「ザボディショップ」新宿店が循環型店舗にリニューアル ボディーソープなどのリフィルステーションも設置

 イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は3 月3 日、旗艦路面店の新宿店をリニューアルオープンした。国内で18店舗目となる循環型店舗、チェンジメーカーズワークショップストアとして生まれ変わった。同店は2006年にオープンし、リニューアルは2012年以来の3回目となる。

 チェンジメーカーズワークショップストアは、店内環境にリサイクル可能な素材や廃棄予定の再生プラスチック、古材やFSC 認証を受けた木材、堆肥化可能な容器など、ほぼ100%サステナブルなアップサイクルや再生に適した素材を使用した店舗のこと。「ザボディショップ」では世界各国で同店舗の導入を推進する。新宿店では、解体された家屋の古材と古道具を販売する建築建材のリサイクルショップを運営するリビルディングセンタージャパンから古材を仕入れ、天井の梁やレジカウンターに採用。また、レジカウンターのサイド部分や什器には、引退した東海道新幹線の車両アルミをリサイクルして活用した。これらは全て接着剤を使用せず組み立て、リユース・リサクルがしやすい仕様にこだわった。

 また、世界各地でその地域社会の声を反映したデザインを導入しており、新宿店はアートを通じて環境問題へのメッセージを発信するアーティストのニキ ローレケ(Niky Roehreke)氏が店舗内装や什器の一部を描いた。ニキ氏は手のモチーフを得意とし、レジ奥の壁には循環をテーマに手と植物のイラストを施した。「一人一人の“手”によって行動すれば、社会全体の意識も変わってくると信じている。できることから今アクションを起こすことが大事」とニキ氏はイラストに込めた思いを語った。

 そのほか、入り口中央のシンクエリアでは人気商品の香りやテクスチャーを楽しみながら、よりインタラクティブな買い物体験を提供する。プラスチック削減の取り組みとして推進する詰め替え用サービス「リフィルステーション」も店内に設置。道路側に置くことで、リフィルサービスの啓もうも行う。同サービスは、専用のアルミボトル(300mLサイズ)とポンプを購入し、人気の高いボディーシャンプー6 種(モリンガ、ブリティッシュローズ、ストロベリー、アーモンドミルク&ハニー、シア、ピンクグレープフルーツ)、ハンドソープ2 種(ティーツリー、シア)の計8 種から、好きなものを詰められる。

 「1976年の創業以来、社会と環境の変革を追求する事業を行い、チェンジメーカーとしてビューティ業界に革新をもたらしてきた。新宿店は“ポジティブな変化を起こす力は文字通り自分の手の中にあるのだ” というチェンジメーカーとしての体験を具現化した」と倉田浩美ザボディショップジャパン社長はコメント。人とコミュニティ、地球に変革をもたらす店舗として、今後はワークショップなどを通じて発信していく。

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「デシグアル」と蜷川実花がコラボコレクション発売 バルセロナでの撮り下ろし写真をコラージュ

 スペイン・バルセロナ発の「デシグアル(DESIGUAL)」は、写真家・映画監督の蜷川実花が手掛けるファッションブランド「エム/ミカ ニナガワ(M / MIKA NINAGAWA)」とのカプセルコレクションを発表した。

 3月1日に「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の特設ページで先行発売し、国際女性デーの3月8日から銀座と原宿、心斎橋のデシグアルストア3店舗、公式オンラインストアで取り扱う。3月8~14日には、渋谷パルコと阪急うめだ本店でポップアップストアを開催予定だ。

 全4型のコレクションは、蜷川がバルセロナで、同プロジェクトのために1週間かけて撮り下ろした写真をコラージュプリント。同氏ならではの視点で、ブランドとバルセロナの確固たる絆を描写し、「⽣きる喜び、鮮やかな⾊使い、⼤胆であることの⼤切さ」を想起させるようなイメージに仕上げたという。全てのアイテムには、持続可能な方法で生産された「BCI(ベター・コットン・イニシアチブ)」認証のコットンを使用した。

 カプセルコレクションに採用されたコラージュ写真は、3月以降に銀座店の外観ファサードや⼼斎橋店の内装デザインとしても登場予定だ。

 なお、「デシグアル」は2023年春夏シーズンから、新たなブランドステートメントに“New World. New Desigual”を掲げる。一連のキャンペーンでは、“NEW ELEGANCE”“NEW ENERGY”といったパワフルなメッセージと共に、ブランドの自由な精神や数年で大きく変化した人々の価値観などを表現。デイリーウエアをサステナブルな素材や高品質な生地、モダンなフォルムでアップデートし、鮮やかなプリントやカラーが目を引くコレクションに仕上げた。

 蜷川とのコラボに加え、22年秋冬でも好評だったフランスの新進気鋭ブランド「メトロピエール(MAITREPIERRE)」との最新コラボコレクションも3月中旬に発売予定だ。

問い合わせ先
デシグアル 東京 銀座中央通り
03-6264-5431

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「デシグアル」と蜷川実花がコラボコレクション発売 バルセロナでの撮り下ろし写真をコラージュ

 スペイン・バルセロナ発の「デシグアル(DESIGUAL)」は、写真家・映画監督の蜷川実花が手掛けるファッションブランド「エム/ミカ ニナガワ(M / MIKA NINAGAWA)」とのカプセルコレクションを発表した。

 3月1日に「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の特設ページで先行発売し、国際女性デーの3月8日から銀座と原宿、心斎橋のデシグアルストア3店舗、公式オンラインストアで取り扱う。3月8~14日には、渋谷パルコと阪急うめだ本店でポップアップストアを開催予定だ。

 全4型のコレクションは、蜷川がバルセロナで、同プロジェクトのために1週間かけて撮り下ろした写真をコラージュプリント。同氏ならではの視点で、ブランドとバルセロナの確固たる絆を描写し、「⽣きる喜び、鮮やかな⾊使い、⼤胆であることの⼤切さ」を想起させるようなイメージに仕上げたという。全てのアイテムには、持続可能な方法で生産された「BCI(ベター・コットン・イニシアチブ)」認証のコットンを使用した。

 カプセルコレクションに採用されたコラージュ写真は、3月以降に銀座店の外観ファサードや⼼斎橋店の内装デザインとしても登場予定だ。

 なお、「デシグアル」は2023年春夏シーズンから、新たなブランドステートメントに“New World. New Desigual”を掲げる。一連のキャンペーンでは、“NEW ELEGANCE”“NEW ENERGY”といったパワフルなメッセージと共に、ブランドの自由な精神や数年で大きく変化した人々の価値観などを表現。デイリーウエアをサステナブルな素材や高品質な生地、モダンなフォルムでアップデートし、鮮やかなプリントやカラーが目を引くコレクションに仕上げた。

 蜷川とのコラボに加え、22年秋冬でも好評だったフランスの新進気鋭ブランド「メトロピエール(MAITREPIERRE)」との最新コラボコレクションも3月中旬に発売予定だ。

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グッチが循環型ラグジュアリー製品の製造を支援する施設を開設 研究所も併設

 グッチ(GUCCI)は親会社のケリング(KERING)のサポートのもと、イタリア初のラグジュアリーファッションにおける製造モデルを循環型に転換する拠点「サーキュラーハブ(Circular Hub)」をトスカーナ州に創設すると発表した。全てのバリューチェーンを再定義することを通じて、イタリアのファッション産業の製造モデルを循環型に転換することを目的に、23年前半中には始動する予定だ。

 ミラノにあるケリングのマテリアル・イノベーション・ラボ(MIL)の専門知識を活用し、トスカーナ州スカンディッチとノヴァーラにあるグッチの製品製造の技術開発および実験センターでウエア、レザーグッズ、シューズ、アクセサリーの開発を手がける技術者と研究者のサポートのもと、リサイクル素材の使用、耐久性、修理可能性やリサイクル性を最大限に高めた製品など、未来の循環型ラグジュアリー製品の製造を支援する。

 原材料調達からデザイン、製造プロセスの最適化、ロジスティックまでを網羅し、循環型製品のデザインと製造、新しいソリューション開発のためのオープンプラットフォームになる。多業種とのパートナーシップやピサ大学の科学的な研究を採り入れ、産業調査やオペレーション、ロジスティックモデルにおける循環型ソリューションを見出すことに重点を置く。

 フォーカスするのは、研究開発、ロジスティクス、業界とのパートナーシップ、価値観の共有だ。革新的な技術やデジタルソリューションを検討する研究センターを設立し、製品の品質、耐久性、修理可能性やリサイクル性を向上させると同時に、原材料の使用を最適化して廃棄物と汚染を最小限に抑え、全体的な環境的影響を大幅に削減することを目指す。

 ロジスティクスでは、製造サプライチェーンを巻き込むことでトレーサビリティ向上を目指す。また、リサイクルや再利用の流通チャネルを含め、余剰素材のロジスティクス効率の向上を目指す。

 業界とのパートナーシップでは、ファッション業界のパートナーと協力して、製造で再利用する繊維と原材料を回収・再生できるようにするための技術的ソリューションとインフラストラクチャーを考案、設計、実行する。

 価値観の共有では、開発する回収・リサイクル・再利用のプロセスに関する特許・技術・ノウハウを他の企業にも提供する。オープンイノベーションという考えに基づき、より多くのサプライヤーと業界のパートナーを巻き込むことを目的にする。

 サーキュラーハブのイニシアチブには、イタリアの再興・回復のための国家計画(PNRR)および、2030年までの廃棄物の削減や再利用目標を掲げたEUの循環型経済戦略にも合致。まずは、イタリアの原材料サプライヤーや製品ファクトリーなど、700以上のダイレクトサプライヤーと3500以上のサブサプライヤーで構成されるグッチの生産を担うサプライヤーが参加し、その後、ケリング傘下の他ブランドに段階的に拡大。最終的にはケリング・グループの全ブランドおよび全サプライヤーの参加を目指す。グッチやケリングのサプライヤーは他のブランドのサプライヤーでもある。多くのサプライヤーが参加することで、イタリアのファッション産業にポジティブな影響を与えることを目標にする。

 ケリングのマリー・クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)=チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者は「ファッション業界は、製品製造と資源の利用方法を根本から見直す必要があり、それらを革新するための行動を本格的に加速させる必要がある。サーキュラーハブの創設はその道を進むための大きな一歩となるものだ。そして、この活動の本拠地を私たちのグループの中でも最も強力で名高い製造拠点であり、優れたノウハウを有するイタリアに置けることを心から嬉しく思う。グッチとともにサーキュラーハブをスタートすることは、グループで信念を共有している証というだけでなく、その意欲的な活動や実績を示していくことによって、将来、より多くのブランドやサプライヤーが積極的に参加するための道を築くことになるだろう」とコメントを寄せた。

 グッチのアントネッラ・セントラ(Antonella Centra)=コーポレートアフェアーズ&サステナビリティ・EVPゼネラルカウンセルは「循環性は原材料から始まる全ての製造サイクルを含むビジョンを推し進めるものであり、メイド・イン・イタリーをより強固で競争力の高いものにするための大きな挑戦であり機会となる。サーキュラーハブの創設によって、私たちはラグジュアリーファッション業界の未来への道をつくるという責任を担い、その枠組みを形成することになる。同じ目標と資源を共有し、ノウハウを蓄積して相乗効果を高めていくことで、このハブは全てのラグジュアリー業界のサプライチェーン、特にイタリアの産業の中核である中小企業が、その革新的スピリットと世界に誇る独自のノウハウを積極的に発揮できる場となるだろう」とコメントを発表した。

 サーキュラーハブは、循環型素材の共同研究の推進や各地域の工場でのイノベーションなど、新たなローカルサプライチャンネルの開発を推進し、最終的にはサプライチェーン全体の強化を目標にする。また、スケールメリットとパーパスエコノミーの両面から、イタリアの製造業と原材料サプライチェーンの環境的影響を最小限に抑えることに貢献する「循環型メイド・イン・イタリー」の開発も促進する。

 加えて、ESG目標に沿ってケリングとグッチの環境パフォーマンスを向上させるとともに、天然資源の使用削減、廃棄物と汚染の最小化、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す。雇用機会を創出し、関係する各地域の福祉に貢献する。一例として、グッチのレザーグッズのエコシステムに関連する環境的影響の初期推定では、生産廃棄物の管理における現在のGHG排出量より最大60%の削減ができることが算出されているという。このハブは、今後数年のうちにヨーロッパで施行される新しい製造モデルの先駆けとなり、製品のデザイン、使用済み製品や廃棄物に対する企業の責任を高めるものになる。これは、廃棄物管理とリサイクルにおけるイノベーションの促進のため、イタリアファッション協会によってコーディネートされ、グッチが支援するRe.Creaコンソーシアムの活動を補完することにつながる。さらにエレン・マッカーサー財団の戦略的パートナーとしてのグッチの役割においても、このハブはコレクション全体の循環性を一層拡大し加速するために多様なイニシアチブを展開するというグッチのコミットメントに対する直接的かつ必然的な活動になる。

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衣料品の回収と再資源化の現在地 古着からポリエステル樹脂を再生する企業の社長が語る

 いらなくなった衣料品の再資源化には課題が山積みだ。衣類を廃棄せずに活用する方法については世界中で議論され、技術開発が進んでいる。大前提として、着られなくなった衣類を回収して再利用・再資源化する前に、衣類の長寿命化が求められる。

 JEPLAN(旧日本環境設計)は「服から服をつくる」をコンセプトに、自社で開発したポリエステルのケミカルリサイクル技術で、古着からポリエステル樹脂を再生する。日本にポリエステルのケミカルリサイクルのプラントを持つ代表的な企業で、日本での衣料品の店頭回収を進めたパイオニア的存在でもある。2023年2月15日現在、199のブランドと取り組み、4536カ所の回収拠点(スポット開催を含む)がある。22年は1500トンを回収し、そのうち7.8%をポリエステル樹脂再生のために用いた。

 ポリエステル単一素材での製品開発は、日本国内での資源循環が可能で資源回収効率も高いため、経済合理性が高く、環境負荷低減にもつながると考えられる。一方、ポリエステル単一素材では狙った風合いや表現が叶わない場合も多いため、衣類の多くは混合素材で、再資源化への難易度は高い。服の再資源化の未来とは。高尾正樹JEPLAN社長に話を聞く。

WWD:回収した衣類をどう循環させているか。

高尾正樹社長(以下、高尾):店頭回収と企業のユニフォームの回収を行っている。回収した衣類を当社で分別し、まだ着られる状態で価値のあるものはリユース用として、提供先を確認の上で、当社が信頼する業者に業務委託している。それが全体の75.3%(22年実績)。リユースするかしないかはお客さまのご要望に応じて対応している。リユースできないものは、ポリエステル100%の衣類はケミカルリサイクルしており、それが全体の7.8%(同)。再生ウールが0.1%(同)、自動車内装材が0.1%(同)、コークス炉化学原料化法(プラスチックを石炭の代替品として利用する技術で新日本製鐵が開発)が16.1%(同)。いずれにも該当しない0.6%は産業廃棄物として廃棄している。

WWD:リユースの先はどうなっているのか?

高尾:リユース後の売れ残りに関しては現状把握の調査を進めており、商品にならないものをリサイクルする仕組み作りに取り組み始めた状況だ。リユース先から海外に流れてわからなくなったものが不法投棄されたり、燃やされたりしているという報道も承知している。先日、洋服が大量に不法投棄されているチリの砂漠を見てきた。多くは米国の古着で日本のものは見つけられなかった。

WWD:回収量の推移は?

高尾:コロナ前は600トン、21年1200トン、22年1500トンだ。ポリエステル樹脂の生産量の数字は出せないがわずかだ。技術が未熟で、量が増やせない。

WWD:生産量が上がらない理由は?

高尾:ポリエステル100%と表示があっても他の素材や、染料や顔料が入っている。この不純物の種類と量が圧倒的に多いが、物質の組成まではわからない。わからない中で取り除こうとするので、取り除けないものもあり、それが入ってくると全体がダメになる。結果、工場の生産性が上がらない。

WWD:JEPLANは「服から服」のケミカルリサイクルを推進しているが、衣類の多くは複合素材で、そのリサイクルの技術が確立されていないなど、課題は多い。

高尾:繊維から繊維のリサイクルはあきらめていない。正直全然儲からないし、ずっと大赤字(笑)。でも僕がやりたいからやりたいと言い続けている。消費者の関心が高まっているので(消費者を巻き込んだ仕組み作りの)心配はしていない。洋服はペットボトルのように安くなく、付加価値が付くもの。コスト構造として吸収されやすいのでビジネスとして成立しやすい。唯一の問題は技術がないことだ。(リサイクルしやすいからといって)モノマテリアルにはしないほうがいいし、それでは洋服の文化的側面が消えてしまう。複合素材であっても、さまざまに染色していてもリサイクルできる技術開発が必要だ。圧倒的な技術力を持つ化学会社が世界中にはいくつもある。そういった企業が本気で開発に取り組めばいいのに、とも思う。

WWD:赤字を黒字化するために必要なことは?

高尾:われわれもわからないため試行錯誤しているのが現状だ。

WWD:「服から服」「ペットボトルからペットボトル」という水平リサイクルにこだわっているが、その他のリサイクル方法を考えているか。

高尾:服は服、ペットボトルはペットボトルとして循環させるべきだと考えている。なぜならトータルのCO2排出量削減が最も大きいと考えるからだ。例えばペットボトルからフリースを作り、フリースが燃やされるのでは意味がない。燃やさないためにエネルギーをかけてでも回り続ける水平リサイクルがいいのではないか。

WWD:形が変わったとしても、エネルギー量を抑えるリサイクル方法がいいという考えもある。

高尾:その考え方は一部を切り取っているだけだと思う。目指すべきは、いかに燃やさないか、埋め立てないかだ。そのための仕組みを作ることが重要だ。ゴミ焼却場でのエネルギーの回収率は10%も満たないなど、燃やすときに発生するエネルギーがもっとも効率が悪い。

ペットボトルのケミカルリサイクルを商業化

WWD:ペットボトルのケミカルリサイクル技術も開発したとか。

高尾:約20年かけてケミカルリサイクル技術を開発し、ピカピカのペットボトルに戻すことができるようになった。世界でペットボトルのケミカルリサイクルを商業レベルで行っているのは当社だけだ。世界には技術確立している企業もいくつかあるが、商業レベルに達していない。われわれのプラントは21年5月から稼働し、大手飲料メーカーにPET樹脂を販売している。年間2万2000トン生産しているが、日本国内で年間60万トン生産されているのに対してはまだまだ少ない。

WWD:どこから回収しているか。

高尾:自治体と連携し、自治体で回収したペットボトルや、自動販売機横にあるリサイクルボックスから回収されたものを用いている。また、ペットボトルのメカニカル(マテリアル)リサイクルの過程で出るクズも活用している。メカニカルリサイクルは、必要なエネルギー量はケミカルリサイクルに比べて少ないが、3割がリサイクルできないという課題もある。われわれはその3割を活用しているが、通常は焼却していたりする。またメカニカルリサイクルの場合、再生されてもどんどん劣化するので、いずれリサイクルができない状態にもなることが課題だ。

WWD:理想はメカニカルリサイクルを何度か行った後、ケミカルリサイクルをするということか。

高尾:その通りだ。メカニカルとケミカル両方を活用した事例を示したいと考えている。メカニカルとケミカル、両方のリサイクルプラントを持っているのは日本だけだ。課題は、一見してもペットボトルがどの程度劣化しているかわからない点だ。

WWD:欧州進出についての進捗は。

高尾:フランスのリヨンにペットボトルのケミカルリサイクル工場を作る計画だが、まだ着工していない。

WWD:今後の目標は?

高尾:われわれが行いたいのはリサイクル業ではなく、製造業だ。石油ではなく不要なものを原料とした製造業としてモノ作りをする。洋服を原料としたポリエステル樹脂やペットボトルを原料としたPET樹脂の生産量を増やしていく。それを市場に売り、黒字化する。ペットボトルは見えてきたが、洋服は全然見えない。


衣料品の再資源化に向けた技術開発の現状とその先

 廃棄物の輸出が難しくなった今、自国で出たゴミは自国で処理するしか方法はない。環境省のレポートによると、服がゴミとして出された場合、再資源化されるのは5%程度でほとんどは焼却・埋め立て処分されているという。その量は年間48万トン。捨てる量・作る量を減らすことを前提に、企業、行政、生活者が協働し、衣料廃棄物の再資源化が求められる。

 ポリエステルと混合される素材は、コットンやポリウレタンが多い。混合素材の再資源化に向けて、環境負荷低減を前提とした分離技術の採用も望ましいだろう。ポリエステルとポリウレタンの分離回収や、ポリエステルとコットンの分離技術はいくつかのスタートアップが開発済みだ。いずれもスケールが必要な段階だが、こうした技術を活用していくことで、混合素材のより効率的な再資源化が可能になるはずだ。すでにナイロンのケミカルリサイクル技術は商業化されているし、コットンなどのセルロース繊維のケミカルリサイクル技術も商業化に向けてスケールしている段階。ハードルは高いが、上記したポリエステル以外の繊維リサイクルが可能なプラントを日本に構えることができれば、これまで廃棄されていた衣料品の再資源化が可能になる。

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ヤギからスタイリスト⾼⽊千智による新ブランド「オニット」がデビュー 繊維商社クオリティーの素材&価格も強み

 ヤギは、スタイリストの⾼⽊千智がディレクションするファッションブランド 「オニット(onit)」を新たにスタートし、2月22日にオンラインストアをオープンした。

 2023年春夏はプレローンチ期間としてECを軸に、卸先店舗や商業施設などでポップアップイベントを開催予定。23-24年秋冬の本格デビューに向けて、3月28~31日に卸先向けの展示会を行う。

 「オニット」のコンセプトは、「しなやかで芯のある女性へ、都会的で洗練されたリラックスウェアを」。高木が「オッジ」「ジゼル」などの女性誌やブランドのビジュアル、セレブリティーのスタイリングなど、幅広いフィールドで培ってきた服への審美眼と自身のライフスタイルを存分に反映させた。

 コレクションは、繊維商社であるヤギのハイクオリティーでコンフォータブルな生地に裏打ちされている。国内中心の生産背景を活用することで、高い品質と価格のバランスにもこだわり抜いた。

 中でも、ロング丈のワンピースには、希少なエジプト超長綿“ギザ”をベースにした自社オリジナルのブレンド綿“ギザンティ”を使用。綿の白さや繊維の強さ、上質な光沢感、柔らかい風合いが特徴だ。

 ロングスリーブTシャツには、程よい肉厚感でトップスとインナーどちらにも適した“ナイル天竺”を使用。アメリカ産の高級綿スーピマコットンの落ち綿を用いることで、洗うたびに増す自然なムラと風合いを楽しめる。

 さらに、ボーダーのフレンチスリーブTシャツには、トルコ・イズミール地方で栽培した良質なオーガニックコットンを使用。環境配慮型の素材を用いて、発色の良いカラー杢を表現した。

 「オニット」のローンチイベントとして2月4、5日には、23年春夏アイテムのオーダー会を開催。ディレクターから直接アドバイスをもらい、その場でフィッティングができるイベントは好評を博した。今後は、自社ECを軸にブランドのさらなる認知度拡大を目指す。

問い合わせ先
ヤギ 営業第三本部第三事業部 426課
03-3667-4516

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阪急うめだ本店のサステナ売り場に「ステラ」「プラダ」「ロエベ」 4月開業

 阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店に4月12日オープンする新ゾーン「グリーンエイジ(GREEN AGE)」の詳細を発表した。8階フロア中央の約2300平方メートルに“人と自然の共生”をコンセプトに掲げ、ファッション、食、雑貨、ビューティなど約40ブランドを集積する。「ザ・ノース・フェイス」「サタデーズNYC」などのスポーツ系ブランドから「ステラ マッカートニー」の新コンセプトショップ、「プラダ」「ロエベ」「ミュウミュウ」「クロエ」といったラグジュアリーブランドまで、百貨店のフロア構成では一緒に並ぶことのなかった顔ぶれが共存する。循環型社会の実現を目指した新サービスも随所で行う。

 目玉の一つである「ステラ マッカートニー」の新コンセプトショップ「ステラズ ワールド バイ ステラ マッカートニー) 」(5月17日オープン)は、阪急うめだ本店と共同開発した実験型コンセプトストア。ビーガン、ベジタリアンのメニューを提供するカフェに、サステナブルな素材で作られたオリジナルアイテムを販売する売り場を併設する。

 「ロエベ」は「ロエベ リクラフト」の屋号で自社の革製品の修理と補修を行うとともに、余剰レザーから作ったバスケットバッグなど独自商品を販売する。「ミュウミュウ」「プラダ」もサステナブルな商品を多数そろえる。

 スポーツ系、ファッション系ブランドも充実しており、「メゾンキツネ」「ニュートラルワークス.」「ザ・ノース・フェイス」「サタデーズNYC」「ウィンダンシー」などが並ぶ。

 他にも自主編集売り場「グリーンエイジエディット」には、電動アシスト機能を搭載したスポーツ自転車やカヤックを並べる。コンシェルジュサービス「リ コンシェルジュ」ではアウトドア用品のレンタル、不用品の下取りやリユース商品の販売、持ち込まれた製品の修理やリメークなどを行う。さまざまなイベントなどを実施するスペース「コミュニティパーク」も設ける。

 売り場の内装もサステナブルを掲げており、間伐材を積極的に使うほか、廃棄予定だった衣料をアップサイクルして作った椅子を置く。部品の組み合わせでさまざまな用途に対応できるモジュール什器も導入し、レイアウト変更の際の無駄を省く。

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23年度「LVMHプライズ」セミファイナリストに富永航と桑田悟史 過去最多2400通以上の応募から22組を選出

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2023年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」のセミファイナリスト22組(26人)を発表した。そのうち、ジェンダーレスウエアでエントリーした日本人デザイナーの富永航と桑田悟史も選出されている。

 10回目を迎える今回は、過去最多の2400通を超える応募が世界中から集まった。最終選考へと進むセミファイナリストたちは、カナダや中国、韓国、エチオピア、アメリカ、フランス、インド、イタリア、日本、ナイジェリア、イギリス、台湾、スウェーデン、ウクライナなどの出身で、ブラジルとジャマイカからは初めての選出となった。

 富永は1988年熊本県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、文化服装学院服飾研究科へ。2015年に、セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)のBAファッションプリント科を卒業。在学中に「ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」などでアシスタントを経験した。16年に「イエール国際フェスティバル」でグランプリを受賞。パリの現代美術館パレ・ド・トーキョーのレジデンスプログラム「パヴィヨン・ヌフリズOBC(Le Pavillon Neuflize OBC)」に参加した。18年には「フォーブス」による「アジアを代表する30歳未満の30人(The Forbes 30 Under 30 Asia 2020)」のアート部門に選出。19年に「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」をスタート。21年春夏にニューヨーク・ファッション・ウイークに、21-22年秋冬にパリ・ファッション・ウイークにオンラインで出展した。これまでに「シャネル(CHANEL)」や「プチバトー(PETIT BATEAU)」「マリメッコ(MARIMEKKO)」とコラボしている。

 桑田は京都府生まれ。パリやロンドン、ニューヨークなどに在住経験がある。「ジバンシィ(GIVENCHY)」「イードゥン(EDUN)」「ガレス ピュー(GARETH PUGH)」や、カニエ・ウェスト(Kanye West、現イェ)のオフィスなどでキャリアを積み、現在はミラノを拠点に活動している。ブランド名の「セッチュウ(SETCHU)」は「和洋折衷」の言葉に由来。日本と西洋のカルチャーやスタイルを融合したコンセプトを掲げ、新しくも親しみのあるユニセックス向けコレクションを手掛ける。22年には、「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」とアルタローマ(Altaroma)による新人デザイナーコンテスト「フー・イズ・オン・ネクスト?(Who is on Next?)」で最優秀賞を受賞した。

 今回の「LVMHプライズ」の注目点は、セミファイナリストのうち9組がジェンダーレス・コレクションを発表しているということ、また環境保護責任の観点から多くのデザイナーが積極的にリサイクル素材を使用し、地元での倫理的な生産方法を採用していることだという。「LVMHプライズ」の発起人であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「この10年間、『LVMHプライズ』は社会および業界の発展を映し出してきた。職人技やストリートウエア、アップサイクル、そしてジェンダーレスといったトレンドの台頭を目撃してきた。最初の数年間は、ほとんどの候補者がウィメンズウエアを発表していたことは事実だが、開催を重ねるごとにメンズやジェンダーレスのエントリーも増え、中には複数のコレクションを発表する候補者もいる。これは、ファッションが常に進化していること、またクリエイティビティーが活気づいていることを証明している。また、多くのデザイナーたちがリサイクル素材を使用し、生まれ育った土地の文化や職人技を尊重し、デザインやコミュニケーションに包括性や多様性の価値を取り入れている」と話す。

 セミファイナリストは、23-24年秋冬パリ・ファッション・ウイーク期間中の3月2、3日に行われるショールームイベントに参加。ファイナリスト8組を選ぶ審査員へプレゼンテーションを行う。

 23年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のセミファイナリストのブランド名とデザイナー名、国籍は以下の通り。

■メンズウエア
「アーロン エッシュ」(AERON ESH)/アーロン・エッシュ(イギリス)
「チャーリー コンスタンティノウ(CHARLIE CONSTANTINOU)」/チャーリー・コンスタンティノウ(イギリス)※ジェンダーレスも含む
「ジョアン マラスキン(JOAO MARASCHIN)」/ジョアン・マラスキン(ブラジル)※ウィメンズも含む
「カル リサーチ(KARU RESEARCH)」/カールティク・クマール(Kartik Kumra)(インド)
「マリアーノ(MAGLIANO)」/ルカ・マリアーノ(Luca Magliano)(イタリア)
「ネームセイク(NAMESAKE)」/マイケル(Michael)、リチャード(Richard)、スティーブ・シェー(Steve Hsieh)(台湾)※ジェンダーレスも含む

■ウィメンズウエア
「アン イザベラ」(ANNE ISABELLA)/アン・イザベラ(フランス)
「ベッター(BETTER)/ジュリー・ペリパス(Julie Pelipas)/ウクライナ
「ディオティマ(DIOTIMA)」/レイチェル・スコット(Rachel Scott)/ジャマイカ
「ジョアンナ パーヴ(JOHANNA PARV)」/ジョアンナ・パーヴ(エストニア)
「ルイ シェンタオ チェン(LOUIS SHENGTAO CHEN)」/ルイ・シェンタオ・チェン(中国)
「ポーリナ ルッソ(PAOLINA RUSSO)」/ポーリナ・ルッソ(カナダ)&「ルシール ギルマード(LUCILE GUILMARD)」/ルシール・ギルマード(フランス)
「クイラ(QUIRA)」/ヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)(イタリア)

■ジェンダーレスウエア
「ブローク(BLOKE)」/フェイス・オルワジミ(Faith Oluwajimi)(ナイジェリア)
「バーク アクヨル(BURC AKYOL)」/バーク・アクヨル(フランス) ※ウィメンズ&メンズ含む
「ジュンテ キム(JUNTAE KIM)」/キム・ジュンテ(韓国)
「クシコック(KUSIKOHC)」/チョ・ギソク(Giseok Cho)(韓国)
「ルアール(LUAR)」/ラウル・ロペス(Raul Lopez)(アメリカ) ※ウィメンズ&メンズ含む
「マークヌル(MARRKNULL)」/ウェイ・ワン(Wei Wang)&ティアン・シー(Tian Shi)(中国)
「セッチュウ」/桑田悟史(日本)
「スティナランド(STINARAND)」/スティナ・ランデスタッド(Stina Randestad)(スウェーデン)
「ワタル トミナガ」/富永航(日本)

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「アナ スイ」が財布のパッケージを箱から布製の巾着へ ポーチとして繰り返し使う提案

 クイーポがライセンスブランドとして展開する「アナ スイ(ANNA SUI)」は、サステナブルな取り組みとして、2023年春夏シーズンから、財布のパッケージを箱から布製巾着に移行する。この取り組みでは、不要になって処分してしまう箱ではなく、オリジナルプリントの巾着で渡すことで、ポーチとして繰り返し活用してもらうねらいがある。箱に入れるのが当たり前だった業界で同社は、この取り組みを率先して進め、これまでの価値観の転換を提案する。

 巾着は、S〜Lの3サイズ展開。アクセサリーや小物など、中に入れるものの形を選ばない点が便利なポイントだ。黒地にパープルの柄を配したブランドらしいデザインで、ギフトとして贈るにも相応しいパッケージに仕上げた。

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水着の「スピード」が循環型目指すキッズラインを始動 おさがりでも長く着られる耐久性に

 ゴールドウインが手掛けるスイムウエアブランド「スピード(SPEEDO)」は今春、循環型社会の実現を目指すキッズライン「スピード グリーン(SPEEDO GREEN)」をスタートする。同社が掲げる「プレイ アース(PLAY EARTH)」というコンセプトのもと、夢に向かって挑戦する子どもたちを支えることを目的にさまざまな活動を行う一環として立ち上げた。

 「スピード グリーン」の素材は、サイズアウトの早いキッズウエアのリユースに着目。経年劣化しやすいウレタン素材を含まず、耐塩素性に優れた素材を採用することで、おさがりでも長く着られる水着を開発した。また一部商品には、これまでの「スピード」製品の生産の過程で出た残布を利用するなど、循環型社会実現に向け、積極的に取り組む。

 ファーストシーズンは、“ガールズ スーツ”(税込み7150円)や“ボーイズ ショーツ”(同7480円)、“キッズ ユニセックス セパレーツ”(同7700円)、“キッズ ユニセックス ラッシュガード”(同5940円)に加え、太陽の光で色が変わるフォトクロミック加工を施したTシャツなど全9アイテムをラインアップする。サイズは全て90〜120cm。2月24日から、公式オンラインストアと同社が運営するキッズ業態「プレイ アース キッズ(PLAY EARTH KIDS)」恵比寿ガーデンプレイス店の他、取り扱い店舗で販売を開始する予定だ。

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帝人のPETケミカルリサイクル、中国にライセンス提供

 帝人とプラント大手の日揮、伊藤忠商事の3社合弁会社のリピート(RePEaT)はこのほど、中国の繊維大手である浙江佳人新材料有限公司(以下、佳人新材料)とポリエステルのケミカルリサイクル技術のライセンス契約を締結した。ケミカルリサイクル生産に関する設備の設計や運転などの技術を提供する。供与の金額や事業規模は明らかにしていないものの、佳人新材料は昨年10月に年産15万トンのリサイクル素材の増設を明らかにしており、リピートの技術も一部で活用されそうだ。

 佳人新材料は、繊維や鉄鋼などの事業を展開する精工集団のグループで、帝人は、繊維to繊維などで使っていたケミカルリサイクルポリエステルの生産を、同社との合弁で行っていた。

 リピートは、帝人と日揮が45%、伊藤忠が10%を出資して今年1月に設立した合弁会社。サステナビリティやSDGsへの関心の高まりにより、ポリエステルのケミカルリサイクル技術への関心は世界的に高まる中で、帝人の持つDMT法と呼ばれる、高品質な再生ポリエステルの製造技術を、効率化・パッケージ化してライセンス提供するために設立した。佳人新材料が第一弾のライセンス提供になるが、関係者によると「引き合いはかなり強く、水面下でも複数の案件が動いている」という。

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三陽商会が「服育活動」を続ける理由 服作りを通じ、物を大切にする子供を育てる

 三陽商会は、子供たちの“服を長く、大切に着る”心を育む「服育活動」に力を入れている。同社のデザイナーやパタンナーが都内の小学校に足を運び、服作りにまつわる出前授業を実施してきた。コロナ禍で中断を余儀なくされるも、動画配信に切り替え、地道な発信を続けている。

 出前授業では、デザイナーの商品企画やコンセプト設計のプロセスをクイズ形式で分かりやすく紹介。野球ボールなど身近な物の型紙の見本を見せることで、服にまつわる仕事への興味を刺激してきた。コロナ禍以降は、「綿ってなに?」「デザイナーとパタンナーって、どんな人?」などをテーマにした動画を自社ホームページで公開している。

 「服育活動」は、同社の社員3人が中心となり運営・実施する。「小さな規模の取り組みだが、『服育活動』は当社の大切な使命だと考えている」と運営を主導する岩崎麻佐子・三陽商会 経営統括本部 企業コミュニケーション部長。「子供たちが身近な服がどう作られているか知ることは、アパレルという仕事の入り口になるだけでなく、物を大切にする意識の醸成につながる」と考える。「創業80年を迎える当社の最大の価値はモノ作りの中にある考えてきた。世の中にアパレル企業はたくさんあるが、私たちはデザインから設計、製造までを一貫する。一着の服は、たくさんの人の仕事によって作られている。私たちだからこそ、温度感を持って伝えられることがある」。

 同社の「服育活動」にまつわるもう一つの取り組みが、2018年に企業賞として創設した「SANYO服福賞」だ。新宿区とNPOが主催する区内の小学生対象の「新宿区『みどりの小道』環境日記コンテスト」に協賛し、服や布をテーマにした優れた日記を書いた子どもを毎年表彰している。22年度は、賞の創設以来最高となる24校1204点の応募があった。子どもたちは、着られなくなったTシャツやスカートを他の服やエコバッグに作り変えたり、ペットボトルがリサイクルされる過程をまとめたりといったがんばりを、熱心に日記をしたためた。岩崎氏は「何度もコンテストに応募する子や、兄弟や上級生を見て『私もやってみたい』と挑戦してくれる子が出てきている」と手応えを話す。

 コロナ禍が収束した後は、動画発信を継続しつつ出前授業を再開する。「撒いた種を深く根付かせていくことが大事」と岩崎氏。「『服育活動』を通じて『物を大事にしよう』と考える子が増えれば、安易に物が作られ、捨てられる社会を変えていくことにつながる。小さな子どもたちが服作りに興味津々な顔を見たり、真剣に手を動かす姿を見ることは、社員にとってもいい刺激になるはずだ」とし、「今後も三陽商会にしかできないコンテンツを増やし、活動の充実を目指していきたい」と語った。

※『服育Ⓡ』は株式会社チクマの登録商標であり、株式会社チクマの使用許諾に基づき使用しています。

問い合わせ先
三陽商会 企業コミュニケーション部
03-6380-5055

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下町のモノ作りメーカーが未来に問いかけ 一般公開の合同展示会で裏方の技術力発信

 東京でOEMやODM、オリジナルブランドの製造や開発を続ける中小企業で構成する職人集団のTOKYO KNITは2月22、23日、東京の渋谷ヒカリエで毎年恒例の展示会を開催する。今回のテーマは、「語りはじめたファクトリー 未来に問いかけるものづくり」。OEMやODMでは“指示待ち”になることもあったTOKYO KNITの認証各社は、それぞれが地球のために、本当にやらなくてはならないことを考え、自発的に動き、未来に問いかけている。

 展示会の目玉は、認証各社が同じアイテム(フーディーもしくはロンT)で、それぞれの技術と品質を存分にアピールする「クオリティ コレクション」だ。ディレクターを務める芳村貫太PROJECT CHINO代表は、「認証企業各社はそれぞれが力をつけ、OEMからODM、さらにファクトリーだからこそのオリジナルブランド開発に注力している。その集大成として、それぞれのモノ作りの考え方を発表し、問いかけたい」と話す。各社は、現在の地球環境にも問いかけた。芳村ディレクターは、「丸和繊維工業は、顔が見えるオーガニックコットンと裁断クズが出ないパターンを採用し、バケツ1杯分の水だけでベンガラを使って染めている。川島メリヤスはリサイクル素材を混紡した糸から生地ロスのない成形編みでリンキング仕上げの素晴らしいニットを作った」という。マルチョウは紀南莫大小工場のオーガニックコットンと再生ポリエステルの素材を独自の縫製技術で製品に仕上げた。認証企業同士のタッグも進んでいる。芳村ディレクターは、「各社は、自分たちの未来につながるモノ作りに対して何ができるのか?繊維産業を大切にするにはどんな選択肢があるのか?を考え、自らの意志で素材を選び、自らの技術で製品化している。世に問うことで、自信につながったら」と話す。

 2021年に始動した、縫製工場で生じる裁断クズをリサイクルして蘇らせる「リサイクループ プロジェクト」では今回、「テンダーパーソン(TENDER PERSON)」とコラボレーションした。協業して完成した洋服については今回、360度撮影してAR(拡張現実)の世界でも発表するなど、表現方法でも新基軸に挑んでいる。デザイナーのヤシゲユウトとビアンカは、「『こういうのができたらいいな』とはぼんやり思っていたものの、想像以上にしっかりとした素材感で、『これならかっこいい服が作れる』という印象だった。生成りの色合いや肌触りなど、ビンテージのような雰囲気を生かしてプリント・染色した」と語る。「高い技術を持った工場が、それぞれの良い特徴を生かしている」と、下町のギルド(職人組織)のモノ作りにも感銘を受けたようだ。

 さらにJFW(日本ファッション・ウィーク推進機構)から推薦された「ユウキ ハシモト(YUKI HASHIMOTO)」とのタッグにも取り組んでいる。デザイナーの橋本祐樹は、「東京で何世代にもわたり受け継がれてきた生産技術に感銘を受けた。デジタル化が進むファッションの中で、デジタルでは引き継げないモノ作りへの情熱や知識を尊敬している。ジャージー素材は、初めてのオリジナル。自ら描いた原画の再現性に感動した」と振り返る。完成した商品は、「ユウキ ハシモト」の2023-24年秋冬コレクションに組み込まれる。

 TOKYO KNITは、東京・両国周辺で編み機を使った生地の開発から、編み地で作る洋服(カットソー)の縫製までを担う中小企業を中核とするモノ作り集団だ。加盟各社は、いずれも独自の高い技術で認証審査をクリア。その輪は現在、染色や加工メーカーにも広がっている。認証各社は定期的な交流を重ねたり、協働でプロジェクトに取り組んだりを繰り返し、技術力や提案力、発信力の強化を目指している。かつては「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とタッグを組んで、イタリアで開かれる世界的なメンズの合同展示会ピッティ・イマージネ・ウオモに出展。コロナ禍の3年間は海外発信に課題を残したが、各社は着々と技術力を高めている。

 そんなTOKYO KNITが開催する展示会は、業界関係者はもちろん、消費者にも開放。消費者には裏方的な性格が強い認証企業各社のモノ作りに触れてもらい、一方の企業には消費者の実像を知ってもらうことで今後のモノ作りに生かしてもらうのが狙いだ。 今回は「語りはじめたファクトリー 未来に問いかけるものづくり」をテーマに設定した。「着る人が長く愛せる服であるためには、何を変えていかなければならないのか。ニット産業に関わる全ての人たちが幸せであるために、私たちは何をはじめなければならないのか」を考え、それぞれらしく形にした。サステナブルな未来を編もうとするTOKYO KNITの挑戦に触れてみたい。

TOKYO KNIT総合展 2023クロスオーバーエキシビション
会期:2023年2月22、23日
場所:渋谷ヒカリエ8階 COURT & CUBE 東京都渋谷区渋谷2-21-1
時間:22日は11:00〜19:00、23日は11:00〜18:00
(プレス及びVIP限定のプレビューを21日16:00〜19:00に開催)
入場:無料
事前申込:不要

問い合わせ先
東京ニットファッション工業組合
03-3633-5601

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「リンメル」から初のクリーンビューティコスメ“カインド&フリー”登場

 イギリス・ロンドン発のメイクブランド「リンメル(RIMMEL LONDON)」は4月21日、”美しさの多様性や個性を尊重し、ありのままの自分を愛する”というブランドのポリシーに基づいて開発された、初のクリーンビューティコスメライン“カインド&フリー(KIND&FREE)”を発売する。

 “カインド&フリー”は人・動物・地球に配慮したメイクアップラインで、肌への刺激を抑えた自然由来成分を配合。ミネラルオイルや香料など不必要な原材料を使用しないミニマムな処方配合を目指しているほか、動物実験を行わないクルエルティフリーな商品として、クルーエルティフリーインターナショナルとパートナーシップをとり、リーピングバニーの認証マークを取得。さらにパッケージには環境に配慮したリサイクル素材が含まれており、持続可能な取り組みを推進する

 ラインアップは、スキンケアのように潤い、ナチュラルな艶肌に仕上げるファンデーション“カインド&フリー モイストスキンティント”(全3色、税込各1760円)、重ねても厚塗りにならず、気になる肌ムラ・くすみ・くまをカバーしながら、滑らかで均一な肌に仕上げる“カインド&フリー コンシーラー” (全3色、税込各1320円)。メイク崩れ・テカリ防止するさらさら仕上げのエアリーパウダー“カインド&フリー プレストパウダー” (全3色、税込各1430円)のほか、限定でブランド初のビーガンネイル“カインド&フリー ネイルポリッシュ” (全5色、税込各990円)、爪を保護して健やかに保つ70%の自然由来成分(※自然由来指数ISO 16128準拠)を配合した“カインド&フリー トップコート” (税込990円)を扱う。 “クリーンビューティー”という新しい選択肢を提供できるよう、手に取りやすい価格帯と幅広いラインアップをそろえる。

 「リンメル」は、1934年に誕生し、現在80カ国以上で展開する。日本には2006年に上陸し、コーセーがコティ(COTY)とライセンス契約を締結。18年10月末まで日本市場での輸入・製造販売を行っていたが、同年11月からはコティが国内の販売を引き継ぎ、現在はコティジャパンが事業を展開。バラエティーショップを中心にドラッグストアなど全国2000店舗以上で取り扱う。

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「ビーミング バイ ビームス」から環境配慮を意識した新ライン スタッフが綿花の栽培から関わる

 ビームス(BEAMS)は、ライフスタイルレーベル「ビーミング バイ ビームス(B:MING BY BEAMS)」で環境に配慮した背景を持つコットン素材に特化した新たなベーシックライン「シンプル イェット(SIMPLE YET)」を立ち上げた。リサイクルコットンやオーガニックコットンに加えて、2023-24年秋冬からは同社のチームが栽培に関わった綿花を使用してトレーサブルな商品を届ける。

 デビューシーズンの23年春夏は、リサイクルコットンとオーガニックコットンの混紡糸から作った生地を用いて、メード・イン・ジャパンにこだわって企画した。メンズとウィメンズの6型で、Tシャツ(税込5390円)やスエット(同1万1000円)、パーカ(同1万2100円)などベーシックなアイテムがそろう。リサイクルコットンは、紡績工場の製造工程で出たコットン残糸や残反、反毛業者が回収した売れ残り商品などを原料とする。

 同ラインの立ち上げに際し、スタッフ自らが綿花栽培に関わるプロジェクトが始動した。大阪府大阪市を拠点とするアパレルーカー市岡の監修のもと、和歌山県海南市近くに位置する、約150〜200平方メートルの農地で栽培する。22年10月には、初の綿花収穫をおこなった。今後は年間でおおよそ20kgの綿花を収穫できる見積りだという。この綿花を使用した商品は23年秋に発売予定だ。

 担当者は、「自分自身や大切な人が安心して着られる洋服をつくりたいというディレクターの想いのもとはじまった。原料調達の部分から携わることでお客さまに自信を持って商品を届けたい」と話す。

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「カナダグース」が自社製品の2次流通プラットフォームを開設 中古品販売と下取りを実施

 カナダ発のライフスタイルブランド「カナダグース(CANADA GOOSE)」は、自社製品の2次流通プラットフォーム「カナダグース ジェネレーションズ(Canada Goose Generations)」を開設した。同プラットフォームでは、ウィメンズとメンズ、ユース、キッズ、ベビーのカテゴリーの中古品の販売と、「カナダグース」のギフトカードと交換できる下取りサービスを行う。さらに、65年の歴史を持つ同ブランドのアーカイブからビンテージ品も販売する。立ち上げに当たり、全カテゴリー合計で約2500点の販売商品をそろえた。アメリカ限定のテスト運用から始め、年内にはカナダでの開設を予定。将来的には世界での展開を目指す。

 下取りサービスは、まず商品のタグについているスタイルナンバーを登録し、その後、元払いの発送伝票が届き、対象品を発送する。専門チームが状態を査定した後、10日以内には評価に応じた額のギフトカードが送られてくる仕組みだ。ギフトカードは「カナダグース」の店舗やオンラインで使用できる。評価は、「まあまあ」「良い」「とても良い」「素晴らしい」の4段階を基準に、最大で小売価格の60パーセントで査定される。例えば、小売価格1250ドル(約16万3700円)のダウンロングコート“ミスティーク パーカ(Mistique Parka)”が「素晴らしい」と評価された場合、750ドル(約9万8200円)分のギフトカードと交換となる。現在の対象商品はメンズとウィメンズ、キッズのアウターウエアと衣類。帽子や手袋、ミトン、スカーフ、フェイスマスク、フードトリム、ホームアクセサリー、靴は対象外。着用年数に制限はない。

 「カナダグース ジェネレーションズ」は、サステナビリティとカナダグースの価値観に基づくイニシアチブを統合し、「地球を冷たく、人々を暖かくすること」を目的としたプラットフォーム「ヒューマネイチャー(HUMANATURE)」の一環として立ち上げられた。パートナーとして、中古衣料の洗浄や物流などを手掛けるトローブ(TROVE)と提携している。

 「カナダグース」によれば、「ジェネレーションズ」でダウンコートを購入すると新品を購入するのと比べて二酸化炭素の排出量はおよそ70%少ないため、同社の「持続可能で影響力のある戦略(Sustainable Impact Strategy)」における廃棄物削減の年間目標達成への貢献が期待されるという。なお、「カナダグース」の通常商品には永久保証が付いているが、「ジェネレーションズ」については1年間の保証となっている。

 カナダグースのキャリー・ベイカー(Carrie Baker)=プレジデントは、「私たちは何世代にもわたって使える製品を提供している。『ジェネレーションズ』はそれらを再度流通させ、循環できる完璧なプラットフォームだと考えている。また、どのような層が利用するか、どのようなレアな製品が下取りされるか楽しみだ。サステナビリティに関心が高く、リセールに馴染みのあるZ世代が多いと思われるが、幅広い層にアピールできることを期待している」と話す。

 海外では、自社で2次流通のプラットフォームを運営するブランドが増えている。「ルルレモン(LULULEMON)」は独自のリセールチャネルを持ち、「メイドウェル(MADEWELL)」「パタゴニア(PATAGONIA)」「アイリーン フィッシャー(EILEEN FISHER)」などは中古品売買のプログラムを実施。英調査会社グローバルデータ(GLOBALDATA)によれば、米国内の中古品市場は26年までに2倍以上の820億ドル(約10兆7420億円)に達すると予想されているという。

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安易な“アップサイクル”や“リメイク”にご用心 商標権侵害でトラブルになるケースも

 サステナビリティに対する意識の高まりから、アップサイクルやリメイクに着目するブランドや企業が増えてきた。また、ハンドメイドマーケットの台頭やSNSの普及によって、個人が気軽にハンドメイド作品を売買できる時代が訪れている。

 アメリカのジョージア州・アトランタに拠点を置くコスチュームジュエリーブランド「シバー+デューク(SHIVER + DUKE)」もアップサイクルを押し出すブランドだの1つだ。ビンテージパーツを再利用し、新しくコスチュームジュエリーに作り替えて販売していた。自社ECと10軒程度(卸した点数は確認できるだけで約200点)にしか卸していなかったような小規模なブランドだが、「シャネル(CHANEL)」のボタンをイヤリングなどにリメイクして販売したことで、「シャネル」から商標権侵害で訴えられる事態を引き起こしてしまった。

 「シャネル」は、「シバー+デューク」が「シャネル」の“CC”ロゴのボタンをイヤリングやネックレス、ブレスレットなどに加工して販売したことが商標権侵害だと主張し、権利侵害と認められる商品の廃棄や損害賠償を求めた。最終的にこの件は、「シバー+デューク」が保有する「シャネル」のロゴ付きパーツなどを全て「シャネル」に引き渡し、ウェブサイトや広告などからも全て削除することで2022年11月に和解した。また、今後同様の商品を販売したり宣伝した場合には、高額な損害賠償(例えば侵害品を販売した場合、1点あたり5万ドル(約655万円)の支払など)を行うことを裁判所から命じられた。

 「シバー+デューク」はイヤリングなら70ドル(約9170円)前後、ブレスレットなら高くても90ドル(約1万1790円)程度で購入できるアイテムを販売しているブランドで、和解の内容から見ても、「シャネル」は金銭的な賠償が主目的ではなく、「安易に人気ブランドのブランド力にフリーライドすると痛い目を見る」ということを知らしめるための訴訟だったようにも見受けられる。

 日本のC to Cプラットフォームをパトロールしてみると、人気ブランドのロゴを利用したリメイク品などは数点しか発見できず、侵害品を流通させまいとするプラットフォームやブランドの努力が伝わってくる。他方、インスタグラムで検索すると依然として侵害品とみられるリメイク品を販売しているアカウントを相当数見つけることができる。

 ラグジュアリーブランドをはじめとする各ブランドは、そのブランド力を維持するために多大な投資を行い、ブランドを育ててきたからこそ今の地位や人気がある。ECを利用して誰でも簡単に売買が可能となった時代だからこそ、「シバー+デューク」のようにビジネス規模が小さくてもブランドの目に留まる確率は高まっており、フリーライドすることの違法性や危険性をしっかりと理解する必要があるだろう。

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「ドクターマーチン」が英国製のサステナブルコレクションを発売 余剰レザーを再利用

 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」はこのほど、英ノーサンプトン州ウォラストンの工場でハンドメードしている“メード・イン・イングランド”コレクションから、サステナブルな“デッドストックパック”を発売した。公式オンラインショップとコンセプトショップ「ドクターマーチン ショールーム TYO」で販売中だ。

 同コレクションは、製造過程で出てくるレザーの切れ端などをアッパー素材に使用。“MIE 1460 デッドストック 8 ホールブーツ”(税込4万9500円)と“MIE 1461 デッドストック 3 ホール シューズ”(同4万700円)の2型を用意した。“MIE 1460 デッドストック 8 ホールブーツ”は、英C.F.ステッド社のスエードや米シカゴのホーウィーン社のレザーなど、世界のタンナーから仕入れた異なる種類のレザーを組み合わせてハンドメードした。“MIE 1461 デッドストック 3 ホール シューズ”は、ブラックとインディゴのカラーバレットに、遊び心を効かせたアイレット、かかと部分にはホワイトカラーのステッチを施した。サイズはそれぞれ25cm〜30cmをそろえる。

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「リモワ」が「パレス スケートボード」と初コラボ スーツケースやデッキを発売

 ドイツ発スーツケースの「リモワ(RIMOWA)」は、ロンドンを拠点とするスケートボード&アパレルブランド「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)以下、パレス」とのコラボコレクションを発売する。両者のタッグは初。

 同コレクションはスーツケース、スケートボードデッキ、ステッカーセットの3商品からなり、日本では2月11日に「リモワ」表参道店と「パレス」東京店、両ブランドの公式オンラインストアで販売する。また、価格は同日に発表する。

 アルミニウム製のスーツケース(世界限定500個)は「優れたデジタル印刷技術による」(「リモワ」)鮮やかなアートワークが見所で、砂漠で「パレス」のロゴに向かって歩く遊牧民の姿を描く。

 スケートボードデッキは木材の再生プログラムに則ったもので、カナディアンメープルを7層にし、裏面では“無限”を表現。さらに、両ブランドの名前をプラスした。ステッカーセットは、遊び心のある意匠が特徴だ。

 両ブランドは、「パレス」スケートチームのローリー・ミランス(Rory Milanes)とチャーリー・バーチ(Charlie Birch)をフィーチャーした動画も公開した。2人が東京で会うことを計画するもバーチがフライトを逃してしまい、事態は予想外の方向に……という内容だ。

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「リモワ」が「パレス スケートボード」と初コラボ スーツケースやデッキを発売

 ドイツ発スーツケースの「リモワ(RIMOWA)」は、ロンドンを拠点とするスケートボード&アパレルブランド「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)以下、パレス」とのコラボコレクションを発売する。両者のタッグは初。

 同コレクションはスーツケース、スケートボードデッキ、ステッカーセットの3商品からなり、日本では2月11日に「リモワ」表参道店と「パレス」東京店、両ブランドの公式オンラインストアで販売する。また、価格は同日に発表する。

 アルミニウム製のスーツケース(世界限定500個)は「優れたデジタル印刷技術による」(「リモワ」)鮮やかなアートワークが見所で、砂漠で「パレス」のロゴに向かって歩く遊牧民の姿を描く。

 スケートボードデッキは木材の再生プログラムに則ったもので、カナディアンメープルを7層にし、裏面では“無限”を表現。さらに、両ブランドの名前をプラスした。ステッカーセットは、遊び心のある意匠が特徴だ。

 両ブランドは、「パレス」スケートチームのローリー・ミランス(Rory Milanes)とチャーリー・バーチ(Charlie Birch)をフィーチャーした動画も公開した。2人が東京で会うことを計画するもバーチがフライトを逃してしまい、事態は予想外の方向に……という内容だ。

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革新的ジュエリーのECプラットフォーム「ザ・フューチャー ロックス」のトップを直撃 ラボグロウンダイヤモンドなど社会的意識の高い選択肢を提供

 ラボグロウンダイヤモンド(以下、ラボグロウン)やリサイクルゴールドを使用したジュエリーブランドのECプラットホームである「ザ・フューチャー ロックス」は1月、伊勢丹新宿本店(以下、伊勢丹)でポップアップショップを開催した。日本でも、ここ数年ラボグロウンダイヤモンドを使用したブランドが続々と登場。イベントのために登場したアンソニー・ツァン(Anthony Tsang)=ザ・フューチャー ロックス創設者兼最高経営責任者(CEO)とレイ・チェン(Ray Cheng)=ザ・フューチャーロックス創設者兼チーフデザイナーオフィサー(CDO)に話を聞いた。

WWD:ECプラットフォームを立ち上げてからの商況は?

アンソニー・ツァン=ザ・フューチャー ロックスCEO(以下、ツァン):2021年4月にプラットフォームを立ち上げ順調に推移し、22年には2倍の流通総額(GMV)を記録した。

WWD:プラットフォームのコンセプトは?

ツァン:テクノロジーを伝統やクラフツマンシップと融合させることで、ジュエリーの革新的で明るい未来を目指したい。グローバルECプラットフォームとして、未来志向のジュエリーへの出合い、そして楽しみ方を提案する。ラボグロウンダイヤモンドやリサイクルゴールドを使用したジュエリーには力強いメッセージがあり、環境に優しく受け継がれるものになるはずだ。

WWD:ラボグロウン製品の販売ブランド数は?

ツァン:世界中から21のデザイナーによるジュエリーを紹介。全てのデザイナーと、サステナビリティ、イノベーション、クリエイティビティーの情熱を共有する取り組みをしている。

WWD:ラボグロウン製品の売れ筋と税込価格帯は?

レイ・チェン=ザ・フューチャーロックスCDO(以下、チェン):売れ筋は“ヒカリ”コレクションだ。ラボグロウンを複数使用し、宇宙をインスピレーション源にした幻想的なデザインとかれんなシルエットが特徴。価格もエントリーで手に取りやすい。自家需要ではネックレス、ブレスレット、ピアスが人気。600ドル(7万9200円)程度。主要顧客は、30~40代の自立した女性で、ファッション感度が高く、ラグジュアリーブランドに対する知識も豊富。そして、よりよい選択肢を探しており、ラグジュアリーにおっける透明性や社会的責任を求める女性だ。

洗練された社会的意識の高い選択肢を提供

WWD:競合サイトは?どのように差別化を図るか?

ツァン:ラグジュアリー・ブランドやECプラットフォームとの競合は意識していない。未来志向のジュエリーやラボグロウンに興味のある消費者へ、洗練された社会的意識の高い選択肢を提供することを目指している。

WWD:プラットフォームやラボグロウンの認知度アップに行っていることは?

チェン:伊勢丹での初のポップアップショップでは、顧客と直接関わることができ、未来志向のジュエリーやラボグロウン、ブランドのストーリーを伝えることができた。今後も、実験的なポップアップを行っていきたい。

WWD:日本におけるラボグロウンの市場をどのように分析するか?

チェン:日本では、まだ、ラボグロウンはあまり知られていないが、ポップアップで、ラボグロウンやサステナブルなジュエリーのストーリーを伝えると関心を示していた。ラボグロウンにより、ジュエラーは既存の形や表現にとらわれなくてもよくなった。

WWD:日本市場における課題と戦略は?

ツァン:22年の「アマン東京(AMAN TOKYO)」のイベントや伊勢丹でのポップアップを行うことができてうれしい。私たちの革新的なビジョンを発信し続ける。ポップアップや限定アイテムなどの提案を通してブランドを身近に感じてもらいたい。ジュエリーとの親密なつながりを提供するには、顧客一人一人との結びつきが不可欠だと思う。

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「オールバーズ」が代替えレザーの新作スニーカー発売 米の籾殻など農業副産物が原料

 「オールバーズ(ALLBIRDS)」は2月8日、100%植物由来の代替えレザー「ミラム(MIRUM)」を使用した新作スニーカー“プラントペーサー”(税込1万8500円)を発売した。自然に着想を得た曲線をデザインの随所に取り入れ、クリーンな印象に仕上げた。ホワイトとブラック、ライトグリーンの3色で、サイズは22〜32cm。原宿店と丸の内店、大阪店、公式オンラインストアで取り扱う。

 アッパーに使用した代替えレザー「ミラム」は、米イリノイ州を拠点とする素材のスタートアップ企業ナチュラル・ファイバー・ウェールディング(NATURAL FIBER WELDING、以下NFW)と共同で開発したもの。原料は米の籾殻や柑橘類などの農業副産物、天然ゴム、植物オイルなどの天然素材だ。同社の調べでは、牛革や合成プラスチックレザーよりも製造にかかる温室効果ガス排出量を大幅に削減できるという。ライニングには、通気性に優れ、柔らかな履き心地を叶えるユーカリの木を原料とするテンセルリヨセルを採用した。ミッドソールやアウトソールにも天然由来の素材を用いた。製品のライフライクル全体での温室効果ガスの排出量を示すカーボンフットプリントは、8.24kg CO2eだった。

 同社は代表作であるメリノウールを用いた“ウールランナー”を筆頭に、天然素材を活用した商品を強みとしてきた。レザータッチの商品が発売されるのは今回が初めて。「ミラム」の開発を機に、商品カテゴリーをさらに充実させていく。

 ティム・ブラウン(Tim Brown)=オールバーズ共同CEOは「ファッション企業はあまりにも⻑い間、環境よりも既成のやり方やコストを優先し、石油からできた合成繊維や持続不可能なレザーに頼ってきた。私たちは、このような状況に終止符を打ちたいと考え、“プラントペーサー”の開発に至った」とコメントした。

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伊の高級シャツ地の帝王アルビニが目指す「原料の綿花からトレーサブルなシャツ地」

 1月31日〜2月2日にイタリア・ミラノで開催された「ミラノウニカ(MILANO UNICA)」のオープニングセレモニーでは、トレーサビリティーの重要性が議論された。ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VITALE BARBERIS CANONICO)のトップ、アレッサンドロ・バルベリス・カノニコ(Alessandro Barberis Canonico)=ミラノ・ウニカ代表は、「トレーサビリティーが、社会面・環境面におけるサステナビリティを実現するために不可欠であり、メード・イン・イタリアの価値を担保する重要な要素である」と強調し、AIやブロックチェーン技術への投資を強化する方針だと話した。

 トレーサビリティーに関して、新たな取り組みを披露したのは高級シャツ地ブランドとして知られる「トーマスメイソン(THOMAS MASON)」などを擁する、イタリアの大手シャツ生地メーカーのアルビニ(ALBINI)だ。同社はオーガニックコットンブランド「バイオフュージョン(BIOFUSION)」の下、トレーサビリティーの技術に投資してきた。今回は初めてそのノウハウをイタリアのプーリア州にある農家で実践し、イタリア産のトレーサブルなオーガニックコットンを発表した。「バイオフュージョン」では、科学的な追跡技術を用いることで畑から生地までを追跡できる。原産地の特定だけでなく、同社の強みである品質や責任のあるサプライチェーンでの製造が証明できる。プーリア州の農家では、これまでに47ヘクタールの畑を耕作し、4万4000キログラムの綿花を生産した。綿花は遺伝子組み換えでない優れた種子を厳選していることに加えて、432ヘルツまでの周波数の音楽を流し続けて水面を振動させて品質を向上させる特殊な技法で育てられているという。

 担当者は、「当社は2009年からオーガニックコットンを販売してきたが、当時は市場が成熟していなかった。現在は、コレクションのうち3割以上でオーガニックコットンを使用している。透明性のあるオーガニックコットンへの需要の高まりを感じる」と話す。

 同社はそのほかにも、新たなデニムの循環型プロジェクトとして「アルビアーテ(ALBIATE)」でリサイクルコットンを使ったデニムコレクションを発表した。最適な混紡率を追求し、「アルビアーテ」の余ったデニム生地を反もうしてできたリサイクルコットン30%とオーガニックスーピマコットン70%をブレンドすることで品質を担保している。

 また有力な米穀メーカー、リゾ・ガッロとの協業で実現した黒米を活用した染料技術も披露した。リゾ・ガッロが栽培する品種の黒米を熱湯で処理する工程で、通常捨てられていた水を染料に活用した循環型の技術だ。カラーはブラウンをベースとした4色をそろえる。

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130周年「プチバトー」の23年春夏 環境に配慮した素材の採用率が約82%に

 今年創業130周年を迎える仏ベビー&キッズブランド「プチバトー(PETIT BATEAU)」が、アニバーサリーの第1弾となる2023年春夏コレクションを発表した。“ミストラル(MISTRAL)”というフランス南東部のカマルグ周辺の地中海に吹く寒冷で乾燥した北風を着想源に、空や風、海を思い浮かべるようなペールトーンのブルーやピンクを用いた爽やかな印象のアイテムがそろう。ベビーやキッズの気分も上がる花や雲、ボート、魚、鳥といったモチーフ柄などは、海や水を守りたいというブランドの強い思いを込めている。また、アニバーサリーロゴをのせたパジャマや肌着、セレモニー向けのデイウエア、日本限定商品なども段階的に販売する予定だ。

 1893年にフランス・トロワで誕生した「プチバトー」は、時代に合わせたベビーウエアの素材や着心地を探求し、世界を代表するベビー&キッズウエアブランドとなった。さらに最近では循環するもの作りやサービスを掲げており、特に環境に配慮した素材の開発を進め、シーズンごとに採用率を高めている。23年春夏に関しては、対前年比35ポイント増になり、中でも、春夏シーズンに多いオーガニックコットンは最大の同36ポイント増になった。この他にも、ペットボトルや廃棄した繊維を再利用したリサイクル素材や、水とエネルギーの消費を削減しし生産するデニム、ユーカリなどの木材を無害な溶剤で溶かして繊維にしたコットンリヨセルを積極的に用いている。2年後の25年春夏には、全ての商品にそうした素材の採用を掲げている。

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「英国の美大発」「ロンドン起業」「透湿防水テキスタイル開発」、異色づくめの起業家、亀井潤が目指す先

亀井潤/アンフィコCEO

PROFILE:(かめい・じゅん)大阪府出身。東北大学工学部化学バイオ工学を卒業後、2015年に英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に留学。バイオミミクリー(生物模倣/生体工学)デザイナーとして活動を開始。18年11月にアンフィコを設立。2022年4月に英国王チャールズ3世と元アップルのデザイン最高責任者サー・ジョニー・アイヴが設立したTerra Carta Design Lab賞を受賞。現在はロンドンと日本を行き来している

 繊維商社の豊島は、英国のスタートアップ企業アンフィコ(AMPHICO)に出資した。アンフィコは、日本人の亀井潤が英国の名門美術大学であるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(以下、RCA)での研究をスピンアウトして起業した異色のスタートアップ企業で、豊島はこれまで数々のスタートアップ企業へ出資してきたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を通じて出資する。研究者から転身した異色の起業家である亀井潤氏の目指す先を聞いた。

WWD:ベースとなっているキャリアは?

亀井潤(以下、亀井):研究者としてのキャリアは、東北大学でのポリマーサイエンスです。いわゆるゴムやフィルム、プラスチックなどの素材の原料となるポリマーを研究していました。大学や大学院の同期は帝人や旭化成、東レなどの企業に就職していました。

WWD:2015年にデザイン系の大学院大学であるRCAに留学した。転機は?

亀井:ポリマーサイエンス自体の研究はやりがいもあったし、楽しかった。ただ、小さい頃から社会貢献に興味があって、もっとダイレクトに世の中の役に立ちたいという思いがあった。やっぱり材料科学、あるいはアカデミアの世界にいると、研究して論文を書いて特許を取って、と実際に世の中に出ていくまでが遠い。そこで材料科学から離れて、より事業化に近いプロダクトデザインの世界に飛び込もう、と。

WWD:RCAに留学して感じたことは?

亀井:2015年RCAに留学して、イノベーションエンジニアリングを主に研究&実践しました。正直、楽しかったですね。ポリマーサイエンス自体には、ものすごい可能性があるんですよ。「アンフィコ」の代名詞となっているリサイクル可能な透湿防水テキスタイルに関しても、実はポリマーサイエンス分野の研究者からするとそれほど目新しいやり方でないかもしれませんが、フッ素規制で新たな透湿防水素材が求められる中で、繊維業種ではまさにベストマッチ。これまで誰も試したことのないやり方でした。ポリマーサイエンスはプロダクトアウト的な要素も強くて、「いい素材が作れたから用途を探す」というのが一般的です。一方でプロダクトデザインの世界では、特定の用途やニーズをターゲットに作るという順番になる。どちらがいいというものではなく、考え方の違いです。

亀井:「ポリマーサイエンス」は例えるなら「料理」です。異なるポリマーを組み合わせることで、無限に近い可能性がある。ちょうど私が留学した2015年は、日本の人工タンパク質素材のスパイバーを筆頭に、米国サンフランシスコでは人工タンパク質素材のボルトスレッズ(BOLT THREADS)、人工レザーのモダンメドウ(MODERN MEADOW)など、素材のスタートアップが世界で同時多発的に台頭していました。数十年ぶりとも称される「素材革命」が世界で注目されていました。一方でポリマーサイエンスと聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、実際にやっていることの一部はペースト状の樹脂材料を混ぜたり、反応させたりして新しい材料を作ることもある。私の立場だと、「農地で必要な野菜を作って料理する」みたいなやり方になるのでそこは他のプロダクトデザイナーと比べても強みになっていたと思います。

WWD:豊島からの出資の経緯は?

亀井:18年10月に豊島と東京大学生産技術研究所がスタートした豊島寄付研究部門で教鞭を取っていたマイルス・ペニントン(Miles Pennington)教授が、RCA時代の教授だったことがきっかけです。なので豊島とは起業直後から、ペニントン教授から紹介を受け、交流を続けていました。

WWD:スタートアップ起業だが、なぜ「ゴアテックス」を筆頭に競合がひしめく「透湿防水素材」の開発を?

亀井:いわゆる「透湿防水素材」は、フッ素規制によって「ゴア一強」の時代が崩れて、さまざまな代替素材が登場する、群雄割拠の「戦国時代」に入りつつあります。引き続きデザインとリサーチ、販売に関してはロンドンを拠点にしつつ、モノづくりに関しては日本及びアジアで、というやり方です。イギリスにいると、合繊素材に関しては、北陸(石川県、福井県、富山県)企業が今なお世界屈指の高い生産技術力を有していることを実感しています。世界的に有力なスポーツ・アウトドアブランドと話していますが「北陸で開発&生産する」というだけで商談が前に進む。豊島を通じて日本企業と組めるのは、世界展開を考えれば強力な武器になっています。

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時計「ニクソン」×「サンタクルーズ」 カリフォルニアブランド同士のコラボ

 時計ブランドの「ニクソン(NIXON)」は今年25周年を迎え、同じく50周年を迎えるスケートボードブランド「サンタクルーズ(SANTA CRUZ)」とコラボしたコレクションを2月7日に発売する。「ニクソン」の公式オンラインストア、および取り扱い店舗で販売する。

 アーティスト、ジム・フィリップス(Jim Phillips)のグラフィックを取り入れたデザインが特徴で、“サンタクルーズ コーポラル”(4万2900円税込、以下同)は目と歯の部分が蓄光仕様になっていて暗闇の中で光る。また、文字盤はスケートボードのデッキを思わせる木目調とした。

 ほかに、海で回収されたリサイクルプラスチックを使用した“サンタクルーズ タイムテラー OPP”(2万900円)にはフィリップスの代表作「スクリーミングハンド」を採用し、“SANTA CRUZ”の文字をダイヤルからバンドまで貫いた“サンタクルーズ タイムテラー”(2万4200円)もラインアップする。

 「ニクソン」は1998年に、「サンタクルーズ」は73年に、それぞれ米国カリフォルニア州で創業した。

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美容業界の余剰資源をアップサイクルする新プロジェクト「ブランドクロス」がスタート UVクリームなどを発売

 化粧品や健康食品を扱うOEMメーカー、モノメディカ(MONOMEDICA)は1月31日、化粧品のアップサイクルプロジェクト「ブランドクロス(BRANDX)」を始動した。原料会社や容器会社、パッケージ工場などでやむを得ず発生する余剰資源を「ブランドクロス」が買い取り、新たな商品としてよみがえらせ数量限定で発売する。第1弾商品(全3種、税込2090〜6490円)は公式サイトで販売。徹底した品質管理を行い、使う楽しみを得られるデザイン性を加えることで、消費者に一期一会の出合いを提供する。

 森下友喜モノメディカ社長は「ファッション業界では受注生産やアップサイクルに取り組む企業も増えてきているが、美容業界では法律の制限が厳しくなかなか実現が厳しかった。一つ一つ承認を得るために長い時間がかかる。余剰資源を生かした商品を作るためには、新たな余剰資源も少なからず生まれてしまうため、パッケージに使用したり、資源を求める企業とのマッチングに生かしたりしていきたい」とコメントした。 第1一弾の商品は多機能UVクリーム“ザ UVプレミアムクリーム P101”(税込2090円)、ヒト幹細胞ブースター美容液“ザ エッセンス U307”(同6490円)、シカ配合のクレンジングバーム“ザ クレンジングバーム ブラック Q109”(同2750円)をそろえる。全て「ブランドクロス」の公式サイトから購入が可能だ。

 1月31日に行われた発表会に登場したお笑いタレントの古坂大魔王は、日頃からSDGsに関心を持っており、「ブランドクロス」のアップサイクルの取り組みにも共感。自身のお笑いネタを数年後に再利用しヒットさせた過去を振り返った。

 同プロジェクトは今後、工場や企業同士をつなげ、それぞれの余剰資源と必要な資源のマッチングを担う取り組みも行なっていく。

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上智大学発の学生ブランドが西武渋谷でポップアップ 古着を小物にアップサイクル

 いらなくなった衣類を消費者から自主回収し、トートバッグやエコバッグ、巾着などにした小物商品を製作・販売する上智大学発の学生ブランド「カルテナ(CARUTENA)」は2月1日〜18日、西武渋谷でポップアップを開催する。ポップアップでは、捨てられる予定だった古着を活用して、巾着や折りたためるエコバッグなどの小物商品を販売する。

 樋口栞那・共同代表は、「今回が学生として開催する最後のポップアップなので、(団体で活動した)3年間の集大成だと思い、今までの経験で得た知識や経験を全て活かし全力で取り組みます。『楽しい』と私たちが思い、それをお客さまに伝えていく。お客さまがサステナブルを身近に感じてくれると信じています。笑顔でメンバー一丸となって盛り上げていきたいです」と語った。

 「カルテナ」は2020年4月に設立。約20人のメンバーで活動する。ファッション×サステナブルをモットーに、バッグや小物をECサイトやポップアップストアで販売する。出張授業などで、廃棄問題にフォーカスしたサステナビリティの啓発運動も行う。

■「カルテナ」ポップアップ
日時:2月1〜18日 10:00-20:00
場所:西武渋谷 A館4F
住所:東京都渋谷区宇田川町21-1

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「次代を担う繊維産業企業100選」を経産省が発表 「町工場が世界で通用する姿を見せたい」

 経済産業省は1月31日、「次代を担う繊維産業企業100選」を発表した。同日に開催した繊維産地間の連携をうながす「ファッション・ビジネス・フォーラム2023」の一環で、167社・451取り組みの中から109社が選定された。対象は中小企業で、次の5部門で募集したもの。①サステナビリティ②デジタル化③技術力やデザイン力による付加価値の創出(古い織機で高度な技術の付加価値など)④新規性のある事業・サービスの展開(DtoC、産地企業による独自ブランド、異業種連携など)⑤海外展開。

 フォーラムでは、選定された企業を代表して岐阜県・浅野撚糸の浅野雅己社長と、和歌山県・丸和ニットの辻雄策社長が太田房江経済産業副大臣から表彰状を受け取った。また、審査委員長を務めた新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科教授の進行で日本の繊維産業の現状や海外進出に向けての課題などを話し合った。

 浅野雅己浅野撚糸社長は「2016年に経済産業省から繊維課からなくなった時、日本政府は繊維を見捨てたんだ、と思った。だが、ここ数年(経済産業省生活製品課)が、繊維産業にスポットを当てていることを感じており、嬉しい。紡績の下請けの撚糸屋である町工場が世界で通用するのだ、という姿を見せたい」と関係者を鼓舞するメッセージを送った。同社は今春、福島県双葉町に撚糸工場とオフィス、ショップ、カフェの複合施設「フタバスーパーゼロミル」を開業予定で、その思いなども語った。

【「次代を担う繊維産業企業100選」受賞企業】
北海道:水野染工場
岩手県:岩手モリヤ/京屋染物店/三和ドレス
秋田県:秋田ファイブワン工業
山形県:佐藤繊維/東北整練/ナカノアパレル/松岡
福島県:齋榮織物
栃木県:ガチャマンラボ/丸昌産業
群馬県:伊田繊維
埼玉県:サイボー/野川染織工業
東京都:エニシング/精巧/丸和繊維工業/レオン・インターナショナル
神奈川県:三笠
山梨県:寺田ニット
長野県:フレックスジャパン
静岡県:古橋織布
岐阜県:浅野撚糸/カワボウテキスチャード/岐セン/東海サーモ/三星毛糸
愛知県:アルデックス/大鹿/シンコー/茶久染色/艶清興業/中伝毛織/藤井整絨
富山県:IAAZAJ ホールディングス/ケーシーアイ・ワープニット
石川県:カジナイロン/カジレーネ/山越/サンコロナ小田/シラエ織産/能任絹/前多/丸井織物
福井県:井上リボン工業/ウラセ/永平寺サイジング/カズマ/酒伊編織/サカセ・アドテック/SHINDO/大喜/トヨシマセンイ株式会社/ニットク/マルサンアイ/米澤物産
滋賀県:大塚産業マテリアル
京都府:大本染工/カラーループ/川島織物セルコン/大東寝具工業/とみや織物
大阪府:アイソトープ/アイトス/旭紡績/大津毛織/金野タオル/三恵メリヤス/藤井若宮整絨/増見哲/三山
兵庫県:植山織物/玉木新雌
奈良県:ヴァレイ/岡本/鈴木靴下/西垣靴下/ニット・ウィン
和歌山県:インテリックス/エイガールズ/カネマサ莫大小/丸和ニット/吉田染工
島根県:石見銀山生活文化研究所
岡山県:明石スクールユニフォームカンパニー/内田縫製/クロキ/ショーワ/セイショク/ニイヨンイチ/ベティスミス/明大
広島県:アクセ/Asahicho/坂本デニム/山陽染工
香川県:江本手袋/フクシン
愛媛県:IKEUCHI ORGANIC/工房織座/七福タオル/西染工/丸栄タオル/渡辺パイル織物
福岡県:オザキプリーツ/龍宮
長崎県:エミネントスラックス
沖縄県:Curelabo

【審査委員会】
井上真理/神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
太田伸之/MD03代表取締役
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授
林千晶/Q代表取締役社長
宮浦晋哉/糸編代表取締役
吉高まり/三菱 UFJリサーチ&コンサルティング フェロー、東京大学教養学部客員教授
オブザーバー:富吉賢一日本繊維産業連盟副会長

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「次代を担う繊維産業企業100選」を経産省が発表 「町工場が世界で通用する姿を見せたい」

 経済産業省は1月31日、「次代を担う繊維産業企業100選」を発表した。同日に開催した繊維産地間の連携をうながす「ファッション・ビジネス・フォーラム2023」の一環で、167社・451取り組みの中から109社が選定された。対象は中小企業で、次の5部門で募集したもの。①サステナビリティ②デジタル化③技術力やデザイン力による付加価値の創出(古い織機で高度な技術の付加価値など)④新規性のある事業・サービスの展開(DtoC、産地企業による独自ブランド、異業種連携など)⑤海外展開。

 フォーラムでは、選定された企業を代表して岐阜県・浅野撚糸の浅野雅己社長と、和歌山県・丸和ニットの辻雄策社長が太田房江経済産業副大臣から表彰状を受け取った。また、審査委員長を務めた新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科教授の進行で日本の繊維産業の現状や海外進出に向けての課題などを話し合った。

 浅野雅己浅野撚糸社長は「2016年に経済産業省から繊維課からなくなった時、日本政府は繊維を見捨てたんだ、と思った。だが、ここ数年(経済産業省生活製品課)が、繊維産業にスポットを当てていることを感じており、嬉しい。紡績の下請けの撚糸屋である町工場が世界で通用するのだ、という姿を見せたい」と関係者を鼓舞するメッセージを送った。同社は今春、福島県双葉町に撚糸工場とオフィス、ショップ、カフェの複合施設「フタバスーパーゼロミル」を開業予定で、その思いなども語った。

【「次代を担う繊維産業企業100選」受賞企業】
北海道:水野染工場
岩手県:岩手モリヤ/京屋染物店/三和ドレス
秋田県:秋田ファイブワン工業
山形県:佐藤繊維/東北整練/ナカノアパレル/松岡
福島県:齋榮織物
栃木県:ガチャマンラボ/丸昌産業
群馬県:伊田繊維
埼玉県:サイボー/野川染織工業
東京都:エニシング/精巧/丸和繊維工業/レオン・インターナショナル
神奈川県:三笠
山梨県:寺田ニット
長野県:フレックスジャパン
静岡県:古橋織布
岐阜県:浅野撚糸/カワボウテキスチャード/岐セン/東海サーモ/三星毛糸
愛知県:アルデックス/大鹿/シンコー/茶久染色/艶清興業/中伝毛織/藤井整絨
富山県:IAAZAJ ホールディングス/ケーシーアイ・ワープニット
石川県:カジナイロン/カジレーネ/山越/サンコロナ小田/シラエ織産/能任絹/前多/丸井織物
福井県:井上リボン工業/ウラセ/永平寺サイジング/カズマ/酒伊編織/サカセ・アドテック/SHINDO/大喜/トヨシマセンイ株式会社/ニットク/マルサンアイ/米澤物産
滋賀県:大塚産業マテリアル
京都府:大本染工/カラーループ/川島織物セルコン/大東寝具工業/とみや織物
大阪府:アイソトープ/アイトス/旭紡績/大津毛織/金野タオル/三恵メリヤス/藤井若宮整絨/増見哲/三山
兵庫県:植山織物/玉木新雌
奈良県:ヴァレイ/岡本/鈴木靴下/西垣靴下/ニット・ウィン
和歌山県:インテリックス/エイガールズ/カネマサ莫大小/丸和ニット/吉田染工
島根県:石見銀山生活文化研究所
岡山県:明石スクールユニフォームカンパニー/内田縫製/クロキ/ショーワ/セイショク/ニイヨンイチ/ベティスミス/明大
広島県:アクセ/Asahicho/坂本デニム/山陽染工
香川県:江本手袋/フクシン
愛媛県:IKEUCHI ORGANIC/工房織座/七福タオル/西染工/丸栄タオル/渡辺パイル織物
福岡県:オザキプリーツ/龍宮
長崎県:エミネントスラックス
沖縄県:Curelabo

【審査委員会】
井上真理/神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
太田伸之/MD03代表取締役
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授
林千晶/Q代表取締役社長
宮浦晋哉/糸編代表取締役
吉高まり/三菱 UFJリサーチ&コンサルティング フェロー、東京大学教養学部客員教授
オブザーバー:富吉賢一日本繊維産業連盟副会長

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「マックスマーラ」がアップサイクル素材“キャメリュクス”がテーマのポップアップ 表参道店で

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は、コートの生産などで生じた余分なキャメルヘアをアップサイクルした素材“キャメリュクス(Cameluxe)”がテーマのポップアップストアを、表参道店で2月1日〜3月7日に開催する。

 “キャメリュクス”は、3つのステップを踏んで製作。まず、回収したキャメルコートなどの余り生地を集めて分別し、次に超微細な繊維として機械的に処理する。最後に再生ポリエステルと混ぜ合わせ、高性能な断熱性能を持つ素材として中綿に仕立てる。弾力性や伸縮性に富み、安定した保温性能が特徴だ。

 ポップアップストアは、同素材を作る3つの工程から着想を得たデザインでフロアを彩る。期間中にアンケートに回答すると、“キャメリュクス”をイメージしたコットンキャンディのプレゼントキャンペーンも実施する。

■“キャメリュクス”ポップアップストア
会期:2月1日〜3月7日
場所:マックスマーラ表参道店
住所:東京都渋谷区神宮前5-2-5

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伊藤忠が衣類回収・再生のエコミットに出資

 伊藤忠商事は、アパレルの回収・リサイクルのエコミット(鹿児島県薩摩川内市、川野輝之社長)に出資する。伊藤忠は昨年3月に業務提携を締結していた。出資により、伊藤忠は自社で手掛けるリサイクルポリエステル事業「レニュー(RENU)」をさらに強化する。踏み込むことになる。エコミットの川野社長はリリース内で「ものづくりで世界をリードしてきた日本だからこそ、次はものの循環の仕組みづくりで世界をリードする。エコミットは利便性を求めて発展してきた高度経済成長から、地球の存続を追求して発展する高度『循環』経済成長を生み出すリーディングカンパニーを目指してまいります」とコメントしている。

 伊藤忠とエコミットは昨年3月に、ファッションロスゼロを目指す繊維製品の回収サービス「ウエア・トゥ・ファッション(WEAR TO FASHION)」をスタート、リサイクル可能なポリエステル製品は伊藤忠の「レニュー」の原材料として活用する取り組みを行っている。エコミットは伊藤忠からの出資を受け、衣類の回収・リサイクルを、2109年の約6000tから3年後の26年に日本の廃棄衣類全体の10%にあたる約5万tの回収を目指す。25年には、回収衣類の自動化設備を備えた「アジア太平洋サーキュラーセンター」の設立を計画している。川野社長は1月31日の自身の「NOTE」で、ウェディングサービス会社CRAZYの創業者である山川咲氏と徳島県のNPOであるゼロ・ウェイスとアカデミー前理事長の坂野晶氏の2人が取締役に就任したことを発表した。

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伊藤忠が衣類回収・再生のエコミットに出資

 伊藤忠商事は、アパレルの回収・リサイクルのエコミット(鹿児島県薩摩川内市、川野輝之社長)に出資する。伊藤忠は昨年3月に業務提携を締結していた。出資により、伊藤忠は自社で手掛けるリサイクルポリエステル事業「レニュー(RENU)」をさらに強化する。踏み込むことになる。エコミットの川野社長はリリース内で「ものづくりで世界をリードしてきた日本だからこそ、次はものの循環の仕組みづくりで世界をリードする。エコミットは利便性を求めて発展してきた高度経済成長から、地球の存続を追求して発展する高度『循環』経済成長を生み出すリーディングカンパニーを目指してまいります」とコメントしている。

 伊藤忠とエコミットは昨年3月に、ファッションロスゼロを目指す繊維製品の回収サービス「ウエア・トゥ・ファッション(WEAR TO FASHION)」をスタート、リサイクル可能なポリエステル製品は伊藤忠の「レニュー」の原材料として活用する取り組みを行っている。エコミットは伊藤忠からの出資を受け、衣類の回収・リサイクルを、2109年の約6000tから3年後の26年に日本の廃棄衣類全体の10%にあたる約5万tの回収を目指す。25年には、回収衣類の自動化設備を備えた「アジア太平洋サーキュラーセンター」の設立を計画している。川野社長は1月31日の自身の「NOTE」で、ウェディングサービス会社CRAZYの創業者である山川咲氏と徳島県のNPOであるゼロ・ウェイスとアカデミー前理事長の坂野晶氏の2人が取締役に就任したことを発表した。

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エコバッグが世界的ヒット 売上高36%増の成長を続ける「スーザン べル」

 

 リップストップ・ナイロンのエコバッグ「スーザン べル(SUZAN BIJL)」をご存知だろうか。鮮やかな色の組み合わせとシンプルなデザインが人気となり、現在、世界22カ国350拠点で販売されている。2000年に創業し、14年に地元オランダ・ロッテルダムに1号店をオープン。この年地元オランダでのビジネスが拡大した。ここから「スーザン ベル」の躍進が始まる。世界的なサステナビリティ意識の高まりに加えて、各国の政府がレジ袋の使用を控える姿勢を見せたことから、15年からは毎年平均前年比36%増をマーク。19~20年にオンラインプロセスに投資したことが奏功し、20~22年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けず、ブランド最大の成長を遂げた。

 そもそも「自分のためにデザインしたことがきっかけだった」と創業者のスーザン・べル。キッチンに溜っていくショッピングバッグを減らしたかったというシンプルな理由だった。使い捨てビニール袋のデザインを生かしつつ、サイドの折り目を深くすることでボリュームを出し、鮮やかな色を組み合わせた。ポップな色合わせと実用性が受けてオランダのミュージアムショップなどで扱われるようになり、ポール・スミス(PAUL SMITH)やユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)のバイヤーに見出されて、世界中に販路が広がった。定番商品“ニューショッピングバッグ(The New Shopping Bag)”のデザインは20年変わらない。

 デザインアプローチは「まず実用的で機能的であること、その次にサステブルかどうかを考えている」とスーザン。商品のバリエーションは少しずつ増えているが「毎年、新しいデザインを提案するようなことはしない。いいものはいいから」。シーズンに合わせて生産するが、シーズン中に売り切ることを目指している。在庫は最小限に抑え、セールはしない。取引先にもセールをしないように伝えている。生地はシーズンを超えて活用し、端切れは“ニューポーチ”やファスナーなどの小さいパーツや修理のために用いる。17年からは無償で修理を行っている。

地球に対する責任の探求が始まる

 かつてレザーを使用した商品も提案していたというが「廃棄物の削減と地球に対する責任を探求する過程で使用を廃止した。その代わりにリップストップ・ナイロンのみにフォーカスした。とても丈夫で軽く、使い勝手がいいうえ品質が均一だから」。素材を限定することで無駄を省き、環境負荷を低減するために注力できるようになった。

 「この10年の私たちの目標はサプライチェーン全体を通してブルーサイン認証(繊維産業の中でも特に化学物質を用いる分野で、環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証)を受けること」とスーザン。16年からはブルーサイン認証を得たリップストップ・ナイロンに変更しているが、鮮やかな色の保持のためのポリウレタンコーティングや、一部のバッグで施している防水コーティング(熱可塑性エラストマーコーティング)を施しているため、全工程でブルーサイン認証は受けていない。

 「以前ブルーサイン認証を得た工場の水性のコーティングを試したが、安定した品質が保証できなかったため、ブルーサイン認証を得ていない油性に戻さざるを得なかった。現在、中国のパートナーとともに、油性のコーティングでのブルーサイン認証取得を目指して取り組んでいる。彼らは生産工程の透明性が高く、環境への負荷を軽減するためにどう改善できるかを常に探究している」とスーザン。素材を限定してバリエーションを増やす方法で、小さな企業ながら一つ一つの工程を丁寧に見直すことを可能にしている。「長期的な目標は、オランダに近いところで生産すること。これはサプライチェーンを変えることになるため、段階的に進めていくことになる。地球での生活を向上させるために必要な目標」とスーザン。

 1人で始めたビジネスも、現在35人のスタッフを抱えるまでに成長した。支持を集める理由をスーザンはこう分析する。「どんな年齢もジェンダーにもフィットする。リピート顧客やファンがいて、友人や家族にも私たちの製品を紹介してくれている。何より、使い勝手がよくて実用的、そして特別な色に個性を感じてくれていて、自分の個性とマッチしていると思い入れを持ってくれている人が多い」。いわゆる実用的で丈夫なエコバッグとして選ばれるだけでなく、日常使いもできるデザイン性の高さが支持を集めている。
 
 現在、さまざまなプログラムの提供に取り組み始めた。「映画上映、音楽パフォーマンス、レクチャーなど、私たちが興味を持っているテーマで、皆さんのインスピレーションになるような機会を提供したいと考えている。私たちのブランドを通じて自然、健康、居住環境の観点から地球環境に対して責任を持ってもらうことが目標」とスーザン。製品の提供だけではなく、体験を通じて価値観の共有を目指している。

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三菱電機「メトアギンザ」 プラスチックのリサイクルの体験型イベントを開始

 三菱電機は、東京・銀座の三菱電機イベントスペース「メトアギンザ(METoA Ginza)」で1月26日から、プラスチックのリサイクルをテーマにした体験型イベント「そだてるタウン~リサイクル ディスコ リサイクルも、ターンテーブルも、まわせばハッピー!~」をスタートした。会場の2階に昭和レトロな「ディスコ」に見立てた空間を用意。参加者は街作りの一員としてその中に入り、架空のキャラクター「DJ 工場長」の質問に答えたり、タブレットを手に音楽に合わせて踊ったりと、ゲーム感覚でリサイクルと循環型の街作りに参加する。

 3階では「プラスチックリサイクル工場見学に参加している」という設定のもと、プラスチックを素材ごとに仕分ける選別技術のノウハウについてより具体的に体験を通して学ぶ。ここでも「DJ 工場長」が、音楽やグラフィックを用いて説明するため、子どもから大人まで楽しみながら技術を知ることができる。最後は理解度テストを受け、体験結果とテストの正解数に応じて認定証を受け取る。

 家電業界は2001年に家電リサイクル法が施行されて以降、リサイクル・循環の仕組みを整えてきた。同社はリサイクルに関わる2つの工場を有し、そこでは冷蔵庫など家電製品を手作業による分解に始まり、磁石や振動、静電気などを使った金属との分別、プラスチックの種類ごとの分類やペレット化などを行っている。アトラクションでの体験は工場での作業を凝縮したような内容で、親しみやすいが内容は濃い。 プラスチック製品がどのようにリサイクルされて街に戻り、資源として循環し得る可能性があるかについて知るきっかけとなりそうだ。

 イベント開催の背景について同社は、「普段何気なく捨ててしまっているプラスチックも、リサイクルをすれば 源として循環できる可能性を秘めているんだ、という気づきを促し、来場者が身のまわりの製品一つひとつの環境への影響や、解決のための取り組みに関心を高めることを目指した」と話している。

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三菱電機「メトアギンザ」 プラスチックのリサイクルの体験型イベントを開始

 三菱電機は、東京・銀座の三菱電機イベントスペース「メトアギンザ(METoA Ginza)」で1月26日から、プラスチックのリサイクルをテーマにした体験型イベント「そだてるタウン~リサイクル ディスコ リサイクルも、ターンテーブルも、まわせばハッピー!~」をスタートした。会場の2階に昭和レトロな「ディスコ」に見立てた空間を用意。参加者は街作りの一員としてその中に入り、架空のキャラクター「DJ 工場長」の質問に答えたり、タブレットを手に音楽に合わせて踊ったりと、ゲーム感覚でリサイクルと循環型の街作りに参加する。

 3階では「プラスチックリサイクル工場見学に参加している」という設定のもと、プラスチックを素材ごとに仕分ける選別技術のノウハウについてより具体的に体験を通して学ぶ。ここでも「DJ 工場長」が、音楽やグラフィックを用いて説明するため、子どもから大人まで楽しみながら技術を知ることができる。最後は理解度テストを受け、体験結果とテストの正解数に応じて認定証を受け取る。

 家電業界は2001年に家電リサイクル法が施行されて以降、リサイクル・循環の仕組みを整えてきた。同社はリサイクルに関わる2つの工場を有し、そこでは冷蔵庫など家電製品を手作業による分解に始まり、磁石や振動、静電気などを使った金属との分別、プラスチックの種類ごとの分類やペレット化などを行っている。アトラクションでの体験は工場での作業を凝縮したような内容で、親しみやすいが内容は濃い。 プラスチック製品がどのようにリサイクルされて街に戻り、資源として循環し得る可能性があるかについて知るきっかけとなりそうだ。

 イベント開催の背景について同社は、「普段何気なく捨ててしまっているプラスチックも、リサイクルをすれば 源として循環できる可能性を秘めているんだ、という気づきを促し、来場者が身のまわりの製品一つひとつの環境への影響や、解決のための取り組みに関心を高めることを目指した」と話している。

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パタゴニアが100%植物由来ポリエステルのダウンジャケットを発売 東レと協働

 パタゴニア(PATAGONIA)はこのほど、100%植物由来のポリエステルを表地のシェルと裏地に使用したダウンジャケット“シュガーダウン・フーディ”を発売した。価格は4万5100円。このポリエステルは東レが米国のベンチャー企業ヴィレント(VIRENT)と協働して開発したもので、現在ラボレベルで生産されているが、量産化には至っていない。東レは2020年代の量産化に向けて現在、試作・開発を進めている。

 ポリエステルはエチレングリコールとテレフタル酸で構成されており、エチレングリコールはすでに植物由来の原料で東レが開発し、量産している。一方、植物由来のテレフタル酸の生成は非常にハードルが高く、量産に向けて研究開発されている状態。ヴィレントはウィスコンシン州マディソンに拠点を置き、植物由来のテレフタル酸製造に取り組んでいる。

 パタゴニアは、かねてから最重要事項として責任ある調達を挙げており、ヴィレントが製造するテレフタル酸の原材料にも入念な審査を行い、ルイジアナ州で作られる非遺伝子組み換えサトウキビを指定した。今回の植物由来のポリエステル素材は、ラボとフィールドの両方での厳しい基準に合格し、商品化に至ったという。

 パタゴニアは2025年までに環境に望ましい素材(オーガニックコットン、リジェネラティブ・オーガニック・コットン、リサイクル・ポリエステル、リサイクル・ナイロンを含む)を100%使用することを目標に掲げており、この植物由来ポリエステルはこの目標に沿うものとしている。他方で、原料生産のためにサトウキビのような農作物を栽培することはそれ相応のフットプリントが存在するとし、今後、ゴミから抽出されたものを含むバイオベースの化学繊維など他の方法を探索していくという。

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土は不要 繊維リサイクル培地「トゥッティ」がオフィスの植物レンタルを開始

 スタイレム瀧定大阪は、ポリエステル繊維リサイクル培地「トゥッティ(TUTTI)」を活用したグリーンレンタルのサービスをユニバーサル園芸社と協働でスタートした。最初の取り組みとしてTSIホールディングスがオフィスのレンタルグリーンや植栽として採用した。

 これはスタイレム瀧定大阪が進めている、廃棄される衣類などのポリエステル繊維を培地としてリサイクルする「プラスグリーンプロジェクト(PLUS∞GREEN PROJECT)」の一環で、TSIホールディングスとはこれまで商品として販売できないB品の回収・リサイクルをテストケースで進めてきた。

 「トゥッティ」はポリエステル繊維をリサイクルした“繊維から生まれた土”で、植物は何でも植えることができる。レンタルグリーンの施工とメンテナンス、観葉植物の販売は総合園芸会社であるユニバーサル園芸社が行う。

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「ディーゼル」がデニムパンツのアップサイクルプロジェクト 対象者に10%オフ優待も

 「ディーゼル(DIESEL)」は、サステナビリティ戦略「FOR RESPONSIBLE LIVING(責任ある生き方)」の一環として、デニムを回収してアップサイクルする「ディーゼル デニム リコレクションキャンペーン」をディーゼルストアとアクセサリーズストアで2月26日まで開催中だ。

 同キャンペーンは、着用することがなくなった「ディーゼル」のデニムパンツを店頭で回収し、リユースまたはアップサイクリングの取り組みに使用するもの。回収に協力すると、“ディーゼル クラブ カード”の会員を対象に、当日店頭のデニムコレクションを10%オフの価格で優待する。

 「ディーゼル」は昨年、サステナブルな取り組みと若いタレントの支援を目指して、文化服装学院と協業。ブランドのデッドストック、サンプル、ダメージ品などを提供し、学生の創造力によって、より価値のある新しい製品に生まれ変わらせるプロジェクトを行なっていた。

■ディーゼル デニム リコレクションキャンペーン
期間:1月25日〜2月26日
実施店舗:ディーゼルストア、ディーゼルアクセサリーズストア
※キッズストアとアウトレットストアは対象外
回収対象:「ディーゼル」のデニムパンツ

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“一番風呂の日”にリニューアル発売 佐藤晴美コラボの酒風呂専用純米酒“すっぴん酒風呂”

 金沢・老舗酒蔵の福光屋は、“一番風呂の日”(ふ「2」ろ「6」)にちなんだ1月26日、入浴専用の日本酒 “すっぴん酒風呂”(1800mL、税込2750円)をリニューアル発売した。モデルの佐藤晴美とコラボレーションし、サステナブルなパッケージに一新した。福光屋直営各店・通販のほか、一部の酒類販売店で購入が可能だ。

 1624年に金沢で創業した福光屋は、“純米蔵”にこだわる老舗酒造。古くから「酒蔵の職人の肌はきれい」といわれることにヒントを得て、1980年代後半から、日本酒や発酵の美容成分の研究を重ねてきた。2005年から酒風呂専用の入浴酒“すっぴん 酒風呂専用・原液”(1月で販売終了)を発売。浴槽中のアルコール濃度がお湯で薄まるため、子どもや酒が苦手な人も楽しめるとして支持されていた。

 今回、同商品をプライベートで愛用するモデルの佐藤晴美とのコラボレーションし、デザインを刷新した。ペットボトルから紙パックへと生まれ変わったパッケージは、ピンクとブルーのバイカラー。「(使い始めたのは)たまたまSNSで見かけたことがきっかけ。『中身で勝負してるぞ!』と感じるレトロなパッケージも気になった」と佐藤。「実際に使ってみると、お風呂を出た後も体がしばらくポカポカ。肌はつるんとするのに、ふんわりとした潤いを感じる。疲れているときは、塩も一緒に入れて“お清め”の意味を込めて使うことも。酒風呂の効果や日本の文化を、若い世代にもっと知ってもらえる機会となれたら」と今回の取り組みについて話す。

 福光太一郎・福光屋専務取締役は、「余分な成分は入れず、原材料は国産米と米麹だけ。生産工程でも無駄な負荷がかからないようこだわった。例えば、ボトルの赤色のキャップは、福光屋で醸造するパック酒のキャップを流用した。酒風呂が親しまれることで、日本酒業界全体を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

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「スナイデル」×「フィラ」 フード付きブルゾンやスニーカーを販売

 マッシュスタイルラボのウィメンズブランド「スナイデル(SNIDEL)」は1月25日、イタリア発祥のスポーツブランド「フィラ(FILA)」とコラボした3商品の予約を公式オンラインストアで開始した。2月1日に発売する。

 リサイクルポリエステルを使用したフード付きブルゾン(1万2100円税込、以下同)はフレアシルエットが特徴で、裾を絞ってさらにフォームを変えることができる。また、「フィラ」の“プレイオフ1990”をベースにしたスニーカー(1万2100円)は素材や色をアレンジし、インソールと箱にエコ素材を用いた。ほかに、ショートパーカ(1万2650円)をラインアップする。

 「スナイデル」は、「フェミニンさとスポーティーのミックス感に注目してほしい」と話す。

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「マリメッコ」が“キオスキ”ラインから新型を含む4種のバッグを発売

 フィンランドブランドの「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、プレーフルなベーシックアイテムを展開する“マリメッコ キオスキ”ラインから4種の新作バッグを発売した。

 人気のウニッコ(ケシの花)柄とライネ(波)柄をプリントしたもので、価格は長さの異なるハンドルを2つ付けた2ウエイトートバッグが2万900円(税込、以下同)、ストラップの調整ができ500mlのペットボトルを収納できる新型のボトルバッグが9900円など。

 「マリメッコ」は「どのバッグも非常に軽く、持ち運びに便利」と話す。また、各商品にラフに縫い付けたロゴ入りフラップは、アーカイブの残反を再利用したもので「一つ一つ表情が異なる」。

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「マリメッコ」が“キオスキ”ラインから新型を含む4種のバッグを発売

 フィンランドブランドの「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、プレーフルなベーシックアイテムを展開する“マリメッコ キオスキ”ラインから4種の新作バッグを発売した。

 人気のウニッコ(ケシの花)柄とライネ(波)柄をプリントしたもので、価格は長さの異なるハンドルを2つ付けた2ウエイトートバッグが2万900円(税込、以下同)、ストラップの調整ができ500mlのペットボトルを収納できる新型のボトルバッグが9900円など。

 「マリメッコ」は「どのバッグも非常に軽く、持ち運びに便利」と話す。また、各商品にラフに縫い付けたロゴ入りフラップは、アーカイブの残反を再利用したもので「一つ一つ表情が異なる」。

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経産省が「繊維製品における資源循環システム検討会」をスタート ユーチューブ配信も

 経済産業省は、「繊維製品における資源循環システム検討会」を1 月 20 日にスタートした。繊維産業における資源循環型経済の実現に向けた課題を議論・整理することが目的で有識者・事業者を集めて全6回開催し、2023年夏ころにとりまとめる。会の様子はユーチューブでライブ配信し、会で使用した資料や議事録は同省の公式ホームページで閲覧できる。

 20日に開催した第1回の冒頭で同省の田上博道生活製品課長は、欧州委員会が2022年3月に、30年までにリサイクル繊維を大幅に活用することなどを目標とする「持続可能な循環型繊維戦略」を公表したことを挙げ、「今後も需要が拡大すると思われる海外市場において日本企業が競争力を維持確保してゆくためには、課題整理、必要な施策を起こしてゆくことが重要だ」と語った。同省は22年に「繊維ビジョン」を15年ぶりに改訂し、そこでもサステナビリティを重要な課題と位置づけており「繊維企業の現場でサステナビリティの課題に対応してゆくことが待ったなしだ」と続けた。

 同省は、繊維製品の資源循環システムを確立するためには、大きく「回収」「分別・再生」「製造」「販売」の 4つのフェーズで異なる課題が存在し、それらを「並行的に解決していくことが不可欠」だとし、今後の議題もこれらに則したものとなる。また毎回、関連する団体や企業が発表する時間を設け、第1回はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が調査した現状や課題を共有した後、帝人フロンティアと倉敷紡績が資源循環の実例を発表した。

【座長】
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授

【委員】
天沢逸里/東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻助教
鎌田安里紗/unisteps共同代表理事
木村睦/信州大学繊維学部化学・材料学科教授
筑紫圭一/上智大学法学部地球環境法学科教授
中谷隼/東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授
福田稔/ローランド・ベルガー パートナー
向千鶴/INFASパブリケーションズ執行役員WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクター
渡邉純子/西村あさひ法律事務所弁護士

【オブザーバー】
消費者庁消費者教育推進課
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
天然繊維循環国際協会
日本アパレル・ファッション産業協会
日本ユニフォーム協議会
JSFA(ジャパンサステナブルファッションアライアンス)
日本化学繊維協会
日本繊維産業連盟

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経産省が「繊維製品における資源循環システム検討会」をスタート ユーチューブ配信も

 経済産業省は、「繊維製品における資源循環システム検討会」を1 月 20 日にスタートした。繊維産業における資源循環型経済の実現に向けた課題を議論・整理することが目的で有識者・事業者を集めて全6回開催し、2023年夏ころにとりまとめる。会の様子はユーチューブでライブ配信し、会で使用した資料や議事録は同省の公式ホームページで閲覧できる。

 20日に開催した第1回の冒頭で同省の田上博道生活製品課長は、欧州委員会が2022年3月に、30年までにリサイクル繊維を大幅に活用することなどを目標とする「持続可能な循環型繊維戦略」を公表したことを挙げ、「今後も需要が拡大すると思われる海外市場において日本企業が競争力を維持確保してゆくためには、課題整理、必要な施策を起こしてゆくことが重要だ」と語った。同省は22年に「繊維ビジョン」を15年ぶりに改訂し、そこでもサステナビリティを重要な課題と位置づけており「繊維企業の現場でサステナビリティの課題に対応してゆくことが待ったなしだ」と続けた。

 同省は、繊維製品の資源循環システムを確立するためには、大きく「回収」「分別・再生」「製造」「販売」の 4つのフェーズで異なる課題が存在し、それらを「並行的に解決していくことが不可欠」だとし、今後の議題もこれらに則したものとなる。また毎回、関連する団体や企業が発表する時間を設け、第1回はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が調査した現状や課題を共有した後、帝人フロンティアと倉敷紡績が資源循環の実例を発表した。

【座長】
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授

【委員】
天沢逸里/東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻助教
鎌田安里紗/unisteps共同代表理事
木村睦/信州大学繊維学部化学・材料学科教授
筑紫圭一/上智大学法学部地球環境法学科教授
中谷隼/東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授
福田稔/ローランド・ベルガー パートナー
向千鶴/INFASパブリケーションズ執行役員WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクター
渡邉純子/西村あさひ法律事務所弁護士

【オブザーバー】
消費者庁消費者教育推進課
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
天然繊維循環国際協会
日本アパレル・ファッション産業協会
日本ユニフォーム協議会
JSFA(ジャパンサステナブルファッションアライアンス)
日本化学繊維協会
日本繊維産業連盟

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「コーチ」が卯年を祝したコレクションを発売 トートバッグやスニーカーなど

 「コーチ(COACH)」は卯年を祝して、ウサギをモチーフにした“ルーナー ニュー イヤー”コレクションを発売した。遊び心のあるヘタウマ系のグラフィックが特徴だ。

 ペットボトルの再生繊維を原料とする100%リサイクルキャンバス製のトートバッグはワインレッド、ピンク、ホワイトの3色展開で各3万8500円(税込、以下同)。財布代わりにもなるカードケース(1万7600円〜)やリストレット(2万3100円)、ハイカットスニーカー(3万8500円)も用意する。

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「オーバーライド」が不要帽子の回収を開始、自社製品以外も受け付け

 「オーバーライド(OVERRIDE)」などの帽子ブランドを展開する栗原はこのほど、繊維専門商社のモリリンと連携し、不要になった帽子を回収・再利用するアップサイクルプロジェクトを開始した。

 東京・神宮前と大阪・南堀江の「オーバーライド」店舗に回収ボックスが設置されており、持ち込み時に店頭スタッフに声をかけると帽子一点につき一枚のクーポンがもらえる。クーポンは発効日から一ヶ月間有効。回収品は帽子のみだが、自社以外の製品も受け付ける。

 回収された帽子は、循環型繊維リサイクルボード「パネコ(PANECO)」にリサイクルされ、空間の内装やディスプレイ什器として使用される。

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英「マルベリー」が卯年を記念してミッフィーとコラボ 伊勢丹新宿でポップアップも

 英国ブランドの「マルベリー(MULBERRY)」は、卯年を記念してディック・ブルーナ(Dick Bruna)によるウサギのキャラクター“ミッフィー”とコラボしたカプセルコレクションを1月18日に発売する。

 ストラップにミッフィーをあしらったバッグや、フラップの後ろからミッフィーが顔を覗かせる財布などをラインアップする。オレンジやグリーン、ブルーなど鮮やかな色使いも特徴だ。「マルベリー」は、「素材には、国際的環境団体の認証を受けたカーボンニュートラルなレザーのみを用いる」と話す。

 「マルベリー」は、ミッフィーが上海で冒険を繰り広げるキャンペーン動画も製作した。また、同コレクションを披露するポップアップストアを1月18〜24日の期間、伊勢丹新宿本店にオープンする。同店限定の商品(8万850円〜税込)も販売し、バッグ購入者にはトートバッグをプレゼントする。

■「マルベリー」×ミッフィー ポップアップストア
日程:1月18〜24日
時間:10:00〜20:00
場所:伊勢丹新宿店本館1階 ハンドバッグプロモーション
住所:東京都新宿区新宿3-14-1

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「アーバンリサーチ」が学生と協業 12通り着られる再生羽毛のダウンジャケット発売

 「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」は、 2021年12月に実施した「第4回グリーン ダウン プロジェクト コンペティション」において、最優秀賞を受賞した大阪文化服装学院の学生、植本みのりさんの作品を商品化し1月6日に発売した。

 「グリーン ダウン プロジェクト(Green Down Project)」は“羽毛循環サイクル社会”を目指すプロジェクト。植本さんがデザインしたダウンジャケットは再生羽毛の使用に加え、12通りで着られるデザインが特徴だ。

 「一つのものを長く大切に使うということが勧められる今の時代に、長く飽きずに着ることができる物をと思い、さまざまな着用の仕方があるダウンジャケットをデザインした」と植本さん。一年を通して、長く飽きずに着ることができるデザインを目指したと言い、マフラー状の襟や袖、裾は取り外しが可能で、ダウンベストとしても着用できる。2色展開・1サイズで3万4980円。

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廃棄衣類繊維のリサイクルボード「パネコ」が引っ張りだこ デザイナーに聞いた意外な誕生秘話

 リサイクルボード「パネコ(PANECO)」がひっぱりだこだ。ワークスタジオが2021年の春に本格デビュー後、「H&M」が池袋店の什器の一部に採用したり、「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」が美容部員の700着分の制服をコースターにリサイクルしたり、さらにSHIBUYA109渋谷店が「パネコ」を使った衣服の回収ボックスを設置したりと繊維産業の課題解決の具体策として採用される事例が増えている。その誕生の背景や今後のビジョンについて草木佳大チーフ・サステナビリティ・オフィサー(以下、CSO)に聞いた。

 「パネコ」はワークスタジオが手がける廃棄衣類繊維を原料にしたリサイクルボードであり、射出成形と呼ばれるプラスチックなどの成形時に使われる手法で製造されている。環境に配慮した什器デザインなどを手がけていた同社が「パネコ」の開発を始めたきっかけは、デザイナーでもある草木佳大チーム・サステナビリティ・オフィサーの個人的なできごとだったという。「4年前に幼なじみが亡くなり、葬儀の場で友人の父と始めてゆっくりと話をした。その方は繊維企業に勤めており、衣類をリサイクルしディスプレーする方法を探していると知り、何かできないかと考えたのがきっかけだった。試行錯誤するうちにふと、服を板にできたら喜ばれるのではと思いつき、研究を始めた」。友人がつないだ縁が今、可能性を大きく広げようとしている。

グレーの色は、廃棄される服の特徴を反映している

 服から生まれ、シンプルで持ち運びしやすく、可変性があり、何度でもリサイクルできる。それが「パネコ」の魅力だ。特徴的なグレーな色は、日本では落ち着いた色の服が好まれ、混合するとグレイッシュになるからだという。

 12月に開催した4回目の展示会では、会場となったモリリン本社1階の約100㎡のスペースを丸ごとつかい、従来の什器に加えてアパレルや飲食のポップアップストアのような空間を提案した。「『服が板になりました』とパネコを見せられても、それをどう使っていいかわからないという声が多いからここでは色々な使い方を表現した」と草木CSO。色も従来のグレーに加えて、ピンクやブルーなどが加わった。色つけに染料は使わず、廃棄衣料の中から色のついた服を選別しリサイクルしている。

“工場に集まった服は一着も捨てないと言い切れる”

 「パネコ」のために集めた衣料はまず、提携している和歌山の福祉施設に集め、ボタンやファスナーを外し、プラスチックハンガーなど「繊維ではない」部分を仕分ける。多い時で月10トンほどの衣料の仕分けを担当するのは、同施設が採用するハンディキャップがある人たちだ。「パネコ」の成長とともに規模を拡大し、今では約10人の専属チームが技術とノウハウを蓄積している。今回の「色」もそのチームの仕分け作業があるから実現した。「彼らもスピードがアップしスペシャリストになってきている。応援してくれているから面倒くさいことも一緒にチャレンジしてくれるのはありがたい」。

 仕分けを追えた衣料は、協力工場へ運び成形する。今回は色付けのために選別をしたが、そもそもの「パネコ」の強みは、「繊維の仕分け」を必要とせず、服の素材を問わず、品質表示もついたまま成形ができることである。回収後の仕分けは繊維リサイクルの最大の課題と言っても過言ではない。それを丸っと省き、「工場に集まった服は一着も捨てていないと言い切れる」ことは大きな強みだ。

成形の接着剤は「こだわりの8%」

 成形にはバインダーを全体量の8%使用し、熱を加えて固める。「こだわりの8%です。これだと硬さも木版に近く、再リサイクルができる。我々が自分たちに課しているルールは『パネコ』自体も再リサイクルが可能であることです。アパレルの人たちに“服を捨てたらあかん”といっている僕らが廃棄していたら意味がなく、“作った責任”を取れることもデザインの一環です」。

 接着剤は化学物質を含む。「できれば自然由来のものを使いたいが、日本には流通量が少ない上に全体量の30%入れないと硬さが保てない」。今できることを最大限に、実用的に、は「パネコ」のデザインの特徴だ。「普通に服を固めると汚いボードになる。僕らもデザイナー集団なので、リサイクル素材だったらなんでもいいのではなく、そもそも魅力的なマテリアルであることが大切。可愛い、素敵、あったかい、実は環境に良い、というのが大事な物語。見た目で選ばれて国内で完結しているリサイクルだと自負している」。

 什器、小物から空間へ提案が広がる中で新しい課題も出てきた。建材の領域は、耐摩耗性や表面強度、不燃などさまざまなテスト問題をクリアし、建築家が安心して使える素材であることが重要だからだ。今回の展示会で見せたのは、ポップアップストアなどに適した可変性ある空間。釘などは使わず、日本の「木組」からヒントを得た手法で、パネルの凹凸を組み合わせることで構成している。

「リサイクル後」の絵を描けるプロジェクトは成功しやすい

 「パネコ」がアパレル企業と取り組む際にこだわっているのは、「回収・リサイクル」の循環を一緒に創出することだ。余剰在庫の回収だけ、といった依頼は基本的には受けておらず、「それをどうリサイクルし活用するか」を合わせてプロジェクト化する。

 「僕らは回収で生業を立てていないので、パネコにして使ってもらってナンボ。だから『余剰在庫を回収してほしい』という依頼から入ると正直、止まりやすい。売れ残りを『パネコ』にすれば『捨てない』結果は得られても、店舗で使用する段階で『ブランドイメージに合わない』、『価格が合わない』といったもめ事がおこりがちです。逆に店舗デザインチームがリードするケースは、リサイクル後の絵が見えているからスムースに進みやすい」という。「店舗改装を見据えて回収ボックスを設置し、来店客から集めた服を『パネコ』化し、新店の内装に使用するといった顧客参加型の循環ストーリーが盛り上げる」。

同世代と猛進したい

 草木CSOいわく、企業内の循環アクションが「うまくいく」、もうひとつのポイントは、彼と同世代である「30代くらいの、現場寄りのリーダーが、猛進して周りを巻き込むケース」だというから面白い。「環境は新しい分野だからか、先輩世代より僕らの世代の熱の入り方が本気だとも思う。確かにトップダウンの方が決済はおりやすいけれど、どう使うかは結局現場。数字や売り上げももちろん大事だけど、『こんなことしたい』などクリエイティブな発想を持つブランドとの方がよい結果が出やすい」。草木CSO自身、パネコ誕生の際には猛進した。「ワークショップはリサイクルの会社でもないけど、原社長はアイデアに可能性を感じて、ゴーサインを出してくれた」と振り返る。「原いわく、日本に石油はないけれど、街には服がたくさんあるからそれを原料にいろいろなことができると。確かにそう思う」。

 今後の課題は量産化とデザインのバランスだ。現在の生産体制では年間の生産キャパシティは50トンで上限に近づいている。「脱廃棄社会をうたっている以上、50トンではわずかな貢献にしかならない。ゴールは、廃棄衣料がなくなってパネコを作らなくて良くなったとき。そのためにもこのノウハウを広げるべきと思うが、かといって量産化により意匠性が失われる。標準化した量産と、デザイン性のあるこだわり。その2軸を作っていきたい。」。

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レイア姫も着用のフィンランド発ジュエリー「カレワラ」を選ぶ理由 自然・環境への配慮と利益の3分の1をチャリティーに寄付

 フィンランド発ジュエリー「カレワラ(KALEVALA)」が2022年秋、日本に上陸した。「カレワラ」とは、フィンランドの民族叙事詩のことで、初版発行から100周年の1935年に女性作家のエルサ・へポラウタが創業。自然を感じさせる有機的で他にはないデザインが魅力で、フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)第46首相をはじめ、オノ・ヨーコなどが着用。1970年代の映画「スターウォーズ」では、レイア姫のネックレスに「カレワラ」が採用されている。日本では、公式ECで販売中だ。

 「カレワラ」の魅力は、デザイン性だけではない。創業時から貫かれるその徹底した企業姿勢にある。通常、ジュエリーブランドというと、マーケティングの一貫としてインフルエンサー起用、SNS発信などでブランドを知ってもらい、商品を手に取ってもらうという戦略が多い。「カレワラ」は、マーケティングとは相反するコミュニケーションを取っている。創業以来受け継がれるキーワードである“女性”“チャリティー”“サステナビリティ”に真摯に向き合い、企業活動を行っている。

創業時から続くチャリティー精神

 多くの企業が近年CSRの一貫でチャリティーに協力しているが、カレワラは、創業時に遡る。ジュエリーブランド創業の目的は、叙事詩「カレワラ」に登場する女性を讃える銅像をつくることだった。その銅像建設委員会の活動を引き継いだカレワラ女性協会が今でも「カレワラ」の所有者だ。1939年に戦争が勃発したため、銅像建設は一時中断。それまで集まっていた資金は、戦争被害にあった女性や子どものために使用された。それ以来、チャリティーはカレワラの企業活動の一部として継続している。毎年利益の3分の1をチャリティーおよび自社スタッフの福利厚生に充てている。

女性による女性のための企業活動

 カレワラは女性が立ち上げ企業。その創業時からの女性を支援する精神は代々受け継がれている。同社は創業以来、フィンランドを代表する企業として1980年代の一時期を除き女性が運営。2019年に最高経営責任者(CEO)に就任したキルシ・パーッカリは、8代目の女性トップだ。1960年代にデザインは男性の領域だったが、ファッションアーティストのパウラ・ハイヴァオヤをデザイン責任者に起用するなど女性の活躍できる場をつくった。

 カレワラは、チャリティー面でも女性をサポート。ケニアの村マコンゲニにカレワラトレーニングセンターを設立し、年間190人の弱い立場に置かれた16~25歳の女性に理髪、裁縫、情報処理のトレーニングを提供している。また、フィンランドの全国障害者協会であるルセッティと協業でデジタルプラットフォーム「障害のある少女」を立ち上げ、イベントなどを通して障害のある女性を支援するなど、活動の場を広げている。

リサイクル素材と自然の力で生まれるジュエリー

 カレワラの活動はクリーンエネルギーに支えられている。80人以上が働く工房では、LED照明を使用し、風力発電と屋上のソーラーパネルで自家発電した電気でまかなっている。また、ジュエリーの製作過程に出る排水を浄化して再生水を再び製造に使用し、水の使用量を削減するなど、徹底的に無駄を省き、環境に優しいエネルギーにこだわり、可能な限り循環させている。

 ジュエリーの素材についても、ゴールドは100%、シルバーは95%リサイクル由来のものを使用。シルバーもゴールド同様、100%リサイクル由来にすることを目標にしている。ジュエリーボックスや配送用放送には持続可能な森林資源であるFSC認証の段ボール素材を採用。

 あらゆる企業の課題である環境負荷の減少だ。カレワラの自社への設備投資は相当なものだと思う。このように、できるだけ使用するエネルギーは自社でまかない循環させるという姿勢がすばらしい。

 リサイクル素材にこだわり、循環エネルギーを使用してつくられたジュエリーは、とても美しい。

 ローンチイベントで来日したパーッカリCEOは、来場ゲスト一人一人に挨拶し、カレワラの企業ストーリーを説明。単なるジュエリーブランドの発表会とは違う、一歩踏み込んだ丁寧なプレゼンテーションは、新鮮かつ好感が持てた。環境や人に、実際貢献するジュエリーブランド「カレワラ」。私は、そのユニークな個性がある「カレワラ」のジュエリーをまといたいと思う。

 なぜなら、その美しさとオリジナリティー、そして、その企業姿勢が理由だ。

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生産者・ロースター・生活者をつなぐ 「ティピカ」が目指すコーヒーの循環コミュニティー

 コーヒー生豆のダイレクトトレードを行うオンラインプラットフォーム「ティピカ(TYPICA)」が注目を集めている。2019年に創業以降急成長を遂げ、現在32カ国2000以上の生産者と、日本や韓国、台湾、ヨーロッパなど39カ国3500以上のロースターがサービスを利用。生産者の経済基盤を守りながら、“透明性の高いサステナブルなコーヒー”の世界規模での流通を目指す。山田彩音「ティピカ」共同創業者が、コーヒーを通じて実現したい社会とは。

頑張っておいしく作ったものが
正当に評価される社会へ

WWDJAPAN(以下、WWD):「ティピカ」を立ち上げた経緯は?

山田彩音「ティピカ」共同創業者(以下、山田):大学卒業後にロースターとして働いていた頃、豆の品質から入れ方まで全工程にこだわる“サードウェーブコーヒー”が流行していた。でも日本では地理的な条件や取引量などを理由に、生産者と直接関係性を築くのが難しい現状を目の当たりにした。“〇〇さんが作ったコーヒー”として販売しつつも、ロースター側は実際には生産者のことを何も知らない。さらに、ダイレクトトレードは基本的に約18tの海上コンテナ単位で行われており、スタートアップのロースターが1カ月に消費できる生豆はせいぜい500kgのため、生産者から直接購入するには費用対効果が合わない。もっと気軽にダイレクトトレードできるプラットフォームを作りたいと、「ティピカ」を創業した。

WWD:オランダ・アムステルダムで創業した理由は?

山田:まずは、コーヒー生豆の主な原産地であるアフリカへのアクセスが良いこと。そして、グローバル展開を視野に入れていたので、コーヒーの流通量が多いヨーロッパで創業したかった。

WWD:海外と日本でコーヒーに対する価値観の違いは感じる?

山田:日本のロースターは職人かたぎで技術が高く、自身の手が届く小規模な範囲で、自分の世界観を表現している焙煎所が多い。コーヒー生豆を選ぶポイントも、品質にフォーカスしている傾向だ。一方で、ヨーロッパは事業の規模が大きくビジネス的。品質も重要だが、自分がそのコーヒー生豆を取り扱うことへのソーシャルインパクトを意識しているロースターが多い。背景にあるストーリーや生産者の考え方が好きという理由で選んでいるように見受けられる。

小規模生産者の品質と価値を守る

WWD:「ティピカ」は麻袋1袋(60kg)から生豆をダイレクトトレードできる。生産者へのメリットは?

山田:コーヒー生産量の67%は、小規模生産者によるものといわれている。小規模でこれまで輸出が難しく、地元のマーケットに安く売るしかなかった生産者もダイレクトトレードが可能になった。また、生産者は自ら価格を決定でき、ロースターは購入前に価格の内訳を確認できる。価格の透明性を確保しながら、誰にどの生豆が届いたかが分かる点が喜ばれている。

WWD:どのような生産者にオファーしている?

山田:高品質でおいしいことはもちろん、コーヒーを通じてサステナビリティや社会貢献を目指している生産者には、積極的にオファーしている。例えば、CO2排出量や水の使用量を抑えた、栽培方法を取り入れているなど。また、小規模農家は貧しく、子どもが学校に通えない家庭も多い。「ティピカ」の最初のキュレーターであるエチオピアのモプラコ社は、農園近くの学校に教科書や学用品を供給して、産地のコミュニティーに貢献している。

生産者と生活者をつなぐ取り組み


WWD:来年には世界各地のコーヒーが毎月届くサブスク「ティピカ クラブ」を立ち上げる。

山田:「ティピカ」はコーヒー焙煎業者だけでなく、一般生活者にもメッセージを発信している。生活者からも「コーヒー生産者に興味はあるが、彼らにどうアプローチしたらいいか分からない」という声が多く届くようになり、それなら今「ティピカ」に登録しているロースターとパートナーシップを結びながら、生産者の顔が見える旬のコーヒーが毎月届くサービスを作ろうと立ち上げた。

WWD:生産者にチップを送ることができるアイデアが斬新だ。

山田:「ティピカ」の目的は「おいしいコーヒーのサステナビリティを高めること」。そのために、生産者・ロースター・生活者が循環するコミュニティーとなってこれを実現できたらと考えた。チップがコーヒーの乾燥棚や、エチオピアの山奥の子どもたちの教科書のために使われ、直接インパクトを与えられる取り組みは業界としても新しい。

WWD:ほかにはどのような取り組みを?

山田:世界中のロースターが、コーヒー生産者を訪ねる様子を映像に収めたドキュメンタリー「ティピカ ラボ(TYPICA LAB)」や、日本の優れたロースターを紹介する「ティピカ ガイド(TYPICA GUIDE)」など。さらに、年明けにはコーヒー生産地にシェードツリーを植樹する「オカゲサマ(OKAGESAMA)」もスタートする。緑が増えることで地球温暖化防止につながるし、コーヒーチェリーを摘むピッカーを暑さから守ることもできる。ほかにも地盤が頑丈になり、水害からコーヒーの木を守ることができるなど、多くのメリットがある。これも、ロースターと生活者が一丸となったプロジェクトだ。

WWD:今後の目標は?

山田:来春ニューヨークでサービスをローンチする。マンハッタンの中心で、ダイレクトトレードされた新鮮な豆を適正価格で販売するシーンを作れば、「ティピカ」が次のウェーブを起こすきっかけになることができるかもしれない。また、高品質なものへの需要が高まり、超高額なコーヒーが取引され始めている中国にも進出予定だ。世界中に拠点を持って流通量を増やし、生産者に貢献し、頑張っておいしく作ったものが正当に評価される社会を目指したい。

高品質なコーヒーが毎月届き、
社会貢献もできる「ティピカ クラブ」

 「ティピカ クラブ」は、生産者の顔が見えるコーヒーが毎月届く、焙煎豆のサブスクリプションサービスだ。ダイレクトトレードによって輸入されたコーヒー生豆を日本各地のロースターが焙煎する。豆と粉は100〜1000gの4種類で価格は月額2400〜8000円、ドリップバッグは8、15、30袋で価格は月額1600〜4800円。会員は生産者にメッセージを送ったり、チップを払ったりすることも可能だ。チップは、コーヒーを通じたサステナビリティの取り組みに使用される。2023年1月31日まで会員を募集中で、4月始動予定。

問い合わせ先
ティピカ
https://typica.jp/contact/

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「ベドウィン」とコラボも ロサンゼルス発のサステナブルスニーカー「クレイ」のこだわりのモノづくり

 ロサンゼルス発のシューズブランド「クレイ(CLAE)」は、快適な履き心地と洗練されたビジュアルで認知を拡大中だ。リサイクル素材やビーガンレザーを使用し、再生可能エネルギーのみで工場を操業するなど、サステナビリティへの配慮が前提となったものづくりを実施する。その取り組みが共感を呼び、フランスのジュエリーブランドが販売員のユニフォームとして「クレイ」のシューズ採用したケースも。日本では2022現在、百貨店やオンラインなどで約30店舗を展開する。「コロナ禍以前から業績の年間成長率は20〜30%を維持している」と語る「クレイ」を率いるジェローム・トゥイリエ(Jerome Thuillier)=ブランド・グローバル・ディレクターにブランドが伝えたいメッセージやものづくりのこだわりなどを聞いた。

ブランドのコアバリューの
更なる強化を進める

WWD:ブランドのDNAは?

ジェローム・トゥイリエ=ブランド・グローバル・ディレクター(以下、トゥイリエ):「クレイ」は2001年にロサンゼルスで生まれたブランド。履き心地が良く、清潔感があり、洗練された素材を使ったスニーカーが、クラシックシューズとスポーツスニーカーの中間的ポジションとして人気を集めた。特にスケーター界隈では、スケート後にそのまま出かけられる、“アフタースケート”のシューズとして注目を浴びた。色使いや形、ロゴの使い方などがシンプルな見た目で、スニーカーとしては挑戦的なデザインだったと思うが、そのミニマルなところが愛される一因だろう。良い“テイスト”を持ったお客さまに支持されてここまできた。

WWD:ブランド・グローバル・ディレクターとしてどこまでブランドを統括する?

トゥイリエ:スケート業界に何年もいたので、「クレイ」というブランド自体は、ユーザーとして初期のころから気になっていた。正式に現職に就いたのは15年だが、数年前からコンタクトは取っていた。ヨーロッパに拠点を設け、マーケティングを担当するオフィスを作るというアイデアを掲げてディレクターに。フランスとロサンゼルスをつなげながら、デザインなども見ている。「DCシューズ(DC SHOES)」や「ヴェジャ(VEJA)」で得た経験は市場の理解に役立ち、今日に生きているだろう。最高の“カクテル”を作るためのレシピを作っている気分だ。

生産エネルギーや使用素材にこだわり
環境問題に対する確かな理念

WWD:「クレイ」のサステナビリティへの取り組みはどのようなものがある?

トゥイリエ:立ち上げ当初はオーガニック・コットンなどの素材を取り入れつつ、常にビーガン素材を使ったスニーカーをそろえていた。15年に入社したとき、製品の素材調達から改善したいと考えた。まずはビーガン素材の取り入れを増やし、そのほかの合成樹脂(プラスチックやポリ塩化ビニール)で作られていたパーツは全て、プラスチックごみのリサイクル素材などに変更している。これまでリサイクル素材で作られていなかったシューズの設計を見直している。メイン商材のレザーシューズはレザー・ワーキング・グループ認証のレザーを使用。ベトナムに拠点を置くパートナーは再生可能エネルギーのみで運転しながらレザーを生産している。太陽光や風力発電で生まれたエネルギーを使用し、生産に使用する水は工場内で循環させる。時間をかけて改善してきたところだ。早い段階からさまざまな素材の仕様に乗り出していたので、多くの試行錯誤がある。われわれがまずは道をかき分け、多くの人がその道に続くよう整えるのが使命だと思っている。

WWD:スニーカーはどのくらいの割合でリサイクル素材を使用している?

トゥイリエ:スニーカー単位では、完成品の数値を示すのは難しい。インソールは100%リサイクル素材を使用しているが、他の部分は22年現在、50〜70%となっている。ほぼ全ての製品に異なる割合でリサイクル素材を用いている。動物性レザーの丈夫さも理解して使用しているが、ビーガンレザーを使ったスニーカーは10%程度だったものが22年現在は50%を超えている。

WWD:ビーガンレザーへの完璧な置き換えを目指す?

トゥイリエ:動物性レザーは耐久性に優れていることは間違いない。ただそこだけにフォーカスすると動物の福祉などが考慮されなくなってしまう。現段階では、バランスを見つけることが鍵だと思う「クレイ」は動物性レザーの代替となる植物由来の素材を積極的に取り入れており、レザーの質感や見た目の美しさには自信がある。

WWD:サステナビリティのゴールは?

トゥイリエ:5年前、私の目標は現在とは大きく異なっていた。今までやってきたことをすごく誇りに思っている。これからの目標は、100%リサイクル素材を使ったスニーカーを、生産コストを抑えて作ること。材料がリサイクルされていたとしても生産にエネルギーを使うので、完璧とは言えない。いつか、中古でシューズが出回る代わりに、スニーカーを庭に植えるとそこから植物が生えるようになるかもしれない。そんな未来を信じている。

「クレイ」のストーリーを
日本のフットウエアファンに

WWD:ブランドのメイン市場は?

トゥイリエ:フランスやイギリス、ドイツを中心とする西ヨーロッパ。“ロサンゼルスらしさ”がヨーロッパやアジアで良い反応を生んでいると実感する。ロサンゼルスといえばサーフィンや西海岸の雰囲気をイメージする人が多いと思うが、実際はかなり複雑な都市だ。海岸を外れると、周りはより広い自然に囲まれていて、砂漠もある。セレブリティーも多く暮らし、多くの産業が生まれている。とてもユニークなエリアだ。

WWD:日本ではリーガルコーポレーションが販売しているが、日本市場は今どのフェーズにあると思う?

トゥイリエ:まだまだ初期段階だ。シンプルなもの作りというのは、実際すごく難しいことで、最高の品質と快適さを追求しなければ成立しない。だから、時間をかけて、そのストーリーを伝えていきたいと思っている。だからこそ「ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)」(以下、ベドウィン)とコラボレーションもした。

コラボを通して
多面的な魅力を創造

WWD:これまで「アニエスベー(AGNES B.)」などともコラボをしてきた。11月19日に発売した「ベドウィン」とのコラボレーションアイテムのこだわりは?

トゥイリエ:コラボレーションをしたアイテムは一生残るので、コラボ相手はブランドや調達方法、パッションなど、細かいところまで見て決定している。「ベドウィン」を立ち上げ、ディレクションする渡辺真史とはコラボについてだけでなく、スケートボードや旅行、ロサンゼルスについてなど、同じバックボーンを共有するから生まれるニッチな対話ができた。話すうちに、どのように「ベドウィン」のビジョンと、「クレイ」の環境問題への理念を融合できるかを考えていった。コラボスニーカーには「ベドウィン」のアパレル製作時の残布を使って、パッチワーク風にアレンジしている。

WWD:フランスではポップアップも開催している。日本での出店計画は?

トゥイリエ:フランスの百貨店ル・ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)でのポップアップは売れ行きも良く、好調だ。ブランドのストーリーや背景をじっくりお客さまとコミュニケーションできる良い機会となった。来店して初めてブランドについて知った人、ロサンゼルスから観光で来ていたフランスで「クレイ」に出合った人など、さまざまな来店客とつながれた。日本でももっとブランドについて伝えていきたい。

問い合わせ先
リーガルコーポレーション
047-304-7261

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ロンハーマンがワイキキに新店 ストーリーが生まれる“ライフスタイルショップ”を世界へ

 ロンハーマンは来春、ハワイ州オアフ島のワイキキビーチ沿いに新店舗を開く。アメリカ本国ではメルローズ本店、ブレントウッド、マリブの3店舗を運営するが、サザビーリーグが商標・事業を譲受してからは初の海外出店となる。

 同店はワイキキのメインストリートであるカラカウア通りに面したワイキキ最古のホテル「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」の敷地内に位置し、店舗面積は約297平方メートル。店内は白を基調とした開放的な空間で、メンズとウィメンズのアパレルやファインジュエリー、雑貨などを取り扱う。海をキーワードに、サーフボードの廃材や海岸沿いで拾った貝などを用いたグリーンアートも配置し、ブランドの世界観を演出する。サザビーリーグの三根弘毅取締役上級執行役員兼リトルリーグカンパニー•プレジデントに出店の狙いや実店舗の意義を聞いた。

WWD:出店の狙いは?

三根弘毅サザビーリーグ取締役上級執行役員兼リトルリーグカンパニー・プレジデント(以下、三根):いつも自分が出張に行きたいところや“気”のいいところに出店している。もともとハワイは、2015年頃から物件を探していたが、家賃が高くて手が出せなかった。カラカウア通りは、パリのシャンゼリゼ通りよりも人通りが多く、カップルから子ども連れの家族までが集まり朝から夜遅くまで賑わっているような場所だ。僕自身もよくサーフィンをしに行ったり、子どもと旅行したりする。こんなところに店を構えられたらいいなとずっと思っていた。海から100メートルもないような場所で、デザイナーズのウエアやアクセサリーに出合える意外性も面白い。家族がディナーをした後の帰りに寄って、ワンピースを買ってくれるような店になったらうれしい。気持ちの良い場所に出したかったというのが大きな理由だが、戦略的な部分では、世界中の人々が集まるこの場所に店を構えることで、ロンハーマンの知名度向上にもつなげたい。

WWD:今の時代における実店舗の役割をどう考える?

三根:僕たちは、服やアクセサリーを売っているだけではなく、体験を提供している。ストーリーが生まれる場であることが店舗の意義だと思う。ロンハーマンとしては今後よほど面白い場所がない限り、出店しない。例えば船でしか行けない場所とか干潮の時にしか行けない場所とか。とにかく、不便なところがいい。今の時代モノが欲しければECでクリックすれば次の日には手に入る。でもそれはロマンチックではない。僕は昔おもちゃ屋に行って、たくさんの商品の中から何日もかけて悩んで選んだ記憶がある。そういうストーリーがあると、モノを大事にする。ハワイの店も「2人で飛行機で行ったね。ロンハーマンでジュエリー買った日から10年だね」みたいなストーリーが生まれる場所。儲かることだけを狙って出店しても、目指す方向性から離れてしまう。自分たちが行きたい土地や僕たちのビジネスが求められているかどうかで出店場所は選んでいく。

ロンハーマン的“ライフスタイルショップ”とは?

WWD:業績はコロナ禍でも好調と聞く。

三根:絶好調だ。むしろコロナの最中が、1番業績が良かったくらい。SDGsの観点から売り上げを伸ばすよりも絶対に在庫を廃棄しないと考え方を変えたことで、利益が前より残るようになった。すごくいい勉強になったと思う。今も売り上げをどう取るかよりも、何をどう売るか、ロンハーマンがどうあるべきかをみんなで考え動いている。

WWD:ロンハーマンは国内アパレルのなかでも、いち早くサステナビリティに取り組んだ企業だった。

三根:究極はビジネスをやめた方が、地球のためになる。でも、僕たちがやめても洋服屋は残る。であれば、自分たちがアクションを起こすことで業界に少しでも刺激を与えたいと思った。事業を始めた当初から「一生着られる服を提供しよう」と言い続けてきたが、利益を出すために作り過ぎてしまうこともあったので、そこを見直した。加えて「強く、優しくあること」は以前からずっとテーマだった。僕は採用面接で「電車でちゃんと席譲っていますか?」と聞く。社会や身の回りに感謝し配慮できる心根の良い人たちにチームに入ってほしいから。結果的に今一人一人が、サステナビリティを当たり前のこととして捉え、新しい取り組みを自発的に考えてくれている。

WWD:ロンハーマンは“ライフスタイルショップ”の先駆けだが、これからの時代もその提案は顧客に響く?

三根:“ライフスタイルショップ”の定義は、単純に洋服と雑貨とアクセサリーを一緒に売る店ではない。店に足を踏み入れてから退店するまでに「明日も頑張ろうかな」と気持ちが変わるきっかけをくれるのが、“ライフスタイルショップ”だと僕は思う。お客さんをそう言う気持ちにさせたかどうかだから、それに飽きはこないだろう。ロンハーマンカフェのスタッフは、僕が驚くぐらいお客さんをもてなす。この前もお客さんが足をひきずっていることに気付いたスタッフが、絆創膏を差し出して感謝状をいただいた。しかも、スタッフは何人にも同じようにおもてなしをしているから、感謝状が届いてもどの人からかわからないくらいだ。お客さんからは、スタッフの接客がいいから過ごし易いと言ってもらえる。ハワイもそう言う店になってほしい。親が試着している間に、子どもはスタッフと自由に遊んでいるような空間を目指したい。

■ロンハーマンワイキキ店
オープン日:来春予定
時間:8:30〜22:00
定休日:無休
住所:Moana Surfrider Hotel, A Westin Resort & Spa, Waikiki Beach 2365 Kalakaua Ave.Tower Wing Shop #1 Honolulu, HI 96815

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オーラルケアブランド「スワッグ」がデビュー 新感覚の磨き心地を実現

 オーラルケアブランド「スワッグ(SWAG)」が12月にデビューした。“So What, All Good. Goodbye, BAD BREATH.(それがどうした!?問題ないよ!!グッバイ、バッドブレス!)”をコンセプトに掲げ、歯ブラシ、舌クリーナー、歯磨き粉、マウスウォッシュの4製品をラインアップ。西海岸をイメージしたデザインが特徴で、FSC認証紙のパッケージを導入。歯ブラシと舌クリーナーのパッケージには、廃プラスチックを再加工した再生樹脂を採用した。ロフトとブランド公式ECで取り扱う。

 歯ブラシ(税込990円)は、微細毛1本の太さを0.4mm、0.6mm、0.8mmの三重構造で構成。歯間の汚れやプラークの除去に効果を発揮しながら、歯と歯茎にマッサージ効果を与える。舌クリーナー(税込990円)は、人間工学に基づきフィットするように設計。舌の突起に合わせた97本のブラシと三重のスクレーパーで表面に付着した舌苔を取り除く。2品ともヘッド部分が取り外し可能で、耐久温度100度に対応しており熱湯消毒ができる。また、ブラシ部分にTPE素材(熱可塑性エラストマー)を採用したことで“新感覚の磨き心地”を体感できるという。

 歯磨き粉(税込1430円)は、ナチュラルな処方にこだわり、ココナッツ由来のアミノ酸系界面活性剤を採用した。マウスウォッシュ(税込1650円)は、唾液の分泌を促し、虫歯になりにくい口腔環境を整えるといわれる白樺の木から抽出したキシリトールを処方した。ボトル使用後にはマイボトルとして再利用も可能。2品とも共通成分としてミント成分を配合し「最上級の爽快感」を実現した。

問い合わせ先
「スワッグ」
info@swag.tokyo

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「ゴールドウイン」が製品の修理サービスを無料化

 ゴールドウインは、オリジナルブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の修理サービスを1月10日から無料化する。同社はこれまでも自社製品を対象に有料の修理サービスを行ってきたが、「より長く使用され、顧客との信頼を築くこと」を目指し、「ゴールドウイン」製品に限定して修理を無料化する。

 修理サービスの対象は、ソックスや下着などの消耗品と製品寿命による退色や傷があるもの、法人向け製品を除いた全アイテムだ。ファスナーの付け替えや破れの修復など、製品本来の機能回復を目的としたサービスのみで、サイズ直しやクリーニングなどは有料となる。修理は直営店への持ち込みか公式サイトから依頼でき、富山に構えるリペアセンターで対応する。修理期間は平均約4~5週間。

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飲食業界に広がるSDGsなカクテルって?【ウィズコロナで進化する幸せ産業】

沖縄でのアガベ産業発展を目指す
「アガベサミット」を初開催

 2022年を振り返ってみると、SDGsへの意識はさらに高まり、サステナブルな未来を目指す姿勢が定着したように感じる。だが、多発されるだけに熱意が伝わらず、義務や虚栄が透けて見えることもあり、そのやらされている感にムズムズするのは私だけだろうか?

 そんな中、10月22日に沖縄で開催された「アガベサミット」には熱量があった。テキーラの原料になるアガベを沖縄で栽培し、産業のひとつとして発展させようというムーブメントだ。沖縄本島中部の金武町のブルーアガベ畑まで足を運び、その成長を見守りながらテキーラやメスカルを味わう、初のイベントとなった。テキーラを扱うバーやインポーターも積極的に参加し、初めてのイベントづくりに技術や発信力で貢献。その結果、幅広い層の共感を集めた。同イベントでは、テキーラの奥深さを伝え、啓蒙しようという思惑もある。そんな「アガベサミット」開催を食のスペシャリストが支えた。

 会場となった、アガベ畑があるプランツショップ&カフェ「グリーンフィールド沖縄(GREEN FIELD OKINAWA)」では、施設を生かして、カフェ内にテイスティングバーやショップを開設。芝生広場にもキャンプ用テントを立て、那覇や東京の人気バーが出店した。モンゴル風の移動式住居ゲルは、アガベを原料とするスピリッツ、メスカルのブースに。日本メスカル協会のフェリー・カデム(Ferri Khadem)会長が、自らシェイカーを振った。Asia Best Bar50で5位に選出された、東京・新宿のバー「ベンフィディック(BEN FIDDICH)」の鹿山博康氏、各イベントで活躍する永野誠氏、沖縄初のミクソロジーバー「アルケミスト(ALCHEMIST)」などを展開する若きホープ中村智明氏など、トップバーテンダーのカクテルを味わえるとあり、都内からも多くの人が訪れた。現地までは、那覇中心地から送迎するシャトルバスも運行。ドライバーのためにノンアルコールのモクテルやコーヒーのブースも用意した。その他、アガベをはじめとする多肉植物の販売や、メキシコの民族衣装を着たミュージシャンやエイサーの演奏などでもにぎわい、アガベをテーマにした大人の文化祭、村祭りのような和やかさだった。

 同サミットはメキシコ大使館や金武町、沖縄タイムスや沖縄テレビが後援し、土地と土地をつなぐイベントとなった。会場内では、タコスやヤギ汁と、テキーラのマリアージュを試す人々もいた。金武町でアガベの栽培が広がり、沖縄生まれのアガベスピリッツが実現すれば、雇用の機会も生まれる。同サミットには、「アガベを生活に取り入れて、暮らしがもっと豊かになりますように」というメッセージも込められている。沖縄には、野生のアガベがいたるところに生息しているといい、その可能性は遠い未来ではないかもしれない。

 同イベントが成功した背景には、クラウドファンディングで資金を集め、運営したことがあると思う。それによって自分ごと化され、賛同者を巻き込んだ。中にはトークショーに登壇し、シェイカーを振った有名バーテンダーもいた。クラウドファンディングに賛同して事前にチケットを入手し、運営の進展具合をSNSで見守る。Tシャツやテキーラのボトルなどのリターンをプラスしたプランを選ぶこともできる。初のイベントだけに、事前に訪れる人数を把握できるのは、運営上大きなメリットだろう。参加者全員がサポーター気分になった。

福島の食材を生かした限定ランチ企画
東京の名店シェフが参加

 飲食業界のスペシャリストが地域の生産者とつながり、食材の魅力や可能性をただ発信するのではなく、付加価値をつけて高める取り組みが、この1年は目立ったように思う。例えば、「美味しいふくしま食材発掘プロジェクト」の一環として、人気レストランのシェフが福島県産の食材と向き合い、メニューを考案した、限定ランチメニューのコラボ企画。参加したレストランは、東京・丸の内の丸ビルにあるピッツェリア「イゾラ スメラルダ(ISOLA SMERALDA)」や「日本料理ざぜん」などジャンルもさまざま。食通をうならせる名店のシェフが競い、言葉では伝わりにくい素材の奥深さを、発想と技術で昇華させた。

 中でも私が感動したのは、「バル デ エスパーニャ ムイ(BAR DE ESPANA MUY)」で提供された、福島牛モモ肉とサラダクレソンのローストビーフ丼だ。通常26カ月くらいの肥育期間を、約30カ月かけて生育した雌牛を仕入れて調理。福島牛の良質な脂質と旨味が生きるシンプルな丼にした。薄く繊細にカットしたローストビーフがいわき産ミルキークィーンをカバーし、薔薇の花のように華やかな仕上がり。福島牛は肉色も優れているのだ。昼と夜の寒暖差がある気候で、でんぷんをたくさん蓄えた甘みのある福島米に、牛肉の脂がうまくしみこみ、強い旨味をしっかりと味わうことができる。最後は、ガーリックライスのような濃厚な味わいに。素材がより輝く1品だった。

カクテル業界にもサステナブルの波
ごみを出さず、循環させるカクテル

 サステナブルの波は、カクテル業界にも浸透している。毎年開催されている「東京カクテル7デイズ」が今年も実施された。コロナ禍で人数を分散させるために開催を昨年は1カ月延長したが、今年は10日間の会期となった。「バカルディ(BACARDI)」や「ヘンドリックスジン(HENDRICK ‘S GIN)」などのパートナーブランドがポップアップバーを出す、ヴィレッジなるイベントも3年ぶりに復活した。ようやくバーライフが日常に還ってきた。

 今回、注目を集めたのが「ごみを出さず、循環させる」という試みだ。その点でいうと、「ホテルニューオータニ」内の「バー カプリ(Bar Capri)」は、レストランや宴会場の生ごみを有機たい肥にし、コンポストプランツを使ったカクテルを1999年から提供している先駆者だ。他にも、「ザ・エスジー・クラブ(The SG CLUB)」では、「灰まで使い切る」という意味を込め、廃棄ゼロを目指した「アッシュ(ASH)」を渋谷に今年5月にオープン。スタッフの制服も土に還る和紙由来の素材を選ぶ意識の高さだ。SDGsの観点から、樹上完熟果実やハネ出し果実を各地の農家から仕入れている下北沢の「フェアグラウンドバー&ワインショップ(FAIRGROUND BAR&WINE SHOP)」、大きな家畜より環境負荷が少ないたんぱく源、昆虫を取り入れたカクテルを考案したバー「リブレ銀座(LIBRE GINZA)」など、バーならではの視点で持続可能な未来への問題提起をしている。
 
 2023年には、長年にわたり環境問題に取り組む老舗ラムブランド「フロール・デ・カーニャ(FLOR DE CANA)」主宰の持続可能な材料や技術を生かしたカクテルレシピを競う世界大会も開催予定だ。同ブランドは、発酵中に排出する全CO2を回収・リサイクルし、さとうきびの搾りかすを利用した再生可能エネルギーを10年以上前から使用している。トップバーテンダーによる知的好奇心をくすぐられるカクテルの誕生に、期待が高まる。

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ベテラン職人の技術を若手に伝承 テーラーバンクが新木場にスーツのお直し拠点

 服のお直し、補修、クリーニング、保管などのアフターケアを一括で提供するテーラーバンク(岐阜市、永井正継社長)が事業を拡大している。19年の設立時から稼働する岐阜市内の専用工場に加えて、3月には東京・新木場に新しい拠点を設けた。ここで活躍するのは、マイスターと呼ばれるベテラン職人である。

 物流倉庫が並ぶ新木場。アパレル物流大手のアクロストランスポートの東京本社の一角にお直しの拠点「テーラーバンク・テクニカルラボ」がある。平均年齢70歳のベテラン職人4人が手縫い、ミシン、アイロンなどを駆使したリノベーションを行う。いずれもテーラーや縫製工場で活躍していた熟練スタッフである。

 彼らのそばでは服飾学校を出たばかりの20代前半の若者4人も一緒にミシンを動かす。永井社長は「ベテランのマイスターの技を若い世代の職人に伝える場にもしたい」を話す。服飾学校では既製品のパーツをバラして作り直すことはあまりない。服の構造を理解した上で、着る人のニーズを知る機会にもなるという。

 ここに集まるのは主に関東のパターンオーダー(PO)のスーツ店から集まるジャケットやパンツだ。POは体形を採寸するものの、ゲージサンプルを土台にして完成品を作るため、必ずしも客にフィットするとは限らない。またタイトなシルエットを好んだり、ゆとりのある着心地を好んだり、客の求めるフィット感が異なったりもする。微修正に対する潜在的なニーズがある。しばらく着用した後、サイズの修正や裏地やボタンの変更を求められるケースもある。最大の消費地である関東の拠点を、アパレル物流のアクロストランスポートの導線上に設けることで輸送の合理化を図った。

 取引先である「カシヤマ」のオンワードパーソナルスタイル、「グローバルスタイル」のタンゴヤ、ファブックトウキョウ、コナカなどのPOの店舗から多い日には50着もの服が届く。POのスーツを販売して顧客との関係が終わるのではなく、渡したスーツのお直しや補修、クリーニング、保管などを通じて関係性を維持する。アパレル側はテーラーバンクのシステムを活用することで、顧客とのエンゲージメントを深めることができる。取引先は拡大しており、1年前に比べて約3割増のペースで成長を遂げる。評価が高まり、有名セレクトショップなどからも問い合わせが増えた。

 11月からは、YOBOSHI(東京都八王子市、神谷哲治社長)と提携し、オンラインで裾上げや丈詰めを行える新サービス「fitu(フィッツ)」を導入した。消費者が会員登録をすれば、EC(ネット通販)で購入した商品の配送先をテーラーバンクにし、お直しした上で自宅に送ることができる。EC事業者がサイト内のサービスとして活用することもできる。

 サステナビリティの高まりを受けて、服を長く大切に着たいというニーズが増えている。永井社長は「アパレル企業は、お客さまに服を売ってから関係作りが始まる。ITを駆使して、シームレスな体験価値を作っていきたい」と話す。

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ベテラン職人の技術を若手に伝承 テーラーバンクが新木場にスーツのお直し拠点

 服のお直し、補修、クリーニング、保管などのアフターケアを一括で提供するテーラーバンク(岐阜市、永井正継社長)が事業を拡大している。19年の設立時から稼働する岐阜市内の専用工場に加えて、3月には東京・新木場に新しい拠点を設けた。ここで活躍するのは、マイスターと呼ばれるベテラン職人である。

 物流倉庫が並ぶ新木場。アパレル物流大手のアクロストランスポートの東京本社の一角にお直しの拠点「テーラーバンク・テクニカルラボ」がある。平均年齢70歳のベテラン職人4人が手縫い、ミシン、アイロンなどを駆使したリノベーションを行う。いずれもテーラーや縫製工場で活躍していた熟練スタッフである。

 彼らのそばでは服飾学校を出たばかりの20代前半の若者4人も一緒にミシンを動かす。永井社長は「ベテランのマイスターの技を若い世代の職人に伝える場にもしたい」を話す。服飾学校では既製品のパーツをバラして作り直すことはあまりない。服の構造を理解した上で、着る人のニーズを知る機会にもなるという。

 ここに集まるのは主に関東のパターンオーダー(PO)のスーツ店から集まるジャケットやパンツだ。POは体形を採寸するものの、ゲージサンプルを土台にして完成品を作るため、必ずしも客にフィットするとは限らない。またタイトなシルエットを好んだり、ゆとりのある着心地を好んだり、客の求めるフィット感が異なったりもする。微修正に対する潜在的なニーズがある。しばらく着用した後、サイズの修正や裏地やボタンの変更を求められるケースもある。最大の消費地である関東の拠点を、アパレル物流のアクロストランスポートの導線上に設けることで輸送の合理化を図った。

 取引先である「カシヤマ」のオンワードパーソナルスタイル、「グローバルスタイル」のタンゴヤ、ファブックトウキョウ、コナカなどのPOの店舗から多い日には50着もの服が届く。POのスーツを販売して顧客との関係が終わるのではなく、渡したスーツのお直しや補修、クリーニング、保管などを通じて関係性を維持する。アパレル側はテーラーバンクのシステムを活用することで、顧客とのエンゲージメントを深めることができる。取引先は拡大しており、1年前に比べて約3割増のペースで成長を遂げる。評価が高まり、有名セレクトショップなどからも問い合わせが増えた。

 11月からは、YOBOSHI(東京都八王子市、神谷哲治社長)と提携し、オンラインで裾上げや丈詰めを行える新サービス「fitu(フィッツ)」を導入した。消費者が会員登録をすれば、EC(ネット通販)で購入した商品の配送先をテーラーバンクにし、お直しした上で自宅に送ることができる。EC事業者がサイト内のサービスとして活用することもできる。

 サステナビリティの高まりを受けて、服を長く大切に着たいというニーズが増えている。永井社長は「アパレル企業は、お客さまに服を売ってから関係作りが始まる。ITを駆使して、シームレスな体験価値を作っていきたい」と話す。

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ローソンが古着の回収拠点に 都内店舗で実証実験

 日本出版販売はローソンと協業し、返品物流を活用した古着のリサイクル事業を始める。12月12日にローソンの環境配慮型の新店舗「グリーンローソン」(ローソン北大塚一丁目店)で実証実験を開始した。

 店内に古着の回収ボックスを設置し、集まった服はローソン店舗に配送される商品の返品物流に乗せて回収する。回収後は、リサイクル業者のナカノを通じて海外に古着として出荷するほか、軍手や工業用ウエスの原材料としてリサイクルする。回収対象は服のみで、靴下や下着は受け付けない。実証実験の期間は1月20日までで、1日90リットル袋1.5袋の回収を目指すという。

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「なんぼや」のバリュエンスが「ファッション協定」に加盟 日本企業2社目

 ブランド品の買い取り店「なんぼや」を運営するバリュエンスホールディングス(東京、嵜本晋輔社長)は、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組み「ファッション協定(THE FASHION PACT)」にこのほど加盟した。日本企業としてはアシックスに続いて2社目。これを機に循環型経済への取り組みを一層加速する。

 ファッション協定は、2019年4月にフランスのエマニュエル・マクロン大統領がケリングのフランソワ・アンリ・ピノー会長兼最高経営責任者に呼びかけて創設した。気候変動、生物多様性、海洋保護などの分野で具体的な目標達成を掲げる。ラグジュアリーブランド、小売業、アパレル、スポーツ、ライフスタイル関連の企業が対象で、ケリング(KERING)、シャネル(CHANEL)、エルメス(HERMES)、ナイキ(NIKE)、アディダス(ADIDAS)、H&Mへネス・アンド・マウリッツ(H&M)、ザラを擁するインディテックスなど現在70社以上が加盟する。

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「プラダ」が伊勢丹メンズで再生素材“リナイロン”にフォーカスしたポップアップ

 「プラダ(PRADA)」は12月14日、プラスチック再生素材“リナイロン”を使用したコレクションに特化したポップアップストア「プラダ リアクティブ(PRADA REACTIVE)」を伊勢丹新宿本店メンズ館(1階 ザ・ステージ)にオープンする。期間は27日まで。

 “リナイロン”には、水や温度、光に反応する特殊な加工を施す。例えば、ウエアにプリントした「プラダ」のロゴは水に触れたときにのみ現れる。また、ダウンジャケットなどは気温が10℃以下になると柄が浮かび上がり、蓄光性があるナイロンやジャージー生地は太陽光を吸収して暗闇でグリーンに光る。これについて「プラダ」は、「気候変動の影響を想起させるもの」と説明する。

 価格はダウンジャケットが45万6500円(予価・税込、以下同)、ナイロンシャツが36万8500円、バケットハットが9万4600円など。

■「プラダ リアクティブ」ポップアップストア
日程:12月14〜27日
場所:伊勢丹新宿本店メンズ館1階 ザ・ステージ
住所:東京都新宿区新宿3-14-1

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「カッシーナ」がヴァージル・アブローによるデザインのモジュール家具を青山本店で展示 黄金比を表現したデザインは必見

 イタリア発高級インテリア「カッシーナ(CASSINA)」を販売するカッシーナ・イクスシーは、東京・青山本店でヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がデザインした新作家具“モジュラー・イマジネーション”をエントランスに展示している。“モジュラー・イマジネーション”は2022年6月に開催されたミラノ・デザイン・ウイークで発表されたものだ。青山本店では、ミラノのショールームと同様に鮮やかなオレンジ色を大胆に施して展示。2つのサイズのモジュール家具は、自由に組み合わせ、形を変えることができ、家庭や公共の場で使用できるというものだ。側面には、ファッションアイテムのように“アブロー / カッシーナ”というロゴが施されている。

 建築学の博士号を持っていたアブローは、「カッシーナ」と共に、モジュールのデザイン的な意味を問いながらこのプロジェクトの構想を練った。アブローは、このモジュールをデザインするにあたり、20世紀の巨匠建築家であるル・コルビュジエ(Le Corbusier)が提唱した“モデュロール”を参考にしたようだ。”モデュロール“とは、ル・コルビュジェが提唱した黄金分割と人体のプロポーションにより案出されたものだ。

 “モジュール・イマジネーション”は、一見インダストリアルでありながら、手触りはソフトで弾力があり、シートとしてもサイドテーブルとしても使用が可能。オレンジ色の円筒形のパーツをユニット間にはめ込むことで連結でき、ベンチやテーブルなどができる。“モジュラー・イマジネーション”は、製品のライフサイクルが終了した時点で簡単に分離でき、回収、リサイクルできるようになっている。

 12月25日まで、LINEでお友だち登録すると、「カッシーナ」の壁紙をダウンロードでき、カッシーナ・イクスシー青山本店、名古屋店、大阪店、福岡店に来店してクーポンを提示すると、“アブロー / カッシーナ”のロゴステッカーのプレゼントがある(無くなり次第終了)。

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「ゴールデン グース」がソーホー店を循環型にリニューアル 職人と連携しリペアサービスなどを提供

 「ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)」は、米ニューヨーク・ソーホーの店舗を循環型のコンセプトを導入した“フォワードストア”としてリニューアルオープンした。同社のサステナビリティ戦略に基づく“フォワードストア”は、今年初めにオープンしたイタリア・ミラノ店に続く世界で2店舗目となる。

 店舗面積は、リニューアル前およそ4倍となる約520平方メートルに拡大した。1階はイノベーションラボを併設しアパレルやアクセサリー、ジュエリーを販売する。一部では、「ゴールデン グース」の古着も取り扱うほか、店内には2つのカゴを設置し全てのブランドを対象とした古着回収も行う。

 地下はリサイクル家具やビンテージのミシンなどを配置したアトリエ風の内装で、イタリアのビスポーク・テーラーや靴修理店と提携したリペアサービスを提供する。全てのブランドのスニーカー製品を対象に、洗濯やクリーニング、修理やパーツの交換などを受け付ける。また、職人と一緒にスーツやスニーカーを一から製作するオーダーメイドサービスのほか、来店者が持参した製品にさまざまな装飾や仕上げを施すリメイク加工のサービスも提供する。スニーカーには、刺繍やハンドレタリング、染色などに加えて、「ゴールデン グース」の特徴であるマルチフォクシング技術によるエイジング加工を施すこともできる。

 シルヴィオ・カンパラ(Silvio Campara)最高経営責任者は、「『ゴールデン グース』は20年以上、職人の伝統技術を奨励し、職人や仕立て屋、地元のアーティストらの支援に注力してきた。ブランドの靴職人と顧客が共に行動を起こすことが、私たちのミッションの鍵になるはずだ」とコメントした。

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「ボタニスト」が“国際山岳デー”に合わせて動画を公開 多様性のある森作りのため小学校での森林環境教育も開始

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は、12月11日の国際山岳デーに合わせ、“BOTANISTの森”の活動や、森の循環についてまとめた動画を公開。さらに北海道美帆町立旭小学校での森林環境教育を開始した。

 “BOTANISTの森”作りとは、北海道美幌町の伐採跡地で、「ボタニスト」が行っている植林活動のこと。同ブランドのスタンダードラインのシャンプー・トリートメントに使用している白樺を含め、複数の樹種の植林を行うことで、多様性のある森に戻す活動に取り組んでいる。2022年は白樺2000本、ミズナラ4000本の植林を行い、“BOTAISTの森”は3万㎡にまで広がっている。

 今回の取り組みは、国際山岳デーをきっかけとして、未来の環境のことを考える機会を多くの方へ届けたいという思いを込めて、動画の公開とSNSキャンペーンを実施するもの。動画では“BOTANISTの森”での活動や、新たな取り組みである森林環境教育をフィーチャーしている。

 森林環境教育は、同ブランドと森林保全団体のmore trees、さらに美幌町役場との協働による取り組み。子どもたちに自然に触れる機会を提供し、意識を高め、ともに森の多様性を守っていくことを目的にしている。

 今回の活動では、ブランドチームが実際に美幌町の森を訪れ、一つ一つ集めた広葉樹の種を美幌町立旭小学校の1年生へ届けた。実際に森で集めたさまざまな種を手にした子どもたちと、その種の種類や特徴などを話し合うなどして、自然を見て、触って楽しむ機会を提供。今後、子どもたちはこの種を“BOTANISTの森”へ植林するための苗として育てていく。

 一連の取り組みを、有識者たちも評価。東京農業大学自然資源経営学科の小川繁幸准教授は「“BOTANISTの森”の活動は、森と人が共存していく価値観を育み、その先に森の持続的な利用と、森の循環的な形成につながるきっかけになるのではないかと思う」とコメント。北海道水産林務部森林環境局の寺田宏局長は「種から育てて最終的に森を作るという “BOTANISTの森”での活動は、発芽して、それが成長するのを実感として感じていくことができる。子どもたちが自然のプロセスを最初から見ることができるという意味で、大変意義のあることに思う」と期待を寄せた。

問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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「ボタニスト」が“国際山岳デー”に合わせて動画を公開 多様性のある森作りのため小学校での森林環境教育も開始

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は、12月11日の国際山岳デーに合わせ、“BOTANISTの森”の活動や、森の循環についてまとめた動画を公開。さらに北海道美帆町立旭小学校での森林環境教育を開始した。

 “BOTANISTの森”作りとは、北海道美幌町の伐採跡地で、「ボタニスト」が行っている植林活動のこと。同ブランドのスタンダードラインのシャンプー・トリートメントに使用している白樺を含め、複数の樹種の植林を行うことで、多様性のある森に戻す活動に取り組んでいる。2022年は白樺2000本、ミズナラ4000本の植林を行い、“BOTAISTの森”は3万㎡にまで広がっている。

 今回の取り組みは、国際山岳デーをきっかけとして、未来の環境のことを考える機会を多くの方へ届けたいという思いを込めて、動画の公開とSNSキャンペーンを実施するもの。動画では“BOTANISTの森”での活動や、新たな取り組みである森林環境教育をフィーチャーしている。

 森林環境教育は、同ブランドと森林保全団体のmore trees、さらに美幌町役場との協働による取り組み。子どもたちに自然に触れる機会を提供し、意識を高め、ともに森の多様性を守っていくことを目的にしている。

 今回の活動では、ブランドチームが実際に美幌町の森を訪れ、一つ一つ集めた広葉樹の種を美幌町立旭小学校の1年生へ届けた。実際に森で集めたさまざまな種を手にした子どもたちと、その種の種類や特徴などを話し合うなどして、自然を見て、触って楽しむ機会を提供。今後、子どもたちはこの種を“BOTANISTの森”へ植林するための苗として育てていく。

 一連の取り組みを、有識者たちも評価。東京農業大学自然資源経営学科の小川繁幸准教授は「“BOTANISTの森”の活動は、森と人が共存していく価値観を育み、その先に森の持続的な利用と、森の循環的な形成につながるきっかけになるのではないかと思う」とコメント。北海道水産林務部森林環境局の寺田宏局長は「種から育てて最終的に森を作るという “BOTANISTの森”での活動は、発芽して、それが成長するのを実感として感じていくことができる。子どもたちが自然のプロセスを最初から見ることができるという意味で、大変意義のあることに思う」と期待を寄せた。

問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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H&M、インディテックス、ステラ、ケリングが共同声明 森林保全に配慮した素材調達目指す

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)とインディテックス(INDITEX)、ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)、ケリング(KERING)はこのほど、エジプト・シャルムエルシェイクで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で、50万トン以上の低炭素繊維を購入することを共同で発表した。

 カナダの環境保全NGO「キャノピー(CANOPY)」が指揮を執るこの取り組みでは、木材の代わりに廃棄衣料や農業残渣を原料に用いた次世代素材の開発に向け、集まった資金を元にインフラ設備などを進める。「キャノピー」の試算ではこれにより、従来の生産工程と比較して工場が稼働する地域の220万トンの温室効果ガス排出削減に貢献するという。

 同団体は、木材を原料とするセルロース繊維などが森林伐採につながっていることから、持続可能な原料調達を啓蒙してきた。パートナーブランドは、消滅の危機にある森林からの原料調達を避け、FSC認証取得済みの原料調達などに取り組む。

 H&Mグループのマデリン・エリクソン(Madelene Ericsson)環境サステナビリティ・ビジネス・エクスパートは、「革新的な低炭素素材は、環境負荷を減らし、森林を保全するために欠かせない選択肢だ。2030年までに全ての素材をリサイクル素材か、持続可能な方法で調達することを目指す私たちにとって、『キャノピー』との協業が大きな一歩になるだろう」とコメントした。

 同団体と長い間連携してきたケリングのユアン・レジェン(Yoann Regent)=サステナブル・ソーシング&ネイチャー・イニシアティブ責任者は、サステナブル素材をスケールアップするための支援を継続できることをうれしく思うとコメント。

 ステラ マッカートニーは、「14年から『キャノピー』と協業し、17年からは持続不可能な木材調達をやめ森林破壊ゼロに貢献できていることを誇りに思う。サプライチェーン上の新しいソリューションの発展を加速させるために、同団体と引き続き取り組んでいく」とコメントした。

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北欧美容研究家・佐藤ニーフェラ史枝のMYベストコスメ 自然素材を活かした厳選アイテムをセレクト

 今回で3回目となるMYベストコスメには、北欧美容研究家として活動する佐藤ニーフェラ史枝が登場。スウェーデンのロックバンド「マンドゥ・ディアオ(Mando Diao)」をきっかけに北欧カルチャーや美容文化にハマったという彼女は今年、スウェーデンで開催されるビューティーアワードで今年最も影響力を与えた北欧ビューティインフルエンサーとして、外国人初のノミネートを達成した。そんな彼女が今注目している北欧コスメや美容ギア、フードを紹介する。

北欧と日本の美容業界を比べて、面白いと感じる部分は?

 「一番強く感じるのは、北欧生まれの製品であることに強いこだわりと誇りを持っている企業やブランドが多いということ。例えば、製品パッケージに国旗のマークを入れていたり、国の文化やルーツを大切にしていたりしている印象が強いです。また、北欧ではメイクアップよりスキンケアに力を入れている人が多く、他国と比べるとメイクアップブランドは少ないかもしれません。日本でも買える『イドゥンミネラルズ(IDUN MINERALS)』は有名で、現地では薬局で手ごろに買えるブランドとして人気です」。

クリーンなだけではない、北欧ビューティーの面白さ

 「北欧美容というと、“クリーン”“サステナブル”“オーガニック”といった印象を持つ人が多いかもしれませんが、それだけではありません。先祖代々受け継ぎながら家族でオーガニックプロダクトを作っていたり、山の生き物たちからヒントを得て生まれていたりなど、製品ができるまでのストーリーもおもしろいのでぜひ注目してほしいです。また、北欧は共働き世帯がほとんどなので“時短美容”が主流。1本5役の化粧品や2分でホームエステなど、プロセスのシンプルさや実際の効果が重要視されています。私自身、いくらクリーンでも実際の使い心地が良くないと使い続けるのは難しいと感じているので、今回はとっておきの厳選アイテムを紹介したいと思います」。

フィンランド発の百貨店スキンケアといえばコレ!
白樺エキスで肌本来の力を目覚めさせて

 「フィンランド発のオーガニックラグジュアリースキンケアで、“ヘヌア”は人生の楽しみや幸福を表す言葉を意味します。このトナーは、ミストタイプでサッと肌が潤う&大人の肌にうれ嬉しい天然保湿成分や抗酸化エキスを配合し、肌が『おいしい!』と喜ぶものが配合されています。水の代わりに白樺エキスが配合され、抗酸化成分がたっぷり入った色味が特徴。香りは天然のダマスクローズで、自然派コスメ特有の独特な香りも気になりません。現地では白樺樹液を美容ドリンクとして愛飲している人も多く、私は“塗る美容ドリンク”の感覚で朝晩使っています。ミストなので手軽に使え、コットン使用による摩擦も防げるので敏感肌の方にもおすすめ。

 現地でもいくつもの賞を受賞しており、製品そのものだけでなく、紙パッケージもデザイン賞を受賞しています。見た目も使い心地も高品質なので、使うたびに豊かな気持ちにしてくれる貴重な化粧水。実際に使い続けて肌のきめが整のったり、乾燥しにくくなったり、肌そのもののパワーを高めてくれている気がします。北欧だけではなく中東の富裕層にも支持されていて、百貨店でも陳列されています。北欧美容業界のイノベーターとして目が離せないブランドです!」。

肌から森林浴を!
フィンランドの森から生まれたハンドクリーム

 「10月に日本に上陸したばかりのフィンランドのオーガニックブランド、『モイフォレスト』は、フィンランドの大学の研究により開発された“リコネクティングネイチャーTM(Reconnecting Nature)”を全ての製品に配合しています。“リコネクティングネイチャーTM”とは、フィンランドの森の土から抽出した微生物エキスで免疫力を高めてくれることが実証されています。ねずみ色の柔らかいテスクチャ―に一瞬驚くと思いますが、そのクリームの中には微生物エキスが入っていて、肌に馴染ませると透明に変わります。バニラのようなハーブの甘く爽やかな香りで、日中のリフレッシュと手指の保湿に最適です。べたつかないので、パソコンや携帯をいじる前にも気兼ねなく使えます。私自身、シリーズで愛用している最近のイチオシブランドです!同ブランドの“フォレストダスト クリーム”(50mL、税込5478円)はサウナに入る時に、パックとして使うのもおすすめですよ」。

デリケートゾーンのケアはこれ一択!
“艶々、しっとり、ふわふわ”を叶えてくれる

 「数々のデリケートゾーン用ケアオイルを試してきましたが、結局戻ってきてしまうのがこちらのブランド。100%植物由来で防腐剤、香料も入っていないので、安心して使えます。今注目されている美肌菌は北欧でもトレンドで、優しく菌バランスを整えながらデリケートゾーンを洗浄・保湿することが出来ます。善玉菌の餌となるスウェーデンのオーガニックオーツ麦オイル配合、デリケートゾーンの健やかな状態を作り出すポストバイオティクスも配合されています。無香料なのでデリケートゾーンケアに香料が配合されていないものを好む方にもオススメです。私は一度に3プッシュくらいを手に取り、シャワーの時にマッサージ。洗い流したあとの艶々、しっとり、ふわふわ!という健やかな感覚は、デリケートゾーンケアの真骨頂ではないでしょうか。エイジングケアを始めたい人にはぜひお試しいただきたいです」。

抗菌作用で注目のバンブー素材に
北欧ビューティ業界も注目

 「最近北欧でもエココンシャスな人を中心に流行り始めている竹素材。繰り返し使用できる竹のコットンが注目されています。北欧ブランドではありませんが、日本では『ザ・ボディショップ』などが手に入りやすくうれしいです。

 通常売られているコットンは、真っ白にするために何リットルもの水を使用しているそうで、さらに使うたびに捨ててしまうので、最近はこのように再利用できるものを使用しています。ポイントメイクアップリムーバーを含ませ、アイメイクやリップメイクを落とす際などに便利。使用後はランドリーバッグに入れれば洗濯機でも洗えます。竹繊維は抗菌作用があることでも支持されていて、最近ではコットンだけではなく化粧品のパッケージにも使われています」。

スマホ連動で使用方法をナビゲート
2分でフェイシャルケアが完結するLED美顔器

 「1一台5役のスパフェイシャル。1台で温熱、冷熱、LEDライト、振動を組み合わせたフェイシャルケアで、肌のターンオーバーを早めてくれます。たったの2分で終わるので、面倒くさがり屋の私でも唯一続けられる美顔器です!

 スマホアプリと連動し専用のマスクを使用することで、どのような手順で手を動かせばよいか瞬時にわかります。『フォレオ』専用のマスクは弾力があり、摩擦による肌負担が少なくおすすめ。もちろんご自身が愛用している化粧水や美容液、マスクでも使用できて、浸透効果を高めてくれます。乾燥が気になる肌をたっぷり保湿したい人に最適です」。

抗酸化値を示すORAC値が豊富に詰まった
サプリ代わりに食べたいチョコレート

 「コスメとは言えませんが、私が美容サプリの代わりに食べているチョコレートで、個人的に“サプリチョコ”と呼んでいるスウェーデンのチョコレートブランド『ノックス』。“食べないより食べた方がいいチョコレート”がコンセプトで、食品の抗酸化値を示すORAC値が一粒当たり1万2523。米国農務省が推奨する1日のORAC摂取量は3000~5000なので、1粒食べれば1日に必要な抗酸化値の2倍以上が摂取できるという理にかなったスイーツなんです。レモンの3倍のビタミンC含有量を誇るバオバブパウダー、必須脂肪酸のオメガ脂肪酸が補給できるチアシードのつぶつぶの食感が満腹感を与えてくれます。サプリではなく食べ物でしっかり栄養を摂りたい人にぴったり」。

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容器リサイクル後進国・アメリカ 重い腰を上げ始めたビューティ業界【鈴木敏仁USリポート】

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。プラスチックごみの削減が世界的に叫ばれる中、取り組みが遅れていたアメリカのビューティ企業が重い腰を上げ始めた。今回は大手ビューティ企業や小売業、スタートアップのリサイクルの取り組みをまとめてみた。

 環境団体グリーンピースの最新レポートによると、昨年の米国における家庭から出たプラスチックごみの総量は年間5100万トンで、そのうちリサイクルされているのは240万トンに過ぎないという。比率にするとわずか4.7%で、残りはすべて土壌廃棄か焼却されている。

 いったん商品となったものをリサイクル目的で集めて、物流し、施設で加工する、この一連の工程をリサイクルストリームと呼ぶのだが、これが完結していないケースは多い。例えばアメリカのプラスチックごみの多くが中国に送られるのだが、中国で土壌廃棄か焼却されているにもかかわらず、現地でどう処理されているのか関知せず中国へ送り出した時点でリサイクル完了とするのがほとんどと言われる。

 われわれ消費者は容器上に印字されているリサイクルマークに従って、消費後に容器を所定のリサイクルス場所に戻すのだが、そこから先は見えず、戻した時点で満足してしまっているのが現状と言えそうだ。

 ただリサイクルマークが表示されて、消費者が積極的に容器を戻すカテゴリーはまだ良いかもしれない。実はこのリサイクルが最も進んでいない分野がビューティなのである。理由は容器形状が多様かつ複雑で、複数の素材が混在するため、リサイクルにコストがかかり難しいからだそうだ。コスメに顕著で、口紅、マスカラ、コンパクトなど、思い浮かべていただければ素人でも理解できる話である。

 もちろんニーズはあり複数の企業が種まきをして取り組んできたのだが、ウォルマート(WALMART)やセフォラ(SEPHORA)といった大手企業がとうとう本腰を入れ始めて、撒かれた種が芽吹き始めたように感じている。

 この半年ぐらいの動きを以下整理してみよう。

ウォルマート:集荷用専用の大型コンテナを設置

 ウォルマートはP&Gやユニリーバ(UNILEVER)といった大手メーカーと共同で実験を開始している。対象となるのはヘアケア、スキンケア、コスメティックスで、25店舗に集荷用専用の大型コンテナを設置、ウォルマートで買ったものに限らず、また参加メーカーに限らず全ブランドを対象としている。

 回収した商品は専用施設で洗浄し、素材のタイプによって仕分けし、粉砕するなど原材料ベースになるまで加工して新たな商品製造に利用する。重要なのはリサイクルストリームを誰が担うのかなのだが、請け負うのは日本でも事業を開始しているテラサイクル社(TERRACYCLE)である。

セフォラ:リサイクル専門業者とタッグ

 セフォラは2019年に一部の店舗で空のビューティアイテムを3つ持ち込むとPB(プライベートブランド)商品を15%値下げする実験プログラムを導入していたのだが、今年の7月に専門業者パクトコレクティブ(PACT COLLECTIVE)と契約して35店舗で本格的なリサイクルを開始している。

 パクトコレクティブは店頭に専用ボックスを設置してリサイクルストリームを請け負う企業で、ビューティ専門店を中心にして北米に220店舗をカバーしている。物流観点でいえばリサイクルボックスを一定商圏内に一定の閾値(しきいち、上限値)を超えて設置することが不可欠で、セフォラの参加は効率向上に一役買うことだろう。

 ちなみに創業者は1990年代にMACコスメティックスでリサイクルプログラムに参加してニーズに気づき、中身の詰め替え可能なビューティを売る専門店の創業を経てパクトコレクティブを立ち上げている。

ザボディショップ:容器の中身詰め替えに本腰

 冒頭のプラスチックの事例のように実際のリサイクル率が低いという問題は簡単には解決できず、究極的にはリユース(容器の再使用)やリフィル(中身の詰め替え)しかないと言われている。

 専門店としてリフィルに取り組んでいる大手企業が英ザボディショップ(THE BODY SHOP)である。2019年にロンドンで実験を開始、徐々に拡大して4月にアメリカで年末までに全店舗の49%に導入すると発表している。

 アルミ製のリフィル可能ボトルを用意して既存の商品と一緒に売り、お客は中身がなくなったら自分で洗浄し、空のボトルを店頭に持ち込み込み、リフィル専用の什器を使って店員が詰め替えるという手順だ。

テラサイクル:日本でもお馴染みの「ループ」の会社

 再使用可能なパッケージを使い回すプログラムで知られているのが既述のテラサイクルで、名称は「ループ(LOOP)」、日本でも事業を開始しているのでご存知の方も少なくないことだろう。ウォルマートやクローガー(KROGER)など大手が参加しており知名度が徐々に上がりつつある。シャンプー、リンス、ハンドソープといったパーソナルケアの液体商品が主体となっている。

 お客は店頭またはネットで専用ボトルに入った商品を購入、売価には容器代が加算されて、使用後に店頭または宅配で返品すると容器代が返金される。テラサイクルは回収後に洗浄しメーカーに送り、メーカーが再充填するという仕組みとなっている。

ユニ:注目のD2Cスタートアップ企業

 ユニ(UNI)というD2Cのスタートアップも登場している。ポンプがついたディスペンサーと中身が入るボトルを分離、ボトルをディスペンサーにはめて利用する形式で、ディスペンサーは手元に置いてボトルのみ再使用するという仕組みである。カテゴリーはバスルームで利用するシャンプー、リンス、ボディウォッシュのみ。昨年初頭に400万ドルのシード資金を調達したばかりで将来性は未知だが、リユースを中心に据えたD2Cがどこまで受け入れられるのか注目だ。

若い消費者のエコ意識に背中押される

 アメリカは詰め替えの普及が遅かった国である。ハンドウォッシュやシャンプーといった液体商材で日本では詰め替えがかなり前から定着しており、なぜアメリカで広まらないか不思議に感じていた。日本は細かいゴミ分別という煩雑さがある一方アメリカは緩く、これが消費者をして廃棄意識の違いになっていたのかもしれない。

 ただ状況は変わりつつある。業界誌の取材に対してザボディショップの担当者は、Z世代やミレニアルズといった若年層が詰め替えモデルを後押ししていると発言している。アメリカでは若年層を中心にしてエコ意識が高まっており、アメリカでもようやく取り組みが拡大してきたといったところである。

 リサイクルの難しいコスメティックスで芽が出始めたのも若年層の存在がありそうだ。やらないと店舗が支持されなくなる時代が来ているのだ。

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土屋鞄のグループ会社、京都・祇園にジュエリーショップ開業

 皮革製品の土屋鞄製造所の親会社、ハリズリー(東京、土屋成範社長)は、京都・祇園にジュエリーブランド「ビズー(BIZOUX)」と「ブリリアンス・プラス(BRILLIANCE +)」の複合店を11月19日に開業した。祇園の中でも趣ある街並みが残る祇園新橋地区。重要伝統的建造物群保存地区に建つ町家造りの木造建築の外観はそのままに、店内に入ると「地層」をテーマに層を積み重ねたようなモダンなデザインの内装が印象的だ。

地元の京セラが作った人工宝石も

 1階は子会社ドリームフィールズが展開する天然カラーストーンブランド「ビズー」の店舗。自社バイヤーが世界約20カ国から買い付けた常時100種以上のカラーストーンを使った900種以上のジュエリーに加え、セミオーダー商品も取り扱う。価格は1万円台~30万円台、セミオーダーは10万~200万円台。

 注目は、京都で作られた人工宝石「ラボグロウン・カラーストーン」を使ったサステナブルなシリーズ。高度な科学技術を駆使して作られる人工宝石は、限りある資源を有効活用し、環境破壊や労働問題を解決できる。特に人工ダイヤは海外セレブの間で話題だ。「ビズー」では、アレキサンドライトやパパラチアサファイアの端材を回収して再生成する京セラの人工宝石を使ったジュエリーを販売する。

 セミオーダー専用ショーケースには、サンタマリアカラーアクアマリンやマラヤガーネットなど100種以上が並び、世界に一つだけのリングとネックレス、ペンダントトップが作れる。リングは約1800パターン、ネックレスは約1700パターンのカスタマイズが可能。他には高さ、サイズ、硬度が異なる32粒の宝石を職人技ですき間なく留めたマルチカラーリング「ブーケ」シリーズや、50種から選べるミニマルなデザインのセミオーダー「カラーカクテル」シリーズ、ジェンダーフリーの新ライン、入手困難な希少石などラインナップは多彩だ。

 ハリズリーの土屋社長は「ブライダルといえば、ダイヤモンドが主流だが、最近はカラーストーンの需要が増えている。『ビズー』では120種のカラーストーンを展開している強みを生かし、二人の思い出の色を選べるカラーブライダルも大々的に打ち出していきたい」と話す。

環境破壊が少ない海底ダイヤモンド

 2階は同じく子会社キューが展開するダイヤモンドジュエリーのブランド「ブリリアンス・プラス」のショールームを設けた。ECサイトからスタートした同ブランドは、国内外のサプライヤーの在庫データと連携することで、約3万個ものダイヤモンドをサイト上で一括検索できるのが特徴。サプライヤーから直接買い付けることで適正価格を実現している。ダイヤの種類と枠のデザインを組み合わせてオーダーする完全受注生産制で、主にブライダルジュエリーに対応する。京都店では160種以上のリングやネックレスを取り扱う。

 注目アイテムは、海底から採取する「海底ダイヤモンド」を使ったオリジナルデザインのリング。海底ダイヤモンドとは、地層ごと川に流されたダイヤモンドが、長い年月をかけて海底にたどりついたものだ。海底で採取するため、採掘による環境破壊が少なく、サステナブルな第三のダイヤモンドとして注目されている。同社は、南アフリカで海底ダイヤを採取、加工、販売する英オーシャン・ダイヤモンド社と契約し、成人の専門ダイバーを雇うなど労働環境にも配慮している。

 海底ダイヤモンドについて、同社の三木芳夫社長はこう話す。「多様な価値観が生まれているいま、よりエシカルなものを購入したいというお客さまはもっと増えると思う。私自身、土屋鞄製作所ではリユース事業も手がけていて循環型のブランド作りに興味がある。トレーサビリティがはっきりしない天然ダイヤの世界で、オーシャン・ダイヤモンド社はトレーサビリティがはっきりしていて、採掘にもかなり手間をかけている。その取り組みに共感した」。

 現在「ビズー」の実店舗は京都店を含めると11店舗、「ブリリアンス・プラス」の店舗は京都ショールームを含めて6店舗を展開。京都でひときわ風情のある祇園新橋地区を選んだのは、結婚するカップルの思い出づくりにふさわしい場所だから。「(土屋鞄製造所の)ランドセルのビジネスでは家族の思い出づくりをお手伝いすると言い続けてきた。その成功体験をジュエリービジネスにも生かしていきたい」(土屋社長)という。

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「バレンシアガ」が“純正”マッシュルームレザーのコート発売 “今までに類を見ないレベルのバイオ加工素材”

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はこのほど、キノコの菌糸から作られるマッシュルームレザー「エッファ(EPHEA)」を用いたマキシフーデッドコートを発売した。全世界23点限定で日本では青山店が1点取り扱い、価格は143万9900円。

 「エッファ」について「バレンシアガ」チームは、「純粋な菌糸体で作られた今までに類を見ないレベルのバイオ加工素材で、(合成物質との)ハイブリッド素材ではないため、成長プロセスで汚染化学物質の使用がない」といい、「独自の発酵プロセスに基づき、再現可能で、色や密度、組成、厚さなどの均一性を可能にした」と加える。

 マッシュルームレザーは、低環境負荷かつ動物の権利を守ることができるとして、皮革の代替素材として世界中で開発が活発化している。現在開発されているマッシュルームレザーの多くは、キノコ類の菌糸を培養して生産する菌糸体をベースに、石油由来の合成物質などを加えてしっとりとした柔らかさやしなやかさを実現している。合成物質を用いない場合、乾燥すると皮革のようなしなやかさはなくなり、亀裂が入るなどの課題があった。また、菌糸体の生産において、色や密度、組成や厚さの均一性を保つのは難しい。「エッファ」は「特に厚みと均質性においてこのような高水準を実現したのも初めて」だと胸を張る。生産工程では農産工業残留物を活用して最小限の資源を使用し、微量のCO2を排出しつつも、毒性物質を使わずに仕上げられている。

 「エッファ」はイタリア・イナルツォ拠点のスタートアップ企業SQIMと「バレンシアガ」、その親会社ケリング(Kering)となめし工房の1年以上にわたる協働で生まれた。

 ケリングのジェラルディン・ヴァレジョ(Geraldine Vallejo)=サステナビリティ・プログラム・ディレクターは「イノベーションと受け継がれてきた技術を組み合わせ、そして『バレンシアガ』との幾度とないやりとりで実現した。素材のコアな部分にはプラスチックも合成物質も使っていない。それこそが重要なポイントだった。ただ、一つだけ透明性という意味でお伝えすると、通常皮革にされている1mm以下の薄いコーティングには合成物質を使っている」と語る。

 「バレンシアガ」チームは、「ファッションが私たちの自然環境を枯渇させている点、再生するときに果たす役割を認識している。ブランドは今、地球を住みやすい状態に保つ方法を見つける任務を負っていると考えている。そのため、バリューチェーンとともに、会社の環境への影響を軽減し、他の人々にも同じことをするよう影響を与えるためのアイデアを継続的に研究し、実行している」とコメントを発表した。

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「バレンシアガ」が“純正”マッシュルームレザーのコート発売 “今までに類を見ないレベルのバイオ加工素材”

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はこのほど、キノコの菌糸から作られるマッシュルームレザー「エッファ(EPHEA)」を用いたマキシフーデッドコートを発売した。全世界23点限定で日本では青山店が1点取り扱い、価格は143万9900円。

 「エッファ」について「バレンシアガ」チームは、「純粋な菌糸体で作られた今までに類を見ないレベルのバイオ加工素材で、(合成物質との)ハイブリッド素材ではないため、成長プロセスで汚染化学物質の使用がない」といい、「独自の発酵プロセスに基づき、再現可能で、色や密度、組成、厚さなどの均一性を可能にした」と加える。

 マッシュルームレザーは、低環境負荷かつ動物の権利を守ることができるとして、皮革の代替素材として世界中で開発が活発化している。現在開発されているマッシュルームレザーの多くは、キノコ類の菌糸を培養して生産する菌糸体をベースに、石油由来の合成物質などを加えてしっとりとした柔らかさやしなやかさを実現している。合成物質を用いない場合、乾燥すると皮革のようなしなやかさはなくなり、亀裂が入るなどの課題があった。また、菌糸体の生産において、色や密度、組成や厚さの均一性を保つのは難しい。「エッファ」は「特に厚みと均質性においてこのような高水準を実現したのも初めて」だと胸を張る。生産工程では農産工業残留物を活用して最小限の資源を使用し、微量のCO2を排出しつつも、毒性物質を使わずに仕上げられている。

 「エッファ」はイタリア・イナルツォ拠点のスタートアップ企業SQIMと「バレンシアガ」、その親会社ケリング(Kering)となめし工房の1年以上にわたる協働で生まれた。

 ケリングのジェラルディン・ヴァレジョ(Geraldine Vallejo)=サステナビリティ・プログラム・ディレクターは「イノベーションと受け継がれてきた技術を組み合わせ、そして『バレンシアガ』との幾度とないやりとりで実現した。素材のコアな部分にはプラスチックも合成物質も使っていない。それこそが重要なポイントだった。ただ、一つだけ透明性という意味でお伝えすると、通常皮革にされている1mm以下の薄いコーティングには合成物質を使っている」と語る。

 「バレンシアガ」チームは、「ファッションが私たちの自然環境を枯渇させている点、再生するときに果たす役割を認識している。ブランドは今、地球を住みやすい状態に保つ方法を見つける任務を負っていると考えている。そのため、バリューチェーンとともに、会社の環境への影響を軽減し、他の人々にも同じことをするよう影響を与えるためのアイデアを継続的に研究し、実行している」とコメントを発表した。

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東レ、ユニクロとの戦略パートナーは「サステナ重視」へ 23年3月期に繊維で悲願の売上高1兆円に

 東レは繊維事業で、2023年3月期に売上高1兆円、事業利益540億円を計画する。繊維事業は19年3月期の9743億円、営業利益729億円(いずれも日本基準)が過去最高だった。以降は世界的なアパレル需要の冷え込みにコロナ禍も直撃、売上高は伸び悩んでいた。23年3月期は世界的なアパレル需要の回復に加え、原燃料価格の高騰なども後押しする形になる。同社は繊維事業の中長期的なミッションとして「ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ」を掲げており、2006年からスタートしているユニクロとの戦略的パートナシップについて日覺昭廣・社長は「コロナ禍もあり、対外的な発表はしていないものの、パートナーシップはもちろん継続している。21年以降のパートナーシップについては取引額以上に、リサイクルやバイオマス素材の開発などのサステナビリティを軸とした取り組みの進化に重点を置いていく」という。

 東レは今年、ファーストリテイリングの有明オフィスのそばに「有明ラボ」を設置した。主要な縫製拠点である香港やベトナムなどの海外生産拠点と連携しつつ、「有明ラボ」内でサンプル作成までできる体制を整えた。繊維事業のトップである三木憲一郎・常務執行役員は「リードタイムを短縮するなどの商流の進化やビジネスの高度化にも取り組んでおり、取引額自体は伸びている。ただ、そうした短期的な数字以上に、21年度以降はより中長期的なものづくりを重視していく」という。

 三木常務はこの数年間を「米中の貿易摩擦やコロナ禍、原燃料価格の高騰など、予測できない環境変化が続く中で、成長分野への投資など必要なアクションは取れたと考えている。収益の厳しさはあるが、サプライチェーンの高度化の道筋は付けられていると考えており、今後はリサイクルポリエステル『アンドプラス』などのサステナビリティへの投資を強化する」という。リサイクルポリエステル「アンドプラス」は23年3月期に、前期の3倍上回る売上高500億円超を計画しており、ブロックチェーンを使ったトレーサビリティシステムの開発にも着手している。また、9月には「イッセイ ミヤケ」のパリコレで、100%植物由来のポリエステル衣服を発表していた。

 また、水処理などに使用する分離膜技術を活用した、非食用バイオマスを原料とした高濃度糖液の開発にも着手しており、タイの実証プラントでは従来の蒸発法に比べて40%のエネルギーを削減できるという。この「糖」を原料に、発酵技術と分離膜を組み合わせた合成方法の開発も進めており、エアバックなどに使用するナイロン66繊維の原料となるバイオアジピン酸の開発にも成功しているという。

 来年度からスタートする中期経営計画でも、「こうしたサステナビリティ分野への投資を強化する」(三木常務)方針だ。

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東レ、ユニクロとの戦略パートナーは「サステナ重視」へ 23年3月期に繊維で悲願の売上高1兆円に

 東レは繊維事業で、2023年3月期に売上高1兆円、事業利益540億円を計画する。繊維事業は19年3月期の9743億円、営業利益729億円(いずれも日本基準)が過去最高だった。以降は世界的なアパレル需要の冷え込みにコロナ禍も直撃、売上高は伸び悩んでいた。23年3月期は世界的なアパレル需要の回復に加え、原燃料価格の高騰なども後押しする形になる。同社は繊維事業の中長期的なミッションとして「ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ」を掲げており、2006年からスタートしているユニクロとの戦略的パートナシップについて日覺昭廣・社長は「コロナ禍もあり、対外的な発表はしていないものの、パートナーシップはもちろん継続している。21年以降のパートナーシップについては取引額以上に、リサイクルやバイオマス素材の開発などのサステナビリティを軸とした取り組みの進化に重点を置いていく」という。

 東レは今年、ファーストリテイリングの有明オフィスのそばに「有明ラボ」を設置した。主要な縫製拠点である香港やベトナムなどの海外生産拠点と連携しつつ、「有明ラボ」内でサンプル作成までできる体制を整えた。繊維事業のトップである三木憲一郎・常務執行役員は「リードタイムを短縮するなどの商流の進化やビジネスの高度化にも取り組んでおり、取引額自体は伸びている。ただ、そうした短期的な数字以上に、21年度以降はより中長期的なものづくりを重視していく」という。

 三木常務はこの数年間を「米中の貿易摩擦やコロナ禍、原燃料価格の高騰など、予測できない環境変化が続く中で、成長分野への投資など必要なアクションは取れたと考えている。収益の厳しさはあるが、サプライチェーンの高度化の道筋は付けられていると考えており、今後はリサイクルポリエステル『アンドプラス』などのサステナビリティへの投資を強化する」という。リサイクルポリエステル「アンドプラス」は23年3月期に、前期の3倍上回る売上高500億円超を計画しており、ブロックチェーンを使ったトレーサビリティシステムの開発にも着手している。また、9月には「イッセイ ミヤケ」のパリコレで、100%植物由来のポリエステル衣服を発表していた。

 また、水処理などに使用する分離膜技術を活用した、非食用バイオマスを原料とした高濃度糖液の開発にも着手しており、タイの実証プラントでは従来の蒸発法に比べて40%のエネルギーを削減できるという。この「糖」を原料に、発酵技術と分離膜を組み合わせた合成方法の開発も進めており、エアバックなどに使用するナイロン66繊維の原料となるバイオアジピン酸の開発にも成功しているという。

 来年度からスタートする中期経営計画でも、「こうしたサステナビリティ分野への投資を強化する」(三木常務)方針だ。

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環境配慮の婦人靴「オッフェン」が神戸・北野に路面店

 持続可能な靴作りを掲げる「オッフェン(Offen)」は、初の路面店を神戸・北野に11月19日オープンした。立地は明治から大正にかけて建てられた洋館が点在する北野町の北野坂沿い。「歩く楽しみ」を伝えるブランドとして、散策途中に立ち寄れる店として営業する。

 新店舗「オッフェン キタノ ハウス」は、建築家・安藤忠雄の設計による英国風レンガ造りの建物の一角に、ガラス張りで開放感のある売り場を設ける。ビンテージの家具を集めた独特の空間に、「オッフェン」の靴をインテリアの一部のように並べる。

 「オッフェン」は2021年2月にデビューした婦人靴ブランド。靴産地の神戸市長田区に本社を置くNormsが長年の靴作りの知見を生かして展開する。セレクトショップのバイヤーやデザイナーなどの実績のある日坂さとみ氏がプロデューサーとして指揮をとる。主力商品はペットボトルの再生糸をアッパーに用いたシューズ。洗練されたデザインと高い機能性を保ちつつ、インソールやアウトソール、梱包材に至るまで環境に配慮した素材を使う。西宮阪急に直営店を持つほか、全国の百貨店でポップアップショップを開いている。

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環境配慮の婦人靴「オッフェン」が神戸・北野に路面店

 持続可能な靴作りを掲げる「オッフェン(Offen)」は、初の路面店を神戸・北野に11月19日オープンした。立地は明治から大正にかけて建てられた洋館が点在する北野町の北野坂沿い。「歩く楽しみ」を伝えるブランドとして、散策途中に立ち寄れる店として営業する。

 新店舗「オッフェン キタノ ハウス」は、建築家・安藤忠雄の設計による英国風レンガ造りの建物の一角に、ガラス張りで開放感のある売り場を設ける。ビンテージの家具を集めた独特の空間に、「オッフェン」の靴をインテリアの一部のように並べる。

 「オッフェン」は2021年2月にデビューした婦人靴ブランド。靴産地の神戸市長田区に本社を置くNormsが長年の靴作りの知見を生かして展開する。セレクトショップのバイヤーやデザイナーなどの実績のある日坂さとみ氏がプロデューサーとして指揮をとる。主力商品はペットボトルの再生糸をアッパーに用いたシューズ。洗練されたデザインと高い機能性を保ちつつ、インソールやアウトソール、梱包材に至るまで環境に配慮した素材を使う。西宮阪急に直営店を持つほか、全国の百貨店でポップアップショップを開いている。

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ハバリーズが自社の紙パックからトイレットペーパーを再生

 ハバリーズ(HAVERY’S)はこのほど、自社の紙容器をリサイクルしたトイレットペーパーを発表した。

 2020年創業の同社は紙パックのナチュラルウォーターを提供し、国内外のファッションブランドから注目されてきた。今回はこの紙パックからトイレットペーパーを再生し、リサイクルボックスに入れて販売する。12ロール入り1980円で、11月下旬から公式オンラインストアなどで販売開始予定。リサイクルボックスには無料の発送伝票が同梱されており、飲み終わったナチュラルウォーターの紙容器を詰めてリサイクル回収に出すことができる。

 回収ボックスおよびナチュラルウォーターの容器は、内面に貼られたアルミフィルムも含め熱エネルギーに変換し、残滓は建材原料に再利用する。リサイクル過程で使用した水は高度な排水処理をした上で下水路に放出するなど、プロセスにも配慮。ハバリーズ330mL5本分でトイレットペーパー1ロールを再生する。

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「H&M」がメタバースに着想したコレクションを発売 バーチャルで試着が可能

 「H&M」は、サステナビリティにフォーカスしたシリーズ“イノベーション・ストーリーズ(Innovation Stories)”の第8弾として、ハイファッションのクラフツマンシップとバーチャルファンタジーを融合した“メタバース・デザイン・ストーリー・コレクション(Metaverse Design Story Collection)”を12月8日に発売する。ラインアップするのは、ウィメンズ41型とメンズ12型の53型。価格は税込2499〜6万9999円で、H&M 渋谷店と公式オンラインストアで取り扱う。さらに、ARフィルターとして利用できる5つの3Dデジタルコレクションも登場する。

 ウィメンズウエアにおいては、コルセットウエストのネオンイエローのドレスやドラマチックなチュールスカートなどをそろえる。メンズウエアでは、オーバーサイズのボンバージャケットをゆったりとしたテーラードスタイルにマッチするようラインアップした。アクセサリーにおいては、ピクセルで作られたような液体金属からヒントを得た、未来的なジュエリーが登場する。

 このコレクションでは循環型ファッションも重要なテーマの一つだ。ブランドで回収した古着や繊維くずから作ったリサイクルポリエステルを使ったミニドレスや、ゼロ・ウェイストのパターンカッティングで作ったイレギュラーヘムドレスなども展開する。

 3Dデジタルコレクションは、ロンドンが拠点のデジタル・アトリエ兼シンクタンク、インスティチュート オブ デジタル ファッション(Institute of Digital Fashion)との協業により制作した。12月1日からH&Mの公式アプリ上で、カメラ機能からアクセスできる5つのARフィルターとスナップチャット上で利用できるARファッションレンズが登場する。仮想体験でバーチャル試着を実現することで、顧客はリアルとオンラインの両方で自己表現が可能になる。

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「H&M」がメタバースに着想したコレクションを発売 バーチャルで試着が可能

 「H&M」は、サステナビリティにフォーカスしたシリーズ“イノベーション・ストーリーズ(Innovation Stories)”の第8弾として、ハイファッションのクラフツマンシップとバーチャルファンタジーを融合した“メタバース・デザイン・ストーリー・コレクション(Metaverse Design Story Collection)”を12月8日に発売する。ラインアップするのは、ウィメンズ41型とメンズ12型の53型。価格は税込2499〜6万9999円で、H&M 渋谷店と公式オンラインストアで取り扱う。さらに、ARフィルターとして利用できる5つの3Dデジタルコレクションも登場する。

 ウィメンズウエアにおいては、コルセットウエストのネオンイエローのドレスやドラマチックなチュールスカートなどをそろえる。メンズウエアでは、オーバーサイズのボンバージャケットをゆったりとしたテーラードスタイルにマッチするようラインアップした。アクセサリーにおいては、ピクセルで作られたような液体金属からヒントを得た、未来的なジュエリーが登場する。

 このコレクションでは循環型ファッションも重要なテーマの一つだ。ブランドで回収した古着や繊維くずから作ったリサイクルポリエステルを使ったミニドレスや、ゼロ・ウェイストのパターンカッティングで作ったイレギュラーヘムドレスなども展開する。

 3Dデジタルコレクションは、ロンドンが拠点のデジタル・アトリエ兼シンクタンク、インスティチュート オブ デジタル ファッション(Institute of Digital Fashion)との協業により制作した。12月1日からH&Mの公式アプリ上で、カメラ機能からアクセスできる5つのARフィルターとスナップチャット上で利用できるARファッションレンズが登場する。仮想体験でバーチャル試着を実現することで、顧客はリアルとオンラインの両方で自己表現が可能になる。

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「フェムテック トーキョー」は1万4000人集客 幅広いラインアップで盛況

 RX Japanは、フェムテック関連企業の合同展示会「フェムテック トーキョー(FEMTECH TOKYO)」を10月20〜22日に東京ビッグサイトで開催した。大手から新興企業、クリニックなど約200社が出展し、3日間で1万4123人を集客した。

 同展ではフェムテックを「女性のライフステージにおける生理・月経、妊活・妊よう性、妊娠期・産後、プレ更年期・更年期などの様々な課題を解決できる製品やサービスの総称」として位置づけ、カテゴリーごとに5つのエリアで構成した。吸水ショーツのような “テック”を生かした課題解決アイテムから、健康食品・サプリメント、骨盤底筋トレーニングマシーン、企業向け女性支援サービスといったソリューションの提供まで幅広い。

 繊維関連では、専門商社、合繊メーカーなどがハイテク素材、サステナブルにつながる素材などを生かした製品をもって参加。女性スタッフの視点やアイデアを生かしたプロジェクトが目を引いた。ヤギは2021年にスタートしたフェムテック商材に特化した新規プロジェクト「レイ(RE:I)」で参加。豊島は、21年に同社の女性社員有志で立ち上げた「ホガラ(HOGARA)」のオーガニックコットンを使った吸水ショーツなどを展示。バッグとラゲージの総合メーカー、エースは社内公募に始まり22年5月にローンチしたセルフケアブランド「ペース(PACE)」で出展した。他に、帝人フロンティア、シキボウ、セーレン、グンゼ、福助などが参加した。

 初日には、フェムテック振興議員連盟会長を務める野田聖子衆議院議員が基調講演を行い、「フェムテック推進のための政策指針」をテーマに連盟の活動や政府の取り組みについて話した。最終日はビジネス&一般デーとし、特別価格での販売や、フェムテックについて学べるトークセッションなどを開催。タレントの安田美沙子と助産師・性教育ユーチューバーのシオリーヌなどを迎えたセッションでは「不妊治療と妊活のリアルを語る」をテーマに対話を行った。

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「フェムテック トーキョー」は1万4000人集客 幅広いラインアップで盛況

 RX Japanは、フェムテック関連企業の合同展示会「フェムテック トーキョー(FEMTECH TOKYO)」を10月20〜22日に東京ビッグサイトで開催した。大手から新興企業、クリニックなど約200社が出展し、3日間で1万4123人を集客した。

 同展ではフェムテックを「女性のライフステージにおける生理・月経、妊活・妊よう性、妊娠期・産後、プレ更年期・更年期などの様々な課題を解決できる製品やサービスの総称」として位置づけ、カテゴリーごとに5つのエリアで構成した。吸水ショーツのような “テック”を生かした課題解決アイテムから、健康食品・サプリメント、骨盤底筋トレーニングマシーン、企業向け女性支援サービスといったソリューションの提供まで幅広い。

 繊維関連では、専門商社、合繊メーカーなどがハイテク素材、サステナブルにつながる素材などを生かした製品をもって参加。女性スタッフの視点やアイデアを生かしたプロジェクトが目を引いた。ヤギは2021年にスタートしたフェムテック商材に特化した新規プロジェクト「レイ(RE:I)」で参加。豊島は、21年に同社の女性社員有志で立ち上げた「ホガラ(HOGARA)」のオーガニックコットンを使った吸水ショーツなどを展示。バッグとラゲージの総合メーカー、エースは社内公募に始まり22年5月にローンチしたセルフケアブランド「ペース(PACE)」で出展した。他に、帝人フロンティア、シキボウ、セーレン、グンゼ、福助などが参加した。

 初日には、フェムテック振興議員連盟会長を務める野田聖子衆議院議員が基調講演を行い、「フェムテック推進のための政策指針」をテーマに連盟の活動や政府の取り組みについて話した。最終日はビジネス&一般デーとし、特別価格での販売や、フェムテックについて学べるトークセッションなどを開催。タレントの安田美沙子と助産師・性教育ユーチューバーのシオリーヌなどを迎えたセッションでは「不妊治療と妊活のリアルを語る」をテーマに対話を行った。

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「サステナブル」と「サステナビリティ」の違いとは? 本質的な理解を阻む曖昧な用法 【翻訳日記:今を読み解くキーワード 第4回】

 「WWDJAPAN」の翻訳担当による連載「翻訳日記:イマを読み解くキーワード」では、翻訳した米国版「WWD」のニュースを引用し、その言葉が日本語や英語でどのように使われているかなどを考察。注目のニュースから英語的な感覚を養い、物事を新たな角度から見るきっかけを提供する。連載を担当するのは、「WWDJAPAN」で翻訳を主に手掛ける先輩Kと後輩M。気づけば翻訳の道に入ってはや四半世紀の先輩Kと、入社3年目でミレニアルとZ世代の狭間を生きる日英バイリンガルの後輩Mが交換日記を交わすように話を深めていく。

 4回目は、国内セレクトショップなどのほか、サステナビリティにアンテナを張った記事コンテンツを多く手掛け、翻訳記事の執筆もする入社4年目の記者Aを招いて雑談。「サステナブル」「サステナビリティ」の文法的違いなどを起点に、サステナビリティにまつわるニュースの翻訳で気をつけていることなどの裏話を語る。

後輩M:自分自身もサステナビリティについてはまだまだ勉強中なので、ぜひ3人で同トピックの翻訳事情について考えていけたらと思います。私は「サステナブル」と「サステナビリティ」という言葉が混在している現状に違和感があります。曖昧な言葉の使用によってサステナビリティに対する理解が遠ざかってしまっている気がして……。

先輩K:「サステナブル(Sustainable)」は形容詞。直訳すると「持続可能な」という意味ですね。「サステナビリティ(Sustainability)」は名詞形なので、一般に「持続可能性」と訳します。日本では主に地球環境を保護する行動や取り組みに対して使いますが、本来はそれぞれ単に「持ちこたえられる」「持ちこたえる力」という広い意味を持つ言葉です。

後輩M:文法的には、「サステナブルに取り組む」は誤用で、正しくは「サステナビリティに取り組む」もしくは「サステナブルな取り組みをする」となりますよね。

先輩K:そうですね。日本語では「ラグジュアリー」も似たような感じで、本来は形容詞である「ラグジュアリアス」を使うべき場合でも名詞形の「ラグジュアリー」を使うという用法が定着してしまっていて、個人的には引っかかります……。

 話をサステナビリティに戻しますと、環境に関する話題も「サステナブル」の一言で片付けるのではなく、使っている素材や製造工程などを具体的に示し、「だからサステナブルなんだ、持続可能なんだ」と読者が分かるようにすることも大切ですね。

記者A:「WWDJAPAN」でも、「サステナブルと言わずにサステナビリティを語ること」を心がけています。「サステナブルな新製品」というと聞こえはいいですが、素材や働き方、売り方など、どういった要因で「サステナブルなのか」を明記しないといけないですよね。

後輩M:ビューティ雑誌の「アルーア(ALLURE)」は2021年4月以降、「地球に優しい」「エコフレンドリー」といった、定義が曖昧な言葉の使用をやめるという方針を固めています。同じメディアとして、刺激を受けました。

後輩M:サステナビリティは環境問題に加えて、持続可能な労働環境かどうかといったフィルターを通して、ジェンダーや人権の問題にも延長して考えることができます。確かに「サステナブルなパーカを発売」と聞いたり、見出しを書いたりしたときに、それがジェンダーに包括的なパーカーであると想像することは難しいし、英語圏でもそういう使い方はしません。ただ、自分で考えていけるような深い理解のためには環境の話に限定したものではないと認識は必須ですよね。

 南アフリカ出身でケープタウンを拠点とするデザイナー、シンディソ・クマロ(Sindiso Khumalo)は、「サステナビリティについて話すとき、私は貧困問題を解消するという側面から見るようにしている」と語っていて、実際2020年に発表したコレクションにはブルキナファソ(西アフリカの国)にあるブランドの工房で手織りしたダファニコットンを使用し、搾取的な性産業から逃れることを支援するケープタウンのNGOを通して女性を雇用して、手編みのポケットや刺しゅうを作品に施しています。クマロは「セックスワーカーにトレーニングを提供しながら共に仕事し、性産業に戻らないようにすることは私にとってサステナビリティの一部。オーガニックコットンをたくさん使用するだけでサステナブルなデザイナーになれるとは思わない。それ以上のことをしなければならないような気がする。素材に限ったことでなく、価値観や人に関連したものでなければならないと理解する必要がある」と言っていたことにすごく共感しました。

記者A:「WWDJAPAN」のウェブサイトにサステナビリティのタグを新設するときも、サステナビリティが何を含む言葉なのかについてたくさん議論しました。22年現在は個人のアイデンティティーや人権に関する問題などの一環として、LGBTQ+の話題もサステナビリティタグの中に含んでいます。

後輩M:環境に関する用語も、サステナビリティ、エコ、エコフレンドリー、エシカルなど多様なのでジャンル分けは難しいですよね。

記者A:「サステナビリティを担当しています」と言うと、「エシカル系ね」と言われることもあるんです。日本では今でいう“サステナブランド”はこれまではエシカルブランドと呼ばれていたように思います。エシカルとサステナビリティのニュアンスの違いも気になります。

先輩K:エシカルとサステナビリティの違いは、エシカルは環境や社会への配慮という意味の中でも、より倫理的かつ道義的な配慮が含まれていることです。似た文脈で使われることもありますが、サステナビリティが出てくる前からある言葉ですし、精神的な部分や語義的な意味で異なると思います。国や宗教、世代によってエシカルの概念も違うので一言では表しづらいですが、より人権問題を強く意識している感覚です。Aさんは他にも気をつけていることや、悩んでいることはありますか?

記者A:やっぱりサステナビリティに関する話題では、日本にない概念や新しい言葉が多いので言葉選びには苦労します。カタカナの方が伝わりやすいこともありますし、日本語に直すとしてもどう表すのが適切かとても悩みます。例えば、航空燃料を化石燃料ではなく、代替素材の燃料にするというニュースがありました。この代替素材の燃料は、サステナブル・アビエーション・フューアル(Sustainable aviation fuel)と呼ばれ、航空業界ではSAFという名称で浸透してます。しかし「WWDJAPAN」でこれをSAFと書いてもピンとくる人は少ないだろうし、カタカナで書いても伝わりづらい。結局、記事内では固有名詞は使わずに「化石燃料の代替を進める……」という風に言い換えました。

後輩M:概念が浸透してその言葉に慣れてきたらカタカナの方がわかりやすい時もありますし、読む人の知識量やバックグラウンドにも左右されますよね。

先輩K:私は概念が浸透する前のカタカナ語は使わないようにして、固定訳がないものでもなるべく漢字で説明して、カッコ書きをつけるようにしています。文章として見ると鬱陶しいんですが、文章の美しさよりは内容が伝わることを重視した方がいい。言葉の定義やイメージが曖昧になりがちなカタカナ語は、それが一般化するまでは日本人がイメージしやすい日本語に直して、正しい理解を促すことにしています。

記者A:本来のメッセージ性も併せて翻訳できれば良いのですが……。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最新の報告書を発表した際、同団体は地球温暖化に関する危機感を“Now or Never”という強い言葉で表していたんです。Z世代の環境アクティビストの子たちは、「日本のメディアは訳が柔らかすぎる。全然危機感が伝わらない」と言っていました。私自身が翻訳をする際は「迅速な対応が必要だ」とコメントしているという形で記事を書いていたのですが、“Now or Never”を訳すのに最適な言葉はなんだったのだろうとモヤモヤしています。

先輩K:記事を書く側としては、仮にピッタリの和訳があっても、ニュース記事らしい言い回しやコンテクストを考慮すると使えないこともあります。“Now or Never”だったら、Aさんのような訳や、「今取り組まないと間に合わない」という感じになるでしょうね。訳として間違っていなくても元のメッセージが持つ言葉の力強さやキャッチーさが失われてしまうのは悩ましいところです。

後輩M:サステナビリティというトピックスは、そもそも難しい数字やデータだけでなく、NPO団体や新素材の固有名詞もたくさん登場しますし、アクティビストの多い分野なので一個人の思いも多く取り扱いますよね。「サステナブルな〜」と使いたくなったら「それは何を持ってサステナブルなのだろう」と待ったをかけていくことが大事なのだと思います。

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ケリングのキーマンが語る循環 永遠の価値の創出・技術革新・土壌

 サステナビリティ先進企業として知られるケリング(Kering)。傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「アレキサンダー マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などからは続々と、着実で、時にユニークなサステナビリティ施策が発表されている。その支援を行っているキーマンの一人、ジェラルディン・ヴァレジョ(Geraldine Vallejo)=サステナビリティ・プログラム・ディレクターにケリングが目指すサーキュラリティについてオンラインで話を聞いた。

WWD:ケリングが考えるサーキュラリティとは?

ジェラルディン・ヴァレジョ=サステナビリティ・プログラム・ディレクター(以下、ヴァレジョ):われわれのアプローチは、価値があり、長持ちする製品を作り、その価値をライフサイクルを通じて維持し続けること。それは、耐久性があり、修理ができ、再利用できるようにデザインされ、永遠に価値を保ち、第2、第3の人生でもずっと使用してもらえる製品を意味します。また、適正量を生産することは、循環のループを低速化することにもつながります。AIを用いて販売量を予測し、過剰在庫を回避しています。生産に関しては、再生型の資源を用い、生産工程で危険な化学物質を使わないことを重視しています。

 サーキュラリティは、私たちに革新をもたらす機会だと考えています。そもそもサーキュラリティは、私たちにとって新しい考え方で、新しいクリエイティビティでもあり、ノウハウでもあり、高品質なモノを作るということでもあります。

WWD:サーキュラリティ実現に向けた具体的な実践例は?

ヴァレジョ:ケリングのブランドにはリセールプログラムがあり、「アレキサンダー・マックイーン」や「バレンシアガ」は二次流通のプラットフォーマーであるヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)やリーフラント(REFLAUNT)をパートナーとして、同プログラムを展開しています。また、「グッチ」ではヴィンテージアイテムを丹念に修繕し、「グッチ」の実験的なオンラインスペース“ヴォールト(Vault)”内で再販しています。クリエティブ・ディレクターとグッチの専任アーキビストによって厳選されたヴィンテージアイテムのコレクションで、職人たちによって復元され新たな命が与えられたアイテムたちです。

 商品を(サーキュラリティの)ループ内にとどめ、サーキュラリティへのアプローチに顧客にも加わってもらおうというアイデアであり、同時に新しい顧客にも届く方法でもあります。

 大切なのは、われわれが環境に与えるネガティブな影響を減らし、天然資源を枯渇させることなく、会社にとっても顧客にとっても価値を生み出し続けることなのです。

WWD:「バレンシアガ」や「グッチ」ではデジタルファッションやメタバースなど非物質化へのアプローチも始めている。

ヴァレジョ:メタバースやデジタルは探求しているところです。デジタルユニバースの実際の影響やデジタルファッションの(負荷の)計測に関してもより多くの方法や研究を探っています。また、サンプル制作においては、素材が節約できる方法を確立しています。

WWD:「土壌を枯渇させたらサーキュラリティが実現しない」という考えから、環境再生型農業にも力を入れているとか。

ヴァレジョ:われわれラグジュアリーブランドは、コットン、シルク、ウール、レザー、カシミヤなど天然素材を多く使います。もし正しい方法で生産されれば自然にとっても土にとっても有益になり得ます。そのために、サプライチェーンの初期段階である農場や地域で適切に実践されていることを確実にしなければなりません。環境NGOであるコンサーベーションインターナショナル(Conservation International)とパートナーシップを組み、自然再生基金を立ち上げました。ファッションやラグジュアリーファッションの鍵となる材料のサプライチェーンで100万ヘクタールを再生するというものです。具体的には農家や牧場主を支援し、自然、人、動物と調和した農業へアプローチしています。有機物や生物多様性を回復できれば、その過程で炭素を土壌に閉じ込めることができます。また、土地や水域を回復し、動物福祉を改善させる地域密着型の農業を推進しています。農家自身もよりよい生活を送ることができるようにもサポートしています。この方法を確実にし、さらに規模を拡大していきたい。

WWD:ケリングはスタートアップ企業とのパートナーシップも重視している。

ヴァレジョ:彼らの力がなければサステナビリティは達成できないと考えています。このまま同じようにビジネスを続けると、目標は達成できません。スタートアップ企業には、他の産業の技術を応用してファッション産業に活用する力もあります。今、われわれが焦点を当てているのは、新素材、サーキュラリティとアップサイクリング、染色、プリンティング、フィニッシングなどの加工とトレーサビリティ(追跡可能性)です。

 もっとも将来有望なイノベーションのひとつが、代替素材です。例えば、ラボで育ち、レザーの特性に似ている材料を開発するビトロラボ(VitroLabs)に投資しましたし、マイセリウム(キノコの菌糸体)にも注目しています。

WWD:「バレンシアガ」が2022-23年秋冬に“エッファ(EPHEA)”という菌糸体ベースの材料を用いたコートを発表した。

ヴァレジョ:イタリアのSQIMというスタートアップと開発しました。量や厚みなど均質性を実現し、ここまでハイクオリティなものはファッション分野では初めてではないでしょうか。彼らは素材を、われわれはなめし技術を提供しました。イノベーションと受け継がれてきた技術を組み合わせ、そして「バレンシアガ」との幾度とないやりとりで実現しました。開発には1年以上かかり、素材のコアな部分にはプラスチックも合成物質も使っていません。それこそがわれわれや「バレンシアガ」にとって重要なポイントでした。ただ、一つだけ透明性という意味でお伝えすると、通常レザーには1mm以下の薄いコーティングがされていますが、そこには合成物質を使っています。

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ユニクロがリセールサービス立ち上げへ 「サプライチェーンの全工程を管理・把握するシステム」も稼働

 ファーストリテイリングは11月16日、昨年12月に続いて2回目となる、サステナビリティ方針説明会を開いた。その中で、トレーサビリティー追求のためにサプライチェーンの全段階を管理・把握するためのシステムを導入したことや、リセールサービスの立ち上げを考えていると発表した。「(ユニクロがコンセプトとして掲げる)“LifeWear”=サステナビリティ。われわれは服を作って売ることはもちろん、作って売った後もコミットしていく」と、柳井康治取締役グループ上席執行役員は話す。

 トレーサビリティーについて、同社は公式ホームページ上で、全縫製工場、全素材工場、縫製工場が委託している先の一部工場を従来から公表している。今後は紡績工場にも公表の範囲を広げる。また、第三者機関の監査を受けると共に、グローバルで100人規模の社内プロジェクトチーム担当者が「サプライチェーンの最上流までさかのぼって透明性をチェックする」と昨年の会見で表明していた。

 サプライチェーンの透明性のさらなる担保のため、この1年の間に「1つ1つの商品につき、その計画時点からサプライチェーンのどの段階でどこの工場で作るかを管理するシステムを作成し、実際にその計画に沿って作られたかも管理できるプログラム」を導入した。それを生かし、「2023年中に一部商品で、ECサイト上で縫製した国を公表し、素材生産国の公表する準備も進める」と新田幸弘グループ執行役員。

 その上で、25年中に「ほぼ全ての商品で、お客さまが正しく選択できるための情報を開示する」ことを計画中だ。「われわれは全ての工程を把握できている。ただ、情報は膨大なので、お客さまが買い物・選択をする際に本当に必要な情報が何なのかを、(同社のカスタマーセンターやECレビューなどに集まる客の声である)ボイス・オブ・カスタマーなどを参照に判断していく」という。

 リセールサービスについては「具体的にいつ始めるかといったことは未定だが、社内で検討を始めた」と柳井取締役。「(一部店舗でスタートしている)長く着続けるためのリペアサービスや、リセールによって新品を買う機会はもしかしたら減るかもしれないが、服を買わなくなるわけではない。『どうせ買うならリペアやリセールができるユニクロで買おう』と思ってもらえれば、新たなビジネスチャンスを生む」と続ける。競合の「H&M」は19年にリセールのスタートアップ企業を買収してリセールに参入しており、「ザラ(ZARA)」は11月に、英国でリペアやリセールのプログラムを試験スタートしている。

 素材面では、「30年度までにリサイクル素材・CO2排出量の非常に少ない素材の使用割合を全商品の50%にまで高める」ことを目標としている中で、22年度は約5%であったことを発表。ユニクロの主要素材であり、最もリサイクル素材の使用が進んでいるポリエステルでは約16%だった。「計画通りの進捗」(柳井取締役)だった。 

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25周年のアーバンリサーチが“スタンスミス コンフォート”をシルバーカラーに別注

 アーバンリサーチは、シルバーカラーに別注した「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」の“スタンスミス コンフォート”を発売する。現在、公式オンランストアで予約を受け付け中で、12月10日に発売する。価格は1万5400円(税込)。

 アーバンリサーチの25周年を記念した企画で、一部にリサイクル素材を使用する。デザイン面では“STAN SMITH”のサイドロゴをなくし、シュータンやヒールロゴは白でプリントする。アーバンリサーチは、「一(いち)から行った“マットシルバー”の色出しにも注目してほしい」と話す。

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「ドクターマーチン」×「アワー レガシー」 米英の名タンナーのデッドストックレザーを再利用したシューズを発売

 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」は11⽉17⽇、スウェーデン・ストックホルム発のブランド「アワー レガシー(OUR LEGACY)」とコラボした商品を発売する。両者の協業は初めて。

 「ドクターマーチン」のアイコンである“1461 3ホールシューズ”をベースとしたもので、素材には英国・ノーサンプトンシャー州にある「ドクターマーチン」の⼯場に残されたデッドストックレザーの端材を用いる。“端材”といっても、米国・ホーウィン(HORWEEN)と英国・チャールズ・F・ステッド(CHARLES・F・STEAD)、両名タンナーのクロムエクセルレザーとスエードだ。シューレースも、同じくデッドストックを再利用する。また、ヒール部分には「アワー レガシー」のロゴをあしらう。

 価格は各4万700円(税込)。東京・表参道にある「ドクターマーチン」のコンセプトストア、ドクターマーチン ショールーム ティーワイオー(DR.MARTENS SHOWROOM TYO)と同ブランドの公式オンラインストアで販売する。

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アパレル物流トップのセンコーが廃棄ゼロを目指すEC事業を始めるワケ

 センコーグループホールディングス(HD)傘下で、ファッション物流最大手のセンコーが、アパレルの在庫ロス削減と廃棄ゼロを支援する循環型のファッション・サステナブル・プラットフォーム「ゼロブランズ(ZEROBRANs)」を構築する。子会社ゼロブランズを8月に設立し、まずは11月15日に余剰在庫品を中心に新価格で再販する社内向けのクローズドECサイト「ZEROBRANDs」をオープンする。廃棄予定品は買い取ってリメイクしたり、再資源化するなどまとめて効率的にリサイクルさせる。中古品を扱う2次流通が増える中で、物流のノウハウを生かして、余剰在庫品や返品商品などを回収・再販する「1.5次流通」とも呼べる静脈物流を確立。来年には一般向け販売や古着回収も予定する。センコー執行役員ロジスティクス営業本部副本部長であり、ゼロブランズ社長を兼任する小林治彦氏に、新事業に賭ける思いやビジネス構想を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):センコーグループHDの概要と、ファッション物流業界トップという根拠を知りたい。

小林治彦ゼロブランズ社長(以下、小林):センコークループHDは東証プライムに上場する総合物流企業だ。年間売上高は6231億円 ( 2022年3月期 )で、中核企業のセンコーに加え、東京納品代行、M&Aによりグループ入りしたアクロストランスポート(元オンワード物流)や江坂運輸(元阪急百貨店系)など、国内外にグループ161社を有している。ファッション物流の年間売上高は495億円で、小売価格換算で約1兆円分の商品を取扱っている。国内アパレルの小売市場規模は7兆5000億円前後と推計されるが、物流費は概ね5%と言われているので、金額ベースで日本のファッション商材の13%ぐらいを扱っている計算になる。

WWD:ファッション系の主な取引先は?

小林:百貨店やショッピングモール、路面店、ECなどの販売網を持つ大手アパレルやセレクトショップ、ラグジュアリーブランド、インポートブランド、そしてスポーツブランドなどを物流面で支えさせていただいている。それらの企業の倉庫や商業施設、店舗に常時配送をしている状態で、帰りの便に載せる静脈物流を活用することや、データ連携をすることで、環境負荷を低減して効率的に循環型事業ができることになる。

WWD:センコーのファッション物流サービスの特徴とは?

小林:ファッションの生産物流から販売物流まで、一貫物流サービスを提供している点だ。「海外生産地からのフォワーディングサービス」「ファッションロジスティクスセンターの運営」「商品の集荷・全国店舗への配送」などを提供している。特に「ファッションロジスティクスセンターの運営」では、商品やハンガーの保管、繊維製品品質管理士(TES)や衣料管理士たちによる商品の検品、補修、洗濯タグの発行・取付、店舗納品のための流通加工、たとえば値札の発行・取付なども行っている。EC出荷の梱包・ささげ・コールセンター等のECフルフィルメントサービスや、「ゼロブランズ」にもつながるが、静脈物流として店舗やECの返品、社員セールや催事への出荷なども手がけている。またWMS(倉庫管理システム)についてパッケージソフトを使うところが多いが、我々はいろいろな経験を生かしてセンコーグループ独自のファッションクラウドWMSを構築して共通利用しているのも特徴だ。

WWD:「ゼロブランズ」では物流×サステナビリティによる新たな循環型事業を展開するというが、センコーではこれまでどのようなサステナブル物流に取り組んできたのか?

小林:3つ挙げるとしたら、1つ目はEVトラック(電子トラック)による配送で、2019年7月に「ルイ・ヴィトン」の都内配送を開始して以来、ラグジュアリーブランドを中心に取り組みが広がっている。2つ目はオンワードHDと三陽商会と共同して、洋服を包装しているビニール袋を回収してプラスチック容器にリサイクルするなど、資源循環を推進している。参画企業が増えつつある。3つ目は循環型経済の構築を支援する静脈物流サービスの提供だ。三菱商事によるレンタル商品・EC商品の返却・返品サービス「スマリ(SMARI)」の物流業務を昨年11月から開始。ローソンへの通常配送車両が「スマリボックス」から回収した返品・返却品を帰りに載せて運んで物流センターに集約し、各EC事業者に配送する。既存物流網を活用することで物流コストの抑制と、低・脱炭素につながるグリーン物流化を図っている。

WWD:新会社ゼロブランズに込めた思いとは?

小林:新会社ゼロブランズの社名の“ゼロ”は、廃棄ゼロの実現、ゼロからのスタート、また循環という意味を持つサーキュラーの輪を表しており、“ブランズ”には信頼ある、価値ある商品・企業という意味を込めた。すでにわれわれは生産地から日本の物流倉庫、さらに店舗網をカバーする輸送網を世界規模、全国規模で構築し、日本国内のファッション物流の約10~15%を担う1次流通の基幹ハブとなっている。これまで培ってきたプラットフォームやネットワーク、人材、財力、中立性、信用力を生かして、主旨に賛同いただいた企業との協働で、商品廃棄ゼロの循環型のファッション・サステナブル・プラットフォームを構築する。「シン物流」とも言える「1.5次流通」を実現し、日本のファッション産業全体のサステナビリティ推進を目指したい。物流会社なのに、なるべく動かさない、Don’t Moveの精神で、服の状態でトコトン売り切り、全量循環させていく。ECサイトに加え、サステナブル関連のニュースなどを集めたオウンドメディアから情報発信も行っていく。

WWD:新たにファッション・サステナブル・プラットフォームを創るというが、そのきっかけと狙いは?

小林:自社の倉庫で大切な商品をお預かりしたり運んだりしたりする中で、たびたび商品が廃棄されるシーンを見て、ずっともったいないという声が挙がっていた。サステナビリティのニーズの高まりはもちろんのこと、コロナ禍や原材料や物流費などのコスト上昇などで、在庫の適正化に取り組む企業も増えているが、セールやアウトレットを行っても残ってしまう商品はどうしても発生する。また、ECが台頭する中で返品が増え、滞留してしまって売り時を逃してしまうものもある。そんな中で、余剰在庫費や不良在庫、返品商品などを集めて新価格で販売するECを作って、極力モノを動かさずにデータをつないでユーザーに販売することができれば、CO2排出も削減でき、取引先の方々の課題解決にもつなげられると考えた。

 洋服として生まれてきた以上はそのまま販売するのが一番のサステナブルだと思っている。なるべくもとの形のまま販売したい。ただし、店頭で販売したり、店舗やECで販売して返品された際に、キズや汚れ、焼けなどが発生して、そのままでは売れない不良品はどうしても発生してしまうもの。それをわれわれが買い取って、回収して、すでに機能を有している品質チェックや修理、リメイク・リフォーメーションを施して、再び販売できる状況に生き返らせることができる。

 どうしても修復不可能なものは、リサイクル会社とネットワークを構築し、まとめてリサイクルしていく。個別ではかさみがちな費用の負担軽減や、量が足りなくてリサイクルできないという状況を解決して、循環型を推進し、CO2削減にも寄与させたい。

WWD:11月15日にスタートするECサイト「ZEROBRANDs」の詳細は?

小林:スタート時には、有名セレクトショップや大手アパレルなど5社・21ブランドに協力いただき、1000~1500アイテムを販売していく。平均の元値は2万円で、質の高さも特徴だ。まずはセンコーグループ161社のグループの社員に向けてクローズドサイトで販売する。これだけで約10万人いるので、廃棄ゼロに向けた購買力にも期待したいし、UI/UXなども検証し改善していきたい。クローズドサイトの中でも、社員だけが限定して買えるものと、パートやアルバイトで働いてくださってる方々まで購入できるものなど、閲覧、購入ができる範囲を各企業と各々設定したり、購入者には登録時に誓約書へのチェックを求め、ネームバリューやブランド価値を守っていく。どれを買っても廃棄から服を救うサステナブルな行動につながるし、今まで定価やセールでも手が出なかったブランドのアイテムを購入して身に着けることで、そのブランドや商品の良さに気付き、ファンになるきっかけにもしていきたい。来年9月には一般向け販売を開始する予定だ。その際にも、クローズドで販売したり、その取引先の社員や関係者に限定したファミリーセールサイト的な販売にするなど、公開範囲(購入可能対象者)を自由に設定できるオプションを設けていく。

WWD:取引先からの調達条件は?

小林:データ連携して委託販売していただくケースや、買い取らせていただくケース、そのままの形状で販売するケースやネームタグを外すケースなどいろいろ選んでいただける。テキスタイルやB品、不良品などについては無料で回収することも。今まで廃棄にかかっていた費用の削減と環境負荷の削減とを。とくに商談を通じてわかったのが、外資系ブランドからもニーズが高いということだ。ラグジュアリーブランドやライセンスブランドなどでは、本国のアプルーバルが必要になるので交渉に時間がかかるが、ブランドを毀損せず、しかも日本のローカル内で消化・解決することが求められる中で、今回の「ZEROBRANDs」のECサイトや循環型モデルなどに高い関心や期待を寄せていただいていると感じている。

WWD:リメイク・リフォーメーションや、リサイクルの部分の構想は?

小林:社内にいる繊維製品品質管理士(TES)の資格保有者や服飾系専門学校卒業生などでリメイク・リフォーメーションを行ったり、クリエイターの方々と協業することも構想中だ。ブランドと協力してテキスタイルなどを専門学校に寄付することも検討していく。リサイクル分野ではBPラボや「パネコ」を手がけるワークスタジオなど外部と連携していく。カシミヤやウールの再生素材化や、什器やボード化などから着手し、再資源化を図り、単純廃棄をゼロにしていく。環境やサステナブルに対して同じ思いや技術を持つ企業と手を組んでいきたい。

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「ファセッタズム」落合監修の下、ファミリーマートがモバイルアクセサリーのパッケージデザインを一新

 ファミリーマートは落合宏理「ファセッタズム(FACETASM)」デザイナー監修の下、モバイルアクセサリーのパッケージデザインを一新し、11月15日に発売する。落合は、ファミリーマートのオリジナルアパレルブランド「コンビニエンスウェア(CONVENIENCE WEAR)」も共同開発する。

 iPhone用をネイビー、Android用をオレンジ、充電器をイエロー、イヤホンをシルバーと用途ごとに色分けし、「分かりやすさ(買いやすさ)とデザイン性を両立させた」(ファミリーマート)。価格はUSBケーブルが1380円〜(税込、以下同)、充電器が1680円〜、イヤホンが1680円〜など。ファミリーマート限定色(クリアライム)のUSBケーブル(1980円)も販売する。

 今回のリニューアルではパッケージ素材も見直し、再生プラスチックを40%配合。従来品に比べて、年間で約1.6tのプラスチック使用量を削減できる見込みだという。また、紙部分には再生紙(古紙比率85%)を使用する。

 落合は、「モバイルアクセサリーのパッケージを手掛けたのは初めて。コンビニで販売する商品のため、トラブルや緊急用途も考えられる。だから、少しでもポジティブな気持ちで購入いただけるデザインを心掛けた」と話す。

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仏発ジュエラー「ブシュロン」の挑戦 産業廃棄物の再生素材をジュエリーに

 フランス・パリ発ジュエラー「ブシュロン」は、革新的な素材を用いたクリエイティブなジュエリーで知られている。その取り組みはサステナビリティまで多岐にわたる。今年は 産業廃棄物をアップサイクルした素材によるカプセルコレクション“ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム”を発表。来年には銀座旗艦店の移転も予定している。コロナ後初めて来日したエレーヌ・プリ=デュケン=ブシュロン最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。 (この記事は「WWDJAPAN」11月7日号からの転載です)

 来日は2019年以来だ。日本のスタッフと会うために来日し、来年銀座中央通りにオープンする旗艦店の視察もしてきた」とブシュロンのエレーヌ・プリ=デュケン CEOは話す。新型コロナが落ち着きつつあり、来日を決定した。コロナ禍とポストコロナの商況は 世界的に活況だ。コロナ禍では渡航の制限などがあり、各国のローカル市場にフォーカスした 活動を余儀なくされたこともあり、各市場の消費が伸びた。「リベンジ消費による高額品の需要な度が増えて、全ての市場で売り上げが大幅に伸びた。 特にファインジュエリーやハイジュエリーが好調だ」とプリ=デュケンCEO。「ブシュロン」では、年2 回ハイジュエリーを発表する。1月はアーカイブなど過去の作品を再解釈したクラシックなもので、7月は、革新的な素材や技術を用いたコレクションだ。

 「1月と7月の顧客は全く違うタイプだ。1月のコレクションは投資価値を求める人、7月はコンテンポラリーアートなどを好む人が購入する傾向がある」。コロナ禍ではデジタル施策も強化した。ビデオチャットをきっかけに対面接客につなげたり、SNS を活用したコミュニケーションを行っている。21 年には、ECも刷新した。全体から見る売り上げの割合は少ないが、ECでは日本が一番大きな市場 だ。プリ=デュケンCEOは、「コロナ禍で始めたデジタルプラットフォームを活用した販売方法や コミュニケーションを継続して行う。コロナ禍では、ジュエリーを販売するためのオンライン接客や ジュエリーを自宅に届ける新たなサービスを始めた」とコメント。このような消費者にとって利便性の高いサービスも商況に反映されているのだろう。

コミュニケーション強化とジェンダーレスな施策で認知度がアップ

 「ブシュロン」の日本における認知度は、ここ数年、急激に高まっている。「日本市場は、ブライダルが強いというイメージだったが、スタッフの努力により『ブシュロン』は新たなステージに突入したと思う。ブライダルの売り上げ比率に対して、ジュエリーとハイジュエリーの販売が追い上げをみせ、他の市場と同じイメージになった」。コミュニケーションへの投資を強化し、「ブシュロン」が革新的でクリエイティブなジュエラーであるということが浸透してきた。また、アイコンである“キャトル”のジェンダーレスなプロモーションがトレンドとリンクして成功。男女問わず着けられるデザインが受け入れられている。「現在、日本には19店舗あるが、24年までに移転や売り場面積の拡大をし、最新コンセプトの導入を完了する」とプリ=デュケンCEO。

業界をリードする革新性から生まれたアップサイクルジュエリー

 今年登場したカプセルコレクション“ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム”では、産業廃棄物をリサイクルしてジュエリーに採用。「ブシュロン」では、素材や技術などの研究開発を継続的に行う。その研究中に発見されたのが“コファリット (COFALIT)®”という素材だ。プリ=デュケンCEOは、「高速道路の盛り土のほか有用性のない最終産業廃棄物を1400〜1500度に熱すると多孔性の物質になり、それを粉にして圧縮したのが“コファリット®”。廃棄するしかないものに新たな価値を与えてジュエリーにすることはポエティックだと思った」と語る。“コファリット®︎”は、有害物質のアスベストを含む廃棄物を高温で熱することで無害化し、フラッシュ焼結法で加工することにより鉱物のような素材になる。「まだ研究段階だが、今後は“コファリット®”をさまざまなコレクションに取り入れることを検討している」と話す。「ブシュロン」では、サステナビリティの取り組みを強化しており、ジュエリーの環境負荷削減を試みている。ジュエリーの素材が環境に与える影響を研究し、独自の目標を掲げて発表していく。

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「プチバトー」がポイント買い取り&回収サービスを開始 回収後はリセールまたはリサイクルに

 プチバトージャパン(Petit Bateau Japan)は、衣料品の買い取り&回収サービス「プチバトン(#PETITBATON)」をスタートした。対象のアイテムは、「プチバトー」の新生児とベビー、キッズ、ウィメンズ、メンズのカテゴリーから、アウターやニットウエア、スエット、Tシャツ、ブラウス、シャツ、パジャマ、ロンパースなど。なお、下着や靴下、水着、スタイ、ぬいぐるみなどに加え、シミや汚れなどがあるものは回収できないとしている。対象店舗で受け付け、アイテムの状態を確認し、買い取りが可能と判断されれば、「プチバトー」のポイントを付与する形で回収される。

 買い取りポイント数(参考)はベビーのボディが300ポイント〜、ロンパースが500ポイント〜、キッズのワンピースが500〜1100ポイント、ジャケットやコートが2000ポイント〜、ウィメンズのTシャツが400ポイント〜、コートが2300ポイント〜。回収は11月10日から吉祥寺店で、12月末から代官山店や銀座店、自由が丘店、たまプラーザテラス店、名古屋店、京都藤井大丸店、神戸店、アミュプラザ博多店、マルヤガーデンズ店で随時開始する。回収したアイテムは、店舗でリセールまたはリサイクル(アップサイクル)する。リセールは11月26日から、吉祥寺店でテスト販売を始める予定だ。

 「プチバトー」は2020年から「自由、品質、持続可能」をブランドスローガンに掲げており、中でも「持続可能」な取り組みを強化している。商品の回収サービスは21年から本国フランスですでにスタートしているが、日本でも衣料品廃棄をなくしサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指すため「プチバトン」を始めた。ギヨーム・ダルーゼ(Guillaume Darrousez)最高経営責任者は、今後の日本での2次流通市場に期待し、同サービスに本腰を入れたという。今年6月の来日時には、「自社工場で手掛ける製品の耐久性と質に誇りがあるからこそはじめられた。“125回洗濯してもへこたれない”ことが実験済みのTシャツはブランドのアイコンであり、再販が可能なアパレルを取り扱っているというブランドのバリューを保証している。スローファッションを推進して、洋服の“人生”がゴミ箱でおわらないよう取り組めるのも、耐久性への自信があるからだ」とコメントしていた。

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明治大学デザイン研究部がファッションショー Z世代がリメイクのみの洋服を使って開催

 明治大学デザイン研究部(デケン、DE.KE.NN)は11月20日、友人らの洋服を100〜200着集めてリメイクしたルックのみで構成するファッションショーを渋谷で開催する。コンセプトは「サステナビリティ」で、古着がZ世代で流行していることに目をつけて、アレンジやスタイリングをもっと楽しんでほしいという気持ちを込めて開催する。一般参加も可能。1ステージ100人ずつ、合計2公演開く。

 同団体の岸海星代表は、「リメイクをするからこそ社会的意義を持った発信につながるはず。ゴミを無駄にせず、クリエイティブなことができると見せたい。人や資源を集めるのは僕たち世代の得意分野。それを歴史や技術で販売できるクオリティーにできる力を持っているのはブランドや企業だ。この取り組みや発信を通して学生の思いを伝え、全世代でファッションを盛り上げたい。裏のテーマとして、等身大の学生モデルの活躍を発信して、業界のモデルの幅も広がってほしいと思っている」と語った。

 学生によるファッション系サークルは多数あるが、「僕たちのサークルは、ファッションだけじゃない。その分クオリティーは売られているものより低いかもしれないけど、写真や映像、芸術などいろんな分野が混在したディレクションが強み。学生の活動は世の中になかなか発信できないので、これをきっかけにファッション業界も学生に目を向けてほしい。行動を起こしたい学生はたくさんいる。ファッションメディアやブランドとの距離が縮まったらうれしい」と意気込む。

■明治大学デザイン研究部2022年ファッションショー
日時:11月20日
時間:13:00〜14:00 / 15:00〜16:00
会場:Dr.jeekahn's 渋谷
住所:東京都渋谷区円山町1−2−4 5.6F ドクタージーカンズビル


 明治大学デザイン研究部は、ファッション・写真・絵画・映像など、さまざまな媒体を介して、デザインの面白さを発信する学生団体。主な活動は大学内でのアートの展示会やインスタレーション、子供を対象とした工作教室、ファッションショーの企画運営など。今回のファッションショーでは、サステナブルデザインの枠を越え、トランジションデザインの実現・発信を試みる。廃棄される服を100着以上集め、それらを加工し組み合わせることで、新たな一着へと移行させた。学生団体の活動をリメイクの可能性とともに発信することで、ファッション業界と学生との関係性に影響を与えることを望む。

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「パタゴニア」がビームス原宿でポップアップ 漁網を使ったダウンセーターを豊富に用意

 「パタゴニア(PATAGONIA)」は11月10〜20日、ポップアップストアをビームス原宿で開催する。南米の漁業コミュニティーから回収された使用済み漁網を原料とした、リサイクルナイロン“ネットプラス”を採用したダウンセーターを、豊富なカラーで取りそろえる。

 米カリフォルニアのブレオ社によって開発された“ネットプラス”は、漁網を衣類に利用できる高品質な糸へリサイクルしたもので、「パタゴニア」では2022年秋冬シーズンから使用している。今季から販売するダウンセーターには、リペアパッチを付属し、修理を行いながら長期的に製品を使用できるように配慮している。

 また期間中は、「セルフリペアイベント」と題して、リペアテープやリペアパッチを使用した修理方法をスタッフがレクチャーするワークショップも開催する。さらに期間中、商品の購入者を対象にノベルティのステッカーをプレゼントする。

■Patagonia Down Sweater POP UP
会期:11月10〜20日
場所:ビームス原宿
住所:東京都渋谷区神宮前3-24-7 1F・2F
営業時間:11:00〜20:00

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【2022年クリスマスコフレ】人気の紅茶や金木犀の香りが2000円台からそろう「ロジェ・ガレ」のホリデー

 仏発フレグランスメゾン「ロジェ・ガレ(ROGER & GALLET)」は11月10日と25日にホリデーコフレを数量限定で発売する。同ブランドは誕生から160年周年を迎えた今年、“プレイフルでサステナブルなブランド”を掲げてパッケージ類をリニューアルしており、素材は25%リサイクルガラスや分別しやすいスプレーポンプ、FSC(森林管理協議会)認証の紙を使用した外箱などを採用している。今回のコフレはその理念を踏襲した初のアイテムとなる。

 11月10日に発売される第1弾は、リーズナブルでプチギフトにもぴったりなセットを用意。30mlのオードトワレと50mLのシャワージェルを組み合わせた“オ パフュメ プチコフレ”(全4種、税込各3850円、以下同)は、人気の紅茶の香りのフレグランス「テ」や金木犀の香り「オスマンティウス」、カルダモン、バジル、タイムなどをブレンドした「セドラ」、柑橘系の爽やかな香りとロマンチックなフローラル系が溶け込む「ネロリ」をラインアップ。ほか、フィグ、ジンジャールージュ、オスマンティウスの香りが楽しめる30mLのハンドクリームをセットにした“ハンドクリーム コフレ”(3520円)も登場する。

 11月25日の第2弾は、30mLのオードトワレ、100gの固形石鹸、50mLのシャワージェルとボディーミルクをセットにした“リチュアル コフレ”(全2種、各6050円)を発売。香りはジンジャー ルージュとフィグの2種類となる。

 そのほかにも50mLのシャワージェルを4本セットにした“ジェル ドゥーシュ コフレ”(2420円)やフレグランス現品にスモールサイズをセットにし、限定サイズのソープを付けた“オ パフュメ コフレ”(全3種、各8800円)など、幅広い価格帯のギフトを用意している。

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【2022年クリスマスコフレ】人気の紅茶や金木犀の香りが2000円台からそろう「ロジェ・ガレ」のホリデー

 仏発フレグランスメゾン「ロジェ・ガレ(ROGER & GALLET)」は11月10日と25日にホリデーコフレを数量限定で発売する。同ブランドは誕生から160年周年を迎えた今年、“プレイフルでサステナブルなブランド”を掲げてパッケージ類をリニューアルしており、素材は25%リサイクルガラスや分別しやすいスプレーポンプ、FSC(森林管理協議会)認証の紙を使用した外箱などを採用している。今回のコフレはその理念を踏襲した初のアイテムとなる。

 11月10日に発売される第1弾は、リーズナブルでプチギフトにもぴったりなセットを用意。30mlのオードトワレと50mLのシャワージェルを組み合わせた“オ パフュメ プチコフレ”(全4種、税込各3850円、以下同)は、人気の紅茶の香りのフレグランス「テ」や金木犀の香り「オスマンティウス」、カルダモン、バジル、タイムなどをブレンドした「セドラ」、柑橘系の爽やかな香りとロマンチックなフローラル系が溶け込む「ネロリ」をラインアップ。ほか、フィグ、ジンジャールージュ、オスマンティウスの香りが楽しめる30mLのハンドクリームをセットにした“ハンドクリーム コフレ”(3520円)も登場する。

 11月25日の第2弾は、30mLのオードトワレ、100gの固形石鹸、50mLのシャワージェルとボディーミルクをセットにした“リチュアル コフレ”(全2種、各6050円)を発売。香りはジンジャー ルージュとフィグの2種類となる。

 そのほかにも50mLのシャワージェルを4本セットにした“ジェル ドゥーシュ コフレ”(2420円)やフレグランス現品にスモールサイズをセットにし、限定サイズのソープを付けた“オ パフュメ コフレ”(全3種、各8800円)など、幅広い価格帯のギフトを用意している。

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ゴールドウインが型紙改良で廃棄量3分の1へ 慶大発シンフラックスと協働 

 ゴールドウインは11月4日、製造工程の廃棄削減に向けた新たなプロジェクト「シン・グリッド(SYN-GRID)」を発表した。慶大発のスタートアップ企業シンフラックス(Synflux)と協働し、同社が持つ独自のパターンメイキング技術「アルゴリズミック クチュール(Algorithmic Couture)」を応用する。「アルゴリズミック・クチュール」はAI(人工知能)とアルゴリズムを活用して衣服生産時に排出される素材の廃棄を極小化するためのデザインシステム。衣料の生産工程で廃棄される繊維は利用される量の約15%と言われており、シンフラックスはその削減に向けた技術開発に取り組む。

 「シン・グリッド」によって生産工程の廃棄量が従来の3分の1程度になったという「ニュートラルワークス.(NEUTRALWORKS.)」のフリースのクルーとボトムを11月8日に、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の防水透湿素材のシェルジャケットを11月18日に発売する。今後、ゴールドウインが手掛ける全ブランドのウエアでの導入も検討していく。

 「アルゴリズミック・クチュール」は開発当初、廃棄量は格段に減らすことができるものの、切り替えや縫製箇所が増えるなどの課題があった。今回、新たに縫製できるパーツ数の上限や切り替えし線を調整する機能をシステムに導入。量産可能な工業用パターンを実現した。

 シンフラックスと2年前から協働する大坪岳人ニュートラルワークス事業部長はプロジェクト始動の理由を「昨今のいわゆる“SDGs”的な取り組みのほとんどが、CO2削減のために材料をリサイクルに置き換えたり、染料を変えたり、何かを回収したりするといった施策だ。材料をエコなものに変えたとしてもそもそも作る過程でたくさん捨てているという事実がある。端端で出た生地を捨てずに再利用する流れも出てきているが、そもそも廃棄を削減するためにはどうしたら良いかを考えるためにパターンに着目した」という。

 大坪部長は「アルゴリズミック・クチュール」の優位性を「A Iやコンピューターによって計算され、人が考えるよりも遥かに早いスピードで合理的に無駄を削減することができる」というが、一方で課題も指摘する。「服はパズルではない。誰一人として同じ体型がいない中でいろんな人たちが着用することを前提に設計するために、ドレープやカーブといった廃棄をなくす視点で見ると非合理的な線や人間の感性も必要になる。スポーツアパレルの場合は動いている時のことも考えなければいけない。そこはまだデジタルだけでは解決できない」という。

 2年をかけて実用化に至った。「結果的にはデジタルとフィジカル(ゴールドウインのパタンナーによるパターン)を何度も行き来して、今回の商品ができた。服が人間の動きや生活にフィットする必要があるので、まだまだ人間的なフィジカルなモノ作りも必要でもある。時間はかかるが今回かなり学習できたので、次はまた2年後ということではない(笑)」と語った。

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服の0円交換や洗濯レクチャー 環境副大臣の登壇も 新宿御苑で「GTFグリーンチャレンジデー」開催

 GTF グレータートウキョウフェスティバル実行委員会は11月5日と6日、新宿御苑で「GTFグリーンチャレンジデー2022 in 新宿御苑」を開催する。同イベントは「地球にやさしいライフスタイルをはじめよう!」をキーワードに、官公庁や企業、団体が共催するもの。約20のトークショーや生物多様性など環境の今を学ぶワークショップ、「環食」をテーマにしたフード、野菜や雑貨など扱う“循環型”マルシェ、フォトコンテストなど、家族で一日楽しめるたくさんのコンテンツが予定されている。

 ファッション関連のコンテンツも多く、5日(土)12:10~12:40には、「環境省×サステナブルブランド×GTFサステナブルファッション スペシャルトークショー」と題して、山田美樹環境副大臣、モデルの長谷川ミラ、H&Mへネス・アンド・マウリッツ・ジャパンの山浦誉史サステナビリティコーディネーターが登壇する。

 また、ウィファブリックとワンピースが主催し、「0円 服の交換会」を実施。着なくなった服を持ち寄り無料で交換する場を設ける。さらに、洗濯ブラザーズによる「正しい洗濯の仕方・洗剤の量り売り」や、桜三丁目による「リメイク/リペア」、「イトナミ(ITONAMI)」による不要デニムの回収など行われる予定だ。

■GTFグリーンチャレンジデー2022 in 新宿御苑
日時:2022年11月5日(土)、6日(日)両日とも10:00~16:00
会場:新宿御苑/風景式庭園及び整形式庭園(新宿区内藤町11)
参加費:大人500 円/65歳以上・学生(高校生以上)250円/中学生以下無料(新宿御苑入園料)
主催:GTF グレータートウキョウフェスティバル実行委員会
共催:環境省自然環境局、環境省環境再生・資源循環局、2030生物多様性枠組実現日本会議、新宿区、TOKYO FM、TBSホールディングス、TOKYO MX

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「ザラ」が英国でリペアとリセールプログラム始動

 「ザラ(ZARA)」はサステナビリティ戦略の一環で、リペア、リセールおよびリサイクルからなる循環型プログラム「プレ オウンド(Pre-Owned)」のパイロット版を11月3日に英国で始動する。

 リペアサービスは、自社製品のみを対象とし、英国国内の60の店舗と公式オンラインサイトで受け付ける。着用年数は問わない。利用者は、ボタンやジッパーの付け替え、シームの補修など修繕にかかる費用のほか、オンラインの場合は送料も負担する。商品の到着後、10日以内に返送する。

 同プログラムの第2の柱は、顧客間で「ザラ」の中古商品の売買ができるリセールプラットホームの立ち上げだ。出品者がアイテムのタグやバーコードをスキャンすると、該当アイテムの写真と情報が自動的に「ザラ」から提供される仕組みで、出品者は必要に応じて写真や詳細を追加できる。出品手数料は無料で、購入者は1ポンド(約168円)の手数料と5%のサービス料を支払う。

 また、2015年に始動した店頭での衣料品の回収および寄贈プログラムを拡大する。自宅での回収にも対応するほか、他社商品も回収対象とする。英国赤十字社と提携し、同団体が仕分けや再販、リサイクルを行う。19年時点では3万4000トンの中古商品を回収した。

 パウラ・アンプエロ(Paula Ampuero)「ザラ」サステナビリティ責任者は、「使用できない衣料も信頼できるルートを見つけ、埋立地に行く廃棄衣料がなくなるよう英国赤十字社に求めている」と話す。同氏は現状の繊維リサイクルの難しさに言及した上で、「私たちは、廃棄衣料をごみとは呼ばず新たな資源として捉えようとしている」とも述べた。

 「バーバリー(BURBERRY)」や「グッチ(GUCCI)」といったラグジュアリーブランドをはじめ、マス向けブランドの「リーバイス(LEVI’S)」「ナイキ(NIKE)」、「ザラ」の競合に当たる「H&M」、その姉妹ブランドの「コス(COS)」などもリセールプラットホームの設立や投資を開始しており、「ザラ」は出遅れたかたちとなっていた。

 アンプエロ=サステナビリティ責任者は、「このプログラムは当社にとっても初の試みだ。英国でどのように機能するかを検証し、市場の全体を理解に役立てたい」と話す。

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モンクレールが4年連続でサステナビリティランキングの首位に

 モンクレール(MONCLER)は、信用格付けプロバイダーのS&Pグローバル(S&P GLOBAL)が実施するダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(Dow Jones Sustainability Index以下、DJSI)のテキスタイル・アパレル・ラグジュアリーグッズ部門で、100点満点中90点の最高スコアを取得し、4年連続で「S&Pグローバル コーポレート サステナビリティ アセスメント(S&P Global Corporate Sustainability Assessment)」のトップに輝いた。同ランキングは、社会・環境・経済的観点から世界の主要企業の持続可能性を評価するもので、投資家の参考基準となっている。

 レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちは日々環境や社会的影響への意識を高め、サステナビリティをビジネスモデルに組み込むことに着実に取り組んできた。しかしまだ課題は山積している。特に現在の経済的状況やエネルギー危機により、責任あるビジネスモデルを維持することが困難になっている」とコメントし、業界全体の連携を呼び掛けた。

 モンクレールは、2020年に発表したサステナビリティ戦略「ボーン トゥ プロテクト(Born to Protect)」の下、気候危機、循環型経済、公平な原料調達、多様性の強化、地域貢献を活動の軸に定める。2050年までにネットゼロエミッションを達成することを目標に、サプライチェーン全体でナイロン生地の端材のリサイクルを促進するほか、原材料のトレーサビリティの担保などに取り組む。ルッフィーニ会長兼CEOは中でも、2025年までにコレクションで使用する素材の50%を環境配慮型に切り替えを目指していることや、企業や生産拠点全体でカーボンニュートラルを実現することなどを重要な取り組みとして挙げた。

 現在までの達成項目は下記の通り。

・トレーサブルかつ認証取得済みのダウンのみを使用
・リサイクル素材を15%以上使用
・再生可能エネルギーの使用率は80%で、年内に90%に達する見込み
・環境負荷の低い梱包材のみを使用
・プラスチックの使い捨てを禁止
・アウターウエアの全サプライヤーを対象に倫理的・社会的な面での監査を実施
・女性の管理職の割合は52%
・過去4年間でユニセフと連携し8万人の子どもの生活を支援

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スパイバーのキーマンに聞く、「究極のアパレル型循環エコシステム」

 人工タンパク質素材「ブリュードプロテイン(Brewed Protein)」の開発で世界から注目を集めるスタートアップ企業スパイバー。近年「ブリュードプロテイン」の開発・生産だけではなく、農業残渣や廃棄衣類のセルロースを資源として活用するための研究もスタートした。スパイバーが目指す“循環”とは?キーマンの一人である東憲児スパイバー経営企画室ヘッド・オブ・ビジネス・ディベロップメント&サステナビリティ兼執行役員にオンラインで話を聞いた。
 
WWD:スパイバーが考える循環とは?

東憲児スパイバー執行役員(以下、東):一言で表現するなら、資源を最大限活用すること。無駄になるものを極限まで減らすことが重要だ。何かを新しく作るときに出る副産物や役割を終えた製品などを、「ゴミ」として捉えるのではなく、資源として捉えることができるようなシステムのことを「循環」と考えている。当社も現在の「ブリュードプロテイン」の原料はサトウキビを絞って作った砂糖やトウモロコシのでんぷんといった食料にもなり得るものだが、サトウキビの搾りかす(バガス)やトウモロコシの茎や葉といった農業残渣を活用することが重要だと捉え、1~2年前から研究を始めている。

 また、現在はゴミとなっている古着の活用法も研究している。バガスなどのセルロースでできたもの、言い方を変えればコットンやレーヨンを糖に分解する技術は以前から研究されており、こうした既存技術を活用しつつ、自社でも研究を行っており、プロセスによってはすぐに応用できるものもある。農業残渣は規模を拡大するのに時間がかかりそうだが、技術はできた。古着は一部の開発は残っているが、原理的にできることは分かっている。ただ、古着を活用する場合、原料が天然由来100%なら分解して使えるが、混合素材をどうするか、染料や仕上げに用いる化学物質の影響をクリアにする必要がある。

WWD:確かに現在の「ブリュードプロテイン」の原料は食糧生産とバッテングしているし、バージン素材ともいえる。

東:天然のカシミヤやウールと比べればメリットはあるが、「ブリュードプロテイン」の生産のためだけにサトウキビやトウモロコシを育てるのは、土地も必要だし、肥料や殺虫剤なども使う。

WWD:古着を活用する場合、製品情報の把握はもちろん製品設計時から循環を意識する必要があるのでは?

東:循環を可能にするためには枠組みが必要だ。素材の選定はもちろん、使用後に回収する仕組み、再活用するインフラなどサーキュラーなエコシステムが必要になる。ゴミの分別ルールと似ている。それをパートナー企業や業界団体、政府やNPOと協力して最速のスピードで進めていきたい。

 来年中にはバイオプロセスでの再資源化(発酵原料としてなど)したものであったり、再活用できる素材のみで作られ、かつリサイクル方法などもあらかじめ想定した製品企画を公開したいと考えており、いくつかのアパレルブランドと内容を詰めているところだ。製品設計段階でどうすれば再資源化できるか――われわれが今後提供する循環プロセスにのるための素材や製品規格はどういうものかを公開したい。長期的には、循環する社会を作るパズルの1ピースになればと考えている。循環性に取り組む団体と連携して、大きな枠組みを作ることに貢献したい。

WWD:そうした循環型エコシステムを作るにあたり、注目している技術や企業は?スパイバーで今後さらに必要になる技術や人材は?

東:サーキュラーなエコシステムを作るためのプロジェクトを進行しており、それをドライブする人材はウエルカム。ISOなどの国際規格や国際機関と連携して世の中を巻き込んでドライブするチームだ。引き続き、技術開発やプロセスの効率を上げる研究者や技術力を持った人材も必要だ。タイの工場が稼働して量産化をスタートしたので営業も強化もしている。

WWD:LCAの算定を行っているとか。

東:算定は終わり、現在は第三者によるクリティカルレビューを行っている。

WWD:ウールやカシミヤと比べてどのくらい環境負荷が低いのか?

東:素材の比較はグリーンウオッシュに使われたりもするのでハードルが高い。具体的な数字はまだいえないが――カシミアと“ブリュードプロテイン”を比べると温室効果ガスの排出量はカシミヤの半分にはなる。タイ工場の稼働前に試算しており、実際どうかというアップデートが必要ではある。現在タイ工場の電力は石炭火力だが、再生可能エネルギーを用いれば、タイ工場のフル稼働時にはその排出量比は4分の1~6分の1になる。

WWD:カシミヤは土地利用も課題だ。

東:土地利用に関してはカシミヤの約38分1。カシミヤは動物繊維の中でも環境負荷が大きく、温室効果ガス排出量でも「ブリュードプロテイン」と比べて差が大きく出ているが、ウールと比べると土地利用は約7分の1に抑えられるものの、温室効果ガス排出量は現段階ではドラスティックな違いはない。しかしさまざまな点において改善の余地もあり、今後環境負荷削減に向けて取り組む。中長期的にみるとウールと比べても環境負荷が低くなる想定だ。

WWD:計測することで工程ごとのインパクトが分かるので、優先的に削減に向けて取り組む工程が分かる。

東:まさに今検討しているところだ。一番大きいのは電力。石炭火力かクリーンエネルギーか大きいファクターになる。主な原料が農作物に由来したサトウキビとトウモロコシで、非可食のものや農業残渣を資源に活用するなど、より環境への負荷を減らす取り組みも重要だ。アメリカでの量産設備で提携しているADMとは、アイオワ州クリントン周辺でトウモロコシを生産・供給するADMのサプライヤー間における環境再生型農業の導入を共同で支援することを目的とした契約も締結している。

冨田勝研究室で関山社長とともに学ぶ

WWD:スパイバー入社の経緯は?

東:関山(和秀スパイバー取締役兼代表執行役)に誘われた。関山や菅原(潤一スパイバー取締役兼執行役)とは、慶應義塾大学先端生命科学研究所冨田勝研究室でともに学び、何度か声をかけてもらっていた。

WWD:そもそもバイオテクノロジーに興味を持ったきっかけは?

東:大学に入学した2000年に冨田先生の授業を受ける機会があり、衝撃を受けた。バイオテクノロジーが石油の代替になる本命のソリューションになるというメッセージを受け取り、やってみたいと思った。01年の先端生命科学研究所開設と同時に鶴岡で学び始めた。そこには関山や菅原もいて、関山は人工クモの糸を、私はエネルギーの研究に取り組んでいた。

WWD:さまざまな可能性がある中で、アパレル繊維だった理由は?

東:われわれの素材は規模を拡大するにつれてコストが下がる。繊維の中でも安価なコットンやポリエステルとわれわれの素材とを比べるのはチャレンジではあるが、カシミヤやシルク、ウールはそれなりに高額で、市場規模もある貢献しやすい素材だ。カシミヤやウールの柔らかさは繊維の細さによるが、われわれはカシミヤよりも細く柔らかい繊維を作ることができる。

WWD:スパイバーでの東さんの役割は?

東:企業とパートナーシップ提携や素材の販売を行う事業開発とサステナビリティ関連の取り組みの推進、両方を担当している。

WWD:仕事を通じて感じる面白さや難しさは?

東:世の中のサステナビリティの意識や優先度の変化が面白くもあり、難しい。何年か前までは、今までの素材よりも高いなら使えないというリアクションがほとんどだったが、そこが変わってきている。特にヨーロッパの変化は著しい。一気に変わった感覚があったのは2019年。日本はまだそこまでの変化はないが、変わるときは変わるとヨーロッパの変化を見ていて感じるので、楽観的かもしれないが日本も変わるのではないかとみている。

WWD:東さんが実生活で実践しているサステナブルなことは?

東:消費を抑えることが圧倒的にサステナブルであることに気付き、17年7月を最後に服を買っていない。肌着も買っていない。同じものを作るのにベターは大切だが、その前にできることへの追求も必要だ。

WWD:ちなみに最後に買った服は?

東:「ザ・ノース・フェイス」のズボンだった。たくさん服を買うタイプではないが、無駄に服も下着もたくさんあった。ほとんどの人は意図せずとも大量の服を持っているのではないか。時々補修もするが、買わなくなって5年がたつがそんなに困らない。あとは肉をなるべく食べない。ときどき食べるが環境負荷が大きいので避けるようにしている。

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ファッションワールドは前回上回る集客 インポートが戻りサステナビリティのゾーンが活況

 合同展示会「第13回ファッションワールド 東京(FaW TOKYO) 秋」が10月18〜20日、東京ビッグサイト東展示棟で開かれた。3日間での来場者数は前回を約2000上回る19147人となった。引き続きサステナブルを切り口にしたゾーンが出展社・来場者ともに活況で、加えて今期は海外からの来日出展が戻ってきたこともありインポートゾーンが拡充した。620の出展社の中から初参加を中心にリポートする。

 海外からの出展は26カ国・300社で、半数以上が新規となった。中国は引き続き遠隔出展で、その他の国の多くは関係者が来日してブースで接客にあたった。出展スペースを広く割いたのが、OEM受注などを中心としたバングラディシュやインドと、アパレルや靴など製品展示を中心としたドイツ、韓国、モロッコだ。

 ペルーは駐日大使館商務部の取りまとめで初出展し、アルパカ製品を全面に押し出し7社が参加した。「カシミヤと比べてまだ知名度が低いアルパカの魅力を伝えたい。代理店を探している企業が多い」と商務部担当者。来日した担当者が自ら製品を着て接客に当たるブースには活気があった。

 集客が多かったのは、「サステナブル ファッション エキスポ」のゾーンだ。同展がサステナビリティを切り口にしたゾーンを設けるのは4回目で、回を追うごとに出展者が増え、今回は昨年の倍のスペースを割いた。当初は再生繊維などを訴求する素材メーカーや繊維専門商社の出展が中心だったが今回はそれに加えて、“循環”をキーワードに回収からリサイクルのプラットフォームや、デジタルを生かしたより無駄のない生産技術など提案の幅が広がっている。伊藤忠商事は「レニュー」名で初出展し、リサイクルポリエステル素材「レニュー」に加え、エコミットと業務提携した繊維製品の回収サービス「ウェア・トゥ・ファッション」を展示。ロフトなどと取り組む繊維製品の回収・循環プラットフォーム「ビオロジックループ」も初出展し、ブースは終日賑わっていた。

 素材や生地では生分解性がキーワードの一つとなっており、目を引いたのは日本毛織による海水中でのウールの生分解性実験の公表だ。同社によると、ポリエステル長繊維・ウール交撚糸を使ったTシャツとポリエステル100%のTシャツを生け簀の海水に150日間、浸漬させたところ、ウール部分がほぼ生分解されてポリエステル長繊維の部分がガーゼ状に残ったという。プロジェクトに参加した「リコール(REQUAL≡)」の土居哲也デザイナーなどがトークイベントも行なった。

 また従来はアパレルやレザーグッズなど他ゾーンに出展していた、企業・団体がサステナブルを切り口に同ゾーンへ出展するケースも増えている。皮革産業連合会は「ジャパンレザーショールーム」として大きなスペースを割き、レザー素材から靴や革小物などの製品まで16社が日本製レザーを総合的に展示。加えて皮革に関する知識を伝えるパネルを用意し、日本で使われている天然皮革が基本的に畜産の副産物であることや、進化しているなめしや染色方法などを紹介。長く使うための具体的な手入れ方法を実演するなど日本のレザーの品質に加えてサステナブルな側面を訴求した。

 タイのリサイクル・テキスタイルのリーディングカンパニーSCグランドは、インポートではなくサステナブルのゾーンに出展し代理店探しなどを行った。その理由をジラロット・ポジャナヴァラパン=マネージング・ディレクターは「SC は“‘Sustainable Cloth”を意味し、私たちは祖父の代から50年以上にわたって繊維廃棄物やリサイクル工場を運営しており、出展するならここだ」と話す。多くの企業がサステナブルを前提に提案を始めているなか、今後は同展がどのようなゾーニングで集客を図るのか、業界事情の縮図とも言える同展だけに今後の切り口が木になるところだ。

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