SNSで話題沸騰の人気コスメ「ミース」、経験も広告費もゼロ、なのに2年半で注文数は月1万超えの「ファン育成術」

 美肌研究家のソンミが2019年3月に立ち上げて以降、成長を続ける「ミース(MEETH)」。ソンミが自己資金300万円を元手に、1商品からスタートし、現在は12SKUまで拡大。阪急うめだ本店、 ジェイアール名古屋タカシマヤなど百貨店でのポップアップイベントではファンが殺到。10月6日からは伊勢丹新宿本店で2度目のポップアップを開催する。最初の2年間は広告費0円で成長してきたというが、SNSではたびたびアイテムが話題となる。「ミース」はどのようにバズ商品を生んでいるのか。

WWD:立ち上げ2年半でどのくらい規模は拡大した?

ソンミ:私1人で始めた会社は23人まで増え、消費数も拡大した。ユーザーも口コミを通じて増えており、月に1万件以上は注文を受けている。商品はポップアップ以外では全てオンラインで販売しており、昨秋オープンした表参道の旗艦店は体験の場としている。また今夏には韓国に研究所を作り、商品展開もスタートした。中国、韓国、台湾、シンガポールでも販売しており、アジアを代表するブランドに育てたいと考えている。

WWD:特に人気のある商品は?

ソンミ:“モアリッチエッセンシャルローション”は初期に出した商品で、「ミース」の名刺代わりの1本。無名の状態からスキンケアラインを揃えるのは難しいと考え、美容液なしでも満足できる化粧水として考案した。品質が良いことが最大の宣伝広告だと考えている。今はまつ毛美容液“ルルビューラッシュ”を販売しているが、これは初めてファンの要望から作ったものだ。「ミース」は私がほしいと思える商品を作るのが基本で、秋には美容と健康の観点から「アンドミール(&MEAL)」を立ち上げる。カロリーやPFCバランス、塩分、食物繊維などに配慮した食事で、最初は7日間のスープセットを販売予定だ。

WWD:なぜ美容ブランドとして食品を扱うのか

ソンミ:昨年「ミース60日間チャレンジ」というプロモーションを実施した。一般の方に60日間ブランド製品を使用してもらい、その変化を映像などで公開するもの。商品力に自信があるので実施したが、中には肌が荒れる人もいた。ヒアリングしたところ、スキンケアはできていても食生活が乱れていて、食事もアドバイスできるようにもっと学ぼうと栄養学の専門学校に通ったのがきっかけ。

WWD:学校に通ったのは、新規事業が決まっていたから?

ソンミ:いえ、食品を出そうと考えたのは学校に通ってから。学校にはドクターなど各分野のプロも通っていて、みんな「女性を輝かせるにはどうしたらいいか」という課題に真剣に向き合っている人たちだった。そこで、プロの人たちと協業して「アンドミール」を立ち上げることにした。サプリメントは補助的なもので、根本的な解決を目指したいので食事を作った。「アンドミール」のために、これまで貯めてきた資金を注ぎ込み自社工場も立ち上げた。

WWD:これも自己資金のみで?

ソンミ:出資などは受けていないので、大変だった。「アンドミール」は3つ星レストランのシェフと作ったレシピなので味も自信がある。OEMで試作品を作ったが、その再現が難しかった。これまで妥協をしないもの作りを続けてきた「ミース」が作るなら、ここまでやらなきゃだめだと工場を建てた。そのため大量生産はむずかしく、初期は数量を絞って販売する予定だ。

ギフティング・広告なし、無名状態から1万円超えフェイスパックはどう売れた?

WWD:今では広告投資も行うようになったが、どういう広告を出すのか

ソンミ:これまで広告を出さずに売ってきて、「代わりに私たちが拡散します」と口コミをしてくれるファンの方もいた。なので広告を出す際は前もってファンの方たちに「もっと大きくなるために、これからは広告もやります」と伝えるインスタライブを配信した。今も広告は必要な分だけ。最初に出したのはタクシーの車内広告。タクシー広告はインパクトが強く、客層が近い。掲出期間は短かったが、いまだに反響をもらう。またJウェーブ(J WAVE)の番組「アクロスザスカイ(ACROSS THE SKY)」に協賛する。この番組はグローバルな感性や感覚を磨くというテーマで、リスナーは客層が近く、内容も「ミース」が注力するSDGsにも近い。ブランドのユーザーの方にも届けたかった。

WWD:化粧品広告っぽくない場所に出している

ソンミ:広告だけでなく、これまで業界のセオリー通りにやってきたことは何もないと思う。流行ってるものや鉄板の手法はやらない。ギフティングも今まで一切してこなかった。「どうしても使いたい、欲しい」という気持ちで使ってもらい、自発的に口コミして欲しい。それに原価をかけすぎて広告費やギフティングにまわすお金がない、あげられないというのも理由(笑)。

WWD:そうすると、ソンミ代表の発信と自然発生的な口コミだけで売れている?

ソンミ:最初に販売した炭酸ガスパックの“モアリッチパック”は7日間で1万4960円と高額な商品。高額だが、自分のインスタグラムで毎日ライブ配信をして商品について発信し続けるうち、ユーザーの方が「おうちでできる美容医療のようだ」と口コミしてくださり、広まっていった。インスタライブは最初は十数人しか見ていなかったが一生懸命継続し、最近までほぼ毎日実施していた。内容は商品の話だけでなく、美容ハウツーから人生相談まで幅広い質問に答えている。最近ではインスタライブのコメント欄でファン同士の交流が発生し、私抜きでも会話が盛り上がってる(笑)。また私だけでなくスタッフのインスタグラム発信も力を入れている。

WWD:スタッフはインスタグラムでどういった発信を行う?

ソンミ:「ミース」のスタッフはほぼ全員が元々ブランド製品の愛用者で、ユーザー目線で発信できる強みがある。スタッフは個人のアカウントを持ち、発信は義務化している。月1度はスタッフと“インスタ個人面談”を行う。どんな投稿に反応があったか、どんな人の投稿が好きか、次はどう発信するか…私は何事も分析をするタイプで、スタッフにも考える癖をつけるよう指導する。

WWD:普段はどういったことを分析している?

ソンミ:毎月購入者のデータには全て目を通す。そしてこの人はどのくらいのスパンで購入しているのか、この期間なぜ買わなかったのかなどを考えている。企画出しでも1つの答えだけ持ってくるのではなく、私は50でも100でも考えてくる。自分で仕事を作れるようにすることが大事だとスタッフにも伝えている。

WWD:ファンをとても大事にしているブランドだが、ファンとはどういったことを行う?

ソンミ:「ミース」はみんなで育てるブランド。ブランド2周年の際にはオンラインで全国のファンと交流し、先日は「商品企画プレゼン会」をオンラインで行った。ファンが欲しい商品をプレゼンするというもので、中には資料を製作する方もいるなど熱意が高かった。そのうち1人の方とは月1でミーティングを行い、開発を進めている。

WWD:今後はどういう発信をしていく?

ソンミ:元々私自身がコンプレックスをなくすのではなく、美肌という長所を伸ばすことで人生を変えた。その成功体験がブランドになっており、「美肌は最高のジュエリー」というコピーを大事に、毎日伝えている。コピーに惹かれるといってくださる方も多い。またこれまで誰かを立てて宣伝することもしてこなかった。誰かが使っているから欲しい、という人もいれば、誰かのイメージがついているから嫌だという人もいる。今後は私のブランドという見え方からも脱却し、1ブランドとして発展していきたいと思っている。

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メルカリが利用者参加型の店舗を表参道にオープン アンバサダーにみちょぱ

 メルカリは、持続可能な消費活動を呼びかける「グリーンフライデー」に合わせ、フリマアプリの「メルカリ」ユーザーが出品したファッションアイテムなどを販売する実店舗「サステなストア」を11月25〜27日の期間限定で東京・表参道にオープンする。「グリーンフライデー」とは、大量消費を促す大型セールなどが行われる「ブラックフライデー」へのアンチテーゼとして生まれたもの。10月5日には記者会見が行われ、野辺一也メルカリ執行役員メルカリジャパン最高ブランド責任者兼最高マーケティング責任者と、プロジェクトアンバサダーを務めるモデルのみちょぱこと池田美優、スタイリストのSHOKOが登壇した。

 同店で取り扱う商品は、「メルカリ」上で公募する。ユーザーがハッシュタグ「#サステなストア」を付けて出品したアイテムの中から、プロジェクトアンバサダーが店頭で販売するアイテムをセレクトする。アンバサダーには、上記の2人に加えてスタイリストの大山しゅんとインフルエンサーのTakumaが就任した。そのほか、アンバサダー自身が着なくなった私物も販売予定だ。同店で購入した客には、イラストレーターの一乗ひかるのイラストをプリントした風呂敷をプレゼントする。売上金は全額「メルカリ寄付」に登録する自治体や慈善団体に寄付する。

 野辺執行役員は、「メルカリは循環型社会の実現に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。昨年『グリーンフライデー』に合わせて開催した『新作ゼロのファッションショー』も、多くの反響があり、新たな価値観を提案できた。今年は限りある地球資源を地域や世代を超えて循環させ、環境課題の解決に寄与する“プラネットポジティブ”を目指す。『メルカリ』でものを売買する行為が、新たな価値を生み出し、環境負荷を減らすことにもつながるという気付きの場を提供したい」と話した。

 アンバサダーのみちょぱは、「何年後かにはこのような活動が当たり前になっていると思う。『グリーンフライデー』という言葉を先に知ることができてうれしい」とコメント。どのようなアイテムを出品予定か聞かれると、「私の服装や系統と似ている人は是非チェックしてほしい」と回答した。同じくアンバサダーのSHOKOは、「秋冬はデコラティブな洋服がトレンドなので、デザイン性のあるニットなどプロらしいアイテムを出品予定」だと言い、「スタイリストが参加することで、ファッションの楽しさを伝えていきたい」とコメントした。

■サステなストア
オープン日:11月25日
時間:12:00〜20:00
※事前予約優先/最終入場19:30
住所:東京都渋谷区神宮前3-3-13

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サステナビリティは、つながることが大事 「今週の特集お届け隊」2021年10月4日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年10月4日号からの抜粋に加筆をしています)

向:今回の特集はこれからサステナビリティにシフトしていきたい企業に向けて、具体的な方法論を提示したいと考えました。読者にとっても参考になるフェーズの企業が見つけやすいだろうと思いました。

木村:先行企業が実践していたのが、商品の環境負荷を原材料の段階から完成まで測ろうとすることでしたね。そこから、モノ作りの過程での課題と取り組めそうなことが見えてきていました。1社では解決できない問題ばかりでしたし、「実は私たちも困っていました」という声もあちこちから聞こえてきそう。皆でシェアしていくことが大事で、そのきっかけになれればいいなと思いました。

向:取材では何が印象的でした?

木村:ロンハーマン(RON HERMAN)の経営陣が企業を成長させるうえでの再定義をディスカッションしたというのが素晴らしいと思いました。経営陣が今までと同じく売り上げで成長を測っていたら、サステナビリティはなかなか進みません。まずは話し合うことが大事で、それは誰でもできることだなと思いました。

向:そうだね。極端な話、産業革命以降なかった概念を経営にズッポリ埋め込まなくてはならない。志のある人が経営者を動かしていくことも大事で、エネルギーが必要だね。

木村:デイトナ・インターナショナルが同業他社に話を聞きに行ったというのも、良いなと思いました。協力し合うことで、できることも増えます。横のつながりができ始めているので、そこにうまく乗った方がいいと思いました。ファーストリテイリングが業界のリーダーとしての立場を意識しているのも、心強いと思いました。

向:ファーストリテイリングはサステナビリティ担当が日本だけで約40人、全世界で約100人。そのくらいの人数がいないと最先端の情報収集や実践が難しいということ。そういう先進企業の力はどんどん借りたらいいと私も思います。つながりができると、楽しいよね。

木村:はい。単独では難しいことも、諦めないことが大事ですね。横のつながりを作るとか、手を挙げるといったことが重要なんだと思いました。今度はぜひ横つながり事例が出せたらと思います!

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「ビューティフルピープル」が24通りに着られる服で伝えたかったこと 日本からもパリコレ Vol.6

 2022年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークが開催中。現地スタッフのリアルショーやイベント取材に加え、日本のスタッフもデジタルショーを中心にレビューします。

“多様性”のある服で示したたくましさ

 映像での参加となった「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は“MULTIPLICITY(多様性)”をキーワードに、もの作りの独自視点“サイドC”をさらに掘り下げます。この“サイドC”とは、1着の服が前後左右、上下や表裏などさまざまな角度から着用でき、シルエットの変化や生活シーンに合わせて楽しめるというもので、文字や写真だけだとなかなか伝わりづらいのです。映像序盤にスローモーションで登場するレースのドレスは、なんと24通りの着方が楽しめるのだとか。ブラックやホワイトのブラウスやスカート、ドレスに変化しそうなのはなんとなく想像がつくのですが、それ以外はどんな着方があり、どう変化するのか興味をそそります。

 その後も映像ではモデルが踊ったり、着替えたりして“サイドC”を表現していきます。プルオーバーのトップスはくるっと回転させてボレロ風に、ブルゾンは上下回転させてワンピースに、水着素材は街着に、デニムはビンテージとワンウォッシュデニムが入れ替わるなど、“多様性”のある服が連続します。文字だけで見ると小難しそうな気もしますが、「ビューティフルピープル」のクリエイションはいつも夢があり、見る人をワクワクさせてくれます。それは唯一無二のクリエイションを見出しても、パリコレの常連になっても、「毎日ファッション大賞」に選出されても、何も変わりません。

 コレクションの説明には宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を引用し、時代や環境が変化しても、その流れに柔軟に、そしてしなやかに対応していこうという強い意思を服を通じて発信します。映像も独特の雰囲気でしたが、これは実物を見に行かねば。

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リブート版「ゴシップガール」の“毒舌シーン”をまとめた映像が公開

 U-NEXTで配信中のリブート版「ゴシップガール(GOSSIP GIRL)」が、“毒舌シーン”をまとめた特別映像をU-NEXTのユーチューブチャンネルで公開した。映像は、登場人物による「食べる、泣く、いちゃつく、地下鉄、ぺたんこ靴は禁止」「ブラピはおじさんなのに賞を獲った。でもアンジーは魔女役をやって消えた」などのセリフをまとめた約3分となる。

 オリジナルの「ゴシップガール」は2007〜12年に放送し、全米で1億人以上が視聴したほか、全世界約200カ国で放送するなど、社会現象を巻き起こした。2021年にはキャストを刷新し、HBO Maxオリジナルとして新しく生まれ変わった。新作ではZ世代のセレブ高校生たちを主人公に、暴露ブログ“ゴシップガール”が謎のインスタグラムアカウントとして復活する物語だ。さらにオリジナルとリブート版ともにスタイリングを手掛けたエリック・デイマン(Eric Daman)による衣装も話題を集めている。

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ゴミからインテリア!?渋谷パルコで廃材×アートの椅子やテーブルがズラリ

 廃棄された家具を再構築して椅子やテーブル、花瓶などを創造する「GMKR(ゴミカラ)」が、初めて実販売するポップアップストアが渋谷パルコの1階The window(ザ・ウィンドウ)で、9月28日~10月5日まで開催中だ。

 ブランドの正式名称は「GMKR-Uneven Structure Furniture-」。手掛けるのは、唐十郎さん率いる唐組に所属していたこともある、元役者で舞台製作をバックグラウンドに持つ大橋秀吉氏だ。影響を受けた小説や古典、神話、ダンスを学んだNYの留学生活、チベットまで旅をした体験などをもとに創作活動を行っている。

 「廃棄された家具を分解し、文学や音楽などの『芸術』と、偶然性や神秘などの『神様』の力により再構築するブランドだ。大量生産・マスプロダクションの対極であり、分類・カテゴライズできない不均一(uneven)なものであることを意味して名付けた。人間は、よりよく生きるために有形無形様々なモノ・コトを世界中のあらゆる場所・時代で生み出してきた。『ゴミカラ』は、儀式のように、人間の歴史と創造力に敬意を、そして芸術と神様の力により再構築をする未完のプロダクトとして、一点一点ハンドメイドでモノづくりをしていく」と大橋氏。

 かなりスピリチュアルな雰囲気だが、劇団員や一人芝居などを経て、6年間サラリーマン生活を過ごした後、自ら表現することを再度模索したいと起業。社員の健康やコミュニケーションの向上を支援する法人向けドリンクバーなども手がけていた。そんな中、出合ったのがサーキュラーエコノミーの概念だった。農林水産省の若手を中心に、世界で進むサーキュラーエコノミーをどうやったら日本の政治・経済に落とし込めるかを融資で語り合う座談会があり、ファシリテーターをしていた友人に誘われて参加。「サステナビリティの重要性や廃棄物への課題などは認識していたが、人類が産業革命以来発展したことによって、物理的にゴミが増え、環境が悪くなるというのは必然であり、サーキュラーエコノミーを実現することが不可欠だと気付いた。それって子どものころにドラえもんが描いていた未来のあり方だよね、と思うととても納得感もあった。それで、僕も取り組もうと思い、『ゴミカラ』をスタートした」。

 ロゴデザインを手がけたのは、テクノポップバンド「プラスチックス」のギターでグラフィックデザイナーでもある立花ハジメ氏だ。

 衣食住の廃棄物のプラットフォームとして、クリエイターと廃棄物をつなぐ仕事を構想していたが、まずは自社でその流れを可視化しようと考えた。メンターとして頼ったのが、古着店の先駆け「デプト(DEPT)」の創業者で、現在はアーティストとして活動し、現在は世田谷区代沢でPREFAB gallery&thingsも手がける永井誠治氏だ。米国でデッドストックストアを起こした後、1981年に原宿にオープンした古着店「デプト」はコンセプチュアルな品ぞろえや空間などで話題を呼んだ。

 「永井さんの作られた椅子やアート作品などが好きで。以前は『かっこいいな』『欲しいな』という感覚だったが、廃材を使ったプロダクトでありアートである半工業製品を作ることは、課題解決と問題提起ができる、時勢に合った素晴らしい活動だと感じた。そこで誠治さんに相談させてもらい、コンセプトやアートの捉え方、椅子の作り方など、いろいろと自分の考えをぶつけさせてもらい、意見をもらいながら、椅子作りに対する想いを温めていった。特にインスピレーションやマインドのサポート面での存在感は大きく、誠治さんがいなければ『ゴミカラ』は生まれていなかったと思う」と感謝の念を語る。

 材料となる廃材は、インターネットサービスや廃棄物処理などを手がけるトライシクル(品川区)や、モノづくり支援やディスプレイや屋外広告などの企画・制作・施工などを手がける光伸プランニング(渋谷区)から提供を受けたり、ホテルやオフィスから出た廃品、リサイクルショップのジャンク品などを活用している。時には一流ブランドのディスプレイなどが手に入ることもあるという。

 渋谷パルコでのポップアップストアが実現したのは、パルコからのアプローチによるもの。「今年2月にモノづくりを始め、並行して売り先をリサーチしていたけれど、ピンとくるところがなくて。まずは妥協せずにモノ作りに集中し、少し量がたまったのでイベントスペースを併設している友人のカフェで内々で展示会を行った。SNSやクチコミで友人の友人ぐらいまでが来てくれたのだが、その情報をパルコがキャッチして、実績もなにもない僕にチャンスをくれた。その情報収集力もすごいと思うし、表現するものやその方法などまでも任せてくれる思い切りの良さや、ブランドやアーティストを育てようとしてくれる姿勢に感動している」と大橋氏。

 ポップアップストアのテーマは、「架空の世界『0』。近未来、化石のように掘り出された文明の遺産が、様々な形に再構築され新しい意味を持つ世界をイメージ。「昨年から今年にかけてあらゆる問題が表出したように見える今はまさに、新たな世界を作るスタート地点だ。ゴミも0にしようと、椅子を中心とした売り物だけを潔く飾ることにした」。

 座椅子と廃棄椅子の脚を組み合わせたり、花やミケランジェロをモチーフにした樹脂プリントを張ったり、「罪と罰」のロシア語реступление и наказаниеや「テスラ」のロゴをステンシルで施したり、ジョン・レノンとオノヨーコをオマージュしたりと、かなり自由でインパクトのあるものが多い。開店当日は朝から映像監督やアート集団の代表などが来店し、3日目には完売目前の状況になっているという。価格は税抜きで3万8000~8万8000円だ。

 好調な滑り出しを切ったが、「作ったものが認められ、人に喜んでもらえて嬉しい。ただ、分解して、アートを施して、廃棄物に付加価値をつけることはすごく大変なこと。今の状況では月間20脚を作るのが限界だし、量を広げるのは難しい。それに、食べていけるだけのものがあれば、必要以上に大きくならなくてもいい。それよりも、安定的に廃材などを調達できるようになったら、ファクトリーを広くして、年に数人クリエイターを預かって無償で場を提供し、技術を教えるようなことをしたい。若い世代を育てることが、お世話になった永井誠治さんたちへの恩返しだと思っている。家具だけでなく、別の廃材などにも挑戦してみたい」。

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「ヴァレンティノビューティ」が日本上陸 第1弾はレディー・ガガが広告塔の香水

 「ヴァレンティノビューティ(VALENTINO BEAUTY)」は今秋日本に上陸し、11月10日に第1弾となるフレグランス“ヴォーチェヴィヴァオードパルファン”(10mL、税込4400円/30mL、同1万120円/50mL、同1万4850円/100mL、同2万1450円、「ヴァレンティノ」ブティック限定)を発売する。「ヴァレンティノ」ブティックに加え、アットコスメECおよびアットコスメトーキョーで取り扱う。

 “ヴォーチェヴィヴァ”は「ヴァレンティノ」のクリエイティブ・ディレクターを務めるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)が「もし香水が嗅覚以外の感覚を呼び起こすことができたら?」という問いから、身に着けることで体も心も解放させる香水として誕生。一人一人が香りへの感覚が違うのと同じように、ユニークな声を持つという“My Voice, My Strength(私の声、私の強さ)”をコンセプトとし、レディー・ガガ(Lady Gaga)がアンバサダーを務める。

 香りは、イタリア南部で収穫されたベルガモットのエッセンスがきらめくように広がり、甘くてジューシーなマンダリンのエッセンスが合わさることで、柔らかさをまとう。そこに、オレンジブロッサムのアブソリュートやインドで夜明け前に収穫されるモーニングジャスミングランディフローラムを組み合わせ、最後に男性的な香水を専門としてきたクリスタルモスアコードが意外性を加える。「ヴァレンティノウーマン」特有の、洗練されていながらも型にはまらない、スタイルを物語る香りだ。

 ボトルはイタリアのパラッツォ(宮殿)の切石に刻まれ、ブランドを代表するロックスタッズを施している。「香水を身に着ける人を明るく称賛するように、彩のある人生を歩もう」というメッセージを込め、わずかにピンクがかった赤「ロッソヴァレンティノ」をあしらった。

 なお、海外ではすでに展開されているメイクアップアイテムは来年春に日本上陸予定だ。

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ワコールが2030年の環境目標 自社排出量・製品廃棄ゼロ、環境配慮型素材の使用を50%に

 ワコールは4日、気候変動課題の解決に向けて2030年の環境目標を発表した。温室効果ガスの自社排出量(Scope1.2)ゼロを目指し順次再生エネルギーへの切り替えを実施する。20年3月期に1%だった製品破棄をゼロにするとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを行う。また、再生繊維やリサイクル糸などの環境配慮型素材の使用率を50%にする。

 同社は7月、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出算定に関する基本ガイドライン」に従い、ワコール事業のサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope3)を初めて算定。また、気候変動など環境分野に取り組む国際的非営利団体のCDPの気候変動質問書にも回答した。ワコールの温室効果ガス排出量はサプライチェーンによるものが約90%を占める。Scope3の削減目標は22年3月期に新中期経営計画とともに発表予定だ。Scope3の削減はサプライヤーとの協働が重要なため、中長期的視野で計画や実施方法を検討しながらサプライヤーに働きかけていく。

 ワコールは9月中旬に、“優しい世界を、身に着ける”がコンセプトの環境配慮型商品グループ“ナチュレクチュール(NATURE COUTURE)”を発売。オーガニックコットンやセルロース繊維など自然由来の素材を使用し、無染色、または、植物から抽出したカラーで染めたインナーウエアで、生産時の廃棄材料をいとに再生して次のシーズン以降に使用する“廃棄材料リサイクルシステム”の確立を目指す。

 また、今までも不定期で行っていた”ワコール ブラリサイクル“活動を10月1日〜22年3月31日に実施する。部品が多いため捨てるのが困難なブラジャーを、ブランドを問わず、全国約750箇所の店舗で回収する。

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ワコールが2030年の環境目標 自社排出量・製品廃棄ゼロ、環境配慮型素材の使用を50%に

 ワコールは4日、気候変動課題の解決に向けて2030年の環境目標を発表した。温室効果ガスの自社排出量(Scope1.2)ゼロを目指し順次再生エネルギーへの切り替えを実施する。20年3月期に1%だった製品破棄をゼロにするとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを行う。また、再生繊維やリサイクル糸などの環境配慮型素材の使用率を50%にする。

 同社は7月、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出算定に関する基本ガイドライン」に従い、ワコール事業のサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope3)を初めて算定。また、気候変動など環境分野に取り組む国際的非営利団体のCDPの気候変動質問書にも回答した。ワコールの温室効果ガス排出量はサプライチェーンによるものが約90%を占める。Scope3の削減目標は22年3月期に新中期経営計画とともに発表予定だ。Scope3の削減はサプライヤーとの協働が重要なため、中長期的視野で計画や実施方法を検討しながらサプライヤーに働きかけていく。

 ワコールは9月中旬に、“優しい世界を、身に着ける”がコンセプトの環境配慮型商品グループ“ナチュレクチュール(NATURE COUTURE)”を発売。オーガニックコットンやセルロース繊維など自然由来の素材を使用し、無染色、または、植物から抽出したカラーで染めたインナーウエアで、生産時の廃棄材料をいとに再生して次のシーズン以降に使用する“廃棄材料リサイクルシステム”の確立を目指す。

 また、今までも不定期で行っていた”ワコール ブラリサイクル“活動を10月1日〜22年3月31日に実施する。部品が多いため捨てるのが困難なブラジャーを、ブランドを問わず、全国約750箇所の店舗で回収する。

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「バルマン」の観客6000人に驚き、「ラフ・シモンズ」のメンズスカートにキュン 22年春夏パリコレの現場からVol.2

 おはようございます。ヨーロッパ通信員の藪野です。デジタル発表が割と多くて、ゆったりしているのかな〜と思っていたパリコレですが、意外と毎日忙しく過ごしています。今回は、「クレージュ(COURREGES)」と「クロエ(CHLOE)」が新しいクリエイティブ・ディレクター就任後初のリアルショー、「バルマン(BALMAIN)」がオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)の就任10周年記念ショー、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」がウィメンズコレ参戦と、盛りだくさんの3、4日目のハイライトをどうぞ!

9/29
10:00 COURREGES

 「クレージュ」の会場は、パリ南東部にあるヴァンセンヌの森。朝一のショーで中心地から離れた場所というのは、招待客が集まりきらないリスクもあるので、ある意味、自信がないと選べないロケーションです。ただニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)は、初のリアルショーの場所に個人的な思い入れのある、このロケーションを選びました。近年、若者たちが自然の中で踊り明かすパーティーの開催場所にもなっているそうで、音楽好きのニコラスらしいチョイスでもあります。

 雨が上がり、朝の光に照らされた気持ちいい自然の中にビックリするほどの爆音が響き、ショーがスタート。今季は、半年前のデビューコレクションで見せた、ミニマルで若々しいイメージを継続しながら、野外フェスに来ていくようなウエアを加えています。象徴的なのは、冒頭に登場した3着のポンチョ。丸、三角、四角のラインを描いたアイテムは、それぞれ1968年、69年、95年のアーカイブから着想を得たものだそう。デザインでは、76年のドレスのストラップから着想を得た、生地の交差がポイント。ホルターネックのブラトップやミニドレスに加え、パンツやスカートのウエスト、バッグのハンドル部分にクロスするデザインを取り入れています。ニコラスは創業者アンドレ・クレージュ(Andre Courreges)が築いたDNAを継承しつつ、それを今の時代にふさわしい形で表現するのが上手。今季もオシャレな若者たちが着ている姿が想像できます。

20:30 BALMAIN

 「バルマン」は、オリヴィエ・ルスタンの就任10周年を記念して、主催する音楽フェス「バルマン フェスティバル(BALMAIN FESTIVAL)」のプログラムの一部として、コレクションを発表しました。パリ郊外のセガン島にあるライブ会場ラ・セーヌ・ミュージカルで開かれたショーのゲストは、フェスの参加者も合わせると、なんと6000人以上!こんな大規模なイベントがリアルで開催されていることに正直、驚きと不安を覚えましたが、会場は大盛り上がりです。

 ビヨンセ(Beyonce)がオリヴィエに送るメッセージから幕を開けたショーは、彼が手掛けてきた10年間を集約するかのよう。パワーショルダーのテーラリングやバイカージャケットをはじめとするレザーアイテム、ミリタリースタイル、白黒のストライプやボーダー、セクシーなボディコンドレス、大胆なカット、ドレーピングやギャザー、スーパーロングのフレアパンツ、ゴールドチェーンの装飾などが、てんこ盛りです。一度暗転した後には、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)やミラ・ジョヴォヴィッチ(Milla Jovovich)、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)らが、クチュールのような豪華絢爛なドレスをまとって登場。そのラインアップもまた「バルマン」らしく、豪華です。

 弱冠25歳で就任し、クリエイティブ・ディレクターが次々に変わる近年のファッション業界の中で、10年という節目を迎えたことは素晴らしい!といっても、彼はまだ35歳。これからの活躍も期待です。

9/30
12:00 RICK OWENS

 新型コロナウイルスの影響で、自宅があるイタリア・ベネチアのリド島での無観客ショーをライブ配信していた「リック・オウエンス(RICK OWENS)」も、おなじみの会場であるパレ・ド・トーキョーに戻ってきました!ショーが始まり、霧に見立てた大量のスモークが炊かれる中から現れたのは、リックの公私にわたるパートーナーであり、ミューズでもあるミシェル・ラミー(Michele Lamy)。「できる限り『リック・オウエンス』らしいものを目指した」という今季にぴったりな人選です。

 コレクションの中心となるのは、肩を誇張したテーラリングや、口元までを覆うハイネック、幾何学的なカットアウト、クモの巣のようなニット、プラットフォームシューズといった力強いデザイン。それと対比するように、マーメイドラインやギャザーで生み出すシルエットが美しいロングドレス、フェザーをあしらったチュールのケープで、柔らかさを加えています。ラストルックは、今季のアクセントカラーとして取り入れた鮮やかなオレンジのルック。そんなところにも、ちょっとポジティブなムードを感じました。

14:00 CHLOE

 「クロエ」の会場は、ノートルダム大聖堂を見渡せるセーヌ川沿い。お天気にも恵まれ、心地よい風が吹き抜ける中で、ブランドらしい優しいカラーパレットにガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)が持ち込んだハンドクラフトへの愛が溶け合うウエアやアクセサリーを披露しました。ガブリエラは、「ラグジュアリーファッションは産業化されすぎた」という考えから、インディペンデントな職人の手で作られるアイテムに注力。例えば、過去のコレクションの残反を細かく切ってマクラメ編みで仕上げたドレスや、スエードのピースを組み込んで編んだクロシェニット、カラフルなテープ状のフリンジが風になびくドレスが目を引きます。

 ソーシャルグッドなブランドへの改革を進める「クロエ」は、今季も環境負荷の低い素材への切り替えや社会貢献の取り組みを拡大しています。素材ではデッドストックを活用するだけでなく、コットンからリネンへの移行を進めたり、バッグやシューズに使用するレザーは国際団体のレザーワーキンググループ(LWG)が認定したタンナーから調達するものを増やしたり。ケニアのビーチなどで回収されたビーチサンダルをアップサイクルする社会事業のオーシャン・ソール(Ocean Sole)や、マガダスカルを拠点とする世界フェアトレード連盟認定メンバーであるアカンジョ(Akanjo)とのモノづくりにも取り組んでいます。

 先シーズンのインタビューでガブリエラは「自分のメッセージを実現するため、社内のさまざまな部門の会議に出席して、その浸透を図っている」と話していました。「クロエ」のアイデンティティとガブリエラの信念やスタイルがうまく融合した今季は、その努力が形になりつつあることを感じさせる素敵なコレクションでした。

16:30 RAF SIMONS

 いつもはメンズコレで発表している「ラフ・シモンズ」が、ウィメンズに参戦!メンズとウィメンズを一緒に披露しましたが、靴以外では男女の見分けがつかないほどジェンダーの境目がないスタイルを打ち出しています。キーアイテムは、ロックバンドのツアーTシャツのようなグラフィックをのせたテーラードジャケットとハーフプリーツ入りのスカート、サックドレス、オーバーサイズシャツやボンバージャケット、フェアアイルセーターなど。共同クリエイティブ・ディレクターを務めている「プラダ(PRADA)」の影響を感じさせるスタイルもあります。

 何よりも印象的だったのは、メンズのスカートスーツもアリ!と感じさせるクールさ。レッドカーペットや雑誌のエディトリアル、ファッション・ウイークでは男性がスカートやドレスを着ている姿を目にすることが増えました。個人的にはこれまであまりしっくりきていなかったのですが、ラフが見せてくれた今回のショーでちょっと意識が変わりました。

21:30 ROGER VIVIER

 本日最後は、「ロジェ ヴィヴィエ(ROGER VIVIER)」の新作プレゼンテーションを兼ねたディナー会へ。会場となった古いキャバレーに入ると、デジタルで発表された映像にも登場するドレスアップした緑の魔女たちがお出迎え。初っ端から、クリエイティブ・ディレクターであるゲラルド・フェローニ(Gherardo Felloni)のファンタジーな世界観満点です。

 壁に空いたいくつもの穴を覗くと、見えるのはそんな緑の魔女たちが身につけた新作シューズやバッグ。シューズは、60年代から着想を得た鮮やかな色のミュールやデコラティブなグラディエーターサンダル、バッグは今季スモールサイズが加わった“ヴィヴ ショック“が素材バリエーション豊富に揃います。ネコ好きにはたまらないコスチュームジェエリーもキュートです。

 約80人が参加したディナーでは、10代の頃に声楽を学んでいたゲラルドが「ロジェ ヴィヴィエ」のために作ったという歌を披露。和やかなムードと美味しい料理で、パリコレのバタバタを忘れるひと時でした。

おまけ:今日のワンコ

 「コペルニ(COPERNI)」の会場外で、人気インフルエンサー、クセニア・アドンツの愛犬を発見。とっても人懐っこくて、朝から癒されました。「クレージュ」「セシル バンセン(CECILIE BAHNSEN)」の会場でもそれぞれ穴を掘り続けるボーダーコリーと、ぬいぐるみみたいなポメラニアンを見つけました〜。

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「コム デ ギャルソン」が「不要」をそぎ落とし、威圧とは違う「強さ」を手に入れた

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は東京・南青山の本社オフィスで2022年春夏コレクションのランウエイショーを開催した。会場は、ランウエイを取り囲むようにパイプ椅子を並べただけのシンプルな空間だ。

 デザイナーの川久保玲は、「凝った生地づくり」や「複雑な色の表現」「身体を綺麗に見せるためのパターン」「服を主張するディテール」、最終的には「服作りの意図」さえ「今不要に感じる」という。新型コロナウイルスが背中を押して社会には新しい価値観が芽生え、ファッション業界では「作りたいものを作る」「望まれるものに応える」というシンプルな考えが改めて広がっている。結果「メーンコレクションの端境期のための膨大なコレクション」や「主役の洋服を引き立てるためだけの脇役の洋服」などを再考する考えが広がっているが、「コム デ ギャルソン」はそんな考えをさらに押し広げた印象だ。

 コレクションは、川久保の本能や自然の摂理など、本当に尊重すべきものだけに思いを馳せ、その思いに導かれるがままに直感的かつ即興的に形にしたような洋服で構成された。

 花弁や、川の流れにより丸みを帯びた石のような曲線主体とするフォームを、ネオプレンのようにハリのある生地や、その下に仕込む幾重にも重ねたチュールなどで具現化していく。ダルマやミノムシのような主体となるシルエットが完成すると、今度は必要と感じた場合だけ袖のようなパーツをプラス。ただ、そのパーツはあくまで作りたい形を追求するためのものだ。“当たり前”のシルエットや、洋服として成立するための機能までゼロベースで見直し、不要と感じたら意識しない。そんな思考が見て取れる。

 のせる柄は、花や葉っぱ、リボンなどの共感性が高いモチーフか、水玉模様や千鳥格子などの“当たり前”なもの。ここにもアーティストとコラボするなどの余計な思考は存在せず、使いたい柄を、使いたい場所に、使いたいように使うというシンプルな考えが存在する。

 結果生まれたコレクションは、とても“オーガニック”だった。黒が主体なのに畏怖を伴う重苦しさは存在せず、巨大なのに威圧するような圧迫感も覚えない。見たことない造形なのに、“正解”を探るよう強要されているような気難しさも感じない。唯一無二なのに、素直に受け入れられる。そんな存在に仕上がった。

 それは、彼女が追い続ける「強さ」の、これまでとは違う「強さ」だろう。圧倒せずに存在できるーー。それこそ「強い」と思わずにはいられなかった。

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「アトモス」「エストネーション」「シップス」「ナノ・ユニバース」などが参加の合同サステナセール開催

 「アトモス(ATMOS)」「イザ(IZA)」「エストネーション(ESTNATION)」「シップス(SHIPS)」「スライ(SLY)」「セルフ ポートレート(SELF-PORTRAIT)」「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」「ファセッタズム(FACETASM)」「マウジー(MOUSSY)」が参画する合同チャリティ&サステナブル・ファミリーセール「THAT’S FASHION WEEKEND」が10月8~10日、東京・渋谷のヒカリエホールAで開かれる。YouTubeなどで活躍するMBによるブランド「MB」のほか、お笑い芸人の宮迫博之が手掛けるアパレルブランド「ジルバー(ZILVER)」もポップアップストアをオープン予定だ。

 各ブランドの過剰在庫を買い取って、定価の70~90%オフで販売。入場希望者は550円のチケットを購入する(75分入れ替え制)。売り上げの一部は医療従事者に寄付するほか、それでも売れ残った商品はアップサイクルの材料として大学生に寄付する予定だ。大学生が製作したアップサイクル商品は、「アトモス」や「エストネーション」が販売する。

 会場では、青山学院大学や慶應義塾大学、上智大学、文化学園大学、早稲田大学の学生がリメイクした、「アグ(UGG)」と「アトモス」によるコンセプトショップ「アグ アトモス(UGG@MOS)」の商品も展示予定だ。西野亮廣による「映画えんとつ町のプペル」のオリジナルトートバッグも限定販売する。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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「エスティ ローダー」から初のラグジュアリーフレグランスが登場 新技術を採用

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

 同コレクションは自然の情景や官能性から着想を得た8種の香りをそろえる。香りを長く持続させるために、新たに「エスティ ローダー」独自の「セント キャプチャ フラグランス エクステンダーTMテクノロジー」を採用。1回のスプレーで、香りが最大12時間持続するよう開発した。また、知覚神経試験を実施し、香りによって特定の感情を呼び起こすことも実証。心と五感を満たす新たなフレグランスが誕生した。

 ステファン・ドゥ・ラ・ファヴリ(Stephane de La Faverie)=エスティ ローダー カンパニーズ グループ プレジデントは今回のローンチの理由に「ラグジュアリー・ファインフレグランス市場の拡大」を挙げる。「『エスティ ローダー』にとってフレグランスは以前から重要な事業で、ラグジュアリーやニッチフレグランスが急成長する中、ラグジュアリーラインを出すことは自然な選択だった」。また今回新しく導入した技術に期待をかける。「香りはもちろん、今回持続力を高めた新しいテクノロジーに加え、香りと感情の関係性を研究したことが他のフレグランスとの差別化ポイント。今回エモーション(感情)の領域に進出することができ、ラグジュアリーブランドにとって、お客さまとエモーションでつながることは欠かせない」とコメント。

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ヘアケアブランド「オラプレックス」が上場

 米ヘアケアブランド「オラプレックス(OLAPLEX)」は9月30日、米ナスダック(NASDAQ)に上場した。公開価格は1株21ドル(約2310円)の見込みだったが、初値は約25ドル(約2750円)になり、終値は24.50ドル(約2695円)だった。約18億ドル(約1980億円)を調達し、時価総額は160億ドル(約1兆7600億円)。

 2014年に米国カリフォルニア州で創設したオラプレックスは、髪内部の結合を修復する「ボンド技術」を開発。髪に負担となるヘアカラーや施術のダメージを抑え、プロフェッショナルヘア業界で人気を集めてきた。同社は特許技術を複数所有し、ボンド技術を業界内に広めた存在だ。米国ではサロン流通に加え、セフォラ(SEPHORA)にリテール専用のシリーズを販売。日本には18年2月に上陸し、プロジエが取り扱っている。また19年に投資会社のアドベント インターナショナル(ADVENT INTERNATIONAL)が買収している。

 同社の2020年度の売り上げは前年比90%増の2億8230万ドル(約310億円)とコロナ禍でも好調で、21年1〜6月期も前年同期比171%増を記録した。

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エスティ ローダーがファッションフレグランス事業を終了

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は「アラミス(ARAMIS)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ダナ キャラン(DONNA KARAN)」「DKNY」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」を擁するデザイナーフレグランス事業部を終了する。「アラミス」は他の部署に移動し、ファッションブランドとのフレグランス契約は2023年までに全て終了する。

 「マイケル・コース」は親会社のカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)と契約しているユーロイタリア(EUROITALIA)と提携し、「ダナ キャラン」と「DKNY」は7月にインターパルファム(INTERPARFUMS)と契約した。またかつて傘下だった「トリー バーチ(TORY BURCH)」は19年にライセンスを資生堂と契約。今後エスティ ローダーは「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「ル ラボ(LE LABO)」「エアリン(AERIN)」「キリアン(KILIAN)」「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」などのラグジュアリーフレグランスラインに集中する狙いだ。なお、「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」や「クリニーク(CLINIQUE)」もフレグランスを手掛けている。

 同社は「『アラミス』・デザイナーフレグランス事業を2023年6月に終了する。フレグランスはわれわれにとって大きなビジネスの柱であり、今後も長期的に投資する。当面はラグジュアリー・プレステージフレグランスに全面的に注力する」とコメントしている。

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Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2021年春夏シーズンに引き続き、モデルのKokiを21-22年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルに起用した。

 同ブランドは、今シーズンもピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターがメゾンの価値を体現する国際的な人物を探し、起用した「DI.VA(ディーヴァ)」キャンペーンを行っている。“さまざまな声や視点が拡大された多様な価値(Different Values)” = “DI.VA”と解釈し、Kokiのほか、 中国人女優クアン・シャオトン(Guan Xiaotong)、韓国人女優ソン・イェジン(Son Ye-Jin)などの“ディーヴァ”らを通じて、多面的な個性や調和、インクルーシビティーを表現した。

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Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2021年春夏シーズンに引き続き、モデルのKokiを21-22年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルに起用した。

 同ブランドは、今シーズンもピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターがメゾンの価値を体現する国際的な人物を探し、起用した「DI.VA(ディーヴァ)」キャンペーンを行っている。“さまざまな声や視点が拡大された多様な価値(Different Values)” = “DI.VA”と解釈し、Kokiのほか、 中国人女優クアン・シャオトン(Guan Xiaotong)、韓国人女優ソン・イェジン(Son Ye-Jin)などの“ディーヴァ”らを通じて、多面的な個性や調和、インクルーシビティーを表現した。

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故アルベール・エルバスに捧ぐオマージュ 豪華デザイナー陣が手掛ける「AZファクトリー」がパリコレのトリを飾る

 4月に死去したデザイナーのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)へのトリビュートとして、デザイナー44人が「AZファクトリー(AZ FACTORY)」のコレクションを手掛ける。

 各デザイナーは、エルバスの功績を着想源としたルックか、アイコニックなシルエットをアレンジしたルックを制作する権限が与えられ、パリ・ファッション・ウイーク最終日となる10月5日、“ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)”と題したショーで披露し、パリコレのトリを飾る。このショーは、公式ウェブサイトやユーチューブ、インスタグラムアカウントを通じて同時配信を予定している。

 注目すべきは参加するデザイナー陣の顔ぶれだ。参加デザイナーの一部を紹介する。

・ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
・ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)
・川久保玲「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」デザイナー
・ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)
・ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)
・マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)「ディオール(DIOR)」アーティスティック・ディレクター
・キム・ジョーンズ(Kim Jones)「フェンディ(FENDI)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)「バーバリー(BURBERRY)」チーフ・クリエイティブ・オフィサー
・ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)「グッチ」クリエイティブ・ディレクター
・ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
・ナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)「エルメス(HERMES)」アーティスティック・ディレクター
・サラ・バートン(Sarah Burton)「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」クリエイティブ・ディレクター
・ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ」クリエイティブディレクター
・ラフ・シモンズ(Raf Simons)
・トム・ブラウン(Thom Browne)
・リック・オウエンス(Rick Owens)
・阿部千登勢「サカイ」デザイナー
・アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)「サンローラン(SAINT LAURENT)」クリエイティブ・ディレクター
・ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)「ロエベ(LOEWE)」クリエイティブ・ディレクター
・ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)
・ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)
・デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)「バレンシアガ(BALENCIAGA)」アーティスティック・ディレクター
・ダニエル・リー(Daniel Lee)「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクター
・オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)「バルマン(BALMAIN)」クリエイティブ・ディレクター
・ジャンバティスタ・バリ(Giambattista Valli)
・マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター
・ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)「クロエ(CHLOE)」クリエイティブ・ディレクター
・シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)
・小泉智貴「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザイナー
・ピーター・ミュリエ (Pieter Mulier)「アライア(ALAIA)」クリエイティブ・ディレクター
・テベ・マググ(Thebe Magugu)

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美容業界未経験者がわずか数年で資生堂傘下のグローバルブランドを作るまで 「ドランク エレファント」創設者に聞く成功のレシピ

 資生堂が2019年に買収したスキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」が10月1日、いよいよ日本に上陸する。三越伊勢丹のコスメEC「ミーコ(MEECO)」、イセタン ミラー ルミネ新宿店、ららぽーとTOKYO-BAY店に出店し、イセタン ミラー 東京ミッドタウン日比谷店、イセタン ミラーテラスモール湘南店では期間限定で取り扱う。また6日からは伊勢丹新宿本店でポップアップイベントを行う。

 「ドランク エレファント」は13年、当時専業主婦だったティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)がビューティ業界未経験で立ち上げたブランド。SNSを中心に熱狂的なファンを育てたD2C戦略とクリーンビューティコンセプトで急成長し、わずか数年でセフォラのトップセラーに上り詰めた。ポップなパッケージと環境・肌への安全性に配慮した処方で若年層を中心に人気を集めている。

 また買収した資生堂は「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」や「ベアミネラル(BAREMINERALS)」をはじめとするメイクアップブランドに加え、「ツバキ(TSUBAKI)」 などを擁するパーソナルケア事業を売却しており、今後プレステージスキンケアに一層注力する計画だ。そんな中で「ドランクエレファント」は事業をけん引するビジネスの1つの柱と捉え、日本での事業展開にも大きな期待をかける。

 そんな「ドランク エレファント」を手掛けるティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)創設者に、ブランド立ち上げの経緯や、日本進出にかけた思いなどについて聞いた。

WWD:「ドランク エレファント」を立ち上げた理由は。

ティファニー・マスターソン創業者(以下、ティファニー):ブランドを立ち上げる前は専業主婦として4人の子どもを育てていた。サイドビジネスとしてクレンジングバー(石けん)を作っていたのだが、これをきっかけに成分や原料、化粧品全般について学ぶようになった。私自身の肌が弱くてエッセンシャルオイルや香料にも敏感に反応してしまうのだが、安全・安心でありながら効果実感もある製品がなかなか見つからず、友人に勧められて自分でスキンケアラインを立ち上げることにした。

WWD:化粧品市場はすでにスキンケアブランドであふれているが、なぜここまで成長できたと考えるか。

ティファニー:「ドランク エレファント」を立ち上げる際、自分のこれまでの経験と知識を踏まえ6つの原料(エッセンシャルオイル、アルコール、シリコーン、紫外線吸収剤、香料・染料、界面活性剤)を絶対に配合しないと決めた。また肌にメリットのある、もしくは処方の安定・安全性に必要不可欠な原料のみを使用するシンプルな処方にこだわった。

重要なのは、単に処方にこだわるのだけでなく、なぜその処方にしたのかを発信すること。本当は不要な成分や肌に負担となる原料が含まれていることが多い化粧品だが、一般的な消費者はそんなことも知らない。だから消費者を“教育”する思いで、製品のことだけでなくスキンケアや化粧品全般について発信し続けた。このアプローチがこれまでの美容業界で新しかったのだと思う。透明性を重視した、消費者ファーストな戦略が支持され、口コミで人気が広がった。

WWD:買収のウワサが立っていた時、資生堂以外にも他の化粧品大手が買い手候補として多く挙がっていた。最終的に資生堂を選んだ理由は?

ティファニー:同じ価値観を持っているから。ポジティブな企業風土、“ピープルファースト”な考え方、イノベーション。これまでの「ドランクエレファント」のカルチャーを崩さずに、資生堂が誇る最新技術を活用してさらなるイノベーションを実現できるだろう。また、グローバル展開を目指す上で最適なパートナーだと感じた。

WWD:資生堂に買収された際、D2Cブランドとしての成功が高く評価されていた。欧米で奏功したD2Cアプローチは、日本でもどのように続けるのか?

ティファニー:SNSは消費者とつながる最も重要なツールの一つだと捉えている。「ドランク エレファント」のファンは、躊躇せずに意見を発信するし、互いにコミュニケーションを積極的に取り合っている。だから常に彼らの声に耳を傾け、なるべくスピーディーに製品開発などに生かしている。ブランドの成功の一因は、このコミュニティーに近い距離で接し、対話をしてきたことだと思う。9月にはLINEの公式アカウントを開設し、10月には伊勢丹新宿本店でポップアップイベントを開催予定で、そこで消費者と直接つながることも楽しみにしている。

消費者は決して“無知”じゃない
真面目すぎない啓もう活動が成功

WWD:「ドランク エレファント」は時に難しくもある、クリーンビューティやサステナビリティについて楽しく消費者に啓もうしており、それが多くの若年層の関心を引きつけている。

ティファニー:「ドランク エレファント」はあまりシリアスになりすぎず、常に“楽しむこと”を忘れないブランド。以前リテーラーの人に、消費者は“無知(知識がない)”だから、なるべくシンプルに消費者と対話する必要があると言われたことがある。でも私は決してそう思わないわ。今の消費者は学びたい意欲が高く、知識を手に入れることで自身の体に入れるものをコントロールできると分かっている。全く無知じゃないわ。私も一消費者として常に学んでいるし、なるべく楽しく気楽な方法で学べる場を作りたかった。だからユーモラスで“映える”コンテンツを用いて、原料や化粧品の使い方、ブランドのフィロソフィーなどについて楽しく発信している。

WWD:製品を重ね付けせず、手のひらで自由自在に混ぜて使う”スムージー”コンセプトもユニーク。それはどこから生まれた発想?

ティファニー:4人の子どもと仕事で常に忙しいから、丁寧に一つずつ重ね付けしている余裕がないの。ほぼ全ての製品が混ぜて使えるように、なるべく軽い質感にこだわった。毎朝飲んでいるスムージーにインスパイアされたの。

WWD:ここ数年でクリーンビューティは大きなブームとなったが、市場の未来は?

ティファニー:これからも次々とクリーンビューティブランドが誕生するだろう。ただ決まった定義がないために、クリーンの基準がブランドによって異なるのは懸念点だ。一方で消費者がどんどん賢くなっていく中で透明性はより重要になってくるだろうし、それはいい変化だと思う。

WWD:日本の化粧品市場は世界を見ても競争が激しい。そんな日本でどのように戦っていくのか。

ティファニー:全ての市場に共通することだが、まずはブランドのユニークな哲学をきちんと消費者に伝えることが成功の要だと思っている。欧米でも“教育”アプローチで多くの消費者が改めて自身の肌と向き合い、化粧品について学んだと感じている。日本の消費者にも同様に、“スキンケア改革”を起こしたい。

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高島屋が循環型プロジェクトで「ホワイトマウンテニアリング」と協業 再生ポリ100%の限定コレクションを発売

 高島屋は10月15日、デザイナーの相澤陽介が手掛ける「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」と協業し、再生ポリエステル糸を使用したカプセルコレクション(全7型)を発売する。高島屋6店(日本橋店、タカシマヤタイムズスクエア、横浜店、大阪店、京都店、玉川高島屋S・C)および同社の公式EC「タカシマヤファッションスクエア」で取り扱う。

 高島屋が日本環境設計と組んで循環型社会の実現を目指すプロジェクト「デパート デ ループ(DEPART DE LOOP)」の一環。販売した商品は、その後店舗で回収も行い、再資源化して新たな商品製造に活用する。

 カプセルコレクションは全7型。日本環境設計が古着を再資源化したポリエステル糸“ブリングマテリアル”を使用。サステナブルな素材に、「ホワイトマウンテニアリング」らしいアウトドア由来の機能性とデザインを融合させた。アウターは8つのポケットを備え、シワ感のあるナチュラルストレッチが特徴の中わたジャケット(9万9000円)、100%ポリエステルフリースで軽量なボアベスト(5万2000円)、変形ヨークスリーブでストレスフリーな着心地のボアブルゾン(8万2500円)をラインアップ。ダンボール素材を使用したフーディ(3万7400円)、長袖シャツ(3万800円)、ストレッチ入り3タックパンツ(3万8500円)などデイリーに使える中・軽衣料もそろう。

 相澤氏は協業にあたり、「元々ある衣服を元に、新しい糸へ布へと循環させるには大きな手間と時間がかかる。しかし、衣服の未来を見据えたときにこの考え方は非常に重要であり、この取り組みは衣服を身にまとう人々の意識につながっていく」とコメントを出した。

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イトーヨーカドーが衣料品回収キャンペーン 伊藤忠と協業で循環型へ

 イトーヨーカ堂は28日、同社初の衣料品回収キャンペーンを10月1日から実施すると発表した。全国のイトーヨーカドー108店舗で顧客から着古した衣料品を集める。再生ポリエステル素材「レニュー(RENU)」を展開する伊藤忠商事と協業して、新しい衣料品などに循環させる。

 10月1日から24日まで衣料品回収キャンペーン「アイリサイクル」を実施する。回収の対象は婦人服、紳士服、子供服など。肌着、靴下、パジャマ、レザーウエア、ダウンウエアは対象外とする。回収した衣料品1点につき10%オフのクーポン券を渡す。

 衣料品は分別され、ポリエステル100%の衣料品はリサイクル工場に送られる。ポリエステルのペレット(粒状)に加工されたのち、再生糸として衣料品に使われる。綿などポリエステル以外の衣料品は、クッション材やウエスに加工して再利用する。

 24日間の期間中で、3万7000〜4万枚の回収を目指す。店頭での反応を見て、今後の取り組み拡大を決める。

 同社は衣料品の回収こそ初めてだが、ペッドボトルの回収では長年の実績がある。セブンイレブンなどグループ会社各店に1001台のペッドボトル回収装置を設置しており、2020年度には3億3000万本、8700t分を回収した。これらのペットボトルは、プライベートブランド「セブンプレミアム」の飲料のペッドボトルや機能性肌着の原料になっている。また20年3月からは羽毛ぶとんやダウンジャケットの回収とリサイクルをグリーンダウンプロジェクトと、21年3月からは傘の回収とリサイクルを日本環境設計とそれぞれ協業して行っている。

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「グッチ」100周年記念のエキシビションに上野樹里や岩橋玄樹、夏木マリ、浅野忠信らが来場

 「グッチ(GUCCI)」は、ブランド創設100周年を記念して、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが描くビジョンや美学、哲学を反映したエキシビション「グッチ ガーデン アーキタイプ(GUCCI GARDEN ARCHETYPES)」を東京・天王洲で10月31日まで開催中だ。

 9月22日に行われたオープニングセレモニーには、上野樹里や元King & Princeの岩橋玄樹、夏木マリ、浅野忠信、仲里依紗、前田敦子、三吉彩花、MIYAVI、板垣李光人ら多くのゲストが駆けつけた。

 同エキシビジョンのテーマは、ミケーレが現職就任後の6年間に発表した広告キャンペーン。ロサンゼルスの地下鉄や東京、パリの5月革命など、テーマごとに分けられた複数の展示室で構成している。

■GUCCI GARDEN ARCHETYPES
日程:〜10月31日
時間:11:00〜20:00(金・土・祝前日は21:00まで)※最終入場は閉館時間の30分前まで
場所:B&C HALL・E HALL
住所:東京都品川区東品川2-1-3
入場料:無料、事前予約制

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“攻める”新人「カナコ サカイ」がデビュー 大手も注目するNY仕込みの個性派ベーシック

 ニューヨークでファッションデザインを学んだサカイカナコ(29)が、自身のブランド「カナコ サカイ(KANAKO SAKAI)」を2022年春夏シーズンに立ち上げる。サカイはパーソンズ美術大学でファッションデザインを学びながら、「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」や「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」で経験を積み、帰国後は国内のデザイナーズブランドに勤務。21年に独立して自身のブランドを立ち上げた。ファーストシーズンは全22型のウィメンズウエアで、コートやジャケットはメンズでも着用可能だ。価格帯はコート(税込14万3000円)、ワークジャケット(同7万1500円)、テーラードジャケット(同9万4600円)、シャツ(同3万6000円〜)、ワイドパンツ(同6万3800円)、スカート(同5万7200円〜)、ニットドレス(同5万7200円〜)など。

 デビューコレクションは、メキシコの複合施設カーサ ワビ(CASA WABI)の空間をイメージした。同施設は国内外のアーティストの交流の場として開設し、砂漠や木々の中に安藤忠雄がデザインした建築物が並ぶ。この自然と人工物の対比をクリエイションに取り入れ、カラーリングや柄などで表現している。

 「カナコ サカイ」の特徴は、一見するとベーシックで軽やかなデザインに対し、素材使いやディテールにクラフツマンシップや反骨心が感じられるところだ。そのこだわりは、素材に最も表れている。「私の服はまず素材作りから。今回使った生地はほとんどがオリジナルです。海外での経験があるからこそ日本の技術の高さが分かり、産地の人の顔が浮かぶ服を作りたかった」とサカイデザイナー。全国の産地や工場をめぐり、山形の米富繊維とのニット製品や茨城の老舗工場とのスラックス、自身と同年代のデュオ“タイダイ フリーク”とのタイダイ染めアイテムなどを、コミュニケーションを何度も重ねて形にしていった。デザインは「自分が着たいと思える楽で便利な服」というように、ベーシックが軸である。しかしコートの背中に巨大なタックをあしらったり、ジャケットのサイドに深いスリットを入れたり、ドレスとしても着られるたっぷりな生地のオリガミシャツなど、“攻め”のディテールで一点一点に個性を込めた。「ひと目見てすぐあそこだと分かるアイコン的なデザインは嫌だけど、『カナコ サカイ』らしさは徐々に確立していきたいんです」。

 サカイデザイナーから感じられる反骨心のルーツは、幼少期にまでさかのぼる。「厳格な両親だったので、着たい服が着られないときもありました。だからこそ、ファッションに強く憧れた。近所のショッピングセンターで『大人になったら絶対に好きな服を着まくってやる』と決意したのを鮮明に覚えています」。地元から飛び出したい、ニューヨークで学びたい、いろいろなブランドで経験を積みたい、広い世界が見たい、という常にどん欲な姿勢が、こだわりとなって服にも反映されているのだ。デビューシーズンながら、国内大手セレクトショップからの反応も上々。今後は海外での発表も視野に入れ、日本の技術を世界に発信していく。

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「ザラ」がアクティブウエアの新ライン立ち上げ 9月30日にECで発売

 「ザラ(ZARA)」はアクティブウエアの新ラインを立ち上げ、9月30日から日本や各国の自社ECで販売する。「全てのアスリートに向けたエリートレベルのアクティブウエアやギアを含む」というコレクションで、名称は“アスレチックス(ATHLETICZ)”。環境負荷に配慮したラインである“ジョインライフ(JOIN LIFE)”の一環として、さまざまなスポーツの動きに対応したウエアやシューズ、インナー、バックパックなどをそろえる。

 発売に先駆けて公開されたのは、バスケットボールやランニング、ヨガを楽しむモデルの着用ビジュアル。「屋内外を問わず、(スポーツの)全てのカテゴリーをカバー」するといい、スポーツをする際に求められる機能性を追求している。縫い目が肌に当たりづらいフラットロックシーム縫製や、熱圧着による縫い目のないヘム(生地の端)処理などを取り入れ、素材は「サステナブルなオーガニック素材と合成素材をブレンドした生地」を用いるという。色展開はネイビー、黒、白をベースに、バーガンディーや黄、カーキを差し色にする。価格や詳しいアイテム構成などは未公表。

 コロナ禍以降、ウエルネスやアウトドアに注目が集まっていることを背景に、大手ファッションSPAや専門店が、スポーツウエアやアウトドアウエアを開発する流れが拡大している。ユナイテッドアローズの「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS)は2021年春にアウトドアレーベルの“コティ(KOTI)”を立ち上げ。「ファッションセンターしまむら」では、アウトドアショップ「ロゴス」と組んで開発し、6月から販売しているブランド「ロゴスデイズ(LOGOS DAYS)」の動きが好調だ。「ジーユー(GU)」は既存のアクティブウエアのライン内で、9月からアウトドアウエアも販売。メンズ、ウィメンズ、キッズで全50型をそろえている。

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2022年春夏ミラノコレ現地リポート Vol.2  コロナ前のような人だかりや盛大なパーティーに圧倒された2日目

 ボンジョールノ(こんにちは)!いや、日本でアップされる頃は、ボナセーラ(こんばんは)でしょうか。ヨーロッパ通信員の藪野です。ミラノコレ2日目は、朝一の「マックスマーラ(MAX MARA)」から、夜の「MM6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」までリアルショーが盛りだくさん。その後には「ポメラート(POMELLATO)」のパーティーも待っています。長い1日になりますが、朝食をしっかり食べて、ミラノの街を駆け回ります。

10:00 MAX MARA

 「マックスマーラ」の会場は、コロナ前と同じボッコーニ大学。地下のランウエイを見下ろせるガラス張りの壁には学生と見られる若者たちがズラリと並び、かつてと変わらない風景が広がります。

 今季のインスピレーション源は、作家のフランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)と彼女が1954年に発表した小説「悲しみよ こんにちは」の主人公セシル。6月にイタリア・イスキア島で発表した2022年リゾート・コレクションもトルーマン・カポーティ(Truman Capote)による旅行記が着想源になっていましたが、その時に「ロックダウン中にたくさん本を読み直した」と話していたイアン・グリフィス(Ian Griffiths)=クリエイティブ・ディレクターは、昔の本からさまざまのアイデアを得たようですね。

 軸となるのはワークウエアですが、カジュアルではなく、テーラリング技術を生かしてエレガントに仕上げているところが、「マックスマーラ」ならでは。クロップド丈のトップスやブラトップとミニスカートの上に、アウターをさらりと羽織るスタイルが目を引きます。座席のデッキチェアにも使われていたようなマルチカラーのボーダーは、日に焼けて少し褪せたような色合いでショーのルックにも登場。ヨーロッパのリゾートやビーチを想起させますね。

12:00 BOSS

 「ボス(BOSS)」の会場は、中心地から離れたケネディ・スポーツ・センターの野球場。野球やバスケットボールのユニフォームも手掛ける「ラッセルアスレティック(RUSSELL ATHLETIC)」と再びコラボした22年プレ・スプリング・コレクションをお披露目するのに、ぴったりのロケーションです。

 数多くのインフルエンサーを招待した今回のショーは、演出にもかなり力が入っていて、正直びっくり。会場に入ると、ハンバーガーやホットドッグ、ポップコーン、アイスクリームなどが振る舞われ、グラウンドでは野球チームがウォーミングアップ中。その横ではオリジナルのマスコットが来場者を迎え、反対側の観客席にはお揃いのTシャツを来たサポーターたちの姿も見えます。さらに、アメリカ英語での実況中継も始まり、マーチングバンドの行進とチアリーダーのパフォーマンスからショーはスタート。そんな演出からも分かるように、コレクションもスポーツカジュアルとゆったりしたテーラリングをミックスしたカレッジスタイル。まさにアメリカンな要素てんこ盛りのエンターテインメントショーを満喫しました。

14:00 ETRO

 「エトロ(ETRO)」は、巨大な倉庫のような空間でショーを開催しました。「エトロ」の春夏といえば、リゾートの風を感じるカラフルでハッピーなスタイル。「IN FULL BLOOM(咲き誇る)」と名付けられた今季も、さまざまな花柄やペイズリーをはじめ、室内装飾からヒントを得た幾何学柄、鳥のモチーフ、マルチカラーストライプなどがウエアを飾ります。そこに加えるのは、リラックス感のあるドローストリングパンツや端正なテーラリング、ゴールドの大ぶりなジュエリー。今季多くのブランドが提案しているブラトップも多色使いのクロシェ編みやスポーティーな素材で作り、ヘルシーな印象に仕上げています。

 7月にLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社であるLキャタルトン(L CATTERTON)の傘下に入り、新たなスタートを切った「エトロ」。ほかにも転換期を迎えているイタリアのファミリーブランドは多く、その動向にも注目です。

15:00 FENDI展示会

 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が加わってからの「フェンディ(FENDI)」は、テーラリングがグッと良くなった印象です。今シーズンも、前身頃だけレイヤードしたようなでデザインのジャケットにスーパーワイドなパンツを合わせるスタイルが新鮮でした。過去のモチーフやブランドのヘリテージを蘇らせ、現代のエレガンスに仕上げるキムのディレクション力はあっぱれ。袖口のボタンやファスナーがアクセサリーと共通する”オーロック”になっていたり、キルティングが“ダブルF”パターンになっていたりと、細かな部分のデザインもニクいです。今後がますます楽しみになりました!

16:00 QUIRA

 「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」で「2 モンクレール 1952(2 MONCLER 1952)」のウィメンズを手がけているヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)による新ブランド「クイラ(QUIRA)がデビューしました。そんな彼女は、創業者時代の「ジル サンダー(JIL SANDER)」ではヘッド・ニットデザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」ではプレ・コレクションのヘッドデザイナーを務めていたという経歴の持ち主。期待せずにはいられません。「若手ではない自分が今ブランドを立ち上げる上で必要なことを考えた」というコレクションは、ファーストシーズンから多彩なウエアからバッグやシューズ、アクセサリーまでをフルラインアップ。質や完成度も高く、個人的にはテーラードとニットに惹かれました。「スタイルと質にこだわり、タイムレスでありながらユニークなアイテムを求める人に向けて、年齢や性別を問わず提案していきたい」そう。会場ではヴェロニカとあまり話す時間がなかったので、近々、改めて取材したいなと思います。

17:00 EMPORIO ARMANI

 「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は、ブランド設立40周年!1年半ぶりに所有するショー会場アルマーニ / テアトロで男女合同ショーを開催しました。メンズとウィメンズに共通するブランドらしさとは、素材の軽やかさや流れるようなカット、そして絶妙な色使い。空想の砂漠を出発点にしたという今季のコレクションにも、それらが凝縮されています。例えば、ゆったりとしたシルエットと柔らかな素材で仕立てたパンツや、サンドベージュやホワイトからパステルカラーまでの優しい色。ウィメンズは透け感のある素材をミニドレスやシャツからパンツにまでに使い、メンズはソフトなテーラリングが際立っています。終盤にパッと鮮やかになったカラーパレットは、未来への明るい希望を表現しているかのようでした。

 そして、フィナーレでアルマーニさんと共に登場したのは、メンズの右腕として長年働いているレオ・デルオルコ(Leo Dell'Orco)(6月のメンズショーの最後にも一緒に姿を見せましたね)と、アルマーニさんの姪っ子であり、ウィメンズで右腕を務めるシルヴァーナ・アルマーニ(Silvana Armani)。アルマーニさんはすでに2人の名前を自分の後継者として挙げていますし、次の40年をしっかりと見据えていることが分かります。

18:00 BLUMARINE

 若手のニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)がクリエイティブ・ディレクターに就任してから3シーズン目になる「ブルマリン(BLUMARINE)」は、彼が追求する方向性が確立されてきました。その方向性とは、2000年代初期のパリス・ヒルトン(Paris Hilton)に代表されるようなキュート&セクシーで”小悪魔”的なスタイル。今季は、そこにミッシー・エリオット(Missy Elliott)やアリシア・キーズ(Alicia Keys)、TLCといったアイコニックな黒人ミュージシャンたちのイメージをプラスして、セクシー&ヒップホップ感強めです。コンパクトなカーディガンやお尻が見えそうなほど短いホットパンツやミニスカート、透け感のあるシフォンドレスに加えるのは、ダボっとしたデニムやカーゴパンツ、ブラトップ、アニマルやデニムの柄をプリントしたドレスなど。米「WWD」によると、こういった00年代スタイルがインスタグラムでビッグトレンドの一つになっているとか。日本ではどうなんでしょう?

19:00 MM6 MAISON MARGIELA

 「MM6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」は、昔ながらのカフェ、La Belle Auroreの中と外を使ってショーを開催。「ブルマリン」の会場から離れていたので焦りながら向かいましたが、着いたら全然始まる気配なし。「マルジェラ」らしく”白”で統一されたスナックセットとカクテルで、アペリティーボを楽しみながら開始を待ちます。

 今季のスタイルのカギは、袖とロンググローブ。テーラードジャケットやドレスのウエストや胸の横から飛び出た”余分”な袖は前や後ろで結ばれ、ロンググローブもスタイルの仕上げとしてだけでなく、ウエアやバッグのデザインにドッキングされています。首や手首には、ピエロを思わせるひだのアクセサリー。多用された市松模様は、拡大鏡で覗いたかのように歪んでいます。そんなちょっと違和感のあるデザインは、クロード・カアン(Claude Cahun)らシュールレアリスムの美学を表現した女性アーティストから着想を得たものだそう。バッグは、昨シーズンに続き、「イーストパック(EASTPAK)」とのコラボアイテムが登場しました。

20:30 POMELLATO PARTY

 本日最後は、「ポメラート(POMELLATO)」のアイコンジュエリー“ヌード(NUDO)”コレクションの20周年記念パーティーへ。会場となったショッピングアーケードには、「あれ?まだコロナ禍だっけ?」と疑うような人!人‼︎人!‼︎フォトブースやフードやドリンクのスタンドだけでなく、占いブースや花屋の屋台まであります。いや〜、盛大なパーティーは久しぶりだったので圧倒されました。一番奥では、新作コレクションを展示。色とりどりのストーンが際立つデザイン、やっぱりカワイイです。

おまけ:今日のワンコ

 本日は、「マックスマーラ」と「ポメラート」で可愛いワンちゃんを発見。チワワの飼い主さんをよく見ると、ゴールドの骨型ネックレスをつけていました。

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2022年春夏ミラノコレ現地リポート Vol.2  コロナ前のような人だかりや盛大なパーティーに圧倒された2日目

 ボンジョールノ(こんにちは)!いや、日本でアップされる頃は、ボナセーラ(こんばんは)でしょうか。ヨーロッパ通信員の藪野です。ミラノコレ2日目は、朝一の「マックスマーラ(MAX MARA)」から、夜の「MM6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」までリアルショーが盛りだくさん。その後には「ポメラート(POMELLATO)」のパーティーも待っています。長い1日になりますが、朝食をしっかり食べて、ミラノの街を駆け回ります。

10:00 MAX MARA

 「マックスマーラ」の会場は、コロナ前と同じボッコーニ大学。地下のランウエイを見下ろせるガラス張りの壁には学生と見られる若者たちがズラリと並び、かつてと変わらない風景が広がります。

 今季のインスピレーション源は、作家のフランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)と彼女が1954年に発表した小説「悲しみよ こんにちは」の主人公セシル。6月にイタリア・イスキア島で発表した2022年リゾート・コレクションもトルーマン・カポーティ(Truman Capote)による旅行記が着想源になっていましたが、その時に「ロックダウン中にたくさん本を読み直した」と話していたイアン・グリフィス(Ian Griffiths)=クリエイティブ・ディレクターは、昔の本からさまざまのアイデアを得たようですね。

 軸となるのはワークウエアですが、カジュアルではなく、テーラリング技術を生かしてエレガントに仕上げているところが、「マックスマーラ」ならでは。クロップド丈のトップスやブラトップとミニスカートの上に、アウターをさらりと羽織るスタイルが目を引きます。座席のデッキチェアにも使われていたようなマルチカラーのボーダーは、日に焼けて少し褪せたような色合いでショーのルックにも登場。ヨーロッパのリゾートやビーチを想起させますね。

12:00 BOSS

 「ボス(BOSS)」の会場は、中心地から離れたケネディ・スポーツ・センターの野球場。野球やバスケットボールのユニフォームも手掛ける「ラッセルアスレティック(RUSSELL ATHLETIC)」と再びコラボした22年プレ・スプリング・コレクションをお披露目するのに、ぴったりのロケーションです。

 数多くのインフルエンサーを招待した今回のショーは、演出にもかなり力が入っていて、正直びっくり。会場に入ると、ハンバーガーやホットドッグ、ポップコーン、アイスクリームなどが振る舞われ、グラウンドでは野球チームがウォーミングアップ中。その横ではオリジナルのマスコットが来場者を迎え、反対側の観客席にはお揃いのTシャツを来たサポーターたちの姿も見えます。さらに、アメリカ英語での実況中継も始まり、マーチングバンドの行進とチアリーダーのパフォーマンスからショーはスタート。そんな演出からも分かるように、コレクションもスポーツカジュアルとゆったりしたテーラリングをミックスしたカレッジスタイル。まさにアメリカンな要素てんこ盛りのエンターテインメントショーを満喫しました。

14:00 ETRO

 「エトロ(ETRO)」は、巨大な倉庫のような空間でショーを開催しました。「エトロ」の春夏といえば、リゾートの風を感じるカラフルでハッピーなスタイル。「IN FULL BLOOM(咲き誇る)」と名付けられた今季も、さまざまな花柄やペイズリーをはじめ、室内装飾からヒントを得た幾何学柄、鳥のモチーフ、マルチカラーストライプなどがウエアを飾ります。そこに加えるのは、リラックス感のあるドローストリングパンツや端正なテーラリング、ゴールドの大ぶりなジュエリー。今季多くのブランドが提案しているブラトップも多色使いのクロシェ編みやスポーティーな素材で作り、ヘルシーな印象に仕上げています。

 7月にLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社であるLキャタルトン(L CATTERTON)の傘下に入り、新たなスタートを切った「エトロ」。ほかにも転換期を迎えているイタリアのファミリーブランドは多く、その動向にも注目です。

15:00 FENDI展示会

 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が加わってからの「フェンディ(FENDI)」は、テーラリングがグッと良くなった印象です。今シーズンも、前身頃だけレイヤードしたようなでデザインのジャケットにスーパーワイドなパンツを合わせるスタイルが新鮮でした。過去のモチーフやブランドのヘリテージを蘇らせ、現代のエレガンスに仕上げるキムのディレクション力はあっぱれ。袖口のボタンやファスナーがアクセサリーと共通する”オーロック”になっていたり、キルティングが“ダブルF”パターンになっていたりと、細かな部分のデザインもニクいです。今後がますます楽しみになりました!

16:00 QUIRA

 「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」で「2 モンクレール 1952(2 MONCLER 1952)」のウィメンズを手がけているヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)による新ブランド「クイラ(QUIRA)がデビューしました。そんな彼女は、創業者時代の「ジル サンダー(JIL SANDER)」ではヘッド・ニットデザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」ではプレ・コレクションのヘッドデザイナーを務めていたという経歴の持ち主。期待せずにはいられません。「若手ではない自分が今ブランドを立ち上げる上で必要なことを考えた」というコレクションは、ファーストシーズンから多彩なウエアからバッグやシューズ、アクセサリーまでをフルラインアップ。質や完成度も高く、個人的にはテーラードとニットに惹かれました。「スタイルと質にこだわり、タイムレスでありながらユニークなアイテムを求める人に向けて、年齢や性別を問わず提案していきたい」そう。会場ではヴェロニカとあまり話す時間がなかったので、近々、改めて取材したいなと思います。

17:00 EMPORIO ARMANI

 「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は、ブランド設立40周年!1年半ぶりに所有するショー会場アルマーニ / テアトロで男女合同ショーを開催しました。メンズとウィメンズに共通するブランドらしさとは、素材の軽やかさや流れるようなカット、そして絶妙な色使い。空想の砂漠を出発点にしたという今季のコレクションにも、それらが凝縮されています。例えば、ゆったりとしたシルエットと柔らかな素材で仕立てたパンツや、サンドベージュやホワイトからパステルカラーまでの優しい色。ウィメンズは透け感のある素材をミニドレスやシャツからパンツにまでに使い、メンズはソフトなテーラリングが際立っています。終盤にパッと鮮やかになったカラーパレットは、未来への明るい希望を表現しているかのようでした。

 そして、フィナーレでアルマーニさんと共に登場したのは、メンズの右腕として長年働いているレオ・デルオルコ(Leo Dell'Orco)(6月のメンズショーの最後にも一緒に姿を見せましたね)と、アルマーニさんの姪っ子であり、ウィメンズで右腕を務めるシルヴァーナ・アルマーニ(Silvana Armani)。アルマーニさんはすでに2人の名前を自分の後継者として挙げていますし、次の40年をしっかりと見据えていることが分かります。

18:00 BLUMARINE

 若手のニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)がクリエイティブ・ディレクターに就任してから3シーズン目になる「ブルマリン(BLUMARINE)」は、彼が追求する方向性が確立されてきました。その方向性とは、2000年代初期のパリス・ヒルトン(Paris Hilton)に代表されるようなキュート&セクシーで”小悪魔”的なスタイル。今季は、そこにミッシー・エリオット(Missy Elliott)やアリシア・キーズ(Alicia Keys)、TLCといったアイコニックな黒人ミュージシャンたちのイメージをプラスして、セクシー&ヒップホップ感強めです。コンパクトなカーディガンやお尻が見えそうなほど短いホットパンツやミニスカート、透け感のあるシフォンドレスに加えるのは、ダボっとしたデニムやカーゴパンツ、ブラトップ、アニマルやデニムの柄をプリントしたドレスなど。米「WWD」によると、こういった00年代スタイルがインスタグラムでビッグトレンドの一つになっているとか。日本ではどうなんでしょう?

19:00 MM6 MAISON MARGIELA

 「MM6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」は、昔ながらのカフェ、La Belle Auroreの中と外を使ってショーを開催。「ブルマリン」の会場から離れていたので焦りながら向かいましたが、着いたら全然始まる気配なし。「マルジェラ」らしく”白”で統一されたスナックセットとカクテルで、アペリティーボを楽しみながら開始を待ちます。

 今季のスタイルのカギは、袖とロンググローブ。テーラードジャケットやドレスのウエストや胸の横から飛び出た”余分”な袖は前や後ろで結ばれ、ロンググローブもスタイルの仕上げとしてだけでなく、ウエアやバッグのデザインにドッキングされています。首や手首には、ピエロを思わせるひだのアクセサリー。多用された市松模様は、拡大鏡で覗いたかのように歪んでいます。そんなちょっと違和感のあるデザインは、クロード・カアン(Claude Cahun)らシュールレアリスムの美学を表現した女性アーティストから着想を得たものだそう。バッグは、昨シーズンに続き、「イーストパック(EASTPAK)」とのコラボアイテムが登場しました。

20:30 POMELLATO PARTY

 本日最後は、「ポメラート(POMELLATO)」のアイコンジュエリー“ヌード(NUDO)”コレクションの20周年記念パーティーへ。会場となったショッピングアーケードには、「あれ?まだコロナ禍だっけ?」と疑うような人!人‼︎人!‼︎フォトブースやフードやドリンクのスタンドだけでなく、占いブースや花屋の屋台まであります。いや〜、盛大なパーティーは久しぶりだったので圧倒されました。一番奥では、新作コレクションを展示。色とりどりのストーンが際立つデザイン、やっぱりカワイイです。

おまけ:今日のワンコ

 本日は、「マックスマーラ」と「ポメラート」で可愛いワンちゃんを発見。チワワの飼い主さんをよく見ると、ゴールドの骨型ネックレスをつけていました。

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大丸東京店に“売らない”店 新進D2Cの見本商品を陳列

 大丸松坂屋百貨店は、D2Cブランドのショールーミングストア「明日見世(ASUMISE)」を10月6日、大丸東京店4階にオープンする。

 4階は婦人服フロアで、ストアの場所はエスカレーター横のイベントスペース。ファッションやビューティ、ライフスタイル雑貨やフードなど、商品カテゴリーの枠を超えて新進のブランドを取りそろえる。大丸松坂屋百貨店の社員が常駐し、「アンバサダー」としてそれぞれのブランドや商品の魅力を説明する。客は欲しい商品があれば、見本商品に付帯するQRコードを読み取り、ブランドのECページで購入する。その場で購入して持ち帰ることはできない。大丸松坂屋側は在庫を持たず、ブランド側から一定の出展料を徴収する仕組み。

 ショールーミングストアは数カ月のスパンでテーマを変え、ブランドも入れ替える。第1回(10月6日〜2022年1月11日)は“社会を良くするめぐりとであう”をテーマに、生分解性素材やオーガニック原料を使用したブランドに焦点を当てる。ファッションでは日本環境設計の「ブリング(BRING)」などが出展。ビューティでは出雲近郊のナチュラルな原料を使用した「アンディズモ(ANDIZUMO)」や国産自然農栽培コスメの「クオン(QUON)」、ライフスタイル雑貨ではオーガニックコットンを使用した大阪・泉州のタオルブランド「ティティ(TITI)」など。計19ブランドが見本商品を並べる。

 今後は大丸東京店での成果検証などを踏まえ、「他店での展開も検討する」(大丸松坂屋百貨店広報)としている。

 なお今月2日には、そごう・西武がD2Cブランドの売り場「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を西武渋谷店にオープン。大手百貨店各社は、従来の消化仕入れ型のビジネスモデルに替わる新たな売り場の形態を模索し始めている。

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好調しまむら、今期最高益更新へ 既存店売上高がコロナ前を上回る

 しまむらは、春夏商戦の好調を受けて2022年2月期の連結業績予想を上方修正した。修正後の予想は、売上高が5705億円(前回予想は5548億円)、営業利益が456億円(同386億円)、純利益が312億円(同262億円)とする。純利益は最高益だった前期を2割近く上回る見通しだ。

 27日に発表した21年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比11.9%増の2845億円、営業利益が同58.6%増の253億円、純利益が同65.6%増の172億円だった。

 緊急事態宣言の長期化でファッション市場が苦戦を強いられる中、しまむらの好調は際立っている。既存店売上高をコロナ前の19年3〜8月期と比較すると、主力業態「ファッションセンターしまむら」で5.3%増、「アベイル」で4.8%増、「バースデイ」で19.3%増だった。短期生産の活用など一連のMD改革によって値引きと在庫を抑制し、「ファッションセンターしまむら」で粗利益率を0.8ポイント改善させた。デジタル販促の活用などによって販管費率も1.7ポイント圧縮している。

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欲張りや幸せなど“ふとった女”の個性や感情を表現 スタイリストらがアート展を原宿で開催

 フォトグラファーのCHITOとフローリストの岡本美穂、スタイリストの宇和島英恵によるアートプロジェクト「ふとった女,Q」の初の展示会が東京・原宿で開催中だ。神宮前のギャラースペース、ニュースペース パでは10月10日まで、神宮前二丁目の商店街、神二商和会では10月末まで作品を展示している。

 同プロジェクトは、仕事で出会ったメンバー3人が花、スタイリング、写真といったそれぞれのスキルを持ち寄り「ふっとた女,Q」をテーマに製作した。同展では、2年間かけて製作した約26点が登場した。

 メンバーは「当初は外見的に太った女性の魅力を表現していたが、製作を続けるうちに“太っている”という言葉が、感情の増幅といった内面的な要素にも広がった」という。作品は、太った体型の女性を表現したものもあれば、欲張りな女性や幸せに満ちた女性など、“ふとった女”というテーマから連想できるさまざまな女性の個性や感情を表現している。

 「ふっとた女,Q」の“Q”とは、特定の人物ではない“誰か”という意味。作品を見た人たちに、自由に自身を投影してもらうことが狙いだ。メンバーは「自分が抱えているコンプレックスは、外に表現することで唯一無二の愛らしい個性になる。作品を通じて自分の内側に目を向けて、愛すべきものとしてとらえてほしい」と話した。

 今回はギャラリーだけでなく、神宮前2丁目商店街の外壁10箇所にも作品を展示した。パリやブルックリンで暮らした経験を持つメンバーが、日常にアートが溶け込んでいた生活を地元でも再現したいという思いから、商店街の協力を経て実現。メンバーは「日常のちょっとした風景に変化を生むことで、会話のきっかけになってほしい」と言う。

■「ふとった女,Q」
会期:9月25日〜10月10日
時間:12:00~19:00
場所:ニュースペース パ
住所:東京都渋谷区神宮前2-20-9 ホワイトビル1階
会期:9月10日〜10月末
場所:神宮前2丁目商店街外壁面

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欲張りや幸せなど“ふとった女”の個性や感情を表現 スタイリストらがアート展を原宿で開催

 フォトグラファーのCHITOとフローリストの岡本美穂、スタイリストの宇和島英恵によるアートプロジェクト「ふとった女,Q」の初の展示会が東京・原宿で開催中だ。神宮前のギャラースペース、ニュースペース パでは10月10日まで、神宮前二丁目の商店街、神二商和会では10月末まで作品を展示している。

 同プロジェクトは、仕事で出会ったメンバー3人が花、スタイリング、写真といったそれぞれのスキルを持ち寄り「ふっとた女,Q」をテーマに製作した。同展では、2年間かけて製作した約26点が登場した。

 メンバーは「当初は外見的に太った女性の魅力を表現していたが、製作を続けるうちに“太っている”という言葉が、感情の増幅といった内面的な要素にも広がった」という。作品は、太った体型の女性を表現したものもあれば、欲張りな女性や幸せに満ちた女性など、“ふとった女”というテーマから連想できるさまざまな女性の個性や感情を表現している。

 「ふっとた女,Q」の“Q”とは、特定の人物ではない“誰か”という意味。作品を見た人たちに、自由に自身を投影してもらうことが狙いだ。メンバーは「自分が抱えているコンプレックスは、外に表現することで唯一無二の愛らしい個性になる。作品を通じて自分の内側に目を向けて、愛すべきものとしてとらえてほしい」と話した。

 今回はギャラリーだけでなく、神宮前2丁目商店街の外壁10箇所にも作品を展示した。パリやブルックリンで暮らした経験を持つメンバーが、日常にアートが溶け込んでいた生活を地元でも再現したいという思いから、商店街の協力を経て実現。メンバーは「日常のちょっとした風景に変化を生むことで、会話のきっかけになってほしい」と言う。

■「ふとった女,Q」
会期:9月25日〜10月10日
時間:12:00~19:00
場所:ニュースペース パ
住所:東京都渋谷区神宮前2-20-9 ホワイトビル1階
会期:9月10日〜10月末
場所:神宮前2丁目商店街外壁面

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「ディオール」の“メダリオンチェア” 吉岡徳仁と佐藤オオキの再解釈は?

 「ディオール(DIOR)」は9月5~10日、イタリア・ミラノ市内で“メダリオンチェア”をテーマにした展示を行った。“メダリオンチェア”とは、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)がファッションショーのゲスト用に選んだ椅子。回想録でムッシュ・ディオールは、「落ち着きがあり、シンプルかつクラシックでパリらしい」と述べている。リボンをあしらった楕円形の背もたれを持つ椅子は「ディオール」初のパリのブティックに置かれたほか、メゾンのコードとして香水のボトルなどにも影響を与えている。今回の展示では、世界中のクリエイターが再解釈した“メダリオンチェア”を展示。日本からは、吉岡徳仁とネンドの佐藤オオキが参加した。2人の作品に対する思いを紹介する。

 吉岡は、“人の感覚を超越すること”を模索しながら抽象と現実の間にあるオブジェを制作し続けている。“メダリオンチェア”に関しては、「光を素材そのものへ転換した。境界や外観の概念を超えて夢見ることへ誘うインビテーションだ」と述べている。彼が好んで用いるガラス素材を用いた作品は透明感と優美な起伏の融合からレトロフューチャリスティックな雰囲気を醸し出している。シンデレラのガラスの靴を想起させるエレガントなチェアだ。

 ミニマルなアプローチで世界的に評価されている佐藤も“メダリオンチェア”の素材にガラスを使用。背面、座面、脚は単一のパーツで構成されている。フューチャリスティックな印象の作品は、メゾンのシンボルカラーであるグレーやムッシュ・ディオールが好んだペールピンクで彩られている。背面を楕円形にくり抜くことで、“メダリオンチェア”のフォームを暗喩的に引き立たせている。佐藤は、「ムッシュ・ディオールとの長い会話」を表現したとコメントしている。

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衣類の捨て方についてデザインしよう! マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.29

 循環型の、サステナブルなデザインで大切なことは、その服がどう捨てられ、どう生まれ変わるのかまでをデザインすることだ。現代のモノづくりとは、まさにこのサイクル/システムを考えること。私はそうやって生まれるアイテムがたくさん並ぶ未来を模索しているが、今すでに所持している衣類はどう手放したらいいのだろう?衣替えの時期だ。今回は、もう着なくなった服の手放し方を考えたい。どの方法が、各々のスタイルに合っているのだろうか?

 そう思ったきっかけは、マンションのごみ収集所に大量の子ども服が捨てられていたのを目にしたときだった。心が痛くなって、見ていられなかった。どこかに寄付したり、再利用を模索したりはできなかったのだろうか?一気にゴミに出したオーナーは、「時短」を選んだ。それは、オーナー家族にとって一番都合のいい選択だったと思うことにした。それも一個の選択肢として、リサーチを続けている。私だったら、どうするだろう?考えた選択肢は、以下の通りだ。

プランA:ゴミに出す
 これは、効率的で衣類のオーナーにとって時間やカロリーが削減できる手段。一方、環境への負荷が気がかりだ。

プランB:フリマに出品
 コロナの影響で従来型のフリマは無くなった。現在は、フリマアプリなどへの出品で利益に変えることが多い。なれると簡単で「ゲーム感覚が好き」というユーザーも多いが、写真にこだわったり、相手との交渉が大変だったり、難しいケースも多い。もちろん、シミや穴があったらなかなか売れない。何度も着たTシャツなどは、なかなか動かないのが現状だ。

プランC:寄付
 古着を回収するNPO団体などの中には、ポリオ撲滅運動の一環としてワクチンを寄付するなど、さまざまな取り組みをしているところも。規定の場所に持っていくケースもあるが、自宅からダンボールで送るだけという場合も。ただ団体のトレーサビリティを調べたり、どこを選んだらいいのか悩んだりするケースは多く、プランAに比べれば大変。発展途上国や難民キャンプで重宝されることも多いが、あまりに汚い洋服も多く、「選別が難しい」という運営の悩みを耳にしたこともある。

プランD:リサイクルボックスに入れる
 「H&M」や「ザラ(ZARA)」「スノーピーク(SNOW PEAK)」など、昨今は近くのショッピングモールやアパレルショップなどに回収ボックスが設置されている。各ブランドによって回収業者は違うが、費用は無料。「H&M」では、お買い物券までついてくる。ただ各社によってトレーサビリティはさまざま。どのくらい循環しているのかは、見えづらい。

プランE:リメイク
 これは個人的に実践しており、節約にもつながっている。何度も着たTシャツなどは、切って雑巾に。モノづくりが好きなら、ニットは編み直せる。Tシャツなどの布帛は、ヒモ状に切って編み直すとちょっとしたラグやコースター、エコバックなどにアップサイクルできるキットなども販売されている。ただ雑巾くらいなら誰でもできるが、本格的なリメイクは時間が必要。モノづくりが好きな人に限定されるかもしれない。

 上述の選択肢の中で、私にとって都合のいいのは、プランDのリサイクルボックスだった。実際「H&M」に行き、キレイな服が並ぶところにいらなくなった服を持参した自分はなんだか滑稽で少し恥ずかしかったが、店員さんに声をかけると、いつものことのように対応してくれたのでホッとした。「500円のクーポンをアプリで~」と教えてもらったが、めんどくさくてクーポンはもらわなかった。どうやら他にも持ってくる方が多いみたいで、山のように服が積まれていた。確かに簡単だった。

 今は、大きな企業に任せよう。

 と、預けた服がどのくらい循環されるのか気になりながら渋谷の街を後にした。もっと自分に合ったプランを見つけたい。衣類の手放し方についてもデザインしたいし、一眼でわかるプラン表があったらいいなと日々考えている。

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「フェンディ」が往年のディスコを現代に蘇らせた 日本からもミラノコレ Vol.1

 ニューヨーク&ロンドンに続き、ミラノ・コレクションが始まりました。2022年春夏シーズンは、現地在住のスタッフがリアルショーを取材中。とはいえ、日本にいる「WWDJAPAN」編集部員も、何か手伝い、日本で“お祭り感”を楽しみたい!そう考え、現地のスタッフがカバーしきれなかったブランドのデジタルショーをレビューします。

「フェンディ」は70年代のディスコの世界をタイムレスに

 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が共同アーティスティック・ディレクターに就任して以来、「フェンディ(FENDI)」はビジネスも好調と聞きます。頑張れば買えるジュエリーが若い世代に、一着数千万円のオートクチュールが富裕層にと、“全方位”な商品提案が効果を発揮しつつあるように見えますが、キムはその理由を「リアルだから。ビンテージでもなく、アバンギャルドでもない。そしてタイムレスだから」と答えます。

 今シーズンの「フェンディ」は、まさに、そんな彼の哲学を体現するようなコレクションでした。インスピレーション源の大きな1つは、ニューヨークの伝説的なディスコ「スタジオ 54」。カルチャーの世界ではアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)、ファッションの世界ではカルバン・クライン(Calvin Klein)らに愛された、1970年代の象徴です。さまざまな人が、自由なファッションを楽しんだという「スタジオ 54」の雰囲気は、「シャープ」より「エッジー」という言葉の方がぴったりなセットアップや、マイクロミニのホットパンツ、フリンジをカスケード(滝)のように重ねたフラッパードレス、そしてもちろん豪華なファーコート(リサイクル素材も多いそうです)などから漂ってきます。カラーパレットは、新時代のいまにふさわしいピュアホワイトに始まり、淡いベージュやグレーに転じたかと思えば、後半は鮮やかなベビー&ショッキングピンク。シルクサテンの素材やゴールドの色合いは、ミラーボールの下にピッタリです。カフタンドレスやブラトップ、ニットで作ったボディコンドレスは、もはや欠かせない着心地に配慮したもの。ユニークなアクセサリーとセットで、70年代のスタイルをアップデートする大事な要素です。そこに、ファッション界で活躍したイラストレーター、アントニオ・ロペス(Antonio Lopez)が描いた、「FENDI」の新しいロゴをプラスしました。ロペスは、前任のカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が招待状の制作などを依頼したデザイナーであり、キムは「彼のスケッチは、アンディ・ウォーホルやデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)のクリエイティビティをかき立てたんだ」と語ります。カールという「フェンディ」にとって欠かせないレガシーと、アンディ・ウォーホルという「スタジオ 54」を語る上でやっぱり欠かせないレガシーを意識した上でのイラストレーターの選定に、ブランドの歴史をコンテンポラリーに蘇らせるキムのセンスを感じます。キムって、どうやって歴史を調べているのかな?

「ロベルト カヴァリ」はど直球にタイガー!ゼブラ!!レオパード!!!

 この5年で経営もデザイナーも激しく入れ替わってきた「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」。現在はドバイの投資会社が、ファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)を起用して再起を図ろうとしています。イタリア・シチリア生まれの、ど直球を投げるタイプのデザイナーで、アニマルプリントやバロックモチーフで表現するセクシーが得意技です。

 コレクションは、良くも悪くも(いや、どっちかと言えば良いのかな?)「ファウスト・プリージ」でした。とってもわかりやすく、タイガー!ゼブラ!!レオパード!!!超マイクロミニ丈、見えそうで心配なくらいの深いスリット、その一方で大きなスカートのボールガウン。タイガーが「『ロベルト カヴァリ』復活だガォ~」と咆哮しているようです。

 正直「ロベルト カヴァリ」の要素を見つけるのは難しかったのですが、だんだん見ているうちに「『ロベルト カヴァリ』ってなんだっけ?」と思うようにもなりました。それくらい創業デザイナーの退任直前から現在に至るまでの数年で、ブランドのレガシーは消え失せたのです。もともと確固たるアイデンティティがあったら、こんな事態にもなっていなかったでしょう。「そんなブランド、復活させる意味ある?」という意見も一理ありますが、その知名度にはまだ可能性があるはず。ど直球でその可能性に賭けたブランドを、応援してみたいと思います。

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「フェンディ」が往年のディスコを現代に蘇らせた 日本からもミラノコレ Vol.1

 ニューヨーク&ロンドンに続き、ミラノ・コレクションが始まりました。2022年春夏シーズンは、現地在住のスタッフがリアルショーを取材中。とはいえ、日本にいる「WWDJAPAN」編集部員も、何か手伝い、日本で“お祭り感”を楽しみたい!そう考え、現地のスタッフがカバーしきれなかったブランドのデジタルショーをレビューします。

「フェンディ」は70年代のディスコの世界をタイムレスに

 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が共同アーティスティック・ディレクターに就任して以来、「フェンディ(FENDI)」はビジネスも好調と聞きます。頑張れば買えるジュエリーが若い世代に、一着数千万円のオートクチュールが富裕層にと、“全方位”な商品提案が効果を発揮しつつあるように見えますが、キムはその理由を「リアルだから。ビンテージでもなく、アバンギャルドでもない。そしてタイムレスだから」と答えます。

 今シーズンの「フェンディ」は、まさに、そんな彼の哲学を体現するようなコレクションでした。インスピレーション源の大きな1つは、ニューヨークの伝説的なディスコ「スタジオ 54」。カルチャーの世界ではアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)、ファッションの世界ではカルバン・クライン(Calvin Klein)らに愛された、1970年代の象徴です。さまざまな人が、自由なファッションを楽しんだという「スタジオ 54」の雰囲気は、「シャープ」より「エッジー」という言葉の方がぴったりなセットアップや、マイクロミニのホットパンツ、フリンジをカスケード(滝)のように重ねたフラッパードレス、そしてもちろん豪華なファーコート(リサイクル素材も多いそうです)などから漂ってきます。カラーパレットは、新時代のいまにふさわしいピュアホワイトに始まり、淡いベージュやグレーに転じたかと思えば、後半は鮮やかなベビー&ショッキングピンク。シルクサテンの素材やゴールドの色合いは、ミラーボールの下にピッタリです。カフタンドレスやブラトップ、ニットで作ったボディコンドレスは、もはや欠かせない着心地に配慮したもの。ユニークなアクセサリーとセットで、70年代のスタイルをアップデートする大事な要素です。そこに、ファッション界で活躍したイラストレーター、アントニオ・ロペス(Antonio Lopez)が描いた、「FENDI」の新しいロゴをプラスしました。ロペスは、前任のカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が招待状の制作などを依頼したデザイナーであり、キムは「彼のスケッチは、アンディ・ウォーホルやデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)のクリエイティビティをかき立てたんだ」と語ります。カールという「フェンディ」にとって欠かせないレガシーと、アンディ・ウォーホルという「スタジオ 54」を語る上でやっぱり欠かせないレガシーを意識した上でのイラストレーターの選定に、ブランドの歴史をコンテンポラリーに蘇らせるキムのセンスを感じます。キムって、どうやって歴史を調べているのかな?

「ロベルト カヴァリ」はど直球にタイガー!ゼブラ!!レオパード!!!

 この5年で経営もデザイナーも激しく入れ替わってきた「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」。現在はドバイの投資会社が、ファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)を起用して再起を図ろうとしています。イタリア・シチリア生まれの、ど直球を投げるタイプのデザイナーで、アニマルプリントやバロックモチーフで表現するセクシーが得意技です。

 コレクションは、良くも悪くも(いや、どっちかと言えば良いのかな?)「ファウスト・プリージ」でした。とってもわかりやすく、タイガー!ゼブラ!!レオパード!!!超マイクロミニ丈、見えそうで心配なくらいの深いスリット、その一方で大きなスカートのボールガウン。タイガーが「『ロベルト カヴァリ』復活だガォ~」と咆哮しているようです。

 正直「ロベルト カヴァリ」の要素を見つけるのは難しかったのですが、だんだん見ているうちに「『ロベルト カヴァリ』ってなんだっけ?」と思うようにもなりました。それくらい創業デザイナーの退任直前から現在に至るまでの数年で、ブランドのレガシーは消え失せたのです。もともと確固たるアイデンティティがあったら、こんな事態にもなっていなかったでしょう。「そんなブランド、復活させる意味ある?」という意見も一理ありますが、その知名度にはまだ可能性があるはず。ど直球でその可能性に賭けたブランドを、応援してみたいと思います。

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2022年春夏ミラノコレ現地リポートVol.1 「ジル サンダー」と「ブルネロクチネリ」で癒された初日

 ボンジョ〜ルノ!ヨーロッパ通信員の藪野です。1年半ぶりにミラノにやって参りました!今シーズンは、ミラノとパリからファッション・ウイークの現地リポートをお届けします。ニューヨークに続き、ヨーロッパでもいよいよリアルイベントが本格的に再開しました。朝から晩まで1時間刻みで動くスケジュールは、コロナ前とほぼ同じ。違うのは、ショーの席数が少ないことや、入場時にグリーンパス(もしくは陰性証明書や回復証明書)のチェックがあること、そして室内では皆マスクをしていることくらいといった感じです。これから約2週間、コレクションの熱気やニュースからヨーロッパの現状や街の雰囲気までをお伝えできればと思いますので、どうぞお付き合いください!

12:00 FRANZI 1864

 かつてグッチオ・グッチ(Guccio Gucci)も「グッチ(GUCCI)」を創業する前に働いていたという老舗トランクメーカー&レザーグッズブランド「フランツィ 1864(FRANZI 1864)」が、新オーナーのもとで再始動しました。新たな始まりにフォーカスしたのは、イタリアの初代女王から名付けられたというワンハンドルバッグ“マルゲリータ”。デザインは1940年代のアーカイブから着想を得たもので、上部のバーと表裏両方にフラップがついているのがポイントです。価格は3700〜4500ユーロと、かなりラグジュアリー。10月末から公式オンラインとヨーロッパの一部セレクトショップで販売をスタートするとのことで、アジアでは現地パートナーを探しているそう。

12:30 MAX & CO.

 奇しくも“マルゲリータ”続きになりますが、「マックス&コー(MAX & CO.)」は「ミッソーニ(MISSONI)」創業者の孫であるマルゲリータ・ミッソーニ(Margherita Missoni)とコラボしました。彼女自身が90年代に着ていた「マックス&コー」の服からインスピレーションを得たというコレクションは、さまざまな着方を楽しめることにこだわったというデザインが特徴。トップスと2段階の長さのスカートに分かれるドレスや、ドレスとして着ることも考えたスポーティーなコートなど、“一着で2、3度美味しい”アイテムが揃います。「パーソナルなスタイルを反映して、小さなワードローブを作る感覚でデザインした」とマルゲリータ。花のアップリケがキュートなカーディガンが1番のお気に入りだそうです。

13:15 LORO PIANA

 「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」は、ミラノを代表するショッピングストリート、モンテナポレオーネ通りの旗艦店の横に構えるポップアップショップで、新作を披露しました。今季のテーマは“街からのエスケープ”。まさに誰もが今憧れるムードですよね。その逃避行の行き先は、カリフォルニアのリゾート地、パームスプリングスをイメージ。手触り抜群!(=着たら、きっと最高!)なカシミアシルクやサテンのようなツヤのあるコットンなどの上質素材で作られたアイテムをラインアップしています。小物のバリエーションも増やしていて、アイコンバッグ“セージア”には、トートや、ハンドルの付け根とレザーピースのカーブラインがスマイルマークのように見える“ハッピーデイ”が新登場。スエードにパイピングをあしらったエフォートレスなサンダルも魅力的です。

14:00 TOD’S X HENDER SCHEME

 「トッズ(TOD’S)」×「エンダースキーマ(HENDER SCHEME)」のコラボコレクションを一足先に見るために、ミラノを代表するセレクトショップの「ディエチ コルソ コモ(10 Corso Como)」へ。今回のお披露目のためにミラノ入りされている「エンダースキーマ」デザイナーの柏崎さんが迎えてくれました。「いい意味で『トッズ』のチームなら作らなそうなものを作りたかった」とのことで、一から生み出したというシューズやウエアがズラリ。“TOD’S⇄DOT'S”をテーマにしたコレクションには、いろんなところにドットや丸いモチーフが見られます。中でも、ブランドのアイコンシューズである“ゴンミーニ”のペブルを大胆に拡大してソールに配したタッセルモカシンがやはり印象的でした。

15:00 DEL CORE

 今回のミラノコレで一つ目のショーは、コロナ禍の昨シーズンデビューした期待の若手「デル コア(DEL CORE)」。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)率いる「グッチ」でVIP用衣装担当デザイナーとして経験を積んだダニエル・デルコア(Daniel Del Core)が手掛けています。持ち味はレッドカーペットで映えるエキセントリック&ドラマチックなドレス。デビューコレクションを着たインフルエンサーがズラリ並ぶと、かなり強そうです(笑)。今季は、肩やスカートから剥がれて垂れたようなラッフルがカギ。デビューシーズンに比べ、一般人でも着られそうなパーティードレスが増えました。会場には、米「ヴォーグ」のアナ・ウィンター(Anna Winter)様をはじめ、有名エディターやジャーナリストの姿もあり、注目度は大。イタリアファッション界のスター候補として、今後に期待です!

16:00 FURLA

 「フルラ(FURLA)」は、かつての大ヒット商品“キャンディ”の10周年を記念して、サステナブルにアップデートした“リキャンディ"をお披露目しました。オリジナルのデザインを踏襲しつつ、素材にはリサイクルプラスチック、生産には再生可能エネルギーのみを使って、ポップなカラーが際立つアイテムに仕上げました。チェーンストラップなどのアクセサリーも全てリサイクル素材を使っているとのこと。こちらはsee now, buy nowなので、すでに公式オンラインショップで販売されています。

16:45 BRUNELLO CUCINELLI

 ミラノ・ファッション・ウイーク取材の初日と言えば、個人的には「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」のショールームを訪れるというのが定番。プレゼンテーションを見た後、ブランドが拠点を構えるソロメオ村の食材を生かしたランチや軽食を中庭でいただくと、ファッション・ウイークのバタバタから解放された気分になります。今シーズンも、そんなひとときの安らぎを味わえました。
コレクションはというと、ニュートラルカラーを中心とする同ブランドにしては珍しく、差し色に鮮やかな赤を使用。喜びを感じさせる色として選んだそうで、コレクション全体も未来への前向きなビジョンを表現しています。スタイルは、テニスを想起させるチルデンニットやヘッドバンド、バスケットボールショーツ、ブランドの創業年を入れたフーディーなど、スポーティーなアイテムのミックスが印象的。着心地が良くて動きやすいアイテムを、コロナを経て再び動き出した世界に向けて提案しています。

18:00 NUMERO VENTUNO

 お次は、「ヌメロ ヴェントゥーノ(NUMERO VENTUNO)」です。「誘惑に負けてしまうことはタブーではなく、むしろ新たなことへの挑戦を意味し、予期せぬ可能性を切り開くための手段」だと考えるアレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell'Acqua)は今季、ブランドを象徴するセンシュアルなスタイルに、さまざまな要素をミックスしました。カレッジロゴ風のフォントを用いた「PARADISE」の文字が入ったキャミソールやスリッポンシューズ、ノースリーブTシャツ、袖をカットオフしたパーカなどは、アメリカ西海岸のスケータースタイルを想起させ、カジュアルなムード。チュールを6層に重ねたテーラードジャケットの背中には、裏地のヤシの木プリントがうっすら浮かびます。一方で、素朴なクロシェニットでセンシュアルなミニドレスから男女共通のパンツまでを提案したり、キラキラ輝くクリスタルやスパンコールのフリンジ、フェザーなどクチュール的装飾をたっぷり取り入れたり。いつもバランス感覚が冴えている「ヌメロ ヴェントゥーノ」ですが、今季はちょっといろんな要素を盛り込みすぎたかなという印象でした。

19:00 JIL SANDER

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」の会場は、薄紫色の光で照らされ、床も椅子も同じ色でまとめられた長いトンネルのような空間。「ショーが大好きだし、その制作過程をとても楽しんでいる」と以前語っていたルーク&ルーシー・メイヤー(Luke & Lucie Meier)による1年半ぶりのリアルショーに期待が高まります〜。ショーで目を引いたのは、序盤に登場したボクシー&オーバーサイズのノーカラージャケットとスカーフ襟が片方に流れるシャツ。コットンドリルや滑らかなレザーのパンツと合わせたスタイルが印象的です。縦のラインが際立つトップス&ロングスカートのセットアップやドレス、スモッキングやクロシェを駆使したクラフトへのこだわりを感じるアイテムなど得意とするスタイルは健在ですが、今季はタイガープリントのコートやペイズリーモチーフとスパンコールをあしらったガウンといった新たな一面を感じさせるアイテムも提案。ウエアだけでなく空間にまで取り入れたパステルカラーや心地いい音楽も相まって、どこか優しく癒されるコレクションでした。

 デジタルの映像の音楽は、実際のショー音楽と異なるので、すかさずシャザムしたトラックリストを下記に載せておきます。気になる方は、ぜひYouTubeなどで検索を!

「An Angel Gets His Wings Clipped」 by Croatian Amor
「O Selenites」 by Gaspar Claus
「In Spite Of All」by Max Richer
「Then & Now」 by Andy Dragazis

20:00 TOD’S X HENDER SCHEME COCKTAIL PARTY

 昼間に見た「トッズ」×「エンダースキーマ」のカクテルがあったので、ディエチ コルソ コモに戻ってきました。コレクションはすでにしっかり見せていただいたのですが、世界に羽ばたく日本人デザイナーの晴れ舞台を見逃すわけにはいきません!コラボコレクションは、日本では9月28日発売。映像もかなりカッコよく仕上がっていたので、下記の関連記事からインタビューと合わせてご覧ください。

おまけ:今日のワンコ

 無類の犬好きなので、ショーやプレゼンでワンちゃんを見つけたら、ついつい写真を撮ってしまいます。本日は、「フランツィ 1864」新オーナーの愛犬デクスターくんと、「ジル サンダー」で見つけた招待状の布を首に巻いたオシャレ犬を激写!

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肥満大国アメリカ、大きな服の大きな可能性 鈴木敏仁USリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。ダイバーシティー(多様性)やインクルーシブ(包括的)を尊重する機運によって、プラスサイズのファッションに注目が集まっている。ビジネスとしての潜在需要も大きいとみて、各社が本腰を入れ始めた。

 3年前、「ターゲット(TARGET)」の婦人服売り場で大型のマネキンが登場して目を見張ったことがある。導入するという情報は持っていたのだが実際に目にして納得。「ああ、これはトレンドとして来ているな」と実感したのだった。

 アメリカは肥満大国とも言われ、社会問題となっていることをご存知の方も少なくないだろう。統計では男性の75%、女性の60%が肥満か体重過多となっている。病気として認識されるのが肥満、病気ではないが太っているのが体重過多と、アメリカでは2分類するのだが、病気としての肥満の比率は全体のなんと30%超に達しているというデータもある。

 大型サイズをアメリカではプラスサイズと呼称する。人口のマジョリティーが体重過多なのだから、プラスサイズが主流になるのは必然とも言える。にもかかわらず傍流であった理由は本音と建前である。ランウェイを歩くスーパーモデルがあるべき姿でありマーケティングも全て建前で塗りつぶされてきて、しかし実際の体形は違うという状況だった。

 これが変わりはじめたのが5年ほど前からだろうか。レタッチ技術が進化し、メーカーが使うモデルの画像がオリジナルから大きく修正されていることをマスコミが報じて反響を呼び始めた。この頃からありのままが良いというムーブメントが始まった。

 ファッションに強い「ターゲット」はこういったトレンドに敏感だった。いち早くプロモーションに使うモデルのレタッチをやめ、さらにシニアやさまざまな体形の女性を起用し始め、そしてその流れでマネキンにも大型サイズを投入したのであった。

潜在需要が掘り起こされるのはこれから

 このトレンドのハイライトがプラスサイズ専門店チェーンの「トリッド(TORRID)」の上場である。上場は7月で、初日に株価は上昇して時価総額は25億ドルに達している。

 上場したばかりなので公開情報に乏しいのだが、2019年の時点で売上高は10億3700万ドルと報じられているので、アメリカ小売業界の指標である10億ドル(日本ならば1000億円)を超えている。すでに新興の中小企業レベルではないのだ。

 興味深いのはEC(ネット通販)比率で70%に達していることだ。もともとは「ホットトピック(HOT TOPIC)」というカウンターカルチャーをテーマにしたチェーンストアが01年に開発した別業態で、出自はリアル店舗である。今年5月1日時点で店舗数は608店舗だが、70%という数値で語るならば“EC企業がリアルも持っている”というレベルとなっている。

 参考までに対象顧客層は25~40歳、顧客の58%は40歳以下、平均サイズは18、となっている。また同社による説明では、プラスサイズ市場は850億ドル、サイズ10以上を着る人口は9000万人だそうだ。

 また2027年までに市場は6970億ドルに成長するだろうという調査企業もある。現在の850億ドルからの乖離が大きすぎるのだが、大型サイズを着る人たちは選択肢が少ないため支出が少なく、潜在的市場は現時点で1040億ドルあると「トリッド」が説明している。つまり現状ではプラスサイズに十分な商品がないため消費が抑制されているが掘り起こせば大きく市場は伸びていくというわけなのである。

売り場から“エクスクルージョン”をなくす

 ちょうどターゲットが大型マネキンを導入した頃に「オールドネイビー(OLD NAVY)」が75店舗に専用の売り場を初めて設けることを発表しているのだが、売り場を分けることを止めて全てのアイテムに0-30サイズを作り、全て同一価格にする計画を明らかにしたのが最近のことである。「大型の女性は買い物でいつもエクスクルージョンを感じていて、それをなくすため」と同社説明している。

 エクスクルージョン(exclusion)とは除外や排他という意味で、その対義語がインクルージョン(inclusion)である。インクルーシブ、またはインクルーシビティとも言い、ジェンダー、LGBT、障がい者、年齢といった区別をせずに全てを包摂すべきだという考え方の標語となっている。体形もインクルーシブの対象で、各社プライスサイズを強化し始めたのもインクルーシブというムーブメントの一環と理解することができる。

 とりわけ若年層に意識が高く、これを何らかの形で取り入れてメッセージを発信しないと時代に取り残される状況となっている。「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)」が不調に陥った大きな理由の一つがこれだ。

 冒頭で書いたとおりアメリカでは体重過多がマジョリティーなので、マイノリティーを包摂するという本来の意義とは厳密にいうと少しズレているのだが、細かいことは言わない。またヘルシー志向というキーワードとも乖離しているだが、このあたりは本稿の目的ではないので書かないでおこう。

 とにかくこれが今の米アパレル業界の大きなトレンドなのである。現実を受け入れて潜在的な市場を掘り起こそうとしているのだ。

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観光客が戻ってきたベルリン 「ニベア」直営店限定の青缶クリームが大人気【海外ビューティ通信】

 ドイツ・ベルリンでは、6月ごろからツーリストの姿を多数見かけるようになった。2020年の新型コロナウイルスのパンデミック以降、久しぶりに見る光景に観光地としての活気を取り戻しつつあるのだと実感した。7月には、街の中心部を結ぶ地下鉄U5の延伸線が完全開通し、博物舘が集結している島「ムゼウムスインゼル(Museumsinsel)」にも駅が誕生した。”博物館島”とも呼ばれるここは、1999年にユネスコ世界文化遺産に登録されている。

 ツーリストが増えるとともにインバウンド効果を発揮しているのが、スーベニアショップ(お土産ショップ)だ。その中でも前述した地下鉄U5沿線上にある「ウンター・デン・リンデン(Unter den Linden)」駅周辺には、有名なスーベニアショップが多数点在しており賑わいを見せている。「ウンター・デン・リンデン」とは、ベルリン王宮とブランデンブルク門を結ぶ大通りの名前であり、歴史的な重要建築が建ち並んでいる人気観光スポットのひとつだ。その通りの一角に位置するのが、今回紹介したい「ニベア(NIVEA)」の直営店「ニベア・ハウス・ベルリン(NIVEA HAUS Berlin)」だ。

 「ニベア」といえば、日本でも馴染みが深く誰もが知っているスキンケアブランドでもあるが、ドイツ第二の都市ハンブルクで生まれたことを知っているだろうか?ニベアは、ハンブルク拠点のグローバルスキンケアメーカーのバイヤスドルフ(BEIESDORF)によって、1911年に誕生した。ニベアとはラテン語で「雪」を意味する「nix, nivis」から由来し、”世界初の油性・水性の安定したクリーム”として、スキンケア業界に革命をもたらしたと言われている。

 「ニベア・ハウス・ベルリン」は、発祥の地であるハンブルクに続き、ドイツ国内における2店鋪目の直営店として2009年4月にオープン。他には、ハンブルクにビューティサロンを1店舗、ドイツ北東部のリゾート地ヴァーネミュンデに1店鋪構えている。ベルリンの店舗は、520平方メートルの広大な敷地を誇り、スキンケア、ボディーケア、ヘアケア、メイクアップ、ギフトなどをはじめとする700種類以上ものオリジナル商品が並ぶ。エステやマッサージなどのリラクゼーションサービスが受けられるビューティーサロンも併設しており、こちらは予約制となっている。

 「ニベア」の製品といえば、ドラッグストアやスーパーマーケットなど、どこでも簡単に手に入るイメージであるが、直営店にわざわざ足を運ぶ理由は、“ここでしか買えない限定商品”の存在である。その中でもお土産としてトップの人気を誇るのが、星座のイラストがデザインされた青缶のクリーム“ニベア・クリーム・ステアンツアイヒェン(NIVEA Creme Sternzeichen)”だ。12星座それぞれのイラストと星占い同様に期間が記された同製品は、75mLのワンサイズのみで値段は2.7ユーロ(約345円)。定番の無地の青缶ニベアクリームと比べると少々高めだが、他では手に入らない希少価値の高さから人気があるのだという。

 星座のシリーズと一緒に陳列されているのは、期間限定パッケージデザインとして販売しているレインボーカラーのクリームだ。LGBTQ+コミュニティーをイメージしたデザインには「世界はカラフルで多様性があり、それが美しさの一部である。」といったメッセージが込められている。同商品は、30mL(89セント、約114円)、75mL(1.69ユーロ、約216円)、150mL(2.19ユーロ、約280 円)、250mL(2.99ユーロ、約371円)の4サイズ展開となっており、直営店以外でも購入することが可能。「ニベア」愛用者である筆者も購入したが、使い終わった後も保管しておきたくなるデザイン性の高さを気に入っている。

 他にも直営店限定商品として、ニベアクリームと同じ香りの香水やリードディフューザー、キャンドル、ギフトセット、マグカップ、ポーチ、タオルといった「ニベア」ファンに向けたオリジナルグッズを豊富にそろえる。ノートやペンといったステーショナリーグッズまで展開していることには驚いたが、時代を超えて世界中で愛されてきた「ニベア」だけに熱心なコレクターがいるのも必然だろう。

 「ニベア・ハウス・ベルリン」の近隣には、歩行者用の信号機キャラクター、アンペルマンのグッズ専門店「アンペルマンショップ(AMPELMANN Shop)」もあり、同様に賑わいを見せている。コロナ禍により観光客が途絶え、一時期はゴーストタウンと化したベルリンの街だったが、ツーリストの増加傾向により、息を吹き返したようだ。

宮沢香奈(みやざわ・かな):フリーランスライター兼コラムニスト。プレス、ブランドディレクターなどを経て、フリーランスとしてPR事業をスタート。その後、ライターとして執筆活動を開始。2014年に東京からベルリンに拠点を移し、ヨーロッパを中心に現地情報を多数の媒体で執筆中

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めくるめく「グッチ」の世界を13の部屋に凝縮 創設100周年記念の没入型エキシビジョンお披露目

 ブランド創設100周年を迎えた「グッチ(GUCCI)」は9月22日、イタリア・フィレンツェ、中国・上海に次いで東京・天王洲アイルで開催する、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの6年間をたどるエキシビジョン「グッチ ガーデン アーキタイプ(Gucci Garden Archetypes)展 アレッサンドロ・ミケーレのビジョンを探検する没入型エキシビジョン」を報道陣にお披露目した。イベントは23日から10月31日まで。事前予約制ながら入場無料だ。

 「グッチ ガーデン」とは、イタリア・フィレンツェに構える「グッチ」のアーカイブをお披露目した美術館のような空間。そして「アーキタイプ」とは「原型」の意味。その名の通り、普段は「グッチ ガーデン」にある貴重なアーカイブ・コレクションを通じて、現代の「グッチ」が体感できる空間に仕上がった。会場は、全部で13の小部屋で構成されており、それぞれの部屋ではミケーレがクリエイションのトップに就任した2015-16年秋冬シーズン以降のアーカイブを1シーズンずつ収めている。

 最初の部屋は、通称「コントロール ルーム」。ここはシーズンにとらわれず、15-16年秋冬以降の「グッチ」のコレクションを紹介するムービーを同時上映している、いわば“序章の間”だ。

 これに続くのは、今回のエキシビジョンの中で最も圧倒的な物量のコレクションが並ぶ「グッチ コレクターズ」の部屋。圧倒的な情熱と、時々エキセントリックかつ偏執的、だからこそ個性的なコレクターの気質を表現した部屋では、大量のぬいぐるみと蝶々、そして影掛け時計が並ぶ鏡ばりの空間に総計160個のバッグ“グッチ マーモント”が並んでいる。

 異様に長い馬の尻尾が揺れる部屋では、ムチやサイハイブーツ、レースと切り替えたスリップドレスなど、ミケーレがそれまで否定してきたエロスを解放した20年春夏コレクションを展示。15-16年秋冬や16年春夏を紹介する部屋では、3Dプリンタで作成したリアルなマネキンがコレクションに身を包み、来場者を出迎える。マネキンが並ぶのは、ロサンゼルスの地下鉄やベルリンのナイトクラブのトイレなど、ミケーレらしいユニークな空間。これまでハイファッションが決して存在しなかった空間や世界と「グッチ」を結びつけることで、ラグジュアリーを世界に解き放ちつつ、人間のリアルに迫り続けるミケーレらしさがうかがえる。

 注目の1つは、16-17年秋冬コレクションを納めた「Tokyo Lights」だ。このシーズン、「グッチ」は日本で広告キャンペーンを撮影。装飾に彩られた大型トラック、いわゆる“デコトラ”やパチンコ店が登場したビジュアルは、センセーショナルなデビュー・コレクション以降カオスなファンタジー路線を突き進みファッション界に激震を与えていたミケーレの評判と重なり、日本でも大いに盛り上がった。エキシビジョンでは、当時を彷彿とさせる本物の“デコトラ”の一部を起き、BGMとしてパチンコ屋の音声を流しながら、ギラギラのネオンの下で日本にも着想を得たコレクションなどを紹介している。

 エキシビジョンのオープン日から都内4店舗と大阪、名古屋の1店舗で販売するビューティ・プロダクトを記念した部屋「Gucci Beauty Network」では、真っ赤なリップの多様なモデルによる臆面もない笑顔の様子を切り取って放映。旧態依然とした「美しさ」に疑問を感じ一石を投じ続けてきたミケーレの精神性がビューティ・アイテムにも脈々と流れていることが分かる。

 学生運動が盛んだった1968年のパリ、冒険映画の1場面、リアリズムを標榜する絵画、そして1000人規模のパーティでてんてこ舞いだった真夜中のキッチンなど、次々に入れ替わる空間は、ミケーレの絶えることのないイマジネーションを垣間見せる。

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スイス発ランニングブランド「オン」が新規上場 800億円を調達

 スイス発のランニングシューズブランド「オン(ON)」を運営するオン・ホールディングAG(ON HOLDING AG)は、9月15日にニューヨーク証券取引所に新規上場(IPO)した。当日は同社の経営陣と共に大勢のアンバサダーらがウォール街を走り、同証券取引所のオープニングベルを鳴らした。

 公開価格は1株20〜22ドル(約2180〜2398円)の見込みだったが、公開前日に24ドル(約2616円)に決定された。IPOでの売り出し株数は3110万株で、資金調達額は7億4640万ドル(約813億円)。公開直後から投資家の旺盛な買いが入り、初値は35.40ドル(約3858円)と公開価格を大幅に上回った。16日の終値は公開価格と比べて56.2%高の37.49ドル(約4086円)となるなど、好調な滑り出しとなっている。時価総額は23億1200万ドル(約2520億円)。

 同社が米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した届出書によれば、2020年12月通期の売上高は前期比59.2%増の4億2529万スイスフラン(約501億円)、純損失は前年の147万スイスフラン(約1億7340万円)から2752万スイスフラン(約32億円)へと赤字が拡大している。しかし、21年1〜6月期で見ると、売上高は前年同期比84.5%増の3億1545万スイスフラン(約372億円)、純損益は前年同期の3305万スイスフラン(約38億円)の赤字から375万スイスフラン(約4億4250万円)の黒字となっている。

 現在、「オン」の商品は世界50カ国以上にある約8100の売り場で取り扱われており、20年12月にはニューヨークにグローバル旗艦店をオープンした。売り上げを地域別に見ると、49%が北米、44%が欧州となっている。チャネル別では、売り上げの38%がECによるものだという。

 「オン」は“ランニングの世界を変える”をコンセプトに、トライアスロンのトップアスリートだったオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)が、デビッド・アレマン(David Allemann)とキャスパー・コペッティ(Caspar Coppetti)と共に10年に創業。独自の技術開発力により、高いクッション性を持つ世界最軽量のランニングシシューズ“クラウド(CLOUD)”を生み出すなどして早くから注目を集め、ロードやトレイルのランナーを中心にファンを増やしてきた。16年からはアパレルも提供。19年には、スイス出身の男子プロテニス選手ロジャー・フェデラー(Roger Federer)がシニアチームメンバーに加わり、投資家およびアドバイザーとして同社に参画している。

 アレマン共同創業者は、「調達した資金は、販売地域や販売網の拡大に加えて、サステナビリティ分野のさらなる強化に使用する。ランニングだけではなく、次世代のニーズに応えられる、アクティブなライフスタイル向けのプレミアムな機能性スポーツブランドとなることが目標だ」と語った。

 同社はサステナビリティにも力を入れており、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいるほか、24年までに全製品に再生ポリエステルおよびポリアミド、オーガニックコットンを使用することを掲げている。また21年1月には、100%リサイクル可能な機能性シューズ“サイクロン(CYCLON)”を発表した。これはサブスクリプションサービスでのみ提供されるモデルで、月額料金3380円で年2回程度シューズの交換ができるというもの。返却した古いシューズは素材別に分解され、新たなシューズの原料になるという。

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10万円のワンピースが顧客支持で堅調 オンワード樫山の「トッカ」が表参道に新路面店 

 オンワード樫山の「トッカ(TOCCA)」は、東京・北青山に新たな路面店「トッカストア表参道(TOCCA STORE OMOTESANDO)」をこのほどオープンした。

 店舗は表参道からほど近い小道沿いにある。店内はブランドのキーカラーである淡いブルーをベースに、フューシャピンクやゴールドなどもアクセントに用いて、ヨーロッパの歴史的建造物を思わせる世界観を演出した。アパレル、バッグやシューズなどの服飾雑貨のほか、香水などのビューティグッズもそろえる。

 今年3月に閉店した銀座路面店に代わる、ブランドの新たな発信拠点と位置づける。店舗面積は103平方メートルと銀座店の1/3程度だが、観葉植物やソファーなどを並べてゆったりとくつろげる設え。「ブランドを本当に好きなお客さまのためのサロンにしたい」と河原康敬・TOCCA課長マーチャンダイザー。

 ブランドの顔である刺しゅうをふんだんに施したドレッシーなワンピース(中心価格帯10万円前後)は、コロナ禍でも売れ行きは堅調に推移している。「日常に特別感を求める顧客に根強い支持がある。結婚式などのオケージョンニーズも、昨年と比較すると復調傾向にある」。「トッカストア表参道」の目玉として、デザインや好みの丈にカスタムオーダーできるワンピースの限定ライン“マイオンリー(MY ONLY)”も用意した。

■TOCCA STORE OMOTESANSO
住所:東京都港区北青山3-8-18
営業時間:12〜20時(不定休)
電話:03-6434-1333

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大学生と一緒にサステナビリティを考える 「今週の特集お届け隊」2021年9月20日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年9月20日号からの抜粋です)

村上:セレクトショップなどが集うサステナファミリーセールのイベントに登壇した時、サステナブルファッションについて考えている大学生と知り合う機会があって。今後社会で活躍するであろう大学生たちと何か一緒にやってみたいとずっと考えていたので、今回はいいチャンスだった。ソーンさんは何が印象的だった?

ソーン:私もZ世代ではあるのですが、「何をサステナブルとするか」が違うと、「こんなにも意見が違うのか!」というのが驚きでした。

村上:再生可能な素材を使っていることがサステナブルだという考えもあれば、長く着ることがサステナブルという考えもある。でも全ての視点をクリアするのは不可能だから、ブランド側はそれらのどこに焦点を合わせてモノを作るか問われるようになるね。

ソーン:そうですね。入社して1年半の仕事を通じて、学生時代の自分だったら感じなかった企業側へのシンパシーが芽生えていて、生活者に伝わっていない部分や誤解が本当にたくさんあるなと感じました。SNSを中心に情報を取得していると、自分のコミュニティー外の考えに触れる機会や量の調整がある程度自分でできるので、企業が新しい情報をみんなに届けるのは難しい気がします。その中でもコミュニケーション方法を工夫して、より多くの視点を提供することはメディアとしてできることなのではないかと思いました。

村上:一方の学生も意義ある取り組みやアツい想いを十分発信しきれていないだろうから、彼らの考えや取り組みを伝えていくことも、われわれができることだよね。各団体とは月イチペースで寄稿形式の連載を始めたい。学生の一人が言っていた「平等ではなく、公平な関係性」を意識して、連帯していきたいな。

ソーン:「学生だからといって機会があればなんでもうれしいわけではない」という大人へのシビアな意見には私も共感しましたし、私も“対等”でありたいと思います。みんな「ファッションは楽しい」「オシャレが好き」が出発点で、だからこそ「なんとかしたい」という思いを抱いていると感じました。業界と学生をつなげていける長期的な関係性を築いていきたいです。

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今は高級車もオンラインで買う BMWが西陣織を取り入れた特別車1680万円をネットで販売

 独BMWのジャパン社であるビー・エム・ダブリューは9月22日、ラグジュアリーSUVの「BMW X7」で、京都の伝統工芸、西陣織を内装に取り入れた特別モデル「BMW X7 NISHIJIN EDITION」を発売する。限定3台で、価格は税込み1680万円。2020年にスタートした「BMWと日本の名匠プロジェクト」の第3弾。

 西陣織の楽芸工房、加納幸と組み、ダッシュボードやアームレストの部分に“引箔”と呼ばれる技法や、細かいテープ状にしたレザーと絹糸で柄を織り上げる技術を取り入れた。昨年販売した「日本の名匠プロジェクト」第1、2弾では、漆絵らでん細工や銀板の象がん職人と組んでいた。

 自動車という他業界の話ながら、ファッションやビューティ業界関係者も頭に入れておいて損はない今回のプロジェクトのポイントは、販路をビー・エム・ダブリューのオンラインサイトに絞っているという点。テスラなど一部を除き、一般的に自動車は販売店で買うもの。そんなイメージを覆し、同社は20年7月から全車種をオンラインサイトで販売している。ウェブ上で外装色や内装、燃料タイプなどを選べるようにしており、納車まで一度も実車を見ることなくオンライン上で完結することも可能。特に今回のような限定車はオンライン販売との相性が良く、20年9月にオンラインで売り出した限定車7台(1860万円)は、発売3分で完売したという。

 「ビー・エム・ダブリューとして、オンライン販売に力を入れている。コロナ禍でステイホームが広がっているという背景もあるが、同時に時代の流れとして、自動車もオンライン上で情報を確認して購入するようになってきている」と、同社の遠藤克之輔BMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長。オンライン販売は国産車メーカーに比べて販売店が少ないことをカバーすることもでき、同時にこれまで接点のなかった客との出合いや、常に新しいことにチャレンジするというブランドイメージの創出にもつながると期待する。

 百貨店の特選・宝飾カテゴリーの売り上げが、富裕層、特に30〜40代などの若年富裕層の高額品消費によって活況だ。それと同様に高級車市場も、コロナ禍によって抑制されている海外旅行や外食の代理消費として好調という。「30〜40代の富裕層は高級車のマーケットでも注目されている。彼らは宝飾品や現代アートを購入するのと同様に、車も単なる乗り物としてではなく、より芸術的なもの、ストーリーのあるものにお金を払うようになってきている」と遠藤本部長は分析する。

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「バカラ」が「ジョジョの奇妙な冒険」とコラボレーション “アルクール”誕生180年記念

 「バカラ(BACCARAT)」は10月5日、人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」とコラボレーションした特別モデルを発売する。このコラボは同ブランドのアイコンである“アルクール”誕生180年を記念するもので、ワイングラスとタンブラーの2種類。ワイングラスには、マンガに登場する“スタンド(超能力を具現化した姿)”というキャラクターが3種類、タンブラーには5種類描かれている。

 “アルクール”が誕生したのは1841年。「ジョジョの奇妙は物語」は19世紀から現代まで、時や国を超えた壮大なストーリーと独特の世界観でファンを魅了しているという共通点からコラボが実現。作者の荒木飛呂彦は、「“スタンド”は心の力であり魔除けとしてデザインした。その中の一つの石仮面は“永遠の生命”を意味する。ワインを注いだときにどう浮かび上がるか楽しみだ」とコメントしている。
 税込価格は、ワイングラスが’7万7000円、タンブラーが7万1500円。

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ユニクロ「UT」、現代アーティストのジェフ・クーンズと初コラボ 10月1日に発売

 ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」は10月1日、米国の現代アーティスト、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)とのコラボレーション商品全8型を発売する。クーンズとのコラボは初。グラフィックのモチーフとして、クーンズの代表作の一つ“Balloon Dog”など5つの彫刻作品を取り上げる。

 「ユニクロ(UNIQLO)」一部店舗と公式ECで販売予定。11月21日から2022年3月31日までカタールで開催される、クーンズの個展でも販売予定だという。また、今回のコラボの収益の一部はクーンズを通し、カタール・チルドレンズ・ミュージアムの設立支援に充てられる。

 取り上げるモチーフは“Balloon Dog”と“Play-Doh”、“Seated Ballerina”“Rabbit”“Gazing Ball”の5つ。それぞれTシャツ(1500円)やスエットフーディー(2990円)にプリントしている。メンズサイズでXS〜4XL(一部サイズはECのみで販売)をそろえる。

 コラボにあたり、クーンズのインタビュー動画なども配信する特設ウェブページを作成。クーンズは「ユニクロの服がカルチャーや世代の垣根を超えて受け入れられていることはとても素晴らしい。今回のコラボにより、世界中の人が『UT』という共通の服でつながり、アートが日常を豊にする一助になれば」とコメント。ユニクロのジョン・C・ジェイ(John C. Jay)グローバルクリエイティブ統括は「ユニクロはアートを支援する活動やアーティストとのコラボを通し、あらゆる人の生活をより豊かなものにしたいと考えている。今回のコラボで、“アートが持つポジティブな力を感じてほしい”」とコメントしている。

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花王が積極的な休息や休憩を推奨 働きやすい環境作りと社員の健康維持が目的

 花王は、東京・茅場町の本社勤務社員を対象に、就業時間内に積極的な休息や休憩を取り入れた働き方「休み休みWork Style」の推奨を10日から開始している。この取り組みを通し、これまで以上に働きやすい環境作りの推進や、心身の健康維持と業務の生産性向上に努めていく。

 近年の働き方の変化により、フレキシブルで柔軟な働き方を創出している一方で、働く場所が自宅中心となることで時間制限なく働いてしまうなどの課題も出ている。花王もオフィスワーク中心の本社社員は在宅勤務を基本としているが、就業時間内の適度な休息・休憩が必要と感じている社員も多くいることが分かった。そこで、同社は、就業時間内でも積極的な休息・休憩が取れる社内風土の醸成と環境作りを進める。

 「休み休みWork Style」では、1時間あたり5~10分の休憩などこまめな休憩でより業務に集中できるように「リフレッシュタイム」の活用を進める。さらに、「思いやりタイム」の推奨として、社員に会議予定を送信する際は終了時刻を5~10分程度前倒しで設定するなどの工夫を呼びかける。そのほか、すでに導入しているフレックスタイム制をより多くの社員に活用を推奨し、プライベートや自己啓発、リフレッシュの時間を取り入れてワークライフバランスの向上を図っていく。また休憩の際に活用するため、「めぐりズム」のアイマスクをはじめとする自社製品配布も計画する。

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「ケイト」が顔印象分析を行う自動販売機を設置 35万通りからAIが4色アイシャドウを提案

 カネボウ化粧品のメイクブランド「ケイト(KATE)」は、35万通りの組み合わせの中からAIでパーソナライズされた4色のアイシャドウが出てくる自動販売機「KATE iCON BOX」を期間限定でマツモトキヨシmatsukiyo LAB 相模大野ステーションスクエア店に設置している。その後の設置店舗は「ケイト」公式ブランドサイトで随時更新する。

 「KATE iCON BOX」は、AI技術×「ケイト」独自ロジックによる顔印象分析を行い、26色の単色アイシャドウ“ザ アイカラー”から4色を組み合わせた“KATEオリジナルアイシャドウパレット”とメイク方法を提案。また、“ザ アイカラー”の26色から好みの4色をカスタマイズすることもでき、保護シートには名入れも可能だ。さらに分析結果とオリジナルパレットの画像は保存し、シェアすることもできる。

 “ケイト ザ アイカラー”は、色と質感で自在に選べる26色の単色アイシャドウ。質感はパール・マット・グリッター・クリームの4タイプをそろえる。

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Z世代のリアルな消費トレンド! 大学生のお気に入りアイテム7選〜上智大学編〜

 「WWDJAPAN」は、ファッションサークルを運営する現役大学生とタッグを結成。環境意識や社会への関心が比較的高いといわれるZ世代のリアルをお届けする。まずはZ世代のお気に入りアイテムを調査。「何を考えてモノを買っているのか?」や「モノを買うときの優先順位は?」「そもそもモノ、買うの?」と疑問だらけの業界人は必読だ。

 今回紹介するのは、上智大学発のcarutena(カルテナ)で活動するメンバーのベストアイテム7選。回収した衣服からトートバッグやエコバッグ、巾着などの小物商品を製作して販売しながら、環境問題に対する啓蒙活動にも20人が取り組んでいる。それぞれのアイテムのお気に入りポイントを紹介する。

購入せずに一旦帰宅するも、心に残ったNBAコラボバック

 店頭であまりの可愛さに一目惚れした「ナナナナ(NANA–NANA)」とナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)のコラボ商品「フープバスケットボール(Hoop Basketball)」。バスケットボールの生地をバッグにするという発想がもう素敵!普段から衝動買いはしないようにしているので、一旦購入せず帰宅。しばらく経っても心に残っていたので、見かねた母が誕生日にプレゼントしてくれました!私がゲットしたのは、ゴールデンステート・ウォリアーズ(Golden State Warriors)チームのもの。青と黄色の配色が魅力的でシンプルな洋服に合わせたいと思います!大きさや形も何種類かあり、他のNBAチームのカラーも展開されていて、推しチームとの出合いのきっかけになるかも。(さち)

「良いものを選んで長く愛す」ため、一点モノにこだわる

 地元・愛媛で作られている一点モノのピアス。ハンドメイドならではの温かみのあるデザインに一目惚れして購入しました。カルテナ(carutena)も一点モノにこだわって商品をお届けしているので、活動を始めてからは特に「世界でひとつだけ」のものに魅力を感じるようになりました。「フルラ(FURLA)」の時計は叔母からの、「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」の指輪は母からのお下がりで、どちらもとても大切にしています。指輪はさり気ないロゴの刻印が素敵!今とはフォントが違うロゴも時代を感じさせてくれます。私も叔母や母のように「良いものを選んで長く愛す」ようにしていきたいです。(ななこ)

“ゆりかでん”のハンドメイドバッグは直して使うほどのお気に入り

 大好きなスタイリストの中野ゆりかさんが作った巾着バッグがお気に入り。ハンドメイドに惹かれます。ひとつひとつ色や柄の組み合わせが異なるので、迷いに迷ってゼブラ柄を選びました。巾着のまんまるとしたフォルムもたまりません……!あまりに気に入って何度も使っていたら紐が切れてしまったため、紐とタッセルは自分で手芸屋から選んできました(笑)。元々の紐の色も気に入っていましたが、自分で直してからはさらに愛着が増しました。(ななこ)

カーデをサラッと羽織って秋を迎える

 アイボリーのカーディガンを高松市の古着屋「ファズ!(FUZZ!)」で購入しました。8月下旬、急に気温が低い日が続き「これはもう秋服を準備せねば……!」と焦っていた際に着心地も良く着回し力抜群のカーディガンに出合えて幸せな気持ちになりました。しかし、その翌週には34℃を超える夏日がまた復活など、天気に日々振り回されています……(笑)。9月に入ってからは特に夜になると冷え込むようになってきたので、夏に買ったキャミワンピにさらっと合わせる楽ちんコーデが気に入っています。「ファズ!」は気さくに接客してくれる店主さんと、可愛すぎる看板猫もいて和みます。(ななこ)

ビンテージ花瓶ゲットで“ロスフラワー”にも興味

 代々木上原の「アーチウェイ(ARCHWAY)」でビンテージの花瓶を購入しました。おうちで過ごす時間が増えたので、お部屋を”ときめく”空間にしたい……!とあれこれ工夫しています。この花瓶は壁に掛けられるという珍しいもの。最近では規格外のため美しいまま廃棄されてしまう「ロスフラワー」を救う取り組みも気になっています。洋服に限らず、食べ物やお花の廃棄を減らす活動にも積極的に取り組んでいきたいです。(ななこ)

オンライン授業が続く大学生活に彩りと癒しを

 おうち時間に少しでも癒しが欲しくてサボテンを購入。友人に名前を付けてもらい、ツン(オレンジのサボテン)とマル(緑のサボテン)という愛称のもと、大切に育てています!今では成長してしまい、写真とは色も形も変わってしまいましたが……。オンライン授業やミーティングで疲れてしまう毎日ですが、なぜかサボテンを見ると心が安らぎます。自然の力は偉大だなと感じます。まだまだ不安な日々が続くので、おうち時間が華やかになるような工夫を見つけていきたいです。(あかり)

自分だけのオリジナルダイアリー

 2021年の日記は、世界でひとつだけのオリジナルダイアリーを作ることができる「ハイナインノート(HININE NOTE)」で購入。友人と一緒に作り、自分の好きなモノを詰め込みました!色や形、大きさに加えて、金具の種類や紙の素材も自分の好みのモノにできます。少し背伸びして、ゴールドの金具と日記の裏地には皮を模した厚紙をセレクトしました。友人の作り上げた日記もその子のカラーが出ていて、素敵でした。2021年もあと少し。日記が彩られるような日々にするためにも一日一日を大切したいと思います。(あかり)


 9月20日発売の「WWDJAPAN」は、ファッション系サークルを持つ4つの学生団体の声に耳を傾け、Z世代のファッションとサステナビリティに対する意識や考えを調査。Z世代とのコミュニケーション方法を模索する業界人は必読だ。

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Z世代のリアルな消費トレンド 大学生のお気に入りアイテム10選〜慶應義塾大学編〜

 「WWDJAPAN」は、ファッションサークルを運営する現役大学生とタッグを結成。環境意識や社会への関心が比較的高いといわれるZ世代のリアルをお届けする。まずはZ世代のお気に入りアイテムを調査。「何を考えてモノを買っているのか?」や「モノを買うときの優先順位は?」「そもそもモノ、買うの?」と疑問だらけの業界人は必読だ。

 今回紹介するのは、慶應義塾大学のKeio Fashion Creatorで活動するメンバー10人のベストアイテム。服飾専門学校のエスモードジャパンと提携して服作りを本格的に学びながら、年一回のファッションショーを開催する。メンバーそれぞれのアイテムのお気に入りポイントを紹介し、着回しも一緒にお届けする。

成長に合わせて何回も新調するほどの一着

 物心ついた頃から常にクローゼットの中に入っている「アニエスベー(AGNES B.)」のカーディガンプレッションがお気に入りです。母親がブランドの大ファンなので、定番のこのアイテムは、私の中でも"超ど定番"。成長に合わせてサイズアップと新調を繰り返し、もはや今回が何回目の購入かわからなくなってしまいました。左右のスナップボタンを掛け違いにすれば着方は無限大!前後ろを逆に着ると背中の開き具合がエレガントな雰囲気を醸し出します。心躍らせる一着です。(脇嶋のに花)

季節関係なくオールシーズンで着用できるハットにトキメキ

 私の最近のお気に入りは、「シュリンプス(SHRIMPS)」のバケットハットです。新宿のザ・フォー・アイド(THE FOUR EYED)というセレクトショップで購入しました。2021-22年秋冬のアイテムですが、薄めの生地なので季節関係なくオールシーズンで着用できるのが嬉しいポイントです。このハットの特徴は、ツバを折り曲げたり、パールが取り外したりできるところ。被り方によって雰囲気がガラッと変わるので、コーディネートの幅が広がりました。同素材のスカートも発売されているので、合わせて購入しようか迷い中です。(長瀬唯)

ひとクセある古着がヒット!!

 ピンクとオレンジのスケシャツは、渋谷にある古着屋スーパー・ラブ・マーケット(Super Love Market)で購入。シャツを2枚重ねているようなデザインで、差し色を入れたいときや色で攻めたいときに大活躍するアイテムです。普段から古着をよく着ます。その中でも直感でビビッとくる洋服やひとクセあるアイテム、他とはちょっと違う洋服を中心に沢山のコーディネートが組めそうな洋服を選んでいます。スーパー・ラブ・マーケット自体はまだできて間もないお店ですが、個性的な洋服や可愛いデザインの古着と既製品をそろえていて、行けば必ず何か欲しいアイテムが見つけるような素敵なお店です。(高野愛里)

ふらっと立ち寄った古着屋で出合った「トーガ」

 “自分が好きな服とは何だろう”と模索していたとき、ふらっと立ち寄った古着屋で見つけたのが、「トーガ プルラ(TOGA PULLA)」17年リゾートコレクションの"ホワイトシャツ"。1番に惹かれたのは、ウェーブ感が自然と膨らみを持たせてくれているアーム部分。柔らかな印象で「トーガ」らしいウエスタン調のボタンとのコンビネーションが最高に好き。白シャツのかっちり感を生かしたコーディネートで印象を変えられるので、その日その日のムードを大切に着回しています。ボトムにジーンズを合わせて、「トーガ」らしいウエスタンな雰囲気に仕上げることも。撮影時は、シャツを羽織り暑さに抗うことをも許されない暑熱の候である8月。"ホワイトシャツ"の出番はまだまだこれからだ。(杉浦碧)

コミュニケーションのきっかけとなるミニマムなバッグ

 もともと荷物が少なく、バッグを小さいものにしたいと思い購入した「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」のキャップバッグ。いつもはカードや家の鍵、小銭などを入れています。アイコニックで遊び心あるデザインなので、あえてカラーは黒を選びました。意外とどんなファッションにも合わせられ、悪目立ちしないのがこのバッグのすごいところ。物もたくさん入るので常に持ち歩いています。このバッグをきっかけにコミュニケーションが広がることもあるので、私の中で欠かせないアイテムです。(佐藤美和)

感性に訴えるジャケットで明るい色に挑戦

 秋服を探しているときに、デュード(dude)原宿という古着屋で白いジャッケットを購入しました。黒い服を着ることが多く、暗くなりがちなので明るい色に挑戦してみようと思いゲット。「コム デ ギャルソン・オム(COMME DES GARCONS HOMME)」のクラシカルなデザインに惹かれました。袖を捲るとマドラス柄のチェックが見え、アクセントになるのでとてもお気に入りです。基本的に洋服を購入する際は、感性に任せています。服屋で長居する事は比較的少ないです。(伊藤優輝)

スカートを履いているような布感をもつ圧倒的ベルボトム

 20年の4月頃、学芸大学駅の近くのエンドレス(Endress)という古着屋でパンツを購入。このショップは普段から僕のドストライクが詰まっているお店なのですが、特にこのパンツは印象的でした。圧倒的ベルボトムに一目惚れして即決で購入しました。足元は床を少しだけ擦る長さで、スカートを履いているような布感があります。歩き方によって見え方が変わって「見て!このパンツ!」と言いふらしたくなるアイテムです。素敵すぎるあまり心の準備ができていないと履けないパンツなので、まだ1、2回しか履けていません(笑)。(藤原拓馬)

白ソックスにショーツのスタイリングを大人っぽく仕上げる

 最近のお気に入りは、「ステファン クック(STEFAN COOKE)」のローファーです。ローファーに白ソックスにショーツのスタイリングにハマっています。子どもっぽくなってしまいがちなので、足元にこのローファーを持ってくると、程よいアクセントになって差別化できます。今の自分の気分にハマり、ついつい毎日履いてしまうお気に入りのローファーです。これからも大切にしていきたいです。(土井璃久)

中国のブランドを取り入れて苦手意識を払拭

 太身のパンツはどうしても野暮ったい印象になりがちで、線が細い自分には似合わないという先入観からずっと避けていました。それを一瞬で払拭してくれたのが「ジギー チェン(ZIGGY CHEN)」という中国のブランドのワイドパンツ。行きつけのセレクトショップで店主の方に勧められ乗り気でないまま試着したところ、あまりにも自分の体格にフィットし僕も店主さんもびっくり。肩幅が狭いのでパンツが太身だと全体的に三角形のシルエットになるからよく似合うと言われて、とても納得し即決。この夏は初挑戦のワイドパンツとシャツを合わせてオリエンタルな雰囲気でまとめあげました。(杉山陽紀)

ジェンダーレスなラインに注目

 お気に入りのブランドやデザイナーがいないので、普段から心躍った物を買うようにしています。トキメキを大事にして出合ったのがこのカバンです。持ち手がラバー素材になっていて、サイズ感が絶妙。そしてなによりこのカラーがとても可愛くて購入しました。一見派手なので合わせにくそうに見えますが、何にでも合うのもポイントです!モノトーンコーデの差し色にもなるし、色物の服にも上手く馴染みます。明るい色が好きなので、買って良かったアイテムだなと思っています!ユニセックスアイテムがとても豊富な「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」の「ヘブン バイ マークジェイコブス(Heaven by Marc Jacobs)」は今後も注目です。(金森巧樹)


 9月20日発売の「WWDJAPAN」は、ファッション系サークルを持つ4つの学生団体の声に耳を傾け、Z世代のファッションとサステナビリティに対する意識や考えを調査。Z世代とのコミュニケーション方法を模索する業界人は必読だ。

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Z世代のリアルな消費トレンド 大学生のお気に入りアイテム9選〜早稲田大学編〜

 「WWDJAPAN」は、ファッションサークルを運営する現役大学生とタッグを結成。環境意識や社会への関心が比較的高いといわれるZ世代のリアルをお届けする。まずはZ世代のお気に入りアイテムを調査。「何を考えてモノを買っているのか?」や「モノを買うときの優先順位は?」「そもそもモノ、買うの?」と疑問だらけの業界人は必読だ。

 今回紹介するのは、早稲田大学のRethink Fashion Waseda(以下、ReF)で活動するメンバーのベストアイテム9選。ReFは「ファッション」という切り口から持続可能な社会の実現について考え、行動する仲間を増やすことを目的に、SNSでの情報発信に取り組む。それぞれのアイテムのお気に入りポイントを紹介し、着回しをお届けする。

古着で攻めたカラーに挑戦

 「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」の紫色の薄手のジャケットを古着屋で800円ほどで購入しました。購入の決め手はなんといっても、パッと目を引くような鮮やかな色と着回しのしやすさ。普段は挑戦しない明るい色のアイテムも古着なら挑戦しやすいです。ドレッシーなルックから、ジーンズのカジュアルなルックまで、スタイルを選ばず羽織ることができるので、お気に入りのアイテムです。生地が薄手であることに加え、ポケットもついているので、ジャケットであっても堅い印象を与えないところもお気に入りポイントです。(Hibiki)

地球も私もハッピーな習慣を

 「オールバーズ(ALLBIRDS)」の“ナチュラル ラン フォーム タンクトップ”は、ランニング用にも日常使いにも重宝しています。天然素材を使用していて、地球がハッピーで私もハッピー。ブランドとしての透明性も高く、出来るだけ環境負荷を抑えながら作られていて応援しています。同じく「オールバーズ」のショーツやフラットシューズを合わせました。シューズは裸足でもはけて、洗濯機で丸洗いできるので何足も持っています。自分でアップサイクルもたまにするので、小さい頃履いていたジーンズをアレンジしてバケットハットを作りました。裏地には昔作ったエプロンの余った生地を使っています。(Sakura)

家族のお下がりでモノへの思い入れも倍増

 母からもらった「プラダ(PRADA)」のバッグが大好き。近年人気がじわじわと再熱しているナイロンバッグは、シンプルなのでどんなお洋服にも合わせやすくてとても気に入っています。このバッグ以外にも、日頃から母や姉とは洋服やバッグをもらったり、シェアしあったりしています。元々古着やビンテージものに抵抗があったので、思いがけぬ出合いが嬉しかったです。家族のお下がりをもらうとモノへの思い入れも深まるので、エコだしとっても素敵。(Ari)

90年代のチノパンをメルカリで購入

 最近のお気に入りは、「ポロ スポーツ(POLO SPORTS)」のチノパン。90年代のもので、メルカリで購入しました。何にでも合わせやすいベーシックな形のため、これからの秋シーズンに大活躍しそうな予感。背面に付いているタグがお気に入りです。また、ベルトがついているためウエストのサイズ調節が効くのもナイス。オンラインストアなどでのボトムスの購入は失敗する事が多く抵抗がありました。ウエストや股下などのサイズをしっかりと把握するようになってからは、自分に合ったサイズ感のものを選べるようになりました。(Mahiro)

SNSでビーガンレザーに出合う

 「メゾン スペシャル(MAISON SPECIAL)」のビーガンレザーのパンツがお気に入り。ビーガンレザーも環境に負荷をかけていないわけではないので完全に支持派ではないのですが、動物福祉のことを意識して自分なりに納得できるものを選びました。出合いのきっかけは、インスタグラム。ユニークな素材でオシャレ度も一気に上がるレザーアイテムをずっと探していました。白いラインとエッジの効いている感じが好みで、店頭で購入。試着しないとイメージが湧きづらいので、店舗を持つブランドでは絶対試着しています。レザーものは難易度が高いと思っていましたが、さまざまなアイテムに合うので重宝しています。汚れもつきにくいので、楽ちんで可愛くてお気に入りです!(Zoe)

デッドストックの生地を使うブランドが推し

 フランス発の「メゾン・クレオ(MAISON CLEO)」のブラウスが気に入っています。大袈裟なくらいのパフスリーブが可愛いく、着た時のシルエットがお気に入り。ラップブラウスなので、巻き方によって何通りかの着方が楽しめるのもポイント。シンプルな白ブラウス+ジーンズのスタイルが好きで、白いブラウスは何枚も持っています。もっと冒険したデザインに挑戦して個性を出していきたいです。「メゾン・クレオ」はデッドストックの生地を使って、すべてのアイテムをオーダーメイドで作っているのでいつもチェックしています。(Minami)

生産に関わる人に対する熱意に共感

 アイテムの全てをすべて日本国内で生産する「メルシー(MERCI)」。透明性が高く、生産に関わる全ての人への想いが詰まっていて、好感を持っています。使用済みのペットボトルをリサイクルした生地で作ったスカートや、オーガニックコットンのシャツなど、環境に配慮した素材を使用しているのも安心して購入できます。夏でも涼しく着られるパンツは、色味や形もきれいなのでとっても気に入ってます。お家で洗ってもシワにならないので、長く着続けたいです。(Aiko)

イズ世代の母とジーンズを通して思い出話に一花咲かせる

 近年ハイライズジーンズが人気ですが、昔流行したローライズにも挑戦してみたくなり、「グッチ(GUCCI)」ビンテージを購入。ローライズ世代の母に話を聞きながら着こなしを考え、母が着ていた「アルマーニ エクスチェンジ(ARMANI EXCHANGE)」のTシャツを合わせました。ビンテージのものを選んだことで、着なくなっていた洋服との新しい出合いが生まれました。世代を超えて思い出を共有できてうれしかったです。(Hiyori)

メンズアイテムもシーズンレスに愛用中

 ロサンゼルスの留学中に出合ったメンズのストライプブレザーは、現地の古着屋でゲット。大きめのブレザーが欲しかったので、偶然の出合いに大喜び!価格も手頃でした。古着は一点一点違うため、自分にぴったり合うものを見つけるのは難しいですが、その分いいものに巡り合えるととてもうれしいです。ブレザーのインナーを調整すると、いろんな場面や季節で着られるので、長く愛用しています。(Zoe)


 9月20日発売の「WWDJAPAN」は、ファッション系サークルを持つ4つの学生団体の声に耳を傾け、Z世代のファッションとサステナビリティに対する意識や考えを調査。Z世代とのコミュニケーション方法を模索する業界人は必読だ。

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Z世代のリアルな消費トレンド 大学生のお気に入りアイテム13選〜青山学院大学編〜

 「WWDJAPAN」は、ファッションサークルを運営する現役大学生とタッグを結成。環境意識や社会への関心が比較的高いといわれるZ世代のリアルをお届けする。まずはZ世代のお気に入りアイテムを調査。「何を考えてモノを買っているのか?」や「モノを買うときの優先順位は?」「そもそもモノ、買うの?」と疑問だらけの業界人は必読だ。

 今回紹介するのは、青山学院大学のAoyama Fashion Associationで活動するメンバー13人のベストアイテム。2018年に設立し、あらゆるブランドやデザイナー、アーティストから刺激を受けながら本格的なデザイン活動や撮影、イベント企画を行っている。メンバーそれぞれがベストアイテムのお気に入りポイントを紹介し、着回しも一緒にお届けする。

長く大切に着たいと思える洋服をコツコツ集める

 「ミューラル(MURRAL)」のシアートップスを前シーズンに買い逃してしまった苦い思い出があるので、今回は早めにゲットしました。普段から白黒に偏りがちなのですが、派手すぎないのにきちんと主張する絶妙な色味とシアーな生地の軽やかさに惹かれてオンラインサイトのプレオーダーで購入。後ろにファスナーが付いているので、着脱時のストレスが軽減されているのも嬉しいポイントです。1枚でも着られるし、ワンピースやシャツの中に仕込んでも可愛いので、真夏以外は年中着られそうなのも良い!長く大切に着たいと思える洋服をコツコツ集めていきたいです。(伊東小町)

個性を表す強い味方「フューシャピンク」

 殻を破り、自分自身のファッションにおける個性を表に出したく、「ポール・スミス(PAUL SMITH)」のカジュアルスーツを購入しました。パンツ、ジャケット共にフューシャピンク一色なので、セットアップで着ると統一感が出て、派手目のインナーやアクセサリー、パンツと合わせてもカラーの主張を残せます。これを着てから派手なカラーのカッコよさと、自信によるパワーを実感。フォーマルでもカジュアルでも色々な組み合わせができて、自分のファッションを楽しませてくる最高にお気に入りのアイテムです。(岸海星)

エディ・スリマンの大ファンで「セリーヌ」に大注目!!

 エディ・スリマン(Hedi Slimane)アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターらしさを表すグランジ、ロック、ストリート要素が詰まった「セリーヌ(CELINE)」2021年春夏コレクションのダメージジーンズがお気に入り。グランジ感やダメージの“荒らっぽさ”があるのに、スリムなシルエットが絶妙に上品さを保っていて、古着のトップスやシャツ、ジャケットなどとスタイリングしやすいです。エディ・スリマンのファンで、2000年代の「ディオール オム(DIOR HOMME)」のスタイルなどが好きなので、「セリーヌ」に注目しています。約10年前の「ディオール オム」のアイテムも、デザインや質は色褪せず綺麗な状態。物理的にも長年使えるので、究極のサステナブルだと感じます。(久野鼓太郎)

“同い年”のジーンズは一生を共にする仲間

 最近購入した「リーバイス(LEVI'S)」の501は、一生を共にするパートナーです。というのもこのジーンズは、自分の誕生日と同じ2002年1月生まれ。お互い生まれてから同じ惑星で同じ時間を過ごしていると思うと、見つけた瞬間から愛が止まらない。よく1人で眺めながらニヤニヤしちゃいます(笑)。洋服長くを着ようとする上で、デザインはもちろん背景や歴史に魅力を感じることは、自分にとって大切なこと。サステナブルでもありますし、一生を共にする愛せる仲間ができた気がしてとても気に入っています。(武内海斗)

王道の白Tはシンプルさとロゴに一目惚れ

 普段使いがしやすい白Tを求めていたところ、パルコで「アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)」のロゴが入っているシンプルなTシャツに出合えました。数ある白Tの中でも、ワンポイントのハートのエースが決め手でゲット。ジャケットの下に着るとチラッと見えてキュートです。モデルのkoki.が同ブランドのセーターを着ていたのをきっかけに注目していました。(高橋果鈴)

高くても、「良いものだから大切に長く着たい!」がモットー

 いつもはボーイッシュな服を着ることが多いけれど、大人でいつもとは違う自分になりたくて、「サトル ササキ(SATORU SASAKI)」のコーデュロイのシャツワンピースをチョイスしました!デザイナーズブランドは高いけれど、良いものだから大切に長く着たい、というのがモットーです。この服で今持っている服とどんなコーディネートができるかを考えながら買い物をするのが大好きな時間。今回選んだシャツワンピはサラッと1枚で着てもバッチリ決まるところがヒットです。下にスカートを合わせてキュートな雰囲気にしたり、パンツにしてクールに決めたりすることもできる万能さが気に入っています。(小川はる)

古着屋のハードルをアイテムの可愛さで克服

 モノトーンでシンプルなアイテムをファストファッションから購入することが多いですが、個性的で他と被らないリーズナブルなアイテムを求めて古着に挑戦。給料日に「今日こそはいいものと出合いたい!」と意気込んで、最初に入ったお店でまさかの一目惚れ。「オールドハニー(OLD HONEY)」の半そでシャツは、生地が縫い途中であったり、紐が複数ついていたりと遊び心が盛りだくさん。リボンを前で作ったり後ろで作ったり、作らなかったりと、これだけでもさまざまな着こなしが楽しめます。この服に出合えて、服作りに決まりはないし、着方も自分次第ということを知ることができました。黒に近い紺色なので着回しがしやすく、今期で一番買ってよかったと思える服です。(狩野陽香)

モードの中にストリートの要素を取り入れるのがお気に入り

 手がプリントしてある「エミッション(EMISSION)」のオックスフォードシャツが今一番好き。元々ストリートファッションが好きなので、モードの中にストリートの要素を入れたりして着るのがお気に入りです。「エミッション」はストリートブランドなので、モード風にコーデしてみました。ブランド全体はモノトーンを基本にしていますが、モノクロを極限まで追求した斬新かつシンプルなデザインに惹かれます。服だけでなくアクセサリーなどにも注目しています。(小藤田巧)

「アメリ ビンテージ」の絶妙なグリーンに胸キュン

 「アメリ ビンテージ(AMERI VINTAGE)」で絶妙なグリーンに惹かれて購入しました。ハイウエストで、タックが入っているため、脚を長く見せてくれて重宝しています。シャツやベストと合わせればキレイ目に、Tシャツなどと合わせるとカジュアルにと、何にでも合わせやすく、幅広いコーデが組めるのでとてもお気に入りです。(渡部紗也加)

「ユニクロ」のシンプルなアイテムは刺繍を加えてオンリーワンに

 「ユニクロ(UNIQLO)」のシンプルな黒のTシャツは、生地感が好みで購入しました。無地なので、趣味の刺しゅうでアクセントを付けてアレンジ。着飾ることが難しい夏服でも、刺しゅうのワンポイントがあることで可愛さが増してコーデを組むのが楽しくなりました。胸元にアレンジを加えたので、ジャケットを羽織っても存在感は抜群。上品さを出す黒のコーデでも刺しゅうやアクセサリーを用いてカジュアルに落とし込んで着るのがお気に入りです。(梅原路旦)

夏でも素材で遊ぶ!今夏はコーデュロイに挑戦

 モノトーンの服が基本多く、パンツは黒のスラックスやジーンズ、スカートも黒が多いのですが、オールホワイトにハマりオールシーズン使えるコーデュロイパンツをゲットしました。青山にある「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」で購入。少しダボっとしていて、ロゴが全体的に刺繍されているところに惹かれました。特に夏はシンプルなコーデになりがちなので、素材が少し違うだけでもポイントになると思います。冬になったら、また違う着こなしをしたいです。(安井七海)

友人のお母さんからの頂き物を自分流に着こなす

 ワンピースとしても着られる白のシャツが欲しいと思っていた矢先に、友人のお母さんからたまたま「レイ ビームス(RAY BEAMS)」の白シャツをいただきました。胸元のデザインと、両サイドの短めのスリットが可愛いくて愛用中です!少し長めの襟なしシャツなので、ワンピースのようにして一枚で着たり、下にパンツやスカートを合わせたり、何通りもの組み合わせで着ています。生地も薄めで、季節に関係なく着られるのもお気に入り!襟がないためカジュアルに着たり、シャツなのでフォーマルなシーンで着たりして楽しんでいます。(樋口典奈)

古着の無限大の可能性が面白い!!

 ジーンズの定番、「リーバイス」は背の低い私もスタイルアップが図り易くて重宝しています。フォーマルな場では敬遠されがちですが、日常の中では使いやすい。かつて女性の着用が懸念されていた歴史も含めて愛しいです。暗い背景を持ちつつも長年の歴史を誇るジーンズをこれからも履き倒したいです。かつて何人もの人に愛されてきた古着達を着ることは環境にも配慮しています。古着に含まれる可能性や思いは計り知れず、そこに面白さを見出しています。(鈴木舞音)


 9月20日発売の「WWDJAPAN」は、ファッション系サークルを持つ4つの学生団体の声に耳を傾け、Z世代のファッションとサステナビリティに対する意識や考えを調査。Z世代とのコミュニケーション方法を模索する業界人は必読だ。

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ニットのサステナビリティーについて マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.28

 私のブランド「パスカルマリエデマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」をローンチして4年が経った。一枚のTシャツから始まった「PMD」が、次に取り掛かったのはニットだった。そこで出合ったのがアルパカ。当時「サステナブル」という言葉にまだ気づけていなかった私は、とにかくデザインを諦めず、地球に負荷がかからず、生産の過程でも誰も犠牲にしない良いものを届けるため、手探りながら納得のいくアルパカのビーニーを作った。

 そこで知ることになったのが、ペルーの国政や動物への取り組み、育て方、アルパカフェスまで存在するという生産の現場だ。私が出合えたのは、福利厚生の整った工場だった。生産の現場は整っており、社員や家族への食や教育の手当にも積極的、自然とも共存していた。ビーニーは動物由来の素材を用いたため、雨や雪をはじく優れものとなり、レジェンドスケートボーダーのトニー・アルバ(Tony Alba)も愛用してくれた。

 ニットの素材の中で、アルパカウールは環境への悪影響が一番少ないと言われている。他の動物よりも放牧群の規模が小さいうえ、一匹から取れる毛の量が多いため動物が排出する二酸化炭素量が少ないためだ。素材にはシルクやリヨセル(再生繊維)ウールなどさまざまあるが、劣悪な環境での飼育は問題となる昨今、シルクは人間の欲求を満たすための存在ではないか?という議論もある。

 ホールガーメントの機械が発達したり、生産現場のデジタル化が進んだりで、なるべく無駄が出ないプログラミングができるようになっている。最近は縫い代もいらない。布帛と違い自由な形が創造でき、クリエイティビティが生まれる。

 職人の技も守りたい。そういえば樹木希林さんは生前、周りの着なくなったセーターや編み物をほどき、一目一目編んだ作品を発表していた。ニットは究極編み直してしまえば、半永久的に形を変えながら着続けることが可能だ。

 ニットは、布帛よりも小ロットでチャレンジできた。「PMD」はビーニーの後もいくつかのニットを制作したが、そのたびに業者さんは糸玉を少し多めに用意してくれていた。「処理しておきますね」と言われたものを「送ってくれ」と言ってしまい、でもどうしようもなくずっと眺めていた色違いの糸玉が20玉くらいに増えたので、今回「PMD」はこの糸たちにフォーカスして、またサステナブルになれる道を見つけた。新しいニットビーニーの完成だ!その糸玉たちを色を美しく組み合わせ、こよりなおし、手編みと機械式の2種類を作った。私のニットの大師匠には本当に感謝。道を導き出していただいた。

 今回は小ロットでの挑戦だったので、現在数量限定でミヤシタパークでのリミテッドショップでのみ販売している。今後は他社も絡めて、この方法で少しでも廃棄物を減らす挑戦を続けたい。

■「パスカルマリエデマレ」ポップアップストア
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 1F S110区画
期間:10月10日まで
時間:11:00~20:00

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TOKYO BASEの大人向け新業態「ザ トウキョウ」 9月18日、丸の内に1号店オープン

 「ステュディオス(STUDIOUS)」を運営するTOKYO BASEは9月18日、40〜50代などの大人世代に向けた新業態のセレクトショップ「ザ トウキョウ(THE TOKYO)」を、東京・丸の内にオープンする。“セレクト型コミュニティーストア”をうたい、予約優先で営業。大きなソファーを置いたラウンジを設け、ゆったり買い物を楽しめるようにする。今後、コミュニティー会員限定の商品やイベント、サービスも企画していくという。今秋は、東京・六本木の東京ミッドタウンにも同業態を出店予定だ。

 店舗は新東京ビル1階の仲通り沿い。同ビルには「エルメス(HERMES)」も店を構える。売り場面積は約330平方メートル。内装はGLAMOROUS代表の森田恭通が手掛けた。

 「ステュディオス」と同様、日本のデザイナーブランドを取り扱う。ウィメンズはエレガント、ラグジュアリー、オーセンティックをキーワードに、「フミカウチダ(FUMIKA UCHIDA)」「マディソンブルー(MADISON BLUE)」「チカキサダ(CHIKA KISADA)」「アンスクリア(INSCRIRE)」、ジュエリーの「ミオハルタカ(MIO HARUTAKA)」など。メンズは「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」など。カスタムスニーカーやカスタムウオッチも常時そろえるという。

 また、デザイナーとTOKYO BASEとで企画する、日本製アイテムのプロジェクト「ザ パーマネント アイ(THE PERMANENT EYE)」も立ち上げる。オープン時は、「ティーエイチプロダクツ(TH PRODUCTS)」の堀内太郎、「ウジョー(UJOH)」の西崎暢、「ヨシオクボ(YOSHIOKUBO)」の久保嘉男など5人のデザイナーと組んだ商品をそろえる。

 定期的に行っていく店頭イベントでは、10月にメンズで「N.ハリウッド(N. HOLLYWOOD)」の催事を予定。ドレスラインの“コンパイル”で、ジャケットやスラックスのイージーオーダーを実施、ロロ・ピアーナ社の生地をそろえる。

 「ステュディオス」は2007年に1号店を出店。以来14年超が経ち、客も年齢を重ねている。出店にあたり谷正人TOKYO BASE最高経営責任者は、「『ステュディオス』卒業生や、東京ブランドには興味があっても『ステュディオス』には行かない方、華美なデザインやロゴものが苦手な方、百貨店の外商は行き過ぎだが、しっかりサービスを受けたい方に向けて、新たな挑戦をしていく」とコメント。同社は今秋、「ステュディオス」でも丸の内や玉川高島屋S・Cなど、大人客中心の立地に出店している。

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オーナーは世界照準の22歳 eスポーツ強豪のリジェクトが本気のアパレルブランド

 プロeスポーツチームを運営するリジェクト(REJECT)は、メンズブランド「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)」の中嶋峻太デザイナーをディレクターに迎えて、アパレルブランド「リジェクト」を立ち上げた。アイテムは16日に公式ECサイトで発売し、チームカラーのブラックで統一したモッズコート(税込2万9700円)やブルゾン(同2万4200円)、シャツ(同1万6500円)、カーゴパンツ(同1万7600円)、Tシャツ(同6930円)の5型からスタート。今後はグッズなども拡充する予定だという。初年度売上高の目標は5000万円。さらに同社はeスポーツを軸とした他の事業にも積極的で、9月には東京・本郷に合計4フロアの新たな拠点リジェクト ゲーミング ベースを開いた。eスポーツチームでは日本トップクラスの実績を誇る組織を率いるのは、若干22歳の甲山翔也代表取締役。世界を見据える若きリーダーは、ゲームを起点にビジネスの世界をどう攻略していくのだろうか。そして、その武器としてなぜファッションを選んだのか。甲山代表と中嶋ディレクターを新オフィスで直撃した。

ファッションで“バフ”をかけろ

WWD:アパレルブランドを立ち上げた経緯は?

甲山翔也リジェクト代表取締役(以下、甲山):20歳前後の若いスタッフがチームに所属しているんですけど、ゲームで結果を出して人前に出るようになると着る服も変わり、成長していく姿を見ていたことが大きかったです。ゲームだけしているときは何も気にしていなかったのに、顔出しでゲームの配信をし始めると美意識が急に高くなって、プロとして覚悟が出てくるのだなと気づきました。彼らのために何かできないかなと思ったのがきっかけです。

WWD:ではファン用のグッズというより、選手のためという考え?

中嶋峻太「リジェクト」ディレクター(以下、中嶋):出発点は、選手とスタッフをかっこよくしたいという思いでしたね。もちろん一般販売もしますが。最初にイメージしたのは、プロレスラーが入場時にマントを着て、リングに上がるときにバンって脱ぐ瞬間があるじゃないですか。それをeスポーツ選手が全員でモッズコートをフードまで被って入場し、座るときは脱ぐっていうのもかっこいいんじゃないかと。急にアパレルを販売しても売れないけれど、選手が着ていいイメージを作ることができれば、ファンはアイテムをきっと欲しくなるはずだと考えています。

WWD:中嶋ディレクターが参加した経緯は?

中嶋:eスポーツの分野にはもともと興味があったんです。ファッション的な角度からも今後伸びてくるだろうと。そんなときに、僕が生地のディレクションをしているスタイレム瀧定大阪にリジェクトのスタッフの知人がいて、アパレルブランド立ち上げを計画しているという話を聞きました。そのときは正直リジェクトを知らなかったんですけど、調べたら日本で断トツ1位のチームで、ぜひやりたいと手を挙げました。それで春ごろに甲山さんと初めて会い、企画が実際にスタートしました。

WWD:これまで接点がなかったeスポーツチームのオーナーとの協業で何を感じた?

中嶋:出発点がたまたまeスポーツへの興味だったというだけで、甲山さんと実際に会うと「この人と何かしたい」ってすぐに思ったんですよ。年齢が15歳も下なのに話している目線が同じだし、良い悪いの判断が早くてびっくりしました。それに甲山さんの実家が製造業ということもあって、生地や縫製のクオリティーに強くこだわる姿勢も信頼できたんです。品質には徹底的にこだわりながら、スタイレムでディレクションしている生地“トライアングル”を使うなどして、手が届きやすい価格に抑えることもできました。よくあるチームグッズではないけれど、やっぱりファンの人に買ってもらいたいですからね。

WWD:プロのファッションデザイナーと仕事をした印象は?

甲山:選手や会社のストーリーをとても上手く表現してくれました。例えば、モッズコートに刺しゅうしている座標は、僕が初めて事務所を立ち上げた京都のアパートの場所なんです。僕はオーナーとして所属選手の生き様を本当に尊敬していて、彼らのストーリーが僕のストーリーでもあり、会社のストーリーでもあるんです。それがデザインとして服になることで、これからチームがどんどんかっこよくなれそうだなと自信が付きました。僕自身も好きな服を着るとその日はずっと楽しいし、自分が強くなった気がするんですよね。ゲーム用語っぽく言うと“バフ”がかかるというか。

中嶋:それがまさにファッションの醍醐味ですよね。新しい服を買って着たら、今でもテンション上がりますもん。いい武器を手に入れた感覚みたいなものというか。だから、選手たちのテンションが上がる服を作りたいとはずっと考えていました。

甲山:僕はチームが世界で1位をとるために、選手たちには常に最高のデバイスを提供しています。そのデバイスの次に彼らに提供できるものは何だろうと考えたら、身に着けるものなんじゃないかという答えにたどり着いたんですよね。ゲームをプレーしてる人たちって、究極を言えばファッションに興味はないんですよ。でも、かっこいいものへの憧れはある。だからメタバースの世界にみんな魅了されて、5万円とか平気で課金するんです。その“憧れ”を、身に着けるもので表現できればいいんじゃないかって。彼らはユニホームを着ると“バフ”がかかるから、今回のアパレルでさらに強力な“バフ”がかかるとうれしいですね。

世界を視野に入れる若きリーダーの原点

WWD:リジェクト社の現在の規模は?

甲山:社員が20人で、プロ契約の選手は45人所属しています。トップチームとアカデミー組織があり、全員に給料を支払っています。トップチームの中には、年収1000万円の選手もいます。来年のチームの収益は約3億円を見込んでいますが、これぐらいの規模は世界では一般的で、日本の市場が急成長しているだけなんですよ。逆をいうとゲームを起点にした事業の実例がまだまだ少ないので、僕たちが始めようとしているアパレルブランドのような取り組みにもチャンスはあると考えています。

WWD:eスポーツの世界に参加したきっかけは?

甲山:大きなきっかけはなくて、自然にのめりこんでいましたね。小学生のときに親友にオンラインゲームを教えてもらい、小学生でも大人に勝てる世界が面白いなと。親にめちゃくちゃ怒られながら、1日3時間ぐらいプレーする毎日でした。中学生になってゲームをするためのパソコン“ゲーミングPC”の存在をしり、父親に頼んで頼んで2、3年がかりで買ってもらいました。“ゲーミングPC”のおかげで強くなり、高校生で初めて大会で優勝したんです。それから自然とプロを目指すようになっていました。

WWD:実際にプロ契約したのはいつ?

甲山:18歳のときです。ただプロ契約とはいえ、当時の平均月給って2〜3万円でした。でも僕は10万円のオファーで喜んだのですが、どうせなら自分でチームを作りたかった。だから当時のオーナーに「僕にチームをやらせてください」と逆提案したんです。それでチームを任されて、僕も含めて4人チームを結成しました。

WWD:すぐに実績を残せた?

甲山:実績も何も、オーナーが突然失踪したんですよ。4人の中には本業を辞めてプロ一本で活動すると決めて参加してくれたメンバーもいたのに、チームが発足して2、3カ月したらオーナーが給料を一度も支払わず失踪するという。信じられませんでした。チームも結成しちゃったし、プロのリーグにも上がっちゃったし、結果も残していたので後戻りができなかった。でも選手たちに給料を支払えないので、まずは僕が資金を集めようと19歳でオーナー業に専念することにしました。最初は自分の貯金を切り崩して、各選手に2万円ぐらいの給料を払ってましたもん。

WWD:その逆境からどう盛り返した?

甲山:当時はビジネスについて無知だったので、「スポーツチームにはスポンサーが必要だ」という思い込みで、何も知らないまま1人で謎のスポンサー営業を1年間やっていました。そうしたらウェブ系の会社が僕のプレゼンに共感してくれて、本当にスポンサーしてくれることになったんです。その会社もeスポーツ についていろいろ調べてくれて、グッズ販売やコンテンツ制作など、いろいろなかたちの収益モデルがあるというのを一緒に学びました。何も知らなかった自分にとっても、視座が上がるきっかけになりましたね。

WWD:今の規模にどのように拡大した?

甲山:世界大会でサウジアラビアに遠征したときに、投資会社のイースト ベンチャーズ(East Ventures)から会いたいと連絡が届いたんです。僕はまだ学生だったので「べんちゃーきゃぴたるって何?」という感じでしたし、警戒もしていて。でも実際にビデオ通話してみると「君のチームはこれからの時代を見れている」と褒められて、気分がよくなったところに「1000万円投資したい」とオファーが届きました。僕の年齢が若いことと、eスポーツが盛り上がっていたタイミングだったこと、それに日本では競合相手が少ないモバイルeスポーツに絞って実際に結果を残していたのも評価されたみたいです。

WWD:今年春には、複数社から国内最大規模となる約3億6000万円の資金を調達したが、今後の目標は?

甲山:日本でもeスポーツが盛り上がっていますけど、世界との差はまだまだ大きい。ビジネスの規模も、選手の待遇も、何もかもが圧倒的に違います。でも、ただ海外を追いかけるのではなく、日本は独自の路線で盛り上がっていくと予想しています。まずは新しく立ち上げたアパレルブランドや新オフィス、将来的にはゲーミングギアなどの事業を立ち上げて成長させながら、いつかはIT系の企業と組み、メタバースの世界でリジェクトを収益化するビジネスがしたいです。リジェクトがこの2年で急速に拡大したように思われていますけど、ゲーム界の変化の速さを考えるといたって普通のこと。人、お金、時代の流れが今は一気に変わっていますから。

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「エアリズムマスク」も手掛けた敏腕MDに聞く ユニクロ女性下着の歩みと展望

 圧倒的な存在感で国内女性下着市場でのシェアを伸ばす「ユニクロ(UNIQLO)」。今年2月にはユニクロ史上最高のリフトアップをかなえる「ワイヤレスブラ シェイプリフト」、6月には「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」とのコラボレーションのインナーウエアを発売し、9月17日には吸水ショーツを発売するなど話題も絶えない。これらを始め、昨年6月に発売して大ヒットした「エアリズムマスク」なども手掛けるのが炬口佳乃子ユニクログローバル商品本部ウィメンズMD部長だ。数々のヒット商品を世に送り出す敏腕MDに、ユニクロ女性下着の歩みを振り返ってもらいながら、展望を聞いた。

――はじめに「マメ クロゴウチ」とのコラボレーションの反響はどうだったか?

炬口佳乃子ユニクログローバル商品本部ウィメンズMD部長(以下、炬口):非常に好評いただきありがたい。私も発売日は販売応援で売り場に立ったが「マメ クロゴウチ」ファンだけでなく、同ブランドを知らなかったけれど、事前告知やメディアでの紹介を見て「世界観がすてきだったから」と来店してくださる方が非常に多かった。コラボ商品ではあったが、下着などデイリーに使うアイテムの価格を上げることは避けたかったため、ワイヤレスブラもブラトップも既存商品と同じ1990円にしたことも好調要因のひとつだろう。ある程度在庫を積んで販売したこともあり、リピート買いしてくださったお客さまも多かった。海外での反響も大きく、シンガポールなどでも発売直後に品切れが起こるほど。今回のコラボは“下着と洋服の境界線を超える”という発想からスタートしたのが最大のメリット。花火のように打ち上げて一瞬で終わるコラボではなく、商品そのものが評価され、幅広い世代の方に「長く愛せる商品に出合えた」と言っていただけたことは嬉しかった。

――現在の「ユニクロ」の中でのウィメンズインナーの位置付けは?

炬口:女性の下着はユニセックス化しにくいものであり、女性の体の変化を支えていける商品。ライフスタイルや年齢による体の変化などに合わせた下着はまだまだ提案をしきれていない部分も多く、その開発は重要だ。気に入ればリピートしていただけるので、当然伸び代も期待できる。日本国内ではユニクロの下着が認知されてきたが、海外ではまだまだで「ユニクロに下着を買いに行こう」とまでには至っていない。世界のお客さまに支持されるようにならなければと思う。

――MDとして次々とヒット商品を送り出しているが、その手応えは?

炬口:お客さまが求めているものをチームで追求していったことの結果だ。「エアリズムマスク」も同様で、お客さまからのマスクの要望にすぐに応える必要があり、たまたま私が担当しただけ。常識にとらわれず、新しいアイデアをぶつけられる環境にあるのは恵まれているし、R&Dチームのたゆまぬ努力は大きい。そのチャレンジ精神にサプライヤー(工場)が高い技術で応えてくれる循環がうまくいっている。社内でいくらアイデアを持っていても、それを形にしてくれるサプライヤーがいなければ実現しない。

ブラトップで「世の中になかったカテゴリーを作った」

――03年のブラジャー発売から現在までで、エポックメイキングだったと感じる商品は?

炬口:06年のブラトップの発売は大きい。当時ブラトップのような商品は一部の下着メーカーは扱ってはいたが「Tシャツのようにもっと手軽に着られるものを作ればラクなのではないか?」という発想で完成した。初めは馴染みがなかったかもしれないが、その便利さが口コミで全国にじわじわと広がり、幅広い年齢のお客さまに支持される商品となった。ブラトップに関しては、デザインをちょっと変えたものを新商品として出すというような商品開発ではなく、それまで世の中にはなかった新しいカテゴリーを作ることができたと思うし、それができるとこんなに世の中に広がるんだと実感した。お客さまに対し、日常の中の満足を提供することに喜びを感じた。

――11年にブラジャーをワイヤレスに一本化した経緯は?

炬口:ユニクロは03年にブラジャーを発売し、しばらくはワイヤ入りブラが主力だった。ただ、ユニクロの店頭では常時接客し採寸するのが難しい。さらにそのころから、世の中全体の流れが、バストを寄せて上げて男性の目線を気にするというよりも、自分自身のために美しく、心地いい状態であることを重視する方向へと移っていった。それを受け「着けていて快適」がこれからの主流になると判断し、ワイヤレスに一本化した。その延長に16年の「ワイヤレスブラ ビューティライト(現在の「ワイヤレスブラ 3Dホールド」)がある。カップに樹脂テープを内蔵することで、“バストメイクできるワイヤレスブラ”としてデビューし、「ワイヤレスブラ=ゆるい(機能性に劣る)」という概念を転換させた。

体に一番近い下着は、体にできることがたくさんある

――9月17日に発売する「吸水サニタリーショーツ」も大きな話題になっている。

炬口:発表会には想定を超える多くの方が来場され、これだけ高い関心を持っていただいていることに、私たちがハッとさせられた。女性誌だけでなく、テレビのニュースとしても取り上げられていたが、それは大変有り難く嬉しいこと。吸水ショーツを初めて使う人にはまだまだハードルがあるだろうが、間口が広がってお客さまの手に届きやすくなることで、ハードルは越えやすくなる。吸水ショーツは使うことで人生が変わると思う。そうした変化がユニクロだけでなく、多くのプレーヤー(吸水ショーツメーカー)の手で広がることを願っている。

――最近は、吸水ショーツや乳がん手術後などに便利な前開きインナー、マタニティインナーなどを、「フェムケア関連インナー」として打ち出すようになっている。その意図や今後の展開は?

炬口:吸水ショーツ、マタニティインナー、前開きインナーなどは、女性のライフスタイルの変化やウエルネスに寄り添うフェムケア特化商品ではある。しかし、それ以外でも実はブラトップが授乳ブラとして高く支持されていたり、「ウルトラシームレスショーツ」を妊婦さんが愛用していたりなど、通常商品も女性のライフシーンやバイオリズムに寄り添っていることがメディアの評価やリサーチによって浮き上がってきた。これはつまり、快適な日常着である“LifeWear”の一環として、われわれが20年前から下着で取り組んできたことに間違いはなく、しっかり認知されているということだ。今後もユニクロは、そういった価値を提供していくとあらためて伝えたい。まずは17日に発売する吸水ショーツがお客さまのニーズにあっているのか一つ一つ検証し、改良にも注力しなければならない。それと並行して、新しいニーズがあれば開発していきたい。

――これからチャレンジしたい商品は?

炬口:インナーに限らず、新しいカテゴリーを作ることにMDとして挑戦していきたい。「こういうものって今までなかったけれど、確かに面白い」と思える新しい価値の商品が生まれれば、今まで当たり前過ぎて意識さえしていなかった不便が解消され、生活がラクになる。そういった商品を作ることに、私はMDとしてやりがいを感じる。体に一番近い存在である下着は体に対して解決できることがたくさんあり、毎日身に着けるからこそ、下着が少しよくなれば生活全体が快適になる。そんな日常を支える相棒のような存在、一歩踏み出す背中を押してくれるような商品を作っていきたい。

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「トム フォード」の“光らないところがない”ピカピカルックに心から拍手 地球の裏側からNYコレ鑑賞記 Vol.4

「トム フォード」

・リアルショーをライブ配信
・全42ルック

 トム様!!アナタは、やっぱりスゴいです!
 2022年春夏の「トム フォード(TOM FORD)」を見て、そう呟かずにはいられませんでした。太陽いっぱいのロサンゼルスで暮らし、でも最近はコロナ禍で外出もままならず……。そんな鬱屈した思いが、一気にバクハツしたのでしょうか?コレクションは、光らないところがない(笑)!!色のない洋服が登場しない(嬉)!!そのくらい、ビッカビカでカラフル。ここまで振り切れるのは、「トム フォード」以外にありません。

 ピカピカ光るのは、見るからに肉厚でぜいたくなダッチェスサテンのジャケットやサルエル仕立てのカーゴパンツ、スパンコールを隙間なく敷き詰めたタンクトップ、仕上げに箔プリントを施したようなヘンリーネックのリブニット、そして、ピッカピカに磨いたレザーのジャケットやショートパンツ。パンプスからミニバッグ、ボディバッグにいたるまで、全てがピカピカな上、ゴールドのアクセサリーを「これでもか!」と言わんばかりにジャラジャラ身につけています。ベースのスタイルは90年代のミニマリズムで、実際シンプルなアイテムを重ね着も最小限にまとっただけなのに、なんてゴージャスなのでしょう。

 トム様は、これだけピッカピカなのは、コロナでさらに加速したデジタル・コミュニケーションも一因だと語ります。「人々は、デイタイムにドレスアップすることが少なくなり、ソーシャルメディアのためにドレスアップすることが増えたのではないでしょうか?洋服はますます漫画的なパワーを持ち、私たちの携帯電話の小さなスクリーンにパワーを与える必要があります」と打ち明けます。その是非を問うワケではなく、ただひたすらにその時代を生きる人のために洋服を生み出す。しかも、彼らしく。ロサンゼルスに移り、育児にも励むトム様だからこその、シンプルでナチュラルな考え方が心を打つコレクションです。

「トリー バーチ」

・リアルショーをライブ配信
・全30ルック

 「トリー バーチ(TORY BURCH)」と言えば、春夏は良家の子女っぽい「大草原の小さな家」、秋冬はボヘミアンなイメージでしたが、そのイメージを少し変えてきました。今シーズンは、かなりチャレンジングなシルエットに挑戦。インスピレーション源は、1940年代に活躍したデザイナー、クレア・マッカーデル(Claire McCardell)。ココ・シャネル(Coco Chanel)やマドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)と共に、女性を身も心も窮屈だったファッションから解放した偉人です。

 「大草原の小さな家」の面影は、チェックのピクニックワンピースなどから、今季もちゃんと漂っています。でもそこに加えたのは、カラーブロッキングしたリバーシブルのジャージートップスや、ドローコードで調整できるアシンメトリーのトップス、バルーン袖のブルゾンやトレンチコートなど。太めのベルトでウエストマークして、いずれもリラックスムードが漂うものの、そのシルエットは従来の「トリー バーチ」とは一線を画しています。デザイン性は、格段に高まりました。

 屋外でのコレクションは、全30ルック。コロナ前と比べると、1/3~1/4絞り込んだ印象です。でも、それで良いですよね?サンプルでも作りすぎないこと、一度にたくさんのアイデアを発表し続けて枯渇しないことは、業界のサステナブルを高める手段です。数ではなく、クオリティー。そんな意識改革が如実に現れています。

「オーバーコート」

・ヴィジュアルを世界に配信
・全30ルック

 さぁ、この「地球の裏側からNYコレクション鑑賞記」は、私が一番洋服を買っているニューヨーク・ブランド「オーバーコート(OVERCOAT)」で幕を閉じたいと思います。手掛けるのは、本当にたくさんのラグジュアリー&デザイナーズブランドのパターンを手がけてきた大丸隆平さん。そのコートやジャケットのパターンはまさに天才的で、誰が、どんな服を着ていてもジャストフィットするのです(マジで)。
という職人気質なブランドですが、最近はグラフィックデザイナーのピーター・マイルズ(Peter Miles)とコラボレーションして、先行き不透明な時代だからこそ心に染み入るカラフルなカラーパレットも魅力の1つに仲間入り。ピーターとのコラボは22年春夏も継続で、オープンカラーのシャツやパンツ、アノラックは間違いなくコラボのソレです。

 あぁ、早くどんな素材なのか、どんなパターンなのかを確かめるべく、洋服に袖を通してみたい!そんな気持ちでいっぱいです!以上、デジタル取材でもリアル試着への欲望がムクムクと湧き上がってしまったムラカミが、NYの裏側からお伝えしました。

 ウィズ・コロナ生活が始まって早1年半。この間、ファッション・ウイークは必然的にデジタル開催を強いられましたが、「SNSでバズらない」や「バイヤーやメディアが、新しいブランドを探せない」などの課題が露わになりました。そのせいか(!?)、2022年春夏シーズンは「ガマンできない!」と言わんばかりにリアルショーを再開するブランドが続々。この記事にある通り、ニューヨークでは、ほとんどのブランドが何らかの形でリアルイベントを再開します。でも、日本にいる私たちは、未だかつてのような取材が再開できません。そしてブランドのいくつかは、「どうせ日本から人は来ない」と割り切り、現地在住の日本メディアの関係者さえ門前払いだそうです(泣)。「このままでは、イカン!!」。そう思い「WWDJAPAN」は、地球の真裏にある日本から引き続き情報発信。リアルショーの再開に伴いデジタル取材は難しくなりそうですが、ブランドのオウンドメディアやSNS、YouTube、そして米「WWD」の記事を見ながら、ウィズ・コロナ&アフター・コロナのファッションウィークの片鱗を探します。

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南米発フレグランスメゾン「フエギア1833」から日本限定で月下美人の香りが登場

 アルゼンチン・ブエノスアイレスで誕生したフレグランスメゾン「フエギア1833(FUEGUIA 1833)」は9月16日、新作“ダマ デ ノーチェ(Dama de Noche)”を発売する。今年4月にギンザシックス内にオープンした銀座店限定の香りだ。

 “ダマ デ ノーチェ”は、夜のみに美しい花を咲かせる月下美人をイメージ。艶やかでありながら繊細さもある月下美人の香りは、調香師のジュリアン・べデル(Julien Bedel)が銀座で出会った女性の記憶と重なり、今回銀座店限定にした。ジュリアンはメキシコで体験した月下美人の香りのコンポジションを“レコーティング”し、独自に解釈しながらイランイランやジャスミンなどを用いて再現した。夜の間の数時間にしか咲かない儚さと、品のある美しさを表現した。

 30mLサイズ(税込2万2000円)と100mLサイズ(税込4万4000円)に加え、アルコールなどの溶剤を一切使わず作った濃縮エッセンス“プーラエッセンシア”(8mL、税込3万9600円)が登場する。

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アパレルの店舗販売に未来はあるのか 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。長引くコロナ禍によってアパレルの店舗販売のあり方が変化を迫られている。デジタルと融合した店舗運営、そして現場の販売員はどうあるべきか。詳細に論じてみた。

 コロナ禍でソーシャルディスタンスが求められる中、さすがにロープレ・コンテストは下火のようだが、代わってSNSの発信力やオンラインの接客、スタイリング提案を競う「スタッフ・オブ・ザ・イヤー」(バニッシュ・スタンダード主催)が盛り上がった。

 店舗販売の1人当たり売り上げがEC(ネット通販)の10分の1ほどに過ぎない以上、店舗はD2CのショールームかAI(人工知能)仕掛けの無人販売に近づいていくしかなく、「販売員」はオンライン(ECやSNS)に活躍の場を求めざるを得ない。そんな現実を直視するなら旧来のロープレ・コンテストは開催の意義が疑わしく、オンラインの接客やスタイリング提案に加え、ライブコマースのチームプレーこそコンテストで競われるべきだろう。アフター・コロナへ、アパレル販売はどう変わっていくのだろうか。

ロープレ・コンテストは「政(祭り事)」

 ロープレ・コンテストは販売員の接客スキル向上を啓蒙するという「建前」の一方、給与水準が低くキャリアアップも限られて採用難が続く販売員にスポットライトを当て、現勤販売員の意欲を高めて新規の応募者も増やしたいという「政(祭り事)」の性格が強い。

 ロープレ・コンテストで評価される接客スキルは日常の接客シーンから乖離したスタンドプレーになりがちで、接客スキルの啓蒙としてふさわしいか疑問があるし、売り上げを追求すれば個人プレーではなくチームプレーになる。売り上げを最大化するにはTVショッピング方式のキャスト(販売員)、モデル、ゲストのチームプレーが効果的だが、冷静な選択を逸脱して購買意欲を盛り上げてしまうと返品率が跳ね上がる。

 販売接客は顧客の選択を的確にサポートするのが本質で、購買意欲を盛り上げれば良いというものではない。商品情報や在庫情報に加えて顧客情報(ログインが必要)もつかんでいないと的確なサポートはできないから、人力よりビッグデータ武装のAIの方が優位であることは言うまでもない。

 チーム接客は前世紀の呉服販売で押し込み販売の常套手段とされ、紳士服店でも一時は推奨されたが、ローン返済に苦しむ顧客が続出して「呉服店は怖い」と敬遠されるようになり、今日のコンプライアンスがきちんとした小売業では3人以上での接客は禁止されているはずだ。私も前世紀には多数の「販売マニュアル」作成に関わったが、やはり3人以上での接客は禁止していた。

 3人接客はともかく、アパレル販売では米国の高級店などで見かける販売員とフィッターの連携プレーが効果的だが、販売は個人プレーとして評価されるせいか、セレクト店や高級ブランド店でも研修されることが少なく、スキルを知らない販売員も多い。ロープレ・コンテストもそんな連携プレーを競うならも見応えもあるし、接客スキル向上の啓蒙効果も期待できるのではないか。

オンライン接客やライブコマースへ

 店舗販売での3人接客は押し込み販売を避けるべく禁止すべきとしたが、今日ではTVショッピングのみならずライブコマース(ネット動画販売)でも必須の販売方式となりつつある。

 ライブコマースはソーシャルバイヤー※1.のスマホカメラによるワンオペから始まったが、アングルやフォーカスを固定してのワンオペでは訴求効果に限界があり、ライブコマースがメジャー化するに連れてTVショッピング同様、キャスト、モデル、ゲストの連携プレーをカメラマンがアングルやフォーカスを工夫して撮るようになってきた。TVショッピングのようにキャストやモデルのフォーメーションを変えて動きを強調したり、在庫カウンターを表示して購入をあおるライブコマースが出てきても不思議はない。

 ECは単品(SKU)登録を編集した「サムネイル」ゲートから個別単品の「ささげテンプレート」(後ろはショッピングカート)に誘導する仕組みだから、ささげビジュアルのルック提案だけでは着回し表現に限界があり、さまざまな体形やキャラクターに対応する着こなし・着崩し提案も難しい。ゆえにさまざまな体形やキャラクターの販売スタッフが着回し・着こなし・着崩しを提案するスタッフスタイリングが不可欠だが、個々人のスキルに大差があるのが実情で、ブランドのディレクターやプレス担当がマニュアル化してスキルを指導したり選別して掲載する体制が必要だ。各社公式サイトのスタッフスタイリングを見比べると、そんな体制の有無が透けて見える。

 コロナ禍もあって百貨店や駅ビル・ファッションビルを主力とするアパレルではEC比率が4割、5割も珍しくなくなり、1人当たり売り上げも店舗販売(1600〜4000万円)とEC(数億円)で10倍前後もの格差があるとなれば、販売員啓蒙のコンテストも店舗販売の接客ロープレからオンライン接客やスタッフスタイリング、ライブコマースへと代わっていくのは必然だろう。

※1.ソーシャルバイヤー…海外商品を現地で代理購入してオンラインで国内の消費者に販売する転売ヤー

ECと店舗販売の絶望的格差

 ECの急激なメジャー化と進化でECと店舗販売の顧客利便と販売効率の格差が絶望的に開いていく以上、店舗販売が革命的進化を遂げない限り、コロナが収束してもECが主役で店舗が補足するOMO※2.関係の定着は避けられない。それは販売員1人当たり売り上げのケタ違いの格差を見れば一目瞭然で、ECと人時生産性を競えばAIが運営する無人店舗に近づいていく。美容部員による専門的接客が不可欠とされてきた化粧品販売も、中国ではAIがセルフ選択を支援しオンラインで発注する無人運営に近いショールーム店舗が台頭している。

 そんなショールーム型省人時店舗は同一商品を継続販売するパッケージ商品である化粧品では成り立っても、次々と入れ替わる多数のアイテムとデザインのフィットや着心地が問われるアパレルでは試着用サイズサンプルの取り回しが煩雑で省人時効果が限られ、「ザラ」(サイズサンプル後方配置型)も「ジーユー」(全サイズ陳列型)も実験店舗で止まっている。店受取(英国ではクリック&コレクト、米国ではBOPIS※3.)や店出荷の利便に応えないと売り上げも伸びないから、在庫をそろえてエリアのEC注文に引き当てるOMO店舗を効率的に運営する仕組みを確立するしかない。

 店舗販売のフロントを動かすのは出前フォーメーションと元番地棚割、タグ表示とPOPの「VMD」であり、出前フォーメーションはECの「編集サムネイル」、元番地棚割とタグ表示とPOPはECの「ささげテンプレート」に相当する。店舗販売のバックヤードはPOSと店舗物流、ECのバックヤードは受注カートとフルフィルメント(EC物流)だが、店舗在庫とフルフィルセンター※4.在庫の引き当て連携やクリック&コレクト、ローカル宅配とテザリングなど、両者のバックヤードは連携が加速している。

 ECの「サムネイル」はタグ選択で顧客も瞬時に編集できるが、店舗の出前フォーメーションは物理的な再編集が必要で、店舗側は計画的に運用できても顧客が随意に編集できるはずもない。SKU単品登録を編集する「サムネイル」は着回しのワードローブなど2.5次元的訴求には限界があるが(最近は可能にするプログラムもある)、顧客が随意に編集できる利便に店舗は遠く及ばない。

 出前フォーメーションをECの「サムネイル」編集並みに鮮やかに転換するには、舞台演出の「場ミリ※5.」(アイドルチームのステージを想起して)みたいに元番地からの出前と戻しをアドレス運用する必要があるが、物理的な作業を要するから週サイクルが限界だろう。元番地棚割はタグ表示、POPと合わせて「ささげテンプレート」に相当するが、棚入れとフェイシング管理、フロントへの出前と戻しという物理的作業(マテハン)を要するから、店舗の半身はECのフルフィルセンターに近い。店舗出荷のネットスーパーを想起してもらえば理解できるのではないか。

 店舗の致命的な情報格差がタグ表示とPOPの貧困さで、ECなら「ささげテンプレート」で一覧できる情報が下げタグや洗濯タグに分散して一部しか明記されず、下げタグは意図して隠され、洗濯タグは商品の裏をまさぐって探さないと見つからない。ECなら色・サイズのSKU展開と在庫状況、サイズ別の各部分寸法なども明示されるのに、店舗では販売員に逐一問い合わせるしかない。スタッフスタイリングも購入者レビューも見れず、サイズレコメンドのアプリもないから、手間のかかる試着をしてみるしかない。ECと比べれば不親切で情報が隠され、商品選択に少なからぬ手間を強いられるのが店舗販売の実態だ。

 店舗購入の最も根源的な不便が物流労働と交通費の負担で、コロナ禍のリモートワークや感染リスクで店舗に立ち寄る機会が激減する中、わざわざ出かける不便が露呈した。行き帰りの交通費はECの送料と天秤にかけたくなるし、店舗で棚からピッキングして持ち帰る労働負担に袋代まで請求されては店舗から足が遠のくのも当然だ。

 ターミナルや広域大型施設の店舗は出かけるだけでも少なからぬ労働と交通費を要するからECで済ませたいし、生活圏の店舗もかさ張る買い物を持ち帰る労働がつらければECやネットスーパーに切り替える人が増える。コロナが収束しても昔日の店舗販売が復活することはないだろう。

※2.OMO(Online Merges with Offline)…ネットと店舗の融合を意味し、店舗とFC(ECの出荷センター)の在庫引き当てを連携して全国区宅配とローカル宅配を仕分け、店受け取りや店出荷など顧客利便を高めるリテール戦略

※3.BOPIS(Buy Online Pickup In Store)…ECで注文して店舗で受け取る顧客利便で、米国では駐車場受取のカーブサイド・ピックアップも多い。英国では受取所渡しも含めてC&C(Click&Collect)と言う

※4. フルフィルセンター(FC、Fulfilment Center)…ECなど通販の出荷センターで、棚入れ保管した商品をピッキングして梱包し、仕分けして出荷する。大規模な通販業者ではFCの前に調達商品を物流手順別に仕分けるクロスドッキングセンター(TC)があり、自社で宅配まで仕切る場合はFCで仕分けた荷物を配送地区(郵便番号区分)別に仕分ける多数のパーセルハブ(PC)を配置する

※5.場ミリ…舞台演出で演者の動きを指示する床に表記した番地(センターを0とする)

店舗販売の抜本的「革命」を急げ

 店舗販売の衰退を食い止めるには5点の抜本的「革命」が必須だ。それは(1)情報格差の是正、(2)顧客不便の是正、(3)店舗在庫の拡充、(4)人時生産性の革命的改善、(5)不動産コストの抜本改善、に他ならない。

(1)情報格差の是正

 情報格差は二方向から是正されるべきだ。もっとも容易なのは商品タグへのQRコードの記載で、顧客がスマホのカメラでスキャンすればECサイトの該当商品テンプレートへ飛び、ささげ情報や在庫状況から購入者レビューまで一覧できる。その上で、店舗に在庫がなければ利便性の良い近隣店舗の在庫を取り置くか、ECで発注して店舗で受け取るか宅配してもらうか選択すれば良い。

 もう一つは吊りタグや洗濯タグなどに分散してわざわざ隠されている商品情報をテンプレート化した「ささげタグ」に統合し、アイテムごとに取り付け位 置と形状を統一することだ。加えて、アイテム毎のPOPを電子化して価格だけでなく「ささげ」のキーワードをテロップ表示し、ECのタイムセールと連動してダイナミック・プライシングを訴求したり、ログイン入店した顧客が接近するとレコメンド情報を流すなど、ECとの情報格差を縮める努力を重ねたい。

(2)顧客不便の是正

 自腹を切ってわざわざ来店してくれた顧客に袋代を請求し持ち帰り労働を負担していただくのは心苦しいから、お持ち帰りされるなら紙製のショッピングバッグを無償提供し(ECのダンボール包装は無償)、宅配を望まれるなら当然に無償でお届けする(百貨店は当然のように送料を取るが)。現品は来店店舗在庫を引き当て、修理加工品はローカル拠点店舗在庫を引き当て(修理加工テザリング)、再入荷品はフルフィルセンター経由のスルー仕分け(棚入れとピッキングが不要)とするなど、顧客利便と合理性で引き当てたい。

(3)店舗在庫の拡充

 ECに売り上げが移ればフルフィルセンターに在庫が移り、店舗在庫が薄くなって機会ロスで売り上げがさらに落ち、それがまたECシフトを加速する。この悪循環を止めるにはフルフィルセンターに在庫を積まず店舗在庫を拡充し、ECをローカル化して近隣店舗の在庫を引き当てるしかない。店舗物流に比べるとEC物流は個別分散の宅配となる分、プロセスが複雑でケタ違いに割高になり(人時効率とは逆転する)、C02排出を増やすからサステナブルに逆行する。この課題を解決する決定打はフルフィルセンター出荷を持ち越しのロングテール品やスルー仕分けの受注販売品に限定し、通常展開品は店舗在庫のローカル出荷と店受け取りに転換することだ。「ザラ」が先んじたこの大転換にどうして学ばないのだろうか。

(4)人時生産性の革命的改善

 ECと比べて1ケタ低い店舗販売の人時生産性を革命的に改善しない限り店舗販売の収益性はECに遠く及ばず、ECシフトは止まらない。店舗販売の人時生産性を飛躍的に高めるには店舗規模の拡大や効率的レイアウト、元番地と出前のアドレス運用、RFID (無線電子タグ)による在庫管理の効率化と精算のセルフ化・自動化に加え、出荷段階の物流加工仕分け(バンドリングと皮剥き)による店内マテハン作業量の圧縮が不可欠だ。それらを全て履行して変形労働時間制とレイバーコントロールを駆使したとしても、店舗販売の人件費率は10%弱に抑えるのが限界だろうが、収益性は格段に高まる。

(5)不動産コストの抜本革新

 ターミナルの商業施設では不動産費が売り上げの20%を超え、ハウスカードの決済手数料まで合わせると採算が採れず、郊外の大型ショッピングセタンターでも不動産費の負担は限界に近い。個別交渉では拉致があかないから、開発コストも運営コストも家賃も格段に安いLCC型商業施設※6.に主力を転じ、人時効率の高い大型店舗がEC出荷も担うローカルOMO体制に転ずるしかない。

 それには生活圏の日常消費に応える品ぞろえのエッセンシャルシフトが必須で、肥大する販管費を調達原価の切り下げで補うインフレ経営では到底不可能だ。勤労者の所得が伸び悩み社会負担で手取りの減少が止まらない我が国では一定規模以上のアパレル事業者がインフレ経営を続けるのは不可能で、デフレ経営への転換か事業規模の縮小を選択せざるを得ない。現実に目を背け見たい夢を追うオプティミスティックなインフレ経営は早晩破綻するしかあるまい。

※6.LCC型商業施設…ローコスト運営の商業施設を格安航空会社(Low Cost Career)になぞらえたもので、ローコスト(低家賃)に加えてフリーダム(営業規制が緩い)、オープンエア、ダイレクトパーキングといった要素がそろう

販売員の労働は大切だ!

 ここまで列記した改革や革命は容易に実行できるものばかりではないが、販売員の時給が2000円、3000円だとしたら、経営陣は何をさて置いても必死で遂行するに違いない。これまで店舗販売の非効率や不便が放置されて来たのは、販売員の時給が低く労働の無駄遣いが容認されてきたからであり、一昔前まではECがマイナーで店舗販売の脅威ではなかったからだ。

 ECが主役となって店舗販売の採算が行き詰まり、大量閉店に走るアパレル事業者が少なからず、低報酬が是正されるどころか、非正規雇用を中心に販売員の解雇や雇い止めが広がっており、ロープレ・コンテストなど祭り事をやる状況ではない。「ものづくり」の付加価値を訴求するばかりで、販売労働を使い捨ててきたアパレル業界に反省はないのだろうか。

 販売員の報酬が低位に留まることを前提に改革を先送りして雇用調整に逃げるのではなく、時給が2000円、3000円でも利益を出していける効率的な仕組みに転換すべきで、若者の夢をあおって使い捨てる業界の悪習には終止符を打たねばならない。若者の所得が増えて将来に希望を持てないと、アパレル消費も冷え込んで業界の萎縮が止まらなくなる(もう、そうなって久しいが)。

 社会がサステナブルであるためにはアパレル業界も微力ながら若者の未来を支えるべきで、「販売員の労働は大切だ!」という揺るぎない信念を掲げて改革を急ぐアパレル企業が増えていくことを願うばかりだ。

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「ゲラン」の最高峰フレグランスがリニューアル 下着やシーツ専用の香水も

 「ゲラン(GUERLAIN)」はこのほど、最高峰フレグランス“ラール エ ラ マティエール”シリーズ(全17種、各100mL、各税込4万6200円/各200mL、各税込6万6000円)をリニューアルした。コレクションを彩る11種のアイコニックな香りに加え、4つのフレグランスが新たな名へ生まれ変わり、さらに新しい香りが2種登場する。またこれまで限定で販売していた生地につける香水“レ マティエール コンフィダンシエル”(全4種、各100mL、各税込2万1450円)も登場する。

 2005年にオートパフューマリーという名の下誕生した“ラール エ ラ マティエール”は、世界各地で栽培・厳選された最高峰の原料をぜいたくに採用。最高級の素材を芸術へ昇華させる、「芸術(ラール)と素材(マティエール)」という名のコレクションは、アートにインスパイアされた調香師がありのままの感情を表現した、 美を愛する人へ贈る香りだ。これまで1000種類以上の香りを生み出してきた「ゲラン」を代表する名香で、世界中の香水愛好家から愛用されている。

 今回新登場する香りは、ローズに敬意を表した2種。 フレッシュでテンダーな“ローズ シェリー”はピュアなローズにパウダリーなアーモンドが柔らかさを添える。“サンタルパオロッサ”は、バラの花の香りが情熱的なサンダルウッドを優しく包み込む、ウッディーでパワフルな香り。

 また“レ マティエール コンフィダンシエル”は、プライベートな時間を演出するフレグランス。カシミアのように柔らかく香る“オー デ カシミア”は上着やストールをソフトな香りで包み込む。リネンやタオルに振りまく“オー スクレット”はアーモンドやオレンジブロッサムのフレッシュで優しい香り。“オー デ リ チュニジア”はネロリのフレッシュな香りのベールが絹のシーツのように肌を包み、シーツや枕にスプレーすれば、ミストが疲れた感覚を癒し、優しい眠りへと誘う。ランジェリー専用の香り“オー デ ランジュリー”はまるでレースのように緻密に編み込まれた、エアリーなアイリスとローズの上質なフローラルが、センシュアルに肌に触れる。

 なお今回ボトルのカスタマイゼーションも提供する。ボトルのキャップの上部を飾るプレートは、自由に変えられるようになっている。12種類の定番デザインに加え、レザーやダイヤモンド、刺しゅうなどを施したスペシャルプレートも登場する。さらにボトルネックのコード(紐)も選べるほか、イニシャルやメッセージをボトル本体に刻印することも可能だ。2022年初旬からは、日本国内で製品を購入した人を対象にリフィル販売も開始予定だ。

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「トム フォード」から眩い太陽をイメージしたコレクションが発売 22年春夏ランウエイでも使用されたカラーが登場

 「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」は9月17日、メタリックゴールドのパッケージに包まれた“ソレイユ ブルロン コレクション”を発売する。同コレクションは13日(日本時間)に公開された2022年春夏コレクションのバックステージでも使用されたものだ。

 今回登場するのは、発売の度に完売が続出するアイシャドウパレット“アイ カラー クォード”の人気カラー“26 レオパード サン”(税込1万780円)。輝く太陽の金色、オレンジ色の炎、燃えるようなバラをイメージした4色を収めたパレットだ。秋のトレンドメイクはもちろん、どんなシーンにも相応しい目元を演出する。

 そのほかクリーミーな質感と滑らかなつけ心地、ピュアな発色を兼ね備えた“ソレイユ リップカラー(01 インセイシャブル(税込6820円)”、リュクス感のあるベルベットマットな仕上がりの“ソレイユ リップ カラー マット(511 スティール マグノリア”(税込6820円)、唇に潤いを与えつつ、淡いピンク色に彩る“バーム フロスト”(税込6820円)が登場する。さらに同じく金色のパッケージの最新フレグランス“ソレイユ ブルロン”(50mL、税込4万700円)も発売中だ。

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ユニクロと「ホワイトマウンテニアリング」コラボは10月15日発売 ダウンとフリースの全9型

 「ユニクロ(UNIQLO)」は、相澤陽介による「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」とのコラボレーション「ユニクロ アンド ホワイトマウンテニアリング(UNIQLO AND WHITE MOUNTAINEERING)」の発売日が10月15日だと発表した。ダウンアウターとフリースという「ユニクロ」の代名詞アイテムに絞り、メンズ、ウィメンズ、キッズで計9型を企画。相澤らしいユーティリティーやアウトドアウエアの要素を反映している。国内ユニクロ店舗と公式ECで販売する。

 商品はメンズが4型、ウィメンズが2型、キッズが3型。相澤がキッズウエアを手掛けるのは初めてという。サイズ展開はメンズXS〜4XL、ウィメンズXS〜3XL、キッズ100〜160。「家族全員で着られる」ことを目指し、性別や年齢を問わないデザインやサイズ展開にしている(一部サイズはECのみで販売)。相澤は「アウトドアやスポーツのディテールを、あらゆる人が着るユニクロの“LifeWear”にどう応用するかを考えた。着用時にストレスを感じないパターンやデザインを熟考した」とコメントしている。

 目玉アイテムは、ダウンと中綿を組み合わせた「ハイブリッドダウン」のオーバーサイズパーカ(メンズ1万2900円、ウィメンズ9990円)や、「ウルトラライトダウン」オーバーサイズジャケット(メンズのみ、7990円)。フリースは、メンズで重ね着風に見えるジャケットタイプ(4990円)、ウィメンズでサイドリボン装飾のプルオーバー(2990円)、キッズで裾配色のプルオーバー(1500円)をそろえる。

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「ミキモト」からジェンダーレスな新ライン“パッショノワール”が登場

 「ミキモト(MIKIMOTO)」から新ライン“パショノワール(PASSIONOIR)”が誕生した。性別、国籍、年齢を超えて愛されるパールジュエリー。同ブランドは、真珠が持つ魅力の可能性を追求し、より多くの人に伝えるジェンダーレスなジュエリーを提供する。イヤカフは約2万円〜、シルバーのチェーンと黒蝶真珠をミックスしたネックレスは20万円台〜。9月8日に特設サイト開設し、オリジナルコンテンツや商品情報を発信する。9月22日に、ミキモトの一部直営店とオンラインストアで発売。

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家族経営の伊ブティック「ルイーザヴィアローマ」が好調 CEOの“未来への投資”が富裕層に奏功

 イタリア発のファッションリテーラー「ルイーザヴィアローマ(LUISA VIA ROMA)」が好調だ。2020年のイタリアはコロナ禍でロックダウンを敢行したため店舗営業日数が半分だったが、20年度の年間売上高は前年比24%増の2億6000万ユーロ(約340億円)を達成。ECの売り上げが31%増という成長も後押しした。

 同店は1930年代に女性向けハットのブティックをフェレンツェで創業。その後ラグジュアリーブランドを取り扱うセレクトショップに転身し、1999年にECサイトをスタートした。大手ラグジュアリーECサイトとしては唯一、家族経営を継続している。現在は創業者の孫にあたる3代目のアンドレア・パンコネージ(Andrea Panconesi)=ルイーザヴィアローマ最高経営責任者(CEO)が経営理念を引き継いでいる。ラグジュアリーブランドから若手デザイナーズ、スポーツウエア、キッズウエア、香水やコスメなど計700ブランドを取り扱い、従業員は200人以上を抱える。

 企業として、環境保全や途上国の労働環境改善にも熱心に取り組んでいる。2018年からはユニセフ(国連児童基金)と共同でチャリティガライベントを年に1度開き、国際的なシンガーのパフォーマンスとサザビーズ(SOTHEBY’S)によるオークションで資金調達を行ってきた。7月31日にイタリア・カプリ島で開催された今年の同イベントでは、ケイティ・ペリー(Katy Perry)とジョン・レジェンド(John Legend)によるライブパフォーマンスに加え、オークションで1961年のフォーミュラ・ジュニア・レースカーが最高額となる約1億300万円で落札され、合計約6億5000万円の収益をユニセフに寄付した。

 競合ひしめくラグジュアリーEC市場の中で「顧客が納得する十分な透明性と未来への投資」が成長を続ける理由だとパンコネージCEOは語る。コロナ禍でのマーケットの変化や他社との差別化、ルイーザヴィアローマの今後について聞いた。

富裕層で増加する投資感覚の消費行動

——コロナ禍の昨年、売り上げや顧客にどのような変化が見られた?

アンドレア・パンコネージCEO(以下、パンコネージ):実店舗の営業停止は避けられなかったが、その分ECサイトの売り上げが急増した。ECサイトの売り上げ比率は全体の90%から、95%となった。さらに、長年アメリカを最大のマーケットにしていたが、昨年はイタリアでの売り上げがアメリカを上回り、全体の66%をイタリアが占めている。

——イタリアでの売り上げが伸長した要因は?

パンコネージ:実店舗の顧客がECサイトに流れたことと、ロックダウン時でも配送の懸念が少ない自国イタリアのECサイトを利用したこと。加えて、パンデミックという初めての経験は、日常の営みや消費行動について改めて考える機会となり、消費者は洋服がどこで作られていて、どんな企業が売っていて、その企業はどんな社会貢献をしているのかという背景にまで目を向けた。ラグジュアリー商品を購入するとき、物を消費するだけでなく、ブランドや企業に“投資する”という感覚で消費するようになったのだと考えている。特に、富裕層を中心に見られる傾向だ。

——“投資する”感覚とは具体的に?

パンコネージ:大手ラグジュアリーECサイトを見比べてみてほしい。セレクションやサービスは似たり寄ったりで大差はない。もちろん、どこで購入したって届くのは同じ製品だ。配送に関しては、アメリカでに届けるには他の大手よりも1日長く日数がかかるものの、「ルイーザヴィアローマ」を選んでくれる顧客がいる。その理由は、家族経営で独立した企業のオリジナリティーを尊重し、十分な透明性に納得しているからだろう。同じ金額を使うのであれば、サステナビリティやエシカル、社会貢献に取り組んでいる企業を選ぶ方が、地球と社会の未来への投資につながる。4年前に始めたユニセフのためのチャリティガライベントは、「ルイーザヴィアローマ」の企業理念を象徴するものとして大きな反響があった。

——チャリティガライベントを始めたきっかけは?

パンコネージ:アイデアが思いついたのは、娘と孫について話をしていたとき。いつだって子供というのは“未来”であり、次の時代を担っていく存在である。より良い社会を作っていくためには、世界中の子供に必要なケアを届けることが、地球の未来に投資することだと考えついた。これは家族経営だからこそ思いついた考えなのかもしれない。目先の利益ではなく、遠い未来を考えた。結果的には、ソーシャルグッドな取り組みが他大手との差別化を図るきっかけとなり、売り上げの数字にもつながった。ユニセフにも貢献できるため、契約を延長して当初の予定よりも長くイベントを継続している。私は常に、因果応報を信じている。善良な行いをすればそれだけの報いがあり、その信念がビジネスの基盤になっている。

——ECサイトのさらなる成長のための、今後のデジタル戦略は?

パンコネージ:ブランドとのコラボレーションや独自のコンテンツ作りはこれまで通り継続する。特にコンテンツに関しては、ラグジュアリー製品の工芸から文化的要素、歴史にまで触れて、顧客に学びを提供することを大切にしている。私にとってラグジュアリーとは“教養”を意味する。ラグジュアリー製品についての理解を深め、品格を養えるようなコンテンツを発信していきたい。

——今後実店舗はどのような役割を果たす?

パンコネージ:ECが成長しているとはいえ、人々が集い、コミュニティを意識できる実店舗の必要性は高い。パンデミックを通して、多くの人がリアルな体験こそ最も高い価値があると実感したように、実店舗での体験を提供することは企業として欠かせない。そのため、フィレンツェ郊外にカルチャーハブとなるような新店舗をオープンする予定だ。コンセプトストアとしての立ち位置ではなく、アートや音楽といったカルチャーも体験できるスペースとなる。フィレンツェはルネサンス期に最も栄えた都市で、時代の文明を築いた。最先端のカルチャーを発信するだけでなく、この地の歴史と文化に触れて、顧客やローカルの人々の学びとなるような実店舗にしたいと思っている。フィレンツェの姉妹都市である京都には、教養を身に付けられる素晴らしいショップや施設がたくさんあり、インスピレーションを受けた。近日中にオープン予定の新店舗に日本からの渡航者を迎え入れて、フィレンツェやラグジュアリーについて学んでもらいたい。

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肌がひりつかない未来型ビタミンC「MIRA-VC」を配合した美容液誕生

 皮膚科医と共同開発した化粧品を手掛けるマーベセラーは11月1日、ビタミンC発見から92年の歴史の中で初の低刺激で安定性をクリアした未来型ビタミンCを配合した高機能ブライトニングシリーズ(全4種、税込2200〜2万7500円)を皮膚科や化粧品専門店、公式サイトなどで販売する。

 ビタミンCは1928年に発見されて以降、酸性による強い刺激(ピリピリするので高濃度配合ができない)、不安定(活性を失い変色・変質しやすい)という課題を解決できていなかった。同社は専門家チームを作り世界のビタミンC研究を徹底してリサーチ。「5年をかけて高濃度で中性、活性値が落ちないビタミンC誘導体『MIRA-VC』の開発に成功した」と山本明男マーベセラー社長は自信を覗かせた。

 これまで皮膚科医がニキビや炎症などの治療でビタミンCを使用する際、刺激を避けるために0.5〜1%の配合品を使用していたが、「MIRA-VC」は10〜30%の配合が可能となる。さらに2〜3%配合の医薬部外品ではなく、規制のない化粧品として製品化も実現した。

 「MIRA-VC」を25%配合した“ニュートラVC 25(NEWTRA VC 25)”(15mL、税込8800円/30mL、税込1万6500円)は、ブライニング効果が高い美容液。シミやくすみ、毛穴、キメ、肌の弾力などにアプローチする。ニキビ対策としても効果を発揮する。8種の添加物(パラベンやエタノール、鉱物油、チタン、着色料、香料、シリコーン、キレート剤)フリーも実現した。“ニュートラVC 10(NEWTRA VC 10)”(15mL、税込3520円/30mL、税込6600円)は、「MIRA-VC」を10%配合した美容液。気になり始めたシミやくすみ、毛穴、キメにアプローチし、肌の土台ケアにおすすめ。

 そのほか、「MIRA-VC」を5%配合したシートマスク“フェイスマスク ニュートラ VC 5”(4枚入、税込2200円)や皮膚科医で販売する“VC 30 ニュートラル ビタミン セラム”(30mL、税込2万7500円)を扱う。

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「ロクシタン」から美容成分入りのハンドクリームが誕生

 「ロクシタン(L'OCCITANE)」は9月29日、エイジングケアの美容成分入りのハンドクリーム“シア イモーテル セラムハンドクリーム”(75mL、税込4290円)を限定発売する。ブランドを代表するスキンケアシリーズに配合される南仏コルシカ島のイモーテルの花から抽出した美容成分を配合し、エイジングケアをかなえる。

 今回「ロクシタン」独自の方法で抽出した「イモーテルコアエキス」と「イモーテルエッセンシャルオイル」をダブル配合し、内側から押し上げるような弾力のある、ピンと滑らかな手肌へ導く。さらに100%フェアトレードのシアバターを5%採用し、肌を柔らかく保湿しながら外部刺激から守る。ハイビスカスエキスも組み合わせ、色むらのない明るい肌へ導く。

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6万人が来場 世界最大規模デザインの祭典特別イベント「スーパーサローネ」がミラノで開催

 世界最大規模デザインの祭典「ミラノサローネ国際家具見本市(MILANO SALONE)以下、ミラノサローネ」の2021年特別イベント「スーパーサローネ(SUPER SALONE)」が9月5〜10日、イタリア・ミラノで開催された。昨年はコロナで開催を中止。今年はコロナ禍での開催であったが予想を超え、「スーパーサローネ」の会場であるミラノ郊外のロー・フィエラでは、425ブランドが出展。約6万人が来場し、そのうちの3割を113カ国からの外国人が占めた。また、世界各国から、約1800人のジャーナリストが来場。

 イタリアを代表する建築家であるミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)は、「『ミラノのサローネ』への関心がこれほどに高いということを再確認した」とコメント。「危険かもしれないが、重要なのは開催すること」と、「スーパーサローネ」の総監督を務めたミラノトリエンナーレ館長のステファノ・ボエリ(StfanoBoeri)氏は述べ、出展企業の規模にかかわらずスタンドの展示設計を全て一律にすることで、展示費用を抑えた。また、以前は最終日2日間しか一般に公開していなかったが、入場料15ユーロ(約1900円)を払えば、誰でも初日から入場可能と門戸を広げた。こうした動きから、予想以上の約6万人という来場者数を達成した。

コロナ禍でありながら、ミラノ市内も大混雑

 ミラノ市内では、イタリア人建築家である故ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti)についての展覧会などが開かれたトリエンナーレに約3万5000人が来場。ショールームやデザイン事務所が集中するブレラ地区も、ひっそりとしていたのと打って変わって、多くの人で混み合い、主な展示会場では行列ができ。入場を待たなければならないという状況だった。

 ミラノ市内の中心にショールームがある大手企業は例年通り、新作の説明をしながら接客を行なった。ファッションブランドも、ここ数年積極的に家具やインテリアを取り込んでいる。コロナによるブランク後のサローネでは、余力のあるファッションブランドはミラノ近代美術館など広い会場を使って、大掛かりな特別展示を開催。これらどの会場においても、入場にはグリーンパスかPCR検査陰性の証明書が必要であり、そのコントロールのためにどの会場にも特別要員が配置され、会場内では、マスク着用が要求された。

 今回の関心の中心は、サステナビリティ。素材として木が多く用い、リサイクルが取り入れられ、緑の植物がその存在を顕示していた。また、表現方法をより重視するアート的なアプローチも顕著で、アートとデザインの間はさらに曖昧になりつつあるようだ。一方で、ハイテクノロジーの存在は目立たなかった。

 2022年の「ミラノサローネ国際家具見本市」は4月5〜10日に開催が予定されている。

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“ほぐピラ”の星野由香が手掛ける毛穴ケアの美容液発売

 パーソナルトレーナーの星野由香が手掛けるセルフケアブランド「エカト(EKATO.)」は9月18日、毛穴悩みにアプローチし引き締まったフェイスラインをかなえる先行型美容液“バイタルセラム”(30mL、税込6050円)を公式サイトで発売する。

 同製品は、たるみ毛穴や開き毛穴に効果が期待できるビタミンCを7%配合。そのほか、フェイスラインを引き締めるVシェイプ成分を3%配合した。また、セラミド3種やコラーゲン2種、ナイアシンアミドも加え、潤いのある肌をかなえる。

 「エカト」は2020年に誕生。ボディーメイクのスペシャリストで、独自メソッド“ほぐピラ”を提唱する星野由香がプロデューサーを務める。体の視点からも美を研究し、スキンケアとボディーケアの両面からアプローチすることで揺るぎない美を提供する。これまで炭酸ガスパックやボディーミストなどを展開。原料は日本産にこだわり、全製品に日本由来の美容成分を配合し最先端の処方を採用している。また、売り上げの一部を自然環境保護団体に寄付する支援活動を実施し、持続可能な環境作りにも貢献する。

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「ロクシタン」がスヌーピーとコラボ ベビーシリーズも

 「ロクシタン(L'OCCITANE)」は9月29日、スヌーピーとコラボしたシリーズを限定発売する。昨年初めて登場した同コラボレーションは大きな話題を集め、即完売。人気のあまり、今回再登場することになった。「ロクシタン」を代表する“シア”シリーズと、赤ちゃんにも使える“シアベイビー”シリーズでコラボする。

 “シア”シリーズは、ハンドソープやハンドローション、保湿バーム、ハンドクリームが登場し、それぞれにスヌーピーのキャラクターのモチーフを施している。コラボを記念した限定キットも多数用意する。“シアベイビー”シリーズには、シャワーフォーム、モイスチャーミルク、クレンジングウオーターに、“スヌーピーベイビー”のイラストを描いた。出産祝いなどのギフトにも最適なセットも登場する。

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ポップアップは、どこまでサステナブルになれるのか?! Part2「私の33年目のサステナブル」Vol.27

 以前のコラムでお伝えしたように、私のブランド「パスカルマリエデマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」にはポップアップショップの機会が多い。そんな時は、スクラップ・アンド・ビルドが避けられない空間作りにおいてもゴミをなるべくゼロに近づけるなど、サステナブルな作り方を意識している。下北沢でのポップアップストアが幕を閉じて今チャレンジしているのは、渋谷のミヤシタパークで10月10日まで営業中のポップアップ。今回は、什器のアップデートを試みた。

 1つのブランドは、同じ什器を使い続ける場合が多い。もちろんそれも素晴らしいが、結果生まれる“あまり変わらない空間”はデザイン性が欠けがちだ。お客様にはブランドの成長と、毎回の様変わりを楽しんでほしい。そう思い、私たちは什器をアップデートした。

 前回の催事では、廃棄になるはずだった木製パレットを台やテーブルとして無造作に積み重ねた。「重たい什器は、女性スタッフだけでは動かせない」「上から吊り下げることは難しい」「期間中、さまざまに使いたい」「スタッフが座っても気にならない」「洋服のみならず、今後はアートも飾りたい」ーー。前回の問題を全て解決すべく、今回は9枚のパレットを使って移動式のパネル3枚を制作。ロックを外せば力を入れなくても移動できるパネルは、期間中頻繁にディスプレイを変える「PMD」にはぴったりだった。パレットの板をランダムに取り付けたカンジもちょうど良い。フックをつければ、額やポールなどを両面にディスプレイできる。最強の“リユース什器”が完成した。

 ここまで什器の形を毎回進化させると、その度に自分自身のサステナブルへの挑戦のモチベーションがまた上がる。ちなみに今回は、余った材料でブランドロゴ入りのハイチェアまでできた。今後は、家具のレンタルも考えたい。

 今回のポップアップのテーマは、ショップのウィンドーに大きく書いた「地球は汚れてしまった。この街はどう?」という強いメッセージ。そこに可愛らしいプラスティックモンスターのキャラクターを描いた。お客様が「何事か?」と足を止めてくださり、身の回りの一つ一つからサステナブルなアクションをとって欲しいという願いを込めた。是非一度、進化していく「PMD」の空間へのチャレンジを体感して欲しい。

■「パスカルマリエデマレ」ポップアップストア
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 1F S110区画
期間:10月10日まで
時間:11:00~20:00

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2019年に即完売した「ラリン」の“ベストウィッシュ”が再登場

 イスラエル発の自然派コスメブランド「ラリン(LALINE)」は9月17日、2019年冬に限定発売し、当時、続々と完売となった限定コレクション“ベストウィッシュ”を数量限定で発売する。ボディーソープ、ボディースクラブ、ボディーミスト、ボディークリーム、ハンドクリーム(税込1200〜3400円)の5アイテムをラインアップするほか、公式オンラインストア限定で、各アイテムを詰め合わせた限定セット4種類(税込4000〜1万2000円)も発売する。9月10日には一部の直営店舗と公式オンラインストアで先行発売する。

 「幸せが訪れますように」という思いを込めたフレグランス“ベストウィッシュ”は、弾けるシトラスやベリーのフルーティさに、アンバーやムスクがやさしく重なる香りが特徴。各アイテムのパッケージには、勇気をくれる幸せのメッセージを記している。また売り上げの一部を難病と戦う子どもたちの夢をかなえるボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ ジャパン(MAKE A WISH JAPAN)」に寄付する。

 泡タイプのボディーソープ“ベストウィッシュ バス&ボディバブル”(500mL、税込3000円)は、死海のミネラル、ホホバオイル、キャスターオイル、アロエベラエキスなどの天然保湿成分を配合し、心地よい香りに包まれながら、洗い上がりはみずみずしい肌へ整える。また、湯船に入れてバブルバスとしても楽しむことが可能だ。

 繊細に輝くシルバーグリッター入りの“ベストウィッシュ スパークリング ボディスクラブ”(240g、3200円)は、死海のミネラルソルトにエモリエント成分である、ヒマワリシードオイル、グレープシードオイル、アボカドオイルがブレンドされ、マッサージしながら使用することで、くすみの原因となる余分な古い角質をやさしく取り除き、なめらかな透明感のある肌に。

 フルーティかつスタイリッシュな香りの“ベストウィッシュ スパークリング ボディミスト”(100mL、3400円)は、同じくシルバーグリッター入りでミストタイプのボディ用化粧水。さっぱりとしたテクスチャーながら、保湿成分のカモミールウォーターが配合されており、心地よい香りを楽しみながら肌に適度な潤いを与えてくれる。

 “ベストウィッシュ チューブボディクリーム”(200g、3400円)は、死海のミネラルや植物由来成分の潤いヴェールが弾力のある肌に仕上げ、また、スキンケア効果で注目されているトマト、カレンデュラ、アロエベラのエキスを配合し、なめらかな手触りのクリームが肌をやさしく包み込む。

 同じくカレンデュラやアロエベラのエキスを配合した“ベストウィッシュ ハンドクリーム”(30g、税込1200円/100g、税込2100円)は、さらっとした付け心地でべたつかず、スマートフォンなどの操作も快適に行える。

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「ミッフィー」の無添加コスメが登場

 化粧品・化粧雑貨などを企画販売する粧美堂は9月20日、人気キャラクター「ミッフィー」をモチーフにした無添加コスメを発売する。全国のキデイランドおよびミッフィースタイルショップで9月5日に先行発売後、全国のGMSやバラエティーショップで取り扱う。

 今回登場するのは、リップバームやフェイスパウダー、リップ&チーク、アイシャドウ。全て5つの無添加処方(鉱物油フリー、有機色素フリー、紫外線吸収剤フリー、パラベンフリー、香料フリー)にこだわっている。さらに綿棒やパフ、ミラー、ポーチなどの雑貨もそろえる。価格帯は税込528〜1920円だ。

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イケてるヤツはだいたい吸ってる 「リッチル」でチルしよ!

 昭和生まれの僕が思うに、この30年でたばこほど、世間の風当たりが強くなった嗜好品はなかなか見当たらない。若者が煙をくゆらせる姿なんてのは、今ではほとんど皆無だ。たばこ離れが顕著な中で、次世代タイプとして誕生したベイプ(電子タバコ)が健闘するも、愛煙家以外は興味ない。そんな中で今ちまたで話題なのが、CBDを使ったCBDベイプだ。CBDとは大麻草に含まれる成分カンナビジオールの略称で、精神作用がなく、ストレス社会で働く現代人をサポートする健康成分。つまり、誰でも吸える“チル”な成分ってこと。そんなCBDベイプブランド「リッチル(RICHILL)」をご紹介。

たばこでも“怪しい煙”でもない
「リッチル」とは?

 メルカリの社員だったチル兄が脱サラし、新しい時代のかっこいいリラックスタイムを提供するために立ち上げたCBDベイプブランド「リッチル」。ブランド名は、“チルで日常の時間をリッチに”から。まさにチル好きのチル兄によるチルのための新しい時代の嗜好品 だ。ノンニコチン、ノンタールが特徴で、決してたばこではない。CBDをリキッド化(10 %配合)し、数種類のフレーバーと組み合わせて吸う。そもそも煙に見えるのは蒸気で、愛用者の6割以上が非喫煙者だという。取材以降、愛用している僕も、35年間一度もたばこを吸ったことがなかった。ちなみにチル兄は、シーシャ(水タバコ)屋やサウナまで経営する、本物のチルの伝道師なのだ。

教えて!チル兄!

Q.CBDって何?

A.麻に含まれる“チル成分”のことです(カンナビジオールの略)。精神活性作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは違って、CBDの安全性と有効性についてはWHOも認めています(WHO事務局が2010年に定めた精神作用物質の審作方法の手順に基づいて作成された国際的に権威のある文書による)。とはいえ、初めてのCBDで不安……という方もいらっしゃると思います。「リッチル」で取り扱っているCBDリキッドの原料は、厚生労働省のルールに則って輸入しています。CBDリキッドの原料が大麻取締法・薬機法に違反しないと判断されたのち、食品輸入届出を行ったうえで、正式に通関を行っています。第三者機関の研究チームによる厳格な品質検査で、THCが検出されないことが報告されていますので、安心してご使用いただけます。

Q.どんなときに吸う?

A.おすすめは、重要なプレゼンのお供に、睡眠のお供に、ととのい(サウナ用語)のお 供に、飲み会のお供に、働き盛りのお供に、 お口が寂しくなったときに、爽やかな朝に。

Q.チルって何?

A.「のんびり」とか「まったり」とかリラックス状態を表す言葉です。例えば、夕日や太陽の光を浴びて「チルだな〜」と感じる人も多いのでは?太陽を浴びると自律神経などを整えるセロトニンが分泌されます。これは別名“幸せホルモン”とも呼ばれています。自律神経を整え、心をポジティブにしてくれたり、ストレス解消につながったりするから。夕日を眺め、自然の美しさに黄昏れるひとときは、まさにチルタイムそのもの。さらにチルタイムの質を上げたい人は「リッチル」でチルして、心も体も極上のチル状態にしてみては?

おかわリッチルしたくなるフレーバーがたくさん

 「リッチル」では“和”をテーマにした6種類のフレーバーを用意する。さっぱりな柑橘2種類にメンソールを加えた“かぼすだち”。日本人なら誰でも知ってる“ミルク金時”。ジューシーな甘味が特徴の人気No.1“巨峰”。後味スッキリなコクのある甘さで秋にピッタリ“柚子マロン”。黒糖の濃厚さと抹茶のまろやかさがクセになる“黒糖抹茶”。価格は3330円と3630円。鼻から吐く際に香るフレーバーがチルタイムを極上に導いてくれる。

こんな世の中だから“おうチル”しよ!

 外出しづらいこんなときだからこそ、「リッチル」と極上の“おうチル”時間を過ごそう。CBDベイプから出る蒸気は、グリセリンからできているため匂いがつかず、部屋の中で吸っても安心。たばこのような副流煙も発生しないので、車の中でもレストランでも、なんならマンションのベランダで吸ったってご近所から苦情が来ることはないだろう(蒸気が出るのでモラルとお店のルールに従って、チルに吸おう)。周りに迷惑がかからないチルって最高じゃない?

たばこ大嫌いなあのブランドとコラボ

 “Smokingkills”でおなじみのファッションブランド「#FR 2(エフアールツー)」とコラボしたこちらは、魅惑的なチルタイムを演出してくれるエナジードリンク味。海外でたばこを吸える場所が極端に少ないことに業を煮やした「#FR2」の石川涼社長が、世界を目指すためにたばこをやめたのは有名な話。そんな石川社長も認めたCBDベイプ「リッチル」でぜいたくなチルタイムはいかが?デバイス7040円、CBDポッド3630円、ストラップケース2750円、数量限定のセット販売1万1200円。

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ユニクロ「UT」21年秋冬はアートにフォーカス 仏ルーブル美術館そばに新店もオープン

 「ユニクロ(UNIQLO)」のグラフィックTシャツブランド「UT」は2021-22年秋冬、アートを取り入れたデザインを豊富にそろえる。「ポケモン」と現代アーティスト山口歴、ジェームス・ジャーヴィス(James Jarvis)のコラボデザイン商品を8月27日から販売しているのに加え、9月下旬からは、仏パリのルーブル美術館収蔵の名作をモチーフにした商品群を販売する。9月16日には、ルーブル美術館そばのリヴォリ通り沿いに大型店もオープン。フランスでは初となる、「UT」コーナーを備えた店舗だ。

 ユニクロとルーブル美術館は2020年1月に、4年間にわたるパートナーシップ契約を締結し、2月にコラボ商品第1弾を発売した。5月からは、家族連れ向けの館内ミニツアーをユニクロの提供で開始。今秋から、毎月第1土曜日に無料入館できるプログラム“フリー・サタデー・ナイト”もユニクロの提供でスタートする。地元民や観光客がアートをより身近に感じられる環境作りを目指すものだが、ユニクロは米ニューヨークの近代美術館(MoMA)でも、同様の無料入館プログラムを提供している。

 16日にオープンするパリ・リヴォリ通りの大型店は4フロアで、売り場面積は約2000平方メートル。ルーブル美術館とのコラボ商品群も16日にまずリヴォリ店で先行発売し、その後各国店舗で発売していく。同店では今後、アート作品展示やワークショップなどを随時行っていくという。

 秋冬のルーブルコラボ商品は、春夏の第1弾商品に引き続き、メンズ商品のグラフィックを英国の大御所グラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル(Peter Saville)が手掛けている。ルーブルに収蔵されている「モナ・リザ」「サモトラケのニケ」などの名作と、その目録番号を組み合わせているのがポイント。ウィメンズは、名画に草花のモチーフを組み合わせたガーリーなデザインが豊富。価格は一律でTシャツ1500円(税込)、スエットトップス1990円、フーディー2990円。

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ユニクロ「UT」21年秋冬はアートにフォーカス 仏ルーブル美術館そばに新店もオープン

 「ユニクロ(UNIQLO)」のグラフィックTシャツブランド「UT」は2021-22年秋冬、アートを取り入れたデザインを豊富にそろえる。「ポケモン」と現代アーティスト山口歴、ジェームス・ジャーヴィス(James Jarvis)のコラボデザイン商品を8月27日から販売しているのに加え、9月下旬からは、仏パリのルーブル美術館収蔵の名作をモチーフにした商品群を販売する。9月16日には、ルーブル美術館そばのリヴォリ通り沿いに大型店もオープン。フランスでは初となる、「UT」コーナーを備えた店舗だ。

 ユニクロとルーブル美術館は2020年1月に、4年間にわたるパートナーシップ契約を締結し、2月にコラボ商品第1弾を発売した。5月からは、家族連れ向けの館内ミニツアーをユニクロの提供で開始。今秋から、毎月第1土曜日に無料入館できるプログラム“フリー・サタデー・ナイト”もユニクロの提供でスタートする。地元民や観光客がアートをより身近に感じられる環境作りを目指すものだが、ユニクロは米ニューヨークの近代美術館(MoMA)でも、同様の無料入館プログラムを提供している。

 16日にオープンするパリ・リヴォリ通りの大型店は4フロアで、売り場面積は約2000平方メートル。ルーブル美術館とのコラボ商品群も16日にまずリヴォリ店で先行発売し、その後各国店舗で発売していく。同店では今後、アート作品展示やワークショップなどを随時行っていくという。

 秋冬のルーブルコラボ商品は、春夏の第1弾商品に引き続き、メンズ商品のグラフィックを英国の大御所グラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル(Peter Saville)が手掛けている。ルーブルに収蔵されている「モナ・リザ」「サモトラケのニケ」などの名作と、その目録番号を組み合わせているのがポイント。ウィメンズは、名画に草花のモチーフを組み合わせたガーリーなデザインが豊富。価格は一律でTシャツ1500円(税込)、スエットトップス1990円、フーディー2990円。

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しまむら、子ども服業態「バースデイ」でも自社ECを開始

 しまむらは9月8日正午、ベビーや子ども用品を扱う業態「バースデイ」の自社ECを開設する。同社は主力業態「ファッションセンターしまむら」で2020年10月に自社ECを本格スタートしており、手応えを得ている。22年2月期はオンライン経由の売上高(ECで購入して店舗で受け取る等を含む)として50億円を想定しており、うち40億円が「ファッションセンターしまむら」。残り10億円を「バースデイ」などの業態が担う。

 「バースデイ」の店舗数は5月末時点で300店(国内のみ)。ECには店舗にはないEC限定商品もそろえ、先行販売なども行う。商品の受け取り方法は、配送料のかからない店舗受け取りと自宅配送(配送料は通常サイズで550円)から選ぶことができ、店舗受け取りを選んだ場合は「バースデイ」だけでなく、「ファッションセンターしまむら」「アベイル」「シャンブル」を合わせた全国約1840店で受け取りが可能。

 今年4月に行われた21年2月期の決算会見で、同社の鈴木誠社長は先行してスタートしている「ファッションセンターしまむら」のEC販売のうち、約9割が店舗受け取りだったことを明かしている。「バースデイ」も同様にして物流コストを抑え、強みである低価格商品をECでも効率よく販売する。

 しまむらは郊外の独立型立地が味方する形でコロナ禍以降好調だ。21年2月期は売上高が前期比4.0%増の5426億円、営業利益が同65.4%増の380億円、続く3〜5月期も売上高、営業利益ともに第1四半期として過去最高を記録した。6月以降は昨年の絶好調の反動やコロナ再拡大によりやや勢いが落ちてはいるものの、3〜8月の既存店売上高は前年同期比11.9%で着地しており、引き続き同業の中では悪くない数字だ。

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オリラジ中田敦彦に聞く 原価率65%のサステナブル・アパレルブランド「カール・フォン・リンネ」の本気度

 オリエンタルラジオの中田敦彦は8月8日、アパレルブランド「カール・フォン・リンネ (CARL VON LINNE)」を自身のユーチューブ「中田敦彦のYouTube大学」で発表した。動画内ではアパレルの廃棄問題や低賃金問題を解説。植物学者の名を冠した同ブランドについては村松啓市をデザイナーに迎え「未来のために、知性の上に着る」をコンセプトに設計し、作り手の顔が見える国内生産とサステナブルな素材使いが特徴であると語った。シャツ、Tシャツ、パーカー、ニットセーター、コートの5型の原価率は驚きの65%。予約販売は一晩で完売したときく。なぜ中田氏がサステナブル・アパレルなのか?その真意を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD ):「カール・フォン・リンネ」を立ち上げた経緯を教えて下さい。

中田敦彦「カール・フォン・リンネ」オーナー(以下、中田):実は当初はサステナブルなアパレルは想定していませんでした。以前「幸福洗脳」というブランドを販売しており、その経験を踏まえて今度は“ちゃんとした服を作りたい”と考えたのが先です。

WWD:「幸福洗脳」は “「シュプリーム」はなぜ売れるの?”と疑問を抱いた中田さんがその解を探して2018年に立ち上げたブランドですね。「幸福洗脳」のボックスロゴTシャツなど、攻めたデザインでした。それに対する“ちゃんとした服”とは?

中田:多くの人が着やすいデザイン、買いやすい価格の服、といった意味です。当初は価格とデザインのことしか考えていませんでした。その「カール・フォン・リンネ」にサステナブルの魂を入れたのはデザイナーの村松さんです。「幸福洗脳」で村松さんに作っていただいたニットのクオリティーの高さを覚えていたので、今回も依頼したところ「中田さんにはアパレル業界のサステナビリティの問題に挑戦してほしい」と逆提案を受けた。今年の5月の話です。

WWD:村松さんはなぜそのような提案を?

村松啓市「カール・フォン・リンネ」デザイナー(以下、村松):何かを作って世の中や購入者に届けるとき、今はやはりサステナビリティが非常に大切です。僕も長らくサステナブル・アパレルの活動を続けてきたけれど、多くのジレンマがあり、なかなかうまくいかない。中田さんとなら新しいことに挑戦できると思いました。

WWD:挑戦とは?

村松:アパレルの構造、システム自体への挑戦です。購入者が商品だけではなく、手に届くまでの構造自体を一緒に作り上げることを楽しむブランドです。オファーをもらってから1カ月考えて中田さんにぶつけました。

WWD:中田さんはどう受け止めた?

中田:主催する「ユーチューブ大学」を通じてこれまで気候変動問題や電気自動車、工業的な畜産業との関係などサステナビリティについてはいろいろ勉強してきました。欧米ではサステナビリティに取り組まない企業は淘汰されている。自動車産業で言えばガソリン車の法規制など外圧も多い。これからは従来の資本主義の原理だけではなく、サステナビリティ抜きには企業は投資を得られない。要するにサステナブルではない企業はどれだけいいものを作ってもゲームから退場せざるを得ない未来が見えている。だからサステナブル×アパレルビジネスの挑戦はおもしろそうだな、と単純に思いました。

WWD:おもしろい、の意味をかみ砕くと?

中田:この流れは数年遅れで必ず日本にもくる。だから挑戦してみたいと思ったんです。僕の肌感では今の日本にはサステナブル×アパレルの気配がまだありません。もちろん頑張っている方はいると思いますが僕に届いていないのだから、一般にはほとんど知られていないはず。アパレルに限らず日本の9割の人はSDGsや気候変動にピンときておらず、「一部のインテリが言っているだけ」と受け止めていると思う。僕はファッション感度は高くないけど発信力はあるから。村松さんのアイデアを翻訳し伝えられると思ったんです。

WWD:中田さんは「実験」という言葉をよく使いますが、サステナビリティの取り組みも「地球のため」というより、一つの「実験」でしょうか。

中田:志が高いのは村松さんであり、僕は発信力を生かしてサステナブルというカルチャーそのものを輸入するゲームや実験ができると考えました。ゲーム感覚というと、「サイコパス野郎が、遊び感覚でやっている」印象を与えるかもしれませんが、僕は気候変動に関しても、わが事としてとらえているんですよ。数年前では考えられなかった規模の水害などから気候変動の影響を肌感で受け止め「このままでは地球はマズイ、自分も何かやりたい」とは思う。かといって元グーグルCEOのラリー・ペイジ(Larry Page)やフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)みたいに世界を動かせるかといえば、そこまでは勘違いしない。

中田が世界を変える、のではなく、中田は世界を変えるパーツのひとつ、です。音楽で言えば「ヒップホップってこういうものだよ」と日本に持ち込んだ人と、その後に出てきたラッパーは役割が違いますよね。わかりやすく“DA.YO.NE”から始まり、「今夜はブギー・バック」に進み、「メロディーと組み合わせると気持ちいいんだぜ」とわかってドラゴンアッシュ(Dragon Ash)の「グレイトフル・デイズ(Grateful Days)」となる。そこでジブラ(Zeebra)の「俺は東京生まれのヒップホップ育ち」を聴いて初めて、「ヒップホップはストリートのカルチャーなんだ」とわかりました。

コーヒーもしかりで文化は3段階ぐらいかけてじっくり伝わる。だとするとサステナブル1.0の今は「サステナブルって何だよ」「意味分かんねえ」って言われながらも誰かがまず発信することで「面白いじゃん」と少しでも伝わればいいかなと。僕は、ヒップホップで言うところの “DA.YO.NE”の立場。大騒ぎして知ってもらう役割はできる。門外漢の僕がアパレル業界に何か貢献を1ミリでもできたら、それは面白いゲームです。

服は新商品を出すこととサステナブルが相反関係にありますよね。そこもパーフェクトではなくベターを目指すべきでは?だって、原始時代に戻るわけにはいかない。人間は新しい服を着たいし、服で自分を表現したい。そういう生き物だし、そういう文化があるから、それを前に進めながらもサステナブルを目指すのが、現実的なサステナビリティだと思う。

WWD:このブランドを通じて成し遂げたいことは「サステナビリティを伝える、知らせる」ですね。

中田:あくまで僕は、ですよ。わあわあ言ったら、こうやって取材に来てくれるわけですからドミノの2つ目は倒れています。村松さんにはまた別の考えがあるでしょう。

アパレル業界から予想以上の好反応

WWD:村松さんへの反響はどうでしたか?

村松:僕は自分のブランドでサステナブルな活動を続けてきましたが、これまではすでにサステナブルにアンテナが立っている人にしか受け止めてもらえてこなかった。今回は中田さんを通じて、知ってもらえるきっかけができた。本当に反響が大きくて驚いています。価格を工夫したこともあり「メード・イン・ジャパンの服を初めて買った」というメッセージももらい嬉しかった。

意外だったのが、アパレル関係者からの好反応です。応援のメールが多く届きました。地球や社会環境に良くないことをしている自覚を持ちつつ動けていない人も多いようで、ユーチューブを見てハッとしたと。特に町工場の方たちとのプロジェクトへの応援メッセージは多かったです。工場からは「これまではいい物を作ってもそれを伝えることができなかった」と喜ばれています。

WWD:中田さんは反響を受けて思ったことは?

中田:僕、音楽業界でも門外漢で大騒ぎしたことが一度ありますが、ファッションと似ています。音楽をすごく好きな人は世の中の1割で、9割の人はスポティファイから流れてくる曲を何となく聴いている。今回はその9割の人に向けて話したつもりです。

だけど僕の想定よりも、服の買い方に対して選択肢のなさを感じていた人が多いとは思いました。極論すると全身「グッチ(GUCCI)」か「ユニクロ(UNIQLO)」かの2極化がすごい。だから6000円のカットソーを「鬼高い」、2万円のコートを「鬼安い」と、反響が乖離しています。「ユニクロ」のTシャツが安過ぎること、「グッチ」のTシャツが高過ぎることにもう一度目を向けて、「あれ、真ん中の選択肢はいつからなくなったんだっけ?」と議論が始まる手応えはありました。

WWD:「原価率65%」とのことですが、アパレルが本業なら65%で事業を成長させるのは難易度が高い。中田さんにとっては問題提起こそが第1目標だから儲け度外視でよい、のでしょうか。

中田:村松さんに丸投げしたら「中田さんが言う通りの、怖くない良質な服、サステナブルな服ができました」と鬼高い原価率の服があがってきた。それを僕のオンラインサロンのメンバーに見せたら全員が「高い」と白目をむいた。その反応を見て「いいものが高いことが今の日本では全く受け入れられないんだな」と実感しました。「ユニクロ」のクオリティーが1500円、2000円で買えることに慣れてしまっているから。

僕は「いい物は高いんだよ、当たり前だろ、誰が泣けばいいんだよ、工場か?生産者か?目を覚ませ」と言いたい。村松さんが笑い、工場の人が笑い、売ろうとしているお客さんを笑顔にするには経営者が笑わないしかないと知ったときに「ブランドをスケールしない」という答えが見えました。企業はより多くの顧客により多くの商品を売って、より多くの売り上げを得ようとする。株式会社であれば株主の利益を追求する。これが資本主義のルールですが、僕は上場していないし、お金はユーチューブで稼いでいる。ならば資本主義のルールを放棄する実験をすることに価値があると思いました。アンチ資本主義ですね。それをこの資本主義の権化みたいな男が手がける遊びです。

WWD:では「カール・フォン・リンネ」の未来は?

中田:売り上げではなく、その活動の知名度を高めたい。それは僕の信頼につながります。そして「この規模なら自分にもできる」と思った人が事業をスタートして第2、第3の「カール・フォン・リンネ」が生まれ、小規模かつコアファンを抱える企業が増えたらおもしろい。1社で「ユニクロ」に勝つ未来はないけど、1万人のファンを抱える1万社が1億の人口をカバーする未来だったらあり得る。

サステナビリティの取り組みとは

WWD:中田さんはデザインにはかかわらず、村松さんがすべて担当している?

村松:はい。「幅広い年齢層、性別や時代を問わず着てもらいやすいデザイン」という中田さんからの発注のもと私がデザインしています。どこでどのように作られている素材か、トレーサビリティに重きを置いて生地を選び、全アイテムのトワルを何度も丁寧に作り、品質とデザイン性の両方とも妥協せずに作っています。低コストで粗悪なもの、高品質だけど高価格のもの、高品質で適正価格だけどオシャレではないもの、低価格だけど作り手が低賃金のものなど「誰かの犠牲の上で誰かが泣く」のでなく、誰もが幸せに服を楽しめる未来へ世界を前進させたい。

WWD:トレーサビリティについて。たとえば工場の電力や水の使い方も把握をしているのでしょうか?

村松:自社の判断基準数値を持つわけではなく、あくまで工場からの申告制です。1着の服が完成するまでには多くの工程があり、多くの企業・物流を通ります。それらをすべてトレースすることは一部の大手商社の素材をのぞいてはほぼ不可能です。僕らメーカーも、工場もその仕組みをもっていない。であれば工場さんには正直に話してもらい、僕らはそれを動画などでそのまま消費者に伝えます。

WWD:取り組んだ工場を教えてください。

村松:敬称略でお伝えするとシャツは遠州織物の古山、染色はイワン、ニットは福島の木幡メリヤスと大阪の深喜毛織、コートは尾州の東伸、オーガニックコットンを使ったTシャツとパーカーはパノコトレーディングがそれぞれ生産しています。

WWD:生産工場名を明かすこと自体、アパレル業界ではまれです。

村松:どこで染めているか、どこで織っているかといった情報は生地の販売会社の手の内を明かすことなのでどこも言いたがりません。今回も「言いたくない」という会社が多かったけど長年信頼関係を築いている会社さんたちに無理言って門を開いてもらいました。

WWD:ここで言うリサイクルウールとは?

村松:廃棄されたウール製品やウールの繊維を作るときに出るくずを集めて再生したものです。デッドストックを使った製品は別にあります。

WWD:オンライン販売ですが、配送時に梱包など商品以外に取り組んでいるサステナビリティはありますか?

村松:梱包材についてはまだ対応していません。ひとつ、これは中田さんにもこの場で初めて話すのですが、僕がこれまで一緒に仕事をしてきた障がい者の方の就労支援活動との取り組みも検討しています。商品と環境に加えて、生産者も持続可能でありたく、正当な対価を支払う仕組みを作りたい。

ユーチューブの可能性はライブコマースにある

WWD:ユーチューブの可能性と課題について教えてください。

中田:可能性はライブコマースです。中国がまさに今、ライブコマースでとんでもないことになっています。大手企業がマスメディアに大金を払ってCM打ち盛り上げる空中戦ではなく、インフルエンサーそれぞれがライブコマースでそれぞれゲリラ戦みたいな形で莫大な売り上げを上げています。日本は浸透しておらず、まさにライブコマース1.0な状況。ユーチューブがもっとシームレスに商品販売まで直結できる進化をしてくれると可能性が広がると思います。

WWD:現在、ユーチューバーが得られる収益とは?

中田:広告収入とメンバーシップによるサブスクリプションに加えて投げ銭機能も強くなってきています。でも、動画上の商品をタップしたら購入ページにリンクするところまではいっておらず、「概要欄へどうぞ」となる。ここがシームレスになると大きい。時間の問題だとは思います。

WWD:ユーチューブ以外のメディア、プラットフォームで物販する可能性は?

中田:僕は、あらゆるプラットフォームで影響力を持つ人間は少ないと考えています。僕らもコンテンツです。コンテンツに最適なプラットフォームがあるとすると、僕は長くしゃべるユーチューブが一番向いていて、渡辺直美ちゃんはインスタグラム、有吉さんはテレビが向いているんだと思う。僕は完全にユーチューブ軍の人間として、“頑張れ、ユーチューブ”です。

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女性のお守りになる上質なパンツを 新ブランド「アムルトワ」デビュー

 オンワード樫山や「コスチューム ナショナル(COSTUME NATIONAL)」で企画・デザインを経験した三宅佑果は、9月に新ブランド「アムルトワ(AMULETOI)」を立ち上げた。三宅がデザインを含むクリエイション全般を担当し、共同で立ち上げたルガル(LUGALE)の竹下千尋がパターンを、高荷孝子が生産を担う3人体制で運営する。デビューコレクションはパンツ5型、ブラウス2型、ジャケット1型というパンツ中心のラインアップ。パンツの価格帯は3万2000〜4万9000円となる。オリジナルの生地も使用しており、表面の上品な質感と柔らかい肌ざわりが特徴だ。シルエットはワイドとストレート、スリムなどで、2サイズと3サイズの2パターン。10月に開設する公式サイトで販売し、将来的には卸も視野に入れているという。

 ブランド名の「アムルトワ」は、フランス語でお守りを意味する“アムレット”と日本語の“永遠(とわ)”を掛け合わせた造語。三宅デザイナーは「自分のブランドをいつか立ち上げたい思いはあったけれど、このアパレル不況の時代にブランドを立ち上げるなら、大事に長く着てもらえる物しか作りたくなかった。女性が身に着けると、安心感や自信が持てるお守りのような服という思いをブランド名に込めた」と話す。パンツはトレンドに左右されずに長く着られ、竹下もパターンを得意としていたことからパンツ中心のラインアップになったという。今後は半年ペースでの展示会を予定しているものの、「春夏や秋冬といったシーズンの区切りではなく、定番品を積み上げたり、入れ替えたりしていく。色や柄も取り入れていきたい」と三宅デザイナー。

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「エミリオ・プッチ」新ディレクターに元「LV」のアクセサリー部門トップが就任

 「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」はアーティスティック・ディレクターにカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)元「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」アクセサリー部門クリエイティブ・ディレクターを指名した。

 ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月26日に「エミリオ・プッチ」が発表するのは、ミチェリではなく社内のデザインチームが手掛けたコレクションとなるため、ミチェリのコレクションはそれ以降に発表される見込みだ。

 フランス出身のミチェリ=アーティスティック・ディレクターは、15歳から「シャネル(CHANEL)」と「アライア(ALAIA)」にインターンとして入社。1990年から7年間、「シャネル」の広報を務めた。その後、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクターとして初めてレディ・トゥ・ウエアをスタートした97年に同ブランドの広報担当に着任した。マークに才能を評価されたミチェリは、同ブランドのコスチュームジュエリーのデザインを手掛けた。2009年には「ディオール(DIOR)」に移り、ファッションジュエリー部門の強化に貢献。また、レザーグッズのクリエイティブ・コンサルタントも務めた。14年には古巣「ルイ・ヴィトン」に戻り、アクセサリー部門全般を統括した。

 シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼最高経営責任者(CEO)は、自身のディオールCEO時代を振り返り、「彼女は商品開発にとても優れていて、ビジョンを持っている」とミチェリを評価する。「彼女は『プッチ』というブランド、ブランドのストーリー、そしてその世界を愛している。彼女はブランドのコードや歴史を尊重しつつ、新しさも見せてくれるだろう。ファッションには新しさが必要であり、これこそが使命だ」とコメントした。

 「エミリオ・プッチ」は00年にLVMHの傘下に入る。これまでクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)やピーター・デュンダス(Peter Dundas)、「MSGM」のマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)らさまざまなデザイナーをクリエイティブ・ディレクターに起用していたが、ジョルジェッティが退任した17年からは、ブランドを前進させる最善策として社内のデザインチームがコレクションを手掛けてきた。20-21年秋冬シーズンからは、「コシェ(KOCHE)」のクリステル・コシェール(Christelle Kocher)=デザイナーや「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴デザイナーをゲストデザイナーとして招聘し、ブランドの歴史やDNAを再解釈するコレクションを披露。21年3月には、ブランドのルーツに立ち返り、リゾートに特化したブランドとしてリブランディングを実施すると発表していた。

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「ジーユー」、21年秋冬CMに木梨憲武、Charaが仲間入り チャンキーニットと“華麗パン”で目指せマスヒット

 ジーユーは9月6日、より幅広い客層へのブランドの浸透を狙って、2021-22年秋冬のCMキャンペーンをスタートした。従来からCMに起用しているモデル・女優の中条あやみと俳優の福士蒼汰に加えて、今シーズンからとんねるずの木梨憲武、アーティストのChara、古着屋店員出身のモデル・俳優のゆうたろうを起用。ジェネレーションZから大人世代まで、「あらゆる人」にウェブやテレビCMを通じてアプローチする。

 「ジーユー(GU)」は、トレンドに敏感な20代や、30〜40代の子育て中のママ層などからの支持が厚い。一方で、「50〜60代以上などの大人世代への浸透度はまだまだ伸びしろが大きい」(広報担当者)ことから、大人世代代表として木梨、Charaを起用した。また、普段からスカートも愛用し、自分らしく自由にファッションを楽しむゆうたろうを起用することで、ジェンダーフリーや多様性の意識が高まる若い世代の価値観も取り込む。

 キャンペーン第1弾として、6日にウェブCMを公開した。10月からはテレビCMも放映開始する。初回のウェブCMで打ち出しているのは、21-22年秋冬の主力商品である、やや厚手のニットアイテム、「チャンキーニット」と、“華麗パン”という愛称で推す「華麗なる冬パンツ」だ。チャンキーニットはカーディガンやプルオーバー、ベストなどさまざまなバリエーションをウィメンズ、メンズともそろえる。“華麗パン”も素材やシルエットにバリエーションを持たせて、ウィメンズ、メンズ共に打ち出す。

 ジーユーの20年9月〜21年5月期業績は、昨年4〜5月に大幅な店舗休業や営業時短があったことの反動で大幅な増収増益となってはいたが、計画に対しては未達。「さまざまなトレンドを取り入れ過ぎて品番数が増えると共に、売れ残って値引きが必要となってしまった」(岡崎健ファーストリテイリング取締役)ことが背景にある。「コロナ禍で、ルームウエアやマスクなどの実用性の部分と、値下げによる低価格の打ち出しはお客さまから支持していただけた。しかし、その結果ベーシック品が増えてファッション商品が不足し、ヒットにつながりづらかった」と、柚木治ジーユー社長は振り返る。

 その反省から、21-22年秋冬は「マストレンドが狙える」商品として、チャンキーニットと“華麗パン”に照準を合わせ、CMで訴求していく。「好みが多様化して(マストレンドを狙うのは難しくなって)いる。しかし、表面的なトレンドをなぞるだけではなく、実用性と低価格を兼ね備えたアイテムを、エイジレス、ジェンダーレスに着こなせるようさまざまなスタイリングで提案すれば、マストレンドにつながる」と柚木社長。

 6日に行われた新キャンペーンの記者会見には、CMキャストの5人が登場。テレビゲームのキャラクターを演じているという新CMのゆるくシュールな動きや、“華麗パン”とかけたカレーパンを持ち出して、新商品をアピールした。

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「マツキヨ」音商標問題、知財高裁が特許庁の審決取り消し 氏名を含むブランド名の商標登録に新たな動き

 マツモトキヨシホールディングス(以下、マツモトキヨシHD)が2017年1月に出願した「マツモトキヨシ」という歌詞を含む音商標の登録が認められなかった件について、知財高裁は8月30日、これを認めなかった特許庁の審決を取り消した。

 マツモトキヨシHDは、テレビCMや店内BGMなどで使用しているメロディーと「マツモトキヨシ」という言葉を含む音商標を17年1月に出願したが、18年3月に特許庁が拒絶。同社はこれを不服として審判を申し立てたが20年9月に請求が退けられた。これを受けて同社はこの審決の取り消しを求める訴訟を知財高裁に提起していた。

 特許庁が一貫して「マツモトキヨシ」音商標の登録を認めなかった背景には、自分の氏名であっても他人の氏名を含む商標は、その他人の承諾を得ないと商標登録できないという商標法の規定が大きく関係している。この規定は昔から存在していたものの、18年ごろまでは氏名を含んでいても登録が認められるケースも多かった。しかし19年ごろを境にこの規定が厳格に適用されるようになり、登録を認めないケースが増加。「マツモトキヨシ」音商標もこの厳格化の流れを受けて登録が認められず、結果、知財高裁に持ち込まれた。

 マツモトキヨシHDは、本件音商標がテレビCMや店内BGMとして使われていたことで広く知られており、「マツモトキヨシ」という音からは、一般的に「ドラッグストアやその運営会社の『マツモトキヨシ』を思い浮かべる」と主張。これに対して特許庁は、音商標であっても「マツモトキヨシ」という氏名を使用する場合は、前述の規定を厳格に当てはめるべきだと主張した。

 これを踏まえて知財高裁は、音商標を聞いた人が、そこから人の氏名を連想しない場合は「『他人の氏名』を含む商標にあたるものと認めることはできない」としたうえで、本件音商標は「『マツモトキヨシ』の広告宣伝(CMソングのフレーズ)として広く知られていた」と認定。「通常、容易に連想、想起するのはドラッグストアの店名としての『マツモトキヨシ』(中略)であって、普通は、『マツモトキヨシ』と読まれる(中略)人の氏名を連想、想起するものと認められない」として、本件音商標は「他人の氏名」を含む商標に該当しないと判断した。

 今回の判決で注目すべき点は、規定を適用すべきか否かの判断基準に「著名性」が挙げられた点だ。厳格に規定が適用されていた期間は、著名性を一切考慮せずに氏名が含まれているかどうか、またその使用について他人の承諾を得ているかどうかという点で審査され、拒絶されてきた。しかし知財高裁は今回、形式的には氏名が含まれていても、本件音商標を耳にした人が人名ではなくドラッグストア「マツモトキヨシ」を連想するのであれば、この規定は当てはまらないと認め、出願人側の著名性を考慮して判断するという新たな考え方を示した。

 「本判決は、『音商標に接した者が、普通は、音商標を構成する音から人の氏名を連想、想起するものと認められないとき』には、当該音と同じ読み方の氏名を有する他人が存在していても、『他人の氏名』を含む商標にはあたらないなどとして著名な音商標の登録を認めた。この判決に従えば、 今回のような“音商標+著名”という事案では、今後登録が認められることになるが、過去に音商標の事案ではなかったものの、理屈のうえでは本判決と異なる立場をとったといえる判決もあり、予断を許さない」と山本真祐子弁護士は解説する。「他方、音商標ではなく、氏名をブランド名として(文字やロゴで)商標登録する場合は今回のケースに当てはまらないので、登録可能性に関する裁判所の判断や、立法的解決も含め、引き続き今後の動向に注目していく必要があるだろう」。

 今回、知財高裁が審決を取り消したことで、本件は特許庁に差し戻され、再度登録の可否が審査される。特許庁は同じ理由で拒絶することはできないため、今後の同庁の判断に注目が集まる。

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「ディプティック」から世界旅をイメージした限定品が登場 “京都の香り”も

 「ディプティック(DIPTYQUE)」はこのほど、創業60周年を記念し世界旅をイメージした限定コレクション“ル・グラン・トゥール(Le Grand Tour)”を発売した。パリ、ベネチア、ミリエス、京都、ビブロスと世界の都市にインスパイアされたフレグランスアイテムをそろえる。

 パリをイメージしたキャンドル(190g、税込1万3530円)は、土手に並ぶしだれ柳やアンティークショップの木製品、古本、セーヌ河岸沿いの散歩の香りをほうふつとさせる。キャンドルの上にはオブジェが添えられ、パリにオマージュを捧げた羅針図デザインが刻まれている。ベネチアは菜園の緑や地中海のそよ風、早朝の新鮮な植物が織りなすグリーンな香りのフレグランスをそろえる。バジルや青ピーマン、ベチバー、トマトなどをブレンドしたトラベルサイズのフレグランスのコフレ(7.5mL x 3本、税込1万1880円)になっている。ギリシャ・ミリエスをイメージした固形フレグランス(35g、税込9900円)は同地域に咲くイモーテルやイチジクの木の香りを再現し、そこにシプレやアンブロクサンをブレンド。さらにフレグランスの周りを波しぶきのブルーとホワイトのセラミックや大理石模様のビーズ、フリンジが飾りつける。京都をイメージしたフレグランス(100mL、税込2万4970円)は、生花の三才「天、地、人」に思いを馳せた。インセンス、バラ、ベチバーの絶妙なバランスをとった香水を製作し、京都をイメージした風呂敷で包んだ。大旅行の最後を飾る目的地は、レバノン・ビブロス。東洋への旅のルートにある世界最古の港町であるビブロスをイメージしたキャンドル(300g、税込2万1120円)は、市場に漂うコーヒーの香りにアトラスシダー、ホワイトムスク、カルダモンエッセンスを組み合わせた。

 また同コレクションの発売を記念し、国際的に有名な5人のアーティストとコラボした。世界各国でポップアップストアを開催し、それぞれのアーティストの作品を展示しながら製品を販売する。日本は9月10日〜10月10日、東京・表参道のジャイルで開催する。

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「トミー ヒルフィガー」「カルバン・クライン」を手掛けるPVHジャパンがトップ人事を発表

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」と「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」の国内ビジネスを手掛ける合同会社PVHジャパンは、尾郷高志エグゼクティヴ ヴァイス プレジデント 最高財務責任者(CFO)&最高業務責任者(COO)がトップのプレジデントに昇格する人事を発表した。前任のトム・チュー(Tom Chu)は、兼任していたPVHアジア パシフィックのプレジデント職に専念する。

 尾郷・新プレジデントは2010年にトミー ヒルフィガー ジャパンのCFOとして入社。財務とIT、サプライチェーンを統括してきた。16年のトミー ヒルフィガー ジャパンからPVHジャパンへの移行においても、中心的な役割を果たした。

 PVHジャパンは今秋、カルバン・クラインのメンズ&ウィメンズの新しいアパレルブランドを立ち上げる。

 またPVHジャパンの親会社にあたる米PVHコープは今夏、同社の名前の一部にもなっているアパレルブランドの「ヴァン ヒューゼン(VAN HEUSEN)」の知的財産権やその他の資産を売却している。

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ファストリ、縫製労働者の人権を守るための国際協定に署名

 「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングは、「繊維・縫製産業における健康と安全のための国際協定(International Accord for Health and Safety in the Textile and Garment Industry以下、新協定)」に署名した。新協定は9月1日付で発効し、2023年10月まで継続する。同協定は9月2日時点で91社が署名しており、うち日本企業はファストリのみ。

 新協定は、「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定(Accord on Fire and Building Safety in Bangladesh以下、旧協定)」の枠組みを引き継ぐもの。旧協定はバングラデシュの首都ダッカで2013年4月に発生し、死者1100人、負傷者2500人以上の被害を出した縫製工場ビル崩落事故をきっかけに締結された。ファストリは同年8月に旧協定に署名している。旧協定は21年5月末が失効期限だったが、労働者を取り巻く環境が改善されない状況を危惧した人権アクティビストやNPO、ブランドなどからの要請を受け、期限が8月末まで延長されていた。

 新協定は旧協定の内容を引き継ぎ、法的拘束力を持つが、対象をバングラデシュだけに限らず、人権監視団体が “高リスク”と見なす他のアパレル生産国にも拡大する考えがあるという。ファストファッションブランドの下請け工場が多い中国、インド、マレーシア、パキスタンなどがこれに当てはまる。

 ファストリ以外ではスウェーデンのH&Mや、「ザラ(ZARA)」を擁するスペインのインディテックス(INDITEX)、仏カルフール(Carrefour)、英マークス&スペンサー(Marks & Spencer)などが署名している。米国企業ではPVH、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)などが署名しているが、全体的に欧州企業が中心。旧協定は13年時点で200社以上の署名が集まったのに対し、今回は法的拘束力がより強まったことなどで署名の数がまだまだ少ないことを問題視する声もある。

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ファストリ、縫製労働者の人権を守るための国際協定に署名

 「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングは、「繊維・縫製産業における健康と安全のための国際協定(International Accord for Health and Safety in the Textile and Garment Industry以下、新協定)」に署名した。新協定は9月1日付で発効し、2023年10月まで継続する。同協定は9月2日時点で91社が署名しており、うち日本企業はファストリのみ。

 新協定は、「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定(Accord on Fire and Building Safety in Bangladesh以下、旧協定)」の枠組みを引き継ぐもの。旧協定はバングラデシュの首都ダッカで2013年4月に発生し、死者1100人、負傷者2500人以上の被害を出した縫製工場ビル崩落事故をきっかけに締結された。ファストリは同年8月に旧協定に署名している。旧協定は21年5月末が失効期限だったが、労働者を取り巻く環境が改善されない状況を危惧した人権アクティビストやNPO、ブランドなどからの要請を受け、期限が8月末まで延長されていた。

 新協定は旧協定の内容を引き継ぎ、法的拘束力を持つが、対象をバングラデシュだけに限らず、人権監視団体が “高リスク”と見なす他のアパレル生産国にも拡大する考えがあるという。ファストファッションブランドの下請け工場が多い中国、インド、マレーシア、パキスタンなどがこれに当てはまる。

 ファストリ以外ではスウェーデンのH&Mや、「ザラ(ZARA)」を擁するスペインのインディテックス(INDITEX)、仏カルフール(Carrefour)、英マークス&スペンサー(Marks & Spencer)などが署名している。米国企業ではPVH、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)などが署名しているが、全体的に欧州企業が中心。旧協定は13年時点で200社以上の署名が集まったのに対し、今回は法的拘束力がより強まったことなどで署名の数がまだまだ少ないことを問題視する声もある。

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美容師とユーザーを結ぶCtoCマッチングアプリ「ヘアリー」が誕生 美容師が独自に情報発信できる成果報酬型サービス

 美容師向けサービスを行うHairlieはこのほど、CtoCプラットフォームを提供するC2C PTE. LTD.と協働で、美容師とユーザーをつなぐウェブアプリ「ヘアリー(HAIRLIE)」のベータ版のサービスを開始した。気になるヘアカタログやスタイリストからサロンを検索でき、予約から支払いまで全てアプリ内で完結できるサービスとなる。またスタイリストが独自のページを作成できるため、各々が自由にヘアスタイルをPRし、集客につなげることが可能だ。

 既存の大手予約サイトは認知度も高く安心感がある一方、毎月の固定広告費や競合過多による安価な打ち出し価格、キャンセルリスクなどは小規模サロンからするとハイリスクだった。また大手サロンにおいてもサイトの運営や集客に関して店長へ業務が一極集中してしまっていた。こうした現状に着目し「ヘアリー」を開発した。

 「ヘアリー(HAIRLIE)」は従来の定額型サービスとは異なる小規模サロンにもうれしい成果報酬型。また事前決済システムのためキャンセルリスクを回避でき、店舗での手間も軽減することが可能だ。さらにユーザーにとっても、画像検索で見つけたヘアスタイルは該当スタイリストが担当するため、施術後のギャップが生まれにくいというメリットもある。

 Hairlieは、全国271店舗を有する美容室「オーブヘア(AUBE HAIR)」の副社長やアイラッシュサロン、エステサロン経営などの経験を持つ松田孝志Hairlie社長が2020年6月に設立。自身の美容師経験を元に「美容師の負荷を軽減させたい」という思いからサービスを展開する。今秋にはモバイル版のリリースも予定している。

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美容師とユーザーを結ぶCtoCマッチングアプリ「ヘアリー」が誕生 美容師が独自に情報発信できる成果報酬型サービス

 美容師向けサービスを行うHairlieはこのほど、CtoCプラットフォームを提供するC2C PTE. LTD.と協働で、美容師とユーザーをつなぐウェブアプリ「ヘアリー(HAIRLIE)」のベータ版のサービスを開始した。気になるヘアカタログやスタイリストからサロンを検索でき、予約から支払いまで全てアプリ内で完結できるサービスとなる。またスタイリストが独自のページを作成できるため、各々が自由にヘアスタイルをPRし、集客につなげることが可能だ。

 既存の大手予約サイトは認知度も高く安心感がある一方、毎月の固定広告費や競合過多による安価な打ち出し価格、キャンセルリスクなどは小規模サロンからするとハイリスクだった。また大手サロンにおいてもサイトの運営や集客に関して店長へ業務が一極集中してしまっていた。こうした現状に着目し「ヘアリー」を開発した。

 「ヘアリー(HAIRLIE)」は従来の定額型サービスとは異なる小規模サロンにもうれしい成果報酬型。また事前決済システムのためキャンセルリスクを回避でき、店舗での手間も軽減することが可能だ。さらにユーザーにとっても、画像検索で見つけたヘアスタイルは該当スタイリストが担当するため、施術後のギャップが生まれにくいというメリットもある。

 Hairlieは、全国271店舗を有する美容室「オーブヘア(AUBE HAIR)」の副社長やアイラッシュサロン、エステサロン経営などの経験を持つ松田孝志Hairlie社長が2020年6月に設立。自身の美容師経験を元に「美容師の負荷を軽減させたい」という思いからサービスを展開する。今秋にはモバイル版のリリースも予定している。

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悪天候とコロナのダブルパンチ 専門店8月度、ユニクロは39%減

 専門店チェーン、セレクトショップの2021年8月度(既存店ベース)は、悪天候とコロナ拡大のダブルパンチで、前年実績を割り込んだという声が中心だった。前年から1割前後落ち込んだという店が多い。前年8月が絶好調だったユニクロは38.9%減という落ち込みだった。

 ユニクロの前年8月は、一昨年同月に対し29.8%増という大幅な伸びだった。「昨年は猛暑だったことにも助けられたが、大雨、五輪による外出減、緊急事態宣言で、今年は客数が前年同月比35.2%減となった。月全体を通し、思った以上に厳しかった」と広報担当者。

 しまむらの「ファッションセンターしまむら」(7月21日〜8月20日)は同5.7%減。他社に比べると数字はよいものの、「夏物の売れ行きが不調だった」(発表資料より)。ただし、「強化しているサプライヤーとの共同開発ブランドや、インフルエンサーの企画商品の秋物立ち上がりは好調」だったという。

 良品計画の「無印良品」は同9.9%減。レトルトカレーを中心に、食品は引き続き同16.6%増と好調なものの、悪天候とコロナ禍で衣服・雑貨が同23.1%減と苦戦。7月末から順次実施している価格改定により値下げした「体にフィットするソファ」や「羽根まくら」などは「好調に推移した」(発表資料より)という。

 アダストリアは同11.5%減だった。「天候不順、コロナ拡大による客数減で、月の半ば、下旬にかけてより厳しい状況となった」と広報担当者。実店舗の客数が減ったことで、もともとEC売上比率の高い「ハレ(HARE)」「レピピアルマリオ(REPIPI ARMARIO)」「エルーラ(ELURA)」などが比較的堅調だったという。

 ユナイテッドアローズは、同12.8%減。悪天候とコロナにより「実店舗売り上げは厳しく、ECも前年のセール施策の反動で同9.6%減と前年を割り込んだ」(発表資料より)。

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中国の高級婦人服「アイシクル」日本上陸 ワールドが支援

 ワールドは、中国の高級ファッションブランド「アイシクル(ICICLE)」の日本上陸をサポートする。同社がブランド運営で培ったノウハウを他社に提供するプラットフォーム事業の一環で、日本進出にあたってのコンサルティング、販売業務委託、システム導入、バックオフィス業務支援などの分野を担う。「アイシクル」は1日、阪急うめだ本店に日本1号店を開いた。

 「アイシクル」は中国のICCFグループ(当時アイシクルファッショングループ)が1997年に上海で設立。上海とパリのデザインセンターから生み出される高感度な服や雑貨が人気を集め、中国国内で276店舗を運営するほか、19年にはパリにも旗艦店を出店している。また18年には仏ブランド「カルヴェン」を買収したことでも話題になった。

 「アイシクル」はシンプルなデザインながらもカシミヤやウール、シルクなど上質な天然素材を使ったコレクションで知られ、日本での価格帯はコート16万〜64万円、ジャケット10万〜18万円、スカート6万〜16万円、ニット3万〜14万円。地球環境に配慮したモノ作りを推進している。

 日本進出にあたってICCFジャパンを設立し、オフィスをワールド北青山ビル内に構えた。だが、ワールドは日本法人に出資したり、代理店業務契約を結んだりするわけではなく、あくまで業務サポートの立場をとる。1号店は阪急うめだ本店6階のプレミアム婦人服ゾーンで売り場面積は15坪。

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ECの成長課題を解決したい 「今週の特集お届け隊」2021年8月30日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年8月30日号からの抜粋です)

中出:今回はEC支援をテーマに、自社ECやECモールを活用する中で多くの企業が直面している成長課題を解決したいと考えました。そこでまずECコンサル企業いつも.の望月智之副社長に押さえておくべきポイントを聞きました。

横山:ファッションもビューティも手掛けているので、双方の話が聞けてよかったよね。僕は「インスタで勝てないファッションブランドは、何をやっても勝てない」と言い切っていたのが衝撃だった。「インスタはファッションを売るのに最適化されたプラットフォームだから、そこで勝てないブランドは難しい」と。なるほど、と思った。

中出:私はビューティブランドだからこそ、自社ECでロイヤルユーザー向けのサービスを充実させよというのが響きました。ビューティの場合、消費者は便利なところかポイントが獲得できるECモールで買う人が多いので、オフラインの店舗と同じレベルの体験をそろえることが大事だと。例えば、たくさん買うことで得になるようなプログラムを自社ECに設けることで、モールはファーストユーザー向け、自社ECはロイヤル顧客向けと役割分担ができて売り上げもアップするというのに納得しました。

横山:商品名で検索して買ったり、リピート買いのあったりのビューティならではだよね。僕はアパレルEC支援企業大手のBBFについての取材で、デザイナーの丸山敬太さんに聞いた話が面白かった。「ECサイトに『売り切れ』という表示を出すのはおかしいよね。だってリアル店舗には在庫があるのかもしれないんだから、『お問い合わせください』って問い合わせ先を出すべきじゃないか」とか、「お店ならVMDとかディスプレーにこだわるのに、サイト上の商品が更新した順なのは納得がいかない」とか、当たり前に思っていたけど、言われてみたら納得の話が多かった。システムの都合ではなく、技術が日々進歩していてできることも増えている。今だからこそ、お客さまにとって、ブランドにとって何がベストかを改めて考えられると思った。

中出:そうですね。課題は以前とあまり変わりませんが、解決のための知見と技術はアップデートされています。うまくとらえていきたいです!

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ポップアップは、どこまでサステナブルになれるのか?! マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.25

 今回のテーマ“ポップアップショップ”の歴史は、「ウィキペディア(Wikipedia)」によると、なんと1298年まで遡るという。今のポップアップの前身となる期間限定の店舗は1298年、オーストリア・ウィーンのクリスマスマーケットに設けられたものが最古とみられ、その歴史に驚いた。今のような、期間限定のショップがファッション界でも増えたのは、2010年前後だっただろう。

 ポップアップショップは常設店よりもコストなどの負担が軽く、消費者もお祭り感・限定感に心が躍る。SNSのパワーを駆使したポップアップショップは、すっかり定着した。
だが、環境にかける負荷はどうだろう?

 そう思うようになったのは、私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」がポップアップショップに取り組むようになってから。期間限定の資材やポスター、壁紙は、営業が終わるとゴミになる。再利用は常設店を持たないと難しく、環境に負荷をかけることも多い。

 私は、ポップアップの施工業者の方と相談を繰り返した。「面倒な客」と思われていたに違いない。「サステナブルという言葉は、商品だけにしてくれ」、そんな風に思われていたかもしれない。でも、妥協できなかった。

 お客様は、私たちのサステナブルな取り組みにアイデンティティを感じてくれて、ただ商品を買うだけでなく、その空間も楽しみに来てくれる。什器やハンガー、ゴミ箱からショッピングバッグにいたるまで、“当たり前”を見直す作業から始まった。什器やハンガーは、某アパレルブランドの“おさがり”を使用、ハンガーはそこにオリジナルのロゴを加え、いい感じに仕上がった。

 店内はどうしよう?業者さんと

業者さん:「『PMD』は、アーシーなグリーンでいきましょう!」

私:「生花は枯れるとゴミになるから、循環型とは思えません」

業者さん:「では造花にしましょう!何度も使えるからサステナブルです!」

私:「でも造花って、プラスチックで作られていませんか?」

 こんな会話を繰り返しながら、「新しいものの購入を最小限に抑えたポップアップ」というテーマを追求した。

 結果、新しく買ったのは絨毯とお祭りライト、立て看板くらい。装飾にはフラワーアーティストの志村大介氏とのコラボレーションで、アートで使った生花をドライフラワーにして使用。その空間に対する反響は大きかった。下北沢で約2カ月開催した「PMD」のポップアップショップは、大盛況のうち会期を終えた。

 そして挑戦はさらに続く。9月5日には渋谷のミヤシタパークに「PMD」のリミテッドショップがオープンする。新しいサステナブルに取り組んでいるので、ぜひ、「PMD」の空間づくりを体感していただきたい。ショップは10月10日まで、毎日11~20時オープンだ。

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ポップアップは、どこまでサステナブルになれるのか?! マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.25

 今回のテーマ“ポップアップショップ”の歴史は、「ウィキペディア(Wikipedia)」によると、なんと1298年まで遡るという。今のポップアップの前身となる期間限定の店舗は1298年、オーストリア・ウィーンのクリスマスマーケットに設けられたものが最古とみられ、その歴史に驚いた。今のような、期間限定のショップがファッション界でも増えたのは、2010年前後だっただろう。

 ポップアップショップは常設店よりもコストなどの負担が軽く、消費者もお祭り感・限定感に心が躍る。SNSのパワーを駆使したポップアップショップは、すっかり定着した。
だが、環境にかける負荷はどうだろう?

 そう思うようになったのは、私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」がポップアップショップに取り組むようになってから。期間限定の資材やポスター、壁紙は、営業が終わるとゴミになる。再利用は常設店を持たないと難しく、環境に負荷をかけることも多い。

 私は、ポップアップの施工業者の方と相談を繰り返した。「面倒な客」と思われていたに違いない。「サステナブルという言葉は、商品だけにしてくれ」、そんな風に思われていたかもしれない。でも、妥協できなかった。

 お客様は、私たちのサステナブルな取り組みにアイデンティティを感じてくれて、ただ商品を買うだけでなく、その空間も楽しみに来てくれる。什器やハンガー、ゴミ箱からショッピングバッグにいたるまで、“当たり前”を見直す作業から始まった。什器やハンガーは、某アパレルブランドの“おさがり”を使用、ハンガーはそこにオリジナルのロゴを加え、いい感じに仕上がった。

 店内はどうしよう?業者さんと

業者さん:「『PMD』は、アーシーなグリーンでいきましょう!」

私:「生花は枯れるとゴミになるから、循環型とは思えません」

業者さん:「では造花にしましょう!何度も使えるからサステナブルです!」

私:「でも造花って、プラスチックで作られていませんか?」

 こんな会話を繰り返しながら、「新しいものの購入を最小限に抑えたポップアップ」というテーマを追求した。

 結果、新しく買ったのは絨毯とお祭りライト、立て看板くらい。装飾にはフラワーアーティストの志村大介氏とのコラボレーションで、アートで使った生花をドライフラワーにして使用。その空間に対する反響は大きかった。下北沢で約2カ月開催した「PMD」のポップアップショップは、大盛況のうち会期を終えた。

 そして挑戦はさらに続く。9月5日には渋谷のミヤシタパークに「PMD」のリミテッドショップがオープンする。新しいサステナブルに取り組んでいるので、ぜひ、「PMD」の空間づくりを体感していただきたい。ショップは10月10日まで、毎日11~20時オープンだ。

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カルバン・クラインは日本で今後どうなる キーマンが語る新アパレル事業や既存ブランド

 米PVHコープ(PVH CORP)傘下のカルバン・クラインは、日本でメンズとウィメンズを扱うアパレル部門を今秋立ち上げる。年内には日本公式ECも開設する予定だ。同社は、20年以上にわたって継続してきたオンワード樫山とのライセンス契約を2020年で解消し、ライセンスブランドの「CK カルバン・クライン(CK CALVIN KLEIN))」を20-21年秋冬シーズンで終了させていた。新たに立ち上げるアパレルブランドの狙いや、既存のライセンスブランドを日本でどう運営していくのかを、PVHジャパンの楠龍人シニアバイスプレジデント ゴートゥーマーケットに聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):日本で新たにアパレルブランドを立ち上げるが、なぜ日本で?また他のライセンスブランドは今後どうなる?

楠龍人PVHジャパン シニアバイスプレジデント(以下、楠):日本で立ち上げるのは、多種多様なコミュニティーと大きなビジネスの可能性を備えており、カルバン・クラインが急速に成長できる国だと期待しているから。他のライセンスパートナーとも、厳しいパンデミック状況下でも取り組みを継続できているので、連携を引き続き深めていきたい。

WWD:オンワード樫山時代の顧客はどう引き継ぐ?

楠:お客さまが身に付けたいと思える商品を提供し続けることで、既存顧客に満足してもらえるはず。ブランド価値を高めていくためには、お客さまとの関わりを維持するのが優先事項の一つだ。

WWD:日本市場における各カテゴリーの戦略は?

楠:カルバン・クラインは他のファッションブランドよりも幅広いカテゴリーを持っている。そのためマーケットのチャネルごとのお客さまに最適な商品を届けるには、チャネルごとのマーチャンダイジング戦略が非常に重要だ。例えば、「カルバン・クライン」は主に百貨店で、「カルバン・クライン ジーンズ(CALVIN KLEIN JEANS)」は若者が集まるファッションビルやショッピングモールに出店するなど、ニーズに合ったラインを適切な顧客グループにアプローチしている。マーチャンダイジング戦略に柔軟性を持たせることで、マーケットのニーズに迅速に対応することができる。

WWD:日本で今後打ち出す予定のプロモーションや販売戦略は?

楠:新アパレル事業では、日本の有名タレントを起用したキャンペーンを秋に開始するなど、プロダクトストーリーを伝えるためにさまざまな準備を進めている。日本の若年層の消費者は、純粋なショッピングよりも価値のある体験を重視し、自分と同じ価値観を共有するブランドを好む傾向がある。Z世代とのエンゲージメントや相互作用を最大限に広げるために、価値観を共有することのできるメディアや文化的なキュレーターと関わり、関連性のあるコンテンツを制作していきたい。

WWD:4月に発売したデザイナーのヘロン・プレストンとの協業はまさにZ世代を意識したものだったが、反響は?

楠:初のグローバルコラボレーションとして発売した“ヘロン・プレストン フォー カルバン・クライン(Heron Preston for Calvin Klein)”は、ブランドDNAの幅を広げて新製品の方向性を打ち出し、新規客と既存客との架け橋を作ることができて日本でも大好評だった。今後もブランドや商品ストーリーを伝えるための革新的な方法を常に模索していきたい。

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シャネルがアウターに強いニットウエア会社を買収

 シャネル(CHANEL)は、アウターの開発に力を入れているニットウエアのスペシャリスト、イタリアのパイマ(PAIMA)社の過半数株式を取得した。取引詳細は開示されていない。

 シャネルは「シャネルはパイマ社の長年の顧客の1つであり、今回の決定は利害の一致によるものだ。パイマ社は近年成長を加速させているが、その成長と投資を強固に支えるパートナーが必要だと考えた。シャネルにとって、この提携は『シャネル』にとって必要不可欠なセクターの強化にある。すでに構築済みの関係を継続することでより一層サステナブルな枠組みでコラボレーションを実施していく」とコメントしている。

 パルマ社は1968年にマラビーニ(Marabini)家が、靴の産地として知られるマルケ州の小さな町、オシモに小さなニットウエアのアトリエを設立したことからスタート。創業以来、ラグジュアリー業界の協力企業としての役割を担い、天然繊維からテクニカルファイバーを使用したアウターウエアの開発へと専門性を広げている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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ユニクロが災害時に必要な「服の備え」をリスト化 防災の日には紗栄子を招いたラジオ番組も放送

 ユニクロは9月1日の「防災の日」を前に、災害避難の際に役立つ「服の備えチェックリスト」を公式ホームページのサステナビリティ専門ページ内で公開した。また1日には、災害支援活動を積極的に行っているモデル・タレントの紗栄子さんや山村武彦防災システム研究所所長をゲストに招いたラジオ番組「TOKYO FM×ユニクロ『防災の日 特別番組 〜考えよう、服の備え〜』も放送する。

 ユニクロは今年2月に、全国の20〜60代男女2400人を対象に「災害時の備え」に関するインターネット調査を実施。その結果、「86.2%が日ごろから防災を意識しているが、災害時避難のための『服の備え』を行っているのはわずか14.7%だった」「避難経験者の4人に1人以上が『避難時に足りなかったもの、あったらよかったもの』として衣類をあげた」(発表資料より)。一方で、避難所の設置や運営、被災者支援を担う自治体に書面でアンケート調査を行った(7月)ところ、「回答のあった927の自治体のうち、マスクを除く衣類の備蓄を行っているのは18.2%に留まっていた」という。こうした調査より「個人および自治体ともに、避難時に必要とされる『服の備え』は十分とは言えない」としている。

 調査結果を受け、「服の備えチェックリスト」では、災害発生時から支援物資が届くまでの数日間に必要な衣類をリスト化。どういった服が何枚必要なのか、「ユニクロ(UNIQLO)」の商品ではどれがそれに当てはまるのかを公表している。

 ユニクロでは全国約810の店舗網を生かし、これまでも災害時には服を通じた被災者支援を実施。海外の災害にも緊急支援を行ってきた。今後は、日本全国の自治体と災害時の物資供給協力に関する協定を順次締結していく予定。9月1日のラジオ番組は、20時30分〜21時に放送予定。

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「キールズ」からレチノール入りのエイジングケア美容液が登場

 「キールズ(KIEHL'S)」は9月3日、レチノール入りのエイジングケア美容液“キールズ DS RTN リニューイング セラム”(50mL、税込1万1000円)を発売する。独自の「マイクロレチノール」を配合し、乾燥小ジワなど表情の「線」、ハリの低下によって表れる「影」、キメの荒れに伴う毛穴印象などの「点」とマルチにアプローチする。

 ビタミン A としても知られるレチノール成分は、さまざまなエイジングサインに働きかける優れた成分として知られている一方で、ひりつきやかさつきなど肌への刺激感を引き起こすこともある。今回配合した「マイクロレチノール」は肌への刺激感も考え、マイクロドーズ技術からヒントを得た独自技術でミクロレベルで適切な配合量を実現した。また肌のハリ・弾力感アップをかなえるペプチドや、肌のバリア機能をサポートするセラミドも配合し、レチノール製品を使用するにあたり懸念される刺激感を抑えながら、エイジングケアをかなえる。
 
 また今回の新製品の発売に合わせ、美容液現品とクリームのミニサンプル、日焼け止めとエッセンスまたはローションのサンプルをセットにした“キールズ レチノール リニューイング セラム スターターキット”(税込1万1000円)と、美容液現品とクリーム原品、オイルとエッセンスのミニサンプルまたはローションと美容液のミニサンプル、日焼け止めのサンプルをセットにした“キールズ レチノール リニューイング セラム ヘルシーエイジングセット”(税込1万9580円)も販売する。

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ガンサバイバーに向けたスキンケアブランド誕生

 ガンサバイバー(体験者)の支援プロジェクト「ら・し・く」は9月1日、病特有の肌状態を考慮したスキンケアブランド「ソットサット(SOTTO SATTO)」を立ち上げる。公式ECサイトのほか、医療用ウイッグ販売店、スポーツマッサージサロン、エステティックサロンなどで販売する。

 同ブランドは、自身もガンサバイバーである緒方佳美「ら・し・く」代表が手掛けるスキンケア製品を扱う。治療中は薬の副作用によって日常的に行うスキンケアも身体的・精神的に負担になることから、特有の肌状態や使いやすさ、使用感を追求して開発した。「私自身、皮膚が薄くなる、爪がボロボロになる、指先が痛くなる、集中力がなくなる、気分が重だるく常に倦怠感といったさまざまな症状があった。そんな悩みにできるだけ応えたスキンケアアイテムがないものかと製品設計した」(緒方代表)。

 第1弾のオールインワン・ミルクローション“ピアケアモイスト”(200mL、税込3850円)は、乾燥肌の救世主といわれるヘパリン類似物質と、抗炎症に有効なグリチルリチン酸ジカリウムの2つの有効成分を配合。水分バランスを整えるパイナップルセラミドなども加え、顔や体に使用できる仕様とした。アルコールやシリコーン、合成着色料、合成香料などは使用せず、安心・安全性を高めた。

 ボトルは指先に力が入らない、しびれて物を落としやすいなど、指先がうまく使えない人も手のひらで押せるポンプタイプを採用した。

 今後はアロマオイルの販売を予定するなど、ガンサバイバーに寄り添ったモノ作りを進める。

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「ユニクロ」が「ホワイトマウンテニアリング」とコラボ キッズまで網羅するアウター展開

 「ユニクロ(UNIQLO)」は2021-22年秋冬シーズン、相澤陽介率いる「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」とコラボレーションする。“服を着るフィールドは、全てアウトドア”をコンセプトとする「ホワイトマウンテニアリング」と提案するのは、「世代、人種、ジェンダーを超え、あらゆる人の共通言語となるアウター」。相澤へのインタビューも掲載した「ユニクロ」のフリーマガジン「LifeWear マガジン」の特設ページでは、ストレスを感じない洋服という目指すべき共通点、メンズ・ウィメンズ・キッズの展開、止水ファスナーを取り付けた「ハイブリッドダウンジャケット」というキーアイテム、全身ブラックのカラーリングなどについて語り、コレクションのごくごく一部を紹介している。コンテンツに登場する相澤は「ウルトラライトダウン オーバーサイズ ジャケット」を着用しているようだ。

 特設ページでは、コレクションを作るための「ユニクロ」と相澤とフィールドワークは、今からおよそ1年前に始まったと記されている。この1年、「ユニクロ」と兄弟ブランドの「ジーユー(GU)」は、「ミハラヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)」や「アンダーカバー(UNDER COVER)」「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」など、日本人デザイナーによるブランドのとのコラボレーションに積極的。ファーストリテイリングとデザイナーを繋ぐフィクサーの活躍がうかがえる。

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「ユニクロ」が「ホワイトマウンテニアリング」とコラボ キッズまで網羅するアウター展開

 「ユニクロ(UNIQLO)」は2021-22年秋冬シーズン、相澤陽介率いる「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」とコラボレーションする。“服を着るフィールドは、全てアウトドア”をコンセプトとする「ホワイトマウンテニアリング」と提案するのは、「世代、人種、ジェンダーを超え、あらゆる人の共通言語となるアウター」。相澤へのインタビューも掲載した「ユニクロ」のフリーマガジン「LifeWear マガジン」の特設ページでは、ストレスを感じない洋服という目指すべき共通点、メンズ・ウィメンズ・キッズの展開、止水ファスナーを取り付けた「ハイブリッドダウンジャケット」というキーアイテム、全身ブラックのカラーリングなどについて語り、コレクションのごくごく一部を紹介している。コンテンツに登場する相澤は「ウルトラライトダウン オーバーサイズ ジャケット」を着用しているようだ。

 特設ページでは、コレクションを作るための「ユニクロ」と相澤とフィールドワークは、今からおよそ1年前に始まったと記されている。この1年、「ユニクロ」と兄弟ブランドの「ジーユー(GU)」は、「ミハラヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)」や「アンダーカバー(UNDER COVER)」「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」など、日本人デザイナーによるブランドのとのコラボレーションに積極的。ファーストリテイリングとデザイナーを繋ぐフィクサーの活躍がうかがえる。

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ヘアサロンという空間の凄まじさ 「今週の特集お届け隊」2021年8月23日号

 発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年8月23日号からの抜粋です)

中村:今年で11回目のヘアサロン版ベスコスですが、今回ほど、ご時世が反映されたのは初めてでした。

村上:というと?

中村:この1年、コロナの影響もあって、ハイトーンブームがますます顕著ですが、シャンプー部門とトリートメント部門インバスの1位と2位、など、ブリーチ毛に対応したアイテムが軒並みランクインしました。

村上:面白いね。なんでこんなに皆、ブリーチしてハイカラーなんだろう?

中村:美容師さんが口々に言うには、「お家時間が長くなって、周りの目を気にしなくて良くなったので、チャレンジしたかった人がこぞってやっている」と。

村上:確かに僕もブリーチして色を入れたとき、店内は座席を減らしているとはいえ満席で、み〜んな髪を染めてた。

中村:村上さんは今、見事なピンクですよね。

村上:「WWDJAPAN」では、ありがたいことにヘアカラーのタイアップ広告がすごく増えていて、「自分も試してみようかな?」って思ったというビジネス的な理由も大きいけれど、「髪の色が変わると、ファッションも変わるのかな?」と自分で検証してみたかった。今のところ、僕は何も変わってないけれど(笑)。でも、大概の人は絶対に変わると思う。

中村:ヘアサロン「グリコ」のエザキヨシタカさんは店舗で服を売っていることで有名ですが、お客さんがどんな髪の色にするかを事前に聞いておいて、合う服を2、3着用意して提案すると、「ほぼ全員買ってくれる」と言っていました。

村上:そこ、ビジネスチャンスあるね。なかなかの単価の製品を買う人が大勢いるわけで、ヘアサロンという空間の凄まじさを感じるよね。ブリーチしてカラーを入れてカットすれば2万円くらいになるし、さらに髪色に合わせて5000円くらいのシャンプーなどを買っている。サロンでのコミュニケーションを研究したら、販売に携わる人たちに貢献できそう。

中村:確かに。やりましょう!とにかくコミュニケーションがしやすいんですが、それが売れる秘訣ですよね。毎回2〜3時間接するわけで、お客さんと正面から向き合わないといけない。信頼関係が築けないと生き残れませんね。役立つ情報は多いと思います。

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