湯と食で満喫。温泉宿でプチ湯治。[御宿 友喜美荘・ おやど あんと/大分県竹田市]

「日本一の炭酸泉」と名高い長湯温泉の湯。温浴効果が高く、湯治客に人気。

御宿 友喜美荘・おやど あんと湯治文化が根付く長湯の地。

温泉地に長期滞在し、温泉で治療や保養、休養を行い、心身の療養を行う「湯治」。竹田市直入町にある長湯温泉でも、昔から湯治が行われてきました。雄大な山々に囲まれた自然美溢れる長湯温泉は、世界でも有数の炭酸泉が湧く温泉地。今回は長湯温泉の中でも、温浴効果が高い「湯」を持つ温泉宿と、「食」へのこだわりを持つ湯治宿、2つの宿をご紹介します。

▶詳細は、TAKETA TIMES/高原野菜に名湯、秘湯。知られざる魅力が満載の、名水の里。

平成5年に開業した平屋造りの温泉宿『友喜美荘』。

御宿 友喜美荘・おやど あんと山懐に佇む安らぎの温泉宿『御宿 友喜美荘』。

まず訪れたのは長湯温泉の中心部から車で5分。静けさに包まれた長湯湖のそばに『御宿 友喜美荘』はあります。『友喜美荘』は7室だけの小さな隠れ宿。ここでは季節の野菜を中心に湧水で仕立てた創作会席が楽しめる他、自家源泉から湧く炭酸泉の露天風呂が評判を呼んでいます。

『友喜美荘』には家族風呂がひとつと、露天風呂つきの大浴場があります。日によって褐色だったり、緑がかっていたり、白く濁っていたりと、異なる表情を見せてくれる『友喜美荘』の湯。この日は緑がかった湯が迎えてくれました。

泉質は美肌泉質の代表格ともいわれる炭酸水素塩泉。自家源泉から湧く湯は高温のため、炭酸泉特有のガスが溶け出し、身体にしゅわしゅわと気泡がつくことはありませんが、炭酸泉が持つ高い効能は変わらず。内湯にも露天風呂にも湯船には湯の花がたっぷりと浮かび、温泉成分の濃さを物語っています。

宿の露天風呂は、先代の社長が手造りしたという岩風呂。こぢんまりとしているものの、屋根がない露天風呂に浸かりながら見上げれば、青く澄んだ空と豊かな緑が迎えてくれ、開放感は十分。小鳥のさえずりや風に揺れる木々の音をBGMにゆったりと浸かることができるのです。ひんやりとした空気に包まれる山あいの露天風呂でも、血液の循環が良くなる炭酸ガスの影響で浸かっているとすぐに身体の芯からポカポカと温まってきました。刺激が少なく、さらりとして柔らかい湯は、皮膚病や神経麻痺、冷え性に効果がある他、不要な角質や毛穴の汚れを取り除いてくれるためツルツル肌が手に入るといわれています。湯に入っていながらも滑らかな肌を実感できる美肌の湯は、さっぱりとした清涼感も得られ、ずっと浸かっていたくなるほどの心地よさ。更に湯冷めしにくいため、湯温が低いことで知られる長湯温泉の中でも冬にお勧めしたい温泉なのです。

先代の社長が手造りした露天風呂。朝は6時から、夜は23時まで入浴できる。(立ち寄り入浴は14時から20時まで)。

湯船にたっぷり漂う湯の花。内風呂の奥に露天風呂がある。

家族風呂。窓からは庭園を眺めることができる。

御宿 友喜美荘・おやど あんと満天の星が迎える露天風呂。

爽快感のある湯に感動していると、オーナーが「この湯を楽しむのに、もっと良い時間帯がある」と教えてくれました。それが夜の露天風呂。静まり返った山懐の空には満天の星だけが輝き、美しい天体ショーが見られるのだといいます。あたりに街灯がないため、冬の時期は陽が沈むとすぐに星たちが顔を出すという『友喜美荘』。立ち寄り入浴をするなら宿泊客の夕飯時が狙い目だと聞き、18時過ぎにお風呂へと向かいました。

大浴場は、運良く貸切。内風呂を抜けて露天風呂への扉を開けると、黄金色の温泉が待っていました。夜のとばりに包まれた空間には源泉かけ流しの湯の音だけが静かに響き、湯気の向こうにはキラキラと無数の星が煌めきます。ここは日々の喧騒から離れた別世界。頰をかすめるひんやりとした外気の冷たさと湯加減の塩梅がちょうど良く、身体を優しく包む湯に身を任せていると、現れたのは夜空を切り裂く流れ星。突然のサプライズがよりいっそう、幻想的な入浴体験を高めてくれました。

鳥のさえずりや木々のざわめき。自然に抱かれた場所で癒され、心も身体もリフレッシュすることができました。昼の爽快感溢れる湯と、夜の幻想的な星空に出合える露天風呂。昼も夜も、1日中静けさに包まれた空間で癒しの湯治体験がかなう温泉宿です。

空気が澄んでいる冬こそお勧めの星空露天。

宿の上には満天の星が輝く。

御宿 友喜美荘・おやど あんとビーガン料理のシェフが営む湯治宿。

次に紹介するのは2018年7月、直入町にオープンした『おやど あんと』。 重度のステロイド依存症皮膚炎に苦しんだ過去を持つオーナーの赤嶺貴仁氏が「同じ悩みを抱える方の救いになれば」と始めた宿は、「食」から始める健康について一緒に学べる場にもなっています。

幼少期から軽度のアトピーを発症していた赤嶺氏は、長年ステロイドの薬を使い続けたことで10年前にステロイド依存症皮膚炎を発症。その後症状は瞬く間に悪化し、一時は死を覚悟するほどに苦しんだといいます。そんな過酷な病に対し赤嶺氏は、温泉に浸かって湯治をしながら食事制限をすることで治癒。その経験が、宿を始めるきっかけになったそうです。

「道の駅ながゆ」の近くにある『おやど あんと』。徒歩圏内に多くの温泉がある。

御宿 友喜美荘・おやど あんと病に悩んだ経験を、宿を通じて誰かのために。

「病に苦しんでいた当時は温泉つきの物件を借りて、1日5回くらい温泉に浸かっていました。それからいろんな本やインターネットでステロイド依存症皮膚炎について調べていると、乳製品や肉、魚がアトピーを悪化させるということを知って。そこからビーガン料理に興味を持つようになったんです」と赤嶺氏は話します。

8年間療養を続け、食事の大切さを実感した赤嶺氏は、ベジフードを取り入れているフレンチシェフやイタリアンシェフの下で料理を研究。フレンチやイタリアンのみならず、ラーメンやハンバーガー、カツ丼などのジャンクフードもベジフードを使って挑戦。様々なアレンジを楽しんでいると、今度は「自分と同じように、食べたいけど食べられずに苦しんでいる人に向けて料理を発信したい」と、ケータリングが中心の「vegan食堂minneola」を立ち上げました。自分のための料理から、誰かのために。赤嶺氏の料理は、「一般的なビーガン料理では味が薄く物足りない」と敬遠していた人たちからも支持を集めるようになり、各地でビーガン料理を披露するようになりました。

料理人として活動を続けているうちに、赤嶺氏の興味は自然と食材へと向かいます。
「一時は病で死ぬ思いをして。命と向き合う経験をしたからこそ、食材の命をもらうということにはすごく敏感になっていたんです。“生産者の思いが込められた食材を感謝しながら食べる”ということの大切さを多くの人に知ってもらいたいから、自分で田んぼと畑を作って。そこで子供たちと一緒に昔ながらの手植えをしたり、野菜を作ったりするようになりました」と赤嶺氏は言います。

田んぼや畑で無農薬の野菜作りや米作りをしたり、大豆を作って味噌を作ったり。食材はもちろん、調味料にいたるまで、自らの手で作るようになった赤嶺氏。そうして昔ながらの丁寧な暮らしを楽しみ始めた赤嶺氏は、「自分が送っている豊かな暮らしを伝えることで、誰かの力になれたら」と、宿という場の提供を始めたのです。

宿では宿泊をするだけでなく、ビーガン料理の作り方を教えてくれる料理教室や、野菜作りや米作りの体験も行っています。食材から自分で作ることの楽しさを知り、そしてそれを美味しく頂くことで、体内から療養を促してくれるのです。また宿泊客のオーダーによって、田植え作業から登山、料理教室にいたるまで、様々な体験を赤嶺氏がプロデュースしてくれるのもこの宿の特徴。徒歩圏内にある温泉を巡りながら、身体に優しいビーガン料理と自然を満喫できるアクティビティで癒される稀有な宿です。

「自然を一緒に楽しむことで療養につながれば」と話す赤嶺氏。

燦々と日が射し込む宿からは、雄大な長湯の山々を見渡せる。

取材に訪れた日は赤嶺氏に教わりながらビーガン料理作りを体験。無農薬の野菜を使った「ベジラーメン」。

おやつに頂いた干し柿も赤嶺氏が育てた柿から作ったもの。

住所:大分県竹田市直入町長湯7497-1 MAP
電話:0974-75-3000
御宿 友喜美荘 HP:http://www.yukimiso.com/

住所:大分県竹田市直入町大字長湯8024番地 MAP
電話:0974-70-5299
おやど あんと HP:https://910anto.localinfo.jp/?fbclid=IwAR1SmD-iAvyIWqJGJDhOS31Z4bHLp_3q6qssXKlp4Ju0XjM3RP8UPZjA6bU

とってもキュートな倉敷ベアストラップ★

皆様こんにちは晴れ

 

最近少しずつ気温も上がり春黄色い花が近づいてきているな長音記号2と感じる今日この頃です照れ音符

 

今日は倉敷デニムストリート雑貨館で大人気の倉敷ベアストラップをご紹介しますお願い

 

デニムのオーバーオールを着たとってもかわいいクマさんは1つ1つ手作りなので全員表情が少し違って選ぶ時に、どれにしようかな長音記号2とワクワクしながら選べますよルンルン

大きさは小さいサイズ350円と大きいサイズ450円があります!!

友達にプレゼントしてもいいし、カップル同士でペアのベアストラップもすっごくステキラブラブですよラブ

 

続いてキラキラベアストラップと缶入りの金平糖とタオルハンカチの3点セットが入ったおみやげセットも人気ですアップ

金平糖の入っている缶は倉敷デニムストリートのマスコットベアの顔がプリントされていてとてもかわいいですドキドキ

金平糖を食べ終わった後も小物入れとして仕えますよ音譜

かわいいお土産を選んで下さいねキスマーク

美観地区にお越しの際は是非、倉敷デニムストリートに遊びに来て下さい星

スタッフ一同心よりお待ちしております。ニコニコ

 

 

日本最古の巡礼地。須弥山を抱く西国屈指のパワースポット。[穴太寺/京都府亀岡市]

京都府の登録文化財にも指定されている仁王門。ここをくぐると正面に本堂があり、左手には多宝塔がある。

穴太寺塀を割る巨木と気品ある涅槃像(ねはんぞう)。

京都府亀岡市に位置する『穴太寺(あなおじ)』は、西国三十三所巡礼のひとつ。四国八十八ヶ所霊場も有名ですが、西国三十三所の歴史は更に古く、なおかつ参拝者も多いのです。『穴太寺』は第21番の札所であり、非常に歴史のある古刹。境内にある大きなムクノキは特徴のひとつで、塀と塀の間を割るようにして生えています。本堂裏にある樹齢400年のイチョウも素晴らしく、亀岡の名木にも選定されているほど。

もうひとつの特徴は、本堂に安置されている仏像です。『穴太寺』の仏像は横たわっている「釈迦如来涅槃像」。東南アジアには数多く見られますが、日本では木に彫刻されている涅槃像は珍しく、全国に6例しかないという貴重な仏像です。檜材を用いた寄木造りで鎌倉時代に作られたとされており、気品に満ちて温かみがあり、実に優しい顔の仏像です。冬になると仏像にお布団がかけられ、自分の病と同じ所を撫でると病気平癒のご利益があるとされるため、参拝者は皆お布団をめくって仏像に触れています。その雰囲気がとても可愛らしいのです。

太い木の幹に沿って形作られた白塀。「とても素晴らしく、見どころのひとつです」とアレックス氏。

撫で仏として有名な涅槃像。自分の身体の悪い所と同じ所を撫でてお願いするとご利益があるとされている。

穴太寺庭園を借景にして建つ多宝塔。

更なる見所は「庭園」です。江戸中期から末期にかけて作庭された名園で、奥には池もあります。池の周りに石があり、塀があって、その後ろに見えてくるのが多宝塔です。1804年に再建された亀岡市唯一の木造であり、丸みを帯びた柔らかい佇まいをしています。まるで池に浮かんでいるようで、ある意味「須弥山(しゅみせん)」を拝むようでもあります。『穴太寺』の魅力は、木、涅槃像、そして庭園と多宝塔。どれも素晴らしく一見の価値があります。四国八十八ヶ所霊場遍路よりも古い巡礼コースは、西国のパワースポットとして訪れてみるのもいいでしょう。

庭園を借景にする多宝塔。柱は円柱で東西南北には四神(玄武・白虎・朱雀・青龍)の彫刻が施されている。

住所:京都府亀岡市曽我部町穴太東辻46 MAP
電話:0771-24-0809
拝観時間8:00〜17:00
穴太寺 HP:https://saikoku33.gr.jp/place/21

1952 年生まれ。東洋文化研究家。イエール大学で日本学を専攻。東洋文化研究家、作家。現在は京都府亀岡市の矢田天満宮境内に移築された400 年前の尼寺を改修して住居とし、そこを拠点に国内を回り、昔の美しさが残る景観を観光に役立てるためのプロデュースを行っている。著書に『美しき日本の残像』(新潮社)、『犬と鬼』(講談社)など。

郷土芸能とコンテンポラリーダンスが出会い、どんな化学反応が起こる?[三陸国際芸術祭/青森・岩手・宮城県]

宮古市で行われた三陸国際芸術祭オープニング。花輪鹿子踊りや現代ダンスなどが披露された。

三陸国際芸術祭郷土芸能は、何と美しく、強いのか。

人間を“観る”芸術。歌舞伎や能、ダンスや演劇など、人が自らの身体を使い、言葉を諳んじ、唄い、もしくは謡う舞台に、なぜ私たちはここまで惹きつけられるのでしょうか。もしかしてそれは、私たちのDNAの中にある神や自然に対する畏敬が、音色や躍動によって呼び覚まされ、情動を起こすからかもしれません。神楽や太鼓、獅子舞、舟唄、盆踊りといった郷土芸能の音や風景にどこか懐かしさを感じる。そんな経験が誰にでもあるはずです。

小さめの鹿頭で勇壮活発に舞う「永浜鹿踊り」(大船渡市)。幕や袴に用いた「波に白兎」の図は非常に珍しい。

三陸国際芸術祭一つの集落に一つの郷土芸能。その数2000以上。

三陸国際芸術祭は、福島・宮城・岩手に受け継がれる「郷土芸能」に焦点を当て、その魅力の発信と、芸能を通じた国内外との交流を目的に、2014年から毎年開催されているイベントです。

なぜ、三陸なのか。実は福島・宮城・岩手の三県には2000以上の芸能団体があると言われ、各地域にはその文化を守る保存会が形成されています。日本各地に郷土芸能は息づいていますが、三陸沿岸に残る郷土芸能の種類の多さは日本でも他に例を見ないほどです。

しかし、2011年の東日本大震災で三陸沿岸地域は多くの建物や町並みを失うと同時に、こうした「文化」「芸能」といった形のないものもダメージを受けました。芸能団体も、道具が流され、メンバーを失い、自然や社寺といった芸能を捧げる対象すらも失いました。

そこで、震災からの「文化・芸術による復興」を目的に始まったのがこの芸術祭。開催に至るまでには多くの試行錯誤や準備段階を経て、ようやく今の形にコンセプトや方向性が定まってきたと言います。

東日本大震災では全団体が被災するも、再び結束。矢車、跳虎、笹喰み、甚句踊り、手踊りなどで構成される「虎舞」(大槌町)。

テンポが速く敏捷活発、独特の「ぶっこみ」(打ち込み)や、役踊り、礼踊り、先祖供養の回向などがある「笹崎鹿踊り」(大船渡市)。

三陸国際芸術祭芸能は、かっこいい。三陸の若者が継ぐ理由とは。

本芸術祭のプロデューサーを務める佐東範一氏は、NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワークの代表です。震災で被害を受けた東北の地において、「文化・芸術で何かできることはないか」と思案した佐東氏は、2011年5月、ダンスアーティストを募り、被災地の人々の心身をほぐすため「復興支援プロジェクトーからだをほぐせば、こころもほぐれるー」と銘打った体操のワークショップイベントを行いました。

しかし佐東氏は「支援する側」と「支援される側」という関係性が構築されることにジレンマを抱いたと言います。むしろ、滞在するうちに、三陸には自分たちの想像をはるかに超える優れた踊りや歌などの郷土芸能が数多く残り、人々が息を吸うように自然に、その文化を受け入れていることを目の当たりにしました。

こうした地域では、若者も子供の頃から地元の郷土芸能に参加していると言います。なぜ踊るのか、と佐東氏が尋ねたところ、返ってきたのは「かっこいいから」という言葉。もはや彼らにとって伝統芸能は常にそばにあり、自然発生的に受け継ぐべき文化として認識しているのです。また大人でも、普段は漁師だったり、農家だったりと、特に神職ではない地元の人でも、踊りや歌と向き合う時は全身全霊で臨みます。生命や神への畏敬、弔い、供養の気持ちを、集落に伝わる音色や言葉をもって表現する。その力強く神々しいさまは、憑依でもあり、祈りです。「世界の中でもこれほど地域によって芸能が分かれているのは日本ぐらいではないでしょうか。特に三陸地域はそれが顕著で、東南アジアに同じような地域が見られます」と佐東氏は話します。

「伝統芸能の魅力を世界へ伝えたい」と語る佐東氏。

オープニングでは振付家でダンサーの中村蓉氏による現代ダンスのパフォーマンスも行われた。

三陸国際芸術祭まずは盆踊りを習うことから始まった。

身体表現に取り組む者として、この三陸には自分たちが学ぶべきことが数多くある。そう考えたことから、2013年、まずは地元の盆踊りをコンテンポラリーダンサーや制作者ともに踊る「習いに行くぜ!東北へ!!」プロジェクトをスタートしました。その2か月後には第二弾を実施。金津流浦浜獅子躍、末崎七福神(大船渡市)、金澤神楽(大槌町)、小府金神楽(住田町)、小鯖神止り七福神、浜甚句(気仙沼市)といった郷土芸能を学び、ダンサーのセシリア・マクファーレン氏は「踊りを習っただけでなく、日本の有り方や歴史をも習った」と感想を述べています。

そうして、この優れた郷土芸能を日本国内、そして世界に発信しようと国際フェスティバルという形で始まったのが「三陸国際芸術祭2014」です。“世界の中の三陸”という位置づけで郷土芸能を発信し、国内外の人に向けて自分たちの文化を紹介する目的でリスタートを切りました。

大漁成就、海上安全を願う「末角神楽」をインドネシアのグループが体験する“交換芸能”も。

三陸国際芸術祭2019年度が開催中。“ジャティラン”も来る!?

そして2019年度は2月9日から開催されており、「宮古」「八戸」「大船渡」を主会場とするプログラムのほか、三陸広域でのアート・防災等の交流プログラム「三陸×アジア」など規模を拡大して繰り広げられています。

特に、今年の見どころはインドネシアの芸能ジャティラン2団体が三陸沿岸を巡り、各地の芸能と交流する「ジャティラン 三陸縦断の旅」。ジャティランとは、竹で編んだ馬を使う踊り手や仮面を被った踊り手による舞踏で、大槌町の伝統芸能「虎舞」などと似ていると言われています。このジャティラングループが三陸沿岸7市町村を南下し、地元の芸能団体や子供たちと触れ合います。

「三陸海鮮弁当」を味わいながらジャティランのレクチャーを体験できる「三陸芸能列車」。今年初めてモデル企画として実施。

商家・東屋の旧酒蔵では、川内鹿踊のドキュメンタリー映画『鹿踊りだぢゃい』の上映やインドネシア舞踊が行われた。

三陸国際芸術祭これから芸術祭後半。観て、踊って、触れ合って。

3月以降にも多彩なイベントがあります。大船渡の駅前商店街のさまざまな場所を“劇場”と見立て、地元やインドネシアの芸能、そして現代ダンスなどを上演する「大船渡駅前劇場」や、地域の人々に街の記憶を聞きながら歩く「語り部+まち歩きツアー」、酒場でダンスやパフォーマンスを観ながらダンサーや参加者が語り合う「大交流会」などなど。まだまだ盛り上がりを見せそうです。

「かつて日本は、世界に例を見ないほどの文化大国だったと思うんです。これまでコンテンポラリーダンスは、どちらかと言うと欧米を見てきた。しかし、自分たちの足もとにこんな文化が眠っていたことを、震災が気付かせてくれたと言っても良いでしょう。郷土芸能とコンテンポラリーダンスをつなげることで、人々の内に宿る『芸能』を未来へ受け渡していく、そんな下地を作れるような芸術祭にしていきたいです」と佐東氏。
三陸にはまだ知らない文化が眠っている。それは自分達の住むまちにもかつてあったものである。この芸術祭は、そんな日本の宝に気付かせ、郷土を誇る気持ちを呼び起こしてくれることでしょう。

インドネシアのジャティランが鉄道の中で披露されたのは後にも先にも初めてである。

旧酒蔵で演舞された「川内鹿踊り」は、旧川井村から出たことのない貴重な芸能だという。

開催期間:2019年2月9日(土)~3月24日(日)
開催場所:八戸市、階上町(青森県)、久慈市、田野畑村、宮古市、大槌町、大船渡市、住田町、陸前高田市(岩手県)、気仙沼市(宮城県)
料金:イベントにより異なる
三陸国際芸術祭 HP:https://sanfes.com/
写真提供:三陸国際芸術祭事務局

17ozヒッコリー×インディゴダックポケット ペインターパンツ

ヒッコリー×インディゴのコンビペインターパンツ!

  • 定番810の17oz生地に経緯インディゴ糸の20oz.ダックのパーツを組み込みました
  • 素材は17オンスのムラ糸を使用した極厚ヒッコリーになります
  • ヒッコリーのタテ糸ブルーのラインはインディゴ染ですのでデニムと同じく色落ちも楽しめます
  • 巻縫い(3本針)の下糸にはオレンジ糸の配色。ロールアップしたときのアクセントに
  • ワンウォッシュ済み
  • 商品により若干の誤差が出る場合がございます。
  • 前ぐり、後ぐりはベルト巾を含みません。

素材

  • 綿 100%

完成までは約1年半!時代を逆行する万年筆専門店が、世界の愛好家を鳥取へと導く。[万年筆博士/鳥取県鳥取市]

万年筆博士OVERVIEW

使い勝手に合わせた軸の長さ、重さ、重りの位置、ペンポイントの調整、素材、クリップやリングの位置……。数え上げればきりがないほど、とことん個人の趣味趣向に合わせて作られる万年筆。それこそがカスタムオーダーメイドで生み出される『万年筆博士』というショップの万年筆です。

鳥取駅からすぐの商店街に店を構える同店は、見た目はごく普通のステーショナリー専門店に見えることでしょう。ただし、一歩店に足を踏み入れると、どこか張り詰めた空気に違和感を覚えてしまうはずです。

店の中央には大きな接客用のテーブルが2つ、最奥には店主・山本 竜氏が1日の大半を過ごす工房が設えられているのです。もちろん、ショーケースには国内外の有名ブランドの万年筆やボールペンも置かれてはいるのですが、基本的には山本氏とじっくり話し合い、カウンセリングを受けて商品をオーダーするのがこの店の流儀。なんと訪れるゲストの95%以上が、店には並べられていない、山本氏が生み出す万年筆を求めて足を運ぶのです。

現在、海外からの受注は50%を超え、なんと商品の受け渡しまで約1年半待ち。筆を走らせると、まるで何十年も時間をともにしてきた相棒のように、しっくりとなじむ書き味は、唯一無二の存在として多くの文筆家を虜にしているといわれています。

鳥取という場所で、類まれなる万年筆で勝負し続ける専門店。山本氏が筆跡、書き癖などをカルテに起こし、手作りする至高の万年筆。世界中から愛好家を引き寄せる、その魅力を取材させて頂きました。

住所:〒680-0831 鳥取県鳥取市栄町605 MAP
万年筆博士 HP:https://fp-hakase.com/

♡ インスタ映えモニュメント ♡






皆さまこんにちはニコニコ

立春も過ぎてがすぐそこまで来ていますが・・・
まだまだ寒い毎日です・・あせるあせる

デニムストリートでインスタ映え・記念写真にとても人気のモニュメント爆笑

ありがたいことに沢山の方がインスタに載せてくださっています音譜音譜
一つ一つスタッフが心を込めて手作りした努力も報われますニコニコ
ありがとうございます。

この度・・キャラ工房もモニュメントつくりましたウインク

ストリート同様一つ一つ板の貼り合わせから文字作成・デニムのお花でキャラ工房オリジナルのデニムベアを形どってつくりました。✨✨
キャラのモニュメントも皆さんの旅の思い出になれたらとっても嬉しいです。おねがいラブラブラブラブ




これからに向けて新商品も入荷いたします。ニコニコ

折々ご紹介していきますので楽しみにしていてくださいねニコニコウインク

まだまだ寒く乾燥する毎日です。まだまだ猛威を振るっているインフルエンザに気をつけてくださいねゲホゲホ


倉敷デニムストリートキャラ工房より皆様のご来店を心よりお待ちしております。音譜

@adidasfun

スペインでは、フットサルは「フットボル・サラ」と呼ばれており、スペイン代表チームは2000年・2004年のFIFAフットサルワールドカップ、2005年のヨーロッパ選手権などで優勝した。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム

「スノーリゾートに色鮮やかな花火」。[苗場冬花火/新潟県南魚沼郡]

色鮮やかな花火を使用したスターマイン。

苗場冬花火海外からのお客様で賑わう日本のスキー場。

近年日本ではインバウンドツーリズムに力を入れていますが、その努力があってか海外からのお客さまが大挙して押し寄せている場所があるといいます。それは日本各地のスキー場だそうです。スキーやスノーボードを楽しまれる訪日客ももちろん多いのですが、それだけではないようです。ではなぜスキー場が賑わいを見せているのか?それは「雪を見る」というお客さまだそうです。雪の降らない国々から雪を見るために日本を訪れているのだそうです。

各スキー場ではそんな訪日客のみなさんに楽しんでもらうべく様々な工夫をされています。スキーやスノーボードは敷居が高いという方にも手軽に雪と触れ合っていただける雪遊び。例えば雪だるま作りや雪合戦などです。雪はお土産として持って帰ることは出来ませんが見て触れて感じていただく体験に価値を見出すことに適しているのだと思います。そんなスキー場で昨今増えてきているのが冬花火です。白銀のゲレンデを鮮やかに染める美しい花火。ぜひ訪日客のみなさんにもそして日本のみなさんにもご覧いただきたい花火です。

苗場冬花火は苗場スキー場で開催されます。

苗場冬花火炎色反応で美しい色を表現。

苗場スキー場の冬の花火の特徴の一つとして花火と観覧場所の距離が近いことが挙げられます。更にスキー場という立地のため傾斜がありホテル上層階の窓から観覧すれば花火が目の前に打ち上がってくるような感覚を体験できるのではないでしょうか。3/16開催の苗場冬花火は三ヶ所から打ち上がり、時には一ヶ所からゆったりと丁寧に、時には三ヶ所同時にワイド感たっぷりに豪華に打ち上げられます。スターマインを中心に展開されますのでテンポの良い楽しく華やかな印象の花火です。打ち上げを担当されているのは球屋北原煙火店さんです。

真っ白な雪を幻想的に染め上げながら打ち上がる色鮮やかな花火たち。この美しい色は金属などを炎の中に入れると金属元素特有の色を出す炎色反応の原理で発色しています。例えば昔ながらの和火といわれる深いオレンジ色の花火は硝酸カリウム。これは線香花火の色と同じです。また、赤(花火では紅と表現します)はストロンチウム化合物、緑は硫酸バリウム、黄色はナトリウム、青は酸化銅などが代表的な物になります。もちろんその他にも様々な金属や薬剤が煙火店ごとに違う独自の配合で調合されています。近年ではパステルカラーやレインボーカラーなど色の開発はとどまることを知りません。更に年々明るく進化していると感じています。

エンディングは錦冠菊花火が3ヶ所から打ち上がりました。

苗場冬花火今冬で計23回の花火打上。

巨大なリゾート施設で贅沢なひと時を過ごせる苗場スキー場では今回ご紹介した「苗場冬花火」の日以外にも規模の差こそあれ今冬で計23回の花火打上が行われています。機会があればぜひ訪れてみてください。広大な駐車場も完備されていますのでお車でも安心です。もちろん事前に道路状況を十分ご確認いただき雪対策万全でお出かけいただくことをオススメします。

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場所:〒949-6292 新潟県南魚沼郡湯沢町三国 MAP
日時:3月16日(土)

その他:2月【全6回】2(土),5(火),9(土),10(日),16(土),23(土)
    3月【全4回】2(土),9(土),23(土),30(土)
苗場冬花火 HP:http://www2.princehotels.co.jp/ski/naeba/event/detail_hanabi_taimatsu.html/

1963年神奈川県横浜市生まれ。写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打ち上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続け、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増えている。
ムック本「超 花火撮影術」 電子書籍でも発売中。
http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml
DVD「デジタルカメラ 花火撮影術」 Amazonにて発売中。
https://goo.gl/1rNY56
書籍「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中。
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751

「泊まれる酒蔵」で日本酒の世界に酔いしれる。[NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち/奈良県奈良市]

「本当に良いお酒をたくさんの人々に楽しんでもらいたい」という蔵元の想いを体現。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち趣ある酒蔵を1棟まるごと宿に改装!

人生の大きな楽しみのひとつに、お酒を位置づけている人は多いかもしれません。日常でも旅でも、良きお酒は心と身体を潤わせてくれます。

そんなお酒の世界を満喫できる宿が、日本酒発祥の地・奈良にオープンしました。
その名は『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』。創業150年の歴史を誇る『奈良豊澤酒造』の酒蔵を、洗練されたしつらえにリノベーション。お酒と古都の魅力に酔いしれることができる宿として、2018年11月に歩み始めました。

奈良は、米による酒造りが始まった地だと伝えられています。中でも元興寺(がんごうじ)の旧境内、江戸から大正期の街並みが残る『ならまち』には、春日大社から流れ出る水脈に沿って多くの酒蔵が立ち並んでいました。
『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』のベースとなったのは、そんな酒蔵のひとつ。今も手造りの酒造りにこだわり続ける蔵元の想いを受け継いで、様々な日本酒の愉しみ方を提案しています。

 
▶その他のNIPPONIA HOTELは、篠山城下町ホテル NIPPONIA/江戸時代から続く城下町が「ひとつのホテル」になった!

全8室ある客室は、いずれも酒蔵の造りを生かした個性的なしつらえ(客室名:HINOTO 101)。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち平城京の外宮として栄えた『ならまち』の酒蔵に泊まる喜び。

『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』の魅力は、とことん「お酒」にこだわった造りとシチュエーションです。
明治時代に造られた酒蔵を改装した客室は、一つひとつが異なる趣。歴史を重ねた風合いを残しながらも、現代的な快適さを追求しています。

例えば『HINOTO 101』は、重厚な漆喰(しっくい)の扉にまず圧倒されます。さらに木製のはしごで昇るロフトのベッドルームや、もともと設置されていた箪笥(たんす)などのインテリアも、非常に風情を醸しています。
他にも米蔵の梁や天井をそのまま残した『KANOE 105』、2部屋の続き間が離れとなっている『KINOTO 106』など、いずれも確かな個性を放っています。
なお、2階建てのうち、1階の全室には檜風呂を併設。要予約・無料の「酒粕の巾着」を浸せば、美容と健康に良い『酒粕風呂』が楽しめます。

「現代の名工」に選ばれた杜氏が醸す『奈良豊澤酒造』の日本酒は、東大寺や春日大社をはじめ多くの寺社に奉納されている。

茶室と水屋の意匠を生かした客室『KANOTO 108』。

往時のままの欄間や、縁側から望める通り庭に癒される『KINOE 103』。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち奈良の美酒と美食を堪能。

とことんお酒にこだわる『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』は、食においてもお酒との相性を追求しています。併設の『レストラン源郷』では、搾りたての日本酒や朝どれの日本酒、ここでしか味わえない限定の地酒など、希少な日本酒と料理とのペアリングが楽しめます。

関西フレンチ界の巨匠・石井之悠(いしい・しゅう)氏を監修として迎えたメニューは、奈良の食材を生かしたフルコースフレンチ。それなのに一品一品が日本酒と絶妙にマッチするという、計算し尽くされたマリアージュを奏でています。

大きなシェフズカウンターに座って、目の前で調理された料理を味わうというライヴ感も魅力。大和野菜や大和牛など、奈良の豊かな食材をモダンなアレンジで堪能できます。
なお、お子様向けのコースやワンプレート料理もご用意。ご家族でも安心して宿泊できます。

目にも美味しいフレンチは、奈良の素材をフルコースで提供。

一品一品がお酒との相性を考え抜かれている。

土間だった場所を梁や天井をそのままにリノベーションしたレストラン。吹き抜けのような開放感がある。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち建物が最も輝いていた時代の趣や風情を取り戻す。

『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』は、日本全国に展開しつつある『NIPPONIA』プロジェクトの一翼です。『NIPPONIA』とは、全国各地に残る古民家を、その歴史性を尊重しながらリノベーションした上で、土地ごとの文化や歴史を実感できる施設として再生していく取り組み。地域の歴史や食に溶け込む新たな旅が体験できます。

歴史的な建築物を、可能な限り姿を保ちながら活用していこうというプロジェクト。『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』も、もちろんこのポリシーを継承しています。奈良の伝統的な町家造りを生かしながら、当時の生活を感じられるように仕上げ、手を加えた部分も原状回復できるように心がけています。

空き家となってしまった古民家を、時代の空気とともに再生。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまちタイムスリップしたかのような街で、奈良と日本の歴史を体感。

建物の周辺には、世界遺産などの名所旧跡が目白押し。徒歩圏内に多くの観光スポットがあるので、そぞろ歩きも楽しめます。

著名な興福寺をはじめとするお寺を巡るのもよし。奈良公園とその周辺スポットや、美術館や博物館を巡るのもよし。観光のコンシェルジュも務めてくれるスタッフが、見所を教えてくれます。

「奈良の有名スポットには行き尽くした」というリピーターなら、『奈良町資料館』や『奈良町にぎわいの家』といった、往時の暮らしと文化を体感できる施設がお勧め。もちろん施設内でゆったり過ごすのもよしで、様々な滞在を楽しめます。

奈良の中心部にあり、利便性は抜群。

館内の景趣に浸ってゆったり過ごすのもよし。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち見逃せない、オープン記念のお得なキャンペーン。

現在『NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち』では、オープン記念としてお得なキャンペーンを実施しています。様々な宿泊プランが全日程で30%OFFになるなど、見逃せない充実ぶり。この機会にぜひ訪れてみたいものです(予約受付期間:2019年2月27日まで)。

更に、今後も日本酒への造詣を深められるプランや、街の人との共同ワークショップなどを企画。日本酒についての「学び」の機会を提供し、奈良ならではの日本酒にまつわるアクティビティを増やしていきます。
とことん日本酒にこだわる「泊まれる酒蔵」。日本酒に触れ・味わい・体験できる場として、お酒好きの人々をいざなってくれます。

奈良と日本酒との深い繋がりを知り、実感できる場。

住所:奈良県奈良市西城戸町4 MAP
電話:0120-210-289(NIPPONIA 総合窓口 11:00~20:00)
料金:2名1室利用時/ 1泊2食付28,000円~(税・サービス料別)
お料理:ランチ/ 5,000円~(税別)
ディナー/10,000円~(税・サービス料別)
写真提供:NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち
NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち HP:https://www.naramachistay.com/

ついにベールを脱いだ奇跡の酒・『加温熟成解脱酒』。試飲会場を包んだ驚嘆の声の理由とは。[加温熟成解脱酒/秋田県秋田市]

パリの地で高い評価を得る加温熟成解脱酒が、いよいよ日本でも話題に。

加温熟成解脱酒フランスを席巻した酒が、いよいよ日本で本格展開。

高清水で知られる秋田の酒蔵『秋田酒類製造株式会社』が世に送り出した『加温熟成解脱酒』。それは熟成に伴う深い香りを持ちながら、同時にフレッシュな味わいも併せ持つ奇跡の酒。『ONESTORY』はそのポテンシャルに惹かれ、繰り返し記事でご紹介してきました。

数々のソムリエを虜にし、一足先に届けられたフランスでは名だたるスターシェフの称賛を浴びたこの酒が、日本でもついに本格展開が開始されました。

そしてそんな『加温熟成解脱酒』のポテンシャルをいち早く見抜いた人物がいました。その人物こそ、外苑前『An Di』のオーナーソムリエ・大越基裕氏。名店『銀座レカン』のソムリエとして活躍した後、フランスに渡り栽培と醸造を学び、帰国後はワインテイスター、ワインディレクターとしても活躍する、日本を代表するこのスーパーソムリエです。

「熟成酒特有のメイラード反応の甘やかさとフレッシュさの共存。これが第一印象です。香りは冷やすと弱まります。しかしこの酒は元の香りがしっかりしているため減退が少ない。また冷しても酸味は強くならず甘みと、いいバランスが保たれます。そしてピュアな香りはよりその個性を強調します。このような甘さ、香り、そして酸のバランスでできる世界観をお伝えしたい」と大越氏。

そうして『加温熟成解脱酒』に魅せられた大越氏が、その魅力を伝えるべく考えたのが、料理とのマリアージュを楽しむテイスティングイベント。そして去る2019年1月、都内の『An Di』にて、メディア関係者、フードジャーナリスト、フーディなどをゲストに迎えた試飲会が開催されました。その模様と、会場を包んだ歓声の理由を余すところなくお伝えします。

▶詳細は、加温熟成解脱酒/パリで話題! ベールを脱いだ『加温熟成解脱酒』という新たなる日本酒の挑戦。

『An Di』のソムリエ大越氏とシェフ内藤氏。細やかな計算で驚きのマリアージュを見せてくれた。

加温熟成解脱酒温度に着目し、酒のポテンシャルを引き出す。

イベントはナビ―ゲータを務める『An Di』シェフソムリエ・大越基裕氏の挨拶で幕を開けました。『An Di』のシェフ・内藤千博氏の料理3品と『加温熟成解脱酒』のマリアージュを楽しむこと、それが今回の試飲会の骨子です。しかし、ただ料理と酒を合わせるだけではありません。大越氏が着目したのは、酒の温度。温度帯により実に多様な表情を見せる『加温熟成解脱酒』の持ち味を、料理と合わせることでいっそう明確に際立てることを狙ったのです。

最初に届けられた『加温熟成解脱酒』は7度。ワイングラスに注がれた深い琥珀色の液体は、まごうことなき熟成酒に見えます。大越氏は料理と合わせる前に、まず一口、この酒を味わうことを勧めました。そして、しばしの沈黙。やがて会場にはざわめきが広がります。
見た目の印象、つまり熟成酒のずっしりとした重さとは無縁の、フレッシュで軽やかな味わい。しかし鼻に抜ける香りには、確かに熟成酒特有の複雑な深みが備わっているのです。

「従来のどんな日本酒とも違います」日本酒専門メディア『SAKETIMES』編集長・小池 潤氏は言いました。「一般的に酒は熟成すれば複雑味が増し、それにつれて重厚感が出るもの。しかしこの酒は複雑味がありながら、軽やかな飲みごたえ。つまり相反する要素が共存しているのです」

合わせてサーブされた料理は『An Di』の人気料理でもある生春巻き。今回は煮穴子やジャバラみかん、パイナップルなど多彩な要素を潜ませ、タマリンドのソースを合わせました。大越氏と内藤シェフが繰り返し話し合い、導き出した冷やの『加温熟成解脱酒』に合わせる最適解です。

「この酒は少し冷やすことで甘さのバランスがとても良く、フレッシュな味わいが楽しめますから野菜との相性は間違いありません。しかし元の香りがしっかりしているため、冷やしてもその香りは失われない。そこでフレッシュな野菜の中に穴子を加えることで、酒との距離感を縮めることを目指しました」大越氏の明快な解説により、料理と酒の相性もいっそう明らかになります。会場のあちこちから、このマリアージュを称賛する声があがりました。

「本当に日本酒なの?という印象。新しい味、新しいジャンル」とは『JAPAN CRAFT SAKE COMPANY』のレベッカ・ウィルソンライ氏の言葉。「素晴らしいお酒ですね。各国の料理と合わせるアイデアがいろいろ浮かびます」と、早くもその可能性を見出した様子でした。

経験豊かなソムリエの視点で、『加温熟成解脱酒』の魅力を伝えた大越氏。

「穴子の生春巻き」煮穴子の甘み、野菜のフレッシュ感などが冷やした解脱酒に寄り添った。

『SAKETIMES』の小池編集長の豊富な知見をして「未知なる酒」と言わしめた。

「ポテンシャルのあるお酒が飲めてうれしい!」と率直な感想を伝えてくれたレベッカ氏。

加温熟成解脱酒最高のバランスを持つ、『加温熟成解脱酒』の最適温度。

しかし驚くのはこれから。続いては36~38度のぬる燗の酒が登場しました。「単体で飲むならば、この温度が間違いなく一番」大越氏がそう言い切る、『加温熟成解脱酒』の最適温度です。「温度を上げると香りが際立ちますが、酸も立ちます。その香りと味わいのバランスがベストになるのが、この人肌の温度です」大越氏の言葉通り、キャラメルやハチミツのような香りと、口当たりの柔らかいテクスチャーが絶妙な塩梅で交差します。

そのテクスチャーを見抜いて内藤氏が仕立てたのは「イカのソテー」。繊細な包丁で柔らかく仕上げたアオリイカは酒と絶妙に共鳴し、添えられた柑橘の香りが酒の酸味に寄り添います。アクセントとして皿に散らしたアニス、キャラウェイの香りも、酒のフレーバーに呼応しました。「1皿目がフレッシュ感を軸に合わせたのに対し、この2皿目はテクスチャーで寄り添わせました」と大越氏。

単体で最高の飲み心地となる酒に、テクスチャー側から寄り添わせる料理。その緻密な計算にゲストは心奪われた様子。「不思議なお酒、という印象です。熟成香とフルーティさ、つまり現在と未来という時間が同時にある。タイムスリップを体験したような気持ちです」フリーアナウンサーの近藤淳子氏は、そんな素敵な言葉で感想を伝えてくれました。

フレンチとエスニックの要素が詰まった「イカのソテー」。ぬる燗の解脱酒とともに。

独特の観点で解脱酒の魅力を伝えたフリーアナウンサーの近藤氏。

会場には『加温熟成解脱酒』の開発者も訪れ、その様子を見守った。

加温熟成解脱酒上燗でいっそう際立つ、『加温熟成解脱酒』の香りと酸。

フレッシュ感とテクスチャー。異なる視点からマリアージュを提案した大越氏が最後の1皿で目指したのは「油と酸による呼応」。そう言って大越氏が準備した酒は45度ほどの上燗、そして料理は黒ニンニクを添えた「鴨胸肉のロースト」。「温度を上げることで出る強いキャラメル香、強い酸、そして深い香り。そこを後押しするために、構成要素を同じにする料理を合わせました」

「炭で皮目を焼ききった鴨の重厚感。添えた黒ニンニクは熟成させることで、臭みはなくフルーティな味わいに。周囲にハチミツ漬けのキンモクセイとベトナムのショウガの甘酢漬けを散らし、清涼感と複雑なニュアンスを加えています」フレンチ出身の内藤氏が醸す重層的な味わいが、複雑味のある『加温熟成解脱酒』と共鳴し、高め合ったのです。

鴨の脂を洗い流すようなしっかりとした酸。黒ニンニクにも負けない強い香り。複雑な料理の甘みと寄り添うキャラメル香。上燗にした『加温熟成解脱酒』の持つすべての要素を、ひとつひとつ塗りつぶすような料理。その緻密な計算により生まれた、圧巻の調和でした。

2018年『ミス日本酒』の須藤亜紗実氏も「従来の日本酒の概念に収まらない味」と驚きを隠せない様子。「温度の違い、合わせるお料理によって見せる表情の変化があまりに幅広く、印象的でした」と伝えてくれました。

「鴨胸肉のロースト」。温めた解脱酒が放つ明確な存在感に負けぬ重厚な味わい。

内藤氏はフレンチの名店『レフェルヴェソンス』出身。フランスとベトナムの接点を探り、独自の料理を生み出す。

香り、酸、味わい、甘み。温度により実に多彩な表情を見せる『加温熟成解脱酒』。

「日本酒の新たな可能性を感じることができました」とミス日本酒の須藤氏。

加温熟成解脱酒日本酒のこれからを担う、新たなジャンルの酒。

フレッシュな冷や、バランスの良いぬる燗、力強い上燗。異なる温度帯で、『加温熟成解脱酒』の可能性を味わい尽くした試飲会。「フレッシュだけどシンプルではない。ここまで味をクリーンにして、ここまでの香りを出せる日本酒はいままで見たことがありません。新しい味のスタイル、新しい世界観です」大越氏はこの酒を、そう総括しました。

参加したゲストも同様に、日本酒の新たなステージを感じた様子。「最初は酒精強化ワインに近いニュアンスかな、と感じました。しかし味わうほどに、より軽く、よりすっきりしている。日本酒という範疇を飛び越える、新しいジャンルのお酒だと思います」コラムニストの中村孝則氏はそう話しました。「新しい発見です。温度感による酸味のバリエーションが多彩。酸味の面からみても、さまざまな料理と合わせられるポテンシャルがありそうです」とは『ヒトサラ』編集長・小西克博氏。『料理通信』編集主幹・君島佐和子氏は「絶妙なバランスの上に成り立つ異なる要素の共存。技の酒、という印象です。シルクやカシミアのような、柔らかく滑らかで温かい、そんな感触が心地よかったです」と称賛を寄せました。

『秋田酒類製造株式会社』の平川順一社長も「このイベントを通して、日本酒の未来が見えてきました。本当にうれしく思います」と顔をほころばせました。複雑な深みとフレッシュ感。対極にある要素がバランスよく調和するまったく新たな酒。これからの日本酒の未来を切り拓く、見逃せない酒となることでしょう。


(supported by  秋田酒類製造株式会社)

「軽やかだけど、軽いわけではない。かなり高度な酒ですね」と『料理通信』君島氏。

海外の食事情にも詳しい『ヒトサラ』小西編集長は、『加温熟成解脱酒』と各国料理との相性にも大小判。

ワインに造詣が深いコラムニスト・中村氏は『加温熟成解脱酒』を「新たなジャンルの酒」と言い切った。

会場の熱気を肌で感じ「新たな世界の入り口に立った」と平川社長。『加温熟成解脱酒』のさらなる発展を目指す。

1976年、北海道生まれ。国際ソムリエ協会  インターナショナルA.S.Iソムリエ・ディプロマ。2013年6月、ワインテイスター/ワインディレクターとして独立。世界各国を回りながら、最新情報をもとにコンサルタント、講師や講演、執筆などもこなしてワインの本質を伝え続けている。ワインだけでなく、日本酒、焼酎にも精通しており、ワインと日本酒を組み合わせた食事とのマリアージュにも定評がある。

住所:東京都渋谷区神宮前3-42-12 1F MAP
電話:03-6447-5447
An Di HP:http://andivietnamese.com/

住所:〒010-0934 秋田県秋田市川元むつみ町4-12 MAP
電話:018-864-7331
秋田酒類製造株式会社 HP:http://www.takashimizu.co.jp/

2人のキーマンが振り返る『DINING OUT』史上最も神聖な地を舞台に繰り広げられた幻の晩餐。[DINING OUT RYUKYU-NANJO with LEXUS/沖縄県南城市]

ダイニングアウト琉球 南城

2018年11月、琉球はじまりの地と言い伝えられる沖縄県南城市で開催された『DINING OUT RYUKYU - NANJO with LEXUS』。

琉球神話の中では、はるか昔、「アマミキヨ」という女神が海の向こうの理想郷といわれた神の国「ニライカナイ」からやってきて琉球の島々や祈りの場「御嶽(うたき)」を創り、南城市の離島・久高島に降り立ったと伝えられています。 今なお「神の島」と呼ばれる久高島は、琉球王朝時代に国王が巡礼した島で、現代までその信仰と伝統が守られてきた沖縄で最も神聖な場所です。そして、沖縄の人々の生活や心にはいつも、神への祈りと、大自然への感謝があります。

そんな生命の起源でもあり、琉球を創成した「アマミキヨ」のゆかりの地で開催された今回の『DINING OUT』のテーマは、「Origin いのちへの感謝と祈り」。

このテーマに挑んだのは、『DINING OUT』初の女性シェフとなる志摩観光ホテル樋口宏江氏。2016年5月に行われた伊勢志摩サミットで、各国の首相陣をうならせる料理を提供し話題になりました。伊勢神宮のお膝元で地元の食材を深く探求してきた樋口シェフと、沖縄の神に対する祈りの精神性や食文化が見事マッチングしたフルコースは、ゲストを感動へと導きました。

そしてホスト役は、「世界のベストレストラン50」の日本評議委員長を務める中村孝則氏が登場。沖縄独特の文化や歴史背景を多岐に渡る深い知識で伝え、料理とドリンクの解説まで二夜のプレミアムな時間を彩りました。

日本最後の聖域といっても過言ではない土地で、「祈りと感謝」の神秘的な饗宴を2人のキーマンの言葉で振り返ります。

▶詳細は、DINING OUT RYUKYU - NANJO with LEXUS

三重県四日市市生まれ。1991年、志摩観光ホテルに入社。2014年には、同ホテルで初めての女性総料理長に就任。2016年に、「G7 伊勢志摩サミット」のディナーを担当し、各国首脳から 称賛を受けた。翌年、第8回農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」のブロンズ賞を、三重県初、女性としても初めて受賞。今、最も世界から注目を集めている女性シェフである。
志摩観光ホテル HP:https://www.miyakohotels.ne.jp/shima/index.html

神奈川県葉山生まれ。ファッションやカルチャーやグルメ、旅やホテルなどラグジュアリー・ライフをテーマに、雑誌や新聞、TVにて活躍中。2007年に、フランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を授勲。2010年には、スペインよりカヴァ騎士の称号も授勲。(カヴァはスペインのスパークリングワインの呼称) 2013年からは、世界のレストランの人気ランキングを決める「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務める。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。
http://www.dandy-nakamura.com/

北国らしいライフスタイルや大地の恵みをバッグに詰め込んで。[KEETS/北海道札幌市]

北海道に根差したバッグブランド『KEETS』の後藤氏。

キイツ

北海道の一大都市として賑わう札幌市。その中心部からほど近い場所にありながらも、緑豊かでのどかな雰囲気が漂う宮の森円山地区の一角に、北海道らしさを追求するバッグブランド『KEETS』のアトリエショップが佇んでいます。前編では代表の後藤 晃氏に、『KEETS』のオリジナリティとものづくりのこだわりについて聞きました。

アトリエショップは、お洒落な看板が目印。

キイツ追い求めたのは、北海道のメーカーならではのものづくり。

2015年に誕生したバッグブランド『KEETS』。北海道で生まれ育った後藤氏が、北海道ならではのものづくりを追求し、企画、デザインから製造まで、自ら手がけたバッグを展開しています。レザーと帆布を中心に様々な種類のバッグがありますが、一貫してかかげるコンセプトは、「シンプル・ミニマル・ユニーク」です。

「北国の暮らしは、ひと言で表現するならシンプル、ミニマルという言葉が似合うと思っていて。だから、自分のものづくりもシンプルに、ミニマルに。意味のない装飾などは施さず、余計なものを削ぎ落とした必要最小限のデザインでありながら、それでいて安っぽくないこと。そしてしっかりと機能性が高く、使い勝手が良いことを大切にしています。その上で、少しの遊び心、ユニークさを加えているんです」と後藤氏は話します。

更に、一部のバッグのパーツには、北海道産の木材やエゾシカ革などを採用。北海道の暮らしにも通じるコンセプトと、北海道の大地で育まれた素材をかけ合わせることで、「らしさ」溢れるオリジナルのプロダクトを生み出しているのです。

トートバッグやリュックサックなど、様々なバッグが並ぶ。

全てショップ併設のアトリエにて作られている。

キイツ北海道産の素材が織り成す、軽くて丈夫なリュック。

『KEETS』の代表的なアイテムのひとつが、リュックサックの『WAKKO』。ボディには、北海道に生息する野生のエゾシカの革が使われています。エゾシカ革は、軽量で柔らかい上、耐久性の高さが特長。近年、繁殖しすぎて駆除対象となっているエゾシカですが、こうした優れた点が生かされ、新たな命が吹き込まれているのです。

また、各部の留め具には、北海道産のナラ材(どんぐりの木)から切り出した、オリジナルの木製パーツを使用。ナラ材は家具にも使用される、堅く丈夫な木材です。北海道旭川市の木工職人の手で丁寧に仕上げられており、使い続けることで自然な風合いの変化も楽しめます。ちなみに、フロントには大きなリングがついていますが、こうした輪の形状のものを、北海道地方の方言では「ワッコ(輪っこ)」というそうです。商品名の『WAKKO』は、これに由来しています。

「レザーのリュックサックというと重くなりがちですが、『WAKKO』は軽さが魅力のエゾシカ革を採用し、金具よりも軽い木製パーツを使っているため、手に取るとその軽さに驚かれることも多いです。しかもそれぞれの素材が丈夫なので、耐久性も十分。実は『WAKKO』は、息子が1歳になる記念に考案したものなのですが、最終的に子供から大人まで、ずっと使える、一緒に使えるリュックサックに仕上がっています」と後藤氏。

というのも、ベルト部分は簡単に取り換えられる仕様。別売りの短いベルトをつければ子供用、長いベルトをつければ大人用として使うことができるのです。更に、ベルトを1本取り外すことで、斜め掛けのメッセンジャーバッグにアレンジすることも可能。『WAKKO』には、実に様々な魅力が詰まっています。

全体に約1頭分のエゾシカ革を使用しています。

野性味溢れるエゾシカ革の中で、良質な部分を厳選。

象徴的な「ワッコ(輪っこ)」をはじめ、パーツはナラ材。

キイツシンプルながらもさりげない遊び心が溢れるトートバッグ。

もうひとつ、『KEETS』の代表格となっているのが、「シンプルな布バッグを作りたい」という思いから生まれた、『WALTON Tote』。こちらは、ボディに岡山県倉敷産の帆布、ハンドルなどにはイタリア産の牛革が使われています。厚手でハリがあり、耐久性に優れた倉敷帆布をベースに、負荷のかかる部分は何重にも縫製。さらに厚手の底板と5個の底鋲(そこびょう)を加えることで、丈夫で長持ちするトートバッグとなっています。

そして、中を開くと外見とのギャップに驚き。中生地には、北海道の冬景色をイメージしたオリジナルプリントが施されているのです。プリントされている北海道の山には、なじみ深いカラマツの森に、よく見るとキタキツネやエゾシカが隠れています。「カラマツは、針葉樹でありながら落葉する珍しい木。冬には枝に雪が積もり、綺麗な雪花を咲かせます。その光景がとても美しく北海道らしいなと思い、中生地で再現しました」と話す後藤氏。

更に、附属のチャームもユニーク。北国の贈り物の定番「新巻鮭(あらまきじゃけ)」をかたどったチャームです。後藤氏曰く、「シャケ特有の遡上は、努力の象徴であるとされていて。運気を上向きにする縁起物という意味でも、このシャケのチャームをつけています」。
一見とてもシンプルながら、しっかりとした機能性と、遊び心が見え隠れする。それが『WALTON Tote』なのです。

ブランド名も入り、『KEETS』のアイコン的存在。

カラー展開は生成りやブラック、ネイビーなど全10色。

表とは裏腹に、オリジナルプリントが施された中生地。

点在する森の動物に、思わず笑みがこぼれます。

革製のシャケのチャームは、一つずつアトリエで製作。

キイツトレンドのサコッシュバッグも、『KEETS』らしい提案で。

一方、最近では『WALTON Tote』から派生した、新たなアイテムが人気を博しています。それが『WALTON Sacoche』。トレンドのサコッシュバッグです。トートバッグと同じく、ボディは倉敷帆布。ユニークな中生地とチャームも同様です。

「ちょうど流行り始めるタイミングでサコッシュのことを知り、自分でも作ってみようと思い開発しました。必要最低限の荷物が入る、無駄なくコンパクトなサイズ感と、背中や脇腹に密着する動きやすさ、軽さにこだわっています」と後藤氏が話すとおり、サッと肩にかけて出かけられる手軽さ、便利さが備わっています。
また、全30色の豊富なカラーバリエーションも魅力。スタンダードな生成りやブラックなら洋服を選びませんし、鮮やかなピンクやブルー、グリーンならコーディネイトのアクセントに。文字通り、色とりどりのものが揃う中から、好きな色を選べます。

ちなみに、別売りのベルトをつけ足すことで、長めのショルダーバッグとして利用することも可能。スタイルや気分に合わせて、ちょっとした変化も楽しめます。

大きすぎず小さすぎない、絶妙なサイズ感。

全30色の生地の中から、好きな色でオーダー可能。

高級感のあるエゾシカ革バージョンもお目見え。

長めのショルダーにも変化する2WAYも人気のポイント。

こちらも手軽に使える、新作の『ICHIYOUポシェット』。

キイツ新たな北海道産素材との出合いで生まれたポシェットも注目。

2018年冬、エゾシカ革、ナラ材に続く、北海道ならではの素材を使った新しいバッグが登場しました。サコッシュよりも更にコンパクトで軽量な『ICHIYOU ポシェット』です。使用されているのは、北海道の代表的な針葉樹のひとつ、アカエゾマツの枝葉で染めた、草木染め帆布。北海道釧路市のメーカーが手がけています。

「通常、間伐されたアカエゾマツは建材や製紙用チップなどに使われ、一部の枝や葉は精油した後、アロマオイルなどに利用されます。そして、精油後の残渣(ざんさ)は廃棄されます。そんな、本来捨てられるだけの残りかすを、染色に活用して生まれたのがこの布。だから“ICHIYOU”という名には、一つの葉も無駄にしないという想いが込められています」と後藤氏。自然の恵みを余すところなく生かしたバッグは、独特の風合いを醸し出し、コンパクトながらも印象的な存在。新しい表現として目を引いています。

次回の後編では、後藤氏の経歴やアトリエショップの様子、最新の取り組みなどを紹介します。

北海道紋別郡遠軽町生まれ。鞄職人。2009年に独学でレザークラフトを開始し、2013年には札幌市内にレザークラフトショップ『Atelier BARBUTO』をオープン。その後、新たなスタイルと環境を求めて宮の森円山地区に移転し、『KEETS』を立ち上げた。北海道産木材やエゾシカ革、帆布などの素材を使用し、北国の暮らしに通じる「シンプル・ミニマル・ユニーク」をキーワードとしたバッグを、一つひとつ丁寧に作り上げている。

住所:〒064-0944 北海道札幌市中央区円山西町1-3-7 MAP
電話:011-699-5360
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜(不定休あり)
KEETS HP:http://keets.co.jp/

北国らしいライフスタイルや大地の恵みをバッグに詰め込んで。[KEETS/北海道札幌市]

北海道に根差したバッグブランド『KEETS』の後藤氏。

キイツ

北海道の一大都市として賑わう札幌市。その中心部からほど近い場所にありながらも、緑豊かでのどかな雰囲気が漂う宮の森円山地区の一角に、北海道らしさを追求するバッグブランド『KEETS』のアトリエショップが佇んでいます。前編では代表の後藤 晃氏に、『KEETS』のオリジナリティとものづくりのこだわりについて聞きました。

アトリエショップは、お洒落な看板が目印。

キイツ追い求めたのは、北海道のメーカーならではのものづくり。

2015年に誕生したバッグブランド『KEETS』。北海道で生まれ育った後藤氏が、北海道ならではのものづくりを追求し、企画、デザインから製造まで、自ら手がけたバッグを展開しています。レザーと帆布を中心に様々な種類のバッグがありますが、一貫してかかげるコンセプトは、「シンプル・ミニマル・ユニーク」です。

「北国の暮らしは、ひと言で表現するならシンプル、ミニマルという言葉が似合うと思っていて。だから、自分のものづくりもシンプルに、ミニマルに。意味のない装飾などは施さず、余計なものを削ぎ落とした必要最小限のデザインでありながら、それでいて安っぽくないこと。そしてしっかりと機能性が高く、使い勝手が良いことを大切にしています。その上で、少しの遊び心、ユニークさを加えているんです」と後藤氏は話します。

更に、一部のバッグのパーツには、北海道産の木材やエゾシカ革などを採用。北海道の暮らしにも通じるコンセプトと、北海道の大地で育まれた素材をかけ合わせることで、「らしさ」溢れるオリジナルのプロダクトを生み出しているのです。

トートバッグやリュックサックなど、様々なバッグが並ぶ。

全てショップ併設のアトリエにて作られている。

キイツ北海道産の素材が織り成す、軽くて丈夫なリュック。

『KEETS』の代表的なアイテムのひとつが、リュックサックの『WAKKO』。ボディには、北海道に生息する野生のエゾシカの革が使われています。エゾシカ革は、軽量で柔らかい上、耐久性の高さが特長。近年、繁殖しすぎて駆除対象となっているエゾシカですが、こうした優れた点が生かされ、新たな命が吹き込まれているのです。

また、各部の留め具には、北海道産のナラ材(どんぐりの木)から切り出した、オリジナルの木製パーツを使用。ナラ材は家具にも使用される、堅く丈夫な木材です。北海道旭川市の木工職人の手で丁寧に仕上げられており、使い続けることで自然な風合いの変化も楽しめます。ちなみに、フロントには大きなリングがついていますが、こうした輪の形状のものを、北海道地方の方言では「ワッコ(輪っこ)」というそうです。商品名の『WAKKO』は、これに由来しています。

「レザーのリュックサックというと重くなりがちですが、『WAKKO』は軽さが魅力のエゾシカ革を採用し、金具よりも軽い木製パーツを使っているため、手に取るとその軽さに驚かれることも多いです。しかもそれぞれの素材が丈夫なので、耐久性も十分。実は『WAKKO』は、息子が1歳になる記念に考案したものなのですが、最終的に子供から大人まで、ずっと使える、一緒に使えるリュックサックに仕上がっています」と後藤氏。

というのも、ベルト部分は簡単に取り換えられる仕様。別売りの短いベルトをつければ子供用、長いベルトをつければ大人用として使うことができるのです。更に、ベルトを1本取り外すことで、斜め掛けのメッセンジャーバッグにアレンジすることも可能。『WAKKO』には、実に様々な魅力が詰まっています。

全体に約1頭分のエゾシカ革を使用しています。

野性味溢れるエゾシカ革の中で、良質な部分を厳選。

象徴的な「ワッコ(輪っこ)」をはじめ、パーツはナラ材。

キイツシンプルながらもさりげない遊び心が溢れるトートバッグ。

もうひとつ、『KEETS』の代表格となっているのが、「シンプルな布バッグを作りたい」という思いから生まれた、『WALTON Tote』。こちらは、ボディに岡山県倉敷産の帆布、ハンドルなどにはイタリア産の牛革が使われています。厚手でハリがあり、耐久性に優れた倉敷帆布をベースに、負荷のかかる部分は何重にも縫製。さらに厚手の底板と5個の底鋲(そこびょう)を加えることで、丈夫で長持ちするトートバッグとなっています。

そして、中を開くと外見とのギャップに驚き。中生地には、北海道の冬景色をイメージしたオリジナルプリントが施されているのです。プリントされている北海道の山には、なじみ深いカラマツの森に、よく見るとキタキツネやエゾシカが隠れています。「カラマツは、針葉樹でありながら落葉する珍しい木。冬には枝に雪が積もり、綺麗な雪花を咲かせます。その光景がとても美しく北海道らしいなと思い、中生地で再現しました」と話す後藤氏。

更に、附属のチャームもユニーク。北国の贈り物の定番「新巻鮭(あらまきじゃけ)」をかたどったチャームです。後藤氏曰く、「シャケ特有の遡上は、努力の象徴であるとされていて。運気を上向きにする縁起物という意味でも、このシャケのチャームをつけています」。
一見とてもシンプルながら、しっかりとした機能性と、遊び心が見え隠れする。それが『WALTON Tote』なのです。

ブランド名も入り、『KEETS』のアイコン的存在。

カラー展開は生成りやブラック、ネイビーなど全10色。

表とは裏腹に、オリジナルプリントが施された中生地。

点在する森の動物に、思わず笑みがこぼれます。

革製のシャケのチャームは、一つずつアトリエで製作。

キイツトレンドのサコッシュバッグも、『KEETS』らしい提案で。

一方、最近では『WALTON Tote』から派生した、新たなアイテムが人気を博しています。それが『WALTON Sacoche』。トレンドのサコッシュバッグです。トートバッグと同じく、ボディは倉敷帆布。ユニークな中生地とチャームも同様です。

「ちょうど流行り始めるタイミングでサコッシュのことを知り、自分でも作ってみようと思い開発しました。必要最低限の荷物が入る、無駄なくコンパクトなサイズ感と、背中や脇腹に密着する動きやすさ、軽さにこだわっています」と後藤氏が話すとおり、サッと肩にかけて出かけられる手軽さ、便利さが備わっています。
また、全30色の豊富なカラーバリエーションも魅力。スタンダードな生成りやブラックなら洋服を選びませんし、鮮やかなピンクやブルー、グリーンならコーディネイトのアクセントに。文字通り、色とりどりのものが揃う中から、好きな色を選べます。

ちなみに、別売りのベルトをつけ足すことで、長めのショルダーバッグとして利用することも可能。スタイルや気分に合わせて、ちょっとした変化も楽しめます。

大きすぎず小さすぎない、絶妙なサイズ感。

全30色の生地の中から、好きな色でオーダー可能。

高級感のあるエゾシカ革バージョンもお目見え。

長めのショルダーにも変化する2WAYも人気のポイント。

こちらも手軽に使える、新作の『ICHIYOUポシェット』。

キイツ新たな北海道産素材との出合いで生まれたポシェットも注目。

2018年冬、エゾシカ革、ナラ材に続く、北海道ならではの素材を使った新しいバッグが登場しました。サコッシュよりも更にコンパクトで軽量な『ICHIYOU ポシェット』です。使用されているのは、北海道の代表的な針葉樹のひとつ、アカエゾマツの枝葉で染めた、草木染め帆布。北海道釧路市のメーカーが手がけています。

「通常、間伐されたアカエゾマツは建材や製紙用チップなどに使われ、一部の枝や葉は精油した後、アロマオイルなどに利用されます。そして、精油後の残渣(ざんさ)は廃棄されます。そんな、本来捨てられるだけの残りかすを、染色に活用して生まれたのがこの布。だから“ICHIYOU”という名には、一つの葉も無駄にしないという想いが込められています」と後藤氏。自然の恵みを余すところなく生かしたバッグは、独特の風合いを醸し出し、コンパクトながらも印象的な存在。新しい表現として目を引いています。

次回の後編では、後藤氏の経歴やアトリエショップの様子、最新の取り組みなどを紹介します。

北海道紋別郡遠軽町生まれ。鞄職人。2009年に独学でレザークラフトを開始し、2013年には札幌市内にレザークラフトショップ『Atelier BARBUTO』をオープン。その後、新たなスタイルと環境を求めて宮の森円山地区に移転し、『KEETS』を立ち上げた。北海道産木材やエゾシカ革、帆布などの素材を使用し、北国の暮らしに通じる「シンプル・ミニマル・ユニーク」をキーワードとしたバッグを、一つひとつ丁寧に作り上げている。

住所:〒064-0944 北海道札幌市中央区円山西町1-3-7 MAP
電話:011-699-5360
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜(不定休あり)
KEETS HP:http://keets.co.jp/

シャクッと崩れ、旨みの余韻を残し、消える衣。天ぷらの歴史に新たなページを刻む、静岡の名店。[板前てんぷら成生/静岡県静岡市]

独学で積み上げた『成生』の天ぷらは、唯一無二の味と食感。

板前てんぷら成生OVERVIEW

日本一高い山と、日本一深い湾を擁する静岡県。温暖な気候と豊かな土壌は数々の作物を育て、無数に流れる川は土地を数々の水系に分け、多様性を生む。そんな静岡県を「料理人にとって天国のような場所」と言い、毎日いきいきと飛び回る料理人がいます。それが新静岡駅近くに暖簾を掲げる『板前てんぷら成生』の主人・志村剛生氏です。

いまや予約は数ヶ月待ち。県外からも連日多くのゲストが訪れる名店ですが、志村氏のスタンスは、はじめて店を開いた頃のまま。「生産者を訪ねれば、毎日なにか発見があります」そう言って店が休みの日でさえも、自らハンドルを握り、県内を飛び回るのです。

もちろん、恵まれた食材を生かすのは、志村氏の技。師に教えられた技術ではありません。独学で試行錯誤を繰り返し、少しずつ、着実に積み重ねた技の結晶。それが『成生』の味の根幹なのです。

「わざわざ静岡に天ぷらを食べに来る理由」志村氏が繰り返し語ったその言葉。食材探しに同行し、仕込みを見学し、話を伺ううちに、その答えが見えてきました。

住所:〒420-0839 静岡県静岡市葵区鷹匠2-5-12 MAP

電話: 054-273-0703

半島に残る歴史遺産を活かす。俵ヶ浦半島での暮らしを守るために動き始めた次世代。[九十九島/長崎県佐世保市]

明治33年(1900年)に完成したままの姿で山中に眠る小首堡塁跡。

九十九島知られていなかった俵ヶ浦半島の魅力に、触れてもらうことが第一歩。

佐世保市街地から南西に車でおよそ20分。北や西に九十九島(くじゅうくしま)湾、東に佐世保港を望む俵ヶ浦半島。庵浦町、野崎町、下船越町、俵ヶ浦町の4つの町からなる自然豊かなエリアです。俵ヶ浦半島で最も有名なスポット九十九島湾の絶景を見下ろす展望台『展海峰(てんかいほう)』ですが、今回はもっと奥まで足を伸ばしてみます。

そこで見えてきたのは、俵ヶ浦半島に残る原風景、人々の暮らし、半島が刻んできた100年以上の歴史でした。
まず話しをうかがったのは、俵ヶ浦半島の有志からなる『チーム俵』のメンバーの一人、山口昭正氏。同グループのトレイル部部長です。
「俵ヶ浦半島には4つの町があり、それぞれで『歴史遺産トレイル』、『お遍路トレイル』、『ごちそうトレイル』、『水神山神トレイル』というテーマでルートを整備しています。基本的には各町に元々あった生活道路を活かしたルート。整備の一例でいうと、ルート上に地域住民で手作りした道標を掲げたり、草刈りをしたり」と山口氏。

▶︎詳細は、SASEBO TIMES/多島美を有する海を舞台に、守るべき文化と新時代の叡智が共存する。

トレイル部部長としてトレイルルートの整備に取り組んだ山口氏。美しい九十九島湾を見ながら、俵ヶ浦半島の魅力を語ってくれた。

『展海峰』から眺望する九十九島湾。『世界で最も美しい湾クラブ』に加盟認定されたことも納得の絶景が広がる。

九十九島交流人口を増やし、雇用を生み出す。最終目標は定住者を増やすこと。

トレイルルートを新たに作るきっかけはなんだったのでしょう。
「いろいろなことが複雑に絡み合っているから…」と前置きした上で、山口氏は「まず、過疎化が進んでいることが大きな課題でした。小学校が廃校になったり、中学校も統合されるなど、子どもたちの数が減っているんです。つまり僕らぐらいの若い世代がこの地区から離れてしまっているということ。全国的に問題になっていることですが、ここもまた年々高齢化が進んでいます。それに歯止めをかけるには、俵ヶ浦半島に雇用を生み出し、定住を促す必要がある。ただ、大きな雇用を生む事業を僕らが立ち上げるのは現実的に難しい。そこで、まずは観光による交流人口を増やすために、トレイルルートを整備することにしました。その際、ご協力いただいたのが九州大学の景観研究室の樋口准教授でした。樋口准教授の“俵ヶ浦半島には多くの人々を感動させる風景が残っている”という言葉が大きなきっかけになりましたね。そこから地域の人々が一体となって道標を手作りし、この俵ヶ浦半島を歩いてもらう仕掛けを作りました」と教えてくれました。

山口氏の家業は代々続く農家。俵ヶ浦町でタマネギやキャベツ、カボチャなどを栽培している。

九十九島地域住民が一体となってプロジェクトに取り組むことが大切。

漁村や農村などで全国的に問題になっている過疎化に歯止めをかけるための一つの手。今までも当たり前にそこにあった風景にスポットを当て、道標を作るなどして、歩きやすい環境を整える。しかも、それを地域住民が自分たちの手で行う。この手段なら、コストがそこまでかからない上、地域が一体となって同じベクトルでプロジェクトを進めることができます。俵ヶ浦半島における、トレイルルートの整備はまさにその成功モデル。

ただし、そのプロジェクトを進めるにあたり、誰かがリーダーにならなければいけません。その一人が山口氏というわけです。
2014年ごろから始まったこの取り組みにより、『展海峰』からさらに半島の奥へと足を伸ばしてくれる観光客も少しずつですが増えてきたと山口氏は話します。

どんな風景に出会え、歩き終わったあとにどんな思いを感じられるのか。4つあるルートのうち、俵ヶ浦半島はもちろん、軍港として栄えた佐世保の歴史まで紐解けるという、俵ヶ浦町のトレイルルート『歴史遺産トレイル』を実際に歩いてみました。

地域住民が手作りした道標。道は住民用の生活道路で幅が狭いため、車でのアクセスは難しい。歩いてしか出会えない風景がこの先にある。

九十九島半島の南端に残る歴史遺産を巡る。それは佐世保市のルーツを探る旅。

俵ヶ浦半島の南端に位置する俵ヶ浦町は、軍港として開港した佐世保港を護るために、明治期に設置された砲台や観測所、江戸時代に海域の警備のために置かれた船番所、中世の山城跡が今なお残っています。
そんな俵ヶ浦町のトレイルはのどかな漁村の風景が広がる俵ヶ浦港からスタート。車だと一瞬で過ぎ去ってしまう風景も、歩いてみるとよりその素晴らしさを実感することができます。

道すがら、山中に「陸」と書かれた石標が多数あることに気づきます。これは明治時代、この地が旧陸軍によって管理されていた証です。トレイルルートとなっている道もかつて要塞を築く際に、港からトロッコに石やレンガなどを積んで上った道だそうです。山中には石垣なども残されており、自動車や重機がなかった時代に、こんな大規模な要塞を築いたことに驚かされます。

どんどん道を上っていくと、最初の目的地である『旧陸軍佐世保要塞丸出山堡塁観測所跡(きゅうりくぐんさせぼようさいまるでやまほるいかんそくじょあと)』に到着。ここは丸出山堡塁(まるでやまほるい)に設置された28cm榴弾砲の砲戦指揮のために建設されたもので、測遠機で敵艦との距離や弾着地点を観測して砲台に連絡する施設だったそうです。観測所の周囲に濠が掘られており、海から観測兵の動きが見えないように工夫されており、今もその形は残っていました。

のどかな原風景が広がる俵ヶ浦港一帯。ここに暮らす人々の生活も垣間見える。

トレイルルートはアスファルト舗装された道なので、スニーカーでも十分に歩けます。

『旧陸軍佐世保要塞丸出山堡塁観測所跡』は標高125mに位置し、九十九島湾を一望。現在では穏やかな風景が広がるのみだが、戦時下、佐世保は日本西部防衛における要所だった。100年を超える遺構越しに見る九十九島にそんな思いを馳せる。

敵弾を防ぐために備えられた装甲掩蓋。日本国内では丸出山と和歌山県の由良要塞友ヶ島第一砲台に残されているのみだ。

装甲掩蓋の中に入ると四方が見られるように窓があることに気づく。現在では木々が成長して海は見えないが、当時はこの場所から海を観測していたと推測できる。

九十九島かつてここが要塞だったことを示す、旧陸軍関連の遺跡群。

道標に沿って歩き、2つ目のハイライト『旧陸軍佐世保要塞小首堡塁跡(きゅうりくぐんさせぼようさいこくびほるいあと)』へ。ここは1900(明治33)年に築かれた砲台で、『丸出山堡塁』と同じく、接近する敵艦船との長時間の砲戦を想定した砲戦砲台です。24cmカノン砲4門を主兵装とし、副兵装として15cmカノン砲2門を装備した砲台で、太平洋戦争開戦後の1942(昭和17)年まで存続したそうです。

今回のトレッキングに同行してくれた地域おこし協力隊の久米川泰伸氏は、俵ヶ浦半島の魅力をこう話します。「地域おこし協力隊として2018年7月に佐世保市にやってきました。まず俵ヶ浦半島に来て感じたのが、地域の人同士の繋がりが強いこと。この一体感があってこそ、トレイルコースを整備することができたんだと実感しました。実際に歩いてみて、やはり感動するのは景色です。『丸出山堡塁』など絶景スポットもありますが、ほかは正直そこまでシンボリックな風景はありません。ただ、逆に原風景ともいえるそんな景色こそが、俵ヶ浦半島の魅力だと思っています。ぜひ、佐世保市を訪れた際は、のどかな時間が流れる俵ヶ浦半島まで足を伸ばしてほしいですね」。

『旧陸軍佐世保要塞小首堡塁跡』の掩蔽壕(えんたいごう)。全6室と、規模は『丸出山堡塁』より大きい。天井のコンクリートの厚さは1m以上ある。

洞窟のようにひんやりとした掩蔽壕内。佐世保要塞では実戦が行われなかったことから当時の姿そのままに現存している。

俵ヶ浦半島の地域おこし協力隊、久米川氏。佐世保市に来る前は京都でゲストハウスを起業・経営。

農業が盛んな俵ヶ浦半島。随所でのどかな原風景に出会える。

九十九島半島の自然・歴史=財産と捉え、地域住民が一体となって未来へ進む。

俵ヶ浦半島は佐世保市街のように食事やショッピングが楽しめたり、観光スポットが充実しているエリアではありません。ただ、軍港として栄えた佐世保のルーツが眠る地であり、今でも『丸出山堡塁観測所跡』『小首堡塁跡』など、その証ともいえる遺跡が随所に残っています。

2018年4月には『展海峰』にあった直売所が、カジュアルでオシャレな『半島キッチン ツッテホッテ』としてリニューアルオープンするなど、『チーム俵』の動きはますます活発になっています。
半島の南端に位置する『白浜海水浴場』に代表される美しい自然、『チーム俵』として地域を盛り上げる若きリーダー、そして彼らの活動に賛同し、協力を惜しまない地域住民たち。これら3つが組み合わされば、俵ヶ浦半島の未来は明るい。実際にトレイルルートを歩いてみて、その思いを強くしました。
山口氏がふと話していた、「キレイな海があるし、レジャーとして釣りとかを楽しめるようにしたいんですよね。きっと、もっとやれることはたくさんある」という言葉もまた、頼もしい限りです。

美しい砂浜と透明度の高い海水が魅力の白浜海水浴場。夏は多くの海水浴客で賑わう。

『チーム俵』のオリジナルTシャツ。「ヒトがオモテ」のキャッチコピーからも人の温かみを感じられる。

『展海峰』にオープンした『半島キッチン ツッテホッテ』。俵ヶ浦でとれた魚介や野菜を使った軽食を味わえる。俵ヶ浦半島のトレイル情報なども発信。

『半島キッチン ツッテホッテ』の名物メニュー『俵コロッケ』(4種セット600円)。アオサ入りクリームソース、ヒジキのライスコロッケなど地元の特産を活用している。

チーム俵 HP:https://tawara99.com/

倉敷に積もりました~!!!

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは雪

 

 

最近は、暖かくなったり寒くなったりで美観地区の

気温の変化を楽しめる時期になってきましたにこにこ

 

そして

ついに

 

 

待ちに待った雪が美観地区に降りました~--

 

 

 

 

 

 

岡山には滅多に雪が降らないのでテンションが上がりました雪結晶にこ!!

 

 

 

寒くなったり暖かくなったりと

温暖さで体調を崩しやすい季節なので

皆様どうかお気を付けくださいませクマハート

 

 

 

“食”の力で金沢の未来を切り拓く。[とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO/石川県金沢市]

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO金沢ならではの美味に出会える「現代版屋台村」。

その土地ならではの食材や食文化は、旅の醍醐味。ですが、慣れない土地で見知らぬ美味を求めてさまようのは、少々大変かもしれません。

そんな旅人にも、また、地元に住まう人々にも、すぐに見つけられる「食のステーション」とでもいうべき存在が、金沢の中心街に誕生しました。
その名は『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』。かつて金沢の中心街・片町にあった天神様・お稲荷様・金比羅様の三神を祀っていた小橋菅原神社にちなんで、天神様の参道を示す「とおりゃんせ」の名を冠しました。

わらべうたの歌詞として有名な「とおりゃんせ」は、「ここをお通りなさい」という意味。訪れる人々への歓迎の想い、ここを通過点として大きく羽ばたいてほしい、という出店者への想いなどなど、この場から様々なムーブメントを起こしたい、という希望が込められているそうです。

現在テナントとして入っているのは、フレンチ・季節のおばんざい・イタリアン・炉端焼き・燻製とラム酒のバー・海老専門店・中華・ラーメン店の8店舗です。いずれもモダンな個性を漂わせながらも、金沢の食材と食文化を満喫できるラインナップです。

北陸随一の繁華街・片町に、金沢の食をモダンに味わえる「現代版屋台村」がオープン。

フレンチに和食の要素を取り入れた『和ビストロ 久遠』。2月からはコース料理も提供。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO金沢の食文化を守りながら新たな形に発展・活性化させる試み。

まずは『和ビストロ 久遠』。「和の素材に洋の技、2つを結ぶ一皿」をキャッチコピーとして、大野醤油や塩麹・抹茶などの和の素材を取り入れた「金沢フレンチ」のお店です。鰤(ブリ)や香箱蟹などの、石川ならではの食材もふんだんに使用。盛り付けの美しさにも注目です。
次は『季節のおばんざい 中にし』。「小鉢で感じる四季のうつろい」をテーマに、冬至にはカボチャ、節分にはイワシなどなど、日本人が大切にしてきた「季節のこころ」を漂わせる料理が並びます。「ほっとするような場所」を目指しているとのことで、身体に優しい金沢の家庭料理を、懐に優しい価格でふんだんに味わえます。

『季節のおばんざい 中にし』。誰でも温かく迎え入れてくれる、深夜食堂のような場所を目指している(営業は夕方から)。

海老だけの刺身盛りやユッケなど、とにかく海老づくしの『海老専門店 九代目 海老翔(えびしょう)』。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO1ヵ所で楽しめる金沢のグルメ巡り!

続いて『海老専門店 九代目 海老翔(えびしょう)』。徹頭徹尾、海老ざんまいのお店で、日本海の荒波にもまれた多種多様な海老が味わえます。津幡(つばた)の老舗の酒蔵・久世酒造の久世嘉宏氏と、東京で飲食店をプロデュースする坂田和文氏の共同出店で、新鮮な車海老をその場で日本酒に漬け込んだ「酔っ払い海老」が目玉。もちろん金沢名物の「白海老」の料理もあり、日本酒の豊富なラインナップも魅力です。

そして『燻し屋らむ』。フランス人の兄弟が営む燻製料理とラム酒のお店です。アナゴやサバ・煮卵などの燻製とラム酒とのハーモニーが、ここにしかないエスプリを奏でます。チップの種類や燻す温度で変わる燻製の奥深さを楽しめる他、果物やコーヒー豆を漬け込んだ多彩なラム酒も多数。和食器を用いたデコラクティブな盛り付けも必見です。

旅先だからこそ味わいたいラーメン店もあります。『Kanazawa ramen WAKA』は、はんなりと上品な鶏出汁のラーメンに、生産量日本一を誇る金沢産の金箔が浮かびます。また、近年人気の「鶏白湯(とりぱいたん)」ラーメンも人気。とかく豪快・濃厚なイメージがあるラーメンですが、金沢ならではの風雅な一品が楽しめます。

『magazzino38 fatto a mano(マガジーノ38 ファット・ア・マーノ)』は、あらゆる食材がオリジナルかつ手作り!

料理とシェリー酒の新たな関係を探り、金沢ならではの中華を供する『中国料理とシェリー酒 西華房(さいかぼう)』。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO溢れる個性を全店制覇したくなる。

『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』は、開放感のある2階建てです。2階にあるのは、以下の3店舗。
まずは『magazzino38 fatto a mano(マガジーノ38 ファット・ア・マーノ)』。食材を命と考えるイタリアンで、ハムもチーズも手作りです。金沢特産のサツマイモ「五郎島金時」をニョッキにするなど、金沢の恵みもフル活用。しかも日替わりメニューでパンやチーズ、シャルキュトリーまで手作りしています。もとは加工食品の工房で、出店の動機は「お客様の反応を直接見たい」だったそうです。妥協のないおもてなしが魅力です。

続いては『中国料理とシェリー酒 西華房(さいかぼう)』。紹興酒のように味わえるというシェリー酒と、中国料理とのコラボレーションが醍醐味。餃子や炒飯などの中華の定番から、石川の食材「堅豆腐」を使った山椒麻婆豆腐、能登豚の中華風スペアリブなどの変わり種まで取り揃えています。シェリー酒は、常時数種類を用意。飲みやすいものから個性的な輸入物まで、幅広く味わえます。

最後の『旬楽(しゅんらく)』は、「輪島の魅力を炙り出す」炉端焼きのお店。輪島直送の新鮮な魚介の一夜干しを、手ずから炙りながら地酒や焼酎とともに頂きます。他にも岩もずく・甘エビの塩辛・ホタルイカの沖漬けなどなど、石川の珍味が多数。締めはノドグロ出汁のお茶漬けでスッキリしましょう。

輪島直送の一夜干しを炉端焼きで焼肉のように堪能できる『旬楽』。

「LABO=実験室」という名が示すとおり、何が起こるかわからないワクワク感が魅力。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABOコンセプトは「実験」。金沢の中心部を“食文化の中心地”にする。

『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』は、金沢の中心部を「食文化の中心地」にするという挑戦でもあり、実験的なプロジェクトでもあるそうです。

北陸の豊かな食材をどう生かすのか。器とどう組み合わせるのか。お客様をどう楽しませるのか――出店者たちはそれらに悩み、挑みながら腕を磨いています。飲食店を志す人々のロールモデルの場ともなっていて、あらゆる「食の実験」に取り組んでもらうことを目指しています。

更に、入れ物となっている場所自体にも実験的な要素が多数。
まずは支払いを電子マネーとカードのみにして、ゲストの手間と店舗の事務作業を軽減する「キャッシュレス経済」。ゲストは複数の店舗をはしごしやすくなり、店舗は締め作業や帳簿付けなどの負担が激減して、ワンオペレーションや少人数経営が多い飲食店に大きなメリットをもたらしました。

また、テナント契約を2年限定にして、新たな業態や新規出店を「実験」しやすい環境を提供。あらゆる食のカテゴリーを集めて食のトレンドや楽しみ方を発信するという、大本のコンセプトの賜物です。

個性豊かな飲食店を気軽にはしご。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO第一のターゲットは金沢市民。地域の食の魅力を再発見。

観光スポットとしても魅力的な『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』ですが、そのターゲット層は第一に金沢市民だといいます。

「片町は金沢一の繁華街で、県外や海外から多くの観光客が訪れます。ですが、住人は逆に郊外に流れ出しており、ドーナツ化現象が進んでいるんです。この問題を解消するために、改めて金沢市民が憩える場を作りたい――それが一番の願いでした」と、事務局・プランナーの中神 遼氏は語ります。

「金沢は豊かな食材と食文化を誇る、海のものも山のものも美味しい土地です。それを更に発展させたいという気概を持った料理人たちに、チャレンジの場を提供していきたい。そして、金沢の人々に足しげく通って頂ける場所にもしたい。金沢の食の魅力を再発見できるスポットにして、ここに来れば新しい金沢の食が楽しめる、という場にしていきたいんです」と中神氏は続けます。

歴史ある観光地が抱える負の側面。それを改善して未来につなげる活動でもあるのです。

地域の人々にこそ愛される場所を目指す。

とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO本格始動に向けてイベントが目白押し!

『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』のテナント数は現在8店舗ですが、キャパシティは全部で12店舗。残り4店舗も徐々にオープンしていき、4月には本格的に始動します。その全てが異なるカテゴリーで、料理も個性も様々。それらが連携するイベントやキャンペーンも、積極的に行っていくそうです。

2月には「バレンタインキャンペーン」として、各店舗で特別なメニューやお土産を用意。そして厳しい北陸の冬が明ければ、中央の共有スペースを立食スペースとして開放。夏にはビアガーデンなどのイベントの場としても活用していきます。

金沢の豊かな食文化を、地域の人々とともに発展させていきたい――そんな『とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO』の理想は、新進気鋭の料理人たちの夢を後押ししながら広がっていきます。

いつ訪れても、何度訪れても楽しめる場所。

住所:石川県金沢市片町2丁目23-6 MAP
問い合わせ:contact@touryanse.info
※各店舗の詳細はホームページをご覧ください
とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO HP:https://touryanse.info/
写真提供:とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO

@adidasfun

フリーキックが行なわれたのち、ゴールキーパーが触れるか、クロスバー・ゴールポストに当たるか、ボールがピッチ外へ出るまで、他のプレーヤーはボールに触ることができない。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム

たとえクレイジーだといわれても、津軽にしかない木工製品を。[TSUGARU Le Bon Marché・木村木品製作所/青森県弘前市]

代表の木村氏(中央)を囲む工房の製作チーム。それぞれの職人が、得意分野を生かしながら働く。

木村木品製作所その木工品は、千年という名の街で生まれる。

弘前市郊外に「千年」という街があります。「千年」と書いて読み方は「ちとせ」。とても美しいこの名前は、江戸時代、霊峰岩木山を見渡せるこの地をお茶や花火を楽しむ一大行楽地にしようと、津軽藩の藩主によって名づけられたそうです。そんな風流ないわれを持った地に、小さな木工製品の工房『木村木品製作所』はあります。

事務所にずらりと用意されたサンプルは、木のぬくもりを感じるものばかり。木目の美しさと木肌のきめ細かさが際立ち、思わず触れたくなるような仕上がりです。現在代表を務める木村崇之氏は、木工屋の4代目。実は木村氏の代から、『木村木品製作所』の名前は飛躍的に知名度を上げました。そのきっかけとなったのが、津軽の名産品・りんごの木を使ったシリーズ。箸や器、バターベラなど食卓で活躍するアイテムから、ソープディスペンサーといったバス用品、アクセサリーやインテリア小物まで、ラインナップは実に多彩です。

通常、木工品の工房では、加工用の木材を仕入れて手を加えることがほとんど。しかし驚いたことに、ここで使われているりんごの木は、農園から伐採して製材にし、長い時間をかけて乾燥させるという工程を、全て自分たちで行っているというのです。「後からヒビが入ったり虫が出てきたりして、使えるのは全体の半分程度」と木村氏。りんごのイメージが強い津軽ですが、木村氏が手がけるまで、りんごの木を使った木工品はほとんどありませんでした。更にいえば、『木村木品製作所』の商品が知られるようになった今でも、追随する商品はごくわずか。その理由は、そもそもりんごの木が加工に適さないからなのだと木村氏。

▶詳しくは、TSUGARU Le Bon Marché/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!

工房の近くにある「千年」駅。「昔はりんご畑と田んぼばかりの場所でした」と木村氏。現在周辺は住宅街に。

看板もよく見ると木製。曾祖父が始めた会社が現在の「木村木品製作所」となったのは、木村氏の父の代から。

ほとんどの作業を職人が行う。「機械制御でやると思われがちですが、人の感覚で削っているんです」と木村氏。

木村木品製作所苦労の末、銘木として生まれ変わったりんごの木。

りんごは硬いことで知られるバラ科の植物。特に収穫しやすいよう剪定して背丈を低くする津軽のりんごは、幹が曲がりくねってこぶも多く、通常の製材機械ではすぐに刃がだめになるほど加工が難しいのだとか。「りんごの名産地は海外にもありますが、りんごの木を木材にしている所は世界的にも聞いたことがない」と木村氏。が、その一方で、役目を終えたりんごの木が毎年大量に廃棄されるという現状がありました。

りんごは地域の宝もの。実だけでなく、木本体も活用したい……。知人の畑から廃棄用のりんごの木を譲り受けたことがきっかけで、商品開発を始めた木村氏。「周りの同業者からは、クレイジーだといわれるようなこと。自分たちでも、やってみて初めてその大変さがわかりました」と語ります。ところが、試作品がメディアで紹介されると大きな反響が。展示会での評判も上々で、しだいに応援してくれる人が増えていきました。りんごの木工品が、りんごの木という新たな津軽の地域資源に光を当てたのです。

「思った以上の反応も嬉しかったのですが、作っている私たちも、りんごの木は海外の銘木にも負けない素材だと実感できたんです。ほら、深みのある色合いと質感が、本当に綺麗でしょう?」と木村氏。改めて感じたその魅力を生かし、満を持してリリースされたアクセサリーブランドに、木村氏は「CHITOSE」という名をつけました。ここ千年の地で1000年続くブランドになるように、そして津軽のりんご文化が、これからも長く久しく続くようにという願いを込めて。

「CHITOSE」のりんごをモチーフにしたアクセサリー。一部に金粉を施し、ユニークでモダンなフォルムに。

伐採、剪定されたりんごの木が並ぶ乾燥室。ヒビや節などを除くと、使えるのは約5割という歩留まりの悪さ。

使い込まれた工具があちこちに。ちなみに、りんご用の製材機械は自作したそう。りんごの木が硬すぎて市販品は使えないのだとか。

木村木品製作所弘前の四季を彩る木々が、日常のかたわらにある楽しみ。

広々としたりんご畑の他に、弘前を代表するもうひとつの景色といえば、それは全国有数の名所として知られる弘前公園の桜でしょう。そう、『木村木品製作所』は、この桜を使ったアイテムでも人気を博しているのです。きっかけは、りんごのシリーズで知られるようになった後、弘前の資源を再利用する企画の一環として、市から剪定木を譲り受けたこと。それまで産業廃棄物として捨てられていた剪定木は、今、『木村木品製作所』を通して様々な姿に形を変え、人々の日常に溶け込んでいます。

弘前公園にある約2,600本もの桜の木が剪定されるのは、毎年2月。限られた時期に限られた量しか手に入らない素材ゆえ、現在は生産量を確保しづらいのが悩みだとか。「でもやっぱり、他の桜の木ではだめ。弘前公園のあの桜だから作る意味があるんです」と木村氏。

弘前公園の桜は、覆い被さるように広がる見事な枝ぶりや花数の多さで知られますが、そこには津軽のりんごの剪定技術が応用されていることをご存知でしょうか。そして木村氏の曾祖父が木工製品を作り始めたのは、青森ヒバを使ってりんご農家の作業用のはしごを作ったことがきっかけだとか。りんご、桜、青森ヒバ……。木村氏の話を聞いていると、津軽を取り巻く木々が不思議とつながり、縁となって、『木村木品製作所』を支えているような気がしてきます。

弘前公園の桜を使った名刺入れは、木村氏自身も愛用。中にバネが仕込まれ、スムーズに名刺を取り出せる仕掛け。

青森ヒバで作った赤ちゃん用ラトル。一番奥が完成品。中にビーズを入れて木を貼り合わせ、手で削って仕上げる。

りんごと青森ヒバを組み合わせた「Ringoスツール」。曾祖父が手掛けたはしごへのオマージュを込めた。

木製の子ども用玩具や遊具でも知られる存在。弘前駅前にある商業施設内のキッズスペースも手がけた。

木村木品製作所世界に届く「青森のものづくり」を目指して。

国内外の大規模な展示会で商品を発表するなど、順調にも思える『木村木品製作所』のキャリア。しかし、木村氏が代表を引き継いだ頃は、今とは事情が違いました。当時は店舗用の建具や什器(じゅうき)など、受注生産の大型品の製造がほとんど。直接お客さんの手に届く木の小物を作りたいという木村氏の思いは、反発を受けることもあったそうです。「でも、間違っていなかった、やっぱりやって良かった。今はそう思えます」と、木村氏は笑顔で話します。

お客さんのリアルな感想が届く喜びは、スタッフの仕事の原動力に。メディアに紹介されたことで、コンセプトに共感して仕事の依頼をしてくれる人が現れ、販路も広がりました。りんごの木の加工に挑戦したことで技術力が上がっただけでなく、細かな作業を要する小物作りは、若手が経験を積めるため育成の土台にもなりました。小物や大型什器だけでなく、受注生産も自社生産もできる今の『木村木品製作所』は、ひとつにまとまったチームの強さを感じさせます。

現在力を入れているのが、青森ヒバに始まり、りんご、桜とつながってきた工房の原点・県産材を使った可動式プロダクトの企画です。ライフスタイルに合わせて好きな場所に動かせ、棚にも机にも間仕切りにもなる自由度の高いプロダクトだそうです。そんな新しいチャレンジについて語る時、木村氏の目は一段と輝きを増しました。「こんな小さな木工屋が、たくさんの人に知ってもらえるようになったのはありがたいこと。これからは世界に知られるブランドになっていきたい」と木村氏。青森の木々が世界各地で活躍する光景が、彼にはもう見えているのかもしれません。


(supported by 東日本旅客鉄道株式会社

大学で空間デザインを学び、東京で施工デザインの仕事もしていた木村氏。大きな組織に属するより家業を継ぐことを選んだのは、ものづくりを愛する職人気質から。

住所:青森県弘前市千年4-3-17 MAP 
木村木品製作所 HP:http://www.kimumoku.jp/

見渡す限りの畑、湖上を走る漁船。数々の“美味しい”に満ちた行方市の風景。[茨城県行方市]

茨城県行方市土地は産物を育み、人はその土地を誇る。繰り返される行方市の好循環。

これは行方の財産です──とあるサツマイモ農家の方は、行方の土壌をそんな言葉で語りました。

関東ローム層の土壌は年間60品目にも及ぶ作物を育て、栄養を湛えた霞ヶ浦の水は日本一の呼び声も高いシラウオやエビを育む。豊かな土地は町に恵みをもたらし、ここで土地とともに生きる人々はそんな行方を誇りに思う。繰り返されるそんなサイクルが、行方市の生産物に他の追随を許さぬ美味しさを加えているのです。

土地と人、その両輪が育む美味しさ。今回の映像では、きっとそんな行方市の美味しさの理由がお届けできることでしょう。見渡す限りの畑、早朝の湖上を走る漁船、目にも美味しそうな生産物の数々。美しい土地と住民の誇りに満ちた、行方の風景をご覧ください。

▶詳細は、NAMEGATA TIMES/年間60品目以上の農産物と豊かな水産物。霞ヶ浦の東岸に広がる、豊穣の大地。

@adidasfun

ゴールクリアランス。ゴールラインを割ったときに最後に触れた選手が攻撃側だった場合、守備側のゴールキーパーがペナルティエリアの任意の地点からボールを投げる。直接ゴールに入れても得点とはならない。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム

下関の魚の王様として君臨し、天然物は最高級!トラフグ、その真の魅力とは?[Fisherman’s Wharf SHIMONOSEKI・トラフグ/山口県下関市]

フィッシャーマンズワーフ 下関・トラフグOVERVIEW

KING of FUGU!

トラフグといえば、数あるフグの中でも味も値段も最も高いと言われるフグの王様。その天然物ともなれば最高級品として驚くほどの高値で取引される日本屈指の高級魚です。
そんなトラフグの日本最大の集積地こそ、ご存知・下関なのです。

実はトラフグは各地を回遊する魚であり、黄海から東シナ海、日本海の能登半島、さらには瀬戸内海、遠州灘、伊勢湾まで広く分布しています。
下関産のトラフグも東シナ海や日本海で漁獲されたものを「外海産」、瀬戸内海、遠州灘、伊勢湾で漁獲されたものを「内海産」と呼び取引されているのです。

ではなぜ、実に8割もの天然物が下関へと集まり水揚げされているのか?
その答えは諸説あります。

例えば、初代総理大臣の伊藤博文が下関でフグ食を解禁したことが発端だとか、
関門海峡が交通の要所であったことだとか、さらに下関が面する3つの海(日本海、瀬戸内海、関門海峡)がともにフグの好漁場であったことなども。
さまざまな時代背景や地理的要因、加えて地域のバックアップもあり、
戦後、下関は一躍フグの街へと発展していったと言われているのです。

トラフグの取扱量日本一の南風泊(はえどまり)市場より、日本各地へと運ばれるトラフグ。そしてフグの街のイメージが強い下関。今回は改めて下関の地で、キングオブフグの魅力を紐解いていきます。

▶詳細は、FIsherman's Wharf SHIMONOSEKI メインページ/豊かさの再発見。改めて知る海峡の街・下関へ。

(supported by 下関市)

13oz N-1ジャケット

 

皆様こんにちは!にこ

今日の倉敷はいつもより暖かく過ごしやすいです!!コスモス

っと言ってもまだまだ寒い二月・・・もやもや

 

そんな時に大活躍間違いナシの商品をメンズ館から紹介致します!!

 

児島GENES

13ozデニムN-1ジャケット \34,560

(RNB-593)

 

 

 

N1デッキジャケットをベースにA2デッキジャケットの要素をプラスした裏ボア!

 

前はファスナーからのボタン!

しかもボア仕様なので防寒性にも優れ、寒い日でも心強いですねマクアガセ

 

袖部分は中綿キルティングを用い、袖口部分は風の侵入を防ぐ内側リブ仕様となっています!カエルコスモス

 

 

濃紺のインディゴデニムを使用されているので、使い込むごとに経年変化が楽しめる育てるアウターなのです--にこにこハート

ポケット口にはブラックレザーも使われているのでオシャレにカッコ良く防寒が出来る商品となっております!!

 

 

長持ちもしますので寒い時期の相棒としていかがでしょうか仲良し雪結晶

 

倉敷に来られた際は試してみてくださいね--

心よりお待ちしておりますクマ

 

 

 

 

@adidasfun

イタリアでは、「カルチェット」と呼ばれている。サッカーと同じく「Serie A Calcio a 5」という名称のプロリーグがある。「Serie B」、「Serie A femminile (女子) 」などもある。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム

【お知らせ】一般のお客様への藍染体験受付について

20190202

こんにちは。藍染坐忘です。
日頃よりご愛顧頂きまして、誠にありがとうございます。

 

体験の今後の受付につきまして、皆様にお知らせがございます。

 

この度、一般のお客様向け藍染体験の開催日時を、
各月の土曜に限定した、先着定員制とさせていただく運びとなりました。
また、近日中に体験ご利用価格の全面改定も予定しております。
こちらにつきましても、定まり次第、改めてお知らせいたします。

 

体制・また価格変更の背景といたしまして
限られた職人・スタッフで工房を運営していること、
また、藍の原料「すくも」の希少化・高騰の影響にて、 今まで以上により厳かに、「天然藍」を取り扱っていく方針と定めたことがございます。
今後は、そんな貴重な藍の可能性、素晴らしさをより丁寧に広げ伝えるべく、
お客様に喜ばれる商品の充実化、豊かさに繋がる企画開発に注力し、今一度の基盤づくりに邁進していく所存です。

 

<2019年2月〜藍染体験一般受付 変更概要>
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◆毎月土曜のみの開催となります。お電話・またはサイトご予約カレンダーよりお申し込みください。
◆時間帯は10:00〜、14:00 〜の2回、定員は各時間6名〜最大で8名様となります。
◆開催日の3日前迄に、お申込みが5名に満たない場合は、誠に申し訳ございませんが場合により開催を中止させて頂く場合がございます。
◆体験をされない、付き添い・見学のみでのお申込みは、原則ご遠慮頂いております。
※未就学児童・身体の不自由な方の介助についてはOKです。
◆5名様以上となる団体体験をご希望の場合は、指定日以外も柔軟にご対応いたします。お電話でお問合せ下さい。
(4名様以下の場合は、一般開催日のみの対応となりますので予めご了承下さい。)
◆駐車場が限られております。お車で来られたい方は、事前にお知らせ頂いた方の先着順とさせて頂きます。
◆キャンセル・ご変更は開催日の3日前迄にお願いいたします。直前のキャンセルは恐れ入りますがキャンセル料を頂戴いたします。

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※ご質問等がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。

これまで、平日〜土曜まで、毎日のように多くの方にご来房頂き、藍に楽しく触れて頂きましたことに深く御礼申し上げると共に、
今後共、変わらぬご愛顧の程を、何卒お願い申し上げます。

限定開催となり、皆様にはご不便をお掛けいたしますが、体験そのものを廃止する訳ではございませんので、
是非、スケジュールを調整の上、お申込み頂けますと幸いです。

※現時点で既に先の体験をお申込み・確定頂いているお客様につきましては、
ご予約通りの日程でご対応させていただきますのでご安心下さいませ。

この先、より多くの皆様に様々な形で藍に触れて頂けるよう、
更に工房の体制を整え、精進して参る所存です。

今後共、藍染坐忘を宜しくお願いいたします。

これぞ津軽の至宝。伝承料理を未来へつなぐ、頭巾姿のスーパーウーマンたち。[TSUGARU Le Bon Marché・津軽あかつきの会 /青森県弘前市]

この日腕を振るってくれたメンバーの皆さん。会長の工藤氏宅の横を通る弘南鉄道の車両が、いいタイミングで通り過ぎた。

津軽ボンマルシェ・津軽あかつきの会きっかけは、「今やらねば」という危機感から。

目にも留まらぬ早業とはこのことなのでしょうか……。総勢7名の女性たちが、わいわいと調理中の厨房の光景。他愛ない話に笑い合いながらも、手元では次々と料理が仕上がっていきます。それにしても見事な連携プレイ。あっという間に、全10品がのったお膳が完成しました。

ここは弘前市郊外の石川地区。料理を作っているのは、津軽の伝承料理を継承する活動をしている『津軽あかつきの会』のメンバーです。この場にいない人も含めて全部で29名の会員をまとめるのが、会長の工藤良子氏。工藤氏が会を立ち上げたのは今から23年前のこと。地元の道の駅で販売する餅や漬物などの商品開発や製造管理を担当する「友の会」のメンバーだった時でした。「新しい料理を考えるため、地域の高齢者の方に話を聞きに行くことになりました。そこで、津軽の保存食はすごいということに気付いたんです」と工藤氏。

冬場、厚い雪に閉ざされる津軽。農産物が何も採れなくなる中で発展したのが、干す、発酵させるといった工夫を凝らした保存食でした。春までの間を今ある食材でつなぎつつ、栄養的にもそん色なく提供するにはどうしたらいいか。昔の人の知恵が詰まった料理の数々に触れた工藤氏は、「そうした料理を集めて記録しよう。今やらないとなくなってしまう」と危機感を感じたといいます。

▶詳しくは、TSUGARU Le Bon Marché メインページ/100年先の地域を創造するために。多彩で奥深い「つながる津軽」発掘プロジェクト!へ。

全員、おそろいのりんご柄の頭巾で厨房へ。茶目っ気たっぷりにおしゃべりを繰り広げつつ、着々と仕事を進める。

献立表を確認。レシピは基本、メンバーの頭の中に。作って食べて、「津軽あかつきの会」の味を覚える。

取材するこちらも巻き込まれるほど、笑いの絶えない厨房。生き生きとした津軽弁が行き交い、心地いい。

津軽ボンマルシェ・津軽あかつきの会毎日活動し、書籍も刊行。津軽のお母さんたちの執念。

今の時代、少し移動すればスーパーマーケットがあり、コンビニエンスストアがあります。四季を問わず多くの食材が手に入る現代の日本で問題になっているのが、食品ロス。私たちは豊かになった一方、大きな矛盾を抱えながら生きています。『津軽あかつきの会』が作る伝承料理は、スーパーマーケットもコンビニエンスストアもなく、ごく限られた食材しか手に入らなかった時代に、農家のお母さんたちによって作られていたもの。時代の流れの中、人知れず消えていってしまう料理にもう一度光を当てたのが、工藤氏たちでした。

「友の会」の仲間たちで高齢者の自宅を訪ね、料理とその調理方法をひとつずつ聞いて記し、実際に試食してみる。そんな地道な作業を続ける中、レシピは膨大な数になりました。2006年にはレシピをまとめた書籍も刊行。現在もほぼ毎日活動し、日中に集まって試食や食材の下ごしらえ、保存食作りに勤しみます。週に数日は、予約制の食事会を開催。工藤氏の自宅のダイニングで、貴重な料理の数々を味わえます。

「危機感から始めた会ですが、作っていると発見がたくさんあって本当に楽しい。ほとんどボランティアのような活動でお金にはならないけれど、楽しいからこそ続いてきましたし、みんなで楽しんで作る料理だからこそ健康にいいのかなとも思います」と工藤氏。地域のいいものを発掘して広める――。我々『ONESTORY』が目指すのも同じです。そんな活動を20年以上も前から個人的に続け、心から楽しむ工藤氏たちの姿勢には、編集に携わる立場として頭が下がる思いでした。

近所の国道沿いから、雪を被った津軽富士・岩木山の姿を眺めて。冬の津軽らしい風景が広がる一帯だ。

大根やにんじん、ごぼう、山菜、大豆をすった“ずんだ”を入れた「けの汁」。津軽ではおなじみの伝承料理。

厨房に干された大根と、大根の葉“しぐさ”。しぐさは干した後に茹で、軟らかくしてから刻んで汁の具にする。

津軽ボンマルシェ・津軽あかつきの会北国の知恵が詰まった滋味深い料理たち。

目の前に並ぶ食べ切れないほどの料理。津軽出身ではない人も、「初めて食べるのにどこか懐かしい」と感じるのではないでしょうか。使う野菜はメンバー宅で栽培したものを持ち寄るか、近所の道の駅や直売所で購入したもの。魚も地元のもので、味噌なども自家製です。もちろん化学調味料は不使用、肉や油も極力使っていません。

茹でたサメと大根を合わせ酢で和えた「さめなます」。塩蔵しておいたフキノトウの茎「ばっけのとう」を塩抜きしてサバのほぐし身と和えた「ばっけのとうとサバの酢味噌和え」。サツマイモやにんじんをほのかに甘く炊いた「練り込み」は、砂糖が贅沢品だった頃のおもてなしの料理だそうです。ニシンを塩3:麹5:米8の割合の「三五八(さごはち)漬け」にした「ニシンの飯寿し」は、濃厚で酒に合いそうな味わい。まだ寒風が吹く3月から4月にニシンを1ヵ月ほど干した後に漬け込む、津軽の代表的な保存食です。

春は山菜、ニシンやホッケなどの魚、秋は根菜や秋魚……。食材がなくなる冬のため、他の季節は保存食の仕込みで大忙し。更に、大根は葉や皮の部分も乾燥させ、刻んで汁ものに入れたり煮て切り干しにしたりと、食材を全て使い切る工夫を凝らしています。驚くのは、その深く優しい味わい。「昔の農家は肉体労働だったから塩気を強くしていたけれど、今は違いますから。塩は味を締める程度にしています」と工藤氏。昔の料理をそのとおりに作るだけでなく、時代に合わせ、食べ手の健康を考える。一過性の再現にとどまらず、受け継がれ、作り続けられることを見据えるのが、『津軽あかつきの会』のやり方なのです。

ずらりと小鉢が並ぶお膳は圧巻! 10品のおかずの他、黒豆ご飯や高菜の粕汁、漬物、甘味などが揃う。

春に塩蔵しておいた「ばっけのとう」は、丸1日水に浸し塩抜きする。保存食を使うには、前準備が必要だ。

ひと通り調理が終わると、にぎやかな試食タイムが始まる。この日は、工藤さんのご主人も一緒に食卓を囲んだ。

津軽ボンマルシェ・津軽あかつきの会明るく楽しく自然体。だから人が集まる。

長年活動を続けてきた工藤氏に、一昨年に嬉しいことがありました。それが、20代の若手メンバー、吉田涼香氏の加入です。千葉県出身の吉田氏は、城下町らしい文化が残る弘前に魅了されて移住。地域おこし協力隊の活動の一環として週4日ほど『津軽あかつきの会』に参加し、今ではすっかりレギュラーメンバーに。お母さんたちの早業のような動きにも難なく溶け込み、津軽弁の会話に加わります。

「ここにいると、津軽の食文化は本当に豊かだと感じます。自分が感銘を受けた『津軽あかつきの会』の考え方を多くの人に伝えることで、もっと多彩な津軽の文化を知ってほしい。でも、一番はこうやってみんなで作って食べるのが美味しくて。楽しいからご飯も美味しい、そんなことを改めて感じます」と吉田氏。吉田氏曰く「東北の人は閉鎖的といわれますが、ここのお母さんたちはすごく明るい! みんなで東京のイベントに遠征した時は、遠足みたいな楽しさでした。道の駅の『友の会』は、今はもっと若手に任せていて、きちんと後進に受け継ぐことができています。そんな風通しの良さも、いいなあと思うんです」。

よく「昔は貧しくて、何もなかった」と話す人がいます。でも手をかけ、食べる人のことを考えた『津軽あかつきの会』の料理を食べると、こういった伝承料理にこそ、歴史や風土に根差した真の豊かさがあることをはっきりと感じられます。それと同時に、地方の団体で若手不足が叫ばれる今、いとも自然体で後進を育てるお母さんたちの手腕に学ぶことがたくさん。「みんな、ここが好きで来てくれる人たちだから」。そう言って笑った工藤氏に、津軽の女性の強さを感じました。

吉田氏と談笑する工藤氏。吉田氏の参加を、「今までやってきたことが前進したようで、本当にうれしい」と話す。

住所:青森県弘前市石川家岸44-13 MAP
電話:0172-49-7002
1食1,500円~ ※活動は木、金、土、日の12:00~14:00。4名から受付、3日前までに要予約。

@adidasfun

自分たちのチームのサッカーユニフォームを新調しようと思って、ネットでいろんなショップを調べたけど、サイトではなかなか作成コストがわかりにくいもの。 #フットサル #サッカー #ユニフォーム