『西宇和みかん』の可能性を伝えるスペシャルスイーツを、スイーツジャーナリスト・平岩理緒氏が実食。[TERROIR OF NISHIUWA/愛媛県八幡浜市]

スイーツジャーナリストの平岩理緒氏。食の情報発信だけでなく、セミナー講師や商品開発コンサルティングなど、多岐にわたって活躍中。

テロワールオブ西宇和期間限定で提供中の『西宇和みかん』スペシャルスイーツ。

愛媛県西宇和の特産品『西宇和みかん』。
そのまま食べて美味しい、この『西宇和みかん』で、全6皿のデザートコースを創る。果敢に挑んだパティシエールが目黒『Kabi』の中村樹里子氏でした。

中村氏は白金の人気フレンチレストラン『TIRPSE』でデザートを手掛けていた新進気鋭の料理人。2015年には『TIRPSE』のランチタイムに『KIRIKO NAKAMURA』として一年間だけ、デザートコースのみを提供した実績もあります。

12月21日までの期間限定で振る舞われる、今回の『Kabi』のコースが、ゲストにはっきりと示したのは『西宇和みかん』の可能性。
▶詳細は、『西宇和みかん』が見せた、様々な表情。ついに完成した『KIRIKO NAKAMURA』の期間限定デザートコース。

すでに体験したゲストのひとり、平岩理緒氏が感動を振り返ります。
「普通に考えると、温州みかんだけでフルコースって難しいはず。けれど、調理法をすべて変えることで、最後まで飽きさせない構成になっていて、さすがでした。何より、流れが素晴らしかった」

平岩氏はスイーツ好きのための情報web『幸せのケーキ共和国』を主宰するスイーツジャーナリスト。1カ月に200種以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やweb、ラジオやテレビなど、多くのメディアで情報を発信する、スイーツのプロフェッショナルです。

『KIRIKO NAKAMURA』にも足を運んでおり、その頃から「樹里子さんのデザートは好きでした」と言います。
平岩氏はこの日、東京・GINZA SIXに向かっていました。

目指すは6階にある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。
『Kabi』のデザートコースは、残念ながら、間もなく終了してしまいますが、『西宇和みかん』のポテンシャルと『KIRIKO NAKAMURA』のエスプリを体感するチャンスは、ほかにもあります。
「もっと多くの方に、『西宇和みかん』の可能性を体感して欲しい」と、中村氏がプロデュースした『西宇和みかん』スペシャルメニューが、都内3店舗で展開されているのです。

その3店舗こそ、渋谷『WIRED TOKYO 1999』、表参道『発酵居酒屋5』、そして、GINZA SIXにある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。

平岩氏は今、中村氏が手掛けた『西宇和みかん』スペシャルスイーツを味わうべく、『フタバフルーツパーラー銀座本店』に向かっています。
「楽しみです」
そう言って、微笑む平岩氏を追いました。

▶詳細は、TERROIR OF NISHIUWA/特徴的な地形が育む、伝統の『西宇和みかん』で進む、新たな価値観の創造。

西宇和の恵まれた自然環境が育む『西宇和みかん』。じょうのうが薄く、果肉は高糖度。酸味も適度にあって美味。

テロワールオブ西宇和ジューシーで芳しく香る『西宇和みかん』を活かしたスイーツ。

『フタバフルーツパーラー銀座本店』は、東京・中野区で1940年に創業した果実店『フタバフルーツ』と、全国で高感度なレストランやカフェを展開するCAFE COMPANYがコラボレーションしたフルーツパーラー。
旬の果物をたっぷり使ったパフェやサンドイッチのほか、食事メニューも充実しています。
中村氏が手掛けたスイーツが「西宇和みかんとみかん蜂蜜のフレンチトースト」。
1日限定10食という希少性で早くも話題になっています。

大きな白磁で登場した、そのフレンチトーストを見て、「ボリュームがありますね」と思わず平岩氏も笑顔に。ひと口、食べて、さらに嬉しそう。
「温かいフレンチトーストで、みかんもほんのり温まっているのがいいですね。香りが立って、味わいも、よりまろやかに感じられます。温かいみかんも美味しいんだっていう新しい発見があります」
たっぷり乗った『西宇和みかん』が輪切りになっている点も大切なポイント。
 
「切り方で食材の印象は大きく変わりますが、みかんは横にスライスして断面を大きく取ることで、より瑞々しく感じられる。添えられた蜂蜜で味変できるのも楽しいですよね」。

そして、粒だけでなく、“じょうのう”も活かした『西宇和みかん』使いに、日本人が温州みかんに抱く郷愁まで誘うと指摘するのです。
「温州みかん特有の丸みを帯びた優しさが表現されている点に、まず感銘を受けましたが、じょうのうと粒を同時に味わうことで、日本人なら誰もが抱く懐かしさまで感じられる。『おこたで、みかん』(笑)。銀座で働いている方々も、これを食べたら故郷を思い出すんじゃないでしょうか」

「西宇和みかんとみかん蜂蜜のフレンチトースト」。別添の蜂蜜をかけても。アクセントに和栗の渋皮煮とアイスをトッピング。1日限定10食。

西宇和みかんスペシャルスイーツを味わうため、GINZA SIXに足を運んだ平岩氏。

GINZA SIX 6階プレミアムフードホール「銀座大食堂」内にある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。旬のフルーツをふんだんに使ったメニューをラインアップ。

「もっちり食感のフレンチトーストですから、みかんたちをしっかり受け止めてくれている」と平岩氏。

テロワールオブ西宇和・真穴共選みかんを始め、西宇和の食材たちが見事に融合した中村氏のデザート。

振り返れば、『Kabi』のデザートコースも、フレンチレストランがベースにあった『KIRIKO NAKAMURA』当時の中村氏より、「ベクトルが少し日本に向いている気がしました」と平岩氏。
「元々、柑橘類は好きでフレンチのデザートでもよくいただくのですが、西洋のオレンジにあるような強さ、尖った酸味や甘みではなく、温州みかんの優しさを上手に引き出したデザートコースでした」

例えば、「roast」は、平岩氏が印象に残った皿のひとつ。
ローストすることで『西宇和みかん』の味や香りが凝縮され、「一般的に爽やかに仕上がるソルベも、想像以上に濃厚な温州みかん」で驚いたそう。
「地方によっては、焼きみかんを日常的に食べる習慣もありますが、そういう昔ながらの食べ方を応用しているようにも感じました」
「carbonization」で人参芋や菊芋、「fresh」でニッケ(シナモンの一種)と、同じ西宇和で育った食材同士の相性の良さにも「納得って感じです。作り手が産地へ赴く意義を強く感じた」。

嬉々として生産の現場を巡る中村氏の姿が目に浮かんだのか、平岩氏も楽しそうに語るのです。
「蜂蜜、日本酒……本当にいろいろな地元の食材がそれぞれのお皿に潜んでいて、新しい発見をした樹里子さんの喜びが伝わってくるようでした。フレンチでもない、和食でもない。○○料理ってカテゴライズはできない魅力がありました」

『Kabi』のコースで登場した「roast」。「焼きみかんそのものの美味しさ」で平岩氏が最も印象深かったデザート。「サツマイモのような風味も感じられました」

『Kabi』の4皿目、「carbonization」。黒いパウダーが『西宇和みかん』で「香りがしっかり感じられました。2種の芋の素朴な甘みや、メープルのアイスの優しい香りとも好相性でした」と平岩氏。

テロワールオブ西宇和発酵によって深みを増した『西宇和みかん』の個性と実力。

平岩氏が次に向かったのは表参道『発酵居酒屋5』。
『Kabi』と同じく、発酵をテーマにした居酒屋で、店内には自家製で麹を育てる発酵樽も鎮座。あらゆるメニューで発酵がひと役買っています。

そんな店が提供する『西宇和みかん』スペシャルスイーツが「甘酒ヨーグルトブランマンジェ 発酵西宇和みかんジュレ」。
発酵させた『西宇和みかん』のジュースをジュレに。清涼感あるジュレの味わいに合わせて、この店のレギュラーメニュー「甘酒ブランマンジェ」に、ヨーグルトをプラスしています。

『発酵居酒屋5』では、このスイーツと一緒にペアリングで楽しめる「発酵西宇和みかんサワー」も用意。ベースになる『西宇和みかん』の発酵ジュースは店舗で手作りしています。

まずサワーをひと口、飲んで「発酵感がしっかりありますね」と平岩氏。
「甘みもしっかりあって女性でも飲みやすいです。発酵ジュースを作られる過程で、何か注意されている点はあるんですか?」
高木豊店長に尋ねました。
「毎日、お世話することです(笑)」と高木店長。
「お世話?」
「毎日、攪拌(かくはん)するんです。放っておくとすぐにスネてしまう(笑)」
「手間がかかっているんですね」
続いて、ブランマンジェをパクリ。
「口溶けがいいですね。ヨーグルトの爽やかさもある。ジュレには、甘みだけでなく、みかん特有の心地良い苦味も感じられて、バランスの良いスイーツに仕上がっています」
「発酵食品は微生物の酵素反応によって作られますが、その働きは体にも良い。だから、心身に沁みるんでしょうね」
今度は高木店長が真顔で説明しました。

「甘酒ヨーグルトブランマンジェ 発酵西宇和みかんジュレ」と「発酵西宇和みかんサワー」。12月28日までの提供。

『発酵居酒屋5』は表参道交差点からすぐの立地。塩糀ダレを使った「発酵からあげ」など、発酵に的を絞ってメニュー展開。

「さっぱりしていますから、食後にいい」と平岩氏。「ピリッとした生姜はサクサクで、食感のアクセントにもなっています」

テロワールオブ西宇和年内いっぱいで提供が終わるスペシャルスイーツが味わえるのは今だけ。

「温州みかんの優しさ、懐かしさを改めて感じましたけど、フレンチトーストには和栗、ジュレには生姜や胡桃など、食感にも工夫があって、日本人らしい季節感や、五感で味わう繊細さを表現した印象ですね」
そう言って、2種の『西宇和みかん』スイーツを評した平岩氏。

渋谷『WIRED TOKYO 1999』では、「西宇和みかんのデニッシュフレンチトースト」を提供中。『西宇和みかん』スペシャルメニューは3軒とも、年内いっぱいの提供。12月31日まで(『発酵居酒屋5』は28日まで)の期間限定です。
▶詳細は、『西宇和みかん』が見せた、様々な表情。ついに完成した『KIRIKO NAKAMURA』の期間限定デザートコース。

新進気鋭のパティシエールが創り、プロのスイーツジャーナリストが高く評価した『西宇和みかん』スペシャルスイーツ。
スイーツ好きならずとも、今すぐ、試してみたくなるのです。

(supported by JAにしうわ

渋谷『WIRED TOKYO 1999』で提供されている「西宇和みかんのデニッシュフレンチトースト」。特製ソースも『西宇和みかん』。12月31日までの期間限定。

「温州みかんのスイーツって意外とないですよね」と高木豊店長。答えて、平岩氏も「さすが、樹里子さんって感じです」

マーケターとして食品メーカーなどのプロモーション、リサーチを担当し、商品開発・販促に関わった経験を生かし、独立。菓子の基礎知識を製菓学校で学ぶ。1か月に200種類以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やWEB、ラジオ、TV等で、スイーツを中心とする「食」の情報を発信するスイーツジャーナリストとして活動。執筆の他、セミナー講師、イベント司会、企業の商品開発コンサルティングまで幅広くこなす。

大阪出身。関西の洋菓子店などを経て、29歳で単独渡仏。パリではシェフパティシエとして「L’Instant d’Or(ランスタン・ドール)」を1年でミシュラン1ツ星に導いた。帰国後は、東京・白金台の『TIRPSE (ティルプス)』に参加。軽やかでいて深みのあるデザートの味わいには国内外からの評価も高い。2015年7月8日より『TIRPSE』のランチタイムを1年間限定で『KIRIKO NAKAMURA』とし、6品の季節感あふれるデザートだけのコースを企画。
今回、目黒Restaurant『Kabi』にて、KIRIKO NAKAMURAデザートコースを2週間限定で復活させる。

『西宇和みかん』の可能性を伝えるスペシャルスイーツを、スイーツジャーナリスト・平岩理緒氏が実食。[TERROIR OF NISHIUWA/愛媛県八幡浜市]

スイーツジャーナリストの平岩理緒氏。食の情報発信だけでなく、セミナー講師や商品開発コンサルティングなど、多岐にわたって活躍中。

テロワールオブ西宇和期間限定で提供中の『西宇和みかん』スペシャルスイーツ。

愛媛県西宇和の特産品『西宇和みかん』。
そのまま食べて美味しい、この『西宇和みかん』で、全6皿のデザートコースを創る。果敢に挑んだパティシエールが目黒『Kabi』の中村樹里子氏でした。

中村氏は白金の人気フレンチレストラン『TIRPSE』でデザートを手掛けていた新進気鋭の料理人。2015年には『TIRPSE』のランチタイムに『KIRIKO NAKAMURA』として一年間だけ、デザートコースのみを提供した実績もあります。

12月21日までの期間限定で振る舞われる、今回の『Kabi』のコースが、ゲストにはっきりと示したのは『西宇和みかん』の可能性。
▶詳細は、『西宇和みかん』が見せた、様々な表情。ついに完成した『KIRIKO NAKAMURA』の期間限定デザートコース。

すでに体験したゲストのひとり、平岩理緒氏が感動を振り返ります。
「普通に考えると、温州みかんだけでフルコースって難しいはず。けれど、調理法をすべて変えることで、最後まで飽きさせない構成になっていて、さすがでした。何より、流れが素晴らしかった」

平岩氏はスイーツ好きのための情報web『幸せのケーキ共和国』を主宰するスイーツジャーナリスト。1カ月に200種以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やweb、ラジオやテレビなど、多くのメディアで情報を発信する、スイーツのプロフェッショナルです。

『KIRIKO NAKAMURA』にも足を運んでおり、その頃から「樹里子さんのデザートは好きでした」と言います。
平岩氏はこの日、東京・GINZA SIXに向かっていました。

目指すは6階にある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。
『Kabi』のデザートコースは、残念ながら、間もなく終了してしまいますが、『西宇和みかん』のポテンシャルと『KIRIKO NAKAMURA』のエスプリを体感するチャンスは、ほかにもあります。
「もっと多くの方に、『西宇和みかん』の可能性を体感して欲しい」と、中村氏がプロデュースした『西宇和みかん』スペシャルメニューが、都内3店舗で展開されているのです。

その3店舗こそ、渋谷『WIRED TOKYO 1999』、表参道『発酵居酒屋5』、そして、GINZA SIXにある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。

平岩氏は今、中村氏が手掛けた『西宇和みかん』スペシャルスイーツを味わうべく、『フタバフルーツパーラー銀座本店』に向かっています。
「楽しみです」
そう言って、微笑む平岩氏を追いました。

▶詳細は、TERROIR OF NISHIUWA/特徴的な地形が育む、伝統の『西宇和みかん』で進む、新たな価値観の創造。

西宇和の恵まれた自然環境が育む『西宇和みかん』。じょうのうが薄く、果肉は高糖度。酸味も適度にあって美味。

テロワールオブ西宇和ジューシーで芳しく香る『西宇和みかん』を活かしたスイーツ。

『フタバフルーツパーラー銀座本店』は、東京・中野区で1940年に創業した果実店『フタバフルーツ』と、全国で高感度なレストランやカフェを展開するCAFE COMPANYがコラボレーションしたフルーツパーラー。
旬の果物をたっぷり使ったパフェやサンドイッチのほか、食事メニューも充実しています。
中村氏が手掛けたスイーツが「西宇和みかんとみかん蜂蜜のフレンチトースト」。
1日限定10食という希少性で早くも話題になっています。

大きな白磁で登場した、そのフレンチトーストを見て、「ボリュームがありますね」と思わず平岩氏も笑顔に。ひと口、食べて、さらに嬉しそう。
「温かいフレンチトーストで、みかんもほんのり温まっているのがいいですね。香りが立って、味わいも、よりまろやかに感じられます。温かいみかんも美味しいんだっていう新しい発見があります」
たっぷり乗った『西宇和みかん』が輪切りになっている点も大切なポイント。
 
「切り方で食材の印象は大きく変わりますが、みかんは横にスライスして断面を大きく取ることで、より瑞々しく感じられる。添えられた蜂蜜で味変できるのも楽しいですよね」。

そして、粒だけでなく、“じょうのう”も活かした『西宇和みかん』使いに、日本人が温州みかんに抱く郷愁まで誘うと指摘するのです。
「温州みかん特有の丸みを帯びた優しさが表現されている点に、まず感銘を受けましたが、じょうのうと粒を同時に味わうことで、日本人なら誰もが抱く懐かしさまで感じられる。『おこたで、みかん』(笑)。銀座で働いている方々も、これを食べたら故郷を思い出すんじゃないでしょうか」

「西宇和みかんとみかん蜂蜜のフレンチトースト」。別添の蜂蜜をかけても。アクセントに和栗の渋皮煮とアイスをトッピング。1日限定10食。

西宇和みかんスペシャルスイーツを味わうため、GINZA SIXに足を運んだ平岩氏。

GINZA SIX 6階プレミアムフードホール「銀座大食堂」内にある『フタバフルーツパーラー銀座本店』。旬のフルーツをふんだんに使ったメニューをラインアッ

「もっちり食感のフレンチトーストですから、みかんたちをしっかり受け止めてくれている」と平岩氏。

テロワールオブ西宇和・真穴共選みかんを始め、西宇和の食材たちが見事に融合した中村氏のデザート。

振り返れば、『Kabi』のデザートコースも、フレンチレストランがベースにあった『KIRIKO NAKAMURA』当時の中村氏より、「ベクトルが少し日本に向いている気がしました」と平岩氏。
「元々、柑橘類は好きでフレンチのデザートでもよくいただくのですが、西洋のオレンジにあるような強さ、尖った酸味や甘みではなく、温州みかんの優しさを上手に引き出したデザートコースでした」

例えば、「roast」は、平岩氏が印象に残った皿のひとつ。
ローストすることで『西宇和みかん』の味や香りが凝縮され、「一般的に爽やかに仕上がるソルベも、想像以上に濃厚な温州みかん」で驚いたそう。
「地方によっては、焼きみかんを日常的に食べる習慣もありますが、そういう昔ながらの食べ方を応用しているようにも感じました」
「carbonization」で人参芋や菊芋、「fresh」でニッケ(シナモンの一種)と、同じ西宇和で育った食材同士の相性の良さにも「納得って感じです。作り手が産地へ赴く意義を強く感じた」。

嬉々として生産の現場を巡る中村氏の姿が目に浮かんだのか、平岩氏も楽しそうに語るのです。
「蜂蜜、日本酒……本当にいろいろな地元の食材がそれぞれのお皿に潜んでいて、新しい発見をした樹里子さんの喜びが伝わってくるようでした。フレンチでもない、和食でもない。○○料理ってカテゴライズはできない魅力がありました」

『Kabi』のコースで登場した「roast」。「焼きみかんそのものの美味しさ」で平岩氏が最も印象深かったデザート。「サツマイモのような風味も感じられました」

『Kabi』の4皿目、「carbonization」。黒いパウダーが『西宇和みかん』で「香りがしっかり感じられました。2種の芋の素朴な甘みや、メープルのアイスの優しい香りとも好相性でした」と平岩氏。

テロワールオブ西宇和発酵によって深みを増した『西宇和みかん』の個性と実力。

平岩氏が次に向かったのは表参道『発酵居酒屋5』。
『Kabi』と同じく、発酵をテーマにした居酒屋で、店内には自家製で麹を育てる発酵樽も鎮座。あらゆるメニューで発酵がひと役買っています。

そんな店が提供する『西宇和みかん』スペシャルスイーツが「甘酒ヨーグルトブランマンジェ 発酵西宇和みかんジュレ」。
発酵させた『西宇和みかん』のジュースをジュレに。清涼感あるジュレの味わいに合わせて、この店のレギュラーメニュー「甘酒ブランマンジェ」に、ヨーグルトをプラスしています。

『発酵居酒屋5』では、このスイーツと一緒にペアリングで楽しめる「発酵西宇和みかんサワー」も用意。ベースになる『西宇和みかん』の発酵ジュースは店舗で手作りしています。

まずサワーをひと口、飲んで「発酵感がしっかりありますね」と平岩氏。
「甘みもしっかりあって女性でも飲みやすいです。発酵ジュースを作られる過程で、何か注意されている点はあるんですか?」
高木豊店長に尋ねました。
「毎日、お世話することです(笑)」と高木店長。
「お世話?」
「毎日、攪拌(かくはん)するんです。放っておくとすぐにスネてしまう(笑)」
「手間がかかっているんですね」
続いて、ブランマンジェをパクリ。
「口溶けがいいですね。ヨーグルトの爽やかさもある。ジュレには、甘みだけでなく、みかん特有の心地良い苦味も感じられて、バランスの良いスイーツに仕上がっています」
「発酵食品は微生物の酵素反応によって作られますが、その働きは体にも良い。だから、心身に沁みるんでしょうね」
今度は高木店長が真顔で説明しました。

「甘酒ヨーグルトブランマンジェ 発酵西宇和みかんジュレ」と「発酵西宇和みかんサワー」。12月28日までの提供。

『発酵居酒屋5』は表参道交差点からすぐの立地。塩糀ダレを使った「発酵からあげ」など、発酵に的を絞ってメニュー展開。

「さっぱりしていますから、食後にいい」と平岩氏。「ピリッとした生姜はサクサクで、食感のアクセントにもなっています」

テロワールオブ西宇和年内いっぱいで提供が終わるスペシャルスイーツが味わえるのは今だけ。

「温州みかんの優しさ、懐かしさを改めて感じましたけど、フレンチトーストには和栗、ジュレには生姜や胡桃など、食感にも工夫があって、日本人らしい季節感や、五感で味わう繊細さを表現した印象ですね」
そう言って、2種の『西宇和みかん』スイーツを評した平岩氏。

渋谷『WIRED TOKYO 1999』では、「西宇和みかんのデニッシュフレンチトースト」を提供中。『西宇和みかん』スペシャルメニューは3軒とも、年内いっぱいの提供。12月31日まで(『発酵居酒屋5』は28日まで)の期間限定です。
▶詳細は、『西宇和みかん』が見せた、様々な表情。ついに完成した『KIRIKO NAKAMURA』の期間限定デザートコース。

新進気鋭のパティシエールが創り、プロのスイーツジャーナリストが高く評価した『西宇和みかん』スペシャルスイーツ。
スイーツ好きならずとも、今すぐ、試してみたくなるのです。

(supported by JAにしうわ

渋谷『WIRED TOKYO 1999』で提供されている「西宇和みかんのデニッシュフレンチトースト」。特製ソースも『西宇和みかん』。12月31日までの期間限定。

「温州みかんのスイーツって意外とないですよね」と高木豊店長。答えて、平岩氏も「さすが、樹里子さんって感じです」

マーケターとして食品メーカーなどのプロモーション、リサーチを担当し、商品開発・販促に関わった経験を生かし、独立。菓子の基礎知識を製菓学校で学ぶ。1か月に200種類以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やWEB、ラジオ、TV等で、スイーツを中心とする「食」の情報を発信するスイーツジャーナリストとして活動。執筆の他、セミナー講師、イベント司会、企業の商品開発コンサルティングまで幅広くこなす。

大阪出身。関西の洋菓子店などを経て、29歳で単独渡仏。パリではシェフパティシエとして「L’Instant d’Or(ランスタン・ドール)」を1年でミシュラン1ツ星に導いた。帰国後は、東京・白金台の『TIRPSE (ティルプス)』に参加。軽やかでいて深みのあるデザートの味わいには国内外からの評価も高い。2015年7月8日より『TIRPSE』のランチタイムを1年間限定で『KIRIKO NAKAMURA』とし、6品の季節感あふれるデザートだけのコースを企画。
今回、目黒Restaurant『Kabi』にて、KIRIKO NAKAMURAデザートコースを2週間限定で復活させる。