H&Mへネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ、以下H&M)は、販売、使用、またはリサイクルできる製品については一切廃棄をしないという厳格なポリシーを設けているが、世界で約5000店舗を運営する中でどのようにして実現しているのか。また、循環型デザインへのシフトを推進する同社が注目しているテクノロジーは何か。アナ・ゲッダ(Anna Gedda)=サステナビリティ責任者に聞く。
ユーザーフレンドリーな「H&M」のトレーサビリティーサービス。アプリから簡単に商品情報を得ることができる PHOTO : JUN YASUIアプリ内のスキャナーにバーコードをかざす PHOTO : JUN YASUIバーコードをかざすと商品情報のページが開く PHOTO : JUN YASUI商品情報の中のサプライヤーを選ぶと製造工場名と所在地、従業員数などの情報が得られる PHOTO : JUN YASUI
VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。
VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。
大塚:「リコール(RE:QUAL≡)」は去年の「東京ファッションアワード 2020(TOKYO FASHION AWARD 2020)」に選出されたブランド。この賞ってビジネスの成功が審査基準の一つだったはずなんだけど、「リコール」はそこまで拡大してる印象が無かったから個人的に驚いたんだよね。世界観を突き詰めた洋服でショーにはハマりそうだなとは思ってたから、実際にショーが見られてうれしかった。こういうブランドが東コレに入ってくるのは大事だよね。
特に日本のアパレルビジネスはサプライチェーンが細かく分断されており、商社が介在するケースも多いために現場の実態を把握することが難しいとされる。しかし、「商社に任せているから何も知らないというのではブランドホルダーとして失格だ」と話すのは、国内企業の労働人権問題に関する取り組みをサポートする一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・ サステイナブル・サプライチェーン(The Global Alliance for Sustainable Supply Chain、以下ASSC)の杉本泰樹シニア・オフィサーだ。現在アパレル業界ではファーストリテイリングやアシックス、帝人、アダストリア、三井物産アイファッションなどがASSCの会員となっている。自身も国内アパレル関連企業に20年以上務め、CSR調達(企業が調達先の選定や調達条件を設定する際に、社会的責任の観点から基準を設定すること。また、調達先に社会的責任を果たすよう要求すること)に従事してきた経歴を持つ杉本氏に日本のアパレルビジネスの労働人権問題について聞いた。
WWD:自治体公認のファッションECサイトというもの自体、非常に珍しい存在だ。どんな経緯で企画がスタートしたのか。
久保田夏彦・渋谷未来デザインプロジェクトデザイナー(以下、久保田):4~5月にコロナ禍による緊急事態宣言が出て、渋谷カルチャーを形作ってきた飲食、ファッション、エンタテインメントといった業種が苦境に立たされた。そうした事業者を渋谷区としてもサポートしたいという気持ちはあっても、区の予算は基本的に住民のために使うもの。住民以外で渋谷カルチャーを支えてきた事業者をサポートするために、「YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング」を、渋谷区、渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインで7月に立ち上げた。9月までに約1300人から4470万円を集めたが、その一部と区の予算でECサイトを立ち上げている。
大杉真心「WWDジャパン」記者:プレスノートには「Under the winter sky, everyone longed for their seaside」というタイトルがあり、“冬空の下では誰もが夏の海辺が恋しくなる”というようなメッセージが添えられていましたね。普段からレイヤードはベースにありますが、今シーズンはいつもと違う違和感を覚えました。なんでだろう?
大杉真心「WWDジャパン」記者:プレスノートには「Under the winter sky, everyone longed for their seaside」というタイトルがあり、“冬空の下では誰もが夏の海辺が恋しくなる”というようなメッセージが添えられていましたね。普段からレイヤードはベースにありますが、今シーズンはいつもと違う違和感を覚えました。なんでだろう?
※1.D2C(Direct to Consumer)…ブランドメーカーが店舗やネットの小売業者を通さず、自社のサイトやショールーム、ポップアップストアで直販する販売形態
※2.C&C(Click&Collect)…ECから店舗に取り寄せて試したり受け取ったりする顧客利便サービス。一括配送の店舗物流を使うから送料無料で、店在庫を引き当てれば倉庫から出荷するより受け取りも早くなる。売り手にとっては顧客利便と在庫効率を高め物流費を抑制するOMO(ネットと店舗の融合)戦略
※3.OMO(Online Merges with Offline)…ネットと店舗の垣根を越えた融合を意味し、スマートフォンをキーツールとしてウェブルーミングとショールーミングを駆使するニューリテール戦略
お次はラグジュアリーなホテル・ド・クリヨン(Hotel de Crillon)で開かれていたジュエリーブランド「メシカ(MESSIKA)」のプレゼンテーションへ。今回発表したのは、スーパーモデルのケイト・モスとのコラボレーションで制作したハイジュエリー。ケイト自身のジュエリーボックスを出発点に、“ボヘミアン”や“アールデコ”など彼女の好きなスタイルを反映したコレクションに仕上がっていました。ダイヤモンドで知られる「メシカ」ですが、今回はマラカイトやターコイズ、マザー・オブ・パールをダイヤモンドと組み合わせたネックレスやイヤリングを提案しているのが新鮮です。
今回の会場は、LVMHが大規模な改修を進めている老舗百貨店サマリテーヌ(LE SAMARITAINE)。来年複合施設としての再オープンを前に、ガラス天井と孔雀のフレスコ画が象徴的な最上階をショーに使いました。パリコレではルーブル美術館の内外でウィメンズのショーを開催することの多い「ルイ・ヴィトン」ですが、これまでもヴァンドーム広場の旗艦店や美術館「フォンダシオン ルイ・ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)」をオープン前に会場として使用しており、ショーはLVMHにとって重要な新ロケーションを世界に披露するメディア的な役割も果たしているのです。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
お次はラグジュアリーなホテル・ド・クリヨン(Hotel de Crillon)で開かれていたジュエリーブランド「メシカ(MESSIKA)」のプレゼンテーションへ。今回発表したのは、スーパーモデルのケイト・モスとのコラボレーションで制作したハイジュエリー。ケイト自身のジュエリーボックスを出発点に、“ボヘミアン”や“アールデコ”など彼女の好きなスタイルを反映したコレクションに仕上がっていました。ダイヤモンドで知られる「メシカ」ですが、今回はマラカイトやターコイズ、マザー・オブ・パールをダイヤモンドと組み合わせたネックレスやイヤリングを提案しているのが新鮮です。
今回の会場は、LVMHが大規模な改修を進めている老舗百貨店サマリテーヌ(LE SAMARITAINE)。来年複合施設としての再オープンを前に、ガラス天井と孔雀のフレスコ画が象徴的な最上階をショーに使いました。パリコレではルーブル美術館の内外でウィメンズのショーを開催することの多い「ルイ・ヴィトン」ですが、これまでもヴァンドーム広場の旗艦店や美術館「フォンダシオン ルイ・ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)」をオープン前に会場として使用しており、ショーはLVMHにとって重要な新ロケーションを世界に披露するメディア的な役割も果たしているのです。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
国土交通省、観光庁のGO TO トラベル事業で、10月1日から地域共通クーポンの配布が始まっています。同クーポンは旅行先の土産物店、飲食店、観光施設、交通機関などで利用でき、コロナ禍で打撃を受けた国内需要の盛り上げを狙っています。客の同クーポン使用を受け付けるためにはGO TO トラベル事務局に登録する必要がありますが、登録をすればファッションの小売店もクーポンの使用対象店舗となります。ファッション業界内でも意外と知らない人が多いようなので、あらためて記事にまとめました。
そもそもGO TO トラベル事業では、旅行代金の半額相当(1泊あたり最大で2万円、日帰りなら同1万円)が補助されます。そのうちの70%は旅行代金(宿泊費など)の割引として補助されますが、残りの30%(旅行代金全体の15%)は同クーポンとして支給されます。クーポンの最大額は1泊あたり6000円、日帰りの場合は3000円です。
同クーポンは宿泊予約サイトや旅行業者などが配布し、宿泊地(日帰りの場合は主目的の観光地)のある都道府県やそれに隣接する都道府県で使用が可能。つまり、地方から東京や大阪へ旅行して、渋谷や原宿、梅田で服を買った際にも使用できます。東京の人が都心のホテルに泊まってリラックスする、というケースでもGO TO トラベルキャンペーンは適用されます。
ファッションに関係する小売業では、例えば伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店などの百貨店や、大型SCなどで同クーポンが使用可能になっています(百貨店は日本百貨店協会の公式サイト上で使用可能店がリスト化されています。またGO TO トラベル事業の公式サイト上でも使用可能店舗や施設が検索できます)。そのような大手資本の施設や店ではない個人経営のブティックなども、登録さえすればクーポンの使用対象となります。登録はGO TO トラベル公式サイトから行えます。
SOCIAL & INFLUENTIAL:社会情勢によって変化するファッション&ビューティ業界を見つめます。インクルージョン(包摂性)&ダイバーシティー(多様性)な時代のファッション&ビューティから、社会に届けたい業界人のオピニオンまで。ジャーナリズムを重んじる「WWD JAPAN.com」ならではのメルマガです。
SOCIAL & INFLUENTIAL:社会情勢によって変化するファッション&ビューティ業界を見つめます。インクルージョン(包摂性)&ダイバーシティー(多様性)な時代のファッション&ビューティから、社会に届けたい業界人のオピニオンまで。ジャーナリズムを重んじる「WWD JAPAN.com」ならではのメルマガです。
今回のパリコレで個人的に最も楽しみにしていたのは、マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)による新たな「ジバンシィ」のお披露目。今回はランウエイショーではなくオンラインでルックを公開するという控えめな幕開けとなりました。が、なんとも嬉しいことにマシューから改装したばかりのショールームで直接コレクションのプレビューをしてもらえることに。ご本人はとても穏やかでフランクな方でした。説明を聞きながら感じたのは、ハードウエア、ディテール、テクスチャーへの並々ならぬこだわり。コレクションの詳細は別途リポートしていますので、こちらの記事をご覧ください!
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
新型コロナウイルスにより、ジムやエクササイズ業界も様変わりしましたね。私は、感染予防のためにスタジオレッスンを削減したフィットネスクラブの1つを退会し、現在通っているジムは2つ(笑)。代わりに通勤を自転車に切り替えました。約1時間を費やして片道16kmをチャリで通うと、何を食べても太らないですね〜。オススメです!!ということでこの日も、EMSスーツを着用してのパーソナルトレーニングを体験すべく、東京・新橋の「Atem personal GYM」に横浜から自転車で馳せ参じました。
アンジェリーニ:再生材料を使うだけではなく、それらの循環性が維持されるように、商品にうまく組み込まれるようにデザインすることが重要だ。つまり再生材料+リサイクル可能=循環性、ということだ。そのためには、商品が長く愛用されてその役割を終えた後、分解できるように作られていなければならない。これは“分解可能なデザイン(Design for Disassembly以下、DFD)”と呼ばれている。
耐久性のある撥水剤(Durable water repellants以下、DWR)について、当社は数年前からポリフッ素化合物(PFC)ベースのものを段階的に廃止している。19年には、アパレル製品の99%およびアクセサリー製品の100%がPFCベースではないDWRの使用に切り替わった。フットウエアも、17年(当社にある最新の資料)の段階ですでに91%が最終仕上げにPFSベースのDWRを使用していない。
アンジェリーニ:再生材料を使うだけではなく、それらの循環性が維持されるように、商品にうまく組み込まれるようにデザインすることが重要だ。つまり再生材料+リサイクル可能=循環性、ということだ。そのためには、商品が長く愛用されてその役割を終えた後、分解できるように作られていなければならない。これは“分解可能なデザイン(Design for Disassembly以下、DFD)”と呼ばれている。
耐久性のある撥水剤(Durable water repellants以下、DWR)について、当社は数年前からポリフッ素化合物(PFC)ベースのものを段階的に廃止している。19年には、アパレル製品の99%およびアクセサリー製品の100%がPFCベースではないDWRの使用に切り替わった。フットウエアも、17年(当社にある最新の資料)の段階ですでに91%が最終仕上げにPFSベースのDWRを使用していない。
また同メディアは、ビームスやベイクルーズ グループの販売員、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の企画担当者など、横のつながりを生かし同業他社、ライバル社の人物が多く登場するのも特徴だ。吉田担当は「あくまで、われわれが取り扱っている商品に込められた思いや社の取り組みを伝えることが目的ですが、UAの活動に限らず読者にとってファッションそのものに興味を持つきっかけになってほしい」という。社内や社外といった枠を超え、業界全体の活性化も考えてのことだろう。
「ヒトとモノとウツワ」より
そのほか例えば、老舗シューズメーカー「ハルタ」とUAの「オデット エ オディール(ODETTE E ODILE)」のシューズデザイナーによる対談など、担当者の思いがつながったコラボ事例も同サイトから発信する。永井担当は「『ハルタ』はこれまで他のブランドと別注などの取り組みはありましたが、デザインからのコラボは今回が初めてだったようなのでデザイナー2人にその背景を語っていただきました。『オデット エ オディール』のデザイナーが“普遍的なもの”をキーワードにより正統派な一足を改めてお客様に提案したいという思いから、お声かけさせていただき実現したものです。実際に『ハルタ』の現場を訪れ、丁寧なモノづくりを見ることができ大変貴重な経験でした」と振り返る。
向:最終日、リアルなショーのトリは、今回も「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」でした。会場は、セーヌ川沿いに建つ建物で、あれは確か老舗百貨店サマリテーヌ(LE SAMARITAINE)の跡地ですね。LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が保有しているのになかなか進展がなかったけれど、いよいよ来年春に複合施設としてオープンするそうです。
アンジェリーニ:08年に、個別の商品が環境に与える影響を測定する「グリーンインデックス」という自社開発の指標を発表した。10年までは当社でのみ使用していたが、環境への影響を測定するツールであるヒグ・インデックス・プロダクト・モジュール(Higg Index Product Module)で使用できるようにするため、サステナブル・アパレル連合とアウトドア産業協会に無償で提供した。
アンジェリーニ:ヒグ・インデックスは、企業の事業、サプライヤー、商品が環境に与える影響を測定するさまざまなツールで構成されている。分野別にモジュール(ツール)があって、それぞれの影響を測定するという仕組みだ。当社では毎年、ヒグ・ブランド・アンド・リテーラー・モジュール(Higg Brand and Retailer Module)を完了しているが、これはブランドおよび小売業として環境負荷の削減に関してどれぐらい努力したか、また消費者にもそうするように啓発したかを評価する指標となっている。
小泉智貴デザイナー(以下、小泉デザイナー):昨年末、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のタレントスカウトの方から連絡があり、同プロジェクトの提案を受けた。本来なら2月に「エミリオ プッチ」のチームと打ち合わせする予定が、新型コロナウイルスの影響でイタリアからフランスへ渡航することができず、全てビデオ通話で始動した。オンライン上でのやり取りと、日本からイタリアへサンプルを配送する方法で制作が進んだ。顔を直接合わせたのは一昨日が初めてだった。