「ヴェルサーチェ」のダリオ・ヴィターレが1シーズンで退任 プラダグループによる買収完了直後に

「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale)=チーフ・クリエイティブ・オフィサーが、わずか1シーズンでブランドを去ることが明らかになった。ダリオの退社の時期や後任については不明。

「ヴェルサーチェ」は、2日前にプラダグループへの売却が完了していた。ダリオは2026-27年秋冬コレクションの発表に向けてショー会場探しに奔走していたというが、一方でデザイナーの長期的なビジョンに疑問を抱く人もいたようだ。また、もともと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のデザイン・ディレクターを務めていたダリオはプラダグループ外でのキャリアを志向しており、彼にとって「ヴェルサーチェ」の同グループ入りは想定外だったとも言われている。

ブランドのエマニュエル・ギンツブルガー(Emmanuel Gintzburger) 最高経営責任者は同社に留まるようだが、プラダグループのパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)会長とミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)の息子であり、グループのCSRを統括するロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)が「ヴェルサーチェ」のエグゼクティブ・チェアマンに就任する見込みだ。

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「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale)=チーフ・クリエイティブ・オフィサーが、わずか1シーズンでブランドを去ることが明らかになった。ダリオの退社の時期や後任については不明。

「ヴェルサーチェ」は、2日前にプラダグループへの売却が完了していた。ダリオは2026-27年秋冬コレクションの発表に向けてショー会場探しに奔走していたというが、一方でデザイナーの長期的なビジョンに疑問を抱く人もいたようだ。また、もともと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のデザイン・ディレクターを務めていたダリオはプラダグループ外でのキャリアを志向しており、彼にとって「ヴェルサーチェ」の同グループ入りは想定外だったとも言われている。

ブランドのエマニュエル・ギンツブルガー(Emmanuel Gintzburger) 最高経営責任者は同社に留まるようだが、プラダグループのパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)会長とミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)の息子であり、グループのCSRを統括するロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)が「ヴェルサーチェ」のエグゼクティブ・チェアマンに就任する見込みだ。

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「バルマン」のオリヴィエ・ルスタンが退任 若干25歳での就任から14年間にわたりブランドの変革をけん引

「バルマン(BALMAIN)」は11月5日、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。後任は未定で、今後のクリエイティブ体制については追って発表される予定。大胆なクリエイションでブランドビジネスの発展に貢献してきた彼の14年間という任期は、交代の激しいファッション界において、かなり長い一章だった。

フランス・ボルドー生まれで、1歳の時に養子となり育ったオリヴィエは09年、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」から「バルマン」に移り、クリストフ・デカルナン(Christophe Decarnin)の下でスタジオの責任者(ヘッド)を務めた。そしてデカルナンが退任した11年、若干25歳でクリエイティブ・ディレクターに就任。その若さだけでなく、フランスのファッションメゾンを率いる初の黒人ウィメンズウエア・デザイナーとなった彼は、文化的な影響力や熱狂を生み出すことで「バルマン」に大きな変革をもたらしてきた。

自身も「インスタグラム」で970万人のフォロワーを抱え、SNS活用の先駆者でもあったオリヴィエは在任中、音楽フェスティバルのようなイベントを通じたショーの一般公開やNFTなどのテクノロジーの活用、1945年創業の伝統的なブランドとポップカルチャーのつながりの強化を図るとともに、多様性と包摂性を最優先してきた。また、“バルマンアーミー(#BALMAINARMY)”と名付けた自身のオンラインコミュニティー、そしてビヨンセ(Beyonce)やリアーナ(Rihanna)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)といったセレブリティーとの親交を生かして記憶に残るキャンペーンやコレクションを制作。バービー(Barbie)やディズニー(Disney)からネットフリックス(Netflix)まで多彩な協業にも取り組み、特に15年に発売した「H&M」とのコラボコレクションはほぼ完売を記録した。さらに24年には、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のライセンスの元、オリヴィエが手掛けたプレミアムフレグランスも発売した。

オリヴィエは、声明の中で「この14年間を過ごした我が家とも言える場所で、『バルマン』の素晴らしいチーム、そして私が選んだ家族と共に成し遂げた全てに深い誇りと感謝の念を抱いている」とコメント。メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP)の最高経営責任者(CEO)でもあるラシッド・モハメド・ラシッド(Rachid Mohamed Rachid)=バルマン会長とマテオ・スガルボッサ(Matteo Sgarbossa)=バルマンCEOに対して「私への揺るぎない信頼とまたとない機会を託してくれたこと」に感謝の意を示し、「未来と私自身のクリエイティブな旅の新たな章を見据えつつも、このかけがえのない時間をいつまでも胸に刻み続ける」と述べた。

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「バルマン」のオリヴィエ・ルスタンが退任 若干25歳での就任から14年間にわたりブランドの変革をけん引

「バルマン(BALMAIN)」は11月5日、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。後任は未定で、今後のクリエイティブ体制については追って発表される予定。大胆なクリエイションでブランドビジネスの発展に貢献してきた彼の14年間という任期は、交代の激しいファッション界において、かなり長い一章だった。

フランス・ボルドー生まれで、1歳の時に養子となり育ったオリヴィエは09年、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」から「バルマン」に移り、クリストフ・デカルナン(Christophe Decarnin)の下でスタジオの責任者(ヘッド)を務めた。そしてデカルナンが退任した11年、若干25歳でクリエイティブ・ディレクターに就任。その若さだけでなく、フランスのファッションメゾンを率いる初の黒人ウィメンズウエア・デザイナーとなった彼は、文化的な影響力や熱狂を生み出すことで「バルマン」に大きな変革をもたらしてきた。

自身も「インスタグラム」で970万人のフォロワーを抱え、SNS活用の先駆者でもあったオリヴィエは在任中、音楽フェスティバルのようなイベントを通じたショーの一般公開やNFTなどのテクノロジーの活用、1945年創業の伝統的なブランドとポップカルチャーのつながりの強化を図るとともに、多様性と包摂性を最優先してきた。また、“バルマンアーミー(#BALMAINARMY)”と名付けた自身のオンラインコミュニティー、そしてビヨンセ(Beyonce)やリアーナ(Rihanna)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)といったセレブリティーとの親交を生かして記憶に残るキャンペーンやコレクションを制作。バービー(Barbie)やディズニー(Disney)からネットフリックス(Netflix)まで多彩な協業にも取り組み、特に15年に発売した「H&M」とのコラボコレクションはほぼ完売を記録した。さらに24年には、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のライセンスの元、オリヴィエが手掛けたプレミアムフレグランスも発売した。

オリヴィエは、声明の中で「この14年間を過ごした我が家とも言える場所で、『バルマン』の素晴らしいチーム、そして私が選んだ家族と共に成し遂げた全てに深い誇りと感謝の念を抱いている」とコメント。メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP)の最高経営責任者(CEO)でもあるラシッド・モハメド・ラシッド(Rachid Mohamed Rachid)=バルマン会長とマテオ・スガルボッサ(Matteo Sgarbossa)=バルマンCEOに対して「私への揺るぎない信頼とまたとない機会を託してくれたこと」に感謝の意を示し、「未来と私自身のクリエイティブな旅の新たな章を見据えつつも、このかけがえのない時間をいつまでも胸に刻み続ける」と述べた。

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アントワープ・シックスの一員、マリナ・イーが死去 がんとの闘病の末に67歳で

「アントワープ・シックス(アントワープの6人)」の一員としても知られるベルギー人デザイナーのマリナ・イー(Marina Yee)が11月1日、がんとの闘病の末に死去した。享年67。アントワープにあるモード博物館MoMuが発表した。

2026年3月から「アントワープ・シックス」の展覧会を開催する同館のカート・デボー(Kaat Debo)館長は、「彼女はベルギーファッションにおける類まれな本物であり、その作品は誠実で詩的、そして常に人と素材への敬意に根差したものだった」とコメント。「ファッションが単なるトレンドを超え、内省や思いやり、つながりの手段となり得ることを教えてくれた。彼女のレガシーはMoMuをはじめ、広く受け継がれていくだろう」と続けた。

イーは1958年アントワープ生まれ。アントワープ王立芸術アカデミーでアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)やドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)と共に学んだ。86年にはロンドンの「ブリティッシュ・デザイナー・ショー(British Designer Show)」に彼らと一緒に参加し、「アントワープ・シックス」として才能を世界にしらしめた。

「グルーノ&シャルダン(GRUNO & CHARDIN)や「バセッティ(BASSETTI)」で経験を積んだ彼女は、86年に自身のブランド「マリー(MARIE)」を設立。90年以降はファッションの表舞台からは離れ、舞台衣装やインテリア、アートなどさまざまな分野で活動。教育にも携わった。その後、2016年に日本のライラ トウキョウ(LAILA TOKIO)とビンテージウエアを再構築した小規模なコレクション「エムワイ・プロジェクト(M.Y.PROJECT)」を立ち上げて復帰。22年の正式な再始動後は、米ニューヨークとロサンゼルスのドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market)やカナダのエッセンス(Ssense)、中国・北京のSKPなど世界40店舗以上で取り扱われていた。24年には「ベルジャン・ファッション・アワード(Belgian Fashion Awards)」で審査員賞を受賞した。

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アントワープ・シックスの一員、マリナ・イーが死去 がんとの闘病の末に67歳で

「アントワープ・シックス(アントワープの6人)」の一員としても知られるベルギー人デザイナーのマリナ・イー(Marina Yee)が11月1日、がんとの闘病の末に死去した。享年67。アントワープにあるモード博物館MoMuが発表した。

2026年3月から「アントワープ・シックス」の展覧会を開催する同館のカート・デボー(Kaat Debo)館長は、「彼女はベルギーファッションにおける類まれな本物であり、その作品は誠実で詩的、そして常に人と素材への敬意に根差したものだった」とコメント。「ファッションが単なるトレンドを超え、内省や思いやり、つながりの手段となり得ることを教えてくれた。彼女のレガシーはMoMuをはじめ、広く受け継がれていくだろう」と続けた。

イーは1958年アントワープ生まれ。アントワープ王立芸術アカデミーでアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)やドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)と共に学んだ。86年にはロンドンの「ブリティッシュ・デザイナー・ショー(British Designer Show)」に彼らと一緒に参加し、「アントワープ・シックス」として才能を世界にしらしめた。

「グルーノ&シャルダン(GRUNO & CHARDIN)や「バセッティ(BASSETTI)」で経験を積んだ彼女は、86年に自身のブランド「マリー(MARIE)」を設立。90年以降はファッションの表舞台からは離れ、舞台衣装やインテリア、アートなどさまざまな分野で活動。教育にも携わった。その後、2016年に日本のライラ トウキョウ(LAILA TOKIO)とビンテージウエアを再構築した小規模なコレクション「エムワイ・プロジェクト(M.Y.PROJECT)」を立ち上げて復帰。22年の正式な再始動後は、米ニューヨークとロサンゼルスのドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market)やカナダのエッセンス(Ssense)、中国・北京のSKPなど世界40店舗以上で取り扱われていた。24年には「ベルジャン・ファッション・アワード(Belgian Fashion Awards)」で審査員賞を受賞した。

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新生「ロエベ」は、鮮烈な色彩とスポーティーなミックスで若々しくシフト【26年春夏 新デザイナーの初コレクションVol.10】

「ロエベ(LOEWE)」は、「ディオール(DIOR)」に移籍したジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の後任としてクリエイティブ ・ディレクターに就任したジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が初めて手掛ける2026年春夏ウィメンズ・コレクションを発表した。02年にニューヨークで立ち上げた「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOLER)」のデザイナーを退任し「ロエベ」を手掛ける準備を整えたジャックとラザロは、若々しくスポーティーなエネルギーを注入し、ブランドの新たな方向性を明確に示した。「『ロエベ』に参加することは、飽くなきクラフトへの揺るぎないコミットメントとスペインというアイデンティティーから成り立つ180年の歴史のコードを受け継ぐことを意味する。私たちの仕事は、この精神を自分たちならではの視点で解釈し、前進させることだ」と2人は説明する。

何よりも印象的だったのは、ショーに先立って公開したティザーやインビテーション、そして会場のエントランスに飾ったエルズワース・ケリー(Ellsworth Kelly)によるアート作品「Yellow Panel with Red Curve」からも垣間見えたビビッドな色使い。赤や黄、青、マゼンタピンク、緑、オレンジといったさまざまな色がエネルギッシュにコレクションを彩る。

ファーストルックは、「ロエベ」のクリエイションにおけるキー素材であるレザーのジャケット。肉厚な素材を立体成型で、サーフィンやダイビングのウエットスーツを思わせる体に沿ってカーブするシルエットで仕上げている。そこに合わせるのは、鮮やかな黄色のニットのトップスとビキニボトム。さらにその下に着せた真っ赤なシャツは、襟や裾がルーズにはみ出し抜け感を生む。その後もレザーを随所に取り入れながら、彼らが長年暮らしてきたニューヨークのモダンで都会的なスタイルと、地中海に面する街や島を有するスペインの太陽が降り注ぐ夏を想起させる明るさやビーチの楽観的なムードを交錯させた。

ジャックが「私たちが育つ中で培ってきた装いの感覚を、このコレクションに取り入れたかった」と話すように、前者を象徴するのはゴアテックスのパーカやアノラック、ブルゾン、ポロシャツ、Tシャツ、Vネックセーター、ストライプシャツといったアメリカンスポーツウエアやプレッピーに通じるアイテム。一方、後者は大判のタオルを体に巻き付けたようなデザインのベアトップドレスやビーチチェアなどに見られるようなマルチカラーストライプをプリントしたシアーなマキシドレス、ビキニやサーフショーツのようなスタイルのボトムスから感じられる。

全体的にハリのある素材感や硬質なフォルムが多い中で目を引いたのは、異なる生地を重ねた縫い代部分がカスケードラッフルのように流れるドレス。ウエストを絞ったシャープなテーラードジャケットや、帯状の生地を片側に垂らしたミニスカートなどに見られるアシンメトリーなシルエット、ドラマチックに揺れ動くフリンジスカートは、2人の“らしさ“が際立つデザインだ。そして、「ロエベ」のカギとなるクラフトの要素は実験的なアプローチで取り入れている。デニムジャケットやジーンズ風のアイテムは、細かくハサミを入れ、表面に質感を加えたレザーで制作。シワクチャな形状を記憶したようなニットのタンクミニドレスやTシャツ風トップスも、よく見ると細いレザーの“糸”を編んで作られているようだ。

バッグは、大ぶりでよりクタッとした形状とワンハンドルのデザインで再解釈した“アマソナ180"や、これまでレザーのノット(結び目)になっていた部分を渦巻き状のパーツに変えた巾着型の“フラメンコクラッチ”などで、アイコンをアップデート。鮮やかな配色と大きなロゴが目を引くバケットバッグや、貝殻のようなパーツをたっぷりあしらったクラフト感のあるレザーのバスケットも打ち出す。足元はショートソックスのような色鮮やかなインナーパーツを合わせた透明なPVC製のキトゥンヒールシューズ、折り紙のように畳んだレザーのポインテッドミュールなどを打ち出す。レザー工房を背景にしたラグジュアリーメゾンとして、アクセサリービジネスは極めて重要だ。今回のショーだけを見ると、バッグ&シューズにはまだ発展の余地が大きいと感じる。「プロエンザ スクーラー」ではアクセサリーデザインにも定評があった2人だけに、今後の提案に注目したい。

また、レザーグッズを中心にジョナサン・アンダーソンのクリエイションが幅広い年代やスタイルの顧客に支持され、売り上げも伸ばしていた日本市場では、新生「ロエベ」に見られるクールなエッジやスポーティーな若々しさが浸透するには少し時間を要するかもしれない。しかし、ジャックとラザロの色彩感覚や明快さ、クラフトへの情熱、モダンで実用的な服作りに対する考え方は、見どころがある。ショーのフィナーレには、2人のホームであるアメリカの業界人を筆頭に多くのゲストがスタンディングオベーションで彼らを迎え、明るい新章の幕開けを印象付けた。

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2026年春夏パリコレ開幕 「シャネル」「ロエベ」「バレンシアガ」などデビューショー相次ぐ変化のシーズンに

ニューヨーク、ロンドン、ミラノに続き、2026年春夏パリ・ファッション・ウイーク(通称パリコレ)が9月29日に開幕した。10月7日まで9日間にわたって開催される今季は、公式スケジュールにいつもよりも多い111ブランドがラインアップ。ショーやプレゼンテーションで、新作コレクションを発表する。

特に今シーズンは、新たなクリエイティブ・ディレクターやアーティスティック・ディレクターによるデビューショーが盛りだくさんだ。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」から移籍したマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が率いる新生「シャネル(CHANEL)」がいよいよ10月6日にベールを脱ぐほか、「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」の創業者であるジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)によって生まれ変わる「ロエベ(LOEWE)」は3日に、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」での長年の実績で知られるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)が手掛ける「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は4日に、それぞれ初のコレクションを披露予定。新進気鋭の若手デュラン・ランティンク(Duran Lantink)を起用した「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」、「ボッテガ・ヴェネタ」に移ったルイーズ・トロッター(Louise Trotter)の後任として内部昇格したマーク・ホワード・トーマス(Mark Howard Thomas)による「カルヴェン(CARVEN)」、20年以上名だたるブランドでキャリアを積んできたミゲル・カストロ・フレータス(Miguel Castro Freitas)が就任した「ミュグレー(MUGLER)」もデビューショーを開く。

また、6月の26年春夏メンズ・コレクションでデビューを果たしたジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による「ディオール(DIOR)」は、初のウィメンズショーを開催。7月にクチュールで披露したグレン・マーティンス(Glenn Martens)が手掛ける「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」も初のプレタポルテをお披露目する。さらに、7月に26年プレ・スプリング・コレクションのショーを行ったマイケル・ライダー(Michael Rider)による「セリーヌ(CELINE)」も初のメーン・コレクションのショーを開く。

また、ショー枠には「ジュリ ケーゲル(JULIE KEGELS)」「メリル ロッゲ(MERYLL ROGGE)」「マティエ フィカル(MATIERES FECALES)」、プレゼンテーション枠には「ガニー(GANNI)」と「ファソン ジャックマン(FAÇON JACMIN)」が新たに加わった。

デビューショーの日時は下記の通り。
ディオール:10/1 14:30(日本時間 10/1 21:30)
ミュグレー:10/2 12:00(日本時間 10/2 19:00)
カルヴェン:10/2 16:00(日本時間 10/2 23:00)
ロエベ:10/3 11:30(日本時間 10/3 18:30)
メゾン マルジェラ:10/4 12:00(日本時間 10/4 19:00)
バレンシアガ:10/4 20:00(日本時間 10/5 03:00)
セリーヌ:10/5 12:00(日本時間 10/5 19:00)
ジャンポール・ゴルチエ:10/5 16:30(日本時間 10/5 23:30)
シャネル:10/6 20:00(日本時間 10/7 03:00)

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2026年春夏パリコレ開幕 「シャネル」「ロエベ」「バレンシアガ」などデビューショー相次ぐ変化のシーズンに

ニューヨーク、ロンドン、ミラノに続き、2026年春夏パリ・ファッション・ウイーク(通称パリコレ)が9月29日に開幕した。10月7日まで9日間にわたって開催される今季は、公式スケジュールにいつもよりも多い111ブランドがラインアップ。ショーやプレゼンテーションで、新作コレクションを発表する。

特に今シーズンは、新たなクリエイティブ・ディレクターやアーティスティック・ディレクターによるデビューショーが盛りだくさんだ。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」から移籍したマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が率いる新生「シャネル(CHANEL)」がいよいよ10月6日にベールを脱ぐほか、「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」の創業者であるジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)によって生まれ変わる「ロエベ(LOEWE)」は3日に、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」での長年の実績で知られるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)が手掛ける「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は4日に、それぞれ初のコレクションを披露予定。新進気鋭の若手デュラン・ランティンク(Duran Lantink)を起用した「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」、「ボッテガ・ヴェネタ」に移ったルイーズ・トロッター(Louise Trotter)の後任として内部昇格したマーク・ホワード・トーマス(Mark Howard Thomas)による「カルヴェン(CARVEN)」、20年以上名だたるブランドでキャリアを積んできたミゲル・カストロ・フレータス(Miguel Castro Freitas)が就任した「ミュグレー(MUGLER)」もデビューショーを開く。

また、6月の26年春夏メンズ・コレクションでデビューを果たしたジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による「ディオール(DIOR)」は、初のウィメンズショーを開催。7月にクチュールで披露したグレン・マーティンス(Glenn Martens)が手掛ける「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」も初のプレタポルテをお披露目する。さらに、7月に26年プレ・スプリング・コレクションのショーを行ったマイケル・ライダー(Michael Rider)による「セリーヌ(CELINE)」も初のメーン・コレクションのショーを開く。

また、ショー枠には「ジュリ ケーゲル(JULIE KEGELS)」「メリル ロッゲ(MERYLL ROGGE)」「マティエ フィカル(MATIERES FECALES)」、プレゼンテーション枠には「ガニー(GANNI)」と「ファソン ジャックマン(FAÇON JACMIN)」が新たに加わった。

デビューショーの日時は下記の通り。
ディオール:10/1 14:30(日本時間 10/1 21:30)
ミュグレー:10/2 12:00(日本時間 10/2 19:00)
カルヴェン:10/2 16:00(日本時間 10/2 23:00)
ロエベ:10/3 11:30(日本時間 10/3 18:30)
メゾン マルジェラ:10/4 12:00(日本時間 10/4 19:00)
バレンシアガ:10/4 20:00(日本時間 10/5 03:00)
セリーヌ:10/5 12:00(日本時間 10/5 19:00)
ジャンポール・ゴルチエ:10/5 16:30(日本時間 10/5 23:30)
シャネル:10/6 20:00(日本時間 10/7 03:00)

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デムナが初めて手掛けた「グッチ」のコレクション公開 「再解釈を通じて『グッチ』に対する理解と認識をリセットしたい」

「グッチ(GUCCI)」は9月22日、デムナ(Demna)新アーティスティック・ディレクターが初めて手掛けたコレクションのルックブックを公開した。デムナは、“ラ ファミリア(La Famiglia)”(イタリア語で「家族」の意)と題した写真家キャサリン・オピー(Catherine Opie)による一連のポートレートを通して、「グッチらしさ」を再解釈。37のキャラクターを生み出し、その豊かな個性と独自の美意識を浮かび上がらせることで、ブランドの多彩な側面を描いている。

例えば、ウィメンズの“Incazzata” (イタリア語で「腹を立てている」の意)はゴールドの“GG”ボタンをあしらった1960年代風の真っ赤なショートコートで情熱的な気性を映し出し、“La Cattiva”(イタリア語で「悪女」の意)はクロコダイル模様のレザージャケット、フレアスカート、ロングブーツを軸にしたオールブラックのスタイルでファム・ファタールのような凛としたエレガンスを体現。また、メンズの“Direttore” (イタリア語で「責任者」や「監督」の意)は端正なスーツスタイルにティアドロップサングラスや大ぶりな腕時計を加え、“Figo”(イタリア語で「男前」の意)は素肌の上に黒のバイカージャケットを羽織り、“ホースビット”の金具をあしらわれたジーンズやスニーカーを合わせている。

ルックのスタイリングや仕草を通して表現したのは、デムナが「気取らない余裕と計算された無頓着さ」と解釈するイタリア流のエフォートレスなエレガンス「スプレッツァトゥーラ(sprezzatura)」。デザインはマキシマリズムとミニマリズムの間を行き来する。またブランドの伝統を受け継ぐ“グッチ バンブー 1947”や“ホースビット”ローファー、“フローラ”プリント、“GG”パターンなどシグネチャーアイテムやモチーフも再解釈されている。

デムナが語る新たな挑戦

デムナは、ブランドの原点を物語るようにトランクから始まるルックブックを「小さな一歩」とし、「私はまだ『グッチ』のビジョンを定義しているわけではないが、それを築き上げる基盤は整っている。私の再解釈を通じて『グッチ』に対する理解と認識をリセットしたい」とコメント。さまざまなキャラクターを作った理由については、「『グッチ』では、アティチュードも重要。これらの人物は皆自信に満ち、独自の視点を持っている。そして、ファッションを愛し、服を愛しているんだ。私にとって、これらの原型は全て『グッチ』の人々、つまり将来のグッチの顧客を表している。彼らはそれぞれ、このコレクションの中に自分に関係のある何かを見つけられるだろう。一つのシルエットや一つのアイテムで、好きか嫌いかだけの状況ではない」と説明する。

またミニマリズムへの挑戦を認め、「私にとってとても新しく、非常に刺激的な試みだ。というのも、デザインにおいて取り組むのが最も難しい美学であり、私はそれを現代的な手法で表現したいから。トム・フォード(Tom Ford)時代の作品に多くのミニマリズムの参照を見出し、非常に大きなインスピレーションを得ている。この先もそれを発展させていきたいと思う」と述べた。

デムナによる初のランウエイショーは2026年2月に開催予定。ただし、今週行われる2026年春夏ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月23日夜にはイベントを開き、スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)とハリナ・レイン(Halina Reijn)が監督した短編映画「ザ タイガー(The Tiger)」を披露する。その翌日から2週間、ミラノ、東京、パリ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、北京、上海、シンガポール、ソウルにある10店舗で、今回発表したウエアを限定販売する。

「グッチ」“ラ ファミリア”コレクション

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仏インターパルファムが「ロシャス」のファッション部門を閉鎖 フレグランス事業に専念

香水大手インターパルファム(INTERPARFUMS)の仏子会社であるインターパルファムSA(INTERPARFUMS SA)は9月17日、2015年から傘下に擁する「ロシャス(ROCHAS)」のファッション部門を閉鎖し、同社の中核事業である高級フレグランスと化粧品の開発と流通に専念することを発表した。今年初めに発売した「オーダス(Audace)」など新作フレグランスの開発を進めつつ、代表作「オー ド ロシャス(Eau de Rochas)」の拡充を図る。

1925年創業の「ロシャス」は、大胆でフェミニンなシルエットとタイムレスなエレガンスで知られ、プレタポルテのコレクションとフレグランスの双方で国際的に高い評価を得てきた。ファッション事業の終了に伴い、アレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)=クリエイティブ・ディレクターは退任。3月に発表し、現在店頭に並ぶ25-26年秋冬コレクションが、最後のコレクションとなる。

フィリップ・ベナカン(Philippe Benacin)=インターパルファムSA会長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちが残すレガシーを誇りに思う。これまで支えてくださった全ての方に感謝したい。特に過去2年間クリエイティブ・ディレクターを務めたアレッサンドロ・ヴィジランテは、100年の歴史を持つこのメゾンの大胆なフェミニニティーとエレガンスというDNAを見事に表現してくれた」と述べた。

一方、ヴィジランテ=クリエイティブ・ディレクターは「この数年は、強烈で刺激に満ちた旅路だった。私たちは共に、本質や核心を失うことなく世界中の人々に届くビジョンを創り上げたことを誇りに思っている。それぞれのコレクションには私の一部が込められ、物語を紡ぎ、人々にインスピレーションを与えてきた」とコメント。「これからもファッションへの私の信念は変わらない。それは、女性たちと繋がり、彼女たちの望みを先取りすること、そして彼女たちを包み込むとともに守り、そのアイデンティティーを表現する服で寄り添い続けることだ」と続けた。

インターパルファムSAは「ロシャス」に加え、「ランバン(LANVIN)」のフレグランス事業と3月に買収したフレグランブランド「グタール(GOUTAL)」を保有しており、9月には初の自社ブランド「ソルフェリーノ パリ(SOLFERINO PARIS)」もローンチ予定。さらに、「ブシュロン(BOUCHERON)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「モンクレール(MONCLER)」「モンブラン(MONTBLANC)」「ラコステ(LACOSTE)」「コーチ(COACH)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」とライセンス契約を結び、フレグランスや化粧品の開発、製造、販売を手掛けている。また7月には、「ロンシャン(LONGCHAMP)」とフレグランス製品の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結。27年に初の製品を発売予定だ。

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「グッチ」のCEO交代をケリングが正式発表 フランチェスカ・ベレッティーニ新CEOがデムナと共に立て直しを図る

ケリング(KERING)は9月17日、傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」の社長兼最高経営責任者(CEO)にフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ケリング ブランド開発担当副CEOが就任することを正式に発表した。2025年1月1日付で就任したステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)CEOの後任となる。ベレッティーニ新CEOはこれまでもグループ傘下全ブランドのCEOを統括する立場にあったが、今後は苦境にある同社の主力ブランドに専念し、立て直しに取り組む。

今回の人事は9月15日付で着任したルカ・デメオ(Luca de Meo)=ケリング新CEOにとって最初の重要な決定であり、「この重要な局面において、最適な人材が各ブランドを率いる、よりスリムで明確な組織を構築する考えだ」と説明。「グループの旗艦ブランドである『グッチ』には、最も集中すべきだ。業界での経験が豊富で最も尊敬されるプロフェッショナルの一人であるフランチェスカは、ブランドを本来の地位に回復させるために必要なリーダーシップと完璧な実行力を発揮するだろう」と続けた。

一方、ベレッティーニ=グッチ新CEOは「世界で最も象徴的なラグジュアリーブランドの一つである『グッチ』の直接的な責任を担うことを、心から光栄に思う。革新的かつ新鮮な視点で限界を押し広げるインスピレーションを与えてくれるルカ・デメオ氏のリーダーシップの下で働くことを楽しみにしている。『グッチ』チーム全体、そして私が常にその創造性を称賛してきたデムナ(Demna)と共に新たな挑戦を始めることにワクワクしている」と述べた。

またケリングは組織変更の一環で、副CEOの役職を廃止する。これまでオペレーションおよび財務を担当してきたジャン・マルク・デュプレ(Jean-Marc Duplaix)副CEOは、引き続きグループ最高執行責任者(COO)として、グループの発展と組織運営の両面でデメオCEOを支える。

フランチェスカ・ベレッティーニ新CEOの経歴

ベレッティーニ新CEOは、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーション・マネージャーに就任した。2003年にケリングに入社し、「グッチ」のストラテジック・プランニング・ディレクターおよびアソシエイト・ワールドワイド・マーチャンダイジング・ディレクターを歴任。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を経て、13年に「サンローラン(SAINT LAURENT)」の社長兼CEOに就いた。当時クリエイティブ・ディレクターを務めていたエディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にはエディの後任としてアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)を任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。

そして、23年7月からはケリング副CEOも兼務し、ブランド開発を担当。昨年には、フランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEO(現在は会長)と共に、「グッチ」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ」「ブリオーニ(BRIONI)」「サンローラン」における新たなクリエイティブ・ディレクターやCEOの人事を主導した。25年1月に「サンローラン」のCEO職を退いてからは、全傘下ブランドの統括業務を担っていた。

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「グッチ」のCEO交代をケリングが正式発表 フランチェスカ・ベレッティーニ新CEOがデムナと共に立て直しを図る

ケリング(KERING)は9月17日、傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」の社長兼最高経営責任者(CEO)にフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ケリング ブランド開発担当副CEOが就任することを正式に発表した。2025年1月1日付で就任したステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)CEOの後任となる。ベレッティーニ新CEOはこれまでもグループ傘下全ブランドのCEOを統括する立場にあったが、今後は苦境にある同社の主力ブランドに専念し、立て直しに取り組む。

今回の人事は9月15日付で着任したルカ・デメオ(Luca de Meo)=ケリング新CEOにとって最初の重要な決定であり、「この重要な局面において、最適な人材が各ブランドを率いる、よりスリムで明確な組織を構築する考えだ」と説明。「グループの旗艦ブランドである『グッチ』には、最も集中すべきだ。業界での経験が豊富で最も尊敬されるプロフェッショナルの一人であるフランチェスカは、ブランドを本来の地位に回復させるために必要なリーダーシップと完璧な実行力を発揮するだろう」と続けた。

一方、ベレッティーニ=グッチ新CEOは「世界で最も象徴的なラグジュアリーブランドの一つである『グッチ』の直接的な責任を担うことを、心から光栄に思う。革新的かつ新鮮な視点で限界を押し広げるインスピレーションを与えてくれるルカ・デメオ氏のリーダーシップの下で働くことを楽しみにしている。『グッチ』チーム全体、そして私が常にその創造性を称賛してきたデムナ(Demna)と共に新たな挑戦を始めることにワクワクしている」と述べた。

またケリングは組織変更の一環で、副CEOの役職を廃止する。これまでオペレーションおよび財務を担当してきたジャン・マルク・デュプレ(Jean-Marc Duplaix)副CEOは、引き続きグループ最高執行責任者(COO)として、グループの発展と組織運営の両面でデメオCEOを支える。

フランチェスカ・ベレッティーニ新CEOの経歴

ベレッティーニ新CEOは、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーション・マネージャーに就任した。2003年にケリングに入社し、「グッチ」のストラテジック・プランニング・ディレクターおよびアソシエイト・ワールドワイド・マーチャンダイジング・ディレクターを歴任。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を経て、13年に「サンローラン(SAINT LAURENT)」の社長兼CEOに就いた。当時クリエイティブ・ディレクターを務めていたエディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にはエディの後任としてアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)を任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。

そして、23年7月からはケリング副CEOも兼務し、ブランド開発を担当。昨年には、フランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEO(現在は会長)と共に、「グッチ」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ」「ブリオーニ(BRIONI)」「サンローラン」における新たなクリエイティブ・ディレクターやCEOの人事を主導した。25年1月に「サンローラン」のCEO職を退いてからは、全傘下ブランドの統括業務を担っていた。

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「グッチ」CEO交代の噂 親会社ケリングのフランチェスカ・ベレッティーニ副CEOが就任か

業績が低迷するケリングで人事改革が続いている。米「WWD」が入手した複数の関係者からの情報によると、同社で最も著名かつ実績ある幹部の一人であるフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOが傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」の次期CEOに就任するようだ。実現すれば、1日1日付で副CEOから昇進したステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)CEOは、わずか9カ月でブランドを去ることになる。ケリングは現在契約の最終調整中とみられ、早ければ今週中にも正式に発表される可能性がある。ただし、現時点で「グッチ」およびケリングの担当者はコメントに応じていない。

彼女の任命は、9月15日付で着任したケリングのルカ・デメオ(Luca de Meo)新CEOが下す最初の最も重要な決定の一つになる。デメオCEOは先週、経営不振のラグジュアリーグループに対する再生計画に年内に着手すると表明していた。なかでも、主力ブランドである「グッチ」の軌道修正を迅速に進めることは、デメオCEOの最優先課題の一つだ。ケリングは同ブランドの急激な売上減少と膨れ上がった負債により、25年1~6月期(上半期)のグループ全体の純利益が44.4%減。店舗閉鎖や不動産売却、人員削減を余儀なくされている。関係者によると、「グッチ」のアルベルト・ヴァレンテ(Alberto Valente)最高財務責任者(CFO)も退任する見通しだという。

フランチェスカ・ベレッティーニ氏の実績

ベレッティーニ副CEOは、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーション・マネージャーに就任した。2003年にケリングに入社し、「グッチ」のストラテジック・プランニング・ディレクターおよびアソシエイト・ワールドワイド・マーチャンダイジング・ディレクターを歴任。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を経て、13年に「サンローラン(SAINT LAURENT)」のCEOに就いた。当時クリエイティブ・ディレクターを務めていたエディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にはエディの後任としてアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)を任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。

そして、23年7月からはケリング副CEOも兼務し、ブランド開発を担当。昨年には、フランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEO(現在は会長)と共に、「グッチ」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ」「ブリオーニ(BRIONI)」「サンローラン」における新たなクリエイティブ・ディレクターやCEOの人事を主導した。25年1月には「サンローラン」のCEO職を退き、現在は全傘下ブランドの統括業務に専念している。

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「グッチ」CEO交代の噂 親会社ケリングのフランチェスカ・ベレッティーニ副CEOが就任か

業績が低迷するケリングで人事改革が続いている。米「WWD」が入手した複数の関係者からの情報によると、同社で最も著名かつ実績ある幹部の一人であるフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOが傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」の次期CEOに就任するようだ。実現すれば、1日1日付で副CEOから昇進したステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)CEOは、わずか9カ月でブランドを去ることになる。ケリングは現在契約の最終調整中とみられ、早ければ今週中にも正式に発表される可能性がある。ただし、現時点で「グッチ」およびケリングの担当者はコメントに応じていない。

彼女の任命は、9月15日付で着任したケリングのルカ・デメオ(Luca de Meo)新CEOが下す最初の最も重要な決定の一つになる。デメオCEOは先週、経営不振のラグジュアリーグループに対する再生計画に年内に着手すると表明していた。なかでも、主力ブランドである「グッチ」の軌道修正を迅速に進めることは、デメオCEOの最優先課題の一つだ。ケリングは同ブランドの急激な売上減少と膨れ上がった負債により、25年1~6月期(上半期)のグループ全体の純利益が44.4%減。店舗閉鎖や不動産売却、人員削減を余儀なくされている。関係者によると、「グッチ」のアルベルト・ヴァレンテ(Alberto Valente)最高財務責任者(CFO)も退任する見通しだという。

フランチェスカ・ベレッティーニ氏の実績

ベレッティーニ副CEOは、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーション・マネージャーに就任した。2003年にケリングに入社し、「グッチ」のストラテジック・プランニング・ディレクターおよびアソシエイト・ワールドワイド・マーチャンダイジング・ディレクターを歴任。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を経て、13年に「サンローラン(SAINT LAURENT)」のCEOに就いた。当時クリエイティブ・ディレクターを務めていたエディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にはエディの後任としてアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)を任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。

そして、23年7月からはケリング副CEOも兼務し、ブランド開発を担当。昨年には、フランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEO(現在は会長)と共に、「グッチ」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ」「ブリオーニ(BRIONI)」「サンローラン」における新たなクリエイティブ・ディレクターやCEOの人事を主導した。25年1月には「サンローラン」のCEO職を退き、現在は全傘下ブランドの統括業務に専念している。

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ピーター・ドゥが新ライン「PD-168」を始動 日常のためのユニホームをオンラインで独占販売

ニューヨーク(NY)を拠点に活動するベトナム系アメリカ人デザイナーのピーター・ドゥ(Peter Do)が、レディトゥウエアの新ライン「PD-168」を始動し、9月10日から公式オンラインショップ「PD-168.net」での独占販売を開始した。ブランド名の「168」は、7日×24時間という1週間の時間数に由来。仕事から遊びや余暇までに対応する日常のためのユニホームという思いを込め、時間や場所を問わずに着られるユニセックスのワードローブを提案する。

ユニホームのシンプルさ、普遍性、規律性を生かした同ラインは、「Every Hour(いつでも)」「Ever Black(常に黒)」「Everyone(全ての人)」「Everything(あらゆる要素)」という“4つのE”をもとにデザインされた24型で構成。テーラードジャケットやコート、シャツから、ボンバージャケット、Tシャツ、タンクトップ、フーディー、スエットパンツ、ショーツ、プリーツスカート、レースアップシューズ、ブーツまでをそろえる。素材にはリキッドサテンや柔らかなリブ、洗いをかけたテリーニットなどを使用しており、全てのアイテムを洗濯機で洗濯可能。色は黒で統一し、左サイドに白であしらわれた1本のタトゥーラインがアクセントになっている。価格帯は110ドル(約1万6300円)から850ドル(約12万5800円)。シーズンレスのコレクションとして定価で通年販売し、毎年新作を追加していくという。

ピーターは「常に自分の中には、控えめで慎重、そして焦点が絞られたプライベートな部分があった。そこから生まれた『PD-168』は、ブランドのためやシーズンごとに提案するコレクションではなく、私が毎日自然に着ていた服。考えることなく着用できるからこそ、他のことに集中できる。ブランドとしての『ピーター ドゥ』と自分自身を切り分けたことで、頭の中がクリアになった。『ピーター ドゥ』が成長と進化を続ける一方、『PD-168』は“私たちの生活を支える服を作ること”という自分がデザイナーとして活動する理由の核心に立ち返るものだ」と説明する。

ローンチに合わせ、ベトナム・ホーチミンでシェフやダンサー、デザイナー、研究者など異なる職業の人々を起用して撮影したルックブック、振付師サミュエル・シュラー(Samuel Schler)が手掛けたNYのコンテンポラリーダンサーの映像作品、NYにあるコンサルティング会社OASでの制服としての採用という3つのプロジェクトも公開。さまざまなシーンで機能するユニホームとしての可能性を表現している。

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「ヴァレンティノ」次期CEOは親会社メイフーラから 「クロエ」や「マルジェラ」でも再建を成し遂げたリカルド・ベッリーニ氏

ヴァレンティノ(VALENTINO)の次期最高経営責任者(CEO)に、親会社であるカタールの投資会社メイフーラ(MAYHOOLA)のマネジング・ディレクターを1月から務めているリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellin)氏が就任することがわかった。今月退任したヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)前CEOの後任として、9月1日付で着任予定。「クロエ(CHLOE)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」でも再建を成し遂げてきた手腕を生かし、業績が低迷しているブランドのテコ入れを図る。

求められるのは、迅速な好転

ラグジュアリー業界のベテランであるベッリーニ次期CEOは、事業再建の豊富な経験、メイフーラの主要株主からの信頼、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターとの強い信頼関係、ブランドが直面するビジネス上の課題への理解、そして度胸を備えている。そんな彼が担うのは、「ヴァレンティノ」の現状を迅速に好転させるミッションだ。そのためには、ミケーレに前職の「グッチ」時代と密接に結びついたクリエイティブなメッセージと美学の進化を促し、ビジネスを活性化させる必要がある。ラグジュアリー市場全体が停滞する中、ブランドは現在売り上げが2ケタ減収していると見られ、ヴェントゥリーニ前CEOの予期せぬ退任によって不安定な状況に陥っている。

包摂的かつ共感的で周りを引きつけるリーダーシップスタイルで知られるベッリーニ次期CEOは、パリ、ローマ、ミラノにある「ヴァレンティノ」のオフィスを拠点にするが、まずは世界各地の従業員のもとを訪れて、チームを鼓舞しモチベーションを高めることから取り組むことになる。また、すでにミケーレと“クリエイティブの再編”についても幅広く話し合っている。

ただし、再建のミッションに時間的な猶予は少ない。というのも、23年にヴァレンティノの株式の30%を取得したケリング(KERING)が28年までに残りの70%を買い取るオプションを保有しており、最終的な買収額はヴァレンティノの業績に左右されるからだ。バーンスタイン(BERNSTEIN)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=アナリストによると、負債を抱えるケリングは残りの70%取得に最大34億ユーロ(約5854億円)が必要とされる。

ベッリーニ次期CEOは、「バルマン(BALMAIN)」や「パル ジレリ(PAL ZILERI)」なども擁するメイフーラ全体を監督するマネジング・ディレクターに就いて以来、少なくとも半分の時間を「ヴァレンティノ」に費やしてきたという。同社は新たなマネジング・ディレクターを任命する計画は当面なく、それは彼が取り組む課題の重要性と大きさを示していると考えられる。

ベッリーニ次期CEOの経歴と実力

ベッリーニ次期CEOは、イタリア出身。ミラノのボッコーニ大学とスペインのIESEビジネススクールビジネススクールで学んだ。プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)で美容部門の役員を10年間務めた後、2007年から17年2月までディーゼル(DIESEL)でさまざまな要職を歴任。17年3月から19年11月までメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のCEOを務め、売り上げを2倍以上に増加させた。その後、同年12月にクロエ(CHLOE)の社長兼CEOに就任。ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)をクリエイティブ・ディレクターに起用し、“パーパス・ドリブン(目的主導)”なビジネスモデルでサステナブルなブランドへの変革を進めるとともにビジネスを成長させた。

23年12月に退任してからは多くのラグジュアリーブランドやファッション企業にコンサルティングを手掛けており、25年1月にはメイフーラのマネジング・ディレクターに就任。ラシード・モハメド・ラシード(Rachid Mohammed Rachid)会長兼CEOにポートフォリオ戦略やM&Aのアドバイスを行ってきた。

メイフーラのラシード会長兼CEOは、「彼の豊富なラグジュアリー業界の経験、戦略的洞察力、そして確固たるリーダーシップは、アレッサンドロ・ミケーレのパワフルなクリエイティブビジョンとともにメゾンを前進させ、その独自のアイデンティティーを強化だろう」とコメント。ベッリーニ次期CEOは「ヴァレンティノという卓越した伝統とクラフツマンシップを独自のクリエイティビティーを融合させている象徴的なメゾンに加わることを光栄に思う。アレッサンドロ・ミケーレや素晴らしいチームと共に、メゾンのタイムレスな価値観を称えながら、新たな章を築いていくことを楽しみにしている」と述べた。

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「ヴァレンティノ」CEOが退任 クチュールメゾンとしての再ポジショニングに注力

ヴァレンティノ(VALENTINO)は8月14日、ヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)最高経営責任者(CEO)が同13日付で退任したことを明らかにした。理由は、同氏が「個人的な理由により一時的な休養を取ることにした」ためであり、ヴァレンティノは雇用契約と取締役職の終了に関する相互合意に達したと説明。後任は未定だが、「しかるべき時期に発表する」としている。

同社に近い関係者によると、2024年3月に就任したアレサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブディレクターは続投する模様。同社はミケーレに対する「完全な信頼とコミットメントを確認している」と関係者は述べた。

ヴァレンティノでの3度目のキャリア

ヴェントゥリーニ前CEOは、1995年に百貨店リナシェンテ(RINASCENTE)のバイヤーとしてキャリアをスタート。99年まで経験を積んだ後、2000年から04年までヴァレンティノでウィメンズウエアとメンズウエアのブランドマネジャーを務める。05年からプラダ(PRADA)でウィメンズウエア・コレクションのマーチャンダイジング・コーディネーターを務めた後、08年にヴァレンティノに戻り、レディ・トゥ・ウエア・コレクション・ディレクター兼リテール・イメージ・ディレクターに就任。15年にはグッチに移り、マーチャンダイジングとグローバルマーケット担当エグゼクティブ・バイスプレジデントに就いた。その後、19年10月に退任。20年6月からヴァレンティノCEOを務めてきた。

在任中には組織再編を実施し、「ヴァレンティノ」をイタリアのクチュールメゾンとして再びポジショニングすることに注力。その一環として、姉妹ブランド「レッド ヴァレンティノ(RED VALENTINO)」を終了した。またリテール強化を推進し、中国本土に成長可能性を見出しました。20年12月には上海でメゾンのコードにスポットライトを当てた展覧会「リ-シグニファイ(Re-Signify)」のパート1を上海で開催。翌年には、パート2を北京のSKPで開いた。

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「マルニ」の新ディレクターにメリル・ロッゲ就任 「マーク ジェイコブス」や「ドリス」で経験を積んだ女性デザイナー

「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」なども擁するOTBは7月15日、傘下ブランド「マルニ(MARNI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターにメリル・ロッゲ(Meryll Rogge)「メリル ロッゲ」デザイナーを指名した。6月に約10年間の任期を終えて退任したフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の後任となる。

ベルギー・ヘント出身のロッゲは2008年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、ニューヨークに移住。「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」でおよそ7年にわたって経験を積んだ。14年にアントワープに戻り、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」でウィメンズのヘッドデザイナーを4年間務めた後、20年に自身のブランドを立ち上げた。21年にはベルギー・ファッション・アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、心身デザイナーに贈られる「エマージング・タレント・オブ・ザ・イヤー」を受賞。そして24年には、同アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、女性として初めて「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM FASHION AWARD)」では、やはり24年にファイナリストに選出され、25年にはグランプリを受賞。25年のインターナショナル・ウールマーク・プライズ(INTERNATIONAL WOOLMARK PRIZE)でもファイナリストに選ばれている。

就任に際して、ロッゲは「長年その独立した精神に敬意を抱いてきた『マルニ』に加わることを本当に光栄に思う。先見性のあるクリエイティブ・ディレクターたちによって定義されてきた役割を担うことは、謙遜であるとともに刺激的。レンツォとステファノが私たちの世界観の共鳴を評価し、この非凡な機会を託してくれたことに深く感謝している。『マルニ』のこれからを形作ることに貢献できるのが楽しみ」と話した。

レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長は「私たちは多くの優秀な候補者と会ったが、『マルニ』が世界中のクリエイターを引き付け、インスパイアし続けていることを改めて認識した。メリルは、ブランドのDNAを再解釈するために示した感性で私たちを魅了し、アクセサリーやインテリアデザイン、コミュニケーション、スペシャルプロジェクトなど『マルニ』のあらゆる側面をグローバルに包含するコンテンポラリーなビジョンを示してくれた」とコメント。「クリエイティビティーをアイデンティティーの核に据えてきたチームとグループと共に、情熱を持ってこのビジョンを推進する彼女の活躍を祈っている」と続けた。また、レンツォ会長の息子でもあるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)「マルニ」CEOは「メリルを『マルニ』に迎えられて、とても光栄だ。彼女は卓越したクリエイティブな才能とインスピレーションにあふれる女性であり、そのビジョンと専門知識が、この素晴らしいブランドの未来を形作る上で重要な役割を果たすだろう」と述べた。

OTB傘下のブランドではこの1年、デザイナー交代が活発化している。「メゾン マルジェラ」には、「ディーゼル」と兼務する形でグレン・マーティンス(Glenn Martens)が就任。7月9日にパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークで “アーティザナル”コレクションのショーを開き、デビューを飾ったばかりだ。また、「ジル サンダー」にはシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)が着任しており、9月のミラノ・ファッション・ウイークにランウエイデビューを控えている。

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「マルニ」の新ディレクターにメリル・ロッゲ就任 「マーク ジェイコブス」や「ドリス」で経験を積んだ女性デザイナー

「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」なども擁するOTBは7月15日、傘下ブランド「マルニ(MARNI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターにメリル・ロッゲ(Meryll Rogge)「メリル ロッゲ」デザイナーを指名した。6月に約10年間の任期を終えて退任したフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の後任となる。

ベルギー・ヘント出身のロッゲは2008年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、ニューヨークに移住。「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」でおよそ7年にわたって経験を積んだ。14年にアントワープに戻り、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」でウィメンズのヘッドデザイナーを4年間務めた後、20年に自身のブランドを立ち上げた。21年にはベルギー・ファッション・アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、心身デザイナーに贈られる「エマージング・タレント・オブ・ザ・イヤー」を受賞。そして24年には、同アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、女性として初めて「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM FASHION AWARD)」では、やはり24年にファイナリストに選出され、25年にはグランプリを受賞。25年のインターナショナル・ウールマーク・プライズ(INTERNATIONAL WOOLMARK PRIZE)でもファイナリストに選ばれている。

就任に際して、ロッゲは「長年その独立した精神に敬意を抱いてきた『マルニ』に加わることを本当に光栄に思う。先見性のあるクリエイティブ・ディレクターたちによって定義されてきた役割を担うことは、謙遜であるとともに刺激的。レンツォとステファノが私たちの世界観の共鳴を評価し、この非凡な機会を託してくれたことに深く感謝している。『マルニ』のこれからを形作ることに貢献できるのが楽しみ」と話した。

レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長は「私たちは多くの優秀な候補者と会ったが、『マルニ』が世界中のクリエイターを引き付け、インスパイアし続けていることを改めて認識した。メリルは、ブランドのDNAを再解釈するために示した感性で私たちを魅了し、アクセサリーやインテリアデザイン、コミュニケーション、スペシャルプロジェクトなど『マルニ』のあらゆる側面をグローバルに包含するコンテンポラリーなビジョンを示してくれた」とコメント。「クリエイティビティーをアイデンティティーの核に据えてきたチームとグループと共に、情熱を持ってこのビジョンを推進する彼女の活躍を祈っている」と続けた。また、レンツォ会長の息子でもあるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)「マルニ」CEOは「メリルを『マルニ』に迎えられて、とても光栄だ。彼女は卓越したクリエイティブな才能とインスピレーションにあふれる女性であり、そのビジョンと専門知識が、この素晴らしいブランドの未来を形作る上で重要な役割を果たすだろう」と述べた。

OTB傘下のブランドではこの1年、デザイナー交代が活発化している。「メゾン マルジェラ」には、「ディーゼル」と兼務する形でグレン・マーティンス(Glenn Martens)が就任。7月9日にパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークで “アーティザナル”コレクションのショーを開き、デビューを飾ったばかりだ。また、「ジル サンダー」にはシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)が着任しており、9月のミラノ・ファッション・ウイークにランウエイデビューを控えている。

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デムナによる「バレンシアガ」完結 10年間の軌跡を感じる最後のクチュール

「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が7月8日にパリで開いたクチュールショーは、とてもエモーショナルなものだった。それは、10年間アーティスティック・ディレクターを務めてきたデムナ(Demna)による同メゾンでの最後の仕事だったから。おなじみの会場となったジョルジュ・サンク通り10番地に構えるクチュールサロンには、彼の母親をはじめとする親族、アントワープ王立芸術アカデミー時代の恩師や友人なども多く集まり、いつも以上にアットホームな雰囲気に包まれていた。そんな中行われたショーのサウンドトラックは、過去10年間にデムナが描くビジョンの実現を支えてきたチームメンバーの名前を読み上げたもの。そこには、彼の感謝の気持ちが込められている。

創業者への敬意とデムナのコードを織り交ぜた集大成

ショーは、テーラリング技術を生かした構築的なロングトップスとフルレングススカートのミニマルなドレススタイルからスタート。その後は、前傾したパワーショルダーとカールしたチューリップ型のラペルが印象的なスーツなど、ウィメンズのテーラードアイテムが続く。そして目を引いたのは、創業者クリストバル・バレンシアガ(Christobal Balenciaga)へのリスペクトを込めたハウンドトゥース柄のスカートスーツ。彼の元でハウスモデルを務めたダニエル・スラヴィック(Danielle Slavick)が1967年に着用したアンサンブルを再現したもので、7000時間にも及ぶ刺しゅうで柄を描いた大作だ。スラヴィックは、デムナのラブコールで2022年のクチュールショーにモデルとしても登場していたが、創業者を実際に知る彼女と出会い、そして彼女に認められたことがデムナに自信をもたらしたという。

また今回のコレクションでは、ニットをメディチ家の装いから着想した高い襟で仕上げたり、トレンチコートをドレスのように仕立てたり、レザーパンツとブーツを一体化させたりと、自身がこれまでに確立してきたデザインの応用も多出。極めて軽量のテクニカルシルクで作ったボンバージャケットからタフテッド刺しゅうによるトロンプルイユで表現したコーディロイ風パンツまで、デムナのクチュールの特徴の一つであるカジュアルウエアの再解釈も見られた。

デムナ期を象徴する顔ぶれが登場

ランウエイには、過去のショーでもモデルを務めたことのあるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)やPPクリット(PP Krit)といったアンバサダーも登場した。デムナにとってハリウッドの黄金時代は尽きることのないインスピレーション源であり、キムは女優エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)へのオマージュとして、映画「熱いトタン屋根の猫」の衣装をイメージしたシルクのスリップドレスとフェザーの刺しゅうを全面にあしらったミンク風のコート、ジュエリーデザイナーのロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwarz)によるカスタムメードのハイジュエリーを着用。そのほか、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)にヒントを得た黒のスパンコールガウンや、社交界のデビュタントのようなテクニカルオーガンジー製のプリンセスドレスも披露された。

一方、PPクリットは、ナポリにある4つのテーラーと共に開発したアンコン仕立てのスーツをまとった。これは、ボディービルダーの体をもとに“ワンサイズ・フィット・オール”のアイデアで作られたもの。筋骨隆々から華奢まで異なる体型のモデルが着用することで、「衣服が体を定義するのではなく、体が衣服を定義する」という考えを表現している。

そしてラストルックは、16-17年秋冬のデビューショーでもオープニングを飾ったデムナ期の「バレンシアガ」を象徴するエリザ・ダグラス(Eliza Douglas)がまとうシームレスなギュピールレースのガウン。22年のクチュールも思い起こさせるミニマルで彫刻的なシルエットは、帽子制作の技術を応用して作られたものだ。

「クチュールと現実世界の関連性を生み出したい」

21年にクチュールコレクションを復活させて以来、先を見据えるデムナは創業者と現代のつながりを見出しつつも、クチュール界のしきたりにとらわれることなく、観るものに驚きを与えてきた。Tシャツやデニムなどの日常着やテクニカルな素材のクチュールへの昇華、アーティストが油彩で描くアートワークや精巧なトロンプルイユといった手仕事の取り入れ方、熱処理やアルミニウムを挟んだ生地で作る独創的なシルエットなど、例を挙げればキリがない。

そんなこれまでの4回に比べると、今回のコレクションはよりクリーンで洗練されたスタイルに重きを置いたものであり、見た目のインパクトは控えめだったかもしれない。ただ、今回のコレクションを通して探求したのは、彫刻的かつ精緻な構造でありながらミニマルで、軽やかさや快適さを表現すること。メンズのテーラリングは現代人のニーズに合うようにシャツのような着心地で仕上げ、象徴的なアワーグラスシルエットを生むコルセットも今回はボーンを用いずシェイプウエアを発展させたような構造で作り上げている。そんな軽やかさや快適さは、実際に袖を通す顧客だけが身をもって感じられる贅沢さだろう。

また今回公開されたルック画像は、デムナ自身がファッションのキャリアをスタートした場所へのオマージュとして、クチュールサロンではなく、日常を想起させるパリの街中を背景にしたものだった。そんなロケーションと彼が提案する服には、「卓越した職人技によって生み出されるクチュールを宮殿や素晴らしいサロンではなくリアリティーという文脈に置き、クチュールと現実世界の関連性を生み出したい」という思いが反映されている。

「バレンシアガ」での仕事を終え「グッチ」へ

デムナは最後のクチュールショーに先駆け、「バレンシアガ」での10年間の軌跡を振り返る展覧会をケリング本社で開催した。それは、彼がファッション界の常識を打ち破り、時に物議を醸しながらもスタイルに変革をもたらし、ファッション史に残る一時代を築いたことを示すものだった。その一章は、このクチュールコレクションをもって完結。「私は『バレンシアガ』を愛しているし、最も美しいクチュールメゾンだと思う。ただ、そのコードは限定的で、現在のビジネスのタイプに比例していない。この10年間、私はコクーンやアワーグラスに取り組んできたが、それだけでは十分ではなかったため、たくさんの“デムナ”コードを組み込む必要があった」とショー後のバックステージで振り返った。

移籍先の「グッチ(GUCCI)」での初のショーは、来年3月になるという。「次の章には、これまでに使ったことや手にしたことがなかった多様なコードがそろっているという豊かさがある。それにとてもワクワクしている。私はシェフのような存在であり、料理を作るための材料が増えることはエキサイティングだ」。そう話す彼が「グッチ」ではどんなクリエイションを見せてくれるのか、期待を込めて待ちたい。

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デムナによる「バレンシアガ」完結 10年間の軌跡を感じる最後のクチュール

「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が7月8日にパリで開いたクチュールショーは、とてもエモーショナルなものだった。それは、10年間アーティスティック・ディレクターを務めてきたデムナ(Demna)による同メゾンでの最後の仕事だったから。おなじみの会場となったジョルジュ・サンク通り10番地に構えるクチュールサロンには、彼の母親をはじめとする親族、アントワープ王立芸術アカデミー時代の恩師や友人なども多く集まり、いつも以上にアットホームな雰囲気に包まれていた。そんな中行われたショーのサウンドトラックは、過去10年間にデムナが描くビジョンの実現を支えてきたチームメンバーの名前を読み上げたもの。そこには、彼の感謝の気持ちが込められている。

創業者への敬意とデムナのコードを織り交ぜた集大成

ショーは、テーラリング技術を生かした構築的なロングトップスとフルレングススカートのミニマルなドレススタイルからスタート。その後は、前傾したパワーショルダーとカールしたチューリップ型のラペルが印象的なスーツなど、ウィメンズのテーラードアイテムが続く。そして目を引いたのは、創業者クリストバル・バレンシアガ(Christobal Balenciaga)へのリスペクトを込めたハウンドトゥース柄のスカートスーツ。彼の元でハウスモデルを務めたダニエル・スラヴィック(Danielle Slavick)が1967年に着用したアンサンブルを再現したもので、7000時間にも及ぶ刺しゅうで柄を描いた大作だ。スラヴィックは、デムナのラブコールで2022年のクチュールショーにモデルとしても登場していたが、創業者を実際に知る彼女と出会い、そして彼女に認められたことがデムナに自信をもたらしたという。

また今回のコレクションでは、ニットをメディチ家の装いから着想した高い襟で仕上げたり、トレンチコートをドレスのように仕立てたり、レザーパンツとブーツを一体化させたりと、自身がこれまでに確立してきたデザインの応用も多出。極めて軽量のテクニカルシルクで作ったボンバージャケットからタフテッド刺しゅうによるトロンプルイユで表現したコーディロイ風パンツまで、デムナのクチュールの特徴の一つであるカジュアルウエアの再解釈も見られた。

デムナ期を象徴する顔ぶれが登場

ランウエイには、過去のショーでもモデルを務めたことのあるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)やPPクリット(PP Krit)といったアンバサダーも登場した。デムナにとってハリウッドの黄金時代は尽きることのないインスピレーション源であり、キムは女優エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)へのオマージュとして、映画「熱いトタン屋根の猫」の衣装をイメージしたシルクのスリップドレスとフェザーの刺しゅうを全面にあしらったミンク風のコート、ジュエリーデザイナーのロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwarz)によるカスタムメードのハイジュエリーを着用。そのほか、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)にヒントを得た黒のスパンコールガウンや、社交界のデビュタントのようなテクニカルオーガンジー製のプリンセスドレスも披露された。

一方、PPクリットは、ナポリにある4つのテーラーと共に開発したアンコン仕立てのスーツをまとった。これは、ボディービルダーの体をもとに“ワンサイズ・フィット・オール”のアイデアで作られたもの。筋骨隆々から華奢まで異なる体型のモデルが着用することで、「衣服が体を定義するのではなく、体が衣服を定義する」という考えを表現している。

そしてラストルックは、16-17年秋冬のデビューショーでもオープニングを飾ったデムナ期の「バレンシアガ」を象徴するエリザ・ダグラス(Eliza Douglas)がまとうシームレスなギュピールレースのガウン。22年のクチュールも思い起こさせるミニマルで彫刻的なシルエットは、帽子制作の技術を応用して作られたものだ。

「クチュールと現実世界の関連性を生み出したい」

21年にクチュールコレクションを復活させて以来、先を見据えるデムナは創業者と現代のつながりを見出しつつも、クチュール界のしきたりにとらわれることなく、観るものに驚きを与えてきた。Tシャツやデニムなどの日常着やテクニカルな素材のクチュールへの昇華、アーティストが油彩で描くアートワークや精巧なトロンプルイユといった手仕事の取り入れ方、熱処理やアルミニウムを挟んだ生地で作る独創的なシルエットなど、例を挙げればキリがない。

そんなこれまでの4回に比べると、今回のコレクションはよりクリーンで洗練されたスタイルに重きを置いたものであり、見た目のインパクトは控えめだったかもしれない。ただ、今回のコレクションを通して探求したのは、彫刻的かつ精緻な構造でありながらミニマルで、軽やかさや快適さを表現すること。メンズのテーラリングは現代人のニーズに合うようにシャツのような着心地で仕上げ、象徴的なアワーグラスシルエットを生むコルセットも今回はボーンを用いずシェイプウエアを発展させたような構造で作り上げている。そんな軽やかさや快適さは、実際に袖を通す顧客だけが身をもって感じられる贅沢さだろう。

また今回公開されたルック画像は、デムナ自身がファッションのキャリアをスタートした場所へのオマージュとして、クチュールサロンではなく、日常を想起させるパリの街中を背景にしたものだった。そんなロケーションと彼が提案する服には、「卓越した職人技によって生み出されるクチュールを宮殿や素晴らしいサロンではなくリアリティーという文脈に置き、クチュールと現実世界の関連性を生み出したい」という思いが反映されている。

「バレンシアガ」での仕事を終え「グッチ」へ

デムナは最後のクチュールショーに先駆け、「バレンシアガ」での10年間の軌跡を振り返る展覧会をケリング本社で開催した。それは、彼がファッション界の常識を打ち破り、時に物議を醸しながらもスタイルに変革をもたらし、ファッション史に残る一時代を築いたことを示すものだった。その一章は、このクチュールコレクションをもって完結。「私は『バレンシアガ』を愛しているし、最も美しいクチュールメゾンだと思う。ただ、そのコードは限定的で、現在のビジネスのタイプに比例していない。この10年間、私はコクーンやアワーグラスに取り組んできたが、それだけでは十分ではなかったため、たくさんの“デムナ”コードを組み込む必要があった」とショー後のバックステージで振り返った。

移籍先の「グッチ(GUCCI)」での初のショーは、来年3月になるという。「次の章には、これまでに使ったことや手にしたことがなかった多様なコードがそろっているという豊かさがある。それにとてもワクワクしている。私はシェフのような存在であり、料理を作るための材料が増えることはエキサイティングだ」。そう話す彼が「グッチ」ではどんなクリエイションを見せてくれるのか、期待を込めて待ちたい。

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アナ・ウィンターが米国版「ヴォーグ」編集長を退任へ コンデナストのチーフ・コンテンツ・オフィサーなどの職務は継続

アナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長は6月26日、社内のスタッフに向けて、米「ヴォーグ」のヘッド・オブ・コンテントを探す旨を伝えた。37年間務めてきた同誌における編集トップの役割は後進に譲ることになるが、兼務しているコンデナスト(CONDE NAST)のチーフ・コンテンツ・オフィサーと「ヴォーグ」のグローバル・エディトリアル・ディレクターとしての職務は今後も継続する。

75歳のウィンターは、1988年に米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長に就任。現在は「ヴォーグ」のみならず、「ワイアード(WIRED)」「ヴァニティ・フェア(VANITY FAIR)」「GQ」「アーキテクチュラル ダイジェスト(ARCHITECTURAL DIGEST)」「コンデナスト トラベラー(CONDENAST TRAVELER)」「グラマー(GLAMOUR)」「ボナペティ(BON APPETIT)」「タトラー(TATLER)」「アルーア(ALLURE)」など、「ザ・ニューヨーカー(THE NEW YORKER)」を除くコンデナストが運営するほぼ全てのブランドをグローバルに統括している。

また4年前にコンデナストは編集構造を改革し、世界中の編集チームを統合。同社が事業展開する全市場の各誌にヘッド・オブ・コンテントを配し、グローバル・エディトリアル・ディレクターが率いる形をとっている。米「ヴォーグ」における新たな役職もその組織設計の一環であり、日本や中国、インド、台湾、英国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、中東のヘッド・オブ・コンテントと並ぶ役割になる。

この間、米「ヴォーグ」の日常的な編集業務に加え、全てのブランドにおけるグローバルな責任を担うまでに職務の範囲を拡げてきた。米「ヴォーグ」チームに編集面における新たなリーダーが加わることで、ウィンターは全市場をより均等にサポートする時間を確保できるようになると期待されている。

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「ディオール」、ジョナサン・アンダーソンが手掛けたデザインをデビューショーに先駆け公開 エムバペが着用する映像で

「ディオール(DIOR)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)新アーティスティック・ディレクターは、3日後に控える2026年春夏メンズ・コレクションでのデビューに先駆け、サッカー選手のキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)を起用した2本の短編映像を通して同メゾンのために手掛けたデザインを初公開した。

シューベルトの「未完成交響曲」が流れる映像の中で、エムバペは水色と白のストライプシャツに、赤と紺のストライプネクタイを締め、グレーのヘリンボーンウールジャケットを着用。もう1本の映像では、クラシックなブラックタキシードに白のウィングカラーシャツをまとい、黒のボウタイを結ぶ様子が捉えられている。

21年から「ディオール」のグローバルアンパサダーも務める彼について、アンダーソンは「キリアン・エムバペはその世代の声を代弁する存在で、スポーツ界のみならず多くの人々にインスピレーションを与えている。これらの映像は、彼がメゾンのアンバサダーにふさわしい魅力とカリスマ性を表現している」とコメントした。

27日の現地時間14時30分(日本時間同日21時30分)からパリで開かれる「ディオール」の 26 年春夏メンズショーは、今季のメンズ・コレクションで最も注目されているショーの一つ。今回公開されたファーストルックは、フリルのついたブルマショーツやカラフルなパッチワークセーターを男性向けに提案することでも知られるアンダーソンが、より保守的な方向に向かうことを示唆しているようでもある。

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ケリング次期CEOにルノーのデメオCEO就任が決定 低迷続くラグジュアリーグループにもたらす「新たな視点」に期待

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを擁するケリング(KERING)は6月16日、次期最高経営責任者(CEO)に仏自動車メーカー、ルノー・グループ(RENAULT GROUP)のルカ・デメオ(Luca de Meo)CEOが就任することを認めた。自動車業界で約30年以上キャリアを積んできたデメオ次期CEOは、取締役会の最終承認を経て、9月15日付で着任予定。さまざまな逆風と「構造変化」に直面しているラグジュアリー業界に、新鮮なビジョンをもたらすことが期待される。

また、2005年から数々の変革に取り組み、絶頂期も困難期もファミリーが所有する同社を率いてきたフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOは、会長職に専念することになる。16日夕方に行われた電話会議でピノー会長兼CEOは、「彼は新たな視点をもたらしてくれるだろう」とコメントし、CEO交代を発表。そして、「会長としてグループの戦略的方向性に全面的に関与していくが、グループの優先事項、組織、重要な人事に関するCEOの権限に介入したり、それを妨害したりすることは一切ない」と話した。

今回の人事に関する声明の中で、ケリングは「フランソワ・アンリ・ピノーが主導したこの決定は、ケリングのガバナンスの進化における決定的な一歩であり、新たな発展段階に入ったグループのリーダーシップを強化するものだ」と説明。ピノー会長兼CEOは「私たちの相性が良いことは、ものの数分もしないうちに明らかだった」とし、デメオ次期CEOを「市場と成長に関するグローバルな視点を持ち、製品面への親和性とブランドを活性化させる才能を備えた開発者」と称賛した。

そんなデメオ次期CEOに求められるのは、主力ブランド「グッチ」の急激な減速や「サンローラン」と「マックイーン(McQUEEN)」の不安定な状況により、苦境に陥っているラグジュアリーグループの立て直しを指揮することだ。声明の中で、彼は「グループのブランド力と社員の専門性に触発され、熱意と自信を持ってこの新たなプロフェッショナルとしての挑戦に臨む。皆と共にケリングをラグジュアリー業界において引き続き必要不可欠な存在にしていくことができると確信している」と述べた。

なお、ケリングの株価は経営継承への期待から16日に11.8%急騰。複数の株式アナリストが好意的な反応を示した。

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「アリックス」創設者のマシュー・M・ウィリアムズが新プロジェクト始動 6月のパリ・メンズ期間中にお披露目

マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)が、新たに自身の名を冠したファッション・プロジェクトを始動し、6月の2026年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中にお披露目することが米「WWD」の取材で明らかになった。ウィリアムズは、15年に共同創設者として立ち上げた「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM、以下アリックス)」でのインダストリアルなデザインや、「ナイキ(NIKE)」や「モンクレール(MONCLER)」との協業、そして20年6月から23年末までクリエイティブ・ディレクターを務めた「ジバンシィ(GIVENCHY)」での仕事で知られる。ただ、23年11月には「アリックス」の過半数株式を香港の投資家に売却し、24年6月に「アリックス」の新作を披露して以降、表立ったコレクション発表は行っていなかった。

今回発表するのは、ウィリアムズならではの厳格なプロダクト視点のアプローチやクラフトへのフォーカスを反映したメンズとウィメンズのコレクション。彼は詳細についてのコメントは避けたものの、新プロジェクトに出資するとともに、日本のデニム工場やアメリカのジャージー専門企業、スペインのハンドメードシューズメーカーなどお気に入りのサプライヤーと取り組んでいると見られる。

また、セールスはセイヤ ナカムラ2.24(SEIYA NAKAMURA 2.24)が担う。パリで6月26日から7月1日まで開かれるショールームには、同プロジェクトに加え、「クレイグ グリーン(CRAIG GREEN)」や「タイガタイハシ(TAIGA TAKAHASHI)」「アルパ ストゥディオズ(ARPA STUDIOS)」「アモメント(AMOMENTO)」「ソング フォー ザ ミュート(SONG FOR THE MUTE)」「コッキ(KHOKI)」「エドワード カミング(EDWARD CUMING)」のコレクションも並ぶ予定だ。

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ジョナサン・アンダーソンが「ディオール」ウィメンズのトップにも就任 ファッションのクリエイションを統括

「ディオール(DIOR)」は6月2日、4月にメンズ・アーティスティック・ディレクターに任命したジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)がウィメンズも率いることを明らかにした。5月29日に退任が発表されたマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)の後任。アンダーソンはメンズに加え、ウィメンズのオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリー・コレクションを手掛けることになる。まずは6月27日に2026年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイークで発表するメンズ・コレクションでデビューを飾り、初のウィメンズ・コレクションは26年春夏パリ・ファッション・ウイーク中の10月1日に披露予定。初めて本格的に取り組むことになるオートクチュール・コレクションは、来年1月に発表する。

英国が生んだ才能豊かなスターデザイナー

アンダーソンは、1984年英国・北アイルランド生まれ。俳優を志して18歳で演劇を学ぶために渡米するが、そこで舞台衣装に興味を持ち、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)でメンズウエアを専攻。2005年に卒業後、「プラダ(PRADA)」で働き、08年に自身の名を冠したブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」 を設立した。当初はメンズのみだったが、10年にウィメンズ・コレクションもスタート。ロンドン・ファッション・ウイークでコレクションを発表する傍ら、「トップショップ(TOPSHOP)」とのコラボコレクションや「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のセカンドライン「ヴェルサス ヴェルサーチェ(VERSUS VERSACE)」とのカプセルコレクションも制作した。当時から「シェアド・ワードローブ(男女で共有するワードローブ)」の考えをクリエイションに取り入れるなど、新たな価値観を提案し時代をけん引するスターデザイナーとしての頭角を表していた。

そして13年9月、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)に株式の46%を売却し、29歳の若さで「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。遊び心あふれる大胆なアイデアやクラフトとアートへの愛を生かし、レザーグッズで知られるスペインの小規模なブランドだった「ロエベ」をグローバルなラグジュアリーブランドへと飛躍させた。また、17年からは「ジェイ ダブリュー アンダーソン」名義で「ユニクロ(UNIQLO)」と継続的にコラボコレクションを発表。近年は、「チャレンジャーズ(CHALLENGERS)」や「クィア(QUEER)」といった映画の衣装デザインも手掛けている。

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ジョナサン・アンダーソンが「ディオール」ウィメンズのトップにも就任 ファッションのクリエイションを統括

「ディオール(DIOR)」は6月2日、4月にメンズ・アーティスティック・ディレクターに任命したジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)がウィメンズも率いることを明らかにした。5月29日に退任が発表されたマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)の後任。アンダーソンはメンズに加え、ウィメンズのオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリー・コレクションを手掛けることになる。まずは6月27日に2026年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイークで発表するメンズ・コレクションでデビューを飾り、初のウィメンズ・コレクションは26年春夏パリ・ファッション・ウイーク中の10月1日に披露予定。初めて本格的に取り組むことになるオートクチュール・コレクションは、来年1月に発表する。

英国が生んだ才能豊かなスターデザイナー

アンダーソンは、1984年英国・北アイルランド生まれ。俳優を志して18歳で演劇を学ぶために渡米するが、そこで舞台衣装に興味を持ち、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)でメンズウエアを専攻。2005年に卒業後、「プラダ(PRADA)」で働き、08年に自身の名を冠したブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」 を設立した。当初はメンズのみだったが、10年にウィメンズ・コレクションもスタート。ロンドン・ファッション・ウイークでコレクションを発表する傍ら、「トップショップ(TOPSHOP)」とのコラボコレクションや「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のセカンドライン「ヴェルサス ヴェルサーチェ(VERSUS VERSACE)」とのカプセルコレクションも制作した。当時から「シェアド・ワードローブ(男女で共有するワードローブ)」の考えをクリエイションに取り入れるなど、新たな価値観を提案し時代をけん引するスターデザイナーとしての頭角を表していた。

そして13年9月、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)に株式の46%を売却し、29歳の若さで「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。遊び心あふれる大胆なアイデアやクラフトとアートへの愛を生かし、レザーグッズで知られるスペインの小規模なブランドだった「ロエベ」をグローバルなラグジュアリーブランドへと飛躍させた。また、17年からは「ジェイ ダブリュー アンダーソン」名義で「ユニクロ(UNIQLO)」と継続的にコラボコレクションを発表。近年は、「チャレンジャーズ(CHALLENGERS)」や「クィア(QUEER)」といった映画の衣装デザインも手掛けている。

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「ディオール」ウィメンズのマリア・グラツィア・キウリが退任 在任9年、ビジネスの発展に大きく貢献

「ディオール(DIOR)」は、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターの退任を発表した。2016年から約9年間、メゾン初の女性クチュリエとしてオートクチュールからウィメンズのプレタポルテやアクセサリーまでを統括。27日に故郷のイタリア・ローマで発表したオートクチュールのルックも含む26年クルーズ・コレクションが、彼女の手掛けるラストコレクションになった。後任は未定だが、4月に同ブランドのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任したジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)がウィメンズも率いることになるのではないかという噂が広がっている。

数々のヒットアイテムを生み出した9年間

1964年イタリア・ローマで生まれたキウリは、ヨーロッパ・デザイン学院(Istituto Europeo di Design、IED)のローマ校で学んだ。「フェンディ(FENDI)」で経験を積んだ後、99年に当時から一緒に働いていたピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli、次期「バレンシアガ(BALENCIAGA)」クリエイティブ・ディレクター)と共に「ヴァレンティノ(VALENTINO)」に移籍。二人でアクセサリーデザインを手掛けた後、創業者の引退に伴い2008年にはクリエイティブ・ディレクターに昇格し、キウリが「ディオール」に移るまで長年にわたりタッグを組んでコレクションを手掛けてきた。

また「ディオール」では、フェミニズムの表現と女性アーティストや職人との協業、そしてムッシュ・ディオールのみならず歴代デザイナーの仕事からのインスピレーションを生かしながらクリエイションに取り組み、マスキュリンな力強さと繊細でロマンチックなイメージを織り交ぜたコレクションを発表。“ブックトート”や復刻した“サドルバッグ”、リボンを用いた“ジャディオール”スリングバックパンプス、星座モチーフやラッキーチャームをあしらったファッションジュエリーなど数々のヒットアイテムを生み出し、ビジネスの発展に大きく貢献した。彼女の在任期間に「ディオール」の売上高は3倍に伸長したという。

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「バレンシアガ」、デムナの後任にピエールパオロ・ピッチョーリを指名 10月にデビュー予定

 

ケリング(KERING)傘下の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、新たなクリエイティブ・ディレクターにピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクターを指名した。7月のクチュールを最後に同じくケリング傘下の「グッチ(GUCCI)」に移籍するデムナ(Demna)の後任となる。ピッチョーリは7月10日に着任し、10月の2026年春夏パリ・ファッション・ウイークでデビューコレクションを披露する予定だ。

デムナは約10年間の在任期間中、アンダーグラウンドなムードとディストピア的な世界観でラグジュアリーファッションの世界を塗り替え、誇張したシルエットのテーラリングやストリートウエア、加工がふんだんに施されたジーンズ、チャンキーなスニーカー、バッグの“カゴール”や“ロデオ”などヒットアイテムを生み出してきた。また2021年には、創業者の引退以来眠っていたクチュールを復活させた。

一方、ピッチョーリは「フェンディ(FENDI)」で10年間働いた後、「ヴァレンティノ」に25年間在籍。08年から16年までは、「フェンディ」でも共に働き、現在は「ディオール(DIOR)」のウィメンズを手掛けているマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)と共同でクリエイティブ・ディレクターを務め、その後は単独で24年3月まで同職を務めていた。国際的なファッションシーンで愛されるデザイナーであり、特にオートクチュールで見せる大胆なボリュームと色使いに定評がある。また、「ヴァレンティノ」の美学をかつてのジェットセッターのイメージからさらに広げ、若々しく多様なオーディエンスを受け入れてきたことでも知られる。

就任に際して、ピッチョーリは「『バレンシアガ』が今あるのは、クリストバル(・バレンシアガ)、ニコラ(・ジェスキエール)、アレックス(アレキサンダー・ワン)、デムナという、これまで道を切り開いてきた全ての人々のおかげだ。全てのフェーズにおいて、常に進化し変化しながらもメゾンの美的価値を見失うことはなかった」とコメント。そして「クリストバル・バレンシアガの遺産とアーカイブは、おそらく市場最も影響力のあるファッション・ステートメントの一つ。彼は誰よりも早く全てを成し遂げ、彼は文字通り創造性の文化を生み出し、キャリアのあらゆる側面にクチュールのアイデアを取り入れ、そしてクリエイションを通して進化と革新の力を示してきた」と続けた。

また「私が受け取るのは、驚くほど魅力的な可能性に満ちたブランドだ」とし、「私は何よりもまずデムナに感謝せずにはいられない。というのも、彼の才能とビジョンにはいつも感服しているから。これ以上のバトンタッチは望めない。デムナは彼ならではのアプローチでクリストバルにオマージュを捧げ、メゾンの核となるアイデンティティーを保ちながら彼の視点を共有してきた。これは、メゾンの新たなバージョンを形作り、新たなストーリーとともに新たな章を加えるチャンスを私にもたらしてくれた」と説明。「フランソワ・アンリ(ピノー=ケリング会長兼CEO)、フランチェスカ(・ベレッティーニ=ケリング副CEO)、ジャンフランコ(・ジャナンジェリ=バレンシアガCEO)が私に寄せてくれている信頼にも感謝している。私たちはスタート地点から難なく共通認識を持っており、それは新しいことを始めるベストな方法だ。仕事は人によって成されるもの。重要なのは、その仕事の中で人々がどう感じるかということだけだ」と述べた。

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グレン・マーティンスによる新生「メゾン マルジェラ」、7月のオートクチュールで初披露へ

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の新クリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンス(Glenn Martens)は7月、同メゾンのクチュールに相当する“アーティザナル”コレクションのショーでデビューを飾る。米「WWD」の取材で明らかになった。ショーは7月7〜10日にパリで行われる2025-26年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイーク中に開催される予定だ。

同ブランドは声明の中で「これは、メゾンのクリエイティブな価値観に根差し、マルジェラのクチュールの伝統によって形作られたインスピレーションに溢れる新章の幕開けだ。グレンのディレクションの下、クチュールはブランドのクリエイティビティーに火を点け、境界を押し広げるデザインをけん引し続けていくだろう」と述べている。

「メゾン マルジェラ(旧メゾン マルタン マルジェラ)」の“アーティザナル”コレクションは、06年からパリ・オートクチュール協会の公式カレンダーに名を連ね、12年に正式なオートクチュールメゾンと認められた。同ブランドが最後に“アーティザナル”コレクションを披露したのは、前任のジョン・ガリアーノが手掛けていた24年1月。クリエイティビティーを遺憾無く発揮した超大作は世界的な賞賛を浴びたが、それが10年間メゾンを率いたガリアーノのラストコレクションとなった。

そして今年1月、「メゾン マルジェラ」の親会社であるOTBグループは、同じく傘下の「ディーゼル(DIESEL)」でクリエイティブ・ディレクターを務めているマーティンスがガリアーノの後を継ぎ、「ディーゼル」にも留まりながら「メゾン マルジェラ」の「独創的なデザインコードとブランド価値」を構築すると発表した。マーティンスは22年1月、古巣の「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」でゲストデザイナーとしてクチュールを手掛けて他経験があり、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長は「マルジェラと同じアントワープ王立芸術アカデミーで学んだグレンは、すでにクチュールにおける才能とビジョンを持っている」と評価している。

なお、7月のオートクチュール・ファッション・ウイークでは、「グッチ(GUCCI)」に移籍するデムナ(Demna)が「バレンシアガ(BALENCIAGA)」での最後の仕事となるクチュール・コレクションを披露するほか、3Dプリント技術などを生かしながら異世界的な作品を手掛ける「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」が復帰を予定。ニュースの多いシーズンになる。

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「サカイ」がいざなうワイルドな冒険の旅 「カーハートWIP」や「アグ」とともに砂漠へ

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月26日、2025-26年秋冬メンズ・コレクションのショーを開催し、ウィメンズの25年プレ・フォールと合わせて新作を見せた。会場は、パレ・ド・トーキョー。砂漠の風景写真で囲まれた巨大な空間を用意し、パワフルなショーで観客をワイルドな冒険の旅へといざなった。

出発点は「かいじゅうたちのいるところ」

今季の出発点は、モーリス・センダック(Maurice Sendak)によるベストセラーの絵本を元にした実写映画「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things Are)」。家出したイタズラ好きのやんちゃな少年がボートを漕いでたどり着いた島での “かいじゅう”たちと出会いとふれあいを描いた物語だ。「私たちがずっと大切にしている仲間を描いているところに惹かれた」という阿部千登勢デザイナーは、そこから自然という概念にまつわる アイデアを探求。「自然の中で生きる」ということに加え、「既成概念にとらわれない思考、そして抑制されない情熱と感情の本質」を表現した。

テーラリング、ストリート、アウトドアを自由にミックス

ファーストルックは、ラペルの内部構造をあらわにしたようなデザインが特徴的な二重のテーラードジャケットに、同素材のパンツを合わせたコーデュロイのスーツスタイル。そこに毛足の長いファー再現したニットカーディガンを首から肩に巻きつけ、ワイルドなムードを醸し出す。このまるで獣毛のようなニットファーは今季を象徴する表現の一つで、ニットやアウターにあしらったり、テーラードジャケットの袖口から飛び出ていたり。そのほか、シアリングやボア、人工ファーもさまざまなアイテムに取り入れた。

今季のスタイルは、「硬くなく、着やすいように仕上げている」というテーラリングと、カジュアルなストリート、そして自然を感じるアウトドアの自由なミックスが効いている。なかでも、アウターはバリエーション豊富。前述の2枚重ねになったようなテーラードジャケットやチェスターコート、トレンチコートから、ピーコート、バーシティージャケット、デニムジャケット、ダウンジャケット、フライトブルゾン、テックジャケット、マウンテンパーカ、レザージャケット、シアリングコートまでがそろう。

際立つ立体的なシルエット

また、新たなシルエットの探求も続けており、立体なデザインが際立つ。パンツは25年春夏に見せたサイドポケットが張り出すデザインをアップデート。フラップがついたカーゴポケットのようなデザインに変わり、ユーティリティー感を加えた。それに加え、今季はコートやニットにも腰下に立体的にポケットを形作ったデザインも登場。一方、ウィメンズのスカートは構築的なシェイプに仕上げたり、裾に別の生地を加えてドラマチックな動きを出したり。見慣れたシャツやデニムジャケットも部分的に折りたたんで縫い合わせることでアシンメトリーなシルエットを生み出している。

カラーパレットは、ブラウンやオリーブなど自然に通じる色合いが中心。深い赤や緑、紺をベースにしたカーペットに見られるようなエキゾチックな柄がアクセントになる。また、スノーゴーグルやモコモコしたシアリング帽、登山用バックパック、クライミングロープを編み込んだストラップ付きの水筒などのアクセサリーが、アウトドアのイメージを強めている。

コレクションを彩る“仲間”とのコラボ

「サカイ」は毎シーズン、メンズのショーで他ブランドとのコラボレーションを発表するが、今季は「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」「アグ(UGG)」「ジェイエムウエストン(J.M.WESTON)」とタッグを組んだ。2023-24年秋冬、24年春夏に続き3度目となる「カーハートWIP」とのコラボでは、同ブランドを象徴するウォッシュドキャンバスを「サカイ」のシグネチャーであるニットとハイブリッドしたほか、レザージャケットやダウンジャケットも提案。18-19年秋冬以来7年ぶりに取り組む「アグ」とは、折り返して履くこともできる「サカイ」らしいサイハイブーツに加え、ローファーとハイカーブーツを制作した。また、24-25年秋冬、25年春夏に続いて協業する「ジェイエムウエストン」とは、同ブランドのレースアップブーツやローファーをカウプリントでアレンジした。

多彩なコラボを大切にする理由について、阿部デザイナーは「チャンネルが違っても一緒に取り組むことで、お互いに新しさをもたらせるから。私たちが持っていないアイデアや歴史を学ぶことができ、私たちだけでは作れないものを生み出すことができる」と説明。そんなパートナーたちは彼女にとっての仲間であり、「仲間と共に、いい意味でワイルドサイドを歩こうということを伝えたかった」と振り返った。それは、まだ見ぬ景色を見るために挑戦し、前進し続ける阿部デザイナーの姿勢に重なる。

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「サカイ」がいざなうワイルドな冒険の旅 「カーハートWIP」や「アグ」とともに砂漠へ

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月26日、2025-26年秋冬メンズ・コレクションのショーを開催し、ウィメンズの25年プレ・フォールと合わせて新作を見せた。会場は、パレ・ド・トーキョー。砂漠の風景写真で囲まれた巨大な空間を用意し、パワフルなショーで観客をワイルドな冒険の旅へといざなった。

出発点は「かいじゅうたちのいるところ」

今季の出発点は、モーリス・センダック(Maurice Sendak)によるベストセラーの絵本を元にした実写映画「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things Are)」。家出したイタズラ好きのやんちゃな少年がボートを漕いでたどり着いた島での “かいじゅう”たちと出会いとふれあいを描いた物語だ。「私たちがずっと大切にしている仲間を描いているところに惹かれた」という阿部千登勢デザイナーは、そこから自然という概念にまつわる アイデアを探求。「自然の中で生きる」ということに加え、「既成概念にとらわれない思考、そして抑制されない情熱と感情の本質」を表現した。

テーラリング、ストリート、アウトドアを自由にミックス

ファーストルックは、ラペルの内部構造をあらわにしたようなデザインが特徴的な二重のテーラードジャケットに、同素材のパンツを合わせたコーデュロイのスーツスタイル。そこに毛足の長いファー再現したニットカーディガンを首から肩に巻きつけ、ワイルドなムードを醸し出す。このまるで獣毛のようなニットファーは今季を象徴する表現の一つで、ニットやアウターにあしらったり、テーラードジャケットの袖口から飛び出ていたり。そのほか、シアリングやボア、人工ファーもさまざまなアイテムに取り入れた。

今季のスタイルは、「硬くなく、着やすいように仕上げている」というテーラリングと、カジュアルなストリート、そして自然を感じるアウトドアの自由なミックスが効いている。なかでも、アウターはバリエーション豊富。前述の2枚重ねになったようなテーラードジャケットやチェスターコート、トレンチコートから、ピーコート、バーシティージャケット、デニムジャケット、ダウンジャケット、フライトブルゾン、テックジャケット、マウンテンパーカ、レザージャケット、シアリングコートまでがそろう。

際立つ立体的なシルエット

また、新たなシルエットの探求も続けており、立体なデザインが際立つ。パンツは25年春夏に見せたサイドポケットが張り出すデザインをアップデート。フラップがついたカーゴポケットのようなデザインに変わり、ユーティリティー感を加えた。それに加え、今季はコートやニットにも腰下に立体的にポケットを形作ったデザインも登場。一方、ウィメンズのスカートは構築的なシェイプに仕上げたり、裾に別の生地を加えてドラマチックな動きを出したり。見慣れたシャツやデニムジャケットも部分的に折りたたんで縫い合わせることでアシンメトリーなシルエットを生み出している。

カラーパレットは、ブラウンやオリーブなど自然に通じる色合いが中心。深い赤や緑、紺をベースにしたカーペットに見られるようなエキゾチックな柄がアクセントになる。また、スノーゴーグルやモコモコしたシアリング帽、登山用バックパック、クライミングロープを編み込んだストラップ付きの水筒などのアクセサリーが、アウトドアのイメージを強めている。

コレクションを彩る“仲間”とのコラボ

「サカイ」は毎シーズン、メンズのショーで他ブランドとのコラボレーションを発表するが、今季は「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」「アグ(UGG)」「ジェイエムウエストン(J.M.WESTON)」とタッグを組んだ。2023-24年秋冬、24年春夏に続き3度目となる「カーハートWIP」とのコラボでは、同ブランドを象徴するウォッシュドキャンバスを「サカイ」のシグネチャーであるニットとハイブリッドしたほか、レザージャケットやダウンジャケットも提案。18-19年秋冬以来7年ぶりに取り組む「アグ」とは、折り返して履くこともできる「サカイ」らしいサイハイブーツに加え、ローファーとハイカーブーツを制作した。また、24-25年秋冬、25年春夏に続いて協業する「ジェイエムウエストン」とは、同ブランドのレースアップブーツやローファーをカウプリントでアレンジした。

多彩なコラボを大切にする理由について、阿部デザイナーは「チャンネルが違っても一緒に取り組むことで、お互いに新しさをもたらせるから。私たちが持っていないアイデアや歴史を学ぶことができ、私たちだけでは作れないものを生み出すことができる」と説明。そんなパートナーたちは彼女にとっての仲間であり、「仲間と共に、いい意味でワイルドサイドを歩こうということを伝えたかった」と振り返った。それは、まだ見ぬ景色を見るために挑戦し、前進し続ける阿部デザイナーの姿勢に重なる。

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「カラー」の阿部潤一デザイナーが退任 「今後も変わらずサポートしていく」

「カラー(KOLOR)」の阿部潤一デザイナーが、1月25日(現地時間)にパリ・メンズ・ファッション・ウイークで行われた25-26年秋冬コレクションのショーで、同職を退任することを発表した。会場では、エントランスで銀色の袋に入ったギフトを来場者に配布。ショー前に開封するように促され、中身を見ると「was is will」と描かれたグラフィックTシャツと、退任を知らせる手紙が入っていた。

手紙の中で、阿部デザイナーは「Kolor AW25 Showが始まります。この時間は私にとって特別なものになります。それは、Kolorのデザイナーとして最後のショーになるからです」と綴った。また、今後について「私は変わらずKolorの中でサポートを続けていきます」とコメント。「今までありがとうございました。今後共Kolorを宜しく御願い致します。では、ショーをお楽しみください」と締めくくった。

「カラー」は、2004年に阿部デザイナーが設立。09年には東京・南青山に直営店を開いた。 12-13年秋冬シーズンからは、パリでの発表をスタート。12年には「毎日ファッション大賞」を受賞し、新たなブランド「カラー ビーコン(KOLOR BEACON)」も立ち上げた。

そして24年11月には、伊藤忠商事の100%子会社のコロネットが「カラー」を手掛ける有限会社カラーを事業承継。伊藤忠商事が「カラー」ブランドの国内外における商標を取得し、コロネットが有限会社及び国内の小売9店舗や国内外の卸80件などの組織と事業、スタッフを承継した。これに伴い、コロネットは「カラー」の阿部デザイナーと業務委託契約を結んでいた。

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「カラー」の阿部潤一デザイナーが退任 「今後も変わらずサポートしていく」

「カラー(KOLOR)」の阿部潤一デザイナーが、1月25日(現地時間)にパリ・メンズ・ファッション・ウイークで行われた25-26年秋冬コレクションのショーで、同職を退任することを発表した。会場では、エントランスで銀色の袋に入ったギフトを来場者に配布。ショー前に開封するように促され、中身を見ると「was is will」と描かれたグラフィックTシャツと、退任を知らせる手紙が入っていた。

手紙の中で、阿部デザイナーは「Kolor AW25 Showが始まります。この時間は私にとって特別なものになります。それは、Kolorのデザイナーとして最後のショーになるからです」と綴った。また、今後について「私は変わらずKolorの中でサポートを続けていきます」とコメント。「今までありがとうございました。今後共Kolorを宜しく御願い致します。では、ショーをお楽しみください」と締めくくった。

「カラー」は、2004年に阿部デザイナーが設立。09年には東京・南青山に直営店を開いた。 12-13年秋冬シーズンからは、パリでの発表をスタート。12年には「毎日ファッション大賞」を受賞し、新たなブランド「カラー ビーコン(KOLOR BEACON)」も立ち上げた。

そして24年11月には、伊藤忠商事の100%子会社のコロネットが「カラー」を手掛ける有限会社カラーを事業承継。伊藤忠商事が「カラー」ブランドの国内外における商標を取得し、コロネットが有限会社及び国内の小売9店舗や国内外の卸80件などの組織と事業、スタッフを承継した。これに伴い、コロネットは「カラー」の阿部デザイナーと業務委託契約を結んでいた。

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「ルメール」が考える日常に根差した新たなラグジュアリー 「自分自身をより良くなったように感じられることが大切」

「ルメール(LEMAIRE)」のショーを歩くモデルたちには、パーソナルな魅力がある。それは、クリストフ・ルメール(Christoph Lemaire)が「私たちはファッションが大好きだからこそ、日常生活に根差したリアルな感覚を大切にしている」と話すように、実在する人々の暮らしに目を向け、常にそれを反映したスタイルを探求しているからだろう。だからこそシーズンごとに大きく変わることはないが、個々のスタイルを表現するための新たな提案が加わり、スタイリングにはその時々思い描くアティチュードが込められている。

「自分の存在を示し、用心深くいなければならない今を生きることの激しさ」を表現したとサラ・リン・トラン(Sarah-Linh Tran)が説明する鼓動の音とパーカッション音楽で幕を開けた2025-26年秋冬ショーは、いつもよりも強さが印象的だ。ファーストルックの女性モデルがまとうのは、タフな印象のレザーブルゾンに、ふんわりとしたミッドカーフ丈のバルーンスカートでコントラストを効かせたブラックスタイル。メンズでは、「服のアーキタイプに取り組んだ」という70年代風のクラシックなスーツに、シアーなニットタンクやスニーカーを合わせたシンプルなルックも登場した。

カギは強さと官能性のバランス

今季は、「ルメール」らしいユーティティームードとゆったりとしたシルエットのアウターやパンツを軸にしつつ、レイヤードはいつもより控えめな印象。肩やウエストのラインを強調したデザインが特徴になる。そして、ダークトーンや褪せたようなニュアンスカラーに加えた目が覚めるようなスカーレットレッドやコバルトブルー、そしてツヤのあるレザーやコーティング素材の質感も強さの主張につながる。一方、柔らかく流れるようなシルエットやシアーな素材感もミックス。強さと官能性とのバランスを模索したという。

コレクションのデザインプロセスの背景にあるのは、ピナ・バウシュ(Pina Bausch)やマース・カニンガム(Merce Cunningham)のダンスに見られるようなダイナミックでありながら滑らかな動き。リハーサル後のダンサーたちのように決めすぎない着こなしを通してエフォートレスなムードを醸し出し、リアリティーにおける共感度を高めている。

好調なビジネスが自身をもたらす

「ルメール」は23年にはフランス・パリの旗艦店を拡大移転し、韓国・ソウルにも伝統的な韓屋をリノベーションした旗艦店をオープン。昨年11月には東京・恵比寿の1960年代に建てられた個人邸宅を改装した旗艦店を開いた。それぞれ意匠は異なるが、どの店も温かみのあるコージーな雰囲気で、まさにブランドの世界観を体現する環境が広がりつつある。さらに、近年は服だけでなくバッグなどのアクセサリービジネスも軌道に乗っている。

それを裏付けるように、ショーの数日前には英メディア「ビジネス オブ ファッション(BUSINESS OF FASHION、BOF)」で、2019年から売上高は10倍に伸び、1億ドル(約156億円)に達していることが報じられた。ショー後の囲み取材で、ルメールは「私たちは、あまり声高なコミュニケーションもせず、ファッション界で成功するための“正しいレシピ”とされるルールを守っているわけでもない。ただ自分たちらしいことに取り組んでいるだけだ。だからこそ、(その中での成功を)とてもうれしく思っている。というのも、商業的な成功は自信をもたらすから。そして、自分たちの仕事を向上させることに役立ち、『新しいラグジュアリー』を定義することにつながるだろう」とコメント。最近は「ラグジュアリー」という言葉が使われ過ぎているとしつつ、自分たちが考える「新しいラグジュアリー」について、次のように語った。

「私たちがラグジュアリーだと思うのは、身につけたり、美しいものに触れたりするときに抱く感情。あるいは、ある種の高揚感を感じること。だから、それはもちろん社会の中で別人を装うことでもなく、見せびらかしたり、エリートに属するふりをしたりすることでもない。それよりも、自分自身をより良くなったように感じられることが大切だ。だから、どうすれば自信や高揚感を与えられるような服やアクセサリーを作ることができるかに、私たちはこだわっている」。

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「プロエンザ スクーラー」創業デザイナーデュオが退任 「ロエベ」の次期クリエイティブ・ディレクター就任の噂も浮上

ニューヨーク(NY)を拠点にする「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」の創業デザイナーであるジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が、1月31日付で退任する。2人は現在、シーラ・スヴェイケ・スナイダー(Shira Suveyke Snyder)最高経営責任者と協力し、新たなクリエイティブ面のリーダーを探している。また、米「WWD」の独占取材に対し、マッコローとヘルナンデスは今後も同社の株主であり続け、役員を務めると述べた。

声明の中で、ヘルナンデスは「会社の中での日々のリーダーとしての役割から退き、クリエイティブの手綱を新たなデザイナーに譲るというパーソナルな決断をする時が来たと感じた。私たちが常に大切にしてきたのは、リスク覚悟の思いきりと冒険心。そして、次に何が起ころうとも、自分たち自身を開放する準備ができている」とコメント。マッコローも「変化は決して容易いものではないが、私たちが慎重に検討してきたこの決断は、私たちの人生のこのステージにおいて、ふさわしいタイミングでの適切なステップだと感じている」と付け加えた。

ただ、「ディオール(DIOR)」への移籍のために「ロエベ(LOEWE)」から去るという噂が浮上しているジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任するのではないかという憶測が流れているにも関わらず、2人は今後の活動について一切明らかにしなかった。また、「ロエベ」も親会社のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も1月15日現在、コメントを控えている。

NYのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、2002年に「プロエンザ スクーラー」を立ち上げたマッコローとヘルナンデスは、NYファッション・シーンの雄としてヨーロッパのトップメゾンから注目されていた。情報筋によると、LVMHは長年にわたり、傘下の主要メゾンの一つとして加わることについて2人と話し合いを続けてきたという。彼らが「ロエベ」に加わるという話は、昨年10月から水面下で始まっていたと同じ情報筋は語っている。

「プロエンザ スクーラー」の今後は?

「プロエンザ スクーラー」は、2月6〜11日に開催される25-26年秋冬ニューヨーク・ファッション・ウイークの公式スケジュールには含まれていないものの、関係者によると「中断することなく、事業を継続する」という。

また、2人はブランドの今後について自信を示し、次のように述べた。「私たちは、素晴らしいチームを率いるという信じられないような栄誉を得た。なかには、初日から一緒に働いている人もいる。彼らは私たちのことを知り尽くし、私たちの原動力である感情やアイデアの一部を彼らに伝えることができたと確信している。新しいクリエイティブ・リーダーがチームの素晴らしい才能をどのように引き出し、彼らならではの視点で既存のコードを進化させるかが楽しみだ。私たちは、彼らとブランドの未来に全幅の信頼を寄せている」。

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写真家のオリビエーロ・トスカーニが死去 1980〜90年代に物議を醸した「ベネトン」の広告で知られる

イタリア人写真家のオリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)が1月13日、イタリア・トスカーナ州の病院で死去した。82歳だった。彼は2年前、アミロイドーシスを患っていることを明かしていた。

トスカーニは1942年2月28日ミラノ生まれ。「エル(ELLE)」や「ヴォーグ(VOGUE)」「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」「エスクァイア(ESQUIRE)」などの雑誌から、「ミッソーニ(MISSONI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」「フィオルッチ(FIORUCCI)」といったブランドまでと、数十年にわたり仕事をしてきた。

なかでも、そのキャリアは80年代から90年代にかけてメッセージ性の強い広告キャンペーンを制作した「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON以下、ベネトン)」とのパートナーシップに深く結び付いている。彼は、作品を通して死刑制度やエイズ、人種差別、同性愛などの問題に光を当てたパイオニアでもあり、慣習に逆らうような革新的かつ露骨なイメージは物議を醸した。その結果、長年にわたり、彼が手掛けたいくつかの「ベネトン」の広告は、さまざまな国や雑誌で禁止された。一方、彼は「ベネトン」と共に91年に雑誌「カラーズ(COLORS)」を創刊。94年にはベネトンのシンクタンクであるファブリカ(FABRICA)も構想した。2017年には当時最高経営責任者に復帰した創業者のルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)から17年ぶりに呼び戻され、20年に問題発言により解雇されるまで同ブランドの広告キャンペーンを手掛けた。

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写真家のオリビエーロ・トスカーニが死去 1980〜90年代に物議を醸した「ベネトン」の広告で知られる

イタリア人写真家のオリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)が1月13日、イタリア・トスカーナ州の病院で死去した。82歳だった。彼は2年前、アミロイドーシスを患っていることを明かしていた。

トスカーニは1942年2月28日ミラノ生まれ。「エル(ELLE)」や「ヴォーグ(VOGUE)」「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」「エスクァイア(ESQUIRE)」などの雑誌から、「ミッソーニ(MISSONI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」「フィオルッチ(FIORUCCI)」といったブランドまでと、数十年にわたり仕事をしてきた。

なかでも、そのキャリアは80年代から90年代にかけてメッセージ性の強い広告キャンペーンを制作した「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON以下、ベネトン)」とのパートナーシップに深く結び付いている。彼は、作品を通して死刑制度やエイズ、人種差別、同性愛などの問題に光を当てたパイオニアでもあり、慣習に逆らうような革新的かつ露骨なイメージは物議を醸した。その結果、長年にわたり、彼が手掛けたいくつかの「ベネトン」の広告は、さまざまな国や雑誌で禁止された。一方、彼は「ベネトン」と共に91年に雑誌「カラーズ(COLORS)」を創刊。94年にはベネトンのシンクタンクであるファブリカ(FABRICA)も構想した。2017年には当時最高経営責任者に復帰した創業者のルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)から17年ぶりに呼び戻され、20年に問題発言により解雇されるまで同ブランドの広告キャンペーンを手掛けた。

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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「ボッテガ・ヴェネタ」の新クリエイティブ・ディレクターに「カルヴェン」のルイーズ・トロッター マチュー・ブレイジーの後任

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新クリエイティブ・ディレクターに、ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターが就任する。「シャネル(CHANEL)」に移籍するマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の後任。彼女は来年1月24日に「カルヴェン」を去り、同月末に「ボッテガ・ヴェネタ」に入社する予定だ。

レザーを革新的な方法で取り入れ、職人とのものづくりを大切にする「ボッテガ・ヴェネタ」に新たな興奮と活気をもたらしたブレイジーに対し、トロッターがデザイナーとしてこれまでに見せてきたスタイルは彼よりもさらに控えめと言える。しかし、かつて「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」というキャッチフレーズを掲げていたブランドにとっては、おそらく理想的だろう。トロッターは、声明の中で「『ボッテガ・ヴェネタ』の芸術性と革新性という名高い遺産は、真にインスピレーションを刺激するもの。その未来に貢献し、その時代を超越したビジョンを称えられることを楽しみにしている」と述べた。

一方、バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)最高経営責任者(CEO)は、「ルイーズは、精巧なデザインと崇高なクラフツマンシップをシームレスが融合させた美学を持ち、文化的な支援に対する彼女のコミットメントは『ボッテガ・ヴェネタ』のビジョンと美しくマッチする。『ボッテガ・ヴェネタ』は彼女の洗練された視点を通して、その伝統を称え続けながら、現代との関連性を保っていくだろう」とコメント。ブレイジーに対しても「『ボッテガ・ヴェネタ』に魅力、エモーショナルな共鳴、そして知的なアイデンティティーを吹き込む上で、素晴らしいパートナーであったマチューに深く感謝している」と語った。

親会社ケリング(KERING)のフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOは、トロッターについて、「『ボッテガ・ヴェネタ』の大胆なクリエイティビティーと比類なき卓越性の伝統に、豊かな経験とフレッシュな視点をもたらしてくれる。彼女は、ロンゴーネCEOや『ボッテガ・ヴェネタ』のチームと一緒に、マチュー・ブレイジーと共に始めた素晴らしい旅を引き継ぐ上で理想的と言えるクリエイティブな才能だ」と話した。また、「明確なビジョンのある創造性」をブランドにもたらしたブレイジーにも心からの感謝を表した。

ルイーズ・トロッターの経歴は?

トロッターは英国出身。ニューカッスル大学でファッションデザインを学び、コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「ラコステ(LACOSTE)」では、ウィメンズウエアを強化するとともにアップサイクルの革新的な方法を探求した。

そして2023年2月、上海とパリに拠点を置くファッション企業ICCFグループ傘下の「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任。当時、シャウナ・タオ(Shawna Tao)最高経営責任者は、トロッターを 「メゾン再生ための完璧な候補者」と評していた。一方、トロッターはデビューショーに先駆け、「店舗もロゴも、すべてを変えるつもり」とコメント。「私の視点としては、かなり慎重に、そしてゆっくりと、築き上げていきたい」と新たな章への意気込みを語っていた。彼女の手掛ける控えめでありながら官能的なコレクションはメゾンに再び活気をもたらし、パリ・ファッション・ウイークへの復帰も果たしたが、3シーズンでの退任となった。

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「ボッテガ・ヴェネタ」の新クリエイティブ・ディレクターに「カルヴェン」のルイーズ・トロッター マチュー・ブレイジーの後任

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新クリエイティブ・ディレクターに、ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターが就任する。「シャネル(CHANEL)」に移籍するマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の後任。彼女は来年1月24日に「カルヴェン」を去り、同月末に「ボッテガ・ヴェネタ」に入社する予定だ。

レザーを革新的な方法で取り入れ、職人とのものづくりを大切にする「ボッテガ・ヴェネタ」に新たな興奮と活気をもたらしたブレイジーに対し、トロッターがデザイナーとしてこれまでに見せてきたスタイルは彼よりもさらに控えめと言える。しかし、かつて「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」というキャッチフレーズを掲げていたブランドにとっては、おそらく理想的だろう。トロッターは、声明の中で「『ボッテガ・ヴェネタ』の芸術性と革新性という名高い遺産は、真にインスピレーションを刺激するもの。その未来に貢献し、その時代を超越したビジョンを称えられることを楽しみにしている」と述べた。

一方、バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)最高経営責任者(CEO)は、「ルイーズは、精巧なデザインと崇高なクラフツマンシップをシームレスが融合させた美学を持ち、文化的な支援に対する彼女のコミットメントは『ボッテガ・ヴェネタ』のビジョンと美しくマッチする。『ボッテガ・ヴェネタ』は彼女の洗練された視点を通して、その伝統を称え続けながら、現代との関連性を保っていくだろう」とコメント。ブレイジーに対しても「『ボッテガ・ヴェネタ』に魅力、エモーショナルな共鳴、そして知的なアイデンティティーを吹き込む上で、素晴らしいパートナーであったマチューに深く感謝している」と語った。

親会社ケリング(KERING)のフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ブランド開発担当副CEOは、トロッターについて、「『ボッテガ・ヴェネタ』の大胆なクリエイティビティーと比類なき卓越性の伝統に、豊かな経験とフレッシュな視点をもたらしてくれる。彼女は、ロンゴーネCEOや『ボッテガ・ヴェネタ』のチームと一緒に、マチュー・ブレイジーと共に始めた素晴らしい旅を引き継ぐ上で理想的と言えるクリエイティブな才能だ」と話した。また、「明確なビジョンのある創造性」をブランドにもたらしたブレイジーにも心からの感謝を表した。

ルイーズ・トロッターの経歴は?

トロッターは英国出身。ニューカッスル大学でファッションデザインを学び、コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「ラコステ(LACOSTE)」では、ウィメンズウエアを強化するとともにアップサイクルの革新的な方法を探求した。

そして2023年2月、上海とパリに拠点を置くファッション企業ICCFグループ傘下の「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任。当時、シャウナ・タオ(Shawna Tao)最高経営責任者は、トロッターを 「メゾン再生ための完璧な候補者」と評していた。一方、トロッターはデビューショーに先駆け、「店舗もロゴも、すべてを変えるつもり」とコメント。「私の視点としては、かなり慎重に、そしてゆっくりと、築き上げていきたい」と新たな章への意気込みを語っていた。彼女の手掛ける控えめでありながら官能的なコレクションはメゾンに再び活気をもたらし、パリ・ファッション・ウイークへの復帰も果たしたが、3シーズンでの退任となった。

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「メゾン マルジェラ」のジョン・ガリアーノが退任 ファッションの感動とビジネスの発展をもたらした10年の関係に終止符

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)=アーティスティック・ディレクターが退任した。後任は未定。ガリアーノも今後の活動については明言していない。

2014年に就任したガリアーノは、これまでの10年間でファッションの感動や文化的な瞬間、そしてビジネスの発展をもたらしてきた。「メゾン マルジェラ」と彼のパートナーシップは、1月に開催された24年“アーチザナル”コレクションのショーで頂点に到達。クリエイティビティーに軸を据えたスペクタクルで世界的な賞賛を浴び、ガリアーノをファッション界の頂点に押し上げた。

「WWD」の独占取材に対し、同ブランドを擁するOTBのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長とガリアーノは、このパートナーシップは豊かで人生を変えるような画期的なものだったとし、お互いに感謝の意を表するとともに円満な別れであることを強調した。

ガリアーノは、「この美しいメゾンとの別れに際し、私の心は喜びと感謝であふれ、魂は微笑んでいる。私はこれからも償い続け、夢を見ることを決して止めない」とコメント。ロッソ会長との関係を「家族」という一言で表現し、「マルタンが築き上げたメゾンのアーティスティック・ディレクターのポジションに私を招いてくれたことで、彼は私に最大かつ最も貴重な贈り物を与えてくれた。私が声なき声になっていたときに、もう一度自分のクリエイティブな声を見つける機会を与えてくれた」と話した(これは11年にパリのバーで人種差別と反ユダヤ主義的な暴言を吐き、「ディオール(DIOR)」と自身の名を冠したブランドから追放されたことを指している)。

一方、ロッソ会長も「ジョンと、仕事を超えて、尊敬と感謝、そして深い友情に基づいた関係を築き上げられたことを誇りに思っている。私たちは、ファッションの歴史に永遠に刻まれるような素晴らしい偉業を共に成し遂げた」と述べた。また、「同じようなコレクションがますます増え、製品も本当の意味で際立ったDNAを持たなくなりつつあるこの世界で、ジョンが中心に据えてきたのは、製品の素晴らしさや文化、価値。彼は、『メゾン マルジェラ』をクリエイティビティーへの欲求とファッションへの夢を体現するユニークなメゾンにし、こうした稀有な製品価値に基づく世界的な成功へと導いた。そして、彼は世界中の若者たちにインスピレーションを与えた。前回の“アーティザナル”ショーの後、彼がネット上で生み出したものを見てみれば分かるだろう。ショーの後、すでにキャリアを確立している多くのデザイナーたちが彼に連絡を取り、自分たちの仕事の理由を思い出させてくれたと伝えた。今の時代においては尊いことだ」と説明。「私の親愛なる友人であるジョンの成功を祈っている。そして将来、私たちがコラボレートできる他のプロジェクトもあると思う」と続けた。

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「ドリス ヴァン ノッテン」の後継者が決定 ウィメンズデザイナーのジュリアン・クロスナーが内部昇格

「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は、6月に退任した創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)の後任として、ジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)を新たなクリエイティブ・ディレクターに任命した。ウィメンズとメンズの両コレクションを率いる彼は、2025年1月に25-26年秋冬メンズ・コレクションを自身のディレクションによるルックブック形式で発表予定。3月5日にはデビューショーを開き、25-26年秋冬ウィメンズ・コレクションを披露する。

クロスナー新クリエイティブ・ディレクターは16年、ベルギー・ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校を卒業。18年8月にドリス ヴァン ノッテンに入社し、ドリスとともにウィメンズ・コレクションのデザインと開発に携わってきた。今後もブランドがもつ特徴的かつ強いアイデンティティーが彼のビジョンの中心となり、メンズウエアとウィメンズウエアの両コレクションをさらに前へと進める。

就任に際して、彼は「このメゾンの次の章が始まるにあたり、今後のシーズンを監督できることにこの上ない喜びを感じている。ドリスが残した比類なき素晴らしいレガシーは不滅であり、この先も永遠に貴重なインスピレーション源となるだろう。私たち皆が大切にしているドリスから受け継いだものに敬意を払いながら、新しい野心的な挑戦に乗り出すことを楽しみにしている」とコメントした。

一方、ドリスは「ジュリアンのクリエイティビティーとビジョンに、完全な信頼を寄せている。彼は才能豊かなデザイナーであるだけでなく、私が去った後の後任としてふさわしい人物。ブランドとその価値観に対する彼の深い理解が、シームレスな移行と輝かしい未来を確実なものにしてくれるだろう」と太鼓判を押した。

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「セルフ-ポートレート」がクリストファー・ケインをコラボ 「クリエーター同士が支え合い、高め合う」新プログラムの第1弾

ロンドン拠点のファッションブランド「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」は、ゲストデザイナーを迎える新たなレジデンシー・プログラムをスタートした。このほど、その第1弾として、英国人デザイナーのクリストファー・ケイン(Christopher Kane)が手掛けたコレクションを発売した。同コレクションは、ケインが2006年にロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校修士課程の卒業ショーで披露したデザインと、それを発展させた07年春夏をベースにしたもの。パステルカラーと白黒をベースに、チェーンメイルやレース、フリル、ラインストーンが特徴のドレスやニットからバッグやアクセサリーまで、パーティーシーズンにぴったりのアイテムがそろう。

ケインがファッションの表舞台に復帰

今回のコラボレーションは、ハン・チョン(Han Chong)「セルフ-ポートレート」創業者が共通の友人を介してケインに連絡を取ったことをきっかけにスタートしたが、ケインのファッションデザインへの復帰を記念するものでもある。というのも、2023年6月、彼が姉のタミー(Tammy Kane)と共にブランドを運営していた会社は経営破綻。その後、2人は会社を買い戻したものの、それ以来コレクションの発表や販売は行っていないからだ。

ロンドン中心部のバービカンに本社兼スタジオのハレラ・ハウスを構える「セルフ-ポートレート」は、そんなケインにコレクション制作のためのインフラやリソース、チーム、流通網を提供するとともに創造の自由を与えた。そしてブランドが密に提携する中国の生産背景を生かすことで、一番高いドレスでも650ポンド(約12万3500円)という価格を実現。「セルフ-ポートレート」のロンドンにある2つの直営店に加え、世界の小売店40店で販売している。

お互いの敬愛から生まれたコレクション

ケインは、今回の取り組みを敏捷性やサプライチェーン管理、ファッションの民主化についての学びだったと振り返る。そして、「こんなチャンスは滅多にない。過去に手掛けたコラボレーションと比べても全く異なる。私たちにはシナジーがあり、お互いを敬愛しているし、ファッションが前面に出ている。その結果、とてもウエアラブルかつ素晴らしいファッションを魅力的な価格帯で提供できるコレクションになった」と述べた。

一方、チョンは中国の珠江デルタ地域の工場でのスタッフ・トレーニングにこれまで10年間を費やしてきたとし、「これらの工場が品質とコストパフォーマンスにおける私の期待を理解することが重要だ」と説明。「私はデザインしている時、どの工場が何をやっているのか、どうすれば私の顧客にとってより身近なものにできるかを正確に把握している。例えば、このコレクションに上質なチェーンメイルを使いたければ、他の素材は全体のコストを下げるために安価なものにする。だから、以前はクリストファーのコレクションに手が届かなかったファンも、今回は買うことができるだろう」と付け加えた。

クリエイティビティー繁栄のための場を提供

さらに、レジデンシー・プログラムを「クリエーター同士がお互いをライバル視するのではなく、支え合い、高め合う、真のパートナーシップの未来を象徴するもの」と考える彼は、ブランドのリソースを生かして「クリエイティビティーが繁栄するためのホーム」を提供することが自身の責任だと考えているという。今後もハレラ・ハウスの門戸をあらゆる分野のクリエーターに開く計画で、「(レジデンシー・プログラムは)私の顧客と世界との関わり方を反映したものにしたいので、そのチャンスは幅広くエキサイティングだ。私は、ライフスタイルのさまざまな側面を探求するというアイデアが大好き。体験や一つの製品、音楽、本、あるいは複数のクリエイターが予想外の方法で携わることもあり得る」と語った。

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マチュー・ブレイジーの「シャネル」入りが噂される中、「ボッテガ・ヴェネタ」が後継者候補を確保か

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターが「シャネル(CHANEL)」のヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の後任候補として噂される中、後継者を確保したようだ。業界関係者によると、同ブランドはブレイジーの後継者にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターを選んだという。しかし、「ボッテガ・ヴェネタ」と親会社のケリング(KERING)から、この憶測についてのコメントは得られなかった。

トロッターは2023年2月に「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、同年9月のパリ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露。ランウエイショーを再開し、数年間クリエイティブ・ディレクターが不在だったブランドに活気をもたらした。そんな彼女の控えめでありながら官能的なデザインとテクスチャーへのこだわりは、「ボッテガ・ヴェネタ」やこれまでのクリエイティブ・ディレクターに通じるところがある。

英ニューカッスル大学でファッションデザインを学んだトロッターは、英コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間は、「ラコステ(LACOSTE)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。

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マチュー・ブレイジーの「シャネル」入りが噂される中、「ボッテガ・ヴェネタ」が後継者候補を確保か

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターが「シャネル(CHANEL)」のヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の後任候補として噂される中、後継者を確保したようだ。業界関係者によると、同ブランドはブレイジーの後継者にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)「カルヴェン(CARVEN)」クリエイティブ・ディレクターを選んだという。しかし、「ボッテガ・ヴェネタ」と親会社のケリング(KERING)から、この憶測についてのコメントは得られなかった。

トロッターは2023年2月に「カルヴェン」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、同年9月のパリ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露。ランウエイショーを再開し、数年間クリエイティブ・ディレクターが不在だったブランドに活気をもたらした。そんな彼女の控えめでありながら官能的なデザインとテクスチャーへのこだわりは、「ボッテガ・ヴェネタ」やこれまでのクリエイティブ・ディレクターに通じるところがある。

英ニューカッスル大学でファッションデザインを学んだトロッターは、英コンテンポラリーブランド「ウィッスルズ(WHISTLES)」で働いた後、渡米。「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ギャップ(GAP)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でキャリアを積んだ。その後ロンドンに戻り、「ジグソー(JIGSAW)」を経て、09年に「ジョゼフ(JOSEPH)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。18年10月から約4年間は、「ラコステ(LACOSTE)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。

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「バレンシアガ」CEOが「サンローラン」CEOに就任 ケリングでさらなる人事異動

「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを擁するケリング(KERING)は11月18日、新たな要職人事を発表した。2025年1月2日付で、セドリック・シャルビ(Cedric Charbit)=バレンシアガ社長兼最高経営責任者(CEO)がサンローランCEOに就任。その後任には、ジャンフランコ・ジャンアンジェリ(Gianfranco Gianangeli)=サンローラン最高商務責任者(CCO)が就く。また、フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=サンローラン社長兼CEOは、23年から兼任しているケリングのブランド開発担当副CEO職に専念。グループ傘下各ブランドのCEOを統括する。

13年からサンローランの指揮を執ってきたベレッティーニ=ケリング副CEO は、エディ・スリマン(Hedi Slimane)と共に仕事をした後、16年にアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)をクリエイティブ・ディレクターに任命。関係者によると、彼女は在任中にビジネス規模をおよそ6倍に成長させたという。今後については「ケリングのブランド開発担当副CEOとしての役割に専念できることを楽しみにしている」とし、「グッチでの直近の人事異動(編集部注:ステファノ・カンティーノ=グッチ副CEOが25年1月1日付でCEOに昇格)やその他の重要な人事により、現在抱える課題に取り組み、将来の舞台を整えるためにふさわしい人材がそろった」と説明した。

新CEOの経歴と求められるもの

ファッションに対する強い直感とデザイナーとの親密な関係が高く評価されているシャルビ=サンローラン新CEOは、トゥールーズ・ビジネススクールを卒業後、2001年にフランスの百貨店プランタンでバイヤーとしてキャリアをスタート。小売業での要職を経て、エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の副ゼネラルマネジャーに就任した。12年にサンローランに商品戦略ディレクターとして入社し、商品&マーケティング担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントまで昇格。16年11月にバレンシアガ社長兼CEOに就任し、19年7月にはケリング執行委員会の一員となった。

サンローランでは、特に中国においてラグジュアリー消費が落ち込み、インフレと高金利が世界的な消費の重荷になる中、セールスの勢いを再活性化させることに向き合う。24年度の売上高(既存店ベース)は減速しており、第1四半期は前年同期比6%減、第2四半期は同9%減、第3四半期は同12%減。ケリングは、シャルビ新CEOのミッションについて「彼の専門知識とリーダーシップを生かし、パリを象徴するメゾンをさらに発展させ、そのユニークなポジショニング、伝統、アイデンティティーを構築することだ」と述べた。

また、ベレッティーニ=ケリング副CEOはシャルビ新CEOについて、「サンローラン時代、セドリックは私の重要な協力者の一人であり、彼のリーダーシップと独自のスキルにいつも感心していた」とコメント。「バレンシアガで、彼は驚異的な成長を成し遂げただけでなく、困難を乗り越えてブランドの舵を取り、新たな勢いをもたらした。彼こそ、サンローランの次の章を切り開く完璧なリーダーだと確信している」と続けた。

一方、ジャンアンジェリ=バレンシアガ新CEOは、06年にボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)でキャリアをスタート。マーチャンダイジング・マネジャーや日本法人のバイス・プレジデントを経て、2011年にプラダ(PRADA)のアソシエイト・インターナショナル・ディレクターに就任した。13年から4年間ジバンシィ(GIVENCHY)でグローバル・リテール・ディレクターを務めた後は、自身の家族が所有するイタリア・ペルージャのニットウエアメーカーでビジネスの再構築に取り組んだ。その後、20年にメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のCEOに就任。23年9月にサンローランに入社した。

08年からボッテガ・ヴェネタでマーチャンダイジング・ディレクターを務め、当時からジャンアンジェリ新CEOを知るベレッティーニ=ケリング副CEOは、「マーチャンダイジングチームの一員だった彼の才能をすぐに認識した。数年間一緒に働き、その後も絶えず連絡を取り合っていた」とコメント。「常にこの業界で最も優秀なプロフェッショナルの一人だと考えてきた彼が昨年、サンローランに加わったとき、ブランドだけでなくグループにとっても大きなプラスになったと感じた。そんな彼は、バレンシアガにおけるセドリックの完璧な後継者だ」と続けた。

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LVMHがベルリン発アイウエア「マイキータ」の少数株式を取得 今後も独立した経営を維持

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)は、傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)を通じて、ドイツ・ベルリン発のアイウエアブランド「マイキータ(MYKITA)」の少数株式を取得した。取引金額や条件は非公開。両社の共同声明によると、「マイキータ」は今後も戦略やクリエイティブなプロセスにおいて完全に独立した経営を維持する。「このマイノリティー出資により、『マイキータ』はデザインと製造を手掛ける真のグローバルブランドとしての地位を強化し、その型にはまらない精神と卓越したデザインへの献身でイノベーションを推し進めるとともに、アイウエアの未来を描き続ける」という。

「マイキータ」は2003年、当時24歳だったモーリッツ・クルーガー(Moritz Krueger)をはじめとする4人の創業者が設立。最初の拠点がもともと託児施設だったことから、英語の「my」とドイツ語で「保育園」を意味する「kita」を合わせた言葉がブランド名になった。14年からはベルリンの中心地にある全部門を集約した巨大なマイキータハウスを構え、そこで全てのアイウエアを職人の手で製造している。またアイウエアの素材や生産における革新でも知られ、11年には独自素材“マイロン(Mylon)“と3Dプリンティングによるアイウエアを提案。22年には米特殊素材メーカーのイーストマン(EASTMAN)が開発した “アセテートリニュー(Acetate Renew)”への完全移行を業界で初めて発表し、23年からはシグネチャーのステンレス・スチール・フレームにおいても90%以上リサイクルスチールを使用するなど、サステナブルなアイウエアづくりを推進している。

一方、ティリオスは「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」といったLVMH傘下ブランドのサングラスや眼鏡フレームのデザイン・製造・流通を手掛けるほか、アイウエアブランドの「バートン ペレイラ(BARTON PERREIRA)」と「ヴュアルネ(VUERNET)」も擁する。18年にイタリア・ベネチアから車で約1時間のロンガローネに開いた最新鋭の工場は1万8000平方メートルを超える生産設備を有し、LVMHはアイウエア業界におけるプレゼンスを強めている。

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LVMHがベルリン発アイウエア「マイキータ」の少数株式を取得 今後も独立した経営を維持

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)は、傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)を通じて、ドイツ・ベルリン発のアイウエアブランド「マイキータ(MYKITA)」の少数株式を取得した。取引金額や条件は非公開。両社の共同声明によると、「マイキータ」は今後も戦略やクリエイティブなプロセスにおいて完全に独立した経営を維持する。「このマイノリティー出資により、『マイキータ』はデザインと製造を手掛ける真のグローバルブランドとしての地位を強化し、その型にはまらない精神と卓越したデザインへの献身でイノベーションを推し進めるとともに、アイウエアの未来を描き続ける」という。

「マイキータ」は2003年、当時24歳だったモーリッツ・クルーガー(Moritz Krueger)をはじめとする4人の創業者が設立。最初の拠点がもともと託児施設だったことから、英語の「my」とドイツ語で「保育園」を意味する「kita」を合わせた言葉がブランド名になった。14年からはベルリンの中心地にある全部門を集約した巨大なマイキータハウスを構え、そこで全てのアイウエアを職人の手で製造している。またアイウエアの素材や生産における革新でも知られ、11年には独自素材“マイロン(Mylon)“と3Dプリンティングによるアイウエアを提案。22年には米特殊素材メーカーのイーストマン(EASTMAN)が開発した “アセテートリニュー(Acetate Renew)”への完全移行を業界で初めて発表し、23年からはシグネチャーのステンレス・スチール・フレームにおいても90%以上リサイクルスチールを使用するなど、サステナブルなアイウエアづくりを推進している。

一方、ティリオスは「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」といったLVMH傘下ブランドのサングラスや眼鏡フレームのデザイン・製造・流通を手掛けるほか、アイウエアブランドの「バートン ペレイラ(BARTON PERREIRA)」と「ヴュアルネ(VUERNET)」も擁する。18年にイタリア・ベネチアから車で約1時間のロンガローネに開いた最新鋭の工場は1万8000平方メートルを超える生産設備を有し、LVMHはアイウエア業界におけるプレゼンスを強めている。

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100周年の「フェンディ」、2月のミラノコレで男女合同ショー開催へ 創業家のシルヴィア・フェンディがデザイン

「フェンディ(FENDI)」は、2025年2月のミラノ・ファッション・ウイーク期間中に開催する男女合同ショーで創業100周年の幕開けを飾ることが米「WWD」の取材で分かった。創業家の3代目であり、長年「フェンディ」に携わっているシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)=メンズ&アクセサリー・アーティスティック・ディレクターがコレクション制作を率いる。今回のショーは、長年ショー会場とショールームとして使用され、現在は修復中のソラーリ通りにある自社スペース「スパッツィオ・フェンディ(Spazio Fendi)」の再オープンに合わせて開催される予定だ。

同ブランドは100周年を控えた今年、人事におけるさまざまな変化があった。5月には6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任。6月1日付で、ピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)が就任した。また10月には、20年9月からオートクチュールおよびウィメンズのプレタポルテを手掛けてきたキム・ジョーンズ(Kim Jones)が退任。後任は未定のままになっている。そんな中、これまで100周年に向けた詳しい計画については明らかにしていなかった。

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「アワー レガシー」の少数株式をLVMH傘下の投資ファンドが取得 旗艦店出店や新規市場参入を推進

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY- LOUIS VUITTON)が擁する投資ファンドのLVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES、以下LLV)は、スウェーデン発のファッションブランド「アワー レガシー(OUR LEGACY)」の少数株式を取得した。LLVの支援と経験により、これまでブランドがインディペンデントに築き上げてきた人気と事業をより一層強固なものとし、新たな市場への参入や世界の主要都市への旗艦店出店を進めるとともに、ベストな製品とデザインを世界中の人々に提供し続けることを目指す。

「アワー レガシー」は、2005年にヨックム・ハリン(Jockum Hallin)とクリストファー・ニイン(Christopher Nying)がストックホルムで設立。Tシャツ数型のコレクションからスタートし、07年に初めてメンズのフルコレクションを発表した。16年にはサステナビリティにフォーカスした独自の取り組み「アワー レガシー ワークショップ」を始動し、19年には、ブランドの世界観を補完するためにウィメンズ・コレクションもスタート。現在、世界での販売店舗数は250を超え、ストックホルム、英国ロンドン、ドイツ・ベルリン、韓国・ソウルにショップを構えている。

“永遠に生き続けるブランドを築く”ための最適なパートナー

声明の中で、ハリン=創業者兼クリエイティブ・ディレクターは「約20年前に『アワー レガシー』を立ち上げたとき、私たちは永遠に生き続けるブランドを築くことを夢見ていた。その夢を共に実現し続ける上で、LLV以上のパートナーはいない」とコメント。また、07年にチームに加わったリカルドス・クラレン(Richardos Klaren)最高経営責任者(CEO)は「LLVは、知識、経験、そして最も重要なこととして、真にグローバルな革新的ラグジュアリーブランドになるための私たちの旅路を理解し、サポートしてくれるだろう」と述べた。

一方、LVMHラグジュアリー・ベンチャーズ・アドバイザーズのジュリー・ベルコヴィ(Julie Bercovy)CEOは、「『アワー レガシー』は、コンテンポラリーなミニマリズムとクリエイティブのユニークな融合を特徴とした、“クワイエット・クール”と呼ぶべきスタイルの象徴。ワークウエアとストリートウエアの美学からインスピレーションを得て、機能的で実用的な要素をデザインに取り入れながら職人技を駆使した仕上げによって、エレガントで洗練されたスタイルを表現している。そのルーツとアイデンティティーに忠実でありながら、ファンのコミュニティを超え、メンズとウィメンズのファッションの境界線を押し広げるその能力に、私は強い確信を持っている」と話した。

なお、LLVはインディペンデントな人気ブランドへの少数株式投資を目的とし、継続的な成長と拡大を支援している。これまでには「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(L’OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」や「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」「マッドハッピー(MADHAPPY)」「エメ レオン ドレ(AIME LEON DORE)」などに出資してきた。

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「アルベルタ フェレッティ」創業デザイナーの後任に、同グループ傘下ブランドを手掛けるロレンツォ・セラフィニ

アエッフェ(AEFFE)は10月15日、傘下の「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに、2014 年から同グループ傘下の「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI、以下フィロソフィ)」のクリエイティブ・ディレクターを務めているロレンツォ・セラフィニ(Lorenzo Serafini)を起用することを発表した。1981年の設立から43年間コレクションを手掛け、9月に退任を表明していたアルベルタ・フェレッティ=創業者兼クリエイティブ・ディレクターの後任だ。セラフィニ新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーは2025年2月の25-26年秋冬コレクションになる。なお、市場のニーズを読み取り、ブランド力の強化を目指す新戦略の一環で、「フィロソフィ」は「アルベルタ フェレッティ」に統合される。

アエッフェグループのバイス・プレジデントでもあるフェレッティは、「私の名前を冠したブランドの舵取りを、ロレンツォが後任として担ってくれることになり、とてもうれしい。ファッション界が大きな変化を遂げようとしている今、ロレンツォはこの挑戦に必要なクリエイティビティーと確かな審美眼、プロフェッショナリズム、そして専門知識を持つと信じている」とコメント。そして1984年に自身が立ち上げた「フィロソフィ」を継承し発展へと導いたセラフィニの功績を評価し、「『アルベルタ フェレッティ』の本質は、彼のビジョンと見事に合致している。軽やかさ、フェミニニティー、官能性は、すでにロレンツォのボキャブラリーの中にある言葉であり、彼が『アルベルタ フェレッティ』の世界の中で見事に定義づけられるだろう」と述べた。

確かに、9月に発表された「フィロソフィ」の25年春夏コレクションは、「アルベルタ フェレッティ」の流れを汲むフェミニンでとてもロマンチックなラインアップであり、軽やかなジャージーや繊細なレースなどエアリーな素材を使い、体の周りをゆったりと漂うような服を提案していた。

就任に際して、セラフィニは「熱意と深い感謝をもって、フェレッティ・ファミリーが与えてくれたこのチャンスを受け入れる。アルベルタがこのような重要で名誉ある遺産の後継者に私を選んでくれたことは光栄だ。『アルベルタ フェレッティ』の新たな章を始めるにあたり、それを大切に引き継いでいきたい」と話した。

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「アルベルタ フェレッティ」創業デザイナーの後任に、同グループ傘下ブランドを手掛けるロレンツォ・セラフィニ

アエッフェ(AEFFE)は10月15日、傘下の「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに、2014 年から同グループ傘下の「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI、以下フィロソフィ)」のクリエイティブ・ディレクターを務めているロレンツォ・セラフィニ(Lorenzo Serafini)を起用することを発表した。1981年の設立から43年間コレクションを手掛け、9月に退任を表明していたアルベルタ・フェレッティ=創業者兼クリエイティブ・ディレクターの後任だ。セラフィニ新クリエイティブ・ディレクターによるデビューショーは2025年2月の25-26年秋冬コレクションになる。なお、市場のニーズを読み取り、ブランド力の強化を目指す新戦略の一環で、「フィロソフィ」は「アルベルタ フェレッティ」に統合される。

アエッフェグループのバイス・プレジデントでもあるフェレッティは、「私の名前を冠したブランドの舵取りを、ロレンツォが後任として担ってくれることになり、とてもうれしい。ファッション界が大きな変化を遂げようとしている今、ロレンツォはこの挑戦に必要なクリエイティビティーと確かな審美眼、プロフェッショナリズム、そして専門知識を持つと信じている」とコメント。そして1984年に自身が立ち上げた「フィロソフィ」を継承し発展へと導いたセラフィニの功績を評価し、「『アルベルタ フェレッティ』の本質は、彼のビジョンと見事に合致している。軽やかさ、フェミニニティー、官能性は、すでにロレンツォのボキャブラリーの中にある言葉であり、彼が『アルベルタ フェレッティ』の世界の中で見事に定義づけられるだろう」と述べた。

確かに、9月に発表された「フィロソフィ」の25年春夏コレクションは、「アルベルタ フェレッティ」の流れを汲むフェミニンでとてもロマンチックなラインアップであり、軽やかなジャージーや繊細なレースなどエアリーな素材を使い、体の周りをゆったりと漂うような服を提案していた。

就任に際して、セラフィニは「熱意と深い感謝をもって、フェレッティ・ファミリーが与えてくれたこのチャンスを受け入れる。アルベルタがこのような重要で名誉ある遺産の後継者に私を選んでくれたことは光栄だ。『アルベルタ フェレッティ』の新たな章を始めるにあたり、それを大切に引き継いでいきたい」と話した。

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キム・ジョーンズ、「フェンディ」を去る 今後は「ディオール」のメンズに専念

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は10月11日、傘下ブランド「フェンディ(FENDI)」のオートクチュールおよびウィメンズのプレタポルテを手掛けるキム・ジョーンズ(Kim Jones)=アーティスティック・ディレクターの退任を発表した。業界関係者の間ではピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクターと交渉中という噂もあるが、現時点では後任は未定。新たな体制は、しかるべき時期に発表されるという。なお、ジョーンズは、2018年から務める「ディオール(DIOR)」メンズ・アーティスティック・ディレクター職に専念する。

ジョーンズは、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校を卒業後、自身のブランドを設立。その後、「ダンヒル(DUNHIL)」と「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズを経て、「ディオール」のメンズを手掛ける傍ら、19年に死去したカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の後任として20年9月に同職に就任した。初めてウィメンズを本格的に手掛けることになった彼は4年間の在任中、メンズウエアとアクセサリーを率いるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)や彼女の娘でありジュエリーを手掛けるデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)と密にコミュニケーションをとりながら、ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)やマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ステファノと・ピラーティ(Stefano Pilati)いった他のデザイナーとのコラボレーションや、ファーだけでない本格的なオートクチュールの制作などで、ブランドに貢献。話題を作るだけでなく、商業的成功をもたらした。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは、ジョーンズを「4年間にわたり『フェンディ』にユニークで多文化的なビジョンをもたらした、才能溢れるデザイナーだ」と称賛。「彼の貢献に感謝するとともに、『ディオール』メンズで彼のクリエイティビティーを見続けることを楽しみにしている」と話した。

また、LVMHは声明の中で、「キム・ジョーンズは、『フェンディ』の歴史的遺産にモダンで異文化的な美学をシームレスに融合させ、ブランドのクリエイティブなレガシーに大きく貢献した。彼の指揮の下、『フェンディ』のイタリアらしいコードをアップデートし続けるファッションへの包括的かつ革新的なアプローチによって、メゾンのプレタポルテとクチュールのコレクションは刷新された。4年間を通して、ジョーンズの仕事は完全に情熱とクリエイティビティーに導かれていた」と述べた。

拍車がかかるクリエイティブ・ディレクターのシャッフル

ジョーンズの退任により、また注目ブランドのクリエイティブ・ディレクター(またはアーティスティック・ディレクター)の座が空席になり、ラグジュアリー消費の鈍化と消費者の警戒心に悩む業界を揺るがすシャッフルに拍車がかかることになる。

業界関係者によると、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)、「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、「ジル サンダー(JIL SANDER)」のルーシ・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)の雇用契約は、年内もしくは2025年初頭に満期を迎えるという。また現在、「シャネル(CHANEL)」と「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、そして毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎えている「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」も、クリエイションを率いるディレクターは不在だ。

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シルエットの探求を続ける「ロエベ」 削ぎ落とすことで見い出した軽やかさ

「あらゆるノイズを取り除いたとき、何が起きるのか」。「ロエベ(LOEWE)」を手掛けるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は2025年春夏、そんな疑問を起点に、ラディカル(徹底的)に削ぎ落とすことに取り組んだ。これまでも意表を突くアイデアやクラフト技術、贅沢な素材を掛け合わせながら新たなシルエットを探求してきたが、今季はシルエットへのフォーカスをさらに強め、軽やかなコレクションを見せた。

会場は、今季もヴァンセンヌ城の中庭に建てた巨大な箱型の建物。その外壁には、バッハ(Bach)の楽譜が描かれている。しかし、中はこれまでにないほどミニマルな白の空間。毎回さまざまなアート作品を会場内に飾るが、今回は中にポールの上にとまる小さな鳥をモチーフにしたトレーシー・エミン(Tracey Emin)の作品「The only place you came to me was in my sleep」だけが中央に置かれた。

今季の象徴は浮遊感のあるシアーなフープドレス

ファーストルックは、印象派の絵画がプリントされたシアーなシルクジョーゼットのフープドレス。内側にクリノリンのような骨組みやワイヤーを入れて構築的なシルエットを作る一方で、モデルの動きに合わせてはずみ、裾がヒラヒラと揺れる姿は浮遊感があり、目を奪われる。そのデザインの出発点は、今年の「メットガラ(MET GALA)」で女優グレタ・リー(Greta Lee)のために制作したドレス。そこからテニスラケットのように非常に軽いフレームを開発したという。そんなドレスは今季を象徴するアイテムであり、同様のデザインがプリントやディテールを変えて何度も登場する。

そして、今季のキーシルエットとなるのはフレア。ミニドレスやスカートからジャケット、コート、トップスまでに取り入れたが、その表現や形はさまざまだ。スパンコールをびっしりとあしらったドレスや印象派絵画の色彩を取り入れたニットドレスは縮んだように極端に短く、ツイルのような生地のカジュアルなスカートは裾にゴールドのワイヤーを配することでクリノリンが仕込まれているかのように広がる。さらに、針を使い手作業でシルク生地を割いて穴を空けたドレスやテーラードジャケットは、しなやかかつ大胆なテントラインを描く。

1シーズンで使い捨てずに極めるアイデア

以前から1シーズンでアイデアを使い捨てることに疑問を呈してきたアンダーソンは、今季もこれまでに生み出してきたアイデアを応用したり、ブラッシュアップしたりしている。例えば、フェザーがびっしりと飾られたTシャツ風のトップスは、2023-24年秋冬に披露したアイデアを発展させたよう。今季は、「美術館やコンサートに行くという体験した時に、思い出の品を持ち帰りたくなる」というアイデアを元に、前面にバッハやモーツァルト(Mozart)といった音楽家の肖像画や、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の「ひまわり」やエドゥアール・マネ(Edouard Manet)の「笛を吹く少年」などの名画をハンドペイントで描いた。それはコンサートTシャツやミュージアムグッズかのようなデザインであり、アンダーソンのユーモアを感じる。

また、「ラディカルな節度」をテーマにした6月のメンズ・コレクションに通じる技法やデザインも多く見られた。例えば、メンズでトップスに用いた薄く仕上げたマザー・オブ・パールを全面に貼り付ける技法は、ミニ丈のコートドレスに採用。ベルトで上下のアイテムをつなぐアイデアは、ウィメンズではクロコダイルのトレンチコートに取り入れた。また、太くカーブした袖が特徴のテーラードジャケットや、ケープのように広がるシルエットのバイカージャケット、シームに沿って入れたワイヤーで裾が捲れ上がったコート、本来背面にあるロコバッチを前に持ってくるために捻ったようなデザインで美しいドレープを生んだボリュームのあるパンツ、トーが極端に長いオックスフォードシューズなどはメンズと共通するデザインだ。

ショー後、メンズとウィメンズの関連性について聞かれたアンダーソンが語ったのは、「私たちがメンズショーでいかに、どこまで到達できたかということを気に入っているし、私たちはたくさんのアイデアを生み、発展させてきた。なのに、なぜそれを急に捨て去らなければならないのだろう。私はそこに章を追加するという考えで、5〜6つの既存のアイデアを真に極めながら、3〜4つの新たな章を加えていく。その完成度を高めていくことで、店頭に並ぶ頃までに、アイデアとして実際に機能するようになる」ということだ。確かにアンダーソンのコレクションは咀しゃくし、実際にワードローブに取り入れる準備ができるまでには多少時間がかかることも多い。しかし、アイデアの探求と追求により、彼はこの10年で「ロエベ」のスタイルとアティチュードを築き上げた。そして、バリエーション豊富なバッグをはじめとするアクセサリーの人気もあり、クリエイションにおいて高い評価を得ながらビジネスでも結果を出している。その両立を続けることは容易くはなく、アンダーソンは今のラグジュアリーファッション界でトップを走るデザイナーと言えるだろう。フィナーレに登場した彼は、今季も拍手喝采で迎えられた。

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エミー賞で日本人初の主演男優賞を勝ち取った真田広之は「ディオール」を着用  ドラマ「SHOGUN 将軍」が史上最多の18冠

アメリカの優れたテレビドラマや番組に贈られる第76回エミー賞の受賞式が9月15日(現地時間)、ロサンゼルスで開催された。ドラマ「SHOGUN 将軍」のプロデュースと主演を務めた俳優の真田広之は、「ディオール(DIOR)」によるネイビーのタキシード姿で出席。日本人初となる主演男優賞を勝ち取った。

トロフィーを手にした真田は、「本当にありがとうございます。素晴らしい候補者たちと一緒にこの場所にいられることを光栄に思います」と英語でスピーチ。「人々が力を合わせれば、奇跡を起こすことができる。そして、共により良い未来をつくることができます」と続けた。

また同作は、ドラマシリーズ部門作品賞、主演女優賞、監督賞など、一つのシーズンの作品として史上最多となる18冠を獲得。作品賞受賞の際にコメントを求められた真田は「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を越えました」と日本語で語った。

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「Y/プロジェクト」のグレン・マーティンスが退任 パリコレで予定していたショーも中止

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は9月6日、11年間クリエイティブ・ディレクターを務めてきたグレン・マーティンス(Glenn Martens)の退任を発表した。今後の体制は明らかになっていない。退任に伴い、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた2025年春夏コレクションのショーも中止する。

「Y/プロジェクト」は、10年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティが癌で死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたマーティンスがクリエイティブ・ディレクターに就任した。ベルギー・ブルージュ出身でアントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼は、ねじれやズレを生かすデザインやボタンやファスナーで着こなしを変えられる構造を取り入れた実験的なアプローチによって、クリエイションに対する高い評価と支持を獲得。「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」や「メリッサ(MELISSA)」とのコラボレーションも手掛け、ビジネス面でも世界約150店で取り扱われるグローバルブランドへの成長に貢献した。また、20年10月には「ディーゼル(DIESEL)」のクリエイティブ・ディレクターにも就任。21年には「ジャンポール ゴルチエ」のオートクチュール・コレクションのゲストデザイナーを務めたり、直近ではファッション誌「エーマガジン キュレーテッド バイ(A MAGAZINE CURATED BY)」のキュレーションを手掛けたりと、多忙な日々を送っていた。

ブランドは声明の中で、「グレンのブランドへのユニークな貢献に感謝するとともに今後の活躍を祈っている」とコメント。マーティンスも「ブランドが確立したクリエイティブな芸術性を発展させながら、私自身のビジョンを表現するためのサポートと自由を与えてくれた『Y/プロジェクト』と6月に惜しくもこの世を去ったエレイルフ前CEOに感謝している」と述べている。

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「Y/プロジェクト」のグレン・マーティンスが退任 パリコレで予定していたショーも中止

「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は9月6日、11年間クリエイティブ・ディレクターを務めてきたグレン・マーティンス(Glenn Martens)の退任を発表した。今後の体制は明らかになっていない。退任に伴い、9月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた2025年春夏コレクションのショーも中止する。

「Y/プロジェクト」は、10年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティが癌で死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたマーティンスがクリエイティブ・ディレクターに就任した。ベルギー・ブルージュ出身でアントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼は、ねじれやズレを生かすデザインやボタンやファスナーで着こなしを変えられる構造を取り入れた実験的なアプローチによって、クリエイションに対する高い評価と支持を獲得。「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」や「メリッサ(MELISSA)」とのコラボレーションも手掛け、ビジネス面でも世界約150店で取り扱われるグローバルブランドへの成長に貢献した。また、20年10月には「ディーゼル(DIESEL)」のクリエイティブ・ディレクターにも就任。21年には「ジャンポール ゴルチエ」のオートクチュール・コレクションのゲストデザイナーを務めたり、直近ではファッション誌「エーマガジン キュレーテッド バイ(A MAGAZINE CURATED BY)」のキュレーションを手掛けたりと、多忙な日々を送っていた。

ブランドは声明の中で、「グレンのブランドへのユニークな貢献に感謝するとともに今後の活躍を祈っている」とコメント。マーティンスも「ブランドが確立したクリエイティブな芸術性を発展させながら、私自身のビジョンを表現するためのサポートと自由を与えてくれた『Y/プロジェクト』と6月に惜しくもこの世を去ったエレイルフ前CEOに感謝している」と述べている。

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「バーバリー」のトップが交代 新CEOは「コーチ」や「マイケル・コース」から高級百貨店までを率いてきた52歳

バーバリー(BERBERRY)は、新たな最高経営責任者(CEO)にジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)前マイケル・コース(MICHAEL KORS)CEOを指名した。退任するジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEOの後任として、7月17日付で就任。ラグジュアリー市場が減速する中、ブランドの再ポジショニングを図る。

現在52歳のシュルマン新CEOは、アメリカ出身。グッチ(GUCCI)やサンローラン(SAINT LAURENT)を経て、2007〜12年にはジミー チュウ(JIMMY CHOO)のCEOを務めた。その後、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)で百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)の社長を5年間務め、そのうち3年間はNMGの海外子会社の統括も兼務。17年から3年間はコーチ(COACH)の社長兼CEOを、21年8月から約8カ月間はマイケル・コースのCEOを務めた。

就任に際しては、「世界的なラグジュアリー、ファッション、リテール事業のCEOとして変革的な発展と価値創造を推進してきた実績をもって、バーバリーに加わる」とコメント。「『バーバリー』は、伝統と革新が同居する、英国の真髄ともいえる素晴らしいラグジュアリーブランド。人々を天候から守るという『バーバリー』の創業当初の目的は、これまで以上に身近なものとなっている。(チーフ・クリエイティブ・オフィサーの)ダニエル・リー(Daniel Lee)や才能あるチームと共にグローバルな成長を推進し、お客様に喜びをもたらし、そして『バーバリー』の次の章を綴ることを楽しみにしている」と続けた。

シュルマン新CEOは英国ロンドンにある本社を拠点とし、執行委員会を率いて、ジェリー・マーフィー(Gerry Murphy)会長と取締役会に報告する。マーフィー会長は「ジョシュアは、世界的なラグジュアリーブランドを構築し、収益性の高い成長を牽引してきた優れた実績を持つリーダーだ。彼は『バーバリー』というブランドをよく理解しており、『バーバリー』独自のクリエイティブな伝統を築き上げるという私たちの野心を共有している。彼のラグジュアリーとファッションにおける豊富な経験は、『バーバリー』の可能性を最大限に引き出すカギとなるだろう」と述べた。

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「ロエベ」がもたらす感覚的な喜び ミニマルなデザインの中にちりばめた驚きと遊び心

「ロエベ(LOEWE)」は6月22日、パリ・メンズ・ファッション・ウイークで2025年春夏メンズ・コレクションを発表した。プレスリリースはいつになく簡潔で、「A Radical act of Restraint(ラディカルな節度)」というキーワードのみ。「抑制されたものを欲していた」と語るジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は、服のアーキタイプ(元型)をベースにした削ぎ落とされたデザインに、意表を突くクラフト技術や素材、コントラストを効かせたシルエットを取り入れ、今季も観客を圧倒した。

アンダーソンにとってパーソナルな作品を並べた会場

今シーズンの会場は、22年春夏と23年春夏のウィメンズショーでも用いたフランス共和国親衛隊の屋内馬術練習場。その時同様、ショーのために2階部分を作り、ランウエイと客席を用意した。そこには、今季の出発点となった写真家ピーター・ヒュージャー(Peter Hujar)が撮影したハイヒールの写真をはじめ、アーティストのポール・テック(Paul Thek)によるネズミなど小さな青銅製オブジェの数々、チャールズ・レニー・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)の手がけた椅子、建築家でありデザイナーでもあったカルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)が製作したイーゼルなど、アンダーソンにとってパーソナルなものでもある20世紀のアート&デザインを象徴する作品が飾られている。

そんなランダムな組み合わせのようにも感じる作品群のセットは、アンダーソンの愛読書の一冊でもあるというスーザン・ソンタグ(Susan Sontag)の「反解釈」の中で提唱された、作品を解釈するよりもその感覚的な喜びを重んじる“芸術の官能美学”の必要性を呼びかけるもの。観るものそれぞれが自由に感じ取る、連想の旅へと誘う。

「精度に対する自分ならではの解釈を楽しんだ」

ショーが始まると、モデルたちは空間中央の1階から続く階段を上り、ランウエイに姿を現す。まず目を奪われたのは、モデルの顔の前に垂れるキジの羽根のヘッドピース。それは、縦のラインを強調するアクセントになるだけでなく、「顔の中央に線を引くことで、顔を分断したり隠したりしたかった。動く時に錯視をもたらしたり、催眠術をかけたように見えたりするものでもある」とアンダーソンは説明する。

序盤に見せたのは、ヘッドピースの細長いラインに呼応するようなスリムシルエットのブラックスーツ。デザイン自体はミニマルだが、シルクモヘアをスポンジのように弾力のある質感で仕上げた軽やかなオリジナル素材を使っているのが特徴だ。インナーに合わせるのは、服の内側に縫い付けられるロゴラベルを拡大してドレープを寄せたかのようなトップス。足元のオックスフォードシューズはトーが極端に引き伸ばされたデザインで、錯覚を生み出す。

「精度に対する自分ならではの解釈を楽しんだ」という今季は、これまで以上に削ぎ落とされたデザインの中に一見しただけでは分からないような驚きのアイデアや遊び心あるユーモアを散りばめている。例えば、先シーズンのように上下が一体化したルックがある一方、クロップド丈のポロシャツとチノパンツはオーストリッチのベルトでつながっているように見えて別々のアイテム。細身のコートは、シームに沿って入れたワイヤーで裾が捲れ上がったシルエットを生み出す。そしてドレープを寄せたワイドパンツは、正面のファスナーを横に、背面のパッチを前にずらして捻ったかのよう。そこに合わせるチェックシャツは前後が逆になっている。

また、レザーのチェスターコートはグラデーションを描くようにナパカーフからオーストリッチへと変化し、ハウンドトゥースのポロシャツはカットしたフェザーをあしらうことで柄を立体的に表現。構築的なTシャツやショーツはケーブルニットとレザーをボンディングした上から筆でペイントして仕上げたもので、ノースリーブのトップスは3Dプリンターで再現した腕時計の金属ベルトのようなパーツやマザー・オブ・パールで作る。そんなクラフト技術の生かし方は、まるでモダンなオートクチュールを見ているかのようだ。

それだけでなく、フレアラインを描くギンガムチェックのロングシャツにスリムなスラックスを合わせたり、タイトなニットに鳶職人が履く作業着のようにボリュームのあるニットパンツをコーディネートしたりと、コントラストを効かせたシルエットの探求も引き続き。後半に登場したジャケットも、「ポケットに手を入れるという動作のさりげなさを際立たせるような、誇張する何かが欲しかった」とアンダーソンが説明するように、短めの身頃に対して袖は太くカーブし、たっぷりとしたたるみはエフォートレスな印象につながる。

多様なレザーで表現するバッグ&シューズ

バッグの新作は、“ペブル”バケットバッグを同じ金具をあしらった縦型のホーボーバッグやトップスにも見られたコントラストカラーの大きなロゴを配したXLサイズの巾着トートなど。前者はオーストリッチ、スエード、グレインレザーのバリエーションを用意し、後者はなめらかなナパカーフで提案する。また定番の“パズル”バッグには、オーストリッチや「ロエベ」としては初のディアスキン(鹿革)のモデルが登場した。

一方、シューズは前述のオックスフォードシューズに加え、メンズシューズの定番をシルエットや素材で遊んだデザインが目を引く。さまざまなレザーで提案するローファーやバイカラーのデッキシューズは、幅広の丸みを帯びたスクエアトーが特徴。つま先やソール周りをレザーで覆ったキャンバススニーカーやショート丈のワークブーツ、ブラッシュスエードのフットベッドサンダルなどもそろう。

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ドリス・ヴァン・ノッテン、最後のショーを前に心境を語る

「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は、パリ時間の6月22日20時半(日本時間23日3時半)から2025年春夏メンズのショーを開き、創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)が手掛ける最後のコレクションを発表する。アントワープでその準備を進める彼に話を聞いた。

「緊張はこれまで通り、いやそれ以上にかもしれない。もちろんプレッシャーがあるからね。皆の期待値は高いだろう」。そう語るドリスは今、激しい感情の浮き沈みを感じている。そして、インタビュー前日にコレクションの最終チェックを終えた彼は「全ての服がそこに吊り下げられているけれど、ある意味、難しくもあった。いつもなら、色彩の進化や6つのラックに吊るされた見せたいもの全てと向き合う瞬間を楽しんでいる。けれど、これが最後だと気付くと、その瞬間、『あまりいい決断ではなかったかもしれない』と思った」と明かす。

今年3月、38年間ブランドを手掛け続けてきたドリスが退任するという発表は、多くの業界人やファンに衝撃と動揺をもたらした。現在66歳のデザイナー自身も、ショー後に自分がどんな気持ちになるか分からないと認め、「『あぁ、これが私にできる最高の決断だった』と思う日もあれば、『何て決断をしてしまったのだろう』と感じる日もある」 と話す。「もちろん、たくさんのことを恋しく思うことになるだろう。ただ一方で、私は『ドリス ヴァン ノッテン』とつながり続けていく。完全にブランドから離れてしまうわけではなく、アドバイザーのような役割を担うことになる。メイクアップとビューティで忙しくなりそうだし、店舗デザインにもまだ関わるつもりだ……けれど、コレクションは、もう私の仕事ではなくなる」。

最後のコレクションについて聞かれたドリスは多くを語らなかったが、懐古的なものにはならないとし、次のように答えた。「考えたのは、振り返らないということだった。もちろん、私のことを知っている人なら、再び登場する特定のテーマや小さなディテール、要素に気づくだろう。でも、このコレクションは数歩前に進んだものだ。ノスタルジックにはなりたくなかったので、未来を見据えて、素材の実験的な試みなどを多く取り入れている」。そんなコレクションを披露する今季最注目のショーには、多くの同業デザイナーも駆けつけると見られる。

ドリスが大切にしてきたファッションショー

ドリスは、イメージを作り上げ、ストーリーを表現する場として、ファッションショーをとても大切にしているデザイナーだ。広告を打たない姿勢を貫いてきた(実は80年代に一度雑誌に広告を出したことがあり後悔している)彼は、新型コロナウイルスのパンデミックで断念せざるを得なかった2年間を除き、メンズは1992年春夏から、ウィメンズは94年春夏からずっとショーを続けてきた。

そして、彼は「周年」よりもショーを継続してきた「通算回数」を重視している。50回目となった05年春夏は、シャンデリアが吊るされた空間で140メートルの長い食卓をランウエイに見立てた印象的なショーを開催。100回目となった17-18年秋冬は、過去に同ブランドのショーを歩いたモデルと現役モデルをミックスし、過去のコレクションで用いたお気に入りのパターンの上にグラフィカルなプリントを重ねたコレクションを見せた。また05年には全50回のショーを、17年には全100回のショーをまとめた本も出版している。

今回、ショー数日前に届いたインビテーションは、メタリックシルバーの背景に白字で「LOVE」と書かれたものだった。服をこよなく愛し、多くの人々に愛されてきたドリスは、最後にどんなショーを見せてくれるのか。期待が高まる。

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古代ローマ時代の市場でサステナビリティを考えるイベント開催 「ボッテガ・ヴェネタ」CEOなど100人のゲストスピーカーが登壇

伊NPOのサステイナブル・ファッション・イノベーション・ソサエティー(SUSTAINABLE FASHION INNOVATION SOCIETY、以下SFIS)は6月4日と5日の2日間、欧州議会と欧州委員会との提携によるフィジタル・サステナビリティ・エクスポ(PHYGITAL SUSTAINABILITY EXPO、以下PSE)をローマで開催した。PSEはファッション&デザインのサステナビリティに特化したイタリア初のイベントとして2019年にスタート。技術革新による“メード・イン・イタリー”の持続可能な産業への移行促進を目指している。

多彩なパネルトークからユニークなファッションショーまで

会場は、コロッセオやフォロ・ロマーノと同じエリアにある古代ローマ時代の市場跡地「トラヤヌスの市場」。世界遺産や歴史的建造物が至るところにある街ならではのロケーションと言える。そんなユニークな会場にステージや約15企業や団体の展示ブースを設けた。

5回目を迎えた今回は、ポリシーメーカーである政治家からファッションや素材、サステナビリティ関連企業のトップ、学者、NPOまで、イタリア国内を中心に17カ国から約100人のゲストスピーカーがステージに登壇。終日ひっきりなしにパネルトークやプレゼンテーション、レクチャー、公開インタビューなどが行われた。テーマやトピックは、EUやイタリアにおけるサステナビリティ関連の政策やイニシアチブをはじめ、素材や生産、小売、ESG投資、EPR(拡大生産者責任)、ダイバーシティー&インクルージョン、エネルギーまで多彩。大半はイタリア語で行われたが全て英語で同時通訳され、オンラインでも2言語でライブ配信された。

PSEがハイライトの一つに据えているのは、初日夜のナレーション付きファッションショーだ。披露したのは、出展者をはじめとする9ブランドが制作したアイテム。サステナビリティに対する意識を高めることを目的としており、モデルがランウエイに登場すると、その服の生産に用いられた技術革新やサステナブル素材の詳細、生産にかかる温室効果ガス排出量についてのナレーションが流れるという演出が特徴になっている。同イベントは一般客も無料で参加でき、ショーには若者を中心に地元の人も数多く集まった。

「ボッテガ・ヴェネタ」や「フェラガモ」など優れた“メード・イン・イタリー”を表彰

2日目の午前中には、“メード・イン・イタリー”の優れた取り組みを表彰する「サステイナブル・メード・イン・イタリー賞」の授賞式とトークセッションを開催した。クリエイティビティー&クラフツマンシップ部門は「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」、イタリアン・ヘリテージ部門は「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」、職人の知恵部門は「フェラガモ(FERRAGAMO)」が受賞。さらに、ファッションのデジタル化部門には「ユークス(YOOX)」の創業者でもあり、現在は英国のチャールズ国王が立ち上げた「ファッションタスクフォース(FASHION TASKFORCE)」の会長を務めるフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)、そして、メード・イン・イタリーの若手女性イノベーター部門にはイタリア製のオーガニックコットン繊維を手掛けるソーファイン(SOFINE)のアリアイ・ヴェントゥーリ・クアットリーニ(Aliai Venturi Quattrini)=マネジング・ディレクターが選ばれた。

ステージに登壇したバルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)=ボッテガ・ヴェネタ最高経営責任者(CEO)は、同ブランドのモノづくりに欠かせない職人たちにフォーカスした短編映像「クラフト・イン・モーション」を流し、「まずサステナビリティなしに卓越性を実現することはできない。サステナビリティは、環境だけでなく、文化的な伝統や人においても言えることだ」とコメント。そして「『ボッテガ・ヴェネタ』は、クオリティーに対する厳格なアプローチで、丈夫かつ世代を超えて受け継げるような製品を作っている。また、常にクラフツマンシップの伝統を守ることにこだわり、責任を伴った成長にフォーカスしてきた。職人の手仕事はブランドの本質であり、従業員に適切な賃金を支払うことやベストな労働環境を保証することに取り組んでいる。企業は、自分たちが拠点とする地域そして国全体を守るために、コミュニティーに価値を還元し、良い環境を生み出していくことが必要だ」と続けた。

現在ミラノで大規模な展覧会も開催している「ドルチェ&ガッバーナ」のフェデーレ・ウザイ(Fedele Usai)=ジェネラル・ディレクターは、「展覧会でもイタリアのさまざまな地域のクラフツマンシップへの愛を感じられるだろう」とし、「イタリアには、国内にモノづくりの現場をたくさん有するという豊かさがある。(変化のためには、)自社の社員だけでなく、そのモノづくりに関わる全てのサプライチェーンを教育していくことが重要だ」と主張。「新たな世代はサプライチェーンの管理や説明責任を重視している。私たちが若かった頃と今の若者では何を信じるかという点で違う考えや視点があり、新世代を未来の消費者として捉えるだけでなく、その声に耳を傾けることも大切だと思う」と話した。

そして、ジェームス・フェラガモ(James Ferragamo)=フェラガモ グローバル・チーフ・トランスフォーメーション&サステナビリティ・オフィサーは、「ファッションブランドには今、継続的な成長と同時にサステナブルなビジネスモデルへの移行という目標に向かっていくことが求められる。このジレンマに対する解決策をサプライチェーン全体で考えていかなければならない。祖父のサルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は戦時中、レザーやメタル、ラバーが使えない中、コルクやセロファンなどで靴を作り、クリエイティブであることを諦めずに成長を続けてきた。『フェラガモ』には、今でもそういった革新のDNAがある。私たちが目指しているのは、革新的かつサステナブルであることだ」と述べた。

主催者が語るイベントを続ける大切さ

ヴァレリア・マンガーニ(Valeria Mangani)SFISプレジデントは、PSE立ち上げのきっかけについて「イタリアの現状に危機感を覚え、ファッション業界のサステナビリティに対する認識を高める必要性を感じた。EUは2050年までに気候中立達成を目指しているが、EPRなどのさまざまな政策を打ち出すことよりも、(イタリアでは)まず生産者や消費者に自分たちが作ったり、買ったりするものについて考えてもらうことが重要だった」と振り返る。そして、「イタリアには世界的なビッグブランドもあるが、中小企業が多い。そのため、サステナビリティ実現のためのノウハウや資金、労力をもっていない企業も多く、適切な説明や支援が必要だ」と説明する。

現在抱える最も大きな課題について尋ねると、「二つあるが、一つはファッションにおけるサステナビリティ実現に向けた行政からの金銭的支援。そのため、経済発展省が設立した会合『テーブル・フォー・ファッション』の一員でもあるSFISは、ポリシーメーカーへのロビー活動を積極的に行なっている。もう一つは、人々のマインドセットを変えること。一朝一夕にはいかないが、特に中小企業における変化が急務だ」と語った。

現地で感じた意義と課題

イタリアの大手ファッション企業ではよりサステナブルなビジネスモデルへの変化や取り組みが進み、ミラノ・ファッション・ウイークを主催するイタリアファッション協会や「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」や「リネアペッレ(LINEA PELLE)」といった素材見本市でもサステナビリティへのフォーカスが見られる。しかし、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が世界各国のSDGs達成度を評価した「サステナブル・デベロップメント・リポート」の23年版によると、イタリアは24位(ちなみに日本は21位)。北欧諸国やドイツ、フランスなどサステナビリティ先進国の多いヨーロッパでは遅れをとっているのが現状だ。そんな中、ファッション業界にとって重要な生産国、そして輸出国の一つでもあるイタリアでサステナビリティに対する意識を高めていくために、このようなイベントを継続して行う意義は大きい。

一方、実際に訪れてみて、イベントとしての課題が見えたのも事実だ。一つは、ゲストスピーカーの数は充実しているものの、各セッションや登壇者に与えられた時間が短かったこと。活発な意見交換や具体的なソリューション提案というよりも、それぞれの取り組みの紹介や意見表明というレベルにとどまり、結果的に深く掘り下げられていないことも多々ある印象を受けた。また、初日夜のファッションショーにはたくさんの来場者が見られたものの、日中はイベントの関係者やメディア以外の来場者はさほど多くなかった。ファッション業界やモノづくりに携わる人を対象にするにしても、一般消費者を対象にするにしても、「人々のマインドセットを変える」にはまずより多くの人を呼び込み、関心を持ってもらったり、考えるきっかけを与えたりすることが重要。専門用語や新たな技術が多く難しいと捉えられがちなサステナビリティのイベントにとって、当事者として身近に感じられるようなテーマや登壇者の選定、そしてより多くのワークショップのような参加型企画も大切だと感じた。ブラッシュアップの余地は大きく、今後の発展に期待したい。

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6月のミラノ・メンズコレはロンドン勢の参加増 「MSGM」は15周年を祝う男女合同ショー

2025年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノメンズ)が6月14日に開幕する。公式スケジュールの5日間に19ブランドがショーを開くほか、42ブランドがプレゼンテーションを行う。なお、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク初日と被る最終日の18日は、デジタル発表のみとなる。

今年ブランド設立15周年を迎える「MSGM」は、男女合同ショーを開催。「モスキーノ(MOSCHINO)」は、1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したアードリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)による初のメンズ・コレクションを披露する。

また、今シーズンはロンドン勢の増加が目立つ。22-23年秋冬からミラノメンズに参加している「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」に加え、「マーティン ローズ(MARTIN ROSE)」と「ダンヒル(DUNHILL)」がショーを計画。「デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)」も初のメンズをプレゼンテーションでお披露目する。

そのほかのラインアップは大きく変わらず、「プラダ(PRADA)」や「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」「ゼニア(ZEGNA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」「ディースクエアード(DSQUARED2)」などがショーを実施。「トッズ(TOD’S)」や「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「ブリオーニ(BRIONI)」「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」「セッチュウ(SETCHU)」などはプレゼンテーション形式で新作を発表する。

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6月のミラノ・メンズコレはロンドン勢の参加増 「MSGM」は15周年を祝う男女合同ショー

2025年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノメンズ)が6月14日に開幕する。公式スケジュールの5日間に19ブランドがショーを開くほか、42ブランドがプレゼンテーションを行う。なお、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク初日と被る最終日の18日は、デジタル発表のみとなる。

今年ブランド設立15周年を迎える「MSGM」は、男女合同ショーを開催。「モスキーノ(MOSCHINO)」は、1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したアードリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)による初のメンズ・コレクションを披露する。

また、今シーズンはロンドン勢の増加が目立つ。22-23年秋冬からミラノメンズに参加している「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」に加え、「マーティン ローズ(MARTIN ROSE)」と「ダンヒル(DUNHILL)」がショーを計画。「デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)」も初のメンズをプレゼンテーションでお披露目する。

そのほかのラインアップは大きく変わらず、「プラダ(PRADA)」や「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」「ゼニア(ZEGNA)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」「ディースクエアード(DSQUARED2)」などがショーを実施。「トッズ(TOD’S)」や「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「ブリオーニ(BRIONI)」「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」「セッチュウ(SETCHU)」などはプレゼンテーション形式で新作を発表する。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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「フェンディ」CEOが交代 後任は「ルイ・ヴィトン」メンズビジネス成長の立役者

フェンディ(FENDI)を6年間率いてきたセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任する。米「WWD」が入手した社内メモによると、親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)グループ内で新たな職務に就く予定で、詳細については近日中に明らかになるようだ。ブランシュウィッグ会長兼CEOの後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクターが、6月1日付で就任。現職と兼務する。

アンジェログロウ新CEOは、ロレアル(L’OREAL)に20年以上在籍し、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」のグローバル・ブランド・プレジデントを務めた後、2019年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)にファッション&レザーグッズ担当戦略ミッション・ディレクターとして入社。20 年からはメンズ部門を統括し、メンズビジネスを大きく成長させた立役者として知られる。22年には戦略ミッション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。ウィメンズのアクセサリーやデジタル・イノベーション、ビジュアル・マーチャンダイジング、コミュニケーションなども担当した。

そして今年3月、マイケル・バーク(Michael Burke)=LVMHファッショングループ会長兼CEOに抜てきされ、同グループのマネジング・ディレクターに就任。現在、グループに属するブランドの中で「フェンディ」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「プッチ(PUCCI)」「パトゥ(PATOU)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」、そしてパートナーシップを結んでいる「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」を統括している。

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山本耀司の服作りへの姿勢を称える展覧会がミラノで開催 80年代のアーカイブから最新作までを展示

山本耀司「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」デザイナーの作品にフォーカスした展覧会「山本耀司。未来への手紙(Yohji Yamamoto. Letter to the future)」が、イタリア・ミラノのコンセプトショップ「ディエチ コルソ コモ(10 CORSO COMO)」で開催中だ。会期は7月31日まで。2月に全面改装オープンした店内のギャラリースペースを用いた同展では、1986年のアーカイブから2024-25年秋冬シーズンの最新作まで25点を展示。インダストリアルな雰囲気が漂う明るい空間が、黒を中心とした山本デザイナーの象徴的なデザインを際立たせる。

今回の展示では、山本デザイナーが語った言葉の引用が壁に記されているのも特徴だ。例えば、色については「私は体の上での布の動きにしか興味がなかったので、色は使いたくなかった。白か黒。それで十分。だから、とうとう色について考えることを完全に忘れてしまった」と言及。また、「過去に自分が手掛けた作品を再訪し、自分自身を試し、昇華させることができるかどうかを確認するのは刺激的なことだ。私は、常に他とは異なるものを作りたいと考え、新しさを探し求め続けている。未来に対するイメージはなく、自分には明日のイメージしかない」とも述べている。

キュレーターが語る山本耀司の魅力

同展のキュレーターを務めたアレッシオ・デナヴァスケス(Alessio de’ Navasques)とティツィアナ・ファウスティ(Tiziana Fausti)「ディエチ コルソ コモ」オーナーは、山本デザイナーの永続性を強調するような展覧会を行いたいという望みを尊重した。デナヴァスケスは「山本耀司氏は、回顧展というアイデアを好まない」とし、展覧会のタイトルは「(彼の)形状、非対称性、素材のシンクロしない流れの中での、時間とのあいまいで詩的な関係を定義している」とコメント。そして、「初期から今日に至るまで、山本氏のメッセージは今なお重要であり、とても力強い。彼はファッションの歴史において最も偉大なクリエイターの一人だ」と話す。

また、「異なる時代間の対話の中で、時間の概念を打破する」という考えから、作品は年代順ではなくテーマ別に展示。1986-87年秋冬の鮮やかな赤で彩られたビクトリアンスタイルのシルクコートの近くには、2024-25年秋冬のグレーのウールコートが飾られている。一方、1996-97年秋冬のフェルトを折り紙のように扱ったスタイルは、レイヤードしたアイテムを脱ぎ捨てるショー演出で見せた99年春夏のドレスと並べられている。

今回、デナヴァスケスが山本デザイナーと共に目指したのは“活気のある”展覧会にすることであり、「ファッション展は時に死んだような印象を与えることもあるが、彼のメッセージの強さは現代的で実験的な対話を可能にする」と説明。「繰り返し用いるシグネチャーとして衣服と人間の関係に革命をもたらした、あらゆる形状の不完全さを歓迎し、生地をドレーピングしたり彫刻のように仕上げたりする彼の一貫した姿勢は、未来を見据えたタイムレスな自由を表す普遍的なメッセージだ」と語った。

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「AZファクトリー」がブランド終了 今後は教育プログラムを通じて独立系デザイナーを支援

「AZファクトリー(AZ FACTORY)」が、コレクションの制作や販売などファッションブランドとしての活動を終了することが分かった。今後は「AZアカデミー:ビジネス・フォー・デザイナーズ(AZ ACADEMY: BUSINESS FOR DESIGNERS、以下AZアカデミー)」と題した大学院教育プログラムに移行し、引き続きデザイナー支援を行なっていく。同ブランドは、2019年に「ランバン(LANVIN)」を長年手掛けてきたことで知られる故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)が、「クロエ(CHLOE)」や「ダンヒル(DUNHILL)」「アライア(ALAIA)」を擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT、以下リシュモン)とのジョイントベンチャーとして設立。デビューコレクション発表からわずか3カ月後の21年4月にエルバスが死去し、それ以降は毎シーズン異なる独立系デザイナーとのコラボレーションやデザインチームによってブランドを継続してきた。生産・販売される最後のコレクションは、ルッツ・ヒュエル(Lutz Huelle)がデザインした24年プレ・フォールになる。

選抜した若手や独立系デザイナーを支援

「AZアカデミー」は、ミラノを拠点とするリシュモンの企業スクールであるクリエイティブ・アカデミー(Creative Academy)の傘下に入り、ローマにあるファッションスクールのアカデミア・コスチューム&モーダ(Accademia Costume & Moda)と提携。世界のファッションスクールを卒業したばかりのデザイナーや、すでにファッションやレザーグッズ、アクセサリーの分野で活躍している独立系デザイナーを対象に、現在公式サイトで応募を受け付けている(締め切りは7月15日)。9月には、業界の専門家からなる審査委員会が、初年度の奨学金対象デザイナーを10〜20人選出。25年1月にミラノで1年間のプログラムをスタートする予定だ。選抜デザイナーは参加費として2500ユーロ(約42万2500円)を支払う必要があるが、プログラムにかかる費用の大部分はリシュモンが支援する。

リシュモンのフィリップ・フォルトゥナート(Philippe Fortunato)=ファッション&アクセサリー メゾン最高経営責任者(CEO)は、「『AZアカデミー』は、独立系ファッションデザイナーたちがそれぞれのクリエイティブなビジョンをビジネスの成功へと変えることを支援するユニークな機会を提供する。このプログラムを通じて、リシュモンはアルベール・エルバスと共に『AZファクトリー』で始まったストーリーを継承し続け、独立したクリエイションを支援することに対するコミットメントを再び明確に示す」と続けた。

「AZアカデミー」のプログラム内容は?

「AZアカデミー」発足の背景にあるのは、現在のファッション業界における課題だ。公式サイトでは、「既存のシステムには、クリエイティブなアイデアを投資を呼び込めるようなブランドビジネスへと変えるために必要なツールやノウハウをデザイナーに提供する教育プログラムや制度が欠けている」と指摘。若手デザイナーがブランド確立のための適切なツールを習得することをサポートするために、教育とプロフェッショナルな経験を融合させることを目的に掲げる。

同プログラムで取り扱うトピックは、クリエイティビティー、イノベーション、サステナビリティ、生産、財務、法律、マーケティング、包括性など。参加デザイナーはアカデミックな学習に加え、専門家による特別授業や個別指導、そして訪問、体験、インターンシップを通じてサプライチェーンに深く入り込むことになる。また最終プロジェクトでは、新しいファッションビジネスの支援に関心がある潜在的な投資家のためにビジネス戦略、コレクション計画、生産・事業計画を練り、プレゼンテーションで発表する。

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「マルニ」の新CEOに親会社OTB会長の息子が就任

「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するOTB傘下の「マルニ(MARNI)」の新たな最高経営責任者(CEO)に、同グループのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長の息子であるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)が就任した。バーバラ・カロ(Barbara Calo)CEOの後任で、ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)OTB CEOの直属となる。なお、ステファノ新CEOは、「メゾン マルジェラ」の会長、OTBの取締役、バーチャルのプロダクトや体験に特化した子会社ブレイブ・バーチャル・エクスペリエンス(BRAVE VIRTUAL XPERIENCE、BVX)のCEOも引き続き務める。

ステファノ新CEOは、ニューヨークのファッション工科大学(FIT)で国際貿易とマーケティングを学んだ後、「ズーヨーク(ZOO YORK)」などのブランドとのコラボレーションからファッション業界でのキャリアをスタート。その後、OTBに入社し、「ディーゼル」の5ポケットデニム部門のブランドマネジャーや戦略的ブランド提携ディレクターを務めた。11年にはOTBのコーポレート・デベロップメント・ディレクターに就き、13年2月には共同CEOに就任。17年からは「ディーゼル」の北米CEOを務め、米国連邦破産法第11章適用後の再建を率いて黒字化を達成した。そして、21年にはBVX の立ち上げと同時に同社のCEOに就任。同年からOTBを代表して、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)やプラダ グループ(PRADA GROUP)、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)などと取り組むオーラ ブロックチェーン コンソーシアム(Aura Blockchain Consortium)の取締役も務めている。23年には「メゾン マルジェラ」の会長に就任した。

父親レンツォ・ロッソの評価と期待

レンツォOTB会長は、「『マルニ』は、この数年で世界的に確固たる地位を築いたユニークなブランドであり、ステファノはラグジュアリー市場における『マルニ』のポジショニングを加速させるという重要な責務を担うことになる。この新たな役職は、彼のプロとしてのキャリアをさらに前進させるものだ。『マルニ』の象徴的な個性を高め、さらに幅広い層にリーチする上で、彼の国際的な経験と革新的なビジョンが決め手になると信じている」とコメント。「今は『マルニ』にとって特別なタイミングだ。(クリエイティブ・ディレクターの)フランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)は、東京でショーを開くなどして多様性あふれる素晴らしいコミュニティーを作り上げてきた。フランチェスコは、『マルニ』を若返らせてフレッシュな輝きをもたらしてきており、現在はクリエイティビティーの全てをさらなる成長に注ぎ、事業を推進し、産業計画をリードする絶好のタイミングだった。大きな挑戦であり、ステファノにとってもOTBグループにとっても極めて重要だ」と続ける。

幅広い経験を積んできたステファノCEOの能力については、「合理的かつ地に足がついていて、賢明。さらに先見の明がある。私はより衝動的だが、彼は私にじっくりと物事を考えさせることが多く、私を補完してくれる」と評価。「ステファノとフランチェスコがいれば、『マルニ』は真のラグジュアリーブランド、そして重要なインターナショナルブランドになれるだろう」と話す。

2024年も日本と中国に注力

OTBの23年12月期の売上高は、前期比9.1%増の18億ユーロ(約2988億円)だった。ブランド別の売上高は公表されていないが、「マルニ」「ジル サンダー」「メゾン マルジェラ」が属するラグジュアリー部門は現地通貨ベースで同17.6%増。23年に16店舗のブティックをオープンした「マルニ」は、同8.6%増を記録した。現在の店舗数は、単独店とコーナー、アウトレットを合わせて108。中でも、日本はブランドにとって常に強力なマーケットであり、24年も引き続き日本、そして中国市場の発展に注力するという。今年はすでに東京・渋谷スクランブルスクエアや中国の蘇州倉街、マカオのギャラリー・ラファイエットにブティックをオープンしており、今後数カ月間にシンガポールや名古屋での出店も控える。

ミラノ・ファッション・ウイークの常連でもある「マルニ」は、22年9月からニューヨーク、東京、パリとシーズンごとに異なる都市でショーを開催した後、今年2月にミラノにカムバックした。また、2月には米化粧品大手のコティ(COTY)とフレグランスおよびビューティ製品の開発・製造、販売に関する20年間のライセンス契約を締結。26年のフレグランス発売を皮切りに、ビューティラインを立ち上げる予定だ。

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ドリスのラストショーは6月22日に 五輪を控えたパリのファッション・ウイークはどうなる?

フランス・オートクチュール&モード連盟(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、FHCM)は6月に開催する2025年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、パリメンズ)と24-25年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイーク(以下、クチュール)の暫定スケジュールを発表した。パリメンズは、6月18日から23日まで開催予定。公式スケジュールで72ブランドがショーやプレゼンテーションを行う。一方、クチュールは、オリンピックの影響で例年より約1週間前倒し。6月24〜27日に、公式スケジュールで30ブランドがショーを開く。

パリメンズの目玉は「ドリス ヴァン ノッテン」

今季のパリメンズのハイライトは、なんといっても現地時間6月22日20時30分(日本時間23日深夜3時30分)からの「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のショーだろう。これが、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)自身が手掛ける最後のコレクションになる。

そのほか、ショースケジュールに名を連ねるのは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」「エルメス(HERMES)」「ロエベ(LOEWE)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「ルメール(LEMAIRE)」「ケンゾー(KENZO)」「アミ パリス(AMI PARIS)」など。日本からは「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「サカイ(SACAI)」「カラー(KOLOR)」「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」「ダブレット(DOUBLET)」「ホワイト マウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」「オーラリー(AURALEE)」「ターク(TAAKK)」「キディル(KIDILL)」「サルバム(SULVAM)」「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」の14ブランドがラインアップする。「アンダーカバー」は、近年メンズに関しては展示会で披露していたが、今回は19日にパリメンズでは4年半ぶりとなるショーを開催予定。「アディダス(ADIDAS)」と山本耀司デザイナーの協業による「ワイスリー(Y-3)」も、21日にプレゼンテーションを開く。

公式スケジュールに新たに加わったのは、ベルリン発の「032C」(ショー枠)と昨年10周年を迎えたパリ発のコンテンポラリーブランド「3.パラディス(3.PARADIS)」(プレゼンテーション枠)。一方、ピッティ・ウオモでショーを行う「ポール・スミス(PAUL SMITH)」と、9月のウィメンズでデビュー予定のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による新生「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は不参加。「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「GMBH」も、今季は参加しない。

クチュールには「バレンシアガ」や「トム ブラウン」が参加

クチュールの公式スケジュールには、「ディオール」や「シャネル(CHANEL)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」といった常連に加え、年1回のみ発表を行う「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や1年前に初のクチュールを披露した「トム ブラウン(THOM BROWNE)」などが名を連ねる。毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎える「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は、「クレージュ(COURREGES)」を率いるニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)=アーティスティック・ディレクターによるコレクションを発表する予定だ。

公式初参加となるのは、スウェーデンとイランにルーツを持つデザイナーのバハレー・アルダカーニ(Bahareh Ardakani)が手掛ける「アルダザエイ(ARDAZAEI)」。一方、「ヴァレンティノ」はメンズ同様不参加で、「RVDK ロナルド ファン デル ケンプ(RVDK RONALD VAN DER KEMP)」や「アレクサンドル ヴォチエ(ALEXANDRE VAUTHIER)」も参加を見送った。例年通り、「パトゥ(PATOU)」はクチュール期間中に25年春夏プレタポルテ・コレクションを披露する予定だ。

オリンピックの影響は?

オリンピック開幕は7月26日だが、パリメンズ開幕時点ですでにコンコルド駅(1、8、12番線)とチュイルリー駅(1番線)が閉鎖されているほか、通行止めになる道路や橋もあるため、ファッション・ウイーク期間中の移動には注意が必要。また、競技会場の準備や設営のため、普段ショーやプレゼンテーションを行っているロケーションが使えないブランドも多くなりそうだ。

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「セリーヌ」のエディ・スリマンが退任か 後任候補にはフィービー時代のデザイン・ディレクターが浮上

業界関係者によると、「セリーヌ(CELINE)」を2018年から率いてきたエディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターが、ブランドを去るようだ。スリマンは、同ブランドの親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)に退任の意向をすでに伝えたと言われており、退任の正確な時期はまだ分からないが、今年後半になるのではないかとみられている。なお、後任の最有力候補は、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ」でレディ・トゥ・ウエアのデザイン・ディレクターを務めたマイケル・ライダー(Michael Rider)だという。ただし、米「WWD」が23日(現地時間)に連絡を取った「セリーヌ」の関係者は全員コメントを差し控えるとし、スリマンとライダーからもコメントは得られなかった。

ビジネスSNSの「リンクトイン(LinkedIn)」によると、ライダーはアメリカ・ロードアイランド州のブラウン大学を卒業後、04年から08年まで「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でシニアデザイナーを務めた。その後10年間、「セリーヌ」に在籍。現在は「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」のクリエイティブ・ディレクターを務めている。

これまで「ディオール オム(DIOR HOMME)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」を手掛けてきたスリマンは、独自の美意識とアプローチで伝統あるブランドを活性化させてきた実績があるが、その最盛期にブランドを去ってきた。LVMHはブランド別での売上高を開示していないが、投資銀行RBCキャピタルマーケッツ(RBC Capital Markets)のアナリストによる最近のリポートで、「セリーヌ」の売上高は約25億ユーロ(約4100億円)と推定されている。

後任に求められるのは、エディの“成功の方程式“の継承?

スリマン自身は公の場にほぼ姿を現すことはなく、インタビューに応じることも少ない。しかし、その控えめな性格とは裏腹に、研ぎ澄まされたレディ・トゥ・ウエアのコレクションや人気の“トリオンフ“モチーフをあしらったレザーグッズ、BLACKPINKのリサ(LISA)のような知名度の高いブランドアンバサダー、そして自ら撮影する印象的なモノクロのキャンペーンで、世界的に「セリーヌ」の熱狂的なファンベースを築き上げるとともに、ブランドの影響力と売り上げの向上に貢献してきた。その人気の一例として、先週開催されたLVMHの年次株主総会では、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、日本で「セリーヌ」の店舗の前に長い行列ができていることを誇らしげに語った。

また、スリマンはメンズとビューティカテゴリーにもブランドを拡大。「セリーヌ」は現在、独自のスケジュールで映像を通して新作コレクションを発表しており、メンズの24-25年秋冬コレクションは5月に公開されるとみられる。また、成功を収めた高級フレグランス“オート パフューマリー“に続き、3月には24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションの映像公開によってコスメへの参入を発表。まず25年1月にリップスティックを発売する。「セリーヌ」によると、その後もシーズンごとにスリマンによるビューティ・コレクションを発表し、最終的にはリップバームやマスカラ、マニキュア、アイライナー、ペンシル、ルースパウダー、チークケースで構成する予定だという。

LVMHは、後任に対し、フランスのブルジョワスタイルを軸にグランジやオルタナティブ・ミュージックシーンを感じさせる要素を交えるというスリマンが築き上げた“成功の方程式“から大きく外れることなく、ブランドの勢いをさらに加速させることを望んでいるようだ。

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「ガニー」の新CEOは「バレンシアガ」から グローバル展開をさらに拡大

デンマーク・コペンハーゲン発のコンテンポラリーブランド「ガニー(GANNI)」は、新たな最高経営責任者(CEO)に、ローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)前バレンシアガ(BALENCIAGA)副最高経営責任者を任命した。2018年の就任からビジネスを2ケタ成長させるとともに小売市場での存在感を高めてきたアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)CEOの後任となる。同ブランドはコペンハーゲンのほかに、ロンドン、パリ、ニューヨーク、上海にオフィスを構えており、デュ・リュスケック新CEOはパリを拠点に指揮を取る予定だ。

ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」によると、デュ・リュスケック新CEOはフランスのESSECビジネススクールを卒業後、06年に投資銀行のモルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)に入社。その後、09年からグッチ(GUCCI)で戦略担当のシニアアソシエイトとして働いた後、11年に親会社ケリング(KERING)のビジネス開発とM&A担当のプロジェクト・ディレクターに就任した。13年からは同グループ傘下のポメラート(POMELLATO)でマーケティング&マーチャンダイジング担当グローバル・ブランド・ディレクターを務め、16年にケリングに戻って、ラグジュアリークチュール&レザーグッズ部門の戦略ディレクターに就任した。そして、17年1月に同じくケリング傘下のバレンシアガに入社。リテール関連の要職やヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地域担当社長を務めた後、23年10月に副最高経営責任者に昇進した。

ファッションの未来に必要なものを体現する「ガニー」

就任に際し、デュ・リュスケック新CEOは「このような重要な時期に『ガニー』の一員となり、ブランドの強固な基盤を築き上げていけることをうれしく思う。『ガニー』のイノベーションに対する積極的な姿勢やサステナビリティ、そしてラグジュアリーへの先進的なアプローチは、まさにファッションの未来が必要としているもの。才能あるチームを新たな高みへと導き、グローバル展開をさらに拡大させていくことを楽しみにしている」と述べた。

「ガニー」のオーナーであるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)のエドゥアルド・ヴェラスコ(Eduardo Velasco)=パートナーは、「EMEA地域やグローバル市場におけるラグジュアリーに特化した豊富な経験を持つローラは、ブランドを次の成長段階と革新へと導くためにふさわしいユニークな洞察力と戦略を持っている」と評価する。

なお、「ガニー」は00年にカシミヤ製品を扱う店として創業。09年に創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とクリエイティブ・ディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻が、新たな北欧スタイルを打ち出すウィメンズブランドとしてリブランディング。服を通して独自のコミュニティーの構築を目指すとともに、地球環境への負荷の最小化と社会貢献に取り組んでいる。22年には、社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した国際的な認証制度のBコープ認証を取得した。現在は世界に45以上の直営店を構え、公式ECでは35カ国への発送に対応。さらに600以上の百貨店やセレクトショップに卸している。

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「ガニー」の新CEOは「バレンシアガ」から グローバル展開をさらに拡大

デンマーク・コペンハーゲン発のコンテンポラリーブランド「ガニー(GANNI)」は、新たな最高経営責任者(CEO)に、ローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)前バレンシアガ(BALENCIAGA)副最高経営責任者を任命した。2018年の就任からビジネスを2ケタ成長させるとともに小売市場での存在感を高めてきたアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)CEOの後任となる。同ブランドはコペンハーゲンのほかに、ロンドン、パリ、ニューヨーク、上海にオフィスを構えており、デュ・リュスケック新CEOはパリを拠点に指揮を取る予定だ。

ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」によると、デュ・リュスケック新CEOはフランスのESSECビジネススクールを卒業後、06年に投資銀行のモルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)に入社。その後、09年からグッチ(GUCCI)で戦略担当のシニアアソシエイトとして働いた後、11年に親会社ケリング(KERING)のビジネス開発とM&A担当のプロジェクト・ディレクターに就任した。13年からは同グループ傘下のポメラート(POMELLATO)でマーケティング&マーチャンダイジング担当グローバル・ブランド・ディレクターを務め、16年にケリングに戻って、ラグジュアリークチュール&レザーグッズ部門の戦略ディレクターに就任した。そして、17年1月に同じくケリング傘下のバレンシアガに入社。リテール関連の要職やヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地域担当社長を務めた後、23年10月に副最高経営責任者に昇進した。

ファッションの未来に必要なものを体現する「ガニー」

就任に際し、デュ・リュスケック新CEOは「このような重要な時期に『ガニー』の一員となり、ブランドの強固な基盤を築き上げていけることをうれしく思う。『ガニー』のイノベーションに対する積極的な姿勢やサステナビリティ、そしてラグジュアリーへの先進的なアプローチは、まさにファッションの未来が必要としているもの。才能あるチームを新たな高みへと導き、グローバル展開をさらに拡大させていくことを楽しみにしている」と述べた。

「ガニー」のオーナーであるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)のエドゥアルド・ヴェラスコ(Eduardo Velasco)=パートナーは、「EMEA地域やグローバル市場におけるラグジュアリーに特化した豊富な経験を持つローラは、ブランドを次の成長段階と革新へと導くためにふさわしいユニークな洞察力と戦略を持っている」と評価する。

なお、「ガニー」は00年にカシミヤ製品を扱う店として創業。09年に創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とクリエイティブ・ディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻が、新たな北欧スタイルを打ち出すウィメンズブランドとしてリブランディング。服を通して独自のコミュニティーの構築を目指すとともに、地球環境への負荷の最小化と社会貢献に取り組んでいる。22年には、社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した国際的な認証制度のBコープ認証を取得した。現在は世界に45以上の直営店を構え、公式ECでは35カ国への発送に対応。さらに600以上の百貨店やセレクトショップに卸している。

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「フレデリック マル」創業者がブランドを去る “香りの出版社”としてニッチ市場を開拓

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)傘下の仏フレグランスメゾン「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」の創業者であるフレデリック・マル(Frederic Malle)が、6月末でブランドを去る。マルはニッチなフレグランスビジネスの先駆けとして、2000年に同ブランドを設立。“エディション ドゥ パルファム(香りの出版社)”というアイデアをもとに、自身は“編集者”として有名調香師たちがブレンドした香りが主役のフレグランスに焦点を当て、それまでは裏方に徹していた調香師の名を前面に押し出したことで知られる。また、過去には調香師と共にドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)や故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)との協業による香水も手掛けており、最近は「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」初の香水を発表したばかり。ファッション界とのつながりも深い。

マルは、声明の中で「今から25年前、私は業界屈指の調香師と最も要求の厳しい生活者との間に直接的なつながりを生み出すために、“エディション ドゥ パルファム”の仕事を始めた。そうすることで、私は(調香師の)鼻が彼ら自身を存分に表現し、彼らが自分の名前を記したいと思うほど作品に誇りを持てるようなプラットフォームを作り出した。“鼻”のための初の出版社になったブランドが、このようなパワフルな方法で香りのアーティストたちを世に知らしめるとともにフレグランスが芸術であることを世間に示し、職人的なフレグランス作りのムーブメントの礎を築くことになるとは予想だにしていなかった」と説明。「この成功は、当時私に賛同してくれた調香師たちの才能と寛大さのおかげだ。そして、他の全てのアーティストやスタッフ、特にショップで働く香水の専門家に感謝したい。彼らの日々の仕事が、私たちが調香師に与えている創造的な自由を可能にしている。また15年以来、『フレデリック マル』を発展させ、守り続けてくれているエスティ ローダー カンパニーズのメンバーにも感謝したい。彼らは、私が立ち上げたブランドのユニークな創業理念をこれからも実践してくれることだろう」と続けた。

一方、エスティ ローダー カンパニーズのステファン・ドゥ・ラ・ファヴェリー(Stephane de La Faverie)=エグゼクティブ・グループ・プレジデントは、「フレデリックが00年にブランドを立ち上げたとき、彼は世界の偉大な調香師たちに声を上げる力とプラットフォームを与え、フレグランス業界の常識を打ち破った。香水に自由と創造性を取り戻そうと取り組む彼の前衛的なアプローチによって、フレグランスの傑作を提案する真のラグジュアリーブランドが生まれた」とマルの功績を賞賛。また、「私たちは、フレデリックと共にブランドを成長させてきたことを誇りに思っている。そして、これからも彼のインスピレーションとフレグランス作りへの妥協なき献身を称え続けていく」と述べた。

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ロベルト・カヴァリが83歳で死去 アニマルプリントやセクシーなドレスで世界的ブランドを確立

イタリア人ファッションデザイナーのロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)が、イタリア・フィレンツェで死去した。享年83歳。1970年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたカヴァリは、大胆なアニマルプリントやビジューをあしらったダメージジーンズ、セクシーなドレスなどグラマラスなデザインで知られ、世界的なファッション&ライフスタイルブランドを築き上げた。

芸術家の家系に誕生

1940年、祖父のジュゼッペ・ロッシ(Giuseppe Rossi)をはじめとする芸術家の家系に生まれたカヴァリは、フィレンツェの芸術学校で学んだ後、アーティスティックな才能をファッションの道で開花。70年にパリで初のプレタポルテ・コレクションを発表した。70年代初頭には、レザーへの革新的なプリント加工を開発し、特許を取得。72年には、南仏のリゾート地であるサントロペに初のショップ「リンボ(Limbo)」をオープンし、成功を収めた。そして73年、フィレンツェのピッティ宮殿サラ・ビアンカ(白の間)で開かれていた名高いファッションショーに招かれ、「ミッソーニ(MISSONI)」「クリツィア(KRIZIA)」「フェンディ(FENDI)」などと共にレザーアイテムを披露した。

82歳で6人目の子供のパパに

77年には最初の妻となるシルヴァネッラ・ジャンノーニ(Silvanella Giannoni )と結婚した。その後、ドミニカ共和国で開催されたミス・ユニバースの審査員を務め際に出会った出場者のエヴァ・マリア・デュリンガー(Eva Maria Dueringer)と80年に再婚。デュリンガーはカヴァりの主要なコラボレーターにもなり、94年にはブランドの共同クリエイティブ・ディレクターに就任した。ジャンノーニとの間には2人、デュリンガーとの間には3人の子供がいる。そして、今年初めにはモデルのサンドラ・ニルソン=バーグマンとの間にも子供を授かり、82歳にして再び父となった。そんなカヴァリの人生は、彼の手掛けるコレクションの華やかさと力強いエネルギーを映し出すようだった。

全盛期にはビジネスを多角化

「ロベルト カヴァリ」はミラノ・ファッション・ウイークの常連であり、全盛期にはシグネチャーブランドに加え、コンテンポラリーライン「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」、ブリッジラインの「カヴァリ クラス(CAVALLI CLASS)」、キッズライン、ホームライン、フレグランス、さらにクラブやカフェなどホスピタリティビジネスも展開。世界で約200店舗のネットワークと7億1000万ユーロ(約1164億円)以上の売上高を誇った。2007年には、「H&M」とのコラボコレクションを発表。セレブリティーとの親交も深く、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)からマドンナ(Madonna)までが長年に渡りレッドカーペットで同ブランドを着用してきた。

現在はドバイの投資会社傘下に

ただ、00年代後半からブランドは困難な時期に直面し、売却を模索。15年にイタリアの投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)が買収した後、大規模なリストラを含む再建を進めた。しかし、赤字経営が続き、財政難に陥っていた19年、債権者との和議を継続する間の経営を可能にするため、ミラノの裁判所に再建計画を提出するとともに、米子会社は清算のために米連邦破産法7条を申請。結果、ドバイの投資会社であるビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が買収した。現在、同社はドバイに「カヴァリ」ブランドの5つ星ホテルを建設中だ。

カヴァリ退任後、度々変わるデザイナー

クリエイティブ・ディレクターに関しては、徐々にファッション界から身を引いたカヴァリの後を継ぎ、15年に「エマニュエル ウンガロ(EMANUEL UNGARO)」や「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のコレクションを率いたピーター・ドゥンダス(Peter Dundas)が就任。1970年代を連想させるロックテイストでセクシーなデザインを手掛けた。その後、17年には「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「ジー ゼニア(Z ZEGNA)」「アクネ・ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」などでキャリアを積んだポール・サリッジ(Paul Surridge)が就任。デイウエアやメンズウエアの強化に貢献した。

19年3月にサリッジが退任して以降はデザインチームでコレクションを手掛けてきたが、20年10月にファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)がクリエイティブ・コンサルタントに就任。2021-22年秋冬にデビューコレクションを披露した。22年からはプリージにとって初めてのクチュール・コレクションも制作。セレブ御用達ブランドとしての地位を取り戻すともに、アニマルプリントやセンシュアルで華やかなスタイルなど創業者の精神を生かしたデザインで、再起を図っている。

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ロベルト・カヴァリが83歳で死去 アニマルプリントやセクシーなドレスで世界的ブランドを確立

イタリア人ファッションデザイナーのロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)が、イタリア・フィレンツェで死去した。享年83歳。1970年に自身の名を冠したブランドを立ち上げたカヴァリは、大胆なアニマルプリントやビジューをあしらったダメージジーンズ、セクシーなドレスなどグラマラスなデザインで知られ、世界的なファッション&ライフスタイルブランドを築き上げた。

芸術家の家系に誕生

1940年、祖父のジュゼッペ・ロッシ(Giuseppe Rossi)をはじめとする芸術家の家系に生まれたカヴァリは、フィレンツェの芸術学校で学んだ後、アーティスティックな才能をファッションの道で開花。70年にパリで初のプレタポルテ・コレクションを発表した。70年代初頭には、レザーへの革新的なプリント加工を開発し、特許を取得。72年には、南仏のリゾート地であるサントロペに初のショップ「リンボ(Limbo)」をオープンし、成功を収めた。そして73年、フィレンツェのピッティ宮殿サラ・ビアンカ(白の間)で開かれていた名高いファッションショーに招かれ、「ミッソーニ(MISSONI)」「クリツィア(KRIZIA)」「フェンディ(FENDI)」などと共にレザーアイテムを披露した。

82歳で6人目の子供のパパに

77年には最初の妻となるシルヴァネッラ・ジャンノーニ(Silvanella Giannoni )と結婚した。その後、ドミニカ共和国で開催されたミス・ユニバースの審査員を務め際に出会った出場者のエヴァ・マリア・デュリンガー(Eva Maria Dueringer)と80年に再婚。デュリンガーはカヴァりの主要なコラボレーターにもなり、94年にはブランドの共同クリエイティブ・ディレクターに就任した。ジャンノーニとの間には2人、デュリンガーとの間には3人の子供がいる。そして、今年初めにはモデルのサンドラ・ニルソン=バーグマンとの間にも子供を授かり、82歳にして再び父となった。そんなカヴァリの人生は、彼の手掛けるコレクションの華やかさと力強いエネルギーを映し出すようだった。

全盛期にはビジネスを多角化

「ロベルト カヴァリ」はミラノ・ファッション・ウイークの常連であり、全盛期にはシグネチャーブランドに加え、コンテンポラリーライン「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」、ブリッジラインの「カヴァリ クラス(CAVALLI CLASS)」、キッズライン、ホームライン、フレグランス、さらにクラブやカフェなどホスピタリティビジネスも展開。世界で約200店舗のネットワークと7億1000万ユーロ(約1164億円)以上の売上高を誇った。2007年には、「H&M」とのコラボコレクションを発表。セレブリティーとの親交も深く、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)からマドンナ(Madonna)までが長年に渡りレッドカーペットで同ブランドを着用してきた。

現在はドバイの投資会社傘下に

ただ、00年代後半からブランドは困難な時期に直面し、売却を模索。15年にイタリアの投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)が買収した後、大規模なリストラを含む再建を進めた。しかし、赤字経営が続き、財政難に陥っていた19年、債権者との和議を継続する間の経営を可能にするため、ミラノの裁判所に再建計画を提出するとともに、米子会社は清算のために米連邦破産法7条を申請。結果、ドバイの投資会社であるビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が買収した。現在、同社はドバイに「カヴァリ」ブランドの5つ星ホテルを建設中だ。

カヴァリ退任後、度々変わるデザイナー

クリエイティブ・ディレクターに関しては、徐々にファッション界から身を引いたカヴァリの後を継ぎ、15年に「エマニュエル ウンガロ(EMANUEL UNGARO)」や「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のコレクションを率いたピーター・ドゥンダス(Peter Dundas)が就任。1970年代を連想させるロックテイストでセクシーなデザインを手掛けた。その後、17年には「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「ジー ゼニア(Z ZEGNA)」「アクネ・ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」などでキャリアを積んだポール・サリッジ(Paul Surridge)が就任。デイウエアやメンズウエアの強化に貢献した。

19年3月にサリッジが退任して以降はデザインチームでコレクションを手掛けてきたが、20年10月にファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)がクリエイティブ・コンサルタントに就任。2021-22年秋冬にデビューコレクションを披露した。22年からはプリージにとって初めてのクチュール・コレクションも制作。セレブ御用達ブランドとしての地位を取り戻すともに、アニマルプリントやセンシュアルで華やかなスタイルなど創業者の精神を生かしたデザインで、再起を図っている。

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「コム デ ギャルソン」が品質にこだわったメード・イン・イタリーのレザーバッグ発売

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は、メード・イン・イタリーの品質にこだわった、これまでより高価格帯のレザー製ハンドバッグを発売した。デザインはミニマルで、横長の台形シルエットが特徴。スモールとミディアムの2サイズを用意する。価格はスモールが17万6000円、ミディアムが19万8000円(共に税込)。

「イタリアならではの最高品質のモノづくりと素材を誇る、新しいバッグコレクションの始まり」と同ブランドが説明する新作バッグは、国内では4月5日に発売。青山店、大阪店、丸の内店、京都店、福岡店に加え、東京ミッドタウンの「トレーディング ミュージアム コム デ ギャルソン(TRADING MUSEUM COMME DES GARCONS)」とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で取り扱われている。一方、海外では今週末にパリのフォブール・サントノーレ通り56番地にある旗艦店でローンチ。約1週間後から、世界各国の「コム デ ギャルソン」の店舗やドーバー ストリート マーケットに並ぶ予定だ。

なお、これまで同ブランドのハンドバッグはほとんどが日本製で、国内での価格は10万円以下が中心だった。また、人気を集める「ウォレット コム デ ギャルソン(WALLET COMME DES GARCONS)」のファスナー開閉の財布やポーチは、スペインで生産されている。

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「コム デ ギャルソン」が品質にこだわったメード・イン・イタリーのレザーバッグ発売

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は、メード・イン・イタリーの品質にこだわった、これまでより高価格帯のレザー製ハンドバッグを発売した。デザインはミニマルで、横長の台形シルエットが特徴。スモールとミディアムの2サイズを用意する。価格はスモールが17万6000円、ミディアムが19万8000円(共に税込)。

「イタリアならではの最高品質のモノづくりと素材を誇る、新しいバッグコレクションの始まり」と同ブランドが説明する新作バッグは、国内では4月5日に発売。青山店、大阪店、丸の内店、京都店、福岡店に加え、東京ミッドタウンの「トレーディング ミュージアム コム デ ギャルソン(TRADING MUSEUM COMME DES GARCONS)」とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で取り扱われている。一方、海外では今週末にパリのフォブール・サントノーレ通り56番地にある旗艦店でローンチ。約1週間後から、世界各国の「コム デ ギャルソン」の店舗やドーバー ストリート マーケットに並ぶ予定だ。

なお、これまで同ブランドのハンドバッグはほとんどが日本製で、国内での価格は10万円以下が中心だった。また、人気を集める「ウォレット コム デ ギャルソン(WALLET COMME DES GARCONS)」のファスナー開閉の財布やポーチは、スペインで生産されている。

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パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ

「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、202-4-25年秋冬パリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク最終日の3月5日21時(現地時間)から、24-25年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーを開いた。会場は、同ブランドを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者の個人コレクションを展示する現代美術館「ブルス・ド・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」。かつて穀物取引場や証券取引所として使われていた歴史的建築物を建築家の安藤忠雄が改修し、21年にオープンした場所だ。「サンローラン」は23年1月にもここでショーを開催。円筒状にそびえたつコンクリートの壁で囲まれ、柔らかな黒のカーペットが敷かれた空間は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛ける「サンローラン」の美学に共鳴する。

150人もいないであろう限られた観客の中には、俳優の山﨑賢人やSEVENTEENのジョンハン(Jeonghan)、NCTのテン(Ten)からラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や俳優のエヴァン・モック(Evan Mock)、ミュージシャンのコナン・グレイ(Conan Gray)まで、現代の「サンローラン」の男性像を映し出すセレブリティーたちの姿もあった。

イヴ・サンローランそっくりのモデルで幕開け

往年の「イヴ サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のクチュールショーのセットをほうふつとさせるダークな色調の花々で飾られたアーチからまず現れたのは、若かりし日の創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の面影を感じる華奢で繊細なモデル。パワーショルダーを取り入れたクラシックなダブルブレストジャケットと太めのパンツというチャコールグレーのスーツに、黒のネクタイを締めた白いシャツ、光沢のある黒のレザーシューズ、そして黒縁のメガネを合わせたスタイルで、ランウエイを颯爽と歩いた。その後も序盤には何度かサンローランのような風貌のモデルが登場。そこには、ヴァカレロのムッシュ・サンローランに対する敬意が込められているようだ。

今季は、これまでのシーズンに発表した美しいシルエットで見せるテーラリングを軸にしつつ、スタイルを変化させた。ジャケットは、これまでのように力強いショルダーラインが印象的なボックスシルエットで、ダブルブレストが中心。パンツは、タックを入れたゆったりしたデザインに仕上げた。濃淡さまざまなグレーや黒、紺といったクラシックなスーツの色合いからスタートしたショーは、次第に淡いピーチやミントグリーン、くすんだラベンダー、カーキなどに変化。ダスティーなニュアンスカラーのスーツやスラックスに、異なる色でまとめたシャツとネクタイを合わせ、絶妙なバイカラーで魅せた。

そして、ショーが進むにつれて、素材使いもより柔らかに。肩の広いパワフルなシルエットを踏襲しながらも、サテンの裏地をつけたクレープジョーゼットで仕立てることにより、軽やかで流れるようにドレープを描くアイテムに仕上げている。そんな素材使いは、約1週間前に発表された24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションにも通じるもの。その柔らかさと対極を成すような1960年代のアーカイブを再解釈したラバー製の構築的なアウターも、ウィメンズとリンクする。

「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」

洗練されたエレガンスを追い求めるストイックな美学とスタイルを絞ること強固な世界観を作り上げる姿勢を貫いていることはこれまで通りだが、ヴァカレロは今季について「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」とコメント。「ジャケットもパンツも、シャツのようにとても流動的。そこに小細工やごまかしはなく、主張しすぎないものだ」と続けた。

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パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ

「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、202-4-25年秋冬パリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク最終日の3月5日21時(現地時間)から、24-25年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーを開いた。会場は、同ブランドを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者の個人コレクションを展示する現代美術館「ブルス・ド・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」。かつて穀物取引場や証券取引所として使われていた歴史的建築物を建築家の安藤忠雄が改修し、21年にオープンした場所だ。「サンローラン」は23年1月にもここでショーを開催。円筒状にそびえたつコンクリートの壁で囲まれ、柔らかな黒のカーペットが敷かれた空間は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛ける「サンローラン」の美学に共鳴する。

150人もいないであろう限られた観客の中には、俳優の山﨑賢人やSEVENTEENのジョンハン(Jeonghan)、NCTのテン(Ten)からラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や俳優のエヴァン・モック(Evan Mock)、ミュージシャンのコナン・グレイ(Conan Gray)まで、現代の「サンローラン」の男性像を映し出すセレブリティーたちの姿もあった。

イヴ・サンローランそっくりのモデルで幕開け

往年の「イヴ サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のクチュールショーのセットをほうふつとさせるダークな色調の花々で飾られたアーチからまず現れたのは、若かりし日の創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の面影を感じる華奢で繊細なモデル。パワーショルダーを取り入れたクラシックなダブルブレストジャケットと太めのパンツというチャコールグレーのスーツに、黒のネクタイを締めた白いシャツ、光沢のある黒のレザーシューズ、そして黒縁のメガネを合わせたスタイルで、ランウエイを颯爽と歩いた。その後も序盤には何度かサンローランのような風貌のモデルが登場。そこには、ヴァカレロのムッシュ・サンローランに対する敬意が込められているようだ。

今季は、これまでのシーズンに発表した美しいシルエットで見せるテーラリングを軸にしつつ、スタイルを変化させた。ジャケットは、これまでのように力強いショルダーラインが印象的なボックスシルエットで、ダブルブレストが中心。パンツは、タックを入れたゆったりしたデザインに仕上げた。濃淡さまざまなグレーや黒、紺といったクラシックなスーツの色合いからスタートしたショーは、次第に淡いピーチやミントグリーン、くすんだラベンダー、カーキなどに変化。ダスティーなニュアンスカラーのスーツやスラックスに、異なる色でまとめたシャツとネクタイを合わせ、絶妙なバイカラーで魅せた。

そして、ショーが進むにつれて、素材使いもより柔らかに。肩の広いパワフルなシルエットを踏襲しながらも、サテンの裏地をつけたクレープジョーゼットで仕立てることにより、軽やかで流れるようにドレープを描くアイテムに仕上げている。そんな素材使いは、約1週間前に発表された24-25年秋冬ウィメンズ・コレクションにも通じるもの。その柔らかさと対極を成すような1960年代のアーカイブを再解釈したラバー製の構築的なアウターも、ウィメンズとリンクする。

「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」

洗練されたエレガンスを追い求めるストイックな美学とスタイルを絞ること強固な世界観を作り上げる姿勢を貫いていることはこれまで通りだが、ヴァカレロは今季について「よりフォーマルでクラシック、そしてマスキュリン」とコメント。「ジャケットもパンツも、シャツのようにとても流動的。そこに小細工やごまかしはなく、主張しすぎないものだ」と続けた。

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「サカイ」がユニホームの再解釈に込めた“団結”と“人類愛”

「サカイ(SACAI)」はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク最終日の1月21日、2024-25年秋冬メンズとウィメンズの24年プレ・フォール・コレクションを発表した。今季、阿部千登勢デザイナーが掲げたテーマは、「United as One / One Love(一つに団結すること / 一つの愛:人種や信条、肌の色を問わずあらゆる人に対して表現する普遍的な愛や尊敬の意)」。ユニホームの再解釈でシルエットに光を当てながら、「一つになって進んでいく」という価値観を示した。

続く新たなシルエットの探求

ショーが始まると、会場を横から照らす暖かなオレンジのパネルライトが白へと変わり、モデルは強い光を浴びながら歩いてくる。ファーストルックは、フライトジャケットの下にロングコートをハイブリッドしたようなアウターに極太のバギーパンツを合わせたメンズルック。胸元や袖には、同色のワッペンが縫い付けられている。これは、ニューヨーク在住のスケーターでありアーティストのマーク・ゴンザレス(Mark Gonzales)と共に制作したもの。「One Love」とあしらわれた人差し指を立てたグラフィックをはじめ、「Sacai & Gonz」や「The Good Vibes Tribe」といったタイポグラフィが、ゴンザレスが愛用する「スピワック(SPIEWAK)」のG-8などのフライトジャケットや、デニムジャケット、コーデュロイ地のパファージャケットを飾る。同様のグラフィックは、Tシャツにも用いられた。

アウターは、その後もショート丈の裾からより長い丈が覗くスタイルが多出。メンズは、そこに同じトーンのバギーパンツを合わせることで縦のラインを強調しつつ、ダイナミックで新しいシルエットを描く。また、ギャバジンのトレンチコートとウールコートを縦で切り替えたハイブリッドアイテムや、中央からずらした位置にダッフルコートのトグルボタンをあしらったピーコート、ニットとシャツやフライトジャケットをドッキングしたトップスなど「サカイ」らしい提案が光る。

ここ数シーズン、特にウィメンズのメイン・コレクションで実験的なシルエットの探求を続けてきた阿部デザイナーは、そこで培ったアイデアも今季のクリエイションに盛り込んだ。象徴的なのは、24年春夏に見られたスタイルを応用したような丸みのあるラインを描く袖。スパンコール刺しゅうでノルディック柄を表現したショートブルゾンや金ボタンのダブルブレストコートからスポーティーなニットやパジャマシャツまでが、大胆なシルエットで生まれ変わった。一方、23−24年秋冬に見られた短冊状にスラッシュした生地をずらして重ね合わせるデザインは、2つの異なるアイテムの生地を交互につなぐことで新たなハイブリッドの形に進化。「本来あるべき場所とは異なるものにも美しさがある」という思いを反映したようなねじれを生かしたドレスもあり、ウィメンズのプレ・コレクションはこれまでよりも力強さを感じる。

ユニホームは「皆で団結して進んでいくこと」

再び会場がオレンジの光に包まれ、スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)の希望を感じるロックナンバー「トゥナイト、トゥナイト(Tonight, Tonight)」が流れる中にモデルが登場したフィナーレの後、バックステージに駆け込んだ。そこで阿部デザイナーが今季のクリエイションについて語ったのは、「私たちの大好きなユニホームをデザインした。ユニホームには『United(団結した)』につながる『uni』と『形』を表す『form』という2つの意味があって、皆で団結して進んでいくということを表現している」ということ。そして「最近、身近で自分にとって衝撃的なことがあった。だからこそ、こうやって毎日の生活を送れていることへの感謝も含め、私たちは洋服を作ることを通して皆にハッピーになってもらいたいし、あらためて『One Love』というメッセージを伝えたかった」と続けた。

戦争や分断、天災、突発的な事故、残虐な事件などが次々と起こる世の中で、当たり前と思っていたことが当たり前じゃなくなることは誰の身も起こり得る。そんなことをヒシヒシと感じる今だからこそ、平穏な日常は尊く、誰もがそれを享受できることを願ってやまない。「平和」という言葉を使わずとも、服を通して訴える阿部デザイナーのシンプルなメッセージは、強く心に響いた。

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「ルメール」が本社でファッションショー開催 親密な演出を通して伝えたかったこと

「ルメール(LEMAIRE)」は1月17日、パリ・メンズ・ファッション・ウイークでメンズとウィメンズからなる2024-25年秋冬コレクションを発表した。今季の会場は、マレ地区のヴォージュ広場に面した本社内のスタジオ。広々とした空間をランダムにモデルが行き交うという日常風景を映し出したようないつもの演出から趣向を変え、小高い円形のランウエイをモデルが歩くというスタイルで新作を見せた。

今回、自分たちの仕事場でショーを行った理由について、クリストフ・ルメール(Christoph Lemaire)は「プロセスが結果を決めると信じているから」と、実際にコレクションが生み出される環境の重要性を強調。共にクリエイションを手掛けるサラ・リン・トラン(Sarah-Linh Tran)も、「第一にヒューマンスケールの距離で服を見ることができ、近くじゃないと分からないような質感や色を見ることができるということ。そして、何よりモデルが『ルメール』の服を着てどう感じているかを見て感じてほしかった。その感覚というのが、私たちにとってはとても大切だから」と明かす。

そんなショーに登場したのは、ゆったりとしたシルエットの多種多様なアウターやソフトに仕上げたテーラリングを軸にしながら、ブラウン系やベージュ、黒のワントーンで見せる「ルメール」らしいレイヤードルックだ。ルメールは今季を象徴するアイデアして、「センシュアリティー」「イン&アウト」、そして「テクニカルな機能性」の3つを挙げた。「センシュアリティー」は、バレエから着想を得たセカンドスキンウエアや透け感のある滑らかな生地使いなどに見られ、「イン&アウト」は外出時に着るために作られたパジャマシャツやスリッパで表現。「テクニカルな機能性」は、ラッカードシルクのように見える日本製ナイロンを使った防水性を備えたコートなどに取り入れているが、「声高に”テクニカル”とは謳いたくない。あくまでエレガントに落とし込んでいる」と話す。そして、終盤にはオランダのアーティストデュオ、フリーリング・ウォーターズ(Freeling Waters)が手掛けたパターンのプリントや刺しゅうでフォークロアの要素をプラス。エフォートレスなシックを体現するようなコレクションにアクセントを加えた。

ランウエイを歩くモデルは、時に客席を眺めて立ち止まったり、何かを探すように振り返ったり。それぞれが違う動きや仕草を見せる。そこには「『ルメール』とはスタイルであり、スタイルはキャラクターを作るもの。私たちにとって最高のスタイルとは街中ですれ違う人を見て、“この人は誰だろう?”を思わせるものだ」という、個性と大切にするルメールたちの思いが反映されている。

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「ロシャス」に新クリエイティブ・ディレクター就任 ファッション事業の再ポジショニングに取り組む

インターパルファム(INTER PARFUMS SA)傘下の「ロシャス(ROCHAS)」は、レディ・トゥ・ウエアの新たなクリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)を任命した。今年4月に退任したシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)の後任。2024年2月のパリ・ファッション・ウイーク期間中にプレゼンテーション形式で就任後初のコレクションを披露する。ランウエイデビューは24年秋になる予定だ。

ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターは、イタリア南部のプーリア州生まれ。もともとはコンテンポラリーダンスの訓練を受け、プロのダンサーとして活動していたという。その後、ミラノのIED モード・ラボ(IED Moda Lab)を卒業し、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」でファッション業界でのキャリアをスタート。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)時代の「グッチ(GUCCI)」や「フィロソフィ ディ ロレンツォ・セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」などを経て、フリーランスで「ジ アティコ(THE ATTICO)」に携わる傍ら、21-22年秋冬に自身の名を冠したウィメンズウエアブランドをデビューさせた。女性の身体にフォーカスしたセンシュアルなデザインが持ち味で、今後も自身のブランドは継続する。

また、今年5月からすでに「ロシャス」にも関わっており、デザインチーム体制による24年春夏コレクションにも貢献した。フィリップ・ベナシン(Philippe Benacin)=インターパルファム会長兼最高経営責任者(CEO)は、ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターの最初の提案が「『ロシャス』に抱いていた、とてもパリジャン的なイメージに合致していた」とし、控えめでありながらも贅沢で着やすいデザインを称賛。「彼はブランドの核をすぐに理解した。エレガンス、大胆さ、女性らしさ、洗練といった『ロシャス』のメゾンコードを踏まえつつ、新しいアイデンティティーを築くだろう」と話す。一方、ヴィジランテ新クリエイティブ・ディレクターは「『ロシャス』を象徴するのは、フランスらしい洗練へのこだわりと女性らしさの賛美であり、そこから大きなインスピレーションを受けている。私のビジョンを伝えるのが楽しみだ」とコメントした。

インターパルファムは15年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)から「ロシャス」のファッション事業とフレグランス事業を買収。23年7月までの2年間はHIM CO(旧オンワードラグジュアリーグループ)がファッション事業の運営と生産を担っていたが、現在は運営をインターパルファム、生産をHIM COが手掛けている。ビジネスの約80%はフレグランスだが、「ロシャス」においてファッションは「メゾンの歴史の一部であるとともにフランスファッションの歴史的遺産の一部であり、極めて重要だ」とベナシン会長兼CEO。そのため、ファッション事業の再ポジショニングに取り組んでおり、「コレクションが世界中の100〜200の一流の小売店で取り扱われ、継続的に買い付けられることを目指している」という。

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「ルイ・ヴィトン」がトランク製のクリスマスツリーを披露 英老舗ホテルの恒例企画で

イギリス・ロンドンにある老舗高級ホテルのクラリッジズ(CLARIDGE'S)はこのほど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が制作したクリスマスツリーをお披露目した。同ホテルは毎年さまざまなブランドやデザイナーを招き、独自のスタイルで制作されたクリスマスツリーをロビーに展示。今年で13年目になる。

「ルイ・ヴィトン」が手掛けた約5.2メートルのツリーは、トランクを再利用したもの。クロームメッキを施した高さの異なる15個を組み合わせることで、雪景色の中にある伝統的なツリーのシルエットを表現している。ツリーの頂点には、一般的な星ではなく、パリ近郊のアニエールにあるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)一族の邸宅兼アトリエの模型を配置。随所にサンタクロースやカラフルなメゾンのマスコット“ヴィヴィエンヌ”をちりばめている。そんなツリーを囲むように設置されたのは、2つの巨大なモノグラムパターンのトランク。その外側にはクラリッジズのビンテージトラベルステッカーと「ルイ・ヴィトン」のラゲージタグがあしらわれている。

なお、「ルイ・ヴィトン」とクラリッジズは共に1854年に創業。ナポレオン3世の妻であるウジェニー・ド・モンティジョ(Eugénie de Montijo)皇后と強いつながりを持っていた。メゾンの創業者であるルイは、皇后が旅する際に荷物に合わせた木箱やトランクを製作したり、荷造りを行ったりする職人だった。一方、皇后はクラリッジズを冬の邸宅として利用しており、ヴィクトリア女王の訪問を何度も受けたため、同ホテルはバッキンガム宮殿の“別館”として知られるようになった。

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「ルイ・ヴィトン」がトランク製のクリスマスツリーを披露 英老舗ホテルの恒例企画で

イギリス・ロンドンにある老舗高級ホテルのクラリッジズ(CLARIDGE'S)はこのほど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が制作したクリスマスツリーをお披露目した。同ホテルは毎年さまざまなブランドやデザイナーを招き、独自のスタイルで制作されたクリスマスツリーをロビーに展示。今年で13年目になる。

「ルイ・ヴィトン」が手掛けた約5.2メートルのツリーは、トランクを再利用したもの。クロームメッキを施した高さの異なる15個を組み合わせることで、雪景色の中にある伝統的なツリーのシルエットを表現している。ツリーの頂点には、一般的な星ではなく、パリ近郊のアニエールにあるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)一族の邸宅兼アトリエの模型を配置。随所にサンタクロースやカラフルなメゾンのマスコット“ヴィヴィエンヌ”をちりばめている。そんなツリーを囲むように設置されたのは、2つの巨大なモノグラムパターンのトランク。その外側にはクラリッジズのビンテージトラベルステッカーと「ルイ・ヴィトン」のラゲージタグがあしらわれている。

なお、「ルイ・ヴィトン」とクラリッジズは共に1854年に創業。ナポレオン3世の妻であるウジェニー・ド・モンティジョ(Eugénie de Montijo)皇后と強いつながりを持っていた。メゾンの創業者であるルイは、皇后が旅する際に荷物に合わせた木箱やトランクを製作したり、荷造りを行ったりする職人だった。一方、皇后はクラリッジズを冬の邸宅として利用しており、ヴィクトリア女王の訪問を何度も受けたため、同ホテルはバッキンガム宮殿の“別館”として知られるようになった。

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「ジバンシィ」のマシュー・M・ウィリアムズが退任 

「ジバンシィ(GIVENCHY)」のマシュー・M・ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターが、12月末で退任することが分かった。2020年6月に就任した彼が手掛ける最後のコレクションは、近日公開されるメンズ&ウィメンズの24年プレ・フォール・コレクションになる。今回の退任は、ヨーロッパの伝統的なブランドにおけるクリエイティブ・ディレクターの短命化を際立たせるものであるとともに、1988年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下にある名高いクチュールメゾンの新たな改革を示唆するものだ。後任探しはまだ初期段階のようで、次の体制が発表されるまではデザインチームでコレクションを手掛ける。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、デビューシーズンから強みであるハードウエア(金具)、特にテーラリングやレザーグッズに施した南京錠のような留め具や装飾的な要素をクリエイションの重要な柱とし、手の込んだデニムの加工やシューズの最先端技術でもその手腕を発揮。音楽業界との深いつながりやネットワークを生かし、新たな層へのリーチにも貢献した。

ビジネスの勢いは、主にバッグ“ヴォワイユー”と“シャークロックブーツ”の好調によって最近回復したように見えた。しかし、大きな商業的成功や広くメディアからの賞賛はウィリアムズによる「ジバンシィ」にはなく、同じLVMHファッション・グループ(LVMH FASHION GROUP)傘下の「ロエベ(LOEWE)」や「セリーヌ(CELINE)」の爆発的な成長に比べ、遅れをとってきた。

また在任中、ジョディ・フォスター(Jodie Foster)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といったセレブリティーや「ティファニー(TIFFANY & CO.)」のハイジュエリーショーのためにクチュールドレスをデザインしたが、オートクチュール・ファッション・ウイークで本格的なコレクションを披露することはなかった。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、「『ジバンシィ』のクリエイティブ・ディレクションを手掛けることは、2020年の就任時にも述べたように生涯の夢だった。この3年間、私はユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)氏のレガシーを受け継ぎながら、私自身のクリエイティブなビジョンを表現することに努めてきた。この素晴らしい機会を与えてくれたアトリエや、ルノー・ド・レスケン(Renaud de Lesquen)=ジバンシィ最高経営責任者(CEO)、そしてLVMHに心から感謝したい」とコメントした。

一方、レスケンCEOはウィリアムズが「ジバンシィ」にもたらしたエネルギーに対する感謝を示し、「クリエイティブかつコンテンポラリーな彼のコレクションは、新しい活力を生み出し、顧客を開拓した。マシューとの仕事を楽しんできた全ての人と共に、彼の今後の成功を祈っている」と述べた。声明の中で、同ブランドは「ウィリアムズがメゾンの商品ラインアップをモダンに刷新し、国際的な市場、特にアメリカと日本で新たな勢いを生み出すことに貢献した」と評価している。

ウィリアムズ=クリエイティブ・ディレクターは、「ジバンシィ」を手掛ける傍ら、15年に設立した自身のシグネチャーブランド「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM 以下、アリックス)」を率いている。同ブランドは、11月17日に香港の起業家エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)に過半数株式を売却したばかり。チャンとのパートナーシップにより、初となる独立型店舗のオープンや、将来性の高いジュエリーやシューズ、アクセサリーといったカテゴリーの強化などを計画している。

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「ステラ マッカートニー」に新CEO就任 ロレアルなどでキャリアを積んだ女性

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、新たな最高経営者(CEO)にアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)を任命した。来月退社予定のガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)CEOの後任となり、12月1日付で着任。ロンドンに拠点を置き、同社の取締役会に直接報告する。

フランスのESSECビジネススクールでラグジュアリー分野のMBAを取得したオハヨン新CEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下にあった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」のリテール&イベント・エグゼクティブとしてキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。

同社では、デザイナーのヴェラ・ウォン(Vera Wang)との10年間のライセンス契約に取り組んだほか、今年初めには投資ファンドのベインキャピタル(BAIN CAPITAL)への売却を指揮した。また、サステナビリティを最優先事項に掲げ、結婚式後も着られるように丈の変更やディテールのアレンジなどのお直しを無料で提供するウエディングドレスのコレクション「セカンドライフ(SECOND LIFE)」を発表。エコフレンドリーな素材でドレスを作る「ウィー・ドゥー・エコ(WE DO ECO)」プロジェクトや、セカンドハンドのウエディングドレスや古いシーズンの在庫、サンプルなどを販売するEC「ブライズ・ドゥー・グッド(BRIDES DO GOOD)」との提携にも取り組んだ。

オハヨン新CEOは、「『ステラ マッカートニー』は持続可能なラグジュアリーとエシカルファッションを象徴するブランド。ステラと共に、私たちの価値観に共鳴するコンシャスなアプローチで会社の成長を加速させながらイノベーションを推進し、業界を再定義し続けていく」とコメント。一方、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は「アマンディーヌのリーダーシップと事業や地域を超えた豊富な経験は、会社の輝かしい未来を築くための大きな強みになる。洗練されたファッションとエシカルな価値観に対する情熱を持った彼女は、ビジネス的な成功への持続可能な方法を大切にする私たちの素晴らしいパートナーになるだろう」と述べた。

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「ステラ マッカートニー」に新CEO就任 ロレアルなどでキャリアを積んだ女性

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、新たな最高経営者(CEO)にアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)を任命した。来月退社予定のガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)CEOの後任となり、12月1日付で着任。ロンドンに拠点を置き、同社の取締役会に直接報告する。

フランスのESSECビジネススクールでラグジュアリー分野のMBAを取得したオハヨン新CEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下にあった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」のリテール&イベント・エグゼクティブとしてキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。

同社では、デザイナーのヴェラ・ウォン(Vera Wang)との10年間のライセンス契約に取り組んだほか、今年初めには投資ファンドのベインキャピタル(BAIN CAPITAL)への売却を指揮した。また、サステナビリティを最優先事項に掲げ、結婚式後も着られるように丈の変更やディテールのアレンジなどのお直しを無料で提供するウエディングドレスのコレクション「セカンドライフ(SECOND LIFE)」を発表。エコフレンドリーな素材でドレスを作る「ウィー・ドゥー・エコ(WE DO ECO)」プロジェクトや、セカンドハンドのウエディングドレスや古いシーズンの在庫、サンプルなどを販売するEC「ブライズ・ドゥー・グッド(BRIDES DO GOOD)」との提携にも取り組んだ。

オハヨン新CEOは、「『ステラ マッカートニー』は持続可能なラグジュアリーとエシカルファッションを象徴するブランド。ステラと共に、私たちの価値観に共鳴するコンシャスなアプローチで会社の成長を加速させながらイノベーションを推進し、業界を再定義し続けていく」とコメント。一方、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は「アマンディーヌのリーダーシップと事業や地域を超えた豊富な経験は、会社の輝かしい未来を築くための大きな強みになる。洗練されたファッションとエシカルな価値観に対する情熱を持った彼女は、ビジネス的な成功への持続可能な方法を大切にする私たちの素晴らしいパートナーになるだろう」と述べた。

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英「10マガジン」の日本版創刊 編集長に元「ヴォーグ ジャパン」の増田さをりファッション・ディレクターが就任

英国・ロンドン発のインディペンデント・ファッション誌「10マガジン(10 MAGAZINE)」は2024年9月に日本版となる「10 ジャパン(10 JAPAN)」を創刊する。編集長には、増田さをり前「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」ファッション・ディレクターが就任。編集チームの詳細は、追って発表される予定だ。

同誌のコンテンツは、紙媒体、デジタル、動画、ソーシャル・プラットフォームを中心に、グローバルなマルチチャネルネットワークで配信される。紙媒体は英国版同様、9月と3月の年2回発行予定。将来的にはメンズ誌「10 メン ジャパン(10 MEN JAPAN)」と、雑誌とポスターの構成で紙媒体の可能性を探求する「10+ ジャパン(10+ JAPAN)」の刊行も計画する。

「10 マガジン」は01年、ソフィア・ネオフィトウ・アポストロウ(Sophia Neophitou-Apostolou)編集長が創刊。03年には「10 メン(10 MEN)」、18年には「10+」をローンチした。英国外では、13年にオーストラリア版、23年9月にアメリカ版を創刊。最近のインテビューで、ネオフィトウ・アポストロウ=グローバル編集長は、フランスとイタリアなどフランチャイズでのさらなる海外展開の可能性も示唆している。

日本版を率いる増田編集長は、「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のPRとしてファッション界でのキャリアをスタート。05年にエグゼクティブ・ファッション・エディターとして「ヴォーグ ジャパン」編集部に加わった。その後、ファッション・マーケット・ディレクターを経て、18年にファッション・ディレクターに昇進。23年に退社した後は、フリーランスで活動してきた。

就任に際して、増田編集長は「ソフィアや彼女のチームとの新たな冒険をとても楽しみにしています。私は子どもの頃から日本、イタリア、フランスの文化の中で過ごし、その生涯の経験が私のファッションへのアプローチを形成してきました。『10マガジン』ファミリーの新しいメンバーとして、そんな多様な文化の中での生活経験とボーダレスな文化的マインドセットを『10 ジャパン』に持ち込みたい。それが、新しい日本の展望の未来に貢献できると信じています」とコメントした。

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「ショパール」の“アルパイン イーグル”にジェムストーン輝く新作が登場 

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は11月16日、ドバイ・ウオッチ・ウイークに合わせ、ラグジュアリースポーツウオッチ“アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新シリーズ“アルパイン イーグル サミット(ALPINE EAGLE SUMMIT)”を発表した。4モデルをそろえる同シリーズは、イーグルの虹彩をモチーフにした輝く文字盤と、バゲットカットのジェムストーンで優美なグラデーションを描いたベゼルが特徴だ。ケーズは41mmで、エシカルな18Kイエローゴールド、ホワイトゴールドまたはローズゴールドを使用。クロノメーター認定を取得した機械式自動巻きムーブメント“ショパール 01.15-C”を搭載する。自社に貴金属製錬工房を有し、時計とジュエリーの双方において卓越した職人技術と伝統を継承するメゾンならではのアイテムになっている。

“アルパイン イーグル”は2019年に発表された最初のモデルから、アルプスの美しい風景を想起させる自然のカラーパレットから着想を得た色を文字盤に用いてきた。“アルパイン イーグル サミット”のイエローゴールドモデルは、19世紀の氷河学者ジェームズ・デイビッド・フォーブス(James David Forbes)がモンブラン山塊のスイス領域の金色に輝く岩肌にちなんで名付けた山からインスピレーションを得た“ゴールデンピーク”の文字盤を採用。ベゼルには、柔らかな色調のピンクサファイアとホワイトサファイアをあしらった。

ホワイトゴールドモデルは、スイスアルプスの氷河を再現した“ジナルブルー”と、アルプスの伝統的な家屋の屋根や壁を覆う珪石の銀色の反射を想起させる“ヴァルスグレー”の2種をラインアップ。“ジナルブルー”の文字盤は見る角度によってブルーからバイオレットへと色が変わるのが印象的で、その色合いに呼応するブルーとバイオレットのサファイアがベゼルを飾る。一方、“ヴァルスグレー”はグリーンに輝くツァボライトからホワイトサファイアのグラデーションがシルバーに輝く文字盤と調和する。また、ローズゴールドモデルに用いた文字盤“ドーンピンク”は、早朝に太陽から差し込む光で山頂が色づく様子をイメージ。その周りには、陽の光をほうふつとさせるオレンジが美しいスペサルタイトとホワイトサファイアを施した。

価格は、イエローゴールドとホワイトゴールド製のモデルが各1250万7000円、ローズゴルド製のモデルが1136万3000円。「ショパール」のブティックのみで限定販売する。

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「ショパール」の“アルパイン イーグル”にジェムストーン輝く新作が登場 

スイス発の「ショパール(CHOPARD)」は11月16日、ドバイ・ウオッチ・ウイークに合わせ、ラグジュアリースポーツウオッチ“アルパイン イーグル(ALPINE EAGLE)”コレクションの新シリーズ“アルパイン イーグル サミット(ALPINE EAGLE SUMMIT)”を発表した。4モデルをそろえる同シリーズは、イーグルの虹彩をモチーフにした輝く文字盤と、バゲットカットのジェムストーンで優美なグラデーションを描いたベゼルが特徴だ。ケーズは41mmで、エシカルな18Kイエローゴールド、ホワイトゴールドまたはローズゴールドを使用。クロノメーター認定を取得した機械式自動巻きムーブメント“ショパール 01.15-C”を搭載する。自社に貴金属製錬工房を有し、時計とジュエリーの双方において卓越した職人技術と伝統を継承するメゾンならではのアイテムになっている。

“アルパイン イーグル”は2019年に発表された最初のモデルから、アルプスの美しい風景を想起させる自然のカラーパレットから着想を得た色を文字盤に用いてきた。“アルパイン イーグル サミット”のイエローゴールドモデルは、19世紀の氷河学者ジェームズ・デイビッド・フォーブス(James David Forbes)がモンブラン山塊のスイス領域の金色に輝く岩肌にちなんで名付けた山からインスピレーションを得た“ゴールデンピーク”の文字盤を採用。ベゼルには、柔らかな色調のピンクサファイアとホワイトサファイアをあしらった。

ホワイトゴールドモデルは、スイスアルプスの氷河を再現した“ジナルブルー”と、アルプスの伝統的な家屋の屋根や壁を覆う珪石の銀色の反射を想起させる“ヴァルスグレー”の2種をラインアップ。“ジナルブルー”の文字盤は見る角度によってブルーからバイオレットへと色が変わるのが印象的で、その色合いに呼応するブルーとバイオレットのサファイアがベゼルを飾る。一方、“ヴァルスグレー”はグリーンに輝くツァボライトからホワイトサファイアのグラデーションがシルバーに輝く文字盤と調和する。また、ローズゴールドモデルに用いた文字盤“ドーンピンク”は、早朝に太陽から差し込む光で山頂が色づく様子をイメージ。その周りには、陽の光をほうふつとさせるオレンジが美しいスペサルタイトとホワイトサファイアを施した。

価格は、イエローゴールドとホワイトゴールド製のモデルが各1250万7000円、ローズゴルド製のモデルが1136万3000円。「ショパール」のブティックのみで限定販売する。

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若手支援の「LVMHプライズ」にクラフツマンシップの継承を称える賞新設 応募締め切りは2024年1月7日

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が主催する若手ファッションデザイナー支援のためのコンテスト「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」はこのほど、2024年度版の募集を開始した。今回からグランプリとカール・ラガーフェルド審査員特別賞に加えて、クラフツマンシップを称え、技術の継承を促進することを目的としたサヴォアフェール賞を新設。いずれの賞も、書類選考、2024年2月29日と3月1日にパリで開かれるセミファイナルを経て最終選考に残ったデザイナーの中から選ばれる。

応募は「LVMHプライズ」の公式サイトで受け付けており、締め切りは24年1月7日。対象は18歳から40歳までの世界中のファッションデザイナーで、すでにウィメンズウエア、メンズウエアまたはジェンダーレスのプレタポルテコレクションを2つ以上制作していることが条件となる。グランプリには賞金40万ユーロ(約6440万円)に加え、持続可能な開発やコミュニケーション、著作権、企業法務、マーケティング、製造、ブランドの財務管理などの分野において同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が授与される。また、カール・ラガーフェルド審査員特別賞とサヴォアフェール賞の受賞者には、賞金20万ユーロ(約3220万円)と、同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が贈られる。

13年に同プライズの立ち上げたデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「『LVMHプライズ』は今年で11回目を迎える。そして、クリエイションの核となる価値であるサヴォアフェールへのこだわりを称えられることをうれしく思う。サヴォアフェール賞は、卓越したクラフツマンシップ、デザインと生産における革新性、そしてファッションに対するよりサステナブルなアプローチを称えるもの」と述べた。LVMHは25年、パリ8区にクラフツマンシップに特化した施設メゾン・デ・メティエ・デクセレンス(Maison des Métiers d’Excellence)のオープンを計画するなど、職人技の継承と発信に力を入れている。同施設では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」から「ドン・ペリニヨン(DOM PERIGNON)」「ティファニー(TIFFANY)」「セフォラ(SEPHORA)」まで傘下75ブランドで用いられる280の熟練した職人技の幅広さに一般来場者が触れられるだけでなく、職人の訓練プログラムの場としても活用されるという。

また、「LVMHプライズ」ではこれまで同様、「LVMHプライズ フォー ヤング ファッション グラジュエイツ(LVMH PRIZE FOR YOUNG FASHION GRADUATES)」としてファッション・スクールの卒業生3人も選出する。それぞれの受賞者は、1万ユーロ(約161万円)を獲得するほか、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」などLVMH傘下のメゾンのデザインスタジオで1年間働くことができる。同賞の応募締め切りは、24年3月17日。

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若手支援の「LVMHプライズ」にクラフツマンシップの継承を称える賞新設 応募締め切りは2024年1月7日

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が主催する若手ファッションデザイナー支援のためのコンテスト「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」はこのほど、2024年度版の募集を開始した。今回からグランプリとカール・ラガーフェルド審査員特別賞に加えて、クラフツマンシップを称え、技術の継承を促進することを目的としたサヴォアフェール賞を新設。いずれの賞も、書類選考、2024年2月29日と3月1日にパリで開かれるセミファイナルを経て最終選考に残ったデザイナーの中から選ばれる。

応募は「LVMHプライズ」の公式サイトで受け付けており、締め切りは24年1月7日。対象は18歳から40歳までの世界中のファッションデザイナーで、すでにウィメンズウエア、メンズウエアまたはジェンダーレスのプレタポルテコレクションを2つ以上制作していることが条件となる。グランプリには賞金40万ユーロ(約6440万円)に加え、持続可能な開発やコミュニケーション、著作権、企業法務、マーケティング、製造、ブランドの財務管理などの分野において同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が授与される。また、カール・ラガーフェルド審査員特別賞とサヴォアフェール賞の受賞者には、賞金20万ユーロ(約3220万円)と、同グループのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が贈られる。

13年に同プライズの立ち上げたデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「『LVMHプライズ』は今年で11回目を迎える。そして、クリエイションの核となる価値であるサヴォアフェールへのこだわりを称えられることをうれしく思う。サヴォアフェール賞は、卓越したクラフツマンシップ、デザインと生産における革新性、そしてファッションに対するよりサステナブルなアプローチを称えるもの」と述べた。LVMHは25年、パリ8区にクラフツマンシップに特化した施設メゾン・デ・メティエ・デクセレンス(Maison des Métiers d’Excellence)のオープンを計画するなど、職人技の継承と発信に力を入れている。同施設では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」から「ドン・ペリニヨン(DOM PERIGNON)」「ティファニー(TIFFANY)」「セフォラ(SEPHORA)」まで傘下75ブランドで用いられる280の熟練した職人技の幅広さに一般来場者が触れられるだけでなく、職人の訓練プログラムの場としても活用されるという。

また、「LVMHプライズ」ではこれまで同様、「LVMHプライズ フォー ヤング ファッション グラジュエイツ(LVMH PRIZE FOR YOUNG FASHION GRADUATES)」としてファッション・スクールの卒業生3人も選出する。それぞれの受賞者は、1万ユーロ(約161万円)を獲得するほか、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」などLVMH傘下のメゾンのデザインスタジオで1年間働くことができる。同賞の応募締め切りは、24年3月17日。

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「モスキーノ」の新クリエイティブ・ディレクターが46歳で急逝  11月1日に着任したばかり

「モスキーノ(MOSCHINO)」の新たなクリエイティブ・ディレクターに就任したダヴィデ・レンネ(Davide Renne)が11月10日、死去した。死因は非公表。46歳だった。1977年7月4日トスカーナ州生まれのレンネは、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)の後任として、11月1日に着任したばかり。2024年2月にデビューコレクションを披露する予定だった。あまりにも突然の訃報は、イタリアのファッション業界に動揺と深い悲しみをもたらした。

「モスキーノ」の親会社であるアエッフェ(AEFFE)のマッシモ・フェレッティ(Massimo Ferretti)取締役会長は、「この劇的な時に感じている痛みを表現する言葉は見つからない。ダヴィデはほんの数日前に私たちの仲間に加わったばかりだが、突然の病であまりにも早く私たちのもとを去ってしまった。まだこの事実を信じることができない」とコメント。「ダヴィデと共に、私たちは熱意と未来への楽観に包まれる中、野心的なプロジェクトに取り組んでいるところだった。彼が『モスキーノ』に在籍していた期間は本当に短かったが、すぐに周りから愛され、尊敬されるようになった。今、私たちは彼のイマジネーションとクリエイティビティーが思い描いたものを受け継ぐ責任を負っている。彼の家族と友人に深い哀悼の意を表する」と続けた。

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「アンダーカバー」高橋盾がファッションショーで生きた蝶を使用したことを謝罪 PETAの抗議を受けて

「アンダーカバー(UNDERCOVER)」がパリ・ファッション・ウイーク中に行った2024年春夏コレクションのショーで、透明なケースの中に生きた蝶を収めたドレスを発表したことに対し、米国の動物愛護団体PETAが抗議した。これを受け、同ブランドの高橋盾デザイナーは「心のこもった手紙」を送り、詳細を説明。過ちを認め、二度と蝶や生きた動物を使わないことを約束した。

PETAの代理人が米「WWD」に共有した手紙によると、高橋デザイナーは透明のドレスに入れた造花のバラの周りを蝶が舞うというフィナーレのアイデアを思いついたが、同時に蝶のことを心配していたという。そして、20年前の祖母の葬儀の後、自分のそばに白い蝶が現れたことがいかに喜びをもたらし、祖母を近しく感じて安らいだ気持ちになったかという経験を説明。それ以来、しばらくの間、蝶がよく自分のそばに来て周りを飛んでいたことを明かした。

また、高橋デザイナーは、ショーの後に抗議が寄せられるかもしれないことを懸念していたという。このため、使用された蝶は「安全で健康」であることに配慮し、倫理的な方法で繁殖を行う会社から取り寄せたもので、ショーの前には十分なスペースを与えられ、呼吸して飛び回ることができた。また、ショーの終了後には、公園に放たれた。「しかし、結局のところ、あなたが言うように、あるいは私が心のどこかで思っていたように、この行為はやはり間違いだった」と高橋デザイナーはPETAヘの手紙につづった。そして、自由に空を飛べる蝶を閉じ込めてしまったことを後悔し、自身のクリエイションに蝶や他の生きた動物を二度と使わないことを誓った。

最後に、高橋デザイナーは手紙の冒頭と同様の丁寧さで、「私たちはより良い行動を学びたいので、遠慮なくこのトピックについてもっと教えてください。そして、蝶がまた私の側に来てくれることを祈っています」と締めくくった。

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「アンダーカバー」高橋盾がファッションショーで生きた蝶を使用したことを謝罪 PETAの抗議を受けて

「アンダーカバー(UNDERCOVER)」がパリ・ファッション・ウイーク中に行った2024年春夏コレクションのショーで、透明なケースの中に生きた蝶を収めたドレスを発表したことに対し、米国の動物愛護団体PETAが抗議した。これを受け、同ブランドの高橋盾デザイナーは「心のこもった手紙」を送り、詳細を説明。過ちを認め、二度と蝶や生きた動物を使わないことを約束した。

PETAの代理人が米「WWD」に共有した手紙によると、高橋デザイナーは透明のドレスに入れた造花のバラの周りを蝶が舞うというフィナーレのアイデアを思いついたが、同時に蝶のことを心配していたという。そして、20年前の祖母の葬儀の後、自分のそばに白い蝶が現れたことがいかに喜びをもたらし、祖母を近しく感じて安らいだ気持ちになったかという経験を説明。それ以来、しばらくの間、蝶がよく自分のそばに来て周りを飛んでいたことを明かした。

また、高橋デザイナーは、ショーの後に抗議が寄せられるかもしれないことを懸念していたという。このため、使用された蝶は「安全で健康」であることに配慮し、倫理的な方法で繁殖を行う会社から取り寄せたもので、ショーの前には十分なスペースを与えられ、呼吸して飛び回ることができた。また、ショーの終了後には、公園に放たれた。「しかし、結局のところ、あなたが言うように、あるいは私が心のどこかで思っていたように、この行為はやはり間違いだった」と高橋デザイナーはPETAヘの手紙につづった。そして、自由に空を飛べる蝶を閉じ込めてしまったことを後悔し、自身のクリエイションに蝶や他の生きた動物を二度と使わないことを誓った。

最後に、高橋デザイナーは手紙の冒頭と同様の丁寧さで、「私たちはより良い行動を学びたいので、遠慮なくこのトピックについてもっと教えてください。そして、蝶がまた私の側に来てくれることを祈っています」と締めくくった。

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「トッズ」を率いたヴァルター・キアッポーニが「ブルマリン」の新クリエイティブ・ディレクターに就任

イタリアブランドの「ブルマリン(BLUMARINE)」は11月2日、ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)前「トッズ(TOD’S)」クリエイティブ・ディレクターを新たなクリエイティブ・ディレクターに任命したことを発表した。先月退任したニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)の後任で、2024年2月の24-25年秋冬ミラノ・ファッション・ウイーク期間中にデビュー・コレクションを披露する予定だ。

1978年ミラノ生まれのキアッポーニ新クリエイティブ・ディレクターは、ヨーロッパ・インスティテュート・オブ・デザインで学んだ後、90年代後半にアレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)のもとでキャリアをスタート。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「グッチ(GUCCI)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」、そしてトーマス・マイヤー(Tomas Maier)時代の「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」でキャリアを積んだ。その後、2019年10月に「トッズ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。ハイエンドなライフスタイルとイタリアのクラフツマンシップを反映し、控えめでありながら洗練された上質なコレクションを提案した。また、アイコンシューズ“ゴンミーニ“の象徴的なラバーペブル(ゴム突起)を再解釈してさまざまなアイテムに取り入れたり、バッグのラインアップを拡充したりと、ブランドの現代性を高めることに貢献。彼の手掛けるコレクションは好評だったが、9月の24年春夏のショーを以って退任した。

今回の就任に際して、キアッポーニ新クリエイティブ・ディレクターは「軽やかさとクリエイティビティーによって定義される女性らしさを長年にわたり描いてきた、イタリアを代表するブランドのクリエイティブ・ディレクターに任命されたことを嬉しく思う」とコメント。「私にとって、『ブルマリン』の新たなフェーズを確立することに貢献できるという可能性は、刺激的かつ重要な新しい領域を受け入れるとともに、自分のビジョンを広げ、芸術的な表現の感覚を取り戻すチャンスだ」と続けた。

一方、19年11月に「ブルマリン」を傘下に収めたEIH エクセレンツェ イタリアーネ(EIH ECCELLENZE ITALIANE)を率いるマルコ・マルキ創業者は、「ヴァルターは、その国際的に認められた才能と優れた感性で、ブランドの素晴らしい伝統に敬意を払いながら、『ブルマリン』に新たなエネルギーをもたらしてくれると確信している」と述べた。

「トッズ」で洗練された美学やクラフツマンシップに大切にしてきたキアッポーニが描く「ブルマリン」の新章は、ブロニャーノが“Y2K”の要素をふんだんに取り入れて若々しく刷新したスタイルからまた大きく変化しそうだ。

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