【特集】日本企業のための米国市場攻略ガイド
人口3億2,000万人(世界第3位)、0歳から64歳の人口が82.6%を占め(2022年)(日本は2023年6月現在、70.9%)、名目GDPランキングトップのアメリカ。 米国市場への進出やシェア拡大、認知拡大を目指す企業に向け、前回は、米国での事業展開において抱えがちな悩みとその解決アプローチを導入編として取り上げた。 米国に進出したい企業、進出した企業が抱える悩みとその解決アプローチとは 今回は、Freshtraxの過去の記事を紹介しながら、さらに詳細な解決アプローチを探りたい。 日本のカルチャーが秘める可能性 かつては『SUSHI』『TEPPANYAKI』どまりだった米国での日本食。 吉野家から始まり、一風堂やいきなりステーキの進出を経て現在、空前の日本食ブーム到来中。 とんかつ、おにぎりから、うまみ、発酵食品、そして日本食のジャンルには少々くくりにくいが、カクテル用の氷までが注目を浴びるようになっている。 米国ラーメンブームの裏に隠された4つの秘密 また、Discord(アメリカ発のボイス・ビデオ・テキストコミュニケーションサービス)のコミュニティなどによって広まっていったアニメは、もはやアメリカに完全に根づいたと言えよう。 日本のアニメがアメリカで爆発的な人気を集める理由と事例3選 さて、ここまで読んだ読者の中には、 『食文化やアニメは「特別」だった、アメリカ人にとってたまたま受け入れやすかっただけだ、わかりやすかったのだ、おいしいものは万人にとっておいしいし、おもしろいものはおもしろいのだし、我々のビジネスにはカルチャーってのは全く関係ない』 と他人事として捉えている方もいるのではないだろうか? 自社の事業もこれらの成功事例にならうことができないか、もしくは、これらに便乗したり、自社事業とこれらをかけあわせることはできないのか、そういった観点をもちながら、当特集を米国への進出や米国での市場拡大の参考にしていただけると幸いである。 それでは、弊社のこれまでのクライアント支援実績に基づき、米国事業拡大のノウハウ6つをご紹介する。詳細は各項目の中にリンクを貼っている個別記事をご覧いただきたい。 どんなに頑張ってもお前がカバーできるのは世界の2% 1. 市場や顧客を理解するためのリサーチ 米国での事業を成功させるためには、言うまでもなく、市場ニーズや時代の流れをつかむことが不可欠であるが、闇雲にデスクサーチやデータ分析を行ったところで、それらの情報を適切に評価し活用できなければ、判断を間違う可能性がある。 そこで必要となるのが、ユーザーリサーチ。 例えば、10-20代の若者はTikTokでサービスを認知してくれるだろうと思いきや、前述のDiscordが実は重要だったといったことが発見できたり、ユーザーの1日の過ごし方や環境、感情を明らかにして真のニーズや何が響くのかを知ることができたりする。 【記事紹介:ユーザーリサーチとは?】 実践デザイン思考!量より質を極めるユーザーリサーチ基本のキ デスクリサーチやデータ分析のみでは知りえない、人の感情に係る深いニーズをいかに探るのか。その手法をご説明した記事。 【記事紹介:北米でのユーザーリサーチ・マーケティング戦略のプロジェクト事例】 北米の事例に見るファンマーケティング① ユーザーリサーチに学ぶ今後企業が取り組むべき「ファンづくり」の重要性 btraxのプロジェクトメンバーの対談形式で北米で行ったユーザーリサーチ事例をご紹介している記事。マーケティング施策でおさえるべきポイントを盛り込んだペルソナ像の設定例にも触れている。 【記事紹介:同じUXリサーチといっても日本と米国では実施のコツが違う】 日米の声を聞くUXリサーチャーが気がついた、UXリサーチにおける日米の違い 弊社では日本でも海外でもユーザーリサーチを行っているが、ユーザーリサーチの実施方法のコツや出てくる情報についても国による違いがあるのはおもしろい。 2. ブランディング さて、ユーザーのニーズを捉える一方で、新市場での展開の際に考える必要があるのが、どうブランドを打ち出していくか。 【記事紹介:Capital OneとQuoraのブランドパーソナリティ事例】 ブランドパーソナリティとは?米国企業の注目活用事例2選 米国でのブランディングの事例として、Capital OneとQuaraをご紹介している記事。 企業や製品・サービスならではの「個性」がどこにあるのか、企業はブランドガイドラインを定め、その中にブランドパーソナリティを明記することも多い。 米国企業はどのようなブランドパーソナリティを設定しているのだろうか。 それが具体的な企業活動や広告にどのように表現されているのだろうか。 最近のFreshtrax記事でも取り上げた米銀行大手のCapital One。米国でもお堅いイメージのあった金融業界においてクリエイティブとテクノロジーを駆使して「勇敢なチャレンジャー」のイメージを打ち出している。 日本の銀行を思い浮かべてみれば、どれだけ画期的なことであるか、想像がつくであろう。 他方、ナレッジ共有プラットフォームのQuoraは、新しい企業が手がけるプラットフォームだからこそ、「クオリティ」や「丁寧さ」を全面に押し出し、信頼できるサイトとしての地位を確立した事例である。 【記事紹介:本国のブランドを他国にどう展開するのか?】 ブランドのグローバル展開に欠かせない世界観の一貫性 本国で作り上げたブランドがあったとき、それをどのようにグローバルに展開すると良いのかの参考になる記事。 例えば、日本のブランドをグローバルに展開する場合、どこまでオリジナルのブランドの世界観を維持し、どこからを各国の基準として定めるのか。また、それをただドキュメントとして定義するだけでなく、現地のブランドコンテンツや広告コンテンツ作成のプロセスやアウトプットにどう浸透させるのか。 これは日系企業だけでなく、どのグローバル企業も工夫が必要なポイントだ。 3. デザイン ブランディングの方向性が決まったら、マーケティング媒体に載せるコンテンツをデザインするプロセスに入る。 また、場合によっては、製品自体のデザインに手を入れるというケースもあろう。 そこで考慮する必要が出てくるのが、国によるデザインへの嗜好の違い。 ビートラックスには日米両国にデザイナーがおり、それらの違いを肌で感じながらプロジェクトを遂行している。 【記事紹介:日米のデザイン環境の違いについての率直な意見交換】 【日本とアメリカでのデザイナーの違い】文化を超えたクロスカルチャーデザインの秘訣 パネルディスカッション形式で日米のデザイナーが意見交換した内容を紹介した記事。 例えば、Stacyは、アメリカでは、9:1ぐらいの割合で外側より中身を大切にしていてそれがパッケージデザインにも表れている、と述べている。また、動物のデザインは子供向けのものと思われてシリアスなものには使われない、といった意見も。 【記事紹介:米国で働く日本人デザイナーが日米のデザインを比較してみたら】 デザインのローカライズの必要性とは?日本のウェブサイトの3つの特徴から考える 日米のデザインの違いを考察した記事。 日本のウェブサイトは何しろ文字が多いのに対し、米国では、情報は少なくシンプルであればあるほど良い。また、例えばグミの例をとり、日本では淡い色、アメリカでは濃い色が好まれることなどを紹介している。 4. マーケティング ユーザーニーズは把握できた、ブランドの方向性も決まり、デザインも固めた。そうしたら次のステップがいよいよマーケティングとなる。 製品やサービスに対するユーザーニーズは把握できていても、どのようなマーケティング施策が有効かを探るには、改めてユーザー調査をすることも多い。 【記事紹介:アメリカのZ世代は堅実、デジタルネイティブ・リモートネイティブ、ありのままのリアルさを重視】 【総消費は脅威の40%超!】アメリカのZ世代について押さえるべき5つの特徴 こちらは、アメリカのZ世代の特徴を紹介した記事。 ブランドのネームバリューよりも、プロダクトのユニークさや質の良さを重視する傾向がある、等がまとめられている。 米国市場に参入、またはシェア拡大するにあたり、その製品やサービスが直でZ世代やさらにその下のα世代をターゲットにしていなかったとしても、人々の購買意思決定に影響を与えたり、ゆくゆくは主力の購買層となる若い世代を常に把握しておくことは重要である。 【記事紹介:脳トレゲーム「Lumosity」の米国での成長ストーリー】 6,500万人ユーザーを獲得した米国スタートアップのステージ別マーケティング【インタビュー】Joshua Duyan氏 – Lumosity, VP of Marketing – 少し古い記事ではあるが、時代に関わらず普遍的に通用する示唆も含まれた成長ストーリー。 「マーケティング活動で重要なのは、自分たちが何者でどんなプロダクトを開発していて、どのように役に立つのかを正確に伝え、説明できること」 人々がその製品やサービスを買わない理由、そのお店に入らない理由は、一番には、何を売ってるのかわからない、その製品が何なのかがわからない、なにしろ、「知らない」ためである。 日本で通用しているe-mailマーケティングは米国でも通用するのか?など、実践的なイメージが湧く記事。 【記事紹介:ブランディングやマーケティングのプロ、トランプ大統領を例にとって】 トランプはいかにパーソナルブランドを利用し当選したのか アメリカ人にはどんなメッセージや表現がささるのか、日本人にとって一番わかりやすい例として参考になるのがトランプ大統領の当選であろう。 主張はシンプルでわかりやすく、覚えやすいキャッチコピー、等、ポイントを紹介した記事。 5. B to B企業の営業アプローチ さて、B to C事業の難しさがあるのに対し、B to […]