眩く色づく草木に清らかな水の調べ。記憶に残る水辺の紅葉。錦秋のランドスケープ。

OVERVIEW

春の桜と並び、世界的に有名な日本の景色といえば、秋の紅葉ではないでしょうか。紅色に橙色、黄金色と、艶やかに記憶に残る風景は、和歌や俳諧、日本画や茶の湯といった文化芸術をはじめ、古くは神話や伝説の中でも妖艶な女神や鬼として表現されるなど、その美しさが伝えられてきました。

主に10月から12月にかけて北海道から南下する紅葉前線は、日本列島を鮮やかな色彩で染めながら、各地に秋の訪れを告げてゆきます。

日本語では紅葉の季節を「錦秋」と表しますが、その彩りはまさに錦のごとし。そして眩く色づく紅葉のそばには、日本ならではの豊かで多様な水辺が見られることも少なくありません。

横山大観や川合玉堂、菱田春草といった日本画壇の巨匠たちや、俳人の正岡子規、文豪の夏目漱石らもこぞって作品の題材にした、水辺と紅葉のある風景。滝に湖、池、沼、川、沢……と、清冽(せいれつ)な水辺がもたらす澄んだ空気と音に、紅葉が共演しつくり上げる景色は、この国が誇るべきランドスケープです。

日本の秋の愉しみを再発見できる、13ヵ所の水辺の紅葉を、ぜひご覧ください。