「地産地消」がスタンダードとなった今、地方のレストランにはそれに頼らないアイデンティティが求められる時代。地域に根ざしながら、県外、海外からもゲストを呼ぶ店へと発展する可能性はどこにあるのか。『The World’s 50 Best Restaurants』の日本評議委員長も務める中村氏が、ワールドスタンダードな視点で、新潟の、下越地方の食の今を味わい尽くす、その旅に密着します。
10月5日(土)、6日(日)に『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』が開催されました。初の試みとなるダブルシェフのコラボレーションで、開催前から注目を集めた通算17回目の『DINING OUT』。しかも、石川県にルーツを持つ西麻布『AZUR et MASA UEKI』の植木 将仁シェフと、世界のレストランランキングやアワードで高い評価を受けるアメリカ人シェフ、ジョシュア・スキーンズ氏、国境を超えた2人のタッグというニュースが、さらなる話題を呼びました。テーマは「漆文化の地に根付く、真の豊かさを探る」。
今回の『DINING OUT』は、平行して進められてきた『DESIGNING OUT Vol.2』も大きな話題に。地場産業、伝統工芸に独自のクリエイションを加え、新しいプロダクトを開発する本プロジェクトを世界的建築家の隈 研吾氏が監修。製造されたオリジナルの輪島塗の全貌が、このディナーを通じて明らかになるからです。
ディナーのはじまりに、中村氏からまず『DESIGNING OUT Vol.2』についての説明があります。輪島塗は、木地づくりから沈金、蒔絵などの装飾まで124もの工程があり、その工程を分業することが大きな特徴。隈氏が地元の職人とともにつくり上げた6枚の皿は、完成品を手に取っただけでは知り得ない、輪島塗の製造工程を可視化したものだといいます。
日米2人の料理人のコラボレーションに加え、世界的建築家が監修する器、トップソムリエによるドリンクサービスと、かつてない豪華な内容で、また新たな地平へと歩みを進めた『DINING OUT WAJIMA with LEXUS』。二夜の光景は、輪島の未来に、そしてこの先も続く『DINING OUT』の歴史に大きな足跡を残すことになりそうです。
1967年石川県金沢出身。1990年より渡仏し、南フランスの四ツ星ホテル『ホテル ル デュロス』をはじめ、フランスやイタリアで3年間に渡り料理の研鑽を積む。帰国後、1993年『代官山タブローズ』スーシェフを経て、1998年『白金ステラート』オープンと共にシェフに就任。2000年に独立後、青山に『RESTAURANT J』をオープンした。2007年からは軽井沢『MASAA’s』『RESTAURANT & BAR J』を経て、2017年には株式会社マッシュフーズとともに同店をオープン。日本の伝統的な食材や伝統文化を探求しながら自身の料理に落とし込み発信することで、オープンから間もなくして注目を集め、高い評価を得ている。 AZUR et MASA UEKI HP:http://www.restaurant-azur.com/
対談企画第二弾となる今回ご登場いただくのは、以前「津軽ボンマルシェ」で紹介した草木染のニット作品を手掛けるユニット『Snow hand made』の佐々木亮輔氏、葛西由貴さんのふたりと、弘前市のセレクトショップ『bambooforest』のヒゲもじゃ店主こと竹森 幹(かん)氏、竹森氏の店で作品を扱うキャンドル作家『YOAKEnoAKARI』の安田真子さん、40年以上青森県の魅力を発信し続けてきた出版社『グラフ青森』の編集者・小田切孝太郎氏の5人。作家として、またそれを支えるショップやメディアとして、津軽の今のクラフトシーンについて語ってもらいました。
『kimori』の自社畑で収穫したりんごのジュースを飲みつつ対談。『Snow hand made』亮輔氏は1980年神奈川県横浜市出身、由貴さんは1983年弘前市出身。沖縄県波照間島で染織工房を立ち上げたのち、由貴さんの実家のある弘前市へ移住した。
津軽ボンマルシェ・特別対談津軽人はクラフト好き? ここ10年、各地でイベントが大盛況。
竹森:津軽には色々なクラフトイベントがあるよね。『Snow hand made』や『YOAKEnoAKARI』がずっと出店してる「津軽森」(注:毎年5月に開催される青森県内最大規模のクラフトイベント)のほかにも、「クラフト小径」とか「A-line」とか。そういえば来年「C-POINT」が10年ぶりに復活するって。僕は行ったことないけど、もうみんながすごいイベントだったって話す伝説のイベント。
そしてオーナー自らが慎重に選び抜いたアメニティたちが、そのしつらえを完成させています。食器は日本の伝統を真摯に汲んだ「深山(みやま)」製で統一し、寝具、タオル、バスローブなどのリネン類は世界的に著名な「プロー(Ploh)」を採用。更にバス・アメニティは、ドイツの「ストップ・ザ・ウォーター・ホワイル・ユージング・ミー!(Stop The Water While Using Me!)」の100%天然由来かつ生分解性の製品で、美しい軽井沢の自然にどこまでも配慮しています。
ダイニングアウト輪島2019年7月に開催された『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』を振り返って。
かつて個人的に青森を訪れたとき、その自然の深さに感動したことを覚えています。そして『DINING OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS』で再び青森を訪れ、そのときの気持ちを再確認しました。とくに今回の訪問は初夏。冬を堪え抜き、力を溜めた自然が一斉に夏に向かうタイミングでしたから、自然の力強さもいっそう明確に感じられました。
そして体験の軸にあるのが輪島を代表する漆文化であり、「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」を通してもご縁のある隈研吾氏の存在です。今回は『DESIGNING OUT Vol.2』として隈氏と輪島塗の職人とで、輪島塗の新たなプロダクト開発を進めています。
伝統工芸は、とても美しいものです。しかし、守る部分と変えなくてはならない部分はあります。そのなかで漆器の残すべきことはなにか、どう発信すれば漆器の魅力をいままで触れてない方々に伝えられるかといった観点で、未知の物が制作されることと思います。ここがまずお客様に期待して頂きたい部分。