資生堂傘下「ドランク エレファント」がタッチポイント創出に注力 4月以降は出店拡大

 資生堂傘下の米国発スキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」は、国内で同ブランドの哲学や魅力を広げるべく、新しいタッチポイントの拡大に注力する。

 これまでポップアップショップを積極的に行いながら、2月には日本公式ツイッターを開設し、3月には世界に先駆けて公式サイトをオープンした。尾城友理 資生堂ジャパンドランク エレファント コミュニティマネージャーは、「ツイッターではお客さまのニーズに応えられるように、Q&Aの形式で発信するなどコミュニティーの声に寄り添いながら、温かい場にしたい。公式サイトはD2Cブランドとして重要なプラットフォームとして位置づける。診断コンテンツやチャット機能を導入し、顧客の満足度を高めていきたい」と話す。現在、三越伊勢丹のコスメEC「ミーコ(MEECO)」と、イセタン ミラーのルミネ新宿店とららぽーとTOKYO-BAY店に出店し、イセタン ミラーの東京ミッドタウン日比谷店とモール湘南店では3月31日まで期間限定で取り扱っている。4月以降は出店を広げ、リアルとデジタルで客との接点を拡大していく。

 「ドランク エレファント」は、4児の母であり当時専業主婦だったティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)が13年に立ち上げたブランドだ。自身の肌トラブルの経験から、6種の成分(エッセンシャルオイル、アルコール、シリコーン、紫外線吸収剤、香料/染料、界面活性剤)を除く“成分引き算主義”を掲げ、肌に刺激になりにくいpHレベルを考慮しながら全ての原料が肌になじみやすいように設計。口コミで人気が広がり、SNSを通じたファンとのコミュニケーションを製品開発などに生かしている。19年にはブランド立ち上げから7年で売上高100億円を突破。同年、資生堂が買収し、21年10月に日本に上陸した。

 4月1日には、バーム状保湿クリーム“ワンダーワイルド Mバター”(52.8g、税込4400円)を発売する。同ブランドのキー成分であるマルラの実から抽出したマルラバターをはじめ、植物由来バターや植物由来オイルを配合。目元や唇を含む顔とボディーに使え、乾燥ダメージを受けた肌をケアする。

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資生堂傘下「ドランク エレファント」がタッチポイント創出に注力 4月以降は出店拡大

 資生堂傘下の米国発スキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」は、国内で同ブランドの哲学や魅力を広げるべく、新しいタッチポイントの拡大に注力する。

 これまでポップアップショップを積極的に行いながら、2月には日本公式ツイッターを開設し、3月には世界に先駆けて公式サイトをオープンした。尾城友理 資生堂ジャパンドランク エレファント コミュニティマネージャーは、「ツイッターではお客さまのニーズに応えられるように、Q&Aの形式で発信するなどコミュニティーの声に寄り添いながら、温かい場にしたい。公式サイトはD2Cブランドとして重要なプラットフォームとして位置づける。診断コンテンツやチャット機能を導入し、顧客の満足度を高めていきたい」と話す。現在、三越伊勢丹のコスメEC「ミーコ(MEECO)」と、イセタン ミラーのルミネ新宿店とららぽーとTOKYO-BAY店に出店し、イセタン ミラーの東京ミッドタウン日比谷店とモール湘南店では3月31日まで期間限定で取り扱っている。4月以降は出店を広げ、リアルとデジタルで客との接点を拡大していく。

 「ドランク エレファント」は、4児の母であり当時専業主婦だったティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)が13年に立ち上げたブランドだ。自身の肌トラブルの経験から、6種の成分(エッセンシャルオイル、アルコール、シリコーン、紫外線吸収剤、香料/染料、界面活性剤)を除く“成分引き算主義”を掲げ、肌に刺激になりにくいpHレベルを考慮しながら全ての原料が肌になじみやすいように設計。口コミで人気が広がり、SNSを通じたファンとのコミュニケーションを製品開発などに生かしている。19年にはブランド立ち上げから7年で売上高100億円を突破。同年、資生堂が買収し、21年10月に日本に上陸した。

 4月1日には、バーム状保湿クリーム“ワンダーワイルド Mバター”(52.8g、税込4400円)を発売する。同ブランドのキー成分であるマルラの実から抽出したマルラバターをはじめ、植物由来バターや植物由来オイルを配合。目元や唇を含む顔とボディーに使え、乾燥ダメージを受けた肌をケアする。

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「劇場版 呪術廻戦 0」のコラボアイテムが勢ぞろい 六本木ヒルズにキャラクター専門ブランドが出店

 デジタルコンテンツの配信やEC、アニメ等のキャラクターを活用した版権ビジネスを行うWIZARDは18日、六本木ヒルズ ウェストウォーク4階にキャラクター専門ブランド「エイチビーエムギャラリー(HBMGALLERY)」をオープンした。国内外の人気キャラクターコンテンツを軸にアパレルや雑貨を扱い、アーティストやイラストレーターなどとのコラボレーションを絡めながら、世界に発信する。

 オープンでは「劇場版 呪術廻戦 0」をフィーチャー。「シュプリーム(SUPREME)」のヘッドグラフィックデザイナーとしても活躍中のピーター・パッキン(Peter Paquin)や、「ジバンシィ(GIVENCHY)」のエンブレムデザインや「ジーユー(GU)」とのカプセルコレクションで大きな話題を呼んだ渋谷忠臣とコラボレーションした商品を販売。TシャツやロングTシャツ、ぱーカ、トート、サコッシュ、アクリルスタンドなどをそろえる。また、「アトモス(ATMOS)」や「カシラ(CA4LA)」「ランドバイミルクボーイ(LANDBYMILKBOY)」などの「劇場版 呪術廻戦 0」コラボアイテムも扱う。

 同店はクリエイティブカンパニー、ネイキッド(NAKED)が照明や映像演出を行なっており、専用スマホ端末でレジに並ぶことなく買い物ができる。

 4月16日からは「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッション」とのコラボアイテムを集積する。

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NY市がサステナブルファッションに関する雇用創出を支援

 ニューヨークのエリック・アダムス(Eric Adams)市長はこのほど、ニューヨーク市経済開発会社と連携して、ブルックリンにサステナブルファッションに関する新たな雇用を創出する計画を発表した。サンセットパーク(Sunset Park)内のブッシュ ターミナル(Bush Terminal)に建設中の「メード・イン・ニューヨーク キャンパス(MADE IN NEW YORK CAMPUS以下、キャンパス)」を拠点に、職業訓練や教育プログラムなどを通して、ブルックリンのファッション産業の拡大と市の経済発展を目指す。

 「キャンパス」はアパレルおよびテレビ・映画業界のための工場やスタジオを集めた巨大ハブで、アパレル関連ハブは年内に完成予定。同ハブ内には複数の製造スペースがあり、広さはそれぞれ約185〜3716平方メートルとなっている。ここでは460の雇用を創出し、500人を対象に職業訓練プログラムを提供する。これにより、5700万ドル(約69億円)の経済効果をニューヨーク市にもたらすことになる。

 ニューヨーク拠点の非営利団体スロー・ファクトリー(Slow Factory)が、最初のキーテナントとなる。同団体は、「キャンパス」内で気候正義やクライメート・ポジティブ・デザインなどの環境問題にまつわる誰もが受講可能な教育プログラムを用意する。再生素材や植物性レザーの開発などに力を入れるスロー・ファクトリー・ラボとの連携も図る。

 そのほかの施設では、パートナーブランドから集めた大量の廃棄衣料や雑貨、テキスタイルなどを活用して資源の再利用を促進するトレーニングプログラムも計画する。また、グローバルなネットワークを持つ気候研究所の建設を目指す施設も作る。サンセットパークの居住者は、全てのプログラムやイベントに無料で参加できる。

 米国に拠点を置く多くの企業が今、素材調達やサプライチェーンにまつわる問題や消費者間での環境意識の高まりから国内のリソースを見直している。アダム市長は、「ニューヨーク市はすでにアメリカのファッションの中心地だ。このキャンパスがそれをより強固なものにするだろう」とコメントした。

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フィギュアスケーター安藤美姫のメイク観 「私という“人”をつくるためのもの」

 コーセーは24日、プロフィギュアスケーターの安藤美姫を招き、同社メイクアップアーティストの石井勲氏との対談イベントを東京・銀座の旗艦店「メゾン コーセー 銀座」で開いた。

 同社は2006年から日本スケート連盟とオフィシャルパートナーシップを締結。以来、フィギュアスケートの大会会場にブースを設置し、石井氏をはじめとしたメイクアップアーティストが選手のメイクアップ指導にあたっている。07年、11年の世界選手権大会で優勝し、06年トリノ五輪、10バンクーバー五輪に出場した安藤も、石井氏らから長く手ほどきを受けてきた。「選手一人一人の衣装を見たり、使用する曲を聴いたりした上で、その世界観に合うメイクを心がけてきた」という石井氏に対し、「美しさを追求するクリエイティブに挑んできたという点で(メイクアップアーティストは)私たちの同志であり、頼もしい存在」と感謝を示した。

 選手としては第一線を退いた今も、同社の「アディクション(ADDICTION)」のマット系カラーのチークやアイシャドウ好んで使用しているという安藤。自分の顔立ちを「結構きつくてシャープなタイプ」と捉えるが、あえてマット系のチークやアイシャドウを選んでいる。「きつめの印象はあるけれど、それは私の特徴でもある。安藤美姫という『人づくり』のために、個性を引き立てることができる製品を選んでいる」。

 トークイベントの後にはインスタライブ収録も実施。安藤がバンクーバー五輪で披露した、グリーンのグラデーションのアイシャドウが印象的な「クレオパトラメイク」を石井氏が再現する公開メイクを行った。

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富士吉田が織物で栄えた理由は? ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。” 第3回「機織り町 富士吉田」(後編)

 新年を迎えた読者の皆さんは、どんな初夢を見ただろう?「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見ると縁起が良いとされることわざだが、日本人のアイデンティティーに富士山が深く刻まれていることを象徴する言葉でもある。富士山は、神々しい美しさと畏怖畏敬の念から“霊峰”と称えられ、浮世絵をはじめとした芸術に多大な影響を与え、2013年には「信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産に登録された。ちなみに、私たちのオフィスからも富士山が見えるため、寛斎は生前、天気の良い日は必ず窓際に立ち、富士山を見ては「今日も富士山が美しいぞ!」と社員に声を掛けていた。

 ここでは、前回に続き、富士吉田の作り手のミニインタビューをお届けする。その前に、富士吉田の歴史から、織物が発展した理由を読み解いていく。

江戸幕府がぜいたくを禁止
市民は裏地でおしゃれを楽しむ

 富士山は古代から崇拝されてきたが、戦国時代に新しい富士山信仰が教義としてまとめられ、その教えが江戸時代中頃に“富士講(ふじこう)”として大流行したことで、より多くの人が登拝するようになった。士農工商に関係なく、「霊峰富士に登れば救われる」という教えが庶民に分かりやすかったほか、当時の幕府の封建制度に不満を募らせる庶民のはけ口になったと言われている。

 富士講が広まった江戸時代は、ぜいたくを禁止する法律「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」が何度も出されていた。武士や町人は指定された色・素材の着物しか着ることができず、そこから生まれたのが、“裏勝り(うらまさり)”と呼ばれる着物。幕府に禁止されていた正絹や派手な色・柄を裏地に使用し、互いの“粋”を競い合ったのだ。隠れたところに贅を尽くしてお洒落を楽しむ美学は、間違いなく現代にも受け継がれているし、江戸っ子のパンク精神とも言える。

 この美しい裏地を織っていたのが、ここ富士吉田だ。富士山を登拝した客は、土産として絹織物を買うのを楽しみにしていただろう。特に有名な生地が“甲斐絹(かいき)”。貿易で日本に入ってきた“先染め”の織物を応用して生まれた織物で、その産地である“郡内縞(ぐんないじま)”の名前で親しまれた。当時は織物の産地名が“ブランド”だったのだ。井原西鶴の「好色一代男」をはじめ、数々の文学作品にも登場する。

稲作に向かない寒冷地が
高品質の絹織物を生んだ

 では、なぜ富士吉田は高品質の織物を生み出せたのか?甲斐絹の技術を生かしたものづくりを行う前田源商店の前田市郎さんは、「富士吉田を含む郡内地方一帯は、山間の寒冷地で稲作に向かない。養蚕や絹織物で生計を補わなければならなかった」とその背景を語る。また、江戸に近い八王子や平野部に位置する桐生など、他の織物産地に比べて交通の便が悪かったからこそ、薄く、軽く、他の産地に負けない高品質な絹織物を生み出す必要があったのだ。結果、富士吉田は全国有数の機織り産地へと発展し、和装から洋装へと変化する中でも、スーツや婦人服の裏地に姿を変え、今に受け継がれている。

 戦後、“ガチャッ”とひと織りすれば1万円儲かると言われた好景気、いわゆる“ガチャマン時代”を迎えたが、海外から安い織物が大量に流入するようになると、苦難の時代を迎えた。それでも、何代にもわたり培われた高い技術は、絹だけでなく、キュプラなどにも応用され、服飾雑貨やインテリア地など、さまざまな品目で使われている。近年は、工場がオリジナルブランドを立ち上げるなど、新しい風も吹いている。

 前置きが長くなったが、ここからが本題。今回は、進化する富士吉田の織物を知るため、2人の作り手に話を聞いた。最初は、宮下織物でテキスタイルデザイナーを務める宮下珠樹さん。宮下家は先祖代々、富士山を祀る浅間神社の宮司を務めながら、この地で機織りを行ってきた。彼女はテキスタイルのアイデアから設計、製造までを熟知し、彼女が手掛けるジャカードの織物は、ウェディングドレスや舞台衣装のほか、誰もが知る世界的ハイブランドからもオファーがたえない。そんな彼女に、仕事の醍醐味を聞いた。

宮下珠樹・宮下織物テキスタイルデザイナー(以下、宮下):実は過去に、寛斎さんがうちのジャカード生地を気に入り、納品したこともあります。

高谷:それはご縁を感じますね。宮下さんは先祖代々、機織りをしてきたそうですが、富士吉田の織物の特徴はなんでしょうか?

宮下:糸の撚りの具合と、織りの緻密さ、さまざまな要素が風合いとなり生地に独特の奥行を生むところでしょうか。他の産地との一番の違いは、“染め”だと思います。世界的に見ても、富士吉田の軟水は不純物がとても少ない。そのため、染料の色が鮮やかに出るし、独特の撚りのある糸も、中まで染料が染み込みます。水道水でもカルキ投入量は少なく、染色屋さんによっては井戸を掘って水を汲み上げるところもあります。

高谷:すごいこだわりですね。仕事をしていて、どんなときに“ときめき”を感じますか?

宮下:わたしの仕事は、織物という“材料”を作ること。だから、この材料が選ばれ、誰かの手で製品になるのを見ると感動します。以前、有名アーティストが武道館ライブで私たちの生地を衣装に使ってくれたことがあり、ファンの人から「生地を1メートルでいいから売ってほしい」と連絡をもらいました。生地を送ると、「受け取って涙が出た」と手紙までいただきました。自分の手から離れたところで、誰かの心に深く刻まれたり、特別な意味を持つ生地になったりするのは本当にうれしいです。

高谷:富士吉田は今でも多くの職人が活躍しています。

宮下:一口に織物といっても、撚糸、染色、織りと、細かな分業で成り立っています。一社だけでは生産できません。一つ一つの工場は小さくても、それぞれにプロフェッショナルがいる。富士吉田で生まれる機織りの品質や伝統には、そういった背景があることを知ってもらえたらうれしいです。


 次にご紹介するのは、フジチギラの加藤誠さん。フジチギラは糸の加工からテキスタイル、製品のOEMまで、産地のオーガナイザーとして幅広い事業を行う企業で、加藤さんのもとにも、機織りのあらゆる依頼が集まってくる。

高谷:富士吉田の産地としての特徴は?

加藤誠フジチギラ代表取締役社長(以下、加藤):人口5万に満たない街で、全国の織物産地の中でも特に小規模です。でも、規模が小さいからこそ、イメージに近いものづくりができるし、小ロットの生産も可能です。分業制だから融通も効きやすく、ほかだと敬遠されるような複雑な織りや製品もこなせます。もちろんコストはかかるし、効率が良いとは言えません。だからこそ、裏地や傘、ネクタイ、座布団、寝具、カーテンなど、幅広い分野で日本一の産地なのだと思います。

高谷:東京から車で1時間半の場所で、クリエイションを最高の形でかなえてくれる。デザイナーにとって、これ以上ありがたいことはありません。素材開発にも注力されていると効きましたが、詳しく教えてもらえますか?

加藤:山梨県の特許技術を活用し、太陽光で発熱・保温する糸“バナウォーム”を開発しました。化学繊維ではなく、天然繊維のウール100%で発熱する国内初の技術です。

高谷:天然繊維で発熱ですか。なぜそれが実現したのでしょう?

加藤:富士山の伏流水に多く含まれている“バナジウム”に着目したところ、近赤外線を吸収して発熱する働きがあることが分かったんです。バナジウム入りの染料でウールを染色することで、高い発熱・保温効果を実現しました。さらなる進化のため今後も研究を続けていきます。


 先月、連載で紹介した富士吉田の素材イベント「テキスタイル ファションウイーク」に参加した。宮下さんや加藤さんをはじめ、多くの方々の熱意がイベントとして形になり、産地を盛り上げていることを実感した。こういった取り組みは、全国の産地にとっても励みになるはずだ。また富士吉田には、室町時代から富士山信仰を支えた“御師”と呼ばれる家々が、各地から訪れた参拝者の案内や世話をしていた歴史もあり、懐の深さや温かなもてなしの文化が根付いている。こうした土地柄に魅力を感じて移住する人も増えており、それが地域の活性化にもつながっている。少しでも富士吉田に興味を持った人は、2022年に足を運んでみてはいかがだろう。

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ケリング、高級時計ブランド「ジラール・ペルゴ」と「ユリス・ナルダン」を売却

 ケリング(KERING)は1月24日、傘下のソーウインド グループ(SOWIND GROUP以下、ソーウインド)の保有株式を全て同社の経営陣に売却すると発表した。ソーウインドはスイスの高級時計ブランド「ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)」や「ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)」などを擁する。売却額などの詳細は明らかにされていないが、2022年上半期中に取り引きが完了する予定だという。

 「ジラール・ペルゴ」は1791年、「ユリス・ナルダン」は1846年の創業といずれも長い歴史を持つ。ケリング(旧PPR)は08年に「ジラール・ペルゴ」を擁するソーウインドの少数株主となり、11年に同社の支配株主となった。14年には「ユリス・ナルダン」も傘下に収めた。なお、今回の取引に伴い、同じくソーウインドが保有するスイスの時計ブランド「ジャンリシャール(JEANRICHARD)」や、スイス・ヌーシャテル州にある時計工房などもケリングの手を離れることになる。

 「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「ブシュロン(BOUCHERON)」などを擁するケリングは、これで高級時計専門のブランドを持たないことになるが、「グッチ」や「ブシュロン」では今後もハイエンドの腕時計などを販売する。

 ケリングは、「この取り引きは、グループ内で相当規模の資産となる可能性が高いメゾンを優先するという当社の戦略に沿ったものだ。当社は『ジラール・ペルゴ』と『ユリス・ナルダン』の発展を支え、市場でのポジショニングを強化するとともに、成長に必要な資金やリソースを十分に提供してきた。今後は、(ソーウインドの)経営陣がその役割を引き継ぐことで、両ブランドがさらなる成功を収めるものと確信している」とコメントした。

 ジラール・ペルゴおよびユリス・ナルダンを率いるパトリック・プルニエ(Patrick Pruniaux)最高経営責任者は、「ケリングの投資やサポートのおかげで、いずれのブランドもしっかりとした事業基盤がある。これを土台に、長期的な成長計画を実行していく」と語った。
 
 米投資銀行バーンスタイン(BERNSTEIN)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=シニア・アナリストは、「高級時計市場は全体として回復基調にあるが、もともとケリングのシェアは低く、強力なライバルの多いこの部門では苦戦していた。今後は得意分野に注力できるという意味で、今回の取り引きは同社にとってプラスとなるだろう」と分析した。

 ケリングの競合であるラグジュアリー企業の中で、高級時計市場に最も強いのは、「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」「ピアジェ(PIAGET)」「オフィチーネ パネライ(OFFICINE PANERAI)」「IWC」「ジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)だろう。実際、スペシャリストウォッチメーカー部門における21年9~12月期の売り上げは前年同期比29%増、コロナ禍以前の19年同期比でも19%増となっている。

 同じく競合のLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)は、数は多くないものの、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」や「ウブロ(HUBLOT)」といった人気の高級時計ブランドを保有している。

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「セルフォード」が「ハナエモリ」と協業 オートクチュールの情熱から得た進化のヒント

 マッシュスタイルラボの「セルフォード(CELFORD)」は、「ハナエモリ(HANAE MORI)」(MNインターファッション)との協業コレクション(アパレル9型、バッグ、ハンカチそれぞれ1型)を2月23日に発売する。三越銀座店、阪急うめだ本店で開催するポップアップストア(2月23日〜3月1日)でコラボ商品を先行販売する。

 企画にあたり、過去に「ハナエモリ」がランウエイなどで発表してきた2000着以上のオートクチュールのコレクションの仕様を研究。蝶ネクタイ付きプリーツワンピース(2万9700円)、フリルショルダーのブラウス(1万9800円)、“HANAE MORI”のロゴ入りレース素材のTシャツ(1万3200円)などは「ハナエモリ」のアーカイブ作品をデザインのヒントに、「セルフォード」ならではの着回しのしやすさや着心地のよさ、機能性を付加した。ほとんどの商品にリサイクルポリエステルやリサイクルコットンなどのサステナブル素材を使用している。

 「(『ハナエモリ』のアーカイブは)どう着想して、どう作ったのかと不思議に思うほど、制作工程が複雑なディテールがたくさん。服を研究するほど、畏敬の念が湧いてきた」と山根和セルフォードチーフデザイナー。「どれもが古くさくなく、自分たちが今見ても『かわいい』『すてき』と感じられる服ばかりだった。研究を進めるうち、それが必然だと気付かされた。見えない部分に細かく針を通して立体感を出すというような、クチュールならではのこだわりが、時代を超えても廃れないデザインを生み出していると知った」と振り返る。「(コラボ商品の企画では)これらを手に取りやすい価格を前提に、しかもブランドらしいデザインとの落としどころを見つけなくてはならなかった。途方もなく大変な作業だったが、とても刺激的な時間でもあった」。

「世代を超えて愛される」ブランドへ
成長と進化のための協業

 「セルフォード」は「これまでもコラボレーションを持ち掛けられることはあった」が、70年以上の歴史を持つオートクチュールブランドへ、初めての協業相手としてのラブコールを送った。

 現在、百貨店やファッションビルに28店舗(22年1月現在)を構える。ブランドが成長する過程で、親子2世代だけでなく、3世代で買いに来ることも増えたという。「単なる『オケージョンに強いブランド』ではなく、世代と時代を超えて愛されるブランドにしていきたいという思いが強くなってきた」と山根チーフデザイナーは語る。「ハナエモリ」とのコラボは「箔がつくということは、もちろんある」としながら、「このコラボで学んだことを、進化の糧にしたい」と前を向く。

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英国的レガッタストライプでいこう! 2022年はいよいよコスプレ・イヤー?

 1月11日が誕生日です。なかなか覚えやすいと思うのですが、ほぼ誰にも認識されていません(笑)。小学校時代は3学期の始業日と重なって、みな浮足立ってそれどころではなく、ハッピーマンデー導入後の2000年からは成人の日が第2月曜日となり、それに伴った3連休の発生で、これまたないがしろに……。

 ともあれ誰も祝ってくれないことにも慣れ、ずいぶん前から正式に“自分で自分を祝う日”としました。つまり買い物の正当化です!

 “今年は何にしよう?”と迷うこともなく、「アジャスタブル・コスチューム(ADJUSTABLE COSTUME)」のレガッタストライプの3ピースに決めました。なんと言っても、こちらの記事が大ヒットし、“おじさんもコスプレしていいんだ!”を再認識したことが大きいです。

 毎度、偏愛的モノ作りを見せてくれる「アジャスタブル・コスチューム」ですが、このレガッタストライプも当然のごとく生地からオリジナル。1863年創業の英国の老舗服地商ハリソンズ(HARRISONS)に、ストライプの配色やピッチから別注しています。また市場に流通するレガッタストライプ生地が、糸の入手しやすさや織布のしやすさから主にウール100%なのに対して、ウールとコットンの混率を1930~40年当時の7:3で再現しています。

 小高一樹デザイナーは「レガッタストライプの起源は、英国の大学対抗ボートレース『ロイヤル・ヘンリー・レガッタ』の際に着用したそろいのジャケット。だから出自の通り、あくまでスポーティーに着てほしいです」と話し、“ピッティくん”(イタリア・フィレンツェで開催されるメンズファッション最大の見本市、ピッティ ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)でうろうろするコスプレチックな面々)よろしく、“ディンプル”(ネクタイの結び目の下に作るくぼみ)きっちりで撮影に臨んだ僕の襟元にそっと手を伸ばし、「ダメダメ、もっとラフにしなくちゃ」とゆるく結び直してくれました。おしゃれ超上級者のハズシですね!……というか、“裏の裏の裏”くらいまでイッてしまっていて、“こじらせ系”を自負する僕でもよく分かりません(笑)。

 ジャケット(税込10万8680円)はパターンをビンテージから起こし、バランスを今日的に調整。「後ろ身頃の背中心に縫い目がないのが、本物のレガッタストライプジャケットです」と小高デザイナー。パンツ(6万7980円)は2タックでほどよいボリュームをキープしつつ、テーパーを効かせて軽快さも出しています。ハイ、「WWDJAPAN」の書式上、価格も記載しましたが、当然、女房子どもには見せられません……。ちなみにベストは7万1280円です。

 とはいえ“馬子にも衣装”とはよく言ったもので、それなりに様になっているのではないかと思います(笑)。まだまだ予断を許さない状況ですが、ゴールデンウイークごろに“レガッタストライプ縛り”で着飾って、みなで葉山マリーナあたりで寄合ができたらいいねと言って別れたのでした。

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日常的に使える、くびれすぎない“微マーメイドスカート”に注目【21-22年秋冬トレンド】

 名前の通り、人魚姫をイメージした“マーメイドスカート”は、流れ落ちるシルエットが魅力のアイテム。すっきりとしたタイトスカートと、ロマンチックなフレアスカートのいいとこ取りで、砂時計のような美しいくびれが叶います。これまでフェミニンでドレッシーなイメージが強かったですが、新タイプの“マーメイドスカート”は細さやくびれが控えめなのでシーンを選ばず、日常のスタイリングに落とし込みやすくなってきました。

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、ニットアップにマーメイドスカートを取り入れた装いを提案しました。チェス盤柄をグラフィカルに変形させたモチーフが、ダイナミックな曲線的なシルエットを描き出します。足元はぽってりしたブーツでムードをずらしました。今回は、マーメイド風シルエットのスカートをピックアップ。従来よりくびれが控えめの“微マーメイド”など、冬からの春に向けた着こなしプランをご紹介します。

マニッシュなジャケットと合わせてフェミニンなムードを軽減

 従来のマーメイドスカートは薄手のロング丈が主流でしたが、近ごろは選択肢が広がってきました。しっかりした厚手の生地や、膝下丈のレングスだと裾がヒラヒラしないので、シックに着こなせます。

 「フォトコピュー(PHOTOCOPIEU)」のスカートは、張り感のある素材で、ミモレ丈に仕立てました。ブラウンの穏やかな色合いが、落ち着いた印象を与えます。ざっくりしたジャケットを羽織って、モダンなたたずまいに整えました。ジャケットとの組み合わせは、フェミニンさを軽減する新手のスタイリングです。

ツートーン×落ち感のあるレイヤードでシルエットにめりはり

 古典的なマーメイドスカートは、膝のあたりでいったんくびれるのがお約束のシルエットでした。でも実は、膝から下にドレープを加えても、同じような効果を引き出せます。膝の絞りがない分、動きやすさもキープできて、裾も広がりすぎません。

 「ルリ(RURI.W)」のスカートは、優美なドレープが裾を躍らせています。布の陰影が出て、流れるような落ち感も生まれました。裾が広がりすぎない分、ノーブルな雰囲気に。ベスト風の羽織り物を重ねて、“白×黒”のめりはりあるコントラストを演出。タートルネックのニットトップスで縦長イメージをアップしつつ、足元はごつめブーツでタフにキメました。

ハイウエストとロング丈で流麗エレガンスに

 正統派のマーメイドスカートは、流れ落ちるようなしなやかシルエットが魅力です。細さが引き立つのは、膝でしっかりくびれるから。エレガントなムードのスタイリングに向いています。脚を隠すロング丈は、年間を通して重宝するスカートです。

 裾に向かうフレアを生かして、きれいめのコーディネートに整えたのは「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」。幅たっぷりのタック使いがきちんと感を際立たせ、凛としたムードに仕上げました。ロング丈の相乗効果も効いて、一段と流麗な着映えに。ブラウスをウエストインして、主役のスカートに視線を集めるスタイリングが冴えています。

裾だけフリルで控えめなロマンチック

 膝ゾーンで目立った絞りを加えず、裾のフリルやティアード(段々)、切り替えなどで動きを出す“微マーメイド”も増えてきました。ディテールが控えめなので、さまざまなシーンで着回しやすいタイプです。

 「ルプコ(RPKO)」のスカートは、裾にだけフリルをあしらったデザイン。トップスをウエストインしてコンパクトにまとめ、ブーツも同系色で合わせることで、いっそうすっきりした縦長のイメージが強まりました。

 マーメイドスカートはしなやかなレッグラインを印象づけやすいので、かさばりやすいアウターが多い冬にこそ、味方につけたいボトムスです。適度な主張と程よい華やかさを演出できるのも強み。スタイリングが手軽にキマるのは、慌ただしい年明けに便利です。バリエーションが増えてきた“微マーメイド”なら、着こなしの幅も広い分、新年のおしゃれに取り入れてみる価値ありです。

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2022年開業の注目ショッピングセンター 陸上トラック併設から農園隣接まで

 日本ショッピングセンター協会によると、2022年に開業予定のショッピングセンター(SC)は31施設になる。いずれもコロナの前から計画されていた案件だが、新常態の広がりを受けてリアル店舗の価値をいかに高めるかが焦点になっている。小売業界が注目する施設を紹介する。

「ららぽーと福岡」(4月開業予定)

 三井不動産、九州電力、西日本鉄道の3社が、福岡市博多区の青果市場跡地を開発して大型SCをオープンする。九州初の「ららぽーと」となる。店舗面積は4万6380平方メートル。天神や博多といった繁華街とも近いため、エリアの商業地図への影響は大きくなりそうだ。

 都心部にはないエンタメ性を兼ね備えているのが強みになる。九州では初となる子供の職業・社会体験施設「キッザニア」、木製の玩具をたくさんそろえて遊ぶこともできる「おもちゃ美術館」などで広域から集客する。また陸上トラック、テニス・バスケットボール・フットサルのコートを併設しており、スポーツを通じた幅広い世代の交流の場にもなる。

カメイドクロック(4月開業予定)

 野村不動産が東京都江東区のJR亀戸駅近くで開発する。1939〜93年まで第二精工舎(現セイコーインスツル)の工場、97〜2016年までは地元密着型のSC「サンストリート亀戸」があった場所をマンションなどと合わせて再開発した。

 店舗面積は2万2500平方メートル。物販は地元客に向けて「ユニクロ」「ジーユー」「スポーツデポ」「アルペンアウトドアーズ」「コジマ×ビックカメラ」「デコホーム」などを誘致したほか、下町の食を集めた「カメクロ横丁」、eスポーツスタジオ「カメスポ」などで構成する。

(仮称)イオンモール八幡東田プロジェクト(春開業予定)

 イオンモールが福岡県北九州市のテーマパーク「スペースワールド」跡地を再開発して、アウトレットモールを核にした商業施設を春に開業する。2018年に広島市で開業した「ジ・アウトレット」の2番目の施設になる。店舗面積は4万8000平方メートル。

 JR鹿児島本線のスペースワールド駅から徒歩5分。同施設の隣にはすでにイオンモール八幡東が営業しており、連絡橋でつながれる。アウトレットモールのほか、体験型英語教育施設「キタキュウシュウグローバルゲートウェイ(KGG)」、北九州市が運営する「新科学館」などが入る。

東京ミッドタウン八重洲(8月開業予定)

 三井不動産が東京駅八重洲口で進める複合施設がオープンする。07年の六本木、19年の日比谷に続く3番目の東京ミッドタウンとなる。地上45階・地下4階の高層ビルのうち、SCは地下で店舗面積4823平方メートルのコンパクトな規模となる。地下には羽田空港や成田空港、地方都市と結ぶバスターミナルが整備され、また日本有数の地下街である八重洲地下街ともつながる。

 上層部(地上39〜45階)には高級宝飾ブランドの「ブルガリ」による「ブルガリホテル東京」が開業する。「ブルガリ」によるホテルはミラノ、ロンドン、パリなどに続いて10軒目。建物の大部分(地上7〜38階)を占めるオフィスエリアは、コロナ後の新しい働き方や感染対策、デジタル対応などに最新鋭のテクノロジーを用いた作りになっている。

ふかや花園プレミアム・アウトレット(秋開業予定)

 三菱地所・サイモンが埼玉県北西部の深谷市で開発する大型アウトレットモールがオープンする。関越自動車道・花園インターチェンジから3分、秩父鉄道・ふかや花園駅から徒歩3分の立地に、店舗面積2万7000平方メートル、店舗数約120店舗が入る。

 深谷市による「花園IC拠点整備プロジェクト」と連携した商業施設となる。農業と観光の振興によって広域的なエリアの活性化を目的として進められる。隣接地にはキユーピーの体験型農業施設「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」があり、農園、マルシェ、レストランを楽しめる。また深谷市が運営するイベント広場「深谷テラス」もある。

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ショッピングセンターの施設数 3年連続で減少

 日本ショッピングセンター協会は、2021年の国内のショッピングセンター(SC)の総数が3年連続で減少して3182施設になったと発表した(12月23日時点の速報値)。1年間で24施設が開業し、37施設が閉鎖された。ただ、閉鎖のうち20施設は建て替えによるもので、総面積や総テナント数は増えている。

 21年に開業した主なSCは、アミュプラザくまもと(熊本県)、イオンモール白山(石川県)、イーアス春日井(愛知県)、イオンモールNagoya Noritake Garden(愛知県)など。

 SCの開業は、17年48施設、18年37施設、19年46施設、20年41施設、21年24施設と推移している。22年は31施設が開業する予定で、三井不動産が5月に「ららぽーと福岡」(福岡県)、秋に「ららぽーと堺」(大阪府)を開く。

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日焼け止め「アリィー」が刷新 ビーチ規制に配慮した処方を採用

 カネボウ化粧品は2022年2月12日、高機能日焼け止めブランド「アリィー(ALLIE)」をリニューアルする。一部の国や地域、ビーチの規制(21年11月時点)に配慮した設計の「ビーチフレンドリー処方」を採用し、“アリィー クロノビューティ”シリーズ(5種、10品種)を発売する。イメージキャラクターには俳優の古川琴音を起用した。

 「アリィー」は、ハワイやパラオなど一部の国や地域、ビーチにおいて、特定の成分を含む日焼け止めの持ち込みや販売などを制限する動きに着目。「世界のどのビーチでも美しく楽しく過ごしてほしい」という願いを込め、今回の開発に至った。全製品とも、国内最高基準の紫外線防御効果があるSPF50+・PA++++で、こすれや汗、水に強い機能も搭載し、べたつきにくさを考慮した。ジェルタイプとミルクタイプの2種をそろえ、高輝度パール配合の“トーンアップ UV”や顔色補正効果を期待できる“カラーチューニング UV”などニーズに合わせたアイテムをラインアップする。

 パッケージも環境に配慮し、外装はFSC認証紙で、容器の一部にはバイオマス素材を採用した。22年3月からは、同ブランドが考えるサステナビリティに共感する企業や団体、顧客と共に取り組む活動“Think Sustainability Action”をスタート。ハワイ州観光局とタイアップし、海洋生物保護活動などを実施する。さらに、5月に発売予定の数量限定品では、外装の一部に、同ブランドが過去に使用した紙の店頭販促物を回収して再生した素材を使用する。同製品の売り上げの一部は環境保全活動団体に寄付する予定だ。

 同ブランドは22年に台湾や香港、タイ、マレーシア、韓国、シンガポール、24年には中国に進出し、アジア圏へのさらなる市場拡大を目指す。グローバルでプロモーションを積極的に打ち出し、25年の売り上げは21年の約2倍を目標に掲げる。

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カッシーナが「ザ・コンランショップ」の日本事業を投資ファンドに売却

 イタリア高級家具「カッシーナ(CASSINA)」などを扱うカッシーナ・イクスシー(以下、カッシーナ)は、傘下の英国発ライフスタイル「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP以下、コンラン)」の日本における事業を三井物産、三井住友銀行、日本政策投資銀行の3社により設立されたMSD企業投資会社(以下、MSD)へ売却する。カッシーナが運営する「コンラン」は英国本国のライセンスを受けて、インテリアや生活雑貨などの企画開発及び販売などを行っている。同社は2014年、コクヨの連結子会社であるLmDインターナショナルから100%株式を取得。赤字が続いたが、雑貨の割合を減らし家具を増やしたことにより、20年に黒字化した。今年3 月に伊勢丹新宿本店5階に出店。森康洋カッシーナ社長は、「“おうち時間の増加で、投資企業などからの『コンランショップ』への関心が高まった。さらなる成長を加速させるために売却を決定した」とコメントしている。カッシーナからMSDへの100%株式譲渡は年内に行われる。

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アーティスト村上隆と時計「ウブロ」のコラボ第2弾はレインボーの“お花”

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のスイスブランド「ウブロ(HUBLOT)」は、アーティスト村上隆とコラボレーションした時計の第2弾“クラシック・フュージョン タカシムラカミ サファイア レインボー”を発表した。価格は税込1225万4000円で、世界限定100本。

 前作に続き、村上の代表作である“お花”をモチーフにするが、第1弾がオールブラックだったのに対して、今回は透明なサファイアクリスタルの上にレインボーを表現した。12枚のカラフルな花びらをルビー、ピンクサファイア、アメジスト、ブルーサファイア、ツァボライト、イエローサファイア、オレンジサファイアなど487個の貴石で構成し、本作のために開発したボールベアリングシステムにより「元気よく」(村上)回転する。

 リカルド・グアダルーペ(Ricardo Guadalupe)=ウブロ最高経営責任者は「本作は手首に着けられる芸術作品だ!」と言い、村上も「『ウブロ』の熟練したテクニックが僕のインスピレーションの可能性を広げ、結果としてレインボーの新作が誕生した。特にサファイアの切削技術は世界最高峰であり、感動した」とコメントした。

 「ウブロ」と村上は今年1月、“クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック”(289万円、世界限定200本)を発表している。

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ベラ・ハディッドが「ヴィクトリアズ・シークレット」との仕事に復帰 かつて決別したブランドと再び関わる理由は?

 モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)は、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET、以下VS)」による「VS コレクティブ(VS COLLECTIVE)」イニシアチブに参加する。同取り組みは、キャンペーンを通してバックグラウンドの異なる女性たちにスポットライトを当て、それぞれのストーリーを伝えるもの。11月にはプロテニスの大坂なおみ選手が選出されたほか、米国サッカーチームのキャプテン、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)やインド出身の女優プリヤンカー・チョプラ(Priyanka Chopra)、サイズ14モデルのパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)らがメンバーに名を連ねる。

 かつて「VS」の“エンジェル”として活躍していたベラは、同ブランドの変化や新たなミッションについて、責任者らと約一年半にわたって議論を重ね、再び一緒に活動していくことを決めたという。雑誌「マリ・クレール(MARIE CLAIRE)」でのインタビューでは、今回の決断について「『VS』との仕事は数年ぶりになるけれど、復帰の決め手は『VS』が舞台裏で大きく変化していることが分かったから。『VS』でモデルを務めた女性の多くは、ブランドのやり方・あり方に思うことがあったと思う。今は役員の7人中6人が女性になり、モデル撮影のルールも刷新された。以前とは、本当に多くのことが変わった。『VS』のようなブランドが世界には必要だし、その存在によって自分らしくいられると感じる人もいるはず」と語った。

 「VS コレクティブ」については、「キャンペーンへの参加することは、本当の意味で自信を取り戻し、私の体を支配する力を再び自分のものにすることだった。このキャンペーンの素晴らしさは、みんなが集まり、対話を生み出していくことにあると思う。今回の撮影時には、以前のような男性が男性のために経営していたランジェリー企業であった頃に抱いた感情とは違って、すごく支えられていると感じられて、ただただうれしかった。パロマやアドゥ(・アケチ)といった他の参加者をはじめ、セットで周りを見渡すだけで、あらためてみなぎる自信を実感した。自分の体がお金儲けのためだけにあるように感じるのではなくて、ランジェリーが力をもたらしてくれた」という。

 「VS」は、かつて名物イベントである豪華なファッションショーや広告を中心に人気を集めていたが、2016年をピークに売り上げが減少している。“エンジェル”と呼ばれる痩身でセクシーなモデルばかりが登場するプロモーションは、人種から体型、LGBTQ+コミュニティーの包括性(インクルージョン)など多様性(ダイバーシティ)が欠けていると批判を浴びてきた。18年には、当時同ブランドの擁していたLブランズ(L BRANDS)のエド・ラゼック(Ed Razek)元チーフ・マーケティング・オフィサーが、「プラスサイズやトランスジェンダーのモデルには全く興味がない」と発言したことが物議を醸したほか、性犯罪者と関わりがあったという疑惑が浮上。19年にはモデルのサラ・ジフ(Sara Ziff)が立ち上げたモデルの人権を守る団体、ザ・モデル・アライアンス(THE MODEL ALLIANCE)が、「VS」のジョン・ミハス(John Mehas)元最高経営責任者(CEO)宛に性的違法行為からモデルを守るよう求める公開書簡を発表するなど、企業のあり方が問われていた。「VS コレクティブ」は、ブランドの路線変更と、多様性&包括性の向上に取り組むための一環。21年6月の開始以来、異なるバックグランドを持つ女性らを集め、ブランドイメージの刷新を進めている。

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ベラ・ハディッドが「ヴィクトリアズ・シークレット」との仕事に復帰 かつて決別したブランドと再び関わる理由は?

 モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)は、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET、以下VS)」による「VS コレクティブ(VS COLLECTIVE)」イニシアチブに参加する。同取り組みは、キャンペーンを通してバックグラウンドの異なる女性たちにスポットライトを当て、それぞれのストーリーを伝えるもの。11月にはプロテニスの大坂なおみ選手が選出されたほか、米国サッカーチームのキャプテン、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)やインド出身の女優プリヤンカー・チョプラ(Priyanka Chopra)、サイズ14モデルのパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)らがメンバーに名を連ねる。

 かつて「VS」の“エンジェル”として活躍していたベラは、同ブランドの変化や新たなミッションについて、責任者らと約一年半にわたって議論を重ね、再び一緒に活動していくことを決めたという。雑誌「マリ・クレール(MARIE CLAIRE)」でのインタビューでは、今回の決断について「『VS』との仕事は数年ぶりになるけれど、復帰の決め手は『VS』が舞台裏で大きく変化していることが分かったから。『VS』でモデルを務めた女性の多くは、ブランドのやり方・あり方に思うことがあったと思う。今は役員の7人中6人が女性になり、モデル撮影のルールも刷新された。以前とは、本当に多くのことが変わった。『VS』のようなブランドが世界には必要だし、その存在によって自分らしくいられると感じる人もいるはず」と語った。

 「VS コレクティブ」については、「キャンペーンへの参加することは、本当の意味で自信を取り戻し、私の体を支配する力を再び自分のものにすることだった。このキャンペーンの素晴らしさは、みんなが集まり、対話を生み出していくことにあると思う。今回の撮影時には、以前のような男性が男性のために経営していたランジェリー企業であった頃に抱いた感情とは違って、すごく支えられていると感じられて、ただただうれしかった。パロマやアドゥ(・アケチ)といった他の参加者をはじめ、セットで周りを見渡すだけで、あらためてみなぎる自信を実感した。自分の体がお金儲けのためだけにあるように感じるのではなくて、ランジェリーが力をもたらしてくれた」という。

 「VS」は、かつて名物イベントである豪華なファッションショーや広告を中心に人気を集めていたが、2016年をピークに売り上げが減少している。“エンジェル”と呼ばれる痩身でセクシーなモデルばかりが登場するプロモーションは、人種から体型、LGBTQ+コミュニティーの包括性(インクルージョン)など多様性(ダイバーシティ)が欠けていると批判を浴びてきた。18年には、当時同ブランドの擁していたLブランズ(L BRANDS)のエド・ラゼック(Ed Razek)元チーフ・マーケティング・オフィサーが、「プラスサイズやトランスジェンダーのモデルには全く興味がない」と発言したことが物議を醸したほか、性犯罪者と関わりがあったという疑惑が浮上。19年にはモデルのサラ・ジフ(Sara Ziff)が立ち上げたモデルの人権を守る団体、ザ・モデル・アライアンス(THE MODEL ALLIANCE)が、「VS」のジョン・ミハス(John Mehas)元最高経営責任者(CEO)宛に性的違法行為からモデルを守るよう求める公開書簡を発表するなど、企業のあり方が問われていた。「VS コレクティブ」は、ブランドの路線変更と、多様性&包括性の向上に取り組むための一環。21年6月の開始以来、異なるバックグランドを持つ女性らを集め、ブランドイメージの刷新を進めている。

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「タイガタカハシ」初の直営店が京都・祇園にオープン 服、彫刻、茶の湯が融合

 高橋大雅デザイナーが手掛ける「タイガタカハシ(TAIGA TAKAHASHI)」は、京都・祇園にブランド初の直営店T.Tをオープンした。大正時代に建てられた町家を改修した数寄屋造の建築で、1階のブティックと2階の茶室で構成する。

 1階のブティックスペースでは、「タイガタカハシ」のコレクションをそろえるほか、高橋が制作した彫刻作品を複数展示する。彫刻は、“過去の服を現代に蘇らせる”という同ブランドの服作りを発展させ、“時間の概念”をテーマに制作した。

 2階の茶室「然美(さび)」は、日本芸術の始まりとも言われる“茶の湯”を高橋が再解釈した空間だ。壁一面に和紙を貼り、特注の椅子を並べて工芸と建築の融合を図った。京都の茶葉を中心とした創作日本茶5品で構成する茶菓懐石(税込5500円、予約制)を提供する。

■T.T
住所:京都府京都市東山区祇園町南側570-120
営業時間:1階 12:00〜19:00、2階 13:00〜18:30(予約制)
定休日:水曜

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LVMH傘下の時計「ウブロ」が12月4日、表参道店をオープン

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のスイスの時計ブランド「ウブロ(HUBLOT)」は12月4日、表参道エリアで初となる直営店「ウブロ表参道ブティック」をオープンした。売り場面積は約205平方メートルで、7月31日までフランスの子ども服ブランド「プチバトー(PETIT BATEAU)」の表参道店があった場所。

 自然光が差し込む店内には色鮮やかなポップアートを随所に使い、ブランドコンセプトである“アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)”を体現する。また、「ウブロ」として初めてフリーアクセスディスプレーを採用した。これまでスタッフに声を掛けて時計をショーケースから出して見ていたものに、ガラス越しではなく直接触れることができる。100万~300万円台が中心価格帯の「ウブロ」にとって新しい試みだ。

 国内で初めて、ストラップ&アクセサリー専用コーナーを2階に設けたことも特徴だ。ストラップはラバー、レザー、ファブリックといった素材や、カラー展開が豊富で、アクセサリーはサングラス、カフス、ペン、ベルトなどをラインアップする。さらに、バーカウンターを併設した3階のVIPルームからは表参道のケヤキ並木が一望できる。

 「ウブロ」は1980年に創業。ボリュームと存在感のある“ビッグ・バン”、対極的に薄型でシンプルな“クラシック・フュージョン”などがアイコンモデルだ。

■ウブロ表参道ブティック
オープン日:12月4日
時間:11:00~20:00
定休日:不定休
住所:東京都渋谷区神宮前5-8-2

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「ベイプ」が「カナダグース」「コンセプツ」とトリプルコラボ アウターとアクセサリー

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」は、アウターブランド「カナダグース(CANADA GOOSE)」、アメリカのセレクトショップ「コンセプツ(CONCEPTS)」とトリプルコラボしたアウターとアクセサリーを12月4日に発売する。各ブランドの正規取り扱い店舗と公式オンラインストアで販売する。

 アウターは、「カナダグース」の定番モデルをベースにした“エクスペディションパーカ”(税込18万8100円)と“チリワックボンバー”(同12万5400円)、“クロフトンフーディ”(同10万5600円)の3種類。アクセサリーは、ニットキャップ(同2万7500円)とスカーフ(同3万3000円)、ブランケット(同6万1600円)を用意する。

 「カナダグース」らしい機能性と防寒性の高さを特徴とするコレクションで、リサイクル素材も多用している。ニットキャップ以外全て、「ベイプ」のシグネチャーであるカモフラージュ柄を使用。ブランケットのみ18日の発売だ。

 「コンセプツ」は、マサチューセッツ州ケンブリッジで創業したストリート、スケーターファッションに特化したショップ。多くのオリジナル商品を販売するほか、「ニューバランス(NEW BALANCE)」や「ナイキ(NIKE)」など有名ブランドとのコラボも積極的に発表している。

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創業118年、神戸の老舗「ブティックセリザワ」の挑戦【下】 4代目に聞くコロナ渦中の事業承継

 神戸の老舗専門店「ブティックセリザワ(BOUTIQUE SERIZAWA以下、セリザワ)」。パンデミックの最中、3代目の芹澤豊成社長は、娘夫婦である森山卓司取締役、芹澤麿衣取締役へと、順次事業を引き継ぐことを決めた。事業承継をスムーズに進める目的で、組織体制もよりシンプルに変更。こうしたプランを豊成社長は随分前から考えていたというが、自粛期間を経て、世の中が大きく変わろうとしているこのタイミングこそ「自社も変わるチャンス」と判断したのだという。経理は引き続き社長が担い、その他の全ての事業を両取締役へと託す形で新体制はスタート。3年以内を目処に、社長も4代目に譲る予定だ。

 新体制で、経営企画から人事にいたるまで総合管理を担うのが、森山取締役。サントリー、コスモスイニシア(旧リクルートコスモス)を経て、13年に「セリザワ」に入社し、販売員も務めて経験を積んだ。創業ファミリーの一人娘である芹澤取締役は、阪神間の富裕層との付き合いの中で磨かれた「セリザワ」 流の社交術が自然と身についており、店舗のサービス面のディレクションを担当。芹澤取締役は祖母にあたる2代目社長夫人、禮江(ひさこ)氏の鏡台で見つけた“化粧紙”をきっかけに、まだ4、5歳だった頃にすでに“香水”に魅了され、愛用していたのだという。ファッションを扱う企業の創業ファミリーらしい、エレガントなエピソードだ。

 旧体制から新体制へと移行する中で、森山取締役は自分より社歴の長いベテラン社員たちとの理解を深めるため、丁寧にコミュニケーションを重ねている。以前は社長、専務、常務の3人体制を敷いており、全員が創業ファミリーだった。重みのある旧経営陣に対して森山取締役は新参者であり、アパレル業に関しても「セリザワ」に入るまでは未経験。社員たちと心を通わせるために、森山取締役は「青臭いんですけれど、夢を語ったんです」と少し照れくさそうに話す。コロナという厳しい状況下、ベテランたちを前に「僕に任せてくれ」と豪語した一コマもあったとか。「結果を出して、認めてもらいたい」という気持ちを強く持っている。

創業者をリスペクト、でも「そこにこだわりすぎない」

 森山取締役は、「セリザワ」創業者や、先代経営者たちの思いをどう継いでいくのか。「神さまでもない限り、思いや考えは、継承できるものではないと思っているんです」。意表を突かれると同時に、考えてみれば確かにそうだと納得してしまう言葉が返ってきた。「父たち(3代目)を見ていましたから、創業者に対して別格とも言える思いがあることは分かります。何もないところから創業したことを僕も深くリスペクトしており、理解しようとする努力は惜しみません。ただ、一般的に言って事業承継は、受け継ぐことにこだわりすぎるがゆえに、物事の判断基準が的外れになってしまうケースが多いと思うんです」。そして「その時代に生きた経営者が、その時代に生きる社員やお客さまのために考えた判断基準は、その人たちだけのもの」と続ける。

 それならば、森山取締役、芹澤取締役は4代目として、「セリザワ」をどのように今の時代にフィットさせ、発展させていくつもりなのか。既に動き出したことの一つが、60歳の定年を迎えても、まだ働ける優秀な人材の雇用継続だ。旧体制下でも、既存顧客の安心を得るために「なんとなく」雇用継続が行われている部分はあった。しかし、2人は雇用継続を明確に打ち出し、2021年3月から仕組みとして運用。実際、「セリザワ」には同社に勤めて半世紀という73歳の人気販売員もいる。年齢を問わず、新生「セリザワ」に必要とされているとはっきり伝わったことで、ベテラン社員のモチベーションは向上。ベテランのやる気は、増員中である若手社員にも伝播して成長につながっているという。

 「われわれの顧客にとって、馴染みの販売員に会いに来ることも楽しみの一つ。それに、熟練販売員たちの接客術は一朝一夕でまねできるものではなく、貴重な財産だと感じています」。森山取締役は、自らも販売員として店頭に立った経験から見えてきたこととしてそう語る。人生100年時代、年齢を重ねても生き生きと働き続ける販売員の存在は、ファッションやビューティ業界全体にとっても刺激になるはずだ。

 「セリザワ」のオリジナルコレクションを復活させたことも、4代目として仕掛けたことの一つだ。起用したパタンナーも70代の熟練。復活後初のシーズンとなった21-22年秋冬コレクションは、フレンチスリーブのカシュクールドレスやボウタイブラウスといった、オーセンティックなデザインがそろう。いいものを長く着たいという顧客のニーズに寄り添うために、高品質なお直しのサービスもこれから展開する予定という。

エルメスが出資する「シャンシア」でイベント実施

 今後は、定期的なコト提案にも注力していくと森山取締役は語る。その第1弾として10月15、16日に、中国発のラグジュアリーブランド「シャンシア(SHANG XIA)」のイベントを開催した。兵庫・芦屋の滴翠美術館を貸し切り、「シャンシア」の中国茶器、バッグ、洋服、ジュエリーと「セリザワ」オリジナルの21-22年秋冬コレクションを展示。和洋折衷の阪神モダニズム建築が際立つアートな空間に、美しい花々のインスタレーションを加えた。

 「シャンシア」は09年に中国発ライフスタイルブランドとしてスタート。以前はエルメス・インターナショナル傘下で、現在も引き続き同社が出資していることで知られる。「セリザワ」が「シャンシア」と縁を結べたのは、芹澤家と親しい神戸の華僑ソサエティーによるバックアップがあったからだという。老舗ならではの強みが、ここでも生かされている。優雅な2日間の展示販売会は、来場者数が予想の1.6倍、売り上げは2.7倍と、好調に幕を閉じた。従来の中心顧客であるシニア層に加え、30〜40代の新規客が多数来場したことに大きな手応えも得た。

 「売り上げよりも、まずは社員と一緒に成功体験を作りたかった。そうすることで、心が一つになれるんです。結果、数字は後からついてきました」と森山取締役。ECやSNSへの取り組みが手薄であることは「セリザワ」が抱える課題だが、今回のイベントではそれについても発見があったという。「(ECなどにも慣れ親しんでいるはずの)若い世代の新規のお客さまを含め、多くの方が商品を実際に見て、触れてから購入することを求めていらっしゃると感じました。芦屋の森の中の私設美術館という特殊な環境で質の高い接客を受けて、買いものをする。こういった機会を喜んでくださる層がこんなにもいるのか、と驚きましたね」と、目を輝かせた。コロナ禍による売り上げの落ち込み、先行きが見えない業界への不安など、ストレスの多い状況下にあった社員にとっても、イベントの成功は希望となった。

 次なるコト提案としては、年末年始に向け、家族団らんの場で使える食器のイベントを12月3、4日に行う。会場は、兵庫・灘の銘酒蔵「菊正宗」だ。麹の香り、伝統建築の気配など、五感に働きかける提案を目指す。“ステイホーム”需要で食器類に注目が集まっていることもあり、「シャンシア」イベントでも食器類の売り上げが特に好調だったことから、今度は趣向を変えて日本の美濃焼をセレクト。森山取締役が見つけたという、岐阜県土岐市の小さな集落から生まれる「ぎやまん陶」の食器を販売するという。

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CCCの「シェアラウンジ」が出店攻勢 代官山蔦屋2階もリニューアル、「まずは首都圏に100店舗」

 TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、代官山 蔦屋書店の3号館2階をラウンジ&ワークスペース業態「シェアラウンジ(SHARE LOUNGE)」にリニューアルした。12月3日にグランドオープンする。

 代官山 蔦屋書店は、音楽フロアだった3号館2階を「シェアラウンジ」に転換する。既存の内装を生かしつつ、テーブルや椅子、ソファを増やしてワークスペース・ラウンジ機能を拡充。約660平方メートルのフロアに187席を設ける。動画配信の機材をそろえた個室も用意し、オンライン会議にも対応する。

 仕事の休憩やラウンジ利用に対応するよう、スムージーやジュース、コーヒーなど全25種のドリンクと、代官山T-SITEのイタリアンベーカリー、プリンチ(PRINCI)のパンやスナック、スパークリングワインやクラフトビールなども提供する。“コンパクトな代官山 蔦屋書店”をテーマにアートや建築の書籍、ビジネス書や雑誌など約3500冊も並べる。

 営業時間は朝7時から夜10時まで。アプリで予約・決済ができ、QRコードによるスマートチェックイン・アウトも可能だ。60分プラン(税込1650円)をはじめ、1デイプラン(同6600円)や月額利用プラン(同5万5000円)など幅広いメニューをそろえる。

 「シェアラウンジ」は、“発想が生まれ、シェアする場所”をコンセプトに、2019年に渋谷スクランブルスクエアに初出店した。その後、二子玉川や湘南、名古屋や福岡などの地方にも出店し、代官山で13店舗目。CCC蔦屋書店カンパニーの梅谷知宏社長は、「以前から“個人の時代”になると考え、19年に同業態を始めた。既存店の反響と、コロナによるニーズの拡大を受け、出店攻勢をかける。まずは首都圏で100店舗だ」と話す。

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「ハッカキッズ」創業47年で初の単独ショー 「コロナ禍で落ち込む市場にパワーを!」

 ファッション須賀が手掛ける「ハッカキッズ(HAKKA KIDS)」は11月26日、1976年のブランド創業以来初となる単独ファッションショーを開催した。本社の1フロアで行われた全2回のショーには、取引先やプレス関係者ら約120人が来場。“ポジティブ&リラックス”をテーマに、子どもたちから癒しとパワーをもらえるようなイベントには「コロナ禍で落ち込む市場をファッションの力で元気にしたい」という同社の想いが込められた。

 ショーでは、男女のキッズモデルが2022年春夏コレクションを披露。ガールズでは、水彩画タッチの花柄をパフスリーブのドレスにプリントしたり、カーディガンに刺しゅうで施したりなど、可愛らしいモチーフを大人顔負けのディテールで提案した。ボーイズでは、恐竜や星などのポップなモチーフをプリントや繊細なスパンコールで表現。アウトドアテイストのアイテムをシックな色味でまとめることで、動きやすさとカッコ良さを両立させた。また、中盤には「ケイ ハヤマ プリュス(KEI HAYAMA PLUS)」「ハク(H.A.K)」などのウィメンズブランドも登場。「ハッカキッズ」からも大人サイズの商品を特別に打ち出し、キッズと同じモチーフを採用することで、親子で楽しむリンクコーデを提案した。

 「ハッカキッズ」は、1984年に誕生したウィメンズブランド「白花(ハッカ)」の子ども服ラインとしてスタート。子どもに媚びない、エッジの効いたデザインを強みに、当時は珍しかった「大人目線の子ども服」を、47年前から作り続けているパイオニア的存在だ。2002年には、キッズのセレクトショップの先駆けとなる「リボンハッカキッズ(RIBBON HAKKA KIDS)」をオープン。同時期に創業したキッズブランドには「シャーリーテンプル(SHIRLEY TEMPLE)」や「ティンカーベル(TINKERBELL)」(19年にブランド終了)などがある。

 須賀次雄・同社代表は、ショーを開催した経緯について「きっかけは新型コロナ。約2年間、僕らも取引先も厳しい状況が続いたため、来場者が自然と笑顔になれるキッズのファッションショーでパワーを届けたいと思った」。

 「ハッカキッズ」は現在、直営および代行店で31店舗、卸で30店舗を展開している。特に卸は、百貨店がメインだが「郊外型になると、デザイン性よりも低価格であることが重視されがち。でも子どもの感性を育てるには、そればかりでなく、大人の感性で本気で作った服も必要。婦人服と乖離しない子ども服を作りたいと47年前にスタートしたが、“子どもらしさ”に捉われない自由な発想が、結果的にブランドの強みとなっている。僕自身もここまで続くとは思っていなかった(笑)」と約半世紀、子ども服と婦人服の双方と向き合ってきた同氏ならではの価値観について語る。

 さらに「新しい子ども服を手にするきっかけは、大人の外出やイベントの機会と密接。もう何年も企画していなかった服を訴求するイベントで、皆に楽しんでもらいつつ、この状況を少しでも解きほぐしたかった」というのも趣旨となった。

 ファッション須賀は、年商約15億円(2021年7月期)。ウィメンズ、キッズ&ベビー、飲食雑貨の3部門から成り、売上高は約3分1ずつで構成されているという。今後は「モノづくりの精度をさらに上げ、ロスを出さない生産体制へとシフトしていきたい」と語る。

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ヴァージル氏の訃報にデザイナーや業界人らも衝撃 同氏への想いを語る

 11月28日、デザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏が死去した。41歳だった。ファッション業界からは、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」を手掛けるデザイナーのピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、マーク・ジェイコブス(Marc Jocobs)、「ディオール(DIOR)」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターらがインスタグラムに追悼の声を投稿した。

 2014年に自身のブランド、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」を設立したヴァージル氏。18年3月には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに抜擢され、業界の歴史に名を刻んだ。同氏の公式インスタグラムによると、2019年に心臓血管肉腫というがんを診断され、以来闘病生活を送っていたという。ここでは、SNSに寄せられたデザイナーや業界人の投稿を紹介する。

ドナテラ・ヴェルサーチェ

 「ヴァージル、なんと言ったらいいのかわからない。世界は今日、ファッションのスーパースターを失ってしまった。イノベーターであり、歴史に名を刻む人物。悲劇的なこの日に、あなたが愛した人々に思いを馳せる。愛を込めて、ドナテラ」

 「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)=クリエイティブ・ディレクター

アレッサンドロ・ミケーレ

 「あなたの優しさが天界を照らしますように。また会う日まで」

 「グッチ(GUCCI)」のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクター

キム・ジョーンズ

 「ヴァージルが亡くなったと聞いてとても悲しい。彼はこの世界で最も優しい人間の1人だった。一緒に世界を駆け巡り、ホテルの部屋でくつろいだり、日本の雑誌を片手にアイデアを語り明かしたりした思い出がよみがえる。シャノン夫人と子どもたち、そしてご家族の皆様にお悔やみ申し上げる」

 キム・ジョーンズ(Kim Jones)=「フェンディ(FENDI)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター兼「ディオール(DIOR)」メンズ・アーティスティック・ディレクター

ピエールパオロ・ピッチョーリ

 「ヴァージル。何年か前、ジュン「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の高橋盾)を介して出会った時、彼らはイベントでDJをしていて、今度は3人で音楽を一緒に作ろうと約束して別れた。今の感情を表そうとすると、彼との思い出がよみがえってくる。若く才能あふれる青年であり、父親であり、アーティストであり、クリエイティビティーに愛され、豊かな人生を送っていた。彼の知的好奇心と人間性はファッション業界に一石を投じた。これからも彼の残したものは長く生き続けるだろう」

 「ヴァレンティノ」を手掛けるデザイナーのピエールパオロ・ピッチョーリ

シルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ

 「ヴァージルへ、ご冥福をお祈りする。あなたと過ごした日々を胸に大切にしまっておきます。あなたのご家族に思いを捧げて」

 シルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)=ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター

マーク・ジェイコブス

 「親愛なるヴァージル、どうか安らかに、力と共に眠らんことを。ご家族や友人、同僚のことを思うと胸が痛む。あまりにも早く逝ってしまった。彼が私たちにもたらしてくれたすべてのものに感謝する」

 デザイナー、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)

ヴィクトリア・ベッカム

 「あらゆる分野で彼は真のインスピレーションだった。ご冥福をお祈りします。あなたの美しいご家族に愛と光を贈る。私を含め、みんなあなたに会えなくなり寂しく思っている」

 デザイナー、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)

マルセロ・ブロン

 「チャオ、ヴァージル!君は社会に大きな変化をもたらすために生まれてきた。道筋を示してくれてありがとう」

 デザイナー、マルセロ・ブロン(Marcelo Burlon)

アレクサンドル・アルノー

 「ヴァージル・アブローは、現代のクリエイティビティとは何かを体現したような人物だった。さまざまな機会で協業できたことを光栄に思う。彼の頭から出てくる新しいアイデアには驚かされてばっかりだった。カニエ・ウェスト(Kanye West)との協業もそうだが、ビーントリル(BEEN TRILL)、「オフホワイト」「ルイ・ヴィトン」「リモワ(RIMOWA)」など、彼が関わるとクリエイションが一気に輝き出す。プライベートでも仲良くしており、彼はいつも的確で温かなアドバイスをしてくれた。この社会に大切なものをたくさんもたらしてくれて、本当にありがとう。彼の妻や子どもたち、ご家族のみなさまに私の思いと祈りを捧げる」

 アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー(TIFFANY & CO.)プロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデント

ペギー・グー

 「この衝撃は言葉ではとても表せない。あまりにも早い死で、私含め多くの人は闘病していたことすら知らなかっただろう。彼が病気について公で話すことなく、最後まで仕事に費やしたことは、彼のクリエイションへの姿勢や情熱を反映している。彼は誰もが不可能だと思っていた障壁を壊し、境界線を飛び越えるべく果敢にチャレンジし続け、新たなスタンダードを築いた“革命者”だ。私のキャリアが軌道に乗る前からヴァージルが応援してくれたことに、心から感謝している。彼はいつも、誰も置いていくことなくみんなで一緒に駆け上がることを目指した。私たちの世代にとって、彼は永遠のヒーロー、そしてパイオニアとして心に残り続けるだろう。力と共にお眠りください。たくさんのインスピレーションをありがとう」

 韓国出身の音楽プロデューサーでDJのペギー・グー(Peggy Gou)=「キリン バイ ペギー グー(KIRIN BY PEGGY GOU)」プロデューサー

ダナ・キャラン

 「訃報を聞いて心が張り裂けるようだった。彼は優れたデザイナーであると同時に、よき夫、父親、息子であり、誰からも愛されるよき友人だった。ファッションや建築、音楽といった点を線で結び、新しいものを生みだした。先見性に満ちていた彼は、コミュニティーのみんなから惜しまれることだろう。彼のクリエイティビティや才能、影響力によって業界は大きく変わった。彼のご家族や友人にお悔やみを申し上げる」

 ダナ・キャラン(Donna Karan)=「ダナ キャラン ニューヨーク、DKNY)」創業者


 ほかにも多くの業界人やデザイナーらがコメントを寄せている。

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“架空のホテルのレストラン”がコンセプト HOTEL’Sが確立する新たなスタンダード

 コロナ禍により人々のライフスタイルが大きく変わった昨今。特に飲食業界では夜の営業時間が短くなり、多くの店舗がさまざまなアイデアを打ち出した。そのような環境下で10月1日、表参道にオープンしたミシュランひとつ星を2年連続獲得「SIO」の鳥羽周作シェフによる新形態レストラン「HOTEL’S(ホテルズ)」は、朝昼夜の全力3部営業で異なるスペシャリテが楽しめ、新たな朝食スタイルも提案。まさにホテルのような居心地の良い空間で楽しむ優雅なモーニングコースが反響を呼んでいる。その背景やこだわり、今後の展望について鳥羽シェフに聞いた。

コロナ禍で生まれた朝のフルコース

WWD:朝のフルコースを提案した背景とは?

鳥羽周作シェフ(以下、鳥羽シェフ):コロナ禍で緊急事態宣言を迎え、リモートワークが当たり前になり、僕たち飲食業界では夜の営業時間が短くなった上、朝型のライフスタイルを送る人も増えたように感じます。そこで、夜の営業時間を午前中にスライドできないかと考え、朝からディナー体験という朝専用フルコースを思いつきました。

 そもそも”ディナー”という言葉はただ単純に”夕食”を示すものではなく、語源を調べると“1日で一番大切にする食事のこと”を指すそうです。Twitterで発信してみたところ多くの反響があり、確信を得られたので、早速翌日に「SIO」での予約を開始しました。数日後から提供を始めました。今年10月にオープンした「HOTEL'S」でも朝からスペシャリテが楽しめます。ミシュランのお店の中でも朝、昼、夜の営業スタイルは珍しいという理由から、オープン時からさまざまなメディアにも取り上げていただきました。お客様からも「気持ちの良い1日のスタートが切られる」「コースだが量もちょうどよく、最後までおいしく食べられる」と好評です。

WWD:「どこの店舗でもサラダを一番大事にしている」と語る、鳥羽シェフ渾身のサラダへのこだわりが知りたい。

鳥羽シェフ:「モーニングスペシャリテ」含む全時間帯で共通して提供している“ホテルズサラダ”では、季節や仕入れ先のおすすめに応じて20種類以上の食材を使っています。野菜をはじめ、果物、ハーブ、キヌア、そしてドライフルーツやスパイスなど7種の食材を手作業でブレンドしたサラダのためのミックスナッツ“グッド ナッツ グッド サラダ(GOOD NUTS GOOD SALAD)”を使用し、一口ごとに違う味わいを楽しめるよう仕上げました。素材の味を活かすために、ホワイトバルサミコをベースとしたシンプルなドレッシングを和えています。

「架空のホテルのレストラン」で提供する期待を超えた感動体験

WWD:食事だけではなく、空間作りにも一層のこだわりが感じられるが、「架空のホテルのレストラン」というコンセプトにどのように紐づいている?

鳥羽シェフ:「レストラン体験=期待を超えた感動体験」だと考えています。そのため、 ユニフォーム、インテリア、食器など、感動体験を構成する一つ一つの要素を、それぞれの道で一流であるクリエイターに手掛けてもらうことにしました。またホテルでの食事の特徴の一つに、朝、昼、夜とそれぞれの時間帯でお客さまに合わせたお料理が提供されていることが挙げられます。それぞれの時間帯でスペシャリテを用意するように、音楽も朝、昼、夜と時間帯ごとに用意したいと考え、大沢伸一氏にプレイリストの作成を依頼しました。

 ユニフォームは、クリエイティブディレクターとして「ノンネイティブ(NONNATIVE)」デザイナーの藤井隆行氏にアドバイスをもらいセレクト。「そもそもレストランのユニフォームは、本当に日本人にフィットしているのか」と疑いながらイメージを固めました。強いていえば、テーマは90年代アメリントラッド。「HOTEL'S」のシンボルマークである鳥をモチーフに、テーマカラーのネイビーでまとめています。スタッフがはいているブーツはレッドウィングで、職人の足元を支えるというワークブーツ本来の居場所に戻しました。「レストランだけど、ゆるすぎず固すぎない」、居心地のよさを大事にしている「HOTEL'S」にぴったりと合うユニフォームになったと思います。

 食器は、陶芸家の鈴木麻起子氏が手掛ける「ラ メゾン デ ヴォン(LA MAISON DE VENT)」を特注しました。レストランで使われる食器の多くは、大きいことで料理の存在感を伝えているが、「HOTEL’S」は緊張感なくカジュアルな雰囲気を伝えたい。そして器に触れて温度を感じてもらいたいので、通常のお皿より薄く小さく、軽いサイズでオーダーしました。ブランドのシンボリックカラーかつ、「HOTEL’S」のイメージに合うターコイズブルーを中心に選んでいます。

 そして、美しい姿勢のまま胃を圧迫せずに料理を楽しめるテーブルセットなど、HOTEL'Sの家具は「マルニ木工」を採用しています。メンバー自らが工場に足を運び選んだ家具は、最高の食体験に欠かせません。

鳥羽シェフが目指す“飲食業界の新スタンダード”

WWD:“朝ディナー”を打ち出した上で、飲食業界の新たな可能性を見出したのでは。

鳥羽シェフ:緊急事態宣言下を通じて、たくさんの気づきがありました。「SIO」で始めた朝ディナーは、レストランに新しい収益の可能性をもたらしたと思っています。朝昼夜全力三部営業をかなえるレストランを作ることで、収益面で持続可能なモデルが作れるのではないでしょうか。

WWD:自身のnoteでも「愛ゆえに俺は厨房を去らねばならぬ」と語っているが、新スタンダードを確立するための課題とは。

鳥羽シェフ:このモデルでは、“シェフに依存することがない仕組み”を作らなければ継続的に営業していくことが難しいです。そのためには、感動を生むための料理やコースの作り方をスタッフに落とし込んでいく必要があり、スタッフの教育が非常に重要だと思います。もしこのモデルが可能になれば、属人的な営業から開放され、レストランを継続的に営業することができ、“おいしい!”という感動をたくさんの人々に伝えることができるはずです。新たなモデルを確立することは、最終的には新たな食文化をつくることにつながると考えています。食のプラットフォームとなれるように、今後も事業を展開していきたい。バラバラの点を線に、そして線と線とつないで面にしていくことで、より豊かで美味しい世界を作れたら、と思っています。

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“架空のホテルのレストラン”がコンセプト HOTEL’Sが確立する新たなスタンダード

 コロナ禍により人々のライフスタイルが大きく変わった昨今。特に飲食業界では夜の営業時間が短くなり、多くの店舗がさまざまなアイデアを打ち出した。そのような環境下で10月1日、表参道にオープンしたミシュランひとつ星を2年連続獲得「SIO」の鳥羽周作シェフによる新形態レストラン「HOTEL’S(ホテルズ)」は、朝昼夜の全力3部営業で異なるスペシャリテが楽しめ、新たな朝食スタイルも提案。まさにホテルのような居心地の良い空間で楽しむ優雅なモーニングコースが反響を呼んでいる。その背景やこだわり、今後の展望について鳥羽シェフに聞いた。

コロナ禍で生まれた朝のフルコース

WWD:朝のフルコースを提案した背景とは?

鳥羽周作シェフ(以下、鳥羽シェフ):コロナ禍で緊急事態宣言を迎え、リモートワークが当たり前になり、僕たち飲食業界では夜の営業時間が短くなった上、朝型のライフスタイルを送る人も増えたように感じます。そこで、夜の営業時間を午前中にスライドできないかと考え、朝からディナー体験という朝専用フルコースを思いつきました。

 そもそも”ディナー”という言葉はただ単純に”夕食”を示すものではなく、語源を調べると“1日で一番大切にする食事のこと”を指すそうです。Twitterで発信してみたところ多くの反響があり、確信を得られたので、早速翌日に「SIO」での予約を開始しました。数日後から提供を始めました。今年10月にオープンした「HOTEL'S」でも朝からスペシャリテが楽しめます。ミシュランのお店の中でも朝、昼、夜の営業スタイルは珍しいという理由から、オープン時からさまざまなメディアにも取り上げていただきました。お客様からも「気持ちの良い1日のスタートが切られる」「コースだが量もちょうどよく、最後までおいしく食べられる」と好評です。

WWD:「どこの店舗でもサラダを一番大事にしている」と語る、鳥羽シェフ渾身のサラダへのこだわりが知りたい。

鳥羽シェフ:「モーニングスペシャリテ」含む全時間帯で共通して提供している“ホテルズサラダ”では、季節や仕入れ先のおすすめに応じて20種類以上の食材を使っています。野菜をはじめ、果物、ハーブ、キヌア、そしてドライフルーツやスパイスなど7種の食材を手作業でブレンドしたサラダのためのミックスナッツ“グッド ナッツ グッド サラダ(GOOD NUTS GOOD SALAD)”を使用し、一口ごとに違う味わいを楽しめるよう仕上げました。素材の味を活かすために、ホワイトバルサミコをベースとしたシンプルなドレッシングを和えています。

「架空のホテルのレストラン」で提供する期待を超えた感動体験

WWD:食事だけではなく、空間作りにも一層のこだわりが感じられるが、「架空のホテルのレストラン」というコンセプトにどのように紐づいている?

鳥羽シェフ:「レストラン体験=期待を超えた感動体験」だと考えています。そのため、 ユニフォーム、インテリア、食器など、感動体験を構成する一つ一つの要素を、それぞれの道で一流であるクリエイターに手掛けてもらうことにしました。またホテルでの食事の特徴の一つに、朝、昼、夜とそれぞれの時間帯でお客さまに合わせたお料理が提供されていることが挙げられます。それぞれの時間帯でスペシャリテを用意するように、音楽も朝、昼、夜と時間帯ごとに用意したいと考え、大沢伸一氏にプレイリストの作成を依頼しました。

 ユニフォームは、クリエイティブディレクターとして「ノンネイティブ(NONNATIVE)」デザイナーの藤井隆行氏にアドバイスをもらいセレクト。「そもそもレストランのユニフォームは、本当に日本人にフィットしているのか」と疑いながらイメージを固めました。強いていえば、テーマは90年代アメリントラッド。「HOTEL'S」のシンボルマークである鳥をモチーフに、テーマカラーのネイビーでまとめています。スタッフがはいているブーツはレッドウィングで、職人の足元を支えるというワークブーツ本来の居場所に戻しました。「レストランだけど、ゆるすぎず固すぎない」、居心地のよさを大事にしている「HOTEL'S」にぴったりと合うユニフォームになったと思います。

 食器は、陶芸家の鈴木麻起子氏が手掛ける「ラ メゾン デ ヴォン(LA MAISON DE VENT)」を特注しました。レストランで使われる食器の多くは、大きいことで料理の存在感を伝えているが、「HOTEL’S」は緊張感なくカジュアルな雰囲気を伝えたい。そして器に触れて温度を感じてもらいたいので、通常のお皿より薄く小さく、軽いサイズでオーダーしました。ブランドのシンボリックカラーかつ、「HOTEL’S」のイメージに合うターコイズブルーを中心に選んでいます。

 そして、美しい姿勢のまま胃を圧迫せずに料理を楽しめるテーブルセットなど、HOTEL'Sの家具は「マルニ木工」を採用しています。メンバー自らが工場に足を運び選んだ家具は、最高の食体験に欠かせません。

鳥羽シェフが目指す“飲食業界の新スタンダード”

WWD:“朝ディナー”を打ち出した上で、飲食業界の新たな可能性を見出したのでは。

鳥羽シェフ:緊急事態宣言下を通じて、たくさんの気づきがありました。「SIO」で始めた朝ディナーは、レストランに新しい収益の可能性をもたらしたと思っています。朝昼夜全力三部営業をかなえるレストランを作ることで、収益面で持続可能なモデルが作れるのではないでしょうか。

WWD:自身のnoteでも「愛ゆえに俺は厨房を去らねばならぬ」と語っているが、新スタンダードを確立するための課題とは。

鳥羽シェフ:このモデルでは、“シェフに依存することがない仕組み”を作らなければ継続的に営業していくことが難しいです。そのためには、感動を生むための料理やコースの作り方をスタッフに落とし込んでいく必要があり、スタッフの教育が非常に重要だと思います。もしこのモデルが可能になれば、属人的な営業から開放され、レストランを継続的に営業することができ、“おいしい!”という感動をたくさんの人々に伝えることができるはずです。新たなモデルを確立することは、最終的には新たな食文化をつくることにつながると考えています。食のプラットフォームとなれるように、今後も事業を展開していきたい。バラバラの点を線に、そして線と線とつないで面にしていくことで、より豊かで美味しい世界を作れたら、と思っています。

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ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。” 第1回「姫路レザー」

 僕は、2020年に他界したデザイナー・プロデューサーの山本寛斎のもとで、約25年にわたって仕事をともにした。ファッションのデザインはもちろん、国際博覧会をはじめとしたイベントの企画演出、地方創生事業など、国内外でさまざまなプロジェクトを手掛ける中で、大都市から秘境の地まで、色々なところへ足を運んだ。寛斎と過ごした宝のような日々は、モードの文脈におさまらない、古今東西の名品、匠の技、名も知れぬ人々の素晴らしい手仕事と、ものづくりに携わる熱い方々との出会いの日々でもあった。そして、その地ならではの歴史や風土に根付いた文化と、人々の営みに触れる中で、たくさんの“ときめき”があった。

 昨年からのパンデミックによって、大都市一極集中の社会に少しずつ変化が表れている。人々の価値観や生活様式が見直され、最近では“地方の暮らし”にスポットライトを当てた取り組みを目にするようになった。都市と地方の在り方は、今後さらに変容していくだろう。

 地方には、全国的にほとんど知られておらず、その地に暮らす人々ですら気付いていない魅力がたくさんある。僕は、寛斎と僕が魅了された日本各地の素晴らしい伝統や文化を、地元の方々にもっと誇りに思ってもらいたいし、少しでも多くの方に知ってほしい。そして、さまざまな価値観がアップデートされ、以前にまして“多様性”が模索される今だからこそ、この連載を通して、僕が地方で出会った様々な「ときめき」をお伝えできたらと切に願っている。

第1回:ときめく姫路レザー

  僕は、姫路についてお城とけんか祭りと高田賢三さんの出身地であることくらいしか知らなかった。それから姫路の革産業と深く関わり、産地にも赴くようになったきっかけは、10年ほど前に寛斎と「たばこと塩の博物館」(当時は渋谷の公園通りにあったが、現在は墨田区横川へ移転)を訪問したことだった。そこで、江戸時代の金唐革(きんからかわ)を使用した装飾性の高い“たばこ入れ”を拝見し、その後日本の皮革産業について研究を重ねる過程で、姫路と革の歴史について知ることとなった。

1000年の歴史を持つ皮革産地

 諸説あるが、姫路を中心とする播磨(はりま)地域の皮革産業は、平安時代の文献にも記述が残っており、1000年以上の歴史を持つと言われている。今では日本最高クラスの品質と生産量を誇り、90を超えるタンナー(なめし業者)をはじめ、200以上の工場が集積している。市内を流れる市川は水流も穏やかで河原も広く、また温暖で雨の少ない瀬戸内海特有の気候に恵まれていたことや、大阪や京都など、政治や経済の中心地から近かったことも、その発展に寄与した。ちなみに、酒米品種の最高峰とも名高い“山田錦”もこの地域で作られており、姫路城下には美味しい日本酒を作るたくさんの酒蔵がある。05年に山本寛斎がプロデュースした「愛・地球博」のオープニングイベントでは、姫路を代表するお祭りである“灘のけんか祭り”を演出に起用した。さまざまな縁があり、何度か姫路に足を運ぶ中で、タンナーの方々ととても親しくなった。上京の折には弊社にも立ち寄ってもらい、みなさんから夢や熱い思い、時には愚痴も(笑)聞きながら、良い関係を長年築いてきた。

 19年には、日本最大級の皮革の展示会である東京レザーフェアの50周年を祝うプロジェクトで協業した。姫路をはじめ、全国各地から集めたレザーを使用した革半纏に、浅草の小学生たちに自由に絵を描いてもらい、それを羽織って都内の高校生たちがダンスを披露した。子どもたちが絵付けした革半纏は、イタリアで開催される世界最大級の革の展示会リニアペレ(LINEA PELLE)に展示された。同年に大英博物館で開催された別のプロジェクトでも姫路産の革(以降、姫路レザー)を紹介する機会があり、それらの衣装もその後1カ月ほどJR姫路駅に展示された。

 先日、2年ぶりに姫路を訪れた。目的は「姫路で鞣した革に、金沢の金箔を施したい」という相談だった。タンナーの方々と、ああでもない、こうでもないと話を進める中で、改めて姫路レザーにかける職人の思いに触れ、この連載の初回にぴったりの“ときめき”を感じたのだった。

姫路レザーを活かした自社ブランド展開と
世界へのアプローチ

 昨今、多くの産地がOEMだけに留まらず、自社の製品づくりに力を入れている。姫路のタンナーさんに話を聞くと、「市場が縮小している中でタンナー各社が技術力を競い合い、仕事の奪い合いを続けていても全体的に疲弊していくだけだ」と強い危機感を持っていた。とはいえ決して悲観的ではなく、新たな素材開発や加工技術を磨き、それぞれが独自の活路を見出していた。

 例えば「新喜皮革」は40年以上前、先代の好奇心をきっかけに、飽くなき研究と技術の研鑽を重ね、日本で唯一コードバンを原皮の仕入れから一貫生産している。今年9月にトップに就任した新田芳希社長は、新たにファクトリーブランド「ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー(THE WARMTHCRAFTS-MANUFACTURE)」を立ち上げ、製品販売を行っている。また、趣味の釣りをきっかけに、「琵琶湖のブラックバス」や「近大マグロ」の皮をなめして商品化するという、新たな挑戦も始めていた。

 若い世代のタンナーの皆さんにも話を聞くと「世界に売りに行きたい!」と、目を輝かせながら答えてくれた。コロナの影響で展示会が軒並み中止となってしまったことも影響しているが、そもそも日本でなめされた革は、縫製を海外で行うことはあっても、最終的に日本で販売されることが多いという。「日本の高い技術力はもとより、炭染、藍染、柿渋染といった日本らしい加工を施し、独自の付加価値を持ったメイド・イン・ジャパンの革を生産する――そんな思いを、姫路のタンナーで一丸となって発信したい」。若い世代だからこそ、タンナー同士の“横のつながり”を深め、今までとは異なる“世界へのアプローチ”を模索している。

 若い世代のタンナーの皆さんにも話を聞いた。「世界に売りに行きたい!」と目を輝かせながら答えてくれた。コロナの影響で展示会が軒並み中止となってしまったことも影響しているが、そもそも日本でなめされた革は、縫製といった行程を海外で行うことはあっても、最終的に日本で販売されることが多いという。「日本の高い技術力はもとより、炭染、藍染、柿渋染といった日本らしい加工を施し、独自の付加価値を持ったメイド・イン・ジャパンの革を生するーーそんな思いを、姫路のタンナーで一丸となって発信したい」。若い世代だからこそ、タンナー同士の“横の繋がり”を深め、今までとは異なる“世界へのアプローチ”を模索している。

姫路の革産業の歴史と文化を
後世に遺していく

 皮革の歴史を研究している林久良先生に話を聞くと、「姫路の革は、室町時代は武具に用いられ、安土桃山時代の織田信長や、江戸時代に日本を訪れた医師シーボルトも称賛する」と、高い評価を得てきたそうだ。そして、寛斎と僕が革に魅了されるきっかけとなった姫路の“金唐革”は、1873年のウィーン万博や1900年のパリ万博でも発表され、日本が世界に誇る工芸品だったという。姫路の革の収集や研究を始められたきっかけを聞くと、「姫路の革産業とは何なのかを改めて見直し、その歴史と文化を後世に遺していきたい」と話してくれた。姫路レザーは、まさに日本の皮革産業の原点であり、日本文化に大いに貢献してきたのだと、熱く語っていた。

 SDGsや動物愛護の観点から、昨今の皮革産業を取り巻く環境は複雑だ。しかし、姫路をはじめとした日本の皮革業者が扱う革は食肉用動物の副産物であり、循環型の資源である。日本の皮革産業は「SDGs」という言葉が生まれるずっと前から、日本人が大切にしてきた“自然への感謝や畏敬の念”といった価値観が反映されており、近年では生産工程においても環境に配慮した取り組みが始まっている。

真のインターナショナルとは、
自分たちのアイデンティティを深く知ること

 皮革産業のみならず、生産・問屋・小売りも含め、アパレル産業を取り巻く環境は非常に厳しい。そんな渦中にあっても、姫路滞在中に出会った職人さんは、老いも若きも皆きらきらと輝いていた。

 「世界中の人々に、ニッポンでも素晴らしい革がつくれることを知ってほしい」という彼らの想いに触れ、かつて寛斎が「真のインターナショナルとは、自分たちのアイデンティティを深く知ること」と言っていたことを思い出した。これは僕にとって、世界に向けてクリエーションをする上で最も大切なことだと思っている。だからこそ、この地の産業を担っていく若い世代には、長い歴史を持つ“姫路レザー”について、より一層深く掘り下げてもらい、そのアイデンティティを武器に海外で勝負してほしいと強く願う。若い世代の彼らが、姫路レザーを世界で発表することはさほど難しいことではない。しかし彼らが目指しているのは、多様な価値観を持つ姫路のタンナーが一丸となって世界で戦っていくことなのだ。

 ほかにも、長年ともに走ってきたメーカーや、問屋との関係も大切だ。僕が出会った若い世代の人たちは、近い将来のために、骨の折れるような土台づくりをしていた。この地で先人たちの鞣しの技術が今日まで発展しながら伝承され、古代と現在が「革」によって脈々と繋がっていること、これは世界にとっても貴重な技術遺産であり、日本人にとっての宝といえる。そういった文化や伝統を、ニッポン人の一人として誇りに思う。

 姫路レザーをはじめ、日本全国の革の魅力と、熟練のものづくりが感じられる日本最大規模の革の展示会「第102回 東京レザーフェア」は、12月1~2日に東京・浅草で開催される。半世紀以上にわたって開催されてきたこの展示会は、コロナの影響により今年は2年ぶりの開催だ。この機会に、ぜひ足を運んでほしい。

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ヴァージル氏を悼む声 ファレル・ウィリアムスやヘイリー・ビーバーらがSNSに思いの丈を綴る

 11月28日、デザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏が死去した。41歳だった。同氏の公式インスタグラムによると、2019年に心臓血管肉腫というがんを診断され、以来闘病生活を送っていたという。

 ヴァージル氏は米イリノイ州シカゴ生まれ。大学では建築関係を学んだ。12年に音楽プロデューサーのカニエ・ウエストと出会い、同氏が設立したクリエイティブエージェンシー、ドンダ(DONDA)のクリエイティブディレクターに就任。グラフィックデザインにも精通していたほか、DJや建築家など多方面で才能を発揮した。13年に自身のブランド、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフホワイト)」を設立。18年3月には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに抜擢され、ストリートとラグジュアリーファッションを融合するようなデザインを生んだ。

 同メゾン初の黒人デザイナーとして「ルイ・ヴィトン」や業界の歴史に名前を刻んだほか、社会的問題にも積極的に声を上げてきたヴァージル氏。音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)やモデルのヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)、女優のシンシア・エリボ(Cynthia Erivo)、ラッパーのドレイク(Drake)らによる哀悼の声を紹介する。

 ウィリアムスはヴァージル氏の写真を載せ、「胸が痛い。ヴァージル、あなたは優しくて寛大で思慮深い、クリエイティブの天才だった。業界に残した功績と、あなたの思いは永遠に生きるだろう。あなたの妻や子ども、家族、そして周りのみんなに愛と光を贈る。主とともにあらんことを。ずっと輝いて」とキャプションで添えた。

 ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)と19年に挙式した際、ヴァージル氏がデザインを手掛けた「オフホワイト」のオーダーメイドドレスを着用したヘイリーもSNSで自身の思いを投稿。そのドレスを着たツーショットとともに、「ヴァージルは、私のストリートスタイルやファッション全般に対する見方を完全に変えた人物。彼の物事の捉え方は私に深い影響を与えた。ランウエイに起用してくれたり、ウエディングドレスをデザインしてくれたりして、彼と出会えて一緒に仕事をできたことが本当にうれしい。いつも私のことを支えてくれた」とコメント。「彼は存在するだけで、どんな状況でも人生の素晴らしさやカリスマ性、愛と楽しさをもたらしてくれた。これほどのクリエイティビティを持つ人物は、一世代に1人しかいない。愛を込めて」。

 詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)は、ヴァージル氏が自身の祖母にインスピレーションを受けて、ゴーマンのために手掛けたルックについて振り返る。「私たちは大きなものを失ってしまった。あなたの才能と魂は惜しまれることだろう。あなたに出会い、あなたの祖母への敬愛を込めてデザインされた美しい一着を身につけられたことを光栄に思う。あの時、私は過去や現在を超越するデザインを生み出すようなデザイナーの作品を着るという名誉な経験をさせてもらった。同氏のかつての言葉を引用すると、古い絵が消されたところにこれからも新しい絵を描いていこう」と語った。

 セレブリティーや著名人からはほかにも突然の死を受けて、ヴァージル氏への追悼の投稿が寄せられている。

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スノーピークのアパレルが宇宙服に シタテルと共同開発

 スノーピークとシタテルが共同企画した宇宙船内服“宇宙と地上双方の暮らしをアップデートする衣服”が、JAXAの国際宇宙ステーション(ISS)の生活用品に選出された。2022年を目処にISSで実際に使用される予定だ。

 両者が共同開発した宇宙船内服は、丸首のロングスリーブTシャツとロングパンツの2型で、地上と宇宙空間を越えた“究極のノンストレス・ウエア”として企画した。ホールガーメントの無縫製生地をメインに採用し、素材はニッケファブリックが開発したウールポリエステル素材“アクシオ(AXIO)”を使って着心地の良さを追求した。蒸れと匂いを軽減するウールの特性を生かしながら、優れたストレッチ性と柔らかな肌触り、毛玉防止機能を備えている。

 スノーピークは“自然志向のライフバリューを提案し、実現する”という目標を掲げ、キャンプギアを通して自然と人々の生活をつないできた。シタテルは、アパレル業界内外の事業者を結びつけ、宇宙空間に適した衣服を開発する目的で、JAXAの事業共創プラットフォーム「シンク スペース ライフ(THINK SPACE LIFE)」に2020年から参加していた。両者は昨年夏に共同開発をスタートし、同製品を企画。今年2月にISSの生活用品の候補に選ばれた後、宇宙飛行士によるプロトタイプの確認や安全性・搭載性などの審査を経て、正式に選出された。同商品のほか、ワコールの靴下“アストロソックス”やライオンのすすぎが簡単なハミガキ”なども選ばれている。

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Nロゴのない“574” 「東京デザインスタジオ ニューバランス」の人気モデルがブラックカラーに

 「東京デザインスタジオ ニューバランス(TOKYO DESIGN STUDIO NEW BALANCE以下、TDS)」は、“TDS 574”の第3弾となるブラックカラーを12月4日に発売する。価格は税込3万800円。サイズは23.0〜29.9cm、30.0cmで、ワイズはDのみ。

 “TDS 574”は、「ニューバランス」のアイコン“574”を「TDS」が再解釈したモデル。“Nロゴ”をなくしたアッパーと、革靴に用いるコバやビブラム社製のシャークソールが特徴だ。新色のブラックは、アッパーにスムースレザー、ヌバックレザー、スエード、メッシュの異素材を用いて、ワントーンでも奥行きのある雰囲気に仕上げた。

 販路は、東京・日本橋浜町の「ティーハウス ニューバランス(T-HOUSE New Balance)」や「ニューバランス」公式オンラインストアをはじめ、ディストリクトユナイテッドアローズ、ミタスニーカーズ、キス トウキョウ(KITH TOKYO)、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)公式オンラインストアなどで扱う。

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頭が大きい人のための帽子ブランド「アンネームドヘッドウェア」が絶好調 元ZOZO社員が立ち上げ

 “頭が大きな人”に向けたヘッドウエアブランド「アンネームドヘッドウェア(UNNAMED HEADWEAR)」が売れている。昨年9月にクラウドファンディング「マクアケ」でブランド立ち上げのサポートを募ると、目標の20万円を大きく上回り、4日間で300万円を調達した。その後、公式サイトを開設し、新作入荷のたびに完売が続出。入荷待ちリストに100人近くの名前が連なることもある。平均月商は600万円前後だ。

 同ブランドの商品企画から生産管理、サイト運営、梱包・発送まで1人で行うのが、渡邉貴浩ディレクターだ。渡邉ディレクターはZOZOでEC運営と物流の経験を積み、31歳で独立。コンプレックスだった大きな頭に勝機を見出し、同ブランドを立ち上げた。「入ればいいってもんじゃない」と語る帽子デザインのこだわりと、コンプレックスを逆手にとったマーケティング戦略について聞いた。

きっかけは単純な疑問
「帽子の“フリーサイズ”って何?」

WWD:「アンネームドヘッドウエア」を立ち上げた理由は?

渡邉貴浩ディレクター(以下、渡邉):僕の頭にフィットする帽子がなかったからです。靴や服って複数のサイズが用意されているのに、帽子はフリーサイズが当たり前。いやいや、フリーサイズって何?27.0cmしか扱わない靴屋があったらイヤでしょ?(笑)と思って始めました。

WWD:後頭部のアジャスターで、ある程度はサイズ調節できるのでは?

渡邉:そう言う人も多いんですけど、入ればいいってもんじゃないんです。デコが広くて頭が長い人は高さのある帽子が似合うし、ハチが張って頭周りが大きい人は、被り口が広くて浅めのキャップがいい。世の中にはいろんな頭がある。僕は、それぞれのニーズに応えたいんです。

パッと見は「ほぼ一緒」
それでもこだわる
帽子の“高さ”

WWD:アイテムのこだわりは?

渡邉:同じ型でハイ、ミドル、ローの3種類の高さを用意しています。パッと見ほぼ一緒なんですけど、深さが微妙に違っていて、ツバの大きさも最適なバランスに設計しています。提携先の工場に協力してもらいながら、サンプルを何度も確認して、納得のいくアイテムに仕上げます。素材もこだわっていて、最近はコットン100%のカツラギをよく使います。厚手で重厚感があり、チープに見えないのがポイントです。大きめのキャップってネットで探せば見つかるんですけど、どれもアイデア商品というか、サクッとつくったものばかり。「アンネームドヘッドウェア」は、大きめだけど、モノづくりもしっかりしているところが強みです。

WWD:型数は今後増やしていく?

渡邉:現在、10型弱とそれほど多くないので、今後はもっと増やそうと思っています。例えばフェルトのハットとか、キャケットとか。今はサファリハットを開発中です。インスタのDMで「この形を作って!」とお客さまの声が頻繁に届くので、「その声を無下にはしない」と実際の企画に反映しています。

WWD:サイト立ち上げから入荷と完売を繰り返し、最近ようやく在庫が安定してきた印象だ。

渡邉:おっしゃる通りです。そもそも「マクアケ」での資金調達は2カ月を予想していたのに、4日でリターン枠が埋まっちゃって。大量のウェイティングリストができました。一般販売しても供給が追いつかず、「まだ売り切れですか?」とDMが届くような毎日でした。今は即完売のアイテムも減ってきて、一定の在庫を置けるようになりました。ニッチな市場だと思っていたのですが予想以上に大きなニーズがありました。

ZOZOでECの裏方を経験
学生時代は“ササゲ”に捧げる

WWD:ZOZOから独立してブランドを立ち上げた経緯は?

渡邉:大学在学中にZOZOでアルバイトを初めました。業務は、商品の撮影や採寸、原稿という、いわゆるECの“ササゲ”です。週5で働き、学生時代をササゲに捧げました。みんなが就活している時も、「正社員になれるのでは?」とバイトばかりしていたら、運良く社員登用制度で正社員に採用されました。正社員1年目はカメラマンとして毎日撮影ばかり。その後、撮影や管理、商品の出荷、梱包などの現場や管理職などを経験しました。ECの裏側は一通りやりましたね。

WWD:そこからプロダクトを作りたくなった?

渡邉:「自分で何かやりたい」と思い独立しましたが、当初は帽子と決めていたわけではありませんでした。最初はインフルエンサーを起用したウィメンズアパレルをやろうと、事業計画書を綿密に作り込んで公庫と面談し、事業をスタートさせました。でもZOZOとは勝手が違って、自社サイトにお客さまが全く集まらず、売り上げが立たなかった。在庫もかなり積んだのに、全く動かない。「これはやばい」と、なんとなく構想していた帽子の事業を1〜2カ月で詰めて、クラウドファンディングに着手しました。

コンプレックス商材でも
嫌悪感を抱かれないSNS戦略

WWD:「アンネームドヘッドウェア」はいわゆるコンプレックス商材にも分類されるが、マーケティングで気をつけていることは?

渡邉:ブランド名は何度も考え直しました。サイジングが最大の特徴なので、それに関連する名前をつけようとしたのですが、例えば「ビッグキャップ」なんて名前だったら、友達にバレたら恥ずかしいし、自分じゃ買わない。ならば、「名前なし」をブランド名にしちゃおうと、「アンネームド」に決めました。あとはSNSの打ち出し方も気をつけています。個人アカウントで「頭の大きな人向けに帽子作っています」と全面にアピールする一方で、ブランド公式アカウントでは“オリジナルサイズヘッドウエア”としか謳っていません。その方が、ユーザーがシェアしやすいし、フィード投稿を見ても嫌悪感を抱かないはず。コンプレックス広告なども問題になってますよねが、気持ち良いプロダクトや広告の方が刺さると考えています。

WWD:今後の展望は?

渡邉:まずはアイテムを増やしたい。お客さまが、自分のキャラクターを踏まえて帽子を選べるようにしたいです。それと、オフラインでコミュニケーションできる場を作りたい。実際に被り比べて、初めて納得して買ってもらえる商材なので、ポップアップや試着専用のショールームなどを用意しようと構想しています。最近法人化したから、いろいろと動きやすくなるはず。帽子が似合わないとお悩みの皆さん、ぜひ期待してください。

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天然繊維を選びたい?麻にも種類が!? マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.38

 サステナビリティの観点から「天然素材」というアプローチをよく目に、耳にすることが多くなった。洋服を選ぶときの基準として、「天然素材」と聞くとなんだかとっても環境にいいもののようにも感じる。今回は、その中でもみんなからよく聞かれる「麻」についてのお話。

 天然素材の中でもよく使われるのは、綿か麻だろう。「コットンはオーガニックを選ぼう!」という話は何度もしているが、対する麻という素材も奥深い。スーパーヒーローのような素材だ。

 麻科の植物には、30以上の種類がある。衣類でよく見るのは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)、そしてヘンプ(大麻)だ。どれも決して安くないが、世界中で古くから使われてきた丈夫な繊維だ。実際古い衣類を紐解いていくと、退化しやすい綿素材はほとんど残っておらず、一方の麻素材は調査資料として残っていることが多い。繊維自体の耐久性がうかがえる。つまり長~く着用できるのだ。

 リネンとヘンプは、一年草といって一年の周期で花が咲いて枯れていく。ただしリネンは土の栄養を一気に吸収してしまうため、同じ場所で栽培し続けることが難しい。土をダメにしてしまうのだ。土の生き返りには5~7年の歳月がかかると言われる。毎回別の場所で栽培しなくてはいけないため、広大な土地が必要になることも割高な理由の一つだ。一方、同じ一年草でもヘンプは「輪作」できる。同じ耕地に一定年限ごと、違った種類の作物を特定の順序なら栽培できるのだ。まさにサーキュラー型の植物だ。

 ラミーは多年草、2年以上同じ株から花を咲かせる植物だ。葉は枯れずに冬でも残るが、収穫に数年を要し、通常はリネン同様、農薬と化学肥料が必要だ。対するヘンプには農薬なしでもグングン育つ特徴があると言われる。さらに赤外線防止指数は、リネンが5%くらいなのに対し、ラミーは25%、そしてヘンプはなんと50%!栽培できる気候条件もリネンは冷帯、ラミーは熱帯のみなのに対し、ヘンプは基本どこでも大丈夫だ(北極や南極などは除く)。大気中の二酸化炭素を大量に吸収し、年間降水量が100mm程度と極めて少ない場所でも育つと言われ、緑化にも貢献する。

 とスーパーサーキュラーヒーローなヘンプだが、なかなか選びづらいのは、ルール化された品質表示では「麻」と表記できないから。「麻」と表記できるのは、リネンとラミーだけ。ヘンプは「その他の繊維」となってしまう。価格も大きな課題だ。

 ヘンプを使用しながら価格を抑えているブランドとしてオススメなのは、オーストラリアのブランド「アフェンズ(AFENDS0)」。積極的にヘンプとオーガニックコットン、リサイクル素材を取り入れ、表記も可視化できる。ジェンダーを問わず、価格帯は6000円台から1万円前後がメーン。オーストラリア特有のお洒落感とストリート感でデイリーユースにぴったりだ。現在海外では、ファストファッションの代替ブランドとしても注目を集めている。

 そんな「アフェンズ」は半年前、自国に100エーカーの土地を買ってヘンプの栽培をスタート。その需要と研究のための活動も開始した。ヘンプの茎は建材になる。1つのファッションブランドが大きなアクションを起こしていることに、未来への期待が広がる。しっかりとした知識を学びファッションを楽しむことは、地球を救う一つのアクション。ワクワクした未来を、ファッションと一緒に楽しみながら、期待し、着たい。

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「ボルトルーム」 × 「ゼータディビション」第2弾 [Alexandros]の川上洋平をビジュアルに

 東京発の招待制ゲームルーム「ボルトルーム(VAULTROOM)」は、プロゲーミングチーム「ゼータディビション(ZETA DIVISION)」とのコラボアイテム第2弾を11月27日に両者の公式ECサイトで発売する。

 アイテムは、「ゼータディビション」のブランドロゴと「ボルトルーム」のキャラクター”ボルト君”を掛け合わせた刺しゅうロゴフーディー(税込1万9800円)や、同チームに所属する人気ストリーマーのk4senがCEOを務める映像制作・デザインなどの合同会社、電影Lab.にフィーチャーしたTシャツ(同8800円)、“DO NOT JOIN”の文字が付いたTシャツ(同8800円)をそろえる。なお限定カラーとして、「ボルトルーム」でロゴフーディーのベージュを、「ゼータディビション」でピンクをそれぞれ販売する。

 イメージビジュアルには、人気ロックバンド[Alexandros]でフロントマンを務める川上洋平を起用した。

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「デサント」と「リーガル」がコラボしたシューズを発売 両ブランドの工場で製造

 「デサント(DESCENTE)」は、「リーガル(REGAL)」とコラボしたユーティリティシューズ(税込3万6300円)を11月29日に発売する。ファッション性の高いアイテムを扱う直営店「デサント ブラン(DESCENTE BLANC)」の一部店舗、「リーガル」の一部店舗と公式オンラインストアで取り扱う。

 両ブランドがシューズの製造過程に関わっており、「デサント」がアッパーの成形の熱圧着加工を行い、「リーガル」が底付けをする。偶然にも両ブランドが岩手県奥州市(水沢地区)に工場を有していることで、コラボレーションが実現したという。

 機能性を備えながらも、フォーマルな場面でも着用できるデザインだ。サイズは24〜27cm、カラーはブラックを用意する。

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「デサント」と「リーガル」がコラボしたシューズを発売 両ブランドの工場で製造

 「デサント(DESCENTE)」は、「リーガル(REGAL)」とコラボしたユーティリティシューズ(税込3万6300円)を11月29日に発売する。ファッション性の高いアイテムを扱う直営店「デサント ブラン(DESCENTE BLANC)」の一部店舗、「リーガル」の一部店舗と公式オンラインストアで取り扱う。

 両ブランドがシューズの製造過程に関わっており、「デサント」がアッパーの成形の熱圧着加工を行い、「リーガル」が底付けをする。偶然にも両ブランドが岩手県奥州市(水沢地区)に工場を有していることで、コラボレーションが実現したという。

 機能性を備えながらも、フォーマルな場面でも着用できるデザインだ。サイズは24〜27cm、カラーはブラックを用意する。

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「デサント」と「リーガル」がコラボしたシューズを発売 両ブランドの工場で製造

 「デサント(DESCENTE)」は、「リーガル(REGAL)」とコラボしたユーティリティシューズ(税込3万6300円)を11月29日に発売する。ファッション性の高いアイテムを扱う直営店「デサント ブラン(DESCENTE BLANC)」の一部店舗、「リーガル」の一部店舗と公式オンラインストアで取り扱う。

 両ブランドがシューズの製造過程に関わっており、「デサント」がアッパーの成形の熱圧着加工を行い、「リーガル」が底付けをする。偶然にも両ブランドが岩手県奥州市(水沢地区)に工場を有していることで、コラボレーションが実現したという。

 機能性を備えながらも、フォーマルな場面でも着用できるデザインだ。サイズは24〜27cm、カラーはブラックを用意する。

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ファンと”共創” ライブコマーサーももちの「ブランドの作り方」

 SNS総フォロワー数66万のインフルエンサー、ももち(牛江桃子)のプロデュースするアパレルブランド「リル アンビション(Lil Ambition)」が11月27日にローンチする。商品の企画やデザイン、生産、ECサイト構築、物流はエニーマインドグループ(AnyMind Group)が支援する。パルグループの人気ファッションブランド「カスタネ(KASTANE)」の元アパレル店員で現インフルエンサー、ライブコマーサーという背景を持つももちが、ファンとの共創により生み出した、まさに今の時代を象徴するブランドだ。

 ブランド名には“小さな野望(Little ambition)”の意味を込めた。ももちは「夢はすぐ叶えられるものじゃなく、一歩踏み出すのも勇気がいる。この服を着ることで自分に自信を持ち、小さな野望を叶えてもらい、さらに一歩踏み出して大きな野望を叶えて欲しい」とコンセプトを語る。そのため、ファーストコレクションではコンプレックスを解消して自信が持てる、“細見え”服を5型、アクセサリー3点を揃えた。

 「リル アンビション」の“野望の後押し”は服にとどまらず、10月にはブランドメンバー、リル アンビションプレス(以下、リルプレス)を募集した。ももちは「ファンの子から、SNSで活動したいが不安がある、周りの目が気になるという声を聞き、夢を叶える一歩として募集した。リルプレスには一緒にブランドを盛り上げてもらい、コーディネートをSNSに投稿してもらう。そうやって小さな野望を叶えていく活動」だと説明する。

 募集開始からわずか10日間で約1000人の応募があり、その中から10人が選ばれた。メンバーは既にスナップ撮影や一般客向けの展示会スタッフ、またブランドのライブ配信などで活動している。

 メンバーは低身長から高身長まで身長別に選ばれ、リアルなモデルとしても活躍。「採用基準は熱意。書類応募では作文のように夢や野望を語ってくれて、面接ではボードを掲げてプレゼンする子までいた。私自身、人間性や熱意を大事に活動している。熱意があるから行動や拡散につながると思う。とにかく熱意が大事」。

 こうした熱意を受けるのは、これまでの発信の影響だ。「私の人生がブランドコンセプトにも反映されている。ニートだったこと、アパレル販売員だったこと、挫折したこと…話してきた人生観に共感して、ブランドのファンになってくれた人もいる」。ただし、届けたい相手は自身のファンだけではない。「誰もが“小さい野望”を持ったことがあると思う。ファンだけに届けたいとは考えていないので、ルックにも私は出ず、“ももち感”を出さないようにしている」。

共創にはファンが参加する“仕掛け”が大事

 ブランドはファンとの共創を重視し、参加しやすい“仕掛け”を生み出し続ける。「ライブ配信でも『コメントしてね』と言っただけでは、相手はコメントできない。『今この商品について、この色をどう思うか、はい・いいえでコメントをしてね』など、具体的にお願いする必要がある」。

 展示会前には、コーディネートをSNSでシェアするための共通ハッシュタグを、ファンと考える配信を実施。「配信前日にインスタグラムの質問機能で案を募集。ライブ中にピックアップしながら『これとこれなら、どれがいいかな?コメントで教えてね』と具体的に投げかけて決めていった」。こうした活動は単発ではなく、商品作りから売り方まで、すべてストーリーでつなげていくことが共創においては重要だといい、「リル アンビション」ではファーストサンプルの段階からファンの声を聞くライブ配信を実施した。

 配信ではさまざまな意見が届くため、多様な意見が対立することもある。実際、ファーストサンプル配信の時にも丈の長さに関して意見が出た。「服の丈については好みの問題。すべてを服に反映するだけでなく、服のバランスを見て意見を取り入れる。反対の意見を下さった方には、ライブ配信で『どう着るか』を提案する」。

 例えば長いスカートに対して短い丈を望む声があれば、短い丈を好む人にマッチする着こなし方、靴などの合わせ方を紹介する。「意見をもらえると、何を不安に思うのか知ることができる。その不安をライブ配信で解消すれば、心が動いて買ってくれる。こういった提案は動画や投稿じゃなく、ライブ配信でやるほうがいい」。

「ワクワクさせるのがライブコマース」

 ももちはブランド設立以前から“毎日22時から生配信を行うファッションライバー”として、連日配信を続けており、ライブ配信で紹介したものが即完売する「#ももち買い」という消費行動も起きた。過去には他社コラボの服が数日で7000着売れたという。そんなももちのライブ配信のコツが“想像”だ。

 「お客さんに想像させるワードを出すようにしている。例えば、『この服に白のニットを合わせたら可愛くないですか?それにイヤリングもつけて、ヘアをアップしたら可愛いですよね』とか、具体的にコーディネートを想像できるようにする。ライブ配信だとコメントで色々意見をもらえるので、それにまた別の提案で返す」。この技はアパレルスタッフ時代からのものだといい、「お客のワードローブは店舗にはないので、言葉で想像してコーディネートを完成させるのは同じこと。そして着ていくシーンまで想像してもらう。ワクワクさせるのがライブコマースだと思っています」。

 当然「リル アンビション」でもライブ配信を重視し、ローンチ前も連日配信を行う。毎日ライブ配信を続けた。毎日同じ時間に配信するのは、見ている人のルーティン化するため。朝にニュース番組がやっているように、22時は“ももち配信”と覚えてもらう。

 それでもマンネリ化しないコツは、「ライブ配信の内容もファンから募集する。自分が考えた内容が配信されていたら見たくなる。自己満じゃなく、常にファンが見たい企画をする。参加形にすると飽きることがなくなるはず」。コミュニケーションを引き出し、一緒に考え、提案する。ももち流のライブコマース術が、「リル アンビション」を服だけじゃないブランドに育てていく。

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ファンと”共創” ライブコマーサーももちの「ブランドの作り方」

 SNS総フォロワー数66万のインフルエンサー、ももち(牛江桃子)のプロデュースするアパレルブランド「リル アンビション(Lil Ambition)」が11月27日にローンチする。商品の企画やデザイン、生産、ECサイト構築、物流はエニーマインドグループ(AnyMind Group)が支援する。パルグループの人気ファッションブランド「カスタネ(KASTANE)」の元アパレル店員で現インフルエンサー、ライブコマーサーという背景を持つももちが、ファンとの共創により生み出した、まさに今の時代を象徴するブランドだ。

 ブランド名には“小さな野望(Little ambition)”の意味を込めた。ももちは「夢はすぐ叶えられるものじゃなく、一歩踏み出すのも勇気がいる。この服を着ることで自分に自信を持ち、小さな野望を叶えてもらい、さらに一歩踏み出して大きな野望を叶えて欲しい」とコンセプトを語る。そのため、ファーストコレクションではコンプレックスを解消して自信が持てる、“細見え”服を5型、アクセサリー3点を揃えた。

 「リル アンビション」の“野望の後押し”は服にとどまらず、10月にはブランドメンバー、リル アンビションプレス(以下、リルプレス)を募集した。ももちは「ファンの子から、SNSで活動したいが不安がある、周りの目が気になるという声を聞き、夢を叶える一歩として募集した。リルプレスには一緒にブランドを盛り上げてもらい、コーディネートをSNSに投稿してもらう。そうやって小さな野望を叶えていく活動」だと説明する。

 募集開始からわずか10日間で約1000人の応募があり、その中から10人が選ばれた。メンバーは既にスナップ撮影や一般客向けの展示会スタッフ、またブランドのライブ配信などで活動している。

 メンバーは低身長から高身長まで身長別に選ばれ、リアルなモデルとしても活躍。「採用基準は熱意。書類応募では作文のように夢や野望を語ってくれて、面接ではボードを掲げてプレゼンする子までいた。私自身、人間性や熱意を大事に活動している。熱意があるから行動や拡散につながると思う。とにかく熱意が大事」。

 こうした熱意を受けるのは、これまでの発信の影響だ。「私の人生がブランドコンセプトにも反映されている。ニートだったこと、アパレル販売員だったこと、挫折したこと…話してきた人生観に共感して、ブランドのファンになってくれた人もいる」。ただし、届けたい相手は自身のファンだけではない。「誰もが“小さい野望”を持ったことがあると思う。ファンだけに届けたいとは考えていないので、ルックにも私は出ず、“ももち感”を出さないようにしている」。

共創にはファンが参加する“仕掛け”が大事

 ブランドはファンとの共創を重視し、参加しやすい“仕掛け”を生み出し続ける。「ライブ配信でも『コメントしてね』と言っただけでは、相手はコメントできない。『今この商品について、この色をどう思うか、はい・いいえでコメントをしてね』など、具体的にお願いする必要がある」。

 展示会前には、コーディネートをSNSでシェアするための共通ハッシュタグを、ファンと考える配信を実施。「配信前日にインスタグラムの質問機能で案を募集。ライブ中にピックアップしながら『これとこれなら、どれがいいかな?コメントで教えてね』と具体的に投げかけて決めていった」。こうした活動は単発ではなく、商品作りから売り方まで、すべてストーリーでつなげていくことが共創においては重要だといい、「リル アンビション」ではファーストサンプルの段階からファンの声を聞くライブ配信を実施した。

 配信ではさまざまな意見が届くため、多様な意見が対立することもある。実際、ファーストサンプル配信の時にも丈の長さに関して意見が出た。「服の丈については好みの問題。すべてを服に反映するだけでなく、服のバランスを見て意見を取り入れる。反対の意見を下さった方には、ライブ配信で『どう着るか』を提案する」。

 例えば長いスカートに対して短い丈を望む声があれば、短い丈を好む人にマッチする着こなし方、靴などの合わせ方を紹介する。「意見をもらえると、何を不安に思うのか知ることができる。その不安をライブ配信で解消すれば、心が動いて買ってくれる。こういった提案は動画や投稿じゃなく、ライブ配信でやるほうがいい」。

「ワクワクさせるのがライブコマース」

 ももちはブランド設立以前から“毎日22時から生配信を行うファッションライバー”として、連日配信を続けており、ライブ配信で紹介したものが即完売する「#ももち買い」という消費行動も起きた。過去には他社コラボの服が数日で7000着売れたという。そんなももちのライブ配信のコツが“想像”だ。

 「お客さんに想像させるワードを出すようにしている。例えば、『この服に白のニットを合わせたら可愛くないですか?それにイヤリングもつけて、ヘアをアップしたら可愛いですよね』とか、具体的にコーディネートを想像できるようにする。ライブ配信だとコメントで色々意見をもらえるので、それにまた別の提案で返す」。この技はアパレルスタッフ時代からのものだといい、「お客のワードローブは店舗にはないので、言葉で想像してコーディネートを完成させるのは同じこと。そして着ていくシーンまで想像してもらう。ワクワクさせるのがライブコマースだと思っています」。

 当然「リル アンビション」でもライブ配信を重視し、ローンチ前も連日配信を行う。毎日ライブ配信を続けた。毎日同じ時間に配信するのは、見ている人のルーティン化するため。朝にニュース番組がやっているように、22時は“ももち配信”と覚えてもらう。

 それでもマンネリ化しないコツは、「ライブ配信の内容もファンから募集する。自分が考えた内容が配信されていたら見たくなる。自己満じゃなく、常にファンが見たい企画をする。参加形にすると飽きることがなくなるはず」。コミュニケーションを引き出し、一緒に考え、提案する。ももち流のライブコマース術が、「リル アンビション」を服だけじゃないブランドに育てていく。

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「マルジェラ」や「ジル サンダー」の親会社、業績はコロナ禍前に回復 2024年にIPOか

 「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するOTBは、2021年9月の売り上げは前年同月比21%増となっており、21年12月通期決算での売上高は前期比15%増の15億ユーロ(約1950億円)程度を見込んでいると発表した。

 同社によれば業績は全体に好調で、コロナ禍前の19年と同水準にまで回復している。中でも21年3月に傘下に収めた「ジル サンダー」は、22年春夏コレクションのメンズウエアの売り上げが前年同期比80%増、ウィメンズは同32%増となっており、既存店ベースでの売上高は同51%増だった。現在、同ブランドは世界で34店を構えているが、22年1月には上海の高級ショッピングモール、プラザ66(PLAZA 66)に出店するほか、近日中にニューヨークにも新たに店舗をオープンする予定。また、ミラノの旗艦店を新たなコンセプトに基づいてリニューアルする計画もあるという。

 レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTBプレジデントは、「ジル サンダー」を買収した際、「クリエイティブ面を変更するつもりはない」としつつも、同ブランドをさらに発展させるべく経営体制の見直しを視野に入れ、マーチャンダイジングを改善すると発言していた。その言葉通り、21年9月には、18年から「ジル サンダー」を率いてきたアクセル・ケラー(Axel Keller)前最高経営責任者(CEO)に代わり、OTBのウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)CEOが同ブランドの新CEOに就任した。なお、ミネッリ新CEOは引き続きOTBのCEOも務めている。

 OTBは以前から新規上場(IPO)に関心を示していたが、ロッソ=プレジデントはこのほど、24年にIPOを行う予定であることを明らかにした。

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「イケア」が10平方メートルのワンルームを1カ月99円で貸し出し サステナブルなアイデアも

 インテリア大手「イケア(IKEA)」は新宿の10平方メートルのワンルームを月々99円で貸し出すキャンペーン“タイニー・ホームズ 小さな部屋に、アイデアが広がる”を行う。同ブランドがコーディネートしたワンルーム1室を貸し出す。このキャンペーンには、限られたスペースでも居心地の良い部屋を作ることができるというメッセージが込められている。「イケア」はインテリアのスペシャリストとして最大限快適な住居空間を作るノウハウを紹介。コロナ禍で、経済的に影響を受けた若い世代が手軽にできる住居空間の工夫やサステナブルなアイデアが凝らされている。

 住居可能な期間は、12月15日〜2023年1月15日まで最大1年1カ月入居が可能だ。入居の申し込みは、イケア ファミリー メンバーへの登録が必要で、イケア公式ウェブサイトで11月24日〜12月3日受け付ける。光熱費や入退去費用は自己負担。

 「イケア」のSNSで人気のサメのソフトトイであるブローハイが不動産エージェント役を務め、日々、このキャンペーンについて発信する。

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「イケア」が10平方メートルのワンルームを1カ月99円で貸し出し サステナブルなアイデアも

 インテリア大手「イケア(IKEA)」は新宿の10平方メートルのワンルームを月々99円で貸し出すキャンペーン“タイニー・ホームズ 小さな部屋に、アイデアが広がる”を行う。同ブランドがコーディネートしたワンルーム1室を貸し出す。このキャンペーンには、限られたスペースでも居心地の良い部屋を作ることができるというメッセージが込められている。「イケア」はインテリアのスペシャリストとして最大限快適な住居空間を作るノウハウを紹介。コロナ禍で、経済的に影響を受けた若い世代が手軽にできる住居空間の工夫やサステナブルなアイデアが凝らされている。

 住居可能な期間は、12月15日〜2023年1月15日まで最大1年1カ月入居が可能だ。入居の申し込みは、イケア ファミリー メンバーへの登録が必要で、イケア公式ウェブサイトで11月24日〜12月3日受け付ける。光熱費や入退去費用は自己負担。

 「イケア」のSNSで人気のサメのソフトトイであるブローハイが不動産エージェント役を務め、日々、このキャンペーンについて発信する。

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「ケンゾー」のウィンターカプセルコレクションはシロクマ推し

 「ケンゾー(KENZO)」はこのほど、シロクマにフィーチャーしたウィンターカプセルコレクションを全国の直営店および公式ECで発売した。1990年代のアーカイブをベースにしたもので、ダウンジャケットやニット、スエットなどからなる。価格は税込1万9800~11万7700円。北極を思わせるスノーホワイトの色使いと、グレーやブラウンで優しく描写されるシロクマが特徴だ。

 同ブランドをめぐっては、9月20日付でNIGO®「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」創業者がアーティスティック・ディレクターに任命されたばかり。NIGO®新アーティスティック・ディレクターによるウィメンズ・メンズのデビューコレクションは、2022年1月のパリ・ファッション・ウイークで発表される予定だ。

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「エルメス」が新宿伊勢丹に世界初の“デュアルユニバース”店舗をオープン 売り場面積は4割増

 「エルメス(HERMES)」は11月23日、伊勢丹新宿本店の本館1階にあるブティックを半年間の改装を経てリニューアルオープンした。1995年にオープンしたブティックは、2014年に一度改装。今回は売り場面積を約40%増床し、「エルメス」にとって世界で初めての“デュアルユニバース”型店舗となった。設計は、パリのRDAI(レナ・デュマ・アルシテクチュール・ダ ンテリユール社)が手がけた。

 “デュアルユニバース”とは、大勢の買い物客に対応する空間と、上顧客らが望む親密な接客・サービスの双方を叶える空間の共存を意味する。シルクスカーフや化粧品などを販売する空間は、門構えを廃して開放的。一方、ウィメンズ&メンズのプレタポルテやレザーグッズ、ウオッチ&ジュエリーの売り場に通じるエントランスには、美濃焼のタイルを配したファサード(玄関)を設けた。内装も、前者の空間はネオンピンクのロゴサインやペールピンクの壁面、曲線的な天井など軽やかなのに対して、プレタポルテやレザーグッズの売り場は直線的でクラシカル。2つの異なる世界は、縦横無尽に行き来できる。

 エルメスジャポンの有賀昌男社長は、「今だからこそ、ブランドとして進化する必要がある。コロナでも、未来への投資は止めない」と大阪心斎橋、丸の内、表参道に続くブティックの改装に込めた思いを吐露。「フランスのデザインチームは、自宅待機の中でクリエイションにエネルギーを注ぎ、商品の進化が止まらない。その真価に合わせて、新しい空間で、ワクワクを届けたい。世界で戦える最高の店を作りたい」と続けた。

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オルセン姉妹の「ザ・ロウ」が眼鏡「アイヴァン」と初コラボ

 アシュリー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー・ケイト・オルセン(Mary Kate Olsen)の双子姉妹が手掛けるニューヨークのファッションブランド「ザ・ロウ(THE ROW)」は、日本の眼鏡ブランド「アイヴァン(EYEVAN)」と初コラボしたアイウエアを11月30日に発売する。価格は税込5万3900~6万9300円で、「ザ・ロウ」の公式ECやニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンの店舗、日本では同じくギンザ シックス店やドーバー ストリート マーケット ギンザ、アイヴァン 東京ギャラリー、京都のジ・アイヴァンで販売する。

 「アイヴァン」のアーカイブ5型をベースにしたもので、「ザ・ロウ」の広報担当者は「われわれのフィロソフィーやデザイン性をプラスし、『アイヴァン』の持つ現代の職人の技術で再構築した」と話す。

 「ザ・ロウ」は2006年に設立。ブランド名はテーラーの聖地ロンドンのサヴィル・ロウにちなみ、最高級の生地使いや精緻なディテールワークを信条とする。一方の「アイヴァン」は、1972年に“着る眼鏡”をコンセプトにスタート。世界的なアイウエアの産地として知られる福井県鯖江市を中心に日本製にこだわる。

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「グッド グッズ イッセイ ミヤケ」から菓子箱のミシン目に着想した新作

 イッセイ ミヤケの雑貨・ライフスタイル業態「グッド グッズ イッセイ ミヤケ(GOOD GOODS ISSEY MIYAKE)」は、菓子のパッケージをイメージしたホリデーコレクション“パッケージ(PACKAGE)”の新作を12月1日に発売する。代官山の「グッド グッズ イッセイ ミヤケ」路面店や公式オンラインストアで先行販売中だ。

 “パッケージ”は、アイテムに施されたミシン目を自分で切り取ることで初めて機能が現れるシリーズ。今年はカードケース(税込1万3200円)と財布(同1万5400円)、トートバッグ(同2万2000円)、ポーチ(同1万2100円)の全4型を用意した。カードケースは、中央のミシン目を切り取ると二つ折りになり、財布は2箇所のミシン目を切り取ると小銭入れ付きのコンパクトな三つ折り財布になる。トートバッグは、上部のミシン目を切り取ると中からハンドルが、下部を切り取るとマチが現れる。いずれもブラック、ベージュ、グリーンの3色をそろえる。

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メイクアップを初プロデュースしたBLACKPINKのLISAを独占インタビュー 「M・A・C」とのコラボについて語る

 「M・A・C」は12月3日、世界的ガールズグループ、BLACKPINKのLISAとコラボレーションしたメイクアップコレクション“M・A・C x L”を発売する(一部店舗では先行販売中)。LISAは同ブランドのグローバルブランドアンバサダーを務め、これまでキャンペーンには登場してきたものの、メイクアップを手掛けるのは初めて。現在インスタグラムで6000万人以上のフォロワーを持ち、BLACKPINKのメンバーとしての音楽活動はもちろん、ファッション・ビューティのトレンドセッターでもあるLISAのカリスマ性と個性を表現したコレクションが誕生した。そんなLISAに、初めてプロデュースしたメイクアップコレクションに込めた思いやこだわりについて聞いた。

WWD:“M・A・C x L”のコンセプトは?

LISA:自分自身でコレクションを選び抜き、本当に好きなものを基に全てのアイテムをデザインしました。全てのシェード、製品、ネーミング、そしてパッケージデザインも、私にとって非常に特別なものを表しています。例えばアイシャドウパレットは、柔らかく官能的なデイリールックから、夜の外出のためのグラマラスなルックまで対応する多用途なシェードをマット、シマー、グリッターの組み合わせで実現したいと思いました。リップも私が個人的に好きな色とトーンを組み合わせて、全ての人に向けたシェードにしました。

WWD:今回のコレクションで伝えたいメッセージは?

LISA:あらゆる人に自分がプロデュースしたメイクアップをつけてもらい、私が詰めたこだわりや世界観を感じて欲しいです。音楽を作るのと同じ情熱、喜び、創造性を注ぎ込み、このコレクションをファンのために作りました。私自身の私生活やプライベートに関するこだわりをたくさん込めたので、それが伝わるとうれしいです。

WWD:制作に関する裏話は?

LISA:ただ色を選んだだけでなく、今回ロゴやパッケージ、製品名まで全てプロデュースしました。ちなみにアイシャドウは愛してやまない飼い猫の名前「レオ」「ルイス」「リリー」や、お気に入りのアイスクリームからインスピレーションを受け、「ミルクティーアイスクリーム」「キャンディラッパー」といったシェードネームをつけました。

WWD:グラマラスなパッケージも目を引く。

LISA:モダンでグラマラスな雰囲気を出すために、パープルにグリッターを加えました。そして、パッケージに施した私のサインには、お気に入りの色の1つイエローしか考えられませんでした!これは通常のイエローではなく、ネオンライトのクールでヒップホップな、都会的なムードを与えるために作った特別なイエローなんです。

WWD:プライベートではどんなメイクアップが好き?

LISA:ステージに立つときは濃いメイクアップをつけることが多いので、オフの日はナチュラルなルックが好きですね。ベースメイクアップを軽く塗ってから、洋服に合わせてリップを選びます。

WWD:今までのミュージックビデオの中で最も気に入っているメイクアップは?

LISA:曲のコンセプトに合わせてメイクアップは随時変わるので、全て気に入っています。1つ選ぶとしたら、初のソロアルバム「ラリサ(LALISA)」のときに作ったメイクアップですかね。全ての曲やプロジェクトにおいて、自分から積極的にメイクアップのアイデアを出すようにしています。たくさんのメイクアップルックを試しながら、最終的にぴったりなルックを選んでいるので、どれもこだわりや思い出深いんです。

WWD:世界的なファッション・ビューティのアイコンであるLISAはどこからインスピレーションを得る?

LISA:日々いろんなものからインスパイアされています。映画だったり、出会う人だったり、出来事だったり、本当に毎日いろんなものに刺激を得ていますね。メイクアップはアーティストと相談しながら自分に合うものを作っています。

WWD:「M・A・C」のアイテムでおすすめは?

LISA:たくさんあるので選びきれないですが、個人的に気に入っているのはリキッドリップ“パウダー キス リキッド リップカラー”。「M・A・C」で初めて使ったアイテムもリップスティックでしたが、“パウダーキス”はステージやミュージックビデオで頼りにしているアイテムです。本当に色持ちが長く、心地よく付けることができます。また、色のバリエーションが豊富でその日の気分や洋服に合わせて自由に変えられるのもいいですね。

WWD:これからの目標は?

LISA:これまで与えられたたくさんの素晴らしい機会に感謝していますし、これからの機会もとても楽しみにしています。まずはより多くの人に“M・A・C x L”コレクションを手に取って楽しんでいただきたいです!

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VERDYとシェフ庄司夏子が作った特別なクリスマスギフト

 グラフィックアーティストのVERDY(ヴェルディ)と、住所・電話番号非公開で完全紹介制のフレンチレストラン「エテ」のオーナーシェフ庄司夏子は、今年1月に続くコラボコレクションの第2弾を発売する。テーマは“Santa Claus for Your Beloved One (サンタクロースは大切な人のために)”で、かじられたハート型の箱に入れたチョコレート、そのケースが収まるようにデザインした装飾用のクリスマスソックス、缶バッジ2個、PVCバックのセットで価格は税込2万2000円。予約を専用サイトで11月27日に開始する。

 VERDYは、「僕のメインプロジェクトである『ガールズ ドント クライ(GIRLS DON'T CRY)』のコンセプトは“いつも笑顔でいてほしい”。そんな気持ちに寄り添ったクリスマスギフトを夏子さんと作った。大切な人への贈り物にしてほしい」と話す。

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ZOZOと阪急うめだ本店 D2Cブランドの催事で相互送客

 阪急阪神百貨店とファッション通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOは、きょう17日から22日まで阪急うめだ本店9階・祝祭広場で開催するD2Cブランドのイベント「マイクリエーターズフェス」において、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐ相互送客に取り組む。ZOZOが20年6月よりスタートしたD2C事業「ユアブランドプロジェクト」の一環で、リアル店舗で行う初のポップアップショップとなる。

 マイクリエーターズフェスは、阪急うめだ本店が手掛ける初のD2C関連イベントで、9階以外のフロアでも開催される。17日午前に行われたメディア内覧会で、阪急阪神百貨店の星加精二郎氏は「D2Cブランドは作り手の思いや熱量が伝わりやすく、好感度が高い。イベントにはブランドデイレクターも来場し、オンラインでは体験できない形でその世界観や思いを伝えていける。ZOZOと取り組むことでオンラインでもオフラインでも自由に買い物する消費者に向けて新しい買い方や購入体験を提供したい」と話す。

 ZOZOの「ユアブランドプロジェクト」は、個性やセンスのあるインフルエンサーのブランドから運営までを同社が全面的にバックアップする事業。今回のポップアップイベントには、歌手で女優の高橋愛さんが手がける「フクウ(FUKUU)」や、人気ユーチューバー、きりまるさんのブランド「ワントゥーミー(ONETOME)」など、13ブランドが出展する

 注目ブランドの一つ「イナフ(ENOF)」は、ジュエリーデザイナーでSNSのフォロワー数23万のMIさんが手掛けるアパレルブランド。環境に配慮したサステナブル素材を使用し、長く着られるシンプルなデザインが、熱狂的なファンを中心に幅広い年齢層から支持されている。イベントでは初日のみ入場予約制限しており、すでにゾゾタウンでも完売の見込みという。

 ZOZOのコーディネートアプリ「WEAR」に投稿したのがきっかけでブランドを立ち上げたAyaさんの「ペルナ(PERNA)」も話題だ。自身の経験から高身長の人向けにデザインしたビンテージ感覚のコートやワンピースが人気を集めている。

 祝祭広場の会場は、ゾゾタウンの配送に使われる段ボールの「ZOZO箱」をシンボルとし、什器はすべて段ボールで設営した。多様な個性を発信する同プロジェクトのイメージに合わせて、カラフルなZOZO箱やフォトスポットも配置した。

 このイベントでは、ZOZOが進めるリアル店舗支援のためのプラットフォーム「ゾゾモ(ZOZOMO)」のサービス「店舗在庫取り置き」を取り入れた。店舗在庫取り置きは、ゾゾタウンの画面上で、リアル店舗の在庫確認と在庫確保ができるサービス。イベント先行販売カラーとして販売する一部商品が対象となり、事前にゾゾタウンで取り置き予約しておけば、会場内で商品の受け取りと購入が可能となる。

 さらに独自の相互送客として、阪急うめだ本店からゾゾタウンへ送客する「エンドレスアイル」も実施する。会場で在庫が欠品した際に、販売スタッフが接客しながらゾゾタウンでの購入を案内。ECモールと百貨店という垣根を越えた相互送客に取り組むことで、顧客の利便性を高めると同時に、販売機会ロスの低減を図る。

 両者は、これまでラグジュアリーブランドでリアルとネットの垣根を超えた販売に取り組んだことがあるが、オフラインのイベントにZOZOが参加するのは初めて。阪急うめだ本店にとっては、ゾゾタウンからの送客により、イベントへの集客と別商品の合わせ買いが期待できるという。

 星加氏は「エンドレスアイルは、顧客の自由な買い方に合わせた取り組みで、店舗の商品をゾゾタウンでも買える流れを作っていくことにもトライする。これまではタブー視されてきたが、顧客接点を拡大し、潜在的な売り逃しも防げる。未来の百貨店の在り方を考える取り組みのひとつ」と説明する。

 一方、ZOZOのEC事業本部本部長の松田健氏も「リアル店舗にとってライバルだと思われていたネット通販だが、オフラインでしかできないこともたくさんあり、いつか一緒に取り組みたいという思いはあった。アフターコロナに向かうなかで今回タイミングが合い、あこがれのパートナーとの取り組みが実現した。今後もプラットフォーマーとしてブランドとユーザーとつなげる役割を担っていきたい」と、抱負を述べた。

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エスティ ローダー、社会的な影響やサステナビリティに関するリポートを発表

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、2021年度の“社会的な影響とサステナビリティに関するリポート(Social Impact and Sustainability Report)”を発表した。エネルギー調達やパッケージングなどの環境保護に関連する課題のほか、多様性や包括性などにおける目標の達成度や新たな目標値についてまとめられている。

 同リポートによれば、同社の従業員の82%が女性であるほか、グローバルでのバイス・プレジデント以上の役職の55%を、取締役会の44%を女性が占めている。また、米国内の従業員の46%が有色人種となっている。同社は新たな目標として、23年までに男女の賃金平等を実現することなどを設定した。

 環境問題の分野では、オクラホマ州の風力発電所と電力購入契約を締結。北米の全事業で使用するエネルギーをこれでまかなえるという。パッケージングに関しては、消費者が製品を使用した後に回収された材料を使うという当初の目標は達成し、25年末までにこれを25%以上にする。また、30年までに未使用プラスチック(再生素材ではないプラスチック)の使用を50%以下にすることを目標に掲げた。

 調達面では、シア油脂(シアバターやシアオイルなど)に関するサステナビリティや倫理的利用を推進する非営利団体、グローバル・シア・アライアンス(Global Shea Alliance)に加盟した。慈善活動としては、女性の権利向上を支援する複数の団体に寄付をしたことがリポートに記されている。

 ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)ELC社長兼最高経営責任者は、「社会的に影響のある事柄やサステナビリティ戦略に注力することは、当社の長期的な価値をさらに高め、プレステージビューティ業界のグローバルリーダーであり続けるために重要なことだ」と語った。

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「アーデム」初のメンズは「ヴィヴィアン・ウエストウッドと双子の妹」から影響 デザイナーが探求する“実用的ロマン主義”

 ロンドン発のブランド「アーデム(ERDEM)」は、2022年春夏シーズンからメンズ・コレクションを立ち上げる。同ブランドは、トルコ人とイギリス人の血を引くアーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)デザイナーが2005年に設立。15周年を迎えた今年6月に、メンズのファーストコレクションを発表した。テーラードジャケットやトレンチコートといったクラシックなアイテムに、シグネチャーであるロマンティックな花柄や、鮮やかな色のケーブル編みのカーディガンなどは若々しい雰囲気だ。ロンドンの老舗百貨店ハロッズ(HARRODS)や、大手ファッションECサイトのミスターポーター(MR PORTER)とマイテレサ(MYTHERESA)、日本ではユナイテッド アローズ(UNITED ARROWS)や阪急メンズなどでの取り扱いが決まっている。

 メンズ立ち上げの背景には、「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」でのインターン経験や、18年に「H&M」とのコラボレーションで初めてメンズのデザインを手掛けたこと、そして双子の妹の影響があるという。次なるステージへと向かうモラリオグル=デザイナーに話を聞いた。

空想的なウィメンズ
現実的なメンズ

ーーメンズライン立ち上げに至った経緯とは?

アーデム・モラリオグル=デザイナー(以下、モラリオグル):パンデミックで全てが止まり、アトリエも静まり返っていた。設立から15年で初めての穏やかな時間でもあった。その時、男性スタッフが「アーデム」の服をさまざまに着こなす姿を見て、メンズのクリエーションや色彩が、鮮明なアイデアとして浮かんできたんだ。そこから、僕が大好きな映画監督でアーティスト、園芸家でもあるデレク・ジャーマン(Derek jarman)のワードローブから着想を得てデザインに取り掛かった。彼の作品はカラフルで幻想的だが、彼自身はユニホームを独自に解釈して私服にするという面白い人物だ。また「H&M」との3年前のコラボレーションでメンズを初めて発売し、予想以上に好評だった。本格的に立ち上げるにはいいタイミングだったんだ。

ーーメンズとウィメンズではデザインアプローチは異なるか?

モラリオグル:ウィメンズでは、空想的な物語や特定のアーティストや過去の偉人などがコレクションに関係している。“このコレクションを着用する現代の女性とは誰なのか””彼女に今何が起こっているのか”と考えながら制作する。一方でメンズは“彼には今何が必要なのか”という、より現実的な問いを自分に投げかけ、僕自身が何を求めているかという直接的な欲求もアプローチに含まれている。

ーーメンズはどのようなイメージ?

モラリオグル:姉の服を、自分なりの着方で楽しむ弟だろうか。夫ではない。同じアイデンティティを共有する姉弟で、男性の中にあるフェミニティを引き出すことが重要だった。メンズでは「アーデム」のロマン主義と、実用性を重視している。なぜなら、男性服は基本的にユニホームに由来していると思うから。ファーストシーズンはテーラードやコーデュロイパンツ、モヘアニットといったベーシックアイテムを、色とプリント、カッティングでロマン主義の要素を加えている。

ーーウィメンズはフェミニン、ロマンティック、幻想的と表現されることが多いが、メンズはどんな言葉を付け加えたい?

モラリオグル:“実用的ロマン主義”だろうか。例えば、ウィメンズのアイテムに触発されたケープは、まさに実用的でロマンティックな作品に仕上がっている。メンズウエアのカテゴリーの中で、“実用的ロマン主義”を具現化することは僕にとっての新たな挑戦だった。そして、ウィメンズやメンズを問わず「アーデム」創設当初から大切にしている言葉は、“永続性”だ。トレンドや一過性とは関係がなく、必ずそこへ戻ってくるような、永遠に続く洋服をデザインするという考えが芯にある。

「ヴィヴィアンには真の流動性があった」

ーーメンズライン立ち上げに至り、デザインチームを再編成した?

モラリオグル:全く同じメンバーだ。非常に小さいチームで、ウィメンズとメンズの両方を手掛けている。

ーーメンズウエアのデザイン経験がほぼないあなたにとって、挑戦だったのでは?

モラリオグル:確かに、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)ではウィメンズデザインを学び、「アーデム」で15年間ウィメンズに注力してきた。メンズの制作で想起したのは、「ヴィヴィアン ウエストウッド」でのインターン経験だ。ヴィヴィアンが生み出す作品には、性差の対話や性別の遊び、進歩的なユニセックスの概念が宿っていた。そこには真の流動性が存在していて、学生だった僕にとっては刺激的で素晴らしい経験だった。また、双子の妹を持つ僕にとって性別は、関係上で成り立つ相対的なものにすぎない。子供の頃、祖母が編んでくれたセーターを妹とおそろいで着ていたこともあるぐらいだから。洋服における性差や、フェミニティとマスキュリニティの認識は、こういった幼い頃の経験が影響しているのだろう。「アーデム」にとってフェミニティとは、自信を与える力のようなもの。メンズウエアでもそれを表現することに、とてもワクワクしている。

ーーメンズを始めたことが、ウィメンズのデザインにも影響を与えることはあるか?

モラリオグル:それは絶対にある。両方に大きな影響を与え合っている。前途したケープと同じく、トレンチコートもウィメンズのデザインを踏襲したものだ。逆に、男性的なラインのテーラードジャケットやニットのネックラインは、今後のウィメンズのデザインに影響を与えそうだ。メンズが店頭に並ぶと、女性顧客もメンズのフラットなシェイプのチノパンや、ざっくりと着られるニットを手に取るのではないだろうか。顧客にも、その動向を見た僕にも影響を与えることになるだろう。

ーー次の15年に向けての展望は?

モラリオグル:まずはメンズを拡大させ、同時にウィメンズも成長させていく。ロンドン・メイフェアにある旗艦店では、両方のコレクションのボリュームがこれから増えていくだろう。次の目標は、ブランドの世界観に没入できる実店舗を各都市で育てること。ロックダウンを経て、服を見て、触れて、感じることができる物理的な体験の重要性を、これまで以上に認識したと思うから。日本やニューヨークに出店して、「アーデム」の世界観に足を踏み入れる人が増えることを目指したい。

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「消費者」という担当意識をシフト マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.36

 前回のコラムで最後に述べたのは、「私たちが今生み出せる、最大のパワーは、消費者が求める『WANT』を変えていくこと」。これについては、私から提案がある。

 今なおコロナ禍が続く我々は、「行動制限のおかげで、ちょっとは環境破壊がスローダウンできているのではないだろうか?」と感じているかもしれない。けれど残念なことに、コロナ禍にあっても状況は悪化の一途をたどっている。私たちはいよいよ欲求を整理して、選択し、よりリベラルなものにシフトしなくてはならない。

 モノ作りを説明したりサステナブルなビジネスを広げたりする際、心の中で常に「ん?辻褄が合わないなぁ」と感じてきたことがある。「消費者」という言葉だ。

 私たちが求めているサーキュラーエコノミーとは、”サーキュラー”つまり”循環”を意味している。その反対は”リニアエコノミー”と呼ばれる、まさしく今までのような一方通行のワンウェイ型社会。山手線のようにぐるぐる回っているのではなく、真っ直ぐ、ものすごいスピードでひた走る乗り物に今、社会全体が乗車している。このままでは、どこかで何かにぶつかって、大事故を起こしてしまう。

 リニアエコノミーでは、「消費者」という言葉はぴったりだった。ただ”消費していく担当者”、まさにこの”消費”という言葉はワンウェイだ。正直、今の社会にはそぐわないネーミング。サステナブルな商品や企画をお金を出して受け取っていただく大切なお客様には、私は「消費者」とは違う名称が必要だと心から感じている。だからと言って、これといって新しいネーミングにしっくりくるものも見つかっていない。最近は「生活者」なんて言葉もあるが、ここでは仮に「使用者」と表現してみよう。

 私が生産者として忘れないように心がけていることは、常に自分も「使用者」であるということ。どんな生産者も食べ物を食べて洋服を着て毎日を過ごすわけだから、みんなが「使用者」だ。

 その感覚を忘れないことは、自分が商品を送り出す時のヒントになっている。「これ、本当に私使う?」など、買いやすい価格帯を目指しながらも「安かろう悪かろう」には踏み込めなくなるのだ。

 そして「自分は受け取り側だ」と感じている人も、それぞれは未来を作る「生産者」であり、明日を美しくデザインするためのデザイナーであることに気づいて欲しい。「『消費者』が求めるもの」に答えることは、何かの欲求や欲望を満たすための商品を作り出すこと。だから求めるものの価値観のシフトが必要で、循環型の社会では美しさの定義を変えてなくてはならない。その中で「消費者」というネーミングは邪魔なのだ。REuse・REcycleという考えは、「RE」とつくだけで、何か汚いものという印象を大きく与えてしまい、手を出さない「使用者」がいる。いっそのこと「RE」つけず、「サイクル」だけでいいんじゃないかと日々感じている。ネーミングが与える意識感覚は、行動範囲に大きなインパクトを与えるのだ。

 「消費者」という言葉が見直されれば、その立場を自然と受け入れる体制も整い始めるのではないだろうか?そして、その一歩が「使用者」が求める「WANT」に気づくきっかけになるのではと考えている。私からの提案は、まずネーミングから変えようってこと。小さなことかもしれないが、今までの当たり前から変えなくてはならない。

 「生活者」「使用者」よりも良い言葉はないだろうか?ネーミングを募集したい。

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シャルマンが19万8000円の眼鏡を月1本だけ受注生産 優しい掛け心地と造形の美しさ追求

 シャルマン(福井県鯖江市、本庄正享社長)は11月11日から、旗艦店の「シャルマン 銀座並木通り」限定で新作眼鏡“GSP#01”を販売している。最新のレーザーおよび切削技術で成形したパーツを職人が磨き上げ、一つ一つ手作業で組み立てるもので、トレンドでもある太めのフォームが特徴だ。素材の一部には、しなやかなバネ性と形状記憶性を持つオリジナル素材“エクセレンスチタン”を使用し、「優しい掛け心地と造形の美しさを追求した」(広報担当者)。価格は税込19万8000円で、ひと月に1本のみ受注生産を行う。

 広報担当者は、「磨き、組み立て、調整などそれぞれの工程で職人の手作業が必要なため、ひと月に1本のみの生産が限界」と説明する。メインブランドの「ラインアート シャルマン(LINEART CHARMANT)」の平均価格帯が約5万円なのに対して、“GSP#01”がかなりの高額商品であることについては、「実験的な商品と言える。リアクションを見つつ、プレミアム路線を強化していきたい」と話す。

 フロントとテンプル部分は3層構造で、1.2mm角の正方形の突起を両面に削り出した透明アセテートプレートを、突起が隙間なく納まる2枚のベータチタンプレートで挟み込んでいる。これによって表現した幾何学模様に光が透過し、角度によって輝きが変化する仕掛けだ。

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“ステージメイク”の枠に収まらない「チャコット」、100色展開のマルチカラーアイテムを発売

 ダンス用品などを展開するチャコットが手掛ける「チャコット・コスメティクス(CHACOTT COSMETICS)」は11月12日、カラーメイク“マルチカラーバリエーション”(全100色、各税込1320円)をリニューアル発売した。チャコットのカラーアイテムはこれまで、新国立劇場バレエ団をはじめ、プロのステージダンサーから子どもたちまで、幅広い年齢層から支持されてきた。発色や耐久性といったこれまで培ってきたノウハウを生かしつつ、100色・9種の質感で、デイリーシーンで楽しめる、より自由な発想のメイクアップを提案する。

 従来から継続の24色は素材を見直し、新たに76色を加えた全100色をラインアップ。ステージでも映える華やかなカラーから子どもの肌にもなじむナチュラルカラー、メンズも手に取りやすいシックなカラーをそろえる。質感は9種類で、見たままの発色をかなえるプレストタイプの“マット”、繊細な輝きの変化で奥行きをプラスする“パール”、スタイリッシュなカラーで存在感を放つ“メタリック”、濃密なパールと淡色が上品な“トゥインクル”、大小のラメとパールがきらめく“スパークル”、高密着なクリームタイプながらサラサラとした質感の“シルキー”、艶と透明感を引き出すしっとりとした “バーム”、のびの良いクリーミーな質感と深い発色が特徴の“ビビッド”、クリームタイプで濡れたようなセンシュアルな艶感を楽しめる“グロッシー”がラインアップ。好みの質感とカラーをセレクトすることで、アイシャドウ、チーク、リップ、ハイライトなどマルチに活躍する。

 “マルチカラーバリエーション”は、ステージに立つ子どもも使用するアイテムであることから、肌への優しさと使い心地にも配慮。クチナシ※1、パプリカ※2、カカオ※3といった5種類の天然色素を補色として使用し、アルガンオイル※4やシアバター※5などのオーガニック保湿成分を配合した。全国のチャコット直営店・百貨店インショップほか、コスメティックショップ各取扱店舗や公式オンラインショップなどで取り扱う。

※1 クチナシ果実エキス
※2 トウガラシ果実エキス
※3 カカオエキス
※4 アルガニアスピノサ核油
※5 シア脂

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浦安・舞浜のシェラトンが韓国一色に グルメからK-POPカバーダンスまで“シムクン(ドキドキ)”体験を提供

 千葉・浦安の「シェラトン・グランデ・トーキョー・ベイ・ホテル(SHERATON GRANDE TOKYO BAY HOTEL(以下、シェラトン東京ベイ))では11月30日まで、国内にいながら韓国旅行気分が楽しめる初のコリアン・フェア“シムクンシェラトン(SHIMKOONG SHERATON)”を開催している。“シムクン”とは韓国語で“ドキドキする”という意味。シェラトン仁川をはじめ、在日韓国文化院、大韓航空などと協業して韓国グルメや展示、イベントを行う。

 『シェラトン東京ベイ』は今年、創業35周年。コロナ禍で渡航が難しい中、国内にいながら非日常を楽しめるハワイアン・フェアやタイ・フェアを開催してきた。第三弾のコリアン・フェアでは館内の至るところに、韓国大使館の協力により韓国文化ボックスが設置されている。“アンニョン(こんにちは)”というハングル語や韓国文化を体験できるボックスをはじめ、昔の家“韓屋”や伝統的な衣装のボックスなどがあり、一部フォトスポットとして開放する。

 また、毎週末は、無料のキムチクッキングクラス(事前予約要、先着25人限定)を開催。また、週末と祝日には、ロビーや各所でK-POPカバーダンスやテコンドーのパフォーマンス、伝統楽器によるコンサートなどが行われる。

韓国スタイル居酒屋から人気スイーツまでグルメが充実

 今回のフェアの目玉は、ホテル内ガーデンで金・土・日・祝日限定で開催する韓国スタイル居酒屋“ボチャ”だ。焼肉をはじめ、スンドゥブチゲやカニ入り海鮮辛ラーメン、チヂミ、韓国版スパム“リチャム”がチャミスルやマッコリと楽しめる。

 ブッフェダイニングの『グランカフェ』では11月限定で『シェラトングランド仁川』のレシピによる“コリアンフードブッフェ”を実施する。ブッフェでは、ポークリブチゲやエビのコチュジャン炒めなどのフードをはじめ、チャミスルやマッコリ、オリジナルのカクテルなども日替わりで提供。料金(大人)はランチブッフェが3700~4300円、ディナーブッフェが5500~6200円。17日は、ランチサンクスデーで2700円、19日はディナーサンクスデーで3500円(前日まで要予約)。

 カフェ『トスティーナ』では、韓国ポップカルチャーの中心である新大久保で大人気の“トゥンカロン”やマッコリを使用したスイーツや韓国で人気の調理パンが楽しめる。金曜日限定で、韓国をテーマに“フライデースイーツブッフェ”を開催。SNS映えするスイーツだけでなくサンドイッチなどの軽食を提供。料金は大人3200円。また、8種類のミニスイーツを宝石箱のように詰めた“シェラトンスイーツボックス”の用意もある。予約限定で2800円。

日本にいながら韓国気分が味わえる宿泊プラン

 日本にいながら韓国気分を味わえる“渡韓ごっこ”を味わえる朝食付き宿泊プランも用意されている。ブッフェの割引や韓国発人気スキンケアブランド『メディヒール(MEDIHEAL)』、韓国料理クッキングセミナー参加など幾つかの特典を選べる。詳細はシェラトン東京ベイウェブサイトで。

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アーティスト福井海東が愛知で初の個展 「ボット」とのコラボ作品も

 アーティストの福井海東が、愛知・豊橋のブランクマグギャラリー(BLANKMAGGALLERY)で個展“Lie on eye”を11月14日まで開催中だ。揺らめく花をモチーフにした“イデア フワラー”シリーズや、ファッションブランド「ボット(BOTT)」とのコラボペイントなど多数の作品を展示する。作品をグラフィックとして落とし込んだアパレルやマフラーも販売する。

 福井は1997年、東京・世田谷生まれ。幼少期からサーフィンとスケボーに傾倒する。高校卒業後はビームスのサーフ系アパレルショップ「ピルグリム サーフ+サプライ(PILGRIM SURF + SUPPLY)」での販売員を経て、アーティスト活動を開始。独学でグラフィックを始め、「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」や「フルーツ・オブ・ザ・ルーム(FRUIT OF THE LOOM)」などに提供し、「物質的な刺激も欲しい」と絵画に転向した。親しんだカルチャーとデジタルネイティブの感覚を武器に、“グラフィックのような絵画作品”を発表する。これまでに、原宿のギャラリー、クラス(CLASS)や高島屋のイベント「つづくつなぐマーケット」などに出展してきた。今年から来年にかけては、「ボット」のほか複数のファッションブランドとコラボ予定だ。

■福井海東 個展“Lie on eye”
日程:11月14日まで
会場:ブランクマグギャラリー
住所:愛知県豊橋市駅前大通3-118 村上ビル南階段2階

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「マーク ジェイコブス」×「トモ コイズミ」コラボアイテム発売 アイコンバッグのスナップショットも

 「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は、小泉智貴デザイナーの手掛ける「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」とコラボレーションし、日本限定のコレクション“トモ コイズミ × マーク ジェイコブス(TOMO KOIZUMI × MARC JACOBS)”を11月17日に発売する。伊勢丹新宿店と阪急うめだ本店でポップアップを11月17日から11月23日まで開催するほか、公式ECサイトと渋谷パルコでも取り扱う。

 「トモ コイズミ」は2019年2月、ブランド初のランウエイショーをニューヨークにある「マーク ジェイコブス」旗艦店で行った。同ブランドのランウエイで長年スタイリングを務めるケイティ・グランド(Katie Grand)がインスタグラム上で小泉デザイナーの作品に出合ったことがきっかけとなった。今回のコラボは、“心に深く刺さるファンタジーな世界観を多くの人に届けていく”という両ブランドの共通項から実現したという。

 アイテムは「マーク ジェイコブス」のアイコンバッグ“ザ スナップショット(THE SNAPSHOT)”のほか生地をラッフル状に束ねたショルダーストラップ、ヘアアクセサリーのシュシュを展開。また、アトリエで眠っていたデッドストックの生地をハンドクラフトで再構築した一点物のウエアも数量限定で販売する。

 キャンペーン画像には女優の安達祐実や小泉デザイナー自身が出演する。

■トモ コイズミ × マーク ジェイコブス ポップアップストア
日程:11月17日〜11月23日
場所:伊勢丹新宿店 本館2階 センターパーク ザ・ステージ#2
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-14-1

■トモ コイズミ × マーク ジェイコブス ポップアップストア
日程:11月17日〜11月23日
場所:阪急うめだ本店 3F コトコトステージ31
住所:〒530-8350 大阪府大阪市北区角田町8-7

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「OAO」のファーストモデルがサステナブルに進化 コーティング加工サービスも開始

 エポック(EPOQ)が手掛けるフットウエアブランド「オーエーオー(OAO)」は、既存モデル“ザ カーブ ワン(THE CURVE 1)”の新モデルを発売した。ホワイトとブラックの2色で、いずれも税込2万8600円。公式オンラインストアと、シューズショップのキス(KITH)で販売している。

 “ザ カーブ ワン”は同ブランドが2019年に設立後最初に発表したモデルで、故ザハ・ハディド(Zaha Hadid)が東京オリンピック・パラリンピックのために提案した、新国立競技場の設計案から着想を得たシューズ。複雑に絡み合うアウトソールの曲線と、ビブラム社製のボリュームのあるソールが特徴だ。新作では、オランダが拠点のエコーレザーが開発したレザーをアッパーに採用。原皮が持つ水分を最大限に活用し、なめし工程で使う水を皮1枚につき約20リットル削減したほか、食用牛の皮のみを使用して環境負荷を抑える。また、はき口をやや大きめに設定して着脱性を高め、インソールのクッション性も向上させている。さらに、水と油汚れを弾くコーティング加工サービスも開始する。

 「オーエーオー」は“クリエイターのためのフットウエア”をコンセプトに2019年に設立。建築家や音楽アーティスト、フォトグラファーらの作品や作風をテーマに商品をデザインするのが特徴だ。

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ユナイテッドアローズの新レーベル、ヨガ歴18年のディレクターによるこだわりアイテム

 ユナイテッドアローズ(以下、UA)はこのほど、オリジナルのヨガウエアを軸とした新レーベル「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)以下、トゥー」を始動した。同社の主な顧客層である30〜40代の女性の間で、ヨガへの需要が高まっていることや生活圏内で過ごす時間が増えているといったライフスタイルの変化を受け、「スポーツに寄りすぎず、都市での日常生活をクロスオーバーするブランド」として、アクティブウエアを中心としたオリジナルアイテムに、セレクトしたカジュアルデイリーウエアや雑貨を交えて提案する。

 企画を担当した浅子智美「UA」ウィメンズファッションディレクター兼バイヤーは、ヨガ歴18年。オリジナル商品の構成は約6割で、浅子ディレクターの実体験に基づくリアルな気付きや工夫を随所に反映している。アクティブウエアのラインアップは、ハイウエストのレギンス2型(税込1万1000円、1万2000円)やブラトップ2型(同8250円)、カップ付きキャミソール(同8800円)など。日常着に取り入れてもらうことを想定し、ホワイトやブラック、ブラウンなどのベーシックカラーを採用した。サステナビリティを意識し、生地は再生素材を使用。梱包材やタグなどの副資材もバイオマス由来の製品を取り入れている。さらに、日本環境設計と連携してオリジナルウエアの回収・再資源化にも取り組む。

 デザインは、“セカンドスキン”をコンセプトにファッション性を保ちつつ体に負担をかけない設計にこだわった。「例えば最近のヨガウエアはアシンメトリーなデザインも多いが、体は左右対称な状態がベスト。『トゥー』では体のバランスを邪魔しないことを優先した」と浅子バイヤー。また「お腹を出していた20代とは違い、今はお尻のラインや脇のお肉が気になるのが正直なところ。自分のリアルな視点を生かし、30〜40代の女性が自信を持って動けるようなシルエットやデザインを提案している」。

 カジュアルデイリーウエアを中心とする仕入れブランドは、サステナブルなビジョンを共有することを軸にセレクトした。すでに「UA」の顧客層からも支持を得ている「ザ・リラクス(THE RERACS)」「チノ(CINOH)」のほか、今治タオルのメーカーが作るアパレルブランド「サナ(SANA)」、アパレル以外では吸水型ショーツ「ベア(BE-A)」の商品も取り扱う。浅子ディレクターは、「特に『サナ』は同レーベルの独自性につながると期待している。オーガニックコットンの生地を使用した1枚で着られるアイテムで、『UA』本体よりもカジュアルなテイストを着こなしたい層を狙う」と言う。これらのアイテムとアクティブウエアを交えたスタイリングを、他のスポーツブランドにはない強みとしていく。

 同社は過去に、スポーツレーベル「サウンズグッド(SOUNDS GOOD)」や、モードカジュアルを切り口にランニングアイテムを打ち出した「アンルート(EN ROUTE)」などを手掛けてきたが、「サウンズグッド」は2011年に終了し、「アンルート」は18年に店舗を閉め、現在はメンズのみの販売に縮小した。3度目の挑戦といえる今回は、スポーツだけでなく、ウェルネスやサステナビリティの要素を取り入れて打ち出す。浅子ディレクターは、「スポーツとウェルネスが紐づいて考えられるようになったことは、以前の市場とは違う点だろう。心の健康を大切にするヨガの思想とも一致する。ヨガは、マタニティーヨガやリラックスヨガなどのジャンルが豊富で、ほかのスポーツよりも間口が広い点も特徴だ。ニューヨークのアスレジャー的な打ち出しは難しいかもしれないが、コロナ禍で生活圏内での暮らしを自然に楽しむ感覚は浸透している。私自身、生活圏内であればレギンスで移動していることも多い。そんなライフスタイルに寄り添うファッションの選択肢がもっとあってもよいはず。『トゥー』はヨガを軸にUAならではのファッションと都市をリンクさせた提案を強みにしていく」と話す。

 従来のファッション以外のモノ・コトの提案を模索する同社にとって、同レーベルはウェルネスにまつわるコトコンテンツの発信基地の役割を担う。今後「トゥー」取り扱い店舗の六本木ヒルズ店や渋谷スクランブルスクエア店では、開店前に外部講師を招いたヨガ教室の開催を予定しているほか、各店舗で食事や睡眠、ビューティーなどを交えたコンテンツ発信に力を入れる。レーベルとしてスタートさせたことで出店のリスクを伴わないが、今後は「市場の反応を見ながら展開店舗を拡大させ、将来的には単独店舗の出店も目指す」という。

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ユナイテッドアローズの新レーベル、ヨガ歴18年のディレクターによるこだわりアイテム

 ユナイテッドアローズ(以下、UA)はこのほど、オリジナルのヨガウエアを軸とした新レーベル「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)以下、トゥー」を始動した。同社の主な顧客層である30〜40代の女性の間で、ヨガへの需要が高まっていることや生活圏内で過ごす時間が増えているといったライフスタイルの変化を受け、「スポーツに寄りすぎず、都市での日常生活をクロスオーバーするブランド」として、アクティブウエアを中心としたオリジナルアイテムに、セレクトしたカジュアルデイリーウエアや雑貨を交えて提案する。

 企画を担当した浅子智美「UA」ウィメンズファッションディレクター兼バイヤーは、ヨガ歴18年。オリジナル商品の構成は約6割で、浅子ディレクターの実体験に基づくリアルな気付きや工夫を随所に反映している。アクティブウエアのラインアップは、ハイウエストのレギンス2型(税込1万1000円、1万2000円)やブラトップ2型(同8250円)、カップ付きキャミソール(同8800円)など。日常着に取り入れてもらうことを想定し、ホワイトやブラック、ブラウンなどのベーシックカラーを採用した。サステナビリティを意識し、生地は再生素材を使用。梱包材やタグなどの副資材もバイオマス由来の製品を取り入れている。さらに、日本環境設計と連携してオリジナルウエアの回収・再資源化にも取り組む。

 デザインは、“セカンドスキン”をコンセプトにファッション性を保ちつつ体に負担をかけない設計にこだわった。「例えば最近のヨガウエアはアシンメトリーなデザインも多いが、体は左右対称な状態がベスト。『トゥー』では体のバランスを邪魔しないことを優先した」と浅子バイヤー。また「お腹を出していた20代とは違い、今はお尻のラインや脇のお肉が気になるのが正直なところ。自分のリアルな視点を生かし、30〜40代の女性が自信を持って動けるようなシルエットやデザインを提案している」。

 カジュアルデイリーウエアを中心とする仕入れブランドは、サステナブルなビジョンを共有することを軸にセレクトした。すでに「UA」の顧客層からも支持を得ている「ザ・リラクス(THE RERACS)」「チノ(CINOH)」のほか、今治タオルのメーカーが作るアパレルブランド「サナ(SANA)」、アパレル以外では吸水型ショーツ「ベア(BE-A)」の商品も取り扱う。浅子ディレクターは、「特に『サナ』は同レーベルの独自性につながると期待している。オーガニックコットンの生地を使用した1枚で着られるアイテムで、『UA』本体よりもカジュアルなテイストを着こなしたい層を狙う」と言う。これらのアイテムとアクティブウエアを交えたスタイリングを、他のスポーツブランドにはない強みとしていく。

 同社は過去に、スポーツレーベル「サウンズグッド(SOUNDS GOOD)」や、モードカジュアルを切り口にランニングアイテムを打ち出した「アンルート(EN ROUTE)」などを手掛けてきたが、「サウンズグッド」は2011年に終了し、「アンルート」は18年に店舗を閉め、現在はメンズのみの販売に縮小した。3度目の挑戦といえる今回は、スポーツだけでなく、ウェルネスやサステナビリティの要素を取り入れて打ち出す。浅子ディレクターは、「スポーツとウェルネスが紐づいて考えられるようになったことは、以前の市場とは違う点だろう。心の健康を大切にするヨガの思想とも一致する。ヨガは、マタニティーヨガやリラックスヨガなどのジャンルが豊富で、ほかのスポーツよりも間口が広い点も特徴だ。ニューヨークのアスレジャー的な打ち出しは難しいかもしれないが、コロナ禍で生活圏内での暮らしを自然に楽しむ感覚は浸透している。私自身、生活圏内であればレギンスで移動していることも多い。そんなライフスタイルに寄り添うファッションの選択肢がもっとあってもよいはず。『トゥー』はヨガを軸にUAならではのファッションと都市をリンクさせた提案を強みにしていく」と話す。

 従来のファッション以外のモノ・コトの提案を模索する同社にとって、同レーベルはウェルネスにまつわるコトコンテンツの発信基地の役割を担う。今後「トゥー」取り扱い店舗の六本木ヒルズ店や渋谷スクランブルスクエア店では、開店前に外部講師を招いたヨガ教室の開催を予定しているほか、各店舗で食事や睡眠、ビューティーなどを交えたコンテンツ発信に力を入れる。レーベルとしてスタートさせたことで出店のリスクを伴わないが、今後は「市場の反応を見ながら展開店舗を拡大させ、将来的には単独店舗の出店も目指す」という。

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就任から半年、ユナイテッドアローズの松崎社長が語る「危機と挑戦」

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS、以下、UA)の松崎善則社長が10月5日、2022年4〜9月期決算説明会に登壇し、コロナ禍での経営動向や今後の重点施策について語った。4月に社長に就任してから半年。セレクトショップの雄と言われた同社が抱く危機感と、相次いで新たな取り組みを立ち上げる狙い―レーベルの立ち上げ:D2Cの「シテン(CITEN)」、インフルエンサーを起用した「マルゥ ユナイテッドアローズ(MARW UNITED ARROWS)」、ヨガを軸としたウィメンズの「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)」、商標権を承継したサーフショップ「カリフォルニアジェネラルストア(CALIFORNIA GENERAL STORE)」プライベートサービスデスクの設置―などを自らの言葉で説明。ECのリプレイスメントなど基幹システム構想と並行して、2025年度内に向けたPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムと在庫分析システムの導入によるサプライチェーンのデジタル化も控えている。業績や店舗閉鎖などネガティブな部分がある中で、社員のモチベーションを高め、接客を中心とした品質を高めることで、「お客様の期待に応えること」の重要性にも言及した。質疑応答と含めて、会見の発言をレポートする。

松崎善則社長(以下、松崎):私からは、このハーフターム(中間期で)、今後大事にしていきたい考え方をみなさまに共有させていただきたいと思います。私が4月より社長就任いたしまして、半年強が経過しましたが、今期も引き続いて厳しい状況が続いている部分が多々あって大変ご心配をおかけしていることと存じます。

 改めて、前期からの業績動向を大枠ダイジェストすると、計4回の、延べ11カ月以上に及ぶ緊急事態ということで、ネガティブインパクトが非常に大きかったというところです。

 この資料の通り、コロナが始まった昨年の第1四半期(4〜6月)は、緊急事態によって2カ月間店舗がほぼすべてクローズしたことで売り上げが非常に苦戦しました。第2四半期(7〜9月)は一時的に需要は回復したのですが、第1クオーターの在庫消化を優先したことで利益面が非常に苦しかった。第3四半期(10〜12月)は回復基調がいよいよ見られるかと思われたが、再度秋口から感染が広がって、第4四半期(1〜3月)についても再度緊急事態宣言ということで、いつ(コロナ禍が)開けるかどうかわからない状況下で、在庫の持ち方も施策も含めて、社内全体、右往左往という形で昨期は終えました。

 今期から、ようやく一新してやっていこうと新体制の中で取り組みを進めていますが、4月下旬から再度宣言が発令され、7月以降も第五波ということで、この上半期は想定した回復シナリオには残念ながらもう一歩届かない状況になっております。緊急事態がようやく明け、気温が低下した先月中旬以降から回復が顕著に見られています。足元、11月に入っても回復が想定以上に見られているということで、お客様の動向にも期待が高まっており、準備を進めている状況です。

今期方針は「選択と集中」「新たな挑戦」「経営理念の再浸透」

 今年度のグループ経営方針として、「持続的成長と、未来に向けた大改革~新時代のお客様大満足」を掲げています。文字通りでございますが、この厳しい経営環境におきまして、従来のやり方ではお客さまのご期待、ご支持をいただくのは難しいということで、「大改革なくして持続的成長は果たせない」という危機感を持っての方針です。この方針の下、営業利益生産性計画(一人当たり営業利益計画)の必達、連結粗利益率(50.7%)の必達に向けた施策と、サステナビリティやDXの取り組みを進めている最中でございます。

 大改革というタイトルを進めていくうえで、重要なポイントを3点考えています。一発逆転を狙いたいところなのですが、大改革には不断に継続していくことが非常に重要と考えておりまして、文字づらですとあまり目新しいものではないのですが、一つ目は“選択と集中”です。“選択と集中”によってクオリティを上げるいう部分を挙げています。優先順位の高いものに専念することで強い利益率の体質を構築します。前期から約10%の店舗をクローズする(計画を打ち出し)、今、10%強になる見込みです。店舗やレーベルを閉めることは、少なからずご支持いただいているお客さまを想像すると、大変心苦しくて難しいものではありますが、この下半期も引き続き選択と集中を既存取り組みについては進めてまいることで、強い経営体質を実現していきたいと思います。このためには、何よりもクオリティが重要で、ヒト・モノ・ウツワのすべての領域において活動の質を高めていくことで、“選択と集中”が有意義なものになっていくと考えております。

 まずはこの緊急事態が明けた先月から、店頭にお戻りになるお客様が多数見られています。(過去に築いてきた接客力、おもてなしの心が薄れないように)リアル店舗の接客の質(を上げること)が既存店舗の回復の大きな柱だと考えています。実店舗の強みを取り戻していくことを主軸にこの後半戦は臨んでいきたいと思います。この実店舗の回復によって、今後進めていくOMO(店舗とECの融合)施策、ECのリプレイスなども控えておりますが、この成功につながっていくものと考えています。

 二つ目は、“新たな挑戦”が積極的になされている状態を目指しています。これは“選択と集中”と相関するように捉えられる部分もあるかと思いますが、規模の大小を問わず、“新たな挑戦”を積極的に行い、次の兆しをつくっていくことが、この不透明な不確実な時代においては重要だと考えています。過去の成功パターンに依存せず、スピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すことが必要で、時代の動きが転換期に当たる今、大きな施策一つで大逆転を狙うということではなく、先ほどIR広報部長からいくつかの事例を説明させていただきましたが、こうしたものを繰り返していくことで、次の機会を作っていくことを続けてまいります。

 当社はセレクトショップとして先駆的であること、新しいことを提案し続けてくれるであろうことをお客さまから期待されているはずですので、それが当社の優位性を築いてきた原動力の一つでもあるので、“選択と集中”によって得られたものを、新たな価値創造(に向けた“挑戦”)につなげていくことをこの下半期もより強く意識していきたいと思っています。

不安定な時代にこそ、“経営理念の浸透”を重視

 三点目は“経営理念の再浸透”を掲げております。(経営理念:「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」)。これは社員メンバーのエンゲージメントをより強め、高め、お客様への価値提供が薄れていかないために掲げていることです。当社が事業活動をしていくうえでの絶対的な拠り所が理念だと考えております。この理念によって、ユナイテッドアローズがユナイテッドアローズで居続けていけるわけであって、こういった不安定な中で、社員メンバーが自分たちの存在意義や志、なすべき方向性にゆらぎが出そうなときこそ、“経営理念の浸透”が重要になります。コロナ禍で一旦中断している、とくに出張を伴う店舗の巡回や理念セッションを下半期は再開して、全社員メンバーに私たちが目指すところ、社会に果たしたい価値は何かということを、一緒に考えて、全社一丸となって乗り越えて行きたいと考えています。このコロナ禍に伴って、店舗人員の見直しなどを一部行ってきましたが、私たちが築いてきた強みを喪失しないように、店舗メンバーの士気を維持向上する取り組みを進めてまいります。繰り返しですが、この上半期は想定した回復には及んでおりませんが、申し上げた3点(“選択と集中”“新たな挑戦”“経営理念の再浸透”)を通じて当社は変革を進めており、手ごたえを感じているところ多数感じているところです。


【メディアからの質疑応答】
――他社の新興系SPAやセレクトに比べるとやや回復が遅いように思う。コロナという状況は同じだが、どういったところがUAにとっては難しいのか教えてほしい。

松崎善則社長(以下、松崎):他社比較でちょっと回復が遅いのではないかというご指摘・ご質問ですが、精緻にまだ捉えきれていない部分もあるのですが、一つはお客さまの年齢層の違いがあるなと捉えています。コロナの緊急事態が開ける前から、20代、30代前半の若い方の外出はある中で、われわれが主としている30代、40代の方の動向、外出が非常におとなしかった。もう一つは、従来からですが、ビジネス衣料の回復は見られてきていますが、まだまだコロナ以前に比較するとビジネス衣料の完全な回復には及んでいないという状況です。対応はしていますが、そこがまだ実を結んでいない。そういった点が若干の弱含み担っている点と捉えております。

――10月から始めている富裕層向けサービスの件で。ファッションだけでなく富裕層向けに衣食住を含めて提供していくというが、従来から手がけてきた百貨店も富裕層向けサービスを強化している。UAとしては?

松崎:富裕層向けのプライベートサービスデスクですが、おっしゃるように、以前より百貨店で外商という形はあると思いますけれども、われわれ、今回このコロナにより捉えたのは、ECで年間100万円以上お買い上げになられるお客さまが200人近くいらっしゃる。多いか少ないかといえば、金額だと2億円ぐらいの売上げになり、まだまだ潜在的なものがあると考えています。年間100万円という切り方をしましたが、50万円ぐらいだとまた増えてくるのですが、ECでもかなり年間で購買をいただいているお客さまに対して、何のサポートもできていないねと。全社のDXというところにも絡んでくるのですが、まずはそういったお客さまの特性というか購買について、よりサポートを深めていこうということです。これが百貨店の外商と違う点でいうと、百貨店が抱えていらっしゃる団塊層ではなく、われわれは団塊ジュニア層の購買が顕著でして、新しい形の富裕層というお客さまについては、百貨店には行かれていないお客さまが多いということで、われわれに商機があるのではないだろうかと捉えています。

――サプライチェーンについてお尋ねいたします。東南アジアでコロナの感染拡大で商品に遅れなどが出ている企業が出ている。ユナイテッドアローズは該当されているか。二点目が、人権問題が取り上げられている中で、海外を含めたサプライチェーンの透明化や見直しの考え、今後取り組む予定のものは?

三井俊治IR広報部部長:当社の産業に限らず、ベトナムの感染拡大で工場が止まっていたり、中国で電力の問題で工場が止まっていたり、そういう問題が当社でも影響が出ています。秋冬商品の納期遅れが若干発生しています。ここについては常に状況が変わっているので、どういうキャッチアップができるか検討しながら対応を進めているところです。

松崎:人権問題等も含めて、海外生産の透明性をどう担保していくかということですが、昨今話題の綿の問題に端を発して、当社でも各取引先様、とくに大手商社様を中心に、そこからのさらに下の下請け様などに、基準を満たしているか否かという状況調査を行っています。そこで追える、追えない、トレーサビリティが取れるものと取れないものの種別を行い、取れないものについては代替素材、代替工場等を含めて振り替えていく動きをしていこうと、各ベンダー様と話しをさせていただいている最中です。透明性については、海外、国内問わず、人権問題があってはいけませんし、商品のトレーサビリティはすべて取っいきたいという方向性の下に進めているという状況です。

――“選択と集中”の部分で、上期では2020年3月期末に比べて店舗数が14%減少していて、下期も“選択と集中”を進めていくという話があったが、現時点で具体的にどういった計画があるのか。

松崎:先様、デベロッパーもあることなので詳細の詳細まではお伝えできないのですが、グループ全体を通して、コーエン社の店舗などについて下半期はより進めていこうと思っています。UA社の取り組みについても、非常に厳しいところがいくつか残っていますので、こういったところも見極めていきます。これはある程度、UA社についてはメドがついていますが、あと数店舗。主にはコーエン社について進めていく考えです。

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就任から半年、ユナイテッドアローズの松崎社長が語る「危機と挑戦」

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS、以下、UA)の松崎善則社長が10月5日、2022年4〜9月期決算説明会に登壇し、コロナ禍での経営動向や今後の重点施策について語った。4月に社長に就任してから半年。セレクトショップの雄と言われた同社が抱く危機感と、相次いで新たな取り組みを立ち上げる狙い―レーベルの立ち上げ:D2Cの「シテン(CITEN)」、インフルエンサーを起用した「マルゥ ユナイテッドアローズ(MARW UNITED ARROWS)」、ヨガを軸としたウィメンズの「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)」、商標権を承継したサーフショップ「カリフォルニアジェネラルストア(CALIFORNIA GENERAL STORE)」プライベートサービスデスクの設置―などを自らの言葉で説明。ECのリプレイスメントなど基幹システム構想と並行して、2025年度内に向けたPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムと在庫分析システムの導入によるサプライチェーンのデジタル化も控えている。業績や店舗閉鎖などネガティブな部分がある中で、社員のモチベーションを高め、接客を中心とした品質を高めることで、「お客様の期待に応えること」の重要性にも言及した。質疑応答と含めて、会見の発言をレポートする。

松崎善則社長(以下、松崎):私からは、このハーフターム(中間期で)、今後大事にしていきたい考え方をみなさまに共有させていただきたいと思います。私が4月より社長就任いたしまして、半年強が経過しましたが、今期も引き続いて厳しい状況が続いている部分が多々あって大変ご心配をおかけしていることと存じます。

 改めて、前期からの業績動向を大枠ダイジェストすると、計4回の、延べ11カ月以上に及ぶ緊急事態ということで、ネガティブインパクトが非常に大きかったというところです。

 この資料の通り、コロナが始まった昨年の第1四半期(4〜6月)は、緊急事態によって2カ月間店舗がほぼすべてクローズしたことで売り上げが非常に苦戦しました。第2四半期(7〜9月)は一時的に需要は回復したのですが、第1クオーターの在庫消化を優先したことで利益面が非常に苦しかった。第3四半期(10〜12月)は回復基調がいよいよ見られるかと思われたが、再度秋口から感染が広がって、第4四半期(1〜3月)についても再度緊急事態宣言ということで、いつ(コロナ禍が)開けるかどうかわからない状況下で、在庫の持ち方も施策も含めて、社内全体、右往左往という形で昨期は終えました。

 今期から、ようやく一新してやっていこうと新体制の中で取り組みを進めていますが、4月下旬から再度宣言が発令され、7月以降も第五波ということで、この上半期は想定した回復シナリオには残念ながらもう一歩届かない状況になっております。緊急事態がようやく明け、気温が低下した先月中旬以降から回復が顕著に見られています。足元、11月に入っても回復が想定以上に見られているということで、お客様の動向にも期待が高まっており、準備を進めている状況です。

今期方針は「選択と集中」「新たな挑戦」「経営理念の再浸透」

 今年度のグループ経営方針として、「持続的成長と、未来に向けた大改革~新時代のお客様大満足」を掲げています。文字通りでございますが、この厳しい経営環境におきまして、従来のやり方ではお客さまのご期待、ご支持をいただくのは難しいということで、「大改革なくして持続的成長は果たせない」という危機感を持っての方針です。この方針の下、営業利益生産性計画(一人当たり営業利益計画)の必達、連結粗利益率(50.7%)の必達に向けた施策と、サステナビリティやDXの取り組みを進めている最中でございます。

 大改革というタイトルを進めていくうえで、重要なポイントを3点考えています。一発逆転を狙いたいところなのですが、大改革には不断に継続していくことが非常に重要と考えておりまして、文字づらですとあまり目新しいものではないのですが、一つ目は“選択と集中”です。“選択と集中”によってクオリティを上げるいう部分を挙げています。優先順位の高いものに専念することで強い利益率の体質を構築します。前期から約10%の店舗をクローズする(計画を打ち出し)、今、10%強になる見込みです。店舗やレーベルを閉めることは、少なからずご支持いただいているお客さまを想像すると、大変心苦しくて難しいものではありますが、この下半期も引き続き選択と集中を既存取り組みについては進めてまいることで、強い経営体質を実現していきたいと思います。このためには、何よりもクオリティが重要で、ヒト・モノ・ウツワのすべての領域において活動の質を高めていくことで、“選択と集中”が有意義なものになっていくと考えております。

 まずはこの緊急事態が明けた先月から、店頭にお戻りになるお客様が多数見られています。(過去に築いてきた接客力、おもてなしの心が薄れないように)リアル店舗の接客の質(を上げること)が既存店舗の回復の大きな柱だと考えています。実店舗の強みを取り戻していくことを主軸にこの後半戦は臨んでいきたいと思います。この実店舗の回復によって、今後進めていくOMO(店舗とECの融合)施策、ECのリプレイスなども控えておりますが、この成功につながっていくものと考えています。

 二つ目は、“新たな挑戦”が積極的になされている状態を目指しています。これは“選択と集中”と相関するように捉えられる部分もあるかと思いますが、規模の大小を問わず、“新たな挑戦”を積極的に行い、次の兆しをつくっていくことが、この不透明な不確実な時代においては重要だと考えています。過去の成功パターンに依存せず、スピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すことが必要で、時代の動きが転換期に当たる今、大きな施策一つで大逆転を狙うということではなく、先ほどIR広報部長からいくつかの事例を説明させていただきましたが、こうしたものを繰り返していくことで、次の機会を作っていくことを続けてまいります。

 当社はセレクトショップとして先駆的であること、新しいことを提案し続けてくれるであろうことをお客さまから期待されているはずですので、それが当社の優位性を築いてきた原動力の一つでもあるので、“選択と集中”によって得られたものを、新たな価値創造(に向けた“挑戦”)につなげていくことをこの下半期もより強く意識していきたいと思っています。

不安定な時代にこそ、“経営理念の浸透”を重視

 三点目は“経営理念の再浸透”を掲げております。(経営理念:「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」)。これは社員メンバーのエンゲージメントをより強め、高め、お客様への価値提供が薄れていかないために掲げていることです。当社が事業活動をしていくうえでの絶対的な拠り所が理念だと考えております。この理念によって、ユナイテッドアローズがユナイテッドアローズで居続けていけるわけであって、こういった不安定な中で、社員メンバーが自分たちの存在意義や志、なすべき方向性にゆらぎが出そうなときこそ、“経営理念の浸透”が重要になります。コロナ禍で一旦中断している、とくに出張を伴う店舗の巡回や理念セッションを下半期は再開して、全社員メンバーに私たちが目指すところ、社会に果たしたい価値は何かということを、一緒に考えて、全社一丸となって乗り越えて行きたいと考えています。このコロナ禍に伴って、店舗人員の見直しなどを一部行ってきましたが、私たちが築いてきた強みを喪失しないように、店舗メンバーの士気を維持向上する取り組みを進めてまいります。繰り返しですが、この上半期は想定した回復には及んでおりませんが、申し上げた3点(“選択と集中”“新たな挑戦”“経営理念の再浸透”)を通じて当社は変革を進めており、手ごたえを感じているところ多数感じているところです。


【メディアからの質疑応答】
――他社の新興系SPAやセレクトに比べるとやや回復が遅いように思う。コロナという状況は同じだが、どういったところがUAにとっては難しいのか教えてほしい。

松崎善則社長(以下、松崎):他社比較でちょっと回復が遅いのではないかというご指摘・ご質問ですが、精緻にまだ捉えきれていない部分もあるのですが、一つはお客さまの年齢層の違いがあるなと捉えています。コロナの緊急事態が開ける前から、20代、30代前半の若い方の外出はある中で、われわれが主としている30代、40代の方の動向、外出が非常におとなしかった。もう一つは、従来からですが、ビジネス衣料の回復は見られてきていますが、まだまだコロナ以前に比較するとビジネス衣料の完全な回復には及んでいないという状況です。対応はしていますが、そこがまだ実を結んでいない。そういった点が若干の弱含み担っている点と捉えております。

――10月から始めている富裕層向けサービスの件で。ファッションだけでなく富裕層向けに衣食住を含めて提供していくというが、従来から手がけてきた百貨店も富裕層向けサービスを強化している。UAとしては?

松崎:富裕層向けのプライベートサービスデスクですが、おっしゃるように、以前より百貨店で外商という形はあると思いますけれども、われわれ、今回このコロナにより捉えたのは、ECで年間100万円以上お買い上げになられるお客さまが200人近くいらっしゃる。多いか少ないかといえば、金額だと2億円ぐらいの売上げになり、まだまだ潜在的なものがあると考えています。年間100万円という切り方をしましたが、50万円ぐらいだとまた増えてくるのですが、ECでもかなり年間で購買をいただいているお客さまに対して、何のサポートもできていないねと。全社のDXというところにも絡んでくるのですが、まずはそういったお客さまの特性というか購買について、よりサポートを深めていこうということです。これが百貨店の外商と違う点でいうと、百貨店が抱えていらっしゃる団塊層ではなく、われわれは団塊ジュニア層の購買が顕著でして、新しい形の富裕層というお客さまについては、百貨店には行かれていないお客さまが多いということで、われわれに商機があるのではないだろうかと捉えています。

――サプライチェーンについてお尋ねいたします。東南アジアでコロナの感染拡大で商品に遅れなどが出ている企業が出ている。ユナイテッドアローズは該当されているか。二点目が、人権問題が取り上げられている中で、海外を含めたサプライチェーンの透明化や見直しの考え、今後取り組む予定のものは?

三井俊治IR広報部部長:当社の産業に限らず、ベトナムの感染拡大で工場が止まっていたり、中国で電力の問題で工場が止まっていたり、そういう問題が当社でも影響が出ています。秋冬商品の納期遅れが若干発生しています。ここについては常に状況が変わっているので、どういうキャッチアップができるか検討しながら対応を進めているところです。

松崎:人権問題等も含めて、海外生産の透明性をどう担保していくかということですが、昨今話題の綿の問題に端を発して、当社でも各取引先様、とくに大手商社様を中心に、そこからのさらに下の下請け様などに、基準を満たしているか否かという状況調査を行っています。そこで追える、追えない、トレーサビリティが取れるものと取れないものの種別を行い、取れないものについては代替素材、代替工場等を含めて振り替えていく動きをしていこうと、各ベンダー様と話しをさせていただいている最中です。透明性については、海外、国内問わず、人権問題があってはいけませんし、商品のトレーサビリティはすべて取っいきたいという方向性の下に進めているという状況です。

――“選択と集中”の部分で、上期では2020年3月期末に比べて店舗数が14%減少していて、下期も“選択と集中”を進めていくという話があったが、現時点で具体的にどういった計画があるのか。

松崎:先様、デベロッパーもあることなので詳細の詳細まではお伝えできないのですが、グループ全体を通して、コーエン社の店舗などについて下半期はより進めていこうと思っています。UA社の取り組みについても、非常に厳しいところがいくつか残っていますので、こういったところも見極めていきます。これはある程度、UA社についてはメドがついていますが、あと数店舗。主にはコーエン社について進めていく考えです。

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ZOZO 610(武藤貴宣)の喜びあふれるファッション人生^_^ Vol.2学生時代にジュエリーブランドをやっていました

 座右の銘は「鳴かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、出店ブランドの営業部門を統括する武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。

(前回から続く)
 大学は千葉にあって、今のZOZO本社からもほど近いところに住んでいました。そもそも大学 よりも、東京の洋服屋さんに行きたいという気持ちの方が大きくて上京したので、週末は渋谷の「メイードインワールド(MADE IN WORLD)」や「バックドロップ(BACKDROP)」とかによく行ってました。とはいえ、そんなにお金もなかったんで、父や父の古着好きの後輩から服をもらったりとか。当時は裏原全盛期でしたが、高いし、ちょっと一線を画したくて、アメカジとかアメリカのアウトドアブランドなんかを着ていました。

 アクセサリーももともと好きで、当時「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」がすごく流行ったんです。岐阜の地元から出てきた友達も、みんな洋服が好きで、その中にヒコ・みづのジュエリーカレッジに通ってて、彫金ができるやつがいて。「ちょっと自分たちでもブランドをやりたいね」って、欲しいシルバージュエリーを作って、僕が営業してお店に置いてもらったりしていたんです。大学生ってで、あわよくば「それだけで食っていけたらいいな」みたいなのがあるじゃないですか。就職もしたくないし。そういうのを4、5人でやっていました。

 太陽から噴出する炎を指す「サージプロミネンス」というブランド名で、ホームページまで作って、一応ネットでも売りましたね。全く売れなかったですけど(苦笑)。

 そうこうするうちに、「デビロック(DEVIROCK)」や「エクストララージ(XLARGE)」をネット販売する「イープローズ」というサイトを見つけて。「ネットでこんなふうに売ってるなんて、すごいな。ここに置いてもらいたい」と思って、問い合わせ窓口からコンタクトしたんです。その「イープローズ」を運営していたるのがスタートトゥデイ(現ZOZO)でした。取り扱いは断られましたが、これが前澤(友作)さんとの最初の出会いでした。

 就職した後も僕らはブランドを継続しました。僕は東光オーエーシステムに入社しました。実家にあった「繊研新聞」で広告をたまたま目にしたんです。アパレル業界に特化したパッケージソフトのB to B広告で、ファッションとネット系がつながりそうでいいなと思って決めました。

 働きながら、帰りにマガジンハウスに寄って「サージプロミネンス」の飛び込み営業をしたりしていました。当時「リラックス」の副編集長だった中島敏子さんに気に入ってもらえて、「ヒロシくんは面白がってくれるかもよ」って、藤原ヒロシさんのメールアドレスを教えてもらったり、雑誌「ホットドッグプレス」に載せてもらえたり。でも、就職して1年くらいで自然消滅しました。ブランド作るって本当に大変なんだって思いましたね。ネットで売るのも、相当大変だなと身に染みました。

 東光オーエーシステムは、アパレル専門の基幹システムのバックオフィスを作る会社で、「デビロック」やビーズインターナショナルも含めて千駄ヶ谷アパレルのほとんどを手掛けていました。ネット販売のサポートもしていたので、僕は取引先のデータが全部見られたんです。

 ある日、「そういえば、あの千葉のネットの会社って、どのぐらい売れているんだろう。ビーズインターナショナルのブランドとか扱っていたし」と思って見たら、めちゃくちゃ売れていたんです。「ネットだけなのに、なんでこんなに売れているんだ?」というくらい。

 自分たちでやると全然ネットで売れないのに、スタートトゥデイという会社のサイトでは他と比較にならないくらい売れていて。すごいなと思って、最初にアプローチして1年後ぐらいですかね、またメールしたんです。なんでこんなに売れているのか知りたくて。そしたら、「一回会いましょう」みたいな感じになったんです。それで、幕張のオフィスに行きました。そうしたら、ノートパソコン持った小柄な男性と無愛想な女性が出てきたんです。(続きは11月22日12時にアップします)

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ZOZO 610(武藤貴宣)の喜びあふれるファッション人生^_^ Vol.2学生時代にジュエリーブランドをやっていました

 座右の銘は「鳴かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、出店ブランドの営業部門を統括する武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。

(前回から続く)
 大学は千葉にあって、今のZOZO本社からもほど近いところに住んでいました。そもそも大学 よりも、東京の洋服屋さんに行きたいという気持ちの方が大きくて上京したので、週末は渋谷の「メイードインワールド(MADE IN WORLD)」や「バックドロップ(BACKDROP)」とかによく行ってました。とはいえ、そんなにお金もなかったんで、父や父の古着好きの後輩から服をもらったりとか。当時は裏原全盛期でしたが、高いし、ちょっと一線を画したくて、アメカジとかアメリカのアウトドアブランドなんかを着ていました。

 アクセサリーももともと好きで、当時「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」がすごく流行ったんです。岐阜の地元から出てきた友達も、みんな洋服が好きで、その中にヒコ・みづのジュエリーカレッジに通ってて、彫金ができるやつがいて。「ちょっと自分たちでもブランドをやりたいね」って、欲しいシルバージュエリーを作って、僕が営業してお店に置いてもらったりしていたんです。大学生ってで、あわよくば「それだけで食っていけたらいいな」みたいなのがあるじゃないですか。就職もしたくないし。そういうのを4、5人でやっていました。

 太陽から噴出する炎を指す「サージプロミネンス」というブランド名で、ホームページまで作って、一応ネットでも売りましたね。全く売れなかったですけど(苦笑)。

 そうこうするうちに、「デビロック(DEVIROCK)」や「エクストララージ(XLARGE)」をネット販売する「イープローズ」というサイトを見つけて。「ネットでこんなふうに売ってるなんて、すごいな。ここに置いてもらいたい」と思って、問い合わせ窓口からコンタクトしたんです。その「イープローズ」を運営していたるのがスタートトゥデイ(現ZOZO)でした。取り扱いは断られましたが、これが前澤(友作)さんとの最初の出会いでした。

 就職した後も僕らはブランドを継続しました。僕は東光オーエーシステムに入社しました。実家にあった「繊研新聞」で広告をたまたま目にしたんです。アパレル業界に特化したパッケージソフトのB to B広告で、ファッションとネット系がつながりそうでいいなと思って決めました。

 働きながら、帰りにマガジンハウスに寄って「サージプロミネンス」の飛び込み営業をしたりしていました。当時「リラックス」の副編集長だった中島敏子さんに気に入ってもらえて、「ヒロシくんは面白がってくれるかもよ」って、藤原ヒロシさんのメールアドレスを教えてもらったり、雑誌「ホットドッグプレス」に載せてもらえたり。でも、就職して1年くらいで自然消滅しました。ブランド作るって本当に大変なんだって思いましたね。ネットで売るのも、相当大変だなと身に染みました。

 東光オーエーシステムは、アパレル専門の基幹システムのバックオフィスを作る会社で、「デビロック」やビーズインターナショナルも含めて千駄ヶ谷アパレルのほとんどを手掛けていました。ネット販売のサポートもしていたので、僕は取引先のデータが全部見られたんです。

 ある日、「そういえば、あの千葉のネットの会社って、どのぐらい売れているんだろう。ビーズインターナショナルのブランドとか扱っていたし」と思って見たら、めちゃくちゃ売れていたんです。「ネットだけなのに、なんでこんなに売れているんだ?」というくらい。

 自分たちでやると全然ネットで売れないのに、スタートトゥデイという会社のサイトでは他と比較にならないくらい売れていて。すごいなと思って、最初にアプローチして1年後ぐらいですかね、またメールしたんです。なんでこんなに売れているのか知りたくて。そしたら、「一回会いましょう」みたいな感じになったんです。それで、幕張のオフィスに行きました。そうしたら、ノートパソコン持った小柄な男性と無愛想な女性が出てきたんです。(続きは11月22日12時にアップします)

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クリエイティブ面はひどい出来なのに、売り上げがいいからと称賛されるのは間違っている byラフ・シモンズ

ラフ・シモンズ/ファッションデザイナー

 成功の定義が“いかに事業を成長させたか”という経済的な視点ばかりになってしまった。とてもいら立たしいし、ひどい話だと思う。クリエイティブな人間を、ブランドの店舗数や売り上げ、会社の成長率などで測るべきではない。クリエイティブ面ではひどい出来のコレクションなのに、売り上げがいいからと称賛されるのは間違っている。とはいえ、褒めるところがないから売り上げを褒めているのかもしれないが。

【The WORDS】
ファッション業界人の残した名言を日々の糧に。デザイナーやバイヤー、社長、編集長らの心に響く言葉をお届け。


【ラフ・シモンズの思考を知るトピックス】

 私がキャリアをスタートさせた当時、マルタン・マルジェラ、ヘルムート・ラング、川久保玲がアバンギャルドで新しい作品を次々に発表していた。最近はファッション業界でそうした新しい風を感じることがなくて寂しく思う。むしろ、映画やテレビドラマなどで挑戦的なテーマの作品が増えていて、スタッフと毎日ドラマについて話している。

 特にこの数年は、今まで以上にブランドの成長を感じている。22年にわたり、ずっとやるべきことをやり続けてきた結果だが、ブランドを継続させることができたことを誇りに思う。

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落合陽一に聞くサステナブル 総合演出した日中韓芸術祭の背景

 「日中韓芸術祭2021in北九州」が10月25日に北九州市立美術館で開催された。「日中韓芸術祭」は日中韓の伝統文化や現代芸術の紹介を目的に14年から始まった3カ国共同事業で、毎年持ち回りで開催されている。日本が開催国の今年は東アジア文化都市である北九州市で開催。南條史⽣キュレーターをスーパーバイザーに、メディアアーティストの落合陽一が総合演出を担当し、ホログラム技術を活用したデジタルショーを発表した。テーマは「デジタル時代に花開く,時空間を超えたパッチワーク」。⽇本・中国・韓国の装いの⼟着性やその⽂化の根底に流れるサステナビリティを共通のコンセプトに掲げる。落合陽一が考えるサステナビリティとは?都内で事前に行われた撮影現場で話を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD): SDGsとファッションとデジタルを組み合わせて何を伝えようとしているのか教えてください。

落合陽一メディアアーティスト(以下、落合):何を伝えるかそれほど固めていません。どちらかというと素材を集め、デジタルのパッチワークをすることで何が生まれるだろう、という感覚です。

WWD:モデルには冨永愛はじめ多様性あるモデルを起用しています。パッチワークはどこに向かっているのでしょうか。

落合:自分はメディアアーティストであり、やっていることはずっとぶれていません。自然と共生する新しいデジタルとは何か、「デジタルネイチャー」の探求です。だから演出するショーごとにコンセプトを大きくは変えません。今回のテーマである「デジタル時代に花開く、時空間を超えたパッチワーク」の裏にある話としては、デジタルネイチャーという新しい生態系において人はどういう形をしているのだろう?民芸のような古いものの価値はどう高められていくのだろうといったこと。最終的にどういう形に落ち着くかは料理しないとわかりません。フランス料理か日本料理か中国料理かと聞かれるなら「計算機自然料理」です。味はまだ分からない。

WWD:ゴールは明確だけどどんな味になるかはわからない、それはおもしろいですね。

落合:結構おいしく仕上がりそうです。カメラのチームが良いことは最初からわかっていましたが、モデルさんもよいし、スタイリストさんもよく、ヘアメイクも服もよい。撮影は現場でハマってみないと相性が良いか分からないですよね。

日本のぼろと「スノーピーク」は相性がとてもいい

WWD:服は、日本のぼろ(襤褸)に加えて「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」、日本環境設計の「ブリング(BRING)」を使った「スノーピーク(SNOWPEAK)」とバリエーションに富んでいます。これらを選んだ理由を教えてください。

落合:フィジカルのパッチワークと言えば唯馬さんじゃないですか?ぼろは継ぎはぎを繰り返して長い年月着られ続けてきた、いわば“アナログパッチワーク・オブ・ジ・エンシエント・トラディショナル・カルチャー”。受け継がれるぼろは、あの上で子供が生まれ、寒い夜はドンシャンと呼ばれる夜着に数人で包まり寝た。その中で亡くなる人もいたでしょう。服を着る本質的な理由は防寒であり、ぼろは防寒の極み。そしてキャンプやアウトドアファッションの基本は防寒や機能。キャンプから誕生しサステナブルな材料を使う「スノーピーク」はぼろとの相性はとてもいい。「われわれはキャンパーなのだ、都市で」みたいなメッセージを受け取ります。

WWD:「スノーピーク」の素材が再生ポリエステルであることは重要でしたか?そういえば「ブリング」の工場も北九州市にありますが。

落合:重要です。循環する素材のほうが面白いですから。

WWD:⽇本・中国・韓国の装いの⼟着性やその⽂化の根底に流れるサステナビリティを共通のコンセプトに掲げています。詳しく教えてください。

落合:人類がつくってきた文化的活動は、常にアーカイブがあります。デジタル以降は古今東西から集めてきた断片的なコンテクストが、何らかの形をしていることが非常に気持ちがよいと思うようになりました。それは日本から来たのかもしれないし、中国から来たのかもしれないし、韓国から来たのかもしれない。そして、それが一点通じて華厳や老荘思想になる。

 ⽇中韓の⽂化の根底に流れているものを考えたとき、真っ先に浮かんだのは物化・華厳・⺠藝・侘寂などの東洋的美的感覚と世界観の中に構築される持続可能なデジタルの⾃然です。一は全、全は一。一瞬の中に美学を見て茶室の茶の中に宇宙がある、老い木に花の世界など華厳的思想は老荘から生まれて半島伝来して日本にやって来たわけですよね。そして今はデジタルネイチャーです。1980年のナムジュン・パイク(Nam June Paik)の⾔葉を借りれば、リモートコラボレーションが当たり前になったわれわれは「定在する遊牧⺠(stationary nomad )」とも⾔えます。地球上のあらゆるところからデジタルの⾃然に接続され,共⽣し饗宴することができるようになりましたから。

ナムジュン・パイクは多分、完全に正しい

WWD:ナムジュン・パイクはビデオアートの父と言われるアーティストですね。

落合:ナムジュン・パイクが1980年に「アートフォーラム」という美術誌に書いた「ランダム・アクセス・インフォメーション」という寄稿文があり「60キロの体を動かすのに60キロの体しか動かさなかった人類が、60キロの体を動かすために300キロの車を動かすようになったから、石油を使うようになった。これは最も愚かしい」といった意味のことを書いていて、おもしろい。その解決策として彼が言い出したのが、われわれがステーショナリー・ノマド=定住する遊牧民になることです。世界中に電子情報としてものを送り合う世界が来ればわれわれは動かなくていい。そうすれば石油問題を解決できると。今思うと本質をついている。ナムジュン・パイクは多分、完全に正しい。

 ただ、「ステーショナリー・ノマド」に欠けていたものは何かと言えば、多分、質量への憧憬です。電子情報を送れば人が存在できるという点は完全に正しいけれど、コロナで強制ロックダウンされたことで身体性への飢えが発生するといったところまでは彼も考えが及んでいなかったと思う。人間には質量への憧憬があるから、ステーショナリー・ノマドになり切れない。だからその間にあるものをうまく取り持つみたいなところが、ここ数年の僕のテーマです。デジタルから見た身体性、質量への欲求は一体何なのか?今回パッチワークの素材のひとつにサイアノタイプという鉄を使ったプリントを使ったのも、質量がないデジタルを質量のあるフィジカルに変換する喜びみたいなことからです。

WWD:インスタレーションの本番ではそれをホログラムで見せ、12月には一般配信もあるそうですね。

落合:空間に映像を直接表示するディスプレーをLEDで作ります。身体からデータになり、データが自然となびくところを表現したい。質量性のあるボロとうまいコントラストが出ると思います。

僕らの世代はデジタルからフィジカルに戻すことに愛着が湧く

WWD:以前、インタビューで「何をかっこいいと思うか、その感覚は幼少期に決まる」といったことを話されていました。落合さんが考えるかっこよさとは?

落合:忘れられて消えてしまうデジタルデータと、古めかしくて触れると壊れてしまうものを観察する喜びの間に、今の時代のかっこよさがあると思う。この質量への憧憬が漂う時代においては重要な価値観だと思います。ナムジュン・パイクはデジタルネイティブじゃなかった。彼が写真を見たときにケミカルプロセスを考えたのは、写真との出会いがフィルムからだったからですよね。僕の世代は写真との出会いはデジタルからで逆にフィジカルに戻すことにものすごい愛着が湧いたりするわけです。その感覚が表現されるといいなと思っています。

 ボロは壊れそうだけど美しい。どんどんトランスフォームしていく。「ユイマ ナカザト」の服もこうやってトランスフォームしていく。でも、トランスフォームする最大のものを僕はデジタルだと思う。トランスフォームしまくるデジタルであるが故に、質量ある形を与えてもっと愛してあげたいっていつも思っているけど、質量ある形を与えると、壊れて死んじゃうから、そのギリギリのラインがフルデジタル時代のかっこよさなのだと僕は信じています。

WWD:ニューヨークのMOMAが2019年にリニューアルした後にパフォーマンス用のエリアを設けるなど、ここにきて消えてなくなるもののアート性が重視されているように思います。

落合:おもしろいですね。ちなみステーショナリー・ノマドという言葉が出てくる数行前でナムジュン・パイクが言っているのは、歌や口語、ダンスや音楽みたいに形が残らない芸術は過去50万年間、支配的であったのに、農耕を始めた人類が壁に描いたり彫刻を彫ったりと持ち運べない芸術を作り始めたと。20世紀はそれを成功させてきたが、形を持たない無形のジャンルへ芸術を戻していくことも意味があると言っていました。

 形のないものは質量のないもの。古来、芸術ってほとんど質量がないものでした。質量がないものから突然、質量があるものが生じたのではなく、定住することによって生じた。今、だから定住することの意味を逆にデジタルの側に発散していくと、あらゆるものは形あるものから形のないものへ、そして形ないものから形あるものへというトランスフォームが起こる。それを文化的に着目し続けるのに意味があります。

WWD:日本のカルチャーは戦後、ファッションはじめアメリカから大きな影響受けてきました。けれどここにきて、長く使うことをよしとするヨーロッパ型の価値観が大事だな、と言われ始めている。この点についてはどう思いますか?

落合 石の文化ですね。広がると思います。僕は新品を買う行為をあまりかっこよくないと思っています。例えば使っている「ライカ(LEICA)」のレンズは1960年のレンズで、過去50年間誰かの手を渡って僕のところにやって来ている。「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」が好きで、高校生のときに買ったヨウジの服を今でも着ています。破けているし、ペンキが付いたりしているけどその方がカッコいいじゃないですか。別に新しい物買うよりリメークしたほうがかっこよくない?とか、ほつれが生まれた瞬間がオリジナリティーであるとか、“小汚い服”ではなく“あなた色になった服”であるとか。そういったことをみんなが意識するようになることが、僕は大切だと思っています。

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落合陽一に聞くサステナブル 総合演出した日中韓芸術祭の背景

 「日中韓芸術祭2021in北九州」が10月25日に北九州市立美術館で開催された。「日中韓芸術祭」は日中韓の伝統文化や現代芸術の紹介を目的に14年から始まった3カ国共同事業で、毎年持ち回りで開催されている。日本が開催国の今年は東アジア文化都市である北九州市で開催。南條史⽣キュレーターをスーパーバイザーに、メディアアーティストの落合陽一が総合演出を担当し、ホログラム技術を活用したデジタルショーを発表した。テーマは「デジタル時代に花開く,時空間を超えたパッチワーク」。⽇本・中国・韓国の装いの⼟着性やその⽂化の根底に流れるサステナビリティを共通のコンセプトに掲げる。落合陽一が考えるサステナビリティとは?都内で事前に行われた撮影現場で話を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD): SDGsとファッションとデジタルを組み合わせて何を伝えようとしているのか教えてください。

落合陽一メディアアーティスト(以下、落合):何を伝えるかそれほど固めていません。どちらかというと素材を集め、デジタルのパッチワークをすることで何が生まれるだろう、という感覚です。

WWD:モデルには冨永愛はじめ多様性あるモデルを起用しています。パッチワークはどこに向かっているのでしょうか。

落合:自分はメディアアーティストであり、やっていることはずっとぶれていません。自然と共生する新しいデジタルとは何か、「デジタルネイチャー」の探求です。だから演出するショーごとにコンセプトを大きくは変えません。今回のテーマである「デジタル時代に花開く、時空間を超えたパッチワーク」の裏にある話としては、デジタルネイチャーという新しい生態系において人はどういう形をしているのだろう?民芸のような古いものの価値はどう高められていくのだろうといったこと。最終的にどういう形に落ち着くかは料理しないとわかりません。フランス料理か日本料理か中国料理かと聞かれるなら「計算機自然料理」です。味はまだ分からない。

WWD:ゴールは明確だけどどんな味になるかはわからない、それはおもしろいですね。

落合:結構おいしく仕上がりそうです。カメラのチームが良いことは最初からわかっていましたが、モデルさんもよいし、スタイリストさんもよく、ヘアメイクも服もよい。撮影は現場でハマってみないと相性が良いか分からないですよね。

日本のぼろと「スノーピーク」は相性がとてもいい

WWD:服は、日本のぼろ(襤褸)に加えて「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」、日本環境設計の「ブリング(BRING)」を使った「スノーピーク(SNOWPEAK)」とバリエーションに富んでいます。これらを選んだ理由を教えてください。

落合:フィジカルのパッチワークと言えば唯馬さんじゃないですか?ぼろは継ぎはぎを繰り返して長い年月着られ続けてきた、いわば“アナログパッチワーク・オブ・ジ・エンシエント・トラディショナル・カルチャー”。受け継がれるぼろは、あの上で子供が生まれ、寒い夜はドンシャンと呼ばれる夜着に数人で包まり寝た。その中で亡くなる人もいたでしょう。服を着る本質的な理由は防寒であり、ぼろは防寒の極み。そしてキャンプやアウトドアファッションの基本は防寒や機能。キャンプから誕生しサステナブルな材料を使う「スノーピーク」はぼろとの相性はとてもいい。「われわれはキャンパーなのだ、都市で」みたいなメッセージを受け取ります。

WWD:「スノーピーク」の素材が再生ポリエステルであることは重要でしたか?そういえば「ブリング」の工場も北九州市にありますが。

落合:重要です。循環する素材のほうが面白いですから。

WWD:⽇本・中国・韓国の装いの⼟着性やその⽂化の根底に流れるサステナビリティを共通のコンセプトに掲げています。詳しく教えてください。

落合:人類がつくってきた文化的活動は、常にアーカイブがあります。デジタル以降は古今東西から集めてきた断片的なコンテクストが、何らかの形をしていることが非常に気持ちがよいと思うようになりました。それは日本から来たのかもしれないし、中国から来たのかもしれないし、韓国から来たのかもしれない。そして、それが一点通じて華厳や老荘思想になる。

 ⽇中韓の⽂化の根底に流れているものを考えたとき、真っ先に浮かんだのは物化・華厳・⺠藝・侘寂などの東洋的美的感覚と世界観の中に構築される持続可能なデジタルの⾃然です。一は全、全は一。一瞬の中に美学を見て茶室の茶の中に宇宙がある、老い木に花の世界など華厳的思想は老荘から生まれて半島伝来して日本にやって来たわけですよね。そして今はデジタルネイチャーです。1980年のナムジュン・パイク(Nam June Paik)の⾔葉を借りれば、リモートコラボレーションが当たり前になったわれわれは「定在する遊牧⺠(stationary nomad )」とも⾔えます。地球上のあらゆるところからデジタルの⾃然に接続され,共⽣し饗宴することができるようになりましたから。

ナムジュン・パイクは多分、完全に正しい

WWD:ナムジュン・パイクはビデオアートの父と言われるアーティストですね。

落合:ナムジュン・パイクが1980年に「アートフォーラム」という美術誌に書いた「ランダム・アクセス・インフォメーション」という寄稿文があり「60キロの体を動かすのに60キロの体しか動かさなかった人類が、60キロの体を動かすために300キロの車を動かすようになったから、石油を使うようになった。これは最も愚かしい」といった意味のことを書いていて、おもしろい。その解決策として彼が言い出したのが、われわれがステーショナリー・ノマド=定住する遊牧民になることです。世界中に電子情報としてものを送り合う世界が来ればわれわれは動かなくていい。そうすれば石油問題を解決できると。今思うと本質をついている。ナムジュン・パイクは多分、完全に正しい。

 ただ、「ステーショナリー・ノマド」に欠けていたものは何かと言えば、多分、質量への憧憬です。電子情報を送れば人が存在できるという点は完全に正しいけれど、コロナで強制ロックダウンされたことで身体性への飢えが発生するといったところまでは彼も考えが及んでいなかったと思う。人間には質量への憧憬があるから、ステーショナリー・ノマドになり切れない。だからその間にあるものをうまく取り持つみたいなところが、ここ数年の僕のテーマです。デジタルから見た身体性、質量への欲求は一体何なのか?今回パッチワークの素材のひとつにサイアノタイプという鉄を使ったプリントを使ったのも、質量がないデジタルを質量のあるフィジカルに変換する喜びみたいなことからです。

WWD:インスタレーションの本番ではそれをホログラムで見せ、12月には一般配信もあるそうですね。

落合:空間に映像を直接表示するディスプレーをLEDで作ります。身体からデータになり、データが自然となびくところを表現したい。質量性のあるボロとうまいコントラストが出ると思います。

僕らの世代はデジタルからフィジカルに戻すことに愛着が湧く

WWD:以前、インタビューで「何をかっこいいと思うか、その感覚は幼少期に決まる」といったことを話されていました。落合さんが考えるかっこよさとは?

落合:忘れられて消えてしまうデジタルデータと、古めかしくて触れると壊れてしまうものを観察する喜びの間に、今の時代のかっこよさがあると思う。この質量への憧憬が漂う時代においては重要な価値観だと思います。ナムジュン・パイクはデジタルネイティブじゃなかった。彼が写真を見たときにケミカルプロセスを考えたのは、写真との出会いがフィルムからだったからですよね。僕の世代は写真との出会いはデジタルからで逆にフィジカルに戻すことにものすごい愛着が湧いたりするわけです。その感覚が表現されるといいなと思っています。

 ボロは壊れそうだけど美しい。どんどんトランスフォームしていく。「ユイマ ナカザト」の服もこうやってトランスフォームしていく。でも、トランスフォームする最大のものを僕はデジタルだと思う。トランスフォームしまくるデジタルであるが故に、質量ある形を与えてもっと愛してあげたいっていつも思っているけど、質量ある形を与えると、壊れて死んじゃうから、そのギリギリのラインがフルデジタル時代のかっこよさなのだと僕は信じています。

WWD:ニューヨークのMOMAが2019年にリニューアルした後にパフォーマンス用のエリアを設けるなど、ここにきて消えてなくなるもののアート性が重視されているように思います。

落合:おもしろいですね。ちなみステーショナリー・ノマドという言葉が出てくる数行前でナムジュン・パイクが言っているのは、歌や口語、ダンスや音楽みたいに形が残らない芸術は過去50万年間、支配的であったのに、農耕を始めた人類が壁に描いたり彫刻を彫ったりと持ち運べない芸術を作り始めたと。20世紀はそれを成功させてきたが、形を持たない無形のジャンルへ芸術を戻していくことも意味があると言っていました。

 形のないものは質量のないもの。古来、芸術ってほとんど質量がないものでした。質量がないものから突然、質量があるものが生じたのではなく、定住することによって生じた。今、だから定住することの意味を逆にデジタルの側に発散していくと、あらゆるものは形あるものから形のないものへ、そして形ないものから形あるものへというトランスフォームが起こる。それを文化的に着目し続けるのに意味があります。

WWD:日本のカルチャーは戦後、ファッションはじめアメリカから大きな影響受けてきました。けれどここにきて、長く使うことをよしとするヨーロッパ型の価値観が大事だな、と言われ始めている。この点についてはどう思いますか?

落合 石の文化ですね。広がると思います。僕は新品を買う行為をあまりかっこよくないと思っています。例えば使っている「ライカ(LEICA)」のレンズは1960年のレンズで、過去50年間誰かの手を渡って僕のところにやって来ている。「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」が好きで、高校生のときに買ったヨウジの服を今でも着ています。破けているし、ペンキが付いたりしているけどその方がカッコいいじゃないですか。別に新しい物買うよりリメークしたほうがかっこよくない?とか、ほつれが生まれた瞬間がオリジナリティーであるとか、“小汚い服”ではなく“あなた色になった服”であるとか。そういったことをみんなが意識するようになることが、僕は大切だと思っています。

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ステラ・マッカートニーがCOP26に参加 動物由来のファーやレザー廃止を呼びかけ

 スコットランドのグラスゴーで10月31日〜11月12日、環境問題についてさまざまな切り口から語り合うCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が開催されている。デザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)も出席し、英国でのファーの取り扱いの禁止を呼びかけ、合わせてファーに代わるサステナブルな新素材を提案した。

 マッカートニーは、ケルビングローブ美術館とグラスゴーの美術館で「ファッションの未来」と題した展示会を開催。自身のブランド「ステラ マッカートニー」で使用するキノコ由来の人工レザーなど、これからの新素材を複数展示。新素材開発の鍵を握るキノコなどを生で併設し、自然由来であることをアピールした。

 ほかにも、バイオテックベンチャーのボルトスレッズ(BOLT THREADS)が開発した人工レザー「マイロ(MYLO)」や、サッカー選手のポール・ポグバ(Paul Pogba)と契約を結んだアディダス(ADIDAS)と「ステラ マッカートニー」による世界初のビーガンサッカーシューズ、ソクタス(SOKTAS)による再生コットンなどを展示。イタリアのアクアフィル(AQUAFIL)が開発したリサイクルナイロン「エコニール(ECONYL)」など、多数の環境配慮型素材を紹介した。

 展示会には、サステナブルなファッションやこれからの新素材を学ぶために、俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)やサディク・カーン(Sadiq Khan)=ロンドン市長も訪れた。またチャールズ皇太子が展開するサステナブル・マーケット・イニシアチブの一部として開催されていることから、3日にはマッカートニーと共にチャールズ皇太子も展示会を案内した。

 COP26は国連の気候変動枠組条約に参加している国が集まる会議で、今回で26回目を迎えた。世界のリーダーが集まるので、ファッション業界にとってはサステナブルなビジネスのための支援を政府に促したり、普段の取り組みを消費者にアピールしたりする機会となる。マッカートニーは展示会と合わせて、ファッション業界における動物由来のファーやレザーの使用に反対するキャンペーンへの署名を、世界のリーダー及び一般の参加者に呼びかけている。そしてイスラエルやアメリカのカリフォルニア州同様に、イギリスでもファーの販売を業界全体で禁止し、ファーとレザーの使用の禁止も訴える。

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ゴールドウイン、ベトナムのロックダウンが30億円の減収要因に 工場停止で納期遅れ

 ゴールドウインは、中心産地であるベトナムが新型コロナウイルスによる2カ月半のロックダウンに見舞われ、売上高ベースで30億円程度の影響を受けたと発表した。基幹ブランド「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の主力であるダウンジャケットへの打撃は軽微だが、近年人気を集める防寒ブーツ“ヌプシブーティ”の納品が遅れる。ロックダウンは10月初めに解除されたため、現在は急ピッチで生産を進め、巻き返しを図っている。5日に行われた同社の2021年3〜9月期決算説明会で渡辺貴生社長が明らかにした。

 同社は中国生産の一極集中を避ける狙いで、ベトナムへの生産移転を進めてきた。ベトナムの生産比率は12年3月期の18%から22年3月期には56%に達する見通し。「ザ・ノース・フェイス」のアパレルやシューズなどの多くがベトナムで作られている。サプライチェーンについて渡辺社長は「当面は大きな産地シフトは考えていない。ただ、日本でのカスタマイズ生産をはじめ、ニーズに対応した生産体制は整備していく」と説明した。

 足元の秋冬商戦では、影響の少ないダウンジャケットの拡販に尽力する。またシーズンの持ち越し商品や他の商品の入荷の前倒しなどでMDを修正する。

 4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比21.1%増の382億円、営業利益が同166.8%増の32億円、純利益は同321.9%増の26億円だった。東京の2度の緊急事態宣言や、7月以降の感染拡大によって都心店舗の来店客が伸びず、売上高は期初見通しを下回った。しかし、EC売上高が同20.8%増と好調に推移したほか、経費を抑制した結果、営業利益と純利益は期初見通しを上回った。

 事業別では、「ザ・ノース・フェイス」を含むパフォーマンス事業が回復基調を継続。登山やマラソン大会は自粛傾向にあったが、密を避けるレジャーとしてアウトドアへの依然として関心は高く、売上高は同47.3%増の132億円となった。ライフスタイル事業は、日常生活での高機能ウエアのニーズが高まり、同11.8%増の222億円を記録。一昨年の過去最高値を上回った。ファッション事業は、インバウンドがない中、販路拡大によって堅調をキープし、売上高は同2.2%増の27億円だった。

 22年3月期は期初予想を据え置く。売上高が1000億円、営業利益が140億円、純利益が103億円。売上高と利益のボリュームが大きい10~12月期の結果を踏まえ、「見直しが必要な場合には速やかに修正値を開示する」(渡辺社長)。

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「コンバース」がゴアテックス®採用“オールスター100”の新作 止水ジッパー付き

 「コンバース(CONVERSE)」は、防水透湿性素材「ゴアテックス(GORE-TEX)®」を使用した"オールスター100 ゴアテックス Z HI(ALL STAR 100 GORE-TEX Z HI)"を12月に発売する。直営店の「ホワイトアトリエ バイ コンバース」や公式EC、「コンバース」取扱店舗で販売する。カラーはブラック1色のみで、価格は税込1万8700円。

 同製品は"オールスター100"をベースに、「ゴアテックス(GORE-TEX)®」ファブリックを用いたモデル。新作はアッパーに撥水加工を施したほか、止水ジッパーを採用して着脱性を高めた。

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「ザ・ノース・フェイス」が登山ギアの専門ECをオープン 冒険家のインタビューやラジオなど専門性の高いコンテンツも

 ゴールドウインが手掛ける「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は、ブランド最高峰の登山ギアシリーズ“サミット・シリーズ(SUMMIT SERIES)”を中心としたギア専門のECサイト「ザ・ノース・フェイス マウンテン EC サイト(THE NORTH FACE MOUNTAIN EC SITE)」を開設した。オンラインショップのほか、アスリートへのインタビューやウエアのレイヤリング解説など、登山にまつわる情報を発信して新たな顧客体験を提供する。11月中旬には、登山経験が豊富な専門スタッフによるオンライン接客もスタートする予定だ。

 サイトでは、“エクスプロア(EXPLORE)”をテーマに、大きく4つのコンテンツを用意する。国内外のアスリートや冒険家をインタビューする記事コンテンツ“オン ザ エッジ(ON THE EDGE)”、登山に必要な装備や知識や心構え、おすすめのフィールドを紹介するガイドコンテンツ“レイヤリング セオリー(LAYERING THEORIES)”、人類未踏だった山への挑戦や極地遠征など、過去の記録とその背景を伝えるラジオコンテンツ“エクスペディショントラック(EXPEDITION TRACK)”、アーティスト・クリエイターによる自然を対象とした作品を紹介し、アウトドアの魅力を視覚的に発信する“ランドスケープ(LANDSCAPE)”だ。

 ゴールドウインは2019年からEC強化を掲げ、直営店とEC在庫の一元管理やオンライン接客などを導入してきた。2021年3月期はコロナの追い風もあり、EC売上率が全体の13%まで上昇。2026年3月期までに30%を目指す。今後、キャンプなど特定のカテゴリーに特化したサイトをオープンする予定だ。

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「ギャップ」がレスリー・キーと組みダイバーシティー啓発 ミュージックビデオに平原綾香や剛力彩芽ら登場

 「ギャップ(GAP)」は11月3日、フォトグラファーのレスリー・キー(Leslie Kee)と組み、個性や多様性の尊重を打ち出すプロジェクト「This is Me〜Rainbow〜」を開始する。レスリーのディレクションのもと、プロジェクトのオリジナルテーマソングを制作。プロジェクトの趣旨に賛同したシンガーソングライターの平原綾香や俳優の剛力彩芽、すみれ、ファッションアイコンのAMIAYAなど、日米の80人が参加したミュージックビデオも作り、ギャップジャパンの公式ユーチューブチャンネルで公開する。一部店舗では、レスリーが撮影した80人のポートレートも展示する。

 オリジナルソングは、今年で発表50周年を迎えるジョン・レノン(John Lennon)とオノ・ヨーコによる「イマジン(IMAGINE)」へのトリビュートとして作成。スポティファイでも3日から配信する。ユーチューブ上で公開するミュージックビデオには、日本人ではほかにタレントのはるな愛、モデルの島袋聖南、タレントの石倉ノア夫婦、俳優の伊藤健太郎らが登場。みな「ギャップ」のロゴスエットやダウンジャケットなどを着用している。

 ポートレートを展示する店舗は、銀座の旗艦店、新宿フラッグス店、グランフロント大阪店の3店。東京・千駄ヶ谷のギャップジャパン本社にも掲出する。「ギャップ」とレスリーは、これまでもLGBTQのポートレートプロジェクトなどで協業している。

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渡辺直美の「プニュズ」が「サイゼリヤ」とコラボ “ミラノ風ドリア”パーカなど

 ウィゴーが運営する、お笑い芸人の渡辺直美プロデュースのファッションブランド「プニュズ(PUNYUS)」は、イタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」とのコラボコレクションを11月5日に「プニュズ」直営店やオンラインストアなどで発売する。今回の協業は、渡辺が「サイゼリヤ」が大好きであることから実現した。

 アイテムは、「サイゼリヤ」のロゴ付きロンパースやTシャツのほか、人気メニューの“ミラノ風ドリア”や“辛味チキン”、“小エビのサラダ”のイラストや文字が付いたパーカやフード付きワンピース、トートバッグなどをそろえる。価格は1650円〜1万3200円。またビジュアルは、渡辺らがお忍びで「サイゼリヤ」に遊びに行くイメージで撮影し、特設サイトや「プニュズ」のSNSで公開する。

 渡辺は、「大好きな『サイゼリヤ』とのコラボレーションが実現できてうれしい。みんながコラボアイテムを着て、楽しく食事してもらえる様子を想像しながら制作した」とコメントした。

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薬機法、広告、ステマ、サステナ、知財…美容業界の法律問題を学ぶ全3回「ビューティロー セミナー」

 近年、化粧品や美容サービス、健康食品などのビジネス領域が拡大傾向にあり、それに関連した法律相談が急増しています。化粧品企業はもちろん、ファッション・アパレル企業がライフスタイル分野の一環として、コスメやボディーケア製品、サプリメント、香水といったプロダクトを手掛ける傾向が強まり、法律などの改正や規制の強化への迅速な理解と対応が求められています。

 そこでWWDJAPAN Educationsでは「ビューティロー セミナー」を企画し、ビューティ・ヘルスケア分野を対象としたリーガルサービスの提供を開始した三村小松山縣 法律事務所の3人の弁護士にビューティ関連の広告やプロモーション、知財戦略、サステナビリティをテーマに起きうる問題や訴訟例などを語ってもらい、トラブルを未然に防ぐ方法などをお伝えます。


—INFORMATION—
<日時>
12月8日(水)13:30~15:00
12月16日(木)13:30~15:00
12月22日(水)13:30~15:00
※講義時間60分、質疑応答30分となります。

<実施方法>
オンラインセミナー
※講義終了後、一定期間のアーカイブ視聴をご案内いたします。
※お申込み後、受講日の数日前を目処に個別に視聴用URLをお送りいたします。

<受講料>
【一般価格】
(全受講)4万4000円(税込)
(選択受講)1万6500円(税込)
【定期購読(スタンダードプラン)】30%OFF
(全受講)3万800円(税込)
(選択受講)1万1550円(税込)
【ライトプラン】10%OFF
(全受講)3万9600円(税込)
(選択受講)1万4850円(税込)

〈対象・募集人数〉
美容関連の製品を扱うビューティ&ファッション企業
30人

<第1回>  ※申込締切は12月7日 12時
12月8日(水)13:30~15:00
テーマ:広告に関する助言・サポート、広告文言などのリライト
・薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や景品表示法に則った適切な広告。具体的な違反事例や回避例なども紹介
・ファッション雑誌編集者の経験を有する海老澤弁護士が、 より実務的な表現や文言を提案

<第2回> ※申込締切は12月15日 12時
12月16日(木)13:30~15:00
テーマ:プロモーションに関する課題
・ウェブサイトでの発信やインフルエンサーの起用、SNS活用の中で、著作権や肖像権、ステルスマーケティングへの対応策などを紹介
・昨今のジェンダーや人種差別問題に関連したビューティ・ファッション企業の対応策を、具体例を交えて紹介

<第3回> ※申込締切は12月21日 12時
12月22日(水)13:30~15:00
テーマ:知財戦略
・ブランド名や商品名の国内外での商標登録やパッケージデザインの保護(意匠権の登録)に関する相談事例。海外進出の際に事前に考慮すべきこと
・OEMや海外企業との協業の際の契約事項、注意点
・サステナビリティに向けた社内体制の構築、契約書を含む書面整備

〈三村小松山縣 法律事務所の講師陣プロフィール〉
小松 隼也 弁護士/リーガルディレクター
 弁護士登録後、11 年に東京写真学園プロカメラマンコース卒業。15 年に NY のフォーダム大学ロースクールにてファッションローを専攻し卒業。帰国後は、ブランドの立ち上げや知財戦略、海外との契約交渉などを得意とする。法律の知識を生かしてビジネスをサポートするリーガルディレクターと しても活動し、CFCL、ALMOSTBLACK の法務執行役員(CLO)を務める。ファッションに関する法律の研究機関 Fashion Law Institute 所属

海老澤 美幸 弁護士/ファッションエディター
 雑誌『Spring』の編集者を務めた後、London College of Fashion に留学。ロンドンにてスタイリスト アシスタントを経て、ファッションエディター、スタイリストとして『ELLE japon』『Harper’s Bazaar』 『GINZA』等のファッション雑誌やカタログで活動。弁護士登録後は、ファッション業界の法律問題 を中心に取り扱っている。ファッション関係者の法律相談窓口「fashionlaw.tokyo」主宰

中内 康裕 弁護士
 アンダーソン・毛利・友常法律事務所にて訴訟・紛争解決、国際倒産、M & A等の案件に従事した後、ファッション業界へのリーガルサービスの提供に強い関心を持ち、三村小松山縣 法律事務所に入所。弁護士業務の傍ら、バンタンデザイン研究所キャリアカレッジのファッションデザインコース、パターン・ソーイングコースに在籍し、自らも創作活動に従事している

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ロンハーマンが東北初出店 4年ぶりの新店舗を仙台にオープン

 ロンハーマン(RON HERMAN)は11月19日に、東北初の新店舗「ロンハーマン 仙台店」を仙台駅直結のエスパル仙台II内にオープンする。同社にとって「ロンハーマン」店舗としては約4年ぶりの新店舗オープンとなる。

 店舗面積は約399平方メートル。メンズ、ウィメンズ、キッズのウエアや雑貨、ジュエリーなどを取り扱う。オープンを記念して、「ザ エルダー ステイツマン(THE ELDER STATESMAN)」や「エスゼットブロックプリント(SZ BLOCKPRINTS)」、「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」などさまざまなブランドとの限定アイテムを発売予定だ。

 LA発のロンハーマンは2009年に東京・千駄ヶ谷店に日本1号店をオープンした。13年には日本独自の業態「RHC ロンハーマン」を開発。19年には米ロンハーマンがサザビーリーグに商標・事業を譲渡した。現在日本では、ロンハーマンは千駄ヶ谷店をはじめ、二子玉川店、神戸店など全16店舗、RHC ロンハーマンはマークイズ みなとみらい店など全8店舗を構える。

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オフプライス市場に活気 コーセーやコスメキッチン、「スリー」「シロ」も続々と参入するわけ

 コーセーやマッシュビューティーラボ、「シロ(SHIRO)」「THREE(スリー)」などがオフプライス品の販売に乗り出している。化粧品業界はセールをしないのが通例で、オフプライスでの販売は行ってこなかった。しかし近年、サステナビリティの観点から化粧品業界でも化粧品の廃棄問題が課題となっており、オフプライス品の販売は廃棄軽減に貢献する取り組みとして各社が取り組み始めている。

 昨今の環境問題への意識の高まりから衣料品や食品などの廃棄量は具体的な数値で示されている。一方で化粧品の年間廃棄量はつまびらかになっていない。化粧品は基本的に製造から3年間の使用期間があり、定番品が多いことから廃棄が少ないとされてきた。しかし、メイクアイテムなどはシーズンコレクションや限定品も多くあり、販売期間を終えた製品量は少なくない。こうした現状を踏まえ、オフプライス販売を選択しているようだ。

コーセーは直営店でシーズンを終えた製品を20〜40%オフで販売

 コーセーは、4月から直営店のメゾンコーセー銀座店と表参道店、メゾンコーセー公式サイトでシーズン中に売り切れなかった製品の販売「コーセー グリーンバザール(KOSE GREEN BAZAAR)」をトライアルスタートした。「お客さまからは、買い物を楽しみながらも、それがエコな活動に自然とつながっているという点に共感してもらい、店頭やSNSなどで賛同の声を多く頂いた。グリーンバザールを知らずに店舗に立ち寄った人もクイズPOPなどをきっかけに、立ち止まり関心を持ち年代問わず幅広い世代のお客さまが、購入してくれている」(同社広報担当者)と好評のため10月から定常的に実施している。

 取り扱いブランドは「雪肌精(SEKKISEI)」や「エスプリーク(ESPRIQUE)」「ヴィセ(VISEE)」「ジュレーム(JEL’AIME)」など約30ブランド。ドラッグストアなどで展開するブランドが中心だが一部百貨店ブランドを扱う。販売価格は正規価格から20〜40%オフが中心だ。使用期間については「当社のルールに沿って品質に問題ないものを販売している」という。また「一人一人の購買や消費の行動が、人と地球の明日を思う新しい形になることを願っている」と語る。

コスメキッチンは5〜70%オフでオーガニックアイテムを手頃な価格で提供

 マッシュビューティーラボは、御殿場プレミアム・アウトレットに新業態セレクトショップ「コスメキッチン ヴィレッジ(COSME KITCHEN VILLAGE)」を2020年11月にオープンした。初進出となるアウトレット店は「よくあるアウトレットストアではなく、オーガニックアイテムを手頃な値段で提供するトライアルストアにしたかった」(同社PR担当者)という思いからだ。オープンから1年が経過するが、静岡や山梨から来る人やもともとコスメキッチンやビープル バイ コスメキッチンを愛用している人など、遠方からの来店者が多いという。

 好調なブランドは「エコストア(ECOSTORE)」で食器用洗剤や衣料用洗剤など、日常に寄り添ったアイテムを購入する人が目立つ。量り売りも行い、レフィルを持って来店する人も増えている。同社のオリジナルブランド「エッフェ オーガニック(F ORGANICS)」も人気で「『エッフェ オーガニック』スキンケアをオーガニックのものに切り替える人が増えているという声も聞く」。また店内にはイートインスペースを設けていることもあり、家族や友人、パートナーなどがコーヒーを飲みながらくつろいでいることも多いためコーヒーの売り上げ個数も毎月上位を占めている。「コーヒーが目的の来店者もおり、オーガニックコーヒーは当店の看板メニューでもある」。

 店内の製品カテゴリー構成比はスキンケア が21%、フード・飲料が21%、メイクが14.7%、ヘアケアが12.9%、ボディーケアが10.3%。製品は正規価格の5〜70%オフで販売。「製品を最後まで無駄にせず、お客さまに届けたい」との思いから、製品の使用期限・賞味期限はアイテムにより異なるが、コスメ系は期限まで1年未満、食品は期限まで8カ月未満のものを対象とする。同店が通常の店舗に影響を及ぼすことはなく、「トライアル価格で購入できるお得なストアとして、ブランドを知っている人、知らない人にも好評を得ている」。

「スリー」は店舗販売を終了した製品を一律30%オフで販売

 ACROは昨年11月に「スリー(THREE)」の期間限定アウトレット店を御殿場プレミアム・アウトレットに出店した。「スリー」がアウトレットに出店するのは初めてだが、「これまでの化粧品は大量生産・大量消費が前提だったが、世の中のモノに対する考え方も変わり、サステナブルな考えも浸透してきた。オフプライスに対する考え方も変化してきている」(PR担当者)とのことから出店した。また、「スリー」のモノ作りの根幹にあるサステナブルな考えにも合致しているという。

 販売するのは、店舗で取り扱いが終了した製品や品質に問題はなくてもプロパーでははじかれてしまう製品。一律30%オフの価格で提供する。「オフプライスであっても、購入してもらうだけはなく最初のブランドとの接点として実際に試してもらい、世界観を伝えられるタッチポイントと捉えている」こともあり顧客を含め多く人が訪れ、売り上げは予算並に推移している。店舗は21年1月11日で終了するが、現在のところ常設の予定はないという。

「SHIRO」は23年春メドにオフプライスも扱うショップ開設

 「SHIRO」は23年春をメドに創業地である北海道・砂川市に新工場や「シロ」のショップを建設する。「製造工程上、製品への傷や外箱のつぶれなどはゼロにすることを目指しているものの一定数発生する。製品として品質に問題なく使用できるものの価格を見直して提供する予定」(PR担当者)。製品不良をゼロにする取り組みを進めながらも発生した製品を廃棄するのではなく循環させ地球環境に貢献していくという。

 その前段階として20年12月に公式ECサイトで“アーカイブ販売”をスタートした。限定フレグランスアイテムや、処方変更を行う前のスキンケアアイテムなど、店頭やオンラインサイトで販売が終了した製品を中心に販売。これらはほかの全ての製品と同様に品質管理を徹底し、安全に使用できる製品だ。「店頭で人気の限定フレグランスシリーズ (さくら219やピオニーなど)は、すぐに完売になるケースもある」という。アーカイブ販売の製品価格は定価となるが、ECサイト全体で箱なし(エシカル割)対象の製品を優先表示し、エシカルな取り組みを推進している。

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「ディオール」のグローバル・アンバサダーにアニャ・テイラー・ジョイが就任

 アニャ・テイラー・ジョイ(Anya Taylor-Joy)が「ディオール(DIOR)」のグローバル・アンバサダーに就任した。「ディオール」の歴史や功績を引き継ぎ、キャンペーンを通してマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターやピーター・フィリップス(Peter Philips)=メイクアップクリエイティブ&イメージ・ディレクターのクリエイションやデザインを伝えていく。

 アニャは2015年、ホラー映画「ウィッチ(The Witch)」でスクリーンデビュー。20年にはネットフリックス(NETFLIX)の人気ドラマ「クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)」に出演した。50〜60年代を舞台に男性優位のチェス界で世界一のプレーヤーを目指す孤児の少女、ベス・ハーモン(Beth Harmon)を演じ、ゴールデングローブ賞テレビ部門主演女優賞や放送映画批評家協会賞、全米映画俳優組合賞を受賞した。

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「セルヴォーク」5周年記念コフレにブランド初のネイルが登場

 「セルヴォーク(CELVOKE)」は11月3日、設立5周年を記念した“フィフス アニバーサリー キット”(税込1万4850円)を数量限定で発売する。唇の水分量で色が変化するティントタイプのリップや、ブランド初となるネイルポリッシュ、デビュー時から人気でリピート率が高い“コンセントレートオイル”のミニボトルをセット。ボックスはFSC認証紙を採用し、1枚1枚表情が異なるラベルをあしらっている。10月27日から予約を受け付ける。

 アニバーサリーを祝した同キットでは“シースルーブラック”に着目したアイテムを展開する。“サジェスティヴ リップス”は、黒から赤へと変化するティントタイプのリップ。唇の水分量に反応してカラー濃度が変化し、リップバームのように潤いを与える。“サジェスティヴ ネイルポリッシュ”は、透け感のあるシースルーブラックカラーで、偏光ピンクパールを配合。一度塗りで自爪の色が透ける艶やかな指先に、二度塗りでモードな印象に仕上げる。ブランドを象徴する“コンセントレートオイル”はミニボトル(18mL)で登場する。

 「セルヴォーク」は、2016年にマッシュビューティーラボから誕生。デビュー時はスキンケアからスタートし、希少性が高く国際特許申請中の天然成分”アナツバメ巣発酵液”を世界で初めてスキンケアに配合したことでも話題を集めた。翌年、菊地美香子メイクアップアーティストをクリエイティブアドバイザーに迎え、メイクアップラインを投入。素肌が透けるような艶と自然の生命力、芯の強さをイメージした“透黒(シースルーブラック)”をブランドカラーとして容器の色にも採用している。

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「スワロフスキー」の新クリエイティブ・ディレクターが語るジェンダーレス、エイジレスなジュエリーの楽しみ方

 「スワロフスキー(SWAROVSKY)」のクリエイティブ・ディレクターであるジョバンナ・エンゲルパート(Giovanna Engelbert) が就任して1年が経過した。5月には、新コンセプトのショップが新宿にオープンし、リブランディングが進んでいる。新作の“コレクションⅡ“も登場した。エンゲルバートに、新生「スワロフスキー」のコンセプトやファッションとジュエリーの関係などについて話を聞いた。

WWD:「スワロフスキー」のクリエイティブディレクターに就任し、リブランディングが進んでいるが、新たなブランドコンセプトとは?

ジョバンナ・エンゲルバート(以下、エンゲルバート):個性が一番大切。さまざまなカラーがあるシグニチャーのクリスタルの力をさらに進化させたい。あと、インクルーシビティーがキーワードだ。男女、年齢関係なく楽しんでもらえるブランドにしたい。

WWD:東京でも新コンセプトのショップがオープンし好評だがこのコンセプトはどこから?

エンゲルバート:ジオメトリックなファセットをイメージさせるようなショップにした。蜂の巣または、アートのインスタレーションのように全てのサンプルをボックスに入れて壁一面に飾ることで、クリエイティブな精神を表現している。ジュエリーが大好きな人に楽しんでもらえると思う。

WWD:ファッションとジュエリーの関係性をどのように考えるか?

エンゲルバート:ファッションとジュエリーはベストフレンドよ。お互いを引き立たてる切っても切れない関係。私はジュエリーを着けないと裸のような気分になるわ。ファッション同様に、ジュエリーにはこだわりがあるの。宝石もクリスタルも同じ。クリスタルの方が手に取りやすい価格だから、より多くの人に楽しんでもらえるわ。

WWD:コロナ禍で行動が制限された中におけるインスピレーションは?

エンゲルバート:まずは、クリスタルとそのカラー。そして、「スワロフスキー」の本拠地はオーストリアで、代表的な画家のグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の風景や人物などさまざまな絵画からも着想を得ている。ラグジュアリーなアプローチでちょっとボヘミアンな要素を加えている。

WWD:自身のファッションのモットーは?

エンゲルバート:自分自身を表現すること。快適であること、そして着て楽しめるファッション。

WWD:コロナで自身のファッションはどのように変化したか?

エンゲルバート:より快適な服装をするようになったので、スエットにジュエリーをつけるようになった。シンプルで快適な装いにジュエリーをつけることでワクワクする。

WWD:「スワロフスキー」のコレクションを通して伝えたいメッセージは?

エンゲルバート:個性を表現して欲しい。年齢や性別に関係なく、自分自身を大胆に表現できるコレクションになっていると思う。

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下北沢最安値の“110円古着”はなぜ可能か? 藤原輝敏スティックアウト社長に聞く

 何度目かの古着ブームにより、がぜん注目を浴びている下北沢。“若者が大挙し、かつその多くが買い物袋を持っている”ことは以前伝えた通りだ。その際に声を掛けた10代女性が持っていたのが「スティックアウト」の買い物袋だった。彼女たちが買い物したのは税込770円均一の「スティックアウト700」(1号店)だったが、取材後に調べて110円から古着をラインアップする3号店(「スティックアウト100」)が今年2月にオープンしていたことを知る。“下北沢最安値”をうたう古着店は少なくないが、常時一定量の110円商品を並べる店はまれだ。藤原輝敏スティックアウト社長に話を聞いた。

WWD:まずはスティックアウトの“自己紹介”をお願いしたい。

藤原輝敏スティックアウト社長(以下、藤原):下北沢で3店舗を運営していて、1号店のオープンは2007年です。現在税込770円均一の「スティックアウト700」がそれで、20年に2号店である「スティックアウト3」を開店しました。“3”は税抜3000円以下の意味で、店頭には税込で770~3190円の商品を並べています。110~770円の古着をラインアップする3号店(「スティックアウト100」)をオープンしたのは今年2月です。

WWD:「スティックアウト100」における“110円古着”の比率は?

藤原:2割程度を心掛けています。

WWD:「スティックアウト100」の客層についても教えてほしい。

藤原:品ぞろえ、来客像どちらも男女比は半々で、年齢層は10~20代が中心ですね。

知られざる古着の供給源について

WWD:“110円古着”を実現するための供給源について聞きたい。

藤原:これからお話するのはあくまで当社のケースで、それが古着業界の唯一の方法ではありません。特に僕は古着店で修業を積んだわけではなく、独学な部分が多いので。

 まず仕入れ先には国外と国内があります。海外仕入れは当社の場合、世界的な古着の集積地であるタイのアランヤプラテートが供給源となっています。しかしコロナ禍で渡航機会が失われ、今は現地スタッフに依頼して輸入しています。国内仕入れは、さらに2つに大別できます。“ウェス屋(ボロ屋)”と呼ばれるものと、古着卸(古着問屋)です。“ウェス屋”は、家庭から出たゴミ(衣類)が原料です。それを行政が回収して、“紙屋”と呼ばれる業者に持ち込みます。

WWD:衣類なのに“紙屋”に持ち込まれる?

藤原:はい、ただしこれは行政によってまちまちかもしれないですね。“紙屋”が選別し、衣類はあらためて“ウェス屋”にという流れです。

WWD:そして“ウェス屋”から古着店(小売り)が買う?

藤原:ええ。およそ3つの料金形態が存在します。キロ値が1000~1200円の最上位のカテゴリーには「グッチ(GUCCI)」や「パタゴニア(PATAGONIA)」といった人気ブランドや、レザージャケットのような高額商品が混在します。これに続いてキロ値400円、200円などのカテゴリーが設けられています。

WWD:その下はない?

藤原:そうですね。その下は文字通りのゴミになるのかと。

WWD:一方の古着卸とは?

藤原: t(トン)単位の量り売りで、“信用買い”な部分が多く、中身は見ずに決定します。

WWD:中身が見れないということは内容物に偏りがあることも?

藤原:はい。それもあって、当社で仕分けして店頭に並べられるのは15%ほどです。

WWD:残りの85%は?

藤原:当社は、古着卸に戻します。“ウェス屋”に売ることもできるんですが、毎週古着卸に買い付けに行くので、不要な物を持って行って、また買って帰ってくる方が性分的に楽なんですよね(笑)。

WWD:スティックアウトの場合、どの程度の量を買う?

藤原:毎週2、3トンです。僕は中型免許を持っているので、4tトラックで東京郊外をピストン輸送しています。

WWD:社長自ら?

藤原:アルバイトを入れて25人程度の小さな会社ですからね(笑)。社長といったって、デスクで座っているわけにはいきません。“ウェス屋”は埼玉、神奈川、千葉あたりに多く、そこまで行って買い付け、川口市の本社倉庫に持ち込んで仕分けします。僕で週に2往復くらい。ほかのスタッフも入れて、週に10往復くらいはしています。秋冬シーズンはかさばる服も多いので、配送費を安くあげるため、乗用車で下北沢の店舗まで商品を持ってくることもあります。

WWD:古着卸と“ウェス屋”、それぞれのメリット・デメリットについてあらためて聞きたい。

藤原:古着卸のメリットは、なんといっても安さです。t単位の量り売りで、かつ条件がある(内容物が見れない)ため、仕入れ値は“ウェス屋”の10分の1ほど。それに、こちらにも「ディオール(DIOR)」や「プラダ(PRADA)」などラグジュアリーブランドが入っていることがあります。そのあたりは宝くじ感覚というか(笑)。デメリットは、買ったものを当社サイドで仕分ける必要があるので、そこに人件費が掛かることですね。それに仕分けは誰でもできるわけではなく、目が利かなくてはなりません。

 “ウェス屋”のメリットは、“ウェス屋”側で仕分けをしてくれる点です。ジーンズ、ダウン、スカートといった具合にジャンルごとになっているので、狙って買い物ができます。サイズや状態を確認できるのも利点ですね。しかし、“ウェス屋”での売買も100~200kg単位なので、あくまで“ある程度”です。デメリットは、より多くの量を売買する古着卸に比べて割高ということです。

WWD:つまり値段を取るか、時間と手間を取るかの違いである?

藤原:そうですね。中長期的な店舗運営のためには古着卸での買い付けを続けることが必要で、ただしその場合は中身は分からないし、商品の偏りもあるので“ウェス屋”も併用しています。

本題、“110円古着”はなぜ可能か?

WWD:そのあたりに“110円古着”の秘密が隠されていそうだ。

藤原:秘密というほどのものはありません(笑)。時間と手間を掛けるに尽きます。強いて言うなら、古着小売りは一般的に“ウェス屋”で買い付けることが多く、古着卸からt買いするのは珍しいかもしれませんね。その分、売値を下げることができます。ただ、1次流通量が多い(結果としてゴミに出される量も多い)女性物が多くなってしまいがちで、つまりメンズ商品が枯渇気味です。

WWD:ほかに、“明日のスティックアウト”になるために必要なものは?

藤原:誰でもすぐになれますよ(笑)。でも、そうだなぁ、倉庫やトラック、その運転手や駐車場も必要ですね。というわけで、あくまで郊外型のビジネスモデルといえるのかもしれません。いずれにしても、僕らはゴミの中から宝を探し出すことにやりがいを感じています!

WWD:最後に、今後のビジョンについて聞きたい。

藤原:来年めどで、下北沢駅の北口に4号店目の出店を考えています。

WWD:既存の店舗で例えるなら、どの業態に近いものになる?

藤原:2号店(「スティックアウト3」)ですね。スティックアウトの中ではブランド名が立っていたり、少しトレンドを感じさせるアイテムを集約している業態です。それでいて価格は770~3190円。

WWD:“110円古着”の値段を、さらに下げることはない?

藤原:110円で売れないものは50円でも10円でも売れないと思います。“要らないものは無料(タダ)でも要らない”、令和のお客さまはとても賢明ですよ。

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マスク着用で際立つ目元のコンプレックス アイゾーンケアアイテムが続々

 新型コロナウイルスの影響下でマスク着用生活が続き、表情を出さずに過ごすことが増えた今、顔の筋肉の衰えにより「マスク老け」に悩む人が増えている。特にマスクをしていると顔半分が隠れることから、目元の印象が際立ち、クマや小ジワのケアを改めて見直したという人も。各社から販売されているアイゾーンケア特化型アイテムで、早い段階から集中ケアを紹介する。

「コーラオーガニックス(KORA ORGANICS)」

 ミランダ・カー(Miranda Kerr)が手掛ける認定オーガニックスキンケアブランド「コーラオーガニックス」の“ベリーブライトビタミンCアイクリーム”(税込5760円)は、ビタミンCが豊富なカカドゥプラムなどのオーガニック素材を使用し、ふっくらと元気のある印象の目元へと導く。また、詰め替え用リフィル(税込4800円)も販売するなど、サステナビリティへの取り組みも行う。

「センサイ(SENSAI)」

 9月に発売した目元ケアセット“トータルアイトリートメント”(税込2万900円)は、ひんやりとした冷感を感じるアプリケーター付きの美容液“リフレッシング アイエッセンス”と、じんわりとした温かさを感じるクリーム“メルティリッチ アイクリーム”がセットに。マッサージしながら馴染ませることで、乾燥による小ジワ目立たなくする。

「フィアレス(FEARLESS)」

 “比類なきエイジングスキンケア”をテーマに掲げる「フィアレス」の“アルフォンソ アイクリーム”(税込7700円)は、成長ホルモン誘導ペプチドとハイブリッドペプチドを配合。コラーゲン生成を促進し、オイル、ワックス成分配合で肌に密着して浸透する。建築家・天野善洸啓氏が手掛けるアーティスティックなパッケージにも注目。

「アクシージア(AXXZIA)」

 目元ケアに特化した“ビューティーアイズシリーズ”の“エッセンスシート プレミアム”(税込8580円)は、上まぶたまでカバーできる目の周りを囲むような設計。低周波電流とラジオ波による目元ケア美顔器“メイト フォーアイズ”との併用で、眼輪筋を優しく温めながらリッチなホームケアを。

「マニフィーク(MAGNIFIQUE)」

 メンズ向けブランドの「マニフィーク」からも、シワ改善に特化した“リンクルリフト ジェルクリーム”(税込3000円)が登場。化粧水、美容液、乳液、マッサージ、アイクリームの6役を担い、目尻や額など、年齢を感じさせるシワにアプローチする。軽やかな使い心地で、スキンケアに不慣れな男性も使いやすい。

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いま「乳酸菌」に熱視線 膣ケアサプリから歯磨き粉まで

 ニッチだがいま、乳酸菌、乳酸桿菌(整肌成分)、乳酸菌生産物質が盛り上がっていると感じる。

 「ビープルバイコスメキッチン(BIOPLE BY COSMEKITCHEN)」は、100億個の乳酸菌と食物繊維を配合したフランス発のサプリメント”マフロリル ガゼリ(MAFLORIL GASSERI)”(500mg×30粒、税込6480円)の取り扱いを開始した。通販事業などを手掛けるシンセプションは、韓国式置き換えダイエットサプリメント”スケイン(SKAEIN)”(通常税込7980円、1個定期お届け税込6980円)を9月6日に発売。キー成分としてキムチ由来乳酸菌、マッコリ由来乳酸菌が配合されている。

 サプリメントだけではない。「菌活」「腸活」ブームに伴い、乳酸菌、乳酸桿菌(整肌成分)はインナーケア&アウターケアのキー成分としても注目度が高まっている。さまざまなブランド、開発者の視点から魅力を紐解いていく。

膣内フローラを整えるサプリメント”乳酸菌UREX”

 帝人は、膣内環境を整える働きが期待できるサプリメント”乳酸菌UREX”(60粒、税込2970円)を7月に発売した。帝人が行った「女性特有の悩みに関する調査」によれば、デリケートゾーンに悩みを感じたことがある女性は87%。(対象:20~50代全国女性1000名)。また、「はい」と答えた人の中で、悩みの1位はかゆみ、2位はにおい、3位はムレという結果になった。原田美由紀東京大学医学部産婦人科学教室准教授によれば「膣にも善玉菌と悪玉菌が存在している。”乳酸菌UREX”を継続的に摂取することで、肛門から膣に生きた乳酸菌が移行し、悪玉菌の抑制や、膣内環境のバランスを整えることが期待できる。膣内フローラを整えるメリットとしては、かゆみ、おりものといった悩みを減らすことが挙げられる」と話す。

 ”乳酸菌UREX”では2つの乳酸菌を組み合わせていて、菌は世界的なバイオテクノロジー企業クリスチャン・ハンセンから輸入している。帝人とクリスチャン・ハンセンが販売代理店契約を締結したことで今回の処方が実現した。洗浄剤や保湿クリームなどさまざまな膣ケアアイテムがある中で、手軽に始めやすいのも特徴だ。

12種類の乳酸菌を配合した”フィトヴェールハンドトリートメント”

 「アムリターラ(AMRITARA)」は、10月4日に”フィトヴェールハンドトリートメント”(50g、税込2970円)を発売した。ハンドクリームには、醤油由来天然ヒト型セラミドや、宇和島産真珠貝パウダーといった成分に加えて12種類の乳酸菌を配合している。勝田小百合アムリターラ代表・製品開発担当は「『ラクトバチルス ガゼイ』や『ラクトバチルス ヘルペティカス』といった12種類の乳酸桿菌と乳酸球菌を処方した。強い殺菌剤を処方すると、良い菌も悪い菌も殺してしまい手指の免疫が弱まる懸念がある。12種類の乳酸桿菌と乳酸球菌は、抗菌作用が期待できるだけでなく、悪玉菌を抑え、常在菌を活性化する点に魅力を感じた。手指の荒れや免疫に注目が集まる今ならではの商品と言える」と話す。また、コロナ禍と連動した訴求をしたわけではないものの、同じく12種類の乳酸菌を配合した“トータルバランス オーガニック トゥースペースト”(20g、税込825円・100g、税込2200円)の売り上げも伸びていると明かす。

理想的な肌環境にアプローチする”ブースター”

 「KINS(キンズ)」を展開する下川穣代表は「『乳酸桿菌/豆乳発酵液』は、豆乳を培養のエサにし、乳酸桿菌により発酵した後に、ろ過して得られる液体のこと。400種類以上の多様な成分で構成されていて、肌を健やかに整える。『キンズ』ではブースター、セラム、シャンプー、トリートメント、マスクに処方していて、特に信頼している成分のひとつだ」と話す。

 中でも、特に売れているのがブースター(50mL、初回税込5128円・2回目以降税込7128円)だ。「コロナ禍で、マスク荒れやニキビに悩む人が多いが、これは肌に棲む常在菌のうち悪玉菌が活発になるなど、バランスの乱れが原因と考えられる。マスク内の湿度が上がると皮膚はアルカリ性に傾く。すると普段は穏やかな日和見菌も悪さに加担し肌トラブルを引き起こしやすくなる。ブースターには『乳酸桿菌/豆乳発酵液』を配合していて、肌にツヤと潤いを与え健康的な肌に整える。化粧水代わりに使う人も多く、この半年で想定目標値の4倍の売り上げを記録している」とコメント。

乳酸菌生成物質配合のサプリメント”ラサンテパウダー”

 乳酸菌生産物質のサプリメントを展開するのが、ラサンテ(LA SANTE)。乳酸菌生産物質はバイオジェニックスと呼ばれ、生きた菌ではなく乳酸菌の「代謝物の総称」で、腸内でビフィズス菌などの善玉乳酸菌が作り出す物質を指す。大本きみこラサンテ代表は「乳酸菌生産物質には必須アミノ酸、ビタミン、ポリフェノール、短鎖脂肪酸などが含まれる。悪玉菌を減らすというエビデンスも発表されていて、腸内フローラにアプローチする」。”ラサンテパウダー”(30包、税込9504円)は、乳酸菌・ビフィズス菌21種類、 517種類の成分、食物繊維・オリゴ糖から成る。また、食物繊維・大豆オリゴ糖配合といったプレバイオティクスは乳酸菌を育てるエサになる。プロバイオティクスも同時に摂取することで乳酸菌を増やし、517種類の成分を含むバイオジェニックスで悪玉菌を抑え、腸内フローラのバランスを整える働きが期待できる。「当初は自社エステサロンの顧客への販売がメインで、時間をかけて販売する予定だった。モデルや女優がSNSに投稿をしたことがきっかけとなり、売り上げが急伸した。2年で1000個を目標にしていたが、販売開始初年度で2000個が完売した」と話す。コロナ禍との関係については「メディアで免疫力と腸内環境の関係性が伝えられるようになってから、さらに需要が増えた印象がある」と話す。

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「スタージュエリー」から“癒しの海”に着想を得たホリデーコレクションが登場 カスタムオーダーも受け付け

 「スタージュエリー(STAR JEWELRY)」は10月30日、ホリデーコレクションを発売する。“オセアニック”と題された同コレクションは海からイメージを得たもので、ネックレスやリング、ピアス、ウオッチなどの限定アイテムが豊富にそろう。

 “オセアニック エターニティー”ラインは、波の動きからインスパイアされており、カラフルなダイヤモンド(トリートメントカラー)を散りばめている。ネックレスとリング、各3種類で、価格は6万3800円〜13万2000円。あこやパールを用いた“オセアニック パール”は、プラチナとローズゴールドのネックレス2種類で、5万5000円、7万1500円。“愛と平和の象徴”の石ラリマーを使用した“ラリマー&ダイヤモンド”はネックレスとピアスが各2種類。価格は3万5200~3万7400円。これらのラインは10月15日〜11月15日に期間限定でカスタムオーダーを受け付ける。

 耳元のレイヤードを楽しむイヤーカフ2点セットとスタッズピアスとイヤーカフのセットもあり、価格は3万8500円、4万4000円。

 “クリスタルクリア ウオッチ”は透明なフェイスブックに文字盤が浮かんでいるようなユニークなデザイン。4種類で価格は3万800円。

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菅沼ゆり、ゆうたろうらが手掛けるフレグランス「アイノウ」が誕生 ゆうたろうの独占コメントも

 タレントマネジメントやイベントの企画・制作などを行うアソビシステムと、スキンケア製品などを扱うビジナルは10月20日、フレグランスブランド「アイノウ(AINOU)」をローンチした。アソビシステムに所属する菅沼ゆり、柴田紗希、村田倫子、ゆうたろうら4人をプロデューサーに迎え、「記憶が香る」をテーマに各々の思いが詰まったフレグランスを発売した。

 ブランド名の「アイノウ」は、「i know」を意味する造語。記憶を呼び覚まし、“心の中にある大切な記憶を香りで共感できたら”をコンセプトにデビューする。ファーストコレクションとなる今回は、“ゆりっぱ”の愛称で親しまれるモデル菅沼ゆりによる「澄み切った甘さのみずみずしい香り」がテーマの“0 フレグランスミスト オードトワレ”、同じく人気モデルの柴田紗希が手掛けた「雨上がりの草花たちの幸せな香り」をテーマとした“8 フレグランスミスト オードトワレ”、モデルで「イデム(IDEM)」ディレクターを務める村田倫子プロデュースの「忘れられない甘美なブーケの香り」がテーマの“23 フレグランスミスト オードトワレ”、ゆうたろうによる“66 フレグランスミスト オードトワレ”をラインアップする。

 モデルで俳優としての活躍もめざましいゆうたろうからは、独占コメントが届いた。「テーマは『すれ違ったら思わず振り返っちゃう香り』。あえて、この香りというのを決めこまずに手に取った人が想像できる香りになればいいな、という思いがコンセプトの根幹にあります。全体的なイメージは、中性的な香り。甘過ぎず、爽やか過ぎず、人を選ばずいろんな人に使ってもらえるような“ちょうど良い香り”に仕上げました。6月が僕の誕生月ということもありますが、6という数字は『あなたは輝いています』という意味が込められていることも大切にしたかったポイント。この香水を通じてあなたと私で輝けたら、という意味を込めて“66”という番号をつけました。香りで日常を色付けるのも素敵ですよね。僕自身も気に入って毎日使っているので、ぜひおそろいにしてくれたらうれしいです」。

 4種のフレグランスミストはいずれも45mLで、税込2750円。全国のプラザやミニプラ、ブランドオフィシャルオンラインストアで取り扱う。

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“エシカルウォッシュ”を排除する「JEIエシカル基準」策定

 地球環境・社会を危機から守る取り組みを行う日本エシカル推進協議会(以下、JEI)はこのほど、曖昧なエシカルの定義を明確にする「JEIエシカル基準」を策定した。これにより真のエシカルな取り組みを実施する企業が容易に理解でき、“エシカルウォッシュ”を排除することにつなげる。

 JEIは同基準を策定することで、企業が何をしたらよいか分かる(教育・啓発)、段階的に取り組みが進化する(成長)、その企業や製品の協力力が増しさらにエシカルに注力することを目的に策定した。主なターゲットは国際基準認定を取得する前段階にある中小企業や地域企業や各種団体となる。

 同基準は自然環境を守っている、製品・サービスの情報開示をしているなど8つの分野でそれぞれ4〜7つの課題を掲げ、達成レベル(A〜Dなど)で評価する。

 ただし認証制度ではなく自己診断のためのガイドラインとなるため、企業がそれぞれ判断し公表するのが基本となる。将来的には自己診断結果をJEIの公式サイトで開示する計画もある。

 中原秀樹JEI会長は「『JEIエシカル基準』が浸透すれば、消費者がエシカル製品を購入する際の判断基準になるだろう」と期待を寄せる。まずは企業に向けた認知拡大を図るため、10月26日から同基準を軸に真のエシカルやエシカルの全体像を講義する全6回の連続講座「JEIエシカルアカデミー」(受講料1100円〜1万6500円)を開催する。

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“エシカルウォッシュ”を排除する「JEIエシカル基準」策定

 地球環境・社会を危機から守る取り組みを行う日本エシカル推進協議会(以下、JEI)はこのほど、曖昧なエシカルの定義を明確にする「JEIエシカル基準」を策定した。これにより真のエシカルな取り組みを実施する企業が容易に理解でき、“エシカルウォッシュ”を排除することにつなげる。

 JEIは同基準を策定することで、企業が何をしたらよいか分かる(教育・啓発)、段階的に取り組みが進化する(成長)、その企業や製品の協力力が増しさらにエシカルに注力することを目的に策定した。主なターゲットは国際基準認定を取得する前段階にある中小企業や地域企業や各種団体となる。

 同基準は自然環境を守っている、製品・サービスの情報開示をしているなど8つの分野でそれぞれ4〜7つの課題を掲げ、達成レベル(A〜Dなど)で評価する。

 ただし認証制度ではなく自己診断のためのガイドラインとなるため、企業がそれぞれ判断し公表するのが基本となる。将来的には自己診断結果をJEIの公式サイトで開示する計画もある。

 中原秀樹JEI会長は「『JEIエシカル基準』が浸透すれば、消費者がエシカル製品を購入する際の判断基準になるだろう」と期待を寄せる。まずは企業に向けた認知拡大を図るため、10月26日から同基準を軸に真のエシカルやエシカルの全体像を講義する全6回の連続講座「JEIエシカルアカデミー」(受講料1100円〜1万6500円)を開催する。

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六本木ヒルズにアルプスの山小屋が出現 「プラダ」がポップアップを開催

 「プラダ(PRADA)」は、東京・六本木ヒルズでポップアップ“プラダ シャレー(PRADA CHALET)”を10月15日から開催する。

 ポップアップスペースはアルプスの山小屋を再現し、ウィンターシーズンに向けたウエアやアクセサリーが並ぶ。再生ナイロン素材“プラダ リナイロン(Prada Re-Nylon)”を使用したキルティングのジャケットやスリップドレス、カシミアの帽子やマフラー、シープスキンのファーバッグのほか、スキーやスノーボード、ソリ、寝袋といったライフタイルグッズなども豊富にそろえる。

 山小屋をイメージしたスペースは、高山建築を研究した本格的なもので、建材にはイタリアのアルプスで数十年間保存されてきた古い硬材を使用している。骨組みやドア、窓などは、使用後分解して再利用できる設計で、環境にも配慮した。

 また、ニュウマン横浜では光と色を生かしたポップアップ“プラダ グロー(PRADA GLOW)”を11月10日まで開催中だ。店内に並ぶコレクションはデイタイムとイブニングを融合したデザインで、ユニセックスに使えるバッグや小物を国内先行発売するほか、スパンコールやクリスタル、スタッズをあしらったウエアなどを扱う。

■PRADA CHALET
日程:10月15日〜29日
場所:六本木ヒルズ 大屋根プラザ
住所:東京都港区六本木6丁目10-1

■PRADA GLOW
日程:〜11月10日
場所:JR横浜タワー アトリウム 2F(ニュウマン横浜 2F 南側入口から出てすぐ)
住所:神奈川県横浜市西区南幸1丁目1-1

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完全会員制のヘアサロンから“時計遺伝子”に着目したボディーケアシリーズ第2弾が発売

 サロン事業や商品開発を手掛けるリノビューティは10月14日、ヘアケアブランド「クロノシャルム(CHRONO CHARME)」第2弾となるボディーケアシリーズを発売する。昨年の第1弾に続く第2弾では、“リノ クロノシャルム ボディミルク”(300mL、税込5170円)と“リノ クロノシャルム ハンドウォッシュ”(300mL、税込3630円)の2アイテムをラインアップ。公式サイトほか、エストネーション 六本木ヒルズ店・有楽町店、大丸 札幌店、札幌三越、リップヴァンウィンクル、n43°、ヴェルメイユ パー イエナ全国6店舗および各店のECサイトにて取り扱う。

 同ブランドは2019年に誕生。ヘアサロン業界初の完全会員制ビューティーサロン「Reno 801」発の自社ブランドで、時計遺伝子に着目し、北海道余市の白ぶどう由来の「クロノシャルディ」を配合したヘアケアシリーズを展開。そして昨年、新ラインであるボディーケアシリーズ第1弾としてボディーウォッシュを発売した。

 ストレスや睡眠不足など生活の乱れは、時計遺伝子の働きを鈍化させ、地肌の乾燥や荒れから始まり、ハリやツヤの低下といった、様々な肌トラブルを引き起こす。「クロノシャルディ」は、表皮レベルで時計遺伝子に働きかけ、素肌のリズムを整え、より潤いのある生き生きとした肌環境へと導く。

 “リノ クロノシャルム ボディミルク”は、プレミアム保湿剤アミトースRやリンパ機能の形成促進作用のあるキュアパッションをはじめとした約98%の天然由来成分が素肌の潤いをキープし、くすみのないハリ、艶のあるみずみずしい肌を実現する。

 一方“リノ クロノシャルム ハンドウォッシュ”は、抗菌作用、感染防止作用のある保湿成分ポリリジン10や、美白作用のあるサクラエキスB、天然保湿因子NMFとセラミドの2つの保水成分の産生を促進するアイセニヴェールBなどを配合。手をキレイにするだけでなく、手肌を美しく見せるための成分をふんだんに使用している。

 香りは「Reno 801」で使用する独自にブレンドして開発したアロマを再現。​​ベルガモットの柑橘系から始まり、フランジュバニやイランイランなどのフローラルからクローブのスパイシーさへと続くエキゾチックなフロリエンタル調の香りを採用した。

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土屋鞄が革製品のリユース事業に初参入 職人が修理し自社店舗で販売

 革製品の鞄や小物を製造販売する土屋鞄製造所が、革製品のリユース事業に初参入する。家庭で使わなくなった自社の革製バッグを無料で引き取り、職人が修理し自社店舗で販売する。価格は定価の6割程度だという。2021年10 月1日から31日までの試用期間を経て、22年3月から通年サービスとして本格稼働する。

 製品の引き取りは無料で、国内の土屋鞄17店舗と配送で対応。引き取った製品は工房で修理、メンテナンスを行い、販売をする。リセールするアイテムは、経年変化で革の風合いなどが全て異なる一点物であることも魅力。販売時には自社製品であることの認定書を発行し、修理サービスなど新品と同様のアフターサービス体制も整える。

 提供者には一回の引き取りにつき大人用バッグの20%の割引クーポン(有効期限あり)を進呈することで、買い替えを検討する顧客へのメリットとする。リユース品の販売は、11月19日から土屋鞄製造所「童具店・中目黒」で行う予定だ。引き取りサービスの本稼働以降は、土屋鞄製造所各店に加え、オンラインストアでの販売も検討しているという。

 同社はこれまでも自社製品のバッグやランドセルの修理や、ランドセルの余り革などを材料にしたワークショップを行ってきたが、この度、リユースとリメイク、リペアを柱とするサステナブルなプロジェクトを立ち上げた。今回のリユース事業を第一弾と位置付け、リユース・リメイク・リペアに関わる専門の職人を採用・育成しながら、プロジェクトで26年までに年間売上高5億円を目指す。

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拍手喝采の「バレンシアガ」に、ミニ丈が新鮮な「ヨウジ ヤマモト」 2022年春夏パリコレの現場から Vol.3

 グーテン・ターク!ヨーロッパ通信員の藪野です。パリコレは10月5日で無事終了し、ベルリンに戻ってきました。週刊紙のコレクション特集第1弾は本日発売になりましたが、まだまだウェブでの現地取材リポートも続きます。今回は、5、6日目に行われた「ロエベ(LOEWE)」「ヨウジ ヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「エルメス(HERMES)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」をお届け!残念ながら、パリは天気が崩れ始め、大雨が降ったり止んだり。雨の中のコレクション取材は過酷さを増しますが、会場がどこも屋内だったのが救いでした。

10/1 11:30 LOEWE

 朝からいくつかのアポを済ませ、向かったのは「ロエベ」。コロナ禍にはショー形式から離れ、壁紙や新聞などユニークな方法によるコレクション発表で楽しませてくれたジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)でしたが、その際にもショーへの思いを語っていただけに期待が高まります。会場は、以前の定番だったユネスコ本部から変わり、フランス共和国親衛隊の屋内乗馬練習場。中に入って2階に上がると、そこには白っぽい木で作られた極めてシンプルな空間が広がり、会場内にアートを飾ることも多かったこれまでとの違いを感じました。そして、真ん中に下の階から続く階段があり、どうやらそこからモデルが登場してくるようです。

 ジョナサンは以前から新たなフォルムを探求しているように感じますが、「神経質でサイケデリック、そしてシュールレアリスム的なものを表現したかった」という今季は、自身がフィレンツェで見た、ルネサンス期のマニエリスムの画家ヤコポ・ダ・ポントルモ(Jacopo da Pontormo)の感情的な作品から着想。その世界観に通じる、「ねじれや転換、ゆがみを取り入れた」といい、色使いやドレープのシルエットにもその影響が見られます。 ショーは、コットンジャージーを使ったシンプルなロングドレスからスタート。ただし、骨組みのようなメタルワイヤーで作るウエストや肩の突起が、違和感をもたらします。その後も、ゴールドやシルバーのメタルプレートを組み込んだドレスをはじめ、ちょっと戦隊モノ的にも感じる翼状のケープをあしらったルック、シルク生地をチェーンで吊ったりツイストしたりしてドレープを描く神話上の女神のようなドレスなど、実験的なスタイルがズラリ。「『ロエベ』に入ってから約8年になるけれど、パンデミックを経た今こそ、私たちがどこへ進んでいけるのか、クラフトをどのように再解釈できるのかという新たな領域の開拓にトライするときだと感じた」と話していましたが、スリムなシルエットと、トレンチコートやデニムジャケットといった定番アイテムをベースに、大胆で彫刻的なひねりを加えるというアプローチに目を奪われるコレクションでした。ただ、このまま着ることを考えづらいアイテムが多いのも事実。どのようにコマーシャルピースに落とし込まれているのかが気になります。

 キャッチーなアクセサリーに関しては、エリーさん(ライターの井上エリさん)が写真たっぷりでリポートしてくれているので、こちらをご覧ください!個人的には、新作バッグの“ハンモック ナゲット”を狙っています。

19:00 YOHJI YAMAMOTO

 夕方から一度ホテルに戻って原稿を書いていたら、ショーの開始時間を30分間違えていたことに気づき、大雨の中、急いで「ヨウジ ヤマモト」の会場であるパリ市庁舎へ。ホテルから近くて良かった〜。今回もパリでリアル発表を行う唯一の日本ブランドになりましたが、パンデミックの最中に行われた1年前に比べると、席数も増え、以前のようなショーの雰囲気に戻りました。

 コレクションは、ほんの少しの白とシルバーのペイント、チェック生地の部分使いを除けば、ほぼ黒。「黒」はブランドを象徴するカラーですが、今季はその表現が軽やかです。カットやドレープ、タックを駆使して縦長のシルエットを軸にするのは変わらずですが、「ヨウジ」としては珍しいミニ丈も提案。トレンチコートをアレンジしたドレスも新鮮でした。ラストは、女性が憂いのある声で歌う「イムジン河」が流れる中、クリノリンがあらわになったドラマチックなドレスが登場。モデルがドレスに忍ばせた一輪の黒い花をサプライズで観客にわたすという演出に、グッときました。このシーンは、是非映像でご覧ください!

 ショー会場では日本から来ていた益若つばささんもキャッチ。「黒い服が1番好き」というのは、かなり意外でした〜。パリに来た感想などはこちらの記事でチェックしてくださいね。

10/2 14:30 HERMES

 お迎えの車に乗って向かった「エルメス」のショーの舞台は、パリ中心地から45分ほどの郊外にあるル・ブルジェ空港。かつてはパリ初の本格的な空港として栄え、今はプライベート機の発着などに使われているロケーションです。そこに、長い閉鎖的な生活の中で皆が憧れ、今再び動き出した世界の中で復活しつつある旅への想いを込めました。

 会場となった巨大な格納庫の中に用意されたのは、円形のピラミッド状になった客席。それを囲むようにアーティストのフローラ・モスコヴィチ(Flora Moscovici)による、イエローからブラウンへのグラデーションが美しいアートパネルが何枚も配置されています。ショーが始まると、そのパネルがゆっくりとスライドし、作品とリンクするような美しい色使いのウエアをまとったモデルが登場。中でも、輝く太陽の光をイメージさせる温かみのあるイエローが印象的です。

 コレクションのカギとなるのは、”軽やかさ”。ブランドのキー素材であるレザーは、キャンバス地と合わせたり、四角くカットしたピースをシルクガーゼのアイテムに規則的に縫いつけたり。ラムスキンのジャンプスーツやミニドレス、スムースカーフのビスチェドレスも、薄くなめらかで光沢があり、重苦しさとは無縁です。そこにユーティリティーのムードを加えるのは、ポーチのデザインからヒントを得たというドローストリングのウエストや、”マンジョワール”バッグから着想したアイレットのディテール。足元も、素足またはレザーのソックスと合わせたラバーソールの厚底サンダルで、開放感のあるスタイルを完成させます。

 実は自分を含め、会場にいる観客の半分は自分の席に座ったままだとフィナーレの演出が見えなかったのですが、のちほどデジタルの映像でチェックして、この場所にこだわった理由に納得しました。それは、最後に格納庫の扉が開き、広大な滑走路と空を背景にモデルがズラリと並ぶというもの。今季のキーワードである「希望」にあふれる光景です。そして、そこに飛行機が着陸して、ショーが幕を閉じるという演出。ショーの模様は、世界各地で開かれた上映会で流れたそう。デジタルでもエモーショナルな表現に価値を見出す「エルメス」らしいと感じました。

20:00 BALENCIAGA

 9月のMETガラのレッドカーペットでも話題をさらった「バレンシアガ」ですが、今季のコレクションのタイトルも「レッドカーペット」。あいにくの雨でしたが、会場となったシャトレ劇場前には、映画祭のレッドカーペットさながらのセッティングが用意されていて、周りには人だかりができています。たくさんのフォトグラファーが待ち構える中、「バレンシアガ」のアイテムに身を包んだカーディ・B(Cardi B)らセレブリティーも、エディターなどのゲストも、来場者はカメラマンの前で立ち止まり、まず写真撮影。その模様は、会場内の巨大なスクリーンで生中継されています。

 確かに、チケットには「スクリーニング(上映会)」と書かれていたのですが、なんだかおかしい。実はこれ、レッドカーペットを歩くゲストの中に最新コレクションを着たモデルも混じって登場している、すなわち、それ自体がショーになっているという、まさにデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)らしい一風変わった演出。スクリーン右下に小さくルック番号が表示されると、まだ開始前と思って油断していた観客も気付き始め、拍手が巻き起こります。さらには、レッドカーペットを通り過ぎたモデルたちも他のゲスト同様、観客席に座るので、これまた驚きです。METガラの時と同じく覆面姿のデムナもレッドカーペットを通って会場入りすると、モデルが映ったシーンだけを編集した映像が流れます。ただ、それだけで終わらないのが「バレンシアガ」です。そこからは“本当の上映会”がスタート。人気アニメ「ザ・シンプソンズ(THE SIMPSONS)」とコラボしたオリジナル作品をお披露目しました。これがまた、めちゃくちゃ面白い!上映後は、拍手喝采でした。

 また、今回の“ショー”のモデルの中にはエリオット・ペイジ(Elliot Page)やイザベル・ユペール(Isabell Huppert)といったMETガラで実際に「バレンシアガ」を着用していたセレブの姿も。あれは、今回のイベントに向けた壮大なプロジェクトの序章だったのか!と思わせる仕込み、あっぱれです。

 コレクションの内容はというと、ウエアはオーバーサイズやボックスシルエットのテーラリングやストリートウエア、ドレープやプリーツを施したドレス、そしてドラマチックなボウルガウンといった、お馴染みのスタイル。ただアクセサリーには新たな提案が多く見られました。バッグでは、底がカーブした”アワーグラス”のフォルムを再解釈して、より実用的に仕上げた“XX”や、3つのコンパートメントを備えるチェーンバッグ“トリプレット”が新登場。シューズでは、「クロックス(CROCS)」とのコラボの新作となるサイバーゴスなアイテムや、アイコンバッグのスタッズや紐のデザインを落とし込んだブーツ、タイヤのようなソールを備えるスニーカー、EVA素材を一体成形したメンズシューズなどを揃えています。

おまけ:今日のワンコ

 パリはミラノと違って、ショー会場に犬を連れてきている人が少ない模様。ワンちゃんいないな〜とエリーさんに話していたら、「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」で見つけたというデザイナーさんの愛犬の写真を送ってくれました。

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 グーテン・ターク!ヨーロッパ通信員の藪野です。パリコレは10月5日で無事終了し、ベルリンに戻ってきました。週刊紙のコレクション特集第1弾は本日発売になりましたが、まだまだウェブでの現地取材リポートも続きます。今回は、5、6日目に行われた「ロエベ(LOEWE)」「ヨウジ ヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「エルメス(HERMES)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」をお届け!残念ながら、パリは天気が崩れ始め、大雨が降ったり止んだり。雨の中のコレクション取材は過酷さを増しますが、会場がどこも屋内だったのが救いでした。

10/1 11:30 LOEWE

 朝からいくつかのアポを済ませ、向かったのは「ロエベ」。コロナ禍にはショー形式から離れ、壁紙や新聞などユニークな方法によるコレクション発表で楽しませてくれたジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)でしたが、その際にもショーへの思いを語っていただけに期待が高まります。会場は、以前の定番だったユネスコ本部から変わり、フランス共和国親衛隊の屋内乗馬練習場。中に入って2階に上がると、そこには白っぽい木で作られた極めてシンプルな空間が広がり、会場内にアートを飾ることも多かったこれまでとの違いを感じました。そして、真ん中に下の階から続く階段があり、どうやらそこからモデルが登場してくるようです。

 ジョナサンは以前から新たなフォルムを探求しているように感じますが、「神経質でサイケデリック、そしてシュールレアリスム的なものを表現したかった」という今季は、自身がフィレンツェで見た、ルネサンス期のマニエリスムの画家ヤコポ・ダ・ポントルモ(Jacopo da Pontormo)の感情的な作品から着想。その世界観に通じる、「ねじれや転換、ゆがみを取り入れた」といい、色使いやドレープのシルエットにもその影響が見られます。 ショーは、コットンジャージーを使ったシンプルなロングドレスからスタート。ただし、骨組みのようなメタルワイヤーで作るウエストや肩の突起が、違和感をもたらします。その後も、ゴールドやシルバーのメタルプレートを組み込んだドレスをはじめ、ちょっと戦隊モノ的にも感じる翼状のケープをあしらったルック、シルク生地をチェーンで吊ったりツイストしたりしてドレープを描く神話上の女神のようなドレスなど、実験的なスタイルがズラリ。「『ロエベ』に入ってから約8年になるけれど、パンデミックを経た今こそ、私たちがどこへ進んでいけるのか、クラフトをどのように再解釈できるのかという新たな領域の開拓にトライするときだと感じた」と話していましたが、スリムなシルエットと、トレンチコートやデニムジャケットといった定番アイテムをベースに、大胆で彫刻的なひねりを加えるというアプローチに目を奪われるコレクションでした。ただ、このまま着ることを考えづらいアイテムが多いのも事実。どのようにコマーシャルピースに落とし込まれているのかが気になります。

 キャッチーなアクセサリーに関しては、エリーさん(ライターの井上エリさん)が写真たっぷりでリポートしてくれているので、こちらをご覧ください!個人的には、新作バッグの“ハンモック ナゲット”を狙っています。

19:00 YOHJI YAMAMOTO

 夕方から一度ホテルに戻って原稿を書いていたら、ショーの開始時間を30分間違えていたことに気づき、大雨の中、急いで「ヨウジ ヤマモト」の会場であるパリ市庁舎へ。ホテルから近くて良かった〜。今回もパリでリアル発表を行う唯一の日本ブランドになりましたが、パンデミックの最中に行われた1年前に比べると、席数も増え、以前のようなショーの雰囲気に戻りました。

 コレクションは、ほんの少しの白とシルバーのペイント、チェック生地の部分使いを除けば、ほぼ黒。「黒」はブランドを象徴するカラーですが、今季はその表現が軽やかです。カットやドレープ、タックを駆使して縦長のシルエットを軸にするのは変わらずですが、「ヨウジ」としては珍しいミニ丈も提案。トレンチコートをアレンジしたドレスも新鮮でした。ラストは、女性が憂いのある声で歌う「イムジン河」が流れる中、クリノリンがあらわになったドラマチックなドレスが登場。モデルがドレスに忍ばせた一輪の黒い花をサプライズで観客にわたすという演出に、グッときました。このシーンは、是非映像でご覧ください!

 ショー会場では日本から来ていた益若つばささんもキャッチ。「黒い服が1番好き」というのは、かなり意外でした〜。パリに来た感想などはこちらの記事でチェックしてくださいね。

10/2 14:30 HERMES

 お迎えの車に乗って向かった「エルメス」のショーの舞台は、パリ中心地から45分ほどの郊外にあるル・ブルジェ空港。かつてはパリ初の本格的な空港として栄え、今はプライベート機の発着などに使われているロケーションです。そこに、長い閉鎖的な生活の中で皆が憧れ、今再び動き出した世界の中で復活しつつある旅への想いを込めました。

 会場となった巨大な格納庫の中に用意されたのは、円形のピラミッド状になった客席。それを囲むようにアーティストのフローラ・モスコヴィチ(Flora Moscovici)による、イエローからブラウンへのグラデーションが美しいアートパネルが何枚も配置されています。ショーが始まると、そのパネルがゆっくりとスライドし、作品とリンクするような美しい色使いのウエアをまとったモデルが登場。中でも、輝く太陽の光をイメージさせる温かみのあるイエローが印象的です。

 コレクションのカギとなるのは、”軽やかさ”。ブランドのキー素材であるレザーは、キャンバス地と合わせたり、四角くカットしたピースをシルクガーゼのアイテムに規則的に縫いつけたり。ラムスキンのジャンプスーツやミニドレス、スムースカーフのビスチェドレスも、薄くなめらかで光沢があり、重苦しさとは無縁です。そこにユーティリティーのムードを加えるのは、ポーチのデザインからヒントを得たというドローストリングのウエストや、”マンジョワール”バッグから着想したアイレットのディテール。足元も、素足またはレザーのソックスと合わせたラバーソールの厚底サンダルで、開放感のあるスタイルを完成させます。

 実は自分を含め、会場にいる観客の半分は自分の席に座ったままだとフィナーレの演出が見えなかったのですが、のちほどデジタルの映像でチェックして、この場所にこだわった理由に納得しました。それは、最後に格納庫の扉が開き、広大な滑走路と空を背景にモデルがズラリと並ぶというもの。今季のキーワードである「希望」にあふれる光景です。そして、そこに飛行機が着陸して、ショーが幕を閉じるという演出。ショーの模様は、世界各地で開かれた上映会で流れたそう。デジタルでもエモーショナルな表現に価値を見出す「エルメス」らしいと感じました。

20:00 BALENCIAGA

 9月のMETガラのレッドカーペットでも話題をさらった「バレンシアガ」ですが、今季のコレクションのタイトルも「レッドカーペット」。あいにくの雨でしたが、会場となったシャトレ劇場前には、映画祭のレッドカーペットさながらのセッティングが用意されていて、周りには人だかりができています。たくさんのフォトグラファーが待ち構える中、「バレンシアガ」のアイテムに身を包んだカーディ・B(Cardi B)らセレブリティーも、エディターなどのゲストも、来場者はカメラマンの前で立ち止まり、まず写真撮影。その模様は、会場内の巨大なスクリーンで生中継されています。

 確かに、チケットには「スクリーニング(上映会)」と書かれていたのですが、なんだかおかしい。実はこれ、レッドカーペットを歩くゲストの中に最新コレクションを着たモデルも混じって登場している、すなわち、それ自体がショーになっているという、まさにデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)らしい一風変わった演出。スクリーン右下に小さくルック番号が表示されると、まだ開始前と思って油断していた観客も気付き始め、拍手が巻き起こります。さらには、レッドカーペットを通り過ぎたモデルたちも他のゲスト同様、観客席に座るので、これまた驚きです。METガラの時と同じく覆面姿のデムナもレッドカーペットを通って会場入りすると、モデルが映ったシーンだけを編集した映像が流れます。ただ、それだけで終わらないのが「バレンシアガ」です。そこからは“本当の上映会”がスタート。人気アニメ「ザ・シンプソンズ(THE SIMPSONS)」とコラボしたオリジナル作品をお披露目しました。これがまた、めちゃくちゃ面白い!上映後は、拍手喝采でした。

 また、今回の“ショー”のモデルの中にはエリオット・ペイジ(Elliot Page)やイザベル・ユペール(Isabell Huppert)といったMETガラで実際に「バレンシアガ」を着用していたセレブの姿も。あれは、今回のイベントに向けた壮大なプロジェクトの序章だったのか!と思わせる仕込み、あっぱれです。

 コレクションの内容はというと、ウエアはオーバーサイズやボックスシルエットのテーラリングやストリートウエア、ドレープやプリーツを施したドレス、そしてドラマチックなボウルガウンといった、お馴染みのスタイル。ただアクセサリーには新たな提案が多く見られました。バッグでは、底がカーブした”アワーグラス”のフォルムを再解釈して、より実用的に仕上げた“XX”や、3つのコンパートメントを備えるチェーンバッグ“トリプレット”が新登場。シューズでは、「クロックス(CROCS)」とのコラボの新作となるサイバーゴスなアイテムや、アイコンバッグのスタッズや紐のデザインを落とし込んだブーツ、タイヤのようなソールを備えるスニーカー、EVA素材を一体成形したメンズシューズなどを揃えています。

おまけ:今日のワンコ

 パリはミラノと違って、ショー会場に犬を連れてきている人が少ない模様。ワンちゃんいないな〜とエリーさんに話していたら、「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」で見つけたというデザイナーさんの愛犬の写真を送ってくれました。

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「ディオール」が香水のディレクターにフランシス・クルジャンを任命

 一方のドゥマシー氏は“ジャドール”や“ミス ディオール”といったメゾンを代表するフレグランスを再解釈し新作を出してきただけでなく、香りの開発も多く手掛けてきた。彼の代表作で15年に発表した“ソヴァージュ”は、メンズフレグランスのベストセラーとしてとして世界中で旋風を巻き起こした。

 ローラン・クライトマン(Laurent Kleitman)=パルファン・クリスチャン・ディオール社長兼最高経営責任者はクルジャン氏について「洞察力に長け、情熱溢れる調香師だ。彼のクリエイティブなエネルギーやフレグランスの専門性は、これからの『ディオール』のフレグランスに大きな影響を与える。彼は1947年から続く香りのヘリテージから、特別な花々と途方もない創造的イニシアチブに基づいて製品を作り出していく」と評価した。クルジャンは「歴史に感化され、これからの未来を見据えたクリエイティブな精神を持つパルファン・クリスチャン・ディオールの一員となれることれは大変光栄なこと。自分のメゾンでも創作しながら、メゾン ディオールでも働けることは大きな財産だ」とコメントしている。

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いざ買い物の秋! 伊勢丹メンズで“チェッカーズがおっさんずラブ”とはこれいかに?

 いまだ30℃近い日もあるものの、“らしいこと”を一切することなく夏が終わってしまった。そういえば去年もそうだった。コロナめ……。リモートライフも馴染み、季節の変わり目も感じにくくなる中で、それを知らせてくれるのが、春に“付けた”(ファッション業界用語で「オーダーした」の意)服のデリバリーだ。

 例えば、スコットランド発祥のブランド「キンロック アンダーソン(KINLOCH ANDERSON)」。創業1868年の老舗の、日本企画のメンズ・クリエイティブ・ディレクターに、昭和酒場と定番ファッションを組み合わせた動画がユーチューブで人気の“アニキ”こと片野英児さんが就任したことは、春に紙面で紹介した通りだ。その際は3パターンの着こなしを片野クリエイティブディレクター本人に見せてもらったのだが、そこで触手が動いてしまった。

 即決したのは、スコットランド連隊のパレード用をモディファイしたパンツだ。オリジナルでずっと探していたのだが、自分サイズでかつ状態の良いものに出合えずにいた。アニキバージョンは、シェットランドウールにリサイクルポリエステルを交織することで、“重い”というオリジナルの難点をクリア。股上も浅めにし、すっきりと見せている。「キンロック アンダーソン」のハウスタータンである“キンロックチェック”と大いに迷った末に、僕は“マッケンジー”を選んだ。クローゼットの奥で眠るピーコートを引っ張り出して、コーディネートするつもりだ。

 次に“付けた”のは、ブラックウオッチのボタンダウンシャツ。ブラックウオッチって定番柄だし、古着のシャツやパンツを複数持っているが、古着ゆえにシンデレラフィットとはいかず、サイズがいまいちなものってどうしても着なくなってしまう……。その点、新品ならサイズも選び放題だし、古着好きとしても知られるアニキの作とあらば、かゆいところにしっかり手が届いてるというわけだ。美光沢となめらかさが特徴のギザコットンを使い、胸ポケットを排すことで上品に仕上げている。「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」のグレーのスリーピースに合わせてみるのも面白そう。

 と、春に“付けた”のはここまで。それが届いて、さぁどこに着て行こうか?のタイミングで、「キンロック アンダーソン」初のポップアップイベントを伊勢丹新宿本店メンズ館で行うと聞き、表敬訪問した。アニキにポーズ指導を受けつつ撮ったのが、こちらの写真たち。特に、2人してチェックパンツをはいた際には、「チェッカーズ、いいね!コロナが収束したら、メンバーを増やして立石(東京の下町)で“せんべろ”したいね」とアニキ。そして撮影が進む内に、なぜかボーイズラブな雰囲気に(笑)。それを若手女性カメラマンがはやし立てるものだから、おじさんたちも盛り上がってしまい……。偶然おそろだった白シャツ&白ソックスの感じも相まって、「おっさんずラブ」な図が完成してしまったのだった……。

 女性スタッフが身もだえる中、僕はラックに掛かった服の一つに猛烈に後ろ髪を引かれていた。バルマカーンコートだ。春の取材でアニキが着ていて気になっていたのだが、1つの展示会で3点を“付ける”のは自分的にもなかなか気が引け、泣く泣く見送っていた。それが目の前にある。実はこのコート、リバーシブル仕様で裏が“マッケンジー”になっている。つまり、手持ちのパンツと合わせれば“マッケンジー”の上下という、なかなかに傾奇者(かぶきもの)な着こなしもできてしまうのだ!う~ん、う~ん……と唸っていると、「迷ったらGOでしょ!」とアニキ。「ですよねー」というわけで、ワードローブがまた一つ増えてしまった。

 そう、これもきっと秋のせいだ。だって、買い物の秋だもの。

■「キンロック アンダーソン」ポップアップ
日程:10月6~12日
場所:伊勢丹新宿本店メンズ館7階 メンズオーセンティック
住所:東京都新宿区新宿3-14-1

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日常にドラマを生む、“大人フリル”の甘すぎない着こなし方

 ロマンチックなフリルが“脱・ニューノーマル”の装いを彩るディテールとして脚光を浴びています。人気の背景にあるのは、日常に控えめなドラマを呼び込みたいという、変化を求める気持ち。波打つフリルや、ひだの大きいラッフルを取り入れれば、着映えに適度な愛嬌や動きを盛り込めます。

 「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」は、フリル付きの黒のシアードレスで華やさを演出しました。懐かしい真知子巻きのヘッドスカーフで昭和のレトロ感を注入。クラシックなフリル使いも貴婦人なムードを添えています。今回は、フリルを魅力的に取り入れた日本ブランドのコレクションルックから、甘すぎない“大人フリル”の着こなしをお届けします。

甘さ控えめで大人仕様のフリルワンピース

 大人がフリルを着こなすにあたっては、少女っぽくならず、甘さや幼さを遠ざけるまとい方がポイントになってきます。シックな色合いを選ぶのも、フリルを上品に見せる方法です。

 「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」は、全体をブラウン調でまとめ、秋らしいたたずまいに仕上げました。落ち着いた大人のムードが備わっているので、たっぷりのフリルやラッフルもエレガントに見えます。色や柄のおかげで、ヴィンテージ感も漂っています。

 スイートな印象を封じ込めるうえでは、黒主体のシックなカラートーンも効果的です。タイトなシルエットも際立つので、“フリル×黒”のコンビネーションは使いでがあります。2枚目の写真は、「マラミュート(MALAMUTE)」。黒のニットウエアでほっそりしたシルエットを描き出しました。細かいフリルをたくさん配して、まるで人魚姫のような雰囲気。縦長のフォルムが、フリルの動きを引き立てる効果も発揮しています。

レディー感をまとえるティアードフリルのスカート

 ボトムスにフリルを迎えるなら、段々が重なるティアードスカートがおすすめです。フリルがなじみやすいのは、ティアード自体に装飾性が強いから。フリルよりもひだが大きいラッフルとの相性も上々です。

 「ノントーキョー(NON TOKYO)」のスカートは、3段のティアードがボリュームの美を印象づけています。それぞれの段にたっぷりとラッフルがあしらわれていて、味わい深い陰影を生みました。ロマンチックな風情を醸し出すスカートだからこそ、甘さに引きずられないトップス選びが肝心。あえてストリートテイストのTシャツを合わせることで、“ずらし”のテイストミックスに仕上げています。

 フリルと同じく、布の表情が豊かなギャザーやシャーリングと組み合わせれば、叙情的なムードをまとうことができます。全体にレディーライクな雰囲気を濃くしたい場合に使えるスタイリングです。2枚目の写真「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」は、全体を白系でまとめたワントーンの装い。2段のティアードスカートに、ゆるっとしたフォルムの、エフォートレスなプルオーバーブラウスを合わせています。スカートにも大小のフリルを配し、全体を貴婦人のようなクラシックなたたずまいに導きました。

細見えもかなう、ハンサム&ガーリーなフリルパンツ

 これまでフリルの“定位置”といえばブラウスやスカートなどのアイテムで、マニッシュなイメージのあるパンツとは縁遠い関係でした。でも、近ごろはジェンダーレスなムードの流れもあってか、パンツにもフリルを施す試みが広がっています。パンツの印象を揺さぶる効果が期待できる点でも試してみたくなる新顔のボトムスです。

 「ルプコ(RPKO)」のパンツは裾にぐるりとフリルが施され、パンツの裾が弾むようなデザインに仕上げました。ブラウスの大襟を縁取るフリルとも響き合っています。明るい色とつやめいた風合いで、ポジティブとロマンチックが同居する着こなしに整いました。

 大ぶりのフリルは装いに躍動感を加えてくれます。ボリュームがある分、細さを引き出す効果も。だからこそ、パンツに組み込むと、レッグラインがすっきり細く映ります。2枚目の写真「マリオン ヴィンテージ(MALION VINTAGE)」は、ブラックのワントーンでスタイリッシュなコーディネートにまとめています。スレンダーに見えるのは、5段フリルのインパクトが強いから。フリルが目を引く分、実際以上に脚がシャープに映る仕掛けです。

 フリルはきれいな立体感を際立たせてくれるので、おしゃれのキーディテールとして生かしがいがあります。華やかな量感がボディラインをすっきり見せるメリットまで期待できるおまけ付き。丁寧にギャザーが施された大人仕様のフリルは、今シーズンの注目トレンドである“適度にロマンチック”な演出にも役立ちそう。ニューノーマルな生活が続き、日常にも少しドラマが欲しくなる中、フリルを使って、着こなしにちょっとだけ波を立ててみませんか。

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新素材続々!衣料の進化ってスゴい!! マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.31

 生地の合同展示会などに通うようになって6年ほど経つが、当時はまだサステナブルを謳うメーカーなんてほとんどなかった。それが今では、合同展示会を訪れると8割くらいの出展企業がサステナブルをテーマにしているように感じる。中でも注目すべきは、天然素材、リサイクル素材、そして開発テック素材だ。

 天然素材にはリネンやヘンプ、オーガニックコットン、バンブー、シルク、ウールなどあるが、注意しなくちゃならないのは、コットンだ。以前もコラムでお話ししたが、コットンの生産にまつわる労働環境問題を理解し、オーガニックコットンという選択肢を考えることはファッション界において重要なことだ。リネンやヘンプは、土に与える影響や性質上の農薬量などを考えたい。種類によっては、植えた場所の土をダメにしてしまう素材もある。一方ヘンプは害虫に強く成長が早いため、農薬の量も少なくて済み、大気中の二酸化炭素を大量に吸収してくれる。シルクやウールもサステナブルで素晴らしい素材だと思うが、養殖自体を好まない考えもしっかり受け止め、透明性の高い農園・牧場を選べるように「見える化」することが必要だ。

 リサイクル資材は、例えば服から服をつくるサーキュラー・エコノミーを実現するブランド「ブリング(BRING)」が使う100%リサイクルのポリエステルは、まるでコットンのような肌触りで、気軽にサステナブルなオリジナルTシャツができる。旭化成の人工皮革「ラムース® 」は、リサイクル原料を使用、水系ポリウレタンを使用した環境配慮型の素材だ。東洋紡STCのポリエステル素材「エコールクラブ®」は、すでに白衣や制服などに使用されている。東レの回収循環型リサイクル「サイクリード®」のナイロン6タイプは、使用済みナイロン製品を回収、ケミカルリサイクルして繊維原料に再生している。なんとボタンやファスナーなどの副資材として再生されるポリエステルのリサイクルまである。

 開発テック素材とは、生分解性繊維、つまり土に還る素材。いらなくなったら堆肥になり、コットンのような仕上がりのものからポリエステル生地まで幅広い。話題の人工クモの糸スパイバーや、飲食界で出る副産物を加工して作るアップルレザー、パイナップルレザー、「エルメス(HERMES)」も導入したきのこレザーまで、テクノロジーを駆使した素材がまさに次々と開発されている。

 今回は私が注目しているサステナブル素材の数々をあげたが、世界にはまだまだ色々な未来を引っ張っていく素材がある。出合うたびに人間のケーパビリティ(能力)に感動させられるのだが、その使用方法と更なる循環をデザインするときは、既存の自然のサイクルを壊さないよう気をつけたい。というのが最近、私が個人的に気をつけているところだ。

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イタリア発ジュエラー「ブチェラッティ」の日本初旗艦店が銀座にオープン

 イタリア発ジュエラー「ブチェラッティ(BUCCELLATTI)」の日本初となる旗艦店が9月30日、東京・銀座並木通りにオープンした。2層約120平方メートルの同店舗では、ブライダルなどのジュエリーやハイジュエリー、ホームコレクションなどを販売。「ブチェラッティ」は1919年にイタリア・ミラノで創業し、彫金で知られるジュエラーだ。今でも創業一族が運営に関わっている。4代目のクレツィア・ブチェラッティ(Lucrezia Buccellati)がデザインしたシルバーコレクション“ブロッサム”があり、その中の“デイジー”のリングは、G―DRAGONが着用しており、若年層の間で人気が高まっている。リングのほか、ピアスやカフブレスレットなどもあり、税込価格は2万3500~30万円と手頃だ。

 同ブランドは、2019年に「カルティエ(CARTIER)」などを傘下に持つリシュモングループが買収。日本では長年、和光などが取り扱ってきたが、リシュモン傘下で今年4月から事業を開始した。

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ピンクリボン月間に合わせてエスティ ローダーなどビューティ各社がキャンペーンを実施

 10月の乳がん啓発月間、ピンクリボン運動に合わせて、国内外のビューティ各社がキャンペーンを実施している。エスティ ローダー グループ(ESTEE LAUDER GROUP)はSNSでのキャンペーンのほか、「アヴェダ(AVEDA)」「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「エスティ ローダー(ESTÉE LAUDER)」「ドゥ・ラ・メール(DE LA MER)」「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「クリニーク(CLINIQUE)」の7ブランドで支援製品を販売し、収益の一部を米国乳がん研究基金や乳がんの研究団体JBCRGに寄付する。

 またフランス発のネイルブランド「ネイルマティック(NAILMATIC)」も限定色のネイルカラーを販売し、売り上げの一部を乳がん治療や研究に関する支援基金などへ寄付する。

 美容脱毛サロンのミュゼプラチナムは、オンラインヘルスケアイベント「ガールズ ヘルス アクション2021(GIRL’S HEALTH ACTION 2021)」を11月3日に開催。医療アートメイクのバイオタッチメディカルクリニックは、乳がん手術後の医療補助アートメイクを無料で行う。

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「ギャップ」がスタートアップのAI企業を買収 テクノロジーへの投資を強化

 ギャップ(GAP)は米ニューヨークとイスラエルのテルアビブを拠点とするスタートアップ企業、コンテクスト・ベースド 4 キャスティング(CONTEXT-BASED 4 CASTING、以下CB4)を買収した。

 CB4はAIと機械学習を利用して、予測分析と需要感知によって売上促進と顧客体験向上に貢献する。投資会社のセコイア キャピタル(SEQUOIA CAPITAL)が出資し、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)やアーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)といった小売企業とも協業した実績を持つ。今後はCB4の社員がギャップに移籍する形で業務を行う。

 ギャップのサリー・ギリガン(Sally Gilligan)=チーフ・グロウス・トランスフォーメーション・オフィサーは、「AIや機械学習が業界の未来を形作ると信じている」と話す。「当社はCB4に所属する世界クラスのデータサイエンティストと協業した経験があるため、彼らの技術が与える衝撃と、販売、在庫、消費者需要といった幅広い分野に応用できることを理解している。また、価値を引き出して顧客体験を向上させるポテンシャルを秘めている」。

 ギャップは1年前から技術をクラウドに移行し、今年8月にはヴァーチャル試着技術を提供するDRAPR社を買収するなど、テクノロジーへの投資を強化している。

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大丸松坂屋とビームスがバーチャル空間で試みたことは? 2回目のイベント出展の成果を問う

 世界最大級のバーチャルイベント「バーチャルマーケット6」が8月14〜28日に開催された。クリエイターが自作の3Dアイテムを販売できるイベントだが、毎回さまざまな企業が出展し、さまざまな趣向を凝らして来場者を集めながら、バーチャル空間でできることを模索する。

 今回はJR東日本により、秋葉原駅構内を再現した「バーチャル秋葉原駅」が登場したほか、NTTドコモやヤマハ発動機など61社が出展した。前回初出展し、継続して参加した大丸松坂屋百貨店とビームスに「バーチャルマーケット6」での成果とビジネスの可能性を聞いた。

バーチャルカタログを模索する大丸松坂屋

 「前回初出展して仮想空間でも食品が売れるという実感が得られたし、周りからも興味を持たれた。バーチャルでも手に取ったり、細かな文字も読める。紙ではないカタログを試してみたいという気持ちが強まった」と大丸松坂屋百貨店ギフト企画担当の田中直毅さんは語る。

 前回同様、屋台に“明洞で食べた参鶏湯”(7020円)など10種のご馳走グルメを用意。加えて、今回は中央にマスコットキャラクター「さくらパンダ」にバーチャルカタログを持たせた。「“飛び出す絵本”のようなカタログにしようと盛り上がった。載せるのは、華やかなスイーツがいいと考えた」。

 カタログをめくって商品の画像にタッチすると商品が飛び出て3Dアイテムとして手に取れるようになる。特に人気がたかったのはトップページに掲載した“フルーツカクテル杏仁”(5400円)と、“すいかパン”(4428円)。「“スイカパン”は検索からの流入もある人気商品で『ここで買える!』と喜んだ方もいたのでは。発送は国内に住む人のみへの対応だったが、購入に至らなくても楽しんでもらえたと思う」。

 前回は年末年始で受注が止めざるを得ない期間があったこともあり、今回は前回実績の4倍を売り上げることができたという。また、期間自体8日間短ったが、ブース入場者数は2万人以上増えたという結果が出た。「売上目標には若干至らなかったが、手応えは感じた」。

 試行錯誤は続きそうだ。「カタログを最後まで見てもらうための工夫が必要だと分かった。買ってもらえなくても楽しんでもらいたい。リアルの楽しさとバーチャルでできることを、頭を柔らかくして考えたら、もっと面白いことができそうだ」。次回の参加も検討中だ。

カルチャーとリアルタイム接客で存在感を放つビームス

 「バーチャルマーケット6」を主催するHIKKYとxR(空間拡張技術)領域で業務提携するビームスは今回、ビームス原宿を再現した空間の2階に銭湯を設けた。まさにバーチャルならではの空間だ。「今回はいかに店をユーザーが自由に使えるか、僕らが設定するのではなく、ユーザーたちが勝手に設定して、どんどん発信していくことができる場を作りたいと考えた」とビームスクリエイティブの木村淳プロデューサー。「海外に住む人の来場が多いのと、コロナ禍なので、バーチャルでできて、日本の魅力も発信できて、さらにコミュニケーションの場になるものって何だろうと考えた。日本にはお風呂で親子で会話したりする文化があるので、アバターでもそういう裸の付き合いをしてみたらどうかと、銭湯に決めた」。

 狙いは当たり、多くの人が空間を楽しみ、SNS投稿したという。「『ビームスの銭湯に集合!』というような呼びかけがあって、皆でお風呂に入って写真を撮ったり、実際の寿湯に行ってきたというような投稿があったり。想像もしていない反響があって、感激した」とビームス広報の木下香奈さん。無料配布したバスタオル姿のVケットちゃんも好評だったという。

 また、1階で「PUI PUI モルカー」のアバター(4500円)を販売したところ、非常に大きな手応えを得たという。「3Dアイテムの販売は2回目だが、モルカーのアバターで『バーチャルマーケット』を回りたいと思う人が多数いたようだ。来た方がどう楽しんで、それを着てワールド巡るのかということを踏まえることが大事だと学んだ」と木村プロデューサー。

 社内での輪も広げている。今回も時間を決めて、スタッフが店頭で接客した。アバターによるリアルタイム接客は「バーチャルマーケット」内でも珍しい光景だ。今回は英語を話せる店舗スタッフをメインに40人程度集めた。

 「海外からの参加者が多く、前回英語での接客がとても好評だったので、今回は英語対応できるスタッフを集めた。お客さまに喜んでもら得たのはもちろんだが、このコロナ禍で海外からの旅行がいなくて、スキルを生かす機会がなくなっていた彼らがここに来てみたら、皆キラキラし接客していた。デジタルでの新しい接客を体験してもらって、熱量が上がった。会社を巻き込んでやっていくことの意味をすごく実感した」と木村プロデューサー。木下さんも「銭湯や日本の文化を説明し慣れているビームスジャパンのショップスタッフも多めに稼働してたので、そこもよかったと思う」と語った。

国内の顧客に向けてスマホでの体験も

 今回はスマートフォンやPCのウェブブラウザ上で動くVRコンテンツ開発エンジン「Vケット クラウド」を利用して、より簡単にバーチャル体験ができるようにした。VRChat内の「バーチャルマーケット」は、アクセスまでが煩雑で、推奨されるPCもハイスペックと、参加のハードルが高い。一方、「Vケット クラウド」ではURLクリックでアクセスでき、マルチプレーが可能。音声コミュニケーションもできる。ここに「バーチャルマーケット」と同じ店舗空間を作った。スタッフ接客や打ち上げ花火のギミックなどはVR版のみだったが、商品の販売は行った。

 「社内でもやっとみんなが体験できたので、私たちがやっていることが伝わったし、URLを一つタップするだけなので、お客さまにも勧めやすく、実際に多くアクセスしてもらえた」と木下さん。

 「将来的にスマホ・ウェブブラウザ版でも接客ができるようにしたいし、そうなるとビームス顧客に向けた商品編集が必要になるだろう」と木村プロデューサー。スマホ・ウェブブラウザ版は既存の顧客に向けて、VR版は新規のファン作りを狙う。「VR版では体験込みで販売することを強化し、1階部分の商品の構成の正確さや、海外発送対応の商品などを増やしていきたい」。スマホ・ウェブブラウザ版はどこででもアクセスできるため、新しい働き方の可能性も模索する。

 「バーチャル領域は今後どんどん広がっていくと思うが、リアルの場所を持ってたり、リアルのスタッフを持ってるってところが他にはない、僕らの強みだ。リアルのためにきっかけをバーチャルで作っていくっていうところも、バーチャルのプロジェクトの一つだと思っているので。そこもしっかり考えながら携わっていきたい。やってる側に熱があることが一番重要だと思っているので、そこが少し大きくなったのは今回の良かった点だ。次回以降もどんどん巻き込んで輪を大きくしていきたい」と意気込む。12月4〜19日に行われる「バーチャルマーケット7」で、どう進化するのか注目だ。

 動画:店舗脇から銭湯の煙突に登ると、大輪の花火を打ち上げることができる

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元米「WWD」の名物記者が語る、故リチャード・バックリー氏と過ごした出版社での多忙な毎日

 9月19日に亡くなったファッションジャーナリストのリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏は、米国版「WWD」とも深い関係を持ち、ファッションジャーナリストとして大きな影響力を持つ存在だった。

 同氏は1948年にニューヨーク州ビンガムトンで生まれた。アメリカ、フランス、ドイツで育ち、ミュンヘンのメリーランド大学卒業後、79年にニューヨーク・マガジン(New York Magazine)でジャーナリストとしてのキャリアを開始。82年から「WWD」の元親会社、フェアチャイルド(FAIRCHILD)のメンズウエアを広く扱うメディアにて、次世代のデザイナーを次々と発掘した。その後フェアチャイルドを離れ、「ヴォーグ(VOGUE)」などを擁する米コンデナスト(CONDENAST)の元で働く。パリやロンドンでの生活を経て、晩年はロサンゼルス、ニューヨーク、サンタフェで時間を過ごした。米国版「WWD」の元名物記者、ブリジット・フォーレイ(Bridget Foley)がともに働いた日々を回想しながら、思い出を振り返る。

 シャーロット(Charlotte)から連絡があった時、「ああ、リチャードが亡くなったんだ」とすぐに分かりました。シャーロットはリチャードと彼の夫、トム・フォード(Tom Ford)の親しい友人で、ブランドのマーケティングを管轄する人。メッセージには、「電話ください。とても大事なことだから」とだけありました。

 最後にリチャードに“会った”のは今年5月、画面上でのこと。その時もいつものように、まるで興味や関心を見せないように、ぶっきらぼうでした。「WWD」を去った後の人生や娘のライターへの興味について、彼らしいキツめのジョークを混ぜて話していた。低く囁くような声で話す様子に、彼が「WWD」にいたころにすでに発覚していた病気の影を感じながらも、楽しく話していました。

 リチャードは、本当にエレガントな人でした。洞察力に長け、落ち着きもあり、独特なユーモアの持ち主でシルバーのヘアーがよく似合っていた。彼とトムの出会いは有名なことに、「WWD」の親会社だったフェアチャイルドのオフィス屋上で行われた撮影だった。当時トムはデザイナーのキャシー・ハードウィック(Cathy Hardwick)のアシスタントで、リチャードは担当の編集者だった。

 私はその時現場にはいませんでしたが、私とリチャードの友情はそれよりも前に始まった。私たちは「シーン(SCENE)」という若者向けの雑誌の立ち上げの際に出会いました。そのころリチャードは、フェアチャイルドのパリ発信のメンズマガジン「DNR」誌のヨーロッパ管轄の編集長として業界で有名でした。リチャードが去った直後に編集長を引き継いだエド・ナルドザ(Ed Nardoza)によると、「リチャードは圧倒的な才能の持ち主だった。彼の特集や撮影は洗練されていて、唯一無二のものだった。DNRマガジンの品質を一気にあげた」と言います。

 リチャードはフェアチャイルドと強いつながりを持っていたし、同社は彼をニューヨークに呼び戻しました。彼は「シーン」の編集長になる予定でしたが、同誌は複数の理由でたたむことになりました。私も彼もこのプロジェクトが機能していなかったことは気づいてたんですが、どうしようもできず……。それから日常は一転して充実した忙しいものから、ストレスフルなものに変わりました。その中で私たちはお互いを励まし合いながら、特有の深い絆が生まれました。これまでのシンパシー(共感すること)が、エンパシー(他人と感情を共有すること)に変わったのかもしれません。同じ階で働いていた人はみんな私たちと同じように感情を共有しながら働いていました。

 ある時、ちょっとしたことで仕事を一日休んだ時がありました。翌日出社すると、リチャードは代わりにまだ経験の浅い若い編集者と仕事をしていました。その編集者が私の休みの理由を探り「ああ、精神的に疲れてしまったんですね」と言った時に、私は唐突すぎて思わず吹き出してしまいました。するとリチャードは眉を片方あげて、「今更私たちのどちらかがが、精神的に疲れて一杯一杯になっても誰も驚かないだろうよ」と言ったんです。

 常に仕事に詰まっていて、週末もオフィスにいることが多々ありました。ある時、私たちは撮影のために洋服を探すことになりました。土曜日だったので娘のグレイン(Grainne)を連れて行ったのですが、2歳の好奇心旺盛な娘は洋服や靴をめちゃくちゃにしてしまいました。リチャードの性格を考えると、娘に対してでなくとも、少なくとも私にはイライラするんじゃないかとヒヤヒヤ。ところが彼はオフィスの中で子どもが安全に遊べるスペースを探し始めたのです。編集者同士で写真を確認し合うために使われていたフォトプロジェクターに目をつけ、娘を遊ばせました。当時フォトプロジェクターは写真のカセットを挿入して、流れるように見られる仕組みでした。すでに翌日のためにカセットで埋まっていたプロジェクターで娘は何百ものカセットを出しては遊んですっかり夢中に。リチャードはその後一人残ってまたカセットを補充してくれたんです。

 バックリー・フォード家のことを思う時、このシーンをいつも思い出します。リチャードは息子のジャック(Jack)にとって素晴らしい父親だったに違いありません。彼は寛容でクリエイティブで、ありふれた日常を面白くて楽しいものにします。トムが言うには、ジャックが生まれた時からリチャードはバラやユリ、フリージアなど、花を嗅がせるようにしていたそうです。ジャックはフレグランスや香りへの興味が芽生えているとのこと。ほかにも、日常のなんてことない疑問や考えに楽しさを見つけるような教育をしていました。

 リチャードの鋭い審美眼は、彼の大きな強みでした。彼は注目されていなかった芸術品や、誰も知らない新鋭デザイナーのドレスなどに目をつけていました。「シーン」の担当から外れてマガジンも廃刊になった後、リチャードは「WWD」の中で業界のイベントやパーティを取り上げる「ザ・アイ(The EYE)」ページを担当することになりました。初めて担当した大きなイベントは、若かりしころのクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が衣装を手掛けたバレエシアターのガラでした。「ザ・アイ」の連載は「WWD」の一つの大きなコンテンツで、WWD創業者のジョン・フェアチャイルド(John Fairchild)も注目していました。

 彼の文化的洞察力や独特のユーモアは「ザ・アイ」連載にピッタリ合っていました。ニューヨークの社交界を切り開き、大御所らと付き合いながらカウンターカルチャーから生まれる新たな流れを掴み取っていきました。これまで培ってきたジャーナリズムのスキルを大切にしながら、エンタメの世界に飛び込んだのです。

 彼がトムとヨーロッパに戻り、「ヴォーグ オム インターナショナル(Vogue Hommes International)」の編集長に就任した後、ばったりショーで会いました。私のレビューを読んだと報告をしてくれましたが、キュロットとスカートを間違えていると指摘。「とても素晴らしいレビューだったけれど、完璧ではないね」と一言。5月に画面上で会った時、彼は相変わらずエレガントでありながらズバズバとモノを言うので、とても楽しかった。話をしていると2人きりでオフィスに篭っていた日々を思い出します。私たちは若くて、タフでした。タフすぎるくらいに。お互いを支え合って過ごしていました。その時から彼はすっかり私のハートを掴んでしまい、今も離してくれません。

 ご冥福をお祈りします。

 ブリジット・フォーレイ

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「メイベリン ニューヨーク」が世界メンタルヘルスデーに向けたデザインコンテスト 入賞作品は製品に採用

 「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は、10 月 10 日の世界メンタルヘルスデーに向けたキャンペーン“ブレイブ トゥギャザー”イラストデザインコンテストを開催中だ。キャンペーンでは“BRAVE TOGETHER”“#強くていいんだ”“You are not alone”“LOVE MYSELF”などの9つのテーマを表現するイラストを募集し、入賞作品を同ブランドの製品のデザインとして採用する。募集期間は10月24日23時59分まで。

 さらに同ブランドは、10~20代の生きづらさを抱える女性を支援するBONDプロジェクトと共に、人々がメンタルヘルスについて考えるきっかけとなるための「メイベリン ニューヨーク&BOND プロジェクト」を実施。メイクアップやメンタルヘルスに関する悩みや質問を匿名で募集し、BONDプロジェクトが返答する。

 同プロジェクトの一環として、ブランドの公式ツイッターアカウントで10月10日20時からトークセッションを配信する。ゲストにはBOND プロジェクトのほか、シルバーリボンジャパン、インスタグラムメディア「ブロッサム ザ プロジェクト(Blossom The Project)」の中川愛代表らを招き、コロナ禍におけるメンタルヘルスやメイクとの関係について語る。

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