「サカイ」がいざなうワイルドな冒険の旅 「カーハートWIP」や「アグ」とともに砂漠へ

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月26日、2025-26年秋冬メンズ・コレクションのショーを開催し、ウィメンズの25年プレ・フォールと合わせて新作を見せた。会場は、パレ・ド・トーキョー。砂漠の風景写真で囲まれた巨大な空間を用意し、パワフルなショーで観客をワイルドな冒険の旅へといざなった。

出発点は「かいじゅうたちのいるところ」

今季の出発点は、モーリス・センダック(Maurice Sendak)によるベストセラーの絵本を元にした実写映画「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things Are)」。家出したイタズラ好きのやんちゃな少年がボートを漕いでたどり着いた島での “かいじゅう”たちと出会いとふれあいを描いた物語だ。「私たちがずっと大切にしている仲間を描いているところに惹かれた」という阿部千登勢デザイナーは、そこから自然という概念にまつわる アイデアを探求。「自然の中で生きる」ということに加え、「既成概念にとらわれない思考、そして抑制されない情熱と感情の本質」を表現した。

テーラリング、ストリート、アウトドアを自由にミックス

ファーストルックは、ラペルの内部構造をあらわにしたようなデザインが特徴的な二重のテーラードジャケットに、同素材のパンツを合わせたコーデュロイのスーツスタイル。そこに毛足の長いファー再現したニットカーディガンを首から肩に巻きつけ、ワイルドなムードを醸し出す。このまるで獣毛のようなニットファーは今季を象徴する表現の一つで、ニットやアウターにあしらったり、テーラードジャケットの袖口から飛び出ていたり。そのほか、シアリングやボア、人工ファーもさまざまなアイテムに取り入れた。

今季のスタイルは、「硬くなく、着やすいように仕上げている」というテーラリングと、カジュアルなストリート、そして自然を感じるアウトドアの自由なミックスが効いている。なかでも、アウターはバリエーション豊富。前述の2枚重ねになったようなテーラードジャケットやチェスターコート、トレンチコートから、ピーコート、バーシティージャケット、デニムジャケット、ダウンジャケット、フライトブルゾン、テックジャケット、マウンテンパーカ、レザージャケット、シアリングコートまでがそろう。

際立つ立体的なシルエット

また、新たなシルエットの探求も続けており、立体なデザインが際立つ。パンツは25年春夏に見せたサイドポケットが張り出すデザインをアップデート。フラップがついたカーゴポケットのようなデザインに変わり、ユーティリティー感を加えた。それに加え、今季はコートやニットにも腰下に立体的にポケットを形作ったデザインも登場。一方、ウィメンズのスカートは構築的なシェイプに仕上げたり、裾に別の生地を加えてドラマチックな動きを出したり。見慣れたシャツやデニムジャケットも部分的に折りたたんで縫い合わせることでアシンメトリーなシルエットを生み出している。

カラーパレットは、ブラウンやオリーブなど自然に通じる色合いが中心。深い赤や緑、紺をベースにしたカーペットに見られるようなエキゾチックな柄がアクセントになる。また、スノーゴーグルやモコモコしたシアリング帽、登山用バックパック、クライミングロープを編み込んだストラップ付きの水筒などのアクセサリーが、アウトドアのイメージを強めている。

コレクションを彩る“仲間”とのコラボ

「サカイ」は毎シーズン、メンズのショーで他ブランドとのコラボレーションを発表するが、今季は「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」「アグ(UGG)」「ジェイエムウエストン(J.M.WESTON)」とタッグを組んだ。2023-24年秋冬、24年春夏に続き3度目となる「カーハートWIP」とのコラボでは、同ブランドを象徴するウォッシュドキャンバスを「サカイ」のシグネチャーであるニットとハイブリッドしたほか、レザージャケットやダウンジャケットも提案。18-19年秋冬以来7年ぶりに取り組む「アグ」とは、折り返して履くこともできる「サカイ」らしいサイハイブーツに加え、ローファーとハイカーブーツを制作した。また、24-25年秋冬、25年春夏に続いて協業する「ジェイエムウエストン」とは、同ブランドのレースアップブーツやローファーをカウプリントでアレンジした。

多彩なコラボを大切にする理由について、阿部デザイナーは「チャンネルが違っても一緒に取り組むことで、お互いに新しさをもたらせるから。私たちが持っていないアイデアや歴史を学ぶことができ、私たちだけでは作れないものを生み出すことができる」と説明。そんなパートナーたちは彼女にとっての仲間であり、「仲間と共に、いい意味でワイルドサイドを歩こうということを伝えたかった」と振り返った。それは、まだ見ぬ景色を見るために挑戦し、前進し続ける阿部デザイナーの姿勢に重なる。

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「サカイ」がいざなうワイルドな冒険の旅 「カーハートWIP」や「アグ」とともに砂漠へ

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月26日、2025-26年秋冬メンズ・コレクションのショーを開催し、ウィメンズの25年プレ・フォールと合わせて新作を見せた。会場は、パレ・ド・トーキョー。砂漠の風景写真で囲まれた巨大な空間を用意し、パワフルなショーで観客をワイルドな冒険の旅へといざなった。

出発点は「かいじゅうたちのいるところ」

今季の出発点は、モーリス・センダック(Maurice Sendak)によるベストセラーの絵本を元にした実写映画「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things Are)」。家出したイタズラ好きのやんちゃな少年がボートを漕いでたどり着いた島での “かいじゅう”たちと出会いとふれあいを描いた物語だ。「私たちがずっと大切にしている仲間を描いているところに惹かれた」という阿部千登勢デザイナーは、そこから自然という概念にまつわる アイデアを探求。「自然の中で生きる」ということに加え、「既成概念にとらわれない思考、そして抑制されない情熱と感情の本質」を表現した。

テーラリング、ストリート、アウトドアを自由にミックス

ファーストルックは、ラペルの内部構造をあらわにしたようなデザインが特徴的な二重のテーラードジャケットに、同素材のパンツを合わせたコーデュロイのスーツスタイル。そこに毛足の長いファー再現したニットカーディガンを首から肩に巻きつけ、ワイルドなムードを醸し出す。このまるで獣毛のようなニットファーは今季を象徴する表現の一つで、ニットやアウターにあしらったり、テーラードジャケットの袖口から飛び出ていたり。そのほか、シアリングやボア、人工ファーもさまざまなアイテムに取り入れた。

今季のスタイルは、「硬くなく、着やすいように仕上げている」というテーラリングと、カジュアルなストリート、そして自然を感じるアウトドアの自由なミックスが効いている。なかでも、アウターはバリエーション豊富。前述の2枚重ねになったようなテーラードジャケットやチェスターコート、トレンチコートから、ピーコート、バーシティージャケット、デニムジャケット、ダウンジャケット、フライトブルゾン、テックジャケット、マウンテンパーカ、レザージャケット、シアリングコートまでがそろう。

際立つ立体的なシルエット

また、新たなシルエットの探求も続けており、立体なデザインが際立つ。パンツは25年春夏に見せたサイドポケットが張り出すデザインをアップデート。フラップがついたカーゴポケットのようなデザインに変わり、ユーティリティー感を加えた。それに加え、今季はコートやニットにも腰下に立体的にポケットを形作ったデザインも登場。一方、ウィメンズのスカートは構築的なシェイプに仕上げたり、裾に別の生地を加えてドラマチックな動きを出したり。見慣れたシャツやデニムジャケットも部分的に折りたたんで縫い合わせることでアシンメトリーなシルエットを生み出している。

カラーパレットは、ブラウンやオリーブなど自然に通じる色合いが中心。深い赤や緑、紺をベースにしたカーペットに見られるようなエキゾチックな柄がアクセントになる。また、スノーゴーグルやモコモコしたシアリング帽、登山用バックパック、クライミングロープを編み込んだストラップ付きの水筒などのアクセサリーが、アウトドアのイメージを強めている。

コレクションを彩る“仲間”とのコラボ

「サカイ」は毎シーズン、メンズのショーで他ブランドとのコラボレーションを発表するが、今季は「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」「アグ(UGG)」「ジェイエムウエストン(J.M.WESTON)」とタッグを組んだ。2023-24年秋冬、24年春夏に続き3度目となる「カーハートWIP」とのコラボでは、同ブランドを象徴するウォッシュドキャンバスを「サカイ」のシグネチャーであるニットとハイブリッドしたほか、レザージャケットやダウンジャケットも提案。18-19年秋冬以来7年ぶりに取り組む「アグ」とは、折り返して履くこともできる「サカイ」らしいサイハイブーツに加え、ローファーとハイカーブーツを制作した。また、24-25年秋冬、25年春夏に続いて協業する「ジェイエムウエストン」とは、同ブランドのレースアップブーツやローファーをカウプリントでアレンジした。

多彩なコラボを大切にする理由について、阿部デザイナーは「チャンネルが違っても一緒に取り組むことで、お互いに新しさをもたらせるから。私たちが持っていないアイデアや歴史を学ぶことができ、私たちだけでは作れないものを生み出すことができる」と説明。そんなパートナーたちは彼女にとっての仲間であり、「仲間と共に、いい意味でワイルドサイドを歩こうということを伝えたかった」と振り返った。それは、まだ見ぬ景色を見るために挑戦し、前進し続ける阿部デザイナーの姿勢に重なる。

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「カラー」の阿部潤一デザイナーが退任 「今後も変わらずサポートしていく」

「カラー(KOLOR)」の阿部潤一デザイナーが、1月25日(現地時間)にパリ・メンズ・ファッション・ウイークで行われた25-26年秋冬コレクションのショーで、同職を退任することを発表した。会場では、エントランスで銀色の袋に入ったギフトを来場者に配布。ショー前に開封するように促され、中身を見ると「was is will」と描かれたグラフィックTシャツと、退任を知らせる手紙が入っていた。

手紙の中で、阿部デザイナーは「Kolor AW25 Showが始まります。この時間は私にとって特別なものになります。それは、Kolorのデザイナーとして最後のショーになるからです」と綴った。また、今後について「私は変わらずKolorの中でサポートを続けていきます」とコメント。「今までありがとうございました。今後共Kolorを宜しく御願い致します。では、ショーをお楽しみください」と締めくくった。

「カラー」は、2004年に阿部デザイナーが設立。09年には東京・南青山に直営店を開いた。 12-13年秋冬シーズンからは、パリでの発表をスタート。12年には「毎日ファッション大賞」を受賞し、新たなブランド「カラー ビーコン(KOLOR BEACON)」も立ち上げた。

そして24年11月には、伊藤忠商事の100%子会社のコロネットが「カラー」を手掛ける有限会社カラーを事業承継。伊藤忠商事が「カラー」ブランドの国内外における商標を取得し、コロネットが有限会社及び国内の小売9店舗や国内外の卸80件などの組織と事業、スタッフを承継した。これに伴い、コロネットは「カラー」の阿部デザイナーと業務委託契約を結んでいた。

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「カラー」の阿部潤一デザイナーが退任 「今後も変わらずサポートしていく」

「カラー(KOLOR)」の阿部潤一デザイナーが、1月25日(現地時間)にパリ・メンズ・ファッション・ウイークで行われた25-26年秋冬コレクションのショーで、同職を退任することを発表した。会場では、エントランスで銀色の袋に入ったギフトを来場者に配布。ショー前に開封するように促され、中身を見ると「was is will」と描かれたグラフィックTシャツと、退任を知らせる手紙が入っていた。

手紙の中で、阿部デザイナーは「Kolor AW25 Showが始まります。この時間は私にとって特別なものになります。それは、Kolorのデザイナーとして最後のショーになるからです」と綴った。また、今後について「私は変わらずKolorの中でサポートを続けていきます」とコメント。「今までありがとうございました。今後共Kolorを宜しく御願い致します。では、ショーをお楽しみください」と締めくくった。

「カラー」は、2004年に阿部デザイナーが設立。09年には東京・南青山に直営店を開いた。 12-13年秋冬シーズンからは、パリでの発表をスタート。12年には「毎日ファッション大賞」を受賞し、新たなブランド「カラー ビーコン(KOLOR BEACON)」も立ち上げた。

そして24年11月には、伊藤忠商事の100%子会社のコロネットが「カラー」を手掛ける有限会社カラーを事業承継。伊藤忠商事が「カラー」ブランドの国内外における商標を取得し、コロネットが有限会社及び国内の小売9店舗や国内外の卸80件などの組織と事業、スタッフを承継した。これに伴い、コロネットは「カラー」の阿部デザイナーと業務委託契約を結んでいた。

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「ルメール」が考える日常に根差した新たなラグジュアリー 「自分自身をより良くなったように感じられることが大切」

「ルメール(LEMAIRE)」のショーを歩くモデルたちには、パーソナルな魅力がある。それは、クリストフ・ルメール(Christoph Lemaire)が「私たちはファッションが大好きだからこそ、日常生活に根差したリアルな感覚を大切にしている」と話すように、実在する人々の暮らしに目を向け、常にそれを反映したスタイルを探求しているからだろう。だからこそシーズンごとに大きく変わることはないが、個々のスタイルを表現するための新たな提案が加わり、スタイリングにはその時々思い描くアティチュードが込められている。

「自分の存在を示し、用心深くいなければならない今を生きることの激しさ」を表現したとサラ・リン・トラン(Sarah-Linh Tran)が説明する鼓動の音とパーカッション音楽で幕を開けた2025-26年秋冬ショーは、いつもよりも強さが印象的だ。ファーストルックの女性モデルがまとうのは、タフな印象のレザーブルゾンに、ふんわりとしたミッドカーフ丈のバルーンスカートでコントラストを効かせたブラックスタイル。メンズでは、「服のアーキタイプに取り組んだ」という70年代風のクラシックなスーツに、シアーなニットタンクやスニーカーを合わせたシンプルなルックも登場した。

カギは強さと官能性のバランス

今季は、「ルメール」らしいユーティティームードとゆったりとしたシルエットのアウターやパンツを軸にしつつ、レイヤードはいつもより控えめな印象。肩やウエストのラインを強調したデザインが特徴になる。そして、ダークトーンや褪せたようなニュアンスカラーに加えた目が覚めるようなスカーレットレッドやコバルトブルー、そしてツヤのあるレザーやコーティング素材の質感も強さの主張につながる。一方、柔らかく流れるようなシルエットやシアーな素材感もミックス。強さと官能性とのバランスを模索したという。

コレクションのデザインプロセスの背景にあるのは、ピナ・バウシュ(Pina Bausch)やマース・カニンガム(Merce Cunningham)のダンスに見られるようなダイナミックでありながら滑らかな動き。リハーサル後のダンサーたちのように決めすぎない着こなしを通してエフォートレスなムードを醸し出し、リアリティーにおける共感度を高めている。

好調なビジネスが自身をもたらす

「ルメール」は23年にはフランス・パリの旗艦店を拡大移転し、韓国・ソウルにも伝統的な韓屋をリノベーションした旗艦店をオープン。昨年11月には東京・恵比寿の1960年代に建てられた個人邸宅を改装した旗艦店を開いた。それぞれ意匠は異なるが、どの店も温かみのあるコージーな雰囲気で、まさにブランドの世界観を体現する環境が広がりつつある。さらに、近年は服だけでなくバッグなどのアクセサリービジネスも軌道に乗っている。

それを裏付けるように、ショーの数日前には英メディア「ビジネス オブ ファッション(BUSINESS OF FASHION、BOF)」で、2019年から売上高は10倍に伸び、1億ドル(約156億円)に達していることが報じられた。ショー後の囲み取材で、ルメールは「私たちは、あまり声高なコミュニケーションもせず、ファッション界で成功するための“正しいレシピ”とされるルールを守っているわけでもない。ただ自分たちらしいことに取り組んでいるだけだ。だからこそ、(その中での成功を)とてもうれしく思っている。というのも、商業的な成功は自信をもたらすから。そして、自分たちの仕事を向上させることに役立ち、『新しいラグジュアリー』を定義することにつながるだろう」とコメント。最近は「ラグジュアリー」という言葉が使われ過ぎているとしつつ、自分たちが考える「新しいラグジュアリー」について、次のように語った。

「私たちがラグジュアリーだと思うのは、身につけたり、美しいものに触れたりするときに抱く感情。あるいは、ある種の高揚感を感じること。だから、それはもちろん社会の中で別人を装うことでもなく、見せびらかしたり、エリートに属するふりをしたりすることでもない。それよりも、自分自身をより良くなったように感じられることが大切だ。だから、どうすれば自信や高揚感を与えられるような服やアクセサリーを作ることができるかに、私たちはこだわっている」。

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「プロエンザ スクーラー」創業デザイナーデュオが退任 「ロエベ」の次期クリエイティブ・ディレクター就任の噂も浮上

ニューヨーク(NY)を拠点にする「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」の創業デザイナーであるジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が、1月31日付で退任する。2人は現在、シーラ・スヴェイケ・スナイダー(Shira Suveyke Snyder)最高経営責任者と協力し、新たなクリエイティブ面のリーダーを探している。また、米「WWD」の独占取材に対し、マッコローとヘルナンデスは今後も同社の株主であり続け、役員を務めると述べた。

声明の中で、ヘルナンデスは「会社の中での日々のリーダーとしての役割から退き、クリエイティブの手綱を新たなデザイナーに譲るというパーソナルな決断をする時が来たと感じた。私たちが常に大切にしてきたのは、リスク覚悟の思いきりと冒険心。そして、次に何が起ころうとも、自分たち自身を開放する準備ができている」とコメント。マッコローも「変化は決して容易いものではないが、私たちが慎重に検討してきたこの決断は、私たちの人生のこのステージにおいて、ふさわしいタイミングでの適切なステップだと感じている」と付け加えた。

ただ、「ディオール(DIOR)」への移籍のために「ロエベ(LOEWE)」から去るという噂が浮上しているジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任するのではないかという憶測が流れているにも関わらず、2人は今後の活動について一切明らかにしなかった。また、「ロエベ」も親会社のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も1月15日現在、コメントを控えている。

NYのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、2002年に「プロエンザ スクーラー」を立ち上げたマッコローとヘルナンデスは、NYファッション・シーンの雄としてヨーロッパのトップメゾンから注目されていた。情報筋によると、LVMHは長年にわたり、傘下の主要メゾンの一つとして加わることについて2人と話し合いを続けてきたという。彼らが「ロエベ」に加わるという話は、昨年10月から水面下で始まっていたと同じ情報筋は語っている。

「プロエンザ スクーラー」の今後は?

「プロエンザ スクーラー」は、2月6〜11日に開催される25-26年秋冬ニューヨーク・ファッション・ウイークの公式スケジュールには含まれていないものの、関係者によると「中断することなく、事業を継続する」という。

また、2人はブランドの今後について自信を示し、次のように述べた。「私たちは、素晴らしいチームを率いるという信じられないような栄誉を得た。なかには、初日から一緒に働いている人もいる。彼らは私たちのことを知り尽くし、私たちの原動力である感情やアイデアの一部を彼らに伝えることができたと確信している。新しいクリエイティブ・リーダーがチームの素晴らしい才能をどのように引き出し、彼らならではの視点で既存のコードを進化させるかが楽しみだ。私たちは、彼らとブランドの未来に全幅の信頼を寄せている」。

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写真家のオリビエーロ・トスカーニが死去 1980〜90年代に物議を醸した「ベネトン」の広告で知られる

イタリア人写真家のオリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)が1月13日、イタリア・トスカーナ州の病院で死去した。82歳だった。彼は2年前、アミロイドーシスを患っていることを明かしていた。

トスカーニは1942年2月28日ミラノ生まれ。「エル(ELLE)」や「ヴォーグ(VOGUE)」「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」「エスクァイア(ESQUIRE)」などの雑誌から、「ミッソーニ(MISSONI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」「フィオルッチ(FIORUCCI)」といったブランドまでと、数十年にわたり仕事をしてきた。

なかでも、そのキャリアは80年代から90年代にかけてメッセージ性の強い広告キャンペーンを制作した「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON以下、ベネトン)」とのパートナーシップに深く結び付いている。彼は、作品を通して死刑制度やエイズ、人種差別、同性愛などの問題に光を当てたパイオニアでもあり、慣習に逆らうような革新的かつ露骨なイメージは物議を醸した。その結果、長年にわたり、彼が手掛けたいくつかの「ベネトン」の広告は、さまざまな国や雑誌で禁止された。一方、彼は「ベネトン」と共に91年に雑誌「カラーズ(COLORS)」を創刊。94年にはベネトンのシンクタンクであるファブリカ(FABRICA)も構想した。2017年には当時最高経営責任者に復帰した創業者のルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)から17年ぶりに呼び戻され、20年に問題発言により解雇されるまで同ブランドの広告キャンペーンを手掛けた。

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写真家のオリビエーロ・トスカーニが死去 1980〜90年代に物議を醸した「ベネトン」の広告で知られる

イタリア人写真家のオリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)が1月13日、イタリア・トスカーナ州の病院で死去した。82歳だった。彼は2年前、アミロイドーシスを患っていることを明かしていた。

トスカーニは1942年2月28日ミラノ生まれ。「エル(ELLE)」や「ヴォーグ(VOGUE)」「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」「エスクァイア(ESQUIRE)」などの雑誌から、「ミッソーニ(MISSONI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」「フィオルッチ(FIORUCCI)」といったブランドまでと、数十年にわたり仕事をしてきた。

なかでも、そのキャリアは80年代から90年代にかけてメッセージ性の強い広告キャンペーンを制作した「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON以下、ベネトン)」とのパートナーシップに深く結び付いている。彼は、作品を通して死刑制度やエイズ、人種差別、同性愛などの問題に光を当てたパイオニアでもあり、慣習に逆らうような革新的かつ露骨なイメージは物議を醸した。その結果、長年にわたり、彼が手掛けたいくつかの「ベネトン」の広告は、さまざまな国や雑誌で禁止された。一方、彼は「ベネトン」と共に91年に雑誌「カラーズ(COLORS)」を創刊。94年にはベネトンのシンクタンクであるファブリカ(FABRICA)も構想した。2017年には当時最高経営責任者に復帰した創業者のルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)から17年ぶりに呼び戻され、20年に問題発言により解雇されるまで同ブランドの広告キャンペーンを手掛けた。

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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「ボッテガ・ヴェネタ」の新クリエイティブ・ディレクターに「カルヴェン」のルイーズ・トロッター マチュー・ブレイジーの後任

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新クリエイティブ・ディレクターに、ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターが就任する。「シャネル(CHANEL)」に移籍するマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の後任。彼女は来年1月24日に「カルヴェン」を去り、同月末に「ボッテガ・ヴェネタ」に入社する予定だ。

レザーを革新的な方法で取り入れ、職人とのものづくりを大切にする「ボッテガ・ヴェネタ」に新たな興奮と活気をもたらしたブレイジーに対し、トロッターがデザイナーとしてこれまでに見せてきたスタイルは彼よりもさらに控えめと言える。しかし、かつて「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」というキャッチフレーズを掲げていたブランドにとっては、おそらく理想的だろう。トロッターは、声明の中で「『ボッテガ・ヴェネタ』の芸術性と革新性という名高い遺産は、真にインスピレーションを刺激するもの。その未来に貢献し、その時代を超越したビジョンを称えられることを楽しみにしている」と述べた。

一方、バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)最高経営責任者(CEO)は、「ルイーズは、精巧なデザインと崇高なクラフツマンシップをシームレスが融合させた美学を持ち、文化的な支援に対する彼女のコミットメントは『ボッテガ・ヴェネタ』のビジョンと美しくマッチする。『ボッテガ・ヴェネタ』は彼女の洗練された視点を通して、その伝統を称え続けながら、現代との関連性を保っていくだろう」とコメント。ブレイジーに対しても「『ボッテガ・ヴェネタ』に魅力、エモーショナルな共鳴、そして知的なアイデンティティーを吹き込む上で、素晴らしいパートナーであったマチューに深く感謝している」と語った。

親会社ケリング(KERING)のフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOは、トロッターについて、「『ボッテガ・ヴェネタ』の大胆なクリエイティビティーと比類なき卓越性の伝統に、豊かな経験とフレッシュな視点をもたらしてくれる。彼女は、ロンゴーネCEOや『ボッテガ・ヴェネタ』のチームと一緒に、マチュー・ブレイジーと共に始めた素晴らしい旅を引き継ぐ上で理想的と言えるクリエイティブな才能だ」と話した。また、「明確なビジョンのある創造性」をブランドにもたらしたブレイジーにも心からの感謝を表した。

ルイーズ・トロッターの経歴は?

トロッターは英国出身。ニューカッスル大学でファッションデザインを学び、コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「ラコステ(LACOSTE)」では、ウィメンズウエアを強化するとともにアップサイクルの革新的な方法を探求した。

そして2023年2月、上海とパリに拠点を置くファッション企業ICCFグループ傘下の「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任。当時、シャウナ・タオ(Shawna Tao)最高経営責任者は、トロッターを 「メゾン再生ための完璧な候補者」と評していた。一方、トロッターはデビューショーに先駆け、「店舗もロゴも、すべてを変えるつもり」とコメント。「私の視点としては、かなり慎重に、そしてゆっくりと、築き上げていきたい」と新たな章への意気込みを語っていた。彼女の手掛ける控えめでありながら官能的なコレクションはメゾンに再び活気をもたらし、パリ・ファッション・ウイークへの復帰も果たしたが、3シーズンでの退任となった。

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「ボッテガ・ヴェネタ」の新クリエイティブ・ディレクターに「カルヴェン」のルイーズ・トロッター マチュー・ブレイジーの後任

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新クリエイティブ・ディレクターに、ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターが就任する。「シャネル(CHANEL)」に移籍するマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の後任。彼女は来年1月24日に「カルヴェン」を去り、同月末に「ボッテガ・ヴェネタ」に入社する予定だ。

レザーを革新的な方法で取り入れ、職人とのものづくりを大切にする「ボッテガ・ヴェネタ」に新たな興奮と活気をもたらしたブレイジーに対し、トロッターがデザイナーとしてこれまでに見せてきたスタイルは彼よりもさらに控えめと言える。しかし、かつて「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」というキャッチフレーズを掲げていたブランドにとっては、おそらく理想的だろう。トロッターは、声明の中で「『ボッテガ・ヴェネタ』の芸術性と革新性という名高い遺産は、真にインスピレーションを刺激するもの。その未来に貢献し、その時代を超越したビジョンを称えられることを楽しみにしている」と述べた。

一方、バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)最高経営責任者(CEO)は、「ルイーズは、精巧なデザインと崇高なクラフツマンシップをシームレスが融合させた美学を持ち、文化的な支援に対する彼女のコミットメントは『ボッテガ・ヴェネタ』のビジョンと美しくマッチする。『ボッテガ・ヴェネタ』は彼女の洗練された視点を通して、その伝統を称え続けながら、現代との関連性を保っていくだろう」とコメント。ブレイジーに対しても「『ボッテガ・ヴェネタ』に魅力、エモーショナルな共鳴、そして知的なアイデンティティーを吹き込む上で、素晴らしいパートナーであったマチューに深く感謝している」と語った。

親会社ケリング(KERING)のフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOは、トロッターについて、「『ボッテガ・ヴェネタ』の大胆なクリエイティビティーと比類なき卓越性の伝統に、豊かな経験とフレッシュな視点をもたらしてくれる。彼女は、ロンゴーネCEOや『ボッテガ・ヴェネタ』のチームと一緒に、マチュー・ブレイジーと共に始めた素晴らしい旅を引き継ぐ上で理想的と言えるクリエイティブな才能だ」と話した。また、「明確なビジョンのある創造性」をブランドにもたらしたブレイジーにも心からの感謝を表した。

ルイーズ・トロッターの経歴は?

トロッターは英国出身。ニューカッスル大学でファッションデザインを学び、コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「ラコステ(LACOSTE)」では、ウィメンズウエアを強化するとともにアップサイクルの革新的な方法を探求した。

そして2023年2月、上海とパリに拠点を置くファッション企業ICCFグループ傘下の「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任。当時、シャウナ・タオ(Shawna Tao)最高経営責任者は、トロッターを 「メゾン再生ための完璧な候補者」と評していた。一方、トロッターはデビューショーに先駆け、「店舗もロゴも、すべてを変えるつもり」とコメント。「私の視点としては、かなり慎重に、そしてゆっくりと、築き上げていきたい」と新たな章への意気込みを語っていた。彼女の手掛ける控えめでありながら官能的なコレクションはメゾンに再び活気をもたらし、パリ・ファッション・ウイークへの復帰も果たしたが、3シーズンでの退任となった。

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「メゾン マルジェラ」のジョン・ガリアーノが退任 ファッションの感動とビジネスの発展をもたらした10年の関係に終止符

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)=アーティスティック・ディレクターが退任した。後任は未定。ガリアーノも今後の活動については明言していない。

2014年に就任したガリアーノは、これまでの10年間でファッションの感動や文化的な瞬間、そしてビジネスの発展をもたらしてきた。「メゾン マルジェラ」と彼のパートナーシップは、1月に開催された24年“アーチザナル”コレクションのショーで頂点に到達。クリエイティビティーに軸を据えたスペクタクルで世界的な賞賛を浴び、ガリアーノをファッション界の頂点に押し上げた。

「WWD」の独占取材に対し、同ブランドを擁するOTBのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長とガリアーノは、このパートナーシップは豊かで人生を変えるような画期的なものだったとし、お互いに感謝の意を表するとともに円満な別れであることを強調した。

ガリアーノは、「この美しいメゾンとの別れに際し、私の心は喜びと感謝であふれ、魂は微笑んでいる。私はこれからも償い続け、夢を見ることを決して止めない」とコメント。ロッソ会長との関係を「家族」という一言で表現し、「マルタンが築き上げたメゾンのアーティスティック・ディレクターのポジションに私を招いてくれたことで、彼は私に最大かつ最も貴重な贈り物を与えてくれた。私が声なき声になっていたときに、もう一度自分のクリエイティブな声を見つける機会を与えてくれた」と話した(これは11年にパリのバーで人種差別と反ユダヤ主義的な暴言を吐き、「ディオール(DIOR)」と自身の名を冠したブランドから追放されたことを指している)。

一方、ロッソ会長も「ジョンと、仕事を超えて、尊敬と感謝、そして深い友情に基づいた関係を築き上げられたことを誇りに思っている。私たちは、ファッションの歴史に永遠に刻まれるような素晴らしい偉業を共に成し遂げた」と述べた。また、「同じようなコレクションがますます増え、製品も本当の意味で際立ったDNAを持たなくなりつつあるこの世界で、ジョンが中心に据えてきたのは、製品の素晴らしさや文化、価値。彼は、『メゾン マルジェラ』をクリエイティビティーへの欲求とファッションへの夢を体現するユニークなメゾンにし、こうした稀有な製品価値に基づく世界的な成功へと導いた。そして、彼は世界中の若者たちにインスピレーションを与えた。前回の“アーティザナル”ショーの後、彼がネット上で生み出したものを見てみれば分かるだろう。ショーの後、すでにキャリアを確立している多くのデザイナーたちが彼に連絡を取り、自分たちの仕事の理由を思い出させてくれたと伝えた。今の時代においては尊いことだ」と説明。「私の親愛なる友人であるジョンの成功を祈っている。そして将来、私たちがコラボレートできる他のプロジェクトもあると思う」と続けた。

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「ドリス ヴァン ノッテン」の後継者が決定 ウィメンズデザイナーのジュリアン・クロスナーが内部昇格

「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は、6月に退任した創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)の後任として、ジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)を新たなクリエイティブ・ディレクターに任命した。ウィメンズとメンズの両コレクションを率いる彼は、2025年1月に25-26年秋冬メンズ・コレクションを自身のディレクションによるルックブック形式で発表予定。3月5日にはデビューショーを開き、25-26年秋冬ウィメンズ・コレクションを披露する。

クロスナー新クリエイティブ・ディレクターは16年、ベルギー・ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校を卒業。18年8月にドリス ヴァン ノッテンに入社し、ドリスとともにウィメンズ・コレクションのデザインと開発に携わってきた。今後もブランドがもつ特徴的かつ強いアイデンティティーが彼のビジョンの中心となり、メンズウエアとウィメンズウエアの両コレクションをさらに前へと進める。

就任に際して、彼は「このメゾンの次の章が始まるにあたり、今後のシーズンを監督できることにこの上ない喜びを感じている。ドリスが残した比類なき素晴らしいレガシーは不滅であり、この先も永遠に貴重なインスピレーション源となるだろう。私たち皆が大切にしているドリスから受け継いだものに敬意を払いながら、新しい野心的な挑戦に乗り出すことを楽しみにしている」とコメントした。

一方、ドリスは「ジュリアンのクリエイティビティーとビジョンに、完全な信頼を寄せている。彼は才能豊かなデザイナーであるだけでなく、私が去った後の後任としてふさわしい人物。ブランドとその価値観に対する彼の深い理解が、シームレスな移行と輝かしい未来を確実なものにしてくれるだろう」と太鼓判を押した。

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「セルフ-ポートレート」がクリストファー・ケインをコラボ 「クリエーター同士が支え合い、高め合う」新プログラムの第1弾

ロンドン拠点のファッションブランド「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」は、ゲストデザイナーを迎える新たなレジデンシー・プログラムをスタートした。このほど、その第1弾として、英国人デザイナーのクリストファー・ケイン(Christopher Kane)が手掛けたコレクションを発売した。同コレクションは、ケインが2006年にロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校修士課程の卒業ショーで披露したデザインと、それを発展させた07年春夏をベースにしたもの。パステルカラーと白黒をベースに、チェーンメイルやレース、フリル、ラインストーンが特徴のドレスやニットからバッグやアクセサリーまで、パーティーシーズンにぴったりのアイテムがそろう。

ケインがファッションの表舞台に復帰

今回のコラボレーションは、ハン・チョン(Han Chong)「セルフ-ポートレート」創業者が共通の友人を介してケインに連絡を取ったことをきっかけにスタートしたが、ケインのファッションデザインへの復帰を記念するものでもある。というのも、2023年6月、彼が姉のタミー(Tammy Kane)と共にブランドを運営していた会社は経営破綻。その後、2人は会社を買い戻したものの、それ以来コレクションの発表や販売は行っていないからだ。

ロンドン中心部のバービカンに本社兼スタジオのハレラ・ハウスを構える「セルフ-ポートレート」は、そんなケインにコレクション制作のためのインフラやリソース、チーム、流通網を提供するとともに創造の自由を与えた。そしてブランドが密に提携する中国の生産背景を生かすことで、一番高いドレスでも650ポンド(約12万3500円)という価格を実現。「セルフ-ポートレート」のロンドンにある2つの直営店に加え、世界の小売店40店で販売している。

お互いの敬愛から生まれたコレクション

ケインは、今回の取り組みを敏捷性やサプライチェーン管理、ファッションの民主化についての学びだったと振り返る。そして、「こんなチャンスは滅多にない。過去に手掛けたコラボレーションと比べても全く異なる。私たちにはシナジーがあり、お互いを敬愛しているし、ファッションが前面に出ている。その結果、とてもウエアラブルかつ素晴らしいファッションを魅力的な価格帯で提供できるコレクションになった」と述べた。

一方、チョンは中国の珠江デルタ地域の工場でのスタッフ・トレーニングにこれまで10年間を費やしてきたとし、「これらの工場が品質とコストパフォーマンスにおける私の期待を理解することが重要だ」と説明。「私はデザインしている時、どの工場が何をやっているのか、どうすれば私の顧客にとってより身近なものにできるかを正確に把握している。例えば、このコレクションに上質なチェーンメイルを使いたければ、他の素材は全体のコストを下げるために安価なものにする。だから、以前はクリストファーのコレクションに手が届かなかったファンも、今回は買うことができるだろう」と付け加えた。

クリエイティビティー繁栄のための場を提供

さらに、レジデンシー・プログラムを「クリエーター同士がお互いをライバル視するのではなく、支え合い、高め合う、真のパートナーシップの未来を象徴するもの」と考える彼は、ブランドのリソースを生かして「クリエイティビティーが繁栄するためのホーム」を提供することが自身の責任だと考えているという。今後もハレラ・ハウスの門戸をあらゆる分野のクリエーターに開く計画で、「(レジデンシー・プログラムは)私の顧客と世界との関わり方を反映したものにしたいので、そのチャンスは幅広くエキサイティングだ。私は、ライフスタイルのさまざまな側面を探求するというアイデアが大好き。体験や一つの製品、音楽、本、あるいは複数のクリエイターが予想外の方法で携わることもあり得る」と語った。

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マチュー・ブレイジーの「シャネル」入りが噂される中、「ボッテガ・ヴェネタ」が後継者候補を確保か

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターが「シャネル(CHANEL)」のヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の後任候補として噂される中、後継者を確保したようだ。業界関係者によると、同ブランドはブレイジーの後継者にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターを選んだという。しかし、「ボッテガ・ヴェネタ」と親会社のケリング(KERING)から、この憶測についてのコメントは得られなかった。

トロッターは2023年2月に「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、同年9月のパリ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露。ランウエイショーを再開し、数年間クリエイティブ・ディレクターが不在だったブランドに活気をもたらした。そんな彼女の控えめでありながら官能的なデザインとテクスチャーへのこだわりは、「ボッテガ・ヴェネタ」やこれまでのクリエイティブ・ディレクターに通じるところがある。

英ニューカッスル大学でファッションデザインを学んだトロッターは、英コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間は、「ラコステ(LACOSTE)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。

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マチュー・ブレイジーの「シャネル」入りが噂される中、「ボッテガ・ヴェネタ」が後継者候補を確保か

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターが「シャネル(CHANEL)」のヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の後任候補として噂される中、後継者を確保したようだ。業界関係者によると、同ブランドはブレイジーの後継者にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターを選んだという。しかし、「ボッテガ・ヴェネタ」と親会社のケリング(KERING)から、この憶測についてのコメントは得られなかった。

トロッターは2023年2月に「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、同年9月のパリ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露。ランウエイショーを再開し、数年間クリエイティブ・ディレクターが不在だったブランドに活気をもたらした。そんな彼女の控えめでありながら官能的なデザインとテクスチャーへのこだわりは、「ボッテガ・ヴェネタ」やこれまでのクリエイティブ・ディレクターに通じるところがある。

英ニューカッスル大学でファッションデザインを学んだトロッターは、英コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間は、「ラコステ(LACOSTE)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。

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「バレンシアガ」CEOが「サンローラン」CEOに就任 ケリングでさらなる人事異動

「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを擁するケリング(KERING)は11月18日、新たな要職人事を発表した。2025年1月2日付で、セドリック・シャルビ(Cedric Charbit)=バレンシアガ社長兼最高経営責任者(CEO)がサンローランCEOに就任。その後任には、ジャンフランコ・ジャンアンジェリ(Gianfranco Gianangeli)=サンローラン最高商務責任者(CCO)が就く。また、フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=サンローラン社長兼CEOは、23年から兼任しているケリングのブランド開発担当副CEO職に専念。グループ傘下各ブランドのCEOを統括する。

13年からサンローランの指揮を執ってきたベレッティーニ=ケリング副CEO は、エディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)をクリエイティブ・ディレクターに任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。今後については「ケリングのブランド開発担当副CEOとしての役割に専念できることを楽しみにしている」とし、「グッチでの直近の人事異動(編集部注:ステファノ・カンティーノ=グッチ副CEOが25年1月1日付でCEOに昇格)やその他の重要な人事により、現在抱える課題に取り組み、将来の舞台を整えるためにふさわしい人材がそろった」と説明した。

新CEOの経歴と求められるもの

ファッションに対する強い直感とデザイナーとの親密な関係が高く評価されているシャルビ=サンローラン新CEOは、トゥールーズ・ビジネススクールを卒業後、2001年にフランスの百貨店プランタンでバイヤーとしてキャリアをスタート。小売業での要職を経て、エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の副ゼネラルマネジャーに就任した。12年にサンローランに商品戦略ディレクターとして入社し、商品&マーケティング担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントまで昇格。16年11月にバレンシアガ社長兼CEOに就任し、19年7月にはケリング執行委員会の一員となった。

サンローランでは、特に中国においてラグジュアリー消費が落ち込み、インフレと高金利が世界的な消費の重荷になる中、セールスの勢いを再活性化させることに向き合う。24年度の売上高(既存店ベース)は減速しており、第1四半期は前年同期比6%減、第2四半期は同9%減、第3四半期は同12%減。ケリングは、シャルビ新CEOのミッションについて「彼の専門知識とリーダーシップを生かし、パリを象徴するメゾンをさらに発展させ、そのユニークなポジショニング、伝統、アイデンティティーを構築することだ」と述べた。

また、ベレッティーニ=ケリング副CEOはシャルビ新CEOについて、「サンローラン時代、セドリックは私の重要な協力者の一人であり、彼のリーダーシップと独自のスキルにいつも感心していた」とコメント。「バレンシアガで、彼は驚異的な成長を成し遂げただけでなく、困難を乗り越えてブランドの舵を取り、新たな勢いをもたらした。彼こそ、サンローランの次の章を切り開く完璧なリーダーだと確信している」と続けた。

一方、ジャンアンジェリ=バレンシアガ新CEOは、06年にボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)でキャリアをスタート。マーチャンダイジング・マネジャーや日本法人のバイス・プレジデントを経て、2011年にプラダ(PRADA)のアソシエイト・インターナショナル・ディレクターに就任した。13年から4年間ジバンシィ(GIVENCHY)でグローバル・リテール・ディレクターを務めた後は、自身の家族が所有するイタリア・ペルージャのニットウエアメーカーでビジネスの再構築に取り組んだ。その後、20年にメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のCEOに就任。23年9月にサンローランに入社した。

08年からボッテガ・ヴェネタでマーチャンダイジング・ディレクターを務め、当時からジャンアンジェリ新CEOを知るベレッティーニ=ケリング副CEOは、「マーチャンダイジングチームの一員だった彼の才能をすぐに認識した。数年間一緒に働き、その後も絶えず連絡を取り合っていた」とコメント。「常にこの業界で最も優秀なプロフェッショナルの一人だと考えてきた彼が昨年、サンローランに加わったとき、ブランドだけでなくグループにとっても大きなプラスになったと感じた。そんな彼は、バレンシアガにおけるセドリックの完璧な後継者だ」と続けた。

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LVMHがベルリン発アイウエア「マイキータ」の少数株式を取得 今後も独立した経営を維持

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)は、傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)を通じて、ドイツ・ベルリン発のアイウエアブランド「マイキータ(MYKITA)」の少数株式を取得した。取引金額や条件は非公開。両社の共同声明によると、「マイキータ」は今後も戦略やクリエイティブなプロセスにおいて完全に独立した経営を維持する。「このマイノリティー出資により、『マイキータ』はデザインと製造を手掛ける真のグローバルブランドとしての地位を強化し、その型にはまらない精神と卓越したデザインへの献身でイノベーションを推し進めるとともに、アイウエアの未来を描き続ける」という。

「マイキータ」は2003年、当時24歳だったモーリッツ・クルーガー(Moritz Krueger)をはじめとする4人の創業者が設立。最初の拠点がもともと託児施設だったことから、英語の「my」とドイツ語で「保育園」を意味する「kita」を合わせた言葉がブランド名になった。14年からはベルリンの中心地にある全部門を集約した巨大なマイキータハウスを構え、そこで全てのアイウエアを職人の手で製造している。またアイウエアの素材や生産における革新でも知られ、11年には独自素材“マイロン(Mylon)“と3Dプリンティングによるアイウエアを提案。22年には米特殊素材メーカーのイーストマン(EASTMAN)が開発した “アセテートリニュー(Acetate Renew)”への完全移行を業界で初めて発表し、23年からはシグネチャーのステンレス・スチール・フレームにおいても90%以上リサイクルスチールを使用するなど、サステナブルなアイウエアづくりを推進している。

一方、ティリオスは「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」といったLVMH傘下ブランドのサングラスや眼鏡フレームのデザイン・製造・流通を手掛けるほか、アイウエアブランドの「バートン ペレイラ(BARTON PERREIRA)」と「ヴュアルネ(VUERNET)」も擁する。18年にイタリア・ベネチアから車で約1時間のロンガローネに開いた最新鋭の工場は1万8000平方メートルを超える生産設備を有し、LVMHはアイウエア業界におけるプレゼンスを強めている。

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LVMHがベルリン発アイウエア「マイキータ」の少数株式を取得 今後も独立した経営を維持

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)は、傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)を通じて、ドイツ・ベルリン発のアイウエアブランド「マイキータ(MYKITA)」の少数株式を取得した。取引金額や条件は非公開。両社の共同声明によると、「マイキータ」は今後も戦略やクリエイティブなプロセスにおいて完全に独立した経営を維持する。「このマイノリティー出資により、『マイキータ』はデザインと製造を手掛ける真のグローバルブランドとしての地位を強化し、その型にはまらない精神と卓越したデザインへの献身でイノベーションを推し進めるとともに、アイウエアの未来を描き続ける」という。

「マイキータ」は2003年、当時24歳だったモーリッツ・クルーガー(Moritz Krueger)をはじめとする4人の創業者が設立。最初の拠点がもともと託児施設だったことから、英語の「my」とドイツ語で「保育園」を意味する「kita」を合わせた言葉がブランド名になった。14年からはベルリンの中心地にある全部門を集約した巨大なマイキータハウスを構え、そこで全てのアイウエアを職人の手で製造している。またアイウエアの素材や生産における革新でも知られ、11年には独自素材“マイロン(Mylon)“と3Dプリンティングによるアイウエアを提案。22年には米特殊素材メーカーのイーストマン(EASTMAN)が開発した “アセテートリニュー(Acetate Renew)”への完全移行を業界で初めて発表し、23年からはシグネチャーのステンレス・スチール・フレームにおいても90%以上リサイクルスチールを使用するなど、サステナブルなアイウエアづくりを推進している。

一方、ティリオスは「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」といったLVMH傘下ブランドのサングラスや眼鏡フレームのデザイン・製造・流通を手掛けるほか、アイウエアブランドの「バートン ペレイラ(BARTON PERREIRA)」と「ヴュアルネ(VUERNET)」も擁する。18年にイタリア・ベネチアから車で約1時間のロンガローネに開いた最新鋭の工場は1万8000平方メートルを超える生産設備を有し、LVMHはアイウエア業界におけるプレゼンスを強めている。

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100周年の「フェンディ」、2月のミラノコレで男女合同ショー開催へ 創業家のシルヴィア・フェンディがデザイン

「フェンディ(FENDI)」は、2025年2月のミラノ・ファッション・ウイーク期間中に開催する男女合同ショーで創業100周年の幕開けを飾ることが米「WWD」の取材で分かった。創業家の3代目であり、長年「フェンディ」に携わっているシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)=メンズ&アクセサリー・アーティスティック・ディレクターがコレクション制作を率いる。今回のショーは、長年ショー会場とショールームとして使用され、現在は修復中のソラーリ通りにある自社スペース「スパッツィオ・フェンディ(Spazio Fendi)」の再オープンに合わせて開催される予定だ。

同ブランドは100周年を控えた今年、人事におけるさまざまな変化があった。5月には6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任。6月1日付で、ピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)が就任した。また10月には、20年9月からオートクチュールおよびウィメンズのプレタポルテを手掛けてきたキム・ジョーンズ(Kim Jones)が退任。後任は未定のままになっている。そんな中、これまで100周年に向けた詳しい計画については明らかにしていなかった。

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「アワー レガシー」の少数株式をLVMH傘下の投資ファンドが取得 旗艦店出店や新規市場参入を推進

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY- LOUIS VUITTON)が擁する投資ファンドのLVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES、以下LLV)は、スウェーデン発のファッションブランド「アワー レガシー(OUR LEGACY)」の少数株式を取得した。LLVの支援と経験により、これまでブランドがインディペンデントに築き上げてきた人気と事業をより一層強固なものとし、新たな市場への参入や世界の主要都市への旗艦店出店を進めるとともに、ベストな製品とデザインを世界中の人々に提供し続けることを目指す。

「アワー レガシー」は、2005年にヨックム・ハリン(Jockum Hallin)とクリストファー・ニイン(Christopher Nying)がストックホルムで設立。Tシャツ数型のコレクションからスタートし、07年に初めてメンズのフルコレクションを発表した。16年にはサステナビリティにフォーカスした独自の取り組み「アワー レガシー ワークショップ」を始動し、19年には、ブランドの世界観を補完するためにウィメンズ・コレクションもスタート。現在、世界での販売店舗数は250を超え、ストックホルム、英国ロンドン、ドイツ・ベルリン、韓国・ソウルにショップを構えている。

“永遠に生き続けるブランドを築く”ための最適なパートナー

声明の中で、ハリン=創業者兼クリエイティブ・ディレクターは「約20年前に『アワー レガシー』を立ち上げたとき、私たちは永遠に生き続けるブランドを築くことを夢見ていた。その夢を共に実現し続ける上で、LLV以上のパートナーはいない」とコメント。また、07年にチームに加わったリカルドス・クラレン(Richardos Klaren)最高経営責任者(CEO)は「LLVは、知識、経験、そして最も重要なこととして、真にグローバルな革新的ラグジュアリーブランドになるための私たちの旅路を理解し、サポートしてくれるだろう」と述べた。

一方、LVMHラグジュアリー・ベンチャーズ・アドバイザーズのジュリー・ベルコヴィ(Julie Bercovy)CEOは、「『アワー レガシー』は、コンテンポラリーなミニマリズムとクリエイティブのユニークな融合を特徴とした、“クワイエット・クール”と呼ぶべきスタイルの象徴。ワークウエアとストリートウエアの美学からインスピレーションを得て、機能的で実用的な要素をデザインに取り入れながら職人技を駆使した仕上げによって、エレガントで洗練されたスタイルを表現している。そのルーツとアイデンティティーに忠実でありながら、ファンのコミュニティを超え、メンズとウィメンズのファッションの境界線を押し広げるその能力に、私は強い確信を持っている」と話した。

なお、LLVはインディペンデントな人気ブランドへの少数株式投資を目的とし、継続的な成長と拡大を支援している。これまでには「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(L’OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」や「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」「マッドハッピー(MADHAPPY)」「エメ レオン ドレ(AIME LEON DORE)」などに出資してきた。

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「アルベルタ フェレッティ」創業デザイナーの後任に、同グループ傘下ブランドを手掛けるロレンツォ・セラフィニ

アエッフェ(AEFFE)は10月15日、傘下の「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに、2014 年から同グループ傘下の「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI、以下フィロソフィ)」のクリエイティブ・ディレクターを務めているロレンツォ・セラフィニ(Lorenzo Serafini)を起用することを発表した。1981年の設立から43年間コレクションを手掛け、9月に退任を表明していたアルベルタ・フェレッティ=創業者兼クリエイティブ・ディレクターの後任だ。セラフィニ新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーは2025年2月の25-26年秋冬コレクションになる。なお、市場のニーズを読み取り、ブランド力の強化を目指す新戦略の一環で、「フィロソフィ」は「アルベルタ フェレッティ」に統合される。

アエッフェグループのバイス・プレジデントでもあるフェレッティは、「私の名前を冠したブランドの舵取りを、ロレンツォが後任として担ってくれることになり、とてもうれしい。ファッション界が大きな変化を遂げようとしている今、ロレンツォはこの挑戦に必要なクリエイティビティーと確かな審美眼、プロフェッショナリズム、そして専門知識を持つと信じている」とコメント。そして1984年に自身が立ち上げた「フィロソフィ」を継承し発展へと導いたセラフィニの功績を評価し、「『アルベルタ フェレッティ』の本質は、彼のビジョンと見事に合致している。軽やかさ、フェミニニティー、官能性は、すでにロレンツォのボキャブラリーの中にある言葉であり、彼が『アルベルタ フェレッティ』の世界の中で見事に定義づけられるだろう」と述べた。

確かに、9月に発表された「フィロソフィ」の25年春夏コレクションは、「アルベルタ フェレッティ」の流れを汲むフェミニンでとてもロマンチックなラインアップであり、軽やかなジャージーや繊細なレースなどエアリーな素材を使い、体の周りをゆったりと漂うような服を提案していた。

就任に際して、セラフィニは「熱意と深い感謝をもって、フェレッティ・ファミリーが与えてくれたこのチャンスを受け入れる。アルベルタがこのような重要で名誉ある遺産の後継者に私を選んでくれたことは光栄だ。『アルベルタ フェレッティ』の新たな章を始めるにあたり、それを大切に引き継いでいきたい」と話した。

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「アルベルタ フェレッティ」創業デザイナーの後任に、同グループ傘下ブランドを手掛けるロレンツォ・セラフィニ

アエッフェ(AEFFE)は10月15日、傘下の「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに、2014 年から同グループ傘下の「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI、以下フィロソフィ)」のクリエイティブ・ディレクターを務めているロレンツォ・セラフィニ(Lorenzo Serafini)を起用することを発表した。1981年の設立から43年間コレクションを手掛け、9月に退任を表明していたアルベルタ・フェレッティ=創業者兼クリエイティブ・ディレクターの後任だ。セラフィニ新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーは2025年2月の25-26年秋冬コレクションになる。なお、市場のニーズを読み取り、ブランド力の強化を目指す新戦略の一環で、「フィロソフィ」は「アルベルタ フェレッティ」に統合される。

アエッフェグループのバイス・プレジデントでもあるフェレッティは、「私の名前を冠したブランドの舵取りを、ロレンツォが後任として担ってくれることになり、とてもうれしい。ファッション界が大きな変化を遂げようとしている今、ロレンツォはこの挑戦に必要なクリエイティビティーと確かな審美眼、プロフェッショナリズム、そして専門知識を持つと信じている」とコメント。そして1984年に自身が立ち上げた「フィロソフィ」を継承し発展へと導いたセラフィニの功績を評価し、「『アルベルタ フェレッティ』の本質は、彼のビジョンと見事に合致している。軽やかさ、フェミニニティー、官能性は、すでにロレンツォのボキャブラリーの中にある言葉であり、彼が『アルベルタ フェレッティ』の世界の中で見事に定義づけられるだろう」と述べた。

確かに、9月に発表された「フィロソフィ」の25年春夏コレクションは、「アルベルタ フェレッティ」の流れを汲むフェミニンでとてもロマンチックなラインアップであり、軽やかなジャージーや繊細なレースなどエアリーな素材を使い、体の周りをゆったりと漂うような服を提案していた。

就任に際して、セラフィニは「熱意と深い感謝をもって、フェレッティ・ファミリーが与えてくれたこのチャンスを受け入れる。アルベルタがこのような重要で名誉ある遺産の後継者に私を選んでくれたことは光栄だ。『アルベルタ フェレッティ』の新たな章を始めるにあたり、それを大切に引き継いでいきたい」と話した。

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キム・ジョーンズ、「フェンディ」を去る 今後は「ディオール」のメンズに専念

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は10月11日、傘下ブランド「フェンディ(FENDI)」のオートクチュールおよびウィメンズのプレタポルテを手掛けるキム・ジョーンズ(Kim Jones)=アーティスティック・ディレクターの退任を発表した。業界関係者の間ではピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクターと交渉中という噂もあるが、現時点では後任は未定。新たな体制は、しかるべき時期に発表されるという。なお、ジョーンズは、2018年から務める「ディオール(DIOR)」メンズ・アーティスティック・ディレクター職に専念する。

ジョーンズは、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校を卒業後、自身のブランドを設立。その後、「ダンヒル(DUNHIL)」と「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズを経て、「ディオール」のメンズを手掛ける傍ら、19年に死去したカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の後任として20年9月に同職に就任した。初めてウィメンズを本格的に手掛けることになった彼は4年間の在任中、メンズウエアとアクセサリーを率いるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)や彼女の娘でありジュエリーを手掛けるデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)と密にコミュニケーションをとりながら、ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)やマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ステファノと・ピラーティ(Stefano Pilati)いった他のデザイナーとのコラボレーションや、ファーだけでない本格的なオートクチュールの制作などで、ブランドに貢献。話題を作るだけでなく、商業的成功をもたらした。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは、ジョーンズを「4年間にわたり『フェンディ』にユニークで多文化的なビジョンをもたらした、才能溢れるデザイナーだ」と称賛。「彼の貢献に感謝するとともに、『ディオール』メンズで彼のクリエイティビティーを見続けることを楽しみにしている」と話した。

また、LVMHは声明の中で、「キム・ジョーンズは、『フェンディ』の歴史的遺産にモダンで異文化的な美学をシームレスに融合させ、ブランドのクリエイティブなレガシーに大きく貢献した。彼の指揮の下、『フェンディ』のイタリアらしいコードをアップデートし続けるファッションへの包括的かつ革新的なアプローチによって、メゾンのプレタポルテとクチュールのコレクションは刷新された。4年間を通して、ジョーンズの仕事は完全に情熱とクリエイティビティーに導かれていた」と述べた。

拍車がかかるクリエイティブ・ディレクターのシャッフル

ジョーンズの退任により、また注目ブランドのクリエイティブ・ディレクター(またはアーティスティック・ディレクター)の座が空席になり、ラグジュアリー消費の鈍化と消費者の警戒心に悩む業界を揺るがすシャッフルに拍車がかかることになる。

業界関係者によると、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)、「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、「ジル サンダー(JIL SANDER)」のルーシ・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)の雇用契約は、年内もしくは2025年初頭に満期を迎えるという。また現在、「シャネル(CHANEL)」と「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、そして毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎えている「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」も、クリエイションを率いるディレクターは不在だ。

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シルエットの探求を続ける「ロエベ」 削ぎ落とすことで見い出した軽やかさ

「あらゆるノイズを取り除いたとき、何が起きるのか」。「ロエベ(LOEWE)」を手掛けるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は2025年春夏、そんな疑問を起点に、ラディカル(徹底的)に削ぎ落とすことに取り組んだ。これまでも意表を突くアイデアやクラフト技術、贅沢な素材を掛け合わせながら新たなシルエットを探求してきたが、今季はシルエットへのフォーカスをさらに強め、軽やかなコレクションを見せた。

会場は、今季もヴァンセンヌ城の中庭に建てた巨大な箱型の建物。その外壁には、バッハ(Bach)の楽譜が描かれている。しかし、中はこれまでにないほどミニマルな白の空間。毎回さまざまなアート作品を会場内に飾るが、今回は中にポールの上にとまる小さな鳥をモチーフにしたトレーシー・エミン(Tracey Emin)の作品「The only place you came to me was in my sleep」だけが中央に置かれた。

今季の象徴は浮遊感のあるシアーなフープドレス

ファーストルックは、印象派の絵画がプリントされたシアーなシルクジョーゼットのフープドレス。内側にクリノリンのような骨組みやワイヤーを入れて構築的なシルエットを作る一方で、モデルの動きに合わせてはずみ、裾がヒラヒラと揺れる姿は浮遊感があり、目を奪われる。そのデザインの出発点は、今年の「メットガラ(MET GALA)」で女優グレタ・リー(Greta Lee)のために制作したドレス。そこからテニスラケットのように非常に軽いフレームを開発したという。そんなドレスは今季を象徴するアイテムであり、同様のデザインがプリントやディテールを変えて何度も登場する。

そして、今季のキーシルエットとなるのはフレア。ミニドレスやスカートからジャケット、コート、トップスまでに取り入れたが、その表現や形はさまざまだ。スパンコールをびっしりとあしらったドレスや印象派絵画の色彩を取り入れたニットドレスは縮んだように極端に短く、ツイルのような生地のカジュアルなスカートは裾にゴールドのワイヤーを配することでクリノリンが仕込まれているかのように広がる。さらに、針を使い手作業でシルク生地を割いて穴を空けたドレスやテーラードジャケットは、しなやかかつ大胆なテントラインを描く。

1シーズンで使い捨てずに極めるアイデア

以前から1シーズンでアイデアを使い捨てることに疑問を呈してきたアンダーソンは、今季もこれまでに生み出してきたアイデアを応用したり、ブラッシュアップしたりしている。例えば、フェザーがびっしりと飾られたTシャツ風のトップスは、2023-24年秋冬に披露したアイデアを発展させたよう。今季は、「美術館やコンサートに行くという体験した時に、思い出の品を持ち帰りたくなる」というアイデアを元に、前面にバッハやモーツァルト(Mozart)といった音楽家の肖像画や、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の「ひまわり」やエドゥアール・マネ(Edouard Manet)の「笛を吹く少年」などの名画をハンドペイントで描いた。それはコンサートTシャツやミュージアムグッズかのようなデザインであり、アンダーソンのユーモアを感じる。

また、「ラディカルな節度」をテーマにした6月のメンズ・コレクションに通じる技法やデザインも多く見られた。例えば、メンズでトップスに用いた薄く仕上げたマザー・オブ・パールを全面に貼り付ける技法は、ミニ丈のコートドレスに採用。ベルトで上下のアイテムをつなぐアイデアは、ウィメンズではクロコダイルのトレンチコートに取り入れた。また、太くカーブした袖が特徴のテーラードジャケットや、ケープのように広がるシルエットのバイカージャケット、シームに沿って入れたワイヤーで裾が捲れ上がったコート、本来背面にあるロコバッチを前に持ってくるために捻ったようなデザインで美しいドレープを生んだボリュームのあるパンツ、トーが極端に長いオックスフォードシューズなどはメンズと共通するデザインだ。

ショー後、メンズとウィメンズの関連性について聞かれたアンダーソンが語ったのは、「私たちがメンズショーでいかに、どこまで到達できたかということを気に入っているし、私たちはたくさんのアイデアを生み、発展させてきた。なのに、なぜそれを急に捨て去らなければならないのだろう。私はそこに章を追加するという考えで、5〜6つの既存のアイデアを真に極めながら、3〜4つの新たな章を加えていく。その完成度を高めていくことで、店頭に並ぶ頃までに、アイデアとして実際に機能するようになる」ということだ。確かにアンダーソンのコレクションは咀しゃくし、実際にワードローブに取り入れる準備ができるまでには多少時間がかかることも多い。しかし、アイデアの探求と追求により、彼はこの10年で「ロエベ」のスタイルとアティチュードを築き上げた。そして、バリエーション豊富なバッグをはじめとするアクセサリーの人気もあり、クリエイションにおいて高い評価を得ながらビジネスでも結果を出している。その両立を続けることは容易くはなく、アンダーソンは今のラグジュアリーファッション界でトップを走るデザイナーと言えるだろう。フィナーレに登場した彼は、今季も拍手喝采で迎えられた。

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エミー賞で日本人初の主演男優賞を勝ち取った真田広之は「ディオール」を着用  ドラマ「SHOGUN 将軍」が史上最多の18冠

アメリカの優れたテレビドラマや番組に贈られる第76回エミー賞の受賞式が9月15日(現地時間)、ロサンゼルスで開催された。ドラマ「SHOGUN 将軍」のプロデュースと主演を務めた俳優の真田広之は、「ディオール(DIOR)」によるネイビーのタキシード姿で出席。日本人初となる主演男優賞を勝ち取った。

トロフィーを手にした真田は、「本当にありがとうございます。素晴らしい候補者たちと一緒にこの場所にいられることを光栄に思います」と英語でスピーチ。「人々が力を合わせれば、奇跡を起こすことができる。そして、共により良い未来をつくることができます」と続けた。

また同作は、ドラマシリーズ部門作品賞、主演女優賞、監督賞など、一つのシーズンの作品として史上最多となる18冠を獲得。作品賞受賞の際にコメントを求められた真田は「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を越えました」と日本語で語った。

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「Y/プロジェクト」のグレン・マーティンスが退任 パリコレで予定していたショーも中止

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は9月6日、11年間クリエイティブ・ディレクターを務めてきたグレン・マーティンス(Glenn Martens)の退任を発表した。今後の体制は明らかになっていない。退任に伴い、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた2025年春夏コレクションのショーも中止する。

「Y/プロジェクト」は、10年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティが癌で死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたマーティンスがクリエイティブ・ディレクターに就任した。ベルギー・ブルージュ出身でアントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼は、ねじれやズレを生かすデザインやボタンやファスナーで着こなしを変えられる構造を取り入れた実験的なアプローチによって、クリエイションに対する高い評価と支持を獲得。「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」や「メリッサ(MELISSA)」とのコラボレーションも手掛け、ビジネス面でも世界約150店で取り扱われるグローバルブランドへの成長に貢献した。また、20年10月には「ディーゼル(DIESEL)」のクリエイティブ・ディレクターにも就任。21年には「ジャンポール ゴルチエ」のオートクチュール・コレクションのゲストデザイナーを務めたり、直近ではファッション誌「エーマガジン キュレーテッド バイ(A MAGAZINE CURATED BY)」のキュレーションを手掛けたりと、多忙な日々を送っていた。

ブランドは声明の中で、「グレンのブランドへのユニークな貢献に感謝するとともに今後の活躍を祈っている」とコメント。マーティンスも「ブランドが確立したクリエイティブな芸術性を発展させながら、私自身のビジョンを表現するためのサポートと自由を与えてくれた『Y/プロジェクト』と6月に惜しくもこの世を去ったエレイルフ前CEOに感謝している」と述べている。

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「Y/プロジェクト」のグレン・マーティンスが退任 パリコレで予定していたショーも中止

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は9月6日、11年間クリエイティブ・ディレクターを務めてきたグレン・マーティンス(Glenn Martens)の退任を発表した。今後の体制は明らかになっていない。退任に伴い、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた2025年春夏コレクションのショーも中止する。

「Y/プロジェクト」は、10年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティが癌で死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたマーティンスがクリエイティブ・ディレクターに就任した。ベルギー・ブルージュ出身でアントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼は、ねじれやズレを生かすデザインやボタンやファスナーで着こなしを変えられる構造を取り入れた実験的なアプローチによって、クリエイションに対する高い評価と支持を獲得。「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」や「メリッサ(MELISSA)」とのコラボレーションも手掛け、ビジネス面でも世界約150店で取り扱われるグローバルブランドへの成長に貢献した。また、20年10月には「ディーゼル(DIESEL)」のクリエイティブ・ディレクターにも就任。21年には「ジャンポール ゴルチエ」のオートクチュール・コレクションのゲストデザイナーを務めたり、直近ではファッション誌「エーマガジン キュレーテッド バイ(A MAGAZINE CURATED BY)」のキュレーションを手掛けたりと、多忙な日々を送っていた。

ブランドは声明の中で、「グレンのブランドへのユニークな貢献に感謝するとともに今後の活躍を祈っている」とコメント。マーティンスも「ブランドが確立したクリエイティブな芸術性を発展させながら、私自身のビジョンを表現するためのサポートと自由を与えてくれた『Y/プロジェクト』と6月に惜しくもこの世を去ったエレイルフ前CEOに感謝している」と述べている。

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「バーバリー」のトップが交代 新CEOは「コーチ」や「マイケル・コース」から高級百貨店までを率いてきた52歳

バーバリー(BERBERRY)は、新たな最高経営責任者(CEO)にジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)前マイケル・コース(MICHAEL KORS)CEOを指名した。退任するジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEOの後任として、7月17日付で就任。ラグジュアリー市場が減速する中、ブランドの再ポジショニングを図る。

現在52歳のシュルマン新CEOは、アメリカ出身。グッチ(GUCCI)やサンローラン(SAINT LAURENT)を経て、2007〜12年にはジミー チュウ(JIMMY CHOO)のCEOを務めた。その後、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)で百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)の社長を5年間務め、そのうち3年間はNMGの海外子会社の統括も兼務。17年から3年間はコーチ(COACH)の社長兼CEOを、21年8月から約8カ月間はマイケル・コースのCEOを務めた。

就任に際しては、「世界的なラグジュアリー、ファッション、リテール事業のCEOとして変革的な発展と価値創造を推進してきた実績をもって、バーバリーに加わる」とコメント。「『バーバリー』は、伝統と革新が同居する、英国の真髄ともいえる素晴らしいラグジュアリーブランド。人々を天候から守るという『バーバリー』の創業当初の目的は、これまで以上に身近なものとなっている。(チーフ・クリエイティブ・オフィサーの)ダニエル・リー(Daniel Lee)や才能あるチームと共にグローバルな成長を推進し、お客様に喜びをもたらし、そして『バーバリー』の次の章を綴ることを楽しみにしている」と続けた。

シュルマン新CEOは英国ロンドンにある本社を拠点とし、執行委員会を率いて、ジェリー・マーフィー(Gerry Murphy)会長と取締役会に報告する。マーフィー会長は「ジョシュアは、世界的なラグジュアリーブランドを構築し、収益性の高い成長を牽引してきた優れた実績を持つリーダーだ。彼は『バーバリー』というブランドをよく理解しており、『バーバリー』独自のクリエイティブな伝統を築き上げるという私たちの野心を共有している。彼のラグジュアリーとファッションにおける豊富な経験は、『バーバリー』の可能性を最大限に引き出すカギとなるだろう」と述べた。

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「ロエベ」がもたらす感覚的な喜び ミニマルなデザインの中にちりばめた驚きと遊び心

「ロエベ(LOEWE)」は6月22日、パリ・メンズ・ファッション・ウイークで2025年春夏メンズ・コレクションを発表した。プレスリリースはいつになく簡潔で、「A Radical act of Restraint(ラディカルな節度)」というキーワードのみ。「抑制されたものを欲していた」と語るジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は、服のアーキタイプ(元型)をベースにした削ぎ落とされたデザインに、意表を突くクラフト技術や素材、コントラストを効かせたシルエットを取り入れ、今季も観客を圧倒した。

アンダーソンにとってパーソナルな作品を並べた会場

今シーズンの会場は、22年春夏と23年春夏のウィメンズショーでも用いたフランス共和国親衛隊の屋内馬術練習場。その時同様、ショーのために2階部分を作り、ランウエイと客席を用意した。そこには、今季の出発点となった写真家ピーター・ヒュージャー(Peter Hujar)が撮影したハイヒールの写真をはじめ、アーティストのポール・テック(Paul Thek)によるネズミなど小さな青銅製オブジェの数々、チャールズ・レニー・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)の手がけた椅子、建築家でありデザイナーでもあったカルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)が製作したイーゼルなど、アンダーソンにとってパーソナルなものでもある20世紀のアート&デザインを象徴する作品が飾られている。

そんなランダムな組み合わせのようにも感じる作品群のセットは、アンダーソンの愛読書の一冊でもあるというスーザン・ソンタグ(Susan Sontag)の「反解釈」の中で提唱された、作品を解釈するよりもその感覚的な喜びを重んじる“芸術の官能美学”の必要性を呼びかけるもの。観るものそれぞれが自由に感じ取る、連想の旅へと誘う。

「精度に対する自分ならではの解釈を楽しんだ」

ショーが始まると、モデルたちは空間中央の1階から続く階段を上り、ランウエイに姿を現す。まず目を奪われたのは、モデルの顔の前に垂れるキジの羽根のヘッドピース。それは、縦のラインを強調するアクセントになるだけでなく、「顔の中央に線を引くことで、顔を分断したり隠したりしたかった。動く時に錯視をもたらしたり、催眠術をかけたように見えたりするものでもある」とアンダーソンは説明する。

序盤に見せたのは、ヘッドピースの細長いラインに呼応するようなスリムシルエットのブラックスーツ。デザイン自体はミニマルだが、シルクモヘアをスポンジのように弾力のある質感で仕上げた軽やかなオリジナル素材を使っているのが特徴だ。インナーに合わせるのは、服の内側に縫い付けられるロゴラベルを拡大してドレープを寄せたかのようなトップス。足元のオックスフォードシューズはトーが極端に引き伸ばされたデザインで、錯覚を生み出す。

「精度に対する自分ならではの解釈を楽しんだ」という今季は、これまで以上に削ぎ落とされたデザインの中に一見しただけでは分からないような驚きのアイデアや遊び心あるユーモアを散りばめている。例えば、先シーズンのように上下が一体化したルックがある一方、クロップド丈のポロシャツとチノパンツはオーストリッチのベルトでつながっているように見えて別々のアイテム。細身のコートは、シームに沿って入れたワイヤーで裾が捲れ上がったシルエットを生み出す。そしてドレープを寄せたワイドパンツは、正面のファスナーを横に、背面のパッチを前にずらして捻ったかのよう。そこに合わせるチェックシャツは前後が逆になっている。

また、レザーのチェスターコートはグラデーションを描くようにナパカーフからオーストリッチへと変化し、ハウンドトゥースのポロシャツはカットしたフェザーをあしらうことで柄を立体的に表現。構築的なTシャツやショーツはケーブルニットとレザーをボンディングした上から筆でペイントして仕上げたもので、ノースリーブのトップスは3Dプリンターで再現した腕時計の金属ベルトのようなパーツやマザー・オブ・パールで作る。そんなクラフト技術の生かし方は、まるでモダンなオートクチュールを見ているかのようだ。

それだけでなく、フレアラインを描くギンガムチェックのロングシャツにスリムなスラックスを合わせたり、タイトなニットに鳶職人が履く作業着のようにボリュームのあるニットパンツをコーディネートしたりと、コントラストを効かせたシルエットの探求も引き続き。後半に登場したジャケットも、「ポケットに手を入れるという動作のさりげなさを際立たせるような、誇張する何かが欲しかった」とアンダーソンが説明するように、短めの身頃に対して袖は太くカーブし、たっぷりとしたたるみはエフォートレスな印象につながる。

多様なレザーで表現するバッグ&シューズ

バッグの新作は、“ペブル”バケットバッグを同じ金具をあしらった縦型のホーボーバッグやトップスにも見られたコントラストカラーの大きなロゴを配したXLサイズの巾着トートなど。前者はオーストリッチ、スエード、グレインレザーのバリエーションを用意し、後者はなめらかなナパカーフで提案する。また定番の“パズル”バッグには、オーストリッチや「ロエベ」としては初のディアスキン(鹿革)のモデルが登場した。

一方、シューズは前述のオックスフォードシューズに加え、メンズシューズの定番をシルエットや素材で遊んだデザインが目を引く。さまざまなレザーで提案するローファーやバイカラーのデッキシューズは、幅広の丸みを帯びたスクエアトーが特徴。つま先やソール周りをレザーで覆ったキャンバススニーカーやショート丈のワークブーツ、ブラッシュスエードのフットベッドサンダルなどもそろう。

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ドリス・ヴァン・ノッテン、最後のショーを前に心境を語る

「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は、パリ時間の6月22日20時半(日本時間23日3時半)から2025年春夏メンズのショーを開き、創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)が手掛ける最後のコレクションを発表する。アントワープでその準備を進める彼に話を聞いた。

「緊張はこれまで通り、いやそれ以上にかもしれない。もちろんプレッシャーがあるからね。皆の期待値は高いだろう」。そう語るドリスは今、激しい感情の浮き沈みを感じている。そして、インタビュー前日にコレクションの最終チェックを終えた彼は「全ての服がそこに吊り下げられているけれど、ある意味、難しくもあった。いつもなら、色彩の進化や6つのラックに吊るされた見せたいもの全てと向き合う瞬間を楽しんでいる。けれど、これが最後だと気付くと、その瞬間、『あまりいい決断ではなかったかもしれない』と思った」と明かす。

今年3月、38年間ブランドを手掛け続けてきたドリスが退任するという発表は、多くの業界人やファンに衝撃と動揺をもたらした。現在66歳のデザイナー自身も、ショー後に自分がどんな気持ちになるか分からないと認め、「『あぁ、これが私にできる最高の決断だった』と思う日もあれば、『何て決断をしてしまったのだろう』と感じる日もある」 と話す。「もちろん、たくさんのことを恋しく思うことになるだろう。ただ一方で、私は『ドリス ヴァン ノッテン』とつながり続けていく。完全にブランドから離れてしまうわけではなく、アドバイザーのような役割を担うことになる。メイクアップとビューティで忙しくなりそうだし、店舗デザインにもまだ関わるつもりだ……けれど、コレクションは、もう私の仕事ではなくなる」。

最後のコレクションについて聞かれたドリスは多くを語らなかったが、懐古的なものにはならないとし、次のように答えた。「考えたのは、振り返らないということだった。もちろん、私のことを知っている人なら、再び登場する特定のテーマや小さなディテール、要素に気づくだろう。でも、このコレクションは数歩前に進んだものだ。ノスタルジックにはなりたくなかったので、未来を見据えて、素材の実験的な試みなどを多く取り入れている」。そんなコレクションを披露する今季最注目のショーには、多くの同業デザイナーも駆けつけると見られる。

ドリスが大切にしてきたファッションショー

ドリスは、イメージを作り上げ、ストーリーを表現する場として、ファッションショーをとても大切にしているデザイナーだ。広告を打たない姿勢を貫いてきた(実は80年代に一度雑誌に広告を出したことがあり後悔している)彼は、新型コロナウイルスのパンデミックで断念せざるを得なかった2年間を除き、メンズは1992年春夏から、ウィメンズは94年春夏からずっとショーを続けてきた。

そして、彼は「周年」よりもショーを継続してきた「通算回数」を重視している。50回目となった05年春夏は、シャンデリアが吊るされた空間で140メートルの長い食卓をランウエイに見立てた印象的なショーを開催。100回目となった17-18年秋冬は、過去に同ブランドのショーを歩いたモデルと現役モデルをミックスし、過去のコレクションで用いたお気に入りのパターンの上にグラフィカルなプリントを重ねたコレクションを見せた。また05年には全50回のショーを、17年には全100回のショーをまとめた本も出版している。

今回、ショー数日前に届いたインビテーションは、メタリックシルバーの背景に白字で「LOVE」と書かれたものだった。服をこよなく愛し、多くの人々に愛されてきたドリスは、最後にどんなショーを見せてくれるのか。期待が高まる。

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古代ローマ時代の市場でサステナビリティを考えるイベント開催 「ボッテガ・ヴェネタ」CEOなど100人のゲストスピーカーが登壇

伊NPOのサステイナブル・ファッション・イノベーション・ソサエティー(SUSTAINABLE FASHION INNOVATION SOCIETY、以下SFIS)は6月4日と5日の2日間、欧州議会と欧州委員会との提携によるフィジタル・サステナビリティ・エクスポ(PHYGITAL SUSTAINABILITY EXPO、以下PSE)をローマで開催した。PSEはファッション&デザインのサステナビリティに特化したイタリア初のイベントとして2019年にスタート。技術革新による“メード・イン・イタリー”の持続可能な産業への移行促進を目指している。

多彩なパネルトークからユニークなファッションショーまで

会場は、コロッセオやフォロ・ロマーノと同じエリアにある古代ローマ時代の市場跡地「トラヤヌスの市場」。世界遺産や歴史的建造物が至るところにある街ならではのロケーションと言える。そんなユニークな会場にステージや約15企業や団体の展示ブースを設けた。

5回目を迎えた今回は、ポリシーメーカーである政治家からファッションや素材、サステナビリティ関連企業のトップ、学者、NPOまで、イタリア国内を中心に17カ国から約100人のゲストスピーカーがステージに登壇。終日ひっきりなしにパネルトークやプレゼンテーション、レクチャー、公開インタビューなどが行われた。テーマやトピックは、EUやイタリアにおけるサステナビリティ関連の政策やイニシアチブをはじめ、素材や生産、小売、ESG投資、EPR(拡大生産者責任)、ダイバーシティー&インクルージョン、エネルギーまで多彩。大半はイタリア語で行われたが全て英語で同時通訳され、オンラインでも2言語でライブ配信された。

PSEがハイライトの一つに据えているのは、初日夜のナレーション付きファッションショーだ。披露したのは、出展者をはじめとする9ブランドが制作したアイテム。サステナビリティに対する意識を高めることを目的としており、モデルがランウエイに登場すると、その服の生産に用いられた技術革新やサステナブル素材の詳細、生産にかかる温室効果ガス排出量についてのナレーションが流れるという演出が特徴になっている。同イベントは一般客も無料で参加でき、ショーには若者を中心に地元の人も数多く集まった。

「ボッテガ・ヴェネタ」や「フェラガモ」など優れた“メード・イン・イタリー”を表彰

2日目の午前中には、“メード・イン・イタリー”の優れた取り組みを表彰する「サステイナブル・メード・イン・イタリー賞」の授賞式とトークセッションを開催した。クリエイティビティー&クラフツマンシップ部門は「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」、イタリアン・ヘリテージ部門は「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」、職人の知恵部門は「フェラガモ(FERRAGAMO)」が受賞。さらに、ファッションのデジタル化部門には「ユークス(YOOX)」の創業者でもあり、現在は英国のチャールズ国王が立ち上げた「ファッションタスクフォース(FASHION TASKFORCE)」の会長を務めるフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)、そして、メード・イン・イタリーの若手女性イノベーター部門にはイタリア製のオーガニックコットン繊維を手掛けるソーファイン(SOFINE)のアリアイ・ヴェントゥーリ・クアットリーニ(Aliai Venturi Quattrini)=マネジング・ディレクターが選ばれた。

ステージに登壇したバルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)=ボッテガ・ヴェネタ最高経営責任者(CEO)は、同ブランドのモノづくりに欠かせない職人たちにフォーカスした短編映像「クラフト・イン・モーション」を流し、「まずサステナビリティなしに卓越性を実現することはできない。サステナビリティは、環境だけでなく、文化的な伝統や人においても言えることだ」とコメント。そして「『ボッテガ・ヴェネタ』は、クオリティーに対する厳格なアプローチで、丈夫かつ世代を超えて受け継げるような製品を作っている。また、常にクラフツマンシップの伝統を守ることにこだわり、責任を伴った成長にフォーカスしてきた。職人の手仕事はブランドの本質であり、従業員に適切な賃金を支払うことやベストな労働環境を保証することに取り組んでいる。企業は、自分たちが拠点とする地域そして国全体を守るために、コミュニティーに価値を還元し、良い環境を生み出していくことが必要だ」と続けた。

現在ミラノで大規模な展覧会も開催している「ドルチェ&ガッバーナ」のフェデーレ・ウザイ(Fedele Usai)=ジェネラル・ディレクターは、「展覧会でもイタリアのさまざまな地域のクラフツマンシップへの愛を感じられるだろう」とし、「イタリアには、国内にモノづくりの現場をたくさん有するという豊かさがある。(変化のためには、)自社の社員だけでなく、そのモノづくりに関わる全てのサプライチェーンを教育していくことが重要だ」と主張。「新たな世代はサプライチェーンの管理や説明責任を重視している。私たちが若かった頃と今の若者では何を信じるかという点で違う考えや視点があり、新世代を未来の消費者として捉えるだけでなく、その声に耳を傾けることも大切だと思う」と話した。

そして、ジェームス・フェラガモ(James Ferragamo)=フェラガモ グローバル・チーフ・トランスフォーメーション&サステナビリティ・オフィサーは、「ファッションブランドには今、継続的な成長と同時にサステナブルなビジネスモデルへの移行という目標に向かっていくことが求められる。このジレンマに対する解決策をサプライチェーン全体で考えていかなければならない。祖父のサルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は戦時中、レザーやメタル、ラバーが使えない中、コルクやセロファンなどで靴を作り、クリエイティブであることを諦めずに成長を続けてきた。『フェラガモ』には、今でもそういった革新のDNAがある。私たちが目指しているのは、革新的かつサステナブルであることだ」と述べた。

主催者が語るイベントを続ける大切さ

ヴァレリア・マンガーニ(Valeria Mangani)SFISプレジデントは、PSE立ち上げのきっかけについて「イタリアの現状に危機感を覚え、ファッション業界のサステナビリティに対する認識を高める必要性を感じた。EUは2050年までに気候中立達成を目指しているが、EPRなどのさまざまな政策を打ち出すことよりも、(イタリアでは)まず生産者や消費者に自分たちが作ったり、買ったりするものについて考えてもらうことが重要だった」と振り返る。そして、「イタリアには世界的なビッグブランドもあるが、中小企業が多い。そのため、サステナビリティ実現のためのノウハウや資金、労力をもっていない企業も多く、適切な説明や支援が必要だ」と説明する。

現在抱える最も大きな課題について尋ねると、「二つあるが、一つはファッションにおけるサステナビリティ実現に向けた行政からの金銭的支援。そのため、経済発展省が設立した会合『テーブル・フォー・ファッション』の一員でもあるSFISは、ポリシーメーカーへのロビー活動を積極的に行なっている。もう一つは、人々のマインドセットを変えること。一朝一夕にはいかないが、特に中小企業における変化が急務だ」と語った。

現地で感じた意義と課題

イタリアの大手ファッション企業ではよりサステナブルなビジネスモデルへの変化や取り組みが進み、ミラノ・ファッション・ウイークを主催するイタリアファッション協会や「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」や「リネアペッレ(LINEA PELLE)」といった素材見本市でもサステナビリティへのフォーカスが見られる。しかし、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が世界各国のSDGs達成度を評価した「サステナブル・デベロップメント・リポート」の23年版によると、イタリアは24位(ちなみに日本は21位)。北欧諸国やドイツ、フランスなどサステナビリティ先進国の多いヨーロッパでは遅れをとっているのが現状だ。そんな中、ファッション業界にとって重要な生産国、そして輸出国の一つでもあるイタリアでサステナビリティに対する意識を高めていくために、このようなイベントを継続して行う意義は大きい。

一方、実際に訪れてみて、イベントとしての課題が見えたのも事実だ。一つは、ゲストスピーカーの数は充実しているものの、各セッションや登壇者に与えられた時間が短かったこと。活発な意見交換や具体的なソリューション提案というよりも、それぞれの取り組みの紹介や意見表明というレベルにとどまり、結果的に深く掘り下げられていないことも多々ある印象を受けた。また、初日夜のファッションショーにはたくさんの来場者が見られたものの、日中はイベントの関係者やメディア以外の来場者はさほど多くなかった。ファッション業界やモノづくりに携わる人を対象にするにしても、一般消費者を対象にするにしても、「人々のマインドセットを変える」にはまずより多くの人を呼び込み、関心を持ってもらったり、考えるきっかけを与えたりすることが重要。専門用語や新たな技術が多く難しいと捉えられがちなサステナビリティのイベントにとって、当事者として身近に感じられるようなテーマや登壇者の選定、そしてより多くのワークショップのような参加型企画も大切だと感じた。ブラッシュアップの余地は大きく、今後の発展に期待したい。

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6月のミラノ・メンズコレはロンドン勢の参加増 「MSGM」は15周年を祝う男女合同ショー

2025年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノメンズ)が6月14日に開幕する。公式スケジュールの5日間に19ブランドがショーを開くほか、42ブランドがプレゼンテーションを行う。なお、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク初日と被る最終日の18日は、デジタル発表のみとなる。

今年ブランド設立15周年を迎える「MSGM」は、男女合同ショーを開催。「モスキーノ(MOSCHINO)」は、1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したアードリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)による初のメンズ・コレクションを披露する。

また、今シーズンはロンドン勢の増加が目立つ。22-23年秋冬からミラノメンズに参加している「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」に加え、「マーティン ローズ(MARTIN ROSE)」と「ダンヒル(DUNHILL)」がショーを計画。「デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)」も初のメンズをプレゼンテーションでお披露目する。

そのほかのラインアップは大きく変わらず、「プラダ(PRADA)」や「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」「ゼニア(ZEGNA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」「ディースクエアード(DSQUARED2)」などがショーを実施。「トッズ(TOD’S)」や「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「ブリオーニ(BRIONI)」「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」「セッチュウ(SETCHU)」などはプレゼンテーション形式で新作を発表する。

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6月のミラノ・メンズコレはロンドン勢の参加増 「MSGM」は15周年を祝う男女合同ショー

2025年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノメンズ)が6月14日に開幕する。公式スケジュールの5日間に19ブランドがショーを開くほか、42ブランドがプレゼンテーションを行う。なお、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク初日と被る最終日の18日は、デジタル発表のみとなる。

今年ブランド設立15周年を迎える「MSGM」は、男女合同ショーを開催。「モスキーノ(MOSCHINO)」は、1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したアードリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)による初のメンズ・コレクションを披露する。

また、今シーズンはロンドン勢の増加が目立つ。22-23年秋冬からミラノメンズに参加している「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」に加え、「マーティン ローズ(MARTIN ROSE)」と「ダンヒル(DUNHILL)」がショーを計画。「デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)」も初のメンズをプレゼンテーションでお披露目する。

そのほかのラインアップは大きく変わらず、「プラダ(PRADA)」や「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」「ゼニア(ZEGNA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」「ディースクエアード(DSQUARED2)」などがショーを実施。「トッズ(TOD’S)」や「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「ブリオーニ(BRIONI)」「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」「セッチュウ(SETCHU)」などはプレゼンテーション形式で新作を発表する。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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山本耀司の服作りへの姿勢を称える展覧会がミラノで開催 80年代のアーカイブから最新作までを展示

山本耀司「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」デザイナーの作品にフォーカスした展覧会「山本耀司。未来への手紙(Yohji Yamamoto. Letter to the future)」が、イタリア・ミラノのコンセプトショップ「ディエチ コルソ コモ(10 CORSO COMO)」で開催中だ。会期は7月31日まで。2月に全面改装オープンした店内のギャラリースペースを用いた同展では、1986年のアーカイブから2024-25年秋冬シーズンの最新作まで25点を展示。インダストリアルな雰囲気が漂う明るい空間が、黒を中心とした山本デザイナーの象徴的なデザインを際立たせる。

今回の展示では、山本デザイナーが語った言葉の引用が壁に記されているのも特徴だ。例えば、色については「私は体の上での布の動きにしか興味がなかったので、色は使いたくなかった。白か黒。それで十分。だから、とうとう色について考えることを完全に忘れてしまった」と言及。また、「過去に自分が手掛けた作品を再訪し、自分自身を試し、昇華させることができるかどうかを確認するのは刺激的なことだ。私は、常に他とは異なるものを作りたいと考え、新しさを探し求め続けている。未来に対するイメージはなく、自分には明日のイメージしかない」とも述べている。

キュレーターが語る山本耀司の魅力

同展のキュレーターを務めたアレッシオ・デナヴァスケス(Alessio de’ Navasques)とティツィアナ・ファウスティ(Tiziana Fausti)「ディエチ コルソ コモ」オーナーは、山本デザイナーの永続性を強調するような展覧会を行いたいという望みを尊重した。デナヴァスケスは「山本耀司氏は、回顧展というアイデアを好まない」とし、展覧会のタイトルは「(彼の)形状、非対称性、素材のシンクロしない流れの中での、時間とのあいまいで詩的な関係を定義している」とコメント。そして、「初期から今日に至るまで、山本氏のメッセージは今なお重要であり、とても力強い。彼はファッションの歴史において最も偉大なクリエイターの一人だ」と話す。

また、「異なる時代間の対話の中で、時間の概念を打破する」という考えから、作品は年代順ではなくテーマ別に展示。1986-87年秋冬の鮮やかな赤で彩られたビクトリアンスタイルのシルクコートの近くには、2024-25年秋冬のグレーのウールコートが飾られている。一方、1996-97年秋冬のフェルトを折り紙のように扱ったスタイルは、レイヤードしたアイテムを脱ぎ捨てるショー演出で見せた99年春夏のドレスと並べられている。

今回、デナヴァスケスが山本デザイナーと共に目指したのは“活気のある”展覧会にすることであり、「ファッション展は時に死んだような印象を与えることもあるが、彼のメッセージの強さは現代的で実験的な対話を可能にする」と説明。「繰り返し用いるシグネチャーとして衣服と人間の関係に革命をもたらした、あらゆる形状の不完全さを歓迎し、生地をドレーピングしたり彫刻のように仕上げたりする彼の一貫した姿勢は、未来を見据えたタイムレスな自由を表す普遍的なメッセージだ」と語った。

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「AZファクトリー」がブランド終了 今後は教育プログラムを通じて独立系デザイナーを支援

「AZファクトリー(AZ FACTORY)」が、コレクションの制作や販売などファッションブランドとしての活動を終了することが分かった。今後は「AZアカデミー:ビジネス・フォー・デザイナーズ(AZ ACADEMY: BUSINESS FOR DESIGNERS、以下AZアカデミー)」と題した大学院教育プログラムに移行し、引き続きデザイナー支援を行なっていく。同ブランドは、2019年に「ランバン(LANVIN)」を長年手掛けてきたことで知られる故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)が、「クロエ(CHLOE)」や「ダンヒル(DUNHILL)」「アライア(ALAIA)」を擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT、以下リシュモン)とのジョイントベンチャーとして設立。デビューコレクション発表からわずか3カ月後の21年4月にエルバスが死去し、それ以降は毎シーズン異なる独立系デザイナーとのコラボレーションやデザインチームによってブランドを継続してきた。生産・販売される最後のコレクションは、ルッツ・ヒュエル(Lutz Huelle)がデザインした24年プレ・フォールになる。

選抜した若手や独立系デザイナーを支援

「AZアカデミー」は、ミラノを拠点とするリシュモンの企業スクールであるクリエイティブ・アカデミー(Creative Academy)の傘下に入り、ローマにあるファッションスクールのアカデミア・コスチューム&モーダ(Accademia Costume & Moda)と提携。世界のファッションスクールを卒業したばかりのデザイナーや、すでにファッションやレザーグッズ、アクセサリーの分野で活躍している独立系デザイナーを対象に、現在公式サイトで応募を受け付けている(締め切りは7月15日)。9月には、業界の専門家からなる審査委員会が、初年度の奨学金対象デザイナーを10〜20人選出。25年1月にミラノで1年間のプログラムをスタートする予定だ。選抜デザイナーは参加費として2500ユーロ(約42万2500円)を支払う必要があるが、プログラムにかかる費用の大部分はリシュモンが支援する。

リシュモンのフィリップ・フォルトゥナート(Philippe Fortunato)=ファッション&アクセサリー メゾン最高経営責任者(CEO)は、「『AZアカデミー』は、独立系ファッションデザイナーたちがそれぞれのクリエイティブなビジョンをビジネスの成功へと変えることを支援するユニークな機会を提供する。このプログラムを通じて、リシュモンはアルベール・エルバスと共に『AZファクトリー』で始まったストーリーを継承し続け、独立したクリエイションを支援することに対するコミットメントを再び明確に示す」と続けた。

「AZアカデミー」のプログラム内容は?

「AZアカデミー」発足の背景にあるのは、現在のファッション業界における課題だ。公式サイトでは、「既存のシステムには、クリエイティブなアイデアを投資を呼び込めるようなブランドビジネスへと変えるために必要なツールやノウハウをデザイナーに提供する教育プログラムや制度が欠けている」と指摘。若手デザイナーがブランド確立のための適切なツールを習得することをサポートするために、教育とプロフェッショナルな経験を融合させることを目的に掲げる。

同プログラムで取り扱うトピックは、クリエイティビティー、イノベーション、サステナビリティ、生産、財務、法律、マーケティング、包括性など。参加デザイナーはアカデミックな学習に加え、専門家による特別授業や個別指導、そして訪問、体験、インターンシップを通じてサプライチェーンに深く入り込むことになる。また最終プロジェクトでは、新しいファッションビジネスの支援に関心がある潜在的な投資家のためにビジネス戦略、コレクション計画、生産・事業計画を練り、プレゼンテーションで発表する。

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「マルニ」の新CEOに親会社OTB会長の息子が就任

「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するOTB傘下の「マルニ(MARNI)」の新たな最高経営責任者(CEO)に、同グループのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長の息子であるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)が就任した。バーバラ・カロ(Barbara Calo)CEOの後任で、ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)OTB CEOの直属となる。なお、ステファノ新CEOは、「メゾン マルジェラ」の会長、OTBの取締役、バーチャルのプロダクトや体験に特化した子会社ブレイブ・バーチャル・エクスペリエンス(BRAVE VIRTUAL XPERIENCE、BVX)のCEOも引き続き務める。

ステファノ新CEOは、ニューヨークのファッション工科大学(FIT)で国際貿易とマーケティングを学んだ後、「ズーヨーク(ZOO YORK)」などのブランドとのコラボレーションからファッション業界でのキャリアをスタート。その後、OTBに入社し、「ディーゼル」の5ポケットデニム部門のブランドマネジャーや戦略的ブランド提携ディレクターを務めた。11年にはOTBのコーポレート・デベロップメント・ディレクターに就き、13年2月には共同CEOに就任。17年からは「ディーゼル」の北米CEOを務め、米国連邦破産法第11章適用後の再建を率いて黒字化を達成した。そして、21年にはBVX の立ち上げと同時に同社のCEOに就任。同年からOTBを代表して、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)やプラダ グループ(PRADA GROUP)、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)などと取り組むオーラ ブロックチェーン コンソーシアム(Aura Blockchain Consortium)の取締役も務めている。23年には「メゾン マルジェラ」の会長に就任した。

父親レンツォ・ロッソの評価と期待

レンツォOTB会長は、「『マルニ』は、この数年で世界的に確固たる地位を築いたユニークなブランドであり、ステファノはラグジュアリー市場における『マルニ』のポジショニングを加速させるという重要な責務を担うことになる。この新たな役職は、彼のプロとしてのキャリアをさらに前進させるものだ。『マルニ』の象徴的な個性を高め、さらに幅広い層にリーチする上で、彼の国際的な経験と革新的なビジョンが決め手になると信じている」とコメント。「今は『マルニ』にとって特別なタイミングだ。(クリエイティブ・ディレクターの)フランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)は、東京でショーを開くなどして多様性あふれる素晴らしいコミュニティーを作り上げてきた。フランチェスコは、『マルニ』を若返らせてフレッシュな輝きをもたらしてきており、現在はクリエイティビティーの全てをさらなる成長に注ぎ、事業を推進し、産業計画をリードする絶好のタイミングだった。大きな挑戦であり、ステファノにとってもOTBグループにとっても極めて重要だ」と続ける。

幅広い経験を積んできたステファノCEOの能力については、「合理的かつ地に足がついていて、賢明。さらに先見の明がある。私はより衝動的だが、彼は私にじっくりと物事を考えさせることが多く、私を補完してくれる」と評価。「ステファノとフランチェスコがいれば、『マルニ』は真のラグジュアリーブランド、そして重要なインターナショナルブランドになれるだろう」と話す。

2024年も日本と中国に注力

OTBの23年12月期の売上高は、前期比9.1%増の18億ユーロ(約2988億円)だった。ブランド別の売上高は公表されていないが、「マルニ」「ジル サンダー」「メゾン マルジェラ」が属するラグジュアリー部門は現地通貨ベースで同17.6%増。23年に16店舗のブティックをオープンした「マルニ」は、同8.6%増を記録した。現在の店舗数は、単独店とコーナー、アウトレットを合わせて108。中でも、日本はブランドにとって常に強力なマーケットであり、24年も引き続き日本、そして中国市場の発展に注力するという。今年はすでに東京・渋谷スクランブルスクエアや中国の蘇州倉街、マカオのギャラリー・ラファイエットにブティックをオープンしており、今後数カ月間にシンガポールや名古屋での出店も控える。

ミラノ・ファッション・ウイークの常連でもある「マルニ」は、22年9月からニューヨーク、東京、パリとシーズンごとに異なる都市でショーを開催した後、今年2月にミラノにカムバックした。また、2月には米化粧品大手のコティ(COTY)とフレグランスおよびビューティ製品の開発・製造、販売に関する20年間のライセンス契約を締結。26年のフレグランス発売を皮切りに、ビューティラインを立ち上げる予定だ。

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ドリスのラストショーは6月22日に 五輪を控えたパリのファッション・ウイークはどうなる?

フランス・オートクチュール&モード連盟(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、FHCM)は6月に開催する2025年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、パリメンズ)と24-25年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイーク(以下、クチュール)の暫定スケジュールを発表した。パリメンズは、6月18日から23日まで開催予定。公式スケジュールで72ブランドがショーやプレゼンテーションを行う。一方、クチュールは、オリンピックの影響で例年より約1週間前倒し。6月24〜27日に、公式スケジュールで30ブランドがショーを開く。

パリメンズの目玉は「ドリス ヴァン ノッテン」

今季のパリメンズのハイライトは、なんといっても現地時間6月22日20時30分(日本時間23日深夜3時30分)からの「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のショーだろう。これが、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)自身が手掛ける最後のコレクションになる。

そのほか、ショースケジュールに名を連ねるのは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」「エルメス(HERMES)」「ロエベ(LOEWE)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「ルメール(LEMAIRE)」「ケンゾー(KENZO)」「アミ パリス(AMI PARIS)」など。日本からは「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「サカイ(SACAI)」「カラー(KOLOR)」「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」「ダブレット(DOUBLET)」「ホワイト マウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」「オーラリー(AURALEE)」「ターク(TAAKK)」「キディル(KIDILL)」「サルバム(SULVAM)」「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」の14ブランドがラインアップする。「アンダーカバー」は、近年メンズに関しては展示会で披露していたが、今回は19日にパリメンズでは4年半ぶりとなるショーを開催予定。「アディダス(ADIDAS)」と山本耀司デザイナーの協業による「ワイスリー(Y-3)」も、21日にプレゼンテーションを開く。

公式スケジュールに新たに加わったのは、ベルリン発の「032C」(ショー枠)と昨年10周年を迎えたパリ発のコンテンポラリーブランド「3.パラディス(3.PARADIS)」(プレゼンテーション枠)。一方、ピッティ・ウオモでショーを行う「ポール・スミス(PAUL SMITH)」と、9月のウィメンズでデビュー予定のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による新生「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は不参加。「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「GMBH」も、今季は参加しない。

クチュールには「バレンシアガ」や「トム ブラウン」が参加

クチュールの公式スケジュールには、「ディオール」や「シャネル(CHANEL)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」といった常連に加え、年1回のみ発表を行う「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や1年前に初のクチュールを披露した「トム ブラウン(THOM BROWNE)」などが名を連ねる。毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎える「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は、「クレージュ(COURREGES)」を率いるニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)=アーティスティック・ディレクターによるコレクションを発表する予定だ。

公式初参加となるのは、スウェーデンとイランにルーツを持つデザイナーのバハレー・アルダカーニ(Bahareh Ardakani)が手掛ける「アルダザエイ(ARDAZAEI)」。一方、「ヴァレンティノ」はメンズ同様不参加で、「RVDK ロナルド ファン デル ケンプ(RVDK RONALD VAN DER KEMP)」や「アレクサンドル ヴォチエ(ALEXANDRE VAUTHIER)」も参加を見送った。例年通り、「パトゥ(PATOU)」はクチュール期間中に25年春夏プレタポルテ・コレクションを披露する予定だ。

オリンピックの影響は?

オリンピック開幕は7月26日だが、パリメンズ開幕時点ですでにコンコルド駅(1、8、12番線)とチュイルリー駅(1番線)が閉鎖されているほか、通行止めになる道路や橋もあるため、ファッション・ウイーク期間中の移動には注意が必要。また、競技会場の準備や設営のため、普段ショーやプレゼンテーションを行っているロケーションが使えないブランドも多くなりそうだ。

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「セリーヌ」のエディ・スリマンが退任か 後任候補にはフィービー時代のデザイン・ディレクターが浮上

業界関係者によると、「セリーヌ(CELINE)」を2018年から率いてきたエディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターが、ブランドを去るようだ。スリマンは、同ブランドの親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)に退任の意向をすでに伝えたと言われており、退任の正確な時期はまだ分からないが、今年後半になるのではないかとみられている。なお、後任の最有力候補は、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ」でレディ・トゥ・ウエアのデザイン・ディレクターを務めたマイケル・ライダー(Michael Rider)だという。ただし、米「WWD」が23日(現地時間)に連絡を取った「セリーヌ」の関係者は全員コメントを差し控えるとし、スリマンとライダーからもコメントは得られなかった。

ビジネスSNSの「リンクトイン(LinkedIn)」によると、ライダーはアメリカ・ロードアイランド州のブラウン大学を卒業後、04年から08年まで「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でシニアデザイナーを務めた。その後10年間、「セリーヌ」に在籍。現在は「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」のクリエイティブ・ディレクターを務めている。

これまで「ディオール オム(DIOR HOMME)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」を手掛けてきたスリマンは、独自の美意識とアプローチで伝統あるブランドを活性化させてきた実績があるが、その最盛期にブランドを去ってきた。LVMHはブランド別での売上高を開示していないが、投資銀行RBCキャピタルマーケッツ(RBC Capital Markets)のアナリストによる最近のリポートで、「セリーヌ」の売上高は約25億ユーロ(約4100億円)と推定されている。

後任に求められるのは、エディの“成功の方程式“の継承?

スリマン自身は公の場にほぼ姿を現すことはなく、インタビューに応じることも少ない。しかし、その控えめな性格とは裏腹に、研ぎ澄まされたレディ・トゥ・ウエアのコレクションや人気の“トリオンフ“モチーフをあしらったレザーグッズ、BLACKPINKのリサ(LISA)のような知名度の高いブランドアンバサダー、そして自ら撮影する印象的なモノクロのキャンペーンで、世界的に「セリーヌ」の熱狂的なファンベースを築き上げるとともに、ブランドの影響力と売り上げの向上に貢献してきた。その人気の一例として、先週開催されたLVMHの年次株主総会では、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、日本で「セリーヌ」の店舗の前に長い行列ができていることを誇らしげに語った。

また、スリマンはメンズとビューティカテゴリーにもブランドを拡大。「セリーヌ」は現在、独自のスケジュールで映像を通して新作コレクションを発表しており、メンズの24-25年秋冬コレクションは5月に公開されるとみられる。また、成功を収めた高級フレグランス“オート パフューマリー“に続き、3月には24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションの映像公開によってコスメへの参入を発表。まず25年1月にリップスティックを発売する。「セリーヌ」によると、その後もシーズンごとにスリマンによるビューティ・コレクションを発表し、最終的にはリップバームやマスカラ、マニキュア、アイライナー、ペンシル、ルースパウダー、チークケースで構成する予定だという。

LVMHは、後任に対し、フランスのブルジョワスタイルを軸にグランジやオルタナティブ・ミュージックシーンを感じさせる要素を交えるというスリマンが築き上げた“成功の方程式“から大きく外れることなく、ブランドの勢いをさらに加速させることを望んでいるようだ。

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「ガニー」の新CEOは「バレンシアガ」から グローバル展開をさらに拡大

デンマーク・コペンハーゲン発のコンテンポラリーブランド「ガニー(GANNI)」は、新たな最高経営責任者(CEO)に、ローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)前バレンシアガ(BALENCIAGA)副最高経営責任者を任命した。2018年の就任からビジネスを2ケタ成長させるとともに小売市場での存在感を高めてきたアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)CEOの後任となる。同ブランドはコペンハーゲンのほかに、ロンドン、パリ、ニューヨーク、上海にオフィスを構えており、デュ・リュスケック新CEOはパリを拠点に指揮を取る予定だ。

ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」によると、デュ・リュスケック新CEOはフランスのESSECビジネススクールを卒業後、06年に投資銀行のモルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)に入社。その後、09年からグッチ(GUCCI)で戦略担当のシニアアソシエイトとして働いた後、11年に親会社ケリング(KERING)のビジネス開発とM&A担当のプロジェクト・ディレクターに就任した。13年からは同グループ傘下のポメラート(POMELLATO)でマーケティング&マーチャンダイジング担当グローバル・ブランド・ディレクターを務め、16年にケリングに戻って、ラグジュアリークチュール&レザーグッズ部門の戦略ディレクターに就任した。そして、17年1月に同じくケリング傘下のバレンシアガに入社。リテール関連の要職やヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地域担当社長を務めた後、23年10月に副最高経営責任者に昇進した。

ファッションの未来に必要なものを体現する「ガニー」

就任に際し、デュ・リュスケック新CEOは「このような重要な時期に『ガニー』の一員となり、ブランドの強固な基盤を築き上げていけることをうれしく思う。『ガニー』のイノベーションに対する積極的な姿勢やサステナビリティ、そしてラグジュアリーへの先進的なアプローチは、まさにファッションの未来が必要としているもの。才能あるチームを新たな高みへと導き、グローバル展開をさらに拡大させていくことを楽しみにしている」と述べた。

「ガニー」のオーナーであるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)のエドゥアルド・ヴェラスコ(Eduardo Velasco)=パートナーは、「EMEA地域やグローバル市場におけるラグジュアリーに特化した豊富な経験を持つローラは、ブランドを次の成長段階と革新へと導くためにふさわしいユニークな洞察力と戦略を持っている」と評価する。

なお、「ガニー」は00年にカシミヤ製品を扱う店として創業。09年に創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とクリエイティブ・ディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻が、新たな北欧スタイルを打ち出すウィメンズブランドとしてリブランディング。服を通して独自のコミュニティーの構築を目指すとともに、地球環境への負荷の最小化と社会貢献に取り組んでいる。22年には、社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した国際的な認証制度のBコープ認証を取得した。現在は世界に45以上の直営店を構え、公式ECでは35カ国への発送に対応。さらに600以上の百貨店やセレクトショップに卸している。

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「ガニー」の新CEOは「バレンシアガ」から グローバル展開をさらに拡大

デンマーク・コペンハーゲン発のコンテンポラリーブランド「ガニー(GANNI)」は、新たな最高経営責任者(CEO)に、ローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)前バレンシアガ(BALENCIAGA)副最高経営責任者を任命した。2018年の就任からビジネスを2ケタ成長させるとともに小売市場での存在感を高めてきたアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)CEOの後任となる。同ブランドはコペンハーゲンのほかに、ロンドン、パリ、ニューヨーク、上海にオフィスを構えており、デュ・リュスケック新CEOはパリを拠点に指揮を取る予定だ。

ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」によると、デュ・リュスケック新CEOはフランスのESSECビジネススクールを卒業後、06年に投資銀行のモルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)に入社。その後、09年からグッチ(GUCCI)で戦略担当のシニアアソシエイトとして働いた後、11年に親会社ケリング(KERING)のビジネス開発とM&A担当のプロジェクト・ディレクターに就任した。13年からは同グループ傘下のポメラート(POMELLATO)でマーケティング&マーチャンダイジング担当グローバル・ブランド・ディレクターを務め、16年にケリングに戻って、ラグジュアリークチュール&レザーグッズ部門の戦略ディレクターに就任した。そして、17年1月に同じくケリング傘下のバレンシアガに入社。リテール関連の要職やヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地域担当社長を務めた後、23年10月に副最高経営責任者に昇進した。

ファッションの未来に必要なものを体現する「ガニー」

就任に際し、デュ・リュスケック新CEOは「このような重要な時期に『ガニー』の一員となり、ブランドの強固な基盤を築き上げていけることをうれしく思う。『ガニー』のイノベーションに対する積極的な姿勢やサステナビリティ、そしてラグジュアリーへの先進的なアプローチは、まさにファッションの未来が必要としているもの。才能あるチームを新たな高みへと導き、グローバル展開をさらに拡大させていくことを楽しみにしている」と述べた。

「ガニー」のオーナーであるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)のエドゥアルド・ヴェラスコ(Eduardo Velasco)=パートナーは、「EMEA地域やグローバル市場におけるラグジュアリーに特化した豊富な経験を持つローラは、ブランドを次の成長段階と革新へと導くためにふさわしいユニークな洞察力と戦略を持っている」と評価する。

なお、「ガニー」は00年にカシミヤ製品を扱う店として創業。09年に創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とクリエイティブ・ディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻が、新たな北欧スタイルを打ち出すウィメンズブランドとしてリブランディング。服を通して独自のコミュニティーの構築を目指すとともに、地球環境への負荷の最小化と社会貢献に取り組んでいる。22年には、社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した国際的な認証制度のBコープ認証を取得した。現在は世界に45以上の直営店を構え、公式ECでは35カ国への発送に対応。さらに600以上の百貨店やセレクトショップに卸している。

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「フレデリック マル」創業者がブランドを去る “香りの出版社”としてニッチ市場を開拓

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)傘下の仏フレグランスメゾン「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」の創業者であるフレデリック・マル(Frederic Malle)が、6月末でブランドを去る。マルはニッチなフレグランスビジネスの先駆けとして、2000年に同ブランドを設立。“エディション ドゥ パルファム(香りの出版社)”というアイデアをもとに、自身は“編集者”として有名調香師たちがブレンドした香りが主役のフレグランスに焦点を当て、それまでは裏方に徹していた調香師の名を前面に押し出したことで知られる。また、過去には調香師と共にドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)や故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)との協業による香水も手掛けており、最近は「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」初の香水を発表したばかり。ファッション界とのつながりも深い。

マルは、声明の中で「今から25年前、私は業界屈指の調香師と最も要求の厳しい生活者との間に直接的なつながりを生み出すために、“エディション ドゥ パルファム”の仕事を始めた。そうすることで、私は(調香師の)鼻が彼ら自身を存分に表現し、彼らが自分の名前を記したいと思うほど作品に誇りを持てるようなプラットフォームを作り出した。“鼻”のための初の出版社になったブランドが、このようなパワフルな方法で香りのアーティストたちを世に知らしめるとともにフレグランスが芸術であることを世間に示し、職人的なフレグランス作りのムーブメントの礎を築くことになるとは予想だにしていなかった」と説明。「この成功は、当時私に賛同してくれた調香師たちの才能と寛大さのおかげだ。そして、他の全てのアーティストやスタッフ、特にショップで働く香水の専門家に感謝したい。彼らの日々の仕事が、私たちが調香師に与えている創造的な自由を可能にしている。また15年以来、『フレデリック マル』を発展させ、守り続けてくれているエスティ ローダー カンパニーズのメンバーにも感謝したい。彼らは、私が立ち上げたブランドのユニークな創業理念をこれからも実践してくれることだろう」と続けた。

一方、エスティ ローダー カンパニーズのステファン・ドゥ・ラ・ファヴェリー(Stephane de La Faverie)=エグゼクティブ・グループ・プレジデントは、「フレデリックが00年にブランドを立ち上げたとき、彼は世界の偉大な調香師たちに声を上げる力とプラットフォームを与え、フレグランス業界の常識を打ち破った。香水に自由と創造性を取り戻そうと取り組む彼の前衛的なアプローチによって、フレグランスの傑作を提案する真のラグジュアリーブランドが生まれた」とマルの功績を賞賛。また、「私たちは、フレデリックと共にブランドを成長させてきたことを誇りに思っている。そして、これからも彼のインスピレーションとフレグランス作りへの妥協なき献身を称え続けていく」と述べた。

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ロベルト・カヴァリが83歳で死去 アニマルプリントやセクシーなドレスで世界的ブランドを確立

イタリア人ファッションデザイナーのロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)が、イタリア・フィレンツェで死去した。享年83歳。1970年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたカヴァリは、大胆なアニマルプリントやビジューをあしらったダメージジーンズ、セクシーなドレスなどグラマラスなデザインで知られ、世界的なファッション&ライフスタイルブランドを築き上げた。

芸術家の家系に誕生

1940年、祖父のジュゼッペ・ロッシ(Giuseppe Rossi)をはじめとする芸術家の家系に生まれたカヴァリは、フィレンツェの芸術学校で学んだ後、アーティスティックな才能をファッションの道で開花。70年にパリで初のプレタポルテ・コレクションを発表した。70年代初頭には、レザーへの革新的なプリント加工を開発し、特許を取得。72年には、南仏のリゾート地であるサントロペに初のショップ「リンボ(Limbo)」をオープンし、成功を収めた。そして73年、フィレンツェのピッティ宮殿サラ・ビアンカ(白の間)で開かれていた名高いファッションショーに招かれ、「ミッソーニ(MISSONI)」「クリツィア(KRIZIA)」「フェンディ(FENDI)」などと共にレザーアイテムを披露した。

82歳で6人目の子供のパパに

77年には最初の妻となるシルヴァネッラ・ジャンノーニ(Silvanella Giannoni )と結婚した。その後、ドミニカ共和国で開催されたミス・ユニバースの審査員を務め際に出会った出場者のエヴァ・マリア・デュリンガー(Eva Maria Dueringer)と80年に再婚。デュリンガーはカヴァりの主要なコラボレーターにもなり、94年にはブランドの共同クリエイティブ・ディレクターに就任した。ジャンノーニとの間には2人、デュリンガーとの間には3人の子供がいる。そして、今年初めにはモデルのサンドラ・ニルソン=バーグマンとの間にも子供を授かり、82歳にして再び父となった。そんなカヴァリの人生は、彼の手掛けるコレクションの華やかさと力強いエネルギーを映し出すようだった。

全盛期にはビジネスを多角化

「ロベルト カヴァリ」はミラノ・ファッション・ウイークの常連であり、全盛期にはシグネチャーブランドに加え、コンテンポラリーライン「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」、ブリッジラインの「カヴァリ クラス(CAVALLI CLASS)」、キッズライン、ホームライン、フレグランス、さらにクラブやカフェなどホスピタリティビジネスも展開。世界で約200店舗のネットワークと7億1000万ユーロ(約1164億円)以上の売上高を誇った。2007年には、「H&M」とのコラボコレクションを発表。セレブリティーとの親交も深く、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)からマドンナ(Madonna)までが長年に渡りレッドカーペットで同ブランドを着用してきた。

現在はドバイの投資会社傘下に

ただ、00年代後半からブランドは困難な時期に直面し、売却を模索。15年にイタリアの投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)が買収した後、大規模なリストラを含む再建を進めた。しかし、赤字経営が続き、財政難に陥っていた19年、債権者との和議を継続する間の経営を可能にするため、ミラノの裁判所に再建計画を提出するとともに、米子会社は清算のために米連邦破産法7条を申請。結果、ドバイの投資会社であるビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が買収した。現在、同社はドバイに「カヴァリ」ブランドの5つ星ホテルを建設中だ。

カヴァリ退任後、度々変わるデザイナー

クリエイティブ・ディレクターに関しては、徐々にファッション界から身を引いたカヴァリの後を継ぎ、15年に「エマニュエル ウンガロ(EMANUEL UNGARO)」や「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のコレクションを率いたピーター・ドゥンダス(Peter Dundas)が就任。1970年代を連想させるロックテイストでセクシーなデザインを手掛けた。その後、17年には「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「ジー ゼニア(Z ZEGNA)」「アクネ・ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」などでキャリアを積んだポール・サリッジ(Paul Surridge)が就任。デイウエアやメンズウエアの強化に貢献した。

19年3月にサリッジが退任して以降はデザインチームでコレクションを手掛けてきたが、20年10月にファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)がクリエイティブ・コンサルタントに就任。2021-22年秋冬にデビューコレクションを披露した。22年からはプリージにとって初めてのクチュール・コレクションも制作。セレブ御用達ブランドとしての地位を取り戻すともに、アニマルプリントやセンシュアルで華やかなスタイルなど創業者の精神を生かしたデザインで、再起を図っている。

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ロベルト・カヴァリが83歳で死去 アニマルプリントやセクシーなドレスで世界的ブランドを確立

イタリア人ファッションデザイナーのロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)が、イタリア・フィレンツェで死去した。享年83歳。1970年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたカヴァリは、大胆なアニマルプリントやビジューをあしらったダメージジーンズ、セクシーなドレスなどグラマラスなデザインで知られ、世界的なファッション&ライフスタイルブランドを築き上げた。

芸術家の家系に誕生

1940年、祖父のジュゼッペ・ロッシ(Giuseppe Rossi)をはじめとする芸術家の家系に生まれたカヴァリは、フィレンツェの芸術学校で学んだ後、アーティスティックな才能をファッションの道で開花。70年にパリで初のプレタポルテ・コレクションを発表した。70年代初頭には、レザーへの革新的なプリント加工を開発し、特許を取得。72年には、南仏のリゾート地であるサントロペに初のショップ「リンボ(Limbo)」をオープンし、成功を収めた。そして73年、フィレンツェのピッティ宮殿サラ・ビアンカ(白の間)で開かれていた名高いファッションショーに招かれ、「ミッソーニ(MISSONI)」「クリツィア(KRIZIA)」「フェンディ(FENDI)」などと共にレザーアイテムを披露した。

82歳で6人目の子供のパパに

77年には最初の妻となるシルヴァネッラ・ジャンノーニ(Silvanella Giannoni )と結婚した。その後、ドミニカ共和国で開催されたミス・ユニバースの審査員を務め際に出会った出場者のエヴァ・マリア・デュリンガー(Eva Maria Dueringer)と80年に再婚。デュリンガーはカヴァりの主要なコラボレーターにもなり、94年にはブランドの共同クリエイティブ・ディレクターに就任した。ジャンノーニとの間には2人、デュリンガーとの間には3人の子供がいる。そして、今年初めにはモデルのサンドラ・ニルソン=バーグマンとの間にも子供を授かり、82歳にして再び父となった。そんなカヴァリの人生は、彼の手掛けるコレクションの華やかさと力強いエネルギーを映し出すようだった。

全盛期にはビジネスを多角化

「ロベルト カヴァリ」はミラノ・ファッション・ウイークの常連であり、全盛期にはシグネチャーブランドに加え、コンテンポラリーライン「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」、ブリッジラインの「カヴァリ クラス(CAVALLI CLASS)」、キッズライン、ホームライン、フレグランス、さらにクラブやカフェなどホスピタリティビジネスも展開。世界で約200店舗のネットワークと7億1000万ユーロ(約1164億円)以上の売上高を誇った。2007年には、「H&M」とのコラボコレクションを発表。セレブリティーとの親交も深く、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)からマドンナ(Madonna)までが長年に渡りレッドカーペットで同ブランドを着用してきた。

現在はドバイの投資会社傘下に

ただ、00年代後半からブランドは困難な時期に直面し、売却を模索。15年にイタリアの投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)が買収した後、大規模なリストラを含む再建を進めた。しかし、赤字経営が続き、財政難に陥っていた19年、債権者との和議を継続する間の経営を可能にするため、ミラノの裁判所に再建計画を提出するとともに、米子会社は清算のために米連邦破産法7条を申請。結果、ドバイの投資会社であるビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が買収した。現在、同社はドバイに「カヴァリ」ブランドの5つ星ホテルを建設中だ。

カヴァリ退任後、度々変わるデザイナー

クリエイティブ・ディレクターに関しては、徐々にファッション界から身を引いたカヴァリの後を継ぎ、15年に「エマニュエル ウンガロ(EMANUEL UNGARO)」や「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のコレクションを率いたピーター・ドゥンダス(Peter Dundas)が就任。1970年代を連想させるロックテイストでセクシーなデザインを手掛けた。その後、17年には「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「ジー ゼニア(Z ZEGNA)」「アクネ・ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」などでキャリアを積んだポール・サリッジ(Paul Surridge)が就任。デイウエアやメンズウエアの強化に貢献した。

19年3月にサリッジが退任して以降はデザインチームでコレクションを手掛けてきたが、20年10月にファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)がクリエイティブ・コンサルタントに就任。2021-22年秋冬にデビューコレクションを披露した。22年からはプリージにとって初めてのクチュール・コレクションも制作。セレブ御用達ブランドとしての地位を取り戻すともに、アニマルプリントやセンシュアルで華やかなスタイルなど創業者の精神を生かしたデザインで、再起を図っている。

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「コム デ ギャルソン」が品質にこだわったメード・イン・イタリーのレザーバッグ発売

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は、メード・イン・イタリーの品質にこだわった、これまでより高価格帯のレザー製ハンドバッグを発売した。デザインはミニマルで、横長の台形シルエットが特徴。スモールとミディアムの2サイズを用意する。価格はスモールが17万6000円、ミディアムが19万8000円(共に税込)。

「イタリアならではの最高品質のモノづくりと素材を誇る、新しいバッグコレクションの始まり」と同ブランドが説明する新作バッグは、国内では4月5日に発売。青山店、大阪店、丸の内店、京都店、福岡店に加え、東京ミッドタウンの「トレーディング ミュージアム コム デ ギャルソン(TRADING MUSEUM COMME DES GARCONS)」とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で取り扱われている。一方、海外では今週末にパリのフォブール・サントノーレ通り56番地にある旗艦店でローンチ。約1週間後から、世界各国の「コム デ ギャルソン」の店舗やドーバー ストリート マーケットに並ぶ予定だ。

なお、これまで同ブランドのハンドバッグはほとんどが日本製で、国内での価格は10万円以下が中心だった。また、人気を集める「ウォレット コム デ ギャルソン(WALLET COMME DES GARCONS)」のファスナー開閉の財布やポーチは、スペインで生産されている。

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「コム デ ギャルソン」が品質にこだわったメード・イン・イタリーのレザーバッグ発売

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は、メード・イン・イタリーの品質にこだわった、これまでより高価格帯のレザー製ハンドバッグを発売した。デザインはミニマルで、横長の台形シルエットが特徴。スモールとミディアムの2サイズを用意する。価格はスモールが17万6000円、ミディアムが19万8000円(共に税込)。

「イタリアならではの最高品質のモノづくりと素材を誇る、新しいバッグコレクションの始まり」と同ブランドが説明する新作バッグは、国内では4月5日に発売。青山店、大阪店、丸の内店、京都店、福岡店に加え、東京ミッドタウンの「トレーディング ミュージアム コム デ ギャルソン(TRADING MUSEUM COMME DES GARCONS)」とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で取り扱われている。一方、海外では今週末にパリのフォブール・サントノーレ通り56番地にある旗艦店でローンチ。約1週間後から、世界各国の「コム デ ギャルソン」の店舗やドーバー ストリート マーケットに並ぶ予定だ。

なお、これまで同ブランドのハンドバッグはほとんどが日本製で、国内での価格は10万円以下が中心だった。また、人気を集める「ウォレット コム デ ギャルソン(WALLET COMME DES GARCONS)」のファスナー開閉の財布やポーチは、スペインで生産されている。

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パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ

「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、202-4-25年秋冬パリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク最終日の3月5日21時(現地時間)から、24-25年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーを開いた。会場は、同ブランドを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者の個人コレクションを展示する現代美術館「ブルス・ド・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」。かつて穀物取引場や証券取引所として使われていた歴史的建築物を建築家の安藤忠雄が改修し、21年にオープンした場所だ。「サンローラン」は23年1月にもここでショーを開催。円筒状にそびえたつコンクリートの壁で囲まれ、柔らかな黒のカーペットが敷かれた空間は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛ける「サンローラン」の美学に共鳴する。

150人もいないであろう限られた観客の中には、俳優の山﨑賢人やSEVENTEENのジョンハン(Jeonghan)、NCTのテン(Ten)からラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や俳優のエヴァン・モック(Evan Mock)、ミュージシャンのコナン・グレイ(Conan Gray)まで、現代の「サンローラン」の男性像を映し出すセレブリティーたちの姿もあった。

イヴ・サンローランそっくりのモデルで幕開け

往年の「イヴ サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のクチュールショーのセットをほうふつとさせるダークな色調の花々で飾られたアーチからまず現れたのは、若かりし日の創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の面影を感じる華奢で繊細なモデル。パワーショルダーを取り入れたクラシックなダブルブレストジャケットと太めのパンツというチャコールグレーのスーツに、黒のネクタイを締めた白いシャツ、光沢のある黒のレザーシューズ、そして黒縁のメガネを合わせたスタイルで、ランウエイを颯爽と歩いた。その後も序盤には何度かサンローランのような風貌のモデルが登場。そこには、ヴァカレロのムッシュ・サンローランに対する敬意が込められているようだ。

今季は、これまでのシーズンに発表した美しいシルエットで見せるテーラリングを軸にしつつ、スタイルを変化させた。ジャケットは、これまでのように力強いショルダーラインが印象的なボックスシルエットで、ダブルブレストが中心。パンツは、タックを入れたゆったりしたデザインに仕上げた。濃淡さまざまなグレーや黒、紺といったクラシックなスーツの色合いからスタートしたショーは、次第に淡いピーチやミントグリーン、くすんだラベンダー、カーキなどに変化。ダスティーなニュアンスカラーのスーツやスラックスに、異なる色でまとめたシャツとネクタイを合わせ、絶妙なバイカラーで魅せた。

そして、ショーが進むにつれて、素材使いもより柔らかに。肩の広いパワフルなシルエットを踏襲しながらも、サテンの裏地をつけたクレープジョーゼットで仕立てることにより、軽やかで流れるようにドレープを描くアイテムに仕上げている。そんな素材使いは、約1週間前に発表された24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションにも通じるもの。その柔らかさと対極を成すような1960年代のアーカイブを再解釈したラバー製の構築的なアウターも、ウィメンズとリンクする。

「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」

洗練されたエレガンスを追い求めるストイックな美学とスタイルを絞ること強固な世界観を作り上げる姿勢を貫いていることはこれまで通りだが、ヴァカレロは今季について「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」とコメント。「ジャケットもパンツも、シャツのようにとても流動的。そこに小細工やごまかしはなく、主張しすぎないものだ」と続けた。

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パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ

「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、202-4-25年秋冬パリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク最終日の3月5日21時(現地時間)から、24-25年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーを開いた。会場は、同ブランドを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者の個人コレクションを展示する現代美術館「ブルス・ド・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」。かつて穀物取引場や証券取引所として使われていた歴史的建築物を建築家の安藤忠雄が改修し、21年にオープンした場所だ。「サンローラン」は23年1月にもここでショーを開催。円筒状にそびえたつコンクリートの壁で囲まれ、柔らかな黒のカーペットが敷かれた空間は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛ける「サンローラン」の美学に共鳴する。

150人もいないであろう限られた観客の中には、俳優の山﨑賢人やSEVENTEENのジョンハン(Jeonghan)、NCTのテン(Ten)からラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や俳優のエヴァン・モック(Evan Mock)、ミュージシャンのコナン・グレイ(Conan Gray)まで、現代の「サンローラン」の男性像を映し出すセレブリティーたちの姿もあった。

イヴ・サンローランそっくりのモデルで幕開け

往年の「イヴ サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のクチュールショーのセットをほうふつとさせるダークな色調の花々で飾られたアーチからまず現れたのは、若かりし日の創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の面影を感じる華奢で繊細なモデル。パワーショルダーを取り入れたクラシックなダブルブレストジャケットと太めのパンツというチャコールグレーのスーツに、黒のネクタイを締めた白いシャツ、光沢のある黒のレザーシューズ、そして黒縁のメガネを合わせたスタイルで、ランウエイを颯爽と歩いた。その後も序盤には何度かサンローランのような風貌のモデルが登場。そこには、ヴァカレロのムッシュ・サンローランに対する敬意が込められているようだ。

今季は、これまでのシーズンに発表した美しいシルエットで見せるテーラリングを軸にしつつ、スタイルを変化させた。ジャケットは、これまでのように力強いショルダーラインが印象的なボックスシルエットで、ダブルブレストが中心。パンツは、タックを入れたゆったりしたデザインに仕上げた。濃淡さまざまなグレーや黒、紺といったクラシックなスーツの色合いからスタートしたショーは、次第に淡いピーチやミントグリーン、くすんだラベンダー、カーキなどに変化。ダスティーなニュアンスカラーのスーツやスラックスに、異なる色でまとめたシャツとネクタイを合わせ、絶妙なバイカラーで魅せた。

そして、ショーが進むにつれて、素材使いもより柔らかに。肩の広いパワフルなシルエットを踏襲しながらも、サテンの裏地をつけたクレープジョーゼットで仕立てることにより、軽やかで流れるようにドレープを描くアイテムに仕上げている。そんな素材使いは、約1週間前に発表された24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションにも通じるもの。その柔らかさと対極を成すような1960年代のアーカイブを再解釈したラバー製の構築的なアウターも、ウィメンズとリンクする。

「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」

洗練されたエレガンスを追い求めるストイックな美学とスタイルを絞ること強固な世界観を作り上げる姿勢を貫いていることはこれまで通りだが、ヴァカレロは今季について「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」とコメント。「ジャケットもパンツも、シャツのようにとても流動的。そこに小細工やごまかしはなく、主張しすぎないものだ」と続けた。

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「サカイ」がユニホームの再解釈に込めた“団結”と“人類愛”

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月21日、2024-25年秋冬メンズとウィメンズの24年プレ・フォール・コレクションを発表した。今季、阿部千登勢デザイナーが掲げたテーマは、「United as One / One Love(一つに団結すること / 一つの愛:人種や信条、肌の色を問わずあらゆる人に対して表現する普遍的な愛や尊敬の意)」。ユニホームの再解釈でシルエットに光を当てながら、「一つになって進んでいく」という価値観を示した。

続く新たなシルエットの探求

ショーが始まると、会場を横から照らす暖かなオレンジのパネルライトが白へと変わり、モデルは強い光を浴びながら歩いてくる。ファーストルックは、フライトジャケットの下にロングコートをハイブリッドしたようなアウターに極太のバギーパンツを合わせたメンズルック。胸元や袖には、同色のワッペンが縫い付けられている。これは、ニューヨーク在住のスケーターでありアーティストのマーク・ゴンザレス(Mark Gonzales)と共に制作したもの。「One Love」とあしらわれた人差し指を立てたグラフィックをはじめ、「Sacai & Gonz」や「The Good Vibes Tribe」といったタイポグラフィが、ゴンザレスが愛用する「スピワック(SPIEWAK)」のG-8などのフライトジャケットや、デニムジャケット、コーデュロイ地のパファージャケットを飾る。同様のグラフィックは、Tシャツにも用いられた。

アウターは、その後もショート丈の裾からより長い丈が覗くスタイルが多出。メンズは、そこに同じトーンのバギーパンツを合わせることで縦のラインを強調しつつ、ダイナミックで新しいシルエットを描く。また、ギャバジンのトレンチコートとウールコートを縦で切り替えたハイブリッドアイテムや、中央からずらした位置にダッフルコートのトグルボタンをあしらったピーコート、ニットとシャツやフライトジャケットをドッキングしたトップスなど「サカイ」らしい提案が光る。

ここ数シーズン、特にウィメンズのメイン・コレクションで実験的なシルエットの探求を続けてきた阿部デザイナーは、そこで培ったアイデアも今季のクリエイションに盛り込んだ。象徴的なのは、24年春夏に見られたスタイルを応用したような丸みのあるラインを描く袖。スパンコール刺しゅうでノルディック柄を表現したショートブルゾンや金ボタンのダブルブレストコートからスポーティーなニットやパジャマシャツまでが、大胆なシルエットで生まれ変わった。一方、23−24年秋冬に見られた短冊状にスラッシュした生地をずらして重ね合わせるデザインは、2つの異なるアイテムの生地を交互につなぐことで新たなハイブリッドの形に進化。「本来あるべき場所とは異なるものにも美しさがある」という思いを反映したようなねじれを生かしたドレスもあり、ウィメンズのプレ・コレクションはこれまでよりも力強さを感じる。

ユニホームは「皆で団結して進んでいくこと」

再び会場がオレンジの光に包まれ、スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)の希望を感じるロックナンバー「トゥナイト、トゥナイト(Tonight, Tonight)」が流れる中にモデルが登場したフィナーレの後、バックステージに駆け込んだ。そこで阿部デザイナーが今季のクリエイションについて語ったのは、「私たちの大好きなユニホームをデザインした。ユニホームには『United(団結した)』につながる『uni』と『形』を表す『form』という2つの意味があって、皆で団結して進んでいくということを表現している」ということ。そして「最近、身近で自分にとって衝撃的なことがあった。だからこそ、こうやって毎日の生活を送れていることへの感謝も含め、私たちは洋服を作ることを通して皆にハッピーになってもらいたいし、あらためて『One Love』というメッセージを伝えたかった」と続けた。

戦争や分断、天災、突発的な事故、残虐な事件などが次々と起こる世の中で、当たり前と思っていたことが当たり前じゃなくなることは誰の身も起こり得る。そんなことをヒシヒシと感じる今だからこそ、平穏な日常は尊く、誰もがそれを享受できることを願ってやまない。「平和」という言葉を使わずとも、服を通して訴える阿部デザイナーのシンプルなメッセージは、強く心に響いた。

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「ルメール」が本社でファッションショー開催 親密な演出を通して伝えたかったこと

「ルメール(LEMAIRE)」は1月17日、パリ・メンズ・ファッション・ウイークでメンズとウィメンズからなる2024-25年秋冬コレクションを発表した。今季の会場は、マレ地区のヴォージュ広場に面した本社内のスタジオ。広々とした空間をランダムにモデルが行き交うという日常風景を映し出したようないつもの演出から趣向を変え、小高い円形のランウエイをモデルが歩くというスタイルで新作を見せた。

今回、自分たちの仕事場でショーを行った理由について、クリストフ・ルメール(Christoph Lemaire)は「プロセスが結果を決めると信じているから」と、実際にコレクションが生み出される環境の重要性を強調。共にクリエイションを手掛けるサラ・リン・トラン(Sarah-Linh Tran)も、「第一にヒューマンスケールの距離で服を見ることができ、近くじゃないと分からないような質感や色を見ることができるということ。そして、何よりモデルが『ルメール』の服を着てどう感じているかを見て感じてほしかった。その感覚というのが、私たちにとってはとても大切だから」と明かす。

そんなショーに登場したのは、ゆったりとしたシルエットの多種多様なアウターやソフトに仕上げたテーラリングを軸にしながら、ブラウン系やベージュ、黒のワントーンで見せる「ルメール」らしいレイヤードルックだ。ルメールは今季を象徴するアイデアして、「センシュアリティー」「イン&アウト」、そして「テクニカルな機能性」の3つを挙げた。「センシュアリティー」は、バレエから着想を得たセカンドスキンウエアや透け感のある滑らかな生地使いなどに見られ、「イン&アウト」は外出時に着るために作られたパジャマシャツやスリッパで表現。「テクニカルな機能性」は、ラッカードシルクのように見える日本製ナイロンを使った防水性を備えたコートなどに取り入れているが、「声高に”テクニカル”とは謳いたくない。あくまでエレガントに落とし込んでいる」と話す。そして、終盤にはオランダのアーティストデュオ、フリーリング・ウォーターズ(Freeling Waters)が手掛けたパターンのプリントや刺しゅうでフォークロアの要素をプラス。エフォートレスなシックを体現するようなコレクションにアクセントを加えた。

ランウエイを歩くモデルは、時に客席を眺めて立ち止まったり、何かを探すように振り返ったり。それぞれが違う動きや仕草を見せる。そこには「『ルメール』とはスタイルであり、スタイルはキャラクターを作るもの。私たちにとって最高のスタイルとは街中ですれ違う人を見て、“この人は誰だろう?”を思わせるものだ」という、個性と大切にするルメールたちの思いが反映されている。

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「ロシャス」に新クリエイティブ・ディレクター就任 ファッション事業の再ポジショニングに取り組む

インターパルファム(INTER PARFUMS SA)傘下の「ロシャス(ROCHAS)」は、レディ・トゥ・ウエアの新たなクリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)を任命した。今年4月に退任したシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)の後任。2024年2月のパリ・ファッション・ウイーク期間中にプレゼンテーション形式で就任後初のコレクションを披露する。ランウエイデビューは24年秋になる予定だ。

ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターは、イタリア南部のプーリア州生まれ。もともとはコンテンポラリーダンスの訓練を受け、プロのダンサーとして活動していたという。その後、ミラノのIED モード・ラボ(IED Moda Lab)を卒業し、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」でファッション業界でのキャリアをスタート。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)時代の「グッチ(GUCCI)」や「フィロソフィ ディ ロレンツォ・セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」などを経て、フリーランスで「ジ アティコ(THE ATTICO)」に携わる傍ら、21-22年秋冬に自身の名を冠したウィメンズウエアブランドをデビューさせた。女性の身体にフォーカスしたセンシュアルなデザインが持ち味で、今後も自身のブランドは継続する。

また、今年5月からすでに「ロシャス」にも関わっており、デザインチーム体制による24年春夏コレクションにも貢献した。フィリップ・ベナシン(Philippe Benacin)=インターパルファム会長兼最高経営責任者(CEO)は、ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターの最初の提案が「『ロシャス』に抱いていた、とてもパリジャン的なイメージに合致していた」とし、控えめでありながらも贅沢で着やすいデザインを称賛。「彼はブランドの核をすぐに理解した。エレガンス、大胆さ、女性らしさ、洗練といった『ロシャス』のメゾンコードを踏まえつつ、新しいアイデンティティーを築くだろう」と話す。一方、ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターは「『ロシャス』を象徴するのは、フランスらしい洗練へのこだわりと女性らしさの賛美であり、そこから大きなインスピレーションを受けている。私のビジョンを伝えるのが楽しみだ」とコメントした。

インターパルファムは15年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)から「ロシャス」のファッション事業とフレグランス事業を買収。23年7月までの2年間はHIM CO(旧オンワードラグジュアリーグループ)がファッション事業の運営と生産を担っていたが、現在は運営をインターパルファム、生産をHIM COが手掛けている。ビジネスの約80%はフレグランスだが、「ロシャス」においてファッションは「メゾンの歴史の一部であるとともにフランスファッションの歴史的遺産の一部であり、極めて重要だ」とベナシン会長兼CEO。そのため、ファッション事業の再ポジショニングに取り組んでおり、「コレクションが世界中の100〜200の一流の小売店で取り扱われ、継続的に買い付けられることを目指している」という。

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「ルイ・ヴィトン」がトランク製のクリスマスツリーを披露 英老舗ホテルの恒例企画で

イギリス・ロンドンにある老舗高級ホテルのクラリッジズ(CLARIDGE'S)はこのほど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が制作したクリスマスツリーをお披露目した。同ホテルは毎年さまざまなブランドやデザイナーを招き、独自のスタイルで制作されたクリスマスツリーをロビーに展示。今年で13年目になる。

「ルイ・ヴィトン」が手掛けた約5.2メートルのツリーは、トランクを再利用したもの。クロームメッキを施した高さの異なる15個を組み合わせることで、雪景色の中にある伝統的なツリーのシルエットを表現している。ツリーの頂点には、一般的な星ではなく、パリ近郊のアニエールにあるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)一族の邸宅兼アトリエの模型を配置。随所にサンタクロースやカラフルなメゾンのマスコット“ヴィヴィエンヌ”をちりばめている。そんなツリーを囲むように設置されたのは、2つの巨大なモノグラムパターンのトランク。その外側にはクラリッジズのビンテージトラベルステッカーと「ルイ・ヴィトン」のラゲージタグがあしらわれている。

なお、「ルイ・ヴィトン」とクラリッジズは共に1854年に創業。ナポレオン3世の妻であるウジェニー・ド・モンティジョ(Eugénie de Montijo)皇后と強いつながりを持っていた。メゾンの創業者であるルイは、皇后が旅する際に荷物に合わせた木箱やトランクを製作したり、荷造りを行ったりする職人だった。一方、皇后はクラリッジズを冬の邸宅として利用しており、ヴィクトリア女王の訪問を何度も受けたため、同ホテルはバッキンガム宮殿の“別館”として知られるようになった。

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「ルイ・ヴィトン」がトランク製のクリスマスツリーを披露 英老舗ホテルの恒例企画で

イギリス・ロンドンにある老舗高級ホテルのクラリッジズ(CLARIDGE'S)はこのほど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が制作したクリスマスツリーをお披露目した。同ホテルは毎年さまざまなブランドやデザイナーを招き、独自のスタイルで制作されたクリスマスツリーをロビーに展示。今年で13年目になる。

「ルイ・ヴィトン」が手掛けた約5.2メートルのツリーは、トランクを再利用したもの。クロームメッキを施した高さの異なる15個を組み合わせることで、雪景色の中にある伝統的なツリーのシルエットを表現している。ツリーの頂点には、一般的な星ではなく、パリ近郊のアニエールにあるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)一族の邸宅兼アトリエの模型を配置。随所にサンタクロースやカラフルなメゾンのマスコット“ヴィヴィエンヌ”をちりばめている。そんなツリーを囲むように設置されたのは、2つの巨大なモノグラムパターンのトランク。その外側にはクラリッジズのビンテージトラベルステッカーと「ルイ・ヴィトン」のラゲージタグがあしらわれている。

なお、「ルイ・ヴィトン」とクラリッジズは共に1854年に創業。ナポレオン3世の妻であるウジェニー・ド・モンティジョ(Eugénie de Montijo)皇后と強いつながりを持っていた。メゾンの創業者であるルイは、皇后が旅する際に荷物に合わせた木箱やトランクを製作したり、荷造りを行ったりする職人だった。一方、皇后はクラリッジズを冬の邸宅として利用しており、ヴィクトリア女王の訪問を何度も受けたため、同ホテルはバッキンガム宮殿の“別館”として知られるようになった。

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「ジバンシィ」のマシュー・M・ウィリアムズが退任 

「ジバンシィ(GIVENCHY)」のマシュー・M・ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターが、12月末で退任することが分かった。2020年6月に就任した彼が手掛ける最後のコレクションは、近日公開されるメンズ&ウィメンズの24年プレ・フォール・コレクションになる。今回の退任は、ヨーロッパの伝統的なブランドにおけるクリエイティブ・ディレクターの短命化を際立たせるものであるとともに、1988年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下にある名高いクチュールメゾンの新たな改革を示唆するものだ。後任探しはまだ初期段階のようで、次の体制が発表されるまではデザインチームでコレクションを手掛ける。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、デビューシーズンから強みであるハードウエア(金具)、特にテーラリングやレザーグッズに施した南京錠のような留め具や装飾的な要素をクリエイションの重要な柱とし、手の込んだデニムの加工やシューズの最先端技術でもその手腕を発揮。音楽業界との深いつながりやネットワークを生かし、新たな層へのリーチにも貢献した。

ビジネスの勢いは、主にバッグ“ヴォワイユー”と“シャークロックブーツ”の好調によって最近回復したように見えた。しかし、大きな商業的成功や広くメディアからの賞賛はウィリアムズによる「ジバンシィ」にはなく、同じLVMHファッション・グループ(LVMH FASHION GROUP)傘下の「ロエベ(LOEWE)」や「セリーヌ(CELINE)」の爆発的な成長に比べ、遅れをとってきた。

また在任中、ジョディ・フォスター(Jodie Foster)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といったセレブリティーや「ティファニー(TIFFANY & CO.)」のハイジュエリーショーのためにクチュールドレスをデザインしたが、オートクチュール・ファッション・ウイークで本格的なコレクションを披露することはなかった。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、「『ジバンシィ』のクリエイティブ・ディレクションを手掛けることは、2020年の就任時にも述べたように生涯の夢だった。この3年間、私はユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)氏のレガシーを受け継ぎながら、私自身のクリエイティブなビジョンを表現することに努めてきた。この素晴らしい機会を与えてくれたアトリエや、ルノー・ド・レスケン(Renaud de Lesquen)=ジバンシィ最高経営責任者(CEO)、そしてLVMHに心から感謝したい」とコメントした。

一方、レスケンCEOはウィリアムズが「ジバンシィ」にもたらしたエネルギーに対する感謝を示し、「クリエイティブかつコンテンポラリーな彼のコレクションは、新しい活力を生み出し、顧客を開拓した。マシューとの仕事を楽しんできた全ての人と共に、彼の今後の成功を祈っている」と述べた。声明の中で、同ブランドは「ウィリアムズがメゾンの商品ラインアップをモダンに刷新し、国際的な市場、特にアメリカと日本で新たな勢いを生み出すことに貢献した」と評価している。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、「ジバンシィ」を手掛ける傍ら、15年に設立した自身のシグネチャーブランド「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM 以下、アリックス)」を率いている。同ブランドは、11月17日に香港の起業家エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)に過半数株式を売却したばかり。チャンとのパートナーシップにより、初となる独立型店舗のオープンや、将来性の高いジュエリーやシューズ、アクセサリーといったカテゴリーの強化などを計画している。

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「ステラ マッカートニー」に新CEO就任 ロレアルなどでキャリアを積んだ女性

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、新たな最高経営者(CEO)にアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)を任命した。来月退社予定のガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)CEOの後任となり、12月1日付で着任。ロンドンに拠点を置き、同社の取締役会に直接報告する。

フランスのESSECビジネススクールでラグジュアリー分野のMBAを取得したオハヨン新CEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下にあった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」のリテール&イベント・エグゼクティブとしてキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。

同社では、デザイナーのヴェラ・ウォン(Vera Wang)との10年間のライセンス契約に取り組んだほか、今年初めには投資ファンドのベインキャピタル(BAIN CAPITAL)への売却を指揮した。また、サステナビリティを最優先事項に掲げ、結婚式後も着られるように丈の変更やディテールのアレンジなどのお直しを無料で提供するウエディングドレスのコレクション「セカンドライフ(SECOND LIFE)」を発表。エコフレンドリーな素材でドレスを作る「ウィー・ドゥー・エコ(WE DO ECO)」プロジェクトや、セカンドハンドのウエディングドレスや古いシーズンの在庫、サンプルなどを販売するEC「ブライズ・ドゥー・グッド(BRIDES DO GOOD)」との提携にも取り組んだ。

オハヨン新CEOは、「『ステラ マッカートニー』は持続可能なラグジュアリーとエシカルファッションを象徴するブランド。ステラと共に、私たちの価値観に共鳴するコンシャスなアプローチで会社の成長を加速させながらイノベーションを推進し、業界を再定義し続けていく」とコメント。一方、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は「アマンディーヌのリーダーシップと事業や地域を超えた豊富な経験は、会社の輝かしい未来を築くための大きな強みになる。洗練されたファッションとエシカルな価値観に対する情熱を持った彼女は、ビジネス的な成功への持続可能な方法を大切にする私たちの素晴らしいパートナーになるだろう」と述べた。

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「ステラ マッカートニー」に新CEO就任 ロレアルなどでキャリアを積んだ女性

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、新たな最高経営者(CEO)にアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)を任命した。来月退社予定のガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)CEOの後任となり、12月1日付で着任。ロンドンに拠点を置き、同社の取締役会に直接報告する。

フランスのESSECビジネススクールでラグジュアリー分野のMBAを取得したオハヨン新CEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下にあった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」のリテール&イベント・エグゼクティブとしてキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。

同社では、デザイナーのヴェラ・ウォン(Vera Wang)との10年間のライセンス契約に取り組んだほか、今年初めには投資ファンドのベインキャピタル(BAIN CAPITAL)への売却を指揮した。また、サステナビリティを最優先事項に掲げ、結婚式後も着られるように丈の変更やディテールのアレンジなどのお直しを無料で提供するウエディングドレスのコレクション「セカンドライフ(SECOND LIFE)」を発表。エコフレンドリーな素材でドレスを作る「ウィー・ドゥー・エコ(WE DO ECO)」プロジェクトや、セカンドハンドのウエディングドレスや古いシーズンの在庫、サンプルなどを販売するEC「ブライズ・ドゥー・グッド(BRIDES DO GOOD)」との提携にも取り組んだ。

オハヨン新CEOは、「『ステラ マッカートニー』は持続可能なラグジュアリーとエシカルファッションを象徴するブランド。ステラと共に、私たちの価値観に共鳴するコンシャスなアプローチで会社の成長を加速させながらイノベーションを推進し、業界を再定義し続けていく」とコメント。一方、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は「アマンディーヌのリーダーシップと事業や地域を超えた豊富な経験は、会社の輝かしい未来を築くための大きな強みになる。洗練されたファッションとエシカルな価値観に対する情熱を持った彼女は、ビジネス的な成功への持続可能な方法を大切にする私たちの素晴らしいパートナーになるだろう」と述べた。

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英「10マガジン」の日本版創刊 編集長に元「ヴォーグ ジャパン」の増田さをりファッション・ディレクターが就任

英国・ロンドン発のインディペンデント・ファッション誌「10マガジン(10 MAGAZINE)」は2024年9月に日本版となる「10 ジャパン(10 JAPAN)」を創刊する。編集長には、増田さをり前「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」ファッション・ディレクターが就任。編集チームの詳細は、追って発表される予定だ。

同誌のコンテンツは、紙媒体、デジタル、動画、ソーシャル・プラットフォームを中心に、グローバルなマルチチャネルネットワークで配信される。紙媒体は英国版同様、9月と3月の年2回発行予定。将来的にはメンズ誌「10 メン ジャパン(10 MEN JAPAN)」と、雑誌とポスターの構成で紙媒体の可能性を探求する「10+ ジャパン(10+ JAPAN)」の刊行も計画する。

「10 マガジン」は01年、ソフィア・ネオフィトウ・アポストロウ(Sophia Neophitou-Apostolou)編集長が創刊。03年には「10 メン(10 MEN)」、18年には「10+」をローンチした。英国外では、13年にオーストラリア版、23年9月にアメリカ版を創刊。最近のインテビューで、ネオフィトウ・アポストロウ=グローバル編集長は、フランスとイタリアなどフランチャイズでのさらなる海外展開の可能性も示唆している。

日本版を率いる増田編集長は、「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のPRとしてファッション界でのキャリアをスタート。05年にエグゼクティブ・ファッション・エディターとして「ヴォーグ ジャパン」編集部に加わった。その後、ファッション・マーケット・ディレクターを経て、18年にファッション・ディレクターに昇進。23年に退社した後は、フリーランスで活動してきた。

就任に際して、増田編集長は「ソフィアや彼女のチームとの新たな冒険をとても楽しみにしています。私は子どもの頃から日本、イタリア、フランスの文化の中で過ごし、その生涯の経験が私のファッションへのアプローチを形成してきました。『10マガジン』ファミリーの新しいメンバーとして、そんな多様な文化の中での生活経験とボーダレスな文化的マインドセットを『10 ジャパン』に持ち込みたい。それが、新しい日本の展望の未来に貢献できると信じています」とコメントした。

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「ショパール」の“アルパイン イーグル”にジェムストーン輝く新作が登場 

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は11月16日、ドバイ・ウオッチ・ウイークに合わせ、ラグジュアリースポーツウオッチ“アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新シリーズ“アルパイン イーグル サミット(ALPINE EAGLE SUMMIT)”を発表した。4モデルをそろえる同シリーズは、イーグルの虹彩をモチーフにした輝く文字盤と、バゲットカットのジェムストーンで優美なグラデーションを描いたベゼルが特徴だ。ケーズは41mmで、エシカルな18Kイエローゴールド、ホワイトゴールドまたはローズゴールドを使用。クロノメーター認定を取得した機械式自動巻きムーブメント“ショパール 01.15-C”を搭載する。自社に貴金属製錬工房を有し、時計とジュエリーの双方において卓越した職人技術と伝統を継承するメゾンならではのアイテムになっている。

“アルパイン イーグル”は2019年に発表された最初のモデルから、アルプスの美しい風景を想起させる自然のカラーパレットから着想を得た色を文字盤に用いてきた。“アルパイン イーグル サミット”のイエローゴールドモデルは、19世紀の氷河学者ジェームズ・デイビッド・フォーブス(James David Forbes)がモンブラン山塊のスイス領域の金色に輝く岩肌にちなんで名付けた山からインスピレーションを得た“ゴールデンピーク”の文字盤を採用。ベゼルには、柔らかな色調のピンクサファイアとホワイトサファイアをあしらった。

ホワイトゴールドモデルは、スイスアルプスの氷河を再現した“ジナルブルー”と、アルプスの伝統的な家屋の屋根や壁を覆う珪石の銀色の反射を想起させる“ヴァルスグレー”の2種をラインアップ。“ジナルブルー”の文字盤は見る角度によってブルーからバイオレットへと色が変わるのが印象的で、その色合いに呼応するブルーとバイオレットのサファイアがベゼルを飾る。一方、“ヴァルスグレー”はグリーンに輝くツァボライトからホワイトサファイアのグラデーションがシルバーに輝く文字盤と調和する。また、ローズゴールドモデルに用いた文字盤“ドーンピンク”は、早朝に太陽から差し込む光で山頂が色づく様子をイメージ。その周りには、陽の光をほうふつとさせるオレンジが美しいスペサルタイトとホワイトサファイアを施した。

価格は、イエローゴールドとホワイトゴールド製のモデルが各1250万7000円、ローズゴルド製のモデルが1136万3000円。「ショパール」のブティックのみで限定販売する。

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「ショパール」の“アルパイン イーグル”にジェムストーン輝く新作が登場 

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は11月16日、ドバイ・ウオッチ・ウイークに合わせ、ラグジュアリースポーツウオッチ“アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新シリーズ“アルパイン イーグル サミット(ALPINE EAGLE SUMMIT)”を発表した。4モデルをそろえる同シリーズは、イーグルの虹彩をモチーフにした輝く文字盤と、バゲットカットのジェムストーンで優美なグラデーションを描いたベゼルが特徴だ。ケーズは41mmで、エシカルな18Kイエローゴールド、ホワイトゴールドまたはローズゴールドを使用。クロノメーター認定を取得した機械式自動巻きムーブメント“ショパール 01.15-C”を搭載する。自社に貴金属製錬工房を有し、時計とジュエリーの双方において卓越した職人技術と伝統を継承するメゾンならではのアイテムになっている。

“アルパイン イーグル”は2019年に発表された最初のモデルから、アルプスの美しい風景を想起させる自然のカラーパレットから着想を得た色を文字盤に用いてきた。“アルパイン イーグル サミット”のイエローゴールドモデルは、19世紀の氷河学者ジェームズ・デイビッド・フォーブス(James David Forbes)がモンブラン山塊のスイス領域の金色に輝く岩肌にちなんで名付けた山からインスピレーションを得た“ゴールデンピーク”の文字盤を採用。ベゼルには、柔らかな色調のピンクサファイアとホワイトサファイアをあしらった。

ホワイトゴールドモデルは、スイスアルプスの氷河を再現した“ジナルブルー”と、アルプスの伝統的な家屋の屋根や壁を覆う珪石の銀色の反射を想起させる“ヴァルスグレー”の2種をラインアップ。“ジナルブルー”の文字盤は見る角度によってブルーからバイオレットへと色が変わるのが印象的で、その色合いに呼応するブルーとバイオレットのサファイアがベゼルを飾る。一方、“ヴァルスグレー”はグリーンに輝くツァボライトからホワイトサファイアのグラデーションがシルバーに輝く文字盤と調和する。また、ローズゴールドモデルに用いた文字盤“ドーンピンク”は、早朝に太陽から差し込む光で山頂が色づく様子をイメージ。その周りには、陽の光をほうふつとさせるオレンジが美しいスペサルタイトとホワイトサファイアを施した。

価格は、イエローゴールドとホワイトゴールド製のモデルが各1250万7000円、ローズゴルド製のモデルが1136万3000円。「ショパール」のブティックのみで限定販売する。

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若手支援の「LVMHプライズ」にクラフツマンシップの継承を称える賞新設 応募締め切りは2024年1月7日

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が主催する若手ファッションデザイナー支援のためのコンテスト「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」はこのほど、2024年度版の募集を開始した。今回からグランプリとカール・ラガーフェルド審査員特別賞に加えて、クラフツマンシップを称え、技術の継承を促進することを目的としたサヴォアフェール賞を新設。いずれの賞も、書類選考、2024年2月29日と3月1日にパリで開かれるセミファイナルを経て最終選考に残ったデザイナーの中から選ばれる。

応募は「LVMHプライズ」の公式サイトで受け付けており、締め切りは24年1月7日。対象は18歳から40歳までの世界中のファッションデザイナーで、すでにウィメンズウエア、メンズウエアまたはジェンダーレスのプレタポルテコレクションを2つ以上制作していることが条件となる。グランプリには賞金40万ユーロ(約6440万円)に加え、持続可能な開発やコミュニケーション、著作権、企業法務、マーケティング、製造、ブランドの財務管理などの分野において同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が授与される。また、カール・ラガーフェルド審査員特別賞とサヴォアフェール賞の受賞者には、賞金20万ユーロ(約3220万円)と、同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が贈られる。

13年に同プライズの立ち上げたデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「『LVMHプライズ』は今年で11回目を迎える。そして、クリエイションの核となる価値であるサヴォアフェールへのこだわりを称えられることをうれしく思う。サヴォアフェール賞は、卓越したクラフツマンシップ、デザインと生産における革新性、そしてファッションに対するよりサステナブルなアプローチを称えるもの」と述べた。LVMHは25年、パリ8区にクラフツマンシップに特化した施設メゾン・デ・メティエ・デクセレンス(Maison des Métiers d’Excellence)のオープンを計画するなど、職人技の継承と発信に力を入れている。同施設では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」から「ドン・ペリニヨン(DOM PERIGNON)」「ティファニー(TIFFANY)」「セフォラ(SEPHORA)」まで傘下75ブランドで用いられる280の熟練した職人技の幅広さに一般来場者が触れられるだけでなく、職人の訓練プログラムの場としても活用されるという。

また、「LVMHプライズ」ではこれまで同様、「LVMHプライズ フォー ヤング ファッション グラジュエイツ(LVMH PRIZE FOR YOUNG FASHION GRADUATES)」としてファッション・スクールの卒業生3人も選出する。それぞれの受賞者は、1万ユーロ(約161万円)を獲得するほか、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」などLVMH傘下のメゾンのデザインスタジオで1年間働くことができる。同賞の応募締め切りは、24年3月17日。

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若手支援の「LVMHプライズ」にクラフツマンシップの継承を称える賞新設 応募締め切りは2024年1月7日

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が主催する若手ファッションデザイナー支援のためのコンテスト「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」はこのほど、2024年度版の募集を開始した。今回からグランプリとカール・ラガーフェルド審査員特別賞に加えて、クラフツマンシップを称え、技術の継承を促進することを目的としたサヴォアフェール賞を新設。いずれの賞も、書類選考、2024年2月29日と3月1日にパリで開かれるセミファイナルを経て最終選考に残ったデザイナーの中から選ばれる。

応募は「LVMHプライズ」の公式サイトで受け付けており、締め切りは24年1月7日。対象は18歳から40歳までの世界中のファッションデザイナーで、すでにウィメンズウエア、メンズウエアまたはジェンダーレスのプレタポルテコレクションを2つ以上制作していることが条件となる。グランプリには賞金40万ユーロ(約6440万円)に加え、持続可能な開発やコミュニケーション、著作権、企業法務、マーケティング、製造、ブランドの財務管理などの分野において同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が授与される。また、カール・ラガーフェルド審査員特別賞とサヴォアフェール賞の受賞者には、賞金20万ユーロ(約3220万円)と、同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が贈られる。

13年に同プライズの立ち上げたデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「『LVMHプライズ』は今年で11回目を迎える。そして、クリエイションの核となる価値であるサヴォアフェールへのこだわりを称えられることをうれしく思う。サヴォアフェール賞は、卓越したクラフツマンシップ、デザインと生産における革新性、そしてファッションに対するよりサステナブルなアプローチを称えるもの」と述べた。LVMHは25年、パリ8区にクラフツマンシップに特化した施設メゾン・デ・メティエ・デクセレンス(Maison des Métiers d’Excellence)のオープンを計画するなど、職人技の継承と発信に力を入れている。同施設では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」から「ドン・ペリニヨン(DOM PERIGNON)」「ティファニー(TIFFANY)」「セフォラ(SEPHORA)」まで傘下75ブランドで用いられる280の熟練した職人技の幅広さに一般来場者が触れられるだけでなく、職人の訓練プログラムの場としても活用されるという。

また、「LVMHプライズ」ではこれまで同様、「LVMHプライズ フォー ヤング ファッション グラジュエイツ(LVMH PRIZE FOR YOUNG FASHION GRADUATES)」としてファッション・スクールの卒業生3人も選出する。それぞれの受賞者は、1万ユーロ(約161万円)を獲得するほか、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」などLVMH傘下のメゾンのデザインスタジオで1年間働くことができる。同賞の応募締め切りは、24年3月17日。

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「モスキーノ」の新クリエイティブ・ディレクターが46歳で急逝  11月1日に着任したばかり

「モスキーノ(MOSCHINO)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに就任したダヴィデ・レンネ(Davide Renne)が11月10日、死去した。死因は非公表。46歳だった。1977年7月4日トスカーナ州生まれのレンネは、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)の後任として、11月1日に着任したばかり。2024年2月にデビューコレクションを披露する予定だった。あまりにも突然の訃報は、イタリアのファッション業界に動揺と深い悲しみをもたらした。

「モスキーノ」の親会社であるアエッフェ(AEFFE)のマッシモ・フェレッティ(Massimo Ferretti)取締役会長は、「この劇的な時に感じている痛みを表現する言葉は見つからない。ダヴィデはほんの数日前に私たちの仲間に加わったばかりだが、突然の病であまりにも早く私たちのもとを去ってしまった。まだこの事実を信じることができない」とコメント。「ダヴィデと共に、私たちは熱意と未来への楽観に包まれる中、野心的なプロジェクトに取り組んでいるところだった。彼が『モスキーノ』に在籍していた期間は本当に短かったが、すぐに周りから愛され、尊敬されるようになった。今、私たちは彼のイマジネーションとクリエイティビティーが思い描いたものを受け継ぐ責任を負っている。彼の家族と友人に深い哀悼の意を表する」と続けた。

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「アンダーカバー」高橋盾がファッションショーで生きた蝶を使用したことを謝罪 PETAの抗議を受けて

「アンダーカバー(UNDERCOVER)」がパリ・ファッション・ウイーク中に行った2024年春夏コレクションのショーで、透明なケースの中に生きた蝶を収めたドレスを発表したことに対し、米国の動物愛護団体PETAが抗議した。これを受け、同ブランドの高橋盾デザイナーは「心のこもった手紙」を送り、詳細を説明。過ちを認め、二度と蝶や生きた動物を使わないことを約束した。

PETAの代理人が米「WWD」に共有した手紙によると、高橋デザイナーは透明のドレスに入れた造花のバラの周りを蝶が舞うというフィナーレのアイデアを思いついたが、同時に蝶のことを心配していたという。そして、20年前の祖母の葬儀の後、自分のそばに白い蝶が現れたことがいかに喜びをもたらし、祖母を近しく感じて安らいだ気持ちになったかという経験を説明。それ以来、しばらくの間、蝶がよく自分のそばに来て周りを飛んでいたことを明かした。

また、高橋デザイナーは、ショーの後に抗議が寄せられるかもしれないことを懸念していたという。このため、使用された蝶は「安全で健康」であることに配慮し、倫理的な方法で繁殖を行う会社から取り寄せたもので、ショーの前には十分なスペースを与えられ、呼吸して飛び回ることができた。また、ショーの終了後には、公園に放たれた。「しかし、結局のところ、あなたが言うように、あるいは私が心のどこかで思っていたように、この行為はやはり間違いだった」と高橋デザイナーはPETAヘの手紙につづった。そして、自由に空を飛べる蝶を閉じ込めてしまったことを後悔し、自身のクリエイションに蝶や他の生きた動物を二度と使わないことを誓った。

最後に、高橋デザイナーは手紙の冒頭と同様の丁寧さで、「私たちはより良い行動を学びたいので、遠慮なくこのトピックについてもっと教えてください。そして、蝶がまた私の側に来てくれることを祈っています」と締めくくった。

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「アンダーカバー」高橋盾がファッションショーで生きた蝶を使用したことを謝罪 PETAの抗議を受けて

「アンダーカバー(UNDERCOVER)」がパリ・ファッション・ウイーク中に行った2024年春夏コレクションのショーで、透明なケースの中に生きた蝶を収めたドレスを発表したことに対し、米国の動物愛護団体PETAが抗議した。これを受け、同ブランドの高橋盾デザイナーは「心のこもった手紙」を送り、詳細を説明。過ちを認め、二度と蝶や生きた動物を使わないことを約束した。

PETAの代理人が米「WWD」に共有した手紙によると、高橋デザイナーは透明のドレスに入れた造花のバラの周りを蝶が舞うというフィナーレのアイデアを思いついたが、同時に蝶のことを心配していたという。そして、20年前の祖母の葬儀の後、自分のそばに白い蝶が現れたことがいかに喜びをもたらし、祖母を近しく感じて安らいだ気持ちになったかという経験を説明。それ以来、しばらくの間、蝶がよく自分のそばに来て周りを飛んでいたことを明かした。

また、高橋デザイナーは、ショーの後に抗議が寄せられるかもしれないことを懸念していたという。このため、使用された蝶は「安全で健康」であることに配慮し、倫理的な方法で繁殖を行う会社から取り寄せたもので、ショーの前には十分なスペースを与えられ、呼吸して飛び回ることができた。また、ショーの終了後には、公園に放たれた。「しかし、結局のところ、あなたが言うように、あるいは私が心のどこかで思っていたように、この行為はやはり間違いだった」と高橋デザイナーはPETAヘの手紙につづった。そして、自由に空を飛べる蝶を閉じ込めてしまったことを後悔し、自身のクリエイションに蝶や他の生きた動物を二度と使わないことを誓った。

最後に、高橋デザイナーは手紙の冒頭と同様の丁寧さで、「私たちはより良い行動を学びたいので、遠慮なくこのトピックについてもっと教えてください。そして、蝶がまた私の側に来てくれることを祈っています」と締めくくった。

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「トッズ」を率いたヴァルター・キアッポーニが「ブルマリン」の新クリエイティブ・ディレクターに就任

イタリアブランドの「ブルマリン(BLUMARINE)」は11月2日、ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)前「トッズ(TOD’S)」クリエイティブ・ディレクターを新たなクリエイティブ・ディレクターに任命したことを発表した。先月退任したニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)の後任で、2024年2月の24-25年秋冬ミラノ・ファッション・ウイーク期間中にデビュー・コレクションを披露する予定だ。

1978年ミラノ生まれのキアッポーニ新クリエイティブ・ディレクターは、ヨーロッパ・インスティテュート・オブ・デザインで学んだ後、90年代後半にアレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)のもとでキャリアをスタート。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「グッチ(GUCCI)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」、そしてトーマス・マイヤー(Tomas Maier)時代の「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」でキャリアを積んだ。その後、2019年10月に「トッズ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。ハイエンドなライフスタイルとイタリアのクラフツマンシップを反映し、控えめでありながら洗練された上質なコレクションを提案した。また、アイコンシューズ“ゴンミーニ“の象徴的なラバーペブル(ゴム突起)を再解釈してさまざまなアイテムに取り入れたり、バッグのラインアップを拡充したりと、ブランドの現代性を高めることに貢献。彼の手掛けるコレクションは好評だったが、9月の24年春夏のショーを以って退任した。

今回の就任に際して、キアッポーニ新クリエイティブ・ディレクターは「軽やかさとクリエイティビティーによって定義される女性らしさを長年にわたり描いてきた、イタリアを代表するブランドのクリエイティブ・ディレクターに任命されたことを嬉しく思う」とコメント。「私にとって、『ブルマリン』の新たなフェーズを確立することに貢献できるという可能性は、刺激的かつ重要な新しい領域を受け入れるとともに、自分のビジョンを広げ、芸術的な表現の感覚を取り戻すチャンスだ」と続けた。

一方、19年11月に「ブルマリン」を傘下に収めたEIH エクセレンツェ イタリアーネ(EIH ECCELLENZE ITALIANE)を率いるマルコ・マルキ創業者は、「ヴァルターは、その国際的に認められた才能と優れた感性で、ブランドの素晴らしい伝統に敬意を払いながら、『ブルマリン』に新たなエネルギーをもたらしてくれると確信している」と述べた。

「トッズ」で洗練された美学やクラフツマンシップに大切にしてきたキアッポーニが描く「ブルマリン」の新章は、ブロニャーノが“Y2K”の要素をふんだんに取り入れて若々しく刷新したスタイルからまた大きく変化しそうだ。

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“Y2K”スタイルをいち早く取り入れた「ブルマリン」のクリエイティブ・ディレクターが退任

「ブルマリン(BLUMARINE)」は10月19日、ニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。声明によると、退任は双方の合意によるもの。9月にミラノ・ファッション・ウイークで発表した2024年春夏が最後のコレクションとなった。後任は未定だ。

1990年生まれのブロニャーノ=クリエイティブ・ディレクターは、「ブルマリン」の親会社であるブルーフィン(BLUFIN)がイタリア人起業家のマルコ・マルキ(Marco Marchi)率いるEIH エクセレンツェ イタリアーネ(EIH ECCELLENZE ITALIANE)の傘下に入った直後の2019年末に、クリエイティブ・ディレクターに就任。フェミニンかつロマンチックなスタイルで知られるイタリアの由緒あるブランドを刷新するため、“Y2K”ファッションの美学を取り入れた。

20年9月のデビューショー以来、彼はチョウやバラといったブランドのアイコンを用いつつ、大胆な肌見せを楽しむブラトップやミニスカート、ローライズのウォッシュドジーンズやカーゴパンツ、コンパクトなニット、ボディーラインを際立たせるドレスなどで、若さあふれるコレクションを提案。「ミュウミュウ(MIU MIU)」にも関わるスタイリストのロッタ・ヴァルコヴァ(Lotta Volkova)とタッグを組み、パンチの効いたスタイリングで明確な方向転換を見せてきた。デビュー当初は、2000年前後のパリス・ヒルトン(Paris Hilton)を思い起こさせるようなスタイルがファッション関係者を困惑させたが、その後“Y2K”が大きな波となり、時流をいち早く捉えていたことが分かった。そして、結果的にブランドが若い世代から再び脚光を浴びることに貢献した。

ブロニャーノ=クリエイティブ・ディレクターは、「プロとして、クリエイターとして、そして人間としての経験を豊かにしてくれた」と「ブルマリン」での仕事を振り返り、「このブランドに再びスポットライトを当てることは、本当にユニークでエキサイティングな機会だった。このチャンスを与えてくれたマルコと、共に素晴らしい仕事を成し遂げたチームに感謝している」とコメント。一方、マルキEIH エクセレンツェ イタリアーネ創業者は、「ニコラは『ブルマリン』のコードを解釈し、独創的かつ現代的な方法であらためて表現することで、ファッション関係者や顧客からの関心を再び高めてくれた。4年間にわたる実りあるコラボレーションで発揮された素晴らしいプロフェッショナリズムに感謝する」と述べた。

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「モスキーノ」、ジェレミー・スコットの後任に「グッチ」歴20年のベテラン ミケーレ時代を支えた実力者

伊アエッフェ(AEFFE)傘下の「モスキーノ(MOSCHINO)」は、ダヴィデ・レンネ(Davide Renne)を新たなクリエイティブ・ディレクターを任命した。10年間の任期を経て3月に退任したジェレミー・スコット(Jeremy Scott)の後任として、11月1日付で就任する。着任後は、ウィメンズウエア、メンズウエア、アクセサリーを監修。2024年2月の24-25年秋冬ミラノ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露する予定だ。

レンネ新クリエイティブ・ディレクターは、イタリア・トスカーナ州出身。フィレンツェのファッション専門学校のポリモーダ(POLIMODA)を卒業後、アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)の下でキャリアをスタートした。4年間働いた後、04年にグッチに入社。約20年間、当時のクリエイティブ・ディレクターだったフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)やアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の下でウィメンズ・コレクションのデザインに従事し、最終的にはウィメンズウエアのヘッドデザイナーを務めた。

就任に際して、彼は「(創業者の)フランコ・モスキーノ(Franco Moschino)は、自分のデザインスタジオを“プレールーム”と呼んでいたが、そのアイデアに深く共感する。ファッション、特にイタリアンファッション、そして何よりも『モスキーノ』というブランドがその大きな影響力を以って成し遂げられることは、常に遊び心と喜びが感じられるものであるべき。そして、発見や実験の感覚をもっているべきだ」とコメント。「マッシモ・フェレッティ(Massimo Ferretti)氏(=アエッフェ取締役会長)は、ファッション界の偉大な才能の一人が創設したメゾンを率いるにあたり、父親のように親身になって私の話に耳を傾け、対話を重ねてくれた紳士。だからこそ、プレールームの鍵をくれた彼には、本当に感謝している。取り掛かる日が待ち遠しいし、一緒に楽しめるだろう」と付け加えた。

一方、フェレッティ取締役会長は「私たちを取り巻く世界との生き生きとした対話を生み出すファッションの力に対するダヴィデの極めて洗練されたビジョン、そして『モスキーノ』のレガシーとデザインコードに対する彼の深い理解に、私たちは皆感銘を受けた。彼は素晴らしいデザイナーであり、人間的にも特別だ。フランコはよく、“マナーの悪さだけが真の悪趣味だ”と言っていたが、ダヴィデと知り合い、私は彼の明らかな才能だけでなく、その優しさや感性に心を打たれた。イタリアらしい心とラグジュアリー界において本当にユニークなDNAを持つグローバルブランドである『モスキーノ』の未来を形作る上で、彼が極めて重要な役割を果たすと確信している」と太鼓判を押した。

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「ショパール」が “アルパイン イーグル”の新作を発表 アルプスの自然保護活動にも新展開

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は10月5日、2019年にデビューしたラグジュアリースポーツウオッチ “アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新作モデルをジュネーブで発表した。イーグル(ワシ)の鋭い目の虹彩から着想した文字盤や羽根からヒントを得た秒針が特徴の同コレクションは、1970年代末にカール・フリードリッヒ・ショイフレ(Karl Friedrich Scheufele)共同社長が初めて考案した“サンモリッツ(ST. MORITZ)”を現代的に再解釈したもの。その開発には、カール・フリードリッヒ共同社長と息子のカール・フリッツ(Karl Fritz Scheufele)、父のカール(Karl Scheufele)会長というショイフレ家の親子3世代が携わった。年々バリエーションを増やし、現在は33、36、41、44mm径の4サイズ展開で、クロノグラフのほか、高振動ムーブメント、フライングトゥールビヨンなどの複雑機構を備えたモデルをラインアップしている。

今回登場した新作は、鮮やかな色が目を引く“マリタイムブルー”の文字盤とスポーティーなラバーストラップで仕上げた“アルパイン イーグル XL クロノ”。同コレクションでは、これまでもアルプスの美しい自然の色彩からインスピレーションを得てきたが、“マリタイムブルー”は山脈の南斜面から見下ろす地中海を連想させる。44mm径のケースには、リサイクルスチールを80%用いた独自素材“ルーセントスティール”を使用。金属アレルギーを起こしにくく、磨耗耐性に優れた素材は、上品な輝きを放つ。またムーブメントは、スイスの工房で職人が開発から組み立てまでを一貫して行う機械式自動巻きクロノグラフムーブメント“ショパール 03.05-C”を採用。60時間のパワーリザーブを確保し、クロノグラフ機能の正確な調整とスムーズな操作性を保証する巧緻な機構が特徴だ。価格は295万9000円。日本での発売日は未定だが、「ショパール」のブティックのみでの限定販売を予定する。

アルプスでのワシの保護活動でも新プロジェクトを始動

ショイフレ共同社長は新モデルの発表に合わせ、アルプス山脈の専門家と愛好家と共に2020年に立ち上げた非営利組織アルパイン・イーグル・ファウンデーション(ALPINE EAGLE FOUNDATION)の活動に関しても、新たなプロジェクトを発表した。同財団の目的は、「アルプス地域全体、そしてその地で暮らす生命のために、人々の意識を高め、支援を集め、行動を起こすこと」。22年からは最重要プロジェクトとして、レマン湖畔でのオジロワシの再導入に取り組んでいる。湖の周辺はもともと同種の生息地として知られていたが、人間による狩猟などによって130年前に姿を消したという。その復活を図るため、湖の近くにあり、80種320羽の鳥類を飼育する「レマン湖のワシ」動物公園で育成が行われており、22年6月には最初の4羽のヒナが巣立った。30年までに約80羽を自然界に放つことを計画する。

同公園で発表された新プロジェクトは、スイスアルプスに生息するイヌワシの保護に焦点を当てたもの。アルプスの標高の高い場所への風力タービンの設置によってイヌワシのような大型猛禽類がブレード(タービンの羽根)に衝突する可能性が高まることから、潜在的な影響を予測し、リスク地域へのタービン設置回避を目指す。ベルン大学保全生物学部長のラファエル・アルルタ(Raphael Arlettaz)教授と共に取り組む同プロジェクトでは、イヌワシの飛行高度パターンのモデル化や、地形や気象条件、餌の有無が飛行行動に及ぼす影響の研究、飛行回避行動の調査により、衝突危険性の高いエリアを特定するツールを開発し、保護に役立てるという。

また、「ショパール」はアルパイン・イーグル・ファウンデーションの継続的な活動を支援するため、22年秋にローンチした深みのあるパイングリーンの文字盤を備えた“アルパイン イーグル 41”の“ルーセントスティール”製モデル(232万1000 円)と18Kエシカルローズゴールド製モデル(789万8000円)の売り上げの一部を寄付している。

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「ショパール」が “アルパイン イーグル”の新作を発表 アルプスの自然保護活動にも新展開

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は10月5日、2019年にデビューしたラグジュアリースポーツウオッチ “アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新作モデルをジュネーブで発表した。イーグル(ワシ)の鋭い目の虹彩から着想した文字盤や羽根からヒントを得た秒針が特徴の同コレクションは、1970年代末にカール・フリードリッヒ・ショイフレ(Karl Friedrich Scheufele)共同社長が初めて考案した“サンモリッツ(ST. MORITZ)”を現代的に再解釈したもの。その開発には、カール・フリードリッヒ共同社長と息子のカール・フリッツ(Karl Fritz Scheufele)、父のカール(Karl Scheufele)会長というショイフレ家の親子3世代が携わった。年々バリエーションを増やし、現在は33、36、41、44mm径の4サイズ展開で、クロノグラフのほか、高振動ムーブメント、フライングトゥールビヨンなどの複雑機構を備えたモデルをラインアップしている。

今回登場した新作は、鮮やかな色が目を引く“マリタイムブルー”の文字盤とスポーティーなラバーストラップで仕上げた“アルパイン イーグル XL クロノ”。同コレクションでは、これまでもアルプスの美しい自然の色彩からインスピレーションを得てきたが、“マリタイムブルー”は山脈の南斜面から見下ろす地中海を連想させる。44mm径のケースには、リサイクルスチールを80%用いた独自素材“ルーセントスティール”を使用。金属アレルギーを起こしにくく、磨耗耐性に優れた素材は、上品な輝きを放つ。またムーブメントは、スイスの工房で職人が開発から組み立てまでを一貫して行う機械式自動巻きクロノグラフムーブメント“ショパール 03.05-C”を採用。60時間のパワーリザーブを確保し、クロノグラフ機能の正確な調整とスムーズな操作性を保証する巧緻な機構が特徴だ。価格は295万9000円。日本での発売日は未定だが、「ショパール」のブティックのみでの限定販売を予定する。

アルプスでのワシの保護活動でも新プロジェクトを始動

ショイフレ共同社長は新モデルの発表に合わせ、アルプス山脈の専門家と愛好家と共に2020年に立ち上げた非営利組織アルパイン・イーグル・ファウンデーション(ALPINE EAGLE FOUNDATION)の活動に関しても、新たなプロジェクトを発表した。同財団の目的は、「アルプス地域全体、そしてその地で暮らす生命のために、人々の意識を高め、支援を集め、行動を起こすこと」。22年からは最重要プロジェクトとして、レマン湖畔でのオジロワシの再導入に取り組んでいる。湖の周辺はもともと同種の生息地として知られていたが、人間による狩猟などによって130年前に姿を消したという。その復活を図るため、湖の近くにあり、80種320羽の鳥類を飼育する「レマン湖のワシ」動物公園で育成が行われており、22年6月には最初の4羽のヒナが巣立った。30年までに約80羽を自然界に放つことを計画する。

同公園で発表された新プロジェクトは、スイスアルプスに生息するイヌワシの保護に焦点を当てたもの。アルプスの標高の高い場所への風力タービンの設置によってイヌワシのような大型猛禽類がブレード(タービンの羽根)に衝突する可能性が高まることから、潜在的な影響を予測し、リスク地域へのタービン設置回避を目指す。ベルン大学保全生物学部長のラファエル・アルルタ(Raphael Arlettaz)教授と共に取り組む同プロジェクトでは、イヌワシの飛行高度パターンのモデル化や、地形や気象条件、餌の有無が飛行行動に及ぼす影響の研究、飛行回避行動の調査により、衝突危険性の高いエリアを特定するツールを開発し、保護に役立てるという。

また、「ショパール」はアルパイン・イーグル・ファウンデーションの継続的な活動を支援するため、22年秋にローンチした深みのあるパイングリーンの文字盤を備えた“アルパイン イーグル 41”の“ルーセントスティール”製モデル(232万1000 円)と18Kエシカルローズゴールド製モデル(789万8000円)の売り上げの一部を寄付している。

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「クロエ」の新クリエイティブ・ディレクターは、フィービー&クレア時代の同メゾンに携わった女性デザイナー

「クロエ(CHLOE)」は10月9日、チェメナ・カマリ(Chemena Kamali)新クリエイティブ・ディレクターの就任を発表した。9月28日に発表した2024年春夏コレクションを以って退任したガブリエラ・ハーストの後任となる。カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、24年1月に初めて手掛けるプレ・コレクションをパリで発表し、24年2月のパリ・ファッション・ウイークに披露する2024-25年秋冬コレクションでランウエイデビューを果たす予定だ。

カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、1981年ドイツ生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校でルイーズ・ ウィルソン(Louise Wilson)教授のもとで学び、2007年にファッションの修士号を取得した。卒業後、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「クロエ」でデザイナーとしてのキャリアをスタート。その後一度はブランドを離れたが、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「クロエ」を率いていた13年、デザイン・ディレクターに就任した。その後、16年からはアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)による「サンローラン(SAINT LAURENT)」でウィメンズのレディ・トゥ・ウエア・デザイン・ディレクターを務めていた。

今回、キャリアの原点である古巣に戻ることになった彼女は、「私の心はいつも『クロエ』にあった。20年以上前に『クロエ』の門をくぐって以来、このメゾンに戻るのは自然であり、パーソナルなこと。ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)とカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がメゾンの歴史の初期に定義したビジョンを基に、この役割を担うことをとても光栄に思いる。『クロエ』のエモーショナルなつながりとスピリットを現代に伝えていきたい」とコメントした。

一方、リカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)最高経営責任者は、「チェメナの並外れたクリエイティブな才能、豊富な経験、そしてメゾンの伝統と価値観とのユニークな結び付きは、『クロエ』にとってナチュラルな選択だ。ブランドへの愛にインスパイアされたチェメナのビジョンは、まさに『クロエ』のユニークなDNAを称えるものになるだろう。 チェメナはクロエのクリエイティブ・ディレクターであると同時に、クロエのスピリットを体現している。 彼女のビジョンが実現するのを楽しみにしている」と述べた。

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「クロエ」の新クリエイティブ・ディレクターは、フィービー&クレア時代の同メゾンに携わった女性デザイナー

「クロエ(CHLOE)」は10月9日、チェメナ・カマリ(Chemena Kamali)新クリエイティブ・ディレクターの就任を発表した。9月28日に発表した2024年春夏コレクションを以って退任したガブリエラ・ハーストの後任となる。カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、24年1月に初めて手掛けるプレ・コレクションをパリで発表し、24年2月のパリ・ファッション・ウイークに披露する2024-25年秋冬コレクションでランウエイデビューを果たす予定だ。

カマリ新クリエイティブ・ディレクターは、1981年ドイツ生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校でルイーズ・ ウィルソン(Louise Wilson)教授のもとで学び、2007年にファッションの修士号を取得した。卒業後、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「クロエ」でデザイナーとしてのキャリアをスタート。その後一度はブランドを離れたが、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「クロエ」を率いていた13年、デザイン・ディレクターに就任した。その後、16年からはアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)による「サンローラン(SAINT LAURENT)」でウィメンズのレディ・トゥ・ウエア・デザイン・ディレクターを務めていた。

今回、キャリアの原点である古巣に戻ることになった彼女は、「私の心はいつも『クロエ』にあった。20年以上前に『クロエ』の門をくぐって以来、このメゾンに戻るのは自然であり、パーソナルなこと。ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)とカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がメゾンの歴史の初期に定義したビジョンを基に、この役割を担うことをとても光栄に思いる。『クロエ』のエモーショナルなつながりとスピリットを現代に伝えていきたい」とコメントした。

一方、リカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)最高経営責任者は、「チェメナの並外れたクリエイティブな才能、豊富な経験、そしてメゾンの伝統と価値観とのユニークな結び付きは、『クロエ』にとってナチュラルな選択だ。ブランドへの愛にインスパイアされたチェメナのビジョンは、まさに『クロエ』のユニークなDNAを称えるものになるだろう。 チェメナはクロエのクリエイティブ・ディレクターであると同時に、クロエのスピリットを体現している。 彼女のビジョンが実現するのを楽しみにしている」と述べた。

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「バレンシアガ」がパリ本社でアーカイブ展 創業者が顧客のために制作した30着のクチュールを披露

「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、ヨーロッパ文化遺産の日(Journees du Patrimoine)にあたる2023年9月16、17日(現地時間)、創業者クリストバル・バレンシアガ(Christobal Balenciaga)のアーカイブ展覧会「ザ・ウーマン・ビハインド・ザ・ドレス(The Women Behind The Dress)」を開催した。フランスでは毎年9月の第3週目にヨーロッパ文化遺産の日を設け、政府機関や文化施設、美術館などを解放し、多くは無料で来場者を受け入れる。「バレンシアガ」はこの文化発展・向上を目的としたイベントのために、普段は関係者のみが入れるパリのケリング(Kering)と同メゾンの本社であるセーブル通り40番地を一般開放し、創業者が制作した未発表作品を含む30着のオートクチュールと20点の形態学的なマネキンを展示。メゾンのクライアントであったロイヤルファミリーや著名人から親しい友人まで、それぞれの身体に合わせて作られたオーダーメードの作品を通じて、女性の身体に対する創業者の特別な配慮と衣服で自己表現する方法をたたえた。

展覧会で披露されたのは、クリストバルと個人的に親交のあった顧客のために40年代後半〜60年代中盤に制作されたドレス。その顧客は、モナコ公国の公妃でアメリカ人女優だったグレース・ケリー(Grace Kelly)や、1947年から創業者が引退する68年までメゾンのディレクターを務めたマドモワゼル・レネ(Madamoiselle Renee)から、ジョン・F・ケネディ(John F Kennedy)が米大統領を務めていた頃にホワイトハウスにバラ園を創設したアメリカ人造園家でアートコレクターのレイチェル・L・メロン(Rachal L Mellon)、創業者の出身国であるスペインの外交官の妻まで幅広い。

デコルテとショルダーラインを美しく見せるネックラインの独特なカットや、ビーズとスパンコールを用いた緻密な刺しゅう、ドレープで生み出す優美な装飾にも目を引かれたが、最も際立っていたのは“ファッション界の建築家”と呼ばれた創業者が生み出したシルエットの美しさだ。当時人気を博していたウエストをシェイプさせたAラインシルエットのほかに、58年の作品である“サック・ドレス”や60年代に発表された“ケープ・コート”をほうふつとさせる、ウエストラインを持たない独自の構造で作られた造形的なドレスが並ぶ。接ぎ線を最小限にとどめ、ベルベットやシルクタフタといった厚みのある素材の特性を生かして立体的に仕立てたり、裁断線を最小限に抑えることで前身頃から一枚続きで仕立てたように見える彫刻的なシルエットを描いたりと、計算され尽くした構造と優れた裁断技術が遺憾なく発揮されている。そんな服作りを通して、クリストバルはシルエットに変革をもたらし、女性に対する抑制された理想を軽やかに取り除いた。現在メゾンを率いるデムナ(Demna)=アーティスティック・ディレクターは、「彼が服を使って身体の上に創り出したものは、ちょっとした美容整形のようなものだった」とコメントを寄せた。

同展では、各作品の隣に、着想者の身体の構造を再現した衣服のプロトタイプを、チュールやパッドを使ってメゾンのクチュリエが表現した作品が並んだ。これらは、創業者が制作した作品をもとに実際の肩幅やウエスト、背筋の曲がり方までが再現されている。そこからは、一人ひとり異なるユニークな身体に合う一点もののドレスを作った、創業者の厳格なものづくりへの姿勢が垣間見える。

完璧を追い求めた創業者の理念と美学は、今なお受け継がれている。展示された作品の一つで、ネックラインにパールがあしらわれたベルベットのドレスは、グレース公妃が40歳の誕生日のためにオーダーした作品。もともとは66年に創業者のお気に入りでありハウスモデルを務めていたダニエル・スラヴィック(Danielle Slavick)が着用して公に披露されたものだ。そして今年7月に発表されたメゾン52回目のクチュールショーでは、デムナによって忠実に再現されたドレスを彼女が再び着用し、伝統と遺産のつながりを示す象徴的な作品としてファーストルックを飾った。2日間のみ無料で開放された同展で「バレンシアガ」は、創業者から継承される衣服を造形する熟練の技をたたえるとともに、それらを身にまとう女性に対する新たな視点と評価の方法を提案した。

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「カルティエ」がパリの専門教育機関を一般開放 職人技術を未来に継承する場でサヴォアフェールに触れる

「カルティエ(CARTIER)」は、ヨーロッパ文化遺産の日(Journees du Patrimoine)にあたる9月16、17日(現地時間)、パリ中心地に構えるジュエリー専門職人の研修の場「カルティエ インスティチュート(Cartier Institute)」のオープンハウスを開催した。同施設は2002年に設立され、18世紀に私邸として建てられたパリ9区の現在の場所へと16年に移転。従業員である職人に対して継続的な教育を行い、専門能力の発展をサポートすることを掲げており、フランスで働く約340名の職人のうち、毎年150〜200人がトレーニングを受けている。同施設で提供されるトレーニングは、年間4500時間に上る。

オープンハウスのプレビューでは、各分野の職人から直接説明を聞けたほか、模型の制作体験が提供され、「カルティエ」のユニークな専門知識に触れることができた。3フロアからなる施設の最初のスペースでは、まずジュエリーの礎となるロストワックス鋳造によるワックスモデリングが行われる。そして、金属模型から型を取り、その型にワックスを注入し、さらにそこに石膏を入れ、最後に貴金属を石膏型に流し込むという作業工程を経ていく。ワックスは極端に柔らかいため、力を入れなくても自由に加工でき、金属では作りにくい流れるような曲線を作り出せる。装飾だけでなく、快適な着け心地を保証するのに重要なプロセスだという。

その近くの作業台では、宝石細工師が原石を美しいジュエリーへと昇華させる緻密な作業に勤しんでいた。「カルティエ」で宝石細工師として28年間も技術を磨き続けるベテランの職人は、「天然の内包物の位置や色の濃淡、へき開面(結晶面に平行して割れた面)が異なる一つひとつの原石の特徴を考慮してカットする必要があります。石と向き合い、命を吹き込む作業は、非常に大きな感情を喚起し、それがジュエリーと着用者に伝わると思っています」と話した。

それらの宝石は、石留職人により一つひとつ石座にセットされていく。宝石をセッティングする方法は複数あり、それぞれに使用される工具やノウハウも異なる。一つの技法を極めるのに、10年の時間が必要だという。なかには、宝石をセッティングする場所にドリルで一つずつ石座となる穴を開けて、彫金鏨(たがね)でダイヤモンドを留める爪を掘り起こす複雑な技術もある。「カルティエ」を象徴するパンテール(豹)のモチーフには、6種類のセッティングを取り入れることで、貴金属と全体の調和、宝石の輝きを最大限に引き出している。そして、セッティング作業の前後に欠かせないのが宝石研磨。わずかな違いで輝きや強度に変化が起こる研磨のステップは、約0.003mmの調整を手作業で行う繊細な世界だ。宝石の研磨法が開発されたのは600年以上前と非常に古く、「カルティエ」の宝石研磨師はガチョウの羽根を使って研磨する先祖伝来のさまざま技術を習得している。

2階には、宝石彫刻師らがデザイン画の作成から彫刻を行う作業場が設けられている。彼らはトルマリンやスギライトといった貴石に、切削研磨する工具やドリルを用いてインタリオ(沈み彫り)とカメオ(浮き彫り)、彫刻で花やパンテールを描き出す。フランス人間国宝の称号メートル・ダールを授与されたフィリップ・ニコラ(Philippe Nicolas)が10年に「カルティエ」に内包されるアトリエを設立し、その技術を弟子たちが継承している。芸術的な工芸品である宝石彫刻を教える学校は存在しないため、メゾンだけでなく国にとって、このアトリエは技術の保護と永続に関わる非常に貴重な場だ。

プレビューを通して、同施設は職人技術の伝承と未来の職人を養う場として機能していることが見て取れた。さらに、ジュエリー専門学校の学生を実習生・研修生として同施設に受け入れ、ジュエリー業界全体の発展と雇用促進にも寄与する。若手の育成を未来への投資と捉え、本年度は学生の採用数を2倍に増やしたうえ、今後も積極的にトレーニングの機会を設けるという。

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「アレキサンダー・マックイーン」のサラ・バートンが退任 勤続26年でキャサリン妃のウエディングドレスも制作

ケリング(KERING)は9月11日、傘下ブランド「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」を率いるサラ・バートン(Sarah Burton)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。今月30日にパリ・ファッション・ウイークで披露する2024年春夏ウィメンズ・コレクションが最後のコレクションになる。後任は、追って発表予定だ。

バートン=クリエイティブ・ディレクターは、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校在学中の1996年に同ブランドでインターンを始め、卒業後に入社。ファッション界の“異端児”と呼ばれた創業者のリー・アレキサンダー・マックイーン(Lee Alexander McQueen)のパーソナルアシスタントになり、2000年にはウィメンズウエアのヘッドデザイナーに昇進した。10年2月にリーが自殺によって40歳でこの世を去った後、同年5月に現職に就任。彼女が初めて一から手掛けた11年春夏は「アレキサンダー・マックイーン」らしい美学にフェミニンな要素を加えたコレクションで好評を博し、その後もリーのシャープなテーラリングとダークかつグラマラスな美学に忠実なコレクションを提案し続けてきた。11年に英国王室のキャサリン妃のウエディングドレスを手掛けたことでも知られ、同年にブリティッシュ・ファッション・アワード (現ザ・ファッション・アワード)でデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。12年には、ファッション業界への貢献が認められ、チャールズ皇太子(当時・現在は国王)から大英帝国勲章(OBE)が授与された。

退任に際し、バートンは「『アレキサンダー・マックイーン』で取り組んできたことと素晴らしいチームを誇りに思っている。彼らは私の家族であり、26年間ここは自分にとってのホームだった。私を信じ、この素晴らしい機会を与えてくれたフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)(=ケリング会長兼CEO)に感謝したい。そして、何よりも多くのことを教えてくれたリーへの感謝の思いを忘れることはない。私は未来と自分の次の章を楽しみにしているし、このかけがえのない時間を胸に抱き続けていくだろう」と述べた。

また、ジャンフィリッポ・テスタ(Gianfilippo Testa)「アレキサンダー・マックイーン」CEOは、「メゾンの歴史の中で、このような重要な章をつづってくれたサラへの感謝は計り知れない。26年にわたる彼女の貢献は、消えることのない足跡を残すだろう」とコメント。ピノー会長兼CEOは、「自身の経験や感性、才能を生かし、サラはこのアイコニックなメゾンのアーティスティックな表現を進化させ続けてきた。彼女は、リーの遺産やディテールへのこだわり、ユニークなビジョンを守り続け、同時に彼女自身のパーソナルかつクリエイティブなタッチを加えた」と評価し、感謝の意を表した。

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「ディオール」を約30年率いたマルク・ボアンが死去 享年97歳

ファッションデザイナーのマルク・ボアン(Marc Bohan)が9月6日、フランス・ブルゴーニュ地方のシャティヨン・シュル・セーヌで死去した。享年97歳。葬儀は、13日に現地のサン・ニコラ教会で執り行われる予定だという。

ボアンは1926年パリ生まれ。デザイナーのロベール・ピゲ(Robert Piguet)やエドワード・モリノー(Edward Molyneaux)のアシスタントとしてキャリアをスタートし、53年に自身のメゾンを設立したものの、わずか1シーズンで閉鎖。54〜57年には「ジャン パトゥ(JEAN PATOU)」のオートクチュール・コレクションを手掛けた。その後、58年に「ディオール」のロンドン支社にクリエイティブ・ディレクターとして入社。2代目クチュリエのイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が徴兵によりメゾンを去った60年、ボアンはその後任に抜てきされた。初めて手掛けた61年春夏オートクチュール・コレクションでは、“スリムルック”を発表。「ディオール」を最も長く率いたデザイナーであり、その期間は創業者のクリスチャン・ディオール(Christian Dior)自身よりも長い。89年まで、30年近く同メゾンのコレクションを手掛けてきた。

プライベートを大切にする人物であったボアンは、冷静沈着な性格と“リアルな女性”のための服のデザインを重視することで知られた彼は、“タイムレスな美の概念”を表現。「私は現実の女性のために服を作っているのであって、自分のためでも、マネキンのためでも、ファッション雑誌のためでもない。抽象的なクリエイションは喜んで他のデザイナーに任せる」と、メゾンの創立25周年を記念した米「WWD」のインタビューで語っていた。

また、「私のスタイルは、キャリアを通じて一貫していた。顧客である女性たち以外の誰かのためにデザインしていたわけではなかった。彼女たちが美しいと感じることが重要だった」と07年に振り返っていたボアンは、コンサバティブなセンスの良さにユーモアや気の利いた要素を取り入れたスタイリッシュでフェミニンなクリエイションで評価を得た。キャリアを通して、エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)やソフィア・ローレン(Sophia Loren)、グレース・ケリー(Grace Kelly)、ジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)、マリア・カラス(Maria Callas)らを顧客に抱え、俳優や歌手からファーストレディーやロイヤルファミリーまでに愛された。

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BLACKPINKのLISAが有名キャバレーのクレイジー・ホースで公演 パリコレ期間中に

BLACKPINK(ブラックピンク)のLISA(リサ)はパリ・ファッション・ウイーク期間中の9月28〜30日、ジョルジュサンク通りにある世界的に有名なキャバレー、クレイジー・ホース(CRAZY HORSE)のショーにゲスト出演する。以前からそのユニークなスタイルのファンだったというLISAは“クレイジー・ガール”の一員になり、「But I Am a Good Girl」や「Crisis? What Crisis?」など同キャバレーを代表するオリジナルナンバーのパフォーマンスを披露する予定だ。衣装は、個人的なアレンジを加えながらもショーで使われる通常のものを着用するという。なお、公式サイトで1枚250ユーロ(約3万9500円)で発売された3夜限定5公演のチケットは、すでに完売している。

1951年に開業したクレイジー・ホースは、これまでも俳優のアリエル・ドンバール(Arielle Dombasle)やパメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)、歌手のコンチータ・ヴルスト(Conchita Wurst)、バーレスクダンサーのディタ・フォン・ティース(Dita von Teese)といったゲストスターを迎えた公演を行ってきた。また、その芸術的なアプローチで高く評価されており、衣装やセットのデザインのために、シューズ界を代表するクリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)やランジェリーデザイナーのシャンタル・トーマス(Chantal Thomass)といったゲスト・アーティスティック・ディレクターを起用したこともある。

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LVMH傘下の眼鏡メーカーが“007”も着用の仏ブランドを買収

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)は、ロンドンの投資会社ネオ インベストメント パートナーズ(NEO INVESTMENT PARTNERS)からフランスのアイウエアブランド「ヴュアルネ(VUARNET)」を買収した。取引額は非公表。2018年にイタリアで設立されたティリオスは現在、多くのLVMH傘下のブランドとライセンス契約を結び、アイウエアの製造・流通を手掛けているが、ブランドの買収は今回が初めてになる。

アレッサンドロ・ザナルド(Alessandro Zanardo)最高経営責任者(CEO)は「『ヴュアルネ』を買収するチャンスは、私たちにとってふさわしいタイミングで訪れた。アイウエア業界での地位を築く6年間の重要なステップを経て、ブランドを傘下に収めて運営を始める準備が整ったと感じている」とコメント。そして、「私たちはとても堅実だ。デザイン、開発、品質における専門知識や技術を確立するとともにグローバルな商業ネットワークを構築し、世界各地で支社を設立し、市場で最高の小売業者との関係を強化してきた」と続ける。買収により、研究開発能力や専門知識、世界的なネットワークなど同社の幅広いリソースを生かし、ブランドの成長とグローバル展開を推進する。

「ヴュアルネ」は、1957年に眼鏡技師のロジェ・プイユ(Roger Pouilloux)とオリンピック金メダリストのスキー選手であるジャン・ヴュアルネ(Jean Vuarnet)が創業。ミネラルレンズ製造の先駆者としても知られ、パリ近郊のモーにある製造拠点はフランス政府から「無形文化財企業(Entreprise du Patrimoine Vivant)」の認定を受けている。2000年代初めから休眠状態にあったが、15年にネオ インベストメント・パートナーズが買収し復活させた。スポーツギアが起点のブランドではあるが、「テクニカルなブランドではなく、自然やサステナビリティとも結びついた、よりライフスタイル的なアウトドアブランドとして捉えている」とザナルドCEOは述べる。またスタイルという点では、象徴的なモデルを映画「太陽が知っている」(1969)のアラン・ドロン(Alain Delon)や「007 スペクター」(2015)のダニエル・クレイグ(Daniel Craig)ら有名俳優が作中で着用し、人気を集めてきた。

ティリオスは以前から「確かな特徴のある」ブランドを傘下に収めることに目を向けており、「ヴュアルネ」の歴史や、大切にし続けてきた確固たる価値観、オリンピック精神、そしてスタイルへのラグジュアリーなアプローチは求める条件に合致する。買収によって、同社は「ファッションではなくアイウエアからスタートした」ブランドでポートフォリオを拡大できる。しかし、保有するブランドの育成に重点を移すかという問いに対しては「他のブランドがこのような特徴を持ち、強力なノウハウとデザイン性を備えた比類なきブランドである場合に限る」と説明。ライセンスよりも傘下ブランドでポートフォリオを拡げることは意図していないとし、「ヴュアルネ」は同社のポートフォリオ戦略に調和して他のブランドを補完するものだという。今後は、同ブランドの純粋な魅力を保ち、流通を絞ることで、ポジショニングをさらに高めていく計画だ。

なお、ティリオスはLVMHとイタリアの大手アイウエアメーカーであるマルコリン(MARCOLIN)の合弁会社として設立されたが、21年12月にLVMHがマルコリンの所有する全株式を取得して完全子会社化。アイウエア業界におけるプレゼンスを強化しており、現在は「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「ケンゾー(KENZO)」「ベルルッティ(BERLUTI)」などのアイウエアを製造している。

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スカルのカシミヤセーターで有名な「ペラフィネ」が新クリエイティブ・ディレクター起用 

フランスのカシミヤブランド「ペラフィネ(PELLAT-FINET)」は、デザイナー兼コンサルタントのドリス・ラーサン(Dryce Lahssan)をクリエイティブ・ディレクターに任命した。創業者のルシアン・ペラフィネ(Lucien Pellat-Finet)退任後初のクリエイティブ・ディレクターとなるラーサンは、コレクションとブランドイメージを監修。秋の2024年春夏パリ・ファッション・ウイーク中に、ステートメントピースのセレクションを含む初のコレクションをバイヤーやパートナー向けに披露する予定だ。

ラーサン新クリエイティブ・ディレクターは、パリのファッションスクール、スタジオ ベルソー(Studio Bercot)を卒業。「ブルガリ(BVLGARI)」や「メアリー カトランズ(MARY KATRANTZOU)」などのブランドのコンサルタントを務める傍ら、10年には自身のトレンチコートに特化したブランド「ラーサン(LAHSSAN)」を立ち上げた。「ペラフィネ」に加わることについては、「このような常識を打ち破るマインドセットから生まれたブランドを引き継ぐことは、またとないチャンスだ」とコメント。「私は常にラグジュアリーを再定義し、破壊的なアプローチでラグジュアリーを未来へと前進させようとしている。最高のカシミヤ職人や工場と働きながら、それに取り組めることが楽しみだ。『ペラフィネ』は、ラグジュアリーと自己表現の間にある現代的なバランスの上に成り立っているブランド。そのバランスが、私に新たなデザインコードでブランドの未来を思い描く大きな自由を与えてくれる」と付け加えた。

来年30周年を迎える「ペラフィネ」は、1994年に「ルシアン ペラフィネ(LUCIEN PELLAT-FINET)」として設立。マリファナの葉やスカルなどのモチーフをあしらった色鮮やかなカシミヤセーターで一躍有名になった。2019年、破産手続きに入り裁判所の管理下にあった同ブランドを、フランスのコンテンポラリーブランド「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG&VOLTAIRE)」の創業者であるティエリー・ジリエ(Thierry Gillier)が買収。21年にブランド名を「ペラフィネ」に改めるとともにロゴなどを刷新し、よりミニマルでタイムレスな高級ニットへと軸足を移した。また今年、有名ブランドが軒を連ねるパリ・サントノレ通り(326 RUE SAINT-HONORE, 75001 PARIS)にもショップを開き、認知の向上とビジネスの発展を目指している。

なお、伊藤忠商事子会社のコロネットがディストリビューションを手掛ける日本では、現在も「ルシアン ペラフィネ」としてブランドを運営。海外で展開されている「ペラフィネ」のコレクションを輸入販売しているほか、「ラミダス(RAMIDUS)」など日本のブランドとのコラボレーションなど日本独自の商品も販売している。今後の方向性にについて、同社はパリと連携しながら(輸入販売する)商品の企画を行うとともに、長年の信頼関係から実現したフレキシブルなローカライズMDに取り組み、グローバルでのリブランディングと日本での展開を連動させていくとしている。

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2024年春夏ファッション・ウイークの見どころは? NY、ロンドン、ミラノ、パリの注目トピックを総まとめ 

9月に入り、ニューヨーク(NY)を皮切りに、海外の2024年春夏ウィメンズ・ファッション・ウイークが本格的に開幕する。今季は「グッチ(GUCCI)」や「トム フォード(TOM FORD)」「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」などが新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーを開くほか、「マルニ(MARNI)」はパリでの発表を予定。公式スケジュールに復帰してショーを開くブランドも数多い。NY、ロンドン、ミラノ、パリ各都市の見どころを紹介する(日時はすべて現地時間)。

NEW YORK

9月8〜13日に開催されるNYファッション・ウイーク(NYコレ)の目玉は、ピーター・ドゥ(Peter Do)がクリエイティブ・ディレクターに就任した新生「ヘルムート ラング」だ。デビューに先駆け、ドゥは「『ヘルムート ラング』のレガシーを守りながら、私自身の視点とクリエイティビティーを吹き込むことに全力を注いでいる。ブランドのエネルギーみなぎる新章で、NYコレの幕開けを飾ることを楽しみにしている」とコメント。初日8日の14時からショーを開く。また、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」や「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」も、4年ぶりにNYコレでランウエイショーを開催。オフスケジュールでは、7日夜に「コーチ(COACH)」が、8日朝に「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」が新作を発表する予定だ。

なお、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA)の会長であり、7月に設立20周年を記念したオートクチュールをパリで披露したトム・ブラウン(Thom Browne)率いる「トム ブラウン(THOM BROWNE)」はNYFW期間中の発表を予定しておらず、「今後、NYと海外の両方でブランドの20周年を祝う一連の取り組みを計画している」としている。

LONDON

9月15〜19日に開かれるロンドン・ファッション・ウイークは、若手から中堅の復帰組が多数。「アシッシュ(ASHISH)」や「チョポヴァ ロウェナ(CHOPOVA LOWENA)」「ステファン クック(STEPHANE COOKE)」「ハルパーン(HALPERN)」「フーシャン ザン(HUISHAN ZHANG)」「フィービー イングリッシュ(PHOEBE ENGLISH)」「スプリヤ レーレ(SUPRIYA LELE)」「ノウルズ(KNWLS)」などがロンドンのランウエイに戻ってくる。また16日には、英国ファッション協議会(British Fashion Council以下、BFC)による若手デザイナー育成・支援プログラム「ニュージェン(NEWGEN)」の30周年を記念した展覧会「リベル:ロンドンファッションの30年(REBEL:30 Years of London Fashion)」も、デザインミュージアムで開幕。同プログラムから巣立ち、人気ブランドに成長した「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」は16日、「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」は17日にそれぞれ新作を発表する。さらに「バーバリー(BURBERRY)」は、18日にダニエル・リー(Daniel Lee)就任後2回目のショーを行う予定だ。

MILAN

9月19〜25日に開催予定のミラノ・ファッション・ウイークで注目すべきは、やはりアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任したサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)による新生「グッチ」、そしてNYからミラノに発表の場を移し、創業者の後を継いだピーター・ホーキングス(Peter Hawkings)による「トム フォード」のデビューだ。「グッチ」は22日15時、「トム フォード」は21日21時にショーを開催する。また、「バリー(BALLY)」も2シーズンで退任したルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)であるシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)が手掛ける初のコレクションを23日17時からお披露目する。

一方、「トッズ(TOD’S)」は、すでに退任が発表されているヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)によるラストショーを計画。ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)が去り後任が未定の「モスキーノ(MOSCHINO)」は、設立40周年を記念して、ケイティ・グランド(Katie Grand)やガブリエラ・カレファ・ジョンソン(Gabriella Karefa-Johnson)ら著名スタイリスト4人が創業者フランコ・モスキーノ(Franco Moschino)の作品から着想を得たコレクションを制作する。グレン・マーティンス(Glenn Martens)による「ディーゼル(DIESEL)」は再び一般客も招き、開かれたファッションショーを見せる。チケットは、6日からブランドの公式サイトで先着順に配布予定だ。

PARIS

9月25日〜10月3日に行われるパリ・ファッション・ウイーク(パリコレ)は、108ブランドが公式スケジュールに名を連ねる。NYや東京などシーズンごとに異なる都市でのショーを続けているミラノ発の「マルニ(MARNI)」は今季、9月27日15時半からパリでコレクション発表を予定。半年前はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク(パリメンズ)のトリに男女合同ショーを行った「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」も、今回はウィメンズのファッション・ウイークに復帰し、10月2日21時からショーを開く。また、1月には“シーナウ・バイナウ(See Now, Buy Now)”形式のコレクションを見せた「ミュグレー(MUGLER)」は一転して、他のブランドと同様に半年先に発売するコレクション(24年春夏)を披露予定だ。

新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーは、「ラコステ(LACOSTE)」を率いてきたルイーズ・トロッター(Louise Trotter)が就任し、5年ぶりにパリのランウエイに復帰する「カルヴェン(CARVEN)」と、わずか半年でブランドを去ったルドヴィック・デ・サン・サーナン(Ludovic de Saint Sernin)の後任として内部昇進した27歳のステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)が手掛ける「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」。どちらも9月30日にショーを開催予定だ。一方、「クロエ(CHLOE)」はパーパス・ドリブンなブランドへの改革の立役者となったガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)による最後のコレクションを28日に発表する。

また、NYの「ピーター ドゥ(PETER DO)」やオランダの「デュラン ランティンク(DURAN LANTHINK)」がパリコレデビューを果たすほか、過去3シーズンはオフスケジュールでウィメンズ・コレクションを発表してきた「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」も公式スケジュール入り。「カサブランカ(CASABLANCA)」は、パリメンズから発表の場を移す。オフスケジュールでは、X JAPANのリーダーであるYOSHIKIが手掛けるブランド「メゾン ヨシキ パリ(MAISON YOSHIKI PARIS)」が、新たに立ち上げたウィメンズラインのファッションショーを開く予定だ。

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名物アナリストが今後のラグジュアリー市場を分析 「富裕層とエントリー層を取り込めるメガブランドの見通しは引き続き明るい」

資産運用大手アライアンス・バーンスタイン(ALLIANCE BERNSTEIN)はこのほど、ラグジュアリーブランドや業界に精通したルカ・ソルカ(Luca Solca)=アナリストによるリポート「未来の高級品消費者(Luxury Goods Consumer of the Future)」を発表した。市場の動向について、彼は「新型コロナウイルスのパンデミックが明けた幸福感の中で、消費者は高級商材に溺れた後、“冷静さ”を取り戻す可能性が高い。そして、ラグジュアリーの成長はゆるやかになり、このセクターは周期的なパターンに戻るだろう」と分析。ただし、「富裕層とエントリー層という異なる顧客セグメントを取り込めるポジショニングにあるメガブランドの見通しは引き続き明るい」と続ける。

同リポートによれば、ほとんどのラグジュアリーブランドでは、上位5%の顧客が売り上げの40%以上を占め、下位50%の顧客は売り上げの約15%を生み出しているという。そして、「所得と富の格差が拡大し、社会ピラミッドの頂点に立つ人々の消費力が高まっている。現代のラグジュアリー業界はこの10年間、無限にエスカレートしているような限定アイテムやVIP向け施設とイベントなど、以前よりさらに賢く多様な方法で、トップ層の消費者と再びつながりを深めている」という見解を示す。

一方、ラグジュアリーのメガブランドは、ビューティアイテムやシューズ、ベルト、Tシャツ、コスチュームジュエリー、サングラスなど、ウエアやバッグよりも低価格帯のカテゴリーでの商品展開を拡大し、より多くの顧客との接点を持つようにもなっている。例えば、「プラダ(PRADA)」は、8月にスキンケアとメイクアップ製品をローンチしたばかりだ。ソルカ=アナリストの見解では、高級品への欲求は普遍的なものになりつつあり、「私たちは、個人の権利と自己主張の時代を生きている。“理想の自分”になる手助けをしてくれるラグジュアリーブランドは、今の時代の気分や思考に完璧にフィットしている」と述べる。

さらに、大手ラグジュアリーブランドは、「排他性を維持しているように見せる」ためにカテゴリーの住み分けを行うことで、拡大する中流階級にもブランドを浸透させているようだ。これは、エントリー層の顧客向けのカフェやVIP顧客をもてなすプライベートサロンなど、店舗の設備にまで及ぶ。その象徴的な例が、「ディオール(DIOR)」のパリ・モンテーニュ通り30番地にある本店だ。リポートによると、同店は「あらゆるレベルの消費者が“(自分が所属する)階層”の範囲内で楽しめるように構成されており、一般客は12ユーロ(約1900円)で併設するミュージアム“ラ ギャラリー ディオール(LA GALERIE DIOR)”を訪れることができる一方、限られたトップ顧客はプライベートスイートを予約することができ、滞在中に数百万ユーロを使う」。

世界の主要市場の現状は?

リポートでは、パンデミック後の幸福感による2年半の再興を経て落ち着いたアメリカ市場をラグジュアリーセクター正常化の先駆けとして捉えており、その(一時的な)成長の流れを中国市場が引き継いだと見ている。そして、「日本など、コロナによる規制解除が遅かった国の人々は今でもYOLO(You Only Live Onceの略、“人生は一度きりだから思い切り楽しもう”という意味合いの言葉)モードだ。アメリカ人と比べると、ヨーロッパ人さえ、もっと楽観的だ」という。

またソルカ=アナリストは、「平時のラグジュアリー消費は、消費者がより豊かになったと感じているかに左右される。具体的には、経済成長が加速し、資産市場の価格が上昇し、金融緩和が行われたときに消費意欲が高まる」と説明。「ただ、これらの要因がどうであろうと、多かれ少なかれ、お金は使えるうちに使おうという意識は、パンデミックがもたらした結果の一つだ」と話す。

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「バレンシアガ」が12月に2024年フォール・コレクションのショー開催 近年人気のロサンゼルスで

「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は12月2日にアメリカ・ロサンゼルスで、2024年フォール・コレクション(プレ・フォールシーズンに相当)のショーを開く。会場など詳細は未定。春夏シーズンにあたる24年サマー・コレクションは変わらず、9月25日〜10月3日に開催されるパリ・ファッション・ウイークで披露する予定だ。

デムナ(Demna)=アーティスティック・ディレクターがアメリカを新作発表の場に選ぶのは、これが2度目となる。1回目は昨年5月で、ニューヨーク証券取引所を舞台に「アディダス(ADIDAS)」とのコラボや新ライン“ギャルデローブ”を含む23年スプリングのショーを行った。

また近年、カリフォルニアは世界を飛び回るファッションショーのロケーションとして人気を集めている。今年に入ってからは、3月に「ヴェルサーチェ(VERSACE)」がパシフィックデザインセンターの屋上で23-24年秋冬コレクションを、5月に「シャネル(CHANEL)」がパラマウント・ピクチャーズ・スタジオで23/24年クルーズ・コレクションを発表。22年には、「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ラルフ ローレン(RAPLPH LAUREN)」「セリーヌ(CELINE)」が同州でショーを開催した。

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リシュモンが高級シューズブランド「ジャンヴィト ロッシ」の過半数株式を取得

「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は、イタリアのラグジュアリーシューズブランド「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」の過半数株式を取得し支配株主となった。取引額などの契約条件は非公表。創業者であるジャンヴィト・ロッシ(Gianvito Rossi)最高経営責任者(CEO)兼クリエイティブ・ディレクターも、引き続き同ブランドの株式を保有する。

今回の取引は、リシュモンがベルギーのラグジュアリー・レザーグッズブランド「デルヴォー(DELVAUX)」を買収し、ファッションやアクセサリーブランドからなる同社の“その他”の事業分野の強化を図った2年後に行われた。現在、同分野には、「クロエ(CHLOE)」「アライア(ALAIA)」「ダンヒル(DUNHILL)」「AZファクトリー(AZ FACTORY)」「モンブラン(MONTBLANC)」「セラピアン(SERAPIAN)」などが含まれる。フィリップ・フォルトゥナート(Philippe Fortunato)=リシュモン ファッション&アクセサリー メゾンCEOは「何よりもまず、これはパートナーシップだ」とし、ロッシCEO兼クリエイティブ・ディレクターが培ってきたサヴォアフェールや独創性あふれるセンス、スタイル、快適さを称賛。それを現在は娘のソフィアに伝えていることを挙げ、「リシュモンは、ファミリーの発展をとても大切に考えている」と話す。

また同社は、市場を席巻している“クワイエット・ラグジュアリー”の流れと、その中での靴専門ブランドの可能性を信じている。「ハイエンドシューズ市場は、ラグジュアリーの発展において極めて重要なフロンティアになるだろう。私たちは、顧客がより多くの靴を購入しているという根本的な傾向を目の当たりにしている」と、フォルトゥナートCEOは説明。近年、多くのラグジュアリーブランドはスニーカーに重点を置いてきたが、「洗練されたエレガントなシューズが今後、非常に強く加速していくと見ている」と付け加える。

一方、ロッシCEO兼クリエイティブ・ディレクターは「世界中に小売ネットワークを構築し、非常に高いレベルで顧客に素晴らしいサービスを提供できるパートナーを探していた」という。そして、ラグジュアリー市場における競争の激化を挙げ、オブジェとして鑑賞したり手に取ったりするのと同様に履いても“心地良い”ハンドメードシューズのデザインと制作にさらなる力を注ぎたいと明かす。

「ジャンヴィト ロッシ」は、著名シューズデザイナーである父のセルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)から靴作りを学んだジャンヴィト・ロッシが2006年にイタリアで設立。08年にミラノに初の路面店を開き、現在はローマ、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京、香港、ソウル、ドバイ、北京など世界に36店舗を構えている。また、セルフリッジ(SELFRIDGES)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)といった主要百貨店や「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」などのオンラインショップでも取り扱われている。市場関係者によると、22年の売上高は1億ユーロ(約153億円)弱で、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を上回ったという。また、経営状態は良好であり、利益を上げていると見られる。

フォルトゥナートCEOは、「ジャンヴィト ロッシ」がまだわずかにしか展開できていないアジア市場において、リシュモンが不動産と小売の専門知識を提供し、オムニチャネル戦略の発展をサポートできると言及。ハンドバッグとレザーグッズを当面の優先事項とし、製品ラインアップを拡大することもほのめかした。

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リシュモンが高級シューズブランド「ジャンヴィト ロッシ」の過半数株式を取得

「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は、イタリアのラグジュアリーシューズブランド「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」の過半数株式を取得し支配株主となった。取引額などの契約条件は非公表。創業者であるジャンヴィト・ロッシ(Gianvito Rossi)最高経営責任者(CEO)兼クリエイティブ・ディレクターも、引き続き同ブランドの株式を保有する。

今回の取引は、リシュモンがベルギーのラグジュアリー・レザーグッズブランド「デルヴォー(DELVAUX)」を買収し、ファッションやアクセサリーブランドからなる同社の“その他”の事業分野の強化を図った2年後に行われた。現在、同分野には、「クロエ(CHLOE)」「アライア(ALAIA)」「ダンヒル(DUNHILL)」「AZファクトリー(AZ FACTORY)」「モンブラン(MONTBLANC)」「セラピアン(SERAPIAN)」などが含まれる。フィリップ・フォルトゥナート(Philippe Fortunato)=リシュモン ファッション&アクセサリー メゾンCEOは「何よりもまず、これはパートナーシップだ」とし、ロッシCEO兼クリエイティブ・ディレクターが培ってきたサヴォアフェールや独創性あふれるセンス、スタイル、快適さを称賛。それを現在は娘のソフィアに伝えていることを挙げ、「リシュモンは、ファミリーの発展をとても大切に考えている」と話す。

また同社は、市場を席巻している“クワイエット・ラグジュアリー”の流れと、その中での靴専門ブランドの可能性を信じている。「ハイエンドシューズ市場は、ラグジュアリーの発展において極めて重要なフロンティアになるだろう。私たちは、顧客がより多くの靴を購入しているという根本的な傾向を目の当たりにしている」と、フォルトゥナートCEOは説明。近年、多くのラグジュアリーブランドはスニーカーに重点を置いてきたが、「洗練されたエレガントなシューズが今後、非常に強く加速していくと見ている」と付け加える。

一方、ロッシCEO兼クリエイティブ・ディレクターは「世界中に小売ネットワークを構築し、非常に高いレベルで顧客に素晴らしいサービスを提供できるパートナーを探していた」という。そして、ラグジュアリー市場における競争の激化を挙げ、オブジェとして鑑賞したり手に取ったりするのと同様に履いても“心地良い”ハンドメードシューズのデザインと制作にさらなる力を注ぎたいと明かす。

「ジャンヴィト ロッシ」は、著名シューズデザイナーである父のセルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)から靴作りを学んだジャンヴィト・ロッシが2006年にイタリアで設立。08年にミラノに初の路面店を開き、現在はローマ、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京、香港、ソウル、ドバイ、北京など世界に36店舗を構えている。また、セルフリッジ(SELFRIDGES)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)といった主要百貨店や「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」などのオンラインショップでも取り扱われている。市場関係者によると、22年の売上高は1億ユーロ(約153億円)弱で、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を上回ったという。また、経営状態は良好であり、利益を上げていると見られる。

フォルトゥナートCEOは、「ジャンヴィト ロッシ」がまだわずかにしか展開できていないアジア市場において、リシュモンが不動産と小売の専門知識を提供し、オムニチャネル戦略の発展をサポートできると言及。ハンドバッグとレザーグッズを当面の優先事項とし、製品ラインアップを拡大することもほのめかした。

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「セリーヌ オム」が2024年春夏ショーを中止 暴動が続くパリの緊迫した状況を受けて

「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」は、7月2日夜(現地時間)にパリ3区で開催予定だった2024年春夏ショーとアフターパーティーを中止する。6月27日にパリ郊外で17歳の少年が警察官に射殺されたことによる警察への抗議活動から発展した暴動や強盗が、毎晩続くパリの緊迫した状況を受けての決定だ。

招待客に中止を知らせるメールが送られたほか、エディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターは、「フランスとその首都が傷つき悲しんでいる中、パリでファッションショーを行うことは、私自身の考えでは思いやりに欠け、全く不適切なことのように思える」と自身のインスタグラムアカウントに投稿した。

その他にもパリの現状を受けて、「クロエ(CHLOE)」は6月30日に予定していたイベントをキャンセル。「クレージュ(COURREGES)」も、7月1日夜に計画していた年に一度のクラブイベントを延期した。一方、2日に予定されている「パトゥ(PATOU)」と「アライア(ALAIA)」のショーや3日から始まる2023-24年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークは現在のところ、計画通り開催される予定だ。

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2023-24年秋冬オートクチュールの見どころは、初参加の「トム ブラウン」にパリ近郊の古城でショーを開く「ヴァレンティノ」

2023-24年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークが、7月3日に開幕する。6日までの4日間にわたり、32ブランドが公式スケジュールでショーを行う。「ディオール(DIOR)」や「シャネル(CHANEL)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」「フェンディ(FENDI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」などの常連に加え、今季はニューヨークから「トム ブラウン(THOM BROWNE)が初参加。ブランドの設立20周年を記念して、ウィメンズとメンズからなる一度きりのクチュールを披露するという。独創的な演出を生かしたシアトリカルなショーを得意とするデザイナーが、どのようなコレクションを見せるのか注目だ。

また、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が年1回のクチュールを発表するほか、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」はパリから車で2時間ほどの場所にあるシャンティイ城でのショーを計画。おなじみになったゲストデザイナーによる「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は、「ラバンヌ(RABANNE、旧パコ ラバンヌ)」を率いるジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)が今季のコレクションを手掛ける。

期間中にはクチュール顧客でもある富裕層がパリに集まることから、「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「ショーメ(CHAUMET)」「ピアジェ(PIAGET)」「ミキモト(MIKIIMOTO)」などのジュエラーも、新作ハイジュエリーのプレゼンテーションや商談会を開催。クチュール期間に先駆けてヨーロッパ内の他都市で大規模な発表イベントを行うブランドも増えているが、ヴァンドーム広場を中心に、贅を尽くした一点もののジュエリーが集結する。

さらに開幕前日の2日夜には、「パトゥ(PATOU)」と「アライア(ALAIA)」が秋のウィメンズ・ファッション・ウイークに先駆けて、新作のプレタポルテを披露。一方、「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」は24年春夏メンズ・コレクションのショーを開く予定だ。

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フィービー・ファイロの新ブランドについて情報筋がコメント 9月発売の初のコレクションはウエアからアクセサリーまで150型以上を提案か

フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)前「セリーヌ(CELINE)」クリエイティブ・ディレクターが立ち上げたシグネチャーブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」は既報の通り、9月に初のコレクションを発売予定だ。情報筋によると、初のコレクションは、ウエアだけでなく、レザーグッズ、ジュエリー、アイウエア、シューズまで合わせて150型以上のアイテムをラインアップするという。同コレクションは公式オンラインショップを通じて販売され、まずはイギリス、ヨーロッパ、アメリカへの配送に対応するようだ。また、過去に「セリーヌ」で広告キャンペーンモデルも務めたモデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)をブランドの顔に起用したという。ただし、米「WWD」の取材に対し、ブランドの広報担当はコメントを差し控えるとしている。

ファイロは2021年7月、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)を少数株主として独立したブランドを立ち上げ、4年のブランクを経てファッション界に復帰することを発表。当時、彼女は「卓越した品質とデザインに根差した」服とアクセサリーを作ることを掲げ、「私は、自分の顧客や世界中の人々と再び触れ合うことをとても楽しみにしている。独立して、自分の責任のもとブランドを運営していくことは私にとって非常に重要なこと」と語っていた。しかし、それ以降はメディアと距離を置いてきた。その後、今年2月に公式インスタグラムアカウントを開設。7月に登録を開始するとともに、9月に初のコレクションを公式ウェブサイトで公開・発売する旨を発表した。情報筋によれば、ファイロがランウエイに復帰するのは少なくとも1年後で、店舗のオープンは26年以降になるという。

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「クリストファー ケイン」がブランド終了の危機 身売り先探しへ

英ロンドン拠点のブランド「クリストファー ケイン(CHRISTOPHER KANE)」を展開するクリストファー ケイン社は、経営破綻に直面し、管財人としてFTSリカバリー(FTS RECOVERY)を任命するべく意向通知を提出したことを明らかにした。

同社の代表は、「取締役会はこのほど、クリストファー ケインの救済計画を策定する十分な時間を確保するため、苦渋の決断を下した」と説明。「主なステークホルダーにはすでに通知済みだ。今後は既存債務の借り換え先、あるいは事業と資産の買い手を探すための活動を積極的に行っていくことになる」と付け加えた。

スコットランド出身のデザイナー、クリストファー・ケイン(Christopher Kane)は、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校を卒業後、2006年に自身の名を冠したブランドを設立。同年、ロンドン・ファッション・ウイークでデビューした。フェミニンでフェティッシュな要素を取り入れたエッジの効いたデザインで知られる。ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)に才能を見出され、09年から12年には「VERSACE(ヴェルサーチェ)」のセカンドライン「ヴェルサス ヴェルサーチェ(VERSACE VERSACE)」のコレクションも手掛けた。

13年には、「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」を擁するケリング(KERING)が、クリストファー ケインの過半数株式を取得。18年にはその株式をケイン自身が買い戻し、独立したブランドとして運営を続けてきた。19年にはセカンドラインとなる「モア ジョイ(MORE JOY)」をローンチ。同ブランドのロゴアイテムは「クリストファー ケイン」18-19年秋冬コレクションのランウエイで初披露された後、独自のコレクションに発展し、Tシャツやパーカーなどのウエアからマグカップやタオル、ヨガマットまで、より手頃な価格のロゴアイテムを展開していた。「モア ジョイ」と並行して、ケインはシーズンごとのコレクションも続けてきたが、年2回の発表を縮小。15年にロンドンのマウント・ストリートにオープンした店舗も20年に閉鎖していた。

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メゾン マルジェラの新CEOはアルマーニから 同社の会長職はレンツォ・ロッソOTB会長から息子へ継承

OTBグループ傘下のメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)は、7月17日付で新たな最高経営責任者(CEO)にガエタノ・スキウト(Gaetano Sciuto)前ジョルジオ アルマーニ アメリカ部門CEOを迎えることが明らかになった。5月に退任したジャンフランコ・ジャンアンジェリ(Gianfranco Gianangeli)CEOの後任だ。また、2002年に同ブランドを買収して以来、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTBグループ会長が兼務していた会長職を、自身の息子であるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)に継承する。

スキウト新CEOは、ミラノのボッコーニ大学を卒業後、米アリゾナ州フェニックスのサンダーバード国際経営大学院で修士号を取得。08年、フェンディ(FENDI)にライセンスとアクセサリーのディレクターとして入社した。時計、ホーム、フレグランス、アイウエア、レジャーウエア、テキスタイル、キッズウエアなどの製品カテゴリーにおけるグローバル展開を指揮した後、13年にフェンディのアメリカ部門社長に就任。19年にジョルジオ アルマーニのアメリカ部門CEOとして入社した。

一方、ステファノ・ロッソ新会長は、ウェブスリー(Web 3.0)とメタバースに特化したOTBの子会社であるブレイブ・バーチャル・エクスペリエンス(BRAVE VIRTUAL XPERIENCE、BVX)のCEOを21年の立ち上げから務めており、すでにOTBグループの取締役会のメンバーでもある。

レンツォ・ロッソOTBグループ会長は、メゾン マルジェラの買収後、09年には創業者のマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の引退を乗り越え、14年に全くタイプの異なるジョン・ガリアーノ(John Galliano)を新たなクリエイティブ・ディレクターに起用。パリに拠点を置く同ブランドに対して強い愛着を持ち、「ファッション界で最も象徴的なブランドのひとつ」と表現する。そんなブランドにおける今回の人事については、「ステファノの新たな役割とガエタノの加入は、ブランドのポテンシャルを高めるとともに、次なる拡大に向けて舵を切る上で重大な意味を持つだろう」と述べた。

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「バリー」のデザイン・ディレクターに、「グッチ」に16年間勤めたベテランが就任

「バリー(BALLY)」は、昨年10月に入社したシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)をデザイン・ディレクターに任命した。今回の人事は、5月初めにわずか2シーズンでブランドを去ったルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)=クリエイティブ・ディレクターの退任に伴うもの。ベロッティ新デザイン・ディレクターによるデビュー・コレクションは、9月の2024年春夏ミラノ・ファッション・ウイークで披露予定だ。

ベロッティ新デザイン・ディレクターは、「ジャンフランコ フェレ(GIANFRANCO FERRE)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」でキャリアを積んだ後、「グッチ(GUCCI)」に16年間勤務。ウエアとアクセサリー両方の経験を持つ。そんな彼は、「バリー」の「類まれなレガシー」を称賛。「パイオニア精神と卓越性の飽くなき追求に根差した素晴らしい歴史と共に、ブランドが誇るユニークなスイスの伝統は、大きなインスピレーションをもたらしてくれる」と話す。

一方、ニコラ・ジロット(Nicolas Girotto)最高経営責任者は、ベロッティがすでに9カ月間、「バリー」のチームと働いてきたことに触れ、「今という文脈の中で、ブランドを象徴するコードを解釈し、若返らせることに取り組み続けていける」とコメント。「シモーネの情熱とブランドヘリテージへの深い理解、そしてファッション界での豊かな経験によって、私たちはクラフトにおけるブランドのレガシーを大切にするとともに時代を越えて愛されるタイムレスかつエレガントな製品を生み出し続けていくことができるだろう」と付け加えた。

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「アン ドゥムルメステール」のクリエイティブ・ディレクターがスピード交代 半年で退任したルドヴィックの後任に内部昇格の26歳

「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」は6月1日、同ブランドのメンズウエアデザイナーとして経験を積んだステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)を新たなクリエイティブ・ディレクターに任命した。就任からわずか半年でブランドを去ったルドヴィック・デ・サン・サーナン(Ludovic de Saint Sernin)の後任となる。2024年春夏パリ・ファッション・ウイーク期間中の9月30日にデビューショーを開く予定だ。

ガリーチ新クリエイティブ・ディレクターは1996年生まれ。イタリアのベネチア建築大学(IUAV)でファッションデザインを学び、ベルギー・アントワープで「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」のアシスタントデザイナーとしてキャリアをスタートした。2019年1月、伊セレクトショップのアントニオーリ・グループ(ANTONIOLI GROUP)にデザイナーとして入社。同グループがアントワープ拠点の「アン ドゥムルメステール」を買収した20年、メンズウエアデザイナーとして同ブランドに加わった。

現在のオーナーであるクラウディオ・アントニオーリ(Claudio Antonioli)は、「ステファノは、すぐに『アン ドゥムルメステール』に対する力強いクリエイティビティーと明確なビジョンを示してくれた。彼は未来を見据えたブランドのDNAを体現している」と評価する。

「アン ドゥムルメステール」は1985年、アントワープ王立芸術アカデミー卒業生のアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)がパートナーのパトリック・ロビン(Patrick Robyn)と共に設立した。2013年にはドゥムルメステールがデザイナーを辞任。その後継を務めていたセバスチャン・ムニエ(Sebastien Meunier)も20年7月に退任し、アントニオーリによる買収後しばらくはデザインチーム体制で創業者時代をほうふつとさせるコレクションを手掛けていた。そして、22年12月にデ・サン・サーナンをクリエイティブ・ディレクターに抜てき。23年3月に彼自身のスタイルが強くにじむ大胆かつ官能的なデビューコレクションを披露し賛否両論を呼び、結果的に1シーズンのみで退任となった。その点、内部昇格となるガリーチ新クリエイティブ・ディレクターは、同ブランドの世界観や顧客への理解も深そうだ。

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2021年のデザイナー去就まとめ 「ボッテガ・ヴェネタ」や「ケンゾー」から「ヴェトモン」「アライア」まで

 ブランドのクリエイション全般を率いるクリエイティブ・ディレクターの任期が年々短くなり、組織再編や方向性の見直しを図るブランドが増える中、2021年も数多くの就任や退任が発表された。もっとも業界を驚かせたのは、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」をトレンドセッターに押し上げたダニエル・リー(Daniel Lee)の退任だろう。後任には、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「セリーヌ(CELINE)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」でキャリアを積んだ後、20年に同ブランドに加わったマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が内部昇格。22年2月にデビューコレクションを披露する予定だ。「ケンゾー(KENZO)」も2年間務めたフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveria Baptista)から、日本のストリートカルチャーを代表する存在の一人であるNIGO®に交代。初のコレクションは、22年1月のパリ・メンズ・ファッション・ウイーク中に発表される。

 さらに、創業者が亡くなった後、デザインチームでコレクションを手がけてきた「アライア(ALAIA)」には、ラフ・シモンズの右腕として知られるピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)が就任。「ヴェトモン(VETEMENTS)」でも、19年にブランドを去ったヘッドデザイナーのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の弟であり、ブランドの最高経営責任者でもあるグラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)がクリエイティブ・ディレクターに就いた。

 また、若い世代の顧客開拓を目指すイタリアの老舗ブランドでも新たな動きが活発だ。「ミッソーニ(MISSONI)」では、アンジェラ・ミッソーニ(Angela Missoni)が退任し、これまで兼務していた社長業に専念。暫定的なクリエイティブ・ディレクターとして、彼女の右腕を12年間務めてきたアルベルト・カリーリ(Arberto Caliri)にバトンをパスした。この数年、社内のデザインチームをベースにゲストデザイナーやアーティストを迎えていた「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」や「トラサルディ(TRUSSARDI)」にも、それぞれクリエイティブのトップが就任し、新たなスタートを切る。

 2021年に発表された主な去就は以下の通り。

アーカー(AHKAH)
就任:ケイティ・ヒリヤー(Katie Hillier)

アタッチメント(ATTACHMENT)
退任:熊谷和幸=創業デザイナー
就任:榎本光希「ヴェイン(VEIN)」デザイナー

アライア
就任:ピーター・ミュリエ前「カルバン・クライン」グローバル・クリエイティブ・ディレクター

イザベル マラン(ISABEL MARANT)
就任:キム・ベッカー(Kim Bekker)
(創業デザイナーのイザベル・マランと共に監修)

ヴェトモン
就任:グラム・ヴァザリア=ヴェトモン最高経営責任者

ヴュアルネ(VUARNET)
就任:ボラミー・ビジュアー(Boramy Viguier)「ボラミー ビジュアー」デザイナー

エミリオ・プッチ
就任:カミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)元「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」アクセサリー部門クリエイティブ・ディレクター

ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)
退任:ニコラ・グラス(Nicola Glass)

ケンゾー
退任:フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveria Baptista)
就任:NIGO®「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」創業者

サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)
退任:ポール・アンドリュー(Paul Andrew)

シャン シア(Shang Xia)(ファッション部門)
就任:ヤン・リー(Yang Li)

トラサルディ
就任:セルハト・イシク(Serhat Isık)&ベンジャミン・A・フゼビー(Benjamin A. Huseby)「ゲーエムベーハー(GMBH)」デザイナー

フェニックス(PHENIX)
就任:ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)

ベルルッティ(BERLUTI)
退任:クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)

ボッテガ・ヴェネタ
退任:ダニエル・リー
就任:マチュー・ブレイジー(内部昇格)

ミッソーニ
退任:アンジェラ・ミッソーニ
就任:アルベルト・カリーリ(内部昇格)

メゾン ウレンス(MAISON ULLENS)
就任(クリエイティブ・コンサルタント):ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)

モンブラン(MONTBLANC)
退任:ザイム・カマル(Zaim Kamal)
就任:マルコ・トマセッタ(Marco Tomasetta)

レオナール(LEONARD)
就任:ゲオルク・ラックス(Georg Lux)

ロシャス(ROCHAS)
就任:シャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)「シャルル ドゥ ヴィルモラン」デザイナー

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ドリス ヴァン ノッテンの新社長に、アクセル・ケラー前ジル サンダーCEOが就任

 ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)は、新社長にアクセル・ケラー(Axel Keller)前ジル サンダー(JIL SANDER)最高経営責任者(CEO)を任命した。2020年1月に就任したものの、1年足らずで退任したマッテオ・デ・ローサ(Matteo De Rosa)前社長の後任となる。また新副社長には、同社に25年間勤めているサビーヌ・ファンディーノ・フィノー(Sabine Fandino Fineau)氏が就任した。

 ケラー新社長は、バレンシアガ(BALENCIAGA)で14年間、メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)で13年間、コマーシャル・ディレクターを務めた後、18年2月にジル サンダーに入社。同年10月にコマーシャル・ディレクターからCEOに昇進した。

 なお、ドリス ヴァン ノッテンの社長職は、18年6月にプーチ(PUIG)傘下に入って以降、ビジネス面での初の戦略的な動きとして設けられたポジション。創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)は引き続き、同社の少数株主であるとともに、チーフ・クリエイティブ・オフィサー兼会長を務める。

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ハローキティと“Y2K”ファッションをけん引するミラノコレブランドがコラボ “カワイイ”ピンクアイテムが勢ぞろい

 ミラノコレの常連ブランド「ブルマリン(BLUMARINE)」は、ハローキティ(HELLO KITTY)とコラボレーションしたカプセルコレクションをラグジュアリーECサイトのエッセンス(SSENSE)で発売した。同ブランドは、2019年末のニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)=クリエイティブ・ディレクター就任以降、世代交代を推進。若者を中心に再燃する“Y2K”ファッション(2000年代前後に流行したスタイル)”の要素をいち早く取り入れ、提案し続けている。今回のコレクションでは、そんなスタイルを“カワイイ”というキーワードとさまざまなピンクの色合いで再解釈したアイテムを提案。ローライズのフレアジーンズやデニムのミニスカート、フーディー、人工ファーをあしらったコンパクトなカーディガンやワンショルダーのセーター、ハローキティの顔をスパンコールやビーズで描いたトップスやバッグなどを揃える。価格帯はウエアが8万3000〜20万4500円、アクセサリーが6万7000〜11万7500円。

 1990年生まれのブロニャーノは、「ハローキティは自分の世代を象徴するアイコンであり、私が『ブルマリン』に加わった当初から着想源にしてきた2000年代の美学を体現している」とコメント。「ハローキティは、キュートで明るく、楽しくて国際的。なので、単なるECプラットフォームではなく、折衷的なファッション好きの若い世代とリアルに文化的につながる場であるエッセンスでエクスクルーシブに提案できることをうれしく思う」と話した。

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故アルベール・エルバス氏を称える展覧会開催 パリコレでのトリビュートショーを再現

 パリのガリエラ美術館は、ファッションデザイナーの故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏の功績を称える展覧会「ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)」を開催する。会期は、2022年3月5日から7月10日まで。22-23年秋冬パリ・ファッション・ウイーク期間中に開幕する。

 エルバスが19年にコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)と共に立ち上げた「AZファクトリー(AZ FACTORY)」は、前回のパリコレ最終日となる10月5日に彼のトリビュートショーを開催。故人が生前にデザインしたルックに続き、45組の名だたるデザイナーたちがエルバスを偲び手掛けたルックや、同ブランドのデザインチームが彼の思いを受け継ぎ制作したルックを披露した。今回の展覧会では、そんなショーで来場者が味わった忘れがたいエモーショナルな体験を蘇らせることを計画。ルックの登場順や着用したモデルの肌の色から、光のランウエイを生み出すライティングや演出、音楽までを再現するという。

 ミレン・アルザルス(Miren Arzalluz)=ガリエラ美術館ディレクターは、「ファッション業界による感動的かつ前代未聞のトリビュートを再現することで、アルベール・エルバスの人生とレガシーに敬意を表し、彼のファッションへの喜びあふれるビジョンを来場者に味わってもらいたい」と述べる。

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故アルベール・エルバス氏を称える展覧会開催 パリコレでのトリビュートショーを再現

 パリのガリエラ美術館は、ファッションデザイナーの故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏の功績を称える展覧会「ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)」を開催する。会期は、2022年3月5日から7月10日まで。22-23年秋冬パリ・ファッション・ウイーク期間中に開幕する。

 エルバスが19年にコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)と共に立ち上げた「AZファクトリー(AZ FACTORY)」は、前回のパリコレ最終日となる10月5日に彼のトリビュートショーを開催。故人が生前にデザインしたルックに続き、45組の名だたるデザイナーたちがエルバスを偲び手掛けたルックや、同ブランドのデザインチームが彼の思いを受け継ぎ制作したルックを披露した。今回の展覧会では、そんなショーで来場者が味わった忘れがたいエモーショナルな体験を蘇らせることを計画。ルックの登場順や着用したモデルの肌の色から、光のランウエイを生み出すライティングや演出、音楽までを再現するという。

 ミレン・アルザルス(Miren Arzalluz)=ガリエラ美術館ディレクターは、「ファッション業界による感動的かつ前代未聞のトリビュートを再現することで、アルベール・エルバスの人生とレガシーに敬意を表し、彼のファッションへの喜びあふれるビジョンを来場者に味わってもらいたい」と述べる。

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「ボッテガ・ヴェネタ」人気の立役者、ダニエル・リーが突然の退任

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の親会社であるケリング(KERING)は11月10日、約3年にわたり同ブランドを率いてきたダニエル・リー(Daniel Lee)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。2019-20年秋冬コレクションでランウエイデビューしたリーは、瞬く間にブランドをトレンドセッターに返り咲かせた立役者。象徴的な編み込みの技法“イントレチャート”などをモダンに再解釈したバッグやシューズをはじめ、多くのヒットアイテムを生み出してきた。

 同グループは、声明の中で「『ボッテガ・ヴェネタ』とダニエル・リーは、コラボレーションの終了に合意したことを発表する。彼はブランドに新たなエネルギーをもたらし、『ボッテガ・ヴェネタ』の現在の勢いに多大な貢献を果たしてきた」と述べた。退任の理由は明らかにされていないが、近日中にブランドの新たなクリエイティブ組織が発表される予定だという。

 リーは「『ボッテガ・ヴェネタ』で過ごした時間は、素晴らしい経験だった。卓越した才能あふれるチームと共に働けたこと、そして、私たちのビジョンの実現に関わってくれた全ての人に感謝している。また、フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼最高経営責任者(CEO)のサポートや『ボッテガ・ヴェネタ』が紡ぐストーリーの一部になるチャンスを与えてくれたことにも感謝している」とコメントした。

 一方、ピノー会長兼CEOは、「彼の唯一無二のビジョンは、ブランドの伝統を現代にふさわしいものに変え、ブランドをファッションシーンの中心に押し戻してくれた。私個人としても、『ボッテガ・ヴェネタ』の長い歴史の中で、彼が綴ったユニークな一章に感謝している」と述べた。また、レオ・ロンゴーン(Leo Rongone)=ボッテガ・ヴェネタCEOも「彼はブランドの50年の伝統に敬意を表しつつ、フレッシュな視点と現代性の新たな感性をもたらしてくれた。この3年間の目覚ましい成長は、彼のクリエイティブな仕事が成功したことを証明している」と説明。実際、2020年、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で多くのブランドが苦戦する中でも、同ブランドは成長を継続。直近の21年第3四半期の既存店売上高も、前年同期比8.9%増となっている。

 リーはロンドンの名門セント・マーチンズ美術大学を卒業後、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)」などでキャリアを積み、「セリーヌ(CELINE)」に入社。当時のクリエイティブ・ディレクター、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の下で、ウエアのデザイン・ディレクターを務めた。その後、18年7月、「ボッテガ・ヴェネタ」を17年間率いてきたトーマス・マイヤー(Tomas Maier)の後任として、現職に就任。ブランドの発展に貢献してきた。また、ファッション・ウイークのカレンダーから離れ、ベルリンやデトロイトなど独自のロケーションと日程でコレクションを発表したり、公式SNSアカウントを削除したりと、デザイン以外でも改革に取り組んできた。

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