「江戸時代から続く住吉神社例大祭」。[おのみち住吉花火まつり/広島県尾道市]

住吉神社の前で数隻の提灯船が準備をしていました。

おのみち住吉花火まつり尾道水道を渡御する提灯船。

旧暦の6月27日前後の土曜日に毎年開催されるおのみち住吉花火まつりの歴史は古く江戸中期に遡ります。正式名称は住吉神社例大祭。尾道水道に面した場所に建立された港の守り神である住吉神社に商売繫盛や海上交通の安全を祈願する奉納花火として行われています。
花火が打ち上げられるのは住吉神社を正面に臨む海上となります。花火会場までは尾道駅から徒歩圏内と近く、尾道水道は幅が狭い為、対岸の向島からも観覧が可能です。

花火開始前にはチャンリギ囃子というお囃子が奏でられ、尾道水道では神聖な儀式である提灯船の渡御が行われます。夕闇迫る海上を航行する提灯船を夕焼けが幻想的に浮かび上がらせます。山型、鳥居、御幣、火船、御座船を表した提灯船は全部で5隻。山を登り、鳥居をくぐり、神様にお参りする様子を表しているそうです。

尾道水道に浮かべた台船から花火を打ち上げます。

おのみち住吉花火まつり華やかな水中花火は最大の見せ場。

花火大会は4部構成。尾道水道に浮かべられた台船から打ち上がり、スターマインと早打ちを交互に観られるようなプログラムとなっています。また音楽花火も見どころの一つです。

そして何より最大の見せ場は水中花火ではないでしょうか。水中孔雀という優美な名前が付けられた水中花火とスターマインの饗宴は華やかで美しく海面に映る花火と相まって一層の輝きを魅せてくれます。打ち上げを担当されているのは埼玉県の金子花火さんです。

昨年私はSetouchi PHOTO写真教室さまの企画として花火大会撮影セミナー講師のご依頼を受けました。セミナー参加者の皆様と一緒に和気藹々とした雰囲気の中で観覧・撮影させていただいた楽しい思い出は約一年経った今も心に残っています。

水中孔雀(水中花火)と打上花火が組み合わされた色鮮やかなスターマイン。

おのみち住吉花火まつり追善供養、復興祈願、花火の意味を考える。

昨年は開催時期直前に広島県のみならず近隣の県にも甚大な被害をもたらした豪雨災害が発生しました。まつりの実施は不可能ではないかという危機に直面し、県内外の被害状況を鑑みての開催への賛否、おそらく幾度となく行われた話し合いなど、主催者さまの苦悩は計り知れないものがあったことは想像に難くありません。神事であるという原点に立ち返り、亡くなった方への慰霊と災害からの復興を願って開催を決定されたと聞いております。

日本で開催される花火大会がお盆に多い訳、それは故郷に帰省する人が多いからという理由もあるでしょう。しかし大きな理由の一つとして亡くなった方に向けての追善供養という意味があります。そのような花火の意味を考えれば江戸時代からの歴史を誇るおのみち住吉花火まつりが開催された意義があったと考えます。

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場所:広島県尾道市 土堂二丁目 住吉神社 地先 (尾道水道海上) MAP
日時:7月28日(土) 19:30~20:30 ※小雨決行 荒天の場合順延 29日(予定)
おのみち住吉花火まつり HP:http://onomichi-cci.or.jp/hanabi/

1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
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