「ジル サンダー」が京都に1カ月限定のキオスク 新店オープンに先駆けて

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」は、京都・河原町の京都BALエントランスに、コンセプトストア兼カフェ「ジル サンダー キオスク」を6月4日まで1カ月限定で開いている。このプロジェクトは、同施設1階に5月に開業予定の新店に先駆けたもので、ブランドの美学を体現したキオスクのミニマルなデザインは、京都初出店となるショップの特徴ともリンクするという。

 キオスクでは、ルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)=クリエイティブ・ディレクターが、アーティストや写真家とコラボレーションし企画・出版した写真集「ファミリアリティ(FAMILIARITY)」(1万9800円税込、以下同)や「パリ(PARIS)」(2万900円)、「マクロ(MACRO)」(2万2000円)に加え、アントワープ発の雑誌「エー マガジン(A MAGAZINE)」のキュレーターをメイヤー夫妻が手掛けた「エー マガジン キュレイテッド バイ ルーシー&ルーク・メイヤー(A MAGAZINE CURATED BY LUCIE AND LUKE MEIER)」も並ぶ。ほかにもビジュアルアートや建築から、工芸、小説、詩、音楽まで、ブランドの世界観を構成する書籍やアートブック、雑誌、メイヤー夫妻が愛用する日本製の文具をそろえる。また、クリエイティブ・ディレクターの2人が京都への思いを語ったインタビューや、新店開業に合わせて同ブランドとコラボレーションした京都の職人たちを紹介する冊子も配布中だ。

 カフェでは、京都の老舗コーヒーロースター「小川珈琲」がキュレーションした、「ジル サンダー」オリジナルドリンクを提供する。

 メイヤー夫妻は、「京都の新店舗では、世界における工芸の中心地のひとつであるこの街の存在を強調したいと考えた。それはとても現代的なこと。なぜなら私たちの現在とは、工芸と革新、人類と自然のバランスを見いだすことに尽きると思うから」とコメントしている。

■ジル サンダー キオスク
場所:京都BAL エントランス特設スペース
住所:京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251
日程:〜6月4日
時間:11:00〜20:00

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「ル ラボ」から3つの香りのシャンプー&コンディショナーセットが登場 ウッディーな“サンタル 33”など

 フレグランスブランド「ル ラボ(LE LABO)」は5月8日、ブランドを代表する3つの香り“サンタル 33(SANTAL 33)”“テ ノワール 29(THE NOIR 29)”“ベルガモット 22(BERGAMOTE 22)”のシャンプーとコンディショナーをセット(各237mL、税込各7920円)にして発売する。

 “パフューミングシャンプー”は、パンテノールやアロエ、ソイオイルを配合。濃密な泡立ちで、髪を柔らかく艶やかな印象へと導く。“パフューミングコンディショナー”は、シアバターやアーモンドオイル、アロエなどの植物成分を配合。滑らかで、しなやかな髪に仕上げる。

 同商品の香りに採用した“サンタル 33”は、オーストラリア産のサンダルウッドやシダーウッドにカルダモンやアイリス、バイオレットを加え、スパイシーなレザーやムスクの香りをもたらす。

 “テ ノワール 29”は、ベルガモットやフィグ、ベイリーフに、シダーウッドやベチバー、ムスクを組み合わせ、ブラックティーや干し草、タバコを彷彿とさせる官能的な香り。

 “ベルガモット 22”は、フローラルをベースにグレープフルーツや甘さのあるアンバーとムスクを採用し、ウッディーでアーシーなベチバーの香りで印象づける。

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「ル ラボ」から3つの香りのシャンプー&コンディショナーセットが登場 ウッディーな“サンタル 33”など

 フレグランスブランド「ル ラボ(LE LABO)」は5月8日、ブランドを代表する3つの香り“サンタル 33(SANTAL 33)”“テ ノワール 29(THE NOIR 29)”“ベルガモット 22(BERGAMOTE 22)”のシャンプーとコンディショナーをセット(各237mL、税込各7920円)にして発売する。

 “パフューミングシャンプー”は、パンテノールやアロエ、ソイオイルを配合。濃密な泡立ちで、髪を柔らかく艶やかな印象へと導く。“パフューミングコンディショナー”は、シアバターやアーモンドオイル、アロエなどの植物成分を配合。滑らかで、しなやかな髪に仕上げる。

 同商品の香りに採用した“サンタル 33”は、オーストラリア産のサンダルウッドやシダーウッドにカルダモンやアイリス、バイオレットを加え、スパイシーなレザーやムスクの香りをもたらす。

 “テ ノワール 29”は、ベルガモットやフィグ、ベイリーフに、シダーウッドやベチバー、ムスクを組み合わせ、ブラックティーや干し草、タバコを彷彿とさせる官能的な香り。

 “ベルガモット 22”は、フローラルをベースにグレープフルーツや甘さのあるアンバーとムスクを採用し、ウッディーでアーシーなベチバーの香りで印象づける。

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「カルバン・クライン」がBLACKPINKのジェニーとのカプセルコレクションを発売

 「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」は、アンバサダーを務めるBLACKPINK(ブラックピンク)のジェニー(JENNIE)とのカプセルコレクション“ジェニー フォー カルバン・クライン(JENNIE FOR CALVIN KLEIN)”を発売する。5月10日22時に公式オンラインストアで先行販売し、11日からは渋谷スクランブルスクエア店などの一部店舗、およびGR8(グレイト)などの卸先でも扱う。

 「カルバン・クライン」は同コレクションについて、「ジェニーのカジュアルなワードローブにあるエッセンシャルアイテムからヒントを得た」と述べ、アンダーウエア、ジーンズ、スエット、ニットなどをラインアップする。パステルなカラーパレットはジェニーがキュレーションし、本人が手書きしたロゴを用いる。

 ジェニーは、「フィット感やディテールでも自分らしさをプラスした。誰もがこの商品で、私と同じようにハッピーな気持ちになり、自分に自信が持てるようにと願いを込めた」とコメントした。

 また、ジョナサン・ボトムリー(Jonathan Bottomley)「カルバン・クライン」グローバルチーフマーケティングオフィサーは、「われわれのパートナーシップは、ジェニーが以前から『カルバン・クライン』のファンであったことに発端している。彼女のパーソナルな視点を取り入れることで、つながりをいっそう深めたいという思いからカプセルコレクションの実現に至った」と話す。

 なおキャンペーンビジュアルは、韓国人フォトグラファーのホン・ジャンヒョン(Hong Jang Hyun)が撮影した。

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【2023年GW】いざ鎌倉! だってマーク・パンサー(globe)の店があるから

 マーク・パンサー(Marc Panther)と聞いて、何を想像するだろう?

 「音楽グループ、globe(グローブ)のラッパー」という答えが最も多いだろうか。ただ、アラフィフ記者にとっては、ファッション誌「メンズノンノ」(集英社)や「チェックメイト」(講談社)のモデルのイメージが強い。その後、音楽専門チャンネル「MTVジャパン」の初代VJになるのだが、1人暮らしを始めたばかりの僕のマンションではなぜかケーブルテレビが視聴でき、引き続きマークを日々ウオッチすることに。ちなみに、MTVジャパンへの出演がきっかけで小室哲哉から声が掛かり、その後globeのメンバーにという流れだ。

 そんなマークさんが昨年9月、鎌倉に店をオープンしたと聞いた。ドンズバ世代としては“行くしかない!”だ。鎌倉駅を背に、左が観光客でにぎわう小町通りだが、右へ。徒歩1分でマークさんの店「ベネバン(BN20F)」に到着する。築50年以上という建物の2階、25㎡ほどの小さな店だ。

 なおBN20Fとは、マークさんの父が運転していたシトロエン(CITROEN)のナンバー。フランス生まれの“マークパパ”は30歳のとき、世界一周の旅に出る。中東、インドとまわり日本へ。そこでマークさんの母と出会い、旅を一時休止。結婚して、マークさんが生まれたというわけ。

 ベネバンには、店名と同名のオリジナルブランドが並ぶ。デザインを手掛けるのは、「ヒピハパ(JIPIJAPA)」の加賀清一デザイナーだ。

 ボーダーの長袖カットソー(1万9800円税込、以下同)はシトロエンが線を描くデザインがかわいく、古着のセーラー帽(5500円)には1つ1つ手作業でスタンプを押す。ほかにも底面に“BN20F”とプリントしたトートバッグ(1万6500円)や、リバーシブル仕様で、表のキルティングと中のシャンブレーをセパレートしてそれぞれ単体でも着られる4ウエイジャケット(5万8300円)などをラインアップする。

 マークさんも「気ままに」月に2日ほど店に立つという。「ボーダーカットソーは生地からオリジナルで作っていて、縫製も日本。だから2万円近くになってしまうけど、『ちょっと手が出しにくい……』という人もいると思う。僕としては地元の人にも『ベネバン』を着てほしくて、だから古着をワッペンやスタンプでリメークしたシャツを6000円ほどで販売し始めた。おかげさまで、なかなか人気」と話す。

 今後については、「今年の夏には間に合わないが、フランス流のビーチカルチャーを発信したくて、地元企業とタッグを組んでラグやパラソルを作ってみたい。だって、ブルーシートじゃ雰囲気が出ないでしょ(笑)?あとは鎌倉や葉山のフードや飲み物を並べたり、僕がセレクトした音楽を提案したりするのも面白そう」と目を輝かせた。

■ベネバン(BN20F)
時間:12:00〜18:00
定休日:水・木曜日
住所:神奈川県鎌倉市小町1-4-25 2階

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佐藤可士和×河村康輔 「UT」の新コンセプト“WITH UT”は“カルチャーとともにある”

 「ユニクロ(UNIQLO)」のグラフィックTシャツブランド「UT」が、新しいコンセプト“WITH UT”をスタートした。考案者は、「ユニクロ」最重要人物の一人、佐藤可士和だ。このコンセプトは、これまで「UT」がTシャツを通して発信してきたさまざまなカルチャーをさらに盛り上げ、改めて「カルチャーとともにある」ことを宣言するもの。まずは東京、札幌、名古屋、大阪、博多の街に屋外広告を掲載し、コンセプトを大きく打ち出していく。佐藤と、昨年、「UT」のクリエイティブ・ディレクターに就任した河村康輔に、“WITH UT”に込めた思いを聞いた。

――可士和さんは「UT」の生みの親でもありますが、今の「UT」をどう見ていますか?

佐藤可士和サムライ代表(以下、佐藤):「ユニクロ」は、僕が入る前から、まだそんなにたくさんではなかったけれど、グラフィックTシャツを売っていたんです。(NYの)ソーホーにグローバル旗艦店を出店したとき、「UT」の前身となる「ジャパニーズポップカルチャープロジェクト(JAPANESE POP CULTURE PROJECT)」を立ち上げました。アートだけじゃなく、漫画、アニメ、ゲームなど、Tシャツを通じて日本の文化を紹介するという今の「UT」のベースになるような企画です。それがアメリカでものすごく反響があって、その後、柳井(正)社長から「Tシャツをリブランディングしたい」と「UT」が誕生しました。そこから始まって、NIGO君(2013〜19年)に入ってもらったり河村君(22年〜)に入ってもらったりしながら、かなり幅広く協業できるようになりました。当時を思い返せば、例えば、グローバル旗艦店の近くにあるモマ(MoMA)と協業したいと、早い段階から夢はあったのですが、なかなか実現はしませんでした。そういう意味で、今さまざまなところと協業できるようになったのは、とても素晴らしいことだと思います。一方、広がったことで、いわゆるサブカルチャーのようなディープなカルチャーがメジャーコンテンツに紛れてしまう。河村君が来たことで「UT」らしさを取り戻せるきっかけができ、リスタートを切れました。僕はそんな感覚なんです。

河村康輔(以下、河村):すごく嬉しいです。この1年は初めてのことだらけで、挑戦というか。いろいろやってみて、常にその反応の答え合わせと勉強をしている感じでした。

――「UT」は当初からアングラやサブカルのアーティストやクリエイターをフックアップしています。「UT」のようなビッグコンテンツと、そういったカルチャーをつなげるときに気にかけていることはありますか?

佐藤:「UT」はあくまでもメディアの役割。元々、“Tシャツプラットフォーム”ブランドにしようと考えていたんですね。白いキャンバスがあり、そこにコンテンツを載せていく。だから、そのコンテンツに対するリスペクトは絶対に忘れてはいけません。会社が大きくなればなるほど、当然、売り上げも同時に追い求めなければいけませんが、“WITH UT”は、改めて「カルチャーとともにある」ことの表明でもあるんです。ロゴの空白の部分(上部の空欄)は、無限の可能性を意味していて、表記は自由。カルチャーが「UT」に集い、カルチャーを盛り上げ、ともに成長するというメッセージです。

河村:これまでよりももっと広くて、自由で、本来のTシャツのイメージですね。

佐藤:Tシャツ自体、そういうものですよね。企業がそれを開発しようとするとなかなか本当の自由にはできないけど、コンテンツビジネスとして、なるべく、音楽や映像のプラットフォームのようになっていくといいなと思っています。マイナーコンテンツからメジャーコンテンツまでがいつも揃っていて、アーカイブもいつでも買えるような仕組みにしたいというのが、実は最初の段階での僕の考えでした。

――「ネットフリックス」のように、コンテンツを積み重ねて無限に増やしていく、と。

佐藤:「UT」がスタートした06年や07年は、「iPod」が普及して、カセットテープやMDの頃と比べたら、いきなり1000曲単位で音楽を選べるようになりました。台頭してきた「アマゾン」には、ベストセラーもあれば、そうではない本もたくさんあって、それまでの本屋の品揃えとは全く変わったんです。それが大きな買い方のイノベーションだったんですね。だから、「UT」もそういうものにしたいというのが元々の発想でした。理論上はできるんですが、実際には著作権の問題とか、思っていたより大変だった(笑)。でもユーザーからしてみれば、欲しいときにいつでも検索して買えるようになったら最高じゃないですか?Tシャツ1枚でもプリントできる精度が上がってきているから、技術がもっと進めば、実現できるのかなと思います。

――可士和さんは、“時代に求められていること”を感じられることが多いと思います。今面白いと思うこと、気になることはありますか?

佐藤:例えば、直近で「ユニクロ 前橋南インター店」がオープンしましたが、今新しいのはAIやメタバースじゃないですか。デジタルの世界が拡張していって、今まで想像もつかなかったような世界が広がると思います。デジタルとリアルが対抗軸であるという意味ではありませんが、ただ、だからこそ、逆にリアルな体験の付加価値が高くなるとも思うんです。こうやって会って話すことや、その場でしか体験できないことの方がスペシャルなものになる。リアル店舗でモノを売るだけでは、もうあまり意味がない。

――河村さんが手がけられた「UT」のスケートパークもリアルでしか体験できないことでしたね。

河村:そうですね。この10年で、デジタルで完結することがすごく多くなったと感じます。世界中の買い物がネット上でできるようになった一方で、偶然性は無くなりました。知らないことを知る体験が減ったんですよね。今でも覚えているのが、20代のときに原宿を夜中歩いていると、すごく光っている「ユニクロ」を見つけました。ウインドウ越しに覗くと、流れる赤いLEDの文字と大量のボトル(当初はTシャツをボトルパッケージで販売)が見えて、衝撃を受けたんです。それが07年にできた「UT STORE HARAJUKU.」。後日、気になりお店に行くと、知っているアーティストのTシャツもあるんですけど、知らないアーティストのTシャツもあって、気になってそれを買ったりしました。そのときの体験みたいなものがこの数年、ほとんどない。自分たちの世代はまだ、意識的にそういう体験の仕方をしようとすればできるじゃないですか。でもそれを経験したことのない若い世代の子たちにとっては、未知の体験なわけです。

――若い世代にも新しい体験として、提案するというか。

河村:そうできたらすごくいいですよね。たとえみんなが知らないコンテンツでも、グラフィックを見てかっこいいと思ってもらったり、知ってもらったり。すでに知られていて欲しいと思ってもらえるものと、その両方をバランスよくできたらいいなと思っています。

佐藤:空間を伴った体験は情報量がすごく多いんですよ。匂いや光、その場の空気感とか、それをもっと上手く使えるとは思っています。リアルだってつまらなかったら意味がないけど、そういう意味では、やっぱりデザインの力がすごく重要で、デザインの仕方で感じ方が全く変わってしまうんです。

河村:当時の「UT STORE HARAJUKU.」は、すごく鮮明に覚えていますね。

佐藤:インパクトも違うよね。河村君がそう言ってくれてすごくうれしいんですが、「UT STORE HARAJUKU.」も「ユニクロ原宿店」をリニューアルしたので、ファサードにはLEDを導入したけど、内装はほとんど変えていないんです。全部真っ白に塗っただけ。そこにデザインした什器を並べて、“未来のTシャツコンビニエンスストア”を表現しました。Tシャツをボトルに入れたのは、一つのフォーマットで大量の種類を表現できることはなんだろうと考えて、飲料のペットボトルのデザインからインスピレーションを受けたんです。

――飲料ペットボトルと同じように、ワンフォーマットで表現したのですね。

佐藤:そうです。あとはユニクロ全体のリブランディングが僕のお題だったのですが、当時のユニクロは顧客年齢層が高めになりつつあり、若い人にも刺さるファッション性を取り戻すことが課題でした。それを突然、ベーシックウエアで表現するには無理があるけど、Tシャツ自体がストリートのアイテムだったりするわけです。だから、尖らせても無理が無いなと思ったんですね。「UT」を作ることで、若い人にアプローチできるはず、と。だから当時、河村君が驚いてくれたのは最高ですね。結果が出せた。当時の尖った部分も取り戻しつつ、「UT」のさらなる進化を感じてもらえたらいいですね。

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レナウン破綻から再出発の「ダーバン」 パターンオーダーに活路

 小泉(大阪、郷原文弘社長)傘下オッジ・インターナショナルが展開する紳士服の「ダーバン(D‘URBAN)」が復調している。2023年春夏シーズンはコロナ禍の終息でスーツ需要が回復し、前年比25%増で推移。ビジネスシーンでの一張羅を求める客に向けた、パターンオーダーの強化が奏功している。
 
 同ブランドは20年5月のレナウン破綻後、大阪の老舗・小泉が「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」などともに事業を譲受。子会社のオッジ・インターナショナルが21年春夏から商品を展開している。

 「ダーバン」はレナウン時代、ビジネススーツ需要の低下による長年の不振から抜け出すことができなかった。「(事業を受け継いでから)しばらくは再起を目指すフェーズということもあり、商品の仕入れ面は慎重にならざるを得なかった」とオッジ・インターナショナルの企画担当者。既製スーツの仕入れを減らし、在庫リスクの少ないパターンオーダーに力を入れた。輸入生地のバリエーションを拡充し、百貨店でのオーダーフェアなど発信を強化した。「ブランドのメインターゲットである、40代後半〜50代の役職付きのビジネスマンから特に好評」という。ブランドの売上高に占めるパターンオーダーの比率は、レナウン時代の50%から65%まで高まった。

 23-24年秋冬は、パターンーオーダー用の生地仕入れ量を前シーズン比1.7倍、既成スーツの商品仕入れ量も同1.4倍にする。パターンオーダーをフックに獲得した客を、本来の強みである既成スーツの購買にもつなげていく狙いだ。既成スーツは価格帯ごと、ニーズに合わせてバリエーションをそろえる。8万〜10万円はエントリー品の位置付けながら国内素材を使用し、「新規のお客さまに『ダーバン』の品質を知っていただく入り口にする」。10万円以上のものはブランドオリジナルのインポート生地で仕立てる。海外のハイブランドと比較すれば値ごろな価格設定で、目の肥えたエグゼクティブ層にアプローチする。

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レナウン破綻から再出発の「ダーバン」 パターンオーダーに活路

 小泉(大阪、郷原文弘社長)傘下オッジ・インターナショナルが展開する紳士服の「ダーバン(D‘URBAN)」が復調している。2023年春夏シーズンはコロナ禍の終息でスーツ需要が回復し、前年比25%増で推移。ビジネスシーンでの一張羅を求める客に向けた、パターンオーダーの強化が奏功している。
 
 同ブランドは20年5月のレナウン破綻後、大阪の老舗・小泉が「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」などともに事業を譲受。子会社のオッジ・インターナショナルが21年春夏から商品を展開している。

 「ダーバン」はレナウン時代、ビジネススーツ需要の低下による長年の不振から抜け出すことができなかった。「(事業を受け継いでから)しばらくは再起を目指すフェーズということもあり、商品の仕入れ面は慎重にならざるを得なかった」とオッジ・インターナショナルの企画担当者。既製スーツの仕入れを減らし、在庫リスクの少ないパターンオーダーに力を入れた。輸入生地のバリエーションを拡充し、百貨店でのオーダーフェアなど発信を強化した。「ブランドのメインターゲットである、40代後半〜50代の役職付きのビジネスマンから特に好評」という。ブランドの売上高に占めるパターンオーダーの比率は、レナウン時代の50%から65%まで高まった。

 23-24年秋冬は、パターンーオーダー用の生地仕入れ量を前シーズン比1.7倍、既成スーツの商品仕入れ量も同1.4倍にする。パターンオーダーをフックに獲得した客を、本来の強みである既成スーツの購買にもつなげていく狙いだ。既成スーツは価格帯ごと、ニーズに合わせてバリエーションをそろえる。8万〜10万円はエントリー品の位置付けながら国内素材を使用し、「新規のお客さまに『ダーバン』の品質を知っていただく入り口にする」。10万円以上のものはブランドオリジナルのインポート生地で仕立てる。海外のハイブランドと比較すれば値ごろな価格設定で、目の肥えたエグゼクティブ層にアプローチする。

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ファッションデザイナーのお気に入りの椅子9選 リック・オウエンス、トム・ブラウン、ジョナサン・アンダーソンまで

 多くのファッションデザイナーは、椅子に対してうるさいくらいに情熱的だ。生活感が少ないこだわりの家に住むリック・オウエンス(Rick Owens)は、椅子について、「空間にふさわしく、詩的で伝説的な歴史を持ちながら、非常に慎み深くなくてはいけない」と2014年発行のライフスタイル雑誌 「ハウトゥースペンドイット(How to Spend It)」 で語った。「私は椅子に多くのことを求めていると思う」と、その文章は締めくくられている。

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」を率いていた時代のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)は、あるシーズンにはウォーレン・プラットナー(Warren Platner)のワイヤースツールを何百脚も用意し、またあるシーズンには特別な仕上げを施した光沢のある木製ベンチを手配した。トム・フォード(Tom Ford)は「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」時代にぜいたくなソファを愛用し、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は「バーバリー(BURBERRY)」のデビューコレクションの際、アールデコのアームチェアで観客を出迎えた。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターは2023-24年秋冬コレクションで、ジオ・ポンティ(Gio Ponti)が1957年にデザインしたウッドチェア“スーパーレジェーラ(Superleggera)”を並べた。

 ここでは、オウエンスが長旅の末に出合った理想の一脚をはじめ、さまざまなファッションデザイナーのお気に入りの椅子を紹介する。

リック・オウエンス 
お気に入りの椅子:エリエル・サーリネンのダイニングチェア

 「この椅子はエリエル・サーリネン(Eliel Saarinen)が1902年にフィンランドで家族のために特注したダイニングセットから来ている。私はアームレストが付いた椅子は二つしか持っていないが、付いていないものも6つ持っている。エリエル・サーリネンは好きな建築家の一人。これまで良いオフィスチェアを探していたが、キャスター付きのものには耐えられなかった。“Jugendstil(ユーゲント・シュティール )”とグーグルで検索していて、ついにこのダイニングセットを扱うディーラーを見つけた。椅子の上部には、頭蓋骨の丸い部分の真下に当たるような小さな細工が施されており、背中のクッションも正しい場所にフィットするので本当に座り心地がよい。(イタリア・コンコルディアにある)工場の隣のマンションに数脚、リド島のマンションにも残りのものを置いている。これは私が持っている唯一の椅子で、他にはベンチかソファだけだ」。

トリー・バーチ「トリー・バーチ」デザイナー 
お気に入りの椅子:ポール・ポワレ

 「お気に入りの椅子のひとつは、両親からのプレゼント。ポール・ポワレ(Paul Poiret)がデザインしたもので、洗練されたデザインと、自然からインスピレーションを得た珍しい色彩が絶妙に調和しているところが気に入っている」。

ヴェロニク・ニシャニアン「エルメス」メンズ・アーティスティック・ディレクター 
お気に入りの椅子:ピエール・ジャンヌレ

 「25年ほど前にインドを旅行したときに、(この椅子に)一目惚れした。運良く、インドのチャンディーガルでル・コルビュジェ(Le Corbusier)が設計した家に滞在しており、ピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret)のラウンジチェアが置いてあった。実際に椅子が作られた街で出合えたことが面白く、また、当時としては革新的な地元の素材を使ったサステナブルなアプローチも私にとって特別に感じる。チーク材の重厚な構造と、座面や背もたれのラタンの透明感のあるコントラストも楽しい。コンパスのような形の脚やアームレストのライン、背もたれの傾きなど、均衡がこのタイムレスなデザインに独自性を与えている。このデザインは、線の美しさを通して力強さと詩情を表現している」。

ピーター・ミュリエ「アライア」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:“アルナッジョ”

 「私が初めて買った椅子で、何年も前から夢見ていた。アキッレ・カスティリオーニ(Achille Castiglioni) とピエル・ジャコモ・カスティリオーニ(Pier Giacomo Castiglioni)によるアウトドア用に作られたコンセプチュアルな名作で、長細い脚で空間を取り囲み、座るということを改めて定義した。革新的でありながら美しい仕事をするカスティリオーニ兄弟は、私の大好きなデザイナーだ」。

トム・ブラウン「トム ブラウン」デザイナー 
お気に入りの椅子:ゲインズバラの椅子

 ゲインズバラ(Gainsborough)の椅子は「時代を超えて魅力的だ。私が毎晩アンドリュー(キュレーターのアンドリュー・ボルトン)と座る椅子でもある。そして、愛犬のヘクターも気に入っている」。

ガブリエラ・ハースト「ガブリエラ ハースト」デザイナー兼「クロエ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:「ガブロン デュマ スタジオ」の椅子

 「ガブロン デュマ スタジオ(Gavron Dumas Studio)」がガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)のためにデザインした“ノマド(Nomad)”コレクションから、韓国産のケヤキ材にレザーをあしらったアームチェア。「このコレクションは、ベンジー・ガブロン(Benji Gavron)とアントワーヌ・デュマ(Antoine Dumas)の手作りの品と伝統工芸への愛から生まれた。レザーの装飾は、(インテリアデザイナーの)レナ・デュマ(Rena Dumas)の作品に由来する。生産された6脚のうち、4脚は韓国の、2脚はアメリカの『ガブリエラ ハースト』の店舗に置いている」。

ジュリアン・ドッセーナ
「パコ ラバンヌ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:ガエターノ・ペッシェ

 ガエターノ・ぺッシェ(Gaetano Pesce)のコレクション“ノーバディーズ パーフェクト(Nobody’s Perfect)”から。「透明感や色、ペッシェの非常に純粋な表現、そして独自でハンドメイドであるというところが気に入っている」。

ヤン・リー「シャンシア」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:倉俣史朗の“硝子の椅子”

 「倉俣は私にとってデザインの神様だ。1976年に発表された“硝子の椅子”は、当時の最先端を行くものだった。椅子を透明にするために特殊な方法でガラスを接着し、高度な職人技術を必要とした。そのためわずか40脚しか作られなかったという。この上に人が座ることができるなんて、魔法のようだ」。

ジョナサン・アンダーソン「ジェイ ダブリュー アンダーソン」創設者兼「ロエベ」クリエイティブ・ディレクター 
お気に入りの椅子:マック・コリンズの“イクルワ”

 デザイナーのマック・コリンズ(Mac Collins)のラウンジチェア“イクルワ(Iklwa)”。「この椅子には制作を通じたクラフツマンシップの要素があり、まるで機能的な芸術作品のようだという意味において彫刻的だ」。

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大充実“ドッグフレンドリー”ホテルの今【ウィズコロナで進化する幸せ産業】

 愛犬と一緒に過ごせるホテルが急増中だ。連れて行けるだけでなく、トリミングなどのケアが充実していたり、愛犬用メニューを提供するレストランやルーフトップバーだったりと、犬も飼い主も笑顔になれる施設を備えているのだ。“ドッグフレンドリー”を経て、時代は“ドッグファースト”“ドッグラバーフレンドリー”な宿へと進化している。

“犬も許される”ホテルから
犬優先の“ドッグファースト”な宿に

 コロナ禍以降、愛犬とともに楽しめるスタイリッシュな宿の需要が高まっている。しかしこの波に便乗して、ただ犬と共に過ごすことを許されるだけのホテルも少なくない。中には、エントランスを犬と一緒に通り抜けできず、専用口からしか入れないホテルもある。せっかくのリゾートなのに、裏口しか許されないとは興ざめだ。

 そんな中、東京・浜松町に2月にオープンした「イヌモ芝公園(inumo芝公園)」(東京都港区芝公園1-6-6)は画期的だった。エントランスはもちろん、客室のベッドでも、レストランでも、館内のどこでも愛犬と一緒に過ごせるシティーホテルなのだ。既存のビジネスホテルをリニューアルし、トリミングサロンや広々とした全天候対応型ドッグランなどの設備も充実。犬用のメニューも充実したレストランや、ペット用品ショップ、犬用のフォトスポットまである。宿泊費には、シャンプー&グルーミング代や約76平方メートルのドッグランの使用料も含まれ、さらには平日のサービスとして、写真撮影、愛犬の似顔絵(!)などのアクティビティーも選べる。それゆえ、宿泊客のほぼ100%が犬連れのゲストだ。都心のホテルでありながら、全室大型犬との滞在が可能なのは珍しい。

イヌモ芝公園のマネージャー田中美佐緒さんは、「増上寺などが近いためか、法事など冠婚葬祭のために利用される方が予想外に多かったですね。ホテルではお預かりサービスがあり、滞在中、朝6時から夜11時まで無料で愛犬をお預かりしているので、外出や食事をゆっくり楽しんでいただけます」と語る。品川駅や羽田空港にも近いので、旅行前後の滞在先としてや、東京出張のついでに愛犬との旅を楽しむことも可能だ。

犬との滞在が“許される”のではなく、“犬が喜ぶ”、そして飼い主もうれしいサービスを極めた、“ドッグファースト”なシティーホテル。実際、私の友人は「グルーミング代が込みならば」と、都内在住にもかかわらずリピートしている。犬と一緒に歩くことで、いつもの東京も違う風景に見えるだろう。これからは非日常のリゾートだけでなく、必要な機能を兼ね備えた都市型のドッグフレンドリーホテルの需要が増えていくと私は予測している。

飼い主も思わず笑顔になる
シーサイドリゾートの犬専用施設も

 千葉・南房総に2022年12月にオープンした海辺のヴィラ「ダンクー(DANQOO))(千葉県南房総市久枝778-1)は、愛犬のためのシーサイドリゾート。全10室がドッグフレンドリーで、約990平方メートルの広大なドッグランがある。千葉県房総半島の岩井海岸まで歩いてわずか2分という絶好のロケーションで、揺らめく炎に癒される焚火テラスがあり、セルフタイプのドリンクバーも併設する。ワインを楽しみながら、オーナー同士も交流できるという仕組みだ。レストランは全個室なので、誰にも気兼ねすることなく愛犬と食事ができ、専用テラスやドッグランにもなる庭や、ジャグジー付きの客室もあり、別荘感覚で滞在できる。

 
 犬連れの滞在を楽しむための、ホテル主催のイベントも増えてきた。品川・御殿山の「東京マリオットホテル」(東京都品川区北品川4-7-36)では、テラスで桜を眺めながらランチと撮影会を楽しむ「さくらシューティング ウィズ ドッグ(Sakura Shooting with Dog)」を3月に企画。参加費には、テラス席で楽しむお重に入ったお花見弁当のほか、犬専用カメラマンによる撮影イベントも含まれる。犬単独と、家族一緒のポートレート30〜50枚のデータ込みで1万500円(税込)なら、コスパは悪くないだろう。犬を上手に撮影するコツについてのミニトークショーでは質問も飛び交い、イベントは盛り上がった。今回、初めての試みにもかかわらず、リリースと同時にほぼ完売になるほどの人気で、初夏にも「コートヤード バイ マリオット白馬」に滞在し、白馬岩岳マウンテンリゾートの山頂を貸し切っての撮影会に参加できるプランを実施予定だ。ゴンドラで山頂まで登り、北アルプスを一望する大パノラマの中で撮影できる。

愛犬家なら犬同伴ではなくても
つい笑顔になるキンプトン新宿東京

 さらにはドッグフレンドリーならず、ドッグラバーフレンドリーといえそうなユニークなホテルも登場。「キンプトン新宿東京」(東京都新宿区西新宿3-4-7)は、愛犬やその飼い主はもちろん、犬好きをも笑顔にする空間だ。

 各部屋1人1匹までペットを連れていくことができ、部屋によっては11キロ以上の中大型犬との滞在も可能。なんとこの施設、犬だけでなく、エレベーターに乗れるサイズなら、ふくろうやオウム、フェレットなど、さまざまなペットを連れて行ける。過去にはミニピッグを連れてきたゲストもいるそう。うーん、会ってみたい。食器やベッド、トイレシートなどのドッグアメニティーも用意されているので、身軽でもOK。すぐ近くには新宿中央公園もあるので、滞在中の散歩を楽しむのもいい。

 宿泊者ではなくても、気軽に利用できるのがこのホテルの魅力。中でも、朝7時から営業しているカフェ「ザ・ジョーンズ カフェ&バー(The Jones Cafe & Bar)」は、にぎやかな新宿にありながらゆったりできるので、私は校正など作業に集中したいときに利用している。さまざまなわんこに囲まれると、なんとも和むからだ。気付くと席の半数以上が犬連れだった(!)こともある。大型犬も、小型犬も、飼い主も、私のような犬好きも、誰もが笑顔になれる都心のホテルだ。

 全てのエリアでペットと過ごせるので、2階の「ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ」で6月30日まで開催されているプラン「キンプトン オールデイ・シャンパンテラン」も、愛犬と共に参加できる。同プランは、旬の野菜のスプリングプラッターと共に、ペリエ・ジュエの「グラン ブリュット」をフリーフローで味わえるというもの。一人8500円(90分制)で、シーフードの盛り合わせをプラスすると1万1000円だ。2022年12月にオープンしたルーフトップバーもペットフレンドリーで、新宿副都心を一望できるテラスやバーカウンターで愛犬と共に過ごす時間は格別だ。

 「キンプトン新宿」は自転車フレンドリーなホテルでもあり、滞在中はレンタル無料。通過点ではなく、“過ごす新宿”を提案している。ここからならば、新宿御苑も神宮外苑も自転車圏内。大都会新宿が意外と緑に恵まれ、人情が残るエリアであることを体感できる。

星野リゾートが進める
愛犬と泊まれる宿への挑戦

 全国各地の施設全てを、犬と滞在可能にするべく動いている企業もある。星野リゾートでは、ラグジュアリーな「星のや」から温泉のある「界」、カジュアルな「BEB」まで、国内全ての施設で一部屋はドッグフレンドリーなゲストルームを設けるよう進めており、温泉旅館ブランド「界」では、現在全国21カ所の宿全てに愛犬と滞在できる部屋を設定したという。「界 鬼怒川」や「界 由布院」などには、専用ドッグランがある。半個室のレストランでは、愛犬と共に食事ができるなど、愛犬も大切なゲストの一員として迎えている。

 星野リゾート広報担当の森下真千子さんは、「私どもは愛犬家専用の施設や犬向けのメニューなど、ペットのための特別なサービスは考えていませんが、どの『界』にも一緒に過ごせる客室をご用意しているので、『次はどこへ連れていこう』と、わんちゃんとさまざまな地を巡ることを楽しんでほしいですね」と語る。その結果、「星野リゾートの施設なら愛犬と一緒に滞在できる」という情報が徐々に浸透し、各施設を巡るリピーターが増えたという。「界」は栃木県の日光、鬼怒川、川治や、島根県の玉造、出雲など、近距離に特色のある施設も多い。愛犬とのドライブを楽しみながら、各施設を巡る旅も人気だ。滞在先の街や空間そのものを楽しみたい層には、いつものように過ごせる環境こそが重要なのだ。常にゲストに寄り添う存在になることで、同じような境遇や、価値観を持つリピーター獲得へとつながっていくだろう。

 ドッグフレンドリーホテルは、愛犬を喜ばせることを第一に考えた施設やサービス、そして同じ立場で過ごせる犬好き全てが和める空間へと、日々進化している。

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