ファッション&ビューティ業界でもデザイナーが発表するコレクションや新キャンペーンなどにおいて、クリエイティビティーを刺激する存在がミューズと呼ばれる。例えば、「ジバンシィ(GIVENCHY)」の創業デザイナーであるユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)のミューズはオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)をであったとされている。「シャネル(CHANEL)」のデザイナーを務めた、故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏は、80年代は、イネス・ド・ラ・フレサンジュ(Inès de la Fressange)を90年代にはクラウディア・シファー(Claudia Schiffer)をそれぞれミューズとしていたと言われる。
ファッション&ビューティ業界でもデザイナーが発表するコレクションや新キャンペーンなどにおいて、クリエイティビティーを刺激する存在がミューズと呼ばれる。例えば、「ジバンシィ(GIVENCHY)」の創業デザイナーであるユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)のミューズはオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)をであったとされている。「シャネル(CHANEL)」のデザイナーを務めた、故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏は、80年代は、イネス・ド・ラ・フレサンジュ(Inès de la Fressange)を90年代にはクラウディア・シファー(Claudia Schiffer)をそれぞれミューズとしていたと言われる。
レッドカーペットでのティモシー・シャラメ ARTHUR MOLA/INVISION/AP (C) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC「WWDビューティ」2017年4月20日号の表紙を飾った小松菜奈「ハイダー アッカーマン」を着用したティモシー・シャラメ JOEL C RYAN/INVISION/AP (C) FAIRCHILD PUBLISHING, LLCロンドンで撮影されたティモシー・シャラメ JOEL C RYAN/INVISION/AP (C) FAIRCHILD PUBLISHING, LLCUS版「WWD」の記事から見るアンニュイ”の英語での使用例。「ホリデー後のセールが小売の“不調(アンニュイ)”を軽減」という趣旨「アンニュイ」な表情のイメージ PHOTO:KARINA TESS
「アンニュイ」は日本独自の発展を遂げたため、単語自体は存在するフランス語圏や英語圏でも通じないが、近いアイデアは存在する。"サッド・ボーイ(sad boy、sad boi)"は、哀愁や気だるさをファッションや音楽などのライフスタイルで表現する人々を表す。ネガティブな感情を、美しさやオシャレとして解釈をするプロセスは「アンニュイ」に通ずるものがあるが、"〇〇系男子"のように男性のみに使われることが多い。これは、伝統的に積極性や強さが求められてきた男性が、逆にメランコリックな雰囲気で魅力的になっているからだろう。イギリスのバンド、ザ・スミス(The Smiths)のモリッシー(Morrissey)は、ニヒルな歌詞、文学的趣味やソフトなシルエットのファッションから"サッド・ボーイ"のイメージが若い頃にあったほか、「アンニュイ」で名を挙げたティモシー・シャラメも表情や「君の名前で僕を呼んで(Call Me By Your Name)」などの登場作品から同様のイメージがあると言える。また、英語の"エフォートレス(effortless)"は、日本語の"抜け感"のような意味で、「アンニュイ」の脱力感のあるオシャレに近いニュアンスを持つ。
雨などが洋服にしみてしまう問題を解決するため、ゴアテックス(GORE-TEX)などの防水素材が登場したように、課題をテクノロジーで解決するのが「テックウエア」のオリジンだ。「テックウエア」を検索すると「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ナイキ(NIKE)」などスポーツやアウトドアブランドが出てくるのは、機能性やパフォーマンス性を重視したアイテムが多いからだろう。しかし、「ユニクロ(UNIQLO)」の“ヒートテック”や“エアリズム”に代表される防寒性や透湿性を重視したインナーなど、「テックウエア」と呼べるアイテムは多岐に渡り、多くの人の日常に溶け込んでいる。ハイファッションでも、「ディオール(DIOR)」が2022-23年秋冬コレクションで、南極観測隊の防護服などを作るスタートアップ企業と協業した温度調整機能のついたスーツや防弾チョッキを彷彿とさせるアイテムを発表し、話題になった。
PROFILE:(やまだ・めゆみ)東京理科大学卒。東大EMP修了。化粧品メーカー商品開発部在職中、個人で始めたメルマガへの反響をもとにコスメ情報サイト「アットコスメ」を企画立案。サイト立ち上げを牽引し、1999年にアイスタイルを共同創業。現在も同社取締役を務めるほか、他の上場企業で社外取締役、学校法人理事等を兼任している。女性の多様な活躍の在り方を支援する活動が評価され「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017」において個人部門グランプリを受賞。プライベートでは2児の母
提唱当初はアプリと連動したサービスなど、IT的な”テクノロジー色”が濃いものが主流だったが、21年現在は悩みを解決するためのテクノロジーとして幅広い製品を指すようになっている。ラフォーレ原宿に店舗を構えるラブピースクラブ(LOVE PIECE CLUB)や、“未来の日用品”を扱うニュースタンドトーキョー(NEW STAND TOKYO)、オンライン専門のフェルマータ(FERMATA)などのフェムテックストアでは、吸水ショーツや月経カップといったサニタリーアイテムからプレジャートイ、書籍などが並ぶ。吸水ショーツもレースなどを施したデザイン性に凝ったものから、ジェンダーレスでシンプルなボクサー型などの選択肢が年々増えている。
その他:事例のその後・社会ができる一例
文化の盗用による炎上が、SNSで留まることなく、行政や企業を動かす事例もある。「キモノ」のケースでは、京都市の門川大作市長が公式に名称変更を訴える公式文書を発表した。メキシコのアレハンドラ・フラウスト・ゲレロ(Alejandra Frausto Guerrero)文化相も、ファッション業界が先住民の文化を尊重する重要性について、「『私たち抜きに、私たちのものを使うな(Nothing from us without us)』ということを推進したいと考えている」と明言。女性たちが育てた「フェムテック」も、男性中心の企業や体制を持つ業界が「今話題となっているから」と安易に利益につなげることも問題視されており、「当事者性」を考えなくてはいけない。
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI
PROFILE::(よしいずみ・さとし)デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。 その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞は、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future ミラノサローネで展示した作品「COMPOSITION」。このシリーズの作品は、香港の美術館M+(エムプラス)にも収蔵されている PHOTO:MASAYUKI HAYASHI