホワイト、そこに真紅や紫、ボルドーという美しくも強いカラーパレットで構成されています。素材では、レザーやパテントレザーを用い、アシンメトリーのスカートも多用しました。いずれもモードな印象を掻き立て、いつもより孤高な感じ、気高い強さを表現します。同じく連打したのは、ニーハイブーツ。言うまでもなく、気高く、強いですよね?中盤に登場するベビーピンクなどの淡い色は、ブラック&ホワイトの強さを強調するために使われた印象です。モヘアのニット、白いタイツ、ニットに飾ったアンゴラ、ツイードにあしらったフェザーも、美しさこそ増強しますが、強さを毀損することはありません。

 考えてみると、同じツイードという素材を使い、同じく若々しいスタイルにたどり着いているのに、「ガーリー」という形容詞もしっくり来る23年春夏コレクションとは全然違います。これが、「シャネル」のツイードを筆頭とするアイコンの汎用性であり、ヴィルジニーの懐の深さなのでしょう。改めて、このブランドはスゴいアイコンをいっぱい持っています。

12:00 「ウジョー」
見たことない、
けれど美しいフォーマル

 「ウジョー(UJOH)」は、格段に美しくなりました。サスペンダーで吊るしたり肩に掛けたりするジャケットなどを交えた、見たことのないレイヤードのフォーマルなのに、美しいんです。ウールギャバジンのような素材をオリーブがかったグレーやブラウンなどで染め、秋冬らしさに徹したことも奏功したのでしょう。とっても「高見え」するスタイルが完成しました。お見事です!

12:00 「ルイ・ヴィトン」
12:30 「カルティエ」

 この後は、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の展示会と、大半が撮影不可だった「カルティエ(CARTIER)」の展示会へ。「ルイ・ヴィトン」については、昨日公開した記事をご覧ください。

14:30 「ミュウミュウ」
ナンセンスで勝負する
ミウッチャの度胸

 さぁ、ゴールはいよいよ目の前。次は「ミュウミュウ(MIU MIU)」のコレクションです。

 今シーズンの「ミュウミュウ」は、上半身だけ見ると、淑女です。いずれのモデルもジャストサイズのカーディガンをニートに着こなし、コーデュロイやフェイクファーのコート、ネイビーで金ボタンのチェスターコートをガバッと羽織って、ハンドバッグを文字通り腕にかけてランウエイを歩きます。足元もキトゥンヒールのスリングバックで、ちゃんとしているんです。

 しかし、下半身はどうでしょう(笑)。あるモデルは、スカートが半分ずり落ちちゃったようなフェイクレイヤード。他のモデルは、サイズがおかしなリラックスパンツを腰履き。スパッツ一丁のモデルには昨今あんまり驚かなくなってきたけれど、流石にラストのパンツだけのモデル3連発にはびっくりしました。「あれ、みんなスカート忘れちゃったの?」もしくは「下半身も頑張れなかったのw?」みたいな感じです。そして、その不完全さは「ミュウミュウ」らしいのかな?と思います。特に間違いが許されない時代だったり、写真や短い動画の世界では虚構でも完璧を生み出すことができるかもしれない時代、「スカート、忘れちゃった」レベルのナンセンスは意味があるのかもしれません。それにしてもスゴいのは、ベーシックなアイテムのコーディネートで、これだけ違和感を拭い去ることが難しかったり、ナンセンスって思ってしまったりのスタイルを生み出す力です。そこには絶妙なパターンワークと、天才的なスタイリングが存在するのでしょう。

16:00 「Y プロジェクト」
実験的なムードを増しつつ
エレガンスも忘れない

 「ディーゼル(DIESEL)」も手掛けるグレン・マーティンス(Glenn Martens)による「Y プロジェクト(Y PROJECT)」は、実験的なムードを増しています。ファーストルックは、デニムと、デニム地で作ったサイハイブーツのコーディネート。ロールアップしてくれていなければ、もはやデニムとブーツの境界線は定かではありません。その後も、シフォンやチュールの代わりにデニムを使ってプリーツを幾重にも寄せて成形したプルオーバー(重そう!)、フロッキープリントを施して汚れや陰影を表現したデニム、スエットを重ねて上のスエットだけをカットアウトすることでロゴを描いたテントラインのドレス、ニードルパンチで女性の体を描いたトロンプルイユ(騙し絵)のジャンプスーツなど、が目白押しです。

 でも、これが奇妙に見えないのは、確実なパターンワークがあるから。時折挟むシンプルに美しいドレスなどが、グレンのエレガンスへの想い、新しいエレガンスを作ろうという意気込みを教えてくれるから、なおさら腑に落ちるのでしょう。どう着たら良いのかわからない、捻って、結んで、垂れ流してだけの人ではないのです。同じ世界観に包まれつつも、「ディーゼル」とも違うムードを醸し出します。引き出しは多くないのかもしれないけれど、その引き出しは結構大きいから、いろんなものが入っていそう。そんな印象です。

16:30 「アヴェラーノ」「ランバン」

 そして、最後にラテックスドレスの「アヴェラーノ(AVELLANO)」を拝見して、「ランバン(LANVIN)」の展示会に伺って、今シーズンのパリコレは終了です。皆様、全8回のコラムをご愛読いただきまして、ありがとうございました。向&木村のミラノ編、大塚&井上さんのメンズ編も併せて楽しんでいただけますと幸いです。それでは、この企画では、また次のシーズンにお会いしましょう!

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